JP7241552B2 - 風力発電装置及びその施工方法 - Google Patents
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Description
この風力発電装置の施工方法は、鉄筋コンクリート底版により支持された基礎部を陸上で製作して海上に運搬し、水上風力発電施設の設置位置に施工している。
また、特許文献2に記載された風力発電装置は、ブレード及びハブを備えたロータとナセルをタワーに対して回転可能に支持するヨーシステムがナセルとタワーの接続部に設けられているため小さい断面積に設備が密集している。しかも、海上で発生する強風を大きなブレードで受けるため、タワーに対してナセルを回転させる小径の接続部のギア等の回転機構に過大な負荷がかかってしまい、損傷し易く耐久性が小さいという問題がある。また、この風力発電装置のヨーシステムは風向きの変化に対する反応が敏感で、ナセルがくるくる動くため、この点でもナセルとタワーの接続部の耐久性が小さいという問題がある。
本発明による風力発電装置は、地上または洋上で風にブレード及びハブを正対させるために基礎部の支持部を中心にタワーを回転させることができる。ブレード及びハブを備えたナセルとタワーとの接続部でなく、タワー全体をナセルと共に回転させることでブレードを風に正対させることができる。
風向計で検出した風の向きの変化に対して姿勢補正機構で回転角度を駆動機構に指示してタワー全体を回転させることができる。
姿勢補正機構の指示信号に基づいて駆動モータを駆動させて連動する歯車を介して内歯車を所定角度回転させることで、タワーを所定角度回転させることができる。
タワーはベアリング機構によって基礎部に対してスムーズに回転可能である。
セグメントを千鳥状に組み立てることで略円筒状の基礎部を構築でき、しかも基礎部は地上で構築することができる。基礎部をコンクリートで製作することでコストを低減できる。
図1に示す風力発電装置1は例えば海面に浮かぶスパー型浮体構造である。この風力発電装置1は洋上に浮かぶ基礎部2と、基礎部2の上部に回転可能に設置されていて発電機の支柱となるタワー3とを備えている。タワー3の上部にはナセル4が設置され、ナセル4の一端部にはハブ5と複数、例えば3枚のブレード6を備えたロータ7が設置されている。各ブレード6はハブ5に等間隔に連結されている。基礎部2はチェーン等の複数の係留策9を図示しないアンカーによって海底に固定することで流されないように係留されている。
頂部18bの上には基礎部2と同軸状に延びる例えばコーン状の内筒22が設置されている。基礎部2の内部には風力発電装置1が洋上に浮かべられた状態でそのバランスをとるためにバラスト水24が貯留されている(図4参照)。
図4は基礎部2及びタワー3の変形例を示す断面図である。図4において、基礎部2は例えば略円筒形状の筒体18と底部18a及び頂部18bとで形成されており、鉄筋コンクリート等で一体に製作されているが、鋼製でもよい。基礎部2の内空部2a内にはバランスをとるためのバラスト水24が貯留されている。しかも、筒体18の頂部18bには略円筒状の内筒23が形成されている。この内筒23に略円錐台形状で略筒状のタワー3が被せられ、内筒23を中心に回転可能に装着されている。なお、頂部18bから突出する内筒22、23は基礎部2と一体または別体でコンクリート製で製作してもよいし、スチール等で製作してもよい。なお、図3、図4はタワー3と内筒22、23との嵌合部を断面で示している。
タワー3の回転はゆっくりと低速で回転する。一方、洋上の風は風向きが頻繁に変化することがあるため、風向きの変更検知タイミングに対してタワー3の回転速度と回転方向の切り換え制御が遅れることが多い。そのため、姿勢補正機構28では、制御盤13から送信される短時間で頻繁に変更される小さな風の向きの切り換えをノイズとしてカットし、予め設定された所定時間以上続く風向きの変更にのみ対応して駆動モータM1,M2を駆動するよう制御している。
まず、ドッグにおいて円板状でコンクリート製の底部18aを打設し、次に底部18aの上にセグメント20を組み立てて円筒状の筒体18を施工する。そして、工場等で製作した頂部18bと内筒22をクレーン等で組み立てる。内筒22はコーン状でも円筒状でもよいが、コーン状に形成した方がタワー3を被せ易い。或いは、工場で製作した底部18a、筒体18、頂部18b、内筒22をクレーンで組み立て施工してもよい。また、基礎部2は鉄筋コンクリートで一体に製作してもよい。或いは、基礎部2を上半部が海上に突出して浮く程度に部分的にドッグで製作し、その後、海上の設置位置に曳航して残りのセグメント20や頂部18b、内筒22等を現場で施工してもよい。
次に、ドッグの内部に海水を導入し、基礎部2を海上に浮かべる。基礎部2内には曳航時の喫水高さの調節のため、或いは起き上がりこぼしの重りとしてバラスト水24を導入させる。
最後に、基礎部2をチェーン等の複数の係留策9をアンカーによって海底に固定することで流されないように係留する。
風力発電装置1を海上に浮かべた状態で、ナセル4に設置した風向計16によって海上の風の向きの変化を検出し、ナセル4内の制御盤13に送信する。制御盤13では現在のロータ7の向きから風の向きの変化を検出してタワー3が回転すべき角度を演算して姿勢補正機構28に送信する。
姿勢補正機構28では、風の向きが短時間で頻繁に変わる送信データの場合にはノイズとしてカットする。所定時間以上、風向きが特定方向に変更している場合には、タワー3が風の向きに正対するように調整すべき角度だけ位置調整するように駆動モータM1,M2に駆動信号を出力する。駆動モータM1、M2の駆動に連動して歯車27をそれぞれ同一方向に回転させることで内歯車26を内筒22を中心に旋回させ、タワー3を風の向きに正対するように所定角度だけ回転させる。その際、タワー3は内筒22にガイドされながら基礎部2上をゆっくりと回転して位置調整がなされる。
なお、風力発電装置1の浮体を構成する基礎部2及びタワー3は細長いスパー型であるため、図8(b)に示すように、強風などで大きく傾いたとしても基礎部2内に貯留されたバラスト水24を重りとして「起き上がりこぼし」の原理で、同図(a)に示すように、略垂直に保持することができる。
また、基礎部2がセグメント20の場合には工場で製作できるため、気象の影響を受けない上に緻密な筒体18を製作できる。しかも、基礎部2はドックまで小型の車両で運搬でき、小型のクレーンで組み立てることが可能である。
また、基礎部2とタワー3をすべて鋼材で製作すると高コストになるが、少なくとも基礎部2をコンクリートで製作しているため、製造コストを抑えることができる。
なお、基礎部2をセグメント20で構築した場合、工場やドッグだけでなく洋上の施工現場で基礎部2を構築することができる。
2 基礎部
3 タワー
4 ナセル
5 ハブ
6 ブレード
7 ロータ
16 風向計
18 筒体
18b 頂部
22、23 内筒
24 バラスト水
25 回転機構
26 内歯車
27 歯車
28 姿勢補正機構
31 ボールベアリング
32、33 シール部材
34 オイル
M1、M2 駆動モータ
Claims (6)
- 地上または洋上に設置されていて頂部に支持部を備えた基礎部と、
前記支持部に回転可能に装着されたタワーと、
風を受けて回転するブレード及びハブと、
前記タワーに設置されていて前記ブレード及びハブの回転によって発電する発電機を内蔵するナセルと、
を備え、
前記支持部は、前記基礎部の頂部に設置されて前記基礎部と同軸状に延びる内筒を含み、
前記タワーは、前記内筒に被せられて前記内筒を中心に回転可能に装着されている、
ことを特徴とする風力発電装置。 - 前記ナセルに設置された風向計と、
前記風向計の検出値に基づいて前記タワーの回転角度を設定する姿勢補正機構と、
前記姿勢補正機構の指示信号に基づいて前記タワーを所定角度回転させる駆動機構と、を備えた請求項1に記載された風力発電装置。 - 前記駆動機構は、前記姿勢補正機構の指示信号に基づいて所定角度回転させられる駆動モータと、前記駆動モータの回転に応じて回転する歯車と、前記タワーの内周面に設けられていて前記歯車の回転角度に連動して前記タワーを回転させる内歯車と、を備えた請求項2に記載された風力発電装置。
- 前記タワーの回転をガイドするベアリング機構が前記基礎部の頂部に設置されている請求項1から3のいずれか1項に記載された風力発電装置。
- 前記基礎部は略円弧版形状のセグメントによって略円筒状に構築されている請求項1から4のいずれか1項に記載された風力発電装置。
- 地上または洋上に略円筒状の基礎部を設置する工程と、
前記基礎部の頂部に設けられ、前記基礎部と同軸状に延びる内筒を含む支持部に、タワーを前記内筒上に被せて回転可能に装着する工程と、
前記タワーの上部にハブ及びブレードを備えたナセルを設置する工程と、を備えたことを特徴とする風力発電装置の施工方法。
Priority Applications (1)
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JP2019009443A JP7241552B2 (ja) | 2019-01-23 | 2019-01-23 | 風力発電装置及びその施工方法 |
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JP2020118076A JP2020118076A (ja) | 2020-08-06 |
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JP2013040566A (ja) | 2011-08-11 | 2013-02-28 | Enedream Co Ltd | 応力分散型の風力発電機用の支柱タワー |
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