JP2023105665A - 部材 - Google Patents

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昭仁 野口
Akihito Noguchi
直也 岡本
Naoya Okamoto
孝明 福島
Takaaki Fukushima
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Abstract

【課題】平面状あるいは曲面状の意匠面において意匠性を高めた部材を提供すること。【解決手段】平面状あるいは曲面状の意匠面を含む樹脂成形品は、一定の幅の隙間を空けて並列する凸状の畝1Rの組合せが複数形成された所定形状の第1領域11が意匠面に設けられ、意匠面では、頂点13を共有する少なくとも12個の第1領域11が設けられており、凸状の畝1Rの態様が異なるいずれか2つの第1領域11が、頂点13を起点として外周側に向かって延びる仮想的な直線Lを介して隣接して配置され、これにより、頂点13を中心とした全周に亘って隙間なく第1領域11が配置された第2領域12が形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、意匠面を含む部材に関する。
従来、例えば自動車のシフトレバー装置のアッパーハウジング、コンソールボックス、インストルメントパネル等の内装部品として用いられる樹脂成形品としては、表面にシボ模様等の模様が形成された樹脂成形品が多く知られている。シボ模様は、例えば、樹脂成形金型に設けられた成形面の模様を転写させることで形成される(例えば、特許文献1参照。)。金型の成形面の模様は、例えば、薬品を用いたエッチングによるシボ加工によって形成される。
エッチングによるシボ加工によれば、なだらかに連続する微細な凹凸面よりなる模様を、金型の成形面に設けることができる。この金型による樹脂成形品には、成形面の模様が転写され、なだらかな凹凸面によるシボ模様が形成される。樹脂成形品のこのようなシボ模様は、凹凸面に入射した光を多方向に分散するため、艶消しの模様となる。
特開2000-025046号公報
しかしながら、上記のように形成できる樹脂成形品のシボ模様は、面性状の変化に乏しく、それ故、デザインの多様化のニーズに十分に応えることが困難であるという問題がある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、平面状あるいは曲面状の意匠面において意匠性を高めた部材を提供しようとするものである。
本発明は、平面及び曲面の少なくともいずれかにより構成された意匠面を含む部材であって、
一定の幅の隙間を空けて並列する凸状の畝あるいは凹状の溝の組合せが複数形成された所定形状の第1の領域が前記意匠面に設けられ、
当該意匠面では、頂点を共有する少なくとも3つの第1の領域が設けられており、
当該少なくとも3つの第1の領域のうち、前記凸状の畝あるいは凹状の溝の態様が異なるいずれか2つの第1の領域が、前記頂点を起点として外周側に向かって延びる所定形状の線を介して隣接して配置され、これにより、当該頂点を中心とした全周に亘って隙間なく第1の領域が配置された第2の領域が形成されていることを特徴とする部材にある。
本発明の部材は、一定の幅の隙間を空けて並列する凸状の畝あるいは凹状の溝の組合せが複数形成された所定形状の第1の領域が設けられた意匠面を有している。この意匠面では、頂点を中心として全周に亘って少なくとも3つの第1の領域が隙間なく配置された第2の領域が形成されている。第2の領域において隣接する2つの第1の領域は、凸状の畝あるいは凹状の溝の態様が異なっている。
第2の領域においては、頂点を中心として周方向において、第1の領域の凸状の畝あるいは凹状の溝の態様が切り替わり、この切り替わりによって意匠面に陰影あるいは明暗を付与することが可能となっている。本発明に係る部材は、陰影あるいは明暗のある意匠面を有し、高い意匠性を呈するものである。
実施例1における、樹脂成形品の斜視図。 実施例1における、樹脂成形品の上面の一部の拡大図。 実施例1における、成形型の斜視図。 実施例1における、成形面の断面図。 実施例1における、模様の説明図。 実施例1における、模様が光を反射する様子の説明図。 実施例1における、樹脂成形品の上面を撮影した写真(一部拡大)。 実施例1における、樹脂成形品の上面のうち、曲面部分を撮影した写真。 実施例2における、模様その1の説明図。 実施例2における、模様その2の説明図。 実施例2における、模様その3の説明図。 実施例2における、模様その4の説明図。 実施例3における、模様の説明図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、平面状あるいは曲面状の意匠面を含む部材の一例をなす樹脂成形品1に関する例である。本例の樹脂成形品1について、図1~図8を参照して説明する。
樹脂成形品1は、車両用のシフトレバー装置(図示略)のアッパーハウジングをなす部材である。樹脂成形品1は、略長方形状の正面形状を呈すると共に、外周を取り巻く側壁18を有している。シフトレバー装置が車両側に取り付けられたとき、樹脂成形品1の上面1Sが車室側に露出すると共に、周囲と面一をなすか、あるいは周囲よりも奥まった位置となる。それ故、樹脂成形品1の側壁18は、車両の乗員から見えないようになる。樹脂成形品1の上面1Sは、車室内を装飾する意匠面となっている。以下、樹脂成型品1の上面を、意匠面1Sという。
組立状態のシフトレバー装置(図示略)では、車両のドライバーが操作するシフトレバーが、アッパーハウジングである樹脂成形品1の内周側に設けられたレバー貫通孔10に貫通配置される。レバー貫通孔10は、車両の前後方向に沿うシフト方向、及び車幅方向に沿うセレクト方向に、シフトレバーを操作可能なように設けられた矩形状の開口部である。樹脂成形品1では、このレバー貫通孔10に対して車幅方向に隣り合う位置に、細長いインジケータ窓101が設けられている。このインジケータ窓101は、パーキングレンジ、ドライブレンジ、ニュートラルレンジ、リバースレンジなどのシフトレンジの配置を表示するためのインジケータパネル(図示略)を見込むための開口部である。
樹脂成形品1は、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ASA樹脂等の樹脂材料の成形品である。本例の樹脂材料は、例えば黒色の顔料等の着色剤を混練した着色樹脂材料である。この樹脂材料よりなる本例の樹脂成形品1は、無塗装の状態で黒色を呈する。
樹脂成形品1の表面のうち、意匠面1Sには、図2の模様100が全域に亘って形成されている。この模様100は、様々な方向の凸状の畝1Rにより形成される模様である。なお、図2は、図1において円形状の破線で示す領域19の拡大図である。凸状の畝1Rによる模様100は、樹脂成形品1の成形に用いられる成形型4(図3参照。)の成形面40の模様に対応しており、樹脂成形の際に形成される。
ここで、樹脂成形品1の成形型4について説明する。成形型4(図3)は、金属製の上型42と下型41との組合せよりなる型である。成形型4では、上型42と下型41とを型締めした状態で、溶融状態の樹脂材料を内部に流し込むための孔(図示略)が設けられている。型締め状態の成形型4の内部に樹脂材料を射出することで、樹脂成形品1を成形できる。なお、下型41が、樹脂成形品1の上面に当たる意匠面1S側の形状を成形する型である。上型2が、樹脂成形品1の裏面側の形状を成形する型である。図3に例示の成形型4では、裏表逆さまの状態で樹脂成形品1が成形される。
下型41の成形面40には、樹脂成形品1の意匠面1Sの模様100(図2)に対応する模様が設けられている。下型41の成形面40の模様は、様々な方向の溝4Tによる模様である。成形面40の溝4T(図4)は、例えばレーザー加工により形成される断面くさび状の溝4Tである。樹脂成形品1の意匠面1Sの模様100(図2参照。)をなす凸状の畝1Rは、この断面くさび状の溝4Tに対応して形成され、断面三角形状を呈する。成形面40の溝4Tの深さDは、およそ10μmである。溝4Tの形成幅Wは、50μmである。
下型41の成形面40は、切削加工に続いて鏡面仕上げのための研磨加工が施された後、溝4Tを形成するためのレーザー加工が施された面である。この成形面40によって成形される樹脂成形品1の意匠面1Sは、凸状の畝1Rと光沢面118(図6)とにより構成された表面となる。
樹脂成形品1の意匠面1Sは、畝1Rの形成パターンよりなる模様100により、立体感が演出されて美観が高められた意匠面となっている。この模様は、図5のごとく、畝1Rの方向が異なる複数の領域の組み合わせによる模様である。模様の最小単位は、一定の方向に沿って畝1Rが並設された第1領域(第1の領域の一例。)11である。畝1Rの方向が異なる複数種類の第1領域11の組み合わせにより第2領域(第2の領域の一例)12が形成されている。樹脂成形品1の意匠面1Sの模様は、同一パターンの第2領域12を隙間なく組み合わせた繰り返しパターンの模様である。図5中では、隣接する2箇所の第2領域12の形状を、図面中の上部に抜き出して示している。
第1領域11(図5)は、30度の角を含む直角三角形である。第1領域11では、一定の幅の隙間を空けて2本の畝1Rが隣り合うように多数の畝1Rが並列していると共に、2本の畝1Rが隣り合う全ての組合せについて、隙間の幅が等しくなっている。第1領域11では、全域に亘って、直線的な畝1Rが互いに平行をなすように一定のピッチ(等間隔)で設けられている。畝1Rの高さは、上記の成形面40の溝4T(図4参照。)のおよそ10μmの深さDに対応して高さ10μmとなっている。畝1Rの形成幅は、成形面40の溝4Tの50μmの形成幅Wに対応して幅50μmとなっている。なお、並列する畝1Rのピッチは、およそ200μmとなっている。溝4Tの形成幅Wが50μであるので、互いに平行をなし隣り合う畝1Rの隙間の幅は150μmとなっている。
第2領域12(図5)は、頂点13を共有する12ピースの第1領域11が、全体として正六角形(正多角形状の一例)をなすように組み合わせられた領域である。第2領域12では、畝1Rの形成方向が異なる2つの第1領域11が、頂点13を起点とする所定形状の線の一例である仮想的な直線Lを介して隣接して配置されている。これにより、第2領域12では、頂点13を中心とした全周に亘って隙間なく第1領域11が配置されている。
第2領域12に属する12ピースの第1領域11には、畝1Rの形成方向が同じ同種の第1領域11が2ピースずつ含まれている。第2領域12では、周方向に隣り合う2つの第1領域11が異なる種類となると共に、正六角形の中心と正六角形の頂点13を起点とする仮想的な直線Lを介して線対称をなすように6種12ピースの第1領域11が配置されている。ここで、同じ種類の第1領域11とは、畝1Rの形成方向が同じであることを意味している。異なる種類の第1領域11とは、畝1Rの形成方向が異なることを意味している。第2領域12には、6方向の直線的な畝1Rが含まれている。
樹脂成形品1の意匠面をなす意匠面1Sでは、正六角形の1辺を介して2つの第2領域12が隣接するよう、第2領域12が隙間なく配置されて模様100が形成されている。この模様100では、2つの第2領域12が隣接する箇所において、同じ種類の第1領域11が、その直角三角形の1辺を介して隣接している。隣接する同じ種類の第1領域11は、一体的となり、第2領域12の境界を越えて単一の領域を形成するように目視される。
次に、樹脂成形品1の意匠面1Sに形成された模様100がなす視覚的効果について説明する。上記のように、樹脂成形品1の意匠面1Sの模様は、直線的な畝1Rの形成方向が異なる6種類12ピースの第1領域11の組合せよりなる第2領域12(図5)が隙間なく配置された模様である。
図6に示す通り、この模様100が形成された樹脂成形品1の意匠面1Sは、凸状の畝1Rと、互いに平行をなす畝1R間の光沢面118と、により構成されている。ここで、光沢面118は、鏡面加工が施された成形型4の成形面40により成形される平滑度の高い表面である。図6中の視点Aから意匠面1Sを見込むとき、畝1Rの両側の斜面や、畝1R間の光沢面118などで、光が反射する方向が異なってくる。
意匠面1Sでは、視点の位置に応じて、畝1Rの斜面が強く光を反射するか、光沢面118が強く光を反射するか、の入れ替わりが生じる。さらに、畝1Rが光を反射する場合、畝1Rの斜面の向きが第1領域11の種類に応じて異なるため、いずれの第1領域11の畝1Rが強く光を反射するかが、視点の位置に応じて入れ替わる。また、光沢面118が強く光を反射する場合には、畝1Rの方向に応じて視点から光沢面118を見込むことができるか否か、すなわち第1領域11の種類に応じて光沢面118による反射光が視点に入射するか否か、が入れ替わることがある。このような場合、第1領域11の種類毎に明暗の差が生じることになる。
このように、樹脂成形品1の意匠面1Sでは、第1領域11の種類毎に反射光の強度に差が生じる。つまり、意匠面1Sでは、第1領域11の種類毎に明るさのコントラストが生じ、パッチワークのごとく領域毎の陰影あるいは明暗が生じる。これにより第2領域12に属する領域(第1領域11)間で濃淡あるいは明暗が生じ、図7に例示するように模様100に立体感が生じ得る。
さらに例えば、視点がAからBに移動すれば(図6参照。)、各領域について、光を反射する度合いが変動し、これにより、第2領域12に属する各領域(第1領域11)の濃淡あるいは明暗が変化する。領域毎の濃淡あるいは明暗が変化すれば、それに応じて模様100の立体感の変化という視覚的効果が生じる。
さらに、本例の樹脂成形品1では、意匠面1Sが平坦ではなく、上下端の縁部に曲面が設けられている。曲面では、位置に応じて、複数種類の第1領域1のうち、光を強く反射する種類が入れ替わったり、畝1Rと光沢面118のうちのいずれが光を強く反射するかが入れ替わったりする。そのため、図8(a)、(b)の写真のように、曲面においては、位置に応じて、複数種類の第1領域11のうち、最も明るくなる種類や暗くなる種類が異なってくる。それ故、曲面では、一層複雑な陰影あるいは明暗が生じ、多彩な視覚的効果が生じている。
このように本例の樹脂成形品1は、意匠面1Sの模様100が変化に富む多彩な視覚的効果を生じさせるものであり、優れた美観を奏する。特に、本例では、畝1Rの方向が異なる第1領域11を組み合わせることで、模様に立体感を生じさせている。この模様は、第1領域11の組合せよりなる第2領域12を隙間なく配置した繰り返し模様となっており、整然と配列された美しさを観者に感じさせるものである。この模様100は、領域毎の陰影あるいは明暗が生じ、この陰影あるいは明暗に応じて立体感が生じるものである。さらに、模様100を見込む方向によって陰影あるいは明暗に変化が生じ、これにより立体感が変化し得る。この模様100によれば、見込む方向に応じて変化に富む多彩な視覚的効果を発生させることができる。さらに、曲面など、模様100が付された面の傾きに変化がある表面においては、位置毎に異なる視覚的効果を演出できる。
このように、本例の樹脂成形品1の意匠面1Sは、塗装や表面処理等の作業工程を必要とすることなく、表面に視覚的な効果を生じ得る。それ故、この樹脂成形品1は、生産コストを抑えながら、高い意匠性を呈する優れた製品となっている。本例の樹脂成形品1は、黒色の着色樹脂材料による成形品であるため、塗装を必要としない。
意匠面1Sに設けられた微細な畝1Rは、畝1Rと畝1Rとの間の光沢面118に対する指紋の付着や、引っ掻き等の傷付き、等を未然に防止する効果を奏する。それ故、畝1Rを設けた意匠面では、長くその美感を維持できる。
本例では、樹脂成形品1として、シフトレバー装置用のアッパーハウジングを例示している。これに限らず、コンソールボックス、インストルメントパネル等の車両用の内装部材や、グリル、ホイールキャップ等の車両用の外装部材等の車両用の加飾部品に用いられる樹脂成形品であっても良い。さらに、車両用の加飾部品の他、家電製品、OA機器、家具等、種々の加飾部品に用いられる樹脂成形品であっても良い。また、樹脂材料には、黒色以外の着色樹脂材料を用いてもよい。意匠面の表面形状は、平面に限らず、凸状の曲面、凹状の曲面でもよいし、凸状あるいは凹状の段差を含んでいても良い。また、意匠面の全面ではなく、一部に畝1Rよりなる模様を設けることも良い。また、畝1Rの断面形状は、山形形状の他、半円形状、台形形状等であっても良い。
成形型4の成形面40に溝4Tを設ける加工方法として、本例ではレーザー加工を例示している。レーザー加工に代えて、例えば、彫刻、切削加工等により溝4Tを形成しても良い。また、樹脂成形品1の樹脂成形方法としては、本例の射出成形のほか、例えば、ブロー成形、圧縮成形等の成形方法を採用することも良い。
本例では樹脂成形品1の表面に凸状の畝1Rを設けることで視覚的効果を高めているが、凸状の畝1Rに代えて凹状の溝を設けることも良い。凹状の溝によっても本例と同様の視覚的効果を生じさせることが可能である。ただし、意匠面への指紋の付着等を防止する効果については、畝1Rの方が高い防汚効果を期待できる。
なお、本例では、光を反射する斜面により形成された畝1Rを採用している。これに代えて、光を分散し、光の反射率が低い畝1Rや溝を採用しても良い。
本例では、畝1Rの形成幅を50μmとしている。畝1Rの形成幅は、畝1Rの延長方向から見込んだときに視認し難くなる幅が良く、10~200μmとすると良い。10μm未満であると、畝1Rの傾斜面での光の反射が視認され難くなるおそれがある。200μmを超えると、畝1Rが線として視認されやすくなり、従来の線模様との見栄えの違いが少なくなってしまうおそれがある。好ましくは、畝1Rの形成幅を50μm±20μmとすると良い。畝1Rの形成幅が50μm±20μmであれば、畝1Rの延長方向から畝1Rを見込んだときに線として視認され難くなり、同じ方向に並んだ畝1Rの領域が一つの面であるかのように視認されるという効果が得られる。
本例では、互いに平行をなす畝1R間の隙間の幅を150μmとしている。隙間の幅は、20~800μmとすると良い。20μm未満であると、隣り合う畝1R間の平面部の幅が減少して光が反射する光沢面が減少するため、明暗差が減少して立体感が視認され難くなるおそれがある。800μmを超えると、平面部の幅が増大し、光を反射する光沢面が過多となるため、単なる光沢意匠と認識されてしまうおそれがある。畝1R間の隙間の幅の範囲の最大値は、好ましくは、150μmとすると良い。隙間の幅が150μm以下であれば、平面部の幅により、適度に光が反射する光沢面を確保できるため、明暗差もバランス良く、立体感が視認されやすくなるという効果が得られる。
本例では、畝1Rの高さを10μmとしている。畝1Rの高さは、2μm~30μmとすると良い。2μm未満であると、畝1Rによる反射面が小さくなり、平面部と傾斜面との反射差が減少するため、立体感が視認され難くなるおそれがある。30μmを超えると、樹脂成形の離型性に悪影響が及ぶおそれがある。好ましくは、畝1Rの高さを5μm~25μmとすると良い。畝1Rの高さが5μm~25μmであれば、凹凸斜面の角度が適度になり、平面部と傾斜面との反射差を確保できるため、立体感が視認されやすくなり、樹脂成形の離型性を良好にできるという効果が得られる。
本例では、金属製の成形型4を例示したが、樹脂製の成形型を利用することも良い。
(実施例2)
本例は、実施例1に基づき、模様100のパターンを変更した例である。この内容について、図9~12を参照して説明する。
図9は、正三角形状の第1領域11を6つ組み合わせた正六角形状の第2領域12よりなる模様100の例である。この模様100では、6つの第1領域11により頂点13が共有され、頂点を中心として全周に亘って隙間なく第1領域11が配置されている。
さらに、同図の第1領域11では、互いに並行をなす畝1R間の隙間の幅が一定ではなく、頂点13に近いほど狭く、頂点13から遠くなるほど広くなっている。このような畝1R間の隙間の設定により、頂点13に集中するような視覚的効果が生じている。隙間の幅は、最も狭い箇所で70μmであり、最も広い箇所で240μmである。
図10は、図9に基づき、第1領域11における畝1R間の隙間の設定を変更した例である。同図の各第1領域11では、図9と同様、互いに並行をなす畝1R間の隙間の幅が一定ではない。第1領域11における畝1R間の隙間の幅は、頂点13に近いほど広く、頂点13から遠くなるほど狭くなっている。図10では、頂点13が位置する中心を取り囲むような視覚的効果が生じている。隙間の幅は、最も狭い箇所で70μmであり、最も広い箇所で240μmである。
図11は、直角二等辺三角形状の第1領域11を4つ組み合わせた正方形状(正四角形状)の第2領域12よりなる模様100の例である。この模様100では、4つの第1領域11により頂点13が共有され、頂点を中心として全周に亘って隙間なく第1領域11が配置されている。図9の模様100と同様、第1領域11における畝1R間の隙間の幅は一定ではなく、頂点13に近いほどこの幅が狭く、頂点13から遠くなるほどこの幅が広くなっている。隙間の幅は、最も狭い箇所で70μmであり、最も広い箇所で200μmである。
図12は、図11に基づき、第1領域11における畝1R間の隙間の設定を変更した例である。この模様では、図10の模様100と同様、第1領域11における畝1R間の隙間の幅は一定ではなく、頂点13に近いほどこの幅が広く、頂点13から遠くなるほどこの幅が狭くなっている。隙間の幅は、最も狭い箇所で70μmであり、最も広い箇所で200μmである。
なお、第2領域12の形状としては、三角形状や五角形状など、多角形状であれば良い。
その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、実施例1に基づき、第2領域12において、2つの第1領域11を区画する線(隣接する線)の形状が曲線状である模様100の構成例である。
図13のごとく、本例の模様100では、第2領域12が正方形状を呈している。第2領域12では、頂点13を中心として全周に亘って隙間なく4つの第1領域11が配置されている。第2領域12において、隣接する第1領域11を区画する仮想的な曲線L(所定形状の線の一例。)は、正弦波の正負が反転するゼロクロス点から正または負の極値点に至るまでの1/4周期分の波形のごとき曲線である。
この模様100では、曲線状の畝1Rが採用されている。畝1Rは、正方形状の第2領域12の頂点15を中心とした円弧状をなしている。2つの第2領域12が隣接する箇所において、異なる第2領域12に属する一方、同じ種類である2つの第1領域11が隣接している。ここで、本例における第1領域11の種類が同じとは、円弧状の畝1Rの中心(頂点15)が同じであることを意味し、第1領域11の種類が異なるとは、円弧状の畝1Rの中心(頂点15)が異なることを意味する。
畝1Rの形状は、本例の円弧状に代えて、様々な曲線形状を採用できる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 樹脂成形品(部材)
1R 畝
1S 意匠面(上面)
11 第1領域(第1の領域)
118 光沢面
12 第2領域(第2の領域)
13 頂点
15 頂点
100 模様
4 成形型
4T 溝
40 成形面
41 下型
42 上型
L 直線、曲線(所定形状の線)

Claims (6)

  1. 平面及び曲面の少なくともいずれかにより構成された意匠面を含む部材であって、
    一定の幅の隙間を空けて並列する凸状の畝あるいは凹状の溝の組合せが複数形成された所定形状の第1の領域が前記意匠面に設けられ、
    当該意匠面では、頂点を共有する少なくとも3つの第1の領域が設けられており、
    当該少なくとも3つの第1の領域のうち、前記凸状の畝あるいは凹状の溝の態様が異なるいずれか2つの第1の領域が、前記頂点を起点として外周側に向かって延びる所定形状の線を介して隣接して配置され、これにより、当該頂点を中心とした全周に亘って隙間なく第1の領域が配置された第2の領域が形成されていることを特徴とする部材。
  2. 請求項1において、前記凸状の畝あるいは凹状の溝は一定の方向に設けられ、前記第2の領域における前記所定形状の線は直線であると共に、当該第2の領域は同じ大きさの正多角形状をなしており、
    前記意匠面では、前記第2の領域が隙間なく隣接するように配置されており、いずれか2つの第2の領域が隣接する箇所において互いに隣接する2つの第1の領域では、前記凸状の畝あるいは前記凹状の溝の方向が一致していることを特徴とする部材。
  3. 請求項1または2において、前記第1の領域における前記凸状の畝あるいは凹状の溝が並列する隙間の幅は、前記頂点から遠くなるに従って、次第に広くなるか、あるいは次第に狭くなっていることを特徴とする部材。
  4. 請求項1~3のいずれか1項において、前記第1の領域の表面のうち、凸状の畝あるいは凹状の溝の隙間は、略一定の幅をなしていると共に、光沢面によって形成されていることを特徴とする部材。
  5. 請求項1~4のいずれか1項において、前記第1の領域には凸状の畝が形成されていることを特徴とする部材。
  6. 請求項1~5のいずれか1項において、車両用の内装部材であることを特徴とする部材。
JP2022006636A 2022-01-19 2022-01-19 部材 Pending JP2023105665A (ja)

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