JP2023105541A - 車載用表示装置 - Google Patents

車載用表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023105541A
JP2023105541A JP2022006438A JP2022006438A JP2023105541A JP 2023105541 A JP2023105541 A JP 2023105541A JP 2022006438 A JP2022006438 A JP 2022006438A JP 2022006438 A JP2022006438 A JP 2022006438A JP 2023105541 A JP2023105541 A JP 2023105541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
luminance
reflection
vehicle
display
occupant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022006438A
Other languages
English (en)
Inventor
鳴暁 張
ming xiao Zhang
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2022006438A priority Critical patent/JP2023105541A/ja
Publication of JP2023105541A publication Critical patent/JP2023105541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)
  • Instrument Panels (AREA)

Abstract

【課題】自発光型のディスプレイを有する車載用表示装置において、低消費電力と映り込みに起因する視認性低下の抑制とを両立する。【解決手段】この車載用表示装置は、車両の車室のうちディスプレイ20の表示面の正面側に位置する空間を撮像する車室撮像部32と、車両の乗員を撮像し、当該乗員のアイポイントを取得する乗員撮像部33と、を備える。映り込み輝度推定部12cは、車室撮像部および乗員のアイポイントに基づいて、表示面における映り込み領域の輝度である映り込み輝度を推定する。輝度制御部12dは、映り込み輝度に基づいて映り込み領域の輝度制御を実行する。これにより、映り込み輝度を精度良く推定でき、必要以上に輝度を高くすることが抑制されて低消費電力となると共に、映り込みに起因する視認性低下を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、車載用表示装置に関する。
近年、有機発光ダイオード(OLED)等の自発光素子を構成画素とするディスプレイを用いた車載用表示装置の開発が進んでいる。車載用表示装置は、ディスプレイに日射が当たる状況では、表示画像が見えづらくなってしまう。一方で、車載用途ではディスプレイの低消費電力化のニーズがあるが、自発光型のディスプレイは、黒基調の画像を表示する場合には消費電力が低くなる特長がある。そこで、低消費電力と日射が当たる状況における表示画像の視認性向上とを両立可能な車載用表示装置としては、例えば特許文献1に記載のものが提案されている。
特許文献1に記載の車載用表示装置は、自発光型のディスプレイが配置される環境の照度を測定する複数の照度センサを有し、照度センサが取得した照度に基づいて、ディスプレイのうち日射が当たると推定される領域の輝度制御を選択的に実行する。
特開2021-92626号公報
さて、車載用表示装置においてディスプレイの表示画像が見えづらくなる要因としては、上記した日射のほか、車室内の光景の一部がディスプレイの表示面に映り込む状況が挙げられる。以下、説明の便宜上、ディスプレイの表示面に車室内の光景の一部等が映り込むことを「映り込み」と称する。
具体的には、例えば、ディスプレイに黒基調の画像が表示されており、ディスプレイに日射が当たっていなくても、ディスプレイに映り込みが生じている場合、映り込みの領域では、表示画像が見えづらくなってしまう。特許文献1に記載の車載用表示装置は、日射による表示画像の視認性低下を抑制できるものの、照度センサでは検知できない映り込みに起因する表示画像の視認性低下には対応することができない。
本発明は、上記の点に鑑み、自発光型のディスプレイを有する車載用表示装置において、低消費電力と映り込みに起因する視認性低下の抑制とを両立することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の車載用表示装置は、車両に搭載される車載用表示装置であって、自発光型のディスプレイ(20)と、車両の車室のうちディスプレイの表示面の正面側に位置する空間を撮像する車室撮像部(42)と、車両の乗員を撮像し、乗員のアイポイント(IP)の情報を取得する乗員撮像部(43)と、車室撮像部および乗員撮像部が取得した情報に基づいて、表示面において映り込みが生じた領域を映り込み領域として、映り込み領域における映り込みの輝度である映り込み輝度を推定する映り込み輝度推定部(12c)と、映り込み輝度に基づいて映り込み領域の輝度制御を実行する輝度制御部(12e)と、を備える。
この車載用表示装置は、ディスプレイの表示面の前方を車室撮像部で撮像し、乗員を撮像し、当該乗員のアイポイントを取得し、これらの取得情報に基づいて、映り込み輝度推定部が映り込み輝度を推定する構成となっている。そして、輝度制御部が映り込み輝度に基づいて映り込み領域での輝度制御を行うことで、必要以上に輝度を高くすることなく、映り込み領域の輝度を高くしたり、コントラスト比を上げたりすることができる。これにより、低消費電力と映り込みに起因する視認性低下の抑制とを両立することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の車載用表示装置を示すブロック図である。 車室撮像部、乗員撮像部およびディスプレイの配置関係の一例を示す図である。 車室撮像部、乗員撮像部およびディスプレイの配置関係の他の一例を示す図である。 映り込み輝度推定部の構成例を示すブロック図である。 空間輝度の算出を説明するための説明図である。 映り込み領域の推定を説明するための説明図である。 対応領域の推定の他の一例を示す図である。 空間画像のうち対応領域における輝度算出を説明するための説明図である。 第1実施形態の車載用表示装置における輝度制御の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係る車載表示装置の映り込み領域データベースに格納されるデータベースの作成を説明するための説明図である。 第1実施形態の変形例に係る車載表示装置における車室撮像部の撮像範囲の設定を説明するための説明図である。 第1実施形態の変形例に係る車載表示装置における輝度制御の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の車載用表示装置を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の車載用表示装置が適用されたOLED表示システムについて説明する。本実施形態では、OLED表示システムが搭載される車両が自動車である場合を代表例として説明するが、勿論、自動車以外の車両や映り込みが生じうる他の移動体にも搭載され得る。なお、OLED表示システムは、「有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示システム」とも、「EL表示システム」とも称され得る。以下、本明細書では、第1実施形態の車載用表示装置が搭載される車両を「自車両」と称する。
本実施形態のOLED表示システムは、例えば図1に示すように、描画用コントローラ10と、ディスプレイ20、車載機器30を有した構成とされている。
描画用コントローラ10は、ディスプレイ20による画像表示を制御する表示装置に相当するものであり、車載機器30から伝えられる各種信号に基づいてディスプレイ20での画像表示を制御する。例えば、描画用コントローラ10とディスプレイ20とは直接的に接続配線を介して接続され、描画用コントローラ10と車載機器30とは車載用通信バス(以下、車内LAN(Local Area Network))40を通じて接続されている。このため、描画用コントローラ10には、直接もしくは車内LAN40を通じて車載機器30からの各種信号が入力されるようになっている。なお、この描画用コントローラ10の詳細構成については後述する。
ディスプレイ20は、例えば、OLED等の自発光素子により構成された複数の画素を有する自発光型のディスプレイであり、描画用コントローラ10からの映像出力信号に対応する画像表示を行う。ディスプレイ20は、例えば、自発光素子によりなる複数の画素群が平面方向に沿って周期配置されてなる発光層と、当該画素群を駆動するための複数の薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFT回路層とが積層された構成となっている。ディスプレイ20は、例えば、画像表示を行う表示領域を構成する自発光素子ごと、すなわち画素ごとに、TFT回路における駆動電圧を可変して印加することで、輝度レベルの調整が可能な構成となっている。ディスプレイ20は、例えば、自車両のインストルメントパネル等に配置され、センターインフォメーションディスプレイ(CID)やメータ表示器等として用いられるが、これらの用途に限定されない。本実施形態では、ディスプレイ20がCIDとされた場合を代表例として説明するが、これに限定されるものではなく、ディスプレイ20の搭載位置やサイズなどについては適宜変更されうる。
なお、本明細書では、ディスプレイ20がOLEDディスプレイである場合を代表例として説明するが、OLEDディスプレイ等の自発光型ディスプレイについては公知であるため、ディスプレイ自体の詳細な説明については省略する。また、画素を構成する自発光素子としては、OLEDである場合を代表例として説明するが、これに限定されるものではなく、無機ELやマイクロLED等の他の自発光素子であっても構わない。
車載機器30は、映像信号を描画用コントローラ10に入力するための機器や車両情報を描画用コントローラ10に入力するための機器などで構成されている。ここでは、車載機器30としては、例えば、車両ECU(Electronic Control Unit)31、車室撮像部32、乗員撮像部33が備えられている。なお、上記の車載機器30は、上記した機器以外にも、例えば、ナビゲーション装置、マルチメディア、空調装置、通信機器や各種車載センサなどの他の機器等を有する構成であってもよい。
車両ECU31は、各種車両に関する情報を取得し、その情報を描画用コントローラ10に入力する。例えば、車両ECU31は、車両の傾斜角度、つまり坂道などによる車両の傾きなどの車両状態を示す情報を描画用コントローラ10に入力している。車両ECU31は、例えば、ナビゲーション装置等から緯度および経度、現在時刻、車両が向いている方位などの車両情報や照度センサ等の各種センサから出力される各種信号が入力され、これらの各種情報を描画用コントローラ10に入力する。なお、車載機器30等からの各種情報については、必ずしも車両ECU31を経由する必要はなく、描画用コントローラ10に直接入力されても良い。
車室撮像部32は、例えば、車載カメラであり、図2に示すようにディスプレイ20の近傍に配置される。車室撮像部32は、ディスプレイ20の表示面の前方、すなわち自車両の車室のうちディスプレイ20の表示面に対向する空間を撮像する。例えば、ディスプレイ20が自車両のインストルメントパネルに搭載されたセンターインフォメーションディスプレイ(CID)である場合、車室撮像部32は、車室のうち運転席や助手席が配置された空間を撮像する。車室撮像部32での撮像により得られた前述の空間の画像データ(以下「空間画像データ」という)は、例えば、予め設定された車室内の座標に関連付けられており、後述する映り込み領域の推定および映り込み輝度の算出に用いられる。この詳細については後述する。
なお、車室撮像部32は、ディスプレイ20のサイズなどに応じて、その配置場所、数や撮像領域について適宜変更されうる。例えば図3に示すように、ディスプレイ20が大面積である場合には、自車両の車室のうちディスプレイ20に映り込む領域がその分増えるため、必要に応じて、3~4つといった具合にその搭載数が変更されうる。ここでいうディスプレイ20が大面積である場合とは、例えば、ディスプレイ20が自車両の車幅方向における幅が、運転席の正面に位置する領域から助手席の正面に位置する領域までに及ぶ場合をいう。ディスプレイ20が大面積とされる場合、ディスプレイ20は、映像を表示する大面積の1つのパネル部を有する構成であってもよいし、複数のパネル部を有し、これらが連続的に並べられた構成であってもよい。
また、車室撮像部32は、必ずしも複数である必要はなく、例えば、魚眼レンズなどを用いることで自車両の運転席から助手席の全範囲を含む広範囲を撮像可能な構成である場合には、ディスプレイ20のサイズにかかわらず、搭載数が1つであってもよい。
乗員撮像部33は、例えば、ディスプレイ20のユーザである乗員を撮像する任意の撮像装置である。ここでいう乗員は、例えば、自車両の運転席に着座する運転者、あるいは助手席に着座する乗員またはその両方とされうる。乗員撮像部33は、例えば、株式会社デンソー製のドライバーステータスモニター(登録商標)とされ、車室のうち乗員(例えば運転者)の眼を含む所定の空間を撮像する。乗員撮像部33は、例えば、公知の画像認証技術に基づいて、撮像対象の乗員の画像データから、当該乗員からディスプレイ20への視線方向を推定し、推定した視線方向の結果を制御部12に出力する構成とされる。
なお、乗員撮像部33により得られる視線方向のデータは、例えば、空間画像データおよびディスプレイ20について予め設定された車室内の座標との組み合わせにより、ディスプレイ20の表示面における映り込み領域および映り込み輝度の推定に用いられる。この詳細については、後述する。
また、乗員撮像部33は、例えば図2、図3に示すように、ディスプレイ20の車幅方向に沿った方向における中心近傍に配置されるが、これに限定されたものではなく、乗員を撮像可能であればよく、その搭載位置や数については適宜変更されうる。例えば、乗員撮像部33は、撮像対象が運転者および助手席に着座する乗員である場合、運転者の撮像用と当該乗員の撮像用の2つが搭載されうる。
以上が、OLED表示システムの基本的な構成である。
〔描画用コントローラ〕
続いて、描画用コントローラ10の詳細構成について説明する。
上記したように、描画用コントローラ10は、ディスプレイ20による画像表示を制御するものであり、それを実現するための機能部として、例えば、通信部11、制御部12、外部記憶装置13を有した構成とされている。
通信部11は、例えば、車内LAN40を通じて車載機器30からの情報を取得する部分である。車載機器30から車内LAN40に伝えられている信号や情報については、通信部11にて取得される。図1では、車室撮像部32および乗員撮像部33について、情報や映像信号を描画用コントローラ10に対して直接入力できる取得経路を示しているが、取得経路は車内LAN40を経由するものであってもよい。このように、車載機器30からの情報や映像信号の取得経路については任意であり、情報や映像信号が描画用コントローラ10に直接入力されても良いし、車内LAN40からこの通信部11を通じて入力されても良い。
制御部12は、例えば、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。制御部12は、外部記憶装置13に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することで、車載機器30から伝えられる映像信号や情報に基づいてディスプレイ20での表示画像の映像出力を行う。また、制御部12は、車載機器30からの取得情報に基づいて、ディスプレイ20のうち映り込みが生じた領域について選択的に輝度レベルの調整も実行可能である。具体的には、制御部12は、例えば図1に示すように、映像入力/結合部12a、描画部12b、映り込み輝度推定部12c、輝度制御部12dおよび映像出力部12eを有した構成とされている。
映像入力/結合部12aは、車載機器30から直接もしくは車内LAN40を通じて映像信号が入力され、その映像信号が示す画像データを輝度制御部12dに出力する。また、映像入力/結合部12aは、描画部12bで描画された画像データがある場合、それを入力して映像信号が示す画像データと結合し、結合後の画像データを輝度制御部12dに出力する。
描画部12bは、通信部11が車載機器30から取得した各種情報、例えば、車両にかかる物理量などに関する車両情報やオーディオ、エアコンといった各種コンテンツに関する情報を入力し、その情報をディスプレイ20に描画するための画像データを生成する。
映り込み輝度推定部12cは、車室撮像部32および乗員撮像部43により撮像されたの画像データに基づいて、ディスプレイ20のうち映り込みが生じた領域である映り込み領域およびその領域の輝度を推定し、その推定結果を輝度制御部12dに出力する。映り込み輝度推定部12cの詳細については後述する。
以下、説明の便宜上、ディスプレイ20の表示面のうち映り込みが生じている領域を「映り込み領域」と称し、映り込み領域における映り込みの輝度を「映り込み輝度」と称する。映り込み輝度とは、映り込み領域における表示画像の輝度を除いた、映り込みのみに起因する輝度を意味する。
輝度制御部12dは、例えば、映像入力/結合部12aから入力される画像データに対して、ディスプレイ20を構成する画素群のうち所定の領域に位置する画素群の輝度調整を行う。具体的には、例えば、ディスプレイ20の表示面のうち映り込み領域に位置する画素群(以下、便宜的に「第1画素群」という)が見づらい状況である場合に、輝度制御部12dは、第1画素群における輝度調整を行う。
なお、「第1画素群が見づらい状況」とは、例えば、映り込み領域が生じていると判定され、かつその映り込み輝度が所定の値以上である、もしくは映り込み領域におけるコントラスト比が所定の値未満である、あるいはその両方である等の状況を指す。また、ここでいう「コントラスト比」とは、例えば、表示画像のうち文字、数字、記号や映像等の情報部分の輝度を第1輝度とし、情報部分以外の残部である背景部分の輝度を第2輝度として、第2輝度に対する第1輝度の比率をいう。「第1画素群が見づらい状況」の判定における指標となる映り込み輝度やコントラスト比の閾値については、予め設定されており、例えば、外部記憶装置13等の記録媒体に当該閾値のデータが格納されている。
輝度制御部12dは、例えば、映り込み輝度推定部12cにより推定された映り込み領域および映り込み輝度に基づいて、輝度制御の対象となる第1画素群を決定すると共に、第1画素群の設定輝度を高くした画像データを生成する。そして、輝度制御部12dは、例えば、第1画素群の設定輝度を調整した画像データを映像出力部12eに出力する。
なお、輝度制御部12dによる輝度調整は、ディスプレイ20の表示画像のうち少なくとも映り込み領域の部分の見易さが向上すればよく、第1画素群の一部のみに実行されてもよいし、第1画素群の全部に実行されてもよい。例えば、輝度制御部12dは、映り込み領域における映り込み輝度がすべて所定の閾値以上である場合、第1画素群のすべての輝度を高くする調整を実行しうる。また、この場合において、例えば、表示画像がテキスト等の情報部分と画面の背景等の非情報部分とによりなるとき、輝度制御部12dは、第1画素群のうち情報部分を表示する部分のみ輝度調整を実行してもよい。後者の場合、背景部分の輝度レベルを維持または低下させつつ、情報部分の輝度レベルを向上させることで、コントラストが大きくなり、より見易い表示画像となる効果も期待される。
一方で、輝度制御部12dは、ディスプレイ20の表示面のうち映り込み領域以外の残部に位置する画素群(以下「第2画素群」という)の輝度を下げる輝度制御を実行してもよい。例えば、輝度制御部12dは、第2画素群のうち情報部分を表示する画素群の輝度と、背景部分を表示する画素群の輝度とのコントラスト比を所定の範囲内に保ちつつ、ユーザが視認可能な範囲内で第2画素群の輝度を下げる制御を実行してもよい。これにより、映り込み領域の見易さを向上させつつ、非映り込み領域の見易さを保ったまま、消費電力を低減する効果が得られる。
このように、輝度制御部12dは、第1画素群の一部または全部の輝度調整に加えて、第2画素群の輝度調整を実行する構成とされてもよい。
映像出力部12eは、輝度制御部12dから伝えられる輝度調整後の画像データをディスプレイ20で表示させるべく、映像出力信号を出力する。
外部記憶装置13は、制御部12で実行する各種プログラムや制御部12から伝えられる各種データなどを記憶しており、制御部12によるプログラムの読み出しやデータの書き込みが可能となっている。なお、ここでは非遷移有形記録媒体として外部記憶装置13を挙げ、制御部12とは別の構成としたが、制御部12内のROMやRAMとしても良い。
以上が、描画用コントローラ10の基本的な構成である。
〔映り込み輝度推定部〕
次に、映り込み輝度推定部12cの詳細構成について説明する。
映り込み輝度推定部12cは、例えば図4に示すように、空間輝度算出部12c1と、映り込み領域推定部12c2と、映り込み輝度算出部12c3とを備える。また、映り込み輝度推定部12cは、輝度換算データベース12caと、映り込み領域データベース12cbと、反射特性データベース12ccとを有してなる。
空間輝度算出部12c1は、車室撮像部32が撮像した空間の画像データおよびその撮像条件と、輝度換算データベース12caに格納された後述の輝度換算係数とに基づいて、当該空間の輝度である空間輝度およびその分布を算出する。例えば、空間輝度算出部12c1は、図5に示すように、まず空間画像P1を車室撮像部32から取得し、公知の画像変換技術により空間画像P1をグレースケール形式の画像P11に変換処理を行う。そして、空間輝度算出部12c1は、例えば、画像P11を所定数の領域に区画した後、区画した各領域の階調値および輝度換算係数に基づいて、各領域の輝度(単位:cd/m)を算出し、輝度分布Lを求める。
ここで、輝度換算係数について説明する。輝度換算係数は、空間画像P1に基づいて撮像した車室の輝度算出に用いられる係数であり、車室撮像部32による車室の撮像条件(例えばISO感度、F値やシャッタースピード等)に応じて設定されている。輝度換算係数は、例えば、次のような方法で予め算出される。
まず、車室撮像部32として用いる撮像装置により、撮像条件を変えて所定の空間を撮像すると共に、当該所定の空間について輝度測定器により実際の輝度値を測定する。このとき、例えば、所定の空間は、用いる撮像装置からの距離が実際に撮像する車室の空間までの距離と同程度とされている。そして、得られた空間画像P1を変換したグレースケール形式の画像P11の階調値と輝度測定器により得られた実測の輝度値との相関データを取得する。例えば、ISO感度が100、F値が2、シャッタースピードが1/125秒の撮像条件により所定の輝度値(実測値)の空間を撮像した場合、画像P11の階調値に基づいて輝度換算をするための値(例えば0.5)を輝度換算係数として算出する。このような具合で、輝度換算係数を撮像条件ごとに算出し、撮像条件と実測の輝度値との対応評価を行い、これらの相関データをデータベースとして予め作成しておく。輝度換算係数は、画像P11の階調値を撮像条件に応じて実測の輝度値に相当する輝度値に算出するための係数であり、データベース化されたものが輝度換算データベース12caに格納されている。例えば、撮像条件としてISO感度、F値およびシャッタースピードの3つのパラメータに基づいて輝度換算係数を導出する場合、これら3つのパラメータ、画像P11の階調値および実測の輝度値のマトリクス表を作成したものを予めデータベース化すればよい。
なお、図5、図6に示す輝度分布Lは、あくまで一例であり、画像P11を区画して得られる領域数や輝度値などについては適宜変更されうる。空間輝度算出部12c1は、例えば、輝度分布Lを5cd/m単位ではなく、1cd/m単位や10cd/m単位で算出してもよいし、輝度分布Lの算出については適宜調整されうる。空間輝度算出部12c1は、例えば、撮像した空間の輝度分布Lを算出した後、当該データを映り込み輝度算出部12c3に出力する。
映り込み領域推定部12c2は、例えば、乗員撮像部33から撮像対象の乗員の視線方向のデータを取得し、当該視線方向と、ディスプレイ20の表示面20aおよび空間画像の車室内における座標データとに基づいて、表示面20aでの映り込み領域を推定する。映り込み領域推定部12c2は、乗員撮像部33から視線方向Dのデータを取得した後、映り込み領域データベース12cbに格納された各種データやプログラム等の読み込み・実行により映り込み領域を推定する。具体的には、映り込み領域推定部12c2は、例えば、視線方向Dを用いた幾何学的な計算方法により、表示面20aでの映り込み領域R1および空間画像P1において映り込み領域R1に対応する領域である対応領域R2を推定する。
映り込み領域推定部12c2は、例えば図6に示すように、乗員撮像部33が撮像する乗員のアイポイントIPを始点とする当該乗員の視線方向Dのデータを取得する。映り込み領域推定部12c2は、例えば、視線方向Dのなす仮想直線とディスプレイ20の表示面20aのなす領域との交点Pi1が存在するか否かを算出する。映り込み領域推定部12c2は、例えば、演算の結果により交点Pi1が存在しない場合(解なし)には、乗員がディスプレイ20を見ていないと判定し、そうでない場合(解あり)には乗員がディスプレイ20を見ていると判定する。
例えば、映り込み領域推定部12c2は、交点Pi1が存在する場合には、視線方向Dのなす仮想直線を光線とみなし、この光線が交点Pi1にて正反射すると仮定して得られる反射光のなす第2の仮想直線、すなわち仮想方向Dを算出する。仮想方向Dは、交点Pi1を通る表示面20aに対する法線方向Dと視線方向Dとのなす角度を視線角度φ1とし、視線方向Dに沿った仮想光線が交点Pi1にて視線角度φ1と同一の角度で反射した場合に生じる仮想の反射光線のなす方向である。
続けて、映り込み領域推定部12c2は、例えば、仮想方向Dのなす仮想直線と空間画像P1に関連付けられた車室内の座標空間との交点Pi2が存在するか否かを算出する。映り込み領域推定部12c2は、例えば、演算の結果、交点Pi2が存在しない場合(解なし)にはディスプレイ20に映り込みが生じていないと判定し、そうでない場合(解あり)には映り込みが生じていると判定する。映り込み領域推定部12c2は、例えば交点Pi2が存在する場合には、表示面20aのうち交点Pi1を中心とし、矩形、円形や楕円形等の所定の外郭とされた所定の範囲を映り込み領域R1として推定する。この場合、映り込み領域推定部12c2は、例えば、空間画像P1のうち交点Pi2を中心とし、矩形等の所定の外郭とされた所定の範囲を映り込み領域R1に対応する対応領域R2として推定する。対応領域R2は、いわば、車室撮像部32が撮像した空間のうち表示面20aに映り込む部分ともいえる。映り込み領域推定部12c2は、例えば、上記の方法により映り込み領域R1および対応領域R2を推定し、その推定結果を映り込み輝度算出部12c3に出力する。
映り込み領域データベース12cbには、例えば、映り込み領域推定部12c2での映り込み領域R1および対応領域R2の算出に必要なデータが格納されている。必要なデータとしては、例えば、ディスプレイ20の表示面20aの形状および表示面20aの車室内における空間座標、空間画像P1に関連付けられた車室内の空間座標や交点Pi1、Pi2の演算式などが挙げられる。また、仮想方向Dについては、取得した視線方向Dに基づいて都度算出してもよいし、視線方向Dおよび交点Pi1が定まれば算出可能であることから予めデータテーブルを作成しておき、当該データテーブルから導き出してもよい。
なお、例えば図7に示すように、車室撮像部32による空間画像P1に写る乗員が座席を後方に下げる、あるいは後方に向けて倒すなどの要因によって遠い位置に位置し、当該乗員が対応領域R2に含まれる場合には、対応領域R2の範囲が変更されうる。例えば、映り込み領域推定部12c2は、対応領域R2として推定する領域範囲を、対応領域R2に位置する乗員が着座する座席の可動範囲(例えばシート角度や座席の位置の範囲)に応じて領域範囲を狭くする調整を行う。この場合、例えば、座席の可動範囲およびこれに対応する対応領域のデータテーブルを予め作成し、映り込み領域データベース12cbに格納しておき、制御部12が座席に搭載された各種センサ等から座席の位置等のデータを取得する構成とすればよい。
また、車室撮像部32の撮像範囲に位置する乗員や乗員撮像部33の撮像対象の乗員が着座する座席の可動範囲については、本車載用表示装置が搭載される車体によって左右される。そのため、この場合、例えば、本車載用表示装置を搭載する車種における座席の可動範囲のデータと乗員の視線方向Dの移動範囲とに基づき、シミュレーションにより視線角度と対応領域R2とを対応付けしたデータベースを予め作成することで対応可能である。なお、視線方向Dの移動範囲とは、乗員がディスプレイ20の表示面20aを見る場合(交点Pi1が存在する場合)における視線方向Dのとりうる範囲を指す。予め作成した上記のデータベースについては、映り込み領域データベース12cbに格納される。
また、映り込み領域推定部12c2は、視線角度±数°といった具合にある程度の範囲で対応領域R2の推定を行ってもよい。例えば、映り込み領域推定部12c2は、視線角度φ1の場合、視線角度φ1の値で算出される交点Pi2を中心値とし、視線角度φ1±αの範囲で算出される交点Pi2を中心とする所定の範囲を対応領域R2として推定してもよい。
映り込み輝度算出部12c3は、空間輝度算出部12c1からの輝度分布L、映り込み領域推定部12c2からの対応領域R2およびディスプレイ20の表示面20aの反射特性に基づいて、表示面20aにおける映り込みに起因する映り込み輝度を算出する。表示面20aの反射特性のデータは、例えば、入射する光線角度(視線角度に相当)に対する反射率を光線角度ごとに光学測定機器等により実際に測定することで得られる。そして、例えば、ディスプレイ20として用いる表示器の表示面における複数の代表点において、光線角度とその反射率との相関データを作成し、当該相関データを反射特性データベース12ccに格納する。映り込み輝度算出部12c3は、輝度分布Lにより得られる対応領域R2の空間輝度と表示面20aの反射率との積を映り込み輝度として算出する。例えば、空間輝度が30cd/m、視線角度φ1における表示面20aの反射率がβ%である場合、映り込み輝度算出部12c3は、30×β/100=0.3βを映り込み輝度として算出する。
なお、映り込み輝度算出部12c3は、例えば図8に示すように、空間輝度算出部12c1により算出された輝度分布Lにおいて対応領域R2に複数の空間輝度の値が含まれている場合には、その最大値を空間輝度として用いる。図8の例では、対応領域R2内において10、20、30、30cd/mの4つの空間輝度が含まれているが、この場合、映り込み輝度算出部12c3は、これらの最大値である30cd/mを映り込み輝度の算出に用いる。これは、空間輝度を低めに設定し、映り込み輝度を低く算出した場合、輝度制御部12dによる輝度制御が足りず、映り込み領域における視認性向上の効果が不十分になることを回避するためである。
また、輝度換算データベース12ca、映り込み領域データベース12cbおよび反射特性データベース12ccは、必ずしも映り込み輝度推定部12cの一部として構成されていなくてもよく、外部記憶装置13等の他の記録媒体に格納されていてもよい。
以上が、映り込み輝度推定部12cの詳細構成である。映り込み輝度推定部12cにより推定された映り込み領域R1および映り込み輝度は、輝度制御部12dに出力され、映り込み領域における輝度制御に用いられる。また、映り込み輝度推定部12cは、例えば、乗員撮像部33から視線方向Dを取得する都度に、すなわちリアルタイムで上記した映り込み領域および映り込み輝度の推定を実行する。
〔輝度制御〕
次に、輝度制御部12dによる輝度制御の一例について説明する。
まず、ディスプレイ20の表示面20aに映り込みが生じていない場合について説明する。輝度制御部12dは、例えば、表示画像のうち情報部分の輝度と背景部分の輝度との比であるコントラスト比が所定以上となる画像データを生成し、映像出力部12eに出力することで、ディスプレイ20における輝度制御を実行する。
ここで、表示画像のうち情報部分の輝度をLimg1とし、背景部分の輝度をLbackとすると、コントラスト比C1は、以下の(1)式で表される。
C1=Limg1/Lback・・・(1)
例えば、輝度制御部12dは、表示画像の視認性を確保するため、コントラスト比C1が所定の値以上となる画像データを生成する。この所定の値については、例えば、限定するものではないが、1.5~3.0等とされ、人間の視覚特性を考慮して適宜設定される。
一方、映り込みが生じている場合には、輝度制御部12dは、映り込み輝度推定部12cから取得した映り込み領域および映り込み輝度に基づき、映り込み領域については次のような輝度制御を実行する。
ここで、映り込み輝度をLrefとすると、情報部分および背景部分は、映り込み領域においては、それぞれ映り込み輝度Lrefの分だけ輝度が大きくなるため、映り込み領域におけるコントラスト比C2は、以下の(2)式で表される。
C2=(Limg1+Lref)/(Lback+Lref)・・・(2)
輝度制御部12dは、映り込み領域についてはコントラスト比C2が所定の目標値以上となるように、情報部分の輝度を向上させた画像データを生成する。具体的には、コントラスト比C2の所定の目標値をCとし、(2)式においてC2=Cを満たす情報部分の輝度をLimg2として、輝度制御部12dは、例えば、情報部分の輝度をLimg1からLimg2に変更する制御を行う。なお、輝度制御後の情報部分の輝度Limg2は、以下の(3)式で表される。
img2=C・(Lback+Lref)-Lref・・・(3)
コントラスト比の目標値Cは、コントラスト比C1の目標値と同様に、例えば限定するものではないが、1.5~3.0等とされ、人間の視覚特性を考慮して適宜設定される。輝度制御部12dは、映り込み領域における情報部分の輝度をLimg2以上に設定した画像データを生成してもよいし、人間の視覚特性を考慮し、表示画像の見やすさを改善するためのコントラスト比以外の条件を満たす画像データを生成してもよい。
〔処理動作例〕
次に、本実施形態の車載用表示装置における輝度制御の処理動作の一例について、図9を参照して説明する。
車載用表示装置は、例えば、ディスプレイ20がオン状態になる、あるいは自車両のイグニッションがオン状態になる等の所定の開始条件を満たした場合、図9に示す制御フローを実行する。
ステップS100では、車室撮像部32は、自車両の車室内のうちディスプレイ20の表示面20aに対向する所定の空間を撮像する。車室撮像部32は、得られた空間画像およびその撮像条件を制御部12に出力する。
ステップS101では、乗員撮像部33は、運転者等の乗員を撮像し、得られた乗員の眼を含む画像を公知の画像認証技術により解析することで、当該乗員の視線方向Dを算出する。その後、制御部12は、乗員撮像部33から出力された視線方向Dのデータ、すなわち視線方向情報を取得する。
ステップS102では、例えば、映り込み輝度推定部12cは、上記したように、視線方向情報と、ディスプレイ20との座標データとに基づき、乗員撮像部33で撮像された乗員がディスプレイ20を見ているか否かの判定を行う。この判定は、例えば、上記した交点Pi1が存在するか否か等の条件により行われうる。制御部12は、ステップS102にて肯定判定である場合には処理をステップS103に進め、ステップS102にて否定判定である場合には処理をステップS101に戻す。
ステップS103では、例えば、映り込み輝度推定部12cは、上記したように、ディスプレイ20および空間画像P1の座標データと、視線方向情報とに基づいて、空間画像P1内に対応領域R2が存在するか否かの判定を行う。この判定は、例えば、上記した交点Pi2が存在するか否か等の条件により行われうる。制御部12は、ステップS103にて肯定判定である場合には処理をステップS104に進め、ステップS103にて否定判定である場合には処理をステップS101に戻す。
ステップS104では、例えば、映り込み輝度推定部12cは、上記したように、視線方向情報とディスプレイ20の座標データとに基づいて、表示面20aにおける映り込み領域R1の推定を行う。
続くステップS105では、例えば、映り込み輝度推定部12cは、空間画像P1の変換処理により得られる画像P11、その撮像条件、輝度換算係数およびディスプレイ20の反射特性に基づいて、映り込み領域における映り込み輝度を推定する。
そして、ステップS106では、輝度制御部12dは、映り込み輝度推定部12cが推定した映り込み領域および映り込み輝度に基づいて、コントラスト比を調整した画像データを映像出力部12eに出力する。これにより、ディスプレイ20は、映り込み領域におけるコントラスト比が所定以上とされた画像を表示することとなり、映り込みに起因する表示画像の視認性低下を抑制することができる。制御部12は、図9の制御フローを自車両のイグニッションがオフ状態になる、あるいはディスプレイ20がオフ状態になる等の所定の終了条件を満たすまで繰り返す。
なお、上記の処理動作は、あくまで一例であり、可能な範囲内でその処理の順序が変更されてもよい。
本実施形態によれば、車室撮像部32によりディスプレイ20の表示面20aに映り込みうる空間を撮像し、乗員撮像部33により乗員の視線情報を取得し、これらの情報に基づいて映り込み領域および映り込み輝度を推定する車載用表示装置となる。また、ディスプレイ20に映り込みうる空間の画像と視線情報とに基づいて映り込み領域を推定するため、映り込みが生じていても映り込み自体の輝度が低い、といったように照度センサでは対応できない状況においても精度良く、映り込み領域を推定できる。さらに、空間画像、輝度換算係数およびディスプレイ20の反射特性に基づいて、映り込み輝度を算出するため、映り込み輝度が照度センサ等では取得しにくい、あるいはできないような状況であっても、映り込み輝度を精度良く推定できる。このように、映り込み領域および映り込み輝度を精度良く推定できる結果、表示画像の輝度を必要以上に高くすることがなくなり、自発光型のディスプレイ20における低消費電力を実現できる。よって、この車載用表示装置は、低消費電力と映り込みに起因する視認性低下の抑制とを両立可能な構成となっている。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の車載用表示装置は、映り込み領域推定部12c2が乗員撮像部33から乗員のアイポイントIPの情報を取得し、映り込み領域データベース12cbから取得したアイポイントIPに対応する車室内の座標データを選択する構成であってもよい。
具体的には、ディスプレイ20および乗員のアイポイントIPの位置関係が固定された場合、車室内の空間のうちディスプレイ20に映り込む領域は、一義的に決まる。また、ディスプレイ20の位置については基本的に固定されている一方で、乗員のアイポイントIPは、当該乗員の姿勢や体格あるいは車種等に応じて、所定の範囲内で変化する。
そこで、乗員のアイポイントIPが変化する範囲内において、アイポイントIPごとにそれに対応する車室内における映り込み空間の座標を例えば図6で説明したような幾何学計算により算出する。例えば図10に示すように、ディスプレイ20の表示面20aを複数の領域に区画し、各領域の中心点である代表点Pを設定し、代表点Pを用いて区画した領域ごとに幾何学計算により車室内で映り込む領域Rの座標範囲を算出することができる。
なお、例えば図11に示すように、映り込む領域R内に所定の範囲内で可動する車載部品(助手席など)が存在する場合、当該映り込む領域Rを撮像する車室撮像部32は、当該車載部品の全可動範囲内をカバーできる撮像範囲を設定されることが好ましい。これにより、例えば助手席がその可動範囲のどの状態であっても、当該助手席あるいはこれに着座する乗員を確実に撮像でき、映り込む領域Rに対応する空間の撮像および空間輝度の算出の漏れを防ぐことができる。また、上記の表示面20aにおける領域の区画数や代表点Pの数や配置等の各種設定については適宜変更されうる。
上記のようにして予め算出した座標のデータ群をデータベースとして作成し、当該データベースを映り込み領域データベース12cbに格納しておく。そして、映り込み領域推定部12c2は、乗員撮像部33からアイポイントIPを取得したとき、映り込み領域データベース12cbに格納されたデータベースから当該アイポイントIPに対応する座標データを選択する。
その後、映り込み輝度算出部12c3は、車室撮像部32で得られる空間画像P1のうち「上記のデータベースから選択した映り込む領域の座標範囲」に対応する領域を抽出する。そして、映り込み輝度算出部12c3は、空間輝度算出部12c1が算出した輝度分布Lのうち上記の抽出した領域における輝度値と、反射特性データベース12ccの反射特性データとに基づいて、映り込み輝度を算出する。
この場合、車載用表示装置は、輝度制御において、例えば図12に示す制御フローを実行する。なお、ここでは、図9に示す制御フローとの相違点を主に説明する。
ステップS100に続くステップS110では、空間輝度算出部12c1は、車室撮像部32で得られた空間画像、その撮像条件および輝度換算係数に基づいて、空間画像における輝度分布Lを算出し、算出したデータを映り込み輝度算出部12c3に出力する。
続くステップS111では、乗員撮像部33は、運転者等の乗員を撮像し、得られた乗員の眼を含む画像を公知の画像認証技術により解析し、当該乗員のアイポイントIPの車室内における座標を算出する。そして、乗員撮像部33は、アイポイントIPの情報を映り込み領域推定部12c2に出力する。その後、制御部12は、処理をステップS112に進める。
ステップS112では、映り込み領域推定部12c2は、ステップS110で取得したアイポイントIPに基づいて、映り込み領域データベース12cbから当該アイポイントIPに対応する「車室内における映り込む領域の座標データ」を選択する。そして、映り込み領域推定部12c2は、例えば、選択した座標データに基づいて、空間画像P1のうち選択した座標データの範囲に対応する領域を抽出し、映り込み輝度算出部12c3に抽出した領域のデータを出力する。
続くステップS113では、映り込み輝度算出部12c3は、映り込み領域推定部12c2から出力された抽出領域のデータと、ステップS110で算出した輝度分布Lと、ディスプレイ20の反射特性とに基づいて、映り込み領域の輝度を算出する。そして、映り込み輝度算出部12c3は、算出した映り込み輝度を輝度制御部12dに出力する。その後、制御部12は、処理をステップS106に進め、上記と同様の方法で、映り込み領域における輝度制御を行う。
なお、上記の処理動作は、あくまで一例であり、例えばステップS111をステップS112の後に行ってもよく、可能な範囲内でその処理の順番が変更されてもよい。
本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の効果が得られる車載用表示装置となる。また、上記のように、乗員のアイポイントIPごとにこれに対応する車室内の映り込む領域の座標範囲のデータベースを予め作成し、アイポイントIPに応じて当該データベースから対応するデータを選択することで、制御部12における処理負荷が低減される。
(第2実施形態)
第2実施形態の車載用表示装置について、図13を参照して説明する。
本実施形態の車載用表示装置は、例えば図13に示すように、車載機器30が照度センサ34を有し、制御部12が照度センサ34から照度情報を取得する照度取得部12fを備える点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
車載機器30は、本実施形態では、ディスプレイ20への日射量すなわち照度を検出するための照度センサ34を有してなる。
照度センサ34は、例えば、ディスプレイ20の近傍に1つまたは複数配置される。照度センサ34は、1つ配置される場合にはディスプレイ20が搭載される環境の日射量を、複数の配置される場合にはディスプレイ20の表示面を区画して得られる複数の領域について当該領域ごとの日射量を、それぞれ検出する。照度センサ34の数やディスプレイ20に対する配置等については任意である。例えば、照度センサ34の数が3つである場合には、例えば、ディスプレイ20の表示面20aを三分割して得られる第1領域、第2領域および第3領域の近傍に1つずつ配置され、それぞれ異なる領域の日射量を検出し、日射量に応じたセンサ信号を出力する。照度センサ34は、日射量に応じたセンサ信号を直接または車内LAN40を介して描画用コントローラ10に伝達する構成とされる。
なお、照度センサ34が複数である場合、照度センサ34の配置や表示領域の対応領域については任意であり、上記した例に限定されるものではなく、適宜変更されうる。
照度取得部12fは、照度センサ34からのセンサ信号が入力され、ディスプレイ20が配置された環境の照度である「環境照度」あるいは表示面20aを分割して得られる複数の領域ごとの照度である「領域照度」を取得する。照度取得部12fは、例えば、環境照度に応じた電気信号を照度情報として輝度制御部12dに出力する。
輝度制御部12dは、上記第1実施形態に記載の映り込みに起因する視認性の低下抑制の輝度制御に加えて、本実施形態では、例えば、ディスプレイ20の画素群の全域について、照度取得部12fから得られた照度情報に基づく輝度制御も実行する。
具体的には、輝度制御部12dは、例えば、表示画像のうち情報部分について、必要に応じて、照度の値に応じて設定された輝度値に変更する制御を実行する。例えば、照度ごとに段階的に目標の輝度値を予め設定しておき、照度と目標の輝度値とのデータテーブルを作成したうえで、外部記憶装置13等の記録媒体に格納しておく。そして、輝度制御部12dは、例えば、照度取得部12fから取得した照度の値と上記のデータテーブルとに基づいて輝度の目標値を設定し、情報部分の輝度が当該目標値未満である場合に、輝度を高くする制御を行う。
なお、照度に応じた輝度の目標値については、例えば、ディスプレイ20の表示面20aを他の光源で照らした状態で視認性の官能評価を多数の人間により行い、所定以上の割合で見やすいと感じた輝度値に設定するといった方法で設定可能である。
また、輝度制御部12dは、情報部分の輝度を高くする制御だけでなく、照度に応じた輝度の目標値よりも輝度値が高い場合に情報部分あるいは背景部分も含めて輝度を低くする制御を実行してもよい。さらに、照度に応じて、情報部分と背景部分とのコントラスト比の目標値を予め設定しておき、輝度制御部12dによりコントラスト比が所定以上となる制御を実行してもよい。照度センサ34が複数搭載されている場合には、輝度制御部12dは、これらの照度センサ34が関連付けられた表示面20aの割り当て領域ごとに、上記の輝度制御を実行する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、ディスプレイ20が置かれた環境の照度情報に基づいた輝度制御により、日射に起因する視認性低下をも抑制する効果が得られる車載用表示装置となる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の車載用表示装置は、照度センサ34を有さず、照度取得部12fが車載機器として搭載される図示しない通信機器からディスプレイ20が配置された環境の照度を推定する構成であってもよい。
この場合、照度取得部12fは、例えば、無線LAN等の通信機器によりインターネット経由で天候情報等を取得し、天候情報や時刻に基づいて照度を推定する。例えば、時刻に対応する基準照度のデータを作成して外部記憶装置13等に予め格納しておき、照度取得部12fは、天候が晴れの場合には基準照度の100%、曇りの場合には基準照度の70%、雨の場合には基準照度の30%といった具合に照度を推定する。このように、照度取得部12fは、照度を照度センサ34以外の情報から推定し、その結果を輝度制御部12dに出力してもよい。なお、この場合、照度取得部12fは、「照度推定部」とも称されうる。
本変形によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
12c 映り込み輝度推定部
12c1 空間輝度算出部
12c2 映り込み領域推定部
12c3 映り込み輝度算出部
12d 輝度制御部
20 ディスプレイ
20a 表示面
32 車室撮像部
33 乗員撮像部

Claims (4)

  1. 車両に搭載される車載用表示装置であって、
    自発光型のディスプレイ(20)と、
    前記車両の車室のうち前記ディスプレイの表示面(20a)の正面側に位置する空間を撮像する車室撮像部(32)と、
    前記車両の乗員を撮像し、前記乗員のアイポイント(IP)の情報を取得する乗員撮像部(33)と、
    前記車室撮像部および前記乗員撮像部が取得した情報に基づいて、前記表示面において映り込みが生じた領域を映り込み領域として、前記映り込み領域における映り込みの輝度である映り込み輝度を推定する映り込み輝度推定部(12c)と、
    前記映り込み輝度に基づいて前記映り込み領域の輝度制御を実行する輝度制御部(12d)と、を備える、車載用表示装置。
  2. 前記映り込み輝度推定部は、前記車室撮像部が取得した前記空間の画像データと、前記乗員撮像部が取得した前記アイポイントとに基づいて、前記映り込み輝度を推定する、請求項1に記載の車載用表示装置。
  3. 前記映り込み輝度推定部は、前記画像データおよび前記空間の撮像条件に応じた輝度換算係数に基づいて前記空間の輝度を算出する空間輝度算出部(12c1)と、前記画像データの座標および前記アイポイントに基づいて前記車室のうち前記ディスプレイに映り込む領域を推定する映り込み領域推定部(12c2)と、算出した前記空間の輝度と前記表示面の反射率とに基づいて前記映り込みの輝度を算出する映り込み輝度算出部(12c3)とを有してなる、請求項2に記載の車載用表示装置。
  4. 前記ディスプレイは、前記車両の車幅方向における幅が、少なくとも前記車幅方向に沿って前記車両の運転席から助手席までの幅以上であり、
    前記車室撮像部は、複数配置され、それぞれ異なる前記空間を撮像する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
JP2022006438A 2022-01-19 2022-01-19 車載用表示装置 Pending JP2023105541A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022006438A JP2023105541A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 車載用表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022006438A JP2023105541A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 車載用表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023105541A true JP2023105541A (ja) 2023-07-31

Family

ID=87469072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022006438A Pending JP2023105541A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 車載用表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023105541A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9360668B2 (en) Dynamically calibrated head-up display
US8582809B2 (en) Method and device for detecting an interfering object in a camera image
US11295702B2 (en) Head-up display device and display control method
WO2018212346A1 (ja) 制御装置、走査システム、制御方法、およびプログラム
US7936258B2 (en) Smart legibility adjustment for vehicular display
CN109564501B (zh) 用于控制机动车的显示装置的方法,机动车的显示装置及具有显示装置的机动车
TWI749030B (zh) 駕駛輔助系統及駕駛輔助方法
US9849835B2 (en) Operating a head-up display of a vehicle and image determining system for the head-up display
US11562576B2 (en) Dynamic adjustment of augmented reality image
JP5910180B2 (ja) 移動物体位置姿勢推定装置及び方法
KR20150079004A (ko) 차량용 표시 장치 및 그 제어 방법
JP3484899B2 (ja) 車載用画像表示装置
GB2465470A (en) Head up device which can vary the image according to the background
JP2023105541A (ja) 車載用表示装置
JP2023105542A (ja) 車載用表示装置
WO2022244462A1 (ja) 表示装置およびこれを用いた車載用表示システム
JP2023012808A (ja) 表示装置および表示システム
KR101528924B1 (ko) 네비게이션 시스템의 음량조절장치 및 방법
JP2023020243A (ja) 車両用表示装置
JP7439792B2 (ja) 照度推定装置
JP2022187807A (ja) 表示装置
JP2003320869A (ja) 車両用情報表示装置
JP2011107952A (ja) 車両周辺監視装置
US20220262297A1 (en) Peripheral image display device
JP2023157305A (ja) 表示装置