JP2023111125A - はんだバンプ付き電極基板の製造方法 - Google Patents

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Junichi KAKEHATA
邦彦 赤井
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歩未 葭葉
Ayumi YOSHIBA
敏光 森谷
Toshimitsu Moriya
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Abstract

【課題】スズ合金を含み、微小電極間の接続適性に優れるはんだバンプを備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法を提供すること。【解決手段】スズ合金を含むはんだ粒子及び電極を接触させた状態で、はんだ粒子をスズ合金の融点未満の温度でありかつスズ合金の共晶状態が維持される温度で加熱して、はんだ粒子を電極に接合する加熱工程を備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法。【選択図】図9

Description

本発明は、はんだバンプ付き電極基板の製造方法に関する。
凹溝内に配置したはんだボールを粘着ロール面に転写し、さらにこのはんだボールを電極上の粘着剤に移した後、はんだの融点以上に加熱することで、電極上にはんだバンプを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-157626号公報
特許文献1では、はんだの材料としてスズ合金が例示されている。はんだの溶融時に、合金中のスズ(Sn元素)は電極上に拡散し易い傾向がある。はんだボールの大きさが大きい場合は、このようなスズの拡散に依るはんだボール全体への影響は軽微であるが、微小な接続箇所に対応するべくはんだボールの大きさが50μm、30μmと小さくなるに従い、この影響は大きくなる。すなわち、スズの拡散がはんだボールの大きさに比して過度に進行することにより、電極上に形成されたはんだバンプが所望の組成を有しなくなる虞がある。そうすると、はんだバンプの融点が上昇したり、好ましい形状が維持できなくなり、はんだバンプの接続適性が低下する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、スズ合金を含み、微小電極間の接続適性に優れるはんだバンプを備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、スズ合金を含むはんだ粒子及び電極を接触させた状態で、はんだ粒子をスズ合金の融点未満の温度でありかつスズ合金の共晶状態が維持される温度で加熱して、はんだ粒子を電極に接合する加熱工程を備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法を提供する。このような製造方法により得られるはんだバンプ付き電極基板は、微小電極間の接続適性に優れる。そのため、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を製造するのに有用である。
一態様において、上記製造方法は、複数の凹部を有する基体と、凹部内にはんだ粒子を備え、はんだ粒子の一部が該凹部から突出している、はんだバンプ形成用部材、及び複数の電極を有する基板、を準備する準備工程と、はんだバンプ形成用部材の凹部を有する面及び基板の電極を有する面を対向させて、はんだ粒子及び電極を接触させる配置工程と、を更に備えてもよい。
一態様において、上記加熱を、はんだ粒子及び電極を加圧状態で接触させながら行ってもよい。
一態様において、上記製造方法は、加熱工程の前に、はんだ粒子を還元雰囲気に晒す還元工程を更に備えてよい。
一態様において、上記加熱を還元雰囲気下で行ってもよい。
一態様において、上記製造方法は、加熱工程の後に、はんだバンプ形成用部材を基板から除去する除去工程を更に備えてよい。
一態様において、上記製造方法は、除去工程の後に、電極に結合していないはんだ粒子を除去する洗浄工程を更に備えてよい。
一態様において、はんだ粒子の平均粒子径が1~35μmであり、C.V.値が20%以下であってもよい。
一態様において、はんだ粒子の表面の一部に平面部が形成されていてよい。
一態様において、隣接する凹部間の距離が、はんだ粒子の平均粒子径の0.1倍以上であってよい。
一態様において、はんだバンプ付き電極基板のはんだバンプの平均直径が1~35μmであり、C.V.値が20%以下であってよい。
一態様において、スズ合金がSn-Bi合金であり、はんだバンプ付き電極基板のはんだバンプに含まれる、Sn-Bi合金中のSn及びBiの質量比Sn/Biが0.2以上であってよい。
本発明によれば、スズ合金を含み、微小電極間の接続適性に優れるはんだバンプを備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係るはんだバンプ形成用部材を模式的に示す断面図である。 図2(a)は、図1における凹部の開口部と反対側からはんだ粒子を見た図であり、図2(b)ははんだ粒子の投影像に外接する四角形を二対の平行線により作成した場合における、対向する辺間の距離X及びY(但しY<X)を示す図である。 図3(a)は、基体の一例を模式的に示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のIb-Ib線における断面図である。 図4(a)~(h)は、基体が有する凹部の断面形状の例を模式的に示す断面図である。 図5は、基体の凹部にはんだ微粒子が収容された状態を模式的に示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、はんだバンプ付き電極基板の製造過程の一例を模式的に示す断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、接続構造体の製造過程の一例を模式的に示す断面図である。 図8(a)は、チップC4の金バンプの一部を撮像したSEM画像であり、図8(b)は、チップC4の金バンプ上に、作製例8のはんだバンプ形成用フィルムを用いて形成されたはんだバンプを撮像したSEM画像である。 図9は、作製例9のはんだバンプ形成用フィルムを用いて形成されたはんだバンプの、EDX解析結果による元素マッピングである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
以下で例示する材料は、特に断らない限り、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<はんだバンプ形成用部材>
図1は、一実施形態に係るはんだバンプ形成用部材を模式的に示す断面図である。はんだバンプ形成用部材10は、複数の凹部62を有する基体60と、凹部62内にはんだ粒子1と、を備えている。はんだバンプ形成用部材10の所定の縦断面において、一個のはんだ粒子1は隣接する一個のはんだ粒子1と離隔した状態で横方向(図1における左右方向)に並ぶように配置されている。はんだ粒子1は、凹部62内において、その側面及び/又は底面と接していてよい。はんだバンプ形成用部材は、フィルム状(はんだバンプ形成用フィルム)、シート状(はんだバンプ形成用シート)等であってよい。
はんだバンプ形成用部材10において、はんだ粒子1の一部は、該凹部から突出している。はんだ粒子1の少なくとも頂部が、はんだバンプ形成用部材10の凹部62から突出している(基体60の主面から飛び出している)ということができる。具体的には、はんだバンプ形成用部材10の主面に垂直な断面視において、凹部62の深さをHとし、はんだ粒子1の高さをHとしたとき、H<Hである。はんだ粒子1の高さHとは、断面視における凹部62の底面からはんだ粒子1の頂部までの長さのことを言う。はんだ粒子1の突出の程度は特に制限されないが、電極との接合がより好適に行われる観点から、Hに対するHの比(H/H)を1.02以上とすることができ、1.07以上であってよい。当該比の上限は、はんだ粒子1の脱落抑制の観点から3.00であってよい。
(はんだ粒子)
はんだ粒子1の平均粒子径は、例えば35μm以下であり、好ましくは30μm以下、25μm以下、20μm以下、又は15μm以下である。また、はんだ粒子1の平均粒子径は、例えば1μm以上であり、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
はんだ粒子1の平均粒子径は、サイズに合わせた各種方法を用いて測定することができる。例えば、動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、電気的検知帯法、共振式質量測定法等の方法を利用できる。さらに、光学顕微鏡、電子顕微鏡等によって得られる画像から、粒子サイズを測定する方法を利用できる。具体的な装置としては、フロー式粒子像分析装置、マイクロトラック、コールターカウンター等が挙げられる。はんだ粒子1の平均粒子径は、はんだバンプ形成用部材10の主面に対して垂直方向からはんだ粒子1を観察した時の、投影面積円相当径(粒子の投影面積と等しい面積をもつ円の直径)とすることができる。
はんだ粒子1のC.V.値は、より優れた導電信頼性及び絶縁信頼性を実現できる観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下である。また、はんだ粒子1のC.V.値の下限は特に限定されない。例えば、はんだ粒子1のC.V.値は1%以上であってよく、2%以上であってもよい。
はんだ粒子1のC.V.値は、前述の方法によって測定された粒子径の標準偏差を平均粒子径で割った値に100を掛けることで算出される。
図2(a)は、図1における凹部62の開口と反対側からはんだ粒子1を見た図である。はんだ粒子1は、直径Bを有する球の表面の一部に直径Aの平面部11が形成された形状を有している。なお、図1及び図2(a)に示すはんだ粒子1は、凹部62の底部が平面であるため平面部11を有するが、凹部62の底部が平面以外の形状である場合は、底部の形状に対応した異なる形状の面を有するものとなる。
図2(a)に示すように、はんだ粒子1は、表面の一部に平面部11が形成されていてよく、このとき当該平面部11以外の表面は、球冠状であることが好ましい。すなわち、はんだ粒子1は、平面部11と、球冠状の曲面部と、を有するものであってよい。はんだ粒子1の直径Bに対する平面部11の直径Aの比(A/B)は、例えば0.01超1.0未満(0.01<A/B<1.0)であってよく、0.1~0.9であってもよい。平面部11と凹部62の底面とは接触していてよい。図1に示すように、はんだ粒子1が平面部11を有しており、なおかつ当該平面部と凹部62の底面が接触していることで、はんだバンプ形成用部材10からのはんだ粒子1の脱離が生じ難くなる。なお、後述のように、平面部は、凹部62の内壁部とはんだ粒子1とが接する部分にも発生することがある。
はんだ粒子1の投影像に外接する四角形を二対の平行線により作成した場合において、対向する辺間の距離をX及びY(但しY<X)としたときに、Xに対するYの比(Y/X)は、0.8超1.0未満(0.8<Y/X<1.0)であってよく、0.9以上1.0未満であってもよい。このようなはんだ粒子1はより真球に近い粒子ということができる。はんだ粒子1が真球に近いことで、はんだ粒子1と電極間接触にムラが生じ難く、安定した接続が得られる傾向がある。また、はんだ粒子1の体積にばらつきが少ないと、電極への接合が安定し易い。
図2(b)は、はんだ粒子の投影像に外接する四角形を二対の平行線により作成した場合における、対向する辺間の距離X及びY(但しY<X)を示す図である。例えば、任意の粒子を走査型電子顕微鏡により観察して投影像を得る。得られた投影像に対し二対の平行線を描画し、一対の平行線は平行線の距離が最小となる位置に、もう一対の平行線は平行線の距離が最大となる位置に配し、その粒子のY/Xを求める。この作業を300個のはんだ粒子に対して行って平均値を算出し、はんだ粒子のY/Xとする。
はんだ粒子1はスズ合金を含む。スズ合金としては、例えば、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Au合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金、Sn-Cu合金等を用いることができる。これらのスズ合金の具体例としては、下記の例が挙げられる。
・In-Sn(In52質量%、Sn48質量% 融点118℃)
・In-Sn-Ag(In20質量%、Sn77.2質量%、Ag2.8質量% 融点175℃)
・Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量% 融点138℃)
・Sn-Bi-Ag(Sn42質量%、Bi57質量%、Ag1質量% 融点139℃)
・Sn-Ag-Cu(Sn96.5質量%、Ag3質量%、Cu0.5質量% 融点217℃)
・Sn-Cu(Sn99.3質量%、Cu0.7質量% 融点227℃)
・Sn-Au(Sn21.0質量%、Au79.0質量% 融点278℃)
はんだ粒子1の用途(接続時の温度)等に応じて、上記スズ合金を選択することができる。例えば、低温での融着にはんだ粒子1を用いる場合、In-Sn合金、Sn-Bi合金を採用すればよく、この場合、150℃以下で融着させることができる。Sn-Ag-Cu合金、Sn-Cu合金等の融点の高い材料を採用した場合、高温放置後においても高い信頼性を維持することができる。
はんだ粒子1は、Ag、Cu、Ni、Bi、Zn、Pd、Pb、Au、P及びBから選ばれる一種以上を含んでもよい。これらの元素のうち、以下の観点からAg又はCuを含んでもよい。すなわち、はんだ粒子1がAg又はCuを含むことで、はんだ粒子1の融点を220℃程度まで低下させることができ、且つ、電極との接合強度がより向上するため、より良好な導通信頼性が得られ易くなる。
はんだ粒子1のCu含有率は例えば0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Cu含有率が0.05質量%以上であると、より良好なはんだ接続信頼性を達成し易くなる。また、Cu含有率が10質量%以下であると、融点が低く、濡れ性に優れたはんだ粒子1となり易く、結果としてはんだ粒子1による接合部の接続信頼性が良好となり易い。
はんだ粒子1のAg含有率は例えば0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Ag含有率が0.05質量%以上であると、より良好なはんだ接続信頼性を達成し易くなる。また、Ag含有率が10質量%以下であると、融点が低く、濡れ性に優れたはんだ粒子1となり易く、結果としてはんだ粒子1による接合部の接続信頼性が良好となり易い。
(基体)
基体60を構成する材料としては、例えば、シリコン、各種セラミックス、ガラス、ステンレススチール等の金属等の無機材料、並びに、各種樹脂等の有機材料を使用することができる。これらのうち、基体60は、はんだ微粒子の溶融温度で変質しない耐熱性を有する材質からなることが好ましい。また、基体60は、はんだ微粒子を溶融させる温度においても、変形しない耐熱性を有する材質からなることが好ましい。また、基体60は、はんだ微粒子を構成する材質と合金化したり、反応して変化したりしない材質が好ましい。また、基体60の凹部62は、切削法、フォトリソグラフ法、インプリント法等の公知の方法によって形成することができる。特に、インプリント法を用いると短い工程で、正確な大きさの凹部62を形成できる。
基体60の表面は、被覆層を有しても良い。被覆層は、はんだ微粒子を構成する材質と合金化しにくい又はしない材質が好ましい。被覆層としては、無機物又は有機物が利用できる。被覆層としては、アルミ、クロムなどの表面に強固な酸化層を有する無機物、酸化チタンなどの酸化物、窒化ホウ素などの窒化物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、ダイヤモンド、黒鉛などの炭素系材料、フッ素樹脂、ポリイミドなどの高耐熱樹脂などが利用できる。被覆層が、はんだと合金化しにくい又はしない材質であれば、基体60に使用できる材料の制限が少なくなる利点がある。更に、被覆層は、はんだとの濡れ性を調整する役割があると良い。基体60の表面に被覆層を設けることで、使用目的に合わせて、はんだとの濡れ性を適宜調整できるため好ましい。
被覆層を形成する方法としては、ラミネート、溶液ディップ、塗工、塗装、含浸、スパッタ、めっきなどが利用できる。
基体60の材質として、後にはんだ粒子を転写する電極及び電極が形成された基板と同じ材質を選ぶと、転写工程の条件を合わせ易く好ましい。例えば、熱膨張係数(CTE)が近い又は同じ材料であると、はんだ粒子の転写時に位置ずれが起きづらく好ましい。
基体60には、アライメントマークが設けられていると好ましい。このアライメントマークは、カメラで読み取れると良い。電極を有する基板側にもアライメントマークがあるとよい。これにより、はんだ粒子を電極上に転写する際、位置合わせ可能な装置に搭載されたカメラにより基体60上のアライメントマークと、電極を有する基板のアライメントマークを読み取ることで、はんだ粒子を有する凹部62の位置と、はんだ粒子を転写する電極の位置とを正確に把握することが可能となる。これにより、位置精度よくはんだ粒子を電極上に転写することができる。
アライメントマークは基体60上に1か所以上あればよく、2か所以上あれば位置精度が高くなり好ましい。
具体的な基体60の構成について以下に述べる。
(有機材料 単層)
基体60は有機材料で構成されていても良い。有機材料としては、高分子材料が好ましく、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性材料などが利用できる。有機材料を用いることで、物性の選択の幅が広がるため、目的に合わせた基体60を形成し易い。例えば、有機材料であれば、基体60(凹部62を含む)を曲げたり、伸ばしたりし易い。有機材料であれば、凹部62の形成にも各種手法が利用できる。凹部62の形成方法としては、インプリント、フォトリソグラフィー、切削加工、レーザー加工などが利用できる。特にインプリント技術によれば、所望の形状を有する型(モールド)を有機材料からなる基体60に押し付けて、表面に任意の形状を形成することができる。型(モールド)に凸型のパターンを形成して、有機材料からなる基体60に押し付けることにより、所望のパターンを有する凹部62を形成することができる。また、凹部62の形成に光硬化性樹脂を用いることもでき、型(モールド)に光硬化性樹脂を塗布し、露光した後、型(モールド)を剥離すると、凹部62を有する基体60を一体的に形成できる。また、切削加工の場合は、ドリルなどで凹部62を形成することができる。
(有機材料 複層)
基体60は複数の有機材料から構成されていても良い。特に、基体60は、複数の有機材料の層を有することができる。有機材料としては、高分子材料が好ましく、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性材料などが利用できる。例えば、基体60は2層の有機材料から構成され、片面側の有機材料層に凹部62を形成することができる。このように複層化することで、直接はんだと触れる凹部62の材料ははんだとの濡れ性が適当な材料を選定するなど、機能を分けてそれぞれの材料を選定することができ好ましい。例えば、基体60の一層(ベース層)には耐熱性及び寸法安定性に優れた樹脂材料を用い、もう一層(凹部層)には凹部62の加工性に優れた材料を選定することができる。具体的には、基体60の一層にポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂を用い、もう一層にインプリントモールドで凹部62を形成可能な熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレートとインプリントモールドで熱硬化性樹脂を挟んで、加熱加圧することで、平坦性に優れた基体60(凹部62含む)が得られる。
また、凹部62を光硬化性材料を用いて形成する場合は、基体60の一層に光透過性の高い材料を用いることが好ましい。光硬化性材料は主に紫外光を利用する場合が多いため、例えば、ポリエチレンテレフタレート、透明(無色タイプ)のポリイミド、ポリアミドなどが利用できる。具体的には、インプリントモールドの表面に光硬化性材料を適量塗布し、その上にポリエチレンテレフタレートのフィルムを置いて、ポリエチレンテレフタレート側からローラーで加圧しながら紫外光を照射する。そして、光硬化性材料を硬化させた後、インプリントモールドを剥がすことで、熱硬化性材料層と光硬化性材料層の2層構成であって、凹部62が光硬化性材料で形成された基体60を得ることができる。
また、有機材料として感光性材料を用いることができる。感光性材料としてはポジ型、ネガ型があるがどちらも利用できる。例えば、熱可塑性のポリエチレンテレフタレートフィルム表面に感光性材料を均一厚みに形成し、露光と現像を行うことで、容易に凹部62を形成することができる。このような露光と現像(フォトリソグラフィー法)を用いる方法は、半導体、配線板製造等で広く利用されており、汎用性が高い方法である。また、露光方法としてはマスクを用いた露光の他に、ダイレクトレーザー露光のような直接描画方法を用いることも可能である。
このように基体60は複数の有機材料の層を有することができる。例えば凹部62を形成する材料の厚みよりも、もう一層の(凹部62を支持する)有機材料を厚くすることで、基体60全体の物性を後者の材料の特性で支配的にすることができる。これにより、例えば凹部62を形成する材料の特性に弱点があっても、もう一層の材料によりそれを補うことができる。具体的には、凹部62を形成する材料が熱収縮が起き易い材料であっても、もう一層の材料に熱収縮が少ない材料を選定し、凹部62を形成する材料厚みよりも圧倒的に厚く(例えば3倍以上)することで、加熱時の変形を抑制することができる。
また、耐熱性又は寸法安定性に優れた樹脂材料と、はんだ微粒子の溶融温度での成分溶出が少ない材料との組み合わせ、耐熱性又は寸法安定性に優れた樹脂材料と、はんだとの濡れ性が適当な材料との組み合わせなど、目的に合わせて有機材料を適宜選定することができる。
以上のように、基体60はベース層と凹部層とに分けて構成されてよい。例えば、凹部層を感光性材料とすることで、フォトリソグラフィーにより凹部が作製できる。凹部層に光又は熱硬化性材料、熱可塑性材料などを用いることで、インプリント法により、容易に凹部を作製できる。また、ベース層の厚さを変えることで基体全体の特性を調整することも可能なため、所望の特性を併せ持つ基体を作製できる利点がある。
(無機材料 単層(不透明))
基体60は無機材料で構成されていてもよい。具体的には、無機材料として、シリコン(シリコンウエハ)、ステンレス、アルミなどが利用できる。これらの材料は、一般的に高い純度を保つことができるため、成分の溶出及び異物の発生を低く制御することが容易である。これらの材料は、半導体の実装プロセスなどで利用する場合に、コンタミ対策が容易であり、高い歩留まりと安定した生産に寄与できる。また、例えばシリコンウエハ上の電極に、凹部62内に形成されたはんだ粒子を転写する場合、基体60がシリコンウエハから作製されていれば、CTEが近い又は同じ材料が用いられることになる。これにより、位置ずれ、反り等が起きづらく、正確な位置への転写が可能となり好ましい。凹部62の形成方法としては、レーザー、切削等による加工、ドライエッチング又はウエットエッチング法、電子線描画(例えばFIB加工)が利用できる。特にドライエッチングは、半導体、MEMS等の作製で広く利用されており、ミクロンオーダーからナノオーダーの高い精度で無機材料を加工できるため好ましい。
(無機材料 単層(透明))
基体60として、ガラス、石英、サファイアなどを用いることができる。これらの材料は透明性があるため、電極が形成された別の基板に、凹部62内のはんだ粒子を転写する際に、容易に位置合わせができる。凹部62の形成方法としては、レーザー、切削等による加工、ドライエッチング又はウエットエッチング法、電子線描画(例えばFIB加工)が利用できる。
これらの無機材料を用いる利点は、有機材料と比較して寸法安定性に優れることである。凹部62内のはんだ粒子を電極上に転写する際に、高い位置精度で転写することができる。例えば、マイクロメートルオーダーのサイズかつピッチの複数電極にはんだ粒子を転写する場合、寸法安定性に優れる無機材料を用いると、いずれの電極上にも同じ位置にはんだ粒子を転写することができて好ましい。
(有機無機複合材料)
基体60は複数の材料を複合または多層化した構成を有していてもよい。例えば、無機材料と無機材料の組み合わせ、無機材料と有機材料の組み合わせが利用できる。特に無機材料と有機材料の組み合わせは、寸法安定性と凹部62の加工性の両立が図れるため好ましい。無機材料と有機材料の組み合わせを有する基体としては、例えば、シリコン、各種セラミックス、ガラス、ステンレススチール等の金属からなる無機材料と、その表面に形成された有機材料とからなり、有機材料部に凹部62が形成された基体60が挙げられる。具体的には、シリコンウエハの表面に感光性材料を成膜し、露光と現像により凹部62を形成する方法により、そのような基体を得ることができる。凹部62の内壁と底部が感光性材料で構成される場合の他、凹部62の内壁が感光性材料で底部がシリコンウエハ(すなわち複数材料)で構成される場合などがある。
凹部62の構成は、凹部62内のはんだ粒子との濡れ性、電極への転写し易さなどの目的に合わせ適宜選択できる。凹部62の内壁と底部が感光性材料で構成される場合、シリコンウエハ表面に感光性材料を成膜し、そのまま感光性材料を硬化させ、シリコンウエハ表面に感光性材料層を1層設け、この硬化した感光性材料層の表面に、もう一度感光性材料を成膜し、露光・現像を行って凹部62を設ける方法がある。この場合、シリコンウエハ表面側の感光性材料と、更に最表層に設けた感光性材料が異なる組成であっても良い。感光性材料は、はんだ粒子の濡れ性、汚染性などを考慮し、適宜選択できる。特に、凹部62内に形成したはんだ粒子を、電極上へ転写する際は、最表層の感光性材料層の表面が電極上または電極を有する基板の表面と接する可能性がある。そのため、電極及び基板にダメージを与えない、または電極及び基板を汚染しない感光性材料を適宜選択することができる。具体的には、未硬化成分の溶出、ハロゲン系材料、シリコーン系材料等による汚染を防ぐ材料が好ましい。
また、はんだ粒子を電極に転写する時の還元雰囲気、フラックス等に対する耐性が高い材料が好ましい。具体的には、ギ酸、水素、水素ラジカルなどの還元雰囲気に対しての耐性がある材料が好ましい。更に、はんだ粒子を電極に転写する時の温度に対して耐性が高い材料が好ましい。具体的には、100℃以上300℃以下の温度に対して耐性がある材料が好ましい。はんだ粒子の融点はその構成材料により異なるため、感光性材料の耐熱温度も利用するはんだ材料に合わせて選択することが好ましい。電子機器で広く利用されている鉛フリーはんだである錫―銀―銅系はんだ(例:SAC305(融点219℃))を用いる場合、220℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。更に好ましくは、リフロープロセスで用いられる260℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。また、錫―ビスマス系はんだ(例:SnBi58(融点139℃))を用いる場合、140℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。更に好ましくは160℃以上の耐熱性がある材料であれば、産業上の利用尤度が広くなる。また、インジウム-錫はんだ(例:融点120℃)を用いる場合、130℃以上の耐熱性がある材料が好ましい。
更に別の具体的な構成としては、ステンレススチール板表面に熱硬化性または熱可塑性樹脂で形成した凹部62を有する基体が挙げられる。具体的な作製方法としては、ステンレススチール板とインプリントモールドで熱硬化性材料(樹脂)を挟んで、加圧加熱した後、インプリントモールドを引き剥がして、ステンレススチール板上に樹脂でできた凹部62を形成する方法が挙げられる。
また、別の具体的な構成としては、ガラス板上に光硬化性材料からなる凹部62を有する基体が挙げられる。具体的な作製方法としては、ガラス板上に光硬化性材料を塗布し、インプリントモールドを押し付けながら露光して光硬化性材料を硬化させ、インプリントモールドを剥がすことで、ガラス板上に光硬化性材料製の凹部62を得る方法が挙げられる。インプリントモールドを用いて凹部62を形成する場合も、加圧条件により凹部62の内壁と底部の材料構成を変更することができる。例えば、加圧条件を緩くした場合、凹部62の内壁と底部は同じ樹脂材料の構成とすることができる。一方で、加圧条件を強くした場合、凹部62の内壁は樹脂材料、底部は無機材料の構成とすることができる。
また、材料として、ガラス繊維、フィラー等と、樹脂成分が混ざった複合材を利用することもできる。具体的には、複合材としては配線板用銅張積層板などが挙げられる。銅張積層板の表面に感光性材料、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を塗布して、前述のように凹部62を形成することもできる。銅張積層板は主に樹脂材料分が多く含まれるが、ガラス繊維、各種フィラー等との組み合わせにより低CTEにすることができるため、前述の寸法安定性を確保することができる。また、銅張積層板上に電極を形成した場合、凹部62も同じ銅張積層板上に形成することで、両者のCTEが同じになり、凹部62内のはんだ粒子の転写時に位置合わせが容易で、位置ずれが起きにくい利点がある。
また、材料の具体例として、パッケージ用封止材を適用することもできる。封止材としては固形、液状及びフィルム状のいずれも利用できる。これらをガラス、シリコンウエハ等の上に薄層形成して、インプリントモールドで加圧加熱することで、凹部62を形成することができる。
<はんだバンプ形成用部材の製造方法>
はんだバンプ形成用部材10の製造方法は、複数の凹部を有する基体及びはんだ微粒子を準備する準備工程と、はんだ微粒子の少なくとも一部を凹部に収容する収容工程と、凹部に収容されたはんだ微粒子を融合させて、凹部内にはんだ粒子を形成する融合工程と、を備える。
図3~6を参照しながら、はんだバンプ形成用部材10の製造方法について説明する。
まず、はんだ微粒子と、はんだ微粒子を収容するための基体60を準備する。図3(a)は、基体60の一例を模式的に示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のIb-Ib線における断面図である。図3(a)に示す基体60は、複数の凹部62を有している。複数の凹部62は所定のパターンで規則的に配置されていてよい。接続すべき電極の形状、サイズ及びパターン等に応じ、複数の凹部62の位置及び個数等を設定すればよい。
隣接する凹部間の距離Lに特に制限はないが、収容されるはんだ粒子の平均粒子径の0.1倍以上とすることができ、0.2倍以上であってよい。当該値の上限は、例えば0.3倍とすることができる。凹部間の距離とは凹部の中心間距離ではなく、凹部開口の縁から縁への距離である。
基体60の凹部62は、凹部62の底部62a側から基体60の表面60a側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されていることが好ましい。すなわち、図3(a)及び図3(b)に示すように、凹部62の底部62aの幅(図3(a)及び図3(b)における幅a)は、凹部62の表面60aにおける開口の幅(図3(a)及び図3(b)における幅b)よりも狭いことが好ましい。そして、凹部62のサイズ(幅a、幅b、容積、テーパ角度及び深さ等)は、目的とするはんだ粒子のサイズに応じて設定すればよい。
なお、凹部62の形状は図3(a)及び図3(b)に示す形状以外の形状であってもよい。例えば、凹部62の表面60aにおける開口の形状は、図3(a)に示すような円形以外に、楕円形、三角形、四角形、多角形等であってよい。
また、表面60aに対して垂直な断面における凹部62の形状は、例えば、図4に示すような形状であってよい。図4(a)~(h)は、基体が有する凹部の断面形状の例を模式的に示す断面図である。図4(a)~(h)に示すいずれの断面形状も、凹部62の表面60aにおける開口の幅(幅b)が、断面形状における最大幅となっている。これにより、凹部62内に形成されたはんだ粒子が取り出し易くなり、作業性が向上する。また、上記開口の幅(幅b)が、断面形状における最大幅となっていることから、はんだ粒子1を電極上に転写する場合に、はんだ粒子1が凹部62から抜け出し易く、転写率の向上が期待できる。また、上記開口の幅(幅b)を適切に調整することで、はんだ粒子1を電極上に転写する時の位置ずれが起き難くなり、正確な位置にはんだバンプを形成し易くなる。
準備工程で準備されるはんだ微粒子は、凹部62の表面60aにおける開口の幅(幅b)より小さい粒子径の微粒子を含むものであればよく、幅bより小さい粒子径の微粒子をより多く含むことが好ましい。例えば、はんだ微粒子は、粒度分布のD10粒子径が幅bより小さいことが好ましく、粒度分布のD30粒子径が幅bより小さいことがより好ましく、粒度分布のD50粒子径が幅bより小さいことが更に好ましい。
はんだ微粒子の粒度分布は、サイズに合わせた各種方法を用いて測定することができる。例えば、動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、電気的検知帯法、共振式質量測定法等の方法を利用できる。さらに、光学顕微鏡、電子顕微鏡等によって得られる画像から、粒子サイズを測定する方法を利用できる。具体的な装置としては、フロー式粒子像分析装置、マイクロトラック、コールターカウンター等が挙げられる。
準備工程で準備されるはんだ微粒子のC.V.値は特に限定されないが、大小の微粒子の組み合わせによる凹部62への充填性が向上する観点から、C.V.値は高いことが好ましい。例えば、はんだ微粒子のC.V.値は、20%を超えていてよく、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。
はんだ微粒子のC.V.値は、前述の方法によって測定された粒子径の標準偏差を平均粒子径(D50粒子径)で割った値に100を掛けることで算出される。
はんだ微粒子はスズ合金を含む。スズ合金としては、例えば、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Au合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金、Sn-Cu合金等を用いることができる。これらのスズ合金の具体例としては、下記の例が挙げられる。
・In-Sn(In52質量%、Bi48質量% 融点118℃)
・In-Sn-Ag(In20質量%、Sn77.2質量%、Ag2.8質量% 融点175℃)
・Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量% 融点138℃)
・Sn-Bi-Ag(Sn42質量%、Bi57質量%、Ag1質量% 融点139℃)
・Sn-Ag-Cu(Sn96.5質量%、Ag3質量%、Cu0.5質量% 融点217℃)
・Sn-Cu(Sn99.3質量%、Cu0.7質量% 融点227℃)
・Sn-Au(Sn21.0質量%、Au79.0質量% 融点278℃)
はんだ粒子の用途(使用時の温度)等に応じて、上記スズ合金を選択することができる。例えば、低温での融着に用いるはんだ粒子を得たい場合、In-Sn合金、Sn-Bi合金を採用すればよく、この場合、150℃以下で融着可能なはんだ粒子が得られる。Sn-Ag-Cu合金、Sn-Cu合金等の融点の高い材料を採用した場合、高温放置後においても高い信頼性を維持可能なはんだ粒子を得ることができる。
はんだ微粒子は、Ag、Cu、Ni、Bi、Zn、Pd、Pb、Au、P及びBから選ばれる一種以上を含んでもよい。これらの元素のうち、以下の観点からAg又はCuを含んでもよい。すなわち、はんだ微粒子がAg又はCuを含むことで、得られるはんだ粒子の融点を220℃程度まで低下させることができる、電極との接合強度に優れたはんだ粒子が得られることによってより良好な導通信頼性を得られる、という効果が奏される。
はんだ微粒子のCu含有率は例えば0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Cu含有率が0.05質量%以上であると、良好なはんだ接続信頼性を達成可能なはんだ粒子が得られ易くなる。また、Cu含有率が10質量%以下であると、融点が低く、濡れ性に優れたはんだ粒子が得られ易くなり、結果としてはんだバンプ付き電極の接続信頼性がより良好となり易い。
はんだ微粒子のAg含有率は例えば0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Ag含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を達成可能なはんだ粒子が得られ易くなる。また、Ag含油率が10質量%以下であると、融点が低く、濡れ性に優れたはんだ粒子が得られ易くなり、結果としてはんだバンプ付き電極の接続信頼性がより良好となり易い。
収容工程では、基体60の凹部62のそれぞれに、準備工程で準備したはんだ微粒子を収容する。収容工程では、準備工程で準備したはんだ微粒子の全部を凹部62に収容する工程であってよく、準備工程で準備したはんだ微粒子の一部(例えば、はんだ微粒子のうち、凹部62の開口の幅bより小さいもの)を凹部62に収容する工程であってよい。
図5は、基体60の凹部62にはんだ微粒子111が収容された状態を模式的に示す断面図である。図5に示すように、複数の凹部62のそれぞれに、複数のはんだ微粒子111が収容される。
凹部62に収容されたはんだ微粒子111の量を調整することで、はんだ粒子1の突出の程度を調整することができる。凹部62に収容されたはんだ微粒子111の量は、例えば、凹部62の容積に対して20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、60%以上であることが最も好ましい。これにより、凹部62からはんだ粒子の一部を突出させることができる。また、収容量のばらつきが抑えられ、粒度分布のより小さいはんだ粒子が得られ易くなる。
一般的にはんだ材料は、融点以上の環境下で溶解状態となると、自身の表面張力により球状にまとまる性質がある。
凹部62に収容されたはんだ微粒子111は、後述する融合工程によりまとまり、はんだ粒子1となる。得られたはんだ粒子1の高さが、凹部62の深さより高くなり、はんだ粒子1が凹部62より突出する。従って、はんだ粒子1の直径が凹部62の深さより大きくなれば、はんだ粒子1は凹部62より突出する。凹部62の形状と、凹部62に収容するはんだ微粒子111の量によって、はんだ粒子1の直径が調整できるため、それにより凹部62からの突出の程度を調整できる。
また、はんだ微粒子111が後述する融合工程で溶解した時、凹部62の底部及び内壁部の材質によっては、底部及び内壁部において濡れ広がりが発生し、はんだ粒子1の少なくとも一部に、凹部62の底部及び/又は内壁部と接した部分が発生する。これにより、はんだ粒子1の少なくとも一部に、平面部が発生することがある。この平面部の大きさは、凹部62の底部及び内壁部の表面材質と、はんだ微粒子111を構成するはんだ組成の組み合わせにより異なる。従って、はんだ粒子1の形態は、真球の形態、楕円体、扁平した球体、一部に平面部を有する形態等になる。
基体60としては、ガラス、シリコン等の無機物、あるいはプラスチック、樹脂等の有機物が利用でき、そのような材質の底部及び内壁部は、一般にはんだとの濡れ性が低い傾向があり、はんだ粒子1は概ね真球に近い球形になり易い。従って、はんだ粒子1が真球に近い球体と仮定し、はんだ粒子1の高さをはんだ粒子1の直径と近似することもできる。凹部62に充填したはんだ微粒子111の合計体積から、はんだ粒子1の直径を計算することができるため、凹部62からはんだ粒子1が突出するために必要なはんだ微粒子111の量が算出できる。
凹部62に充填したはんだ微粒子111がすべて溶解、合一化してはんだ粒子1となり、はんだ粒子1が球体であると仮定して、はんだ粒子1が凹部62から突出するために必要なはんだ微粒子111の量を示すことができる。
凹部62の上部直径(開口幅b)をL、凹部62の深さをDとした時、凹部のアスペクト比は、L/Dで表す。この時、はんだ微粒子111の凹部62への充填率は、アスペクト比が1の場合に66体積%以上、アスペクト比0.75の場合に38体積%以上、アスペクト比0.5の場合に17体積%以上、アスペクト比0.25の場合に5体積%以上が好ましい。
収容量のばらつきを抑えるため、凹部62の大きさ、直径と深さの比率(アスペクト比)に合わせて、はんだ微粒子111の平均粒子径、粒度等を選択するとよい。例えば、凹部62の直径が4μmで深さが4μm(アスペクト比が1)である場合は、平均粒子径が1~2μm以下のはんだ微粒子111を利用することで、凹部62の充填量のばらつきが抑制でき、得られたはんだ粒子1の直径のばらつきも抑制され、凹部62からの突出量(高さ)のばらつきも抑え易くなる。凹部62からの突出量(高さ)のばらつき抑制されると、はんだ粒子1を電極に押し付けた時、はんだ粒子1と電極との接触が安定し、はんだバンプの形成ばらつきが抑制され易い。
凹部62に収容されたはんだ微粒子111が、溶解して合一化する時に、一つにまとまり易くするためには、凹部62に底部形状を調整するとよい。例えば、図4(b)、(e)、(g)、(h)のように、中心に向かって勾配がある底部形状を選択すると好ましい。特に、凹部62のアスペクト比が大きい場合、言い換えれば凹部62の開口幅が広く、浅い形状を有する場合は、はんだ微粒子111が溶解した際に、合一化されずに残存するはんだ微粒子111が生じ易いため、凹部62の底部の形状を図4(b)、(e)、(g)、(h)のように調整することが好ましい。
はんだ微粒子を凹部62に収容する方法は特に限定されない。収容方法は、乾式、湿式のいずれであってもよい。例えば、準備工程で準備したはんだ微粒子を基体60上に配置し、スキージを用いて基体60の表面60aを擦ることで、余分なはんだ微粒子を除去しつつ、凹部62内に十分なはんだ微粒子を収容することができる。凹部62の開口の幅bが凹部62の深さより大きい場合、凹部62の開口からはんだ微粒子が飛び出す場合がある。スキージを用いると、凹部62の開口から飛び出ているはんだ微粒子は除去される。
余分なはんだ微粒子を除去する方法として、圧縮空気を吹き付ける、不織布又は繊維の束で基体60の表面60aを擦る、等の方法も挙げられる。これらの方法は、スキージと比べて物理的な力が弱いため、変形し易いはんだ微粒子を扱う上で好ましい。また、これらの方法では、凹部62の開口から飛び出ているはんだ微粒子を凹部内に残すこともできる。
融合工程は、凹部62に収容されたはんだ微粒子111を(例えば130~260℃に加熱することによって)融合させて、凹部62内に、一部が凹部62から突出するはんだ粒子1を形成する工程である。凹部62に収容されたはんだ微粒子111は、溶融することで合一化し、表面張力によって球状化する。このとき、凹部62の底部62aとの接触部では、溶融したはんだが底部62aに追従して平面部11を形成する。これにより、形成されるはんだ粒子1は、表面の一部に平面部11を有する形状となる。このようにして、図1に示すはんだバンプ形成用部材10が得られる。
凹部62に収容されたはんだ微粒子111を溶融させる方法としては、はんだ微粒子111をはんだの融点以上に加熱する方法が挙げられる。はんだ微粒子111は、酸化被膜の影響で融点以上の温度で加熱しても溶融しなかったり、濡れ拡がらなかったりして、合一化しない場合がある。このため、はんだ微粒子111を還元雰囲気下に晒し、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を除去した後に、はんだ微粒子111の融点以上の温度に加熱することで、はんだ微粒子111を溶融させ、濡れ拡がり、合一化させることができる。
また、はんだ微粒子111の溶融は、還元雰囲気下で行うことが好ましい。はんだ微粒子111をはんだ微粒子111の融点以上に加熱し、かつ還元雰囲気とすることで、はんだ微粒子111の表面の酸化被膜が還元され、はんだ微粒子111の溶融、濡れ拡がり、合一化が効率的に進行し易くなる。すなわち、はんだバンプ形成用部材の製造方法は、融合工程の前に、凹部に収容されたはんだ微粒子を還元雰囲気に晒す還元工程を更に備えてよい。また、はんだバンプ形成用部材の製造方法の融合工程において、はんだ微粒子を還元雰囲気下で融合させてよい。
還元雰囲気にする方法は、上述の効果が得られる方法であれば特に限定されず、例えば水素ガス、水素ラジカル、ギ酸ガス等を用いる方法がある。例えば、水素還元炉、水素ラジカル還元炉、ギ酸還元炉、又はこれらのコンベアー炉若しくは連続炉を用いることで、還元雰囲気下にはんだ微粒子111を溶融させることができる。これらの装置は、炉内に、加熱装置、不活性ガス(窒素、アルゴン等)を充填するチャンバー、チャンバー内を真空にする機構等を備えていてよく、これにより還元ガスの制御がより容易となる。また、チャンバー内を真空にできると、はんだ微粒子111の溶融及び合一化の後に、減圧によってボイドの除去を行うことができ、接続安定性に一層優れるはんだ粒子1を得ることができる。
はんだ微粒子111の還元、溶解条件、温度、炉内雰囲気調整などのプロファイルは、はんだ微粒子111の融点、粒度、凹部サイズ、基体60の材質などを勘案して適宜設定されてよい。例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を、炉内に挿入し、真空引きを行った後に、還元ガスを導入して、炉内を還元ガスで満たし、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を除去した後、真空引きにて還元ガスを除去し、その後、はんだ微粒子111の融点以上に加熱して、はんだ微粒子を溶解及び合一化させて、凹部62内にはんだ粒子を形成した後、窒素ガスを充填してから炉内温度を室温に戻し、はんだ粒子1を得ることができる。
また、例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を、炉内に挿入し、真空引きを行った後に、還元ガスを導入して、炉内を還元ガスで満たし、炉内加熱ヒーターによりはんだ微粒子111を加熱して、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を除去した後、真空引きにて還元ガスを除去し、その後、はんだ微粒子111の融点以上に加熱して、はんだ微粒子を溶解及び合一化させて、凹部62内にはんだ粒子を形成した後、窒素ガスを充填してから炉内温度を室温に戻し、はんだ粒子1を得ることができる。還元雰囲気下で、はんだ微粒子を加熱することで、還元力が増し、はんだ微粒子の表面酸化被膜の除去が容易になる利点がある。
さらに、例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を、炉内に挿入し、真空引きを行った後に、還元ガスを導入して、炉内を還元ガスで満たし、炉内加熱ヒーターによりはんだ微粒子111の融点以上に加熱して、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を還元により除去すると同時にはんだ微粒子を溶解及び合一化させて、凹部62内にはんだ粒子を形成し、真空引きにて還元ガスを除去し、さらにはんだ粒子内のボイドを減らした後、窒素ガスを充填してから炉内温度を室温に戻し、はんだ粒子1を得ることができる。この場合は、炉内温度の上昇、下降の調節がそれぞれ一回でよいため、短時間で処理できる利点がある。
上述の凹部62内にはんだ粒子を形成した後に、もう一度炉内を還元雰囲気にして、除去し切れなかった表面酸化被膜を除去する工程を加えてもよい。これにより、融合されずに残っていたはんだ微粒子、融合されずに残っていた酸化被膜の一部などの残渣を減らすことができる。
大気圧のコンベアー炉を用いる場合は、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を搬送用コンベアーに載せ、複数のゾーンを連続して通過させてはんだ粒子1を得ることができる。
例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を、一定の速度に設定したコンベアーに載せ、はんだ微粒子111の融点より低い温度の窒素又はアルゴンなどの不活性ガスが充満したゾーンを通過させ、続いてはんだ微粒子111の融点より低い温度のギ酸ガスなどの還元ガスが存在するゾーンを通過させて、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を除去し、続いてはんだ微粒子111の融点以上の温度の窒素又はアルゴンなどの不活性ガスが充満したゾーンを通過させてはんだ微粒子111を溶融、合一化させ、続いて窒素又はアルゴンなどの不活性ガスが充満した冷却ゾーンを通過させて、はんだ粒子1を得ることができる。
例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60を、一定の速度に設定したコンベアーに載せ、はんだ微粒子111の融点以上の温度の窒素又はアルゴンなどの不活性ガスが充満したゾーンを通過させ、続いてはんだ微粒子111の融点以上の温度のギ酸ガスなどの還元ガスが存在するゾーンを通過させて、はんだ微粒子111の表面酸化被膜を除去し、溶融、合一化させ、続いて窒素又はアルゴンなどの不活性ガスが充満した冷却ゾーンを通過させて、はんだ粒子1を得ることができる。前記のコンベアー炉は、大気圧での処理が可能であることから、フィルム状の材料をロールトゥロールで連続的に処理することもできる。
例えば、はんだ微粒子111が凹部に充填された基体60の連続ロール品を作製し、コンベアー炉の入り口側にロール巻きだし機、コンベアー炉の出口側にロール巻き取り機を設置して、一定の速度で基体60を搬送し、コンベアー炉内の各ゾーンを通過させることで、凹部に充填されたはんだ微粒子111を融合させることができる。
準備工程~融合工程によれば、はんだ微粒子111の材質及び形状によらず、均一なサイズのはんだ粒子1を形成することができる。また、形成されたはんだ粒子1は、基体60の凹部62に収容された状態で取り扱うことができるため、はんだ粒子1を変形させることなく運搬・保管等することができる。さらに、形成されたはんだ粒子1は、基体60の凹部62に収容された状態であるため、はんだ粒子を変形させることなく電極と接触させることができる。
また、はんだ微粒子111は、粒度分布にばらつきが大きくても、形状がいびつであってもよく、凹部62内に収容することができれば原料として好適に用いることができる。
また、上記方法において、基体60は、リソグラフィー、機械加工、インプリント技術等によって凹部62の形状を自在に設計できる。はんだ粒子1のサイズは凹部62に収容されるはんだ微粒子111の量に依存するため、凹部62の設計によりはんだ粒子1のサイズを自在に設計できる。
<はんだバンプ付き電極基板の製造方法>
はんだバンプ付き電極基板の製造方法は、スズ合金を含むはんだ粒子及び電極を接触させた状態で、はんだ粒子をスズ合金の融点未満の温度でありかつスズ合金の共晶状態が維持される温度で加熱して、はんだ粒子を電極に接合する加熱工程を備える。
はんだバンプ付き電極基板の製造方法は、上記はんだバンプ形成用部材、及び複数の電極を有する基板、を準備する準備工程と、はんだバンプ形成用部材の凹部を有する面及び基板の電極を有する面を対向させて、はんだ粒子及び電極を接触させる配置工程と、上記加熱工程と、を備えてよい。
複数の電極を表面に有する基板(回路部材)の具体例として、ICチップ(半導体チップ)、抵抗体チップ、コンデンサチップ、ドライバーIC等のチップ部品;リジット型のパッケージ基板が挙げられる。これらの回路部材は、回路電極を備えており、多数の回路電極を備えているものが一般的である。複数の電極を表面に有する基板のその他の例として、金属配線を有するフレキシブルテープ基板、フレキシブルプリント配線板、インジウム錫酸化物(ITO)が蒸着されたガラス基板等の配線基板が挙げられる。
電極の具体例としては、銅、銅/ニッケル、銅/ニッケル/金、銅/ニッケル/パラジウム、銅/ニッケル/パラジウム/金、銅/ニッケル/金、銅/パラジウム、銅/パラジウム/金、銅/スズ、銅/銀、インジウム錫酸化物等の電極が挙げられる。電極は、無電解めっき又は電解めっき又はスパッタ又は金属箔のエッチングで形成することができる。スズ合金から電極へのスズの拡散を抑制できる本実施形態のはんだバンプ付き電極基板の製造方法は、スズが拡散し易い金を含む電極を用いる場合に特に好適である。
図6(a)及び図6(b)は、はんだバンプ付き電極基板の製造過程の一例を模式的に示す断面図である。図6(a)に示す基体60は、凹部62のそれぞれに一個のはんだ粒子1が収容された状態である。一方、基板2は、複数の電極3を表面に有している。この基体60の凹部62の開口側の面に、基板2の電極3側の面を対向させて、基体60の凹部62に収容されていたはんだ粒子1と電極3とが接触するまで、基体60と基板2とを近づける(図6(a)における矢印A,B)。個々の電極3に適応するはんだ粒子1の数は特に制限はなく、1電極に対し1粒子であってよく、1電極に対し複数粒子であってよい。なお、はんだ粒子1と凹部62間に働く力(例えば、van der Waals力のような分子間力)が、はんだ粒子1に加わる重力に比べ大きいため、基体60の主面を下に向けたとしても、はんだ粒子1は脱落せずに凹部62内に留まっている。また、はんだ粒子1の少なくとも一部が、凹部62の底部及び/又は内壁部と接しており、平面部を有する場合は、はんだ粒子1は凹部62と密に接しており、脱落しづらい。
この状態で、全体をはんだ粒子1に含まれるスズ合金の融点未満の温度(例えば100~230℃)に少なくとも加熱することによって、スズ合金の共晶状態が維持されながら(はんだ粒子1が溶融することなく)、電極3上にはんだバンプが形成されることを発明者らは見出した。加熱温度がスズ合金の融点未満の温度であっても、はんだ粒子1と電極3とが接合してはんだバンプが形成される理由として、発明者らはスズと電極金属との間で金属元素の僅かな相互拡散が生じているためであると推察している。
なお、スズ合金の共晶状態が維持されるとは、このような局所的な金属元素の相互拡散が生じることを排除するものではなく、スズ合金から電極へのスズ(Sn元素)の拡散が生じ難いことにより、全体としてはんだバンプがはんだ粒子1に由来するスズ合金組成を有することを意味する。例えば、エネルギー分散型X線分析(EDX)にて加熱工程前のはんだ粒子と、加熱工程後のはんだバンプとを分析した際に、Sn元素の変化量が30%未満である場合に、スズ合金の共晶状態が維持されるということができる。
加熱温度の下限は、使用するスズ合金の種類に応じて適宜に調整すればよいが、はんだ粒子1及び電極3のより良好な接合を生じさせる観点から、スズ合金の融点-40℃以上とすることができ、スズ合金の融点-20℃以上であってもよく、スズ合金の融点-15℃以上であってもよく、-10℃以上であってもよい。
例えばスズ合金がSn-Bi合金(融点138℃)である場合、はんだ粒子1を125℃以上138℃未満で加熱することによって、Sn-Bi合金の共晶状態が維持されながら、電極3上にはんだバンプが形成される。Sn-Bi合金は一般にSnを42質量%、Biを58質量%含んでいるが、上記のように加熱されることで、形成されるはんだバンプに含まれる、Sn-Bi合金中のSn及びBiの質量比Sn/Biを0.2以上とすることができる。質量比Sn/Biは、はんだバンプの融点上昇、はんだバンプの形状変形等を抑制し易い観点から、0.3以上であってもよく、0.5以上であってもよい。
加熱時間は特に制限されず、後述の加圧条件又は加熱雰囲気によって適宜に調整できるが、0.1~20分間とすることができる。加熱時間が0.1分間以上であることで、はんだ粒子1と電極3との接合をより好適に行うことができ、20分間以下であることで、スズ合金の共晶状態が維持され易い。この観点から、加熱時間は1~15分間であってもよく、3~10分間であってもよい。
はんだ粒子1と電極3との接合をより好適に行う観点から、はんだ粒子1及び電極3を加圧状態で接触させながら、はんだ粒子1をはんだ粒子の融点未満の温度に加熱してよい。すなわち、上記加熱を、はんだ粒子1及び電極3を加圧状態で接触させながら行ってよい。加圧状態とは、はんだバンプ形成用部材10と基板2同士を、図6(a)における矢印A,B方向に0.5~100MPa程度の力で押し付けた状態である。はんだ粒子1及び電極3を加圧状態で接触させながら加熱する場合、加熱温度を低めに設定することができる。
はんだ粒子1は、酸化被膜の影響で、融点未満の温度で加熱しても、はんだ粒子1と電極3とが適切に接合し難い場合がある。このため、はんだ粒子1を還元雰囲気下に晒し、はんだ粒子1の表面酸化被膜を除去した後に、はんだ粒子1の融点未満の温度に加熱することで、はんだ粒子1と電極3とが接合し易くなる。
また、はんだ粒子1の上記加熱は、還元雰囲気下で行うことが好ましい。はんだ粒子1をはんだ粒子1の融点未満に加熱し、かつ還元雰囲気とすることで、はんだ粒子1の表面の酸化被膜が還元され、さらに電極表面の酸化被膜が還元され、はんだ粒子1と電極3とが接合し易くなる。
すなわち、はんだバンプ付き電極基板の製造方法は、配置工程の前に、あるいは配置工程の後であって加熱工程の前に、はんだ粒子(及び/又は電極)を還元雰囲気に晒す還元工程を更に備えてよい。また、はんだバンプ付き電極基板の製造方法の加熱工程において、還元雰囲気下ではんだ粒子をはんだ粒子の融点未満の温度に加熱してよい。
電極上にはんだバンプを形成する加熱工程では、電極とはんだバンプ形成用部材の開口部面を(必要に応じ加圧状態で)密着させることで、電極上にのみはんだバンプが形成され、隣接電極間のはんだによるブリッジが抑制され易い。
還元雰囲気の詳細については、はんだバンプ形成用部材の製造方法の記載を適宜参照することができる。
加熱工程後、全体を冷却することで、電極3と、はんだ粒子1から形成されたはんだバンプ1A同士が固着され、両者が電気的に接続される。電極3上にはんだバンプ1Aが形成された後は、はんだバンプ形成用部材10を基板2から除去することで(除去工程)、はんだバンプ付き電極基板20を得ることができる。図6(b)は、このようにして得られるはんだバンプ付き電極基板20の模式図である。
はんだバンプ形成用部材と基体の表面にアライメントマークがあると、位置合わせをし易く好ましい。例えば、はんだバンプ形成用部材の凹部と基体表面の電極面側を対向させた時に、はんだバンプ形成用部材の凹部の位置と、基体表面の電極の位置が相対する位置に予め配置しておく。はんだバンプ形成用部材の凹部内にはんだ粒子を配置し、はんだバンプ形成用部材の凹部の開口面側と基材の電極表面側を対向させ、アライメントマークを用いてはんだバンプを形成させたい電極と、はんだバンプ形成用部材の凹部との位置を調整した後、前述の各種方法で電極上にはんだバンプを形成することができる。この方法により、特定の電極の上にのみはんだバンプを形成することができる。例えば、基材の表面に複数ある電極に対して、特定の電極の位置と相対した位置に、はんだバンプ形成用部材の凹部を予め設けることで、基材表面の特定の電極にのみはんだバンプを形成することができる。更に、一つの電極の上に、一つのはんだバンプを形成することができる。
得られたはんだバンプ付き電極基板20上には、凹部62から脱離したものの電極3との接合に供されないはんだ粒子1が存在し得る。そのため、はんだバンプ付き電極基板の製造方法は、そのような電極に結合していないはんだ粒子1を除去する洗浄工程を更に備えてよい。洗浄方法としては圧縮空気を吹き付ける、不織布又は繊維の束で基板表面を擦る、等の方法が挙げられる。
はんだバンプ付き電極基板の製造方法によれば、基板2、電極3及びはんだバンプ1Aをこの順に備える、はんだバンプ付き電極基板20を得ることができる。
はんだバンプ1Aの平均直径は、例えば35μm以下であり、好ましくは30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、又は10μm以下である。また、はんだ粒子1の平均粒子径は、例えば1μm以上であり、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
はんだバンプ1Aの平均直径は、電極3の主面に対して水平方向における、はんだバンプ1Aの最大径の平均である。はんだバンプ1Aの平均直径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、レーザー顕微鏡等によって得られる画像から測定することができる。
はんだバンプ1AのC.V.値は、より優れた導電信頼性及び絶縁信頼性を実現できる観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは7%以下である。また、はんだバンプ1AのC.V.値の下限は特に限定されない。例えば、はんだバンプ1AのC.V.値は1%以上であってよく、2%以上であってもよい。
はんだバンプ1AのC.V.値は、前述の方法によって測定された直径の標準偏差を平均直径で割った値に100を掛けることで算出される。
<接続構造体の製造方法>
図7(a)及び図7(b)は、接続構造体の製造過程の一例を模式的に示す断面図である。図7(a)及び図7(b)を参照しながら、接続構造体の製造方法について説明する。
まず、図6(b)に示すはんだバンプ付き電極基板20を予め準備する。また、複数の他の電極5を有する他の基板4を準備する。そして、両者を、はんだバンプ1Aと他の電極5とが対向するように配置する。その後、はんだバンプ1Aと他の電極5とを接触させたまま、はんだバンプ1Aのバンプ形成に用いた温度と同等あるいはバンプ形成に用いた温度よりも高い温度に加熱する。これにより、電極3及び他の電極5の間において、はんだバンプ1A及び電極5における局所的な金属元素の相互拡散を生じさせる、又ははんだバンプ1Aを溶融させる。この際はんだバンプ1Aは変形してもよい。はんだバンプ付き電極基板20では、上述のとおり電極3へのスズの過度な拡散が抑制されており、はんだバンプ1Aが所望の組成を有したまま、電極間接続に供される。その後、全体を冷却することで、電極3及び他の電極5の間においてはんだ層1Bが形成され、電極間が電気的に接続される。はんだバンプ1A及び電極5の酸化を抑制するため、酸素を遮断した雰囲気で加熱することが好ましい。例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下での加熱が好ましい。具体的には、真空リフロー炉、窒素リフロー炉等が利用できる。
さらに、加熱によってはんだバンプ1Aを溶解して、対向する電極3と電極5をより好適に接合するために、還元雰囲気下で加熱することが好ましい。還元雰囲気とするためには、水素ガス、水素ラジカル、ギ酸などが利用できる。具体的には、水素還元炉、水素リフロー炉、水素ラジカル炉、ギ酸炉、これらの真空炉、連続炉、コンベアー炉が利用できる。還元雰囲気にすることで、はんだバンプ1A表面の酸化被膜及び電極5表面の酸化被膜を還元、除去することができるため、はんだバンプ1Aが電極5に濡れ広がり易くなり、はんだ層1Bを介して電極3及び電極5間でより安定した接合が達成される。
さらに、安定した接続を実現するために、圧力を加えてもよい。図6(b)に示すはんだバンプ付き電極基板20を予め準備する。また、複数の他の電極5を表面に有する他の基板4を準備する。そして、両者を、はんだバンプ1Aと他の電極5とが対向するように配置する。その後、これらの部材の積層体の厚さ方向(図7(a)に示す矢印A及び矢印Bの方向)に加圧する。加圧する際に全体をはんだバンプ1Aのバンプ形成に用いた温度と同等あるいはバンプ形成に用いた温度よりも高い温度加熱することによって、電極3及び他の電極5の間においてはんだバンプ1Aが溶融する。その後、全体を冷却することで、電極3及び他の電極5の間においてはんだ層1Bが形成され、電極間が電気的に接続される。この場合も、はんだバンプ1A、電極5及び電極3表面の酸化を抑制するため、真空下、窒素など不活性ガス雰囲気下、還元雰囲気下で上記工程を行うことが好ましい。還元雰囲気にする方法としては、前述の水素ガス、水素ラジカル、ギ酸などが挙げられる。具体的には、水素還元炉、水素リフロー炉、水素ラジカル炉、ギ酸炉、これらの真空炉、連続炉、コンベアー炉などが利用できる。
還元雰囲気にする方法としては、還元作用がある材料を利用することができる。例えば、フラックス材料又はフラックス成分を含有する材料を、はんだバンプ1A又は電極5及び電極3近傍に配置することができる。フラックス材料及びフラックス成分を含有する材料を含有するペースト、フィルム等を用いることができる。まず、図6(b)に示すはんだバンプ付き電極基板20を予め準備する。電極基板20のはんだバンプ1Aが形成された面全体、又ははんだバンプ1A及びはんだバンプ1Aを含む電極3近傍に、フラックス材料又はフラックス成分を含有するペーストを配置する。また、複数の他の電極5を表面に有する他の基板4を準備する。そして、両者を、はんだバンプ1Aと他の電極5とが対向するように配置する。その後、はんだバンプ1Aと他の電極5とを、例えばフラックス材料又はフラックス成分を含有するペーストを介して接触させたまま、はんだバンプ1Aをバンプ形成に用いた温度と同等あるいはバンプ形成に用いた温度よりも高い温度に加熱する。これにより、電極3及び他の電極5の間において、はんだバンプ1A及び電極5における局所的な金属元素の相互拡散を生じさせる、又ははんだバンプ1Aを溶融させる。この際はんだバンプ1Aは変形してもよい。その後、全体を冷却することで、電極3及び他の電極5の間においてはんだ層1Bが形成され、電極間が電気的に接続される。その後、フラックス成分を洗浄除去すると、フラックス残渣によって、はんだ層1B及び電極3及び電極5の腐食が抑制できる。
他の方法としては、図6(b)に示すはんだバンプ付き電極基板20を予め準備する。また、複数の他の電極5を表面に有する他の基板4を準備し、基板4の電極5を有する面全体、又は電極5の表面近傍にフラックス材料又はフラックス成分を含有するペーストを配置する。そして、両者を、はんだバンプ1Aと他の電極5とが対向するように配置する。その後、はんだバンプ1Aと他の電極5とを、例えばフラックス材料及びフラックス成分を含有するペーストを介して接触させたまま、はんだバンプ1Aをバンプ形成に用いた温度と同等あるいはバンプ形成に用いた温度よりも高い温度に加熱する。これにより、電極3及び他の電極5の間において、はんだバンプ1A及び電極5における局所的な金属元素の相互拡散を生じさせる、又ははんだバンプ1Aを溶融させる。この際はんだバンプ1Aは変形してもよい。その後、全体を冷却することで、電極3及び他の電極5の間においてはんだ層1Bが形成され、電極間が電気的に接続される。
また、フラックス成分を含有するフィルムを用いることもできる。図6(b)に示すはんだバンプ付き電極基板20を予め準備する。電極基板20のはんだバンプ1Aが形成された面側にフラックス成分を含有するフィルムを配置する。また、複数の他の電極5を表面に有する他の基板4を準備する。そして、両者を、はんだバンプ1Aと他の電極5とが対向するように配置する。その後、はんだバンプ1Aと他の電極5とを、フラックス成分を含有するフィルムを介して接触させたまま、または、対向する電極3及び電極5間に圧力を加え、当該間からフラックス成分を含有するフィルムを押しのけるようにして、はんだバンプ1Aと電極5を接触させた状態で、はんだバンプ1Aをバンプ形成に用いた温度と同等あるいはバンプ形成に用いた温度よりも高い温度に加熱する。これにより、電極3及び他の電極5の間において、はんだバンプ1A及び電極5における局所的な金属元素の相互拡散を生じさせる、又ははんだバンプ1Aを熔融させる。この際はんだバンプ1Aは変形してもよい。その後、全体を冷却することで、電極3及び他の電極5の間においてはんだ層1Bが形成され、電極間が電気的に接続される。
フラックス成分を含有するペースト及びフィルムは、熱硬化性材料を含有していてもよい。これにより、はんだバンプ1Aの溶解と同時に、熱硬化性成分が硬化して、電極基板20と基板4を固定することができる。熱硬化性材料の硬化は、はんだバンプ1Aの溶解加熱とは別に、後工程で再度加熱することで実施してもよい。また、フラックス成分を含有するフィルムを、予め基板4の電極5が形成された面側に配置して置いてもよい。フラックス成分を含有するフィルムをはんだバンプ1A側に配置するか、電極5を有する基板4側に配置するかの配置位置の選択は、電極の形状、はんだバンプ1Aの形状及びサイズ、接合工程上の都合等に合わせ、適宜選択できる。
接続構造体の製造方法としては、はんだ接合と同時に樹脂による電極間封止を行う方法も可能である。フラックス成分を含有するフィルムに代えて、絶縁性樹脂層(樹脂フィルム)を用いること以外は、フラックス成分を含有するフィルムを用いる場合と同様にして、接続構造体を得ることができる。これにより、電極3と他の電極5とが、はんだバンプ1Aを介して接続され、かつ基板2と基板4との間が絶縁性樹脂層で満たされる。この時、絶縁性樹脂層が熱硬化性を有する材料であると、基板2と基板4が強固に固定されると共に、電極3、はんだ層1B及び他の電極5が封止され、水分、酸素などによる電極及びはんだの腐食、酸化が抑制できるため好ましい。
はんだバンプ1Aを溶解するための加熱方法としては、真空下では、例えばリフロー炉内の加熱板を加熱して、加熱板に接した基板2及び基板4を介してはんだバンプ1Aに伝える方法、赤外線などの放射を用いる方法等がある。また、前述の加熱板又は赤外線を用いる加熱方法に加えて、又は併用して、加熱された気体及びガスを介してはんだバンプ1Aを加熱する方法が利用できる。具体的には、不活性ガス及び窒素、水素、水素ラジカル、ギ酸を加熱することで、はんだバンプ1Aを加熱することができる。フラックス材料及びフラックス成分は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、安息香酸、及びリンゴ酸からなる群より選択される少なくとも一種を含んでよい。
他の方法としては、マイクロ波等の電磁波を利用する方法が挙げられる。例えば、電極3、電極5及びはんだバンプ1Aの成分が加熱される特定の電磁波を外部から印加することができる。例えば、基板4及び基板2が樹脂基板である場合、基板4及び基板2の外側から特定の電磁波を照射すると、基板4及び基板2を電磁波が透過し、電極3及びはんだバンプ1A又は電極5が電磁波により加熱される。この方法の場合、接合したい部分を選択的に加熱することができるため、余計な熱履歴が残らない利点がある。例えば、基板2及び基板4が耐熱性の低い材料であっても、はんだバンプ1Aを溶解して電極3と電極5を確実に接合することができる。また、接合する系全体に熱履歴が残りにくいため、接合後の反り及び分解を抑制し易い利点がある。また、マイクロ波を利用する場合、前述のように加熱板、赤外線、加熱ガス等を利用するより、短時間ではんだバンプ1Aを溶解することができるため、接合したい系全体への熱履歴を少なくできる利点があり、前述の効果が得られ易い。更に、マイクロ波を用いると、接合したい又は溶解させたい電極3、はんだバンプ1A及び電極5の部分のみ、局所的に加熱することができる。従って、系全体を加熱する必要が無く、耐熱性の低い材料及び他の電子部品など熱を加えたくないものが電極3及び電極5の近傍にあっても、はんだバンプ1Aを溶解して接合することができる。
他の方法としては、超音波を利用する方法が挙げられる。例えば、超音波振動子を基板2の電極3と反対側に配置し、超音波を印加すると、超音波の振動エネルギーによりはんだバンプ1Aが溶解する。これにより、電極3と、予め電極3の対向位置に配置してあった電極5とが、はんだ層1Bを介して接合される。超音波による接合は、短時間ではんだバンプ1Aを溶解することができるため、基板2及び基板4全体へ熱を掛ける必要が無く、基板2及び基板4が耐熱性の低い材料でも、確実に電極3と電極5を接合することができる。
図7(b)は、このようにして得られる接続構造体30の模式図である。すなわち、図7(b)は、基板2が有する電極3と、他の基板4が有する他の電極5が、融着して形成されたはんだ層1Bを介して接続された状態を模式的に示したものである。本明細書において「融着」とは、電極の少なくとも一部が熱によって融解したはんだ(はんだバンプ1A)によって接合され、その後、これが固化する工程を経ることによって電極の表面にはんだが接合された状態を意味する。接続構造体30は、基板及びその表面に複数の電極を備える第一の回路部材と、他の基板及びその表面に複数の他の電極を備える第二の回路部材と、複数の電極及び複数の他の電極間にはんだ層と、を備えるものであるということができる。なお、第一の回路部材と第二の回路部材との間の空間には、例えばエポキシ樹脂を主剤とするアンダーフィル材を充填することができる。
接続構造体の適用対象としては、半導体メモリー、半導体ロジックチップなどの接続部、半導体パッケージの一次実装及び二次実装の接続部、CMOS画像素子、レーザー素子、LED発光素子などの接合体、それらを用いたカメラ、センサー、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のデバイスが挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<はんだバンプ形成用フィルムの作製>
(作製例1)
工程a1:はんだ微粒子の分級
Sn-Biはんだ微粒子(5N Plus社製、融点139℃、Type8)100gを、蒸留水に浸漬し、超音波分散させた後、静置し、上澄みに浮遊するはんだ微粒子を回収した。この操作を繰り返して、10gのはんだ微粒子を回収した。得られたはんだ微粒子の平均粒子径は1.0μm、C.V.値は42%であった。
工程b1:基体への配置
表1に示す、開口径2.3μmφ、底部径2.0μmφ、深さ1.5μm(底部径2.0μmφは、開口を上面からみると、開口径2.3μmφの中央に位置する)の凹部を複数有する基体(ポリイミドフィルム、厚さ100μm)を準備した。複数の凹部は、1.0μmの間隔で規則的に配列させた。工程aで得られたはんだ微粒子(平均粒子径1.0μm、C.V.値42%)を基体の凹部に配置した。なお、基体の凹部が形成された面側を微粘着ローラーでこすることで余分なはんだ微粒子を取り除き、凹部内のみにはんだ微粒子が配置された基体を得た。
工程c1:はんだ粒子の形成
工程b1で凹部にはんだ微粒子が配置された基体を、水素還元炉(神港精機株式会社製、真空半田付装置)に入れ、真空引き後、水素ガスを炉内に導入して炉内を水素で満たした。その後、炉内を280℃で20分保った後、再び真空に引き、窒素を導入して大気圧に戻してから炉内の温度を室温まで下げることにより、はんだ粒子を形成した。これにより、凹部内にはんだ粒子を有したはんだバンプ形成用フィルムを得た。
<はんだバンプ形成用フィルムの評価>
工程c1を経て得たはんだバンプ形成用フィルムの一部を、SEM観察用台座表面に固定し、表面に白金スパッタを施した。SEMにて、はんだ粒子の直径を300個測定し、平均粒子径及びC.V.値を算出した。結果を表2に示す。また、工程c1を経て得たはんだバンプ形成用フィルムの一部の表面形状を、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、LEXT OLS5000―SAF)を用いて測定し、基体表面からのはんだ粒子の高さを測定し、300個の平均値を算出した。結果を表2に示す。なお、はんだ粒子の表面の一部には、開口底部と接触する部分に平面部が形成されていた。
(作製例2~6)
凹部サイズ等を表1に記載のとおり変更したこと以外は、作製例1と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
(作製例7)
工程c1に代えて、以下の工程c2を行ったこと以外は、作製例1と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
工程c2:はんだ粒子の形成
工程b1で凹部にはんだ微粒子が配置された基体を、水素ラジカル還元炉(神港精機株式会社製、プラズマリフロー装置)に投入し、真空引き後、水素ガスを炉内に導入して、炉内を水素ガスで満たした。その後、炉内を120℃に調整し、5分間水素ラジカルを照射した。その後、真空引きにて炉内の水素ガスを除去し、170℃まで加熱した後、窒素を炉内に導入して大気圧に戻してから炉内の温度を室温まで下げることにより、はんだ粒子を形成した。これにより、凹部内にはんだ粒子を有したはんだバンプ形成用フィルムを得た。
(作製例8~12)
凹部サイズ等を表1に記載のとおり変更したこと以外は、作製例7と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
(作製例13)
工程c1に代えて、以下の工程c3を行ったこと以外は、作製例1と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
工程c3:はんだ粒子の形成
工程b1で凹部にはんだ微粒子が配置された基体を、ギ酸還元炉に投入し、真空引き後、ギ酸ガスを炉内に導入して、炉内をギ酸ガスで満たした。その後、炉内を130℃に調整し、5分間温度を保持した。その後、真空引きにて炉内のギ酸ガスを除去し、180℃まで加熱した後、窒素を炉内に導入して大気圧に戻してから炉内の温度を室温まで下げることにより、はんだ粒子を形成した。これにより、凹部内にはんだ粒子を有したはんだバンプ形成用フィルムを得た。
(作製例14~18)
凹部サイズ等を表1に記載のとおり変更したこと以外は、作製例13と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
(作製例19)
工程c1に代えて、以下の工程c4を行ったこと以外は、作製例1と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
工程c4:はんだ粒子の形成
工程b1で凹部にはんだ微粒子が配置された基体を、ギ酸コンベアリフロー炉(Heller Industries, Inc.製、1913MK)に投入し、コンベアーにて搬送しながら、190℃に調整された窒素ゾーン、窒素及びギ酸ガス混合ゾーン、窒素ゾーンを連続して通過させた。窒素及びギ酸ガス混合ゾーンを20分間で通過させ、はんだバンプ形成用フィルムを形成した。
(作製例20~24)
凹部サイズ等を表1に記載のとおり変更したこと以外は、作製例19と同様にしてはんだバンプ形成用フィルムを作製し、評価した。結果を表2に示す。
<はんだバンプ付き評価チップの作製>
工程d1:評価チップの準備
下記に示す、7種類の金バンプ付きチップ(3.0×3.0mm、厚さ:0.5mm)を準備した。
チップC1…面積100μm×100μm、スペース40μm、高さ:10μm、バンプ数362
チップC2…面積75μm×75μm、スペース20μm、高さ:10μm、バンプ数362
チップC3…面積40μm×40μm、スペース16μm、高さ:7μm、バンプ数362
チップC4…面積20μm×20μm、スペース7μm、高さ:5μm、バンプ数362
チップC5…面積10μm×10μm、スペース6μm、高さ:3μm、バンプ数362
チップC6…面積10μm×10μm、スペース4μm、高さ:3μm、バンプ数362
チップC7…面積5μm×10μm、スペース3μm、高さ:2μm、バンプ数362
工程e1:はんだバンプ形成
以下に示すi)~iii)の手順に従い、工程c2で作製したはんだバンプ形成用フィルム(作製例7)を用いて、金バンプ付きチップ(3.0×3.0mm、厚さ:0.5mm)にはんだバンプを形成した。
i)ギ酸リフロー炉(神港精機株式会社製、バッチ式真空半田付装置)の下部熱板に、厚さ0.3mmのガラス板を置き、ガラス板上に金バンプを上にして評価チップを置いた。
ii)はんだバンプ形成用フィルムのはんだ粒子が露出した面を下に向け、評価チップの金バンプ面とはんだ粒子が接触するように配置した。さらに、はんだバンプ形成用フィルムの上に厚さ0.3mmのガラス板をのせ、はんだ粒子を金バンプに密着させた。
iii)ギ酸真空リフロー炉を作動させ、真空引きの後、ギ酸ガスを充填し、下部熱板を135℃(Sn-Biはんだの融点未満の温度)に昇温し、1分加熱した。その後、真空引きにてギ酸ガスを排出後、窒素置換を行い、下部熱板を室温まで戻し、炉内を大気に開放した。最上部のガラス板、はんだバンプ形成用フィルムの順に取り除いて、はんだバンプ付き評価チップを得た。
<はんだバンプの評価>
工程e1を経て得た評価チップを、SEM観察用台座表面に固定し、表面に白金スパッタを施した。SEMにて、30個の金バンプについて、金バンプ上に載った、はんだバンプ数を数え、一つの金バンプ上に載ったはんだバンプの平均個数を算出した。結果を表3に示す。また、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、LEXT OLS5000―SAF)を用いて金バンプからのはんだバンプの高さとバンプ直径を測定し、100個の平均値を算出した。結果を表3に示す。
作製例8~12のはんだバンプ形成用フィルムについても、作製例7のはんだバンプ形成用フィルムと同じ方法ではんだバンプ形成を行った。評価結果を表3に示す。
図8(a)は、チップC4の金バンプの一部を撮像したSEM画像である。図8(b)は、チップC4の金バンプ上に、作製例8のはんだバンプ形成用フィルムを用いて形成されたはんだバンプを撮像したSEM画像である。はんだバンプは、金バンプ上にのみ形成されており、金バンプ間には、はんだ粒子及びはんだバンプに由来するはんだ材料は見られなかった。
<はんだバンプ組成の評価>
FE-SEM(日本電子株式会社製、JSM-7800F)とEDX(Oxford Instruments Inc.製、X-Max)を用いて、工程c2を経て得たはんだバンプ形成用フィルムにおけるはんだ粒子のはんだ組成(Sn/Bi質量比)と、工程e1を経て得たはんだバンプ付き評価チップC1上に形成されたはんだバンプのはんだ組成(Sn/Bi質量比)を解析した。
はんだバンプ形成用フィルム中のはんだ粒子のSn/Bi質量比を算出するべく、はんだバンプ形成用フィルムをSEM試料台に固定し、白金スパッタした。倍率を1000倍~5000倍、加速電圧を10kVに設定してEDXスペクトルを収集した。対象となる粒子数が100個以上となるよう複数の異なる視野に対してEDXスペクトルを収集した。得られた各視野におけるはんだ粒子のSn/Bi質量比を算出し、平均値をとることで、はんだバンプ形成フィルムにおけるはんだ粒子のSn/Bi質量比とした。
はんだバンプ付き評価チップ上のはんだバンプのSn/Bi質量比を算出するべく、はんだバンプ付き評価チップをSEM試料台に固定し、白金スパッタした。倍率を1000倍~5000倍、加速電圧を10kVに設定した。より正確なはんだバンプの組成を算出するために、はんだバンプ周辺に存在するバンプ化していないはんだ微粒子及び、金電極とはんだが合金化して接合した部分を除外して組成を算出する必要があった。そのため、はんだバンプのEDXスペクトル収集に関しては、観察用試料台を45°傾けてスペクトル収集した後、はんだバンプと金電極との間に形成された接合部分を除いたはんだ部分のみを抽出して組成分析した。対象となる粒子数が100個以上となるよう複数の異なる視野に対してEDXスペクトルを収集した。得られた各視野におけるはんだバンプのSn/Bi質量比を算出し、平均値をとることで、はんだバンプのSn/Bi質量比を算出した。
結果を表4に示す。
図9は、作製例9のはんだバンプ形成用フィルムを用いて形成されたはんだバンプの、EDX解析結果による元素マッピングである。得られた元素マッピング像から、SnとBiが分離・混在しており、スズ合金が共晶状態を維持していることが分かる。
はんだ粒子中のSnが電極中のAuと局所的に相互拡散することで、電極上にはんだ粒子が保持され、はんだバンプが形成される。表4に示すように、はんだ粒子のサイズが小さくなるにつれて、僅かにSnが減少する傾向が見られた。そこで、得られたはんだバンプが接合に使用可能かを調べた。
工程f1:接合試験
以下に示すi)~iii)の手順に従い、工程e1で作製したはんだバンプ付き評価チップC1(作製例7~12)を用いて、金コートシリコンウエハ(10×10mm、金コート厚さ:0.1μm、シリコンウエハ厚さ:0.6mm)に接合試験を行った。
i)ギ酸リフロー炉(神港精機株式会社製、バッチ式真空半田付装置)の下部熱板に、厚さ0.3mmのガラス板を置き、ガラス板上に金バンプを上にして評価チップを置いた。
ii)はんだバンプ付き評価チップのはんだバンプ面と金コートシリコンウエハの金コート面が接触するように配置した。さらに、はんだバンプ付き評価チップ上に厚さ0.3mmのガラス板をのせ、はんだバンプを金コート面に密着させた。
iii)ギ酸真空リフロー炉を作動させ、真空引きの後、ギ酸ガスを充填し、下部熱板を150℃に昇温し、1分加熱した。その後、真空引きにてギ酸ガスを排出後、窒素置換を行い、下部熱板を室温まで戻し、炉内を大気に開放した。最上部のガラス板を取り除いた後、評価チップが付いた金コートシリコンウエハを得た。
<接合状態の評価>
工程f1を経て得た、評価チップが付いた金コートシリコンウエハの評価チップ部分にのみ荷重をかけ、金コートシリコンウエハから評価チップを剥離した。剥離後の金コートシリコンウエハをSEM観察用台座表面に固定し、表面に白金スパッタを施した。FE-SEM(日本電子株式会社製、JSM-7800F)にて、金コートシリコンウエハ表面のはんだ接合痕の有無を調べた。結果を表5に示す。
表5に示すように、作製例7~12のはんだバンプ形成用フィルムのいずれを用いた場合にも、はんだ接合痕が観測された。はんだ粒子をスズ合金の融点未満の温度で加熱することで電極上に形成されたはんだバンプは、サイズが微小であるにもかかわらずスズ合金の共晶状態が維持されているため所望の組成を有しており、特に微小電極間の接合材料として有用であることが分かった。
1…はんだ粒子、1A…はんだバンプ、1B…はんだ層、2…基板、3…電極、4…他の基板、5…他の電極、10…はんだバンプ形成用部材、20…はんだバンプ付き電極基板、30…接続構造体、60…基体、62…凹部、111…はんだ微粒子。

Claims (12)

  1. スズ合金を含むはんだ粒子及び電極を接触させた状態で、前記はんだ粒子を前記スズ合金の融点未満の温度でありかつ前記スズ合金の共晶状態が維持される温度で加熱して、前記はんだ粒子を前記電極に接合する加熱工程を備える、はんだバンプ付き電極基板の製造方法。
  2. 複数の凹部を有する基体と、前記凹部内に前記はんだ粒子を備え、前記はんだ粒子の一部が該凹部から突出している、はんだバンプ形成用部材、及び複数の前記電極を有する基板、を準備する準備工程と、
    前記はんだバンプ形成用部材の前記凹部を有する面及び前記基板の前記電極を有する面を対向させて、前記はんだ粒子及び前記電極を接触させる配置工程と、
    を更に備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱を、前記はんだ粒子及び前記電極を加圧状態で接触させながら行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記加熱工程の前に、前記はんだ粒子を還元雰囲気に晒す還元工程を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記加熱を還元雰囲気下で行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記加熱工程の後に、前記はんだバンプ形成用部材を前記基板から除去する除去工程を更に備える、請求項2に記載の製造方法。
  7. 前記除去工程の後に、前記電極に結合していない前記はんだ粒子を除去する洗浄工程を更に備える、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記はんだ粒子の平均粒子径が1~35μmであり、C.V.値が20%以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記はんだ粒子の表面の一部に平面部が形成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 隣接する前記凹部間の距離が、前記はんだ粒子の平均粒子径の0.1倍以上である、請求項2に記載の製造方法。
  11. 前記はんだバンプ付き電極基板の前記はんだバンプの平均直径が1~35μmであり、C.V.値が20%以下である、請求項1~10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記スズ合金がSn-Bi合金であり、前記はんだバンプ付き電極基板の前記はんだバンプに含まれる、前記Sn-Bi合金中のSn及びBiの質量比Sn/Biが0.2以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の製造方法。

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