JP2023110554A - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ Download PDF

Info

Publication number
JP2023110554A
JP2023110554A JP2022012079A JP2022012079A JP2023110554A JP 2023110554 A JP2023110554 A JP 2023110554A JP 2022012079 A JP2022012079 A JP 2022012079A JP 2022012079 A JP2022012079 A JP 2022012079A JP 2023110554 A JP2023110554 A JP 2023110554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
resin
carbon atoms
conjugated diene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022012079A
Other languages
English (en)
Inventor
龍史 明比
Ryuji Akebi
隆雄 谷川
Takao Tanigawa
直義 佐藤
Naoyoshi Sato
彩香 竹口
Ayaka TAKEGUCHI
裕太 村田
Yuta Murata
将人 福井
Masato Fukui
寧々 畠山
Nene Hatakeyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Resonac Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Resonac Holdings Corp filed Critical Resonac Holdings Corp
Priority to JP2022012079A priority Critical patent/JP2023110554A/ja
Publication of JP2023110554A publication Critical patent/JP2023110554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】難燃性を維持しながら、誘電正接が低減された樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージを提供する。【解決手段】(A)N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂及びその誘導体からなる群から選択される1種以上と、(B)芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂と、を含有する、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージである。【選択図】なし

Description

本実施形態は、樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージに関する。
携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー、ルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピューターなどの電子機器では、使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載するプリント配線板の基板材料には、高周波信号の伝送損失を低減できる誘電特性[以下、「高周波特性」と称する場合がある。]、すなわち、低比誘電率及び低誘電正接が求められている。
近年、上述した電子機器の他にも、自動車、交通システム関連等のITS(Intelligent Transport Systems)分野及び室内の近距離通信分野でも、高周波無線信号を扱う新規システムの実用化又は実用計画が進んでいる。そのため、今後、これらの分野で使用するプリント配線板に対しても、高周波特性に優れる基板材料の必要性が高まると予想される。
プリント配線板に対しては、まず、使用環境下に耐え得る耐熱性及び低熱膨張性を有することが要求される。そのため、プリント配線板にはマレイミド樹脂等の機械特性に優れる樹脂が採用されてきた。しかしながら、これらの機械特性に優れる樹脂の多くは極性基を含むため、高周波特性には改善の余地があった。
そのため、高度な低伝送損失が要求されるプリント配線板には、例えば、ポリブタジエン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)等の、低誘電正接化に寄与する炭化水素系樹脂が使用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開2021-077786号公報
しかしながら、ポリブタジエン、SEBS等の炭化水素系樹脂は、低誘電正接化には有効であるものの、これらの添加量を増やすと、難燃性が悪化する傾向にある。そのため、これらの炭化水素系樹脂のみによる低誘電正接化には限界があり、難燃性を維持しながら誘電正接を低減する技術が求められている。
本実施形態は、このような現状に鑑み、難燃性を維持しながら、誘電正接が低減された樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージを提供することを課題とする。
本発明者等は上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、下記の本実施形態[1]~[12]によって当該課題を解決できることを見出した。
[1](A)N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂及びその誘導体からなる群から選択される1種以上と、
(B)芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂と、
を含有する、樹脂組成物。
[2]前記(B)成分が有するエチレン性不飽和結合が、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基に含まれるものである、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位が、スチレン由来の構造単位である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(B)成分が、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記(B)成分の数平均分子量(Mn)が、5,000~60,000である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]さらに、(C)共役ジエンポリマー及び変性共役ジエンポリマーからなる群から選択される1種以上を含有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]さらに、(D)スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体を含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有するプリプレグ。
[9]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物又は[8]に記載のプリプレグの硬化物と、金属箔と、を有する積層板。
[10]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有する樹脂フィルム。
[11]上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物、上記[8]に記載のプリプレグの硬化物、及び上記[9]に記載の積層板からなる群から選択される1種以上を有するプリント配線板。
[12]上記[11]に記載のプリント配線板と、半導体素子と、を有する半導体パッケージ。
本実施形態によれば、難燃性を維持しながら、誘電正接が低減された樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージを提供することができる。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
例えば、数値範囲「X~Y」(X、Yは実数)という表記は、X以上、Y以下である数値範囲を意味する。そして、本明細書における「X以上」という記載は、X及びXを超える数値を意味する。また、本明細書における「Y以下」という記載は、Y及びY未満の数値を意味する。
本明細書中に記載されている数値範囲の下限値及び上限値は、それぞれ他の数値範囲の下限値又は上限値と任意に組み合わせられる。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の下限値又は上限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「固形分」とは、溶媒等の揮発する物質を除いた不揮発分のことを意味する。すなわち、「固形分」とは、樹脂組成物を乾燥させた際に、揮発せずに残る成分であり、室温で液状、水飴状及びワックス状のものも含む。ここで、本明細書において室温とは25℃を意味する。
本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
本明細書における数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;Gel Permeation Chromatography)によってポリスチレン換算にて測定された値を意味する。具体的には、本明細書における数平均分子量(Mn)は、実施例に記載の方法によって測定することができる。
本明細書における「半硬化物」とは、JIS K 6800(1985)におけるB-ステージの状態にある樹脂組成物と同義であり、「硬化物」とは、JIS K 6800(1985)におけるC-ステージの状態にある樹脂組成物と同義である。
本明細書に記載されている作用機序は推測であって、本実施形態の効果を奏する機序を限定するものではない。
本明細書の記載事項を任意に組み合わせた態様も本実施形態に含まれる。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、
(A)N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂及びその誘導体からなる群から選択される1種以上[以下、「(A)マレイミド系樹脂」と称する場合がある。]と、
(B)芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂と、
を含有する、樹脂組成物である。
なお、本明細書において、各成分はそれぞれ、(A)成分、(B)成分等と省略して称することがあり、その他の成分についても同様の略し方をすることがある。
<(A)マレイミド系樹脂>
(A)マレイミド系樹脂は、N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂及び該マレイミド樹脂の誘導体からなる群から選択される1種以上である。
(A)マレイミド系樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、以下の説明で、N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂を「マレイミド樹脂(AX)」又は「(AX)成分」と称する場合がある。
また、N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂の誘導体を「マレイミド樹脂誘導体(AY)」又は「(AY)成分」と称する場合がある。
(マレイミド樹脂(AX))
マレイミド樹脂(AX)は、N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂であれば特に限定されない。
マレイミド樹脂(AX)は、導体接着性及び耐熱性の観点から、N-置換マレイミド基を2個以上有する芳香族マレイミド樹脂であることが好ましく、N-置換マレイミド基を2個有する芳香族ビスマレイミド樹脂であることがより好ましい。
なお、本明細書中、「芳香族マレイミド樹脂」とは、芳香環に直接結合するN-置換マレイミド基を有する化合物を意味する。また、本明細書中、「芳香族ビスマレイミド樹脂」とは、芳香環に直接結合するN-置換マレイミド基を2個有する化合物を意味する。また、本明細書中、「芳香族ポリマレイミド樹脂」とは、芳香環に直接結合するN-置換マレイミド基を3個以上有する化合物を意味する。また、本明細書中、「脂肪族マレイミド樹脂」とは、脂肪族炭化水素に直接結合するN-置換マレイミド基を有する化合物を意味する。
マレイミド樹脂(AX)としては、下記一般式(A-1)で表されるマレイミド樹脂が好ましい。

(式中、XA1は2価の有機基である。)
上記一般式(A-1)中のXA1は、2価の有機基である。
上記一般式(A-1)中のXA1が表す2価の有機基としては、例えば、下記一般式(A-2)で表される2価の有機基、下記一般式(A-3)で表される2価の有機基、下記一般式(A-4)で表される2価の有機基、下記一般式(A-5)で表される2価の有機基、下記一般式(A-6)で表される2価の有機基、下記一般式(A-7)で表される2価の有機基等が挙げられる。

(式中、RA1は、炭素数1~5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子である。nA1は0~4の整数である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-2)中のRA1が表す炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基;炭素数2~5のアルケニル基;炭素数2~5のアルキニル基などが挙げられる。炭素数1~5の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。該炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記一般式(A-2)中のnA1は0~4の整数であり、入手容易性の観点から、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
A1が2以上の整数である場合、複数のRA1同士は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。

(式中、RA2及びRA3は、各々独立に、炭素数1~5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子である。XA2は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基、単結合、又は下記一般式(A-3-1)で表される2価の有機基である。nA2及びnA3は、各々独立に、0~4の整数である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-3)中のRA2及びRA3が表す炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基;炭素数2~5のアルケニル基;炭素数2~5のアルキニル基などが挙げられる。炭素数1~5の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。該炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記一般式(A-3)中のXA2が表す炭素数1~5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2-ジメチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テトラメチレン基、1,5-ペンタメチレン基等が挙げられる。該炭素数1~5のアルキレン基としては、炭素数1~3のアルキレン基が好ましく、炭素数1又は2のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
上記一般式(A-3)中のXA2が表す炭素数2~5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2~4のアルキリデン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキリデン基がより好ましく、イソプロピリデン基がさらに好ましい。
上記一般式(A-3)中のnA2及びnA3は、各々独立に、0~4の整数である。
A2又はnA3が2以上の整数である場合、複数のRA2同士又は複数のRA3同士は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(A-3)中のXA2が表す一般式(A-3-1)で表される2価の有機基は以下のとおりである。

(式中、RA4及びRA5は、各々独立に、炭素数1~5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子である。XA3は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~5のアルキリデン基、エーテル基、スルフィド基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、ケト基又は単結合である。nA4及びnA5は、各々独立に、0~4の整数である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-3-1)中のRA4及びRA5が表す炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基;炭素数2~5のアルケニル基;炭素数2~5のアルキニル基などが挙げられる。炭素数1~5の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。該炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記一般式(A-3-1)中のXA3が表す炭素数1~5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2-ジメチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テトラメチレン基、1,5-ペンタメチレン基等が挙げられる。該炭素数1~5のアルキレン基としては、炭素数1~3のアルキレン基が好ましく、炭素数1又は2のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
上記一般式(A-3-1)中のXA3が表す炭素数2~5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2~4のアルキリデン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキリデン基がより好ましく、イソプロピリデン基がさらに好ましい。
上記一般式(A-3-1)中のnA4及びnA5は、各々独立に、0~4の整数であり、入手容易性の観点から、いずれも、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
A4又はnA5が2以上の整数である場合、複数のRA4同士又は複数のRA5同士は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(A-3)中のXA2としては、上記選択肢の中でも、炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~5のアルキリデン基、上記一般式(A-3-1)で表される2価の有機基が好ましく、炭素数1~5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。

(式中、nA6は0~10の整数である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-4)中のnA6は、入手容易性の観点から、好ましくは0~5の整数、より好ましくは0~4の整数、さらに好ましくは0~3の整数である。

(式中、nA7は0~5の数である。*は結合部位を表す。)

(式中、RA6及びRA7は、各々独立に、水素原子又は炭素数1~5の脂肪族炭化水素基である。nA8は1~8の整数である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-6)中のRA6及びRA7が表す炭素数1~5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基;炭素数2~5のアルケニル基;炭素数2~5のアルキニル基などが挙げられる。炭素数1~5の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
上記一般式(A-6)中のnA8は、1~8の整数であり、好ましくは1~5の整数、より好ましくは1~3の整数、さらに好ましくは1である。nA8が2以上の整数である場合、複数のRA6同士又は複数のRA7同士は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。

(式中、RA8は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数6~10のアリールチオ基、炭素数3~10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基又はメルカプト基であり、nA9は0~3の整数である。RA9~RA11は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基である。RA12は、各々独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数6~10のアリールチオ基、炭素数3~10のシクロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基又はメルカプト基である。nA10は、各々独立に、0~4の整数であり、nA11は、0.95~10.0の数値である。*は結合部位を表す。)
上記一般式(A-7)中のRA8で表される炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
A8で表される炭素数1~10のアルキルオキシ基及び炭素数1~10のアルキルチオ基に含まれるアルキル基としては、上記炭素数1~10のアルキル基と同じものが挙げられる。
A8で表される炭素数6~10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
A8で表される炭素数6~10のアリールオキシ基及び炭素数6~10のアリールチオ基に含まれるアリール基としては、上記炭素数6~10のアリール基と同じものが挙げられる。
A8で表される炭素数3~10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等が挙げられる。
上記一般式(A-7)中のnA9が1~3の整数である場合、RA8は、溶剤溶解性及び反応性の観点から、炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましい。
A9~RA11で表される炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。これらの中でも、RA9~RA11は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記一般式(A-7)中のnA9は、0~3の整数であり、nA9が2又は3である場合、複数のRA8同士は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上の中でも、上記一般式(A-7)で表される2価の有機基は、他の樹脂との相容性、溶剤溶解性、誘電特性、導体との接着性及び製造容易性の観点から、nA9が0であり、RA9~RA11がメチル基である、2価の有機基であることが好ましい。
上記一般式(A-7)中、複数のRA8同士、複数のRA12同士、複数のnA9同士、複数のnA10同士は、各々について、同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、nA11が1を超える場合、複数のRA9同士、複数のRA10同士及び複数のRA11同士は、各々について、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(A-7)中のRA12が表す炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数6~10のアリールチオ基、炭素数3~10のシクロアルキル基についての説明は、上記RA8が表す炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基、炭素数1~10のアルキルチオ基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアリールオキシ基、炭素数6~10のアリールチオ基、炭素数3~10のシクロアルキル基についての説明と同じである。
これらの中でも、RA12は、他の樹脂との相容性、溶剤溶解性、誘電特性、導体との接着性及び製造容易性の観点から、炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。
上記一般式(A-7)中のnA10は、0~4の整数であり、他の樹脂との相容性、溶剤溶解性、誘電特性、導体との接着性及び製造容易性の観点から、好ましくは0~3の整数、より好ましくは0又は2である。
なお、nA10が1以上であることによって、ベンゼン環とN-置換マレイミド基とがねじれた配座を有するものになり、分子間のスタッキング抑制によって溶剤溶解性がより向上する傾向にある。同様の観点から、nA10が1以上である場合、RA12の置換位置は、N-置換マレイミド基に対してオルト位であることが好ましい。
上記一般式(A-7)中のnA11は、他の樹脂との相容性、溶剤溶解性、溶融粘度、ハンドリング性及び耐熱性の観点から、好ましくは0.98~8.0、より好ましくは1.0~7.0、さらに好ましくは1.1~6.0である。
上記一般式(A-7)で表される2価の有機基は、下記一般式(A-7-1)で表される2価の有機基、下記一般式(A-7-2)で表される2価の有機基、下記一般式(A-7-3)で表される2価の有機基、下記一般式(A-7-4)で表される2価の有機基等が好ましく挙げられる。

(式中、nA11は、上記一般式(A-7)中のものと同じである。*は結合部位を表す。)
以上の一般式(A-1)で表されるマレイミド樹脂の中でも、XA1として、上記一般式(A-3)で表される2価の有機基を有するマレイミド樹脂[以下、「マレイミド樹脂(A1)」と称する場合がある。]、XA1として、上記一般式(A-7)で表される2価の有機基を有するマレイミド樹脂[以下、「マレイミド樹脂(A2)」と称する場合がある。]が好ましく、マレイミド樹脂(A1)とマレイミド樹脂(A2)とを併用することがより好ましい。
マレイミド樹脂(A1)とマレイミド樹脂(A2)とを併用する場合、マレイミド樹脂(A1)とマレイミド樹脂(A2)との含有量比〔(A1):(A2)〕は、特に限定されないが、誘電特性及び低熱膨張性の観点から、質量基準で、好ましくは10:90~50:50、より好ましくは15:85~40:60、さらに好ましくは20:80~30:70である。
マレイミド樹脂(AX)としては、例えば、芳香族ビスマレイミド樹脂、芳香族ポリマレイミド樹脂、脂肪族マレイミド樹脂等が挙げられ、これらの中でも、芳香族ビスマレイミド樹脂が好ましい。
マレイミド樹脂(AX)の具体例としては、N,N’-エチレンビスマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’-(1,3-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-[1,3-(2-メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-[1,3-(4-メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-(1,4-フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、ビス(3-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4-マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4-マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4-マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4-マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4-ビス(4-マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4-ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス(4-マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)-3,5-ジメチル-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド、インダン骨格を有する芳香族ビスマレイミド樹脂、ビフェニルアラルキル型マレイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、インダン骨格を有する芳香族ビスマレイミド樹脂及び3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミドが好ましく、インダン骨格を有する芳香族ビスマレイミド樹脂と、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミドとを併用することがより好ましい。
(マレイミド樹脂誘導体(AY))
マレイミド樹脂誘導体(AY)としては、上記したマレイミド樹脂(AX)由来の構造単位とジアミン化合物由来の構造単位とを含有するアミノマレイミド樹脂が好ましい。
アミノマレイミド樹脂が含有するマレイミド樹脂(AX)由来の構造単位としては、例えば、マレイミド樹脂(AX)が有するN-置換マレイミド基のうち、少なくとも1つのN-置換マレイミド基が、ジアミン化合物が有するアミノ基とマイケル付加反応してなる構造単位が挙げられる。
アミノマレイミド樹脂中に含まれるマレイミド樹脂(AX)由来の構造単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
アミノマレイミド樹脂が含有するジアミン化合物由来の構造単位としては、例えば、ジアミン化合物が有する2個のアミノ基のうち、一方又は両方のアミノ基が、マレイミド樹脂(AX)が有するN-置換マレイミド基とマイケル付加反応してなる構造単位が挙げられる。
アミノマレイミド樹脂中に含まれるジアミン化合物由来の構造単位は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
ジアミン化合物としては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス〔1-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1-メチルエチル〕ベンゼン、1,4-ビス〔1-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1-メチルエチル〕ベンゼン、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,3’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等の芳香族ジアミン化合物;第1級アミノ基を2個有するシリコーン化合物などが挙げられる。
なお、本明細書中、「芳香族ジアミン化合物」とは、芳香環に直接結合するアミノ基を2個有する化合物を意味する。
((A)マレイミド系樹脂の含有量)
本実施形態の樹脂組成物中における(A)マレイミド系樹脂の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総量(100質量%)に対して、好ましくは5~90質量%、より好ましくは10~60質量%、さらに好ましくは15~40質量%である。
(A)マレイミド系樹脂の含有量が上記下限値以上であると、耐熱性、成形性、加工性及び導体接着性がより良好になり易い傾向にある。また、(A)マレイミド系樹脂の含有量が上記上限値以下であると、誘電特性がより良好になり易い傾向にある。
ここで、本明細書において、「樹脂成分」とは、樹脂及び硬化反応によって樹脂を形成する化合物を意味する。
例えば、本実施形態の樹脂組成物においては、(A)成分及び(B)成分は樹脂成分に相当する。
本実施形態の樹脂組成物が、任意成分として、上記成分以外に樹脂又は硬化反応によって樹脂を形成する化合物を含有する場合、これらの任意成分も樹脂成分に含まれる。樹脂成分に相当する任意成分としては、後述する、(C)成分、(D)成分等が挙げられる。
一方、(E)成分、(F)成分及び(G)成分は、樹脂成分には含まれないものとする。
本実施形態の樹脂組成物中における樹脂成分の合計含有量は、特に限定されないが、低熱膨張性、耐熱性、難燃性及び導体接着性の観点から、本実施形態の樹脂組成物の固形分総量(100質量%)に対して、好ましくは20~70質量%、より好ましくは25~60質量%、さらに好ましくは30~50質量%である。
<(B)芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂>
(B)成分は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂である。
本実施形態の樹脂組成物は、(B)成分を含有することによって、難燃性を維持しつつ、誘電正接を低減することができる。これは、(B)成分は、極性が低いため誘電正接の低減に寄与すると共に、脂肪族炭化水素よりも燃焼し難い芳香環を含有し、かつエチレン性不飽和結合が、燃焼により分解して発生したマクロラジカルを補足するラジカルトラップ効果を発現するためであると推測される。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分が有する芳香族ビニル化合物由来の構造単位としては、下記一般式(B-1)で表されるスチレン系化合物由来の構造単位が好ましい。

(式中、RB1は水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり、RB2は、炭素数1~5のアルキル基である。nB1は、0~5の整数である。)
上記一般式(B-1)中のRB1及びRB2が表す炭素数1~5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。炭素数1~5のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。これらの中でも、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。上記一般式(B-1)中のnB1は、0~5の整数であり、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
以上で表される構造単位の中でも、難燃性の観点から、(B)成分が有する芳香族ビニル化合物由来の構造単位は、スチレン由来の構造単位であることが好ましい。
(B)成分中における、芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、特に限定されないが、誘電特性及び難燃性の観点から、全構造単位中、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、さらに好ましくは40~60質量%である。
(B)成分は、エチレン性不飽和結合を有する。
なお、本明細書において、「エチレン性不飽和結合」とは、付加反応が可能な炭素-炭素二重結合を意味し、芳香環の二重結合は含まないものとする。
エチレン性不飽和結合としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリロイル基、2-ブテニレン基等に含まれるものが挙げられる。
(B)成分が1分子中に有するエチレン性不飽和結合の数は、特に限定されないが、好ましくは2個以上、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上である。
(B)成分は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位と、エチレン性不飽和結合を有する構造単位と、を有する共重合樹脂であることが好ましい。
(B)成分は、難燃性をより良好にするという観点から、エチレン不飽和結合を含有する基として、ビニル基を有することが好ましい。
(B)成分がビニル基を有する場合、ビニル基は、共役ジエン化合物に由来するビニル基であることが好ましい。すなわち、(B)成分は、共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有し、当該構造単位が側鎖にビニル基を有することが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。共役ジエン化合物に由来する構造単位は、1種単独又は2種以上であってもよい。
これらの中でも、(B)成分が有するエチレン性不飽和結合は、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基に含まれるものであることが好ましい。
1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基とは、下記式(B-2)で表される構造単位に含まれるビニル基である。
(B)成分が共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する場合、共役ジエン化合物由来の全構造単位に対して、側鎖にビニル基を有する共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量は、特に限定されないが、他の樹脂との相容性、誘電特性、低熱膨張性及び耐熱性の観点から、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上である。
側鎖にビニル基を有する共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量の上限に特に制限はなく、共役ジエン化合物由来の全構造単位に対して、100モル%以下であってもよく、97モル%以下であってもよく、95モル%以下であってもよい。
(B)成分が共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する場合、(B)成分中における、共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量は、特に限定されないが、誘電特性及び難燃性の観点から、全構造単位中、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、さらに好ましくは40~60質量%である。
(B)成分が共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有する場合、共役ジエン化合物に由来する構造単位の一部は水素添加されていてもよいが、水素添加されていないことが好ましい。
(B)成分が含有する共役ジエン化合物由来の構造単位に含まれる炭素-炭素二重結合の水素添加率は、難燃性の観点から、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、さらに好ましくは0~1%である。
(B)成分は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位及び共役ジエン化合物由来の構造単位以外の構造単位を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
(B)成分の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、樹脂組成物の溶融粘度を適度な範囲にするという観点から、好ましくは5,000~60,000、より好ましくは10,000~40,000、さらに好ましくは15,000~25,000である。
(B)成分としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン―スチレンブロック共重合体(SIS)等が挙げられる。これらの中でも、誘電特性及び難燃性の観点から、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)が好ましい。
((B)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物中における(B)成分の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総量(100質量%)に対して、好ましくは1~40質量%、より好ましくは5~30質量%、さらに好ましくは8~25質量%である。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、誘電特性がより良好になり易い傾向にある。また、(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、耐熱性がより良好になり易い傾向にある。
<(C)共役ジエンポリマー及び変性共役ジエンポリマーからなる群から選択される1種以上>
本実施形態の樹脂組成物は、誘電特性の観点から、さらに、(C)共役ジエンポリマー及び変性共役ジエンポリマーからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(共役ジエンポリマー)
本明細書中、「共役ジエンポリマー」とは、共役ジエン化合物の重合体を意味する。
本実施形態の樹脂組成物は、共役ジエンポリマーを含有することによって、より優れた誘電特性が得られ易い傾向にある。
共役ジエンポリマーのモノマー成分である共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。
共役ジエンポリマーは、1種の共役ジエン化合物の重合体であってもよく、2種以上の共役ジエン化合物の共重合体であってもよい。
また、共役ジエンポリマーは、1種以上の共役ジエン化合物と、1種以上の共役ジエン化合物以外のモノマーと、の共重合体であってもよい。
共役ジエンポリマーが共重合体である場合の重合様式は特に限定されず、ランダム重合、ブロック重合又はグラフト重合のいずれであってもよい。
共役ジエンポリマーとしては、他の樹脂との相容性及び誘電特性の観点から、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーが好ましい。
共役ジエンポリマーが1分子中に有する側鎖ビニル基の数は、特に限定されないが、他の樹脂との相容性及び誘電特性の観点から、好ましくは2個以上、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは10個以上である。
共役ジエンポリマーが1分子中に有する側鎖ビニル基の数の上限は特に限定されないが、例えば、100個以下であってもよく、80個以下であってもよく、60個以下であってもよい。
共役ジエンポリマーとしては、例えば、ビニル基を有するポリブタジエン、ビニル基を有するポリイソプレン等が挙げられる。これらの中でも、誘電特性及び耐熱性の観点から、ビニル基を有するポリブタジエンが好ましく、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基を有するポリブタジエンがより好ましい。また、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基を有するポリブタジエンとしては、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基を有するポリブタジエンホモポリマーが好ましい。
共役ジエンポリマーが有する1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基とは、下記式(C-1)で表される構造単位に含まれるビニル基である。
共役ジエンポリマーが1,2-ビニル基を有するポリブタジエンである場合、ポリブタジエンを構成するブタジエン由来の全構造単位に対して、1,2-ビニル基を有する構造単位の含有量[以下、「ビニル基含有率」と称する場合がある。]は、特に限定されないが、他の樹脂との相容性、誘電特性及び耐熱性の観点から、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上である。また、ビニル基含有率の上限に特に制限はなく、100モル%以下であってもよく、95モル%以下であってもよく、90モル%以下であってもよい。1,2-ビニル基を有する構造単位としては、上記式(C-1)で表される構造単位が好ましい。
同様の観点から、1,2-ビニル基を有するポリブタジエンは、1,2-ポリブタジエンホモポリマーであることが好ましい。
共役ジエンポリマーの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、他の樹脂との相容性、誘電特性及び耐熱性の観点から、好ましくは400~3,000、より好ましくは600~2,000、さらに好ましくは800~1,500である。
(変性共役ジエンポリマー)
変性共役ジエンポリマーは、共役ジエンポリマーを変性してなるポリマーである。
本実施形態の樹脂組成物は、変性共役ジエンポリマーを含有することによって、良好な耐熱性及び低熱膨張性を有しながらも、より優れた誘電特性が得られ易い傾向にある。
変性共役ジエンポリマーとしては、他の樹脂との相容性、誘電特性及び導体接着性の観点から、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーを、N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂で変性してなる変性共役ジエンポリマーが好ましい。
側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーとしては、例えば、共役ジエンポリマーとして説明した側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーを用いることができ、好ましい態様も同様である。
側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂としては、例えば、マレイミド樹脂(AX)として説明したN-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂を用いることができ、好ましい態様も同様である。
N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性共役ジエンポリマーは、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーが有する側鎖ビニル基と、N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂が有するN-置換マレイミド基と、が反応してなる置換基[以下、「マレイミド樹脂由来置換基」と称する場合がある。]を側鎖に有することが好ましい。
マレイミド樹脂由来置換基は、他の樹脂との相容性、誘電特性、低熱膨張性及び耐熱性の観点から、N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂由来の構造として、下記一般式(C-2)又は(C-3)で表される構造を含む基であることが好ましい。

(式中、XC1は、N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂から2個のN-置換マレイミド基を除いてなる2価の基であり、*C1は、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーの側鎖ビニル基由来の炭素原子に結合する部位である。*C2は、他の原子に結合する部位である。)
変性共役ジエンポリマーは、側鎖に、マレイミド樹脂由来置換基とビニル基とを有することが好ましい。
変性共役ジエンポリマーが有するビニル基は、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基であることが好ましい。
変性共役ジエンポリマーの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、他の樹脂との相容性、誘電特性、低熱膨張性及び耐熱性の観点から、好ましくは700~6,000、より好ましくは800~5,000、さらに好ましくは1,000~2,500である。
変性共役ジエンポリマーは、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーとN-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂とを反応させることによって製造することができる。
側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーとN-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂とを反応させる方法は特に限定されない。例えば、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマー、N-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂、反応触媒及び有機溶媒を反応容器に仕込み、必要に応じて、加熱、保温、撹拌等しながら反応させることによって変性共役ジエンポリマーを得ることができる。
上記反応を行う際における、側鎖にビニル基を有する共役ジエンポリマーが有する側鎖ビニル基のモル数(M)に対するN-置換マレイミド基を2個以上有するマレイミド樹脂が有するN-置換マレイミド基のモル数(M)の比率(M/M)は、特に限定されないが、得られる変性共役ジエンポリマーの他の樹脂との相容性及び反応中における生成物のゲル化抑制の観点から、好ましくは0.001~0.5、より好ましくは0.005~0.1、さらに好ましくは0.008~0.05である。
((C)成分の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総量(100質量%)に対して、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~30質量%、さらに好ましくは15~25質量%である。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、誘電特性がより良好になり易い傾向にある。また、(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、耐熱性及び難燃性がより良好になり易い傾向にある。
<(D)スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体>
本実施形態の樹脂組成物は、誘電特性の観点から、さらに、(D)スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体[以下、「(D)SEBS」と称する場合がある。]を含有することが好ましい。
(D)SEBSは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)SEBSは、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体中の炭素-炭素二重結合を完全水添することによって得られるものである。
(D)SEBSにおいて、スチレン由来の構造単位の含有率[以下、「スチレン含有率」と称する場合がある。]は、特に限定されないが、好ましくは10~50質量%、より好ましくは20~40質量%、さらに好ましくは25~35質量%である。
(D)SEBSの市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のタフテック(登録商標)Hシリーズ、Mシリーズ、株式会社クラレ製のセプトン(登録商標)シリーズ、クレイトンポリマージャパン株式会社製のクレイトン(登録商標)Gポリマーシリーズ等が挙げられる。
(D)SEBSの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、好ましくは10,000~200,000、より好ましくは20,000~150,000、さらに好ましくは30,000~100,000である。
((D)SEBSの含有量)
本実施形態の樹脂組成物が(D)SEBSを含有する場合、(D)SEBSの含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総量(100質量%)に対して、好ましくは10~80質量%、より好ましくは20~60質量%、さらに好ましくは30~50質量%である。
(D)SEBSの含有量が上記下限値以上であると、誘電特性がより良好になり易い傾向にある。また、(D)SEBSの含有量が上記上限値以下であると、耐熱性及び難燃性がより良好になり易い傾向にある。
<(E)無機充填材>
本実施形態の樹脂組成物は、さらに、低熱膨張性、弾性率、耐熱性及び難燃性の観点から、(E)無機充填材を含有することが好ましい。
(E)無機充填材は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、低熱膨張性、弾性率、耐熱性及び難燃性の観点から、シリカ、アルミナ、マイカ、タルクが好ましく、シリカ、アルミナがより好ましく、シリカがさらに好ましい。
シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカ等が挙げられる。また、乾式法シリカとしては、さらに、製造法の違いにより、例えば、破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融シリカ等が挙げられる。
(E)無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.01~20μm、より好ましくは0.1~10μm、さらに好ましくは0.2~1μmである。ここで、(E)無機充填材の平均粒子径は、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径のことである。(E)無機充填材の粒径は、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
(E)無機充填材の形状としては、球状、破砕状等が挙げられ、球状であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が(E)無機充填材を含有する場合、(E)無機充填材の分散性及び有機成分との密着性を向上させる目的で、カップリング剤を使用してもよい。カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
((E)無機充填材の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が(E)無機充填材を含有する場合、(E)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、低熱膨張性、弾性率、耐熱性及び難燃性の観点から、本実施形態の樹脂組成物の固形分総量(100質量%)に対して、好ましくは10~90質量%、より好ましくは20~80質量%、さらに好ましくは30~70質量%、特に好ましくは40~60質量%である。
<(F)硬化促進剤>
本実施形態の樹脂組成物は、硬化性を向上させるという観点から、さらに、(F)硬化促進剤を含有することが好ましい。
(F)硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)硬化促進剤としては、例えば、p-トルエンスルホン酸等の酸性触媒;トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン化合物;メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2-エチル-4-メチルイミダゾールの付加反応物等のイソシアネートマスクイミダゾール化合物;第3級アミン化合物;第4級アンモニウム化合物;トリフェニルホスフィン等のリン系化合物;ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等の有機過酸化物;マンガン、コバルト、亜鉛等のカルボン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性、ガラス転移温度及び保存安定性の観点から、イミダゾール化合物、イソシアネートマスクイミダゾール化合物、有機過酸化物、カルボン酸塩が好ましく、有機過酸化物がより好ましく、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンがさらに好ましい。
((F)硬化促進剤の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が(F)硬化促進剤を含有する場合、(F)硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.1~5質量部、さらに好ましくは0.5~2質量部である。
(F)硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であると、誘電特性、耐熱性、導体との接着性、弾性率及びガラス転移温度がより良好になる傾向にある。また、(F)硬化促進剤の含有量が上記上限値以下であると、保存安定性がより良好になる傾向にある。
<(G)難燃剤>
本実施形態の樹脂組成物は、(G)難燃剤を含有することで、樹脂組成物の難燃性がより向上する傾向にある。
(G)難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて難燃助剤を含有させてもよい。
(G)難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、金属水和物、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。
リン系難燃剤は、無機系のリン系難燃剤であってもよいし、有機系のリン系難燃剤であってもよい。
無機系のリン系難燃剤としては、例えば、赤リン;リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム;リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物;リン酸;ホスフィンオキシドなどが挙げられる。
有機系のリン系難燃剤としては、例えば、芳香族リン酸エステル化合物、1置換ホスホン酸ジエステル化合物、2置換ホスフィン酸エステル化合物、2置換ホスフィン酸の金属塩、有機系含窒素リン化合物、環状有機リン化合物等が挙げられる。これらの中でも、芳香族リン酸エステル化合物、2置換ホスフィン酸の金属塩が好ましい。
金属水和物としては、例えば、水酸化アルミニウムの水和物、水酸化マグネシウムの水和物等が挙げられる。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤等が挙げられる。
((G)難燃剤の含有量)
本実施形態の樹脂組成物が(G)難燃剤を含有する場合、(G)難燃剤の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の樹脂組成物中の樹脂成分の総和100質量部に対して、好ましくは1~45質量部、より好ましくは10~40質量部、さらに好ましくは15~35質量部である。
(G)難燃剤の含有量が上記下限値以上であると、難燃性がより良好になり易い傾向にある。また、(G)難燃剤の含有量が上記上限値以下であると、成形性、導体接着性及び耐熱性がより良好になり易い傾向にある。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、さらに必要に応じて、上記各成分以外の樹脂材料、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、滑剤及びこれら以外の添加剤からなる群から選択される1種以上を含有していてもよい。これらは各々について、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの使用量は特に限定されず、必要に応じて、本実施形態の効果を阻害しない範囲で使用すればよい。
(有機溶剤)
本実施形態の樹脂組成物は、取り扱いを容易にするという観点及び後述するプリプレグを製造し易くするという観点から、有機溶剤を含有していてもよい。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書中、有機溶剤を含有する樹脂組成物を、樹脂ワニスと称することがある。
有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤;γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤などが挙げられる。
これらの中でも、溶解性の観点から、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が好ましく、芳香族炭化水素系溶剤がより好ましく、トルエンがさらに好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、必要に応じて併用されるその他の成分等を公知の方法で混合することで製造することができる。この際、各成分は撹拌しながら溶解又は分散させてもよい。混合順序、温度、時間等の条件は、特に限定されず、原料の種類等に応じて任意に設定すればよい。
<硬化物の比誘電率(Dk)>
本実施形態の樹脂組成物の硬化物の10GHzにおける比誘電率(Dk)は、特に限定されないが、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.4以下、さらに好ましくは3.3以下である。上記比誘電率(Dk)は小さい程好ましく、その下限値に特に制限はないが、他の物性とのバランスを考慮して、例えば、2.4以上であってもよく、2.5以上であってもよい。
上記の比誘電率(Dk)は、空洞共振器摂動法に準拠した値であり、より詳細には、実施例に記載する方法によって測定された値である。
<硬化物の誘電正接(Df)>
本実施形態の樹脂組成物の硬化物の10GHzにおける誘電正接(Df)は、特に限定されないが、好ましくは0.0040以下、より好ましくは0.0030以下、さらに好ましくは0.0020以下である。上記誘電正接(Df)は小さい程好ましく、その下限値に特に制限はないが、他の物性とのバランスを考慮して、例えば、0.0010以上であってもよく、0.0011以上であってもよい。
上記の誘電正接(Df)は、空洞共振器摂動法に準拠した値であり、より詳細には、実施例に記載する方法によって測定された値である。
[プリプレグ]
本実施形態のプリプレグは、本実施形態の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有するプリプレグである。
本実施形態のプリプレグは、例えば、本実施形態の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物と、シート状繊維基材と、を含有するものである。
本実施形態のプリプレグが含有するシート状繊維基材としては、例えば、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている公知のシート状繊維基材を使用することができる。
シート状繊維基材の材質としては、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等の無機物繊維;ポリイミド、ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらのシート状繊維基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有する。
本実施形態のプリプレグは、例えば、本実施形態の樹脂組成物を、シート状繊維基材に含浸又は塗布してから、加熱乾燥してB-ステージ化することによって製造することができる。
加熱乾燥の温度及び時間は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にB-ステージ化させるという観点から、例えば、50~200℃、1~30分間とすることができる。
本実施形態のプリプレグ中の樹脂組成物由来の固形分濃度は、特に限定されないが、積層板とした際に、より良好な成形性が得られ易いという観点から、好ましくは20~90質量%、より好ましくは25~80質量%、さらに好ましくは30~75質量%である。
[樹脂フィルム]
本実施形態の樹脂フィルムは、本実施形態の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有する樹脂フィルムである。
本実施形態の樹脂フィルムは、例えば、有機溶媒を含有する本実施形態の樹脂組成物、つまり樹脂ワニスを支持体に塗布してから、加熱乾燥させることによって製造することができる。
支持体としては、例えば、プラスチックフィルム、金属箔、離型紙等が挙げられる。
加熱乾燥の温度及び時間は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にB-ステージ化させるという観点から、50~200℃、1~30分間とすることができる。
本実施形態の樹脂フィルムは、プリント配線板を製造する場合において、絶縁層を形成するために用いられることが好ましい。
[積層板]
本実施形態の積層板は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物又は本実施形態のプリプレグの硬化物と、金属箔と、を有する積層板である。
なお、金属箔を有する積層板は、金属張積層板と称されることもある。
金属箔の金属としては、特に限定されず、例えば、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、これらの金属元素を1種以上含有する合金等が挙げられる。
本実施形態の積層板は、例えば、本実施形態のプリプレグの片面又は両面に金属箔を配置してから、加熱加圧成形することによって製造することができる。
通常、この加熱加圧成形によって、B-ステージ化されたプリプレグを硬化させて本実施形態の積層板が得られる。
加熱加圧成形する際、プリプレグは1枚のみを用いてもよいし、2枚以上のプリプレグを積層させてもよい。
加熱加圧成形は、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用することができる。
加熱加圧成形の条件は、特に限定されないが、例えば、温度100~300℃、時間10~300分間、圧力1.5~5MPaとすることができる。
[プリント配線板]
本実施形態のプリント配線板は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物、本実施形態のプリプレグの硬化物、及び本実施形態の積層板からなる群から選択される1種以上を有するプリント配線板である。
本実施形態のプリント配線板は、例えば、本実施形態のプリプレグの硬化物、本実施形態の樹脂フィルムの硬化物及び積層板からなる群から選択される1種以上に対して、公知の方法によって、導体回路形成を行うことによって製造することができる。また、さらに必要に応じて多層化接着加工を施すことによって多層プリント配線板を製造することもできる。導体回路は、例えば、穴開け加工、金属めっき加工、金属箔のエッチング等を適宜施すことで形成することができる。
[半導体パッケージ]
本実施形態の半導体パッケージは、本実施形態のプリント配線板と、半導体素子と、を有するものである。
本実施形態の半導体パッケージは、例えば、本実施形態のプリント配線板に、公知の方法によって、半導体素子、メモリ等を搭載することによって製造することができる。
以下、実施例を挙げて、本実施形態を具体的に説明する。ただし、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各例において、数平均分子量(Mn)は以下の手順で測定した。
(数平均分子量(Mn)の測定方法)
数平均分子量(Mn)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算した。検量線は、標準ポリスチレン:TSKstandard POLYSTYRENE(Type;A-2500、A-5000、F-1、F-2、F-4、F-10、F-20、F-40)[東ソー株式会社製、商品名]を用いて3次式で近似した。GPCの測定条件を、以下に示す。
装置:高速GPC装置 HLC-8320GPC
検出器:紫外吸光検出器 UV-8320[東ソー株式会社製]
カラム:ガードカラム;TSK Guardcolumn SuperHZ-L+カラム;TSKgel SuperHZM-N+TSKgel SuperHZM-M+TSKgel SuperH-RC(すべて東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:4.6×20mm(ガードカラム)、4.6×150mm(カラム)、6.0×150mm(リファレンスカラム)
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:10mg/5mL
注入量:25μL
流量:1.00mL/分
測定温度:40℃
[変性共役ジエンポリマーの製造]
製造例1
温度計、還流冷却管及び撹拌装置を備えた加熱及び冷却可能な容積2Lのガラス製フラスコ容器に、1,2-ポリブタジエンホモポリマー(数平均分子量(Mn)=1,200、ビニル基含有率=85%以上)100質量部、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド4.4質量部、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン0.1質量部及び有機溶剤としてのトルエンを投入した。次いで、窒素雰囲気下、90~100℃で5時間撹拌し、固形分濃度が35質量%である変性共役ジエンポリマーの溶液を得た。
[樹脂組成物の製造]
実施例1~2、比較例1~2
表1に記載の各成分を、トルエンと共に表1に記載の配合量に従って配合し、25℃で又は50~80℃に加熱しながら撹拌及び混合して、固形分濃度が約50質量%の樹脂組成物を調製した。なお、表1中、各成分の配合量の単位は質量部であり、溶液の場合は、固形分換算の質量部を意味する。
[銅張積層板の製造]
各例で得た樹脂組成物を、ガラスクロス(日東紡株式会社製、商品名「NEガラスクロス#1078」)に含浸し、100℃で4分間、加熱乾燥することによってプリプレグを得た。なお、プリプレグ中における樹脂組成物由来の固形分濃度は、実施例1及び比較例1が64質量%、実施例2及び比較例2が76質量%である。
次いで、上記で得たプリプレグを、実施例1及び比較例1は10枚、実施例2及び比較例2は6枚重ねて、電解銅箔を上下に配置し、圧力3MPa、温度230℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
[評価方法及び測定方法]
上記実施例及び比較例で得られた樹脂組成物及び銅張積層板を用いて、下記方法に従って各測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比誘電率及び誘電正接の測定方法)
各例で得た銅張積層板を銅エッチング液である過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)10質量%溶液に浸漬することにより銅箔を除去し、2mm×50mmの試験片を作製した。次いで、空洞共振器摂動法に準拠して、雰囲気温度25℃にて10GHz帯で、上記試験片の比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)を測定した。
(溶融粘度の測定方法)
各例で得た樹脂組成物を、厚さ38μmのPETフィルム(帝人株式会社製、商品名:G2-38)に塗布した後、170℃で5分間加熱乾燥して、B-ステージ状態の樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムをPETフィルムから剥離した後、粉砕してB-ステージ状態の樹脂粉末とした。
上記で得た樹脂粉末約0.6gを秤量し、錠剤成形器により直径20mmの円盤状のタブレットに成形した。続いて、このタブレットを測定試料として、レオメータ(レオメトリック社製、商品名:ARES-2K STD-FCO-STD)を用いて、昇温速度3℃/min、荷重0.2N、測定温度範囲50~200℃の条件で粘度を測定し、その最低溶融粘度を溶融粘度とした。
(難燃性の評価方法)
各例で得た銅張積層板を銅エッチング液である過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)10質量%溶液に浸漬することにより銅箔を除去し、長さ127mm、幅12.7mmに切り出したものを試験片とした。次に、UL94の試験法(V法)に準拠して、垂直に保持した試験片の下端に20mm炎による10秒間の接炎を2回行ない、UL94のV法の基準に従って難燃性を評価した。
なお、表1における各材料は、以下のとおりである。
[(A)成分]
・マレイミド樹脂1:インダン環を含む芳香族ビスマレイミド樹脂
・マレイミド樹脂2:3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド
[(B)成分]
・SBS:スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン/ブタジエン含有量比=50/50(質量基準)、数平均分子量(Mn):20,000、日本曹達株式会社製、商品名「1,2-SBS」、ブタジエン由来の全構造単位中1,2-ビニル基を有する構造単位の比率が94モル%
[(C)成分]
・変性共役ジエンポリマー:製造例1で得た変性共役ジエンポリマー
[(D)成分]
・SEBS:スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン・ブチレン含有量比=30/70(質量基準)、クレイトン社製、商品名「MD1653MO」、数平均分子量(Mn)46,720
表1に示された結果から、(B)成分を含有しない比較例1と、比較例1の(A)成分の一部を(B)成分に置換した実施例1とを対比すると、実施例1は、難燃性を維持しつつ、比較例1よりも誘電正接が低いことが分かる。また、実施例2と比較例2との対比からも同様の効果を確認することができる。
本実施形態の樹脂組成物から作製される硬化物は、誘電正接が低く、難燃性に優れるため、該樹脂組成物を用いて得られるプリプレグ、積層板、プリント配線板、半導体パッケージ等は、特に高周波信号を扱う電子部品用途に好適である。

Claims (12)

  1. (A)N-置換マレイミド基を1個以上有するマレイミド樹脂及びその誘導体からなる群から選択される1種以上と、
    (B)芳香族ビニル化合物由来の構造単位を含み、エチレン性不飽和結合を有する樹脂と、
    を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記(B)成分が有するエチレン性不飽和結合が、1,3-ブタジエンに由来する1,2-ビニル基に含まれるものである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記芳香族ビニル化合物由来の構造単位が、スチレン由来の構造単位である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)成分が、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分の数平均分子量(Mn)が、5,000~60,000である、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに、(C)共役ジエンポリマー及び変性共役ジエンポリマーからなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. さらに、(D)スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有するプリプレグ。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物又は請求項8に記載のプリプレグの硬化物と、金属箔と、を有する積層板。
  10. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は前記樹脂組成物の半硬化物を含有する樹脂フィルム。
  11. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物、請求項8に記載のプリプレグの硬化物、及び請求項9に記載の積層板からなる群から選択される1種以上を有するプリント配線板。
  12. 請求項11に記載のプリント配線板と、半導体素子と、を有する半導体パッケージ。
JP2022012079A 2022-01-28 2022-01-28 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ Pending JP2023110554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022012079A JP2023110554A (ja) 2022-01-28 2022-01-28 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022012079A JP2023110554A (ja) 2022-01-28 2022-01-28 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023110554A true JP2023110554A (ja) 2023-08-09

Family

ID=87546233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022012079A Pending JP2023110554A (ja) 2022-01-28 2022-01-28 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023110554A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102466876B1 (ko) 수지 조성물, 프리프레그, 적층판 및 다층 프린트 배선판
JP7501368B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及びミリ波レーダー用多層プリント配線板
JPWO2015152427A1 (ja) N−置換マレイミド基を有するポリフェニレンエーテル誘導体、並びにそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及び多層プリント配線板
JP6863126B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2020158849A1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、積層板及びプリント配線板
JP7484909B2 (ja) マレイミド樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージ
US20230365797A1 (en) Composition and cured product thereof
JP7106819B2 (ja) 樹脂ワニス、樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板及び樹脂ワニスの保存方法
TW202225208A (zh) 馬來醯亞胺樹脂組成物、預浸體、積層板、樹脂薄膜、印刷線路板及半導體封裝體
JP2020169274A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ
JP2021176926A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージ
JP4255759B2 (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、それを含有するプリプレグ、積層板、銅張積層板及びプリント配線板
KR20230118575A (ko) 열경화성 수지 조성물의 상용성 평가 방법, 열경화성 수지 조성물, 프리프레그, 수지 필름, 적층판, 다층 프린트 배선판 및 반도체 패키지
TW202229442A (zh) 馬來醯亞胺樹脂組成物、預浸體、積層板、樹脂薄膜、印刷線路板及半導體封裝體
JP2022162795A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板、半導体パッケージ、樹脂組成物の製造方法及び変性共役ジエンポリマー
JP2023110554A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023163086A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023090351A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
JP2023104376A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板、半導体パッケージ、樹脂組成物の製造方法及び樹脂
WO2024085028A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、プリント配線板及び半導体パッケージ
JP2024061194A (ja) 樹脂組成物、樹脂フィルム、樹脂付き金属箔、積層板、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2022102780A1 (ja) マレイミド樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、プリント配線板及び半導体パッケージ
JP2023060674A (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023033131A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023224021A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ