JP2023109120A - 配電盤 - Google Patents

Abstract

【課題】太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、温度上昇対策を行う配電盤を提供する。【解決手段】受変電設備を収納する箱体１０と、前記箱体に設けた扉１１と、前記箱体の側部に設けた側板１７と、を備える配電盤であって、盤の正面、背面、側面の少なくとも１つの面に、引き出し、収納可能な太陽光を遮光する遮光部材を設置することにより、太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、配電盤の温度上昇を防ぐものである。【選択図】 図２

Description

本発明は、配電盤に関し、特に配電盤の温度上昇対策に関する。

配電盤は、電力会社から高圧の電気を受電するための受変電設備で、受電遮断設備、変電設備、配電設備、および各電力を計測するための計測機器などを箱体に収納したものである。配電盤は、受電電圧に応じて、スイッチギアやキュービクルと呼ばれることがある。屋外に設置される配電盤においては、夏場の日射からの受熱による配電盤内の温度上昇により、内蔵する電子機器等の寿命の低下の問題がある。そのため、太陽の日射による熱侵入から、箱体内の温度上昇を防ぐ対策が必要となる。

図１５に、直射日光等の外部からの放射熱を避けるようにした、従来の電気機器収納用箱の一例を示す（特許文献１参照）。電気機器収納用箱の本体１の側面や扉２には、ボススタッド４により側面や扉の遮光板３ａが取り付けられ、壁面との間に空気流通用の間隙が形成されている。また、箱の本体１の上部にも、ボススタッド４により屋根の遮光板３ｂが取り付けられている。

特開２０００－２２８５９７号公報

屋外に設置される配電盤においては、日射からの受熱による配電盤内の温度上昇により、内蔵する、特に電子機器の寿命低下の問題がある。

特許文献１には、直射日光等の外部からの放射熱を避けるために、箱体の側面や扉に遮光板を取り付けた電気機器収納用箱が開示されている。遮光板は直射日光により高温となるため、熱伝導により盤が影響を受けないよう金具やスタッドで盤から離して固定する。また、金具やスタッドはボルトや溶接等で固定するが、これら固定箇所の腐食により、遮光板が鋼板製であり重量があることから、強度上問題となっている。また、腐食で錆の露出や錆水垂れ跡等により美観を損なうことも問題となっている。
さらに、前記問題が生じた際、遮光板を交換するために扉を開けて作業する必要があるが、配電盤内部には電気回路が形成されている為、安全上の問題がある。停電をとって作業する方法もあるが、配電先の設備まで停電となる為、需要家へ迷惑をかける問題がある。

本発明の目的は、上記課題を解決し、太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、温度上昇対策を行う配電盤を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明の配電盤においては、盤の正面や背面などに引き出し、収納可能な遮光部材を設置し、夏場等の必要な時に遮光部材を引き出し、日除けとする。

本発明の「配電盤」の一例を挙げるならば、
受変電設備を収納する箱体と、前記箱体に設けた扉と、前記箱体の側部に設けた側板と、を備える配電盤であって、
盤の正面、背面、側面の少なくとも１つの面に、引き出し、収納可能な太陽光を遮光する遮光部材を設置したことを特徴とするものである。

本発明によれば、夏場等の必要な時に遮光部材を引き出して、日除けとし、夏場以外や盤の点検・メンテナンスなどの不要時、または台風などの悪天候時には遮光部材を収納することができる。そして、太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、配電盤の温度上昇を防ぐことができる。

上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

本発明に先立って検討した３面列番の配電盤を示す図である。 本発明の実施例１の配電盤を示す図である。 実施例１の配電盤の遮光機構を示す図である。 スクリーンの引出・収納例１を示す図である。 スクリーンの引出・収納例２を示す図である。 スクリーンの引出・収納例３を示す図である。 配電盤の側面へのスクリーンの取付例１を示す図である。 配電盤の側面へのスクリーンの取付例２を示す図である。 スクリーンの交換方法を示す図である。 本発明の実施例２の配電盤を示す図である。 実施例２の配電盤の遮光機構を示す図である。 本発明の実施例３の配電盤を示す図である。 本発明の実施例４の配電盤を示す図である。 実施例４の遮光機構を示す図である。 従来の遮光板を取り付けた電気機器収納用箱の一例を示す図である。

本発明の実施例を説明する前に、本発明に先立って検討した、配電盤について説明する。

図１に、盤を３つ並べた３面列盤である配電盤の例を示す。図１（ａ）は配電盤の正面図、図１（ｂ）は配電盤の側面図である。

図１の配電盤は、単位となる盤を３つ並べて構成されている。それぞれの盤は、鋼板製材料から成る箱体１０と、箱体１０の前後に取り付けた扉１１と、箱体１０の上部に設けた屋根１３とで構成されている。扉ハンドルを備える前後の扉１１には、それぞれ扉取付遮光板１２が取り付けられている。外側の盤の箱体１０には側板１７が取り付けられており、側板１７には側板取付遮光板１８が、遮光板取付金具やスタッド１９により取り付けられている。屋根１３には、両外側に屋根カバー１４が設けられており、また、屋根の上部には換気口１６を備えている。隣り合う屋根１３の間には、中間屋根カバー１５が取り付けられている。

図１に示される配電盤は、前後の扉１１および側板１７に、扉取付遮光板１２および側板取付遮光板１８を取り付けることにより、太陽の日射による外面からの熱侵入を防ぐものである。

しかし、遮光板を遮光板取付金具やスタッドで取り付けるが、取付箇所の腐食により、遮光板が鋼板製であり重量があることから強度上の問題が生じる。また、腐食で錆の露出や錆水垂れ跡等により美観を損なうことも問題となる。

本発明は、上記課題を解決し、太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、温度上昇対策を行う配電盤を提供するものである。

以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし主旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
また、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。

図２に、本発明の実施例１の配電盤を示し、図２（ａ）はその正面図、図２（ｂ）はその側面図である。図は、単一の盤から構成される配電盤の例である。

図２の配電盤は、鋼板製材料から成る箱体１０と、箱体１０の前後に取り付けた扉１１と、箱体１０の上部に設けた屋根１３とで構成されている。箱体１０の両側には側板１７が取り付けられている。屋根１３には、両側に屋根カバー１４が設けられており、また、屋根の上部には換気口１６を備えている。

本実施例の特徴構成として、盤の前後にスクリーン２１を備える遮光機構が設けられている。スクリーン２１は、屋根１３の正面側および背面側の庇に取り付けたスクリーン巻取装置２２により、引出・収納可能に構成されている。

図３に、実施例１の配電盤のスクリーンを備える遮光機構を示す。図３（ａ）は遮光機構の正面図を示し、遮光機構２０は、太陽光を遮光するスクリーン２１とスクリーンを巻き取るスクリーン巻取装置２２で構成されている。スクリーン２１は帆布や、ポリエステルやアクリル素材等の生地の布で作られている。スクリーン巻取装置２２は、スクリーンを巻き取る円筒状の巻取部２２１と、巻取部２２１を回転させる機構部２２２から構成されている。スクリーン巻取装置２２は、固定枠２２４を備え、固定枠２２４の盤取付面２２５において、屋根１３の庇に取り付けられる。

図３（ｂ）（ｃ）に遮光機構のスクリーンの固定方法を、図３（ｄ）にスクリーンを固定するためのフック受け金具を示す。配電盤の底面には、配電盤から突き出してフック受け金具２３が取り付けられている。図３（ｄ）に示すように、フック受け金具２３には、フック受け２３１が設けられている。図３（ｂ）（ｃ）に示すように、スクリーン２１の先端にはワイヤ２４が取り付けられ、ワイヤ２４の先端にはフック２５が取り付けられている。図３（ｂ）は左右２個所でスクリーンを取り付ける例で、スクリーン２１の両端に取り付けたワイヤ２４の先のフック２５をフック受け２３１に引っ掛けて、引き出したスクリーン２１を取り付ける。図３（ｃ）は中央の１個所でスクリーンを取り付ける例で、スクリーン２１の下端の中央に取り付けたワイヤ２４の先のフック２５をフック受け２３１に引っ掛けて、引き出したスクリーン２１を取り付ける。この場合は、スクリーン２１の先端に棒材などを入れてスクリーンが変形しないようにするのが好ましい。

図４に、スクリーンの引出・収納例1を示す。スクリーン巻取装置２２の機構部と連結した輪状のチェーン２８を設け、このチェーン２８を引き出し方向に回転することでスクリーン２１を引き出す。引き出し方向とは逆方向にチェーン２８を回すことで、スクリーン２１を収納する。

図５に、スクリーンの引出・収納例２を示す。図５（ａ）はスクリーンの引出時を、図５（ｂ）はスクリーンの収納時を示す。スクリーン巻取装置２２は、内部に、スクリーンを引き出すことにより蓄勢されるスプリング（渦巻ばね等）を備えている。図５（ａ）に示すスクリーンの引出時には、スクリーン２１を手動で引き出すことにより、スクリーン巻取装置２２の内部のスプリングが蓄勢される。図５（ｂ）に示すスクリーンの収納時には、蓄勢されたスプリングによりスクリーン２１が自然に巻き上げられ、スクリーンが自動収納される。

図６に、スクリーンの引出・収納例３を示す。スクリーン巻取装置２２の機構部に取り外し可能なクランクハンドル２９を接続する。そして、このクランクハンドル２９をスクリーンの引き出し方向に回転することでスクリーン２１を引き出す。引き出し方向とは逆方向にクランクハンドル２９を回すことで、スクリーン２１を収納する。

図７に、配電盤の側面への遮光機構の取付例を示す。図７（ａ）は正面図、図７（ｂ）は側面図である。屋根カバー１４の外側にスクリーン巻取装置２２を収納する収納箱２２６を設置する。そして、この収納箱２２６内にスクリーン巻取装置２２を収納する。スクリーン２１およびスクリーン巻取装置２２は、収納箱２２６に一体化されていてもよいし、或いは、別体でもよい。

図８に、配電盤の側面への遮光機構の他の取付例を示す。図８（ａ）は正面図、図８（ｂ）は側面図である。屋根カバー１４を外側に延長する。そして、この延長した屋根カバー１４の内側にスクリーン巻取装置２２を収納する。

図９に、遮光機構の交換方法を示す。図９（ａ）は配電盤の側面図、図９（ｂ）は配電盤の正面図である。図に示すように、屋根１３の庇内に収納したスクリーン巻取装置２２を取り外す。そして、新しいスクリーン巻取装置２２を取り付ける。扉１１を開けることなく、１面単位でスクリーン巻取装置２２を着脱・交換することができる。

なお、図２や図７，８では、配電盤の前面および背面や、側面に遮光機構を設けた例を示したが、遮光機構をすべての面に設ける必要はなく、配電盤の設置状態に応じて、例えば、夏場に太陽の直射日光が当たる面に設ければよい。

本実施例によれば、スクリーン巻取装置により巻き取り可能な、日光を遮光するスクリーンを設けたので、夏場等の必要な時にスクリーンを引き出して、日除けとし、夏場以外や盤の点検・メンテナンスなどの不要時、または台風などの悪天候時にはスクリーンを収納することができる。そして、太陽の日射による外面からの熱侵入を低減し、配電盤の温度上昇を防ぐことができる。
そして、悪天候時にはスクリーンを収納することができるため、遮光板を固定して取り付けるものに比べて、固定箇所などの腐食を最小限とすることができる。また、スクリーンは布状で軽いため、強度の問題を生じにくい。さらに、スクリーンを交換する場合に、配電盤の扉を開ける必要がないため、安全上の問題が少なく、また、停電をとって作業を行う必要がない。

図１０に、本発明の実施例２の配電盤を示し、図１０はその側面図である。実施例２は、スクリーンの引き出し、収納に可動アームを用いるものである。図１１に本実施例の可動アームを備える遮光機構の正面図を示し、図１１（ａ）はスクリーンの収納時を、図１１（ｂ）はスクリーンの引出時を示す。

図に示すように、スクリーン２１の先端には前枠３２が取り付けられており、固定枠２２４と前枠３２との間には、スクリーン２１の両側に、折り曲げ、引き延ばし可能な可動アーム３１が取り付けられている。可動アーム３１は、２つのアームがジョイントで可動できるように結合されており、折り曲げ、引き延ばしが可能な構造である。

図１１（ａ）に示すスクリーンの収納時には、可動アーム３１を折り曲げ、スクリーン巻取装置２２によりスクリーン３１を巻き取る。図１１（ｂ）に示すスクリーンの引出時には、可動アーム３１を引き延ばしてロックする。そして、スクリーン巻取装置２２からスクリーン２１を引き出して太陽光を遮光する。

本実施例によれば、実施例１の効果に加えて、可動アームを用いることにより、スクリーンの引き出し、収納が容易になる。

図１２に、本発明の実施例３の配電盤を示す。図１２はその側面図である。

盤の正面側およびまたは背面側に、スクリーン巻取装置２２からスクリーン２１を引き出して遮光空間を形成するための骨組み３３を設置する。骨組み３３は、単独の骨組みを配置してもよいが、不使用時には盤に収容し、使用時には盤から引き出すように構成し、スクリーンを被せるようにしてもよい。スクリーン２１を引き出して骨組み３３に被せ、遮光された空間を形成することにより、盤の点検・メンテナンスなどの作業時の日除けや簡易雨除けとして利用することができる。

図１３に、本発明の実施例４の配電盤を示す。本実施例は、遮光機構としてブラインドを備えるものである。図１４に、ブラインドの一例の正面図を示す。ブラインド３０は、スラット（ルーバー）３５と呼ばれる金属やプラスチックなどの細長い帯状の板を、複数枚ほど糸で繋いである。ブラインドの上部には上部金具３６を備え、下部には底面金具３７を備えている。コードにより底面金具３７を上下に移動させることにより、スラット３５を下ろしたり上げたりすることができる。そして、棒や紐でスラット３５の角度を調節することにより、遮光の状態を調整できる。

図１３に、配電盤へのブラインドの取り付けの例を示す。図１３（ａ）はプラインド３０の底部を固定しない取付例であり、屋根１３の庇の内側に固定枠２２４によりブラインド３０を取り付け、ブラインド３０を垂れ下げる。図１３（ｂ）はプラインド３０の底部を固定する取付例であり、図３と同様に、配電盤の底面にフック受け金具２３を設け、また、底面金具３７にワイヤ２４を取り付け、フック受け金具２３に設けたフック受けにワイヤの先に取り付けたフックを引っ掛けることにより、ブラインドを固定する。

本実施例によれば、実施例１の効果に加えて、遮光機構としてブラインドを用いたので、ブラインドの高さを調節したり、スラットの角度を調節することにより、遮光の状態を調整することができる。

なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

１０…箱体
１１…扉
１２…扉取付遮光板
１３…屋根
１４…屋根カバー
１５…中間屋根カバー
１６…換気口
１７…側板
１８…側板取付遮光板
１９…遮光板取付金具またはスタッド
２０…遮光機構
２１…スクリーン
２２…スクリーン巻取装置
２２１…巻取部
２２２…機構部
２２４…固定枠
２２５…盤取付面
２２６…収納箱
２３…フック受け金具
２３１…フック受け
２４…ワイヤ
２５…フック
２８…チェーン
２９…クランクハンドル
３０…ブラインド
３１…可動アーム
３２…前枠
３３…骨組み
３５…スラット（ルーバー）
３６…上面金具
３７…底面金具

Claims (10)

1. 受変電設備を収納する箱体と、前記箱体に設けた扉と、前記箱体の側部に設けた側板と、を備える配電盤であって、
   盤の正面、背面、側面の少なくとも１つの面に、引き出し、収納可能な太陽光を遮光する遮光部材を設置したことを特徴とする配電盤。
2. 請求項１に記載の配電盤において、
   前記遮光部材は、スクリーンであることを特徴とする配電盤。
3. 請求項２に記載の配電盤において、
   前記スクリーンの先端にフックを有するワイヤを有し、配電盤の底部に設けたフック受け金具のフック受けに前記フックを引っ掛けて前記スクリーンを固定するように構成した配電盤。
4. 請求項２に記載の配電盤において、
   前記スクリーンを巻き取るスクリーン巻取装置を備える配電盤。
5. 請求項４に記載の配電盤において、
   前記スクリーン巻取装置を回転する、輪状のチェーン、スクリーンを引き出すことにより蓄勢されるスプリング、またはクランクハンドルを有することを特徴とする配電盤。
6. 請求項４に記載の配電盤において、
   前記屋根の側面に設けた屋根カバーの外側に前記スクリーン巻取装置を取り付けたことを特徴とする配電盤。
7. 請求項４に記載の配電盤において、
   前記屋根の側面に設けた屋根カバーを延長し、前記屋根カバーの内側に前記スクリーン巻取装置を取り付けたことを特徴とする配電盤。
8. 請求項２に記載の配電盤において、
   前記スクリーンを引き出し、収納する、折り曲げ、引き延ばし可能な可動アームを備えることを特徴とする配電盤。
9. 請求項２に記載の配電盤において、更に、
   盤の前面側および／または背面側に、引き出した前記スクリーンを被せることにより遮光空間を形成する骨組みを備えることを特徴とする配電盤。
10. 請求項１に記載の配電盤において、
    前記遮光部材は、ブラインドであることを特徴とする配電盤。

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