JP2023104564A - 電動操作装置、電動操作機構、故障判定方法 - Google Patents

電動操作装置、電動操作機構、故障判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】専用の装置を設けることなく人為的判断を不要とする電動操作機構、故障判定方法を提供する。【解決手段】電動操作機構1において、静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器10を駆動するモータ20を備えた電動操作機構を制御する電動操作装置100は、モータの回転方向の回転位置を取得してモータの回転回数及び回転速度を算出する演算部と、算出したモータの回転回数及び回転速度それぞれの変化量に基づいて負荷時タップ切換器及び電動操作機構における異常内容を示す異常モードを判定する判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、例えば、変圧器などの静止誘導電器に用いられる負荷時タップ切換器を作動させる電動操作装置、電動操作機構および故障判定方法に関する。
変圧器などの静止誘導電器では、そのコイルの巻回数比を変更することで出力電圧を変更することができる。コイルに複数の巻回数比のタップを設けることにより、複数の電圧を出力することが可能になる。静止誘導電器において電圧負荷を遮断せずにコイルの巻回数比を切り換える手段として、負荷時タップ切換器(on-Load Tap Changer:LTC)が知られている。負荷時タップ切換器は、静止誘導電器の筐体内などに備えられ、負荷に電圧を供給したまま静止誘導電器の出力電圧を変化させることができる。
負荷時タップ切換器は、静止誘導電器のコイルに設けられた複数のタップを切り換える電動操作機構を備えている。電動操作機構は、負荷時タップ切換器のタップ切換機構を作動させるための駆動力を発生する。ここで、タップ切換機構を作動させる駆動力は、モータの駆動トルクが例示される。電動操作機構は、外部からのタップ切換指令に基づいて負荷時タップ切換器に駆動力を供給し、負荷時タップ切換器は静止誘導電器内のタップの切り換え動作を実行する。
負荷時タップ切換器は、静止誘導電器において電圧負荷を遮断せずにタップ切換を行うから、タップ切換中に正常な動作ができない不具合が発生した場合、速やかに復旧することが求められる。負荷時タップ切換器の不具合の復旧には、その原因が駆動系にあるのか、電気部品にあるのか、制御部品にあるのか等を特定する必要がある。
従来、負荷時タップ切換器の不具合の原因を特定するには、電動操作機構において駆動力を発生するモータのケーブルに電流クランプを装着し、電流クランプが検出した電流値に基づいてモータの過電流や単相電流欠落によるモータ欠相等を判別していた。しかし、こうしたモータの駆動電流による判定では、負荷時タップ切換器や電動操作機構における故障部位の切り分けを行うことができず、故障部位の特定は人為的な判断で行う必要があった。
特許第6310905号 特開2006-128237
このように、従来の電動操作装置、電動操作機構、故障判定方法では、専用の装置を必要とし、故障部位の特定や重故障に至る軽故障段階での故障の検出には人為的な判断が必要という問題がある。本発明が解決しようとする課題は、専用の装置を設けることなく人為的判断を不要とすることができる電動操作装置、電動操作機構、故障判定方法を提供することである。
実施形態によれば、電動操作装置は、静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を駆動するモータを備えた電動操作機構を制御する。この電動操作装置は、モータの回転方向の回転位置を取得してモータの回転回数および回転速度を算出する演算部と、算出したモータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて負荷時タップ切換器および電動操作機構における異常内容を示す異常モードを判定する判定部とを備える。
また、実施形態によれば、電動操作機構は、静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を制御する。この電動操作機構は、負荷時タップ切換器を駆動するモータと、モータと結合されモータの回転方向の回転位置を検出する角度センサと、角度センサが検出したモータの回転方向の回転位置を取得してモータの回転回数および回転速度を算出する演算部と、算出した前記モータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて負荷時タップ切換器および電動操作機構における異常内容を示す異常モードを判定する判定部とを備える。
さらに、実施形態によれば、故障判定方法は、静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を駆動するモータおよび該モータの回転方向の回転位置を検出する角度センサを備えた電動操作機構および負荷時タップ切換器の故障を判定する。この故障判定方法は、角度センサからモータの回転方向の回転位置を取得し、取得した回転位置に基づいてモータの回転回数および回転速度を算出し、算出したモータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて負荷時タップ切換器および電動操作機構における異常内容を判定することを特徴とする。
実施形態の電動操作機構の構成を示すブロック図である。 実施形態の電動操作機構における判定テーブルの概要を示すブロック図である。 実施形態の電動操作機構における速度プロファイルパタン情報の一例を示す図である。 実施形態の電動操作機構における速度プロファイルパタン情報の実測データ例を示す図である。 実施形態の電動操作機構における故障判定動作を示すフローチャートである。
実施形態では、電動操作機構のモータに取り付けた角度センサ出力から得られる回転位置情報と時間情報から速度プロファイルパタン情報を生成する。サンプルとして、想定される異常時の速度プロファイルパタン情報と正常時の速度プロファイルのパタン情報を事前に取得しておき、それらと実測したパタン情報とを比較することで、故障となる原因を判定する。またパタン情報を認識することにより、故障内容や部位の特定可能な異常モード判別システムを構築することで、事前に故障の傾向を推測することも可能となる。このような構成により、従来の故障点判別装置のような専用装置が不要となる。
以下、図面を参照して、実施形態に係る電動操作機構およびその異常判定方法について詳細に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
(実施形態の電動操作機構の構成)
図1に示すように、実施形態の電動操作機構1は、モータ20と、角度センサ30と、電動操作装置100を有している。モータ20は、回転可能な電動軸22を有する。モータ20は、電動軸22を介して負荷時タップ切換器10と接続(連結)される。モータ20は、電動軸22を回転させることで駆動力を発生する。発生した駆動トルクは、電動軸22を介して負荷時タップ切換器10に伝達される。負荷時タップ切換器10は、電動軸22により伝達されたモータ20の駆動トルクにより静止誘導電器(図示せず)のタップ切換を実行する。以下の説明において、モータ20の電動軸22の回転を、単にモータ20の回転と呼ぶことがある。
角度センサ30は、モータ20の回転の機械的変位量を電気信号として出力するセンサである。角度センサ30は、例えばエンコーダなどにより実現できるが、回転角度を検出できるものであればこれには限定されない。角度センサ30は、例えば回転の変位量または回転の角度をパルス信号などとして出力する。回転の機械的変位量は、回転に関する相対的位置(回転位置)として表すことができる。すなわち、角度センサ30は、電動軸22の回転位置として、電動軸22における軸方向の垂直断面の円周方向の相対的位置を検出することができる。角度センサ30は、例えば電動軸22と同軸的あるいはギアを介して電動軸22に連結されるが、これには限定されない。角度センサ30は、電動軸22と回転が同期していれば直接接続されていなくてもよい。角度センサ30が検出した電動軸22の回転位置に基づいて、電動軸22の回転回数および回転速度を算出することが可能になる。なお、以下の説明において「回転位置」とは、「回転角度」を含むものとする。ここで、回転速度とは、単位時間当りの回転回数、あるいは回転回数の時間的変化(時間による微分値)として求められる。
電動操作装置100は、モータ20を制御するとともに電動操作機構1内外で発生する故障を判定する機能をもつ。電動操作装置100は、モータ20に対して起動信号および停止信号を与えるとともに、角度センサ30の検出結果を受信する。電動操作装置100は、制御盤110、指示処理部120、記憶部130、カウンタ140、モータ制御部150、角度センサ処理部160、およびプロファイル判定部170を有している。
制御盤110は、電動操作装置100に対するタップ切換指令を受信するインタフェースである。タップ切換指令は、制御盤110に設けられるスイッチなどによって入力されてもよいし、上位機器からの信号として入力されてもよい。
指示処理部120は、制御盤110が受信したタップ切換指令を処理する演算ブロックである。指示処理部120は、タップ切換指令に応じて負荷時タップ切換器が必要とするモータ20の回転回数を算出してモータ制御部150にモータ制御指令を与える。タップ切換指令に対応するモータ20の回転回数は、あらかじめ対応テーブルの形で規定しておき、その中から選択してもよい。
記憶部130は、指示処理部120から参照されタップ切換指令に対応して必要なモータ20の回転回数などをモータ制御情報として記憶する。併せて、記憶部130は、電動操作装置100が行う負荷時タップ切換器10や電動操作機構1における故障検出や故障判定を行う判定情報を記憶する。故障判定を行う判定情報は、例えば監視情報、対応する異常モードと不具合事象と故障内容・故障部位を対応付けた判定テーブルや、あらかじめ負荷時タップ切換器10および電動操作機構1を動作させて得たモータ20の回転回数および回転速度の関係を記録した速度プロファイルパタン情報が例示される。
カウンタ140は、外部から与えられるトリガに基づいて時間をカウントする演算ブロックである。カウンタ140は、角度センサ30の回転回数や回転速度を計算する際に必要なカウントやタイミング信号の生成を行う。
モータ制御部150は、モータ20への駆動電源の供給を制御する起動信号および停止信号を生成する回路ブロックである。モータ制御部150は、指示処理部120から送られるモータ制御指令に基づいてモータ20の起動信号および停止信号を生成して、図示しない電磁接触器等の電源開閉装置の制御部に出力する。起動信号は、モータ20に駆動電源からの電力の供給を指令する信号であり、停止信号は、モータ20への駆動電源の供給の停止を指令する信号である。モータ制御部150は、角度センサ処理部160からモータ20の回転回数を受信するように構成され、起動信号を生成した後、モータ20の回転回数がモータ制御指令に規定された回転回数に達すると停止信号を生成して出力する。なお、算出(あるいは規定)された回転回数を目標値とし、モータ起動後の角度センサ30の出力信号をフィードバック信号として、回転角度を制御してもよい。
角度センサ処理部160は、角度センサ30から送られるモータ20の回転位置を示す電気信号に基づいて、モータ20の回転回数および回転速度を算出する演算ブロックである。詳細には、角度センサ処理部160は、角度センサ30からの回転位置信号を、回転角度2π(360度)ごとに1回転とする演算を行うとともに、その積算値を算出する。また、角度センサ処理部160は、角度センサ30からの回転位置信号の微分演算を行うことにより、回転速度を算出する。角度センサ処理部160が算出したモータ20の回転回数は、モータ制御部150がモータ20を停止させる基準として用いられる。角度センサ処理部160が算出したモータ20の回転回数および回転速度は、プロファイル判定部170が負荷時タップ切換器10および電動操作装置1の故障部位および故障内容を判定する基礎データとして用いられる。
プロファイル判定部170は、角度センサ処理部160が算出したモータ20の回転回数および回転速度と、記憶部130に記憶された速度プロファイルパタン情報とに基づいて、負荷時タップ切換器10や電動操作機構1における故障個所および故障内容を判定する演算ブロックである。併せて、プロファイル判定部170は、速度プロファイルパタン情報の更新や将来予測などの演算をも実現する。
(判定テーブルと速度プロファイルパタン情報)
図1に示す実施形態の電動操作機構1は、負荷時タップ切換器10を駆動するモータ20の電動軸22の回転回数および回転速度を用いて、負荷時タップ切換器10や電動操作機構1の故障個所および故障内容を判定する。故障個所および故障内容の判定は、図2に例示される判定テーブルに基づいて行われる。判定テーブルは、あらかじめ記憶部130に記憶される。
判定テーブルは、「監視情報」、「異常モード」、「不具合事象」および「故障内容/部位」の各要素を関連付けている。図2に示すように、プロファイル判定部170がモータ20の電動軸22の回転回数および回転速度を監視情報として角度センサ処理部160から取得すると、その値や経時的変化に基づいて異常の態様(異常モード)と不具合事象が選択される。不具合事象が特定されると、故障個所および故障内容の候補が絞り込まれる。異常モードは、「速度低下」、「不応動」、「途中停止1」、「途中停止2」および「暴走」などが例示される。プロファイル判定部170が異常モードを判定する際に基礎となる閾値や基準時間は、異常モードそれぞれのパタンの性質を考慮して設定される。すなわち、閾値や時間についてある程度の幅をもって基準とすることができる。
「速度低下」は、モータ20の起動完了後の回転速度が所定の回転速度に達しない事象であり、モータ20に一定の負荷トルクがかかり負荷増大による速度低下となるため、モータ20の駆動系における機械部品の故障と判定する(図2中a)。この場合、負荷時タップ切換器10の機構部の固渋、ハンドル機構の固渋、リミット機構の固渋、電動軸用カサ歯車の固渋による故障が例示される。
「不応動」は、負荷時タップ切換器10が切換指令に応答しない事象であり、電気故障によりモータ20が全く回転しない(同b)か、機械的故障によりモータ20が少しだけ回転して停止してしまうことが原因と推定される(同c)。モータ20が全く回転しない場合、回路上の不具合事象と考えられるので、モータ回路用および制御用の電気部品の故障と判定する。例えば、電気故障としてモータ接続線の断線、電磁開閉器動作用リレーの故障、電磁開閉器の故障、MCCBの異常、モータ20の動力線地絡や絶縁破壊による故障が例示される。モータ20が少しだけ回転する場合、機械部品上の不具合事象と考えられるので、負荷時タップ切換器10やモータ20における機械部品の故障と判定する。例えば、機械故障として負荷時タップ切換器10の機構部の固渋、ハンドル機構の固渋、リミット機構の固渋、電動軸用カサ歯車の固渋による故障が例示される。
「途中停止1」は、負荷時タップ切換器10の動作が完了せず途中で停止してしまう事象であり、モータ20に過大な負荷トルクがかかることで起動電流が流れ続け、例えば継電器の動作等によりモータ20の回転が急激に落ち停止することから、モータ20の駆動系における機械部品の故障と判定する(同d)。例えば、機械故障として、負荷時タップ切換器10の機構部の固渋、ハンドル機構の固渋、リミット機構の固渋、電動軸用カサ歯車の固渋による故障が例示される。
「途中停止2」は、負荷時タップ切換器10の動作が完了せず途中で停止してしまう事象であり、モータ20に駆動トルクがかからず回転がなだらかに落ち停止することから、モータ回路用および制御用の電気部品の故障と判定する(同e)。この場合、モータ接続線の断線、電磁開閉器動作用リレーの故障、電磁開閉器の故障、MCCBの異常による故障が例示される。
「暴走」は、モータ20の電動軸22の回転が所定のタイミングで停止しない事象であり、モータ20に電源が供給され続けてモータ20が止まらないことで発生することから、モータ回路用の電源供給を行う電気部品の故障と判定する(同f)。この場合、電磁開閉器動作用リレーの故障や電磁開閉器そのものの故障が例示される。
判定テーブルの異常モードを判定する基礎情報として、電動操作機構1は、負荷時タップ切換器10を駆動するモータ20の回転回数および回転速度の関係を記録した速度プロファイルパタン情報を用いる。図3は、速度プロファイルパタン情報の一例である。
図3に示すように、速度プロファイルパタン情報は、負荷時タップ切換器10および電動操作機構1を稼働開始から稼働停止までにおけるモータ20の回転回数および回転速度の変化を記述している。図3の横軸は、モータ20の起動以降の回転回数の積算値であり、縦軸は、モータ20の回転速度を示す。図3において、速度プロファイルパタン情報は、正常運転時のプロファイル(図3中「normal」)と、異常運転時のプロファイル(図3中「a」~「f」)とを含んでいる。
図3中「a」に示されるプロファイルは、モータ20の回転回数は正常時と同じであるが、定常回転時の回転速度が正常時normalの回転速度よりも低い値に留まっている。これは異常モード「速度低下」に対応するプロファイルである。同じく「b」に示されるプロファイルは、モータ20の回転回数および回転速度が全く増加しておらず、モータ20が回転していない。これは異常モード「不応動」に対応するプロファイルであり、図2に示す判定テーブルでの不具合事象としては「b)モータが全く回転しない」状態である。同じく「c」に示されるプロファイルは、モータ20の回転回数および回転速度が著しく低い値までしか上昇せず回転が停止している。これは異常モード「不応動」に対応するプロファイルであり、図2に示す判定テーブルでの不具合事象としては「c)モータが少しだけ回転する」状態である。
図3中「d」に示されるプロファイルは、モータ20の回転回数が正常な値(図3に示す例では33回)に達する前に急激に回転速度が下降して回転が停止している。これは異常モード「途中停止1」に対応するプロファイルである。同じく「e」に示されるプロファイルは、モータ20の回転回数が正常な値に達する前になだらかに回転速度が下降して回転が停止している。これは異常モード「途中停止2」に対応するプロファイルである。同じく「f」に示されるプロファイルは、モータ20の回転速度が正常な値に達してはいるが、回転回数が正常な値を超過してしまっている。これは異常モード「暴走」に対応するプロファイルである。
このように、プロファイル判定部170は、角度センサ処理部160から取得したモータ20の回転回数および回転速度と、記憶部3に記憶された判定テーブルおよび速度プロファイルパタン情報とに基づいて、負荷時タップ切換器10および電動操作機構1の異常モードを判定することができる。また、判定テーブルおよび速度プロファイルパタン情報を用いることで、故障の部位と故障内容の候補を提示することが可能になる。実施形態の電動操作機構1では、判定テーブルおよび速度プロファイルパタン情報を記憶部130に記憶させておき、負荷時タップ切換器10の稼働中に生じた電動軸22の回転および回転速度の変化量と、判定テーブルおよび速度プロファイルパタン情報とを比較することで、故障の部位と故障内容の判定を実現している。
図4は、負荷時タップ切換器10の稼働中における電動軸22の回転および回転速度を実測して得た速度プロファイルの例である。図4に示すように、電動操作機構1の正常動作においては、電動軸22が2回転する間に所定の回転速度に達し、電動軸22が所定回数(図4の例では34回)回転したときに回転速度がゼロとなっている。
一方、電動操作機構1の異常モードが暴走のときは、電動軸22の回転が所定の回転回数を超えてから回転速度がゼロとなる。電動操作機構1の異常モードが速度低下のときは、電動軸22の回転速度が正常動作時の回転速度に達していない。電動操作機構1の異常モードが不応動のときは、電動軸22の回転がゼロか数回程度で停止してしまう。電動操作機構1の異常モードが途中停止1または途中停止2のときは、電動軸22の回転が所定の回転回数に達する前に回転速度が急峻に低下(途中停止1)するか、なだらかに低下(途中停止2)している。
なお、速度プロファイルパタン情報はあらかじめ記憶部130に記憶させておくが、電動操作機構1の稼働中に実測した回転回数および回転速度に基づいて更新されてもよい。
(実施形態の電動操作機構の動作)
以下、図1および図5を参照して、実施形態の電動操作機構1の動作を説明する。あらかじめ記憶部130には判定テーブルと速度プロファイルパタン情報を格納しておく。制御盤110は、ユーザからの切換指令を受け付ける(S200)。切換指令は、上位にある装置から信号によって送られてもよい。
切換指令を受けると、指示処理部120は、切換指令の内容に応じて負荷時タップ切換器10が必要とするモータ20の回転回数を算出する。あらかじめ記憶部130に対応情報を記憶させておき指示処理部120が対応情報を参照して回転回数を選択してもよい。指示処理部120は、算出した回転回数を含むモータ制御指令をモータ制御部150に送る。モータ制御部150は、モータ制御指令に基づいてモータ20の起動信号および停止信号を生成してモータ20を制御する(S210)。モータ20が起動信号に基づき駆動電源の供給を受けると、モータ20は電動軸22を回転させて負荷時タップ切換器10に駆動トルクを供給する。
モータ制御部150がモータ20の起動信号を生成すると、カウンタ140は駆動制御時間のカウントを開始する(S220)。このカウントは、不具合時のタイムアウトに用いられる。
角度センサ30は、電動軸22の回転に応じて電動軸22の回転位置に対応する電気信号(パルス信号)を出力する。角度センサ処理部160は、角度センサ30が出力した電気信号を受信し、モータ制御部150が起動信号を生成後の電動軸22の回転回数と回転速度を算出する(S230)。
プロファイル判定部170は、角度センサ処理部160が算出した電動軸22の回転回数と回転速度を記憶部130に記録して実測した速度プロファイルパタン情報を生成する(S240)。
プロファイル判定部170は、実測した速度プロファイルパタン情報と記憶部130に格納されあらかじめ用意された速度プロファイルパタン情報とを比較する(S250)。比較対象となるパラメータは、記憶部130に格納された判定テーブルに基づいて決定される。例えば、異常モード「不応動」に対応する電動軸22の回転回数、同じく「速度低下」に対応する電動軸22の回転速度、同じく「途中停止1」および「途中停止2」に対応する電動軸22の回転速度低下、同じく「暴走」に対応する電動軸22の回転回数が比較対象となり得る。速度プロファイルパタン情報の比較は、パラメータ同士を対比してもよいし、画像データとしてのプロファイルパタン同士を比較してもよい。
回転位置の情報がない場合(S250のNo)、すなわちプロファイル判定部170が角度センサ処理部160から回転回数も回転速度も得られない場合、プロファイル判定部170は、カウンタ140のカウント値を参照し、タイムアウトであるか否か判定する(S260)。タイムアウトに達していない場合(S260のNo)、プロファイル判定部170は引き続き回転回数および回転速度の受信と速度プロファイルパタン情報の生成を継続する(S240)。タイムアウトに達した場合(S260のYes)、プロファイル判定部170は、異常モード「不応動」と判定する(S270)。
回転位置の情報がある場合(S250のYes)、プロファイル判定部170は、回転速度が上昇後にゼロになったか否かを監視する(S280)。回転速度がゼロとなり電動軸22の回転が停止した場合(S280のYes)、それが基準時間内の停止であり(S290のYes)、減速に要した回転回数が所定の閾値以内である場合(S300のYes)、プロファイル判定部170は、急激に回転速度が低下する異常モード「途中停止1」と判定する(S310)。一方、減速に要した回転回数が所定の閾値を超えた場合(S300のNo)、プロファイル判定部170は、緩やかに回転速度が低下する異常モード「途中停止2」と判定する(S320)。ここで、プロファイル判定部170が判定する基礎となる基準時間は、ある程度の幅をもって規定されてもよい。
回転速度がゼロとはならず電動軸22の回転が停止しない場合、モータ制御部150は、角度センサ30から受信したモータ20の実際の回転回数が、モータ制御指令に規定されたモータ20の回転回数に達したときに停止信号を生成してモータ20への駆動電源の供給を停止させる(S330)。
モータ制御指令に基づいてモータ20が停止した場合(S330)や回転速度がゼロとなり電動軸22の回転が停止した場合(S280のYes)であってそれが基準時間を超過した停止である場合(S290のNo)、プロファイル判定部170は、電動軸22の回転位置が所定の位置を超過したか否か、すなわち電動軸22の回転が所定の回転回数を超過したか否かを判定する(S340)。電動軸22の回転が所定の回転回数を超過した場合(S340のYes)、プロファイル判定部170は、異常モード「暴走」と判定する(S350)。
電動軸22の回転が所定の回転回数を超過しない場合(S340のNo)、プロファイル判定部170は、カウンタ140のカウント動作を停止させ、電動軸22の回転速度の定常値が所定の閾値以内であるか否か判定する(S370)。回転速度の定常値が閾値以下である場合(S370のYes)、プロファイル判定部170は、規定された速度に達しない異常モード「速度低下」と判定する(S390)。
回転速度の定常値が所定の閾値を超過した場合(S370のNo)、プロファイル判定部170は、負荷時タップ切換器10の切り替えが正常に行われたと判定する(S380)。判定結果は制御盤110を通じてユーザに提供され、記憶部130に記録される。
プロファイル判定部170が異常モードの判定を行った場合(S270、S310、S320、S350、S360)、プロファイル判定部170は、異常モードの種類と記憶部130に格納された判定テーブルの内容に基づいて、推測される故障個所および故障内容を、制御盤110を通じてユーザに提供し記憶部130に記録する(S400)。
(速度プロファイルパタン情報の補正)
記憶部130に格納した速度プロファイルパタン情報は、異常モードの基本情報を規定するが、機器の個体差や負荷時タップ切換器10の種類により、動作負荷条件が異なる場合がある。かかる場合、異常モードの判定を正確に行うことが困難となる。
そこで、負荷時タップ切換器10と電動動作機構1を稼働可能な状態に設置し、そのうえで負荷時タップ切換器10および電動操作機構1を複数回動作をさせる。その結果、プロファイル判定部170は、取得した回転回数および回転速度を記憶部130に記録するので、その記録から最大回転速度の平均値を算出して速度プロファイルパタン情報に基本情報として追記しておく。その後のプロファイル判定部170による判定動作において、正常動作状態における最大回転速度との比をパラメータとして乗ずることにより、速度プロファイルパタン情報に含まれる、速度低下の回転速度や減速回転回数などの閾値の補正が可能になる。かかる補正は、負荷時タップ切換器10および電動操作機構1が稼働していない状態で行ってもよいし、稼働中にプロファイル判定部170が随時行ってもよい。
(速度プロファイルパタン情報の流用)
プロファイル判定部170が定期的な速度プロファイルの記録を行い、測定された速度プロファイルと測定時点の時系列情報を組合せて、回転速度の推移を外挿推定することで、経年による負荷増大での速度低下発生までの年数を算出することが可能になる。算出された結果は、制御盤110を通じて出力することができる。
このように、実施形態の電動操作機構によれば、従来の故障点判別装置と比較して複数の異常検出が可能となり、故障判定の作業工数の低減が可能となる。また、電流計、トルクメータや電圧計などの機器を付加することなく電動操作機構の基本構成により負荷時タップ切換器の故障モードの検出を可能にするので、保守における省コスト、省力化および高度化が可能になる。さらに、モータの電動軸の回転回数および回転速度からなる速度プロファイルから故障モードを自動判定することを可能にするので、故障の原因を従来構成よりも早い段階で判定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電動操作機構、10…負荷時タップ切換器、20…モータ、22…電動軸、30…角度センサ、100…電動操作装置、110…制御盤、120…指示処理部、130…記憶部、140…カウンタ、150…モータ制御部、160…角度センサ処理部、170…プロファイル判定部170。

Claims (9)

  1. 静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を駆動するモータを備えた電動操作機構を制御する電動操作装置であって、
    前記モータの回転方向の回転位置を取得して前記モータの回転回数および回転速度を算出する演算部と、
    前記算出した前記モータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構における異常内容を示す異常モードを判定する判定部と、
    を備えた電動操作装置。
  2. 前記負荷時タップ切換器の動作時における前記モータの回転回数および回転速度の関係を示すプロファイルパタン情報と、前記プロファイルパタン情報での前記動作時における前記モータの回転回数および回転速度それぞれの変化量と前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構それぞれにおける前記異常モードとを対応付けた判定テーブルと、を記憶した記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、前記演算部が算出した前記モータの回転回数および回転速度と、前記記憶部に記憶された前記プロファイルパタン情報および前記判定テーブルとに基づいて、前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構の異常内容を判定すること、
    を特徴とする請求項1記載の電動操作装置。
  3. 前記判定テーブルは、前記モータの回転の変位量、前記モータの回転速度の値およびその変化量と、これらに特徴づけられる故障部位および故障態様とを対応付けた情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載の電動操作装置。
  4. 前記判定部は、前記モータの1回転ごとの回転速度の変化量を前記モータの回転開始から回転終了まで記録した速度プロファイルパタンを生成し、該生成した速度プロファイルパタンと前記記憶部に記憶したプロファイルパタン情報とを比較することで前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構の異常内容を示す異常モードを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の電動操作装置。
  5. 前記判定部は、前記判定テーブルに基づいて前記異常モードから前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構における故障部位および故障態様を特定することを特徴とする請求項4記載の電動操作装置。
  6. 前記判定部は、前記演算部が算出した前記モータの回転回数および回転速度を用いて前記速度プロファイルパタンを更新することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電動操作装置。
  7. 前記判定部は、前記算出した速度プロファイルパタンを前記記憶部に複数記憶させ、前記算出した複数の速度プロファイルパタンを時系列的に比較し、推奨されるメンテナンス時期を推定することを特徴とする請求項4記載の電動操作装置。
  8. 静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を制御する電動操作機構であって、
    前記負荷時タップ切換器を駆動するモータと、
    前記モータと結合され前記モータの回転方向の回転位置を検出する角度センサと、
    前記角度センサが検出した前記モータの回転方向の回転位置を取得して前記モータの回転回数および回転速度を算出する演算部と、
    前記算出した前記モータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構における異常内容を示す異常モードを判定する判定部と、
    を備えた電動操作機構。
  9. 静止誘導電器に設けられたタップを切換可能な負荷時タップ切換器を駆動するモータおよび該モータの回転方向の回転位置を検出する角度センサを備えた電動操作機構および前記負荷時タップ切換器の故障判定方法であって、
    前記角度センサから前記モータの回転方向の回転位置を取得し、
    前記取得した前記回転位置に基づいて前記モータの回転回数および回転速度を算出し、
    前記算出した前記モータの回転回数および回転速度それぞれの変化量に基づいて前記負荷時タップ切換器および前記電動操作機構における異常内容を判定すること
    を特徴とする故障判定方法。
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