JP2023102461A - 空間浮遊映像情報表示システムおよびそれに用いられる光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】空間の外部に対して好適に映像を表示すること。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」、「9産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11住み続けられるまちづくりを」に貢献する。【解決手段】空間浮遊映像情報表示システムは、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルのための光源装置と、前記表示パネルからの映像光を反射させ、反射した光により空中に実像の空間浮遊映像を表示せしめる再帰反射部材と、前記映像光の光路を変換する映像光制御シートと、を備え、前記映像光制御シートは前記再帰反射部材と前記表示パネルの間に配置し、前記表示パネルから出射する映像光束の出射方向と発散角を調整する。【選択図】図14

Description

本発明は、空間浮遊映像情報表示システムおよびそれに用いられる光学系に関する。
空間浮遊情報表示システムとして、直接外部に向かって映像を表示する映像表示装置と空間画面として表示される表示法は既に知られている。また、表示された空間像の操作面における操作に対する誤検知を低減する検知システムについても、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2019-128722号公報
空間浮遊情報表示システムとして、直接外部に向かって映像を表示する映像表示装置と空間画面として表示される表示法は既に知られている。
しかしながら、上述した従来技術の空間浮遊映像情報表示システムにおいて空間浮遊映像を発生させる再帰反射部材に外光が入射した場合に発生する不具合の防止手段や、空間浮遊情報表示システムとして空間浮遊映像表示装置と平面ディスプレイが併設された複合構成の映像表示システムに表示された映像を空間上の同一操作面で操作する検知システムとして、空間浮遊映像の映像源となる映像表示装置の光源を含む設計の最適化技術については考慮されていない。
本発明の目的は、空間浮遊情報表示システムまたは空間浮遊映像表示装置において、視認性(見た目の解像度やコントラスト)が高く、外光の影響を低減した空間浮遊映像表示が可能で平面ディスプレイと併設されたシステムにおいて空間像と平面ディスプレイの表示像を高精度に操作する方法と好適な映像を表示することが可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例としての空間浮遊映像表示装置を以下に挙げる。本願の一例としての空間浮遊映像情報表示システムは、空間浮遊映像情報表示システムは、映像を表示する表示パネルと、前記表示パネルのための光源装置と、前記表示パネルからの映像光を反射させ、反射した光により空中に実像の空間浮遊映像を表示せしめる再帰反射部材と、前記映像光の光路を変換する映像光制御シートと、を備え、前記映像光制御シートは前記再帰反射部材と前記表示パネルの間に配置し、前記表示パネルから出射する映像光束の出射方向と発散角を調整する。
本発明によれば、外光が入射しても空間浮遊映像の画質低下がなく、好適に空間浮遊映像情報を表示することができる。また、空間浮遊映像表示装置とディスプレイを設けることで表示画面に直接触れることなく操作入力を行うことが出来る。
上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る再帰反射部材の構成と空間浮遊像の発生位置を示す図である。 本発明の一実施例に係る再帰反射で発生する異常光線によるゴースト像の発生メカニズムを説明するための説明図である。 他の空間浮遊映像情報システムにおいて使用する再帰反射部材で発生する異常光線の発生メカニズムを説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る再帰反射部材に外光が入射した場合に発生する異常光線を消し去るメカニズムを説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムにおける再帰反射部材の最適使用条件を示す特性図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの主要部構成と再帰反射部構成の第二実施例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの主要部構成と再帰反射部構成の第三実施例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの主要部構成と再帰反射部構成の第四実施例を示す図である。 本発明の空間浮遊映像情報表示システムで用いる映像光を屈折させる光学部材の動作原理を説明するための説明図である。 本発明の映像光を屈折させる光学部材を用いた空間浮遊映像情報表示システムの構造を示し原理を説明するための説明図である。 本発明の空間浮遊映像情報表示システムで用いる映像光を屈折させる光学部材の構造を説明するための説明図である。 本発明の空間浮遊映像情報表示システムで用いる映像源の表示映像を観視者が直接観視できないようにする光学部材と映像源との配置を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る再帰反射部で発生する異常光線を遮る部材の配置を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの第一実施例の主要部構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムの第二実施例の外観と主要部構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る他の空間浮遊映像情報表示システムの第二実施例の外観と主要部構成を示す図である。 本発明の実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムに設けたセンシング手段を説明するための説明図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す構造図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例の一部を抜粋した図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す構造図である。 別方式の光源装置の具体的な構成の別の例を示す図である。 光源装置の具体的な構成の別の例の導光体拡散部の表面形状を示す拡大図である。 光源装置の具体的な構成の例を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の例を示す構造図である。 光源装置の具体的な構成の例を示す斜視、上面及び断面図である。 光源装置の具体的な構成の例を示す斜視及び上面図である。 映像表示装置の光源拡散特性を説明するための説明図である。 映像表示装置の光源拡散特性を説明するための説明図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 液晶パネルの視覚特性を測定する座標系を示す図である。 一般的な液晶パネルの輝度角度特性(長手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルの輝度角度特性(短手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルのコントラストの角度特性(長手方向)を示す図である。 一般的な液晶パネルのコントラストの角度特性(短手方向)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態(以下、「本開示」ともいう)の内容に限定されるものではない。本発明は、発明の精神ないし特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲またはその均等範囲物にも及ぶ。また、以下に説明する実施形態(実施例)の構成は、あくまで例示に過ぎないのであって、本明細書に開示される技術的思想の範囲において、当業者による様々な変更および修正が可能である。
また、本発明を説明するための図面において、同一または類似の機能を有するものには、同一の符号を付与し、適宜、異なる名称を使用する一方で、機能等の繰り返しの説明を省略する場合がある。なお、以下の実施形態の説明において、空間に浮遊する映像を「空間浮遊映像」という用語で表現している。この用語の代わりに、「空中像」、「空間像」、「空中浮遊映像」、「表示映像の空間浮遊光学像」、「表示映像の空中浮遊光学像」などと表現してもかまわない。実施形態の説明で主として用いる「空間浮遊映像」の用語は、これらの用語の代表例として用いている。
本開示は、例えば、大面積な映像発光源からの映像光による映像を、ショーウィンドのガラス等の空間を仕切る透明な部材を介して透過して、店舗(空間)の内部または外部に空間浮遊映像として表示することが可能な情報表示システムに関する。また、本開示は、かかる情報表示システムを複数用いて構成される大規模なデジタルサイネージシステムに関する。
以下の実施形態によれば、例えば、ショーウィンドのガラス面や光透過性の板材上に高解像度な映像情報を空間浮遊した状態で表示可能となる。この時、出射する映像光の発散角を小さく、即ち鋭角とし、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射部材に対して正規の反射光だけを効率良く反射させることができる。このため、光の利用効率が高く、従来の再帰反射方式での課題となっていた主空間浮遊像の他に発生するゴースト像を抑えることができ、鮮明な空間浮遊映像を得ることができる。
また、本開示の光源を含む装置により、消費電力を大幅に低減することが可能な、新規で利用性に優れた空間浮遊映像情報表示システムを提供することができる。また、本開示の技術によれば、例えば、車両のフロントガラスやリアガラスやサイドガラスを含むシールドガラスを介して、車両外部において視認可能である、いわゆる、一方向性の空間浮遊映像の表示が可能な車両用浮遊映像情報表示システムを提供することができる。
一方、従来の空間浮遊映像情報表示システムでは、高解像度なカラー表示映像源として有機ELパネルや液晶表示パネル(液晶パネルまたは表示パネル)を、再帰反射部材と組み合わせる。従来技術による空間浮遊映像表示装置において使用される第一の再帰反射部材2では、映像光が広角で拡散するため、図3に示す多面体で構成した第一の実施例である再帰反射部材で正規に反射する反射光の他に、図3に示すように、再帰反射部材2aに用いられる形状は6面体であるために、斜めから入射する映像光によって、符号3aや3fに示すゴースト像を含む6個のゴースト像が発生し、空間浮遊映像の画質を損ねていた。また、観視者以外にもゴースト像である同一空間浮遊映像を観視されてしまい、セキュリティ上の観点からも、大きな課題があった。
また、空間浮遊映像表示装置において使用される第二の再帰反射部材5は、図1(A)に示すように、第1の光制御パネル221、第2の光制御パネル222は、それぞれ厚みが一定な透明平板18、17の一方側の面に垂直に多数かつ帯状の平面光反射部を有する一定ピッチの光学部材20を並べて形成されている。ここで、第1の光制御パネル221、第2の光制御パネル222を構成する光学部材20の光反射部は、平面視して交差して(この実施例では直交状態で)配置されている。
続いて、空間浮遊映像表示装置において使用される第二の再帰反射部材の作用と具体的な空間浮遊映像表示装置の実施例について説明する。図1(B)に示すように、映像表示装置1に対して第二の再帰反射部材5は40~50度の角度を有して傾斜配置されるのが一般的である。この時、空間浮遊映像3は映像光が第二の再帰反射部材5に入射する角度と同一角度で第二の再帰反射部材5から出射する。この時、空間浮遊映像は映像表示装置1と第二の再帰反射部材5までの距離L1と同じ距離だけ離れた対称位置に形成される。
以下、空間浮遊映像の結像のメカニズムについて図1及び図2を用いて詳細に説明する。第二の再帰反射部材5の一方側に設けられた映像表示装置1から発した映像光は、第2の光制御部材222の平面光反射部C(光反射部材20の反射面)で反射し、次に第1の光制御部材221の平面光反射部C′(光反射部材20の反射面)で反射することで空間浮遊像3(実像)を、第二の再帰反射部材5の外側位置(他方側の空間)に結像する。すなわち、この第二の再帰反射部材5を用いることで空間浮遊映像情報装置が成立し、空間に映像表示装置1の画像を空間浮遊像として表示できる。
以上述べた第二の再帰反射部材5では上述したように二つの反射面が存在するため図2(A)(B)に示すように空間浮遊像3の他に反射面の数に応じた二つのゴースト像3a、3bが発生する。
更に、外光の強度が高いと第二の再帰反射部材5の上面から入射すると反射面の間隔(300μm以下)が短くなるため光干渉が発生し虹色の反射光が観察され監視者に再帰反射部材の存在が認識されると言う弊害があることが判った。そこで外光入射により再帰反射部材5の反射面のピッチによって発生する干渉光が監視者に戻らないように外光の入射角度をパラメータとして干渉光が発生する面積を図4に示す測定環境により実験的に求めた。得られた結果を図5に示す。反射面のピッチが300μmで反射面の高さが300μmとした場合には再帰反射部材の傾斜角θYZを35度以上傾けると干渉光が監視者側に戻らないことを見出した。
他方、上述した光反射部材20のピッチPと反射面の高さHの比率(H/P)では反射面の60%程度が再帰反射による空間浮遊像を形成し、残りの40%がゴースト像を発生させる異常反射光となることが判った。今後空間浮遊映像の解像度向上のためには反射面のピッチの短縮が必須となる。加えてゴースト像の発生を抑えるためには反射面の高さを現状よりより高くする必要があるが第二の再帰反射部材5の製造上の制約により、反射面のピッチPと高さHの比(H/P)は現状の1.0に対して0.8から1.2の範囲を選択すると良い。
以上述べた検討の結果、発明者らはゴースト像の発生量が原理的に少ない第二の再帰反射部材を用いた空間浮遊映像情報表示システムにおいて得られる空間浮遊映像の高画質化を実現する再帰反射光学系について検討し、本願発明に至った。以下、本願発明を、図を用いて詳細に説明する。
<空間浮遊映像情報表示システムを形成する第1の再帰反射光学系の構成例>
図6は、本開示の空間浮遊映像情報表示システムを実現するために使用する再帰光学系の形態の一例を示す図である。また、図6は、本実施形態における空間浮遊映像情報表示システムの全体構成を説明する図である。図6を参照すると、例えば、本開示の空間浮遊情報表示システム(以下、「本システム」とも言う)によれば、空間浮遊映像の監視者に対して空間浮遊映像情報表示システムを机上に配置した場合には空間浮遊映像を角度θ6で観下げることになる。この時、空間浮遊像の結像位置(角度)は、映像表示装置1の表示面と再帰反射部材5のなす角度θ2と、再帰反射部材5と空間浮遊像のなす角度θ1と、の合算(θ2+θ1)がほぼ等しくなるように配置することが、空間浮遊映像を監視する最適な配置となることを見出した。
上述したように、空間浮遊映像は、第二の再帰反射部材5に対して映像表示装置1と対称位置に形成されるため、それぞれの配置で成す角度θ1とθ2とが等しくなる。このため、監視者が空間浮遊映像表示システムを覗き込む角度θ6が決まれば、再帰反射光学系において映像表示装置1と第二の再帰反射部材5を、角度θ2=θ6/2として配置すると良い。さらに、映像表示装置1と第二の再帰反射部材5の間には映像表示装置1の冷却効率を高めるために所定の間隔L1が必要となる。更に前述した角度θ2を構造的に得るためにL1に対する間隔L2を定める必要がある。
本開示の空間浮遊映像情報表示システムの構成をより具体的に説明する。図6に示すように、特定偏波の映像光を挟角に発散させる映像表示装置1と第二の再帰反射部材5を備える。映像表示装置1は、液晶表示パネル(以下、単に液晶パネルと称する場合がある)11と、挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13と、を備えている。
映像表示装置1からの特定偏波の映像光は、第二の再帰反射部材5の装置(図示せず)外部に接した面には表面に反射防止膜を設けた吸収型偏光シート101を設け特定偏波の映像光を選択的に透過させ、外光に含まれる他方の偏波を吸収させることで得られる空間浮遊映像に対して第二の再帰反射部材5の表面で反射した反射光の影響を防止する。
ここで、特定偏波の映像光を選択的に透過する吸収型偏光シート101は、特定偏波の映像光を透過する性質を有するので、特定偏波の映像光は、吸収型偏光シート101を透過する。透過した映像光により再帰反射部材5に対して対称位置に空間浮遊映像3を形成する。
なお、空中浮遊映像3を形成する光は、再帰反射部材5から空中浮遊映像3の光学像へ収束する光線の集合であり、これらの光線は、空中浮遊映像3の光学像を通過後も直進する。よって、空中浮遊映像3は、一般的なプロジェクタなどでスクリーン上に形成される拡散映像光とは異なり、高い指向性を有する映像である。
よって、図6に示す構成では、図中に示す方向からユーザが視認する場合には空中浮遊映像3は明るい映像として視認されるが紙面の上下方向及び前後方向から他の人物が視認する場合には、空中浮遊映像3は映像として一切視認することはできない。この特性は、高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示するシステムに採用する場合に、非常に好適である。
なお、再帰反射部材5の性能によっては、反射後の映像光の偏光軸が不揃いになることがある。この場合、偏光軸が不揃いになった一部の映像光は、上述した吸収型偏光シート101で吸収される。このため再帰反射光学系で不要な反射光が発生せず、空間浮遊像の画質の低下を防止ないし抑制することができる。
また、本開示の再帰反射光学システムを用いた空間浮遊映像表示装置では、監視者が空間浮遊映像を覗き込んだ場合にも映像表示装置1の表示画面が再帰反射部材5の反射面で遮光される。そのため、この空間浮遊映像表示装置では、映像表示装置1と再帰反射部材が正対した場合に比べて、映像表示装置1の表示画像は直接的には観難くなる。
<空間浮遊映像情報表示システムを形成する第2の再帰反射光学系の構成例>
図7は、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像情報表示システムを実現するための他の例の再帰光学系の主要部構成を示す図である。この空間映像情報表示システムは監視者が空間浮遊映像を斜め上方から観察するのに適したシステムである。映像表示装置1は、映像表示素子としての液晶表示パネル11と、挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えて構成される。液晶表示パネル11は、画面サイズが5インチ程度の小型のものから、80インチを超える大型な液晶表示パネルで構成される。液晶表示パネル11からの映像光は、再帰反射部材(再帰反射部または再帰反射板)5に向けて出射する。
液晶パネル11には後述する狭発散角な光源装置13からの光を入射させ狭発散角な映像光束を生成して再帰反射部材5に入射させ空間浮遊像3を得る。空間浮遊映像3は再帰反射部材5を対称面とした映像表示装置1の対称位置に形成される。この時発生するゴースト像を消去し高画質な空間浮遊映像3を得るために液晶パネル11の出射側には図12(A)に構造を示した映像光制御シート334を設け不要な方向の拡散特性を制御すると良い。更に、液晶パネル11からの映像光は再帰反射部材等の反射部材での反射率を原理的に高くできるのでS偏波を使用すると良いが、監視者が偏光サングラスを使用した場合に空中浮遊像が偏光サングラスで反射または吸収されるため、この対策として特定偏波の映像光の一部を光学的に他方の偏波に変換して疑似的に自然光に変換する偏光解消素子339を設けることで監視者が偏光サングラスを使用していても良好な空間浮遊映像を監視することが出来る。これらは粘着剤338によって光学的に接合されると光の反射面が発生せず空間浮遊像の画質を損なわない。
偏光解消素子の市販品としては、コスモシャインSRF(東洋紡社製)、偏光解消粘着剤(長瀬産業社製) が挙げられる。コスモシャインSRF(東洋紡社製)の場合、画像表示装置上に粘着剤を貼合することにより、界面の反射を低減して輝度を向上させることができる。また、偏光解消粘着剤の場合、無色透明板と画像表示装置とを、偏光解消粘着剤を介して貼合することで使用される。再帰反射部材5の映像出射面にも映像光制御シート338を設け不要光により空間浮遊映像3の正規像の両側に発生するゴースト像を消去する。本実施例では再帰反射部材5を空間上の水平面に平行するように配置し、空間間浮遊映像3を水平面に対してθ1傾けて表示出来る構成とした。このために映像表示装置1の表示面は水平面に対して空間浮遊映像3とは反対側にθ1傾けた構成とした。さらに、本実施例では映像表示装置1は、液晶表示パネル11と挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13を備えている。
<空間浮遊映像情報表示システムを形成する第3の再帰反射光学系の構成例>
図8は、空間浮遊映像情報表示システムを実現するための再帰光学系の主要部構成を示す他の例の構成を示す図である。この空間映像情報表示システムは監視者が空間浮遊映像を正面斜め上から観察するのに適したシステムである。映像表示装置1は、映像表示素子としての液晶表示パネル11と、挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えて構成される。液晶表示パネル11は、画面サイズが5インチ程度の小型のものから、80インチを超える大型な液晶表示パネルで構成される。
液晶表示パネル11からの映像光は、再帰反射部材5に向けて出射する。液晶パネル11には後述する狭発散角な光源装置13からの光を入射させ狭発散角な映像光束を生成して再帰反射部材5に入射させ空間浮遊像3を得る。空間浮遊映像3は再帰反射部材5を対称面とした映像表示装置1の対称位置に形成される。
空間浮遊像3で発生するゴースト像を消去し高画質な空間浮遊映像3を得るために、図14(A)に示した液晶パネル11の出射側には映像光制御シート334を設け不要な方向の拡散特性を制御しても良い。他方、図14(B)に示すように再帰反射部材5の映像出射面にも映像光制御シート338を設けることで不要光により空間浮遊映像3の正規像の両側に発生するゴースト像を消去しても良い。再帰反射シート5は水平面に対して傾斜(θ2)させることで空間浮遊像3を水平面に対してθ1の角度で生成することが出来る。このため、例えばKIOSK(キオスク)端末の上部に図8の構成を組み込んで前記端末の上端部分にアバターとして空間浮遊映像を表示させる場合に、映像光が監視者の目に向かうので高輝度な空間浮遊映像を監視できる。
空間浮遊映像3を所望の仰角と位置に得るためには第1及び第2の実施例同様に、再帰反射部材5の傾斜角θ2と映像表示装置1の傾斜角θ3とそれぞれの位置を最適設計すれば良い。
<空間浮遊映像情報表示システムを形成する第4の再帰反射系の構成例>
図9は、空間浮遊映像情報表示システムを実現するための他の例の再帰光学系の主要部構成を示す図である。この空間映像情報表示システムは、監視者が空間浮遊映像を斜め上方から観察するのに適したシステムである。映像表示装置1は、映像表示素子としての液晶表示パネル11と、挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えて構成される。液晶表示パネル11は、画面サイズが5インチ程度の小型のものから、80インチを超える大型な液晶表示パネルで構成される。
液晶表示パネル11からの映像光を正対した位置に配置した再帰反射部材5に斜めに入射させるために、映像光制御シート334として、図10に示すようなリニアフレネルシート105を映像表示装置1の液晶パネル11の映像表示面に近接配置し、映像光を所望の方向に屈折させると良い。このとき、リニアフレネルの垂直面に遮光層を設けフレネルレンズ以外からの映像光の入射を遮ることで、不要光の発生を押さえることが出来る。更に、リニアフレネルシートの映像光入射面と出射面に反射防止膜を設けることで、不要光の発生を押さえ良好な特性を得ることが出来る。
上述したリニアフレネルシート105を備えた映像光制御シート334により再帰反射部材5に向けて出射する。液晶パネル11には後述する狭発散角な光源装置13からの光を入射させ、狭発散角な映像光束を生成して再帰反射部材5に入射させて、空間浮遊像3を得る。空間浮遊像3は、再帰反射部材2を対称面とした映像表示装置1の表示面の対称位置に形成される。この実施例では、再帰反射部材2と映像表示装置1が正対した位置に配置されているため、監視者が空間浮遊映像情報表示装置の再帰反射部材5を覗き込んだ場合、液晶パネル11に表示した映像が空間浮遊映像に重なり、空間浮遊映像の画質を大幅に低下させる。
上述した映像光が空間浮遊映像と重なることを防ぐために、液晶パネル11の映像光出射面に映像光制御シートを設ける。この映像光制御シートとして、例えば、信越ポリマー(株)の視野角制御フィルム(VCF)が適しており、その構造は透明シリコンと黒色シリコンを交互に配置し光入出射面に合成樹脂を配置してサンドウィッチ構造としているため、本実施例の外光制御フィルムと同様の効果が期待できる。このとき、視野角制御フィルム(VFC)は、所定の方向に延伸する透明シリコンと黒色シリコンが交互に配列されているため、図13に示すように、液晶パネル11の画素の配列方向の上下方向に対して映像光制御シート334の透明シリコンと黒色シリコンの延伸方向を傾ける(図中θ10)ことで、画素と外光制御フィルムのピッチで発生するモアレを軽減するように配置すると良い。
第4の実施例では、再帰反射部材5を筐体の底面に対して平行に配置する。この結果、外光が再帰反射部材5に入射し筐体内部に侵入することで、発生する空間浮遊映像3の画質の低下を招く事となる。空間浮遊像3で発生するゴースト像を消去し、高画質な空間浮遊映像3を得るために、第2及び第3の実施例と同様、図14(A)及び(B)に示すように、液晶パネル11の出射側には映像光制御シート334を設けて、不要な方向の拡散特性を制御しても良い。他方、再帰反射部材5の映像出射面にも映像光制御シート338を設けることで、不要光により空間浮遊映像3の正規像の両側に発生するゴースト像を消去しても良い。以上述べた構造物は、筐体の内部に配置することで、再帰反射部材5に外光が入射することを防ぎ、ゴースト像の発生を防止する。
図10に示すリニアフレネルシート105のフレネル角度を20度とし、リニアフレネルシート105の基材をアクリルとすれば、屈折率は1.49であり、リニアフレネルシートの出射角θ9は、30度となる。映像表示装置1からの出射光束が表示面に垂直に出射した場合、光束の発散角が±20度とすれば、出射面への入射角は、最大で+40度となる。この結果、リニアフレネルシート105からの出射光線角度は、最大+70度と1.75倍なる。他方、発散角が-20度では出射面への入射角度が10度となり、拡散角を、20度から30度へと1.5倍にすることができる。
更に、図2(A)、(B)に示したような空間浮遊像3の他に生じるゴースト像3a、3bの強度を低減できること、すなわち再帰反射部材5で反射した異常反射光の拡散角が大きくなるため、ゴースト像3a、3bの輝度を低下させることが出来ることも見出した。以上、図10に示したリニアフレネルシート105を拡散角の拡大とゴースト像の低減を目的に、再帰反射部材5と映像表示装置1の間に配置した光学システムの構成と効果について述べた。
次に、空間浮遊映像情報表示装置にリニアフレネルシート105を用いた光学系を使用した筐体の実施例について、図11を用いて説明する。前述したように、リニアフレネルシート105の作用により映像光束を屈折させる。この時、光束の主光線(最も輝度が高い光線)が空間浮遊映像面3に対して所望の角度θ9が得られるように映像表示装置1からの出射光束の出射方向を制御する。このとき、図10に示すように、リニアフレネルシート105への入射角度とフレネル角及びリニアフレネルシート105の基材の屈折率により屈折後の角度θ8が算出され、空気界面での屈折後の出射角θ9も一義的に求めることが出来る。
この結果、映像表示装置1を構成する液晶表示パネル11から垂直に出射された映像光の主光線B1は、斜め方向に屈折して再帰反射部材5に入射し、2つの反射面で反射した後、液晶表示パネル11と対称位置に空間浮遊映像3を形成する。この時、図30に示すような狭角な拡散特性を有する本願発明の光源装置13(図11に示す映像表示装置1に含まれる)により映像光束は狭角な発散角を持つが、フレネルレンズシート105の作用により、主光線B1に対して一方の光B11の拡散角θ11は大幅に拡大される。また、他方の光B12はもともとの拡散角とほぼ等しい拡散角θ12で拡散される。
このため、空間浮遊映像3を観察した場合に最も輝度が高いのは、主光線方向から映像を観た場合となる。このため、リニアフレネルシート105を備えた光学系を有する空間浮遊映像情報システムにおいては、監視者の監視方向に最大輝度の空間浮遊映像を向けるため、ベースとなる筐体ベース516に筐体511の保持と筐体ベース516に対しての回転(図11中の角度θ13を参照)機構としてヒンジ513を設け、筐体511をサポートアーム512に連結しその一端をヒンジ513と連結する構造とする。この結果、筐体ベース516に対して筐体511を回転保持することが可能となるため、監視者が空間浮遊映像3を最大輝度で監視できる。
更に、上述した機構を備えることで、空間浮遊映像情報表示システムの未使用時には、筐体ベース516に設けた筐体カバー515と筐体ベース516により得られる空間に筐体511を収納することで、コンパクトな収納形態が実現できる。筐体511の内部には液晶パネル(図示せず)と光源(図示せず)を備えた映像表示装置1や再帰反射部材5が内蔵されている。またバックカバー514はヒンジに近い部分に傾斜面を設けることで収納時に筐体511のバックカバー514が筐体ベース516に接触するのを防ぐ構造となっている。
リニアフレネルシートの形態としては、外形の一辺に平行な方向にフレネルレンズを形成する一般的なものに対して、本願発明の第一の実施例では、図12(A)に示したように、フレネルレンズ形状が少なくとも1つの境界面を有する形状とする。図12(A)では、傾斜リニアフレネルシート517と傾斜リニアフレネルシート518との境界面が示されている。この結果、図13中の下方側に配置された映像表示装置1に備えた平面ディスプレイに表示された映像からの映像光束は、図12(A)中に矢印で示す方向に屈折される。この結果、得られた空間浮遊映像3の光出射方向を2方向とすることが可能となる。更にこの界面が2面となるような構成のリニアフレネルシートとすれば、空間浮遊映像3の光出射方向を3方向とすることが可能となることは言うまでもない。
更に、本願発明の第二の実施例として図12(B)に示すような偏心フレネルシート519は、偏心サーキュラーフレネルシート構造とし、フレネル形状により得られるレンズ作用により、空間浮遊映像3からの出射光をフレネルレンズ面に直交する方向に出射させる。この結果、図13中の下方側に配置された映像表示装置1に備えた平面ディスプレイに表示された映像からの映像光束は、図12(B)中に矢印で示す方向に屈折される。ここで、空間浮遊映像3からの出射光を制御するためには、サーキュラーフレネルシートの偏心量とフレネル角をパラメータとして最適設計する。また、上述したリニアフレネルシートとサーキュラーフレネルシートのフレネル角を一定とすることにより、出射光の制御と光学系セットの薄型化との両立が可能となる。
以上、映像表示装置1からの映像光束の出射方向をフレネルレンズの作用により制御する技術手段について述べたが、電気的に屈折率や形状を変化させることで映像光束の出射方向を制御し空間浮遊映像からの光の出射方向と拡散角を制御しても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、後述するが、光源装置13から液晶パネル11に入射する光源光束の出射方向を制御しても同様の効果が得られる。
<空間浮遊映像情報表示システムの第1の構成例>
上述した4つの再帰反射光学システムを用いた空間浮遊映像情報システムの第1の実施例を図15に示す。透明シート100に再帰反射部材5を粘着固定又は接着固定する。映像表示装置1と再帰反射部材5の距離を可変できる構造として、空間浮遊映像3の結像位置を可変できる構造とすることで、空間浮遊映像に動きを与えることができ、疑似的に3次元空間浮遊映像が表示出来る映像情報表示装置を実現出来る。
<空間浮遊映像情報表示システムの第2の構成例>
空間浮遊映像情報表示システムの第2の実施例について、図16を用いて説明する。図16は、空間浮遊映像表示装置202をタブレット端末に組み込んだ第一の実施例である。空間浮遊映像表示装置202と平面ディスプレイ200とは、同一の筐体201に設けられる。また、空中浮遊映像204と同一平面に、平面ディスプレイ200と空間浮遊ディスプレイ202の表示像204との全てをカバーするセンシングユニット203を、平面ディスプレイ200と空間浮遊映像表示装置202との両方がある筐体201の端部に設ける。センシングユニット203は、図16中にセンシングエリア226として示す同一平面で、平面ディスプレイ200のセンシングエリアと空間浮遊ディスプレイ202のセンシングエリアとの両方のエリアをセンシングすることができる。なお、平面ディスプレイ200のセンシングエリアと空間浮遊ディスプレイ202のセンシングエリアとのように、センシングエリアを二つ以上設ける構成とする場合、それぞれ平面上に並行に存在してもよいし、上下に存在してもよいし、前後に存在してもよい。また同一平面上に存在してもよい。この場合、センシングユニット203は、センシングエリアごとに分割して設けても良い。空間浮遊映像表示装置202と平面ディスプレイ200を同一の筐体201に併設してもよい。本実施形態では平面ディスプレイ200を用いて説明しているが、平面ディスプレイに限られずディスプレイであればよい。第2の構成例ではこのセンシングエリアが装置前面から後方にいくほど高い位置にあり、勾配を有している。これにより、入力しやすい配置を実現している。センシングユニットについてはこの後詳細に記載する。
この映像情報表示システムにおいては、使用されるセンシングユニット203の測距システムであるTOFシステムの光源光の波長を900(nm)以上の長波長とすると、外光の影響が受けにくい。この時、使用者が表示されている空間浮遊映像204に対して行う空間操作入力を平面ディスプレイ200の映像表示面に対しても同様に行えるように錯覚する。このため、平面ディスプレイ200の表示画面に直接触れることなく空間操作入力を行うことが出来る。
更に発明者らは、平面ディスプレイ200とセンシングエリア226がどの程度離れていれば、操作者が平面ディスプレイ200に表示した画面を基に空間操作を行っても平面ディスプレイ200の表面に指が触れないかを、実験により求めた。この実験の結果、空間浮遊映像204の結像位置を平面ディスプレイ200に対して40mm以上離すことで、操作者が直接平面ディスプレイ200の画面に触れる確率を50%以下に出来ることを見出した。更に、50mm以上離すことで操作が直接平面ディスプレイ200に触れることが無くなった。
なお、図16で説明した構成は、上述したようなタブレット端末に限られず、他にも例えばATM、自動券売機、キオスク端末、据置き型表示装置等の各種表示装置に組み込んでもよい。
<空間浮遊映像情報表示システムの第3の構成例>
空間浮遊映像情報表示システムの第3の実施例について図17を用いて説明する。図17は、空間浮遊映像表示装置202をタブレット端末に組み込んだ第二の実施例である。空間浮遊映像表示装置202と平面ディスプレイ200を同一の筐体201に設け、空間浮遊映像表示装置202の空間浮遊映像204の結像エリアをカバーする第1のセンシングエリア(センシング領域)226aをセンシングする第1のセンシングユニット203aと、平面ディスプレイ200の画像表示エリアをカバーする第2のセンシングエリア226bをセンシングする第2のセンシングユニット203bとがある。前記第1のセンシングエリア226aと前記第2のセンシングエリア226bとは空間浮遊映像表示装置202と平面ディスプレイ200との起点にそれぞれ設けられる。また、前記第1のセンシングエリア226aと前記第2のセンシングエリア226bとは近接配置される。前記第1のセンシングエリアと前記第2センシングエリアとが平面上に並行または前後に存在する。図15に示すように、前記第1のセンシングエリアと前記第2センシングエリアとが同一平面上に存在するような構成であってもよい。空間浮遊映像表示装置202と平面ディスプレイ200を同一の筐体201に併設してもよい。本実施形態では平面ディスプレイ200を用いて説明しているが、平面ディスプレイに限られずディスプレイであればよい。本実施例では平面ディスプレイ200の画像表示面に略平行に配置している。ここで使用するセンシングユニットについてもこの後詳細に記載する。
以上述べた映像情報表示システムの第3の実施例においても、使用者が表示されている空間浮遊映像204に対して行う空間操作入力を平面ディスプレイ200の映像表示面に対しても同様に行えるように錯覚する。このため、平面ディスプレイ200の表示画面に直接触れることなく空間操作入力を行うことが出来る。
これに関し、試作品にて平面ディプレイ200への指の接触について実機を用いて評価した結果、空間浮遊映像204の結像位置を平面ディスプレイ200に対して50mm以上離すことで操作者は直接平面ディスプレイ200の画面に触れることなく、映像情報表示システムに対して空間操作入力を行うことができた。
なお、上述と同様に、図17で説明した構成は、タブレット端末に限られず、ATM、自動券売機、キオスク端末、据置き型表示装置等の各種表示装置に組み込んでもよい。
<空間映像をセンシングする技術手段>
空間浮遊映像表示装置を介して監視(操作)者が情報システムに双方向で接続されるために、空間浮遊映像を疑似的に操作するためのセンシング技術について、以下に説明する。
空間浮遊映像情報システムにおいては、空間浮遊映像と併せてセンシング情報を後述する2次元センサにより読み取ることで、表示映像に対する画像操作を可能にする。
空間浮映像表示装置を介して監視(操作)者が情報システムに双方向で接続されるために、空間浮遊映像を疑似的に操作するためのセンシング技術について、以下に説明する。図18は、センシング技術を説明するための原理図である。空間浮遊映像に対応したTOF(Time of Flight)システムを内蔵した測距装置203を設ける。システムの信号に同期させ光源である近赤外線発光のLED(Light Emitting Diode)を発光させる。LEDの光線出射側には発散角を制御するための光学素子を設け受光素子としてピコ秒の時間分解能を持つ高感度なアバランシェダイオードを一対とし、エリアに対応するように横方向に整列配置する。システムからの信号に同期させて光源であるLEDが発光し、かかる光が測距すべき対象物(監視者の指の先端)に反射して受光部に戻るまでの時間だけ位相Δtがずれる。この時間差Δtから対象物の距離を算出し、並列配置された複数のセンサの位置情報と合わせて2次元情報として操作者の指の位置、動きを感知する。また、平面ディスプレイの表示画面と空間浮遊映像とに対して誤検知が少ないセンシング機能を有する空間浮遊情報表示システムまたは空間浮遊映像表示装置を実現できる。
<ゴースト像を低減する技術手段>
空間浮遊映像表示装置としてゴースト像を低減した高画質な空間映像表示装置を実現するための技術手段について、図14を用いて説明する。映像表示素子としての液晶パネル13からの映像光の発散角と発散角を所望の方向に制御するために、図14(A)に示すように、液晶パネル13の出射面に映像光制御シート334を設けると良い。更に、再帰反射部材の光線出射面または光線入射面またはその両面に映光制御シート334を設けてゴースト像を発生させる異常光を吸収する。
図14(A)、(B)に、映像光制御シート334を空間映像表示装置に適用する具体的な方法を示す。映像光制御シート334を映像表示素子である液晶パネル335の出射面に設ける。この時、液晶パネル13の画素と映像光制御シート334の透過部336と光吸収部337のピッチによる干渉で発生するモアレを低減するためには、以下の(1)、(2)に示す2つの方法が有効である。
(1)映像光制御シート334の透過部と光吸収部により生じる縦縞と液晶パネル335(図15においては液晶パネル11で表記)の画素の配列に対して、図13に示すように、θ10だけ傾けて配置する。
(2)液晶パネル335の画素寸法をA(図14(A)中の両矢印Aを参照)とし、映像光制御シート334の縦縞のピッチをB(図14(A)中の両矢印Bを参照)とした場合、この比率(B/A)を整数倍から外して選択する。
液晶パネルの1画素339はRGBの3色の画素が並列してより成り、一般的には正方形であるため上述したモアレの発生を画面全体で抑えることはできない。このため、(1)に示した傾きθ10は、空間浮遊映像を表示させない場所にモアレの発生位置を意図的にずらして配置できるように、5度から25度の範囲で最適化すれば良いことを実験的に求めた。モアレを低減するために液晶パネルを題材に述べたが、再帰反射部材5と映像光制御シート334の間に発生するモアレは両者が線条の構造体であるため、図4に示すように、映像光制御シートをX軸に着目して最適に傾けることで、波長の長い目視でも視認できる周波数の低い大柄なモアレを低減できる。
図14(A)は、液晶パネル335の映像光出射面に映像光制御シート334を配置した本願発明の映像表示装置1の垂直断面図である。映像光制御シート334は、光透過部336と光吸収部337を交互に配置して構成し、粘着層338により液晶パネル335の映像光出射面に粘着固定される。
また、前述したように、映像表示装置1として7インチのWUXGA(1920×1200画素)液晶表示パネルを用いる場合には、1画素(1トリプレット)(図14(A)中に示す両矢印Aの長さ)が約80μmであっても、例えば映像光制御シート334の透過部d2が300μmと光吸収部d1が40μmからなるピッチBが340μmであればよい。このような構成とすることで、十分な透過特性を確保し、かつ、異常光の発生原因となる映像表示装置からの映像光の拡散特性を制御し、空間浮遊像の両側に発生するゴースト像を軽減することができる。さらに、この場合に、映像制御シートの厚さをピッチBの2/3以上とするとゴースト低減効果が大幅に向上する。
図14(B)は、再帰反射部材5の映像光出射面に映像光制御シート334を配置した本願発明の再帰反射部材の垂直断面図である。映像光制御シート334は光透過部336と光吸収部337を交互に配置して構成し再帰反射光の出射方向に合わせて傾斜角θ1を持って傾斜配置する。この結果、前述した再帰反射に伴い発生する異常光を吸収し他方、正常反射光は損出なく透過させることが出来る。
7インチのWUXGA(1920×1200画素)液晶表示パネルを用いる場合には、1画素(1トリプレット)(図14(A)中の両矢印Aの長さ)が約80μmであっても、例えば再帰反射部の透過部d2が400μmと光吸収部d1が20μmからなるピッチBが420μmであれば十分な透過特性と再帰反射部材での異常光の発生原因となる映像表示装置からの映像光の拡散特性を制御し空間浮遊像の両側に発生するゴースト像を軽減する。
上述した映像光制御シート334は、他方外界からの外光が空間浮遊映像表示装置内部に侵入する妨げにもなるため、構成部品の信頼性向上にも繋がる。この映像光制御シートとして、例えば信越ポリマー(株)の視野角制御フィルム(VCF)が適しており、その構造は透明シリコンと黒色シリコンを交互に配置し光入出射面に合成樹脂を配置してサンドウィッチ構造としているため、本実施例の外光制御フィルムと同様の効果が期待できる。
<液晶パネルの性能>
ところで、一般的なTFT(Thin Film Transister)液晶パネルは、光の出射方向によって液晶と偏光板相互の特性により輝度、コントラスト性能が異なる。図31に示した測定環境での評価では、パネル短手(上下)方向での輝度と視野角の特性は図33に示すようにパネル面に垂直(出射角度0度)な出射角より少しずれた角度での特性(本実施例では+5度)が優れている。この理由は、液晶パネルの短手(上下)方向では、光をねじる特性が印加電圧最大の時に0度とならないためである。
他方、パネル短手(上下)方向のコントラスト性能は、図35に示すように、-15度から+15度の範囲が優れており、輝度特性と合わせると、5度を中心にして±10度の範囲での使用が最も優れた特性を得ることとなる。
また、パネル長手(左右)方向での輝度と視野角の特性は、図32に示すように、パネル面に垂直(出射角度0度)な出射角での特性が優れている。この理由は、液晶パネルの長手(左右方向)では光をねじる特性が印加電圧最大の時に0度となるためである。
同様に、パネル長手(左右)方向のコントラスト性能は図34に示すように、-5度から-10度の範囲が優れており、輝度特性と合わせると-5度を中心にして±5度の範囲での使用が最も優れた特性を得ることとなる。このため、液晶パネルから出射する映像光の出射角度は、前述した光源装置13の導光体に設けた光束方向変換手段(反射面307、314等)により最も優れた特性が得られる方向から液晶パネルに光を入射させ、映像信号により光変調することが、映像表示装置1の画質と性能を向上させることになる。
映像表示素子としての液晶パネルの輝度、コントラスト特性を最大限に生かすためには、光源からの液晶パネルへの入射光を上述した範囲に設定することで、空間浮遊映像の映像品位を向上することが出来る。
<光源光の制御方法>
本実施例では、光源装置13からの出射光束の利用効率を向上させ、消費電力を大幅に低減するために、光源装置13と液晶表示パネル11を含んで構成される映像表示装置1において、光源装置13からは液晶パネル11の特性が最大となるような入射角度で液晶パネル11に入射後、映像信号に合わせて輝度変調された映像光線を再帰反射部材に向けて出射させる。このとき、空間浮遊映像情報表示システムのセット容積を小型化するために、液晶パネル11と再帰反射部材の配置の自由度を高めることが要望される。更に、再帰反射後、浮遊映像を所望の位置に形成し最適な指向性を確保するため、以下の技術手段を用いる。
液晶パネル11の映像表示面には、光方向変換パネルとして、図10、図12に示すリニアフレネルレンズ等の光学部品からなる透明シートを設け、高い指向性を付与したまま再帰反射光学部材への入射光束の出射方向を制御して空間浮遊映像の結像位置を決定する。この構成によれば、映像表示装置1からの映像光は、レーザ光のように観察者に対して高い指向性(直進性)で効率良く届くこととなり、その結果、高品位な浮遊映像を高解像度で表示すると共に、光源装置13を含む映像表示装置1による消費電力を大幅に低減することが可能となる。
<映像表示装置の例1>
図24には、映像表示装置1の具体的な構成の他の一例を示す。図24の光源装置13は、図25等の光源装置と同様である。この光源装置13は、例えばプラスチックなどのケース内にLED、コリメータ、合成拡散ブロック、導光体等を収納して構成されており、その上面には液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースのひとつの側面には、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)素子14a、14bや、その制御回路を実装したLED基板が取り付けられると共に、LED基板の外側面には、LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するための部材であるヒートシンクが取り付けられる(図示せず)。
また、ケースの上面に取り付けられた液晶表示パネルフレームには、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、液晶表示パネル11に電気的に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル配線基板)(図示せず)などが取り付けられて構成されている。即ち、液晶表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子14a,14bと共に、電子装置を構成する制御回路(ここでは図示せず)からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって、表示映像を生成する。
<映像表示装置の例1の光源装置の例1>
続いて、ケース内に収納されている光源装置等の光学系の構成について、図23と共に、図25(a)および(b)を参照しながら、詳細に説明する。図23および図24には、光源を構成するLED14a、14bが示されており、これらはコリメータ15に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このコリメータ15は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂により形成されている。そして、このコリメータ15は、図22(b)にも示すように、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面156を有すると共に、その頂部(LED基板に接する側)におけるその中央部に、凸部(即ち、凸レンズ面)157を形成した凹部153を有する。
また、コリメータ15の平面部(上記の頂部とは逆の側)の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)154を有している。なお、コリメータ15の円錐形状の外周面を形成する放物面156は、LED14a、14bから周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
また、LED14a、14bは、その回路基板である、基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。この基板102は、コリメータ15に対して、その表面上のLED14aまたは14bが、それぞれ、その凹部153の中央部に位置するように配置されて固定される。
かかる構成によれば、上述したコリメータ15によって、LED14aまたは14bから放射される光のうち、特に、その中央部分から上方(図の右方向)に向かって放射される光は、コリメータ15の外形を形成する2つの凸レンズ面157、154により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、コリメータ15の円錐形状の外周面を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したコリメータ15によれば、LED14aまたは14bにより発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
なお、コリメータ15の光の出射側には、偏光変換素子21が設けられている。偏光変換素子21は、偏光変換部材と称しても良い。この偏光変換素子21は、図24(a)からも明らかなように、断面が平行四辺形である柱状(以下、平行四辺形柱)の透光性部材と、断面が三角形である柱状(以下、三角形柱)の透光性部材とを組み合わせ、コリメータ15からの平行光の光軸に対して直交する面に平行に、複数、アレイ状に配列して構成されている。更に、これらアレイ状に配列された隣接する透光性部材間の界面には、交互に、偏光ビームスプリッタ(以下、「PBS膜」と省略する)211と反射膜212とが設けられており、また、偏光変換素子21へ入射してPBS膜211を透過した光が出射する出射面には、λ/2位相板213が備えられている。
この偏光変換素子21の出射面には、更に、図24(a)にも示す、矩形状の合成拡散ブロック16が設けられている。即ち、LED14aまたは14bから出射された光は、コリメータ15の働きにより平行光となって合成拡散ブロック16へ入射し、出射側のテクスチャー161により拡散された後、導光体17に到る。
導光体17は、例えばアクリル等の透光性の樹脂により断面が略三角形(図24(b)参照)の棒状に形成された部材であり、そして、図25からも明らかなように、合成拡散ブロック16の出射面に第1の拡散板18aを介して対向する導光体光入射部(面)171と、斜面を形成する導光体光反射部(面)172と、第2の拡散板18bを介して、液晶表示素子である液晶表示パネル11と対向する導光体光出射部(面)173と、を備えている。
この導光体17の導光体光反射部(面)172には、その一部拡大図である図23にも示すように、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されている。そして、反射面172a(図では右上がりの線分)は、図において一点鎖線で示す水平面に対してαn(n:自然数であり、本例では、例えば、1~130である)を形成しており、その一例として、ここでは、αnを43度以下(ただし、0度以上)に設定している。
導光体入射部(面)171は、光源側に傾斜した湾曲の凸形状に形成されている。これによれば、合成拡散ブロック16の出射面からの平行光は、第1の拡散板18aを介して拡散されて入射し、図からも明らかなように、導光体入射部(面)171により上方に僅かに屈曲(偏向)しながら導光体光反射部(面)172に達し、ここで反射して図の上方の出射面に設けた液晶表示パネル11に到る。
以上に詳述した映像表示装置1によれば、光利用効率やその均一な照明特性をより向上すると同時に、モジュール化されたS偏光波の光源装置を含め、小型かつ低コストで製造することが可能となる。なお、上記の説明では、偏光変換素子21をコリメータ15の後に取り付けるものとして説明したが、本発明はそれに限定されることなく、液晶表示パネル11に到る光路中に設けることによっても同様の作用・効果が得られる。
なお、導光体光反射部(面)172には、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されており、照明光束は、各々の反射面172a上で全反射されて上方に向かい、更には、導光体光出射部(面)173には挟角拡散板を設けて略平行な拡散光束として指向特性を調整する光方向変換パネル54に入射し、斜め方向から液晶表示パネル11へ入射する。この映像表示装置1の出射光は光源装置13の上面に設けた光方向変換パネル54により出射方向を制御される。その結果、液晶表示パネル11からの出射光も制御され、この映像表示装置1を用いた空間浮遊映像情報システムにより得られる空間浮遊映像の光拡散方向が制御される。本実施例では光方向変換パネル54を導光体出射面173と液晶表示パネル11の間に設けたが、液晶表示パネル11の出射面に設けても、同様の効果が得られる。
液晶表示パネル11からの出射光は、一般的なTV用途の装置では、例えば図30(A)中の「従来特性(X方向)」および図30(B)中の「従来特性(Y方向)」のプロット曲線に示すように、画面水平方向(図30(A)のグラフのX軸に対応した表示方向)と画面垂直方向(図30(B)のグラフのY軸に対応した表示方向)とで、互いに同様な拡散特性を有する。
これに対して、本実施例の液晶表示パネルからの出射光束の拡散特性は、例えば図30(A)中の「例1(X方向)」および図30(B)中の「例1(Y方向)」のプロット曲線に示すような拡散特性となる。
一具体例では、正面視(角度0度)の輝度に対して50%の輝度(約半分に低下する輝度)になる視野角が13度となるように設定した場合、一般的な家庭用のTV用途の装置の拡散特性(角度62度)に対して約1/5の角度となる。同様に、垂直方向の視野角を上側と下側とで不均等に設定する場合の一例では、上側の視野角を下側の視野角に対して1/3程度に抑える(狭くする)ように、反射型導光体の反射角度や反射面の面積等を最適化する。
上記のような視野角等の設定が行われることにより、従来の液晶TVに比べ、ユーザの観視方向に向かう映像の光量が格段に増加(映像の明るさの点で大幅に向上)し、かかる映像の輝度は50倍以上となる。
更に、図30の「例2」に示す視野角特性とした場合、正面視(角度0度)で得られる映像の輝度に対して50%の輝度(約半分に低下する輝度)になる視野角が5度となるように設定した場合、一般的な家庭用のTV用途の装置の拡散特性(角度62度)に対して約1/12の角度(狭い視野角)となる。同様に、垂直方向の視野角を上側と下側とで均等に設定する場合の一例では、かかる垂直方向の視野角を従来に対して1/12程度に抑える(狭くする)ように、反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。
このような設定が行われることにより、従来の液晶TVに比べ、観視方向(ユーザの視線方向)に向かう映像の輝度(光量)が大幅に向上し、かかる映像の輝度は100倍以上となる。
以上述べたように、視野角を挟角とすることで、観視方向に向かう光束量を集中できるので、光の利用効率が大幅に向上する。この結果、一般的なTV用途の液晶表示パネルを使用しても、光源装置の光拡散特性を調整することで同様な消費電力で大幅な輝度向上が実現可能で、明るい屋外に向けての情報表示システムに対応した映像表示装置とすることができる。
大型の液晶表示パネルを使用する場合には、画面周辺の光は画面中央を観視者が正対した場合に観視者の方向に向かうように内側に向けることで、画面明るさの全面性が向上する。図27は、液晶表示パネルから観視者までの距離Lと、映像表示装置のパネルサイズ(画面比16:10)と、をパラメータとしたときの液晶表示パネル長辺と液晶表示パネル短辺との収斂角度を求めたもので上側に示す図では、液晶表示パネルの画面を縦長(以下、「縦使い」とも称する)として映像を観視する場合を前提としている。この場合には、液晶表示パネルの短辺(適宜、図27中の矢印V方向を参照)に合わせて収斂角度を設定すればよい。
より具体的な例としては、図27中のプロットグラフに参照されるように、例えば、22“パネルの縦使いで観視距離が0.8mの場合には、収斂角度を10度に設定することにより、画面の各隅(4コーナー)からの映像光を、観視者に向けて効果的に投射ないし出力することができる。
同様に、15”パネルの縦使いで観視する場合には観視距離が0.8mの場合には収斂角度を7度とすれば画面4コーナからの映像光を有効に観視者に向けることができる。以上述べたように、液晶表示パネルのサイズ及び縦使いか横使いかによって画面周辺の映像光を、画面中央を観視するのに最適な位置にいる観視者に向けることで、画面明るさの全面性を向上できる。
基本構成としては、上述の図30などに示すように、光源装置により挟角な指向特性の光束を液晶表示パネル11に入射させ、映像信号に合わせて輝度変調することで、液晶表示パネル11の画面上に表示した映像情報を、再帰反射部材で反射させ得られた空間浮遊映像を、透明な部材100を介して室外または室内に表示する。
以下、光源装置の別の例について複数の例を説明する。これらの光源装置の別の例は、いずれも上述した映像表示装置の例の光源装置に変えて採用してもよい。
大型の液晶表示パネルを使用する場合には上述したように、画面周辺の光は画面中央を観視者が正対した場合に観視者の方向に向かうように内側に向けることで、画面明るさの全面性が向上するが、他方、監視者の左右の目のどちらで視認するかにより両眼視差が発生する。図28は、液晶表示パネルから観視者までの距離Lと、映像表示装置のパネルサイズ(画面比16:10)をパラメータとしたときの液晶表示パネル長辺と液晶表示パネル短辺との収斂角度を左右の目の位置を基準として求めたものである。
パネルサイズが小型な程、監視距離が近いほど左右の目による両眼視での収斂角は大きくなる。特に7インチ以下の小型パネルを使用する場合には、両眼視差による収斂角度は重要な要件となるため、例えば7インチ以下の場合、図30に示した光源の光拡散特性を拡大するか指向特性を持たせて、システムの最適監視範囲に映像光が向くように設計する。
更に、システムの要求仕様によっては、水平と垂直の指向特性、拡散特性を得るために、前述した光源装置13の導光体の反射面の形状、面粗さ、傾きなどを最適設計する必要がある。
<光源装置の例1>
次に、図19を参照して、光源装置の別の例について説明する。図19(a)および(b)は、導光体311を説明するために、液晶表示パネル11と拡散板206の一部を省略した図である。
図19は、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示している。これらLED14および基板102は、リフレクタ15に対して所定の位置に取り付けられている。
図19(a)に示すように、LED14は、リフレクタ300が配置される側の液晶表示パネル11の辺(この例では短辺)と平行な方向に、一列に配置される。図示の例では、かかるLEDの配置と対応して、リフレクタ300が配置されている。なお、リフレクタ300は複数配置されてもよい。
一具体例では、リフレクタ300は、各々、プラスチック材料により形成されている。他の例として、リフレクタ300は、金属材料やガラス材料で形成してもよいが、プラスチック材料の方が成型しやすいため、本実施例ではプラスチック材料のものを用いる。
図19(b)に示すように、リフレクタ300の内側(同図中の右側)の面は、放物面を子午面で切り取った形状の反射面(以下は「放物面」と称する場合がある)305を備える。リフレクタ300は、LED14から出射される発散光を、上記の反射面305(放物面)で反射させることにより、略平行な光に変換し、変換された光を導光体311の端面に入射させる。一具体例では、導光体311は、透過型導光体である。
リフレクタ300の反射面は、LED14の出射光の光軸に対して非対称な形状である。また、リフレクタ300の反射面305は、上述のように放物面であり、かかる放物面の焦点にLEDを配置することで、反射後の光束を略平行光に変換する。
LED14は面光源であるため放物面の焦点に配置してもLEDからの発散光を完全な平行光に変換することはできないが、本願発明の光源の性能を左右することはない。LED14とリフレクタ300は一対のペアである。また、LED14の基板102への取り付け精度±40μmにおいて所定の性能を確保するためには、LEDの基板の取り付けは最大10個以下とすべきであり、量産性を考慮すれば5個程度に抑えると良い。
LED14とリフレクタ300は一部において近接されるがリフレクタ300の開口側の空間へ放熱できるためLEDの温度上昇が低減できる。このため、プラスチック成型品のリフレクタ300が使用可能となる。その結果、このリフレクタ300によれば、反射面の形状精度をガラス素材のリフレクタに比べ10倍以上向上できるので、光利用効率を向上させることができる。
一方、導光体311の底面303には反射面が設けられ、LED14からの光はリフレクタ300により平行光束に変換された後、当該反射面で反射し、導光体311に対向して配置された液晶表示パネル11に向け出射する。底面303に設けられた反射面には、図19に示したように、リフレクタ300からの平行光束の進行方向において、傾きの異なる複数の面があってもよい。傾きの異なる複数の面のそれぞれの面はリフレクタ300からの平行光束の進行方向に垂直な方向に延伸する形状を有してもよい。
また、底面303に設けられた反射面の形状は平面形状でもよい。このとき、液晶表示パネル11に対向した導光体311の面に設けた屈折面314により、導光体311の底面303に設けられた反射面で反射された光を屈折させて液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できる。この結果、液晶表示パネル11への入射光及び液晶表示パネル11からの出射光の光量及び出射方向も同様に高精度に制御できるため、この光源を用いた映像表示装置を用いた空間映像情報表示システムにおいては、空間浮遊映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる。
屈折面314は、図19(a)、(b)に示したように、リフレクタ300からの平行光束の進行方向において、傾きの異なる複数の面があってもよい。傾きの異なる複数の面のそれぞれの面はリフレクタ300からの平行光束の進行方向に垂直な方向に延伸する形状を有してもよい。当該複数の面の傾きは、導光体311の底面303に設けられた反射面で反射された光を液晶表示パネル11に向かって屈折させる。また、屈折面314は、透過面としてもよい。
なお、液晶表示パネル11の前に拡散板206がある場合は、前記反射面で反射された光は、屈折面314の前記複数の傾きにより拡散板206に向かって屈折される。すなわち、屈折面314が有する傾きが異なる複数の面の延伸方向と、底面303に設けられた反射面が有する傾きが異なる複数の面の延伸方向は平行である。両者の延伸方向を平行にすることにより、より好適に光の角度を調整することができる。他方、LED14は、金属性の基板102に半田付けする。このためLEDの発熱を、基板を介して空気中に放熱することが出来る。
また、基板102にリフレクタ300が接していても良いが、空間を開けておいても良い。空間を開ける場合、リフレクタ300は筐体に接着させて配置される。空間を開けておくことで、LEDの発熱を空気中に放熱でき、冷却効果が上がる。この結果、LEDの動作温度が低減できるので、発光効率の維持と長寿命化を実現することができる。
<光源装置の別の例2>
続いて、図19に示した光源装置に対して、偏光変換を用いて光利用効率を1.8倍向上した光源装置に関する光学系の構成について、図20A及び図20B及び図20C及び図20Dを参照しながら詳細に説明する。なお、図20Aにおいてサブリフレクタ308の図示は省略している。
図20、図20Bおよび図20Cは、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示しており、これらはリフレクタ300とLED14を一対のブロックとし、複数のブロックを有するユニット312で構成する。
このうち、図20A(2)に示した基材320は、基板102の基材である。一般に、金属性の基板102は熱を持っているため、かかる基板102の熱を絶縁(断熱)するために、基材320は、プラスチック材料などを用いるとよい。リフレクタ300の材質と反射面の形状は、図28の光源装置の例と同じ材質および形状でよい。
また、リフレクタ300の反射面は、LED14の出射光の光軸に対して非対称な形状でもよい。この理由を、図20A(2)により説明する。本実施例では、図19の例と同様にリフレクタ300の反射面は放物面であり、放物面の焦点位置に面光源であるLEDの発光面の中心を配置する。
また、放物面の特性上、発光面の4隅からの発光も略平行光束となり、出射方向が異なるだけである。そのため、発光部が面積を持っていても、後段に配置された偏光変換素子とリフレクタ300の間隔が短ければ偏光変換素子21へ入射する光量と変換効率は、ほとんど影響を受けない。
また、LED14の取り付け位置が、対応するリフレクタ300の焦点に対してXY平面内でずれても上述した理由により光変換効率の低下を軽減できる光学系が実現できる。さらに、LED14の取り付け位置がZ軸方向にばらついた場合であっても、変換された平行光束がZX平面内で移動するだけであり、面光源であるLEDの取り付け精度を大幅に軽減できる。本実施例においても放物面の一部を子午的に切り欠いた反射面を有するリフレクタ300について記載したが、放物面全面を反射面として切り欠いた一部分にLEDを配置してもよい。
一方、本実施例では、図20B(1)、図20Cに示したように、LED14からの発散光を放物面321で反射させ略平行な光に変換した後、後段の偏光変換素子21の端面に入射させ、偏光変換素子21により特定の偏波に揃えることを特徴的な構成としている。この特徴的な構成により、本実施例では、光の利用効率が前述した図26の例に対して1.8倍となり、高効率な光源が実現できる。
なお、このとき、LED14からの発散光を放物面321で反射させた略平行な光は、すべて均一というわけではない。よって、複数の傾きを持った反射面307により反射光の角度分布を調整することで液晶表示パネル11に向けて、液晶表示パネル11に対して垂直方向に入射可能としている。
ここで、本図の例では、LEDからリフレクタに入る光(主光線)の向きと液晶表示パネルに入る光の向きが略平行になるように配置している。この配置は、設計上配置がしやすく、また、熱源を光源装置の下に配置する方が、空気が上に抜けるのでLEDの温度上昇を低減できるので好適である。
また、図20B(1)示したように、LED14からの発散光の捕捉率を向上させるために、リフレクタ300で捕捉できない光束をリフレクタ上部に配置した遮光板309に設けたサブリフレクタ308で反射させ、下部のサブリフレクタ310の斜面で反射させ後段の偏光変換素子21の有効領域に入射させ光の利用効率を更に向上させる。すなわち、本実施例では、リフレクタ300で反射した光の一部をサブリフレクタ308で反射し、サブリフレクタ308で反射された光をサブリフレクタ310で導光体306に向かう方向に反射させる。
偏光変換素子21により特定の偏波に揃えた略平行光束を反射型導光体306の表面に設けた反射形状によって導光体306に対向して配置された液晶表示パネル11に向けて反射される。このとき、液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布は、前述したリフレクタ300の形状と配置及び反射型導光体の反射面形状(断面形状)と反射面の傾き、面粗さによって最適設計される。
導光体306の表面に設けた反射面形状としては、偏光変換素子の出射面に対向して複数の反射面を配置し、偏光変換素子21からの距離に応じて、反射面の傾き、面積、高さ、ピッチを最適化することで、前述したように、液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布を所望の値とする。
反射型導光体に設けた反射面307は、図20B(2)に示すように、1面に複数の傾きを持つような構成とすることで、より高精度に反射光の調整を実現できる。なお、反射面において、1面に複数の傾きを持つような構成としては、反射面として使用する領域が、複数面または多面または曲面でもよい。更に拡散板206の拡散作用により、より均一な光量分布を実現する。LEDに近い側の拡散板に入射する光は、反射面の傾きを変化させることで、均一な光量分布を実現する。この結果、液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できる。この結果、液晶表示パネル11への入射光及び液晶表示パネル11からの出射光の光量及び出射方向も同様に高精度に制御できるため、この光源を用いた映像表示装置を用いた空間映像情報表示システムにおいては、空間浮遊映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる。
本実施例では、反射面307の基材は、耐熱性ポリカーボネイトなどのプラスチック材料を用いる。また、λ/2板213の出射直後の反射面307の角度は、λ/2板と反射面の距離によって変化する。
本実施例においても、LED14とリフレクタ300は、一部において近接されるが、リフレクタ300の開口側の空間へ放熱できLEDの温度上昇を低減できる。また、基板102とリフレクタ300を図20A、図20B、図20Cと上下逆に配置してもよい。
ただし、基板102を上に配置すると基板102が液晶表示パネル11と近くなるので、レイアウトが困難になる場合がある。よって、図示した通り、基板102をリフレクタ300の下側(液晶表示パネル11から遠い側)に配置する方が、装置内の構成がより簡素になる。
偏光変換素子21の光入射面には、後段の光学系に不要な光が入射しないように、遮光板410を設けるとよい。このような構成とすることで、温度上昇を抑えた光源装置が実現できる。液晶表示パネル11の光入射面に設けた偏光板では本願発明の偏光が揃った光束では吸収により温度上昇が低減させるが、反射型導光体で反射した際に偏光方向が回転し一部の光は入射側偏光板で吸収される。更に、液晶そのものでの吸収や電極パターンに入射した光による温度上昇で液晶表示パネル11の温度も上昇するが、反射型導光体306の反射面と液晶表示パネル11の間に十分な空間があり自然冷却が可能となる。
図20Dは、図20B(1)および図20Cの光源装置の変形例である。図20D(1)は、図20B(1)の光源装置の一部を抜粋してその変形例を図示している。その他の構成については、図20B(1)で上述した光源装置と同じ構成であるため、図示および繰り返しの説明を省略する。
まず、図20D(1)に示す例では、サブリフレクタ310の凹部319の高さは、蛍光体114から横向き(X軸方向)に出力される蛍光の主光線(図20D(1)中、X軸と平行な方向に伸びる直線を参照)が、サブリフレクタ310の凹部319から抜けるように、蛍光体114よりも低い位置となるように調整されている。さらに、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が遮光板410により遮られずに偏光変換素子21の有効領域に入射するように、蛍光体114の位置に対して、Z軸方向において遮光板410の高さが低くなるように調整されている。
また、サブリフレクタ310の頂部の凹凸の凸部が有する反射面は、サブリフレクタ308で反射した光を導光体306に導くために、サブリフレクタ308で反射した光を反射する。よって、サブリフレクタ310の凸部318の高さは、サブリフレクタ308で反射した光を反射させ後段の偏光変換素子21の有効領域に入射するように調整されることで、光の利用効率を更に向上させることができる。
なお、サブリフレクタ310は図20A(2)に示すように一方方向に延伸して配置され、凹凸形状となっている。さらに、サブリフレクタ310の頂部には、1つ以上の凹部を有する凹凸が周期的に一方向に沿って並んでいる。このような凹凸形状とすることにより、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が偏光変換素子21の有効領域に入射するように構成できる。
また、サブリフレクタ310の凹凸形状は、LED14がある位置に凹部319がくるピッチで周期的に配置されている。すなわち、蛍光体114のそれぞれは、サブリフレクタ310の凹凸の凹部の配置のピッチに対応して一方向に沿って周期的に配置される。なお、蛍光体114がLED14に備えられている場合は、蛍光体114を光源の発光部と表現しても良い。
また、図20D(2)は、図20Cの光源装置の一部を抜粋してその変形例を図示している。その他の構成については、図20Cの光源装置と同じ構成であるため、図示および繰り返しの説明を省略する。図20D(2)に示すように、サブリフレクタ310はなくてもよいが、図20D(1)と同様に、蛍光体114から横向きに出力される蛍光の主光線が遮光体410により遮られずに偏光変換素子21の有効領域に入射するように、蛍光体114の位置に対して、Z軸方向において遮光板410の高さが低くなるように調整されている。
なお、図20A、図20B、図20C、図20Dの光源装置について、図20A(1)に示したように、反射型導光体306の反射面と液晶表示パネル11の間の空間へのごみ入り込み防止、光源装置外部への迷光発生防止、および光源装置外部からの迷光侵入防止のために、側壁400を設けてもよい。側壁400を設ける場合は、導光体306と拡散板206との空間を挟むように配置される。
当該偏光変換素子21によって偏光変換された光を出射する偏光変換素子21の光出射面は、側壁400と導光体306と拡散板206と偏光変換素子21とで囲まれた空間に面する。また、側壁400の内側の面のうち、偏光変換素子21の出射面から光が出力される空間(図20B(1)の偏光変換素子21の出射面から右側の空間)を側面から覆う部分の面は、反射膜などを有する反射面を用いる。すなわち、上記空間に面する側壁400の面は、反射膜を有する反射領域を備える。側壁400の内側の面のうち当該部分を反射面とすることで、当該反射面で反射した光を光源光として再利用でき、光源装置の輝度を向上することができる。
側壁400の内側の面のうち、偏光変換素子21を側面から覆う部分の面は、光反射率の低い面(反射膜のない黒色面など)とする。これは、偏光変換素子21の側面で反射光が生じると、想定外の偏光状態の光が生じ、迷光の原因となるためである。言い換えると、上記の面を光反射率の低い面とすることにより、映像の迷光および想定外の偏光状態の光の発生を防止ないし抑制することができる。また、側壁400の一部に空気が通る穴をあけておくことで冷却効果を向上させるように構成してもよい。
なお、図20A、図20B、図20C、図20Dの光源装置は、偏光変換素子21を用いる構成を前提として説明した。しかしながら、これらの光源装置から偏光変換素子21を省略して構成してもよい。この場合、より安価に光源装置を提供することができる。
<光源装置の別の例3>
続いて、光源装置の例1に示した光源装置を基に反射型導光体304を用いた光源装置に関する光学系の構成について、図21A(1)、(2)、(3) 、及び図21Bを参照しながら詳細に説明する。
図21Aは、光源を構成するLED14が基板102に備え付けられた状態を示しており、これらはコリメータ18とLED14が一対のブロックとし、複数のブロックを有するユニット328で構成する。本実施例のコリメータ18は、LED14と近接しているため、耐熱性を考慮してガラス材料を採用している。コリメータ18の形状は、図20のコリメータ15で説明した形状と同様である。また、偏光変換素子21へ入射する前段に遮光板317を設けることにより、不要な光が後段の光学系に入射するのを防止ないし抑制し、当該不要な光による温度の上昇を軽減している。
図21Aに示す光源のその他の構成及び効果については、図20A、図20B、図20C、図20Dと同様であるため、繰り返しの説明を省略する。図21Aの光源装置は、図20A、図20B、図20Cで説明したのと同様に、側壁を設けてもよい。側壁の構成及び効果については、既に説明した通りであることから、繰り返しの説明を省略する。
図21Bは、図21A(2)の断面図である。図21Bに示す光源の構成については、図20の光源の構造の一部と共通であり、図18においてすでに説明済みであるため、繰り返しの説明を省略する。
<光源装置の別の例4>
続いて、図25の光源装置は、図21に示した光源装置に用いたコリメータ18とLED14が一対のブロックとして複数のブロックを有するユニット328で構成する。液晶表示パネル11の背面の両端部に配置したLEDと反射型導光体504を用いた光源装置に関する光学系の構成について、図25(a)(b)及び(c)を参照しながら詳細に説明する。
図25は光源を構成するLED14が基板505に備え付けられた状態を示しており、これらはコリメータ18とLED14が一対のブロックとした複数のブロックを有するユニット503で構成する。ユニット503は液晶表示パネル11の背面の両端部に配置される(本実施例では短辺方向に3ユニットが並んで配置される)。ユニット503から出力された光は反射型導光体504で反射され、対向配置された液晶表示パネル11(図25(c)に図示)に入射する構成としている。
反射型導光体504は、図25(c)に示すように、それぞれの端部に配置されたユニットに対応して2つのブロックに分割され中央部が最も高くなるように配置されている。コリメータ18は、LED14と近接しているため、LED14から発せられる熱への耐熱性を考慮して、ガラス材料を採用している。コリメータ18の形状は、図20のコリメータ15で説明した形状である。
LED14からの光はコリメータ18を介して偏光変換素子501へ入射する。光学素子81の形状により後段の反射型導光体504に入射する光の分布を調整する構成としている。すなわち、液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布は、前述したコリメータ18の形状と、配置及び光学素子81の形状と、拡散特性及び反射型導光体の反射面形状(断面形状)と、反射面の傾き、反射面の面粗さと、を調整することによって最適設計される。
反射型導光体504の表面に設けた反射面形状としては、図25(b)に示すように、偏光変換素子の出射面に対向して複数の反射面を配置し、偏光変換素子21からの距離に応じて、反射面の傾き、面積、高さ、ピッチを最適化する。また、同一反射面となる領域(すなわち、偏光変換素子に対向する面)を多面体に分割することで、前述したように液晶表示パネル11に入射する光束の光量分布を所望の値とする(最適化する)ことができる。このため、液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できる。この結果、液晶表示パネル11への入射光及び液晶表示パネル11からの出射光の光量及び出射方向も同様に高精度に制御できるため、この光源を用いた映像表示装置を用いた空間映像情報表示システムにおいては、空間浮遊映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる(図26中の「導光体からの反射光」を示す4本の実線矢印を参照)。
反射型導光体に設けた反射面は、図20Bで説明した反射型導光体と同様に、1面(光の反射させる領域)を、複数の傾きを持った形状を持たせる構成(図25の例ではXY平面内で14分割して異なった傾斜面で構成)とすることで、より高精度に反射光の調整を行うことができる。また、反射型導光体からの反射光が光源装置13の側面から漏れないようにするため、遮光壁507を設けることにより、所望の方向(液晶表示パネル11へ向かう方向)以外への漏れ光の発生を防止することができる。
また、図25の反射型導光体504の左右に配置されるユニット503を、図20の光源装置に置き換えてもよい。すなわち、図20の光源装置(基板102、リフレクタ300、LED14等)を複数用意し、かかる複数の光源装置を、図25(a)、(b)、(c)に参照されるように、互いに対向する位置に配置した構成としてもよい。
図26(B)は、図26(A)に示したユニット503を、上部に6個、下部に6個配置して構成した光源装置である。図26(B)に示す光源装置は、5個のLEDを横に並べたユニット503を上記のように配置した構成であり、単一電源で電流制御して所望の輝度を得る。このため、液晶パネルを照明する光源装置としては、それぞれのユニット503が照射する領域ごとに光源輝度を制御することが出来る。図26に示す構成では、反射面222と、かかる反射面222とは異なる反射面502と、を備える。このうち、反射面222は、横格子のような形状、あるいは所定の幅を有する帯状である。一方、反射面502は、縦横の格子のような形状である。これらの微細な格子の形状及び分割面の傾きを最適設計することで、所望の出射光分布(出射光の出射方向と拡散特性)を得る。この結果、図16及び図17に示す平面ディスプレイと空間浮遊映像情報装置に単一光源を使用しても、液晶表示パネル11に向かう光束の光量と出射方向を高精度に調整できる。この結果、上述した2つの実施例と同様に、液晶表示パネル11への入射光及び液晶表示パネル11からの出射光の光量及び出射方向を同様に高精度に制御できるため、この光源を用いた映像表示装置を用いた空間映像情報表示システムにおいては、空間浮遊映像の映像光の拡散方向と拡散角を所望の値に設定できる。
図22は、拡散板206の形状の一例を示す断面図である。上述のように、LEDから出力された発散光は、リフレクタ300またはコリメータ18で略平行光に変換され、偏光変換素子21で特定偏波に変換された後に、導光体で反射させられる。そして、導光体で反射した光束は、拡散板206の入射面の平面部分を通過して、液晶表示パネル11に入射する(図22中の「導光体からの反射光」を示す2本の実線矢印を参照)。
また、偏光変換素子21から出射した光のうち、発散光束は、拡散板206の入射面に設けた傾斜面を有する突起部の斜面で全反射して、液晶表示パネル11に入射する。偏光変換素子21から出射した光を拡散板206の突起部の斜面で全反射させるために、突起部の斜面の角度を、偏光変換素子21からの距離に基づいて変化させる。偏光変換素子21から遠い側またはLEDから遠い側の突起部の斜面の角度をαとし、偏光変換素子21から近い側またはLEDから近い側の突起部の斜面の角度をα’とする場合、αはα’より小さい(α<α’)。このような設定とすることにより、偏光変換された光束を有効利用することが可能となる。
<映像表示装置の拡散特性制御技術>
液晶表示パネル11からの映像光の拡散分布を調整する方法として、光源装置13と液晶表示パネル11との間、あるいは、液晶表示パネル11の表面に、レンチキュラーレンズを設け、当該レンズの形状を最適化することが挙げられる。すなわち、レンチキュラーレンズ形状の最適化を行うことによって、液晶表示パネル11から一方向に出射される映像光(以下、「映像光束」とも称する)の出射特性を調整することができる。
代替的または追加的に、液晶表示パネル11の表面(または光源装置13と液晶表示パネル11との間)に、マイクロレンズアレイをマトリックス状に配置し、当該配置の態様を調整してもよい。すなわち、マイクロレンズアレイの配置を調整することによって、映像表示装置1から出射される映像光束についての、X軸およびY軸方向への出射特性を調整することができ、この結果、所望の拡散特性を有する映像表示装置を得ることができる。
さらなる構成例として、映像表示装置1から出射される映像光が通過する位置に、2枚のレンチキュラーレンズを組み合わせて配置する、または、マイクロレンズアレイをマトリックス状に配置して拡散特性を調整するシートを設けてもよい。このような光学系の構成とすることにより、X軸およびY軸方向において、映像光の輝度(相対輝度)を、映像光の反射角度(垂直方向に反射した場合を基準(0度)とした反射角度)に応じて調整することができる。
本実施例では、このようなレンチキュラーレンズを使用することにより、図29(b)中に「例1(Y方向)」および「例2(Y方向)」のグラフ(プロット曲線)に示すように、従来特性のグラフ(プロット曲線)とは明らかに異なった、優れた光学的特性を獲得することができる。具体的には、例1(Y方向)および例2(Y方向)のプロット曲線では、垂直方向の輝度特性を急峻にし、さらに、上下方向(Y軸の正負方向)の指向特性のバランスを変化させることで、反射や拡散による光の輝度(相対輝度)を高めることができる。
このため、本実施例によれば、面発光レーザ映像源からの映像光のように、拡散角度が狭く(高い直進性)かつ特定の偏波成分のみの映像光とし、従来技術による映像表示装置を用いた場合に再帰反射部材で発生していたゴースト像を抑え、再帰反射による空間浮遊像を効率良く観視者の眼に届けるように、調整することができる。
また、上述した光源装置により、図30の(A)、(B)に示した一般的な液晶表示パネルからの出射光拡散特性(図中では「従来特性」と表記)に対して、X軸方向およびY軸方向ともに大幅に挟角な指向特性を持たせることができる。本実施例では、このような狭角な指向特性を持たせることで、特定方向に向けて平行に近い映像光束を出射する、特定偏波の光を出射する映像表示装置を実現することができる。
図30には、本実施例で採用するレンチキュラーレンズの特性の一例を示している。この例では、特に、Z軸を基準としたX方向(垂直方向)における特性を示しており、特性Oは、光の出射方向のピークが垂直方向(0度)から上方に30度付近の角度であり上下に対称な輝度特性を示している。また、図30のグラフに示す特性Aや特性Bのプロット曲線は、更に、30度付近においてピーク輝度の上方の映像光を集光して輝度(相対輝度)を高めた特性の例を示している。このため、これらの特性Aや特性Bでは、特性Oのプロット曲線と比較して分かるように、Z軸からX方向への傾き(角度θ)が30度を超えた角度(θ>30°)の領域において、急激に光の輝度(相対輝度)が低減する。
即ち、上述したレンチキュラーレンズを含んだ光学系によれば、映像表示装置1からの映像光束を再帰反射部材に入射させる際、光源装置13で挟角に揃えられた映像光の出射角度や視野角を調整でき、再帰反射シートの設置の自由度を大幅に向上できる。その結果、ウィンドガラスを反射又は透過して所望の位置に結像する空間浮遊像の結像位置の関係の自由度を大幅に向上できる。この結果、拡散角度が狭く(高い直進性)かつ特定の偏波成分のみの光として効率良く室外または室内の観視者の眼に届くようにすることが可能となる。このことによれば、映像表示装置1からの映像光の強度(輝度)が低減しても、観視者は映像光を正確に認識して情報を得ることができる。換言すれば、映像表示装置1の出力小さくすることにより、消費電力の低い情報表示システムを実現することが可能となる。
以上、本発明を適用した種々の実施の形態ないし実施例(すなわち具体例)について詳述した。一方で、本発明は、上述した実施形態(具体例)のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記で説明した光源装置は、空間浮遊映像表示装置に限られず、HUD、タブレット、デジタルサイネージ等のような情報表示装置に適用することも可能である。
本実施の形態に係る技術では、空間浮遊映像を高解像度かつ高輝度な映像情報を空間浮遊した状態で表示することにより、例えば、ユーザは感染症の接触感染に対する不安を感じることなく操作することを可能にする。不特定多数のユーザが使用するシステムに本実施例に係る技術を用いれば、感染症の接触感染のリスクを低減し、不安を感じることなく使用できる非接触ユーザインタフェースを提供することを可能にする。このような技術を提供する本発明によれば、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
また、上述した実施の形態に係る技術では、出射する映像光の発散角を小さくし、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射部材に対して正規の反射光だけを効率良く反射させるため、光の利用効率が高く、明るく鮮明な空間浮遊映像を得ることが可能になる。本実施の形態に係る技術によれば、消費電力を大幅に低減することが可能な、利用性に優れた非接触ユーザインタフェースを提供することができる。このような技術を提供する本発明によれば、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9産業と技術革新の基盤をつくろう」および「11住み続けられるまちづくりを」に貢献する。
さらに、上述した実施の形態に係る技術では、指向性(直進性)の高い映像光による空間浮遊映像を形成することを可能にする。本実施例に係る技術では、銀行のATMや駅の券売機等における高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示する場合でも、指向性の高い映像光を表示することで、ユーザ以外に空間浮遊映像を覗き込まれる危険性が少ない非接触ユーザインタフェースを提供することを可能にする。本発明は、以上のような技術を提供することにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「11住み続けられるまちづくりを」に貢献する。
1…映像表示装置、2…第一の再帰反射部材、5…第二の再帰反射部材、3…空間像(空間浮遊像)、100…透過性プレート、13…光源装置、54…光方向変換パネル、105…リニアフレネルシート、101…吸収型偏光シート(吸収型偏光板)、200…平面ディスプレイ、201…筐体、203…センシングシステム、226…センシングエリア、102…基板、11、335…液晶表示パネル、206…拡散板、21…偏光変換素子、300…リフレクタ、213…λ/2板、306…反射型導光体、307…反射面、308、310…サブリフレクタ、204…空間浮遊映像、334…映像光制御シート、336…透過部、337…光吸収部、81…光学素子、501…偏光変換素子、503…ユニット、507…遮光壁、401、402…遮光板、320…基材、511…筐体、512…サポートアーム、513…ヒンジ、514…バックカバー、515…筐体カバー、516…筐体ベース、517、518…傾斜リニアフレネルシート、519…偏心フレネルシート

Claims (15)

  1. 空間浮遊映像情報表示システムであって、
    映像を表示する表示パネルと、
    前記表示パネルのための光源装置と、
    前記表示パネルからの映像光を反射させ、反射した光により空中に実像の空間浮遊映像を表示せしめる再帰反射部材と、
    前記映像光の光路を変換する映像光制御シートと、を備え、
    前記映像光制御シートは、前記再帰反射部材と前記表示パネルの間に配置され、前記表示パネルから出射する映像光束の出射方向と発散角を調整することを特徴とする、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  2. 請求項1に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記映像光制御シートは、リニアフレネルレンズシートである、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  3. 請求項1に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記映像光制御シートは、サーキュラーフレネルレンズシートである、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記空間浮遊映像から拡散される映像光束の拡散角と拡散方向は、前記映像光制御シートを構成するサーキュラーフレネルシートまたはリニアフレネルシートの基材の屈折率とフレネル角により調整される、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記光源装置は、
    点状または面状の光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタからの光を前記の表示パネルに向けて導光する導光体と、を備え、
    前記リフレクタの反射面は、前記光源の出射光の光軸に対して非対称な形状である、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  6. 請求項5に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記導光体は、反射型導光体である、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  7. 請求項5または請求項6に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記導光体からの光を拡散する拡散板と、
    前記導光体と前記拡散板との空間を挟むように配置される側壁と、を備える、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記リフレクタは、プラスチック材料またはガラス材料または金属材料を用いる、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  9. 空間浮遊映像情報表示システムであって、
    映像を表示する表示パネルと、
    光源装置と、
    前記表示パネルからの映像光を反射させ、反射した光により空中に実像の空間浮遊映像を表示せしめる再帰反射部材と、を備え、
    前記光源装置は、
    点状または面状の光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタからの光を前記の表示パネルに向けて導光する導光体と、を備え、
    前記導光体の光源光反射面は、光源光が伝搬する光軸に対して垂直な方向に複数の反射面が配列された構成を成し、それぞれの前記反射面の傾斜角度により表示パネルに入射する光源光の出射方向と拡散角を調整し、
    前記表示パネルからの出射光の出射方向と拡散角を制御する映像表示装置を備え、
    空間浮遊映像の映像光の出射方向と拡散角を調整することを特徴とする、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  10. 請求項9に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    映像を表示する表示パネルと、
    前記表示パネルの映像表示面に近接配置した映像光制御シートと、を備え、
    前記映像光制御シートにより光の出射方向を制御された映像光束は、前記再帰反射部材で反射後に空間浮遊映像を表示するものであり、
    前記再帰反射部材に外光が入射する入射角が35度以上となるように前記再帰反射部材の映像監視者側の端面が他方の面に対して低くなるように、前記再帰反射部材が傾斜配置されている、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  11. 空間浮遊映像情報表示システムであって、
    映像を表示する表示パネルと、
    前記表示パネルのための光源装置と、
    前記表示パネルからの映像光を反射させ、反射した光により空中に実像の空間浮遊映像を表示せしめる再帰反射部材を同一の筐体に組み込み、
    前記筐体にはサポート部材を備え、
    前記サポート部材と前記空間浮遊映像情報表示システムの筐体ベースに固定するヒンジを備え、前記筐体は、前記筐体ベースに設けたヒンジにより空間浮遊像の映像光出射方向を可変できる構造を備えた、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  12. 請求項11に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記光源装置は、
    点状または面状の光源と、
    前記光源からの光を反射させるリフレクタと、
    前記リフレクタからの光を前記表示パネルに向けて導光する導光体と、を有し、
    前記リフレクタの反射面は、前記光源の出射光の光軸に対して非対称な形状である、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  13. 請求項12に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記導光体は、反射型導光体である、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  14. 請求項12または請求項13に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記導光体からの光を拡散する拡散板と、
    前記導光体と前記拡散板との空間を挟むように配置される側壁と、を備える、
    空間浮遊映像情報表示システム。
  15. 請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の空間浮遊映像情報表示システムにおいて、
    前記リフレクタは、プラスチック材料またはガラス材料または金属材料を用いる、
    空間浮遊映像情報表示システム。
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