JP2023106292A - 洋上風力発電機の浮体 - Google Patents

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Abstract

【課題】水深が50m~150mの海域に設置する際の安定した係留が可能な、作業の手間および建設費用の低減可能な、浮体式洋上風力発電機を提供する。【解決手段】海水面上に台座を中心として複数のアーム、台座および主フロートを設置し、台座下部から海水面に向かって支柱を設置し、水平方向に回転可能な回転リングを取り付ける。支柱を中心として海水面上に同心円状に複数の補助フロート設置し、また柱を中心として海水面上に同心円状にアンカーを設置する。回転リング外面と補助フロートを補助ロープで繋ぎ、自重を有する係留ロープまたは係留チェーンで繋ぎ、風力発電機設定時に、補助ロープを同時に同程度の力で引っ張って回転リングに結び付けることで、風車体を海水面の一定の位置に安定して係留することが可能となる。また主フロートは海面上で回転可能に保持されていることから、風車体は自然の風力による回頭が可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、海岸線から比較的近い距離で、50mから150m程度の水深の海上に係留・設置し、電力を発電するために適した洋上風力発電機の浮体に関するものである。
近年の再生可能エネルギー利用増加の機運に伴い、これから日本では洋上風力発電機の建設が急速に増加することが予想される。洋上は地上に対し風を遮る障害物が少なく、風向き、風速が地上と比べて定常であることから、安定した電力を得られることが期待できる。現在実用化されている洋上風力発電設備は、基本的に風力発電機自体の構造は陸上で実用化されているものと同じであり、地上の風力発電機を土地の利用と比較して設置する上での制約が少ない洋上へと移設したものである。
また四方を海に囲まれた日本では、洋上風力発電機を設置可能な沿岸が多いと考えられる反面、海岸線からの距離と比較して水深が深い海域が多い。そのため、今後洋上風力発電機の技術開発の主体は、今までに普及している着床式(海底にタワーの基部を固定し、海面上に突き出たタワーの頂部に風力発電機を設置する方式)ではなく、浮体式(タワーを含む風力発電機全体を海上に浮かべ、海底に投錨したアンカーに取付けた複数のロープまたはチェーンにより風力発電機を係留・保持する方式)に移行しつつあるのが現状である。
現在実用化されている浮体式洋上風力発電設備には、非特許文献1で述べられている通り、スパー型、TLP型、セミサブ型、バージ型があり、それぞれ長所、短所があること言われている。それらの型式は、バージ型を除いて浮体に対する係留索の取付け位置が一般に水中のものが多いことから設置に手間が掛かる点が、建設コスト低減を妨げる要因のひとつになると考えられる。
更に風力発電機本体については、建設に伴う初期投資費用に対する効果(=発電出力)の比率を上げるため、設備1台当たりの大出力化が志向されており、それに伴いナセルの質量も増加傾向にある。その様な大出力の風力発電機では、長大なブレードを取り付けた質量の大きなナセルをタワー上で風向きに合わせて回転させるヨー制御や、風に対するブレードの迎え角を変化させるピッチ制御には強力なアクチュエータや信頼性の高いギア装置が必要であり、この様なアクチュエータやギアは一般に付加価値が高いことから、この点も建設コストの増加を招くと推定される。(非特許文献2、68頁参照)
また特許文献2ではコンパクトセミサブ型の浮体により、波浪よる風力発電機揺動の低減を図った上で、浮体下側の水中に回転可能な係留ポイントを取付けることにより、浮体構造を簡略化し、建設コストの低減を図る提案が示されている。この構成によれば風車体の受風面が風に向かおうとする効果(風向追従性)が得られ、洋上風力発電機の効率的な運用が可能となり、同時に運用経費低減が可能と考えられる。
一方特許文献2の中で述べられている、回転機構を備えた係留ポイントが海中であることから、建設時の係留ロープまたはチェーン取付けや、運転開始後の定期的な係留ポイントの点検、メンテナンス等を海中で行う必要がるため、特殊技術者(潜水夫)による作業が必要になると思われる。
また特許文献2では、風車体の風向追従性を得るために三角形フレームの頂点の位置に浮体を設置し、その中の一つの浮体の下部に係留ポイントを設置し、この係留ポイントと海底面に設置した複数のアンカーをロープ、またはチェーンで繋ぐことにより、風力発電機を洋上の一定位置に保持する構成である。この構成は洋上風力発電機が浮かんでいる海面付近の潮流の流速が速く、かつ潮流の向きが風向きと相反する場合には、浮体が潮流の影響を受けて流されるため、風車体の向きに影響が生じる可能性があると推定される。
特願2010-248511「風力発電施設の回動揺動制御装置及び浮体式洋上風力発電施設」 特開2019-67041「浮体基礎および浮体式発電装置」
「風力発電に関する現状と展望について」令和2年11月 資源エネルギー庁 「トコトンやさしい風力発電の本」B&Tブックス 日刊工業新聞社
本発明が解決しようとする1つ目の課題は、洋上風力発電機を水深50m~150mの海域に設置する際、設置時の係留ロープの取付け作業や係留ロープの張力調整作業を出来るだけ海面上で行うことにより、作業の手間および建設費用の低減可能な、洋上風力発電機の浮体を提案することである。
本発明が解決しようとする2つ目の課題は、洋上風力発電機において今後1基当たりの出力増加に伴い風車体やナセルの大型化、その結果風力発電機全体の質量増加が予想されるため、風車体の受風面を風に向ける回頭制御(又はヨー制御)が技術的に難しくなると考えられる。この課題に対し、風力発電機とタワーを含む風車体全体を海面上で安定した状態で係留し、水平方向に回転可能とすることにより、風力発電機の受風面を風に向かわせる回頭制御を容易にできる、洋上風力発電機の浮体を提案することである。
本発明が解決しようとする3つめの課題は、設置海域での潮位の変化や波浪が洋上風力発電機に与える影響が少なく、かつ風向き追従性を利用して風翼発電機の回頭制御を行う際の、潮流の影響を低減可能な、洋上風力発電機の浮体を提案することである。
本発明が解決しようとする4つめの課題は、1つの浮体に対する風力発電機の電気出力アップのための一手段として、風力発電機を複数同時に搭載可能な洋上風力発電機の浮体を提案することである。
本発明が解決しようとする1つ目の課題に対し、課題解決のため、本発明による洋上風力発電機の浮体は、以下の通り構成される。
本発明による洋上風力発電機の浮体が搭載する主な風力発電機は、水平方向の回転軸に対して直角方向に複数のブレードを設置することにより風車体が構成された、一般に受風面が垂直の水平軸多翌式と呼ばれている風力発電機である。この型式の風力発電機は、受風面が風に向かいブレードに風が当たって発生する風車体の回転力を、発電機の駆動軸に伝えて電気を発生させる。
この型式の風車体を海面上に保持するための浮体は、風力発電機を搭載する台座中央部から海面に沿って放射状に複数のアームを伸ばした形態とし、アームの先端部に対し、前記台座を中心とした同心円状の位置に浮力を有する主フロートを取付けることにより、台座とアームは海水面上の海水面から離れた位置に浮かんだ構成とする。以上の構成の浮体に対し浮体の台座上に風力発電機を搭載することで、風力発電機は海面上に浮かび保持された状態となり、同時に台座の下面と海水面との間には、スペースが確保される。
次に、台座中央部下側から海水面に向かって下向きに支柱を取り付け、当該支柱に嵌合し水平方向に回転可能な回転リングを、海水面と台座下面との間に取付け、この回転リングの外面に複数の補助ロープを取り付ける。各補助ロープのもう一方の端部に、支柱を中心として海面上に同心円状に浮かべた補助フロートを繋ぐ。更に各補助フロートに対して自重を有するロープまたはチェーンにより構成された係留索をつなぎ、前記係留索のもう一方の端部を、前記台座を中心として海底面に同心円状に設置されたアンカーと繋いだ構成とする。各補助フロートは、補助ロープや係留索の自重に対して海面上に浮くために十分な浮力を有するものとする。
以上述べた構成により、補助フロートは海面上に浮かび、補助ロープは海面上、係留索とアンカーは、海中に没した位置に設置される。
以上の通り回転リング外面のフックと補助ロープ、補助フロートは海水面上にあるため、海面上での浮体を所定の位置に設定する作業や、風力発電機運転開始後のフック、補助ロープ等の締結部の点検を海水面上で行うことが可能であり、1つ目の課題を解決出来る。
本発明が解決しようとする2つ目の課題に対し、課題解決のため、本発明による洋上風力発電機の浮体は、以下の通り構成される。
2つ目の課題である今後予想される風力発電機1基当たりの大容量化に対しては、(0015)項に記載の台座に取付けた複数のアーム長さを長くしてかつ十分な強度を確保し、合わせてアーム先端部に取付ける主フロートを大型化して、台座上の風力発電機の質量に対して十分な浮力を具備することにより実現可能となる。
同時に(0016)項に記載した通り、前記回転リングは前記支柱に対して回転可能な状態で取り付けられていることから、台座上に設置した風力発電機は、海水面上で水平方向に360度回転可能な状態で一定の位置に保持されるので、海水面上での回頭が可能である。
なお本発明が対象としている受風面が垂直の風力発電機の風車体は、受風面に吹きつける風が一定の風速以上の場合には、受風面に向かって垂直の中心軸に対して右側に受ける風の抵抗力と、左側に受ける風の抵抗力がバランスしようとするため、風が吹いてくる方向に受風面が向かおうとする性質(風向き追従性)を有する、と考えられる。 従って(0015)項~(0018)項で述べた形態の洋上風力発電機の浮体は、台座上に風力発電機を乗せて海水面上に浮いた状態で、自然の風による回頭が可能になると考えられる。
本発明が解決しようとする3つ目の課題に対し、課題解決のため、本発明による洋上風力発電機の浮体は、以下の通り構成される。
本発明の洋上風力発電機の台座は、前記の通り水平方向に回転可能な状態で海水面上に浮かんで保持されており、主フロートは台座の中央部を中心として水平方向に同心円状に配置した構成とする。
この構成により、海水面近くの潮流によって主フロートに流体力が作用する場合でも、その流体力は台座下側に設置した支柱を中心として左右同等になるので、潮流の流速が速く、かつ潮流の方向と風向きが異なる場合でも、回頭時の潮流による影響を低減可能と考えられる。
本発明が解決しようとする4つ目の課題に対し、課題解決のため、本発明による洋上風力発電機の浮体は、以下の通り構成される。
本発明が解決しようとする今後の洋上風力発電機出力アップのための一手段として、台座上への複数の風力発電機の搭載については、(0016)項に記載の台座に取付けた複数のアーム長さを長くしてかつ十分な強度を確保し、合わせてアーム先端部に取付ける主フロートを大型化して台座上の複数の風力発電機の質量に対して十分な浮力を具備することにより実現可能となる。
本発明による洋上風力発電機の浮体は、風車体を係留するために回転リングに取付ける補助ロープの取り付け位置や、補助フロートへの係留索の取付け位置が、いずれも海面上、若しくは海面近くであることから、建設時における浮体設定の際の作業の手間が少なく容易であり、かつ風力発電機運用中のメンテナンス作業についても手間が掛からないため、建設費用、メンテナンス費用の低減効果が期待できる。
本発明による洋上風力発電機の浮体は、風車体および発電に必要な発電機、軸受け等の付属装置、およびサポート、支柱、等全ての構成要素を台座上に搭載して水面上に浮かんだ状態で、複数の係留索により同時に作用する引っ張り力により海面上の一定の位置に保持され、同時に支柱に取付けた回転リングにより海面上で水平方向に360度回転可能である。
これより、台座上に設置した風力発電機は海面上の一定の位置に係留され、同時に風車体の受風面は風に向かう性質(風向き追従性)があることから、自然の風力により回頭し、発電効率が向上する効果が期待できる。これにより、従来の風力発電機で一般に行われていたタワー上端部でのヨーギア、ヨーアクチュエータを用いた回頭制御を代替えすることが可能となる。
合わせて本発明による洋上風力発電機の浮体は、台座上に搭載される風力発電機が大型化し風力発電機の質量が大きくなった場合にも、対策として台座のアーム長さを長くして、合わせてアーム先端部に取付ける主フロートを大型化し浮力をアップさせることにより、対応可能である。また、風力発電機の受風面が受ける風力が大きくなった場合に、台座のアーム長さを更に長くすることにより、海水面上での姿勢を安定化させる効果が期待できる。
更に洋上風力発電機の設置場所が、波浪が高い海域であっても、前記と同様に台座のアーム長さを長くすれば、海水面上で浮かんだ状態で姿勢を安定化させる効果が期待できる。
更に本発明による洋上風力発電機の浮体は、洋上風力発電機の設置場所が、潮流の速い海域であっても、主フロートを台座下面に設置した主軸を中心として、同心円状に配置することにより、潮流によって主フロートに生じる左右の流体力が同等となるので、潮流の方向と風向きが異なる場合でも、受風面の風向き追従性に与える影響を低減する効果が期待できる。
また本発明による洋上風力発電機の浮体は、台座上に複数の風力発電機を同時に搭載する場合に、対策として台座のアーム長さを長くし、合わせてアーム先端部に取付ける主フロートを大型化し浮力をアップさせることにより、対応可能である。この方法により1つの浮体に対する電気出力が向上し、建設費用に対する発電出力のアップ(=費用対効果のアップ)が期待できる。


図1は本発明の実施例1の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図2は本発明の実施例1の浮体の支柱および回転リング周辺の断面図である。 図3は本発明の実施例1の浮体および洋上風力発電機の海面上における動きを表す説明図である。 図4は本発明の実施例1の浮体および洋上風力発電機の設置手順を示す説明図である。 図5は本発明の実施例2の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図6は本発明の実施例2の補助フロートに作用する力を表す説明図である。 図7は本発明の実施例3の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図8は本発明の実施例4の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図9は本発明の実施例4の支柱に取付けた自在継手の断面図である。 図10は本発明の実施例4の支柱に取付けた自在継手の動きを示す説明図である。 図11は本発明の実施例5の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図12は本発明の実施例5の支柱に取付けたブレーキ装置を示す鳥瞰図である。 図13は本発明の実施例6の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図14は本発明の実施例6の回頭を示す説明図である。 図15は本発明の実施例7の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図16は本発明の実施例8の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図17は本発明の実施例8の構造を示す説明図である。 図18は本発明の実施例9の浮体および洋上風力発電機を示す鳥瞰図である。 図19は本発明の実施例10による浮体に取付けたスクリューの運転・制御を行うための、計測装置、制御対象と信号の流れを示す構成図である。 図20は本発明の実施例10による制御盤内の運転制御のブロック図である。 図21は本発明の実施例10による運転制御ロジックのフロー図である。
本発明に係る洋上風力発電機の浮体は、水深が50m~150mの海域において風力発電機建設の際の係留索設定作業の手間を軽減するとともに、同海域において風力発電機を一定の位置に安定して係留することが可能となる。合わせて、従来の風力発電機で必要であった回頭制御(又はヨー制御)を行うためのヨー制御アクチュエータを他の装置で代替えすることにより、コスト低減を図ることが可能となる。
また今後予想される風力発電機の大出力化に対しても、こうした機能を反映可能であり、更に洋上風力発電機の設置場所が、潮流が速い海域であり、かつ風向きと潮流の向きが相反する場合でも、回頭に対する潮流の影響を低減可能である。
以下にその内容を説明する。
図1に実施例1の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
本発明の実施例1による洋上風力発電機の浮体は、台座1の中心部から海水面に沿って同じ長さの複数のアーム2を放射状に伸ばした形態であり、アーム2の先端に台座1の中心から同心円状に、浮力を有する主フロート3を取り付けて、海水面上に浮かんでいる。この浮体への風力発電機の設置例としては図1に示す通り、台座1およびアーム2の上に複数のサポート4を取り付け、風力発電機の回転軸5はサポート4の先端部に取り付けられた軸受け6により水平方向に保持されている。風を受けるための複数のブレード7は、ハブ8を介して回転軸5に対し直角方向に放射状に取り付けられており、ブレード7に風が当たることにより発生する回転力を、ナセル9内に取付けた発電機10の駆動軸に伝えて電気を発生させる。以上の組合せによって風車体11を形成する。
以上の構成により、風力発電機の風車体11は主フロート3によって海面上に浮かんでおり、かつ台座1と海水面との間にはスペースが確保される。
次に台座1の中心部に対し下向きに支柱12を取付け、支柱12に対して支柱12と嵌合し水平方向に回転可能な回転リング13を台座下面と海水面との間に取り付け、回転リング13の外面に複数のフック14を取付ける。
更に支柱12を中心として海水面上に同心円状に、複数の補助フロート15浮かべ、補助フロート15の外面に複数の締結穴16を設置する。合わせて支柱12を中心として海底面に同心円状に複数のアンカー17を敷設する。その上でフック14と、締結穴16を補助ロープ18で繋ぎ、同時に締結穴16とアンカー17を、自重を有するロープまたはチェーン等で構成された係留索19で繋いだ構成とする。なお、補助フロート15は補助ロープ18や係留索19を繋いだ状態でも、海水面に浮かぶ十分な浮力を有するものとする。
以上述べた構成により、回転リング13の外面のフック14は補助フロート15を介して海底面に敷設したアンカー17と繋がった形態となり、同時に係留索19の自重が補助ロープ18を伝わって、フック14は外側にほぼ水平方向に引っ張られた状態となる。フック14からアンカー17の組合せを複数設置することにより、回転リングは複数の補助ロープ18により同等の力で同時に水平方向に引っ張られた状態となる。この構成により、支柱12は複数の補助フロートに囲まれた位置に係留される。
図2は図1のA-A断面図であり、実施例1にて支柱12と回転リング13およびその周辺の断面を表している。支柱12と回転リング13との嵌合部の断面は円柱形状とし、回転リング13は支柱12に対して水平方向に回転可能な状態で取り付けられている。
以上の構成による洋上風力発電機を海水面上の所定の設置する際には、係留索19の一端を締結した状態のアンカー17を海底面に円周上に敷設し、補助ロープ18を繋いだ補助フロート15に係留索19のもう一端を繋いだ上で、補助ロープ18を同時に同等の張力で引き寄せて、回転リング13外面のフック14に締結する。この設定作業により、回転リング13は複数の係留索体20の中央付近にて、複数の補助ロープ18によって同等の外側に向かう力で水平方向に引っ張られた状態となり、その結果台座1は海面上で一定の位置に留まると考えられる。
更に回転リング13は支柱12に対して回転可能な状態で取り付けられていることから、台座1上に設置した風力発電機11の受風面は海面上で水平方向に360度回転可能な状態で一定の位置に保持される。
次に図3により、実施例1による浮体式洋上風力発電機の海面上での挙動を説明する。(0032)項で説明した通り、実施例1の構成では台座1は海面上にて回転可能に保持されているので、主フロート3が水平方向にゆっくりと回転する際の水による抵抗力は小さく、かつ主フロート3の配置が支柱12を中心として同心円形状であれば、潮流による回転動作への影響も少ないと考えられる。従って、図3(1)、(2)に表す通り、自然の風力による受風面の回頭を実現可能であると考えられる。これは従来の風力発電機の様に、タワーの頂上に設置したナセルをギアで回転させるヨー制御では実現できなかった効果である。(0023項参照。)
また図2に示した通り、複数の補助ロープ18による回転リング13の外面に加わる力はほぼ水平方向の引っ張り力であり、上下方向に作用する力は小さいため、回転リング13を取付けた支柱12の傾きを抑制する力は小さい。従って、台座1の水平方向の回転に伴う支柱12が回転する際の、回転リングとの摺動面の摩擦抵抗は小さく、図3(3)の様に支柱12が前後・左右の傾いた状態で回転する場合でも、回転はスムーズとなる。
同時に台座1に設置した複数のアーム2の長さを長くすることにより、海面上での姿勢復元効果が大きくなるので、悪天候時も安定した係留状態を維持する効果が期待できる。
また本発明の実施例1洋上風力発電機の浮体は、洋上風力発電機の設置場所が、潮流の速い海域であっても、主フロート3を支柱12中心として水平方向に同心円状に配置した構成とすることにより、支柱12に作用する力が左右均等となるため、潮流の流速が速く、潮流の方向と風向きが異なる場合でも、潮流による風車体受風面の風向き追従性に与える影響を低減することが可能である。
次に図4により、本発明1による洋上風力発電機の浮体を洋上に設置する際の手順を説明する。
図4(1)では、港に隣接する風力発電設備生産拠点にて台座1およびアーム2に対し主フロート3、支柱12、回転リング13等を組立て、台座1上の風力発電機も可能な限り組み立てた状態を表している。
同時に補助フロート15に係留索19とアンカー17を繋いだ状態のものを必要数組み合わせておき、その形態で海面上に浮かべ、曳船により設置海域へと移動する。
なお、図4(1)の中で、アンカー17はケーソン方式のコンクリートブロック形態とし、海面上に浮かべての移動を想定している。
図4(2)以降は、設置海域に到着後の設定手順を示す。
図4(2)では、先ず係留ロープまたは係留索19を海中に投入し、同時に補助フロート15に対して補助ロープ18をつなげる。
次に図4(3)に示す様に、ケーソン方式のアンカー17をクレーン船により海底の目標位置に沈め、更に補助フロート15につないだ補助ロープ18の反対側端部を回転リング13に仮締結する。
更に図4(4)に示す通り、アンカー17の目標地点への設置が完了した状態で、回転リング13に仮締結した補助ロープ18を同時に同等の力で引っ張り、台座1の支柱12を複数の補助フロート15の中央部に設定する。
なお、この作業は設置海域の潮位が最も低くなる時間帯に行う必要であり、合わせて補助ロープ18の引っ張り力は、補助フロート15が一部水没し、かつ風力発電機運転中に受風面が受ける風力を保持するために十分な余裕がある力となる様、調整する必要がある。
図4(5)は、実施例1に示す風力発電機の設置が完了し、複数の補助ロープ18による引っ張り力がバランスした状態を示している。
以上図4に示す設置手順により、アンカーの設置や回転リングへの補助ロープ取付け、引っ張り力調整等の作業を海面上で行うことが可能であることから、設置作業の手間および設置費用の低減を図ることが可能になると考えられる。
次に、図5に実施例2の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
本発明の実施例2による洋上風力発電機の浮体は、実施例1で述べた補助フロート15について、
補助ロープ18を繋ぐ締結穴16aとし、締結穴16aの対角側にリブ20を取り付けて、リブ20の先端部に締結穴16bを設けた構成とする。
その上で、締結穴16aから補助フロート15の浮心までの長さに対し、締結穴16bから補助フロート15の浮心までの長さを長くして、補助ロープ18を締結穴16aに繋ぎ、係留索19を締結穴16bに繋ぐ。
以上の構成によって補助フロート15の周りに作用する力を、図6に示す。図6の通り、風車体の受風面が風を受けて風下側に水平方向の力-Ftを受け、その力が回転リング13に伝わって、回転リング13外面のフック14が風下側に引っ張られた時に、補助ロープ18を介して締結穴16aに作用する風下側への力Ftが作用する。
この力Ftに対し、係留索19がアンカーによって水平方向に引っ張る力Fcと、係留索19の自重による下向きの力Fgによって補助フロート15に生じるトルクの合力により反発する。
この関係は計算式、Ft=Fc+(Rb/Ra)・Fg・cosθで表され、(Rb/Ra)比が大きく、下向の荷重Fgが大きいほど風に対する抗力Ftは大きくなる。
Ftの値が大きいほど回転リング13の水平方向の引っ張り力が増すので、風車体11を搭載した台座1は海水面上の一定の位置安定し保持することが可能となる、と考えられる。
次に、図7に実施例3の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
本発明の実施例3による浮体式洋上風力発電機は、実施例1または実施例2に記載の支柱12の下部に吊り棒21を取り付け、更に吊り棒21下部の海水中にウエイト22を取り付けた構成とする。
この吊り棒21およびウエイト22の復元作用により、海水面の波浪が大きい場合でも台座1の揺動が抑制され、風力発電機を海水面上で安定し保持することが可能となる。
図8に実施例4の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
実施例4による洋上風力発電機の浮体は、支柱12に取付けた回転リングに対して、回転リングの前後・左右方向の傾きを許容する自在継手機構を付加した構成を表している。
また図9は図8に示す自在継手回りのC-C断面図、およびD-D断面図を表している。
実施例4による自在継手の具体的構造は図9に示す通り、支柱12に対して水平方向に回転可能な摺動面を有する内リング23に対し、内リング23の外側にピン24を介して外リングA(符合25)、および外リングAの更に外側に、ピン24を介して外リングB(符合26)を取付けた構成とする。更に外リングBの外面にフック14を取り付け、フック14に対し補助ロープ18が繋がれている。
この構成により図10に示すように、荒天時の波浪や強風による受風面への風圧によって、支柱12が前後・左右に大きく傾いた時でも、内リング23は支柱12の水平方向の回転を拘束しないため、風車体11の安定した回頭御が可能となる。
図11に実施例5の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
合わせて図12に、実施例5のブレーキ装置周辺の部分拡大図を示す。
本発明の実施例5による洋上風力発電機の浮体は、支柱12に対してブレーキディスク27を取付け、回転リングに取付けたブレーキ装置28によりブレーキディスク26に制動を加えて、支柱の回転方向の動きを一時的に停止させる構成を示している。この構成により、洋上にて風速や風速が不安定に変化する状況下でも風車体の受風面を一定の角度に安定して保持することが可能となると考えられる。
図13に実施例6の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
本発明の実施例6による洋上風力発電機の浮体は、主フロート3に対して前方および後方への推進力を有するスクリュー29等を取り付けた推進装置30を複数取付けた構成を表している。この推進装置30により、台座1を海面上で水平方向に時計回り、又は反時計回りに360度任意の角度に回転させることが可能となり、風速が小さな場合でも、風車体の受風面を風に向かう方向、或いは風に沿う方向等、最適な向きに回頭させることが可能となる。
図14(1)および(2)に、本発明の実施例6を上から見た図を示す。図14(1)は台座1が複数の係留索19の中央部にて水平方向に回転可能に保持された状態を示しており、主フロート3の側面に固定した推進装置30の片側のスクリュー29の推進力により、時計回りに回転する状況を示す。
図14(2)は、推進装置29のもう片方のスクリュー29の推進力により、反時計方向に回転する状況を示す。
以上の構成により、実施例6では風車体11の向きを任意に制御可能であり、風向きに応じて風車体
11を適切な方向に回転させることが出来るので、効率良く安定した発電を行うことが可能となる。
同時に実施例6に示す通り、反対方向に推進力を有する複数のスクリューを主フロート3に取付けることにより、電力供給先の系統にて停電等が発生し系統に対する負荷遮断が必要となった時、複数の反対向きのスクリューを同時に動かすことにより、風力発電機で生じる余剰エネルギーを放出させることが可能となる。これにより、無負荷状態での発電機の回転速度過大(空回り)を防ぎ、損傷を防止する効果も期待できる。
図15に実施例7の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
実施例7による浮体式洋上風力発電機は、補助フロート15の端面同士を、回転方向の動きを拘束しないシャフト31によって連結することで、複数の補助フロートを海水面上に環状に配置するものである。
この構成により、海面付近の潮流の流速が速い場合や悪天候で波浪が大きな時でも、前記補助フロート同士がお互いに衝突することを避けられるので、台座1を安定して保持することが可能となる。
図16に実施例8の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を、図17に実施例8の洋上風力発電機の浮体の側面図(図16のF矢視図)を示す。
実施例8は補助フロートの端面同士を、連結浮体32で接続することで、複数の海水面上にて浮輪型フロート33を構成し、更に浮輪型フロート33に対して外周部の複数個所に締結穴16を取り付ける。同時に支柱12に対してはスライド嵌合部34を設けておき、前記スライド嵌合部34に取り付けて上下方向に摺動しかつ水平方向に回転可能な、スライド回転リング35を取付ける。スライド回転リング35の外周部に設置したフック14と浮輪型フロート33の締結穴16を伸縮性のあるロープまたはスプリングで構成された、複数の伸縮索36で繋ぐ。合わせてアンカー17と浮輪型フロート33の締結穴16とを、複数の係留索19で繋いだ構成とする。
この構成により台座1は浮輪型フロート33は中央部に係留され、風力発電機11は海面上の一定の位置で発電が可能となる。
図18に実施例9の洋上風力発電機の浮体、および風力発電機本体の鳥瞰図を示す。
実施例9は台座1を中心として海面に沿ってアーム2を放射状に十分伸ばし、アーム2の先端部に浮力を有する主フロート3を、台座1を中心として同心円状に取付けた上で、台座1およびアーム2上に複数の風車体11を搭載し設置した例を示す。
以上の構成により、複数の風力発電機で同時に発電を行うことが可能となり、かつ海水面上での回頭制御も容易になることが期待できる。
次に本発明の実施例10による洋上風力発電機の浮体の運転・制御につき、図19~図21に示す。図19は実施例6で述べた洋上風力発電機のスクリューの運転・制御を行うための、計測装置、制御対象と信号の流れの例を示す構成図である。
浮体により海面上浮いて上方に突き出した計測用タワー50の上部に設置した風向計51で風向きを計測し、その情報を風向きの信号52として無線信号で発信し、アンテナ53を設置した制御装置54が受信する。
同様に、計測用タワー50の上部に設置した風速計55で風速を計測し、その情報を風速信号56として無線信号で発信し、アンテナ53を設置した制御装置54が受信する。
風車体11の風向きに対する向かえ角度については、回転リング13に取付けた角度計57により計測し、その情報を係留装置角度の信号58として信号ケーブルを経由して制御盤54が受信する。前記と同様に、風車体の回転数については回転数計59で計測し、その情報を風車体の回転数の信号60として信号ケーブルを経由して制御盤54が受信する。
更に図24の中で、地上の電力系統61で停電等運用上の異常が発生した場合、電力系統の停電信号62として通信ケーブルを経由し制御盤54が受信する構成を示している。
図20は実施例10において、風向きの信号52、風速の信号56、回転リングの角度の信号58、風車体回転数の信号60、および電力系統停電の信号62を用いて、制御盤内でのスクリューの運転/停止指令信号63により、風力発電機の運転制御を行う場合のブロック図の例を示している。
図21は実施例10において、制御盤内でのスクリューに対する運転・制御ロジックのフロー図の例を示している。本図は、フローの起点または終点を示す図形64、前記各信号情報のインプットを示す矢印65、および各信号情報を用いた判断を示す図形66、スクリューの動作、または停止を示す図形67を用い、制御ロジックのフローの例を示している。

本願は今後建設の増加と大型化が予想される浮体式洋上風力発電機について、海岸から離れた沿岸の海面上でも一定の位置に安定して係留が可能であり、設置に手間がかからず、建設コストの低減が可能な浮体の構造を提案するものである。また従来のヨーアクチュエータの機能をスクリューで代替えする等、従来の風力発電機で必要であった付加価値の高い機器を減らすことも出来るので、建設費用、及びメンテナンス費用を低減可能と考えられる。
合わせて船舶に係る技術や経験も活かせるので、この産業分野からの洋上風力発電への参画に道が開けると思われる。


1 台座
2 アーム
3 主フロート
4 サポート
5 回転軸
6 軸受け
7 ブレード
8 ハブ
9 ナセル
10 発電機
11 風車体
12 支柱
13 回転リング
14 フック
15 補助フロート
16 締結穴
16a締結穴(実施例2の「発明を実施するための形態」(0040)項に記載)
16b締結穴(実施例2の「発明を実施するための形態」(0040)項に記載)
17 アンカー
18 補助ロープ
19 係留索
20 リブ
21 吊り棒
22 ウエイト
23 内リング
24 ピン
25 外リングA
26 外リングB
27 ブレーキディスク
28 ブレーキ装置
29 スクリュー
30 推進装置
31 シャフト
32 連結浮体
33 浮輪型フロート
34 スライド嵌合部
35 スライド回転リング
36 伸縮索
50 計測用タワー
51 風向計
52 風向きの信号
53 受信アンテナ
54 制御盤
55 風速計
56 風速の信号
57 回転リングの角度計
58 回転リング角度の信号
59 風車体の回転数計
60 風車体の回転数の信号
61 電力系統
62 電力系統停電の信号
63 スクリューの駆動/停止信号
64 フローチャート上のフローの起点又は終点を表す図形
65 フローチャート上の信号情報のインプット
66 フローチャート上の信号データを用いた判断を表す図形
67 フローチャート上のスクリューの動作または停止を表す図形


Claims (10)

  1. 洋上にて風力発電機を搭載した台座に対して浮力を有するフロートを取り付けて海水面上に浮かべ、この台座と海底面に設置したアンカーとをロープまたはチェーン等の係留索で繋ぐことにより、風力発電機を海水面上の一定の位置に係留する洋上風力発電機の浮体において、浮体の台座は風力発電機を搭載しかつ中央部から海水面に沿って外側に向かって放射状に複数のアームを有し、前記アームの外周部に浮力を有する主フロートを取り付けて当該台座は前記主フロートの浮力により海水面の上方の海水面から離れて浮かんだ形態であり、かつ前記台座の中央部から海水面に向かって下向きに支柱を取り付け、前記支柱に嵌合して水平方向に回転可能な回転リングを前記台座と海水面との間に取り付け、合わせて浮力を有する複数の補助フロートを、前記支柱を中心として海水面に同心円状に浮かべ、前記回転リングの外面と前記補助フロートの外面とを複数の補助ロープで繋ぎ、更に前記支柱を中心として海底面に同心円状に配置した複数のアンカーと前記補助フロートを、自重を有するロープまたはチェーン等で構成された複数の係留索で繋げることにより、前記回転リングは前記複数の補助ロープによって水平方向に引っ張られ、前記浮体は海水面上の一定の位置に、水平方向に360度回転可能な状態で係留されることを特徴とする、洋上風力発電機の浮体。
  2. 請求項1に記載の補助フロート外面には請求項1に記載の補助ロープおよび請求項1に記載の係留索を取付けるための複数の締結穴が取り付けられており、前記補助ロープを取り付けた前記締結穴から前記補助フロートの浮心までの長さよりも、前記係留索を取り付けた前記締結穴から前記補助フロートの浮心までの長さが長いことを特徴とする、請求項1に記載の洋上風力発電機の浮体。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の支柱の下方に吊り棒を取り付け、前記吊り棒下部の海水中に自重を有するウエイトを取付けたことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかに記載の回転リングと、請求項1~請求項3のいずれかに記載の支柱との勘合部を自在継手構造とすることにより、前記回転リング外面は、請求項1~請求項3のいずれかに記載の支柱に対して水平方向に回転可能であると同時に、前記支柱の傾きに対しても動きが拘束されない状態となり、海面上の波浪により請求項1~請求項3のいずれかに記載の台座の揺動が大きな時でも安定して係留されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の支柱の外面と、請求項1~請求項4のいずれかに記載の回転リングとの間にブレーキ装置を取付けて、前記回転リングに対する前記支柱の回転を適宜停止させることにより、請求項1~請求項4のいずれかに記載の台座は水平方向の角度を適宜一定に保持して係留されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載の主フロート下部の海水中に、前記主フロートに対して前方或いは後方に推進力を有するスクリュー等の推進装置を取り付けることにより、請求項1~請求項5のいずれかに記載の回転リングに対する請求項1~請求項5のいずれかに記載の支柱の角度を任意に制御し、請求項1~請求項5のいずれかに記載の台座を水平方向の任意の角度に回転させることにより、前記台座に搭載した風力発電機を風向きに対して適切な角度に向けられることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  7. 請求項1~請求項6のいずれかに記載の複数の補助フロート同士を、複数のシャフトで連結して、前記補助フロートは請求項1~請求項6のいずれかに記載の支柱を中心として環状に連結されて海面上に浮かんだ形態とすることにより、海水面に潮流や波浪が生じている場合でも前記補助フロート同士はお互いに接触せず、請求項1~請求項6のいずれかに記載の台座は海面上の一定の位置に係留されることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  8. 請求項1~請求項6のいずれかに記載の複数の補助フロートの端面同士を、浮力を有する連結浮体で結合して浮輪形フロートを形成し、合わせて請求項1~請求項6のいずれかに記載の支柱に対して、前記支柱に嵌合し水平方向に回転可能でかつ上下方向に摺動可能なスライド回転リングを取り付け、前記浮輪型フロート外面と前記スライド回転リング外面とを伸縮可能なロープまたはスプリング等で構成された複数の伸縮索で繋ぎ、かつ前記浮輪型フロート外面と請求項1~請求項6のいずれかに記載のアンカーとを請求項1~請求項6のいずれかに記載の複数の係留索で繋ぐことにより、前記支柱は前記浮輪形フロートの中央部に係留され、請求項1~請求項6のいずれかに記載の台座は前記浮輪型フロートの中央部に水平方向に回転可能な状態で係留されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  9. 請求項1~請求項8のいずれかに記載の台座に対して風力発電機を複数設置することにより、請求項1~請求項8のいずれかに記載の風力発電機は複数同時に、請求項1~請求項8のいずれかに記載の支柱を中心として海水面上の一定の位置に水平方向に360度回転可能な状態で係留され、前記複数の風力発電機を同時に水平方向の任意の角度に向けられることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれかに記載の洋上風力発電機の浮体。
  10. 請求項6に記載の洋上風力発電機の浮体は、請求項6に記載の推進装置の動作・停止を制御する制御盤を備えているものとし、前記制御盤は前記浮体式洋上風力発電機の近傍に設置した風向計によって測定した風向きの信号と、前記洋上風力発電機の浮体の近傍に設置した風速計によって測定した風速の信号と、請求項6に記載の回転リングに対して取り付けた回転リング角度計の信号と、請求項6に記載の風力発電機に対して取り付けた風力発電機の回転数の信号と、地上の電力系統の運用状態の信号を受信し、それらの信号を用いて前記スクリューの動作・停止を制御することにより、前記風力発電機がその時の環境下で適切な運転状態に維持できることを特徴とする、請求項6に記載の洋上風力発電機の浮体。

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