JP2023107040A - アルカリ土類金属酸化物の半導体膜、半導体デバイス、及び半導体膜の作製方法 - Google Patents

アルカリ土類金属酸化物の半導体膜、半導体デバイス、及び半導体膜の作製方法 Download PDF

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【課題】アルカリ土類金属酸化物を用いてワイドギャップの半導体膜を実現する。【解決手段】一般式AEOxDyで表されるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜において、AEはマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),およびバリウム(Ba)から選択されるアルカリ土類金属、Oは酸素、Dは水素(H)またはフッ素(F)であり、Dが水素のときの組成比y/(x+y)は0.009以上(y/(x+y)≧0.009)である。このようなアルカリ土類金属酸化物の半導体膜は、4.0eVを超えるバンドギャップを有する。【選択図】図4

Description

本開示は、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜、半導体デバイス、及び半導体膜の作製方法に関する。
近年、ワイドバンドギャップ半導体材料を用いた、高耐圧なパワーエレクトロニクスが注目されている。バンドギャップの大きい半導体は絶縁破壊強度が高く、高電圧での送電や電力制御が可能である。高耐圧なパワー半導体を用いることで、大きな電力を効率よく送電、または利用することができる。
より高耐圧で高電圧動作が可能なデバイスを実現するために、よりバンドギャップの大きい半導体材料が求められる。ワイドバンドギャップ半導体として、ダイヤモンド(5.5eV)と窒化アルミニウム(6.0eV)があるが、特殊な成膜工程を必要とし、成膜が難しい。バンドギャップ(Eg)が4.0eV以上の半導体として、Ga(4.9eV)と、SrSnO(4.1eV)が知られているが、他に有望な材料は見当たらない。
ペロブスカイト型酸化物のBaTiOをCaH粉末で水素化したBaTiO3-x(たとえば、非特許文献1参照)や、LaFeAsOに水素ドープして得られるLaFeAsO1-x(たとえば、非特許文献2参照)が提案されている。
Y. Kobayashi et al., Nat. Mater. 11, 507 (2012) S. Iimura et al., Nat. Commun. 3,943 (2012)
上述のように、ワイドバンドギャップ半導体として有望な材料が少なく、候補材料が限定的である。本発明は、ひとつの側面では、アルカリ土類金属酸化物を用いたワイドバンドギャップ半導体膜と、その作製方法を提供することを目的とする。
実施形態では、本来、絶縁体とされているアルカリ土類金属酸化物に水素またはフッ素を導入することで、半導体化する。水素またはフッ素の「導入」は、アルカリ土類金属酸化物への意図的な水素またはフッ素の導入を意味し、アルカリ土類金属酸化物に本来的に含まれている、あるいは不可避的に混入している微量のHまたはFは考慮しないものとする。
一般式AEOで表されるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜において、AEはマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),およびバリウム(Ba)から選択されるアルカリ土類金属、Oは酸素、Dは水素(H)またはフッ素(F)であり、
Dが水素のときの組成比y/(x+y)は0.009以上(y/(x+y)≧0.009)である。
上記のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜は、4.0eVを超えるバンドギャップを有し、半導体デバイスの活性層として使用可能である。
別の側面では、半導体膜の作製方法は、
基板上にアルカリ土類金属酸化物層を形成し、
前記アルカリ土類金属酸化物層の上にキャップ層を形成し、
前記キャップ層を介して、前記アルカリ土類金属酸化物層に水素またはフッ素を導入して、一般式AEO(AE:アルカリ土類金属、O:酸素、D:水素またはフッ素)で表されるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜を形成し、Dが水素のときに、y/(x+y)≧0.009となるように水素を導入する。
アルカリ土類金属酸化物を用いてワイドバンドギャップ半導体膜と、その作製方法が実現される。
アルカリ土類金属酸化物の結晶構造とドーピングの基本概念を示す図である。 還元極限における、アルカリ土類金属酸化物の酸素空孔形成エネルギーを示す図である。 酸素空孔の電荷遷移準位を示す図である。 還元極限における、各アルカリ土類金属酸化物の酸素位置を置換した水素欠陥とフッ素欠陥の生成エネルギーを示す図である。 各アルカリ土類金属酸化物の酸素位置を置換した水素欠陥とフッ素欠陥における、伝導帯下端からの電荷遷移準位の深さを示す図である。 アルカリ土類金属酸化物の薄膜作製工程を示す図である。 アルカリ土類金属酸化物膜上にキャップ層を形成する工程を示す図である。 アルカリ土類金属酸化物膜への水素導入の一例を示す図である。 水素導入工程における、熱処理の温度変化を示す図である。 作製した試料の水素化前と水素化後の画像である。 水素化処理をした試料の昇温脱離ガス分析結果を、水素化処理をしていない試料の昇温離脱ガス分析結果とともに示す図である。 水素化処理をした試料の二次イオン質量分析結果を示す図である。 既知の標準試料を用いて定量化した試料の水素濃度を示す図である。 アルカリ土類金属酸化物の酸素位置を水素で置換されたモデル図である。 アルカリ土類金属酸化物の格子間水素のモデル図である。 図14のモデルの水素置換欠陥と、図15のモデルの格子間水素の生成エネルギーを示す図である。 実施形態のアルカリ土類金属酸化物の膜を活性層に用いた半導体装置の模式図である。 実施形態のアルカリ土類金属酸化物の膜を電子エミッタに用いた電子銃の模式図である。
実施形態では、アルカリ土類金属酸化物に含まれる酸素(O)の一部を水素(H)またはフッ素(F)で置換することで、アルカリ土類金属酸化物を半導体化する。Oの一部がHまたはFで置換されたアルカリ土類金属酸化物は、ワイドバンドギャップのn型電子伝導性半導体となる。また、通常の酸化物半導体よりも、電子親和力が小さい。したがって、高耐圧半導体デバイスに適用できるほかに、電子放出素子にも適用できる。アルカリ土類金属酸化物はクラーク数の大きな元素で構成された安価な材料であり、単結晶ウエハの入手が容易である。したがって、低コストでの半導体デバイスや電子放出素子の作製が可能になる。
一般的には、第2族元素の第4周期以降の元素がアルカリ土類金属として分類される。本明細書では、第3周期のマグネシウム(Mg)は金属元素のように振る舞うこと、及び、マグネシウムの酸化物である酸化マグネシウム(MgO)は、酸化カルシウム(CaO)と同様にイオン性結晶であることから、MgOをアルカリ土類金属酸化物に含める。実施形態のアルカリ土類金属酸化物は、MgO、CaO、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)を含む。
クラーク数は、地球上の地表付近に存在する元素の割合を質量パーセント濃度で表したものである。ワイドギャップ半導体として知られているGaに含まれるGaのクラーク数は0.001、SrSnOに含まれるSnのクラーク数は0.004である。これに対し、Mgのクラーク数は1.93、Caのクラーク数は3.39、Srのクラーク数は0.02、Baのクラーク数は0.023と大きい。MgO、CaO、SrO、BaOはすべて、市販品として安価に入手可能である。
上記のアルカリ土類金属酸化物のうち、MgOとCaOは、公知のワイドギャップ半導体Gaよりも熱伝導率が高い。パワーエレクトロニクスは発熱量が大きいため、パワー半導体デバイスへの適用に有利である。
MgOのバンドギャップは7.8eV、CaOのバンドギャップは7.1eV、SrOのバンドギャップは5.9eV、BaOのバンドギャップは4.1eVである。このような大きなバンドギャップにより、これらのアルカリ土類金属酸化物は絶縁体として扱われてきた。実施形態では、これらのアルカリ土類金属酸化物の酸素の一部をHまたはFで置換することで、アルカリ土類金属酸化物を半導体化する。
図1は、実施形態の基本概念を示す。図1の(A)はアルカリ土類金属酸化物の結晶構造の模式図であり、図1の(B)はドナーの候補を示す模式図である。アルカリ土類金属酸化物は、互いに半格子ずれた2つの面心立方格子のそれぞれに、アルカリ土類金属イオン(図中で「AE」と表記)と酸素(O)イオンが配置された、空間群Fm3(バー)mの岩塩型結晶構造を有する。中心のアルカリ土類金属(AE)に6個の酸素が配位した配位数6の稜共有構造をもつ。
アルカリ土類金属酸化物は、バンドギャップが大きいにもかかわらず、電子の有効質量mが小さい。第一原理計算から算出されるアルカリ土類金属酸化物の有効質量mは、MgOで0.34m、CaOで0.42m、SrOで0.39m、BaOで0.36mである。mは自由電子の静止質量である。このことは、アルカリ土類金属酸化物が絶縁体とされているにもかかわらず、高い電子移動度をもつことを意味する。アルカリ土類金属酸化物に電子を生成する不純物をドープすることができれば、移動度の高い半導体材料が得られる可能性がある。
酸化物半導体への電子ドープ方法として、酸素空孔Vを導入することが一般的に考えられる。しかし、最近の第一原理計算から、ZnOなど多くの酸化物で酸素空孔Vは深いドナー準位にあることがわかっている。後述するように、アルカリ土類金属酸化物もまた、酸素空孔Vが深いドナー準位にある。この場合、酸素空孔Vから生成される電子は、酸素空孔Vの隙間にトラップされて、伝導キャリアとしては有効に働かない。
発明者らは、深い準位を取る酸素空孔Vを、別の一価の陰イオンで埋めることで、電子をトラップするVの隙間を埋めて、トラップされた電子2個のうちの1個の電子をはじき出して、伝導キャリアとして用いることができるのではないかという技術思想に至った。すなわち、図1の(B)に示すように、酸素(O)の空孔を、比較的イオン半径の近い一価のHまたはFで埋めることで、O2-に置換したHまたはFがドナーとして働くのではないか、という技術的知見に至った。
ここで、配位数6の酸素イオン(O2-)のイオン半径は、0.140nm、配位数6のフッ素イオン(F)のイオン半径は0.133nm、水素イオン(H)のイオン半径は0.154nmである。
図2は、第一原理計算によって得た、還元極限における、アルカリ土類金属酸化物の酸素空孔(V)の生成エネルギーを示す。横軸はフェルミエネルギーE(eV)、縦軸は欠陥生成エネルギーΔH(eV)である。図2の(A)はMgOにおける酸素空孔生成エネルギー、(B)はCaOにおける酸素空孔生成エネルギー、(C)はSrOにおける酸素空孔生成エネルギー、(D)はBaOにおける酸素空孔生成エネルギーを示す。
図2から、Mg、Ca、Sr、Baの空孔VMg、VCa、VSr、VBaが生成されるエネルギーΔHと比較して、酸素空孔Vの欠陥生成エネルギーは低く、酸素空孔は容易に生成されることがわかる。図中で、0、1+、2+等は欠陥電荷の安定な状態を示し、矢印で示される黒丸は、酸素空孔Vの1+価から0価への電荷遷移準位ε(1+/0)、つまり、ドナー準位を示す。
図3は、アルカリ土類酸化物に形成される酸素空孔Vの1+価から0価への電荷遷移準位ε(1+/0)を示す。価電子帯(Valence band)の上端と伝導帯(Conduction band)の下端の間のエネルギー差がバンドギャップである。図3では、各アルカリ土類金属酸化物の価電子帯上端(VBM:Valence Band Maximum)のエネルギーを基準に揃えて、伝導帯の下端位置をVBMからのエネルギー差として相対的に示している。バンドギャップの中に位置する横棒が、酸素空孔Vの1+価から0価への電荷遷移準位のエネルギーとして、ドナー準位を示している。フェルミ準位が電荷遷移準位よりも伝導帯側にあるときは状態0価で安定であり、フェルミ準位が電荷遷移準位よりも価電子帯側にあるときは、状態+1価で安定である。
図2を参照して述べたように、アルカリ土類金属酸化物で酸素空孔Vは生成されやすいが、いずれのアルカリ土類金属酸化物でも、酸素空孔Vのドナー準位が深いことが図3からわかる。ドナー準位が一番浅いBaOでも、酸素空孔Vのドナー準位は0.40eVである。つまり、アルカリ土類金属酸化物で、酸素空孔V自体から生成される電子を伝導キャリアとして利用することは難しい。
図4は、還元極限における、各アルカリ土類金属酸化物の酸素位置を置換した水素欠陥(H)とフッ素欠陥(F)の生成エネルギーを示す。図4の(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、MgO、CaO、SrO、BaOにおける欠陥生成エネルギーΔHである。図中の破線は、酸素位置での水素欠陥(H)の生成エネルギー、点線は、酸素位置でのフッ素欠陥(F)の生成エネルギーである。以下では便宜上、酸素位置での水素欠陥を「水素置換欠陥」と呼び、酸素位置でのフッ素欠陥を「フッ素置換欠陥」と呼ぶ。
図4の(A)~(D)のすべてのアルカリ土類金属酸化物で、還元極限での水素置換欠陥(H)の欠陥生成エネルギーΔHは、酸素空孔Vの欠陥生成エネルギーと同程度に低い。また、MgOとCaOを除くアルカリ土類金属酸化物で、フッ素置換欠陥(F)の欠陥生成エネルギーΔHは、酸素空孔Vの欠陥生成エネルギーと同程度に低い。CaOにおいても、フッ素置換欠陥(F)の欠陥生成エネルギーΔH自体は比較的小さく、酸素空孔位置に置換されやすい。
そこで、実施形態では、アルカリ土類金属酸化物にHまたはFをドープすることで、酸素空孔をHまたはFで埋めて、酸素空孔Vにトラップされた電子2個のうちの1個の電子をはじき出して、電子ドーパントとして用いる。
図5は、各アルカリ土類金属酸化物における、水素置換欠陥Hとフッ素置換欠陥Fの伝導帯下端からの電荷遷移準位ε(1+/0)の深さを示す。水素置換欠陥Hと、フッ素置換欠陥Fの双方において、図3で示した酸素空孔Vと比較して、伝導帯下端からのドナー準位が非常に浅くなることがわかる。特に、SrOでは、水素置換欠陥Hの電荷遷移準位ε(1+/0)は0.008eV、フッ素置換欠陥Fの電荷遷移準位ε(1+/0)は0.07eVと最も浅く、n型半導体化しやすい。このように、アルカリ土類金属酸化物の酸素位置にHまたはFを置換することで、電子が生成し、n型半導体にすることが可能であり、特にSrOとBaOは、HまたはFのドープでn型半導体化しやすいと考えられる。
<試料の作製>
上述した理論を実証するために、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜を有する試料を作製する。図6と図7は、実施例のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜の作製工程の一部を示す。図6と図7において、(A)は平面模式図、(B)は(A)のA-A断面の模式図である。
図6で、基板11上にアルカリ土類金属酸化物層13を形成する。基板11として、LaAlO(図中で「LAO」と表記)等の絶縁基板を用いる。基板11の種類はLAOに限定されず、YAlO、(LaAlO0.3(SrAl0.5TaO.50.7、NdGaO、DyScO、NdScO、GdScO、LaSrAlO、Al、MgO、MgAl、Si等を用いてもよい。
アルカリ土類金属酸化物層13として、厚さ50~100nmのSrOの薄膜を、パルスレーザ堆積(PLD)法、分子線エピタキシー法、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、化学気相成長(CVD)法等により形成する。たとえば、SrOの焼結体をターゲットとして用い、400℃に加熱した基板11上に、金属マスクを用いてPLD法により厚さ70nmのSrO薄膜を成長させる。成膜時の酸素圧力は1×10-3Paである。
アルカリ土類金属酸化物層13の形成に先立って、電気特性測定用の電極12を形成してもよい。たとえば、スパッタ法により、金属マスクを用いて基板11の四隅にPt等の良導体の電極12を室温で成膜する。電極12は、アルカリ土類金属酸化物層13の成膜後に形成してもよい。この場合は、矩形に加工したアルカリ土類金属酸化物層13の四隅に、電子ビーム蒸着法でPt等の電極12を室温で形成してもよい。
図7で、基板温度を室温に戻し、アルカリ土類金属酸化物層13の上にキャップ層15を形成して、積層体10を得る。キャップ層15として、たとえば、厚さ30nm程度のアモルファスの酸化シリコン(SiO)層を室温で堆積させる。成膜時の酸素圧力は1×10-3Paである。
その後、キャップ層15を介して、アルカリ土類金属酸化物層13にHまたはFをドープする。HまたはFのドープは、図7で得られた積層体10を、水素源としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物粉末、またはフッ素源としてポリフッ化ビニリデン等のフッ化物の粉末とともに加熱処理することで実現される。
アルカリ土類金属酸化物が水分に対して不安定であることから、アルカリ土類金属酸化物層13へのHまたはFのドープは、水分子を通さずにH,F,O等の原子を通すキャップ層15を介して行うことが望ましい。アモルファス酸化シリコンは原子のパッキング密度が低く、-O-Si-Oがつくる網目が広いため、H、F、O等の原子を通すが、水分子を通さない。アモルファス窒化シリコン、アモルファス酸窒化シリコンなどの共有結合性アモルファス層も同様の性質を有し、キャップ層15をこれらのアモルファス層で形成してもよい。アモルファス酸化シリコンのキャップ層15は、加熱処理により生成された気体のHまたはFをアルカリ土類金属酸化物層13に供給するとともに、アルカリ土類金属酸化物層13からOを引き抜く。
図8は、アルカリ土類金属酸化物への水素導入の一例を示す。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物の粉末として、水素化カルシウム(CaH:融点816度)を用いる。積層体10を、0.5gのCaH粉末125とともにパイレックス(登録商標)ガラス管123に真空封入し、耐熱性、耐薬品性のある容器121内で加熱する。加熱条件として、500℃で72時間加熱し、その後室温まで自然冷却することで、Hが導入されたSrO薄膜(y/(x+y)≒0.02)が得られる。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物として、CaHに替えて、水素化リチウム(LiH:融点680度)、水素化ストロンチウム(SrH:融点675度)、水素化バリウム(BaH:融点675度)などを用いてもよい。フッ素ドープの場合は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ化物とともに積層体10を加熱してもよい。水素化物又はフッ化物の融点未満の温度で加熱し、その後、室温まで冷却する。昇温速度、降温速度に制限はない。熱処理に要する時間は、温度にもよるが、1時間程度以上であればよい。
図9は、アルカリ土類金属酸化物への水素導入工程における、熱処理の温度変化を示す。一例として、室温から500℃に2.5時間で昇温し、500℃を保って72時間加熱する。その後、室温まで冷却する。この加熱処理により、CaH粉末はHを放出してCaOに変化し、還元剤として働く。放出された水素イオンは、上述したようにアモルファス酸化シリコンのキャップ層15を透過して、SrOの酸素空孔に入り込む。
上記の水素化方法に替えて、水素プラズマ処理、水素ラジカル処理、水素イオンビーム照射等によって、SrOにHを導入してもよい。Fを導入する場合は、フッ素系のプラズマ処理、ラジカル処理、イオンビーム照射を行ってもよい。
図10は、作製した試料の画像を示す。図10の(A)は水素化前の積層体10の画像、(B)は水素化後の試料30の画像である。水素化前の積層体10では、電極12とSrOのアルカリ土類金属酸化物層13が、透明なキャップ層15で覆われている。これをCaH粉末で水素化することによって、図10の(B)に示すように、キャップ層15の下に、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜23が得られる。水素化の過程で、アモルファス酸化シリコンのキャップ層15は、SrOから酸素を引き抜く。作製した試料30を用いて、半導体膜23の物理特性と電気特性を評価する。
<実測に基づく特性の評価>
まず、図10の(A)の水素化前の積層体10のアルカリ土類金属酸化物層13と、(B)の水素化後の試料30の半導体膜23の電気抵抗を測定する。水素化前のアルカリ土類金属酸化物層13の電気抵抗率は、2×10Ωcm(2端子抵抗で4GΩ程度)である。水素化後の半導体膜23の電気抵抗率は、1.85×10-2Ωcmであり、電気抵抗率が非常に小さくなっている。この電気抵抗率の変化は、酸素空孔にHを置換したことによる電子ドープの効果による。試料30中にどのくらいの水素が導入されたかを分析する。
図11は、図10の(B)の実施例の水素化後の試料30の昇温脱離ガス分析結果(A)を、図10の(A)の水素化前の積層体10の昇温離脱ガス分析結果(B)とともに示す。横軸は温度、縦軸は、試料から脱離してくるガスに対して四重極質量分析計で測定されるイオン電流である。実施例の水素化方法は、上述したように、水素化物の粉末の加熱、水素プラズマ、水素ラジカル、水素イオンビーム等の照射により、キャップ層15を介してアルカリ土類金属酸化物の薄膜に水素をドープする方法である。
図11の(A)に示すように、実施例の水素化方法で得られた試料30では、400℃の近傍で試料30から脱離した水素(M/z=2)と、質量1の水素が観察され、試料30中に水素が導入されていたことがわかる。図中のM/z=18は水分子であり、試料30に水分はほとんど含まれていない。これに対し、図11の(B)では、昇温しても水素は検出されず、水素化前の積層体10には、水素はほとんど導入されていないことがわかる。
図12は、試料30の二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)の結果を示す。横軸はSrO膜表面からの深さ、縦軸は各イオンの検出強度(カウント)である。LAOの基板11では、アルミニウム(Al)、酸素(O)、ランタン(La)が主要成分として検出され、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜23では、SrとOが検出される。水素濃度が既知の標準試料を用いて、試料30の水素濃度を定量化する。
図13は、試料30の定量化された水素分布を示す。図13から、SrO膜中のH濃度は0.0207wt%である。試料30のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23を「SrO」と表すと、Hの組成y/(x+y)は0.0207と見積もられる。Hが一つキャリアを放出すると考えると、キャリア濃度は1.50×1020cm-3と見積もられる。水素化前の積層体10のSrO膜中のH濃度は、0.0002wt%であるから、実施例の水素化方法でアルカリ土類金属酸化物に水素イオンが導入されていることが確認される。
次に、ホール効果測定により、試料30のキャリア濃度neとキャリア移動度μeを求める。キャリア移動度μは
μ=Rσ (1)
で求められる。ここで、Rはホール係数、σは電気伝導率であり電気抵抗率ρの逆数である。上述のように、水素化後の試料30の半導体膜23の電気抵抗率ρは、1.85×10-2Ωcmである。ホール効果測定で得られるホール係数Rは、
=VD/IB (2)
で求められる。ここで、Vはホール効果測定で測定されたホール電圧、DはSrO膜の厚さ(70nm)、IはSrO膜を流れる電流、Bは電流と垂直な方向に印加された磁束密度である。(2)式で計算されるホール係数Rの値は-3.36×10-1[cm/C]である。
このホール係数Rと電気伝導率σを用いて、(1)式から算出されるキャリア移動度μeは18.2[cm/(Vs)]である。電気抵抗率ρはまた、(移動度μe×キャリア濃度ne×電気素量e)の逆数で表される(ρ=1/[μe×ne×e])から、キャリア濃度neは1.86×1019cm-3である。これは、上記でHの組成から大まかに見積もったキャリア濃度1.50×1020cm-3と整合的である。
試料30のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23の電気特性をまとめると、以下のようになる。
電気抵抗率ρ: 1.85×10-2[Ωcm]
キャリア極性: n型
ホール係数R: -3.36×10-1[cm/C]
キャリア濃度ne: 1.86×1019[cm-3
キャリア移動度μe: 18.2[cm/(Vs)]
このように、アルカリ土類金属酸化物に水素をドープすることで、半導体化されることが確認された。
<理論計算による水素置換量>
図14と図15のモデルを用いて、理論計算により水素の置換量を求める。図14は、水素置換されたアルカリ土類金属酸化物のモデル図である。図15は、結晶の対称性を外して構造最適化した格子間水素のモデル図である。図14の(A)は、第一原理計算により欠陥形成エネルギーを求めるモデルとして、3×3×3(216原子)のスーパーセル構造を示す。図14の(B)は、構造緩和後の最安定構造を示す。
アルカリ土類金属酸化物は、上述したように、互いに半格子ずれた2つの面心立方格子のそれぞれに、SrとOが配置されている。ここで、スーパーセルの1つのOがHに置換されるとすると、分解エネルギーは、下記の反応式
Figure 2023107040000002
で表される。GGA-PBE汎関数により構造緩和させたのちに、PBE0汎関数を用いて全エネルギーを計算すると、上記の反応式の分解エネルギーΔHは、いずれも正(ΔH>0eV)である。
Sr108107Hの分解エネルギーΔHが正であるので、SrOのH置換量x/(x+y)は、少なくとも1/108(y/(x+y)=0.009)で安定である。図14の(B)の最安定構造に示されるように、Hは酸素空孔位置に置換しやすい。Hに替えてFで置換する場合も同様である。したがって、酸素空孔がHまたはFで置換されたSrOまたは(SrO)熱力学的に安定である。
比較構成として、図15でSrOの格子間にHを置換する場合、4配位のSrと4配位のOの内部中心(格子間)にHを置くことで安定構造となる。多くの酸化物では、O2-とHの結合(-OH)を作って安定化する。一方、アルカリ土類金属酸化物のO位置は6配位であり、-OHは生成されず、OがHに置換される可能性の方が高い。
図16は、図14のモデルの水素置換欠陥Hと、図15のモデルの格子間水素Hの生成エネルギーを示す図である。横軸はフェルミエネルギーE、縦軸は欠陥生成エネルギーΔH[eV]である。広いエネルギー範囲で、格子間水素Hよりも酸素空孔に置換した水素置換欠陥Hの方が安定であることがわかる。
第一原理計算に基づくAEOの水素置換量y/(x+y)=0.009を用い、キャリア活性化率100%でHが電子をドープすると考えると、計算で求められるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23のキャリア濃度は、
MgOのキャリア濃度ne=6.67×1018cm-3
CaOのキャリア濃度ne=4.58×1018cm-3
SrOのキャリア濃度ne=3.66×1018cm-3
BaOのキャリア濃度ne=2.95×1018cm-3
となる。H置換に替えてF置換する場合も、同様に第一原理計算で、アルカリ土類金属酸化物の半導体化が確認される。
試料30を用いた実験で確認したSrOの水素置換量y/(x+y)は0.0207であるから、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜23の水素置換量y/(x+y)は0.009以上に制御できることがわかる。実験で確認したSrOのキャリア濃度neは1.86×1019cm-3であるから、第一原理計算で求めたSrOのキャリア濃度を参照すると、SrOのキャリア濃度neは、1.0×1018cm-3以上、2.0×1019cm-3の範囲に制御可能である。逆に、アルカリ土類金属酸化物を水素化する際の水素の導入量を抑制することで、キャリア濃度を1.0×1017cm-3程度に制御することも可能である。
実験で得られたキャリア濃度1.86×1019cm-3のときの電気抵抗率ρは1.85×10-2Ωcmである。同じキャリア移動度μeの値を用いると、理論計算で得られたキャリア濃度(ne=3.66×1018cm-3)のときの半導体膜23の電気抵抗率は約9.25×10-2Ωcmになる。ここから、SrOの電気抵抗率は、1.50×10-2Ωcm以上、1.00×10-1Ωcm以下、より好ましくは、1.80×10-2Ωcm以上、9.50×10-2Ωcm以下である。
<適用例>
図17と図18は、アルカリ土類金属酸化物の半導体膜23の適用例を示す。図17では、半導体膜23を半導体デバイス20の活性層に適用する。図17の(A)は、半導体デバイス20の一例としてのショットキーバリアダイオードの模式図(A)、図17の(B)はショットキーバリアダイオードの動作のイメージ図である。
基板11上に形成されたアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23の少なくとも一部に接して、金属膜24が設けられる。アルカリ土類金属酸化物への水素導入時に用いたキャップ層15をそのまま利用する場合は、キャップ層15の必要な領域をエッチング除去して半導体膜23を露出し、半導体膜23上に金属膜24を形成してもよい。金属膜24と、n伝導半導体膜23の接触界面25に、ショットキーバリアが形成される。半導体膜23は、ビアプラグ33を介して電極31に接続され、金属膜24は電極32に接続されている。電極31と32の間に正と負のバイアス電圧を印加することで、半導体デバイス20はダイオードとして動作する。
図17(B)のショットキーバリアダイオードは、金属とn型半導体との接合によって生じるショットキーバリアを利用して、順方向バイアスが小さく、高速動作が可能である。実施形態のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23を用いたショットキーバリアダイオードは、ワイドバンドギャップであるが、順方向バイアス(V+)印加時には速やかに順方向電流(I+)が流れるが、逆バイアス(V-)印加時には、金属と半導体界面25に形成されるショットキーバリアによって、逆方向電流(I-)は流れない。アルカリ土類酸化物は仕事関数が小さいため、金属と半導体の仕事関数差であるショットキーバリアqΦが大きいので、高耐圧で高温環境でも動作可能である。
図18は、電子銃40の模式図である。実施形態のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23は、電子線EBを放出するエミッタ42に適用される。エミッタ42は電子を放出する陰極として機能する。電子銃40は、半導体膜23を、活性層であるエミッタ42として用いる点で、半導体デバイスの一例である。エミッタ42は、電極44aと44bを介してフラッシュ電源43に接続されている。引き出し電極46は引き出し電源45に接続され、加速電極48は加速電源47に接続されている。
引き出し電極46に電圧が印加されると、エミッタ42からトンネル効果により電子が放出される。引き出し電圧によって引き出された電子は、加速電極48に印加される加速電圧によって加速され、所定のエネルギーの電子線EBとして出力される。一般的に、電子銃のエミッタとしてタングステン(W)や六ホウ化ランタン(LaB)が用いられている。Wの仕事関数は4.5eV、LaBの仕事関数は2.6eVである。Wのような金属の場合、仕事関数と電子親和力は一致する。
これに対し、実施形態のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜23の電子親和力は、MgOで0.80eV、CaOで0.70eV、SrOで0.62eV、BaOで0.55eVと小さく、電子を放出しやすい。なお、公知のワイドギャップ半導体であるβ-Gaの電子親和力は、4.0eVである。
以上をまとめると、アルカリ土類金属酸化物に水素を置換することで、ワイドギャップで電子親和力の小さい酸化物半導体が実現される。ワイドギャップ半導体は、より高耐圧で動作するダイオードやトランジスタにも適用可能である。一方、実施形態のアルカリ土類金属酸化物の半導体膜は電子親和力が非常に小さいことから、電子放出の効率が高い高輝度の電子銃への適用が可能である。このような電子銃は、高分解能の電子顕微鏡等で用いられる。安価なアルカリ土類金属酸化物を水素置換、またはフッ素置換することで、ワイドギャップ、かつ電子親和力の小さいn型半導体を得ることができ、電子デバイスの材料として非常に有用である。
10 積層体
11 基板
12 電極
13 アルカリ土類金属酸化物層
15 キャップ層
20 半導体デバイス
23 半導体膜
24 金属膜
25 接触界面
30 試料
40 電子銃

Claims (9)

  1. 一般式AEOで表されるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜であって、
    AEはマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),およびバリウム(Ba)から選択されるアルカリ土類金属、Oは酸素、Dは水素(H)またはフッ素(F)であり、
    Dが水素のときの組成比y/(x+y)は0.009以上(y/(x+y)≧0.009)である、
    半導体膜。
  2. 前記AEがSrのときに、SrOの電気抵抗率は1.50×10-2Ωcm以上、1.00×10-1Ωcm以下である、
    請求項1に記載の半導体膜。
  3. 前記AEがSrのときに、SrOのキャリア濃度は、1.0×1017cm-3以上、2.0×1019cm-3以下である、
    請求項1または2に記載の半導体膜。
  4. 前記半導体膜のバンドギャップは4.0eVよりも大きい、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体膜。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体膜を用いた半導体デバイス。
  6. 前記半導体膜の上にアモルファスの酸化シリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコンのキャップ層を有する、
    請求項5に記載の半導体デバイス。
  7. 基板上にアルカリ土類金属酸化物層を形成し、
    前記アルカリ土類金属酸化物層の上にキャップ層を形成し、
    前記キャップ層を介して、前記アルカリ土類金属酸化物層に水素またはフッ素を導入して、一般式AEO(AE:アルカリ土類金属、O:酸素、D:水素またはフッ素)で表されるアルカリ土類金属酸化物の半導体膜を形成し、Dが水素のときに、y/(x+y)≧0.009となるように水素を導入する、
    半導体膜の作製方法。
  8. 前記キャップ層を、アモルファスの酸化シリコン、窒化シリコン、または酸窒化シリコンで形成する、
    請求項7に記載の半導体膜の作製方法。
  9. アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物の粉末の加熱処理、あるいは、水素プラズマ、水素ラジカル、または水素イオンビームの照射により、前記キャップ層を介して前記水素を前記アルカリ土類金属酸化物層に導入する、
    請求項7または8に記載の半導体膜の作製方法。
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