JP2023103741A - 情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システム - Google Patents

情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システム Download PDF

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Yasuhisa Yamazaki
純 柴田
Jun Shibata
一幸 吉野
Kazuyuki Yoshino
直登 堀池
Naoto Horiike
慶士 河合
Keiji Kawai
良昌 白崎
Yoshimasa Shirasaki
敦基 角淵
Atsuki Tsunobuchi
則之 下条
Noriyuki Shimojo
浩章 須藤
Hiroaki Sudo
和裕 小坂
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Abstract

Figure 2023103741000001
【課題】移動体に対応付けられている人に対して適切に警報を行う情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システムを提供する。
【解決手段】警報システム1において、サーバ20は、第1端末が搭載されている移動体50の状態と第1端末の位置とに基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、エリアへの第2端末10の侵入又は接近を判定する処理部と、侵入又は接近に対して警報を第2端末10に発出させるための信号を、第2端末10に送信する通信部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システムに関する。
仮想的な境界線で囲まれたエリアを指す「ジオフェンス」として、特定のエリアを設定し、ジオフェンスへの移動体の出入りをトリガとしてイベントを発生させる技術が存在する。例えば、ジオフェンスへの移動体の出入りに対して警報を発出する技術が存在する。
例えば特許文献1には、接近通知の対象となる作業員が、ジオフェンスの一例である接近通知対象エリア内に1人でも存在する場合には、警報指令を出力し、存在しない場合には、警報指令を出力しない技術が開示されている。その際に、接近通知対象エリアで検知されている作業員の人数や油圧ショベルとの距離等の情報に応じて警報の種類を段階的に変更することも開示されている。
国際公開第2019/117268号
上記のように移動体を携行する人に対して警報を行うか否かの判定は、ジオフェンスと移動体との距離だけに基づいてなされ、距離以外の他の要素は考慮されていない。例えば、ジオフェンスと移動体との距離が離れている場合にも警報を行えば、安全性は確保されやすくなるが、過度の警報が発出されやすくなる。一方で、ジオフェンスと移動体との距離が近い場合にのみ警報を行えば、過度の警報の発出は抑制されやすくなるが、安全性は確保されにくくなる。また、ジオフェンスは、予め定められた固定エリアとして設定されることが一般的であるが、別の移動体(車等)に関連するケースも想定される。このようなケースでは、ジオフェンスと移動体との距離以外の他の要素を考慮することで、過度の警報の発出と安全性の確保とのより良いバランスをもたらすジオフェンスの適切な設定に資する余地がある。
本開示の非限定的な実施例は、移動体を携行する人や移動体が搭載されている車両を運転している人等の、移動体に対応付けられている人に対して適切に警報を行うことができる情報処理装置、端末、情報処理方法、警報方法及び警報システムの提供に資する。
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、前記エリアへの第2端末の侵入又は接近を判定する処理部と、前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号を、前記第2端末に送信する通信部と、を備える。
本開示の一実施例に係る端末は、前記端末の位置を決定する処理部と、移動体に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリアへの前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出する警報部と、を備え、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置が、第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、前記エリアへの第2端末の侵入又は接近を判定し、前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号を、前記第2端末に送信する。
本開示の一実施例に係る警報方法は、端末が、前記端末の位置を決定し、移動体に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリアへの前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出し、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
本開示の一実施例に係る警報システムは、第1端末と第2端末とを有し、前記警報システムは、前記第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、前記エリアへの前記第2端末の侵入又は接近を判定し、前記侵入又は接近に対して、第1警報を前記第1端末に発出させるための第1信号を前記第1端末に送信する処理と、第2警報を前記第2端末に発出させるための第2信号を前記第2端末に送信する処理との少なくとも一方を行い、前記第1端末は、前記第1信号に従って警報を発出し、前記第2端末は、前記第2信号に従って警報を発出する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一実施例によれば、第1端末が搭載されている移動体の状態と第1端末の位置とに基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの第2端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を第1端末及び第2端末の少なくとも一方に発出させるための信号が第1端末及び第2端末の少なくとも一方に提供されたり、第1端末及び第2端末の少なくとも一方は警報を発出したりする。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第1端末及び第2端末の少なくとも一方に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
本開示の実施の形態1に係る警報システムの一例を示す図 実施の形態1に係る測位端末の構成の一例を示す図 実施の形態1に係る測位端末の構成の一例を示す図 実施の形態1に係る上位サーバの構成の一例を示す図 実施の形態1に係る測位端末の動作の一例を示す図 実施の形態1に係る測位端末の動作の一例を示す図 実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図 実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図 実施の形態1に係る上位サーバの動作の一例を示す図 本開示の実施の形態2に係る警報システムの一例を示す図 実施の形態2に係る測位端末の構成の一例を示す図 実施の形態2に係る測位端末の構成の一例を示す図 実施の形態2に係る上位サーバの構成の一例を示す図 実施の形態2に係る測位端末の動作の一例を示す図 実施の形態2に係る測位端末の動作の一例を示す図 実施の形態2に係る上位サーバの動作の一例を示す図 実施の形態2に係る上位サーバの動作の一例を示す図 本開示の実施の形態に係る、工事車両が直進している場合の新たな危険エリアの一例を示す図 本開示の実施の形態に係る、工事車両が後進している場合の新たな危険エリアの一例を示す図 本開示の実施の形態に係る、工事車両のアームの先端が工事車両の前方に対して右側に回転している場合の新たな危険エリアの一例を示す図 本開示の実施の形態に係る、工事車両のアームの先端が工事車両の前方に対して左側に回転している場合の新たな危険エリアの一例を示す図 本開示の実施の形態の変形例に係る、工事車両が右折している場合の新たな危険エリアの一例を示す図 本開示の実施の形態の変形例に係る、工事車両が左折している場合の新たな危険エリアの一例を示す図
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る警報システム1の一例を示す図である。警報システム1が利用されるシナリオとして、一例では、作業現場における作業員の危険エリア(すなわちジオフェンス)への接近及び侵入が挙げられる。なお、危険エリアは、侵入禁止エリアと称されてもよい。以下では、このようなシナリオを例にとって説明する。
図1に示すように、警報システム1は、測位端末10と、上位サーバ20と、基準局データ配信サーバ30と、モニタデバイス40と、工事車両50と、を有する。警報システム1は、情報処理システム等と称されてもよい。
測位端末10が作業員によって携行される場合、測位端末10(後述する測位端末10A)は、例えば、測位用の専用端末、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(例えば、腕時計型(又はリストバンド型若しくはリング型)端末)、ヘッドマウントディスプレイ型(又は眼鏡型若しくはゴーグル型)端末、イヤフォン型端末、衣類型端末、靴下型端末等を含む)等の無線端末であってよい。測位端末10(後述する測位端末10B)はまた、例えば、測位用の専用端末、測位機能を有するパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の無線端末として、例えば図示される状況のように、工事車両50に搭載されてもよい。測位端末10は、警報装置等と称されてもよい。測位端末10は、本開示に係る端末、第1端末、第2端末、端末、別の(他の)端末又は情報処理装置(後述する代表測位端末10に相当)の一例である。
警報システム1において、複数の測位端末10が存在してよい。例えば、複数の測位端末10のうちの2つ以上の測位端末10の各々は、2人以上の作業員の各作業員によって携行されて各作業員に対応付けられてよく、複数の測位端末10のうちの残りの測位端末10の各々は、各工事車両50に搭載されて各工事車両50に対応付けられてよい。
測位端末10は、例えばLTE(Long Term Evolution)、5G、Beyond5G、6G、WiFi(登録商標)、WiGig(登録商標)、WiMAX(登録商標)等の通信方式により移動通信網を含むネットワークにアクセスし、ネットワークを介して上位サーバ20及び基準局データ配信サーバ30に接続してよい。
測位端末10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星(図示せず)から送信された電波(「衛星信号」又は「測位信号」と称されてもよい)を受信し、受信した衛星信号を用いて測位端末10の測位データ(「測位端末測位データ」又は「測位端末データ」と称されてもよい)を生成する。測位端末10は、基準局データ配信サーバ30から、RTK(Real Time Kinematic)演算を行って測位端末10の位置を測定する(測位端末10を測位する)ための補正データを受信する。
測位端末10は、測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、測位端末10の位置を(場合によっては速度及び加速度も)測定する。なお、位置は、(地球上の)座標と称されてもよい。座標は、例えば、緯度、経度及び高度の三次元座標であってもよいし、緯度、経度及び高度のうちの2つ(例えば、緯度及び経度)によって表される二次元座標であってもよい。以下では、座標は、緯度及び経度によって表される二次元座標であるとして説明する。「位置を測定する」との表現は、「位置(又は座標)を決定する」、「位置(又は座標)を求める」、「位置(又は座標)を推定する」、「位置(又は座標)を検出する」、「位置(又は座標)を算出する」、「位置(又は座標)を計算する」又は「位置(又は座標)を導出する」との表現に読み替えられてもよい。なお、RTK演算を用いた測位の詳細については後述する。このようにRTK演算を用いることにより、高精度の位置情報等を得ることができる。
測位端末10が工事車両50に搭載されている場合(図示されている状況の場合)、測位端末10は、工事車両50(例えば工事車両50を制御する車両制御システム)から、工事車両50の状態情報(工事車両50が、前進していること、後進していること又は停止していることを示す情報、工事車両50に備えられるアームの状態を示す情報等)を取得する。
測位端末10は、測位した測位結果を上位サーバ20に送信する。測位端末10は、上位サーバ20から、測位端末10が危険エリアに侵入していること又は接近している(「警報イベント」と称されてもよい)が発生したことを警報するための警報発出命令を受信する。なお、警報発出命令は、警報を測位端末10に発出させるための信号と表現されてもよい。
測位端末10は、警報発出命令に従って、例えば測位端末10に対応付けられている作業員又は測位端末10に対応付けられている工事車両50を運転している作業員に対して、警報を発出する。
上位サーバ20は、例えば1つ以上のサーバコンピュータで構成されてよい。上位サーバ20は、クラウドサーバと称されてもよい。上位サーバ20は、本開示に係る情報処理装置の一例である。
上位サーバ20は、危険エリアを設定する。危険エリアは、例えば、土砂が積もっているエリアに安全マージンを付加したエリア、作業用具が集められているエリアに安全マージンを付加したエリア、工事車両50のエリアに安全マージンを付加したエリア等を含んでよい。ここで、安全マージンは、作業員の移動や姿勢変更(転倒等)を考慮しても定められるマージンである。一般的な人間の身長を考慮すると2m程度であれば十分であるが、現実の環境に応じて作業管理者等が任意のマージンを設定してよい。このような安全マージンを付加したエリアは、危険・マージンエリアと称されてもよい。危険・マージンエリアも、危険エリアの一例である。危険エリアの形状は、例えば、真円形、楕円形、矩形等を含むが、これらに限定されるものではない。以下では、特段の断りがない限り、危険エリアの形状が真円形であるとして説明する。
上位サーバ20は、測位端末10から送信された測位結果を受信する。上位サーバ20は、設定した危険エリア、受信した測位結果等に基づいて、作業員によって携行されて作業員に対応付けられている測位端末10の危険エリアへの接近及び侵入を判定する(換言すれば、警報イベントを検知する)。上位サーバ20は、警報イベントを検知した場合、警報イベントが発生したことを、測位端末10に対応付けられている作業員に(場合によっては工事車両50を運転している作業員にも)警報するための警報発出命令を生成して当該測位端末10に送信する。
上位サーバ20は、例えばテーブル形式又はリスト形式で測位端末10の識別情報を作業員又は工事車両50の識別情報に対応付けて、上位サーバ20が備える記憶装置に記憶することにより、複数の測位端末10を管理してよい。
上位サーバ20は、設定した危険エリア、受信した測位結果、及び、警報発出命令を送信する対象の測位端末10といった情報を表示するように、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
基準局データ配信サーバ30は、RTK演算を行って測位端末10を測位するための補正データを測位端末10に送信する。なお、補正データは、基準局(図示せず)によって生成されて基準局データ配信サーバ30に送信されてよい。基準局は、GNSS衛星から送信された衛星信号に基づいて基準局の測位データ(「補正データ」、「基準局測位データ」又は「基準局データ」と称されてもよい)を生成してよい。基準局は、生成した補正データを基準局データ配信サーバ30に周期的に(例えば、秒オーダー以下の送信周期で)送信してよい。
モニタデバイス40は、上位サーバ20から、危険エリア、測位結果、及び、警報発出命令を送信する対象の測位端末10といった情報を受信する。モニタデバイス40は、これらの情報をモニタデバイス40が有するディスプレイに表示する。モニタデバイス40は、上位サーバ20に含まれてもよいし、作業管理者等のユーザのコンピュータに含まれてもよいし、工事車両50に搭載されてもよい。
工事車両50は、車速パルス、運転者によるシフトレバー操作に基づく車両前進信号及び車両後進信号、運転者によるアームに対する操作に基づくアーム操作信号等に基づいて、工事車両50の状態を把握し、把握した状態を示す状態情報を記憶部に記憶させる。工事車両50の状態情報は、工事車両50が前進していることを示す情報、工事車両50が後進していることを示す情報、工事車両50が右折していることを示す情報、工事車両50が左折していることを示す情報、工事車両50が停止していることを示す情報、アームの先端の回転方向、アームの先端の回転速度、アームの屈曲に関する情報等の工事車両50に備えられるアームの状態を示す情報を含んでよい。工事車両50は、本開示に係る移動体又は別の(他の)移動体の一例である。工事車両50に備えられるアームは、本開示に係る可動部又は「移動体に備えられており、移動体の移動を伴わずに動く可動部」の一例である。
<測位端末の構成>
図2Aは、実施の形態1に係る測位端末10Aの構成の一例を示すブロック図である。図2Aに示す測位端末10Aは、工事車両50に搭載されるのではなく、作業員によって携行される測位端末であってよい。図2Aに示すように、測位端末10Aは、プロセッサ101Aと、記憶部102Aと、警報部103Aと、GNSS受信装置104Aと、通信部105Aと、出力部106Aと、バス107Aと、を備える。
プロセッサ101Aは、中央処理装置(CPU)等の処理装置によって実現されてよい。プロセッサ101Aは、測位端末10Aの動作全般(例えば、測位端末10Aの他の要素)を制御する。プロセッサ101Aは、処理部、制御部、演算部、コントローラ等と称されてもよい。
プロセッサ101Aは、GNSS衛星からの衛星信号を用いて測位端末測位データを生成する。なお、測位端末測位データは、GNSS受信装置104Aによって生成されてプロセッサ101Aに出力されてもよい。
プロセッサ101Aは、測位端末測位データと、基準局データ配信サーバ30からの補正データと、を用いてRTK演算を行って、測位端末10Aの位置、速度、加速度及び進行方向を測定(決定)する。なお、測位端末10Aが速度センサ及び加速度センサを備えている場合には、測位端末10Aの速度及び加速度はそれぞれ、速度センサ及び加速度センサによって測定されてもよく、プロセッサ101Aは、速度センサ及び加速度センサから速度及び加速度をそれぞれ取得し、測位端末10Aの速度及び加速度を決定してもよい。また、これらの測定は、GNSS衛星から衛星信号が受信されたタイミングで行われてもよいし、例えば0.2秒おき、0.5秒おき、1秒おき等、所定の周期で行われてもよい。プロセッサ101Aは、測位した測位結果を記憶部102Aに出力する(すなわち記憶させる)。なお、本開示において、測位端末10Aに関する測位結果には、測位端末10Aの位置(緯度及び経度)、速度及び進行方向が含まれる。
プロセッサ101Aは、測定が行われるたびに、通信部105Aを介して、測位した測位結果を上位サーバ20に送信する。プロセッサ101Aは、上位サーバ20から、通信部105Aを介して、警報発出命令を受信する。
プロセッサ101Aは、上位サーバ20から警報発出命令を受信すると、警報発出命令に応じた警報を発出するように、警報部103Aを制御する。以下で説明するように、一例として、警報発出命令は、測位端末10Aが危険エリアに侵入していることに対して警報を発出するように命令する警報発出命令を含む。
記憶部102Aは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のうちの1つ以上であってよい。記憶部102Aは、他の要素から様々な情報を取得し、一時的又は永続的にその情報を保持する。記憶部102Aは、いわゆる一次記憶装置及び二次記憶装置の総称である。記憶部102Aは、物理的に複数配置されてもよい。
記憶部102Aは、例えば、測位端末10Aを動作させるためにプロセッサ101Aによって実行されるプログラム、測位端末10Aが動作するのに必要なデータ、プロセッサ101Aによって生成されたデータ、GNSS衛星から送信された衛星信号、測位端末測位データ、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データ、プロセッサ101Aによる測位結果、上位サーバ20から送信された警報発出命令等を記憶する。
警報部103Aは、危険エリアへの接近及び侵入に対して警報を行う。例えば、警報部103Aは、ブザーを鳴動させること、測位端末10Aを振動させること、出力部106Aを介して警報音を出力すること、又は、これらの任意の組み合わせによって、警報を発出してよい。警報部103Aは、測位端末10Aが危険エリアに侵入する予測時間に応じて異なる様式の警報を発出してよい。
GNSS受信装置104Aは、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。GNSS受信装置104Aは、受信した衛星信号を用いて測位端末10Aの測位端末測位データを生成してもよい。GNSS受信装置104Aは、衛星信号をプロセッサ101A及び記憶部102Aに出力する。GNSS受信装置104Aは、測位端末測位データを生成した場合には、測位端末測位データをプロセッサ101A及び記憶部102Aに出力する。
通信部105Aは、一例として、セルラー通信網等の通信網と通信可能な通信インタフェースを用いて構成されてよい。通信部105Aは、通信路を介して外部機器と通信を行う。通信部105Aが通信する対象(通信対象)の機器には、例えば、上位サーバ20及び基準局データ配信サーバ30が含まれる。
通信部105Aは、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データを受信する。通信部105Aは、上位サーバ20から送信された警報発出命令を受信する。通信部105Aは、受信した補正データ及び警報発出命令をプロセッサ101A及び記憶部102Aに出力する。通信部105Aは、測位された測位結果を上位サーバ20に送信する。
出力部106Aは、一例として、ディスプレイ等の出力インタフェースを用いて構成されてよい。追加的又は代替的に、出力部106Aは、音、振動等のための出力インタフェースを用いて構成されてもよい。出力部106Aは、情報を外部に提示又は提供する。出力部106Aが提示又は提供する情報には、プロセッサ101Aによる測位結果等が含まれる。
プロセッサ101A、記憶部102A、警報部103A、GNSS受信装置104A、通信部105A及び出力部106Aは、互いに通信可能であるように、バス107Aを介して互いに接続されている。
なお、上記の測位端末10Aの構成は一例である。測位端末10Aの構成要素の一部は、統合されてもよい。また、測位端末10Aの構成要素の一部は、複数の要素に分割されてもよい。また、測位端末10Aの構成要素の一部は、省かれてもよい。また、測位端末10Aに他の要素が付加されてもよい。例えば、タッチディスプレイ、キーボード、マウス等であってよい入力部が測位端末10Aに付加されてもよい。
図2Bは、実施の形態1に係る測位端末10Bの構成の一例を示すブロック図である。図2Bに示す測位端末10Bは、工事車両50に搭載される測位端末であってよい。図2Bに示すように、測位端末10Bは、プロセッサ101Bと、記憶部102Bと、警報部103Bと、GNSS受信装置104Bと、通信部105Bと、出力部106Bと、車両通信部107Bと、バス108Bと、を備える。プロセッサ101B、記憶部102B、警報部103B、GNSS受信装置104B、通信部105B、出力部106B及びバス108Bの構成はそれぞれ、測位端末10Aのプロセッサ101A、記憶部102A、警報部103A、GNSS受信装置104A、通信部105A、出力部106A及びバス107Aの構成と同様であるので、測位端末10Aと異なる点について説明する。
記憶部102Bは、車両通信部107Bによって取得された工事車両50の状態情報をさらに記憶する。
通信部105Bは、測定が行われるたびに、プロセッサ101Bから入力された測位結果及び車両通信部107Bから入力された工事車両50の最新の状態情報を上位サーバ20に送信する。
車両通信部107Bは、工事車両50(の例えば車両制御システム)から工事車両50の状態情報を取得する。車両通信部107Bは、取得した工事車両50の状態情報を通信部105B及び記憶部102Bに出力する。
プロセッサ101B、記憶部102B、警報部103B、GNSS受信装置104B、通信部105B、出力部106B及び車両通信部107Bは、互いに通信可能であるように、バス108Bを介して互いに接続されている。
なお、上記の測位端末10Bの構成は一例である。測位端末10Bの構成要素の一部は、統合されてもよい。また、測位端末10Bの構成要素の一部は、複数の要素に分割されてもよい。また、測位端末10Bの構成要素の一部は、省かれてもよい。また、測位端末10Bに他の要素が付加されてもよい。例えば、タッチディスプレイ、キーボード、マウス等であってよい入力部が測位端末10Bに付加されてもよい。
以下において、プロセッサ101Aとプロセッサ101Bとを区別する必要がない場合には、プロセッサ101A及び101Bは、プロセッサ101と称されることがある。また、警報部103Aと警報部103Bとを区別する必要がない場合には、警報部103A及び103Bは、警報部103と称されることがある。また、通信部105Aと105Bとを区別する必要がない場合には、通信部105A及び105Bは、通信部105と称されることがある。
[測位データ]
次に、測位データについて説明する。測位データには、例示的に、擬似距離情報、搬送波位相情報及びドップラー周波数情報が含まれる。
擬似距離情報とは、衛星と受信機(例えば、基準局又は測位端末10)との間の距離に関する情報である。受信機は、測位信号を解析することにより衛星との距離を算出することができる。例えば、受信機は、以下の情報に基づいて測位信号の到達時間を求める。
(1)測位信号が搬送したコードのパターンと当該受信機が生成したコードのパターン(レプリカ)との相違
(2)衛星の信号生成時刻及び受信機の信号受信時刻
なお、衛星の信号生成時刻は、測位信号のメッセージ(NAVDATA)に含まれる。
受信機は、測位信号の到達時間に光速を乗ずることにより、衛星と受信機との間の擬似距離を求める。擬似距離には、衛星のクロックと受信機のクロックとの相違等に起因する誤差が含まれる。誤差の軽減のために、4機以上の衛星に対して擬似距離情報が生成される。
搬送波位相情報とは、受信機が受信した測位信号の位相である。測位信号は、所定の正弦波である。受信機は、受信した測位信号を解析することにより、測位信号の位相を算出することができる。
ドップラー周波数情報とは、衛星と受信機との相対的な速度に関する情報である。受信機は、測位信号を解析することにより、ドップラー周波数情報を生成することができる。
[RTK演算]
次に、RTK演算について説明する。RTK演算は、干渉測位の一つであるRTK法を実行する演算である。
RTK法とは、衛星が送信する測位信号の搬送波位相積算値を用いて所定の地点の測位を行う測位法である。搬送波位相積算値は、衛星から所定の地点までの(1)測位信号の波の数と(2)位相との和によって表される。
搬送波位相積算値が求まれば、測位信号の周波数(及び波長)が既知であるため、衛星と所定の地点との間の距離を求めることができる。測位信号の波の数は、未知数であるので整数アンビギュイティ又は整数値バイアスと呼ばれる。
RTK法においては、ノイズ除去及び整数アンビギュイティの推定(又は決定)が行われる。
例えば、RTK法では、二重差と呼ばれる差を演算することにより、ノイズの除去を行うことができる。二重差とは、2つの衛星に対する1つの受信機の搬送波位相積算値の差(一重差)を2つの受信機(例えば、基準局及び測位端末10)の間でそれぞれ算出した値の差である。RTK法を用いた測位では、4機以上の衛星が使用されるため、4機以上の衛星の組み合わせの数だけ二重差が演算される。二重差の演算には、例えば、基準局が生成した基準局測位データと、測位端末10が生成した測位端末測位データと、が用いられる。
また、RTK法において、整数アンビギュイティの推定には、様々な方法が適用される。例えば、(1)最小二乗法によるフロート解の推定及び(2)フロート解に基づくフィックス解の検定、という手順を実行することにより、整数アンビギュイティが推定される。
最小二乗法によるフロート解の推定は、時間単位毎に生成した二重差の組み合わせを用いて連立方程式を作成し、作成した連立方程式を最小二乗法によって解くことにより実行される。この演算では、例えば、基準局が生成した基準局測位データ、測位端末10が生成した測位端末測位データ、及び、基準局の既知の座標が用いられる。このようにして推定された整数アンビギュイティの実数推定値は、フロート解(推測解)と呼ばれる。
以上のようにして求められたフロート解は実数であるのに対して、整数アンビギュイティの真の値は整数である。そのため、フロート解は、「丸める」ことによって整数値に変換される。ここで、フロート解を丸める組み合わせには複数通りの候補が考えられる。
複数通りの候補の中から正しい整数値が検定される。検定によって整数値バイアスとして確からしい解が、フィックス解(精密測位解)と呼ばれる。一例では、RTK演算によって得られたAR(Ambiguity Ratio)値を用いて品質チェックを行い、品質チェックの結果に基づいて正しい整数値が検定される。整数値の候補の絞込みを効率化するために、基準局が生成した基準局測位データが用いられてよい。
[RTK演算を用いた測位端末位置測定(決定)]
次に、測位端末10(測位端末10A又は10B)のプロセッサ101による、測位端末10の位置(地球上の座標)測定(決定)について説明する。
プロセッサ101は、例えば、測位端末10での測位端末測位データと基準局での基準局測位データ(すなわち基準局データ配信サーバ30から送信された補正データ)とを用いてRTK法による干渉測位(RTK演算)を実行し、測位解(フィックス解又はフロート解)を算出する。RTK演算によって得られる測位解は、「RTK測位解」と称されてもよい。
プロセッサ101は、RTK演算によって得られたAR値を用いて品質チェックを行い、AR値が所定の閾値(例えば3.0)以上の場合には、正しいフィックス解が得られたと判定してフィックス解を出力し、AR値が所定の閾値未満の場合には、正しい測位解が得られなかったと判定してフロート解を出力する。
そして、プロセッサ101は、RTK測位解を測位端末10の位置(地球上の座標)として決定する。
<上位サーバの構成>
図3は、実施の形態1に係る上位サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、上位サーバ20は、プロセッサ201と、記憶部202と、通信部203と、バス204と、を備える。
プロセッサ201は、CPU等の処理装置によって実現されてよい。プロセッサ201は、上位サーバ20の動作全般(例えば、上位サーバ20の他の要素)を制御する。なお、プロセッサ201は、処理部、制御部、演算部、コントローラ等と称されてもよい。
プロセッサ201は、危険エリアを設定する。例えば、危険エリアが工事車両50のエリアに関連しない場合、プロセッサ201は、入力部(図示せず)を介して作業管理者等のユーザによって入力されたエリア情報(例えば、仮想的な境界線の位置情報)に基づいて、安全マージンを含んでも含まなくてよい危険エリアを静的(固定的)又は半静的に設定してよい。また、危険エリアが工事車両50のエリアに関連する場合、プロセッサ201は、工事車両50に対応付けられている測位端末10Bからの当該測位端末10Bの測位結果及び工事車両50の状態(情報)に基づいて、新たな危険エリアを動的に自動で設定してよい。なお、工事車両50の状態情報のうち、工事車両50が前進していることを示す情報、工事車両50が後進していることを示す情報、工事車両50が右折していることを示す情報、工事車両50が左折していることを示す情報、工事車両50が停止していることを示す情報については、プロセッサ201は、受信された測位端末10Bの測位結果(例えば位置及び速度)に更に基づいて生成してもよい。新たな危険エリアの設定の例については後述する。新たな危険エリアは、工事車両50に対応付けられている測位端末10Bの位置を含み、当該測位端末10Bの周りの一部に設定される。
プロセッサ201は、測位端末10Aの危険エリアへの接近を判定するための、1つの閾値又は段階的な複数の閾値を設定してもよい。このような1つ又は複数の閾値は、侵入予測時間閾値と称されてもよい。すなわち、侵入予測時間閾値は、以下で説明する測位端末10Aの危険エリアへの侵入予測時間と比較される閾値である。また、プロセッサ201は、測位端末10Aと危険エリアの中心との距離が所定の距離以上である場合には、測位端末10Aに警報を発出させないことを決定する。プロセッサ201は、所定の距離を閾値として設定してもよい。この閾値は、無警報距離閾値と称されてもよい。例えば、プロセッサ201は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力された閾値を、侵入予測時間閾値及び無警報距離閾値として設定してよい。プロセッサ201は、侵入予測時間閾値及び無警報距離閾値を記憶部202に出力する。
プロセッサ201は、例えば、作業員に対応付けられている測位端末10Aから測位結果が受信されるたびに、当該測位結果及び設定した危険エリアに基づいて、当該測位端末10Aの危険エリアへの侵入時間(すなわち、危険エリアに到達すると予測される時間)を予測する。なお、「侵入時間を予測する」との表現は、「侵入時間を推定する」、「侵入時間を推測する」、「侵入(予測)時間を決定する」、「侵入(予測)時間を求める」、「侵入(予測)時間を算出する」、「侵入(予測)時間を計算する」又は「侵入(予測)時間を導出する」との表現に読み替えられてもよい。
プロセッサ201は、例えば、作業員に対応付けられている測位端末10Aから測位結果が受信されるたびに、当該測位結果、侵入予測時間閾値、無警報距離閾値及び設定した危険エリアのうちの少なくとも1つに基づいて、当該測位端末10Aの危険エリアへの接近及び侵入を判定する(警報イベントを検知する)。
プロセッサ201は、検知した警報イベントが発生したことを、測位端末10Aに対応付けられている作業員に(場合によっては工事車両50を運転している作業員にも)警報するための警報発出命令を生成する。プロセッサ201は、警報発出命令を記憶部202に出力する。プロセッサ201は、通信部203を介して、警報発出命令を当該測位端末10Aに送信する。
プロセッサ201は、例えば、作業員又は工事車両50に対応付けられている測位端末10Aから測位結果が受信されるたびに、設定した危険エリアと、受信された測位結果と、警報発出命令を送信する対象の測位端末10Aと、の情報を表示するように、通信部203を介して、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
記憶部202は、例えば、DRAM、HDD、SSD等のうちの1つ以上であってよい。記憶部202は、他の要素から様々な情報を取得し、一時的又は永続的にその情報を保持する。記憶部202は、いわゆる一次記憶装置及び二次記憶装置の総称である。記憶部202は、物理的に複数配置されてもよい。
記憶部202は、例えば、上位サーバ20を動作させるためにプロセッサ201によって実行されるプログラム、上位サーバ20が動作するのに必要なデータ、プロセッサ201によって生成されたデータ、測位端末10から送信された測位結果、測位端末10Bから送信された工事車両50の状態情報、侵入予測時間閾値、無警報距離閾値、設定された危険エリアに関する情報、生成された警報発出命令等を記憶する。
通信部203は、測位端末10から送信された測位結果を受信する。通信部203は、測位端末10Bから送信された工事車両50の状態情報を受信する。通信部203は、受信した測位結果及び工事車両50の状態情報をプロセッサ201及び記憶部202に出力する。通信部203は、警報発出命令を測位端末10に送信する。
プロセッサ201、記憶部202及び通信部203は、互いに通信可能であるように、バス204を介して互いに接続されている。
なお、上記の上位サーバ20の構成は一例である。上位サーバ20の構成要素の一部は、統合されてもよい。また、上位サーバ20の構成要素の一部は、複数の要素に分割されてもよい。また、上位サーバ20の構成要素の一部は、省かれてもよい。また、上位サーバ20に他の要素が付加されてもよい。例えば、タッチディスプレイ、キーボード、マウス等であってよい入力部が上位サーバ20に付加されてもよい。
[新たな危険エリアの生成及び設定]
次に、測位端末10Bの測位結果と測位端末10Bが搭載されている工事車両50の状態(情報)とに基づく、新たな危険エリアの動的な生成及び設定について説明する。
第1に、工事車両50が前進している場合における新たな危険エリアの動的な生成及び設定について説明する。工事車両50が前進している場合、工事車両50の後方にいる作業員よりも工事車両50の前方にいる作業員の方が、危険にさらされる可能性が高い。したがって、この場合には、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とする第1半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から対称に第1角度(例えば、45度)だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアの一部として、工事車両50の前方に生成する。また、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とする第1半径よりも短い第2半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から対称に第1角度(例えば、45度)以下の第2角度だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアの一部として、工事車両50の後方に生成する。そして、プロセッサ201は、これらの新たな危険エリアの一部をあわせたエリアを、新たな危険エリアとして生成する。別言すれば、プロセッサ201は、工事車両50が前進している場合、工事車両50から前方への第1部分と、第1部分よりも面積が小さい、工事車両50から後方への第2部分と、から構成される新たな危険エリアを生成及び設定する。第1半径及び第2半径並びに第1角度及び第2角度は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。なお、第2半径の長さは、第1半径の長さと同じであってもよい。また、工事車両50の後方に生成される扇形の第2半径は、第1半径から段階的に短くされてもよい。図12Aに、本開示の実施の形態に係る、工事車両50が直進している場合の新たな危険エリアの一例を示しているが、ここでは、新たな危険エリアは、第1部分A1と第2部分A2(扇型A1の半径>扇型A2の半径)とから構成される。
第2に、工事車両50が後進している場合における新たな危険エリアの動的な生成及び設定について説明する。工事車両50が後進している場合、工事車両50の前方にいる作業員よりも工事車両50の後方にいる作業員の方が、危険にさらされる可能性が高い。したがって、この場合には、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とする第1半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から対称に第1角度(例えば、45度)だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアの一部として、工事車両50の後方に生成する。また、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とする第1半径よりも短い第2半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から対称に第1角度(例えば、45度)以下の第2角度だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアの一部として、工事車両50の前方に生成する。そして、プロセッサ201は、これらの新たな危険エリアの一部をあわせたエリアを、新たな危険エリアとして生成する。別言すれば、プロセッサ201は、工事車両50が後進している場合、工事車両50から後方への第3部分と、第3部分よりも面積が小さい、工事車両50から前方への第4部分と、から構成される新たな危険エリアを生成及び設定する。第1半径及び第2半径並びに第1角度及び第2角度は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。なお、第2半径の長さは、第1半径の長さと同じであってもよい。また、工事車両50の前方に生成される扇形の第2半径は、第1半径から段階的に短くされてもよい。図12Bに、本開示の実施の形態に係る、工事車両50が後進している場合の新たな危険エリアの一例を示しているが、ここでは、新たな危険エリアは、第3部分A3と第4部分A4とから構成される(扇型A3の半径>扇型A4の半径)。
第3に、工事車両50のアームの先端が工事車両50前方に対して右側に回転している場合における新たな危険エリアの動的な生成及び設定について説明する。工事車両50のアームの先端が工事車両50前方に対して右側に回転している場合、工事車両50前方に対して右側にいる作業員は、危険にさらされ得る。したがって、この場合には、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とするある半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から工事車両50前方に対して右側に所定角度(例えば、120度)だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアとして生成及び設定する。別言すれば、プロセッサ201は、工事車両50のアームの先端が工事車両50の前方に対して右側に回転している場合、工事車両50の前方に対して右側に新たな危険エリアを生成及び設定する。また、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度及びアームの屈曲(すなわちアームの先端の到達範囲)のうちの少なくとも1つに応じて半径の長さを調整してよい。例えば、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度が速いほど半径が長くなるように、また、アームが屈曲しているほど(すなわちアームの先端の到達範囲が短いほど)半径が短くなるように、半径の長さを調整してよい。別言すれば、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度及びアームの先端の到達範囲のうちの少なくとも1つに応じて半径の長さを調整することによって新たな危険エリアの大きさを調整してよい。あるいは、半径は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。また、所定角度は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。図13Aに、本開示の実施の形態に係る、工事車両50のアームの先端が工事車両50の前方に対して右側に回転している場合の新たな危険エリアA5の一例を示している。
第4に、工事車両50のアームの先端が工事車両50前方に対して左側に回転している場合における新たな危険エリアの動的な生成及び設定について説明する。工事車両50のアームの先端が工事車両50前方に対して左側に回転している場合、工事車両50前方に対して左側にいる作業員は、危険にさらされ得る。したがって、この場合には、プロセッサ201は、測位結果に含まれる測位端末10Bの位置を中心とするある半径の扇形であって、工事車両50の進行方向を表す軸から工事車両50前方に対して左側に所定角度(例えば、120度)だけ広がった中心角の扇形を、新たな危険エリアとして生成及び設定する。別言すれば、プロセッサ201は、工事車両50のアームの先端が工事車両50の前方に対して左側に回転している場合、工事車両50の前方に対して右側に新たな危険エリアを生成及び設定する。また、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度及びアームの屈曲(すなわちアームの先端の到達範囲)のうちの少なくとも1つに応じて半径の長さを調整してよい。例えば、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度が速いほど半径が長くなるように、また、アームが屈曲しているほど(すなわちアームの先端の到達範囲が短いほど)半径が短くなるように、半径の長さを調整してよい。別言すれば、プロセッサ201は、アームの先端の回転速度及びアームの先端の到達範囲のうちの少なくとも1つに応じて半径の長さを調整することによって新たな危険エリアの大きさを調整してよい。あるいは、半径は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。また、所定角度は、入力部を介して作業管理者等のユーザによって入力されて設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。図13Bに、本開示の実施の形態に係る、工事車両50のアームの先端が工事車両50の前方に対して左側に回転している場合の新たな危険エリアA6の一例を示している。
上述した新たな危険エリアは、測位端末10の位置を含む測位端末10の周りの一部に設定される。すなわち、工事車両50の状態を考慮することで、測位端末10の周りのうち危険の可能性が高い一部分は、新たな危険エリアとして設定され、測位端末10の周りのうち危険の可能性が低い残りの部分は、新たな危険エリアとして設定されない。このように、危険の可能性が高い一部分を新たな危険エリアとして設定し、危険の可能性が低い残りの部分を新たな危険エリアとして設定しないことで、過度の警報の発出を抑制しつつ、安全性を確保することができる。
[危険エリアへの接近の判定]
次に、測位端末10Aが危険エリアに接近しているか否かの判定について説明する。なお、以下の説明において、危険エリアは、測位端末10Bの状態に基づいて設定された新たな危険エリアで適宜置き換えられてよい。
上述したように、プロセッサ201は、段階的な複数の侵入予測時間閾値(例えば、単位:秒)及び無警報距離閾値(例えば、単位:メートル)を設定してもよい。以下では、複数の侵入予測時間閾値の数が2である例を説明するが、複数の侵入予測時間閾値の数が3以上であってもよいことは明らかである。あるいは、複数の侵入予測時間閾値を用いる代わりに、1つの侵入予測時間閾値を用いてもよい。以下では、2つの侵入予測時間を、第1侵入予測時間閾値及び第2侵入予測時間閾値とし、第1侵入予測時間閾値<第2侵入予測時間閾値とする。
プロセッサ201は、測位端末10Aの位置(緯度及び経度)が、設定した危険エリア(円形又は扇形)外にある場合、測位端末10Aの位置から、測位端末10Aの位置と危険エリアの中心(座標)とを結ぶ直線が危険エリアの境界線(円周又は円弧)と交わる測位端末10Aに最も近い点までの距離l(例えば、単位:メートル)を算出する。
プロセッサ201は、無警報距離閾値≦距離lである場合、警報発出命令を生成しない。
プロセッサ201は、距離l<無警報距離閾値であり、かつ、侵入予測時間<第1侵入予測時間閾値である場合、第1接近状態として警報イベントを検知する。
プロセッサ201は、距離l<無警報距離閾値であり、かつ、第1侵入予測時間閾値≦侵入予測時間<第2侵入予測時間閾値である場合、第2接近状態として警報イベントを検知する。
第1接近状態は、測位端末10Aが第2接近状態よりも早く危険エリアに到達すると予測される状態である。
なお、上記で説明した条件において、「≦」は「<」で適宜置き換えられてもよく、「<」は「≦」で適宜置き換えられてもよい。
また、複数の侵入予測時間閾値の数がn(n:3以上の整数)である場合にも、プロセッサ201は、上記と同様にして、第k接近状態(k=1,2,...,n)として警報イベントを検知することができる。
このように無警報距離閾値を設定することにより、危険エリアの中心と測位端末10Aの位置との距離が、無警報距離閾値以上であれば(又は無警報距離閾値を超えるならば)、警報が発出されないので、警報の過度の発出を抑制することができる。
[警報発出命令の生成]
次に、警報発出命令の生成について説明する。
第1に、測位端末10Aが危険エリア内に存在する場合における警報発出命令の生成について説明する。なお、以下の説明において、危険エリアは、測位端末10Bの状態に基づいて設定された新たな危険エリアで適宜置き換えられてよい。
プロセッサ201は、測位端末10Aの位置(緯度及び経度)が、設定した危険エリア内にある場合、測位端末10Aの位置と危険エリアの中心(座標)との距離L(例えば、単位:メートル)を算出する。
プロセッサ201は、算出した距離に応じた侵入警報の様式を決定する。例えば、危険エリア(円形又は扇形)の半径をr(例えば、単位:メートル)とした場合、0<L≦r/4(第1侵入状態である警報イベント)であるか、r/4<L≦r/2(第2侵入状態である警報イベント)であるか、r/2<L≦3r/4(第3侵入状態である警報イベント)であるか、又は、3r/4<L≦r(第4侵入状態である警報イベント)であるかに応じて、測位端末10Aの警報部103により鳴動されるブザーの音量及びビープ音周期のうちの少なくとも一方を変化させてよい。換言すれば、測位端末10Aが危険エリアの中心に近いほど、ブザーの音量を大きくしてもよいし、ブザーのビープ音周期を短くしてよいし、これらの両方であってもよい。すなわち、測位端末10が危険エリアの中心に近いほど、強度が増すような警報を行ってよい。
あるいは、危険エリアの半径rとは異なる基準を用いてもよい。例えば、0m<L≦0.5m(第1侵入状態である警報イベント)であるか、0.5m<L≦0.8m(第2侵入状態である警報イベント)であるか、0.8m<L≦0.9m(第3侵入状態である警報イベント)であるか、又は、0.9m<L≦r(第4侵入状態である警報イベント)であるかに応じて、測位端末10Aの警報部103により鳴動されるブザーの音量及びビープ音周期を変化させてもよい。この場合も、測位端末10Aが危険エリアの中心に近いほど、ブザーの音量を大きくしてもよいし、ブザーのビープ音周期を短くしてよいし、これらの両方であってもよい。すなわち、測位端末10が危険エリアの中心に近いほど、強度が増すような警報を行ってよい。
危険エリアが工事車両50のエリアに関連する場合、プロセッサ201は、元の危険エリア(又は、静的(固定的)又は半静的に設定された危険エリア)と工事車両50の状態に基づいて設定した新たな危険エリアとで、侵入警報の様式又はパターンを変えてもよい。例えば、新たな危険エリアへの侵入に対する警報の警報音のパターンを、元の危険エリアへの侵入に対する警報の警報音のパターンと異なるようにしてもよい。あるいは、新たな危険エリアへの侵入に対する警報のパターンを、元の危険エリアへの侵入に対する警報のパターンと数秒だけ異なるようにしてもよい。このようにすることで、測位端末10Aに対応付けられている作業員が、移動していないのに、新たな危険エリア(例えば、元の危険エリアよりも大きくなった部分)に意図せず入ってしまった場合に、突然の警報に作業員が慌てないようにさせることができる。
なお、上記で説明した条件において、「≦」は「<」で適宜置き換えられてもよく、「<」は「≦」で適宜置き換えられてもよい。
また、上記では、4段階で警報を行う例について説明したが、2又は3段階で警報を行ってもよいし、5段階以上で警報を行ってもよい。また、複数段階に分ける条件も、上記の例に限定されるものではない。
そして、プロセッサ201は、決定した様式の侵入警報の警報発出命令を生成する。
第2に、測位端末10Aが危険エリア外に存在する場合における警報発出命令の生成について説明する。
プロセッサ201は、測位端末10Aが上述した第1接近状態にある場合、第1接近状態に対応する警報発出命令(当該警報は、第1注意喚起警報と称されてもよい)を生成する。第1接近状態に対応する第1注意喚起警報の様式は、上述した侵入警報の様式と異なってよい。例えば、第1接近状態に対応する第1注意喚起警報は、上述した様式のブザーの音量よりもさらに小さくしたものであってよいし、ブザーを鳴動させる回数を1回、2回等に制限したものであってもよいし、これらの両方であってもよい。
プロセッサ201は、測位端末10Aが上述した第2接近状態にある場合、第2接近状態に対応する警報発出命令(当該警報は、第2注意喚起警報と称されてもよい)を生成する。第2接近状態に対応する第2注意喚起警報の様式は、上述した侵入警報の様式及び第1注意喚起警報の様式と異なってよい。例えば、第2接近状態に対応する第2注意喚起警報は、第1注意喚起警報のブザーの音量よりもさらに小さくしたものであってよいし、第1注意喚起警報のブザーを鳴動させる回数をさらに制限したものであってもよいし、これらの両方であってもよい。
このようにして、プロセッサ201は、測位端末10Aが危険エリアに侵入していること及び接近していることに対して警報を発出するように命令する警報発出命令を生成し、通信部203は、これらの警報発出命令を測位端末10Aに送信する。
また、プロセッサ201は、測位端末10Aが危険エリアに侵入する予測時間に応じて異なる様式の警報を発出するように、予測時間に応じて異なる警報発出命令を生成し、通信部203は、これらの警報発出命令を測位端末10Aに送信する。
このように段階的な複数の侵入予測時間閾値を設定することにより、侵入予測時間に応じて警報が段階的に発出されるので、危険エリアへの測位端末10Aの侵入を効果的に防ぐことができる。
また、このように危険エリア内外での警報の挙動を変えることにより、危険エリア外への退出を効果的に促すことができる。
なお、様式は、態様で読み替えられてもよい。
<警報システムの動作>
次に、図4A、図4B、図5、図6A及び図6Bを参照して、実施の形態1に係る警報システム1の動作例について説明する。
[測位端末の動作]
図4Aは、実施の形態1に係る測位端末10Aの動作の一例を示す図である。
ステップS401において、GNSS受信装置104Aは、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
ステップS402において、通信部105Aは、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データを受信する。
ステップS403において、プロセッサ101Aは、衛星信号に基づく測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、RTK測位解を算出し、測位結果を得る。
ステップS404において、通信部105Aは、RTK測位解を含む測位結果を上位サーバ20に送信する。
ステップS405において、プロセッサ101A又は通信部105Aは、通信部105Aが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
通信部105Aが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS405においてYES)、ステップS406において、警報部103Aは、上位サーバ20によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローは終了する。
一方、通信部105Aが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS405においてNO)、フローは終了する。
以降、図4Aの処理が繰り返される。
図4Bは、実施の形態1に係る測位端末10Bの動作の一例を示す図である。
ステップS411において、GNSS受信装置104Bは、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
ステップS412において、通信部105Bは、基準局データ配信サーバ30から送信された補正データを受信する。
ステップS413において、プロセッサ101Bは、衛星信号に基づく測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、RTK測位解を算出し、測位結果を得る。
ステップS414において、車両通信部107Bは、工事車両50(の例えば車両制御システム)から工事車両50の状態情報を取得する。
ステップS415において、通信部105Bは、RTK測位解を含む測位結果及び工事車両50の状態情報を上位サーバ20に送信する。
ステップS416において、プロセッサ101B又は通信部105Bは、通信部105Bが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
通信部105Bが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS416においてYES)、ステップS417において、警報部103Bは、上位サーバ20によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローは終了する。
一方、通信部105Bが(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS416においてNO)、フローは終了する。
以降、図4Bの処理が繰り返される。
[上位サーバの動作]
図5、図6A及び図6Bは、実施の形態1に係る上位サーバ20の動作の一例を示す図である。図5は、上位サーバ20の事前設定に関する。
ステップS501において、プロセッサ201は、危険エリア(新たな危険エリアを含む)、第1注意喚起警報を発出するための第1侵入予測時間閾値、第2注意喚起警報を発出するための第2侵入予測時間閾値又は無警報距離閾値を設定する。そして、図5の処理は終了する。
なお、上述したように、危険エリアは、ユーザ入力を介して静的又は半静的に設定されることもあるし、測位端末10が搭載されている工事車両50の移動等に応じて動的に設定されることもある。また、各種の閾値は、ユーザ入力を介して静的又は半静的に設定されてもよいし、警報システム1において固定されていてもよい。このようにして、図5の処理は、必要に応じて実行されてよい。
次に、図6A及び図6Bを参照して、上位サーバ20の動作の別の例を説明する。なお、以下では、侵入予測時間閾値は設定されておらず(すなわち、危険エリアに測位端末10が接近しているか否かの判定は行われず)、無警報距離閾値は設定されておらず、工事車両50に搭載されている測位端末10Bの周りに所定半径の危険エリアが事前に設定されている例について説明する。
ステップS601において、通信部203は、測位端末10Aから送信された測位端末10Aの測位結果と、測位端末10Bから送信された測位端末10Bの測位結果及び工事車両50の状態情報と、を受信する。
ステップS602において、プロセッサ201は、受信した工事車両50の状態情報(が示す情報)に基づいて、工事車両50が、前進しているか、後進しているか又は停止しているかを判定する。
工事車両50が前進していると判定された場合、ステップS603において、プロセッサ201は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップS607に進む。
工事車両50が後進していると判定された場合、ステップS604において、プロセッサ201は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップS607に進む。
工事車両50が停止していると判定された場合、ステップS605において、プロセッサ201は、受信した工事車両50の状態情報(が示す状態)に基づいて、工事車両50のアームが動いているか否かを判定する。
工事車両50のアームが動いていると判定された場合(ステップS605においてYES)、ステップS606において、プロセッサ201は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップS607に進む。
一方、工事車両50のアームが動いていないと判定された場合(ステップS605においてNO)、フローはステップS609に進む。
ステップS607において、プロセッサ201は、設定した新たな危険エリア及び受信した測位結果(測位端末10Aの位置)に基づいて、測位端末10Aが新たな危険エリア内に存在するか否かを判定する。
測位端末10Aが新たな危険エリア内に存在すると判定された場合(ステップS607においてYES)、ステップS608において、プロセッサ201は、侵入警報の警報発出命令を測位端末10Aに発行し、通信部203は、この警報発出命令を測位端末10Aに送信する。そして、フローは終了する。
一方、測位端末10Aが新たな危険エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS607においてNO)、フローは終了する。
ステップS609において、プロセッサ201は、工事車両50に関連する新たな危険エリアが設定されているか否かを判定する。
新たな危険エリアが設定されていると判定された場合(ステップS609においてYES)、ステップS610において、プロセッサ201は、新たな危険エリアを解除し、元の危険エリアを設定する。次いで、フローはステップS611に進む。
一方、新たな危険エリアが設定されていないと判定された場合(ステップS609においてNO)、フローはステップS611に進む。
ステップS611において、プロセッサ201は、設定した(元の)危険エリア及び受信した測位結果(測位端末10Aの位置)に基づいて、測位端末10Aが危険エリア内に存在するか否かを判定する。
測位端末10Aが危険エリア内に存在すると判定された場合(ステップS611においてYES)、ステップS612において、プロセッサ201は、侵入警報の警報発出命令を測位端末10Aに発行し、通信部203は、この警報発出命令を測位端末10Aに送信する。そして、フローは終了する。
一方、測位端末10Aが危険エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS611においてNO)、フローは終了する。
以降、図6A及び図6Bの処理が繰り返される。
なお、工事車両50に搭載されている測位端末10Bの周りに所定半径の危険エリアが事前に設定されておらず、工事車両50に搭載されている測位端末10Bの周りに、新たな危険エリアが動的にのみ設定される場合には、ステップS610において、プロセッサ201は、新たな危険エリアを解除するだけでよく、その後、フローは終了してよい。また、ステップS609において、新たな危険エリアが設定されていない場合、フローは終了してよい。
<変形例>
[変形例1-1]
上記では、新たな危険エリアが、工事車両50の前進及び後進、並びに、アームの先端の回転に応じて、動的に自動で設定される例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、本開示は、工事車両50が右折又は左折等の旋回をしている場合に適用されてもよい。
この場合において、工事車両50の状態情報は、工事車両50が右折していることを示す情報及び工事車両50が左折していることを示す情報を含んでもよい。工事車両50が右折している場合、工事車両50前方に対して右側にいる作業員は、危険にさらされ得る。したがって、この場合には、プロセッサ201は、アームの先端が工事車両50前方に対して右側に回転している場合について上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定することができる。工事車両50が左折している場合も同様である。別言すれば、プロセッサ201は、工事車両50が右折している場合、工事車両50の前方に対して右側に新たな危険エリアを生成及び設定してもよく、工事車両50が左折している場合、工事車両50の前方に対して左側に新たな危険エリアを生成及び設定してもよい。図14Aに、本開示の実施の形態の変形例に係る、工事車両50が右折している場合の新たな危険エリアA7の一例を示しており、図14Bに、本開示の実施の形態に係る、工事車両50が左折している場合の新たな危険エリアA8の一例を示している。これらの新たな危険エリアは、測位端末10Bの位置を含む測位端末10Bの周りの一部に設定される。
[変形例1-2]
上記では、警報発出命令が、作業員に対応付けられている測位端末10Aに提供される例を説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。上記で示唆したように、注意喚起を促す警報発出命令が、工事車両50に対応付けられている測位端末10Bに提供されてもよく、測位端末10Bは、警報発出命令に従って警報を発出してもよい。
また、測位端末10Aが、アームの先端の回転に応じて設定された新たな危険エリアに侵入した場合、注意喚起を促す警報発出命令に代えて又は加えて、アーム制御(緊急停止)命令が、工事車両50に対応付けられている測位端末10Bに提供されてもよく、測位端末10Bを介して当該命令を受信した工事車両50の例えば車両制御システムは、当該命令に従ってアームを緊急停止させてもよい。
[変形例1-3]
上記では、作業現場における作業員の危険エリアへの侵入の例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、本開示は、作業員が運転しており測位端末10Bに対応付けられている工事車両50の、別の工事車両50に対応付けられている危険エリアへの侵入に適用されてもよい。
具体的に、第1作業員が運転しており第1測位端末10Bに対応付けられている第1工事車両50が、第1作業員とは異なる第2作業員が運転しており第1測位端末10Bと異なる第2測位端末10Bに対応付けられている第1工事車両50と異なる第2工事車両50に対応付けられる新たな第2危険エリアに侵入する例について検討する。この場合も、上位サーバ20は、第2測位端末10Bの測位結果と第2工事車両50の状態とに基づいて、新たな第2危険エリアを設定し、第2測位端末10Bの測位結果と新たな第2危険エリアの位置とに基づいて、第1測位端末10Bの新たな第2危険エリアへの侵入を判定する。そして、上位サーバ20は、第1工事車両50と第2工事車両50とが衝突する可能性があることを通知するために警報発出命令を第1測位端末10B及び第2測位端末10Bにそれぞれ送信することができる。この場合、上位サーバ20は、警報発出命令を第1測位端末10B及び第2測位端末10Bの少なくとも一方に送信し、警報発出命令を受信した場合、第1測位端末10Bは、警報発出命令に従って警報を発出し、第2測位端末10Bは、警報発出命令に従って警報を発出してもよい。
あるいは、上位サーバ20は、新たな第2危険エリアへの第1測位端末10Bの侵入の判定と、第1工事車両50に対応付けられる新たな第1危険エリアへの第2測位端末10Bの侵入の判定と、を別々に行ってもよい。具体的には、上位サーバ20は、上述したように、新たな第2危険エリアへの第1測位端末10Bの侵入の判定を行って、第1工事車両50と第2工事車両50とが衝突する可能性があることを通知するために警報発出命令を第1測位端末10Bに送信することができる。また、上位サーバ20は、第1測位端末10Bの測位結果と第1工事車両50の状態とに基づいて、新たな第1危険エリアを設定し、第1測位端末10Bの測位結果と新たな第1危険エリアの位置とに基づいて、第2測位端末10Bの新たな第1危険エリアへの侵入を判定する。そして、上位サーバ20は、第1工事車両50と第2工事車両50とが衝突する可能性があることを通知するために警報発出命令を第2測位端末10Bに送信することができる。
[変形例1-4]
上記では、危険エリアの形状が真円形である例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。上記で示唆したように、危険エリアの形状は、真円形の一部(扇形、弓形等)、楕円形又はその一部(楕円の半分等)、三角形、四角形等の多角形、その他の形状等であってもよい。このような場合、上記の危険エリアの中心は、危険エリアの重心で置き換えられてよい。同様に、新たな危険エリアの形状は、扇形に限定されるものではない。
[変形例1-5]
実施の形態1において、警報を発出する測位端末10は複数の測位端末10全てでなくともよい。例えば、測位端末10が搭載されている工事車両50等が定められたレール上を移動することしかできなかったり、速度を変更する機構を持たなかったりする場合、警報が発出されても危険を回避する行動を取ることが難しい。このような場合にまで警報を発出すると他の警報との混同を生じさせ、かえって危険を招くおそれがあるため、必ずしも複数の測位端末10全てにおいて警報を発出することは有益とは言えない。警報を発出するべき測位端末10は、作業管理者等からの指定によって変更可能であってもよい。
[変形例1-6]
上記では、上位サーバ20が、危険エリアへの接近及び侵入の判定等の本開示に係る処理を実行する例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、上位サーバ20の代わりに、複数の測位端末10のうちの代表測位端末10が、個々の測位端末10から測位結果を受信し、本開示に係る処理を実行してもよい。
また、各測位端末10が危険エリアへの接近及び侵入の判定等の本開示に係る処理を実行してもよい。この場合、各測位端末10は、例えば、自身の位置を上位サーバ20等に共有することで、自身の周辺に存在する危険エリアの位置及び範囲の情報を取得し、この情報に基づいて判定等の処理を行ってもよい。
<効果>
実施の形態1によれば、測位端末10Bが搭載されている工事車両50の状態と測位端末10Bの位置とに基づいて、測位端末10Bの位置を含む測位端末10Bの周りの一部に新たな危険エリアが動的に設定され、新たな危険エリアへの測位端末10の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を測位端末10B及び測位端末10の少なくとも一方に発出させるための警報発出命令が測位端末10B及び測位端末10の少なくとも一方に提供されたり、測位端末10B及び測位端末10の少なくとも一方は警報を発出したりする。これにより、測位端末(工事車両)との距離以外の他の要素を考慮して、測位端末10Bの周りの一部に新たな危険エリアが設定されることで、測位端末10B及び測位端末10の少なくとも一方に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
(実施の形態2)
次いで、本開示の実施の形態2について説明する。実施の形態2は、RTK演算が、測位端末ではなく上位サーバによって行われる点で、すなわち、上位サーバのプロセッサが、上述したRTK演算を用いた測位端末位置測定(決定)を行う点で、実施の形態1と異なる。なお、実施の形態2に係る警報システム1’、測位端末10A’、測位端末10B’及び上位サーバ20’の構成は、それぞれ、実施の形態1に係る警報システム1、測位端末10A、測位端末10B及び上位サーバ20の構成と同様であるので、実施の形態1と異なる点について説明する。
図7は、実施の形態2に係る警報システム1’の一例を示す図である。図7に示すように、警報システム1’は、測位端末10’(測位端末10A’又は測位端末10B’(図示されているのは測位端末10B’))と、上位サーバ20’と、基準局データ配信サーバ30’と、モニタデバイス40と、工事車両50と、を有する。警報システム1’は、情報処理システム等と称されてもよい。
実施の形態1と異なり、測位端末10’は、RTK演算を行って測位端末10’を測位しない。そのため、測位端末10’は、基準局データ配信サーバ30’から補正データを受信する必要がなく、GNSS衛星から受信した衛星信号に基づいて生成した測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。なお、測位端末10’が速度センサ及び加速度センサを備えている場合には、測位端末10’は、速度センサ及び加速度センサからの速度及び加速度を上位サーバ20’に送信してもよい。測位端末10’は、本開示に係る第1端末、第2端末、端末、別の(他の)端末又は情報処理装置(後述する代表測位端末10’に相当)の一例である。
上位サーバ20’は、測位端末10’から送信された測位端末測位データを受信し、基準局データ配信サーバ30’から、RTK演算を行って測位端末10’を測位するための補正データを受信する。上位サーバ20’は、本開示に係る情報処理装置の一例である。
上位サーバ20’は、受信した測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、測位端末10’の位置を(場合によっては速度及び加速度も)測定する。上位サーバ20’は、設定した危険エリア、測位した測位結果等に基づいて、作業員によって携行されて作業員に対応付けられている測位端末10’(測位端末10A’)の危険エリアへの接近及び侵入を判定する(換言すれば、警報イベントを検知する)。なお、上位サーバ20’に、基準局データ配信サーバ30’の機能の一部又は全部が備わっていてもよい。例えば、上位サーバ20’は、基準局データ配信サーバ30’を介さずに、基準局から、基準局によって生成された補正データを受信してもよい。
基準局データ配信サーバ30’は、RTK演算を行って測位端末10’を測位するための補正データを上位サーバ20’に送信する。
<測位端末の構成>
図8Aは、実施の形態2に係る測位端末10A’の構成の一例を示すブロック図である。図8Aに示すように、測位端末10A’は、プロセッサ101A’と、記憶部102A’と、警報部103Aと、GNSS受信装置104Aと、通信部105A’と、出力部106Aと、バス107Aと、を備える。
上述した通り、測位端末10A’は、RTK演算を用いた測位を行わない。そのため、プロセッサ101B’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成して記憶部102A’及び通信部105A’に出力する。
記憶部102A’は、基準局データ配信サーバ30’からの補正データを記憶する必要がない。記憶部102A’は、測位端末測位データを記憶する。
通信部105A’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、プロセッサ101A’から入力された測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。通信部105A’は、上位サーバ20’から送信された測位端末10A’の測位結果を受信し、受信した測位結果を記憶部102A’に出力してもよい。
プロセッサ101A’、記憶部102A’、警報部103A、GNSS受信装置104A、通信部105A’及び出力部106Aは、互いに通信可能であるように、バス107Aを介して互いに接続されている。
図8Bは、実施の形態2に係る測位端末10B’の構成の一例を示すブロック図である。図8Bに示すように、測位端末10B’は、プロセッサ101B’と、記憶部102B’と、警報部103Bと、GNSS受信装置104Bと、通信部105B’と、出力部106Bと、車両通信部107Bと、バス108Bと、を備える。
上述した通り、測位端末10B’は、RTK演算を用いた測位を行わない。そのため、プロセッサ101B’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成して記憶部102B’及び通信部105B’に出力する。
記憶部102B’は、基準局データ配信サーバ30’からの補正データを記憶する必要がない。記憶部102B’は、測位端末測位データを記憶する。
通信部105B’は、GNSS衛星から衛星信号が受信されるたびに、プロセッサ101A’から入力された測位端末測位データ及び車両通信部107Bから入力された工事車両50の最新の状態情報を上位サーバ20’に送信する。通信部105B’は、上位サーバ20’から送信された測位端末10B’の測位結果を受信し、受信した測位結果を記憶部102B’に出力してもよい。
プロセッサ101B’、記憶部102B’、警報部103B、GNSS受信装置104B、通信部105B’、出力部106B及び車両通信部107Bは、互いに通信可能であるように、バス108Bを介して互いに接続されている。
以下において、プロセッサ101A’とプロセッサ101B’とを区別する必要がない場合には、プロセッサ101A’及び101B’は、プロセッサ101’と称されることがある。また、警報部103Aと警報部103Bとを区別する必要がない場合には、警報部103A及び103Bは、警報部103と称されることがある。また、通信部105A’と通信部105B’とを区別する必要がない場合には、通信部105A’及び105B’は、通信部105’と称されることがある。
<上位サーバの構成>
図9は、実施の形態2に係る上位サーバ20’の構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、上位サーバ20’は、プロセッサ201’と、記憶部202と、通信部203’と、バス204と、を備える。
実施の形態1と異なり、プロセッサ201’は、例えば、測位端末10’から測位端末測位データが受信されるたびに、測位端末測位データと、GNSS衛星から受信された補正データと、に基づいて、RTK演算を行って、当該測位端末10’の位置、速度、加速度及び進行方向を測定(決定)する。プロセッサ201’は、このように測位した測位結果を通信部203’及び記憶部202に出力する。プロセッサ201’は、測位した測位結果及び設定した危険エリアに基づいて、作業員に対応付けられている測位端末10A’の危険エリアへの侵入時間(すなわち、危険エリアに到達すると予測される時間)を予測する。
危険エリアが工事車両50のエリアに関連する場合、プロセッサ201’は、工事車両50に対応付けられている測位端末10B’の測位結果及び工事車両50の状態に基づいて、新たな危険エリアを動的に自動で設定してよい。なお、工事車両50の状態情報のうち、工事車両50が前進していることを示す情報、工事車両50が後進していることを示す情報、工事車両50が右折していることを示す情報、工事車両50が左折していることを示す情報、工事車両50が停止していることを示す情報については、プロセッサ201’は、測位した測位端末10B’の測位結果(例えば位置及び速度)に更に基づいて生成してもよい。新たな危険エリアは、例えば、上述したように設定されてよい。新たな危険エリアは、工事車両50に対応付けられている測位端末10B’の位置を含み、当該測位端末10B’の周りの一部に設定される。
プロセッサ201’は、当該測位結果、侵入予測時間閾値、無警報距離閾値及び設定した危険エリアのうちの少なくとも1つに基づいて、測位端末10A’の危険エリアへの接近及び侵入を判定する(警報イベントを検知する)。
プロセッサ201’は、設定した危険エリアと、当該測位結果と、警報発出命令を送信する対象の測位端末10’と、の情報を表示するように、通信部203’を介して、これらの情報をモニタデバイス40に送信する。
通信部203’は、測位端末10’から送信された測位端末測位データを受信する。通信部203’は、測位端末測位データをプロセッサ201’及び記憶部202に出力する。通信部203’は、測位結果を測位端末10’に送信してもよい。
プロセッサ201’、記憶部202及び通信部203’は、互いに通信可能であるように、バス204を介して互いに接続されている。
<警報システムの動作>
次に、図10A、図10B、図11A及び図11Bを参照して、実施の形態2に係る警報システム1’の動作例について説明する。
[測位端末の動作]
図10Aは、実施の形態2に係る測位端末10A’の動作の一例を示す図である。
ステップS1001において、GNSS受信装置104Aは、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
ステップS1002において、プロセッサ101A’は、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成する。
ステップS1003において、通信部105A’は、測位端末測位データを上位サーバ20’に送信する。
ステップS1004において、プロセッサ101A’又は通信部105A’は、通信部105A’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
通信部105A’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS1004においてYES)、ステップS1005において、警報部103Aは、上位サーバ20’によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローは終了する。
一方、通信部105A’が(例えば測位端末測位データを送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS1004においてNO)、フローは終了する。
以降、図10Aの処理が繰り返される。
図10Bは、実施の形態2に係る測位端末10B’の動作の一例を示す図である。
ステップS1011において、GNSS受信装置104Bは、GNSS衛星から送信された衛星信号を受信する。
ステップS1012において、プロセッサ101B’は、衛星信号に基づいて測位端末測位データを生成する。
ステップS1013において、車両通信部107Bは、工事車両50(の例えば車両制御システム)から工事車両50の状態情報を取得する。
ステップS1014において、通信部105B’は、測位端末測位データ及び工事車両50の状態情報を上位サーバ20’に送信する。
ステップS1015において、プロセッサ101B’又は通信部105B’は、通信部105B’が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信したか否かを判定する。
通信部105B’が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信した場合(ステップS1015においてYES)、ステップS1016において、警報部103Bは、上位サーバ20’によって指定(決定)された様式の警報を発出する。次いで、フローは終了する。
一方、通信部105B’が(例えば測位結果を送信してから所定の時間内に)警報発出命令を受信しなかった場合(ステップS1015においてNO)、フローは終了する。
以降、図10Bの処理が繰り返される。
[上位サーバの動作]
上位サーバ20’の事前設定に関する処理は、図5を用いてすでに説明している処理と同じであるので、ここではその説明を省略する。
図11A及び図11Bは、実施の形態2に係る上位サーバ20’の動作の一例を示す図である。なお、ここでも、以下では、侵入予測時間閾値は設定されておらず(すなわち、危険エリアに測位端末10’が接近しているか否かの判定は行われず)、無警報距離閾値は設定されておらず、工事車両50に搭載されている測位端末10B’の周りに所定半径の危険エリアが事前に設定されている例について説明する。
ステップS1101において、通信部203’は、測位端末10A’から送信された測位端末測位データと、測位端末10B’から送信された測位端末測位データ及び工事車両50の状態情報と、を受信する。
ステップS1102において、通信部203’は、基準局データ配信サーバ30’から送信された補正データを受信する。
ステップS1103において、プロセッサ201’は、測位端末測位データ及び補正データを用いてRTK演算を行って、RTK測位解を算出し、測位結果を得る。
ステップS1104において、プロセッサ201’は、受信した工事車両50の状態情報(が示す情報)に基づいて、工事車両50が、前進しているか、後進しているか又は停止しているかを判定する。
工事車両50が前進していると判定された場合、ステップS1105において、プロセッサ201’は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップ1109に進む。
工事車両50が後進していると判定された場合、ステップS1106において、プロセッサ201’は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップS1109に進む。
工事車両50が停止していると判定された場合、ステップS1107において、プロセッサ201’は、受信した工事車両50の状態情報(が示す状態)に基づいて、工事車両50のアームが動いているか否かを判定する。
工事車両50のアームが動いていると判定された場合(ステップS1107においてYES)、ステップS1108において、プロセッサ201’は、上述したように、新たな危険エリアを生成及び設定する。次いで、フローはステップS1109に進む。
一方、工事車両50のアームが動いていないと判定された場合(ステップS1107においてNO)、フローはステップS1111に進む。
ステップS1109において、プロセッサ201’は、設定した新たな危険エリア及び測位した測位結果(測位端末10A’の位置)に基づいて、測位端末10A’が新たな危険エリア内に存在するか否かを判定する。
測位端末10Aが新たな危険エリア内に存在すると判定された場合(ステップS1109においてYES)、ステップS1110において、プロセッサ201’は、侵入警報の警報発出命令を測位端末10A’に発行し、通信部203’は、この警報発出命令を測位端末10A’に送信する。そして、フローは終了する。
一方、測位端末10A’が新たな危険エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS1109においてNO)、フローは終了する。
ステップS1111において、プロセッサ201’は、工事車両50に関連する新たな危険エリアが設定されているか否かを判定する。
新たな危険エリアが設定されていると判定された場合(ステップS1111においてYES)、ステップS1112において、プロセッサ201’は、新たな危険エリアを解除し、元の危険エリアを設定する。次いで、フローはステップS1113に進む。
一方、新たな危険エリアが設定されていないと判定された場合(ステップS1111においてNO)、フローはステップS1113に進む。
ステップS1113において、プロセッサ201’は、設定した(元の)危険エリア及び測位した測位結果(測位端末10A’の位置)に基づいて、測位端末10A’が危険エリア内に存在するか否かを判定する。
測位端末10A’が危険エリア内に存在すると判定された場合(ステップS1113においてYES)、ステップS1114において、プロセッサ201’は、侵入警報の警報発出命令を測位端末10A’に発行し、通信部203’は、この警報発出命令を測位端末10A’に送信する。そして、フローは終了する。
一方、測位端末10A’が危険エリア内に存在しないと判定された場合(ステップS1113においてNO)、フローは終了する。
以降、図11A及び図11Bの処理が繰り返される。
なお、工事車両50に搭載されている測位端末10B’の周りに所定半径の危険エリアが事前に設定されておらず、工事車両50に搭載されている測位端末10B’の周りに、新たな危険エリアが動的にのみ設定される場合には、ステップS1112において、プロセッサ201’は、新たな危険エリアを解除するだけでよく、その後、フローは終了してよい。また、ステップS1111において、新たな危険エリアが設定されていない場合、フローは終了してよい。
<変形例>
[変形例2-1]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-1が同様に適用されてよい。
[変形例2-2]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-2が同様に適用されてよい。
[変形例2-3]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-3が同様に適用されてよい。
[変形例2-4]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-4が同様に適用されてよい。
[変形例2-5]
実施の形態2においても、実施の形態1の変形例1-5が同様に適用されてよい。
[変形例2-6]
上記では、上位サーバ20’が、危険エリアへの接近及び侵入の判定等の本開示に係る処理を実行する例について説明したが、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、上位サーバ20’の代わりに、複数の測位端末10’のうちの代表測位端末10’が、個々の測位端末10’から測位端末測位データを受信し、本開示に係る処理を実行してもよい。
<効果>
実施の形態2によれば、測位端末10B’が搭載されている工事車両50の状態と測位端末10B’の位置とに基づいて、測位端末10B’の位置を含む測位端末10B’の周りの一部に新たな危険エリアが動的に設定され、新たな危険エリアへの測位端末10’の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を測位端末10B’及び測位端末10’の少なくとも一方に発出させるための警報発出命令が測位端末10B’及び測位端末10’の少なくとも一方に提供されたり、測位端末10B’及び測位端末10’の少なくとも一方は警報を発出したりする。これにより、測位端末(工事車両)との距離以外の他の要素を考慮して、測位端末10B’の周りの一部に新たな危険エリアが設定されることで、測位端末10B’及び測位端末10’の少なくとも一方に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
また、実施の形態2によれば、測位端末10’を測位するためのRTK演算が、測位端末10’ではなく上位サーバ20’又は代表測位端末10’において実行されるので、個々の測位端末10’の処理負荷を軽減させることができる。
(実施の形態の更なる変形例)
上述の実施の形態においては、測位端末10、10’の位置はRTK演算によって算出されていたが、他の測位方法を用いて算出されてもよい。他の測位方法としては、例えば、衛星からの信号のみから測位端末10、10’の位置を算出する従来のGPS方式や、RTK演算とは異なる補正データを用いるディファレンシャルGPS方式、衛星からの信号を用いずに周辺に配置されたビーコンからの信号を用いる方式等が挙げられる。また、単独の測位方式のみを採用するのではなく、複数の測位方式を併用して測位端末10、10’の位置を算出してもよい。例えば、屋外等の衛星からの信号を良好に受信できる環境と、屋内等の衛星からの信号の品質が劣化しやすい環境とで、測位端末10、10’の位置を算出する方式を切り替えたりすることが考えられる。すなわち、上述した実施の形態においては、測位端末10、10’の位置が何らかの測位方式を用いて算出されればよく、どのような測位方式を用いるかは問わない。ただし、RTK演算は、衛星から高品質な信号を受信できる環境であれば、他の測位方式と比べて高い精度の位置を算出することができる。そのため、屋外の工事現場などの衛星からの信号を遮蔽する物体が少なく、位置の誤差が事故につながり易い環境では、RTK演算を用いることが好ましい。
上述の実施の形態においては、ブザーやビープ音によって侵入警報を発出していたが、他の態様で侵入警報を発出してもよい。例えば、「危険エリアに近づいています」等の他の音声で侵入警報を発出してもよい。また、警報は音声である必要はない。測位端末10、10’に、LED等の発光部が搭載されているのであれば、その発光部の点滅や発光の強度の制御によって侵入警報を発出してもよい。また、測位端末10、10’にバイブレータが搭載されているのであれば、測位端末10、10’を振動させる周期や強度の制御によって侵入警報を発出してもよい。また、上述した侵入警報を複数組み合わせてもよい。なお、音以外の態様で警報を行う場合、光量や振動の大きさをより強くしたり、警報の周期をより早くしたりすることで、警報の強度を変更してもよい。
上述した実施の形態では、危険エリアへの接近を侵入予測時間に基づいて判断していたが、他の手法によって判断してもよい。例えば、現在位置が各エリアの内側に入っていれば接近したと判断してもよい。同様に、無警報距離閾値を設けなくともよい。
上述した実施の形態では、作業現場における作業員と工事車両を例として説明したが、測位端末10、10’を所持する人物あるいは測位端末10、10’を備える車両の移動に対して警報を発出する必要がある環境であれば、本開示は他の環境に適用してもよい。例えば、消火活動における消防員と消防車両や、自動運転における歩行者と自動車等に本開示を適用することが考えられる。また、上述した実施の形態では工事車両50に設けられたアームの状態に応じて新たな危険エリアを変化させる例を説明した。しかし、移動体の移動を伴わずに動かすことのできる可動部であればアーム以外の設備に対して上述した実施の形態の思想を適用してもよい。具体的には、そのような設備として、消防車に取り付けられた梯子等が考えられる。
上述した実施の形態では、移動体(例えば、工事車両50)が停止している場合に、可動部(例えば、アーム)が動いているか否かを判定していた。しかし、移動体の移動中にも可動部が動いているか否かを判定してもよい。この場合、移動体の移動中に可動部が動いている場合は、移動体の停止中に可動部が動いている場合よりも危険であるため、新たな危険エリアの面積をより広く設定するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、移動体又は可動部の状態が変化することによって、新たな危険エリアの範囲が変化するため、この変化に伴って新たな危険エリアに侵入すると判定される測位端末10、10’が発生することがある。この場合、測位端末10、10’を所有する作業員にとっては、自身が全く移動していなくとも突然新たな危険エリアに侵入すると判定されて警報が発出されることになるため、誤って警報が発出されたように受け取られるおそれがある。そこで、移動体又は可動部の状態が変化することによって、新たな危険エリアに侵入すると判定された測位端末10、10’に対する警報を、移動体又は可動部の状態の変化の前後にわたって危険エリアに侵入すると判定されていた測位端末10、10’に対する警報と異なるものにしてもよい。これにより、新たな危険エリアに侵入すると判定された測位端末10を所有する作業員は、移動体又は可動部の状態の変化という特殊な事情によって新たな危険エリアに侵入すると判定されたことを認識することができる。また、この場合、新たな危険エリアに侵入すると判定された測位端末10、10’に対する警報を、移動体又は可動部の状態の変化の前後にわたって危険エリアに侵入すると判定されていた測位端末10、10’に対する警報よりも強度の強い警報にしてもよい。このようにすることで、作業員に対して、自身が新たに警報の対象になったことを、より確実に気づかせることができる。
上述した実施の形態では、移動体又は可動部の状態によって面積を変化させる方向に着目して新たな危険エリアを説明したが、新たな危険エリアは他の方向に設定されてもよい。例えば、図12における工事車両50の進行方向に対する左右の部分、及び、図13におけるアームの先端の回転との関連が薄い部分については、新たな危険エリアを図示していないが、これらの部分についても新たな危険エリアを設定してもよい。たとえ移動体の進行方向や可動部の可動域との関連が薄い方向であっても、移動体に対する作業員の接触自体が危険なためである。この場合、移動体又は可動部の状態に対応する方向の新たな危険エリアと、その他の方向の新たな危険エリアとで異なる警報を行ってもよい。例えば、移動体又は可動部の状態に対応する方向は特に危険度が高いため、他の方向よりも警報の強度を強くしてもよい。また、移動体又は可動部の状態との関連の薄い方向については新たな危険エリアを設定しなくともよい。このようにすることで、過度の警報の発出を抑制することができる。
上述した実施の形態では、移動体については進行方向とその逆方向の両方に新たな危険エリアを設定し、可動部については、その可動域に対応する範囲にのみ新たな危険エリアを設定していた。しかし、移動体について移動体を挟んで進行方向と反対側の新たな危険エリアを設定しないようにしてもよいし、可動部について移動体を挟んで可動部と反対側の位置に新たな危険エリアを設定してもよい。すなわち、移動体又は可動部の状態に対応する方向に、その反対側の方向よりも面積の広い新たな危険エリアを設定する構成であれば、反対側の方向に設定する新たな危険エリアの面積はゼロ以上の任意の広さでよい。このようにすることで、比較的危険の少ない、移動体又は可動部の状態との関連の薄い範囲について、過度の警報の発出を抑制することができる。
上述した実施の形態では、移動体又は可動部の状態に応じて新たな危険エリアの面積を変更する例を説明した。しかし、移動体の進行方向や可動部を動かすことのできる方向が限られている場合には、必ずしも移動体又は可動部の状態に対応する方向の新たな危険エリアの面積を広く設定する必要はない。移動体又は可動部が到達し得ない範囲まで新たな危険エリアを拡張することは過度の警報の発出に繋がるためである。また、この場合、移動体又は可動部の状態に対応する方向に設定する新たな危険エリアの面積が、その逆方向に設定する新たな危険エリアの面積以下であってもよい。例えば、移動体が前進している場合における後方のように移動体の操縦者から視認しにくい範囲については、長さは短くとも幅の広い新たな危険エリアを設定することが作業員の安全の観点からは望ましいことがある。この場合、前方の新たな危険エリアとして長さが長くて幅が狭く、後方の新たな危険エリアとして長さが短くて幅が広いエリアを設定すると、前方の新たな危険エリアの方が後方の新たな危険エリアよりも面積が狭くなる場合がある。すなわち、上述した実施の形態における面積の大小は一例であり、少なくとも測位端末10、10’から新たな危険エリアの外周までの距離が、移動体又は可動部の状態に対応する方向において、その方向の反対方向よりも長ければよい。ここで、危険エリアの外周までの距離は、一例として、測位端末10、10’から新たな危険エリアの外周の距離のうち最も長い距離であってよいが、測位端末10、10’から新たな危険エリアの外周の距離の平均値や中央値等、他の距離であってもよい。
(実施の形態のまとめ)
本開示の一実施例に係る情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)は、第1端末(測位端末10B、10B’)が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの第2端末(測位端末10、10’)の侵入又は接近を判定する処理部(プロセッサ101、101’、201、201’)と、前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記第2端末に送信する通信部(通信部105、105’、203、203’)と、を備える。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態と第1端末の位置とに基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの第2端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を第2端末に発出させるための信号が第2端末に提供される。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本情報処理装置において、前記移動体の状態は、前記移動体の移動の状態であり、前記処理部は、前記移動体の進行方向に対応する部分の面積が前記移動体を挟んで反対側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する。
上記の構成により、移動体の進行方向にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる一方で、移動体を挟んで反対側(進行方向とは逆側)では、過度の警報の発出を抑制することができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体が前進している場合、前記移動体から前方への第1部分と、前記第1部分よりも面積が小さい、前記移動体から後方への第2部分と、から構成される前記エリアを設定し、前記処理部は、前記移動体が後進している場合、前記移動体から後方への第3部分と、前記第3部分よりも面積が小さい、前記移動体から前方への第4部分と、から構成される前記エリアを設定する。
上記の構成により、移動体の前方又は後方にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる一方で、進行方向とは逆側では、過度の警報の発出を抑制することができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体が旋回している場合、前記旋回の内側の部分の面積が前記旋回の外側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する。
上記の構成により、移動体が旋回している内側にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる一方で、移動体が旋回している外側では、過度の警報の発出を抑制することができる。
本情報処理装置において、前記移動体の状態は、前記移動体に備えられており、前記移動体の移動を伴わずに動く可動部の動きの状態である。
上記の構成により、移動体自体の動き等ではなく、移動体に備えられている可動部の動きを考慮して、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記可動部の先端が回転している場合、前記回転の内側の部分の面積が前記回転の外側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する。
上記の構成により、可動部の先端が回転している内側にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる一方で、可動部の先端が回転している外側では、過度の警報の発出を抑制することができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記可動部の先端の回転速度及び到達範囲のうちの少なくとも1つに応じて、前記エリアの大きさを調整する。
上記の構成により、危険にさらされる可能性に応じてエリアの大きさを調整することができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体の移動中に前記可動部が動いている場合、前記移動体の停止中に前記可動部が動いている場合よりも前記エリアの面積が広くなるように前記エリアを設定する。
上記の構成により、より危険の可能性が高い移動体の移動中において、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
本情報処理装置において、前記通信部は、前記移動体の状態が変化する前には前記エリアに侵入すると判定されておらず、前記移動体の状態が変化したことによって前記エリアに侵入すると判定された前記第2端末に対して、前記移動体の状態の変化の前後にわたって前記エリアに侵入すると判定されていた前記第2端末と異なる警報を発出させるための信号を送信する。
上記の構成により、移動体の状態が変化したことによってエリアに侵入すると判定された第2端末に対応付けられている作業員は、移動体の状態の変化という特殊な事情によって当該エリアに侵入すると判定されたことを認識することができる。
本情報処理装置(代表測位端末10、上位サーバ20)において、前記通信部(通信部105、203)は、前記第2端末(測位端末10)から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記第2端末の位置を受信する。
上記の構成により、高精度の第2端末の位置を得ることができるので、エリアへの第2端末の侵入又は接近の判定をより正確に行うことができる。
本情報処理装置(代表測位端末10’、上位サーバ20’)において、前記処理部(プロセッサ101’、201’)は、RTK演算に基づいて前記第2端末(測位端末10’)の位置を決定する。
上記の構成により、高精度の第2端末の位置を得ることができるので、エリアへの第2端末の侵入又は接近の判定をより正確に行うことができる。
本情報処理装置において、前記通信部は、前記侵入又は接近に対して警報を前記第1端末に発出させるための信号を、前記第1端末に送信する。
上記の構成により、第1端末にも警報を発出させるための信号が提供されるので、第2端末に対応付けられている作業員は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
本開示の一実施例に係る端末(測位端末10、10’)は、前記端末の位置を決定する処理部(プロセッサ101、101’)と、移動体(工事車両50)に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末(測位端末10B、10B’)の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリア(新たな危険エリア)への前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出する警報部(警報部103)と、を備え、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
上記の構成により、別の端末が搭載されている移動体の状態と別の端末の位置とに基づいて、別の端末の位置を含む別の端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、端末は警報を発出する。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、別の端末の周りの一部にエリアが設定されることで、端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本端末において、前記端末は、前記端末の位置を情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)に送信し、前記警報を前記端末に発出させるための信号を前記情報処理装置から受信する通信部を更に備え、前記警報部は、前記信号に従って警報を発出する。
上記の構成により、端末が警報を発出するか否かが、情報処理装置によって決定されるので、端末の処理負荷を軽減させることができる。
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)が、第1端末(測位端末10B、10B’)が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの第2端末(測位端末10、10’)の侵入又は接近を判定し、前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記第2端末に送信する。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態と第1端末の位置とに基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの第2端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を第2端末に発出させるための信号が第2端末に提供される。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一実施例に係る警報方法は、端末(測位端末10、10’)が、前記端末の位置を決定し、移動体(工事車両50)に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末(測位端末10B、10B’)の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリア(新たな危険エリア)への前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出し、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
上記の構成により、別の端末が搭載されている移動体の状態と別の端末の位置とに基づいて、別の端末の位置を含む別の端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、端末は警報を発出する。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、別の端末の周りの一部にエリアが設定されることで、端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一実施例に係る警報システム(警報システム1、1’)は、第1端末(測位端末10B、10B’)と第2端末(測位端末10、10’)とを有し、前記警報システムは、前記第1端末が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの前記第2端末の侵入又は接近を判定し、前記侵入又は接近に対して、第1警報を前記第1端末に発出させるための第1信号(警報発出命令)を前記第1端末に送信する処理と、第2警報を前記第2端末に発出させるための第2信号(警報発出命令)を前記第2端末に送信する処理との少なくとも一方を行い、前記第1端末は、前記第1信号に従って警報を発出し、前記第2端末は、前記第2信号に従って警報を発出する。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態と第1端末の位置とに基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、エリアへの第2端末の侵入又は接近が判定される。そして、この侵入又は接近に対して、警報を第1端末及び第2端末の少なくとも一方に発出させるための信号が第1端末及び第2端末の少なくとも一方に提供され、第1端末及び第2端末の少なくとも一方は警報を発出する。これにより、端末(移動体)との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第1端末及び第2端末の少なくとも一方に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一実施例に係る情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)は、第1端末(測位端末10B、10B’)が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの第2端末(測位端末10、10’)の侵入を判定する処理部(プロセッサ101、101’、201、201’)と、前記侵入に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記第2端末に送信する通信部(通信部105、105’、203、203’)と、を備える。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態に基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、第2端末のエリアへの侵入が判定される。そして、第2端末のエリアへの侵入に対して警報を第2端末に発出させるための信号が、第2端末に提供される。これにより、エリアと第2端末との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体が前進している場合、前記移動体から前方への第1部分と、前記第1エリアよりも面積が小さい、前記移動体から後方への第2部分と、から構成される前記エリアを動的に設定し、前記処理部は、前記移動体が後進している場合、前記移動体から後方への第3部分と、前記第3部分よりも面積が小さい、前記移動体から前方への第4部分と、から構成される前記エリアを動的に設定する。
上記の構成により、移動体の前方又は後方にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる一方で、進行方向とは逆側では、過度の警報の発出を抑制することができる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体が右折している場合、前記移動体の前方に対して右側に前記エリアを動的に設定し、前記処理部は、前記移動体が左折している場合、前記移動体の前方に対して左側に前記エリアを動的に設定する。
上記の構成により、移動体の右側又は左側にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体のアームの先端が前記移動体の前方に対して右側に回転している場合、前記移動体の前方に対して右側に前記エリアを動的に設定し、前記処理部は、前記移動体のアームの先端が前記移動体の前方に対して左側に回転している場合、前記移動体の前方に対して左側に前記エリアを動的に設定する。
上記の構成により、移動体の右側又は左側にいる、危険にさらされる可能性がより高い人(例えば第2端末を携行している作業員又は第2端末が搭載されている別の移動体を運転している作業員)は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
本情報処理装置において、前記処理部は、前記移動体のアームの先端の回転速度及び到達範囲のうちの少なくとも1つに応じて、前記エリアの大きさを調整する。
上記の構成により、危険にさらされる可能性に応じてエリアの大きさを調整することができる。
本情報処理装置(代表測位端末10、上位サーバ20)において、前記通信部(通信部105、203)は、前記第2端末(測位端末10)から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記第2端末の位置を受信する。
上記の構成により、高精度の第2端末の位置を得ることができるので、エリアへの第2端末の侵入の判定をより正確に行うことができる。
本情報処理装置(代表測位端末10’、上位サーバ20’)において、前記処理部(プロセッサ101’、201’)は、RTK演算に基づいて前記第2端末(測位端末10’)の位置を決定する。
上記の構成により、高精度の第2端末の位置を得ることができるので、エリアへの第2端末の侵入の判定をより正確に行うことができる。
本情報処理装置において、前記通信部は、前記侵入に対して警報を前記第1端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記第1端末に送信する。
上記の構成により、第1端末にも警報を発出させるための信号が提供されるので、例えば、第1端末が搭載されている移動体を運転している人(作業員)は、第2端末に対応付けられている人(作業員)が近くにいることに気づきやすくなり、第2端末に対応付けられている人は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
本開示の一実施例に係る端末(測位端末10、10’)は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)と通信し、前記端末の位置を決定する処理部(プロセッサ101、101’)と、前記端末の位置を前記情報処理装置に送信し、移動体(工事車両50)に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末(測位端末10B、10B’)の位置を含む前記別の端末の周りの一部に動的に設定されているエリア(新たな危険エリア)への前記端末の侵入に対して警報を前記端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記情報処理装置から受信する通信部(通信部105、105’)と、前記信号に従って警報を発出する警報部(警報部103)と、を備え、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
上記の構成により、別の端末が搭載されている移動体の状態に基づいて、別の端末の位置を含む別の端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、端末のエリアへの侵入が判定される。そして、端末のエリアへの侵入に対して警報を端末に発出させるための信号が、端末に提供される。これにより、エリアと端末との距離以外の他の要素を考慮して、別の端末の周りの一部にエリアが設定されることで、端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本端末(測位端末10)において、前記処理部(プロセッサ101)は、RTK演算に基づいて前記端末の位置を決定する。
上記の構成により、高精度の端末の位置を得ることができるので、エリアへの端末の侵入の判定をより正確に行うことができる。
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)が、第1端末(測位端末10B、10B’)が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの第2端末(測位端末10、10’)の侵入を判定し、前記侵入に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記第2端末に送信する。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態に基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、第2端末のエリアへの侵入が判定される。そして、第2端末のエリアへの侵入に対して警報を第2端末に発出させるための信号が、第2端末に提供される。これにより、エリアと第2端末との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一実施例に係る警報方法は、端末(測位端末10、10’)が、前記端末の位置を決定し、前記端末の位置を情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)に送信し、移動体(工事車両50)に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末(測位端末10B、10B’)の位置を含む前記別の端末の周りの一部に動的に設定されているエリア(新たな危険エリア)への前記端末の侵入に対して警報を前記端末に発出させるための信号(警報発出命令)を、前記情報処理装置から受信し、前記信号に従って警報を発出し、前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている。
上記の構成により、別の端末が搭載されている移動体の状態に基づいて、別の端末の位置を含む別の端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、端末のエリアへの侵入が判定される。そして、端末のエリアへの侵入に対して警報を端末に発出させるための信号が、端末に提供される。これにより、エリアと端末との距離以外の他の要素を考慮して、別の端末の周りの一部にエリアが設定されることで、端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。
本開示の一実施例に係る警報システム(警報システム1、1’)は、情報処理装置(代表測位端末10、10’、上位サーバ20、20’)と第1端末(測位端末10B、10B’)と第2端末(測位端末10、10’)とを有し、前記情報処理装置は、前記第1端末が搭載されている移動体(工事車両50)の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリア(新たな危険エリア)を動的に設定し、前記エリアへの前記第2端末の侵入を判定し、前記侵入に対して第1警報を前記第1端末に発出させるための第1信号(警報発出命令)を、前記第1端末に送信し、前記侵入に対して第2警報を前記第2端末に発出させるための第2信号(警報発出命令)を、前記第2端末に送信し、前記第1端末は、前記情報処理装置から前記第1信号を受信し、前記第1信号に従って警報を発出し、前記第2端末は、前記情報処理装置から前記第2信号を受信し、前記第2信号に従って警報を発出する。
上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体の状態に基づいて、第1端末の位置を含む第1端末の周りの一部にエリアが動的に設定され、第2端末のエリアへの侵入が判定される。そして、第2端末のエリアへの侵入に対して警報を第2端末に発出させるための信号が、第2端末に提供される。これにより、エリアと第2端末との距離以外の他の要素を考慮して、第1端末の周りの一部にエリアが設定されることで、第2端末に対応付けられている作業員に対して適切に警報を行うことができる。また、上記の構成により、第1端末が搭載されている移動体を運転している人(作業員)は、第2端末に対応付けられている人(作業員)が近くにいることに気づくやすくなり、第2端末に対応付けられている人は、より安全に作業等を行うことができる可能性が高くなる。
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
本開示は、移動体に対応付けられている人に対して警報を行う警報技術に有用である。
1,1’ 警報システム
10(10A,10B),10’(10A’,10B’) 測位端末
20,20’ 上位サーバ
30,30’ 基準局データ配信サーバ
40 モニタデバイス
50 工事車両
101(101A,101B),101’(101A’,101B’),201,201’ プロセッサ
102A,102B,102A’,102B’,202 記憶部
103(103A,103B) 警報部
104A,104B GNSS受信装置
105(105A,105B),105’(105A’,105B’),203,203’ 通信部
106A,106B 出力部
107A,108B,204 バス

Claims (17)

  1. 第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、前記エリアへの第2端末の侵入又は接近を判定する処理部と、
    前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号を、前記第2端末に送信する通信部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記移動体の状態は、前記移動体の移動の状態であり、
    前記処理部は、前記移動体の進行方向に対応する部分の面積が前記移動体を挟んで反対側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記処理部は、前記移動体が前進している場合、前記移動体から前方への第1部分と、前記第1部分よりも面積が小さい、前記移動体から後方への第2部分と、から構成される前記エリアを設定し、
    前記処理部は、前記移動体が後進している場合、前記移動体から後方への第3部分と、前記第3部分よりも面積が小さい、前記移動体から前方への第4部分と、から構成される前記エリアを設定する、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記処理部は、前記移動体が旋回している場合、前記旋回の内側の部分の面積が前記旋回の外側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記移動体の状態は、前記移動体に備えられており、前記移動体の移動を伴わずに動く可動部の動きの状態である、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記処理部は、前記可動部の先端が回転している場合、前記回転の内側の部分の面積が前記回転の外側の部分の面積よりも広くなるように前記エリアを設定する、請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記処理部は、前記可動部の先端の回転速度及び到達範囲のうちの少なくとも1つに応じて、前記エリアの大きさを調整する、請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記処理部は、前記移動体の移動中に前記可動部が動いている場合、前記移動体の停止中に前記可動部が動いている場合よりも前記エリアの面積が広くなるように前記エリアを設定する、請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記通信部は、前記移動体の状態が変化する前には前記エリアに侵入すると判定されておらず、前記移動体の状態が変化したことによって前記エリアに侵入すると判定された前記第2端末に対して、前記移動体の状態の変化の前後にわたって前記エリアに侵入すると判定されていた前記第2端末と異なる警報を発出させるための信号を送信する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 前記通信部は、前記第2端末から、RTK(Real Time Kinematic)演算に基づいて決定された前記第2端末の位置を受信する、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  11. 前記処理部は、RTK演算に基づいて前記第2端末の位置を決定する、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  12. 前記通信部は、前記侵入又は接近に対して警報を前記第1端末に発出させるための信号を、前記第1端末に送信する、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  13. 端末の位置を決定する処理部と、
    移動体に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリアへの前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出する警報部と、
    を備え、
    前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている、
    端末。
  14. 前記端末は、前記端末の位置を情報処理装置に送信し、前記警報を前記端末に発出させるための信号を前記情報処理装置から受信する通信部を更に備え、
    前記警報部は、前記信号に従って警報を発出する、
    請求項13に記載の端末。
  15. 情報処理装置が、
    第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、
    前記エリアへの第2端末の侵入又は接近を判定し、
    前記侵入又は接近に対して警報を前記第2端末に発出させるための信号を、前記第2端末に送信する、
    情報処理方法。
  16. 端末が、
    前記端末の位置を決定し、
    移動体に搭載されている、前記端末とは異なる別の端末の位置を含む前記別の端末の周りの少なくとも一部に動的に設定されているエリアへの前記端末の侵入又は接近に対して警報を発出し、
    前記エリアは、前記移動体の状態と前記別の端末の位置とに基づいて動的に設定されている、
    警報方法。
  17. 第1端末と第2端末とを有する警報システムであって、
    前記警報システムは、
    前記第1端末が搭載されている移動体の状態と前記第1端末の位置とに基づいて、前記第1端末の位置を含む前記第1端末の周りの一部にエリアを動的に設定し、
    前記エリアへの前記第2端末の侵入又は接近を判定し、
    前記侵入又は接近に対して、第1警報を前記第1端末に発出させるための第1信号を前記第1端末に送信する処理と、第2警報を前記第2端末に発出させるための第2信号を前記第2端末に送信する処理との少なくとも一方を行い、
    前記第1端末は、前記第1信号に従って警報を発出し、
    前記第2端末は、前記第2信号に従って警報を発出する、
    警報システム。
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