JP2023104445A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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【課題】ノッチ等を代替するマーク(溝)においてDAFと保護部材が貼り付かないようにする。【解決手段】表面から裏面に至る面取り部を外周に有するとともに結晶方位を示す構造物が該外周に形成されたウェーハを該裏面側から研削して仕上げ厚みへと薄化するウェーハの加工方法であって、該ウェーハを該外周に沿って切削することで該ウェーハの該表面から該仕上げ厚み以上の深さで該面取り部を除去し、切削ブレードを該構造物に隣接する位置に切り込ませて該ウェーハを該表面から該仕上げ厚み以上の深さかつ該ウェーハの厚みを超えない深さで切削し、該構造物に代わって該ウェーハの結晶方位を示す溝を形成し、該ウェーハの該表面に保護部材を配設し、該ウェーハを該裏面から研削して該仕上げ厚みへと薄化するとともに、該溝の底部を除去して該溝を該ウェーハの該裏面に露出させる。【選択図】図6

Description

本発明は、外周に面取り部を有し、外周にノッチが形成されたウェーハを研削して薄化するウェーハの加工方法に関する。
携帯電話やパソコン等の電子機器に使用されるデバイスチップの製造工程では、まず、半導体等の材料からなるウェーハの表面に互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)を設定する。そして、分割予定ラインで区画される各領域にIC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integration)等のデバイスを形成する。その後、ウェーハを裏面側から研削して薄化し分割予定ラインに沿って分割すると、個々のデバイスチップが形成される。
デバイスが形成されるシリコンウェーハの外周には、ウェーハを構成する部材の結晶方位を示すノッチやオリエンテーションフラット等の切り欠きが形成される。そして、ウェーハの加工プロセスの各種の工程では、このノッチ等が参照されて加工位置等が決定される。また、ウェーハの外周には、端部の欠け等を防止するために面取り部が形成される。面取り部が形成されたウェーハの外周では、ウェーハの断面形状が表面から裏面に至る円弧状となる。
ここで、外周に面取り部が形成されたウェーハを裏面側から研削して薄化すると、面取り部を構成する円弧面及び平坦な研削面により構成されるナイフエッジ形状がウェーハの外周に生じ、ウェーハの外周に欠けが生じやすくなる。そこで、ウェーハを研削する前に、該ウェーハの外周に円環状の切削ブレードを切り込ませ面取り部を除去するエッジトリミング加工が実施される(特許文献1参照)。
しかしながら、エッジトリミング加工を実施しその後にウェーハを研削して薄化すると、ノッチ等の切り欠きがウェーハから失われ、ウェーハの結晶方位を特定できなくなるとの問題が生じる。そこで、ノッチ等が失われる前に、ウェーハにノッチ等を代替するマークとして溝を形成する方法が提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2000-173961号公報 特開2013-115187号公報 特開2013-211409号公報
近年、デバイスチップの実装面積の省面積化や高集積化のために、複数のデバイスチップを積層させてパッケージ化する技術が開発されている。各デバイスチップに予めダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれる接着フィルムを配設し、DAFを介して各デバイスチップを互いに貼着するとパッケージを形成できる。DAF付きのデバイスチップを得るには、ウェーハにDAFを貼着し、ウェーハともにDAFを分割すればよい。そして、DAFは、研削されて薄化されたウェーハの被研削面である裏面に貼着される。
また、ウェーハの表面側には、ウェーハを裏面側から研削する際にウェーハの表面に形成されたデバイス等を保護するテープ状の保護部材が貼着される。そのため、研削されて薄化されたウェーハの裏面側にDAFを貼着したとき、ノッチ等を代替するマークとなる溝にDAFが垂れて、溝中でDAFが保護部材に貼り付くことがある。この場合、保護部材とDAFが強力に貼り付くため、両者を引き剥がすのは容易ではなく、引き剥がす際に無理な力がウェーハにかかりウェーハが破損する場合もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ノッチ等を代替するマーク(溝)においてDAFと保護部材が貼り付くことのないウェーハの加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、表面から裏面に至る面取り部を外周に有するとともに結晶方位を示す構造物が該外周に形成されたウェーハを該裏面側から研削して仕上げ厚みへと薄化するウェーハの加工方法であって、該ウェーハを該外周に沿って切削することで該ウェーハの該表面から該仕上げ厚み以上の深さで該面取り部を除去する面取り部除去ステップと、切削ブレードを該構造物に隣接する位置に切り込ませて該ウェーハを該表面から該仕上げ厚み以上の深さかつ該ウェーハの厚みを超えない深さで切削し、該構造物に代わって該ウェーハの結晶方位を示す溝を形成する溝形成ステップと、該面取り部除去ステップ及び該溝形成ステップを実施した後、該ウェーハの該表面に保護部材を配設する保護部材配設ステップと、該保護部材配設ステップを実施した後、該ウェーハを該裏面から研削して該仕上げ厚みへと薄化するとともに、該溝の底部を除去して該溝を該ウェーハの該裏面に露出させる研削ステップと、を備えるウェーハの加工方法が提供される。
好ましくは、該研削ステップでは、該溝が該ウェーハの該裏面に露出したことにより該裏面に開口が形成され、該開口の全周が該ウェーハの該裏面に囲まれる。
さらに、好ましくは、該溝形成ステップでは、該切削ブレードを該構造物に隣接する位置に該表面に垂直な方向から切り込ませる。
また、好ましくは、該溝形成ステップは、該面取り部除去ステップよりも後に実施される。または、好ましくは、該溝形成ステップは、該面取り部除去ステップよりも前に実施される。
本発明の一態様に係るウェーハの加工方法では、ウェーハを研削する前に、結晶方位を示すノッチ等の構造物に隣接する位置に切削ブレードを切り込ませて該構造物に代わって結晶方位を示す溝を形成する。そして、ウェーハを裏面側から研削して仕上げ厚みへと薄化するとともに、溝の底部を除去して溝をウェーハの裏面に露出させる。この溝は、ノッチ等の構造物を代替するマークとして結晶方位を示す。
ここで、溝は、ウェーハを表面から仕上げ厚み以上の深さかつウェーハの厚みを超えない深さで切削ブレードを切り込ませることで形成される。そのため、この方法で形成された溝がウェーハの裏面に露出したとき、裏面に形成される開口の面積が比較的小さくなる。すると、研削され薄化されたウェーハの裏面側にDAFを貼り付けたとき、DAFが開口に大きく落ち込むことがない。そのため、ウェーハの表面側に貼着された保護部材と、裏面に貼着されたDAFと、が接触して貼り付くことがない。
したがって、本発明の一態様によると、ノッチ等を代替するマーク(溝)においてDAFと保護部材が貼り付くことのないウェーハの加工方法が提供される。
ウェーハを模式的に示す斜視図である。 切削装置を模式的に示す斜視図である。 面取り部除去ステップを模式的に示す断面図である。 溝形成ステップを模式的に示す斜視図である。 溝の形成位置を模式的に示す平面図である。 図6(A)は、溝形成ステップを模式的に示す側面図であり、図6(B)は、保護部材配設ステップを模式的に示す側面図であり、図6(C)は、研削ステップが実施されたウェーハを模式的に示す側面図であり、図6(D)は、DAF貼り付けステップを模式的に示す側面図である。 研削装置を模式的に示す斜視図である。 研削ステップを模式的に示す断面図である。 溝が形成され裏面側から研削されたウェーハの裏面側を模式的に示す平面図である。 ウェーハの加工方法の各ステップの流れを示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、本実施形態に係るウェーハの加工方法で加工される被加工物となるウェーハについて説明する。図1は、ウェーハ1の斜視図である。ウェーハ1は、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体等の材料の円板状のウェーハである。
ウェーハ1の表面1aは、互いに交差する複数の分割予定ライン3で区画される。そして、ウェーハ1の表面1aの分割予定ライン3で区画された各領域には、ICやLSI等のデバイス5が形成される。ウェーハ1の表面1aの複数のデバイス5が形成された領域はデバイス形成領域7であり、その周囲の領域は外周余剰領域9である。ウェーハ1を裏面1b側から研削して薄化し、分割予定ライン3に沿ってウェーハ1を分割すると、個々のデバイスチップが形成される。
形成された複数のデバイスチップを積層させてパッケージ化する技術が開発されている。各デバイスチップに予めダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれる接着フィルムを配設し、DAFを介して各デバイスチップを互いに貼着するとパッケージを形成できる。DAF付きのデバイスチップを得るには、ウェーハ1にDAFを貼着し、ウェーハ1ともにDAFを分割すればよい。そして、DAFは、研削されて薄化されたウェーハ1の被研削面である裏面1bに貼着される。
ところで、ウェーハ1の端部における欠けや割れを防止するために、ウェーハ1の外周1cには角部が削ぎ落された面取り部(図3参照)が形成される。面取り部の断面形状は、例えば、表面1aから裏面1bに至る円弧状とされる。また、ウェーハ1の外周1cには、ウェーハ1を構成する部材の結晶方位を示すノッチ11と呼ばれる切り欠きが形成される。
ウェーハ1に形成される複数のデバイス5を構成するトランジスタ等の半導体素子は、チャネルの方向と、半導体材料の結晶方位と、の関係により電気特性が変化する場合がある。また、分割予定ライン3と、ウェーハ1を構成する半導体材料の結晶方位と、の関係によりウェーハ1の分割のし易さが変化する場合がある。そこで、ウェーハ1に分割予定ライン3を設定する際やデバイス5を形成する際、ウェーハ1を分割する際等に、ノッチ11が参照される。
外周1cに面取り部が形成されたウェーハ1をそのまま裏面1b側から研削して薄化すると、外周1cにおけるウェーハ1の断面形状に、面取り部及び被研削面で形成されるナイフエッジ形状が生じる。そのため、研削されて薄化されたウェーハ1の外周1cに欠けが生じやすくなる。そこで、ウェーハ1を研削する前に、ウェーハ1の外周1cを切削して面取り部を除去するエッジトリミングと呼ばれる加工がウェーハ1に実施される。
次に、本実施形態に係るウェーハの加工方法において、面取り部除去ステップ(エッジトリミング)及び溝形成ステップに使用できる切削装置について説明する。図2は、切削装置2を模式的に示す斜視図である。ただし、面取り部除去ステップと、溝形成ステップと、は同一の切削装置で実施される必要はない。
切削装置2で切削されるウェーハ1は、例えば、ウェーハ1の径よりも大きい径の開口を有する環状フレーム(不図示)と、該環状フレームの開口を塞ぐように該環状フレームに貼り付けられたテープ(不図示)と、と一体化された状態で切削装置2に搬入される。ウェーハ1にテープを貼着することでウェーハ1と、テープと、環状フレームと、を一体化してフレームユニットを形成すると、環状フレームを介してウェーハ1を取り扱えるため、ウェーハ1の取り扱いが容易となる。なお、各図においては、環状フレーム及びテープは省略されている。
切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の前方の角部には開口4aが形成されており、この開口4a内には昇降機構(不図示)によって昇降するカセット支持台8が設けられている。カセット支持台8の上面には、それぞれフレームユニットの一部となった複数のウェーハ1を収容するカセット10が搭載される。なお、図2では説明の便宜上、カセット10の輪郭のみを示している。
カセット支持台8の側方には、長手方向がX軸方向(前後方向、加工送り方向)に沿うように矩形の開口4bが形成されている。開口4b内には、ボールネジ式のX軸移動機構(不図示)と、X軸移動機構の上部を覆うテーブルカバー14及び防塵防滴カバー16と、が配置されている。X軸移動機構は、テーブルカバー14によって覆われたX軸移動テーブル(不図示)を備えており、このX軸移動テーブルをX軸方向に移動させる。
X軸移動テーブルの上面にはテーブルカバー14から露出するように保持テーブル18が配設されている。保持テーブル18は、上方に露出した保持面18aに載せられたウェーハ1を吸引保持する機能を有する。保持テーブル18は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。
保持テーブル18は、ウェーハ1と同様の径のポーラス部材18cと、該ポーラス部材18cを覆う枠体と、を備える。保持テーブル18の内部には、保持テーブル18の外部に設けられたエジェクタ等の吸引源(不図示)に一端が接続された吸引路(不図示)が形成されている。吸引路の他端は、ポーラス部材18cに達している。
保持テーブル18の保持面18aには、ポーラス部材18cの上面が露出されている。ポーラス部材18cの上面は、ウェーハ1と同等の径を有し、X軸方向及びY軸方向に対して概ね平行に形成されている。さらに、保持テーブル18の周囲には、ウェーハ1を支持する環状フレームを固定するための複数のクランプ18bが設けられている。
ウェーハ1を保持テーブル18で保持する際には、まず、ウェーハ1を含むフレームユニットを保持テーブル18の保持面18a上に載せる。そして、吸引路を介して吸引源と、ポーラス部材18cと、を接続し、ウェーハ1の裏面1bに貼着されたテープを介してウェーハ1に負圧を作用させる。また、クランプ18bで環状フレームを固定する。
切削装置2は、開口4bに隣接する領域に、ウェーハ1を保持テーブル18等へと搬送する搬送ユニット(不図示)を備える。カセット支持台8の側方に近接する位置には、ウェーハ1を仮置きするための仮置き機構が設けられている。仮置き機構は、例えば、Y軸方向(割り出し送り方向)に平行な状態を維持しながら接近、離隔される一対のガイドレール12を含む。一対のガイドレール12は、搬送ユニットによりカセット10から引き出されたウェーハ1をX軸方向に沿って挟み込んで所定の位置に合わせる。
所定の位置に合わされたウェーハ1は、搬送ユニットにより引き上げられ保持テーブル18へと搬送される。このとき、一対のガイドレール12を互いに離隔させ、ウェーハ1を一対のガイドレール12の間に通す。
保持テーブル18の上方には、環状の切削ブレードによってウェーハ1を切削する第1の切削ユニット24aと、第2の切削ユニット24bと、が設けられている。基台4の上面には、第1の切削ユニット24a及び第2の切削ユニット24bを支持するための門型の支持部20が、開口4bを跨ぐように配置されている。
支持部20の前面上部には、第1の切削ユニット24aをY軸方向及びZ軸方向に移動させる第1の移動ユニット22aと、第2の切削ユニット24bをY軸方向及びZ軸方向に移動させる第2の移動ユニット22bとが設けられている。第1の移動ユニット22aはY軸移動プレート28aを、第2の移動ユニット22bはY軸移動プレート28bをそれぞれ備える。2つのY軸移動プレート28a,28bは、支持部20の前面にY軸方向に沿って配置された一対のY軸ガイドレール26にスライド可能に装着されている。
Y軸移動プレート28aの裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール26に対して概ね平行なY軸ボールネジ30aが螺合されている。また、Y軸移動プレート28bの裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール26に対して概ね平行なY軸ボールネジ30bが螺合されている。
Y軸ボールネジ30aの一端には、Y軸パルスモータ32aが連結されている。Y軸パルスモータ32aによってY軸ボールネジ30aを回転させることにより、Y軸移動プレート28aがY軸ガイドレール26に沿ってY軸方向に移動する。また、Y軸ボールネジ30bの一端には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。該Y軸パルスモータによってY軸ボールネジ30bを回転させることにより、Y軸移動プレート28bがY軸ガイドレール26に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート28aの表面(前面)側には、一対のZ軸ガイドレール34aがZ軸方向に沿って設けられており、Y軸移動プレート28bの表面(前面)側には、Z軸方向に沿って一対のZ軸ガイドレール34bが設けられている。また、一対のZ軸ガイドレール34aにはZ軸移動プレート36aがスライド可能に取り付けられ、一対のZ軸ガイドレール34bにはZ軸移動プレート36bがスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート36aの裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール34aに対して概ね平行な方向に沿うように設けられたZ軸ボールネジ38aが螺合されている。Z軸ボールネジ38aの一端にはZ軸パルスモータ40aが連結されており、このZ軸パルスモータ40aによってZ軸ボールネジ38aを回転させることにより、Z軸移動プレート36aがZ軸ガイドレール34aに沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート36bの裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール34bに対して概ね平行な方向に沿うように設けられたZ軸ボールネジ38bが螺合されている。Z軸ボールネジ38bの一端にはZ軸パルスモータ40bが連結されており、このZ軸パルスモータ40bによってZ軸ボールネジ38bを回転させることにより、Z軸移動プレート36bがZ軸ガイドレール34bに沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート36aの下部には第1の切削ユニット24aが設けられている。第1の切削ユニット24aに隣接する位置には、保持テーブル18によって吸引保持されたウェーハ1を撮影するためのカメラユニット46aが設けられている。また、Z軸移動プレート36bの下部には第2の切削ユニット24bが設けられている。第2の切削ユニット24bに隣接する位置には、保持テーブル18によって吸引保持されたウェーハ1を撮影するためのカメラユニット46bが設けられている。
第1の移動ユニット22aによって第1の切削ユニット24a及びカメラユニット46aのY軸方向及びZ軸方向の位置が制御され、第2の移動ユニット22bによって第2の切削ユニット24b及びカメラユニット46bのY軸方向及びZ軸方向の位置が制御される。第1の切削ユニット24aの位置と、第2の切削ユニット24bの位置と、はそれぞれ独立に制御される。
開口4bに対して開口4aと反対側の位置には、開口4cが形成されている。開口4c内にはウェーハ1を洗浄するための洗浄ユニット48が配置されており、保持テーブル18上で切削されたウェーハ1は、洗浄ユニット48によって洗浄される。洗浄ユニット48で洗浄されたウェーハ1は、再びカセット10に収納される。
ここで、切削ユニット24a,24bについてさらに説明する。図3は、切削ユニット24a,24bでエッジトリミング加工(面取り部除去ステップS10)を実施する様子を模式的に示す断面図である。図4は、切削ユニット24a,24bを使用して後述の溝形成ステップS20を実施する様子を模式的に示す斜視図である。面取り部除去ステップS10及び溝形成ステップS20は、それぞれ、第1の切削ユニット24aと、第2の切削ユニット24bと、のいずれで実施されてもよい。
各切削ユニット24a,24bは、Y軸方向に沿ったスピンドル50a,50bと、スピンドル50a,50bの基端側を回転可能に収容するスピンドルハウジング51a,51bと、を備える。スピンドルハウジング51a,51bには、スピンドル50a,50bに接続されたモータ等の回転駆動源(不図示)が収容される。スピンドル50a,50bの先端には、フランジ機構52a,52b及び固定ナット54a,54bにより円環状の切削ブレード56a,56bが固定される。
切削ブレード56a,56bは、例えば、アルミニウム等の材料で形成され中央に挿通穴が形成された円環状の基台58a,58bと、基台58a,58bの外周に固定された切り刃(砥石部)60a,60bと、を有するハブタイプと呼ばれる切削ブレードである。ただし、切削ブレード56a,56bは、ハブタイプに限定されない。
切り刃(砥石部)60a,60bは、無数の砥粒と、該砥粒を分散固定する結合材(ボンド)と、を含む。例えば、砥粒は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN:cubic Boron Nitride)等の材料で形成され、結合材は、ニッケルめっき層、レジンボンド、ビトリファイドボンド、メタルボンド等である。
面取り部除去ステップS10に使用される切削ブレード56a,56bの刃厚は、一例として、ウェーハ1の外周1cに形成された面取り部の幅に応じて決定される。切削ブレード56a,56bの刃厚は、例えば、2mm以上であることが好ましい。ただし、該刃厚はこれに限定されない。また、溝形成ステップS20に使用される切削ブレード56a,56bの刃厚は、ウェーハ1に形成される後述の溝15(図9等参照)の幅に応じて決定される。
回転駆動源を作動させてスピンドル50a,50bを回転させると切削ブレード56a,56bを回転でき、回転する切削ブレード56a,56bを保持テーブル18に吸引保持されたウェーハ1に切り込ませると、ウェーハ1を切削できる。このときに、ウェーハ1及び切削ブレード56a,56bに純水等の切削液が噴射され、切削により生じた加工屑や摩擦熱が該切削液により除去される。
次に、本実施形態に係るウェーハの加工方法において、研削ステップS40に使用できる研削装置について説明する。図7は、研削装置62を模式的に示す斜視図であり、図8は、研削装置62で研削されているウェーハ1を模式的に示す断面図である。研削装置62の基台64の上面には、開口64aが設けられている。開口64a内には、ウェーハ1を吸引保持する保持テーブル66が上面に載るX軸移動テーブル58が備えられている。
X軸移動テーブル58は、図示しないX軸方向移動機構によりX軸方向に移動可能である。X軸移動テーブル58は、該X軸方向移動機構により保持テーブル66上でウェーハ1が着脱される搬入出領域70と、該保持テーブル66に吸引保持されたウェーハ1が研削加工される加工領域72と、に位置付けられる。
保持テーブル66の上面にはウェーハ1と同等の径の上面を有する多孔質部材が配設され、該多孔質部材の該上面がウェーハ1を保持する保持面66aとなる。保持テーブル66は、一端が該多孔質部材に通じ、他端が図示しない吸引源に接続された吸引路(不図示)を内部に備える。該吸引源を作動させると、保持面66a上に載せられたウェーハ1に負圧が作用して、ウェーハ1が保持テーブル66に吸引保持される。また、保持テーブル66は保持面66aに垂直な軸の周りに回転できる。
加工領域72の上方には、ウェーハ1を研削する研削ユニット74が配設される。基台64の後方側には支持部76が立設されており、この支持部76により研削ユニット74が支持されている。支持部76の前面には、Z軸方向に伸長する一対のZ軸ガイドレール78が設けられ、それぞれのZ軸ガイドレール78には、Z軸移動プレート80がスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート80の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール78に平行なZ軸ボールねじ82が螺合されている。Z軸ボールねじ82の一端部には、Z軸パルスモータ84が連結されている。Z軸パルスモータ84でZ軸ボールねじ82を回転させれば、Z軸移動プレート80は、Z軸ガイドレール78に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート80の前面側下部には、ウェーハ1の研削を実施する研削ユニット74が固定されている。Z軸移動プレート80をZ軸方向に移動させると、研削ユニット74はZ軸方向に移動する。
研削ユニット74は、Z軸方向に沿ったスピンドル88と、スピンドル88の上端部を回転可能に収容するスピンドルハウジング86と、スピンドル88の下端に固定された円板状のホイールマウント90と、を有する。スピンドルハウジング86には、スピンドル88の上端部に接続され、スピンドル88をZ軸方向のまわりに回転させるモータ等の回転駆動源が収容されている。
ホイールマウント90の下面には、円環状の研削ホイール92が固定される。研削ホイール92の下面には、ダイヤモンド等で構成される砥粒が結合材に分散固定された研削砥石94が環状に配設されている。
スピンドル88を回転させて研削ホイール92を回転させると、研削砥石94が円環軌道上を回転移動する。そして、研削ユニット74を下降させて回転移動する研削砥石94をウェーハ1の被研削面に接触させると、ウェーハ1が研削される。研削装置62は、図示しない厚み測定器を有し、ウェーハ1の厚みを監視しつつ研削を進め、ウェーハ1の厚みが所定の仕上げ厚みとなったときに研削ユニット74の下降を停止して研削を終了する。
ウェーハ1を研削砥石94で研削すると、ウェーハ1や研削砥石94から加工屑や摩擦熱が発生する。研削装置62は、研削水供給ノズル(不図示)を備え、ウェーハ1を研削砥石94で研削する間、純水等の研削水を研削水供給ノズルからウェーハ1等に供給する。加工屑や摩擦熱は、研削水により除去される。
ウェーハ1を研削装置62で研削して薄化する際、ウェーハ1の表面1a側を保護するために、ウェーハ1の表面1aに保護部材17(図8等参照)を貼着しておく。保護部材17は、ウェーハ1と同等の径を有する円板状の部材であり、樹脂等の材料で形成される。より詳細には、保護部材17は、ウェーハ1に接着力を作用させる接着剤層と、該接着剤層を支持する基材層と、を備えるテープ状の部材である。
ウェーハ1の表面1aに保護部材17を貼着すると、ウェーハ1を裏面1b側から研削する際に表面1aが保持テーブル66に直接接しない。そのため、ウェーハ1の表面1aに損傷が生じることはない。表面1a側に保護部材17が貼着されたウェーハ1は、保持テーブル66に置かれ保持テーブル66に吸引保持される。
研削されて薄化されたウェーハ1の被研削面であった裏面1bには、ウェーハ1が分割されて形成されるデバイスチップの接着用部材として機能するDAFが貼着される。図6(D)には、ウェーハ1の裏面1b側に貼着されるDAF21を模式的に示す側面図が含まれる。
ウェーハ1をエッジトリミング加工し裏面1b側から研削すると、ウェーハ1の結晶方位を示すノッチ11等の構造物が失われる。そのため、研削されたウェーハ1の結晶方位を特定できなくなる。そこで、従来、エッジトリミング加工が実施される前にノッチ11等の構造物の近傍において径方向外側からウェーハ1を切削ブレードで切削し、ウェーハ1を上下に貫通する溝状のマークを形成していた。このマークがノッチ11等の構造物を代替し、ウェーハ1の結晶方位を示していた。
しかしながら、ウェーハ1を上下に貫通するマークを形成してからウェーハ1を裏面1b側から研削して薄化し、ウェーハ1の裏面1b側にDAF21を貼り付けると、DAF21が溝状のマークに垂れ下がる。そして、研削のためにウェーハ1の表面1a側に貼着されていた保護部材17と、DAF21と、が溝状のマークにおいて接触し、貼り付いてしまう。
この場合、貼り付いた保護部材17と、DAF21と、を分離しなければならず、この作業の際に、薄化されたウェーハ1に無理な力がかかり、ウェーハ1が破損することがあった。そこで、本実施形態に係るウェーハの加工方法では、研削され薄化されたウェーハ1の裏面1b側にDAF21が貼着された際に、結晶方位を示す溝中でDAF21と、保護部材17と、を接触させない。
以下、本実施形態に係るウェーハの加工方法について説明する。本実施形態に係るウェーハの加工方法は、表面1aから裏面1bに至る面取り部を外周1cに有するとともに結晶方位を示す構造物(ノッチ11等)が外周1cに形成されたウェーハ1を裏面1b側から研削して仕上げ厚みへと薄化する方法に関する。図10は、本実施形態に係るウェーハの加工方法の各ステップの流れを示すフローチャートである。
まず、ウェーハ1を外周1cに沿って切削することでウェーハ1の表面1aから仕上げ厚み以上の深さで面取り部を除去する面取り部除去ステップ(S10)を実施する。面取り部除去ステップS10では、図2で説明した切削装置2が使用されるとよい。図3は、面取り部除去ステップS10を模式的に示す断面図である。
まず、保持テーブル18にウェーハ1を載せ、保持テーブル18でウェーハ1を吸引保持する。このとき、ウェーハ1の表面1a側を上方に露出させ、保持テーブル18の保持面18aの中心と、ウェーハ1の中心と、の位置を合わせる。
そして、ウェーハ1の外周1cの一端部における接線上に切削ブレード56a,56bの切り刃60a,60bが位置付けられるように、保持テーブル18及び切削ユニット24a,24bの相対的な位置を調整する。また、切削ユニット24a,24bの高さを調整して、ウェーハ1の仕上げ厚みを超える深さで表面1aよりも低い高さ位置に切り刃60a,60bの下端を位置付ける。
その後、切削ブレード56a,56bを回転させ、保持テーブル18を移動させてウェーハ1の外周1cの該一端部に切り刃60a,60bを切り込ませる。そして、保持テーブル18をZ軸の周りに回転させて、ウェーハ1の外周1cの全域を切削ブレード56a,56bで切削する。すると、ウェーハ1の外周1cの面取り部が部分的に除去される。図4には、外周1cの面取り部が除去されたウェーハ1を模式的に示す斜視図が含まれている。ウェーハ1の外周1cには、テラス部9aが形成される。
また、本実施形態に係るウェーハの加工方法では、面取り部除去ステップS10の前又は後に、ノッチ11等の構造物に代わってウェーハ1の結晶方位を示す溝を形成する溝形成ステップS20を実施する。図4は、溝形成ステップS20を模式的に示す斜視図である。溝形成ステップS20では、切削ブレード56a,56bを該構造物に隣接する位置13に切り込ませてウェーハ1を表面1aから仕上げ厚み以上の深さかつウェーハ1の厚みを超えない深さで切削する。
溝形成ステップS20では、面取り部除去ステップS10で使用される切削ブレード56a,56bが使用されてもよい。面取り部除去ステップで使用される切削ブレード56a,56bの厚みが溝形成ステップS20で形成される溝の長さと一致する場合、両ステップで共通の切削ブレード56a,56bを使用できる。さらにこの場合、一つの切削ユニットを備える切削装置2により面取り部除去ステップS10及び溝形成ステップS20を実施できる。
また、溝形成ステップS20では、面取り部除去ステップS10で使用される切削ブレード56a,56bとは異なる切削ブレード56a,56bが使用されてもよい。この場合、溝形成ステップS20で形成される溝の長さに応じた厚みの切削ブレード56a,56bが溝形成ステップS20で使用される。
溝形成ステップS20では、切り刃60a,60bの下端部がノッチ11等の構造物に隣接する位置13と重なるように、切削ブレード56a,56bをウェーハ1の上方に位置付ける。ここで、ノッチ11等の構造物に隣接する位置13とは、構造物に代わってウェーハ1の結晶方位を示す溝が形成される位置である。例えば、該構造物からの位置関係が特定されておりその位置に溝が形成されたときにウェーハ1の結晶方位を示すことのできる位置である。
次に、切削ブレード56a,56bの回転を開始し、切削ユニット24a,24bを下降させ、ウェーハ1に切り刃60a,60bを切り込ませる。すなわち、切削ブレード56a,56bをウェーハ1のノッチ11等の構造物に隣接する位置13に表面1aに垂直な方向から切り込ませる。このとき、切り刃60a,60bの下端がウェーハ1の仕上げ厚みを超えて表面1aよりも深い高さ位置に達するように切削ユニット24a,24bを下降させる。その後、切削ユニット24a,24bを上昇させる。
図5は、面取り部除去ステップS10及び溝形成ステップS20が実施された後のウェーハ1を模式的に示す平面図である。溝形成ステップS20が実施されると、ウェーハ1の位置13には溝15が形成される。なお、溝形成ステップS20で溝15が形成された直後においては、溝15はウェーハ1の裏面1b側に貫通しない。
図6(A)には、ウェーハ1に切り込んだ切削ブレード56a,56bを模式的に示す側面図が含まれている。ここで、図6(A)に示す通り、切削ブレード56a,56bの切り刃60a,60bの下端は、面取り部除去ステップS10でウェーハ1の外周1cに形成されたテラス部9aよりも深い高さ位置に到達してもよい。また、切り刃60a,60bの下端は、ウェーハ1の外周1cに形成されたテラス部9aよりも浅い高さ位置に到達してもよい。
そして、溝形成ステップS20において切削ブレード56a,56bの下端が到達する高さ位置は、後述の研削ステップS40において裏面1b側に露出する溝15の予定された幅に基づいて決定されるとよい。溝形成ステップS20で切り刃60a,60bの下端が到達する高さ位置が低いほど、研削ステップS40で裏面1b側に露出する溝15の幅が広くなり、該高さ位置が高いほど、研削ステップS40で裏面1b側に露出する溝15の幅が狭くなる。すなわち、露出する溝15の領域の幅は、このように調整可能である。
なお、溝形成ステップS20では、切削ブレード56a,56bを上方からウェーハ1の位置13に切り込ませる方法に代えて、ウェーハ1の径方向外側から内側に向けて切削ブレード56a,56bをウェーハ1に切り込ませることで溝15を形成してもよい。この場合、外周1cから所定の長さだけ径方向内側の位置まで切削ブレード56a,56bでウェーハ1を切削して、上下方向に貫通しない溝15を形成する。
ただし、この方法で溝15を形成した場合、溝15が形成されたウェーハ1を後述の通り研削して所定の厚みとするときに溝15の先端側(径方向内側の端部)からクラックが生じやすい。そして、クラックが成長してウェーハ1の表面1aに形成されたデバイス5に到達すると、最終的にウェーハ1が分割されて製造されるデバイスチップが不良品となる。そのため、溝形成ステップS20では、切削ブレード56a,56bが上方からウェーハ1に切り込むことが好ましい。
さらに、溝形成ステップS20では、切削ブレード56a,56bの切り刃60a,60bの刃先形状を適宜選択することにより、ウェーハ1に特定の形状の溝15を形成できる。例えば、切り刃の刃厚が一定の切削ブレードを使用すると、切り刃の刃厚に相当する長さの溝15をウェーハ1に形成できる。また、例えば、先端に向けて刃厚の薄くなる鋭利な形状の切り刃を有する切削ブレードを使用すると、長さの短い溝15をウェーハ1に形成できる。
なお、溝形成ステップS20は、面取り部除去ステップS10の前に実施されてもよい。両ステップで同じ切削ブレード56a,56bを続けて使用する場合、先に溝形成ステップS20を実施してウェーハ1に形成された溝15を観察することで、切削ブレード56a,56bの状態を予め確認できる。また、溝15の長さ等から、切削ブレード56a,56bの高さを確認できる。そのため、状態及び高さが確認された切削ブレード56a,56bで面取り部除去ステップS10を実施できる。
特に、面取り部除去ステップS10では、ウェーハ1を切削ブレードで分割する際に切削ブレードが切り込むときと比較して大きな領域が切削ブレード56a,56bにより切削される。そのため、切削ブレード56a,56bの切り刃60a,60bの消耗も比較的激しく、消耗に伴い切り刃60a,60bの下端の高さ位置も変化しやすいため、切削ブレード56a,56bの状態及び高さの確認が重要となる。
また、溝形成ステップS20は、面取り部除去ステップS10の後に実施されてもよい。面取り部除去ステップS10を実施してウェーハ1に外周1cに沿ったテラス部9aを形成したとき、ウェーハ1の表面1aのテラス部9aに囲まれた領域の外縁の位置を検出することで、切削ブレード56a,56b及びウェーハ1の位置合わせの精度を確認できる。また、該外縁の位置を基準に切削ブレード56a,56bの位置合わせを実施できる。そのため、溝形成ステップS20において、溝15を所定の位置に精密に形成できる。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、面取り部除去ステップS10及び溝形成ステップS20を実施した後、ウェーハ1の表面1aに保護部材17を配設する保護部材配設ステップS30を実施する。図6(B)は、表面1a側に保護部材17が配設され、上下が反転されたウェーハ1を模式的に示す側面図である。保護部材17は、次に説明する研削ステップS40において、ウェーハ1の表面1a側を保護する。
次に、保護部材配設ステップS30を実施した後に実施される研削ステップS40について説明する。研削ステップS40では、ウェーハ1を裏面1bから研削して仕上げ厚みへと薄化する。このとき、溝15の底部が除去され溝15をウェーハ1の裏面1bに露出させる。
研削ステップS40は、図7に示す研削装置62により実施される。まず、図6(B)に示すように、保護部材17が配設された表面1a側を下方に向けるとともに被研削面となる裏面1b側を上方に向ける。そして、この状態で保持テーブル66の保持面66aの上にウェーハ1を載せ、保持テーブル66でウェーハ1を吸引保持し、保持テーブル66を加工領域72に移動させる。
次に、スピンドル88を回転させて研削ホイール92を回転させ、研削砥石94を環状軌道上で移動させる。そして、研削ユニット74の下降を開始し、移動する研削砥石94の底面をウェーハ1の裏面1bに接触させることでウェーハ1の研削を開始する。図8は、研削ステップS40を模式的に示す断面図である。
研削ステップS40では、図示しない厚み測定器によりウェーハ1の厚みを監視し、ウェーハ1の厚みが所定の仕上げ厚みとなったことが確認されたときに研削ユニット74の下降を終了し、ウェーハ1の研削を終了する。図9は、裏面1b側から研削されて薄化されたウェーハ1の裏面1bを模式的に示す平面図である。
ウェーハ1の外周1cに形成されていた面取り部は、面取り部除去ステップS10により表面1a側の部分が除去され、研削ステップS40により残りの部分が除去される。図9には、研削ステップS40が実施される前におけるウェーハ1の外周1cであった位置1dが二点鎖線で示されている。研削後のウェーハ1には面取り部が残らないため、ウェーハ1の断面形状にナイフエッジ形状が生じることはなく、ナイフエッジ形状に起因する損傷がウェーハ1に生じるおそれもない。
また、研削ステップS40では、ウェーハ1が仕上げ厚みとなるまで研削される過程において溝15の底部が除去され、溝15がウェーハ1の裏面1b側に露出する。図6(C)は、研削ステップS40が完了した際におけるウェーハ1を模式的に示す側面図である。
ウェーハ1の裏面1b側には、溝15が露出したことにより開口19bが形成される。研削後のウェーハ1では、外周1cに形成されていたノッチ11等の構造物が除去されるが、溝15がウェーハ1の表面1a及び裏面1bに露出するために、溝15に基づいてウェーハ1の結晶方位の特定が可能である。
ここで、溝15は、溝形成ステップS20において切削ブレード56a,56bがウェーハ1に表面1a側から切り込むことにより形成された。そのため、図6(C)に示されるように、溝15の裏面1b側の開口19bは、溝15の表面1a側の開口19aよりも小さくなる。また、裏面1b側の開口19bは、溝形成ステップS20における切削ブレード56a,56bの切り込み深さにより大きさを調整できる。
例えば、溝形成ステップS20における該切り込み深さをウェーハ1の仕上げ厚みを僅かに超える程度とすれば、研削ステップS40が完了した際にウェーハ1の裏面1b側に形成される溝15の開口19bは極めて小さくなる。すなわち、後述の通り、ウェーハ1の裏面1b側にDAFを貼り付けた際に溝15にDAFが垂れ落ちないように開口19bの大きさを調整することも可能となる。
例えば、溝形成ステップS20において径が49.4mmの切削ブレード56a,56bを使用する場合、ウェーハ1の仕上げ厚みを20μmに加えた深さでウェーハ1の表面1aよりも低い位置に到達させる。この場合、研削ステップS40を実施してウェーハ1を仕上げ厚みに薄化すると、ウェーハ1の裏面1b側に2mm程度の幅の開口19bを形成できる。ノッチ11の幅は3~4mm程度とされるため、溝形成ステップS20をこのように実施すると開口19bの幅がノッチ11と同程度かそれよりもやや小さくできる。
研削ステップS40が完了した後、ウェーハ1は研削装置62から搬出され、裏面1b側にDAFが貼り付けられる(DAF貼り付けステップS50)。図6(D)は、DAF21が貼り付けられたウェーハ1を模式的に示す側面図である。このとき、開口19bが十分に小さければ、DAF21が溝15中に垂れ落ちてウェーハ1の表面1a側に配設された保護部材17に接触することがない。
ウェーハ1の裏面1b側にDAF21が貼り付けられた後、ウェーハ1の表面1aから保護部材17を剥離する(剥離ステップS60)。その後、ウェーハ1が分割予定ライン3に沿って分割される(分割ステップS70)。分割予定ライン3に沿ってウェーハ1をDAF21ごと分割すると、DAF21付きの個々のデバイスチップが製造される。
ウェーハ1の分割は、例えば、円環状の切削ブレードを備える切削装置で実施されてもよい。または、ウェーハ1にレーザビームを照射してレーザ加工できるレーザ加工装置で実施されてもよい。ウェーハ1を切削装置またはレーザ加工装置に搬入する際には、ウェーハ1の裏面1b側には、DAF21を介してダイシングテープが貼着され、ダイシングテープの外周部が環状フレームに固定されて、フレームユニットが形成されてもよい。
または、DAF貼り付けステップS50として、ダイシングテープの一方の面に貼られたDAF21がダイシングテープごとウェーハ1の裏面1b側に配設されてもよい。この場合においても、ダイシングテープの外周部を環状フレームに固定するとフレームユニットを形成できる。
なお、ウェーハ1にDAF21を貼り付ける前にウェーハ1から保護部材17を剥離できれば、溝15にDAF21が垂れ落ちても保護部材17に接触することはない。しかしながら、研削ステップS40で薄化され強度が低くなったウェーハ1をダイシングテープ等に固定する前に保護部材17を剥離するのは困難である。そのため、保護部材17を剥離する前にウェーハ1にDAF21を貼り付ける必要がある。
そして、以上に説明してきた通り、本実施形態に係るウェーハの加工方法によると、ウェーハ1の結晶方位を示す溝15が裏面1bに露出して形成された開口19bの大きさをDAF21が垂れ落ちない大きさに調整できる。そのため、ウェーハ1の裏面1bに貼り付けられたDAF21が溝15を通して保護部材17に接触することがない。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、図6(B)、図6(C)、図9等に示す通り、ウェーハ1に形成される溝15がウェーハ1の側方に露出する場合を例に説明した。すなわち、上記の溝形成ステップS20では、切削ブレード56a,56bが切り込む位置13(図4等参照)にウェーハ1の面取り部除去ステップS10で切削されて除去された領域の一部が含まれていた。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
すなわち、溝形成ステップS20において切削ブレード56a,56bが切り込む位置13には、面取り部除去ステップS10で切削されてウェーハ1から除去された領域がまったく含まれていなくてもよい。この場合、溝形成ステップS20でウェーハ1に形成される溝15はウェーハ1の側方に露出せず、研削ステップS40でウェーハ1の裏面1bに形成される溝15の開口19bは、全周においてウェーハ1の裏面1bに囲まれる。
溝15の開口19bが全周において切れ目無くウェーハ1の裏面1bに囲まれる場合、裏面1bに貼り付けられたDAF21がより開口19bに垂れ落ちにくくなる。そのため、DAF21と保護部材17に接触がより生じにくくなる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウェーハ
1a 表面
1b 裏面
1c 外周
1d 外周であった位置
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 デバイス形成領域
9 外周余剰領域
9a テラス部
11 ノッチ
13 位置
15 溝
17 保護部材
19a,19b 開口
21 DAF
2 切削装置
4,64 基台
4a,4b,4c,64a 開口
8 カセット支持台
10 カセット
12 ガイドレール
14 テーブルカバー
16 防塵防滴カバー
18,66 保持テーブル
18a,66a 保持面
18b クランプ
18c ポーラス部材
20,76 支持部
22a,22b 移動ユニット
24a,24b 切削ユニット
26,34a,34b,78 ガイドレール
28a,28b,36a,36b,80 移動プレート
30a,30b,38a,38b,82 ボールネジ
32a,40a,40b,84 パルスモータ
46a,46b カメラユニット
48 洗浄ユニット
50a,50b,88 スピンドル
51a,51b,86 スピンドルハウジング
52a,52b フランジ機構
54a,54b 固定ナット
56a 切削ブレード
58 X軸移動テーブル
58a,58b 基台
60a,60b 切り刃
62 研削装置
70 搬入出領域
72 加工領域
74 研削ユニット
90 ホイールマウント
92 研削ホイール
94 研削砥石

Claims (5)

  1. 表面から裏面に至る面取り部を外周に有するとともに結晶方位を示す構造物が該外周に形成されたウェーハを該裏面側から研削して仕上げ厚みへと薄化するウェーハの加工方法であって、
    該ウェーハを該外周に沿って切削することで該ウェーハの該表面から該仕上げ厚み以上の深さで該面取り部を除去する面取り部除去ステップと、
    切削ブレードを該構造物に隣接する位置に切り込ませて該ウェーハを該表面から該仕上げ厚み以上の深さかつ該ウェーハの厚みを超えない深さで切削し、該構造物に代わって該ウェーハの結晶方位を示す溝を形成する溝形成ステップと、
    該面取り部除去ステップ及び該溝形成ステップを実施した後、該ウェーハの該表面に保護部材を配設する保護部材配設ステップと、
    該保護部材配設ステップを実施した後、該ウェーハを該裏面から研削して該仕上げ厚みへと薄化するとともに、該溝の底部を除去して該溝を該ウェーハの該裏面に露出させる研削ステップと、
    を備えるウェーハの加工方法。
  2. 該研削ステップでは、該溝が該ウェーハの該裏面に露出したことにより該裏面に開口が形成され、該開口の全周が該ウェーハの該裏面に囲まれることを特徴とする請求項1に記載のウェーハの加工方法。
  3. 該溝形成ステップでは、該切削ブレードを該構造物に隣接する位置に該表面に垂直な方向から切り込ませることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウェーハの加工方法。
  4. 該溝形成ステップは、該面取り部除去ステップよりも後に実施されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のウェーハの加工方法。
  5. 該溝形成ステップは、該面取り部除去ステップよりも前に実施されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のウェーハの加工方法。
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