JP2023103678A - 金属製カップ及びシュリンク包装された金属製カップ - Google Patents

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Abstract

【課題】シュリンクフィルムを装着して抜けにくい金属製カップを提供する。【解決手段】胴部が、底部側より開口部側に向けて漸次拡径するテーパ状筒部を有しており、胴部の開口部側に、下部より上部を拡径してなる段部と、該段部の上端に連続する円筒部とが形成されるとともに、複数個をスタックさせたときに、内側の金属製カップのテーパ状筒部の外面と外側の金属製カップの円筒部の内面とが対峙する位置関係に設定されており、その円筒部の外周面に、シュリンクフィルムが装着されたときに該シュリンクフィルムが密接する溝部又は凸条部が周方向に沿って形成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、アルミニウム合金等からなる金属製カップ及びシュリンク包装された金属製カップに関する。
既存の飲料用カップには陶器製、ガラス製、金属製、紙製、プラスチック製等がある。
このうち、金属製、紙製、プラスチック製のカップは、陶器製やガラス製と比べて、軽量でスタックしても嵩張りにくいので、持ち運びに優れている。
特許文献1にはテーパ状の金属カップ(金属製カップ)が開示されている。この金属製カップは、アルミニウム製で、プラスチックカップより硬く、耐久性があり、
また、リサイクル性に優れていると記載されている。
また、この金属製カップを製造する方法として、金属板を抜き及び絞り加工してカップを形成し、そのカップにしごき加工を施すことにより円筒状の垂直壁プリフォームを形成し(DI工程)、その開口端部を丸めてカール部を形成した後、段階的絞り処理により、カール部から底部に向けて、連続的に小さくなる直径及び異なる高さの垂直壁区画を有する垂直絞りカップを形成し、その後、テーパ状の輪郭を有するダイを用いて、垂直壁区画の各々を拡げることにより、各垂直壁区画をテーパ状側壁としたテーパ状カップを形成し、最後に、カップの底に、ドーム部を形成する、ことが記載されている。
ところで、特許文献2には、容器の外周面にシュリンクフィルムを装着して装飾することが開示されている。このシュリンクフィルムは、熱収縮することで、種々の外形の包装対象物の形状に合わせて、被覆することができる。
特表2020-508874号公報 特開2007-30973号公報
特許文献2に開示されているようなシュリンクフィルムを特許文献1に記載の金属製カップに装着する場合、金属製カップが底部から開口部にかけて漸次拡径するテーパ状に形成されているため、輸送等で振動が加わると、熱収縮したシュリンクフィルムが弛んで、金属製カップから抜けるおそれがある。
この場合、糊等でシュリンクフィルムを金属製カップに固定することも考えられるが、糊に起因した品質不良が発生するおそれがあるとともに、糊付け工程が増えてコストアップにもつながる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シュリンクフィルムを装着して抜けにくい金属製カップを提供することを目的とする。
本発明の金属製カップは、胴部が、底部側より開口部側に向けて漸次拡径するテーパ状筒部を有しており、前記胴部の外周面に、該胴部にシュリンクフィルムを装着したときに該シュリンクフィルムが密接する溝部又は凸条部が周方向に沿って形成されている。
この金属製カップは、その胴部にシュリンクフィルムを被せて熱収縮させると、胴部の外周面の溝部又は凸条部の外面に沿うようにシュリンクフィルムが密接する。これら溝部又は凸条部は胴部の周方向に沿って形成されているので、シュリンクフィルムを胴部の軸方向にずらす方向に外力が作用した場合でも、シュリンクフィルムが溝部又は凸条部に係止して、これらとの間に弛みが生じることが防止され、金属製カップからのシュリンクフィルムの抜けが抑制される。
なお、溝部又は凸条部は、必ずしも胴部の全周にわたって連続して形成されていなくてもよく、断続的に形成されていてもよいが、一つの溝部又は凸条部の周方向に沿う長さが短いと、シュリンクフィルムが圧着しにくいので、周方向に沿ってある程度の長さを有しているとよい。
本発明の金属製カップにおいて、前記胴部の開口部側に、下部より上部を拡径してなる段部と、該段部の上端に連続する円筒部とが形成されるとともに、複数個をスタックさせたときに、内側の金属製カップの前記テーパ状筒部の外面と外側の金属製カップの前記円筒部の内面とが対峙する位置関係に設定されており、前記溝部又は凸条部は前記円筒部に形成されているとよい。
この金属製カップは、胴部がテーパ状筒部を有しているため、複数個重ねてスタックすることが可能であるが、溝部又は凸条部が隣りの金属製カップに接触すると、スタックを妨げて積み重ね高さが大きくなるおそれがある。段部から拡径する円筒部を設けたことにより、複数個の金属製カップをスタックしたときに、内側の金属製カップのテーパ状筒部の外面と外側の金属製カップの円筒部とが対峙して隙間が形成されるので、その円筒部に形成された溝部又は凸条部を隣りの金属製カップに接触させずにスタックすることが可能になる。
本発明の金属製カップにおいて、前記溝部又は前記凸条部は、前記胴部が変形して形成されているとよい。 金属製カップはプレス機械により形成されるため、溝部又は凸条部も成形用ツールを用いてプレス機械で形成することができ、生産性がよい。
本発明の金属製カップにおいて、前記凸条部が設けられており、該凸条部は、樹脂が固着されて形成されている構造としてもよい。
樹脂は通常の合成樹脂でよいが、紫外線硬化型塗料であると、インクジェット印刷でき、紫外線で硬化できるので、作業性がよい。
本発明の金属製カップにおいて、前記溝部の深さ又は前記凸条部の高さは、0.1mm以上0.5mm以下であるとよい。
溝部の深さ又は凸条部の高さが0.1mm未満ではシュリンクフィルムの係止が不十分になる可能性があり、0.5mmを超えるとスタックしたときに隣りの金属製カップに接触して深くスタックできないおそれがある。
本発明のシュリンク包装された金属製カップは、前記いずれかの金属製カップと、その前記胴部の外周面に装着されたシュリンクフィルムとを有しており、該シュリンクフィルムが前記溝部又は凸条部に密接している。
本発明によれば、胴部の外周面に、周方向に沿う溝部又は凸条部を形成したので、胴部の外周面にシュリンクフィルムを装着したときに、シュリンクフィルムが溝部又は凸条部の表面に密接して、抜け止めすることができる。
本発明の一実施形態のシュリンク包装された金属製カップの缶軸を中心に半分を縦断面とした正面図である。 図1の金属製カップの開口端部付近の拡大図である。 筒体形成工程及び拡径工程で筒体の変化を(a)から(c)の順に示す缶軸を中心に半分を縦断面図とした正面図である。 開口端部に溝部を形成している工程を(a)から(c)の順に示す開口端部付近の模式図である。 金属製カップにシュリンクフィルムを装着している状態を示す正面図である。 複数の金属製カップをスタックした状態を示す一部を省略した断面図である。 溝部に代えて、凸条部を形成した金属製カップの開口端部付近の図2同様の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本実施形態のシュリンク包装された金属製カップ10は、金属製カップ1と、その外周面に装着されたシュリンクフィルム50とを有している。
金属製カップ1は、図1に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる厚さ0.2mm以上0.5mm以下の金属板をプレス成形により有底筒状に形成したものであり、底部2の直径より開口部3の直径が大きく、全体として底部2から開口部3に向けて漸次拡径するテーパ状の胴部4を有し、開口部3に、エッジ部を含む端部を半径方向外方に巻き込んでなるカール部5が形成されている。この金属製カップ1の半径方向の中心を缶軸Cとする。
底部2は、凹状に湾曲したドーム部6、その外周縁に連続し、缶軸方向下方に向かうにしたがって漸次拡径する内側テーパ壁部7、内側テーパ壁部7の外周縁に連続し、金属製カップ1をテーブル等に置いたときに接地部となるリム部8、リム部8の外周端から胴部4の最下端につながるテーパ状の立ち上がり部9を連続させた形状である。ドーム部6は、缶軸C上の位置において、リム部8先端からの距離が最も大きい凹状である。リム部8は、缶軸C周りにリング状に形成され、缶軸Cの下方に向けて凸となる屈曲面に形成され、その最も突出位置が接地部となる。リム部8の屈曲面の最外周端は胴部4の最も径の小さい最下端よりも小径に形成されており、このリム部8の最外周端と胴部4の最下端との間が立ち上がり部9により連結されている。
胴部4は、底部2付近と開口部3付近とに缶軸Cに沿うストレート状の円筒部11,12が形成されており、底部2から連続する下部円筒部11の上端に、わずかな範囲で下部段部13が周方向に沿って形成されるとともに、カール部5に連続する上部円筒部(円筒部)12の下端にも、わずかな範囲で上部段部14が周方向に沿って形成され、これら下部段部13の上端と上部段部14の下端との間が、下方から上方に向けて漸次直径が大きくなるテーパ状筒部15に形成されている。
上部段部14は、図2に示すように、テーパ状筒部15の上端から半径方向内方に凹となる凹円弧部16及び半径方向外方に凸となる凸円弧部17を連続させた形状とされており、その凸円弧部17の上端に上部円筒部(円筒部)12が連続している。
また、この上部円筒部(円筒部)12の下部に、溝部21が周方向に沿って形成されている。溝部21は、凹円弧状に形成されており、図2に示すように、溝部21の下側縁部及び上側縁部には、上部円筒部(円筒部)12の外周面との間を滑らかに連結する凸円弧状の繋ぎ円弧部22,23がわずかな範囲で形成されている。図示例では、上部段部14の凸円弧部17の上端からほぼ連続するように溝部21が形成されている。
この溝部21は、その最深部が上部円筒部(円筒部)12の外周面から0.1mm以上0.5mm以下の深さDpに設定されている。また、溝部21の缶軸方向の高さ位置は、カール部5の上端から3mm以上10mm以下の範囲の高さH1に設定され、溝部21の幅W1、つまり両縁部の繋ぎ円弧部22,23の外側縁の間の寸法は、1mm以上7mm以下に設定される。また、溝部21の曲率半径R1は1mm以上7mm以下、繋ぎ円弧部22,23の曲率半径(外面での曲率半径)R2,R3は1mm以上30mm以下に設定される。なお、上部段部14の凹円弧部16の曲率半径R4は3mm以上16mm以下、凸円弧部17の曲率半径(外面での曲率半径)R5は2mm以上12mm以下とされる。これら曲率半径は金属製カップ1の外面における寸法である(以下の曲率半径においても同じ)。
その他の諸寸法は必ずしも限定されるものではないが、例えば、カール部の直径(外径)D1が75mm以上100mm以下、接地部の直径D2が45mm以上60mm以下、全体の高さH0が80mm以上190mm以下、下部円筒部11の直径D3が50mm以上70mm以下、上部円筒部(円筒部)12の直径D4が70mm以上95mm以下、底面から下部段部13の下端までの高さH3が8mm以上25mm以下、カール部5の上端から上部段部14の上端までの長さH4が8mm以上20mm以下、テーパ状筒部15の厚さが0.1mm以上0.3mm以下、水平面に対するテーパ状筒部15の角度θ1が80°以上89°以下に形成される。
そして、この金属製カップ1の胴部4の外周面に、シュリンクフィルム50が装着されている。このシュリンクフィルム50は、加熱すると収縮するタイプのものであり、例えば、PETフィルム、発泡ポリスチレンフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等で形成されている。また、その表面には、装飾等のための印刷が施されている。
この場合、シュリンクフィルム50は、カール部5の直下の上部円筒部(円筒部)12の上端から下部円筒部11の下端までを覆うように設けられ、胴部4の外面形状に合わせて収縮した状態で密接している。特に、上部円筒部(円筒部)12に形成した溝部21には、その内面に食い込むように変形して密接している。
次に、このシュリンク包装された金属製カップ10の製造方法について説明する。
シュリンク包装される前の金属製カップ1は、金属板を絞りしごき加工することにより有底円筒状の筒体31を形成する筒体形成工程と、筒体形成工程後に、外径の異なる複数のパンチを外径の小さい順に用いながら、筒体31に開口部32側からパンチを押し込んで、筒体31の胴部33を、底部2側より開口部32側に向けて徐々に拡径してテーパ状のテーパ状中間筒体40を形成する拡径工程と、この拡径工程により形成されたテーパ状中間筒体40に全周にわたって溝部21を形成する溝部形成工程と、溝部形成工程後のテーパ状中間筒体40の開口端部にカール部5を形成するカール工程と、カール部5の下方の胴部4をシュリンクフィルム50で覆うシュリンク包装工程と、を有する工程を経て製造される。以下、工程順に説明する。
[筒体形成工程]
筒体形成工程では、図3(a)(b)に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金製の板材を打ち抜いて絞り加工することにより、次工程の筒体31よりも大径で浅いカップ35を形成するカップ形成工程と、このカップ35に絞り加工及びしごき加工(絞りしごき加工)を加えて、カップ35より小径で図に示すように所定高さの有底円筒状の筒体31を形成する絞りしごき工程とを有する。この絞りしごき工程では、筒体31の底部2は、金属製カップ1の底部2の最終形状に仕上げられ、ドーム部6、内側テーパ壁部7、リム部8、テーパ状の立ち上がり部9を有している。
[拡径工程]
拡径工程は、複数の工程からなり、筒体31の底部2をチャックにより保持した状態で、筒体31の胴部33に底部2側の直径より開口部32側の直径が大きい段部を形成する段部形成工程と、段部を押し広げながらテーパ面状に整形する整形工程とを、順次繰り返すことにより、図3(c)に示すテーパ状中間筒体40を形成する。
この場合、筒体31の最下部に下部段部13を形成する下部段部形成工程の後、その下部段部13の若干上方位置に第1段部を形成する第1段部形成工程、その第1段部を整形する第1整形工程、その整形面の上端付近に第2段部を形成する第2段部形成工程、第2段部を整形する第2整形工程、・・・というように、最初の下部段部形成後は、段部形成工程と整形工程とを交互に施工し、一つの段部を形成して、その段部を整形しながら、全体をテーパ状に形成する。また、筒体31の最上部においては、最後に上部段部14を形成するための上部段部形成工程を施工して、拡径工程を終了する。これにより、開口端部にストレート状の上部円筒部12´を有するテーパ状中間筒体40が形成される。
この拡径工程は、内周側から半径方向外方に金属材料を押し広げる加工となるので、しわが生じにくい。また、最初に段部を形成してからテーパ状に整形しているので、段部を形成せずにテーパ状に加工する場合に比べて割れの発生も少なくなる。このため、滑らかなテーパ状の胴部4を形成することができる。
[溝部形成工程]
拡径工程後のテーパ状中間筒体40の上部円筒部12´に溝部21を形成する。具体的には、前述のチャックにより底部2を保持した状態で、図4(a)に示すように、上部円筒部12´よりも小径のダイリング55を開口端から缶軸方向に押圧することにより、上部段部14の凸円弧部17より上方部分を縮径して、図4(b)に示すように小径部56を形成し、その後、ダイリング55に代えて、小径部56より大径のパンチ57を小径部56の開口端から缶軸方向に挿入して縮径した部分の下端部を除き、再度拡径する。これにより、図4(c)に示すように、上部段部14の上方に溝部21が形成される。溝部21の上方は、溝部形成前の上部円筒部12´と同じストレートの円筒部であり、同一符号を付して上部円筒部12´と称す。
[カール工程]
拡径工程及び溝部形成工程を経た後、前述したチャックによる底部2の保持状態を維持したまま、テーパ状中間筒体40の上部円筒部12´のエッジEを含む端部を径方向の外側に折り返しながら巻回することによりカール部5を形成する。
このカール工程は、上部円筒部12´の先端部を特定の曲率半径で半径外方に押し広げるように加工した後に、エッジEを反転させるように、押し広げた部分より下方部分を丸めてカール部5に形成する。
このカール工程では、カーリングツールがテーパ状中間筒体40を缶軸C方向に押圧することになるが、テーパ状中間筒体40の開口部は缶軸Cに沿うストレートの上部円筒部12´により形成されているとともに、それまでの拡径工程を経たことによる加工硬化の効果も相俟って、座屈や変形が生じにくい。
また、この金属製カップ1の底部2は、最初の段階で形成される有底円筒状の筒体31に形成した底部2をそのまま用いており、この底部2より上方部分を拡径加工している。
したがって、筒体31を形成する工程(筒体形成工程)は、既存の飲料缶用の設備をそのまま用いて実施することができる。
そして、拡径工程からカール工程までの一連の作業は、ワーク(筒体31、テーパ状中間筒体40及び金属製カップ1を含む)の下端部をチャックにより保持した状態で連続的に行っており、加工時のワークの姿勢を安定させ、正確かつ安定した加工を行うことができ、寸法ばらつきの少ない金属製カップ1を得ることができる。
[シュリンク包装工程]
図5に示すように、胴部4の少なくとも上部円筒部(円筒部)12の外径より大きい内径の筒状に形成したシュリンクフィルム51をカール部5より下方の胴部4に被せた状態で例えば70℃から100℃に加熱することにより、シュリンクフィルム51を熱収縮させて胴部4の外周面に密接させる。このとき、胴部4の上部円筒部(円筒部)12に形成した溝部21内にシュリンクフィルム50が入り込み、溝部21の内面に密接する。
なお、シュリンクフィルム51には、予め装飾のための印刷が施されている。
このようにしてシュリンク包装された金属製カップ10は、胴部4の外周面がシュリンクフィルム50によって覆われており、シュリンクフィルム50による光沢を有する装飾を施すことができる。このシュリンクフィルム50は、胴部4の上部円筒部(円筒部)12に形成した溝部21内に入り込んで密接しているので、シュリンク包装された金属製カップ10の輸送時の振動や手に持ったとき等にシュリンクフィルム50の面方向に外力が作用した場合でも、シュリンクフィルム50は溝部21内に係止されて缶軸C方向の下方にずれることが防止され、胴部4外周面に装着された状態を維持することができる。この場合、溝部21の深さDpが0.1mm未満では、シュリンクフィルム50の係止が弱くなり易く、0.5mmを超えると変形が大きくなってクラック等が生じるおそれがある。
また、そのシュリンクフィルム50に装飾等のための印刷が施されているので、シュリンクフィルム50の印刷を変えるだけで、種々の装飾のものを製造することができ、小ロット生産に適している。
また、このシュリンク包装された金属製カップ10は、複数個を積み重ね状態にスタックすることが可能である。このシュリンク包装された金属製カップ10をスタックすると、図6に示すように、底部2付近においては、内側のシュリンク包装された金属製カップ10のリム部8の外側の立ち上がり部9と下部円筒部11との接続部付近の外面と、外側のシュリンク包装された金属製カップ10の下部段部13付近の内面とが接触又は近接し、胴部4の上端部付近においては、内側のシュリンク包装された金属製カップ10の上部段部14付近の外面と、外側のシュリンク包装された金属製カップ10のカール部5の内面とが接触又は近接した状態となって、外側のシュリンク包装された金属製カップ10の内側に、シュリンク包装された金属製カップ10が支持される。したがって、下部段部13の上方、かつ上部段部14の下方のテーパ状筒部15の表面どうしが離間し、面接触することが抑制される。このため、スタックした複数の金属製カップ1から最も上側(内側)の金属製カップ1を取り外す際に取り外しやすく、また、スタックする際及び引き抜く際にキズが発生することを抑制できる。
この場合、上部円筒部(円筒部)12に形成した溝部21は、前述したようにダイ及びパンチにより、アルミニウム板を変形させて形成されるため、溝部21の反対側の部分が半径方向内方に突出しているが、内側のシュリンク包装された金属製カップ10のテーパ状筒部15の上端部外面と、外側のシュリンク包装された金属製カップ10の上部円筒部(円筒部)12の内面とが対峙しており、その間に比較的大きな空間部gが形成される。そして、この空間部g内に溝部21の部分が配置されるため、溝部21の部分が隣接するシュリンク包装された金属製カップ10に接触することはない。したがって、シュリンク包装された金属製カップ10のスタックを溝部21が阻害することがなく、溝部21が形成されていない場合と同様に、最小限の容積にスタックすることができる。
上記実施形態では、シュリンクフィルム50を係止するための溝部21を上部円筒部(円筒部)12に形成したが、溝部21に代えて、図7に示すように、半径方向外方に突出する凸条部61を形成してもよい。この凸条部61は、凸円弧状に形成されており、凸条部61の下側縁部及び上側縁部には、上部円筒部(円筒部)12の外周面との間を滑らかに連結する凹円弧状の繋ぎ円弧部62,63がわずかな範囲で形成されている。
この凸条部61の場合も、その最頂部の高さDhは、上部円筒部(円筒部)12の外周面から0.1mm以上0.5mm以下、缶軸方向の高さ位置は、カール部5の上端から3mm以上10mm以下の範囲の高さH1に設定され、凸条部61の幅W1、つまり両縁部の凸円弧部62,63の外側縁の間の寸法は、1mm以上7mm以下、凸条部61の曲率半径(外面での曲率半径)R6は1mm以上7mm以下、繋ぎ円弧部62,63の曲率半径R7、R8は1mm以上30mm以下に設定される。もしくは、曲率半径R6は上部段部14の曲率半径R5と滑らかに繋がり、繋ぎ円弧部を有さない形状としてもよい。
この凸条部61を形成する場合、溝部21の場合とは逆に、図3(c)に示す上部円筒部12´内に缶軸方向にパンチを挿入して拡径した後に、その拡径部より小径のリングダイを缶軸方向に押しこんで、拡径部の下端部を除いて上部を縮径することにより、形成することができる。
なお、溝部21あるいは凸条部61は、缶軸方向にダイやパンチを押し込んで成形するダイネック方式の成形方法を説明したが、上部円筒部の内側に受けロールを配置し、外方から成形用ロールを半径方向内方に向けて押圧することにより上部円筒部を両ロールで挟持しながら、上部円筒部とこれらロールとを相対回転させて溝部を形成する方法、あるいは、上部円筒部の外面に受けロールを配置し、内方から成形用ロールを半径方向外方に向けて押圧することにより上部円筒部を両ロールで挟持しながら、上部円筒部とこれらロールとを相対回転させて凸条部を形成する方法、とすることも可能である。いずれの場合も、アルミニウム板を変形させることにより、溝部21又は凸条部61を形成する加工方法である。
また、凸条部を形成する場合、各実施形態のような金型による成形に代えて、樹脂を付着させることにより形成してもよい。例えば、金属製カップを缶軸Cを中心に回転させながら、インクジェット印刷法により、紫外線硬化型のアクリル樹脂やエポキシ樹脂等を上部円筒部の外周面に塗布して、紫外線で硬化することにより、上部円筒部に凸条部を形成する。この場合、必要に応じて、上部円筒部の外周面に透明なサイジング塗装やホワイトコーティング等により下地塗膜を形成しておき、その下地塗膜の上に凸条部を形成する。この場合、樹脂の層を複数積層して凸条部を形成することとしてもよい。
凸条部の寸法は前述の金型による成形時の凸条部と同様、その高さ(図7のDh)は0.1mm以上0.5mm以下がよく、0.5mmを超えると、取り扱い時に凸条部が脱落するおそれもある。なお、凸条部は上部円筒部の全周に形成しなくてもよく、例えば、円周方向に等間隔で3カ所に所定長さで形成するなど、周方向に断続的に形成してもよい。前述の溝部においても、全周でなく、周方向の複数個所に形成してもよい。
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を適宜変更可能である。
例えば、溝部又は凸条部を上部円筒部の外周面に形成したが、シュリンクラベルの抜けを防止できる限り、下部円筒部の外周面に形成してもよいし、テーパ状筒部の外周面に形成してもよい。
また、金属製カップの外形も、実施形態のものに限定されず、例えば、上部円筒部や下部円筒部の一方のないもの、あるいは両方ともなく、テーパ状筒部のみによって形成されたもの、等も可能である。
また、上部円筒部と下部円筒部との間のテーパ状筒部も、急激な径変化のない滑らかなテーパ状に形成したが、径の異なる複数の円筒部を連結させた形状としてもよい。
C 缶軸
1 金属製カップ
2 底部
3 開口部
4 胴部
5 カール部
6 ドーム部
7 内側テーパ壁部
8 リム部
9 立ち上がり部
10 シュリンク包装された金属製カップ
11 下部円筒部
12 上部円筒部(円筒部)
13 下部段部
14 上部段部
15 テーパ状筒部
16 凹円弧部
17 凸円弧部
21 溝部
25 カップ
31 筒体
40 テーパ状中間筒体
50 シュリンクフィルム
61 凸条部
g 空間部

Claims (6)

  1. 胴部が、底部側より開口部側に向けて漸次拡径するテーパ状筒部を有しており、前記胴部の外周面に、周方向に沿う溝部又は凸条部が形成されていることを特徴とする金属製カップ。
  2. 前記胴部の開口部側に、下部より上部を拡径してなる段部と、該段部の上端に連続する円筒部とが形成されるとともに、複数個をスタックさせたときに、内側の金属製カップの前記テーパ状筒部の外面と外側の金属製カップの前記円筒部の内面とが対峙する位置関係に設定されており、前記溝部又は凸条部は前記円筒部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属製カップ。
  3. 前記溝部又は前記凸条部は、前記胴部が変形して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製カップ。
  4. 前記凸条部が設けられており、該凸条部は、樹脂が固着されて形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の金属製カップ。
  5. 前記溝部の深さ又は前記凸条部の高さは、0.1mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の金属製カップ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の金属製カップと、該金属製カップの前記胴部の外周面に装着されたシュリンクフィルムとを有していることを特徴とするシュリンク包装された金属製カップ。
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