JP2023104688A - データ管理装置、フォトンカウンティングx線コンピュータ断層撮影装置、データ管理方法、およびデータ管理プログラム - Google Patents

データ管理装置、フォトンカウンティングx線コンピュータ断層撮影装置、データ管理方法、およびデータ管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】診断に有用なエネルギー範囲の数(bin数)を確保しつつ、重要でないエネルギー範囲(bin)におけるデータのサイズを低減すること。【解決手段】実施形態に係るデータ管理装置は、取得部と重要度更新部とデータサイズ処理部と備え、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理する。取得部は、前記データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得する。重要度更新部は、複数の前記重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、前記更新基準に基づいて、複数の前記重要度のうち少なくとも一つを更新する。データサイズ処理部は、前記更新された重要度に基づいて、前記データのうち前記更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、データ管理装置、フォトンカウンティングX線コンピュータ断層撮影装置、データ管理方法、およびデータ管理プログラムに関する。
光子計数(Photon Counting)型のX線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)装置(以下、PCCT装置と呼ぶ)は、特定のエネルギー範囲(ビン(bin)とも称される)内のX線粒子の個数を計測することで、複数のエネルギー(keV)範囲各々における組織のCT値の差などから、物質分別などの解析を実行することができる。
複数のエネルギー範囲の数に対応するbin数を多くした場合、画像再構成の元となる生データのデータ量が大きくなる。このとき、生データを保存するサーバなどの記憶領域は、多くなった生データのデータ量により圧迫される。このため、bin数の増加に伴って、生データが保存される残存期間が短くなることがある。被検体に対するスキャン時におけるbin数を減らすことで、生データのデータ量を削減することができる。しかしながら、このとき、解析できるエネルギー範囲が減ってしまい、診断に必要なbin数を確保できない恐れがある。
特開2004-138796号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、診断に有用なエネルギー範囲の数(bin数)を確保しつつ、重要でないエネルギー範囲(bin)におけるデータのサイズを低減することを目的とする。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るデータ管理装置は、取得部と、重要度更新部と、データサイズ処理部と、を備え、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理する。取得部は、前記データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得する。重要度更新部は、複数の前記重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、前記更新基準に基づいて、複数の前記重要度のうち少なくとも一つを更新する。データサイズ処理部は、前記更新された重要度に基づいて、前記データのうち前記更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減する。
図1は、実施形態に係るデータ管理装置の一例を示すブロック図。 図2は、実施形態に係るPCCT装置の一例を示す図。 図3は、実施形態に係り、データサイズ処理機能によりカウント数をゼロにする一例を示す図。 図4は、実施形態に係り、データサイズ処理機能によりカウント数が統合される一例を示す図。 図5は、実施形態に係るデータサイズ削減処理の手順の一例を示すフローチャート。 図6は、実施形態に係るデータサイズ削減処理の手順の一例を示すフローチャート。 図7は、実施形態の第3応用例に係り、ディスプレイに表示されたスキャノグラムとビン削減情報との一例を示す図。 図8は、実施形態の第4応用例に係り、ディスプレイに表示された再構成画像とスライダとの一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、データ管理装置、フォトンカウンティングX線コンピュータ断層撮影装置、データ管理方法、およびデータ管理プログラムの実施形態について詳細に説明する。図1は、データ管理装置100の一例を示すブロック図である。データ管理装置100は、例えば、医用画像を搭載可能な各種モダリティや、院内などにおけるサーバ装置に搭載される。なお、データ管理装置100におけるメモリ103は、データ管理装置100とは別体の外部装置として、ネットワークに接続されてもよい。このとき、データ管理装置100は、処理回路105と通信インターフェース101とを有することとなる。データ管理装置100には、フォトンカウンティング(Photon Counting:光子計数)X線CT(Computed Tomography)装置(以下、PCCT装置と呼ぶ))が接続される。データ管理装置100は、PCCT装置のスキャンにより得られたデータを管理する。
データ管理装置100は、通信インターフェース101と、メモリ103と、処理回路105とを有する。図1に示すように、データ管理装置100において、通信インターフェース101と、メモリ103と、処理回路105とはバスにより電気的に接続されている。データ管理装置100は、通信インターフェース101を介して、ネットワークに接続されている。ネットワークには、例えば、PCCT装置などのフォトンカウンティング型のX線CT装置、病院情報システム(以下、HIS(Hospital Information System)と呼ぶ)、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)等の医療機関内の情報処理システム、画像再構成サーバ、画像解析サーバ、コンソール端末などと互いに通信可能に接続される。このとき、データ管理装置100は、実施形態の一例として分散型のシステムにおける複数の構成要素のうち一つを構成する。
なお、図1に示すデータ管理装置100には、ユーザの各種の指示を入力するための入力インターフェースや、重要度の更新基準を設定するための各種情報を表示するディスプレイなどを有していてもよい。重要度は、例えば、フォトンカウンティングのスキャンにより検出されたX線光子のカウント数の使用に関する重要性の程度を示す値である。具体的には、重要度は、特定のエネルギー範囲(特定のエネルギービン)に対する生データがどの程度ユーザにとって重要であるかを示す指標を、当該特定のエネルギービンの重要度として定義される。
なお、データ管理装置100における各種機能は、医用画像管理システム(以下、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)のサーバや、HISのサーバ、PCCT装置に搭載されてもよい。
以下、説明を具体的にするために、データ管理装置100は、PCCT装置に搭載されているものとする。このとき、PCCT装置は、例えば、データ管理装置100の処理回路105における各種機能を備え、データ管理装置100のメモリ103における各種ユニットを備える。
(実施形態)
図2は、本実施形態に係るPCCT装置1の一例を示す図である。図2に示すように、PCCT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。図2では、説明の都合上、架台装置10を複数描画しているが、実際のPCCT装置1の構成としては、架台装置10は、一つである。
架台装置10及び寝台装置30は、コンソール装置40を介したユーザからの操作、或いは架台装置10、又は寝台装置30に設けられた操作部を介したユーザからの操作に基づいて動作する。架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線の検出データから再構成に用いられる投影データを収集する撮影系を有する装置である。架台装置10は、フォトンカウンティングCTのスキャンを実行する。架台装置10は、X線管11(X線発生部)と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置19と、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)16と、コリメータ17と、DAS(Data Acquisition System)18とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管11における管球焦点で発生したX線は、X線管11におけるX線放射窓を通過して、コリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。X線管11には、例えば、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
X線検出器12は、例えば、光子計数型X線検出器である。光子計数型X線検出器12は、X線管11により発生したX線の光子を計数する。具体的には、光子計数型X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を光子単位で検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。光子計数型X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。光子計数型X線検出器12は、例えば、当該検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。光子計数型X線検出器12は、被検体Pを透過したX線を検出する主検出器とも称される。
光子計数型X線検出器12は、具体的には、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。光センサアレイは、複数の光センサ群を有する。光センサ群は、複数の光センサを有する。光センサは、シンチレータからの受けた光を増幅して電気信号に変換する機能を有する。光センサは、例えばAPD(Avalanche Photo-Diode)又はSiPM(Silicon Photo Multiplier)である。言い換えると、光センサは、シンチレータからの光を受けて、入射したX線光子に応じた電気信号(パルス)を出力する。なお、各検出素子が出力する電気信号のことを検出信号とも言う。この電気信号(パルス)の波高値(電圧)は、X線光子のエネルギー値と相関性を有する。なお、光子計数型X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11と光子計数型X線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置19によってX線管11と光子計数型X線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。なお、回転フレーム13は、X線管11と光子計数型X線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する。
回転フレーム13は架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム。図2での図示は省略している)により回転可能に支持される。回転機構は、例えば回転駆動力を生ずるモータと、当該回転駆動力を回転フレーム13に伝達して回転させるベアリングとを含む。モータは、例えば当該非回転部分に設けられる。ベアリングは、回転フレーム13及び当該モータと物理的に接続される。モータの回転力に応じて回転フレーム13は、回転する。
回転フレーム13と非回転部分にはそれぞれ、非接触方式または接触方式の通信回路が設けられる。これにより、回転フレーム13に支持されるユニットと当該非回転部分あるいは架台装置10の外部装置との通信が行われる。例えば非接触の通信方式として光通信を採用する場合、DAS18が生成した検出データは、回転フレーム13設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機からの光通信によって、架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信される。さらに受信機により当該非回転部分からコンソール装置40へと転送される。なお通信方式としては、この他に容量結合式や電波方式などの非接触型のデータ伝送の他、スリップリングと電極ブラシを使った接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。また、回転フレーム13は、回転部の一例である。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。
制御装置19は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置19は、ASICやフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置19は、コンソール装置40からの指令に従い、X線高電圧装置14及びDAS18等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。
また、制御装置19は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置19は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェースによって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置19がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現されてもよい。また、制御装置19は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。なお、制御装置19は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。
ボウタイフィルタ16は、X線管11におけるX線放射窓の前面に配置される。ボウタイフィルタ16は、X線管11から照射されたX線のX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ボウタイフィルタ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。ボウタイフィルタ16は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ボウタイフィルタ16を透過したX線をX線照射範囲113に絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
DAS18は、複数の計数回路を有する。複数の計数回路各々は、光子計数型X線検出器12の各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、増幅された電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、光子計数型X線検出器12の検出信号を用いた計数処理の結果である検出データを生成する。計数処理の結果である検出データは、所定のエネルギー範囲(以下、エネルギービン(energy bin)と呼ぶ)ごとにX線の光子数を割り当てたデータである。エネルギービンは、例えば、検出されたX線光子のエネルギーに応じて当該X線光子のカウント数が弁別される3つ以上の複数のエネルギー範囲である。
例えば、DAS18は、X線管11から照射されて被検体Pを透過したX線に由来する光子(X線光子)を計数し、当該計数した光子のエネルギーを弁別して計数処理の結果とする。DAS18が生成した検出データは、コンソール装置40へと転送される。検出データは、生成元の検出器画素(検出素子)のチャネル番号、列番号、収集されたビュー(投影角度ともいう)を示すビュー番号、及び検出されたX線光子のカウント数をエネルギービンごとに示す値のデータのセットである。なお、ビュー番号としては、ビューが収集された順番(収集時刻)を用いてもよく、X線管11の回転角度を表す番号(例、1~1000)を用いてもよい。DAS18における複数の計数回路各々は、例えば、検出データを生成可能な回路素子を搭載した回路群により実現される。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、天板支持フレーム34とを備えている。基台31は、天板支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動させるモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置19による制御に従い、天板33を移動する。天板支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、天板支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41(記憶部)と、ディスプレイ42(表示部)と、入力インターフェース43(入力部)と、処理回路44(処理部)とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、PCCT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
メモリ41は、本実施形態に係る各種プログラムを記憶する。例えば、メモリ41は、処理回路44により実行されるシステム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、取得機能151、重要度更新機能153、データサイズ処理機能155各々の実行に関するプログラムを記憶する。
メモリ41は、生データ保存部131と、重要度記録部133と、重要度更新基準記録部135と有する。生データ保存部131は、複数のエネルギービンに対応する生データを保存する。ここで、生データは、例えば、DAS18により出力された検出データ、または前処理機能442により前処理されたデータ(投影データ)である。すなわち、生データは、前処理機能442による前処理前のデータである検出データと、前処理機能442による前処理後のデータである投影データと総称するものとする。例えば、生データ保存部131は、予め設定された複数のエネルギービンに応じた生データを保存する。複数のエネルギービンは、X線光子の最大のエネルギーから最低のエネルギーの幅において、例えば、10keV刻みで設定される。
重要度記録部133は、チャネル番号、列番号、ビュー番号、およびエネルギービンに応じた生データに対して重要度を関連付けて記録する。このとき、重要度は、エネルギービンに応じた生データの重要性の指標を示す付帯情報に相当する。例えば、重要度記録部133は、重要度の初期値として、所定の数(例えば10など)を、付帯情報として生データに関連付けて記録する。また、重要度記録部133は、後述の重要度更新機能153により特定のエネルギービンにおける重要度が更新されると、更新された重要度を当該特定のエネルギービンに関する生データに対して関連付けて記録する。
重要度更新基準記録部135は、重要度の更新基準を記録する。重要度の更新基準は、エネルギービンに対応する生データがユーザにとって有用であれば重要度の値を増加させ、あるいは、エネルギービンに対応する生データがユーザにとって有用でなければ重要度の値を減少させるように設定される。具体的には、重要度の更新基準は、解析に使用されないエネルギービンに対する重要度を1減らしたり、解析に使用されるエネルギービンに対する重要度を1増やしたりすることに対応する。
また、重要度の更新基準は、例えば、診断目的、読影結果、後処理における解析結果(以下、後処理解析と呼ぶ)、スキャン条件、再構成条件、再構成画像の転送、生データの転送、再構成画像の作成時期、生データが保存される保存領域(生データ保存部131)の残容量などに応じて予め設定される。診断目的は、例えば、被検体Pに対するスキャン目的に相当し、被検体Pに対する検査オーダなどに記載された診断の目的の文字列に対応する。読影結果は、例えば、生データに基づいて再構成された再構成画像に対する、読影医による読影の結果であって、被検体Pに対する読影レポートなどに記載された所見やインプレッションの文字列に対応する。解析結果は、例えば、生データに基づいて再構成された再構成画像に対する各種解析の結果に相当する。
診断目的、読影結果、および後処理解析に関する重要度の更新基準は、例えば、特定の臓器に有用なエネルギービンに対する重要度、物質の性状把握に有用なエネルギービンに対する重要度、および物質弁別に有用なエネルギービンに対する重要度を増加させることにある。具体的には、診断目的、読影結果、および後処理解析に関する重要度の更新基準は、検査オーダ、読影レポートおよび解析項目などにおいて、診断対象の臓器の性状把握に有用なエネルギービンに対する重要度、解析結果により判明した物質(結石など)の物質分別に有用なエネルギービンに対する重要度、および解析で使用したあるいは診断対象の臓器に関して使用する可能性がある(すなわち解析等でよく用いられる)エネルギービンに対する重要度を増加させることである。
スキャン条件は、例えば、PCCT装置1により被検体Pに対するスキャンの実行に関する撮影の条件である。スキャン条件に関する重要度の更新基準は、例えば、被検体Pに対するスキャンにおいて用いられる造影剤の強調に有用なエネルギービンに対する重要度を増加させることにある。
再構成条件は、例えば、再構成画像に関する条件であって、再構成に用いられるエネルギービンの指定、および再構成時におけるノイズ除去の観点で再構成から除外した(すなわち再構成に用いない)エネルギービンの指定などを有する。ノイズ除去の観点で再構成から除外されるエネルギービンは、例えば、低エネルギーの範囲に相当する。再構成条件および再構成画像の転送に関する重要度の更新基準は、例えば、再構成に使用されたエネルギービンに対する重要度を増加させることまたは当該重要度を低減させることにある。重要度を増加させることは、再構成に使用されたエネルギービンに属する生データを再構成に再度利用する可能性があること(以下、データ再利用と呼ぶ)に対応する。また、重要度を低減させることは、再構成に使用されたエネルギービンに属する生データがユーザに取って不要であることに対応する。
再構成条件および再構成画像の転送に関する重要度の更新基準における重要度の増減は、例えば、生データに基づいた画像の再構成時または再構成画像の転送時において、ディスプレイ42に表示された重要度の増減を選択するチェックボックスの入力結果により決定される。具体的には、再構成条件の設定時および再構成画像の転送時において、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、データ再利用に関するチェックボックスに対してチェックが入力されると、重要度に対する増加が設定される。
生データの転送に関する重要度の更新基準は、例えば、転送された生データが属するエネルギービンに対する重要度を増加させることまたは当該重要度を低減させることにある。重要度を増加させることは、転送された生データが再度利用される可能性があることに対応する。また、重要度を低減させることは、転送された生データがユーザに取って不要であることに対応する。生データの転送に関する重要度の更新基準における重要度の増減は、例えば、生データの転送時において、ディスプレイ42に表示された重要度の増減を選択するチェックボックスの入力結果により決定される。
再構成画像の作成時期に関する重要度の更新基準は、例えば、再構成画像の作成時期が古い生データに関する全てのエネルギービンの重要度を一律に下げることにある。生データが保存される保存領域である生データ保存部131の残容量に関する重要度の更新基準は、例えば、生データ保存部131の残容量が少なくなった場合に、全てのエネルギービンの重要度を一律に下げることにある。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、重要度の更新基準を設定するための各種情報を表示する。ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。また、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。ディスプレイ42は、表示部に相当する。
入力インターフェース43は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際のスキャン条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件、フォトンカウンティングによるスキャンの撮影時において生データを保存する際のエネルギー範囲の設定等をユーザから受け付ける。また、入力インターフェース43は、重要度の更新基準の設定および変更に関する入力をユーザから受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。
なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。また、入力インターフェース43は、入力部の一例である。また、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。入力インターフェース43は、入力部に相当する。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じて、PCCT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、取得機能151、重要度更新機能153およびデータサイズ処理機能155を実行する。システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、取得機能151、重要度更新機能153およびデータサイズ処理機能155各々を実現する処理回路44は、システム制御部、前処理部、再構成処理部、取得部、重要度更新部、データサイズ処理部に相当する。なお、各機能441~443、151、153、155は、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能441~443、151,153、155を実現するものとしても構わない。
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介してユーザから受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能441は、メモリ41に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路44内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってPCCT装置1の各部を制御する。例えば、処理回路44は、入力インターフェース43を介してユーザから受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。例えば、システム制御機能441は、入力インターフェース43を介してユーザにより任意に設定されたエネルギービンを用いて、被検体Pに対してスキャンを実行する。なお、エネルギービンの設定は、ビン設定機能により別途実施されてもよい。次いで、システム制御機能441は、生成された生データを、メモリ41における生データ保存部131に保存する。
前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。
再構成処理機能443は、前処理機能442にて生成された投影データに対して、例えば、フィルタ補正逆投影法(FBP法:Filtered Back Projection)や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。再構成処理機能443は、再構成されたCT画像データをメモリ41に格納する。フォトンカウンティングCTで得られる計数結果から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、再構成処理機能443は、例えば、再構成条件において選択されたエネルギービンに応じたX線CT画像データを再構成することができる。また、再構成処理機能443は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのX線CT画像データを再構成することができる。
また、再構成処理機能443は、例えば、各エネルギー成分のX線CT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データを生成することができる。また、再構成処理機能443は、例えば、物質固有のK吸収端(Kエッジ)を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。再構成処理機能443が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
取得機能151は、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータに関する3つ以上のエネルギー範囲(エネルギービン)のそれぞれの重要度を取得する。重要度は、上述のように、被検体Pに対するスキャンにより検出されたX線光子のカウント数の使用に関する重要性の程度を示すものである。また、複数のエネルギー範囲は、被検体Pに対するスキャンにより検出されたX線光子のエネルギーに応じて、当該X線光子のカウント数が弁別される複数のエネルギービンに相当する。具体的には、取得機能151は、メモリ41における重要度記録部133から、重要度を取得する。また、取得機能151は、重要度の更新基準に関する情報を取得する。当該情報は、例えば、検査オーダ、スキャン条件、読影レポート、再構成条件、再構成画像などに対する解析結果、再構成画像および/または生データの転送指示、再構成画像の作成時期、生データ保存部131の残容量などである。なお、データ管理装置100においては、取得機能151は、メモリ103における重要度記録部133から重要度を取得する。
重要度更新機能153は、複数の重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、取得した更新基準に基づいて、複数の重要度のうち少なくとも一つを更新する。重要度の取得のタイミングは、上記更新基準に関する情報を取得機能151が取得したタイミングに相当する。なお、診断目的およびスキャン条件に関する取得のタイミングは、被検体Pに対するスキャン計画が完了した時点であってもよい。重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうち被検体Pへのスキャンの目的に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加する。また、重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうちスキャン条件に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加する。
例えば、スキャン条件およびスキャン目的が、被検体Pの肝臓に関するものである場合、重要度更新機能153は、肝臓の描出および肝臓に関する疾病(例えば、肝臓癌など)に関するエネルギービンの重要度を増加する。このとき、スキャンの対象臓器と当該対象臓器に関する病状とに対するエネルギービンの対応関係は、例えば対応表(Look Up Table)として重要度更新基準記録部135に記憶される。診断目的に相当するスキャンの目的およびスキャン条件に関する重要度の更新は、例えば、被検体Pに対するスキャン前に実行される。
重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうち再構成条件に関連するエネルギービンに対応する重要度を増加または減少する。また、重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうち再構成画像の転送に対応するエネルギー範囲に対応する重要度を増加または減少する。例えば、再構成条件の設定および再構成画像の転送時においてデータ再利用に関するチェックボックスに対してチェックが入力されていれば、重要度更新機能153は、再構成画像の生成に用いられたエネルギービンの重要度を増加する。また、当該チェックボックスに対してチェックが入力されていなければ、重要度更新機能153は、再構成画像の生成に用いられたエネルギービンの重要度を減少する。また、重要度更新機能153は、再構成画像の生成に用いられていないエネルギービンの重要度を減少する。
重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうち生データの転送に対応するエネルギービンに対応する重要度を増加または減少する。例えば、生データの転送時においてデータ再利用に関するチェックボックスに対してチェックが入力されていれば、重要度更新機能153は、転送される生データが属するエネルギービンの重要度を増加する。また、当該チェックボックスに対してチェックが入力されていなければ、重要度更新機能153は、転送される生データが属するエネルギービンの重要度を減少する。また、重要度更新機能153は、生データの転送において選択されていないエネルギービンの重要度を減少する。
重要度更新機能153は、複数のエネルギービンのうち読影結果および解析結果に関連するエネルギービンに対応する重要度を増加する。例えば、重要度更新機能153は、読影レポートにおける所見やインプレッションの文字列および解析結果に関するエネルギービンの重要度を増加する。具体的には、重要度更新機能153は、読影レポートおよび解析結果において、診断対象の臓器の性状把握に有用なエネルギービンに対する重要度、解析結果および読影レポートに記載された物質(結石など)の物質分別に有用なエネルギービンに対する重要度などを増加する。
重要度更新機能153は、再構成画像の作成時期からの経過時間に応じて、複数のエネルギービンに対応する複数の重要度を一律に減少する。当該経過時間は、例えば、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、適宜設定および変更が可能である。
重要度更新機能153は、生データが保存される保存領域(生データ保存部131)の残容量に応じて、複数のエネルギービンに対応する複数の重要度を一律に減少する。具体的には、重要度更新機能153は、生データ保存部131の残容量が所定の残容量を下回った場合に、複数のエネルギービンに対応する複数の重要度を一律に減少する。所定の残容量は、例えば、生データの保存領域全体の10%の容量、または5GBなどの値である。当該所定の残容量は、例えば、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、適宜設定および変更が可能である。
なお、重要度更新機能153による重要度の増加分および重要度の減少分は、例えば、1などであるが、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、適宜設定および変更が可能である。
データサイズ処理機能155は、更新された重要度に基づいて、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータのうち更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減する。具体的には、データサイズ処理機能155は、複数の重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギービン(以下、低重要度ビンと呼ぶ)における生データのサイズを削減する。より詳細には、データサイズ処理機能155は、低重要度ビンにおけるカウント数をゼロにする。カウント数をゼロにするということは、低重要度ビンに関する生データを削除することに相当する。これにより生データの容量が削減される。
図3は、データサイズ処理機能155によりカウント数をゼロにする一例を示す図である。図3において、エネルギー(keV)に対するカウント数は、スペクトルのように描かれているが、実際には、複数のエネルギービン各々を幅としたヒストグラムとなる。図3に示すように、隣接する2つの点線の縦線で挟まれたエネルギー範囲は、エネルギービンに相当する。図3では、低重要度ビンは、複数のエネルギービンに亘るカウント数の分布における低エネルギー側の2つのエネルギービンと、高エネルギー側の2つのエネルギービンとに対応する。このため、図3に示すように生データの削除範囲に対応する生データは、削除される。図3に示す生データの削除は、全てのチャネル番号、全ての列番号、およびすべてのビュー番号について実施される。
なお、データサイズ処理機能155は、複数のエネルギービンに亘るカウント数の分布を近似する近似モデルを、生データの取得に応じて生成してもよい。近似モデルは、例えば、複数のエネルギービンに亘るカウント数の分布を複数のパラメータにより多項式フィッティングで近似した近似曲線である。この場合、データサイズ処理機能155は、近似モデルすなわち多項式フィッティングにおける複数のパラメータを、生データに関連付けて生データ保存部131に記憶させる。データサイズ処理機能155は、必要に応じて、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、近似モデルに基づいて、低重要度ビンにおけるカウント数(削除された削除データ)をゼロから復元する。
また、データサイズ処理機能155は、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減として、低重要度ビンにおける第1データと、低重要度ビンに隣接するエネルギービンにおける第2データとを統合してもよい。具体的には、データサイズ処理機能155は、第1データと第2データとの統合として、第1データに対応する第1カウント数と第2データに対応する第2カウント数とを合算する。このとき、データサイズ処理機能155は、合算されたカウント数に対応するエネルギービン(以下、統合ビンと呼ぶ)を、第1データに対応するエネルギービンと第1データに対応するエネルギービンとを合わせたエネルギーの範囲に拡張する。
図4は、データサイズ処理機能155によりカウント数が統合される一例を示す図である。図4に示すように、隣接する2つの点線の縦線で挟まれたエネルギー範囲は、エネルギービンに相当する。図4では、低重要度ビンは、複数のエネルギービンに亘るカウント数の分布における低エネルギー側の2つのエネルギービンと、高エネルギー側の2つのエネルギービンとに対応する。このため、図4に示すように低重要度ビンにおける生データは、低重要度ビンに隣接する生データと統合される。このとき、低エネルギー側の2つの低重要度ビンの範囲と、高エネルギー側の2つの低重要度ビンの範囲とは、図4に示すように、それぞれ統合ビンとして拡張される。図4に示す生データの統合は、全てのチャネル番号、全ての列番号、およびすべてのビュー番号について実施される。
また、データサイズ処理機能155は、低重要度ビンにおける生データを外部の記憶装置へ転送してもよい。外部の記憶装置とは、例えば、ネットワークなどに接続された、生データのバックアップ用の記憶装置などである。
以上のように構成された本実施形態のPCCT装置1により実行されるデータサイズを削減する処理(以下、データサイズ削減処理と呼ぶ)について、図5および図6を用いて説明する。図5および図6は、データサイズ削減処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(データサイズ削減処理)
(ステップS501)
システム制御機能441は、複数のエネルギービンを設定する。次いで、重要度更新機能153は、重要度の初期値として、所定の数(例えば10など)を、複数のエネルギービン各々に関連付ける。関連付けられた重要度は、重要度記録部133に記録される。次いで、取得機能151は、複数のエネルギービンに対する複数の重要度を、重要度記録部133から取得する。
(ステップS502)
重要度更新機能153は、検査オーダとスキャン条件と対応表とに基づいて、重要度を増加させる。具体的には、重要度更新機能153は、検査オーダから、スキャン目的に関するスキャンの対象臓器および対象臓器に関する病状についての文字列を、例えば、既知の文字列抽出処理により抽出する。次いで、重要度更新機能153は、抽出された文字列(対象臓器名や対象臓器に関する病状など)と対応表とを照合することにより、複数のエネルギービンから文字列に関するエネルギービンを特定する。
また、重要度更新機能153は、スキャン条件から造影剤の検査オーダから造影剤の種別を特定する。重要度更新機能153は、造影剤の種別に対する造影剤の強調に有用なエネルギービンの対応表と、特定された造影剤の種別とを照合することにより、複数のエネルギービンから造影剤の強調に有用なエネルギービンを特定する。重要度更新機能153は、検査オーダおよびスキャン条件により特定されたエネルギービンに対応する重要度を増加させる。本ステップでは、説明の便宜上、検査オーダの受信とスキャン条件との確定とにより、重要度が更新されるものとして説明したが、検査オーダの受信とスキャン条件との確定各々において重要度は逐次更新されてもよい。
(ステップS503)
システム制御機能441は、スキャン条件に従ってPCCT装置1における各部を制御し、被検体Pに対するスキャンを実行する。システム制御機能441は、当該スキャンより生成された生データを、設定された複数のエネルギービンと関連付けて、生データ保存部131に保存する。データ管理装置100においては、本ステップは不要となる。
(ステップS504)
重要度更新機能153は、生データに対する再構成条件、再構成画像の転送および生データの転送に応じて、重要度を更新する。例えば、重要度更新機能153は、再構成条件の設定、再構成画像の転送および生データの転送において、複数のエネルギービンに関するチェックボックスにおいて、入力インターフェース43によるユーザの指示によりチェックされたエネルギービンに対応する重要度を増加させて更新する。
(ステップS505)
データサイズ処理機能155は、複数の重要度各々と閾値とを比較する。データサイズ処理機能155は、低重要度ビンの生データのデータサイズを削減する。データサイズの削減は、例えば、図3に示すような生データの削除、または図4に示すような生データの統合などの処理である。データサイズ処理機能155による生データのサイズの削減の手法は、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、適宜設定、選択可能である。また、データサイズ処理機能155は、低重要度ビンにおける生データを外部の記憶装置へ転送してもよい。
なお、データサイズ処理機能155は、生データのデータサイズを削減前において、複数のエネルギービンに亘るカウント数の分布に基づいて、近似モデルを生成してもよい。このとき、データサイズ処理機能155は、生成された近似モデルを、生データと関連付けて、生データ保存部131に記憶させる。
(ステップS506)
重要度更新機能153は、読影結果および/または解析結果に基づいて、重要度を更新する。具体的には、重要度更新機能153は、読影結果を有する読影レポートおよび/または解析結果から対象臓器および対象臓器に関する病状についての文字列を、例えば、既知の文字列抽出処理により抽出する。次いで、重要度更新機能153は、抽出された文字列(対象臓器名や対象臓器に関する病状など)と対応表とを照合することにより、複数のエネルギービンから読影結果および/または解析結果に関するエネルギービンを特定する。なお、重要度更新機能153は、解析結果における解析項目における文字列と対応表とを照合することにより、複数のエネルギービンから解析結果に関するエネルギービンを特定してもよい。次いで、重要度更新機能153は、特定されたエネルギービンに関する重要度を増加させる。
(ステップS507)
本ステップにおける処理は、ステップS505と同様なため説明は省略する。
(ステップS508)
重要度更新機能153は、再構成画像の生成時期から所定の時間が経過した否かを判定する。再構成画像の生成時期から所定の時間が経過した場合(ステップS508のYes)、ステップS509の処理が実行される。再構成画像の生成時期から所定の時間が経過していない場合(ステップS508のNo)、ステップS511の処理が実行される。
(ステップS509)
重要度更新機能153は、再構成画像の作成時期から所定の時間が経過すると、複数のエネルギービンに対応する複数の重要度を一律に減少する。
(ステップS510)
本ステップにおける処理は、ステップS505と同様なため説明は省略する。
(ステップS511)
重要度更新機能153は、生データ保存部131の残容量が所定の残容量未満であるか否かを判定する。生データ保存部131の残容量が所定の残容量未満である場合(ステップS511のYes)、ステップS512の処理が実行される。生データ保存部131の残容量が所定の残容量以上である場合(ステップS511のNo)、ステップS514の処理が実行される。
(ステップS512)
重要度更新機能153は、生データ保存部131の残容量が所定の残容量未満であれば、複数のエネルギービンに対応する複数の重要度を一律に減少する。
(ステップS513)
本ステップにおける処理は、ステップS505と同様なため説明は省略する。なお、ステップS508乃至S510の一連処理と、ステップS511乃至S513の一連処理とは、データサイズ削減処理における任意の段階で適宜実行可能である。
(ステップS514)
再構成可能な生データがあれば(ステップS514のYes)、ステップS515の処理が実行される。再構成可能な生データがなければ(ステップS514のNo)、データサイズ削減処理は終了する。再構成可能な生データの有無は、生データ保存部131における当該生データの保存の有無に相当する。
(ステップS515)
入力インターフェース43を介したユーザの指示により、再構成の再度の実施が入力されると(ステップS515のYes)、ステップS504以降の処理が繰り返される。このとき、データサイズ処理機能155は、近似モデルを用いて、削減された生データを復元してもよい。再構成の再度の実施が入力されなければ(ステップS515のNo)、ステップS508以降の処理が繰り返される。
以上に述べた実施形態に係るフォトンカウンティングCTのスキャンにより得られた生データを管理するデータ管理装置100および当該データ管理装置100を搭載するPCCT装置1は、生データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得し、複数の重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、当該更新基準に基づいて複数の重要度のうち少なくとも一つを更新し、更新された重要度に基づいて、当該生データのうち更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関する生データのサイズを削減する。
また、実施形態に係る重要度の更新基準は、ユーザにとって有用なエネルギービンに対応する重要度の値を増加し、複数のエネルギー範囲のうちユーザにとって無用なエネルギー範囲に対応する重要度の値を減少するように設定される。実施形態に係る重要度の更新基準は、例えば、スキャンの目的と、スキャン条件と、再構成条件と、読影結果と、解析結果と、再構成画像の転送と、生データの転送と、再構成画像の作成時期と、生データ保存部131の残容量とのうち少なくとも一つに基づいて設定される。
実施形態に係るデータ管理装置100および当該データ管理装置100を搭載するPCCT装置1は、スキャンの目的とスキャン条件と読影結果と解析結果とのうち少なくとも一つに関連するエネルギービンに対応する重要度を増加し、再構成条件と生データの転送と再構成画像の転送とのうち少なくとも一つに関するエネルギービンに対応する重要度を増加または減少し、再構成画像の作成時期からの経過時間と生データ保存部131の残容量とのうち少なくとも一つに応じて複数の重要度を減少させる。具体的には、実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1は、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減する。
例えば、実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1は、低重要度ビンにおけるカウント数をゼロにする。なお、実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1は、近似モデルに基づいて、低重要度ビンにおけるカウント数をゼロから復元してもよい。
また、実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1は、低重要度ビンにおける第1データと、低重要度ビンに隣接するエネルギービンにおける第2データとを統合してもよい。例えば、実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1は、第1データと第2データとの統合として、第1データに対応する第1カウント数と第2データに対応する第2カウント数とを合算する。
以上のことから、本実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、予め設定された重要度を更新基準に従って随時更新し、更新された重要度が閾値を下回ることを契機として生データのサイズを削減することができる。これにより、本実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、ユーザに取って有用であろうエネルギービンに関する生データの保存を確保でき、かつユーザに取って無用であろうエネルギービンに関する生データのサイズを削減することができる。これらのことから、本実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、生データのサイズを抑制することができるため、ユーザに取って必要な生データの残存期間を増やすことが出来る。
例えば、本実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1において、複数のエネルギービン各々に対応する生データにおいて重要な生データが判断されるため、ユーザは、どのエネルギービンの保存の設定が適切かを常に気にすることなく、PCCT装置1において撮影(スキャン)を実施することができる。加えて、本実施形態に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、重要なエネルギービンの生データがより長く生データ保存部131(メモリ103や生データ保存サーバなど)に保存可能となるため、ユーザビリティを向上させることができる。
(第1応用例)
実施形態との相違は、生データ保存部131における残容量が所定の残容量未満である場合、重要度と比較される閾値を下げることにある。
データサイズ処理機能155は、生データが保存される保存領域の残容量が所定の残容量以上か否かを判定する。データサイズ処理機能155は、生データが保存される保存領域の残容量が所定の残容量以上でない場合、すなわち生データ保存部131において保存可能な領域の容量が所定の残容量未満である場合、閾値を低減させる。閾値を低減させる値は、予め設定されているが、入力インターフェース43を介したユーザの指示により、適宜変更可能である。当該判定および閾値の変更は、例えば、データサイズ削減処理におけるステップS501の前段階において実行される。
データサイズ処理機能155は、生データの保存領域(生データ保存部131)の残容量が所定の残容量以上である場合、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減する。本処理は、データサイズ削減処理におけるステップS505、ステップS507、ステップS510、およびステップS513と同様である。
データサイズ処理機能155は、生データ保存部131における保存領域の残容量が所定の残容量未満である場合、複数の重要度のうち閾値を低減させた値を下回った重要度に関するエネルギービンにおける生データのサイズを削減する。すなわち、生データ保存部131における保存領域の残容量が所定の残容量未満である場合、データサイズ処理機能155は、閾値を低減させた値を新たな閾値として用いて、データサイズ削減処理におけるステップS505、ステップS507、ステップS510、およびステップS513を実行する。
以上に述べた実施形態の第1応用例に係るデータ管理装置100および当該データ管理装置100を搭載するPCCT装置1は、生データの保存領域の残容量が所定の残容量以上である場合、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減し、残容量が所定の残容量未満である場合、複数の重要度のうち閾値を低減させた値を下回った重要度に関するエネルギービンにおける生データのサイズを削減する。これにより、実施形態の第1応用例に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、生データ保存部131における保存領域の残容量に応じて閾値が変動するため、重要度が低い生データのサイズをより効率的に削減することができる。他の効果については実施形態と同様なため、説明は省略する。
(第2応用例)
実施形態との相違は、生データ保存部131における残容量が所定の残容量を超える場合、生データのサイズの削減の処理すなわちデータサイズ削減処理を停止することにある。
データサイズ処理機能155は、生データが保存される保存領域(生データ保存部131)の残容量が所定の残容量を超えるか否かを判定する。当該判定は、例えば、データサイズ削減処理におけるステップS501の前段階において実行される。データサイズ処理機能155は、生データの保存領域の残容量が所定の残容量以下である場合、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減する。本処理は、データサイズ削減処理におけるステップS505、ステップS507、ステップS510、およびステップS513と同様である。
データサイズ処理機能155は、生データ保存部131における保存領域の残容量が所定の残容量を超える場合、生データのサイズの削減の処理(データサイズ削減処理)を停止する。
以上に述べた実施形態の第2応用例に係るデータ管理装置100および当該データ管理装置100を搭載するPCCT装置1は、生データの保存領域の残容量が所定の残容量以以下である場合、低重要度ビンにおける生データのサイズを削減し、残容量が所定の残容量を超える場合、データサイズ削減処理を停止する。すなわち、第2応用例に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、生データ保存部131における保存領域の残容量に応じて、データサイズ削減処理のON/OFFを切り替えることができる。これにより、第2応用例に係るデータ管理装置100およびPCCT装置1によれば、生データが保存される残容量および重要度に応じて、生データのサイズをより効率的に削減することができる。他の効果については実施形態と同様なため、説明は省略する。
(第3応用例)
本応用例は、被検体Pの部位(例えば、頭部、胸部、胴部(例えば骨盤)、脚部など)に応じてデータサイズ削減処理によりデータサイズが削減されたエネルギービンを、ディスプレイ42に表示することにある。本応用例におけるデータサイズ削減処理では、被検体Pの部位に応じて削減されたエネルギービンの情報(以下、ビン削減情報と呼ぶ)が、被検体Pの部位と関連付けてメモリ41(またはメモリ103)に記憶される。ビン削減情報は、例えば、被検体Pの部位に応じたエネルギービン、統合ビン、削除されたエネルギービン(以下、削除ビンと呼ぶ)に関する情報である。
ディスプレイ42への表示に関する制御を実行する表示制御機能は、処理回路15に搭載されることとなる。表示制御機能を実現する処理回路15は、表示制御部に相当する。なお、表示制御機能により実現される各処理は、システム制御機能441により実現されてもよい。
システム制御機能441は、ステップS503におけるスキャン実行に先立って、被検体Pに対してスキャノ撮影を実行する。これより、システム制御機能441は、被検体Pに関するスキャノ画像(スキャノグラムともいう)を生成する。なお、スキャノ画像の生成は、再構成処理機能443などにより実行されてもよい。システム制御機能441は、スキャノ画像を、メモリ41に記憶する。
取得機能151は、スキャノ撮影により生成されたスキャノ画像を、メモリ41から取得する。PCCT装置1とデータ管理装置100とが別体である場合、取得機能151は、PCCT装置1からスキャノ画像を、取得する。取得機能151は、取得されたスキャノ画像をメモリ103に記憶させる。
表示制御機能は、ビン削減情報とスキャノグラムとを、メモリ41(またはメモリ103)から読み出す。表示制御機能は、スキャノグラムにおける被検体Pの部位に応じて、ビン削減情報とスキャノグラムとを、ディスプレイ42に表示させる。
図7は、ディスプレイ42に表示されたスキャノグラムSGとビン削減情報BRIとの一例を示す図である。図7に示すように、ビン削減情報BRIは、スキャノ撮影の実行後のスキャンで取得された生データに対するデータサイズ削減処理により、被検体Pの頭部を3つnエネルギービン、胸部を5つのエネルギービン、骨盤を5つのエネルギービン(胸部とは別の切り方)でデータ削減された様子を示している。より詳細には、ビン削減情報BRIは、図7に示すように、横軸をkeV、縦軸を寝台位置として保存されているエネルギービンにおける生データ/保存されていないエネルギービンにおける生データである。図7に示すように、ビン削減情報BRIは、保存されている生データをビンおよび被検体Pの部位(寝台位置)に応じて可視化して、ディスプレイ42に表示される。
ビン削減情報BRIを示すグラフは、各エネルギービンが異なる色相(図7では異なるハッチングで例示)で表現され、かつ、骨盤に関するエネルギービンにおいて一番低エネルギー側のエネルギービン(以下、最低ビンと呼ぶ)と、一番高エネルギー側のエネルギービン(以下、最高ビンと呼ぶ)とはそれぞれ黒色でディスプレイ42に表示される。骨盤に関するエネルギービンにおいて、最低ビンと最高ビンとにおける黒色は、当該2つのビンに関する生データが削除されていること(削除ビン)を示している。
本応用例によれば、特定のエネルギービンの生データを削減されている場合に、ユーザは、どのエネルギービンでデータが削除されたかを容易に把握することができる。例えば、ユーザは、図7に示すように、生データが削除されたエネルギービンおよび統合ビン等に関して、エネルギー帯域を容易に把握することができる。これにより、本応用例によれば、被検体Pに対する検査効率を向上させることができる。
(第4応用例)
本応用例は、第3応用例と異なり、特定のエネルギービンの生データを削減されている情報を、再構成画像とともに表示することにある。入力インターフェース43を介したユーザの指示により、再構成に用いられるエネルギービンが指定されると、再構成処理機能443は、指定されたエネルギービンに関する生データを用いて、再構成画像を生成する。このとき、再構成処理機能443は、再構成に用いられたエネルギービンを再構成画像と関連付けて、メモリ41に記憶する。
表示制御機能は、再構成画像の生成に関するエネルギービン(以下、再構成ビンと呼ぶ)と、当該エネルギービンを含むエネルギービンとを、再構成画像とともに、ディスプレイ42に表示する。表示制御機能は、複数のエネルギービンにおいて、削除ビンがあれば削除ビンと、統合ビンとを、スライダ(スクロールバーとも称される)として表示する。このとき、表示制御機能は、スライダにおけるスライダカーソル(ノブとも称される)を、再構成ビンに重畳して表示する。また、表示制御機能は、スライダにおける削除ビンを例えば黒色に表示し、スライダカーソルが移動できないように制御する。
また、入力インターフェース43を介したユーザの指示によりスライダにおけるスライダカーソルが移動されると、再構成処理機能443は、移動後のスライダカーソルにおける統合ビンまたはエネルギービンにおける生データを用いて、再構成画像を生成する。次いで、表示制御機能は、新たにに生成された再構成画像を、スライダカーソルが移動されたスライダとともにディスプレイ42に表示する。
図8は、ディスプレイ42に表示された再構成画像とスライダとの一例を示す図である。図8では、被検体Pの胸部を5つのエネルギービンでスキャンして得られた第1の再構成画像(PCCT画像)RI1が左側に、複数のエネルギービンに対して左側とは異なる分け方の5つのエネルギービンでスキャンして得られた第2の再構成画像(PCCT画像)RI2が右側にそれぞれ示されている。各画像領域の下方(画像領域内であっても画像領域外であっても構わない)には、横方向にkeVを取ったスライダSL1、SL2が示されており、各エネルギービンが異なる色相(図8では異なるハッチング)で色分けされて表示される。
図8に示すように、左側の再構成画像RI1に関するスライダSL1では、表示制御機能は、左から2つ目のエネルギービンである再構成ビンに、スライダカーソルSC1を重畳させて表示する。ディスプレイ42に表示されている再構成画像RI1は、当該左から2つ目のエネルギービン(再構成ビン)における生データを再構成して得られた画像であることを示している。
また、図8に示すように、右側の再構成画像RI2に関するスライダSL2において表示制御機能は、左から2つ目のエネルギービンである再構成ビンにスライダカーソルSC2を重畳して表示する。ディスプレイ42に表示されている再構成画像RI2は、当該左から2つ目のエネルギービン(再構成ビン)における生データを再構成して得られた再構成画像であることを示している。さらに、右側の再構成画像RI2に関するスライダSL2において、最低ビンと最高ビンとをそれぞれ黒色でディスプレイ42に表示されている。再構成画像RI2に関するスライダSL2において、最低ビンと最高ビンとにおける黒色は、当該2つのビンに関する生データが削除されていること(削除ビン)を示している。最低ビンと最高ビンとが削除されている場合、表示制御機能は、スライダSL2において削除されたこれらのエネルギービンにスライダカーソルSC2を移動できないように、スライダカーソルSC2の移動を制御する。
本応用例によれば、応用例3と同様に特定のエネルギービンの生データを削減されている場合に、ユーザは、どのエネルギービンでデータが削除されたかを容易に把握することができる。例えば、ユーザは、図8に示すように、生データが削除されたエネルギービンおよび統合ビン等に関して、エネルギー帯域を容易に把握することができる。また、本応用例によれば、スライダカーソルSC1、SC2の移動に応じた再構成画像を生清して表示することができる。これにより、表示された再構成画像がどのエネルギービンにおける生データを用いて再構成されたのかをユーザは容易に把握することができ、被検体Pに対する検査効率を向上させることができる。
実施形態における技術的思想をデータ管理方法で実現する場合、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理するデータ管理方法は、データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得し、複数の重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、当該更新基準に基づいて、複数の重要度のうち少なくとも一つを更新し、更新された重要度に基づいて、当該データのうち更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減する。本データ管理方法に関するデータサイズ削減処理の手順および効果は、実施形態の記載と同様なため、説明は省略する。
実施形態における技術的思想をデータ管理プログラムで実現する場合、コンピュータに、フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理することを実現させるデータ管理プログラムは、コンピュータに、データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得し、複数の重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、当該更新基準に基づいて、複数の重要度のうち少なくとも一つを更新し、更新された重要度に基づいて、当該データのうち更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減すること、を実現させる。
例えば、フォトンカウンティングX線CT装置などのモダリティ、PACSサーバ装置、またはデータ保管サーバ装置などにおけるコンピュータにデータ管理プログラムをインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても、データサイズ削減処理を実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。データ管理プログラムにより実現されるデータサイズ削減処理の手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
以上説明した少なくとも1つの実施形態等によれば、診断に有用なエネルギー範囲の数(bin数)を確保しつつ、重要でないエネルギー範囲(bin)におけるデータのサイズを低減することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 フォトンカウンティングX線CT装置(PCCT装置)
10 架台装置
11 X線管
12 X線検出器
13 回転フレーム
14 X線高電圧装置
15 処理回路
16 ボウタイフィルタ
17 コリメータ
18 DAS(Data Acquisition System)
19 制御装置
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 天板支持フレーム
40 コンソール装置
41 メモリ
42 ディスプレイ
43 入力インターフェース
44 処理回路
100 データ管理装置
101 通信インターフェース
103 メモリ
105 処理回路
131 生データ保存部
133 重要度記録部
135 重要度更新基準記録部
151 取得機能
153 重要度更新機能
155 データサイズ処理機能
441 システム制御機能
442 前処理機能
443 再構成処理機能

Claims (15)

  1. フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理するデータ管理装置であって、
    前記データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得する取得部と、
    複数の前記重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、前記更新基準に基づいて、複数の前記重要度のうち少なくとも一つを更新する重要度更新部と、
    前記更新された重要度に基づいて、前記データのうち前記更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減するデータサイズ処理部と、
    を備えるデータ管理装置。
  2. 前記更新基準は、複数の前記エネルギー範囲のうちユーザにとって有用なエネルギー範囲に対応する重要度の値を増加し、複数の前記エネルギー範囲のうちユーザにとって無用なエネルギー範囲に対応する重要度の値を減少するように設定される、
    請求項1に記載のデータ管理装置。
  3. 前記更新基準は、前記スキャンの目的と、前記スキャンの実行に関するスキャン条件と、前記データに基づいて再構成された再構成画像に対する読影結果と、前記再構成画像に基づく解析結果と、前記再構成画像に関する再構成条件と、前記再構成画像の転送と、前記データの転送と、前記再構成画像の作成時期と、前記データが保存される保存領域の残容量とのうち少なくとも一つに基づいて設定される、
    請求項1または2に記載のデータ管理装置。
  4. 前記重要度更新部は、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記スキャンの目的に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加し、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記スキャン条件に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加し、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記読影結果に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加し、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記解析結果に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加し、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記再構成条件に関連するエネルギー範囲に対応する重要度を増加または減少し、
    複数の前記エネルギー範囲のうち前記データの転送または再構成画像の転送に対応するエネルギー範囲に対応する重要度を増加または減少し、
    前記再構成画像の作成時期からの経過時間に応じて、複数の前記エネルギー範囲に対応する複数の前記重要度を減少し、
    前記残容量に応じて、複数の前記エネルギー範囲に対応する複数の前記重要度を減少する、
    請求項3に記載のデータ管理装置。
  5. 前記データサイズ処理部は、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるデータのサイズを削減する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  6. 前記データサイズ処理部は、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるカウント数をゼロにする、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  7. 前記データサイズ処理部は、複数の前記エネルギー範囲に亘る前記カウント数の分布を近似する近似モデルに基づいて、前記閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるカウント数を前記ゼロから復元する、
    請求項6に記載のデータ管理装置。
  8. 前記データサイズ処理部は、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲における第1データと、前記閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲に隣接するエネルギー範囲における第2データとを統合する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  9. 前記データサイズ処理部は、前記第1データと前記第2データとの統合として、前記第1データに対応する第1カウント数と前記第2データに対応する第2カウント数とを合算する、
    請求項8に記載のデータ管理装置。
  10. 前記データサイズ処理部は、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるデータを外部の記憶装置へ転送する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  11. 前記データサイズ処理部は、
    前記データの保存領域の残容量が所定の残容量以上である場合、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるデータのサイズを削減し、
    前記残容量が残容量未満である場合、複数の前記重要度のうち前記閾値を低減させた値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるデータのサイズを削減する、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  12. 前記データサイズ処理部は、
    前記データの保存領域の残容量が所定の残容量以下である場合、複数の前記重要度のうち閾値を下回った重要度に関するエネルギー範囲におけるデータのサイズを削減し、
    前記残容量が所定の残容量を超える場合、データのサイズの削減の処理を停止する、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載のデータ管理装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のデータ管理装置と、
    前記スキャンを実行する架台装置と、
    を備えるフォトンカウンティングX線コンピュータ断層撮影装置。
  14. フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理するデータ管理方法であって、
    前記データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得し、
    複数の前記重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、前記更新基準に基づいて、複数の前記重要度のうち少なくとも一つを更新し、
    前記更新された重要度に基づいて、前記データのうち前記更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減すること、
    を備えるデータ管理方法。
  15. フォトンカウンティングCTのスキャンにより得られたデータを管理することをコンピュータに実現させるデータ管理プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記データに関する3つ以上のエネルギー範囲のそれぞれの重要度を取得し、
    複数の前記重要度の更新基準に関する情報を取得した場合、前記更新基準に基づいて、複数の前記重要度のうち少なくとも一つを更新し、
    前記更新された重要度に基づいて、前記データのうち前記更新された重要度に対応するエネルギー範囲に関するデータのサイズを削減すること、
    を実現させるデータ管理プログラム。
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