JP2023110119A - 5’位修飾ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチド - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好なヌクレアーゼ耐性能を有し、かつヌクレオチドを合成する際の工程が複雑化することを回避し得る、5’位が修飾されたヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドを提供すること。【解決手段】 架橋型ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドを開示する。本発明のヌクレオシドは、以下の式(I):【化1】TIFF2023110119000082.tif42134で表される。本発明の架橋型ヌクレオシドは、特定の臓器への集積などが懸念されるホスホロチオエート修飾核酸の代替とすることができ、工業的生産性にも優れている。【選択図】なし

Description

本発明は、5’位修飾ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドに関する。より詳細には、良好なヌクレアーゼ耐性能を有しかつ効率よく製造することのできる5’位修飾ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドに関する。
DNAやRNAに対して優れた結合親和性を有する人工核酸は、遺伝子診断や核酸医薬への応用が可能である。これまで様々なタイプの人工核酸が開発されており、中でも核酸の糖部コンホメーションを架橋によって固定化した2’,4’-BNA(Bridged Nucleic Acid;別名LNAともいう)は、一本鎖RNA(ssRNA)に対して優れた結合親和性を有し(非特許文献1および2)、アンチセンス法などへの種々の応用が期待されている。
一方、核酸の5’位に2つのメチル基またはエチル基を導入した人工核酸(以下、5’-ジアルキル修飾核酸ともいう)は、酵素耐性能の点でホスホロチオエート修飾(PS修飾)よりも優れた特性を有することが報告されている(非特許文献3)。これにより、5’-ジアルキル修飾核酸についても診断や医薬への応用が期待されている。
しかし、現在公知の5’-ジアルキル修飾核酸を導入したオリゴヌクレオチドの合成にはダイマーアミダイト体の使用が必要であり、このダイマーアミダイト体は、オリゴヌクレオチドの5’末端部分を形成するために導入(使用)することができず、かつ末端部分以外に導入する場合でも近接する核酸との関係から合成機構上の制約を受けることがある点で、工業的生産性を高めることが難しい。
S.Obikaら, T. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 8735-8738 S.Singhら, J. Chem. Commun. 1998, 455-456 日本核酸医薬学会第5回年会 講演要旨集,2019年7月,発表番号P-026(p.106)
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、良好なヌクレアーゼ耐性能を有し、かつヌクレオチドを合成する際の工程が複雑化することを回避し得る、5’位が修飾されたヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドを提供することにある。
本発明は、以下の式(I)で表される化合物またはその塩:
Figure 2023110119000001
(式(I)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)である。
1つの実施形態では、上記式(I)は、以下の式(Ia):
Figure 2023110119000002
(式(Ia)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
1つの実施形態では、上記式(I)は、以下の式(Ib):
Figure 2023110119000003
(式(Ib)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
さらなる実施形態では、上記式(Ib)は、以下の式(Ib’):
Figure 2023110119000004
(式(Ib’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
1つの実施形態では、上記式(I)は、以下の式(Ic):
Figure 2023110119000005
(式(Ic)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
さらなる実施形態では、上記式(Ic)は、以下の式(Ic’):
Figure 2023110119000006
(式(Ic)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
1つの実施形態では、上記式(I)において、上記Baseが、6-アミノプリン-9-イル基、2,6-ジアミノプリン-9-イル基、2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-フルオロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ブロモプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-メトキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-クロロプリン-9-イル基、6-アミノ-2-フルオロプリン-9-イル基、2,6-ジメトキシプリン-9-イル基、2,6-ジクロロプリン-9-イル基、6-メルカプトプリン-9-イル基、2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-フルオロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-クロロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メトキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メルカプト-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、または4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基である。
1つの実施形態では、上記式(I)において、上記Baseが、以下の式:
Figure 2023110119000007
で表される基である。
本発明は、以下の式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含有するオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩:
Figure 2023110119000008
(式(II)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)である。
1つの実施形態では、上記式(II)は、以下の式(IIa):
Figure 2023110119000009
(式(IIa)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。
1つの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、以下の式(IIb)で表されるヌクレオチド構造を少なくとも1つ含有する:
Figure 2023110119000010
(式(IIb)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)。
さらなる実施形態では、上記式(IIb)は、以下の式(IIb’):
Figure 2023110119000011
(式(IIb’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表される。
1つの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、以下の式(IIc)で表されるヌクレオチド構造を少なくとも1つ含有する:
Figure 2023110119000012
(式(IIc)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)。
さらなる実施形態では、上記式(IIc)は、以下の式(IIc’):
Figure 2023110119000013
(式(IIc’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表される。
本発明は、上記オリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩の製造方法であって、
以下の式(I)で表される化合物またはその薬理学上許容される塩:
Figure 2023110119000014
(式(I)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
を用いてオリゴヌクレオチドを合成する工程を包含する、方法である。
本発明によれば、新規な5’位修飾ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドが提供される。本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、特定の臓器への集積などが懸念されるホスホロチオエート修飾核酸の代替とすることも可能である。本発明の5’位修飾ヌクレオシドはまた、それを用いてヌクレオチドを簡便に合成することができる点で、工業的生産性にも優れている。
まず、本明細書中で用いられる用語を定義する。
本明細書において、用語「炭素数1から6の直鎖アルキル基」は、炭素数1~6の任意の直鎖アルキル基をいい、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、またはn-ヘキシル基をいう。一方、用語「炭素数1から6のアルキル基」という場合は、炭素数1~6の任意の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基をいう。
本明細書において、用語「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」は、炭素数1~6の任意の直鎖アルキル基を有するアルコキシ基を包含する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基などが挙げられる。一方、用語「炭素数1から6のアルコキシ基」という場合は、炭素数1~6の任意の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基をいう。また、用語「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」という場合は、上記「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」、ならびに「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」を構成する1つまたはそれ以上の水素原子が、同一または異なっていてもよい他の「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」で置換されたアルキル基をいう。このような「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n-プロポキシメトキシ基、メトキシエトキシ基(例えば2-メトキシエトキシ基)、エトキシエトキシ基(例えば2-エトキシエトキシ基)、およびn-プロポキシエトキシ基が挙げられる。
本明細書において、用語「炭素数1から6のシアノアルコキシ基」は、炭素数1~6の任意の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基における少なくとも1つの水素原子がシアノ基で置換された基をいう。
本明細書において、用語「炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基」は、炭素数1~6の任意の直鎖アルキル基を有するアルキルチオ基を包含する。例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基などが挙げられる。一方、用語「炭素数1から6のアルキルチオ基」という場合は、炭素数1~6の任意の直鎖、分岐鎖または環状のアルキルチオ基をいう。
本明細書において、用語「炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基」は、炭素数1~6の任意の直鎖アルキル基を有するアルキルアミノ基を1つまたは2つ有するアルキルアミノ基を包含する。例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
本明細書において、用語「分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基」は、炭素数1~7の任意の直鎖アルキル基、炭素数3~7の任意の分岐鎖アルキル基、および炭素数3~7の任意の環状アルキル基を包含する。単に、「低級アルキル基」という場合もある。例えば、炭素数1~7の任意の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、およびn-ヘプチル基が挙げられ、炭素数3~7の任意の分岐鎖アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基などが挙げられ、そして炭素数3~7の任意の環状アルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
本明細書において、用語「分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基」は、炭素数2~7の任意の直鎖アルケニル基、炭素数3~7の任意の分岐鎖アルケニル基、および炭素数3~7の任意の環状アルケニル基を包含する。単に、「低級アルケニル基」という場合もある。例えば、炭素数2~7の任意の直鎖アルケニル基としては、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基などが挙げられ、炭素数3~7の任意の分岐鎖アルケニル基としては、イソプロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-メチル-2-ブテニル基などが挙げられ、そして炭素数3~7の任意の環状アルケニル基としては、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
本明細書において、用語「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基」は、炭化水素のみで構成された、炭素数6~10の任意のアリール基と、当アリール基の環構造を構成する少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子、ならびにこれらの組合せ)で置換された、炭素数3~12の任意のヘテロアリール基とを包含する。当該炭素数6~10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、アズレニル基などが挙げられ、そして当該炭素数3~12の任意のヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピロリル基、キノリル基、インドリル基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基などが挙げられる。
本明細書において、用語「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基」の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、3-フェニルプロピル基、2-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、2-フェニルブチル基、ピリジルメチル基、インドリルメチル基、フリルメチル基、チエニルメチル基、ピロリルメチル基、2-ピリジルエチル基、1-ピリジルエチル基、3-チエニルプロピル基などが挙げられる。
本明細書において、用語「アシル基」の例としては、脂肪族アシル基および芳香族アシル基が挙げられる。具体的には、脂肪族アシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3-メチルノナノイル基、8-メチルノナノイル基、3-エチルオクタノイル基、3,7-ジメチルオクタノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、1-メチルペンタデカノイル基、14-メチルペンタデカノイル基、13,13-ジメチルテトラデカノイル基、ヘプタデカノイル基、15-メチルヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、1-メチルヘプタデカノイル基、ノナデカノイル基、アイコサノイル基およびヘナイコサノイル基のようなアルキルカルボニル基;スクシノイル基、グルタロイル基、アジポイル基のようなカルボキシ化アルキルカルボニル基;クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基のようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基;メトキシアセチル基のような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基;(E)-2-メチル-2-ブテノイル基のような不飽和アルキルカルボニル基が挙げられる。また、芳香族アシル基の例としては、ベンゾイル基、α-ナフトイル基、β-ナフトイル基のようなアリールカルボニル基;2-ブロモベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基のようなハロゲノアリールカルボニル基;2,4,6-トリメチルベンゾイル基、4-トルオイル基のような低級アルキル化アリールカルボニル基;4-アニソイル基のような低級アルコキシ化アリールカルボニル基;2-カルボキシベンゾイル基、3-カルボキシベンゾイル基、4-カルボキシベンゾイル基のようなカルボキシ化アリールカルボニル基;4-ニトロベンゾイル基、2-ニトロベンゾイル基のようなニトロ化アリールカルボニル基;2-(メトキシカルボニル)ベンゾイル基のような低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基;4-フェニルベンゾイル基のようなアリール化アリールカルボニル基などが挙げられる。好適には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基である。
本明細書において、用語「シリル基」の例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジ-t-ブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基のようなトリ低級アルキルシリル基;ジフェニルメチルシリル基、ブチルジフェニルブチルシリル基、ジフェニルイソプロピルシリル基、フェニルジイソプロピルシリル基のような1~2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基などが挙げられる。好適には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基であり、さらに好適にはトリメチルシリル基である。
本明細書において、用語「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられる。好適には、フッ素原子または塩素原子である。
本明細書において、用語「核酸合成のアミノ基の保護基」、「核酸合成の水酸基の保護基」、「核酸合成の保護基で保護された水酸基」、「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」、「核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基」の「保護基」とは、核酸合成の際に安定してアミノ基、水酸基、リン酸基またはメルカプト基を保護し得るものであれば、特に制限されない。具体的には、酸性または中性条件で安定であり、加水素分解、加水分解、電気分解、および光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基のことをいう。このような保護基としては、例えば、低級アルキル基、低級アルケニル基、アシル基、テトラヒドロピラニルまたはテトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロチオフラニル基、シリル基、低級アルコキシメチル基、低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、ハロゲノ低級アルコキシメチル基、低級アルコキシ化エチル基、ハロゲン化エチル基、1~3個のアリール基で置換されたメチル基、「低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはシアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」、低級アルコキシカルボニル基、「ハロゲン原子、低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されたアリール基」、「ハロゲン原子またはトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」、アルケニルオキシカルボニル基、「低級アルコキシまたはニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」、ジメチルホルムアミジル基、ジフェニルカルバモイル基などが挙げられる。
より具体的には、テトラヒドロピラニル基またはテトラヒドロチオピラニル基としては、テトラヒドロピラン-2-イル基、3-ブロモテトラヒドロピラン-2-イル基、4-メトキシテトラヒドロピラン-4-イル基、テトラヒドロチオピラン-4-イル基、4-メトキシテトラヒドロチオピラン-4-イル基などが挙げられる。テトラヒドロフラニル基またはテトラヒドロチオフラニル基としては、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロチオフラン-2-イル基が挙げられる。低級アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、1,1-ジメチル-1-メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、t-ブトキシメチル基などが挙げられる。低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基としては、2-メトキシエトキシメチル基などが挙げられる。ハロゲノ低級アルコキシメチル基としては、2,2,2-トリクロロエトキシメチル基、ビス(2-クロロエトキシ)メチル基などが挙げられる。低級アルコキシ化エチル基としては、1-エトキシエチル基、1-(イソプロポキシ)エチル基などが挙げられる。ハロゲン化エチル基としては、2,2,2-トリクロロエチル基などが挙げられる。1~3個のアリール基で置換されたメチル基としては、ベンジル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、α-ナフチルジフェニルメチル基、9-アンスリルメチル基などが挙げられる。「低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子またはシアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」としては、4-メチルベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、3,4,5-トリメチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-メトキシフェニルジフェニルメチル基、4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基、2-ニトロベンジル基、4-ニトロベンジル基、4-クロロベンジル基、4-ブロモベンジル基、4-シアノベンジル基などが挙げられる。低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ニトロ基で置換されたアリール基」としては、4-クロロフェニル基、2-フロロフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ニトロフェニル基、2,4-ジニトロフェニル基などが挙げられる。「ハロゲン原子またはトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」としては、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、2-トリメチルシリルエトキシカルボニル基などが挙げられる。アルケニルオキシカルボニル基としては、ビニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などが挙げられる。「低級アルコキシまたはニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」としては、ベンジルオキシカルボニル基、4-メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、2-ニトロベンジルオキシカルボニル基、4-ニトロベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成の水酸基の保護基」としては、例えば脂肪族アシル基、芳香族アシル基、1~3個のアリール基で置換されたメチル基、「低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」、およびシリル基が挙げられる。あるいは、1つの実施形態では、「核酸合成の水酸基の保護基」としては、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p-メトキシベンゾイル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(TOM)基、[(2-ニトロベンジル)オキシ]メチル(NBOM)基、ビス(アセトキシエトキシ)メチルエーテル(ACE)基、テトラヒドロ-4-メトキシ-2H-ピラン-2-イル(Mthp)基、1-(2-シアノエトキシ)エチル(CEE)基、2-シアノエトキシメチル(CEM)基、tert-ブチルジチオメチル(DTM)基、2-(4-トリルスルホニル)エトキシメチル(TEM)基、および4-(N-ジクロロアセチル-N-メチルアミノ)ベンジルオキシメチル(4-MABOM)基が挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護された水酸基」の保護基としては、例えば脂肪族アシル基、芳香族アシル基、「1~3個のアリール基で置換されたメチル基」、「ハロゲン原子、低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されたアリール基」、低級アルキル基、および低級アルケニル基が挙げられる。あるいは、1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護された水酸基」の保護基としては、例えばベンゾイル基、ベンジル基、2-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、および2-プロペニル基が挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成のアミノ基の保護基」としては、例えばアシル基(好ましくはベンゾイル基)、ジメチルホルムアミジル基、およびジフェニルカルバモイル基が挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護されたアミノ基」としては、例えばアシル基で保護されたアミノ基、好適には、ベンゾイル基で保護されたアミノ基が挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」の「保護基」としては、例えば低級アルキル基、シアノ基で置換された低級アルキル基、アラルキル基、「ニトロ基またはハロゲン原子でアリール環が置換されたアラルキル基」、および「低級アルキル基、ハロゲン原子、またはニトロ基で置換されたアリール基」が挙げられる。あるいは、1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」の「保護基」としては、例えば2-シアノエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、ベンジル基、2-クロロフェニル基、および4-クロロフェニル基が挙げられる。
1つの実施形態では、「核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基」の「保護基」としては、例えば脂肪族アシル基および芳香族アシル基、好適には、ベンゾイル基が挙げられる。
本明細書において、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]で表される基のうち、RがOR4aでありそしてRがNR5aである基は、「ホスホロアミダイト基」という(ここで、R4aは例えば炭素数1から6のシアノアルコキシ基であり、そしてR5aは例えば炭素数1から6のアルキル基である)。ホスホロアミダイト基としては、好適には、式-P(OCCN)(N(iPr))で表される基、または式-P(OCH)(N(iPr))で表される基が挙げられる。ここで、iPrはイソプロピル基を表す。
本明細書において、用語「ヌクレオシド」および「ヌクレオシド類縁体」とは、プリンまたはピリミジン塩基と糖とが結合した「ヌクレオシド」のうち非天然型のもの、ならびに、プリンおよびピリミジン以外の芳香族複素環および芳香族炭化水素環でプリンまたはピリミジン塩基との代用が可能なものと糖が結合したものをいう。
本明細書において、用語「人工オリゴヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド類縁体」とは、同一または異なる「ヌクレオシド」または「ヌクレオシド類縁体」がリン酸ジエステル結合で例えば2~50個結合した「オリゴヌクレオチド」の非天然型誘導体をいう。そのような類縁体としては、好適には、糖部分が修飾された糖誘導体;リン酸ジエステル部分がチオエート化されたチオエート誘導体;末端のリン酸部分がエステル化されたエステル体;プリン塩基上のアミノ基がアミド化されたアミド体が挙げられ、さらに好適には、糖部分が修飾された糖誘導体が挙げられる。
本明細書において、用語「その塩」とは、本発明の式(I)または(II)で表される化合物の塩をいう。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;および、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩が挙げられる。
本明細書において、用語「その薬理学上許容される塩」としては、本発明の式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含有するオリゴヌクレオチド類縁体の塩をいう。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;および、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩が挙げられる。
以下、本発明について詳述する。
(5’位修飾ヌクレオシド)
本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、以下の式(I)で表される化合物またはその塩:
Figure 2023110119000015
(式(I)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)である。
本発明の1つの実施形態では、上記式(I)におけるRとRとは同一の基である。さらなる実施形態では、上記式(I)は以下の式(Ia):
Figure 2023110119000016
(式(Ia)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、上記式(Ia)で表される化合物またはその塩であってもよい。
あるいは、本発明の1つの実施形態では、上記式(I)は以下の式(Ib):
Figure 2023110119000017
(式(Ib)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、上記式(Ib)で表される化合物またはその塩であってもよい。
本発明のさらなる実施形態では、上記式(Ib)におけるRとRとは同一の基である。またさらなる実施形態では、上記式(Ib)は以下の式(Ib’):
Figure 2023110119000018
(式(Ib’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、上記式(Ib’)で表される化合物またはその塩であってもよい。
あるいは、本発明の1つの実施形態では、上記式(I)は以下の式(Ic):
Figure 2023110119000019
(式(Ic)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、上記式(Ic)で表される化合物またはその塩であってもよい。
本発明のさらなる実施形態では、上記式(Ic)におけるRとRとは同一の基である。またさらなる実施形態では、上記式(Ic)は以下の式(Ic’):
Figure 2023110119000020
(式(Ic)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、上記式(Ic’)で表される化合物またはその塩であってもよい。
上記式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ib’)、(Ic)および(Ic’)において、Baseは、例えばプリン塩基(すなわち、プリン-9-イル基)またはピリミジン塩基(すなわち、2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基)である。これらの塩基は、水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、およびハロゲン原子からなるα群より選択される任意の置換基を1以上有していてもよい。
上記Baseの具体例としては、アデニニル基、グアニニル基、シトシニル基、ウラシニル基、およびチミニル基、ならびに6-アミノプリン-9-イル基、2,6-ジアミノプリン-9-イル基、2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-フルオロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ブロモプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-メトキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-クロロプリン-9-イル基、6-アミノ-2-フルオロプリン-9-イル基、2,6-ジメトキシプリン-9-イル基、2,6-ジクロロプリン-9-イル基、6-メルカプトプリン-9-イル基、2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-フルオロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-クロロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メトキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メルカプト-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、および4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基が挙げられる。
あるいは、Baseは、本発明の5’位修飾ヌクレオシドを核酸医薬に導入することを目的とした場合、以下の構造式:
Figure 2023110119000021
でそれぞれ表される基、ならびに、2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、6-アミノプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基、4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、および2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基が好ましい。Base、BaseおよびBaseはまた、オリゴヌクレオチドの合成の際には、上記基を構成する水酸基およびアミノ基が保護基により保護されているものであることが好ましい。
本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、式上記式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ib’)、(Ic)または(Ic’)を構成する各フラノース環の5’位に、それぞれRおよびRまたは2つのメチル基が導入されていることにより、後述するオリゴヌクレオチドにおけるヌクレアーゼ耐性能を向上させ得る。
本発明において、オリゴヌクレオチドは、このような式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ib’)、(Ic)または(Ic’)のいずれかで表される5’位修飾ヌクレオシドの少なくとも1種を用い、例えば、当該分野において周知のアミダイト法、またはM. Kuwaharaら、Nucleic Acids Res.,2008年,36巻,13号,4257-4265頁に記載されるような三リン酸化を経て容易に製造することができる。
(オリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩)
本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩(以下、これらをまとめて「本発明のオリゴヌクレオチド」を言うことがある)は、以下の式(II):
Figure 2023110119000022
(式(II)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含む。
本発明の1つの実施形態では、上記式(II)におけるRとRとは同一の基である。さらなる実施形態では、上記式(II)は以下の式(IIa):
Figure 2023110119000023
(式(IIa)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
で表される。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、上記式(IIa)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含むものであってもよい。
あるいは、本発明の1つの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、以下の式(IIb):
Figure 2023110119000024
(式(IIb)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含むものであってもよい。
本発明のさらなる実施形態では、上記式(IIb)におけるRとRとは同一の基である。またさらなる実施形態では、上記式(IIb)は以下の式(IIb’):
Figure 2023110119000025
(式(IIb’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表される。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、上記式(IIb’)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含むものであってもよい。
あるいは、本発明の1つの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、以下の式(IIc):
Figure 2023110119000026
(式(IIc)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含むものであってもよい。
本発明のさらなる実施形態では、上記式(IIc)におけるRとRとは同一の基である。またさらなる実施形態では、上記式(IIc)は以下の式(IIc’):
Figure 2023110119000027
(式(IIc’)中、
Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)
で表される。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩は、上記式(IIc’)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含むものであってもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、上記式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIb’)、(IIc)または(IIc’)で表されるヌクレオシド構造を、任意の位置に少なくとも1つ有する。その位置および数は、特に限定されず、目的に応じて適宜設計され得る。
このようなヌクレオシド構造を含むオリゴヌクレオチド(アンチセンス分子)は、従来の2’,4’-BNA/LNAやホスホロチオエート修飾(PS修飾)を用いる場合と比較して、ヌクレアーゼ耐性能が飛躍的に向上する。
これらのことから、本発明の5’位修飾ヌクレオシドを用いて合成された本発明のオリゴヌクレオチドは、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤をはじめとした、特定の遺伝子の働きを阻害して疾病を治療する医薬品(アンチセンス分子)としての有用性が期待される。
特に、アンチセンス法では、相補センス鎖RNAに対する結合親和性および生体内DNA分解酵素への耐性の両方が必要とされる。一般的に、核酸は、一本鎖状態では、糖部の構造が絶えずDNA二重鎖に近い形と、DNA-RNA二重鎖やRNA二重鎖に近い形との間で揺らいでいることが知られている。一本鎖核酸が相補的なRNA鎖と二重鎖を形成する場合、その糖部構造は固定される。そこで、本発明の5’位修飾ヌクレオシドでは、糖部を予め二重鎖を形成する場合の状態に固定されているため、目的のRNA鎖と二重鎖を形成しやすく、安定に存在させることができる。
本発明の5’位修飾ヌクレオシドは、例えば上記式(I)のRおよびRで示されるように、5’位が嵩高い構造を有する。このため、たとえ5’位に水酸基があったとしても、このような嵩高い構造により従来のDNA自動合成機のために使用されるトリチル系保護基で保護することが困難となる場合がある。これに対し、本発明の5’位修飾ヌクレオシドが、例えば式(Ic)または(Ic’)に示すような構造を有する場合、5’位の他の保護基で保護することにより、従来の3’→5’の伸長によるオリゴヌクレオチドの合成(フォワード合成)が可能である。あるいは、本発明の5’位修飾ヌクレオシドが、例えば式(Ib)または(Ib’)に示すような構造を有する場合、3’位の水酸基をトリチル系保護基で保護することにより、上記従来の伸長とは反対の3’→5’の伸長によるオリゴヌクレオチドの合成(リバース合成)が可能である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤を配合して、非経口投与製剤またはリポソーム製剤とすることができる。また、例えば、当該技術分野で通常用いられる医薬用担体を配合して、液剤、クリーム剤、軟膏剤などの局所用の製剤を調製することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(参考例1:化合物0の合成)
Figure 2023110119000028
(R1-1)化合物P2の合成
Figure 2023110119000029
Caruthersら、Tetrahedron Lett., 1996年,37巻,35号,6239-6242頁に記載の方法により作製した化合物P1(4.26g,11.95mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解させた後、ヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc);8.47g,26.30mmol)を添加した。その後2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルフリーラジカル(TEMPO;430.4mg,2.75mmol)を0℃で添加し、室温で5時間撹拌した。反応終了後に水/アセトニトリル(=1:1(容量比),0.66mL)を添加し、室温で4時間撹拌した。反応終了後にメタノール(20mL)を添加した後、溶媒を減圧留去して、化合物P2(粗生成物)を得た。この化合物P2を精製することなく次の反応に用いた。
(R1-2)化合物P3の合成
Figure 2023110119000030
上記で得られた化合物P2(粗生成物)のジクロロメタン溶液(120mL)に、メタノール(4.8mL,0.12mol)と1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl;2.76g,14.39mmol)を添加し、0℃で4.5時間撹拌した。反応終了後に水を添加し、酢酸エチルで抽出した。水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1(容量比))により精製し、化合物P3(3.84g,収率84%,2工程)を白色固体として得た。
得られた化合物P3の物性データを表1に示す。
Figure 2023110119000031
(R1-3)化合物0の合成
Figure 2023110119000032
上記で得られた化合物P3(3.84g,9.99mmol)を無水トルエンで共沸した後、無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、窒素気流下にてメチルマグネシウムブロミド(CHMgBr;40mL,40.0mmol、THF中で1M)を-20℃にてゆっくり滴下し、4時間撹拌した。反応終了後に塩化アンモニウム水溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1→3:2(容量比))により精製し、化合物0(2.04g,収率53%)を白色固体として得た。
得られた化合物0の物性データを表2に示す。
Figure 2023110119000033
(実施例1:5’位修飾ヌクレオシド(5’-diMe-T;リバースアミダイト)の合成(1))
Figure 2023110119000034
(1-1)化合物1の合成
Figure 2023110119000035
参考例1で得られた化合物0(1.00g)をテトラヒドロフラン(26mL)に溶解させ、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF;2.9mL,2.9mmol,THF中で1M)を加え、室温にて24.5時間撹拌した。反応終了後に溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,メタノール:クロロホルム=0:1→1:15)により精製し、化合物1(0.68g,97%)を白色固体として得た。
得られた化合物1の物性データを表3に示す。
Figure 2023110119000036
(1-2)化合物2の合成
Figure 2023110119000037
上記で得られた化合物1(0.71g,2.63mmol)を無水ピリジン(15mL)に溶解させ、激しく撹拌させながらN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP;0.23g,1.89mmol)と4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl;2.67g,7.88mmol)とを0℃にてゆっくり加えた後、50℃にて17.5時間撹拌した。反応終了後に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。水と飽和食塩水とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、ピリジンを除去するために無水アセトニトリルで共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=2:1)により精製し、化合物2(1.19g,80%)を白色固体として得た。
得られた化合物2の物性データを表4に示す。
Figure 2023110119000038
(1-3)化合物3の合成
Figure 2023110119000039
上記で得られた化合物2(0.24g,0.42mmol)を無水アセトニトリルと無水ジクロロメタンとの1:1混合溶媒(容量比)(12mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA;0.37mL,2.07mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロクロリダート(0.18mL,0.83mmol)とをアルゴン気流下で0℃にて順次加え、室温にて5.5時間撹拌した。反応終了後に5%重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出した。5%重曹水、水、および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)により精製し、化合物3(0.18g,68%)を白色固体として得た。
得られた化合物3の物性データを表5に示す。
Figure 2023110119000040
(実施例2:5’位修飾ヌクレオシド(5’-diMe-C;リバースアミダイト)の合成(2))
Figure 2023110119000041
(2-1)化合物4の合成
Figure 2023110119000042
参考例1で得られた化合物0(0.24g,0.42mmol)を無水アセトニトリル(15mL)に溶解させ、トリエチルアミン(TEA;2.5mL,4.0mmol)とクロロトリメチルシラン(TMSCl;1.4mL,2.5mmol)とをアルゴン気流下で0℃にて順次加えた後、室温にて14時間撹拌した。反応終了後に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて溶媒を減圧留去し、粗生成物として化合物4(2.03g)を得た。この化合物4を精製することなく次の反応に用いた。
(2-2)化合物5の合成
Figure 2023110119000043
無水アセトニトリル(120mL)に1,2,4-トリアゾール(10.4g,151mmol)を加え、その懸濁液に塩化ホスホリル(3.2mL,34mmol)とトリエチルアミン(TEA;24mL,172mmol)とをアルゴン気流下で0℃にて順次ゆっくり加え、40分間撹拌した。その後、無水アセトニトリルに溶解させた化合物4(2.03g)の溶液を10分かけて加え、0℃にて5時間撹拌した後、室温にて7時間撹拌した。反応終了後に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去し、粗生成物として化合物5(2.69g)を得た。この化合物5を精製することなく次の反応に用いた。
(2-3)化合物6の合成
Figure 2023110119000044
上記で得られた化合物5(2.69g)をメタノール(50mL)に溶解させ、密閉した状態で28%アンモニア水溶液(15mL)を加え、室温にて8時間撹拌した。反応終了後に溶媒を減圧留去し、無水トルエンで数回共沸することで粗生成物として化合物6(2.67g)を得た。この化合物6を精製することなく次の反応に用いた。
(2-4)化合物7の合成
Figure 2023110119000045
上記で得られた化合物6(2.67g)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解させ、激しく撹拌させながら無水安息香酸(1.20g,5.30mmol)をアルゴン気流下で0℃にて加え、室温にて12時間撹拌した。反応終了後にジエチルエーテルを加えて溶液を希釈し、水と飽和食塩水とで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去し、粗生成物として化合物7(2.70g)を得た。この化合物7を精製することなく次の反応に用いた。
(2-5)化合物8の合成
Figure 2023110119000046
上記で得られた化合物7(2.70g)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF;13.3mL,13.3mmol,THF中で1M)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応終了後に溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,メタノール:クロロホルム=1:9)により精製し、化合物8(0.86g,52%(5工程))を白色固体として得た。
得られた化合物8の物性データを表6に示す。
Figure 2023110119000047
(2-6)化合物9の合成
Figure 2023110119000048
上記で得られた化合物8(0.76g,2.0mmol)を無水ピリジン(15mL)に溶解させ、激しく撹拌させながらN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP;0.15g,1.2mmol)と4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl;2.07g,6.1mmol)とをアルゴン気流下で0℃にてゆっくり加えた後、50℃にて24時間撹拌した。反応終了後に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。水と飽和食塩水とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、ピリジンを除去するために無水アセトニトリルで共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=2:1)により精製し、化合物9(0.85g,62%)を白色固体として得た。
得られた化合物9の物性データを表7に示す。
Figure 2023110119000049
(2-7)化合物10の合成
Figure 2023110119000050
上記で得られた化合物9(0.55g,0.82mmol)を無水アセトニトリルと無水ジクロロメタンの1:1混合溶媒(容量比)(12mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA;0.76mL,4.1mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロクロリダート(0.39mL,1.6mmol)とをアルゴン気流下で0℃にて順次加え、室温にて17時間撹拌した。反応終了後に5%重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出した。5%重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2)により精製し、化合物10(0.38g,54%)を白色固体として得た。
得られた化合物10の物性データを表8に示す。
Figure 2023110119000051
(参考例2:化合物23の合成)
Figure 2023110119000052
(R2-1)化合物22の合成
Figure 2023110119000053
Lomholtら、J. Org. Chem., 2001年,66巻,25号,8504-8512頁に記載の方法により作製した化合物21(295mg,0.77mmol)のジクロロメタン溶液(7.7mL)に、アセトニトリル/水(=1:1(容量比),42.2μL)とヨードベンゼンジアセタート(PhI(OAc);548mg,1.70mmol)と2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシルフリーラジカル(TEMPO;37mg,0.24mmol)を0℃で順次添加し、室温で14時間撹拌した。反応終了後にメタノール(7.7mL)を添加し、15分間室温で撹拌し、溶媒の減圧留去を行った。得られた残渣をトリチュレーション(酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、化合物22(240mg,収率78%)を白色固体として得た。
得られた化合物22の物性データを表9に示す。
Figure 2023110119000054
(R2-2)化合物23の合成
Figure 2023110119000055
窒素気流下、上記で得られた化合物22(188mg,0.47mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(4.7mL)に、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl;189mg,0.99mmol)を室温で添加し、50℃で1.5時間撹拌した。原料消失後、無水メタノール(4.7mL)を添加し、さらに60℃で2.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去して水を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル/ヘキサン=40%から65%)により精製し、化合物23(135mg,収率69%)を白色固体として得た。
得られた化合物23の物性データを表10に示す。
Figure 2023110119000056
(実施例3:5’位修飾ヌクレオシド(5’-diMe-LNA-T;リバースアミダイト)の合成(3))
Figure 2023110119000057
(3-1)化合物24の合成
Figure 2023110119000058
上記で得られた化合物23(1.20g,2.91mmol)を無水トルエンで共沸した後、無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解させ、窒素気流下にてメチルマグネシウムブロミド(CHMgBr;11.4mL,11.4mmol、THF中で1M)を-20℃にてゆっくり滴下し、同温度にて2時間撹拌した。反応終了後に塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和重曹水と飽和食塩水とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=2:3)により精製し、化合物24(1.04g,87%)を白色固体として得た。
得られた化合物24の物性データを表11に示す。
Figure 2023110119000059
(3-2)化合物25の合成
Figure 2023110119000060
上記で得られた化合物24(325mg,0.79mmol)をテトラヒドロフラン(7.3mL)に溶解させ、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF;0.85mL,0.85mmol,THF中で1M)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応終了後に溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,メタノール:クロロホルム=0:1→1:25)により精製し、化合物25(266mg,定量的)を白色固体として得た。
得られた化合物25の物性データを表12に示す。
Figure 2023110119000061
(3-3)化合物26の合成
Figure 2023110119000062
上記で得られた化合物23(228mg,0.76mmol)を無水アセトニトリルで共沸した後、無水ピリジン(7.6mL)に溶解させ、撹拌しながらN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP;46.2mg,0.38mmol)と4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl;0.79g,2.33mmol)とを0℃にて加えた後、50℃にて14時間撹拌した。反応が完結しなかったため、さらにN,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP;22.5mg,0.18mmol)と4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl;0.57g,1.68mmol)とを50℃で加えた後、80℃で6.5時間撹拌し、その後100℃で24時間撹拌した。反応終了後に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。水と飽和食塩水とで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、ピリジンを除去するために無水アセトニトリルで共沸した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=2:1)により精製し、化合物26(244mg,53%)を茶色固体として得た。
得られた化合物26の物性データを表13に示す。
Figure 2023110119000063
(3-4)化合物27の合成
Figure 2023110119000064
上記で得られた化合物26(200mg,0.33mmol)を無水トルエンで共沸した後、無水アセトニトリル(3.3mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA;0.18mL,0.50mmol)と2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロクロリダート(0.14mL,1.00mmol)とをアルゴン気流下で順次加え、室温にて4.5時間撹拌した。反応終了後に5%重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。5%重曹水、水、および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO,酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)により精製した後、再沈殿(ヘキサン:クロロホルム=20:1)により、化合物27(107mg,40%)を黄色固体として得た。
得られた化合物27の物性データを表14に示す。
Figure 2023110119000065
(実施例4)オリゴヌクレオチドの合成および精製
実施例1で作製された化合物3(5’-ジメチルチミジン(5’-diMe-T)、以下「化合物X」という)および実施例3で作製された化合物27(5’-ジメチル-LNA-チミジン(5’-diMe-LNA-T)、以下「化合物Y」という)をアミダイトブロックとして用い、以下のようにしてオリゴヌクレオチドを合成した。オリゴヌクレオチドを構成する化合物XおよびY以外の化合物は、特に表記がない限り、Proligo社から購入した。
上記化合物XまたはYから、各々0.1Mの無水アセトニトリル溶液として調製し、GeneDesign社製nS-8 Oligonucleotides Synthesizerに仕込んだ。各合成をトリチルオン条件で行った。活性化剤にはActivator-42(登録商標)(Proligo社製)を用い、縮合時間を150秒×5に延長した。また、脱トリチル時間を60秒×2に延長した。さらに、酸化剤には10% tert―ブチルヒドロオペルオキシド(TBHP)(TBHP/アセトニトリル/水=7:60:3(容量比))を用い、酸化時間を10分に延長した。その他の操作については通常のホスホロアミダイト法に従って合成を行った。
合成完了後、生成物を、28%アンモニア水溶液を用いて室温下で4時間処理してカラム担体からの切り出しを行い、次いで55℃で24時間静置することで塩基部およびリン酸部の脱保護を行った。次いで、得られた粗オリゴヌクレオチドを逆相HPLCで精製した。
なお、このHPLCの条件は以下の通りであった。
溶離液
・A液:0.1M酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(pH7.0)
・B液:アセトニトリル
グラジエント
・B液濃度:6~18%(30分間)
カラム
・Waters社製XBridgeTM OST C18 2.5μm(10×50mm)(分取)
・Waters社製XBridgeTM OST C18 2.5μm(4.6×50mm)(分析)
流速
・3.0mL/分(分取)
・1.0mL/分(分析)
カラム温度
・50℃
検出
・UV(260nm)
精製したオリゴヌクレオチドの組成をMALDI-TOF-MS測定により決定した。当該測定にあたり、まず、3-ヒドロキシピコリン酸水溶液(10mg/mL)とクエン酸二アンモニウム水溶液(1mg/mL)とを1:1の容量比で混合したマトリックス(1μL)を乾燥させたアンカーチップ上に、オリゴヌクレオチド水溶液(50μM,1μL)を載せて再度乾燥させ、その後MALDI-TOF-MS測定を行った。分子量の測定をネガティブモードで行い、オリゴチミジル酸(7mer、9mer、11merおよび13mer)を外部標準として用いた。また、合成したオリゴヌクレオチドの定量を、吸光度測定装置(株式会社島津製作所製SHIMADZU UV-1800)を用いて260nmにおける紫外部吸収を測定して行った。
(実施例5:二重鎖形成能の評価)
実施例4に記載のようにして、以下の表に示す配列のオリゴヌクレオチドを合成および精製した。
(1)5’-GCGTTTTTTGCT-3’(配列番号1)
(2)5’-GCGTTXTTTGCT-3’(配列番号2)
(3)5’-GCGTTXXXTGCT-3’(配列番号3)
(4)5’-GCGXXXXXXGCT-3’(配列番号4)
(5)5’-GCGTTYTTTGCT-3’(配列番号5)
(6)5’-GCGTTYYYTGCT-3’(配列番号6)
標的鎖として、一本鎖オリゴRNA5’-r(AGCAAAAAACGC)-3’(配列番号7)および一本鎖オリゴDNA5’-d(AGCAAAAAACGC)-3’(配列番号8)を用いて、以下のようにして二重鎖形成能(結合親和性)を調べた。
オリゴヌクレオチドの二重鎖形成能を、各種オリゴヌクレオチドと標的鎖とをアニーリング処理して二重鎖を形成させた後、T値を測定することにより調べた。より詳細には、各オリゴヌクレオチド(終濃度4μM)と塩化ナトリウム(終濃度100mM)のリン酸緩衝液(10mM,pH7.2,130μL)の混合液を沸騰水中に浴し、室温までゆっくり冷却した。その後、窒素気流下で5℃まで冷却し、測定を開始した。0.5℃/分で90℃まで昇温し、0.5℃間隔で260nmにおける吸光度をプロットした。T値を中線法または微分法により算出し、独立した3回の測定における平均値とした。
表15(配列(1)~(4))および表16(配列(1)、(5)および(6))は、アンチセンスの一本鎖オリゴRNAおよび一本鎖オリゴDNAのそれぞれに対する二重鎖形成能の結果を示す。これらの表中、一本鎖オリゴRNAに対する結果を「ssRNA」、一本鎖オリゴDNAに対する結果を「ssDNA」に示し、そして各オリゴヌクレオチドのTと、人工修飾核酸1塩基当たりのTm変動温度(「ΔT/mod.」)とを示す。
Figure 2023110119000066
Figure 2023110119000067
化合物X(5’-ジメチルチミジン(5’-diMe-T))を用いた場合および化合物Y(5’-ジメチル-LNA-チミジン(5’-diMe-LNA-T))を用いた場合とも、ssRNAと共に形成した二重鎖のT値が上昇し、ssRNAとの二重鎖形成能が増大した。化合物X、Yのそれぞれについて、オリゴヌクレオチドに複数導入することにより、ssRNAに対するT値は上昇し、RNAに対する二重鎖形成能が向上する傾向を示した。
本発明によれば、ホスホロチオエート修飾核酸の代替とすることが可能な新規な5’位修飾ヌクレオシドおよびそれを用いたヌクレオチドが提供される。本発明の5’位修飾ヌクレオシドを用いて得られるオリゴヌクレオチドは、例えば、核酸医薬への素材として有用である。

Claims (15)

  1. 以下の式(I)で表される化合物またはその塩:
    Figure 2023110119000068
    (式(I)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)。
  2. 前記式(I)が、以下の式(Ia):
    Figure 2023110119000069
    (式(Ia)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. 前記式(I)が、以下の式(Ib):
    Figure 2023110119000070
    (式(Ib)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
    およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  4. 前記式(Ib)が、以下の式(Ib’):
    Figure 2023110119000071
    (式(Ib’)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
    およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項3に記載の化合物またはその塩。
  5. 前記式(I)が、以下の式(Ic):
    Figure 2023110119000072
    (式(Ic)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
    およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  6. 前記式(Ic)が、以下の式(Ic’):
    Figure 2023110119000073
    (式(Ic)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基を表し、
    およびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項5に記載の化合物またはその塩。
  7. 前記式(I)において、前記Baseが、6-アミノプリン-9-イル基、2,6-ジアミノプリン-9-イル基、2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-フルオロプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ブロモプリン-9-イル基、2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-メトキシプリン-9-イル基、6-アミノ-2-クロロプリン-9-イル基、6-アミノ-2-フルオロプリン-9-イル基、2,6-ジメトキシプリン-9-イル基、2,6-ジクロロプリン-9-イル基、6-メルカプトプリン-9-イル基、2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-フルオロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、4-アミノ-2-オキソ-5-クロロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メトキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-メルカプト-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基、または4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  8. 前記式(I)において、前記Baseが、以下の式:
    Figure 2023110119000074
    で表される基である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  9. 以下の式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含有するオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩:
    Figure 2023110119000075
    (式(II)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)。
  10. 前記式(II)が、以下の式(IIa):
    Figure 2023110119000076
    (式(IIa)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    で表される、請求項9に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩。
  11. 以下の式(IIb)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含有する、請求項9に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩:
    Figure 2023110119000077
    (式(IIb)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
    Xは酸素原子または硫黄原子である)。
  12. 前記式(IIb)が、以下の式(IIb’):
    Figure 2023110119000078
    (式(IIb’)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
    Xは酸素原子または硫黄原子である)
    で表される、請求項11に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩。
  13. 以下の式(IIc)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ含有する、請求項9に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩:
    Figure 2023110119000079
    (式(IIc)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
    Xは酸素原子または硫黄原子である)。
  14. 前記式(IIc)が、以下の式(IIc’):
    Figure 2023110119000080
    (式(IIc’)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表し、
    Xは酸素原子または硫黄原子である)
    で表される、請求項13に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩。
  15. 請求項9に記載のオリゴヌクレオチドまたはその薬理学上許容される塩の製造方法であって、
    以下の式(I)で表される化合物またはその薬理学上許容される塩:
    Figure 2023110119000081
    (式(I)中、
    Baseは、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいプリン-9-イル基または2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基を表し、ここで、該α群は、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、炭素数1から6の直鎖アルキル基、炭素数1から6の直鎖アルコキシ基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基、アミノ基、炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基、核酸合成の保護基で保護されたアミノ基、およびハロゲン原子からなり、
    およびRはそれぞれ独立して、水素原子、核酸合成の水酸基の保護基、分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基、分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から10のアリール基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよくそしてヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいアシル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいシリル基、該α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよいリン酸基、核酸合成の保護基で保護されたリン酸基、-P(R)R[式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水酸基、核酸合成の保護基で保護された水酸基、メルカプト基、核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基、アミノ基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のシアノアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基を表す]を表し、
    およびRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子または炭素数1から3の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1または2のアルキル基であり、
    は水素原子でありかつRは水素原子、ハロゲン原子;炭素数1から6の直鎖アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1から6の直鎖アルコキシ基;または-OR12[式中、R12は水素原子、または核酸合成の水酸基の保護基である]であるか、あるいは
    およびRは一緒になって-CHO-または-OCH-で表される二価の基を表す)
    を用いてオリゴヌクレオチドを合成する工程を包含する、方法。
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