JP2023109574A - 体位変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザに与える違和感を軽減することが可能な体位変換装置を提供する。【解決手段】体位変換装置は、横臥者の身体の複数部位の下方にそれぞれ配置され、上下方向への膨張と収縮の変形が可能な複数の変形セル2と、各変形セルを膨張させ、最大膨張状態を保ち、そして収縮する動作を複数回繰り返し行わせる駆動制御装置5と、を備える。駆動制御装置は、各変形セルを最大膨張状態まで膨張させる膨張時間と、最大膨張状態から収縮させる収縮時間をそれぞれ、5分以上に制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば介護用ベッドや医療用ベッドなどのベッド上に寝たユーザの体位の変更に利用可能な体位変換装置に関する。
関連する従来の発明として、例えば特許文献1がある。特許文献1に記載のベッド装置は、ベッド装置上に寝たユーザ(横臥者)の身体の下方に位置するエアマットレスと、ユーザの身体の左右の部位の下方であって、このエアマットレスの下に配置されたエアセルの膨張・収縮により、ユーザの身体を右に傾けたり左に傾けたりすることで、ユーザの姿勢を変更する。自分で寝返りを打てないユーザであっても、長時間にわたり同一姿勢でい続けることによる床ずれなどの疾患やその苦痛を軽減又は防止する効果が期待される。
特許5727357号公報
ユーザの睡眠中、ベッド装置がユーザの身体を上げたり下げたりして姿勢を変更すると、ユーザに違和感を与えて安眠を妨害する可能性がある。
また、介護用ベッドや医療用ベッドは、背ボトムが腰ボトムに対して屈曲して起立する背上げ機能を有する場合がある。この背上げ機能を有するベッドに適用される体位変換装置は、ボトムの屈曲に応じて容易に折れ曲がることが望ましい。
一実施形態に従う体位変換装置は、横臥者の身体の複数部位の下方にそれぞれ配置され、上下方向への膨張と収縮の変形が可能な複数の変形セルと、各変形セルを膨張させ、最大膨張状態を保ち、そして収縮する動作を複数回繰り返し行わせる駆動制御装置と、を備える。駆動制御装置は、各変形セルを最大膨張状態まで膨張させる膨張時間と最大膨張状態から収縮させる収縮時間をそれぞれ、5分以上に制御する。
駆動制御装置は、各変形セルの膨張終了から収縮開始までの最大膨張状態の維持時間を、膨張開始から収縮終了までの1回の動作時間の2分の1以下に制御する。
駆動制御装置は、各変形セルの1回の動作時間のうちの収縮時間を、膨張時間よりも長くするよう制御する。
駆動制御装置は、横臥者の上半身と下半身の重量の違いに応じて、前記複数の変形セルの内圧をそれぞれに制御する。
ベッドのボトム上に敷くことができるシートをさらに備え、複数の変形セルは、シートの上に配置される。複数の変形セルは、平面視で横臥者の右肩から右臀部(以下、本明細書では、人体の腰から尻にかけての部位を臀部という。)までの部位を押し上げ可能な右上領域に位置する右上セルと、左肩から左臀部までの部位を押し上げ可能な左上領域に位置する左上セルと、左臀部から左大腿までを押し上げ可能な左下領域に位置する左下セルと、右臀部から右大腿までを押し上げ可能な右下領域に位置する右下セルと、を含む。右上セルの下端辺と右下セルの上端辺との間に、横方向に直線状に延びる第1の隙間を有し、左上セルの下端片と前記左下セルの上端辺との間に、横方向に直線状に延びる第2の隙間を有し、前記第1及び第2の隙間が、ベッドの腰ボトムと背ボトムの間の屈曲位置に配置可能である。平面視で縦方向において、右上セルの下部と左上セルの下部とが、横臥者の身体の仙骨の上部に配置可能であるとともに、右下領域の上部と左下領域の上部とが、横臥者の身体の仙骨の下部に配置可能である。
右上セルの左端辺と左上セルの右端辺との間に、縦方向に延びる第3の隙間を有し、右下セルの左端辺と左下セルの右端辺との間に、縦方向に延びる第4の隙間を有し、第3及び第4の隙間は、それぞれ、ユーザの脊椎から股間を通る中心線に位置合わせ可能であり、第3及び第4の隙間の横方向の幅は、10センチ以上30センチ以下である。
右上セルの右端辺と、左上セルの左端辺との間の距離が、55センチメートル以上75センチメートル以下である。
本発明によれば、体位変換装置がユーザに与える違和感を減らすことを可能にする。
また、本発明によれば、体位変換装置を、ベッドの背上げに応じて容易に屈曲可能にするとともに、床ずれなどの疾患を軽減する効果を高めることにある。
本実施形態に係る体位変換装置を示す平面図 体位変換装置の各部を説明する図 複数の変形セルの一つを膨張した状態を示す図 駆動制御装置の機能構成図 変形セルの配置を説明するための図 変形セルの平面図 変形セル2を横方向に切った状態の断面の簡略図 操作パネルの一例 体位変換装置の動作の一例 駆動制御装置による変形セルの制御の一例 変形セルの膨張・収縮の経過を表す図 本実施例にかかる検証試験の結果を示すグラフ
本発明の一実施形態を説明する。以下、図面を参照し、本実施形態に係る体位変換装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る体位変換装置1の平面図である。図2は、体位変換装置1の各部を説明する図である。図3は、複数の変形セル2の一つを膨張した状態を示す図である。
本実施形態にかかる体位変換装置1は、ユーザ(横臥者)の身体の下に間接的に又は直接配置される。例えば、体位変換装置1は、ベッドマットレスや敷布団等の寝具の下に配置するのが望ましい。
ベッドに配置する場合には、体位変換装置1は、例えば、ベッドのボトム(床板)とベッドマットレスとの間に配置される。ベッドは、病院や介護施設、自宅等の医療・介護の現場等で使用される電動などのリクライニングベッドであってよい。
この明細書では、体位変換装置1(あるいは、それが配置されるベッドや寝具等)の長手方向を長さ方向、体位変換装置1の長さ方向に直交する方向を幅方向と言う。また、長さ方向を前後又は縦、幅方向を左右又は横と説明する場合がある。また特定の部分又は部材について方向を言及するときには、「○○部の○○方向」などのように説明する場合がある。
<1.体位変換装置の構成>
体位変換装置1は、複数の変形セル2と、シート3と、シート3上に複数の変形セルを配置する配置手段と、複数の変形セル2の膨張と収縮を制御する駆動制御装置5と、操作パネル6と、を有する。なお、この明細書では、一例として、変形セル2は、そこにエアなどの流体を入れたり出したりすることで膨張し収縮する流体袋であり、駆動制御装置5から変形セル2に流入される流体にエアを使用する例を説明する。しかし、流体は、エアに限られるものではなく、水やその他の液体、エア以外の気体等でも適用できる。変形セル2は、流体以外の手段で膨張と収縮をするものでもよい。
複数の変形セル2は、横臥者の身体の複数部位の下方にそれぞれ配置される。各変形セル2は、その厚み方向つまり横臥者にとっての上下方向への膨張と収縮が可能である。具体的には、複数の変形セル2は、各々がチューブ7により駆動制御装置5に接続されており、駆動制御装置5からのエアを流入・排出することにより、各々が独立して膨張及び収縮する。変形セル2は、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン- 酢酸ビニル共重合体、シリコーン及び各種熱可塑性エラストマー等の合成樹脂材料やゴム材等により形成され得るが、エア又はその他の流体により膨張及び収縮が可能なものであればどのようなものであってもよい。変形セル2の詳細は、後述する。
図8に、操作パネル6の一例を示す。操作パネル6は、ユーザや介護者等(ユーザ等)の操作により、情報の入出力を行うユーザインターフェースの一例である。
図4は、駆動制御装置5の機能構成図を示す。駆動制御装置5は、各変形セルに膨張と収縮を周期的に複数回繰り返し行わせる。駆動制御装置5は、主にポンプ51と、制御部52と、電磁弁53と、電磁弁22と、センサ24とを有し、これらをケーシング55に収納している。駆動制御装置5には、複数の変形セル2、ユーザ等が操作するための操作パネル6及び電源8が接続される。
ポンプ51は、複数の変形セル2にエアを供給する。例えば、ポンプ51は、チューブ7を介して複数の変形セル2に接続される。ポンプ51と各変形セル2との間には、各々電磁弁53、電磁弁22及びセンサ24が接続される。電磁弁53の開閉により、ポンプ51から各変形セル2に対するエアの供給の開始及び停止が可能となる。これにより、複数の変形セル2の各々に対して、選択的にエアの供給が可能となる。
電磁弁22は、これに接続された変形セル2内のエアの排出を行う。電磁弁22の開閉により、変形セル2内のエアの排出開始及び停止が可能となる。これにより、複数の変形セル2の各々に対して、選択的にエアの排出が可能となる。センサ24は、各変形セル2内の圧力(内圧)を感知する。
制御部52は、複数の変形セル2に対するエアの供給・排出のための制御を行う。例えば、制御部52は、操作パネル6、各変形セル2、電磁弁22、センサ24、ポンプ51、電磁弁53などの各部との情報の送受信を行い、ポンプ51のオン・オフ制御や、電磁弁53、22によるエア供給先・排出先の変形セル2の選択や、各変形セル2に対する、エアの供給・排出時間、オン・オフ制御及び供給・排出量等の制御を行う。
電源8は、駆動制御装置5に接続され、駆動制御装置5の各部及び操作パネル6に電力供給する。必要に応じて、各変形セル2にも電力供給がされてもよい。なお、電源8は、例えば、コンセント、電動ベッド、バッテリ装置など、周知のいずれの方法での入力でよい。
図4の例では、各変形セル2とポンプ51との間に、それぞれ電磁弁53、電磁弁22、センサ24が接続されている。例えば、制御部52が、ポンプ51、複数の電磁弁53(図示例では、53a、53b、53c、53dの4つ)、複数の電磁弁22(図示例では、22a、22b、22c、22dの4つ)に対し、それぞれに通電によるオン・オフ制御をするようにしてよい。また例えば、電磁弁53は、通常(オフ)は閉止状態が維持され、通電(オン)により開放するように設定され、電磁弁22は、通常(オフ)は開放状態が維持され、通電(オン)により閉止するように設定されるようにしてよい。また例えば、ポンプ51は、通常(オフ)は停止されており、通電(オン)によりエアを送りだすように設定されてよい。
具体的には、例えば、ポンプ51から対象の変形セル2aのみにエアを供給する場合には、制御部52は、対象のエアセル2aに接続された電磁弁53aを開放(オン)し、かつ、対象のエアセル2aに接続された電磁弁22aを閉止し(オン)、ポンプ51からエアを送りだす(オン)。このとき、電磁弁53b、53c、53dは閉止され(オフ)、電磁弁22b、22c、22dは開放されている(オフ)。また、この後、制御部52は、電磁弁53aを閉止すると(オフ)、対象の変形セル2aの膨張状態が維持され得る。さらに、この状態から対象の変形セル2a内のエアを排出する場合には、制御部52は、電磁弁22aを開放する(オフ)ようにすればよい。また、エアの供給・排出の量を制御するため、各電磁弁53、22を断続的に開閉(オン・オフ)するようにしてもよい。
本例の駆動制御装置5においては、複数の電磁弁を組み合わせることで、1つの電磁弁の動作時間を減らし、焼損を防ぐことができる。また、電源オフの状態では、変形セル2のエアがすべて排出されるようにしている。このため、停電時等には、変形セル2が膨張したままの状態を維持できないようになっており、ユーザの安全を配慮し得るようにされている。
なお、この駆動制御装置5の構成は例示である。各部品の数や構成はこの例には限られない。各変形セル2に対し、選択的に給気及び排気ができればどのような構成でもよい。例えば、各電磁弁53、22は、エアの流量制御が可能であってよいし、電磁弁53から排気も行うようにされてもよい。また、各変形セル2に接続された電磁弁53及び電磁弁22の間にセンサを設け、チューブ7内の圧力を測定することにより、変形セル2の内圧を推定するようにしてもよい。また、例えば、電磁弁には限られず、機械式の弁等を使用してもよい。
シート3は、複数の変形セル2の下に配置される。シート3は、例えば、厚さは2cm程度で、半硬質の多孔質のポリウレタン素材である。しかし、シート3の材質は、ポリウレタンや綿やエアマット等どのようなものでもよく、シート3の硬度も、どのようなものでもよい。また、例えば、シート3には、駆動制御装置5を収容する切り欠き33を有してもよい。なお、切り欠き33はあってもなくてもよいが、後述のカバー31内に駆動制御装置5が収容される構成の場合には、シート3は切り欠き33を有するのが望ましい。
配置手段は、シート3上の所定の位置に変形セル2を配置する。本例では、配置手段として、カバー31を用いる。カバー31は、シート3の一部又は全体を覆い、かつ、シート3の上の所定の位置に変形セル2を配置できる。図2では、一例として、シート3全体を覆う袋状であって、複数の変形セル2をそれぞれ収容可能なカバー31の例を示している。例えば、カバー31は、その内面上部に開口(図示なし)を有する袋状のポケット部31aを備え、各ポケット部31aはそれぞれ1つの変形セル2を収納し、変形セル2を保持し得る。加えて、変形セル2及びポケット部31aには、これらを互いに締結する締結部を設けてもよい。図示例では、締結部として、変形セル2に複数の穴23を設け、かつ、ポケット部31a内には、穴23に挿通され固定される紐やフックなどの締結具(図示なし)を設け、穴23に締結具を固定することで、ポケット部31a内での変形セル2の位置ずれを防止するようにしている。しかし、カバー31の構成は、この例には限られない。また、配置手段は、カバー31の例には限られず、シート3上の所定の位置に複数の変形セル2を配置できるものであればどのようなものであってもよい。なお、カバー31には、駆動制御装置5を収容する収容部31bが形成されてよい。なお、駆動制御装置5は、本例のように、後述のカバー31内に収容されるように構成されても、カバー31の外に設けられる構成であってもよい。
<2.変形セルの配置>
図5は、変形セル2の配置を説明するための図である。図5(A)は、シート3上に配置された複数の変形セル2を模式的に示した図であり、図5(B)は、医療・介護用のリクライニングベッドのボトムBを模式的に示した図であり、図5(C)は、横臥者の身体を模式的に示した図である。なお、ここでは、ボトムBの配置として、横臥者の上半身を載せる背ボトムB1、腰と尻を載せる腰ボトムB2、大腿部を載せる膝ボトムB3、膝下を載せる脚ボトムB4を例示する。本例は、腰ボトムB2に対して、背ボトムB1が屈曲可能なリクライニングベッドであり、腰ボトムB2と背ボトムB1の間(B5)に、屈曲部(図示なし)を有する。
変形セル2は、その縦方向が体位変換装置1(又はシート3)の長手方向に沿うようにシート3に配置される。例えば、各変形セル2の縦方向の長さは、上半身を押し上げるものについては背ボトムB1に収まるように、また、下半身を押し上げるものについては腰ボトムB2から膝ボトムB3にかけて収まるように設定されるのが望ましい。換言すると、変形セル2の縦方向の長さは、上半身を押し上げるものについては横臥者の上半身の肩から臀部に対応する程度の長さ、また、下半身を押し上げるものについては下半身の臀部から大腿部に対応する程度の長さに設定され得る。より具体的には、例えば、変形セル2の縦方向の長さは、上半身を押し上げるものについては横臥者の上半身の肩から腰(仙骨の上部)に対応する程度の長さ、また、下半身を押し上げるものについては下半身の尻(仙骨の下部)から大腿部に対応する程度の長さに設定されるのが望ましい。変形セル2の横方向の長さは、ボトムBの幅方向の長さの1/2以下に設定されればよい。換言すると、変形セル2の横方向の長さは、それぞれ、横臥者の左又は右の半身のみを押し上げるような幅に設定され得る。
複数の変形セル2は、横臥者の上半身を押し上げる1以上の変形セル2と、横臥者の下半身を押し上げる1以上の変形セル2とを含む。
図示例では、例えば、横臥者の上半身側に配置される変形セル2は、平面視で横臥者の右肩から右臀部までの部位を押し上げ可能に右上領域に配置される右上セル2Aと、同じく左肩から左臀部までの部位を押し上げ可能に左上領域に配置される左上セル2Bである。より具体的には、例えば、右上セル2Aは、平面視で横臥者の右肩から右腰(仙骨の右上部)までの部位を押し上げ可能にするのが望ましく、左上セル2Bは、同じく左肩から左腰(仙骨の左上部)までの部位を押し上げ可能にするのが望ましい。
また、横臥者の下半身側に配置される変形セル2は、平面視で横臥者の右臀部から右大腿までを押し上げ可能な右下領域に配置される右下セル2Cと、同じく左臀部から左大腿までを押し上げ可能な左下領域に配置される左下セル2Dである。より具体的には、例えば、右下セル2Cは、平面視で横臥者の右尻(仙骨の右下部)から右大腿)までの部位を押し上げ可能にするのが望ましく、左上セル2Bは、同じく左尻(仙骨の左下部)から左大腿までの部位を押し上げ可能にするのが望ましい。
右上セル2Aの下端辺と右下セル2Cの上端辺との間に、幅方向に直線状に延びる第1の隙間11を有する。左上セル2Bの下端片と左下セル2Dの上端辺との間に、幅方向に直線状に延びる第2の隙間12を有する。第1の隙間11と第2の隙間12が幅方向に一直線に並び、この第1の隙間11と第2の隙間12をベッドの腰ボトムB2と背ボトムB1の間B5(屈曲位置)に位置合わせすることができる。
さらに、平面視において、右上セル2Aの下部と左上セル2Bの下部を共に、横臥者の身体の仙骨の上部付近に位置合わせすることができる。同時に、右下セル2Cの上部と左下セル2Dの上部を共に、横臥者の身体の仙骨の下部付近に位置合わせすることができる。つまり、横臥者の仙骨の縦方向中央位置が、およそ第1及び第2の隙間11、12内に重なるようになる。
このようにすることで、ボトムの屈曲位置に体位変換装置1の上下領域間の隙間が位置合わせできるので、ベッドが背上げ動作をするとき、つまり、腰ボトムB2に対して背ボトムB1が立ち上がるとき、体位変換装置1も一緒に容易に屈曲できる。加えて、各変形セル2が配置される右上、左上、右下、左下の4つの領域が、いずれも、縦方向においてユーザの仙骨に対応する位置にあるので、どの領域の変形セルが膨張した時も、ユーザの仙骨を中心とした骨盤の右上部、左上部、左下部、右下部が上昇し、それにより、床ずれなどの疾患が最も生じやすい仙骨を中心とする部位に対し、疾患軽減効果が高い。
また、右上セル2Aの左端辺と左上セル2Bの右端辺との間に、縦方向に延びる第3の隙間13を有し、右下セルの左端辺と左下セル2Dの右端辺との間に、縦方向に延びる第4の隙間14を有し、第3の隙間13と第4の隙間14は、それぞれ、横臥者の脊椎から股間を通る中心線Cに位置合わせすることができ、第3の隙間13と第4の隙間14の横方向の寸法(幅)は、横臥者の胴体の横幅よりも狭く、かつ腰椎と胸椎の横幅よりも広く設定される。第3の隙間13と第4の隙間14の横方向の寸法(幅)は、好ましくは、その隙間13、14の横幅内に、横臥者の横方向中心部分、例えば腰椎と胸椎の全幅とその両脇の脊柱起立筋の一部幅又は全幅に相当する部分は収容され得るが、さらにその両脇の外側部分、例えば、肩甲骨の全幅に相当する部分は完全には収容され得ないような寸法に設定される。第3の隙間13と第4の隙間14の横方向の寸法(幅)は、例えば、10センチ以上30センチ以下、好ましくは20センチ以上30センチ以下に設定され得る。
第3の隙間13と第4の隙間14の横方向の寸法(幅)は、広すぎると小柄な女性のように体の小さい人の身体を傾けることが難しくなり、狭すぎると、身体の横方向の中心部分又はその近くも押し上げられるので、傾け効果が低減する。これらの隙間13,14が10センチ以上30センチ以下の幅であれば、小柄な女性から大柄な男性まで、種々の体格の横臥者に対して傾け効果が得られる。また、20センチ以上30センチ以下の幅であれば、横臥者が寝返り等で動いたとしても、身体の中心部を変形セルの上方からずらせるという効果が期待できる。他方、これらの隙間13,14が広すぎると、肩幅の狭い人には、その人の肩の外方ばかりが持ち上がり、その人の肩が上がらない可能性がある。
また、右上セル2Aの右端辺と左上セル2Bの左端辺との間の距離15は、横臥者の身体の横幅以上、シート3の幅以下に設定される。具体的には、例えば、右上セル2Aの右端辺と左上セル2Bの左端辺との間の距離15は、例えば、55センチメートル以上75センチメートル以下、好ましくは、60センチメートル以上、70センチメートル以下に設定され得る。
横臥者の傾け効果を出すには、肩を押し上げる必要がある。変形セルが外側にそれぞれ左右5から10センチメートルくらい、左右セルを併せた全体幅が肩幅より10から20センチメートルほど広ければ、肩を確実に押し上げ、傾け効果が得られる。一般に日本人男性の平均肩幅は、45センチメートル、女性は40センチメートルである。大柄な男性の場合、さらに5センチメートル、場合によっては、10センチ近く肩幅が広い可能性がある。ゆえに、全体幅が50センチメートルから75センチメートルの間なら、どの体格の人でも傾け効果が期待できる。他方、上述の通り肩幅の狭い人にも適用するようにする必要がある。ゆえに、60センチメートル以上、70センチメートル以下であれば、ほぼ多くの体格に対応して傾け効果が得られる。なお、現実の介護用ベッド、医療用のベッドの幅は、最小のモデルで78センチメートル程度である。このベッド幅にも上記の幅なら対応できる。
<3.変形セルの構成>
以下、変形セル2の構成を説明する。図6は、変形セル2の平面図である。図7は、変形セル2を横方向に切った状態の断面の簡略図である。変形セル2は、エアを抜いた状態で、平面視において略長方形状を有する。複数の変形セル2は、同じ形状であってよい。本例では、変形セル2は、合成樹脂素材の略長方形の上下面の周縁を溶着して、袋状に形成されている。変形セル2の縦方向の一辺には、給排気孔が形成されており、チューブ7を接続するための接続部材21が給排気孔に固定される。本例では、給排気孔を有する側の辺が、体位変換装置1の幅方向の外側になるよう配置されており、これと反対側の辺には、上述した締結部の穴23が複数設けられている。
変形セル2には、内部の領域を分割する1以上のリブ26が設けられる。リブ26は、変形セル2の内部の各領域を、それぞれ一部開放するように形成される。言い換えると、変形セル2の内部は、リブ26により、複数の領域(図示なし)が形成されるとともに、これら複数の領域にエアを流通可能な連通路27が形成されている。リブ26は、上述した変形セル2の材質と同様の材質により形成され得るが、同様の材質でなくてもよい。
リブ26は、変形セル2の上下面に固着されている。図示例では、1つのリブ26は、変形セル2の横方向に沿うように配置され、変形セル2の縦方向に間隔をあけて複数配置されている。変形セル2に給気すると、リブ26は立ち上がる。リブ26が立ち上がった状態(つまり、変形セル2が膨張した状態)で、リブは、変形セル2における横方向の一端部26aよりも他端部26bのほうが低く設定される。本例では、リブ26は、給気孔の近傍側の一端部26aが、その反対側の他端部26bよりも高くなるよう設定されている。
また、体位変換装置1に配置された状態では、膨張した変形セル2は、体位変換装置1の幅方向の中央側を低く、外側を高くするように設定されている。よって、膨張時の変形セル2には、幅方向外側の端部から中央側の端部に向かう傾斜面25が形成されることになる。つまり、変形セル2が横臥者の身体を包み込むように膨張・収縮をするので、横臥者の違和感を抑えることができる。
例えば、最大膨張状態における変形セル2の高さは、高いところ(この例では、幅方向外側)で、5cmから15cm程度、低いところ(この例では、幅方向の中央側)で、0cmから5cm程度であってよい。
また、リブ26により、変形セル2の内部に複数の領域が形成されることで、横臥者の体重により膨張範囲が偏ることを防止することができる。
なお、リブ26は、給気孔の近傍側の一端部が、他端部よりも低くなるように設定してもよいし、高低の差をつけずにしてもよい。
<5.動作>
以下、体位変換装置1の動作の概略を説明する。図9は、体位変換装置1の動作の一例を示す。図11は、変形セルの膨張・収縮の経過を表す図である。ここでは、1つの変形セルの膨張開始から収縮終了まで(以下、これを動作時間という。)を60分として、第1~第4の変形セルの順序で膨張される例を説明する。
なお、説明のため、便宜的に第1から第4セルとして説明するが、これらの変形セル2の動作の順序は、設計で予め設定されてもよいし、ユーザにより選択されてもよい。また、動作時間、膨張時間、維持時間及び収縮時間のタイミングは、この例に限られず、設定により変更可能である。
ユーザ等は、操作パネル6より、電源の入力及び各種の設定を行う(S1)。例えば、設定情報は、膨張させる変形セル2の順序の選択(体位変換位置の選択)、各変形セル2が膨張し、最大膨張状態を維持し、そして収縮する1回の動作の時間(1か所の体位変換時間)、変形セル2の膨張度(例えば、変形セル2の最大膨張状態での高さの程度、つまり、横臥者にとっての身体の傾きの程度)等である。この例では、変形セル2の膨張度を、変形セル2の内圧の値を用いて制御するものとする。同じ内圧でもユーザの体重や体格や体位変換装置1の上の寝具の硬さなどにより変形セル2の最大膨張状態での高さ、つまり、ユーザの身体の傾き程度が変わるので、変形セル2の内圧は、ユーザの体重や体格によって設定変更が可能である。例えば、体重の軽い人の身体を10cm押し上げる場合よりも、体重の重い人の身体を10cm押し上げる場合は、内圧を高く設定する必要がある。
また、体位変換装置1は、ユーザの上半身と下半身の重量の違いに応じて、複数の変形セルの内圧をそれぞれ異なる設定値に制御することができる。例えば、一般的には、下半身のほうが上半身よりも重い。このため、上側の領域に配置される変形セルよりも、下側の領域に配置される変形セルの内圧を高く設定してもよい。同じ人でも、身体の上半身と下半身の重量は異なる。このため、各部の重量に合わせて内圧を設定できることで、身体の部位毎の上昇高さを一定に制御できる。
なお、変形セル2の内圧の設定は、ユーザの体格に応じて予め設定された幾つかの設定値(モード)の選択肢よりユーザが選択できるようにしてもよい。この際、上半身及び下半身等、身体の部位ごとに重さが異なることを想定し、各モードは、変形セル毎(又は上半身と下半身の変形セル毎)に、異なる内圧値が設定されてもよい。また、ユーザが変形セル2(領域)毎に所望の内圧値を設定してもよい。
なお、膨張度は、変形セル2の内圧の値で制御するに限られるものではなく、例えば、変形セル2の高さや、変形セル2への給気量等によって制御できる。以下、ユーザが、操作パネル6により選択した変形セル2の膨張度に対応する変形セルの内圧値を所定内圧という。
各変形セル2は、予め設定された所定内圧に達するまで給気され、所定内圧の状態をしばらく維持した後、排気される。変形セル2が所定内圧に達した状態を、以下では、最大膨張状態という。また、給気開始から、各変形セル2が最大膨張状態に達するまでの時間を、以下では膨張時間といい、最大膨張状態に達した後、排気が開始されるまで、最大膨張状態を維持する時間を維持時間といい、排気開始から終了(変形セル2の内圧が実質ゼロになる)までの時間を収縮時間という。これら膨張時間、維持時間、収縮時間を合わせた時間を、以下、変形セル2の動作時間という。
体位変換装置1は、操作パネル6からの設定情報を受け、動作を開始する(S2)。
体位変換装置1は、第1変形セルに給気を開始する(S3)。これより、体位変換装置1は、タイムカウントを開始する。
体位変換装置1は、センサ24からの情報に基づき、第1変形セルの所定内圧に達したことを確認する(S4)。
体位変換装置1は、第1変形セルの給気を停止する(S5)。
体位変換装置1は、維持時間が終了したことを確認する(S6)。本例では、維持時間は、第1変形セルへの給気開始(S3)から、動作時間の1/2経過後に終了するものとする。
体位変換装置1は、第1変形セルの排気を開始する(S7)。第1変形セルの排気が完了する(S8)。
体位変換装置1は、排気時間が終了したことを確認する(S9)。本例では、排気時間は、第1変形セルへの給気開始(S3)から、動作時間経過後に終了するものとする。
体位変換装置1は、S3に処理を戻し、第2変形セルの処理に進む(S10)。
この後、体位変換装置1は、第2~第4変形セルの順番で、上記S3~S10の動作が行う。第4変形セルの動作時間が完了すると、再び、第1変形セルの上記S3~S10の動作が始まり、以後、同様の動作が繰り返される。なお、この第1~第4変形セルの上記動作は、ユーザ又はタイマー等により体位変換装置1の電源が切られるまで、自動的に繰り返し行われるようにしてよい。
なお、この例では、各変形セル2は、給気開始から動作時間の1/2で維持時間を終了し、排気を開始するものとしていたが、これに限られない。変形セル2の動作時間内での膨張、維持及び収縮の時間制御の詳細例は、後述する。
以下、上記体位変換装置1の動作に関し、より詳細に、駆動制御装置5による変形セル2の制御を説明する。図10は、駆動制御装置5による変形セル2の制御の一例を示す。
以下、各変形セル2の1回の動作時間を60分とした場合にて、第1~第4の変形セルの順序で動作が行われる例を説明する。この例では、各変形セル2の膨張時間と維持時間を合わせて動作時間の1/2であり、残りの1/2が収縮時間である。
なお、説明のため、便宜的に第1から第4セルとしているが、これらの変形セル2がどの位置に在る変形セルに該当するかは、設計で定められていても良いし、ユーザにより任意に選択されてもよい。要するに、複数の変形セル2がどのような順序で動作するかにはバリエーションがあり得る。ただし、各変形セル2が一度動作して次に動作するまでの周期(つまり、各変形セル2の動作頻度)は全ての変形セルで同じであることが好ましい。また、1回の動作時間、膨張時間、維持時間、収縮時間は、この例に限られず、設定により変更可能であってよい。
ユーザ等は、操作パネル6より、電源の入力及び各種の設定を行う(S11)。設定情報は、上述の通りである。
駆動制御装置5は、運転を開始するよう各部に指示する(S12)。
駆動制御装置5は、第1変形セルの給気を開始する(S13)。具体的には、例えば、駆動制御装置5は、ポンプ51を駆動し、電磁弁53を開放し、電磁弁22を閉止して、給気を開始するよう指示する(S13)。ここで、駆動制御装置5は、第1変形セルの制御に関するタイムカウントを開始する。
駆動制御装置5は、第1変形セルのセンサ24からの情報に基づき、第1変形セルが所定内圧に達したか否かを判断する(S14)。第1変形セルが、所定内圧に達した場合(Yes)は、S21に進み、所定内圧に達していない場合(No)は、S15に進む。
駆動制御装置5は、第1変形セルへの給気を停止する(S21)。具体的には、例えば、駆動制御装置5は、第1変形セルの電磁弁22及び53を閉止し、第1変形セルへの給気を停止する(S21)。
駆動制御装置5は、第1変形セルの給気開始(S13)から第1の時間経過したことを確認し(S15)、給気速度を下げる(S16)。なお、ここで、第1の時間は、例えば、膨張時間のおよそ1/3以下、好ましくは1/5以上、1/4以下であってよい。この処理は、第1変形セルの急激な膨張を避けることができる。
駆動制御装置5は、第1変形セルのセンサ24の情報に基づき、第1変形セルが所定内圧に達したか否かを判断する(S17)。第1変形セルが、所定内圧に達した場合(Yes)は、S21に進み、所定内圧に達していない場合(No)はS18に進む。
駆動制御装置5は、第1変形セルの給気開始(S13)から第2の時間経過したことを確認しS18)、給気速度を上げる(S19)。なお、ここで、第2の時間は、膨張時間の終了に近づいた時間である。例えば、膨張時間のおよそ2/3以上、好ましくは1未満、4/5以上であってよい。この処理は、第1変形セルが、膨張時間の終了までに最大膨張状態とすることを助けることができる。
駆動制御装置5は、第1変形セルのセンサ24の情報に基づき、第1変形セルが所定内圧に達したか否かを判断する(S20)。第1変形セルが、所定内圧に達した場合(Yes)は、S21に進み、所定内圧に達していない場合(No)はS22に進む。
駆動制御装置5は、維持時間が終了したことを確認し(S22)、第1変形セルの排気を開始する(S19)。具体的には、例えば、駆動制御装置5は、第1変形セルの電磁弁22を、例えば1秒間開放した後1秒間閉止する等のように、断続的に開閉することで、比較的ゆっくりと排気するようにしてもよい。なお、本例では、維持時間は、第1変形セルの給気開始(S13)から動作時間の1/2経過後に終了するものとする。
駆動制御装置5は、排気時間の終了が近づいたことを確認し(S24)、排気速度を上げる(S25)。具体的には、例えば、駆動制御装置5は、第1変形セルの電磁弁22の断続的な開閉に関し、開放する時間を増やすように制御してもよい。ここでは、例えば、駆動制御装置5は、動作時間の終了前であって、給気開始からおよそ動作時間の3/4が経過した時間となったことを確認するものとする。
駆動制御装置5は、排気時間の終了を確認し(S26)、第1変形セルの電磁弁22を開放し、排気速度の制御を停止する(S27)。なお、本例では、排気時間の終了は、第1変形セルの給気開始(S13)から動作時間が経過したときである。
この後、駆動制御装置5は、第2~第4変形セルの順番で、上記S13~S27処理を行う。なお、駆動制御装置5によるこの第1~第4変形セルの上記動作は、ユーザ又はタイマー等により体位変換装置1の電源が切られるまで、繰り返し行われるようにしてよい。
なお、上記と同様、第1~第4変形セルの動作の順序は、ユーザの選択によりいかようにも設定可能である。また、動作時間は、この例には限られない。
<4.変形セルの動作時間>
駆動制御装置5は、右上領域、左上領域、右下領域、左下領域に配置された複数の変形セル2を、各々独立して膨張及び収縮させることができる。例えば、1領域ずつ逐次変形セル2を膨張させることができ、その順序はユーザにより選択可能である。例えば、平面視で右回り順又は左回り順に1領域ずつ逐次に変形セル2を膨張させるようにしてもよい。本例では、1の領域の変形セル2の動作時間(膨張~収縮)が終了した後、次の領域の変形セルの動作が開始されるものとする。
また、駆動制御装置5は、各変形セル2を膨張させる時間(膨張時間)と収縮させる時間(収縮時間)を、それぞれ5分以上に制御する。好ましくは、駆動制御装置5は、各変形セル2の膨張時間と収縮時間のそれぞれを、10分以上、より好ましくは15分以上に制御する。
体位変換装置1は、比較的長い時間をかけて変形セル2を膨張させ、さらに収縮させる。これにより、変形セル2の膨張及び収縮時のユーザの違和感を低減することができる。よって、ユーザの褥瘡等の疾患のリスクを抑えつつ、安眠を阻害することを防止することができる。
駆動制御装置5は、動作時間のうち、各変形セル2を膨張させる時間(膨張時間)と収縮させる時間(収縮時間)の合計時間(つまり、動作時間の中で変形セル2が変形している時間)を、維持時間よりも長くすることができる。換言すると、駆動制御装置5は、変形セル2の変形時間を動作時間の1/2以上とすることができる。駆動制御装置5は、変形セル2の変形時間を動作時間の2/3以上とするのが好ましく、より好ましくは動作時間の3/4以上とするのが好ましい。
換言すると、駆動制御装置5は、各変形セル2の維持時間を、膨張開始から収縮終了までの動作時間の2分の1以下に制御することができる。
好ましくは、駆動制御装置5は、変形セル2の維持時間を、膨張時間や収縮時間よりも短くするようにする。駆動制御装置5は、各変形セル2の膨張終了から収縮開始までの最大膨張状態の維持時間を、動作時間の1/2以下、好ましくは1/3以下、より好ましくは動作時間の1/4以下に制御する。
例えば、動作時間を2時間とした場合、上記維持時間を例えば60分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下とすることができる。また、動作時間を1時間とした場合、維持時間を例えば30分以下、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下とすることができる。動作時間を30分とした場合、維持時間を15分以下、好ましくは10分以下、より好ましくは7.5分以下とすることができる。
このように、横臥者の身体が同じ状態に留まる時間を短くすることで、褥瘡等のリスクを低減することができる。つまり、維持時間が動作時間中でこの程度に短いと、変形セル2の膨張・収縮の時間を上述の違和感をもちにくい程度に長く設定できるとともに、ユーザが同じ姿勢でいる時間が短いので、褥瘡等の疾患のリスクを軽減することができる。
また、駆動制御装置5は、各変形セル2の収縮時間を、膨張時間よりも長くするよう制御する。例えば、駆動制御装置5は、各変形セル2の収縮時間が動作時間の1/3以上になるように制御する。駆動制御装置5は、各変形セル2の収縮時間が動作時間の1/3より多く2/3以下に制御するのが望まく、より好ましくは、各変形セル2の収縮時間が動作時間の1/2に制御するのが望ましい。変形セル2が膨張するとき、横臥者の身体は重力に抗って上昇する。これに対し、変形セル2が収縮するとき、横臥者の身体は重力に従い下降する。身体の上昇時間よりも下降時間を長くとることで横臥者が体位変換による違和感を持ちにくくできる。
駆動制御装置5は、各変形セル2の内圧が、1kPaから10kPaの間にはいるように制御する。内圧を変えることで、ユーザの体格や体重に左右されず、変形セルを適切に上昇させることができる。例えば駆動制御装置5は、ユーザの体重に応じて、各変形セル2の膨張によるユーザの身体の最大上昇距離が12センチメートルから6センチメートルの間に入るように、各変形セルの膨張を制御するようにする。例えば、変形セルが、その中にエア等の気体を供給することでほぼ抵抗なく膨張する柔軟なエアセルの場合、各変形セルに供給する空気圧の最大値を例えば2kPa、5kPa及び8kPaの三段階に手動又は自動で変更できるようにしてよい。それにより、ユーザの体重が小柄な女性のように軽いか、大人の標準的な体重か、大柄な男性のようにより重いかに応じて、最大空気圧を変更することで、最大上昇距離を12センチメートルから6センチメートルの間に入るように調整できる。これにより、ユーザの身体の最大上昇距離がこの程度であれば、ユーザに与える違和感を、安眠を妨害しない程度に小さくできる。
<実施例>
以下、本実施形態に係る実施例の検証試験の結果を示す。
図12は、本実施例にかかる検証試験の結果を示すグラフである。このグラフは、変形セル2の膨張時に、被験者(横臥者)がどこで違和感を持ったかを検証した結果である。この実験では、ベッドのボトムの上に体位変換装置1を置き、被験者と体位変換装置1との間にウレタンのベッドマットレス(全ての測定において同じもの)を敷き、1つの領域の変形セル2を膨張させ、変形セルの膨張前の高さを0cmとし、変形セル2上の被験者の身体の部位が上昇した高さを測定した。
被験者は、体重が35kgから45kgのグループ(図では、加重40kgと記載)、体重が45kgから55kgのグループ(図では、加重50kgと記載)、体重が60kgから70kgのグループ(図では、65kgと記載)、体重が70kgから80kgのグループ(図では、加重75kgと記載)の4グループを測定した。各グループ10人とした。
試験は、各被験者に対し、変形セル2の膨張時における、変形セル2の内圧と、身体の部位の上昇した高さ(膨張高さ)を測定する第1の測定と、変形セル2をそれぞれ異なる膨張時間で膨張させた場合に、被験者がどこで体位変化による違和感を覚えるかを測定する第2の測定を行った。膨張時間は、変形セル2が最大膨張状態になるまでに要する時間を0.5分、2.0分、5.0分、10.0分、15.0分の5つとした。なお、被験者が違和感を全く持たなかった場合には、最大膨張時に違和感を持ったものとしてカウントした。
なお、変形セル2の位置は、図5に示す右上領域、左上領域、右下領域、左下領域の4か所をそれぞれ測定した。また、いずれの被験者もが載置された状態で、変形セル2の最大膨張時の高さが6~12cmの間に入るように内圧を設定した。以下、本試験の結果の代表的な例を示す。この例は、変形セルの位置を右肩領域とし、最大膨張時の内圧を5kPaと設定したものである。
図の縦軸は、変形セル2の膨張時の高さ(cm)、横軸は、変形セルの内圧(kPa)を示す。変形セル2の膨張時の高さは、変形セル上の身体の部位が上昇した高さを表す。グループ毎の、変形セルの膨張時における変形セルの内圧と、身体の部位の上昇した高さ(膨張高さ)の測定(第1の測定)の結果を折れ線グラフで示した。また、各膨張時間における被験者が違和感を覚えた個所(第2の測定の結果)を、同グループの折れ線グラフ上にポイントした。なお、第1及び第2の測定の結果は、各グループの平均値をとった。
試験の結果、どのグループにおいても、膨張時間が長いほど、被験者は、変形セル2の膨張時の体位変化による違和感を与えにくいことが分かった。
具体的には、試験の結果、以下のことがわかった。膨張時間が0.5分の場合、どのグループにおいても、被験者が違和感を持った膨張時高さは、最大膨張状態の80%未満であった。なお、この場合の変形セルの内圧は、2.0kPa以下であった。
膨張時間が2.0分の場合、どのグループにおいても、被験者が違和感を持った膨張時高さは、最大膨張状態の85%未満であった。なお、この場合の変形セルの内圧は、3.0kPa以下であった。
膨張時間が5.0分の場合、どのグループにおいても、被験者が違和感を持った膨張時高さは、最大膨張状態の90%以上であった。より具体的には、膨張時高さが最大膨張状態の90%以上98%未満のときであった。なお、この場合の変形セルの内圧は、3.5kPa以上であった。
膨張時間が10.0分の場合、どのグループにおいても、被験者が違和感を持った膨張時高さは、最大膨張状態の95%以上であった。より具体的には、膨張時高さが最大膨張状態の95%以上99%未満のときであった。なお、この場合の変形セルの内圧は、4.0kPa以上であった。
膨張時間が15.0分の場合、どのグループにおいても、被験者が違和感を持った膨張時高さは、最大膨張状態の99%以上であった。なお、この場合の変形セルの内圧は、4.9kPa以上であった。
つまり、膨張時間を5分以上とした場合には、変形セルが最大膨張状態の90%以上膨張するまでは、どのような体格の被験者であっても違和感を与えないと考えることができる。また、膨張時間を10分以上とした場合には、変形セルが最大膨張状態の95%以上膨張するまでは、どのような体格の被験者にも違和感を与えないと考えることができる。さらには、膨張時間を15分以上とした場合には、変形セルが最大膨張状態の99%以上、つまりほぼ最大膨張状態に達するまで、どのような体格の被験者にも違和感を与えないと考えることができる。
以上説明した実施形態は、説明のための単なる例示であり、本発明の範囲をそれらの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、上記の実施の形態とは違うさまざまな形態で、実施することができる。
1…体位変換装置 2…変形セル 2A…右上セル 2B…左上セル 2C…右下セル 2D…左下セル 3…シート 5…駆動制御装置 6…操作パネル 7…チューブ 8…電源 11…第1の隙間 12…第2の隙間 13…第3の隙間 14…第4の隙間 15…距離 21…接続部材 22…電磁弁 23…穴 24…センサ 25…傾斜面 26…リブ 26a…一端部 26b…他端部 27…連通路 31…カバー 31a…ポケット部 31b…収容部 51…ポンプ 52…制御部 53…電磁弁 55…ケーシング B…ボトム B1…背ボトム B2…腰ボトム B3…膝ボトム B4…脚ボトム B5…腰ボトムと背ボトムの間 C…中心線

Claims (7)

  1. 横臥者の身体の複数部位の下方にそれぞれ配置され、上下方向への膨張と収縮の変形が可能な複数の変形セルと、
    各変形セルを膨張させ、最大膨張状態を保ち、そして収縮する動作を複数回繰り返し行わせる駆動制御装置と、を備え、
    前記駆動制御装置は、前記各変形セルを前記最大膨張状態まで膨張させる膨張時間と前記最大膨張状態から収縮させる収縮時間をそれぞれ、5分以上に制御する、
    体位変換装置。
  2. 前記駆動制御装置は、前記各変形セルの膨張終了から収縮開始までの前記最大膨張状態の維持時間を、膨張開始から収縮終了までの1回の動作時間の2分の1以下に制御する、
    請求項1に記載の体位変換装置。
  3. 前記駆動制御装置は、前記各変形セルの1回の動作時間のうちの前記収縮時間を、前記膨張時間よりも長くするよう制御する、
    請求項1又は2に記載の体位変換装置。
  4. 前記駆動制御装置は、横臥者の上半身と下半身の重量の違いに応じて、前記複数の変形セルの内圧をそれぞれに制御する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の体位変換装置。
  5. ベッドのボトム上に敷くことができるシートをさらに備え、
    前記複数の変形セルは、前記シートの上に配置され、
    前記複数の変形セルは、平面視で横臥者の右肩から右臀部までの部位を押し上げ可能な右上領域に位置する右上セルと、左肩から左臀部までの部位を押し上げ可能な左上領域に位置する左上セルと、左臀部から左大腿までを押し上げ可能な左下領域に位置する左下セルと、右臀部から右大腿までを押し上げ可能な右下領域に位置する右下セルと、を含み、
    前記右上セルの下端辺と前記右下セルの上端辺との間に、横方向に延びる第1の隙間を有し、前記左上セルの下端片と前記左下セルの上端辺との間に、横方向に延びる第2の隙間を有し、前記第1及び第2の隙間が、ベッドの腰ボトムと背ボトムの間の屈曲位置に配置可能であり、
    平面視で縦方向において、前記右上セルの下部と左上セルの下部とが、横臥者の身体の仙骨の上部に配置可能であるとともに、右下領域の上部と左下領域の上部とが、横臥者の身体の仙骨の下部に配置可能である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の体位変換装置。
  6. 前記右上セルの左端辺と前記左上セルの右端辺との間に、縦方向に延びる第3の隙間を有し、前記右下セルの左端辺と前記左下セルの右端辺との間に、縦方向に延びる第4の隙間を有し、
    前記第3及び第4の隙間は、それぞれ、ユーザの脊椎から股間を通る中心線に位置合わせ可能であり、
    前記第3及び第4の隙間の横方向の幅は、10センチ以上30センチ以下である、
    請求項5に記載の体位変換装置。
  7. 前記右上セルの右端辺と、前記左上セルの左端辺との間の距離が、55センチメートル以上75センチメートル以下である、
    請求項5又は6に記載の体位変換装置。
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