JP2023106083A - 表面加工装置 - Google Patents

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尚紀 丸野
Naoki Maruno
一史 青木
Kazufumi Aoki
貫太郎 堀
Kantaro Hori
光也 大岡
Mitsuya Ooka
智紀 北川
Tomonori Kitagawa
隆太 古川
Ryuta Furukawa
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Abstract

【課題】半導体ウェハ等の平板状の被加工物における被加工面の裏面への電解液の浸入を抑制する技術を提供すること。【解決手段】被加工物(W)における被吸着面(W2)を吸着することで被加工面(W1)を露出させつつ被加工物を保持するチャック(2)は、吸着部(21)と浸入抑制部(23)とを備える。吸着部は、被吸着面と当接することで被吸着面を吸着する。浸入抑制部は、被吸着面に沿った面内方向における被加工物の外縁部(W3)に対応する位置にて、電解液(S)を吸引または気体を噴出するように、面内方向における吸着部の外側に設けられる。これにより、被吸着面とチャックとの隙間への電解液の浸入を抑制することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、表面加工装置に関する。
半導体ウェハ等の平板状の被加工物における表面を平坦化(すなわち研削あるいは研磨)する技術が、従来から種々知られている。例えば、特許文献1は、陽極酸化プロセスと研磨プロセスとを同時または交互に進行させる研磨方法を開示する。陽極酸化プロセスは、電解液の存在下で、被加工物を陽極として電圧を印加し、被加工物の表面を酸化させる。研磨プロセスは、所定の硬度および粒度の砥粒を基材に固定した固定砥粒研磨体で、被加工物の表面に形成された酸化物を研磨して除去する。
具体的には、特許文献1は、SiCウェハを研磨するのに適した研磨装置を開示する。この研磨装置においては、回転可能な円盤の上に絶縁体を介して容器が固定され、容器底面に陰極となる金属板が敷設される。SiCウェハは、回転可能なウェハホルダーに保持され、電解液中で砥石に所定荷重で押圧される。ウェハホルダーは、回転ヘッドの下面に絶縁層を介して設けた真空チャックに吸着される。そして、SiCウェハを作用極として正電位を印加することでSiCウェハの表面を陽極酸化により改質し、改質層を砥石で除去することで、表面は徐々に平坦になり、ダメージのない表面が得られる。
特開2021-27359号公報
例えば、特許文献1に記載された研磨装置において、SiCウェハにおける被加工面の裏面に電解液が浸入すると、浸入した電解液に触れた部分が酸化されることで、形状劣化や通電不良等の不具合が生じるおそれがある。本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、例えば、半導体ウェハ等の平板状の被加工物における被加工面の裏面への電解液の浸入を抑制する技術を提供する。
表面加工装置(1)は、平板状の被加工物(W)における一対の主面のうちの一方である被加工面(W1)を平坦化するように構成されている。
請求項1に記載の表面加工装置は、
前記被加工物における前記一対の主面のうちの他方である被吸着面(W2)を吸着することで、前記被加工物を、前記被加工面を露出させつつ保持するように構成されたチャック(2)と、
前記チャックに保持された前記被加工物における前記被加工面に対向配置される対向部材(3)と、
電解液(S)の存在下で、前記対向部材側を陰極とし前記被加工物側を陽極として電流を印加するように設けられた電流印加部(5)と、
を備え、
前記チャックは、
前記被吸着面と当接することで前記被吸着面を吸着するように構成された吸着部(21)と、
前記被吸着面に沿った面内方向における前記被加工物の外縁部(W3)に対応する位置にて、前記電解液を吸引または気体を噴出することで、前記被吸着面と前記チャックとの隙間への前記電解液の浸入を抑制するように、前記面内方向における前記吸着部の外側に設けられた浸入抑制部(23)と、
を備えている。
なお、出願書類中の各欄において、各要素に括弧付きの参照符号が付されている場合がある。この場合、参照符号は、同要素と後述する実施形態に記載の具体的構成との対応関係の単なる一例を示すものである。よって、本発明は、参照符号の記載によって、何ら限定されるものではない。
本発明の第一実施形態に係る表面加工装置の概略構成を示す側断面図である。 図1に示されたチャックの一部分を拡大して示す側断面図である。 本発明の第二実施形態に係る表面加工装置の概略構成を示す側断面図である。 図3に示されたチャックの一部分を拡大して示す側断面図である。 本発明の第三実施形態に係る表面加工装置の概略構成を示す側断面図である。 図5に示されたチャックの一部分を拡大して示す側断面図である。 本発明の第四実施形態に係る表面加工装置の概略構成を示す側断面図である。 図7に示されたチャックの一部分を拡大して示す側断面図である。 本発明の第五実施形態に用いられるチャックの概略構成を示す側断面図である。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、一つの実施形態に対して適用可能な各種の変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中に挿入されると、当該実施形態の理解が妨げられるおそれがある。このため、変形例については、当該実施形態に関する一連の説明の途中には挿入せず、その後にまとめて説明する。
(第一実施形態:構成)
図1を参照すると、表面加工装置1は、平板状の被加工物Wの主面である被加工面W1を平坦化するように構成されている。「主面」は、板状物の板厚方向と直交する表面であって、「板面」とも称される。すなわち、被加工物Wは、一対の主面のうちの一方である被加工面W1と、他方すなわち裏面である被吸着面W2とを有している。本実施形態に係る表面加工装置1は、SiCウェハ等の半導体ウェハを被加工物Wとして、その被加工面W1に対して陽極酸化を利用した研磨加工または研削加工を実施可能に構成されている。すなわち、表面加工装置1は、ECMP装置またはECMG装置としての構成を有している。ECMPはElectro-Chemical Mechanical Polishingの略である。ECMGはElectro-Chemical Mechanical Grindingの略である。
以下、本実施形態に係る表面加工装置1の概略構成について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、後述するように、図1および図2は、本実施形態に係る表面加工装置1の概略的な構成および機能を説明するために簡略化された図であって、実際に製造販売される具体的な構成を示す図とは、必ずしも一致しない。図3以降の他の実施形態に対応する図についても同様である。また、説明の簡略化のため、図示の通りに、右手系XYZ座標系を設定する。本実施形態においては、Z軸正方向は、鉛直上方、すなわち、重量作用方向とは反対の方向を示すものとする。また、X軸方向およびY軸方向は、ともに、水平方向を示すものとする。以下、説明の便宜上、鉛直上方に対応するZ軸正方向側を単に「上方」と称したり、その逆を単に「下方」と称したりすることがある。
表面加工装置1は、チャック2と、対向部材3と、ハウジング4と、電流印加部5とを備えている。チャック2は、被加工物Wにおける被吸着面W2を吸着することで、被加工物Wを、被加工面W1を下方に露出させつつ保持するように構成されている。対向部材3は、チャック2に保持された被加工物Wにおける被加工面W1に対向配置されるように、チャック2の下方に設けられている。ハウジング4は、上方に向けて開口するバスタブ状に形成されている。ハウジング4は、対向部材3および電解液Sを収容する容器であって、対向部材3の下方に配置されている。本実施形態においては、電解液Sは、エッチャント成分を含まない溶液であって、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、あるいは硝酸ナトリウム等の水溶液である。エッチャント成分は、陽極酸化によって被加工面W1上に生成された酸化膜の溶解能を有する溶解液を構成する成分(すなわち例えばフッ化水素酸等)である。チャック2および/またはハウジング4は、不図示の昇降機構によって、上下に移動可能に設けられている。また、チャック2および/またはハウジング4は、不図示の並進機構によって、図中XY方向に移動可能に設けられている。さらに、チャック2および/または対向部材3は、不図示の回転機構によって、図中Z軸と平行な回転中心軸を中心として回転可能に設けられている。電流印加部5は、電解液Sの存在下で、対向部材3側を陰極とし被加工物W側を陽極として電流を印加するように設けられている。
チャック2は、下方に向けて露出した水平面状のチャック面20を有していて、このチャック面20に吸着することで被加工物Wを保持しつつ被加工物Wに通電可能に構成されている。また、チャック2は、被加工面W1のECMP処理あるいはECMG処理の際に、チャック面20と被吸着面W2との間への電解液Sの浸入を抑制するように構成されている。すなわち、チャック2は、吸着部21と、コンタクト電極22と、浸入抑制部23と、隔壁部24と、負圧経路25と、流体経路26とを備えている。
吸着部21は、被吸着面W2と当接することで被吸着面W2を吸着するように構成されている。本実施形態においては、吸着部21は、被吸着面W2を空気の負圧により吸着する構成を有している。すなわち、吸着部21は、厚さ方向に空気あるいは負圧が通過可能な内部通路である吸着通路210を有している。具体的には、例えば、吸着部21は、絶縁性で緻密な(すなわち気体や液体が通過可能な多孔質ではない)セラミック製の板材に厚さ方向に沿った貫通孔である吸着通路210を多数設けることによって形成され得る。あるいは、例えば、吸着部21は、網目状の吸着通路210を内部に有する多孔質セラミック等の連泡性多孔質体によって形成され得る。「連泡性」とは、多数の気孔あるいは気泡の各々が独立で存在していて相互に連通しない「単泡性」とは異なり、多数の気孔あるいは気泡が相互に連通している性質をいう。
吸着部21には、コンタクト電極22が埋設されている。コンタクト電極22は、被吸着面W2が吸着部21に吸着された状態で、被吸着面W2に当接することで被加工物Wとの導通が形成されるように、面内方向における吸着部21の内側に設けられている。「面内方向」とは、被吸着面W2に沿った方向であって、図中XY平面と平行な方向である。本実施形態においては、コンタクト電極22は、銅等の良導体金属によって円板状に形成されている。コンタクト電極22の底面は、被吸着面W2と当接した状態でチャック面20からの被加工物Wの浮き上がりが生じないように、チャック面20と面一に設けられている。
浸入抑制部23は、被吸着面W2とチャック2との隙間への電解液Sの浸入を抑制するように、面内方向における吸着部21の外側、すなわち、面内方向における被加工物Wの外縁部W3に対応する位置に設けられている。外縁部W3は、被加工物Wの端面W4とその近傍部分(具体的には例えばべべリングされた部分)とを含む。本実施形態においては、浸入抑制部23は、被加工物Wの外縁部W3に対応する位置にて電解液Sを吸引するように構成されている。
具体的には、浸入抑制部23は、絶縁性で緻密なセラミック層に、当該セラミック層を厚さ方向に貫通する貫通孔からなる電解液吸入路231を設けた構成を備えている。当該セラミック層の底面は、チャック面20を構成するように、吸着部21の底面と面一に設けられている。電解液吸入路231は、チャック面20側にて開口する吸入開口232が被加工物Wの外縁部W3に対向するように設けられている。例えば、吸入開口232は、その面内方向における中心位置が端面W4とほぼ一致するように設けられ得る。また、本実施形態においては、複数の吸入開口232が、周方向について等間隔に配設されている。「周方向」は、略円板状の被加工物Wにて円周状に延びる外縁部W3あるいは端面W4の延設方向に沿った方向である。より正確には、「周方向」は、チャック面20に吸着された被加工物Wの面内方向における中心を通りZ軸と平行な仮想鉛直線とXY平面との交点を中心とする円をXY平面内に描いた場合の、当該円の円周方向である。なお、図1および図2に示されているように、吸入開口232は、チャック面20から凹設された凹部233内に設けられ得る。凹部233は、周方向に沿って延設された角溝状に形成されている。
吸着部21と浸入抑制部23とは、相互の流体(すなわち電解液S)の授受が隔壁部24によって遮断されている。すなわち、隔壁部24は、吸着部21における吸着通路210と浸入抑制部23における電解液吸入路231との間の、相互の流体(すなわち気体および電解液S)の授受を遮断するように設けられている。吸着部21における吸着通路210は、負圧経路25に接続されている。負圧経路25は、不図示の真空源(例えば真空ポンプ)に接続されている。一方、浸入抑制部23における電解液吸入路231は、流体経路26に接続されている。流体経路26は、電解液吸入路231によって吸入された電解液Sをハウジング4に還流させるための不図示の電解液還流経路における最上流端側に設けられている。かかる電解液還流経路は、負圧経路25とは別系統の流体通路であって、負圧経路25側に電解液Sが移行しないように構成されている。このため、負圧経路25と流体経路26とは、それぞれ独立の真空源に接続され得る。あるいは、負圧経路25と流体経路26とは、負圧経路25への電解液Sの浸入を阻止するフィルタ手段等を用いることで、共通の真空源に接続され得る。
対向部材3は、その上面である加工面301が、チャック2に保持された被加工物Wにおける被加工面W1に電解液Sを介して対向した状態で、電流印加部5による被加工物Wとの間の電流の印加により被加工面W1を平坦化するように設けられている。本実施形態においては、対向部材3は、電解液Sの存在下で被加工面W1を陽極酸化しつつ、被加工面W1に生成した酸化物を選択的に除去するための構成を有している。すなわち、対向部材3は、加工面301を有する砥石層302と、この砥石層302を担持する導体金属等の導体層である対向電極層303とを接合した、2層構造を有している。対向部材3は、「表面加工パッド」、「研磨パッド」、あるいは「研削パッド」とも称され得る。
(第一実施形態:作用・効果)
以下、本実施形態に係る表面加工装置1の動作概要について、かかる表面加工装置1の有する構成により奏される効果とともに説明する。
まず、対向部材3を収容したハウジング4の内部空間に、電解液Sの液面が加工面301より上となるように、電解液Sが充填される。また、図1に示されているように、チャック2とハウジング4とが上下方向について離隔した状態で、負圧経路25の負圧により、チャック2における吸着部21に被加工物Wが吸着される。続いて、被加工物Wを吸着したチャック2と、対向部材3および電解液Sを収容したハウジング4とが、電解液Sの存在下で被加工面W1と加工面301とが接触するまで接近させられる。そして、チャック2と対向部材3とが相対的に回転されつつ、対向部材3側を陰極とし被加工物W側を陽極として電流が電流印加部5により印加される。すると、陽極酸化された被加工面W1を対向部材3により研削または研磨することで、被加工面W1上の酸化膜(すなわち膜状に生成された酸化物)が選択的に除去される。これにより、被加工面W1が良好に平坦化され得る。
ここで、被加工物Wにおける被加工面W1の裏面である被吸着面W2とチャック面20との間に電解液Sが浸入すると、被吸着面W2やコンタクト電極22に酸化が生じ得る。すると、酸化物発生により、被吸着面W2における平面度が低下することで被加工物Wの形状が崩れたり、電気抵抗が上昇することで通電不良が生じたりするおそれがある。そこで、チャック面20と被吸着面W2との間に電解液Sが浸入することを抑制することが求められる。
この点、例えば、チャック面20と被吸着面W2との間に、Oリング等の封止部材を介入させる手法が考えられる。しかしながら、かかる手法においては、封止部材との当接箇所を支点として被加工物Wに曲げが発生することで、被加工物Wの平坦度が悪化するおそれがある。このため、高い平坦度が必要な半導体ウェハを被加工物Wとする場合には、かかる手法は採用し難い。
また、例えば、被加工物Wの端面W4に、ワックス等の封止材を塗布する手法が考えられる。しかしながら、このような手法は、生産性が悪い。また、平坦化加工中に封止材が剥離して被加工物Wと対向部材3との間に挟み込まれることで、被加工物Wの割れ等の不具合が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態は、チャック2における吸着部21の外周部に、電解液Sを吸引する浸入抑制部23を設けることで、被加工物Wにおける被加工面W1の裏面である被吸着面W2への電解液Sの浸入を良好に抑制することができる。これにより、生産性や被加工物Wの形状を損なうことなく、被加工面W1の良好な平坦化を実現することが可能となる。
また、本実施形態においては、コンタクト電極22は、被吸着面W2が吸着部21に吸着された状態で、被吸着面W2に当接することで被加工物Wとの導通が形成されるように、面内方向における吸着部21の内側に設けられている。すなわち、コンタクト電極22は、浸入抑制部23により電解液Sが吸引される箇所よりも、面内方向にて内側に離隔して配置される。かかる構成によれば、外縁部W3近傍からコンタクト電極22を離隔することで、電解液Sとの接触によるコンタクト電極22の劣化の発生が良好に回避され得る。
(第二実施形態)
以下、他の実施形態について説明する。なお、以下の他の実施形態の説明においては、主として、上記第一実施形態と異なる部分について説明する。また、第一実施形態と他の実施形態とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の他の実施形態の説明において、第一実施形態と同一の符号が付された構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記第一実施形態における説明が適宜援用され得る。
図3および図4は、第二実施形態に係る構成を示す。本実施形態においては、吸着部21は、被吸着面W2との接触により被加工物Wと導通する導電体によって形成されている。すなわち、吸着部21は、厚さ方向に空気が通流可能な連泡性の多孔質金属焼結体板あるいは多孔質カーボン板としての構成を有している。換言すれば、図1における吸着部21とコンタクト電極22とが一体化されている。このように、吸着部21を、電極を兼ねた構造とすることで、チャック2の構成を簡略化することが可能となる。また、被加工物Wに対する通電状態を、面内方向について均一化することで、被加工面W1の良好な平坦化を実現することが可能となる。
浸入抑制部23は、被加工物Wの外縁部W3に対応する位置にて電解液Sを吸引するように構成されている。但し、本実施形態においては、電解液吸入路231は、電解液Sが通流可能な多孔質セラミックによって形成されている。すなわち、浸入抑制部23は、リング状のポーラスチャックと同様の構成を有している。かかる構成によっても、上記第一実施形態と同様に、被加工物Wにおける被加工面W1の裏面である被吸着面W2への電解液Sの浸入を良好に抑制することができる。これにより、生産性や被加工物Wの形状を損なうことなく、被加工面W1の良好な平坦化を実現することが可能となる。
(第三実施形態)
図5および図6は、第三実施形態に係る構成を示す。本実施形態においては、吸着部21は、上記第一実施形態と同様の構成を有している。一方、浸入抑制部23は、被加工物Wの外縁部W3に対応する位置にて気体(例えば空気)を噴出することで、被吸着面W2とチャック2との隙間への電解液Sの浸入を抑制するように構成されている。
浸入抑制部23は、絶縁性で緻密なセラミック層に、当該セラミック層を厚さ方向に貫通する貫通孔からなる気体噴出路234を設けた構成を備えている。気体噴出路234は、チャック面20側にて開口する噴出開口235が被加工物Wの外縁部W3に対向するように設けられている。例えば、噴出開口235は、その面内方向における中心位置が端面W4とほぼ一致するように設けられ得る。また、本実施形態においては、複数の吸入開口232が、周方向について等間隔に配設されている。噴出開口235は、チャック面20から凹設された凹部233内に設けられ得る。
隔壁部24は、吸着部21における吸着通路210と浸入抑制部23における気体噴出路234との間の、相互の流体(すなわち気体および電解液S)の授受を遮断するように設けられている。浸入抑制部23における気体噴出路234は、流体経路26に接続されている。流体経路26は、不図示の気体供給源(例えばコンプレッサーやボンベ等)に接続されている。負圧経路25と流体経路26とは、相互の流体(すなわち気体および電解液S)の授受が発生しないように設けられている。
本実施形態は、チャック2における吸着部21の外周部に、気体を噴出する浸入抑制部23を設けることで、被加工物Wにおける被加工面W1の裏面である被吸着面W2への電解液Sの浸入を良好に抑制することができる。これにより、生産性や被加工物Wの形状を損なうことなく、被加工面W1の良好な平坦化を実現することが可能となる。
(第四実施形態)
図7および図8は、第四実施形態に係る構成を示す。本実施形態においては、吸着部21は、上記第二実施形態と同様の構成を有している。すなわち、吸着部21は、被吸着面W2との接触により被加工物Wと導通する導電体によって形成されている。また、浸入抑制部23は、上記第三実施形態と同様に、被加工物Wの外縁部W3に対応する位置にて気体を噴出するように構成されている。但し、本実施形態においては、気体噴出路234は、気体が通流可能な多孔質セラミックによって形成されている。すなわち、浸入抑制部23は、リング状のポーラスチャックと同様の構成を有している。かかる構成によっても、上記各実施形態と同様に、被加工物Wにおける被加工面W1の裏面である被吸着面W2への電解液Sの浸入を良好に抑制することができる。これにより、生産性や被加工物Wの形状を損なうことなく、被加工面W1の良好な平坦化を実現することが可能となる。
(第五実施形態)
図9は、第五実施形態に係る構成を示す。本実施形態においては、チャック2は、異なるサイズすなわち外径の被加工物Wに対して良好に対応可能な構成を有している。すなわち、チャック2は、異なる外径の被加工物Wに対応して、吸着部21および浸入抑制部23を、複数備えている。図9は、被加工物Wとしての、3種類のサイズ、例えば、4インチ、6インチ、および8インチの外径の半導体ウェハを保持可能なチャック2の構成例を示す。
図9に示されているように、チャック2は、吸着部21としての、第一吸着部211、第二吸着部212、および第三吸着部213を有している。第一吸着部211は、半導体ウェハにおける第一の外径(すなわち最小の外径)に対応して設けられている。すなわち、第一吸着部211は、4インチウェハの外径に相当する外径を有する円環状に形成されている。第二吸着部212は、半導体ウェハにおける第一の外径よりも大きな第二の外径に対応して、面内方向における第一吸着部211の外側に設けられている。すなわち、第二吸着部212は、6インチウェハの外径に相当する外径を有する円環状に形成されている。第三吸着部213は、半導体ウェハにおける第二の外径よりも大きな第三の外径(すなわち最大の外径)に対応して、面内方向における第二吸着部212の外側に設けられている。すなわち、第三吸着部213は、8インチウェハの外径に相当する外径を有する円環状に形成されている。
コンタクト電極22は、細径の軸部221と、軸部221の軸方向における一端側に設けられた大径の頭部222とを有する、ボルト状の形状を有している。コンタクト電極22は、銅等の良導体金属によって継ぎ目なく一体に形成されている。
また、チャック2は、浸入抑制部23としての、第一浸入抑制部236、第二浸入抑制部237、および第三浸入抑制部238を有している。第一浸入抑制部236は、半導体ウェハにおける第一の外径に対応して、面内方向における第一吸着部211の外側且つ第二吸着部212の内側に設けられている。第二浸入抑制部237は、半導体ウェハにおける第二の外径に対応して、面内方向における第一吸着部211および第一浸入抑制部236の外側且つ第三吸着部213の内側に設けられている。第三浸入抑制部238は、半導体ウェハにおける第三の外径に対応して、面内方向における第三吸着部213の外側に設けられている。
本実施形態においては、第一浸入抑制部236、第二浸入抑制部237、および第三浸入抑制部238は、それぞれ、気体噴出路234を有している。気体噴出路234における末端部に設けられた噴出開口235は、チャック2が半導体ウェハを吸着した状態で、気体を図中Z軸負方向および径方向に向けて噴出するようになっている。「径方向」は、略円板状の半導体ウェハにおける半径方向である。より正確には、「径方向」は、チャック面20に吸着された被加工物Wの面内方向における中心を通りZ軸と平行な仮想鉛直線とXY平面との交点を中心とする円をXY平面内に描いた場合の、当該円の中心から半径に沿って放射状に延びる方向である。
チャック2は、負圧経路25としての、第一負圧経路251、第二負圧経路252、および第三負圧経路253を有している。第一負圧経路251は、第一吸着部211に負圧を供給するように、第一吸着部211に接続されている。第二負圧経路252は、第二吸着部212に負圧を供給するように、第二吸着部212に接続されている。第三負圧経路253は、第三吸着部213に負圧を供給するように、第三吸着部213に接続されている。
チャック2は、流体経路26としての、第一流体経路261、第二流体経路262、および第三流体経路263を有している。第一流体経路261は、第一浸入抑制部236に気体を供給するように、第一浸入抑制部236における気体噴出路234に接続されている。第二流体経路262は、第二浸入抑制部237に気体を供給するように、第二浸入抑制部237における気体噴出路234に接続されている。第三流体経路263は、第三浸入抑制部238に気体を供給するように、第三浸入抑制部238における気体噴出路234に接続されている。
本実施形態においては、チャック2は、半導体ウェハを保持しつつ上下方向に移動可能に構成されている。また、チャック2は、保持した半導体ウェハを厚さ方向と平行な軸周りに回転させるように構成されている。具体的には、チャック2は、主軸部601と、回転支持部602と、ウェハ保持部603と、第一流路部材604と、第二流路部材605とを備えている。
主軸部601は、図中Z軸方向と平行な回転駆動軸であって、略円柱状に形成されている。主軸部601は、負圧経路25を構成する真空通路611を有している。本実施形態においては、主軸部601には、複数の吸着部21に対応して、複数の真空通路611が形成されている。すなわち、第一負圧経路251を構成する真空通路611である第一真空通路611aと、第二負圧経路252を構成する真空通路611である第二真空通路611bと、第三負圧経路253を構成する真空通路611である第三真空通路611cとが設けられている。第一真空通路611aは、主軸部601を軸方向(すなわち図中Z軸方向)に貫通する一本の空気通路として形成されている。同様に、第二真空通路611bおよび第三真空通路611cは、それぞれ、主軸部601を軸方向に貫通する、一本の空気通路として形成されている。第一真空通路611a、第二真空通路611b、および第三真空通路611cは、チャック2に接続された不図示の負圧供給切替装置によって、負圧の供給の有無が切り替えられるようになっている。
また、主軸部601は、流体経路26を構成する気体供給路612を有している。本実施形態においては、主軸部601には、複数の浸入抑制部23に対応して、複数の気体供給路612が形成されている。すなわち、主軸部601には、第一流体経路261を構成する気体供給路612である第一気体供給路612aと、第二流体経路262を構成する気体供給路612である第二気体供給路612bと、第三流体経路263を構成する気体供給路612である第三気体供給路612cとが設けられている。第一気体供給路612a、第二気体供給路612b、および第三気体供給路612cは、それぞれ、主軸部601を軸方向に貫通する一本の気体通路として形成されている。第一気体供給路612a、第二気体供給路612b、および第三気体供給路612cは、チャック2に接続された不図示の気体供給切替装置によって気体の供給の有無が切り替えられるようになっている。
また、主軸部601には、コンタクト電極22に給電する不図示の配線を挿通するための配線挿通孔613が設けられている。配線挿通孔613は、主軸部601を軸方向に貫通する貫通孔であって、面内方向における主軸部601の中心部に配設されている。
主軸部601は、回転支持部602によって、回転可能に支持されている。具体的には、主軸部601は、大径部614と小径部615とを有する段付き形状を有している。小径部615は、軸方向における主軸部601の先端部に設けられている。大径部614と小径部615との境界部、すなわち、大径部614の軸方向における先端には、面内方向に延設された円環状の平面であるフランジ当接面616が形成されている。回転支持部602は、大径部614を収容する筒状部621と、筒状部621の軸方向における先端部から内側に突設したフランジ部622とを有している。フランジ部622は、フランジ当接面616と当接するように設けられている。フランジ部622の内縁によって形成される円孔である主軸貫通孔623には、主軸部601における小径部615が挿通されている。
ウェハ保持部603は、チャック2における下端部に配置されている。ウェハ保持部603は、略平板状(すなわち具体的には略円板状)のベースプレート部631を有する板状に形成されている。ベースプレート部631は、一対の主面である、ベースプレート底面631aおよびベースプレート頂面631bを有している。ベースプレート底面631aは、第一流路部材604と接合されている。ベースプレート頂面631bから下方に向かって、中央突設部632および環状突設部633が突設されている。中央突設部632は、略円筒状の突設部であって、ベースプレート部631の面内方向における中心位置に配設されている。環状突設部633は、径方向における中央突設部632の外側に配設されている。ベースプレート部631と、中央突設部632と、環状突設部633とは、緻密なセラミックや合成樹脂等の絶縁性の剛性材料によって継ぎ目なく一体に形成されている。
本実施形態においては、中央突設部632と、3つの環状突設部633とが、図中Z軸正方向の視線で見た底面視にて同心円状に配置されている。すなわち、ウェハ保持部603には、3つの環状突設部633として、第一環状突設部633aと、第二環状突設部633bと、第三環状突設部633cとが設けられている。第一環状突設部633aは、3つの環状突設部633のうち、径方向における最も内側に配置されている。第三環状突設部633cは、3つの環状突設部633のうち、径方向における最も外側に配置されている。
中央突設部632の軸中心には、軸方向について互いに連通する電極貫通孔634および電極収容孔635が設けられている。電極貫通孔634および電極収容孔635は、内径が異なる円孔であって、同軸に形成されている。すなわち、電極貫通孔634は、コンタクト電極22を収容する段付き貫通孔における内径が小さい方の部分であって、チャック面20にて開口するように設けられている。電極貫通孔634は、コンタクト電極22における軸部221をガタ付きなく軸方向にスムーズにスライド可能に収容するように、軸部221の外径と所定の嵌め合い交差となる内径を有している。電極収容孔635は、コンタクト電極22を収容する段付き貫通孔における内径が大きい方の部分であって、ベースプレート底面631aにて開口するように設けられている。電極収容孔635は、コンタクト電極22における頭部222の外径よりも若干大きな内径を有している。電極貫通孔634および電極収容孔635は、第一環状突設部633aおよび第二環状突設部633bの周方向における所定位置にも、それぞれ1つずつ設けられている。
中央突設部632と第一環状突設部633aとの間、第一環状突設部633aと第二環状突設部633bとの間、および、第二環状突設部633bと第三環状突設部633cとの間には、環状凹部636が設けられている。すなわち、ウェハ保持部603には、3つの環状凹部636が、同心円状に形成されている。環状凹部636の底部からベースプレート底面631aに貫通するように、負圧経路25を構成する負圧伝達孔637が形成されている。負圧伝達孔637は、ベースプレート部631を厚さ方向に貫通する貫通孔である。具体的には、1つの環状凹部636に対して、複数の負圧伝達孔637が、周方向に等間隔に配設されている。中央突設部632と第一環状突設部633aとの間の環状凹部636には、第一吸着部211が嵌め込まれている。第一環状突設部633aと第二環状突設部633bとの間の環状凹部636には、第二吸着部212が嵌め込まれている。第二環状突設部633bと第三環状突設部633cとの間の環状凹部636には、第三吸着部213が嵌め込まれている。
第一流路部材604は、ウェハ保持部603の上方に配置されている。すなわち、第一流路部材604は、ウェハ保持部603と第二流路部材605との間に挟持されている。第一流路部材604は、緻密なセラミックや合成樹脂等の絶縁性剛性材料によって、図中Z軸方向に厚さ方向を有する平板状に形成されている。第一流路部材604は、一対の主面であるベースプレート対向面640aおよび流路部材接続面640bを有している。ベースプレート対向面640aは、ベースプレート底面631aと接合されている。
第一流路部材604には、ベースプレート対向面640aにてウェハ保持部603側に向かって開口する負圧伝達溝641が設けられている。負圧伝達溝641は、底面視にてリング状に形成されている。負圧伝達溝641は、径方向における負圧伝達孔637に対応する位置に配設されている。すなわち、負圧経路25を構成する負圧伝達溝641は、ウェハ保持部603と第一流路部材604とが接合された状態にて、負圧伝達孔637を介して環状凹部636すなわち吸着部21と連通するように設けられている。
本実施形態においては、3本の負圧伝達溝641が、同心円状に配置されている。3本の負圧伝達溝641のうちの最も内側のものは、3つの環状凹部636のうちの最も内側のものに対応して設けられている。同様に、3本の負圧伝達溝641のうちの中間位置のものは、3つの環状凹部636のうちの中間位置のものに対応して設けられている。また、3本の負圧伝達溝641のうちの最も外側のものは、3つの環状凹部636のうちの最も外側のものに対応して設けられている。負圧伝達溝641の周方向における所定位置から流路部材接続面640bに貫通するように、負圧導入孔642が形成されている。負圧経路25を構成する負圧導入孔642は、3本の負圧伝達溝641に対して、それぞれ1つずつ設けられている。
第一流路部材604には、また、ベースプレート対向面640aにてウェハ保持部603側に向かって開口する噴出気体伝達溝643が設けられている。噴出気体伝達溝643は、径方向における気体噴出路234に対応する位置に配設されている。すなわち、流体経路26を構成する噴出気体伝達溝643は、ウェハ保持部603と第一流路部材604とが接合された状態にて、気体噴出路234と連通するように設けられている。噴出気体伝達溝643は、周方向における気体噴出路234が設けられている範囲にわたって、底面視にて略C字状に形成されている。換言すれば、噴出気体伝達溝643は、周方向について、電極貫通孔634およびその近傍領域を避けて設けられている。
本実施形態においては、3本の噴出気体伝達溝643が、同心円状に配置されている。3本の噴出気体伝達溝643のうちの最も内側のものは、第一環状突設部633aに対応して設けられている。同様に、3本の噴出気体伝達溝643のうちの中間位置のものは、第二環状突設部633bに対応して設けられている。また、3本の噴出気体伝達溝643のうちの最も外側のものは、第三環状突設部633cに対応して設けられている。噴出気体伝達溝643の周方向における所定位置から流路部材接続面640bに貫通するように、噴出気体導入孔644が形成されている。流体経路26を構成する噴出気体導入孔644は、3本の噴出気体導入孔644に対して、それぞれ1つずつ設けられている。
第一流路部材604の周方向における所定位置、具体的には、ウェハ保持部603と第一流路部材604とが接合された状態における電極収容孔635に対応する位置には、軸方向について互いに連通するピン収容孔645およびピン貫通孔646が設けられている。ピン収容孔645およびピン貫通孔646は、内径が異なる円孔であって、同軸に形成されている。すなわち、ピン収容孔645は、導通ピン647を収容する段付き貫通孔における内径が大きい方の部分であって、ベースプレート対向面640aにてウェハ保持部603に向かって開口するように、ピン貫通孔646よりもウェハ保持部603側に配置されている。ピン収容孔645は、電極収容孔635と同径に形成されている。ピン貫通孔646は、導通ピン647を収容するにおける内径が小さい方の部分であって、流路部材接続面640bにて第二流路部材605に向かって開口するように設けられている。
導通ピン647は、軸方向について互いに連通するピン収容孔645およびピン貫通孔646により形成された段付き貫通孔内にて、軸方向に移動可能に収容されている。導通ピン647は、銅等の良導体金属によって、軸方向における中央部が太い段付き円柱状に形成されている。すなわち、導通ピン647は、ピン軸部647aと、ピン中央部647bと、接点形成部647cとを有している。ピン軸部647aは、導通ピン647の軸方向における基端側の細径部であって、ピン貫通孔646内にて軸方向に移動可能に挿通されている。ピン中央部647bは、導通ピン647の軸方向における中央部の太径部であって、ピン収容孔645内にて軸方向に移動可能に収容されている。接点形成部647cは、導通ピン647の軸方向における先端側の部分であって、ピン中央部647bからコンタクト電極22における頭部222に向かって軸方向に突設されている。ピン収容孔645とピン貫通孔646との段付き部と、ピン中央部647bとの間には、付勢バネ648が配設されている。付勢バネ648は、ピン軸部647aの周囲に巻回されたコイルバネであって、導通ピン647をコンタクト電極22に向かって付勢することで導通ピン647とコンタクト電極22との接点導通を形成するように構成されている。
第二流路部材605は、第一流路部材604の上方に配置されている。すなわち、第二流路部材605は、第一流路部材604と主軸部601との間に挟持されている。第二流路部材605は、緻密な金属材料によって、図中Z軸方向に厚さ方向を有する平板状に形成されている。第二流路部材605は、一対の主面である流路接合面650aおよび主軸接合面650bを有している。流路接合面650aは、流路部材接続面640bと接合されている。主軸接合面650bは、主軸部601の底面と接合されている。
第二流路部材605には、負圧経路25を構成する負圧接続通路651と、流体経路26を構成する気体接続通路652とが形成されている。負圧接続通路651は、第一流路部材604と第二流路部材605と主軸部601とをこの順に積層しつつ接合した積層接合状態で、負圧導入孔642と真空通路611とを接続するように設けられている。気体接続通路652は、上述の積層接合状態で、噴出気体導入孔644と気体供給路612とを接続するように設けられている。
第二流路部材605には、また、軸方向について互いに連通する空間である配線貫通部653と配線収容部654とが形成されている。配線貫通部653は、上述の積層接合状態で配線挿通孔613と連通するように、第二流路部材605の径方向における中心部に配設されている。具体的には、配線貫通部653は、配線挿通孔613と同径の円孔状に形成されている。配線収容部654は、流路接合面650aにて第一流路部材604に向かって開口する凹部であって、複数のピン貫通孔646の全てと連通するように設けられている。配線貫通部653および配線収容部654は、コンタクト電極22に給電する不図示の配線を収容可能に設けられている。
本実施形態は、保持対象である半導体ウェハのサイズに応じて、複数の真空通路611の各々への負圧の供給の有無を切り替える。具体的には、例えば、4インチウェハの場合、第一真空通路611aへの負圧の供給のみが行われ、第二真空通路611bおよび第三真空通路611cへの負圧の供給は遮断される。これにより、4インチウェハに対向する第一吸着部211のみにて吸着力が生じる。一方、ウェハ保持状態にて4インチウェハには対向せず電解液Sに露出する第二吸着部212および第三吸着部213においては、吸着力発生のための負圧が生じない。このため、電解液Sが第二吸着部212および第三吸着部213に浸透して真空通路611に浸入することが、良好に回避され得る。これに対し、例えば、6インチウェハの場合、第一真空通路611aおよび第二真空通路611bへの負圧の供給のみが行われ、第三真空通路611cへの負圧の供給は遮断される。これにより、6インチウェハに対向する第一吸着部211および第二吸着部212のみにて吸着力が生じる。一方、ウェハ保持状態にて6インチウェハには対向せず電解液Sに露出する第三吸着部213においては、吸着力発生のための負圧が生じない。このため、電解液Sが第三吸着部213に浸透して真空通路611に浸入することが、良好に回避され得る。
本実施形態は、保持対象である半導体ウェハのサイズに応じて、複数の気体供給路612の各々への気体の供給の有無を切り替える。具体的には、例えば、6インチウェハの場合、第二気体供給路612bへの気体の供給のみが行われ、第一気体供給路612aおよび第三気体供給路612cへの気体の供給は遮断される。これにより、6インチにおけるウェハ端に対向する第二浸入抑制部237にて、半導体ウェハの裏面とチャック面20との間への電解液Sの浸入を抑制するための気体の噴出が行われる。一方、ウェハ端よりも径方向における内側の第一浸入抑制部236においては、気体の噴出は行われない。このため、第一浸入抑制部236による気体噴射で半導体ウェハがチャック面20から剥離される方向の力を受けることが良好に回避され、以て半導体ウェハの保持状態が良好に維持され得る。また、ウェハ端よりも外側の第三浸入抑制部238における気体の噴出は行われない。このため、電解液Sの不用意な泡立ちや、噴出気体が酸素を含む場合(例えば空気)における電解液Sの酸化による劣化の進行が、良好に抑制され得る。
本実施形態は、保持対象である半導体ウェハのサイズに応じて、複数のコンタクト電極22への通電状態を切り替える。具体的には、4インチウェハの場合、ウェハ裏面に当接する、中央突設部632に設けられたコンタクト電極22には、被加工物Wから対向部材3に向かう電流を通流させるための加工電圧が印加される。一方、電解液Sと接触し得る、第一環状突設部633aおよび第二環状突設部633bに設けられたコンタクト電極22には、加工電圧が印加されない。また、6インチウェハの場合、ウェハ裏面に当接する、中央突設部632および第一環状突設部633aに設けられたコンタクト電極22には、加工電圧が印加される。一方、電解液Sと接触し得る、第二環状突設部633bに設けられたコンタクト電極22には、加工電圧が印加されない。さらに、8インチウェハの場合、ウェハ裏面に当接するすべてのコンタクト電極22、すなわち、中央突設部632、第一環状突設部633a、および第二環状突設部633bに設けられたコンタクト電極22に、加工電圧が印加される。このため、加工中のコンタクト電極22の酸化を回避しつつ、半導体ウェハに対する可能な限り均一な通電を行うことが可能となる。
本実施形態においては、コンタクト電極22を軸方向に沿って摺動可能に収容するウェハ保持部603、および、導通ピン647を軸方向に沿って移動可能に収容する第一流路部材604は、絶縁体によって形成されている。このため、チャック2は、いわゆる絶縁チャックとして構成されている。したがって、チャック2における、作業員の手指が接触する可能性がある外表面と荷電部分との間の絶縁性が、良好に維持され得る。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。故に、上記実施形態に対しては、適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態との相違点を主として説明する。また、上記実施形態と変形例とにおいて、互いに同一または均等である部分には、同一符号が付されている。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的矛盾または特段の追加説明なき限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
本発明は、上記実施形態にて示された例示的な装置構成に限定されない。すなわち、図1~図9は、本発明に係る表面加工装置1、および、これにより実施可能な表面加工方法の概要を簡易に説明するための、簡素化された概略図である。したがって、実際に製造販売される表面加工装置1の構成は、必ずしも、図1~図9に示された例示的な構成と一致するとは限らない。また、実際に製造販売される表面加工装置1の構成は、図1~図9に示された例示的な構成から適宜変更され得る。加工対象も半導体ウェハには限定されない。
例えば、図1~図9に示された例示的な構成においては、チャック2が対向部材3の上方に位置していた。しかしながら、本発明は、かかる構成に限定されない。すなわち、例えば、チャック2が対向部材3の下方に位置していてもよい。この場合、上記各実施形態における上下関係の記述は、逆転される。また、チャック面20および加工面301は、水平面あるいは鉛直面と平行ではなくてもよく、これらに対して傾斜していてもよい。また、電解液Sは、容器内に貯留されるのではなく、ノズルにより噴射されてもよい。
電解液Sは、エッチャント成分を含んでいてもよい。すなわち、本発明に係る表面加工装置1、および、これにより実施可能な表面加工方法は、陽極酸化により生じた酸化膜をエッチャントおよび対向部材3の双方を用いて選択的に除去することで、被加工面W1を研磨あるいは研削するものであってもよい。
吸着部21は、いわゆる静電吸着方式により被加工物Wを吸着する構成を有していてもよい。すなわち、本発明は、被加工物Wを負圧により吸着する構成に限定されない。浸入抑制部23にて噴出する気体の種類についても、特段の限定はないが、電解液Sの酸化あるいは還元による劣化が生じにくいもの(例えばアルゴン等の不活性ガスや窒素等)であることが好適である。
対向部材3も、上記実施形態にて示された例示的な構成に限定されない。具体的には、砥石層302に含有される砥粒の種類等についても、特段の限定はない。また、砥石層302と対向電極層303とは、対向部材3の厚さ方向に接合されていなくてもよい。より詳細には、例えば、砥石部と対向電極部とが、対向部材3の厚さ方向と直交する面内方向に隣接配置していてもよい。すなわち、対向部材3がチャック2に対して相対的に回転あるいは移動することで、被加工面W1における特定の部分に対して、砥石部と対向電極部とが時間的に交互に対向するように、表面加工装置1が構成され得る。あるいは、対向電極部は、砥石部とは別体のものであってもよい。すなわち、被加工面W1における全体あるいは特定の部分に対して、対向電極部と砥石部とが時間的に交互に対向するように、表面加工装置1が構成され得る。
本発明は、砥石層302を用いない、いわゆる電解研磨にも適用可能である。この場合、対向部材3は、いわゆる対向電極としての機能を有する。また、本発明は、いわゆるCMPにも適用可能である。CMPはChemical Mechanical Polishingの略である。但し、対向部材3と被加工物Wとの間を通電する平坦化(すなわち電解研磨やECMP等を含む)の場合、被加工面W1の裏面である被吸着面W2に電解液Sが回り込むと、被吸着面W2やコンタクト電極22にて酸化物が発生する。これにより、被吸着面W2における平面度が低下して被加工物Wの形状が崩れたり、酸化物により電気抵抗が上昇することで通電不良が生じたりするという顕著な不具合が生じる。この点で、単なる機械研磨やCMPにおける、被加工面W1の裏面への加工液の回り込みによる生じ得る不具合とは、不具合の程度が大きく異なる。このため、本発明は、電解研磨やECMP等のような、対向部材3と被加工物Wとの間を通電する平坦化において、特に有効である。
図9に示された、異なるサイズすなわち外径の被加工物Wに対して良好に対応可能な構成は、3種類のサイズに対応するものに限定されない。すなわち、2種類のサイズに対応する構成や、4種類以上のサイズに対応する構成も実現可能である。また、図9に示された、ウェハサイズに応じて負圧等の供給態様を切り替える構成は、浸入抑制部23にて電解液Sを吸引する構成にも適用され得る。具体的には、第一浸入抑制部236、第二浸入抑制部237、および第三浸入抑制部238の各々に対する、電解液Sの吸引のための吸引力の供給の有無が、ウェハサイズに応じて切り替えられ得る。
上記の説明において、互いに継ぎ目無く一体に形成されていた複数の構成要素は、互いに別体の部材を貼り合わせることによって形成されてもよい。同様に、互いに別体の部材を貼り合わせることによって形成されていた複数の構成要素は、互いに継ぎ目無く一体に形成されてもよい。また、上記の説明において、互いに同一の材料によって形成されていた複数の構成要素は、互いに異なる材料によって形成されてもよい。同様に、互いに異なる材料によって形成されていた複数の構成要素は、互いに同一の材料によって形成されてもよい。
上記実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、構成要素の個数、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数値に限定される場合等を除き、その特定の数値に本発明が限定されることはない。同様に、構成要素等の形状、方向、位置関係等が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に特定の形状、方向、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、方向、位置関係等に本発明が限定されることはない。
変形例も、上記の例示に限定されない。すなわち、例えば、上記に例示した以外で、複数の実施形態同士が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。同様に、複数の変形例が、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わされ得る。
1 表面加工装置
2 チャック
21 吸着部
23 浸入抑制部
3 対向部材
5 電圧印加部
W 被加工物
W1 被加工面
W2 被吸着面
W3 外縁部

Claims (6)

  1. 平板状の被加工物(W)における一対の主面のうちの一方である被加工面(W1)を平坦化する、表面加工装置(1)であって、
    前記被加工物における前記一対の主面のうちの他方である被吸着面(W2)を吸着することで、前記被加工物を、前記被加工面を露出させつつ保持するように構成されたチャック(2)と、
    前記チャックに保持された前記被加工物における前記被加工面に対向配置される対向部材(3)と、
    電解液(S)の存在下で、前記対向部材側を陰極とし前記被加工物側を陽極として電流を印加するように設けられた電流印加部(5)と、
    を備え、
    前記チャックは、
    前記被吸着面と当接することで前記被吸着面を吸着するように構成された吸着部(21)と、
    前記被吸着面に沿った面内方向における前記被加工物の外縁部(W3)に対応する位置にて、前記電解液を吸引または気体を噴出することで、前記被吸着面と前記チャックとの隙間への前記電解液の浸入を抑制するように、前記面内方向における前記吸着部の外側に設けられた浸入抑制部(23)と、
    を備えた、
    表面加工装置。
  2. 前記吸着部は、負圧経路(25)に接続されることで、前記被吸着面を負圧により吸着するように設けられ、
    前記浸入抑制部と、前記吸着部および前記負圧経路とは、相互の流体の授受が遮断されるように設けられた、
    請求項1に記載の表面加工装置。
  3. 前記吸着部は、前記被吸着面との接触により前記被加工物と導通する導電体によって形成された、
    請求項2に記載の表面加工装置。
  4. 前記チャックは、
    前記被吸着面が前記吸着部に吸着された状態で、前記被吸着面に当接することで前記被加工物との導通が形成されるように、前記面内方向における前記吸着部の内側に設けられたコンタクト電極(22)をさらに備えた、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の表面加工装置。
  5. 前記チャックは、
    前記被加工物における第一の外径に対応して設けられた前記吸着部である第一吸着部(211)と、
    前記被加工物における前記第一の外径に対応して、前記面内方向における前記第一吸着部の外側に設けられた前記浸入抑制部である第一浸入抑制部(234)と、
    前記被加工物における前記第一の外径よりも大きな第二の外径に対応して、前記面内方向における前記第一吸着部および前記第一浸入抑制部の外側に設けられた前記吸着部である第二吸着部(212)と、
    前記被加工物における前記第二の外径に対応して、前記面内方向における前記第一浸入抑制部および前記第二吸着部の外側に設けられた前記浸入抑制部である第二浸入抑制部(235)と、
    を備えた、
    請求項1~4のいずれか1つに記載の表面加工装置。
  6. 前記被加工物は、半導体ウェハであり、
    前記対向部材は、前記電解液の存在下で前記被加工面を陽極酸化しつつ、前記被加工面に生成した酸化物を選択的に除去するように設けられた、
    請求項1~5のいずれか1つに記載の表面加工装置。
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