JP2023100539A - 固体電解質部材及び固体電解質部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池性能の劣化を抑制する。
【解決手段】固体電解質部材は、Li、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法により測定されるLiの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。
【選択図】図1
【解決手段】固体電解質部材は、Li、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法により測定されるLiの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解質部材及び固体電解質部材の製造方法に関する。
リチウム電池の固体電解質として、硫化物系の固体電解質が知られている。特許文献1には、リチウム、リン及び硫黄を有するイオン伝導体と、ハロゲン化リチウムとから構成されるガラスセラミックスからなる硫化物固体電解質材料で、Al2O3、ZrO3、TiO2、SiO2の少なくとも1種を含有するものが記載されている。また、特許文献2には、質量基準で100ppm以上1000ppm以下のアルミニウムを含有し、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質が記載されている。
リチウム、リン及び硫黄を有する固体電解質部材は、電池性能の劣化を抑制することが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電池性能の劣化を抑制可能な固体電解質部材及び固体電解質部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の条件を満たすことを特徴とする固体電解質部材及び固体電解質部材の製造方法を提供する。
<1> Li、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により測定されるLiの含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、前記固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である固体電解質部材。
<2>Li、Si、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により測定されるLiの含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、前記固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である固体電解質部材。
<3>好ましくは、平均結晶子径が、50nm以上であり、かつ、導電率が4mS/cm以上である固体電解質部材。
<4>好ましくは、空間群P42nmcの結晶構造を持ち、CuKα線を用いたX線回折測定で測定すると、結晶ピークとして以下の式(A)から式(E)のピークが検出され、式(D)のピークより高角側に、結晶ピークとして式(F)のピークが検出されないか、又は、式(E)のピークの回折強度をIAとし式(F)のピークの回折強度をIBとした場合に、IB/IAが0.50未満となるような、式(F)のピークが検出される固体電解質部材。
2θ=17.38°±0.50°・・・(A)
2θ=20.18°±0.50°・・・(B)
2θ=20.44°±0.50°・・・(C)
2θ=26.96°±0.50°・・・(D)
2θ=29.58°±0.50°・・・(E)
2θ=27.33°±0.50°・・・(F)
2θ=17.38°±0.50°・・・(A)
2θ=20.18°±0.50°・・・(B)
2θ=20.44°±0.50°・・・(C)
2θ=26.96°±0.50°・・・(D)
2θ=29.58°±0.50°・・・(E)
2θ=27.33°±0.50°・・・(F)
<5>好ましくは、Argyrodite型の結晶構造を有する固体電解質部材。
<6>本開示に係る固体電解質部材の製造方法であって、前記固体電解質部材の製造方法原料の集合物を準備する準備ステップと、前記出発原料の集合物を加熱して前記固体電解質部材を生成する生成ステップと、を含み、前記準備ステップにおいては、生成した前記出発原料の集合物をX線回折法で測定した場合に、結晶性物質の結晶ピークが検出できるように、前記出発原料を混合して前記出発原料の集合物を生成する固体電解質部材の製造方法。
本発明によれば、電池性能の劣化を抑制できる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(第1実施形態)
(固体電解質部材)
第1実施形態に係る固体電解質部材は、硫化物系の固体電解質である。第1実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを含むリチウムイオン伝導体であって、例えばリチウム電池などに用いられる。さらに言えば、第1実施形態に係る固体電解質部材は、いわゆるLGPS型の結晶構造を有する。具体的には、第1実施形態に係る固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdで表されるものである。ここで、a、b、c、dは、0より大きい数字である。また、元素Mは、AlとSiを除く13族、14族及び15族の少なくとも1種の元素である。本実施形態では、元素Mは、Ge及びSnの少なくとも1種であることが好ましい。第1実施形態に係る固体電解質部材は、1種類の元素Mを含むが、複数種類の元素Mを含んでもよい。
このように、第1実施形態に係る固体電解質部材は、リチウム、元素M、リン、及び硫黄を含んだ固体電解質であるが、それに限られず、リチウム、元素M、及びリン以外の成分を含んだ硫化物系の固体電解質であってもよい。また、固体電解質部材は、LGPS型の結晶構造を持つものに限られず、LiaMbPcSdであることにも限られない。固体電解質部材の組成の他の例については、後述する。
(固体電解質部材)
第1実施形態に係る固体電解質部材は、硫化物系の固体電解質である。第1実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを含むリチウムイオン伝導体であって、例えばリチウム電池などに用いられる。さらに言えば、第1実施形態に係る固体電解質部材は、いわゆるLGPS型の結晶構造を有する。具体的には、第1実施形態に係る固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdで表されるものである。ここで、a、b、c、dは、0より大きい数字である。また、元素Mは、AlとSiを除く13族、14族及び15族の少なくとも1種の元素である。本実施形態では、元素Mは、Ge及びSnの少なくとも1種であることが好ましい。第1実施形態に係る固体電解質部材は、1種類の元素Mを含むが、複数種類の元素Mを含んでもよい。
このように、第1実施形態に係る固体電解質部材は、リチウム、元素M、リン、及び硫黄を含んだ固体電解質であるが、それに限られず、リチウム、元素M、及びリン以外の成分を含んだ硫化物系の固体電解質であってもよい。また、固体電解質部材は、LGPS型の結晶構造を持つものに限られず、LiaMbPcSdであることにも限られない。固体電解質部材の組成の他の例については、後述する。
第1実施形態に係る固体電解質部材は、Liの含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、10.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましく、10.7質量%以上12.8質量%以下であることがさらに好ましい。Liの合計含有量がこの範囲となることで、適切な導電性を付与できる。なお、Liの含有量は、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により測定できる。
なお、ICP発光分光分析法を用いてLiの含有量を測定する際には、以下の条件を適用してよい。
・測定装置:SPS3100(SIIナノテクノロジー社製)
・波長範囲:160nm~770nm
・RF出力:1.4kW
・測定装置:SPS3100(SIIナノテクノロジー社製)
・波長範囲:160nm~770nm
・RF出力:1.4kW
第1実施形態に係る固体電解質部材は、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm以下であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。すなわち、固体電解質部材は、Al元素の含有量と、Zr元素の含有量と、Ti元素の含有量と、Si元素の含有量と、W元素の含有量との合計値が、固体電解質部材に含まれる全ての元素の含有量の合計値に対して、上記数値範囲となることが好ましい。固体電解質部材は、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量がこの範囲となることで、不純物が少なく高純度なものとなり、不純物が反応して生成される副生成物の量を抑制して、電池性能の劣化を適切に抑制できる。なお、Al、Zr、Ti、Si、及びWの含有量は、蛍光X線分析法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)により測定できる。また、ここでの電池性能とは、例えばサイクル寿命である。
より詳しくは、蛍光X線分析法を用いる場合には、蛍光X線分析法で測定した蛍光X線の強度スペクトルにおけるピーク強度に基づいて、対象となる元素の含有量を算出してよい。具体的には、蛍光X線の強度スペクトルにおける、対象となる元素のピーク強度に基づいて、固体電解質部材に含まれる全ての元素のうちでLiを除いた元素の合計含有量に対する、対象となる元素の含有量を算出する。そして、次の式(1)を用いて、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量(Liも含めた全元素の合計含有量)に対する、対象となる元素の含有量を算出する。
A=A0・(100-ALi) ・・・(1)
ここで、Aは、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対する、対象となる元素の含有量(質量%)である。また、A0は、蛍光X線の強度スペクトルにおけるピーク強度に基づいて算出した、固体電解質部材に含まれる全ての元素のうちでLiを除いた元素の合計含有量に対する、対象となる元素の含有量(質量%)である。また、ALiは、ICP発光分光分析法を用いて算出したLiの含有量(質量%)である。固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対するAl、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量は、Al、Zr、Ti、Si、及びWのそれぞれについてAを算出して、それぞれのAを合計して算出される。
なお、蛍光X線分析法を用いる場合には、以下の条件を適用してよい。
・測定装置:M4 TORNADO (Bruker社製)
・励起X線:ポリキャピラリーX線光学系Rh管
・出力:50kV、200μA
・X線径:20μm
・測定装置:M4 TORNADO (Bruker社製)
・励起X線:ポリキャピラリーX線光学系Rh管
・出力:50kV、200μA
・X線径:20μm
また、第1実施形態に係る固体電解質部材は、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。すなわち、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が5μm未満となるものを第1固体電解質部材とすると、第1固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、第1固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。同様に、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が5μm以上100μm未満となるものを第2固体電解質部材とすると、第2固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、第2固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。また、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が100μm以上となるものを第3固体電解質部材とすると、第3固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、第3固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。固体電解質部材は、分級したそれぞれにおいて、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量がこの範囲となることで、不純物が少なく高純度なものとなり、不純物が反応して生成される副生成物の量を抑制して、電池性能の劣化を適切に抑制できる。
なお、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上への分級は、SUS製あるいはナイロン製メッシュの篩を用いて行ってよい。例えば、粒子径5μm未満の粒子はナイロンメッシュ(tantore製 #508/585-5 目開き5μm)で分級してよい。また、粒子径5μm以上100μm未満の粒子はJIS規格(JIS Z8801-1)対応の公称目開き100μmのSUS製篩で分級してよい。そして、粒子径5μm未満の粒子、及び5μm以上100μm未満の粒子として分級されずに残った粒子を、粒子径100μ以上の粒子として扱ってよい。また、粒子径は、粒子径分布測定装置、例えばレーザ回折散乱式粒子径分布測定装置LA―960(堀場製作所社製)を用いて測定してよい。
また、第1実施形態に係る固体電解質部材は、平均結晶子径が、50nm以上であることが好ましく、60nm以上500nm以下であることがより好ましく、70nm以上500nm以下であることが更に好ましい。固体電解質部材は、平均結晶子径がこの範囲となることで、結晶成長が進んだ材料となって、電池性能を向上させることができる。さらに言えば、固体電解質部材は、このように結晶成長が進んだ状態においては、不純物の反応により副生成物が生成されやすいが、上記のように不純物の量が少ないため、電池性能を向上させつつ、電池性能の劣化を抑制できる。なお、平均結晶子径は、X線回折法により測定でき、より詳しくは、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上60°以下とする粉末X線回折測定により測定できる。粉末X線回折測定の結果、横軸が2θ、縦軸が測定範囲内の全ピークのうち最大のピーク強度を1としたときの相対強度であるX線回折スペクトルが得られる。そして、X線回折スペクトルにおいて、ピークの回折角、および得られた半値幅を、Scherrerの式である次の式(2)に代入することで、平均結晶子径が測定できる。ただし、Dが結晶子サイズ(平均結晶子径)であり、KがScherrer定数であり、Bがピークの半値幅である。
D=Kλ/Bcosθ ・・・(2)
また、第1実施形態に係る固体電解質部材は、導電率が、1mS/cm以上であることが好ましく、3mS/cm以上であることがよりに好ましく、4mS/cm以上であることが更に好ましい。導電率がこの数値範囲となることで、固体電解質部材としての電池性能を適切に保つことができる。
(固体電解質部材の製造方法)
次に、本実施形態に係る固体電解質部材の製造方法について説明する。ただし、以下の製造方法は一例であり、以下の説明に限られず、任意の方法で本実施形態に係る固体電解質部材を製造してよい。
次に、本実施形態に係る固体電解質部材の製造方法について説明する。ただし、以下の製造方法は一例であり、以下の説明に限られず、任意の方法で本実施形態に係る固体電解質部材を製造してよい。
図1は、本実施形態に係る固体電解質部材の製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態の製造方法においては、最初に、準備ステップにおいて、固体電解質部材の出発原料Aの集合物を準備する(ステップS10;準備ステップ)。
出発原料Aは、固体電解質部材を構成する元素を含んだ各原料であり、ここでの出発原料Aの集合物とは、各原料(各出発原料A)の化学的な変化を伴わずに、各原料の粉末を混合(撹拌)したものを指す。ここでは、各原料が均質になるように混合されることが好ましい。このように、出発原料Aは、1種類の原料を指し、出発原料Aの集合物とは、それぞれの出発原料Aを混合した集合体を指す。また、出発原料Aの集合物は、固体電解質部材を生成する工程の途中に生成される中間生成物ではなく、固体電解質部材を生成する工程を開始する前の状態の原料の集合体を指す。さらに言えば、ここでの出発原料Aの集合物とは、後述の炉10内に収納する前の状態の原料を指す。
本製造方法では、単体硫黄及びLi、P、Mのいずれかを含んだ原料を出発原料とする。
出発原料Aは、固体電解質部材を構成する元素を含んだ各原料であり、ここでの出発原料Aの集合物とは、各原料(各出発原料A)の化学的な変化を伴わずに、各原料の粉末を混合(撹拌)したものを指す。ここでは、各原料が均質になるように混合されることが好ましい。このように、出発原料Aは、1種類の原料を指し、出発原料Aの集合物とは、それぞれの出発原料Aを混合した集合体を指す。また、出発原料Aの集合物は、固体電解質部材を生成する工程の途中に生成される中間生成物ではなく、固体電解質部材を生成する工程を開始する前の状態の原料の集合体を指す。さらに言えば、ここでの出発原料Aの集合物とは、後述の炉10内に収納する前の状態の原料を指す。
本製造方法では、単体硫黄及びLi、P、Mのいずれかを含んだ原料を出発原料とする。
(単体硫黄)
単体硫黄は、不可避的不純物を除き硫黄以外の元素が含まれない硫黄を指す。以降においても、特に断りがない限り、各原料には、不可避的不純物が含まれていてよい。
単体硫黄は、不可避的不純物を除き硫黄以外の元素が含まれない硫黄を指す。以降においても、特に断りがない限り、各原料には、不可避的不純物が含まれていてよい。
(S原料、Li原料、P原料、M原料)
出発原料Aは、固体電解質部材を構成する元素を含んだ原料なので、本実施形態では、硫黄を含むS原料と、リチウムを含むLi原料と、リンを含むP原料と、元素Mを含むM原料と、を含んでいるといえる。
出発原料Aは、固体電解質部材を構成する元素を含んだ原料なので、本実施形態では、硫黄を含むS原料と、リチウムを含むLi原料と、リンを含むP原料と、元素Mを含むM原料と、を含んでいるといえる。
(S原料)
S原料は、上述のように、単体硫黄である。
S原料は、上述のように、単体硫黄である。
(Li原料)
Li原料は、単体リチウム、リチウムと元素Mの化合物、リチウムとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、リチウムと硫黄の化合物(硫化リチウム)、リチウムと元素Mと硫黄の化合物(例えばLi4GeS4、Li4SnS4など)、リチウムとリンと硫黄の化合物(例えばLi3PS4)、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。なお、Li原料が、リチウムと他の元素との化合物である場合、Li原料は、他の元素の原料を兼ねることになり、例えばLi原料がリチウムとリンの化合物である場合、リチウムとリンの化合物が、Li原料であってP原料であるということができる。
Li原料は、単体リチウム、リチウムと元素Mの化合物、リチウムとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、リチウムと硫黄の化合物(硫化リチウム)、リチウムと元素Mと硫黄の化合物(例えばLi4GeS4、Li4SnS4など)、リチウムとリンと硫黄の化合物(例えばLi3PS4)、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。なお、Li原料が、リチウムと他の元素との化合物である場合、Li原料は、他の元素の原料を兼ねることになり、例えばLi原料がリチウムとリンの化合物である場合、リチウムとリンの化合物が、Li原料であってP原料であるということができる。
(P原料)
P原料は、リンの単体、リチウムとリンの化合物、元素Mとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、リンと硫黄の化合物(硫化リン)、リチウムとリンと硫黄の化合物(例えばLi3PS4)、元素Mとリンと硫黄の化合物、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。
P原料は、リンの単体、リチウムとリンの化合物、元素Mとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、リンと硫黄の化合物(硫化リン)、リチウムとリンと硫黄の化合物(例えばLi3PS4)、元素Mとリンと硫黄の化合物、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。
(M原料)
M原料は、元素Mの単体、リチウムと元素Mとの化合物、元素Mとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、元素Mと硫黄の化合物(例えばGeS、GeS2、SnS、SnS2など)、リチウムと元素Mと硫黄の化合物、元素Mとリンと硫黄の化合物(例えばGeP、Sn3P4など)、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。
M原料は、元素Mの単体、リチウムと元素Mとの化合物、元素Mとリンの化合物、及び、リチウムと元素Mとリンの化合物、元素Mと硫黄の化合物(例えばGeS、GeS2、SnS、SnS2など)、リチウムと元素Mと硫黄の化合物、元素Mとリンと硫黄の化合物(例えばGeP、Sn3P4など)、及び、リチウムと元素Mとリンと硫黄の化合物の、少なくとも1つとなる。
(混合方法)
次に、各原料の混合方法について説明する。準備ステップにおいては、各原料(単体硫黄、Li原料、P原料、M原料)を製造される固体電解質部材の組成となるような重量比で秤量して、出発原料Aとして、それぞれの出発原料Aを混合して出発原料Aの集合物とする。
本実施形態においては、単体硫黄と、Li原料と、P原料と、M原料を、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で秤量して混合するが、それに限られず、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気中で混合してもよい。また、本実施形態においては、混合した単体硫黄と、Li原料と、P原料と、M原料とを、押し固めてペレット状に成形するが、ペレット状に成形されることに限られない。
次に、各原料の混合方法について説明する。準備ステップにおいては、各原料(単体硫黄、Li原料、P原料、M原料)を製造される固体電解質部材の組成となるような重量比で秤量して、出発原料Aとして、それぞれの出発原料Aを混合して出発原料Aの集合物とする。
本実施形態においては、単体硫黄と、Li原料と、P原料と、M原料を、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で秤量して混合するが、それに限られず、例えば窒素などの不活性ガス雰囲気中で混合してもよい。また、本実施形態においては、混合した単体硫黄と、Li原料と、P原料と、M原料とを、押し固めてペレット状に成形するが、ペレット状に成形されることに限られない。
準備ステップにおいては、出発原料Aとして秤量した各原料(単体硫黄、Li原料、P原料、M原料)を混合して、出発原料Aの集合物とする。ここでの混合は、各原料が均一に分散する程度の撹拌を言い、メカニカルミリング法のような各原料の機械的、化学的変化を伴わない。従って、本製造方法で生成された出発原料Aの集合物を、CuKα線を用いたX線回折法で測定した場合、出発原料Aを構成する結晶性物質の結晶ピークが検出され、かつ、それ以外の結晶ピークが検出されない。
また、単体硫黄と、Li原料、P原料、及びM原料として、例えばLi2S、単体P、金属Sn(単体Sn)を使用した場合には、本製造方法で生成された出発原料Aの集合物を、CuKα線を用いたX線回折法で測定すると、結晶ピークとして以下の式(3)から式(11)のピークが検出される。なお、ここでの結晶ピークとは、強度が閾値以上のピークを指し、ここでの閾値は、例えば測定結果の最大ピーク強度を1とした場合の相対強度0.05である。
また、単体硫黄と、Li原料、P原料、及びM原料として、例えばLi2S、単体P、金属Sn(単体Sn)を使用した場合には、本製造方法で生成された出発原料Aの集合物を、CuKα線を用いたX線回折法で測定すると、結晶ピークとして以下の式(3)から式(11)のピークが検出される。なお、ここでの結晶ピークとは、強度が閾値以上のピークを指し、ここでの閾値は、例えば測定結果の最大ピーク強度を1とした場合の相対強度0.05である。
2θ=23.06±0.50・・・(3)
2θ=25.83±0.50・・・(4)
2θ=27.00±0.50・・・(5)
2θ=27.71±0.50・・・(6)
2θ=30.63±0.50・・・(7)
2θ=32.01±0.50・・・(9)
2θ=44.81±0.50・・・(10)
2θ=44.89±0.50・・・(11)
2θ=25.83±0.50・・・(4)
2θ=27.00±0.50・・・(5)
2θ=27.71±0.50・・・(6)
2θ=30.63±0.50・・・(7)
2θ=32.01±0.50・・・(9)
2θ=44.81±0.50・・・(10)
2θ=44.89±0.50・・・(11)
準備ステップでは、各原料の混合条件を、混合時間を10分間以下とし、せん断方向に印加される単位面積当たりの荷重の上限を、0.1N/mm2以下とすることで、生成された出発原料Aで各原料の結晶ピークを適切に検出可能にしている。
図1に示すように、準備ステップで出発原料Aの集合物を準備したら、出発原料Aの集合物を加熱して、固体電解質部材を生成する生成ステップを実行する(ステップS12;生成ステップ)。すなわち、生成ステップの前においては、出発原料Aに含まれている単体硫黄、Li原料、P原料、及びM原料同士は、化学反応によって互いに結合していないが、生成ステップにおいて、化学反応によって結合し、化学式がLiaMbPcSdで表される固体電解質部材が生成される。
具体的には、生成ステップにおいては、出発原料Aを温度T1まで加熱して、温度T1で所定の保持時間保持することで、固体電解質部材を生成する。
温度T1は、400℃以上1000℃以下であることが好ましく、500℃以上600℃以下であることがより好ましく、500℃以上560℃以下であることが更に好ましい。温度T1をこの数値範囲とすることで、液化した単体硫黄がS以外の原料と化学反応によって結合し、固体電解質部材を適切に生成できる。
また、温度T1での保持時間は、1時間以上72時間以下であることが好ましく、1時間以上24時間以下であることがより好ましく、1時間以上12時間以下であることが更に好ましい。保持時間をこの数値範囲とすることで、各原料を適切に反応させて、固体電解質部材を適切に生成できる。
具体的には、生成ステップにおいては、出発原料Aを温度T1まで加熱して、温度T1で所定の保持時間保持することで、固体電解質部材を生成する。
温度T1は、400℃以上1000℃以下であることが好ましく、500℃以上600℃以下であることがより好ましく、500℃以上560℃以下であることが更に好ましい。温度T1をこの数値範囲とすることで、液化した単体硫黄がS以外の原料と化学反応によって結合し、固体電解質部材を適切に生成できる。
また、温度T1での保持時間は、1時間以上72時間以下であることが好ましく、1時間以上24時間以下であることがより好ましく、1時間以上12時間以下であることが更に好ましい。保持時間をこの数値範囲とすることで、各原料を適切に反応させて、固体電解質部材を適切に生成できる。
図2は、固体電解質部材を生成する設備の模式図である。図2に示すように、炉10は、出発原料Aを加熱して固体電解質部材を生成するための炉である。炉10は、加熱部12が設けられている。加熱部12は、炉10内を加熱する熱源である。なお、図2の構造は一例であり、固体電解質部材を生成する設備は、図2の構造に限られない。
生成ステップにおいては、所定のガス雰囲気中で、炉10内に出発原料Aを収納して、炉10を密閉する。そして、出発原料Aが収納された炉10内を加熱部12で加熱して温度T1に到達させ、温度T1のまま所定の保持時間、保持する。なお、炉10内に充填されるガスは、任意のものであってよく、アルゴンなどの不活性ガス(希ガス)であってもよいし、硫化水素であってもよい。なお、炉を密閉することは必須でなく、例えば炉を密封せず、所定のガスを供給しながら加熱してもよい。例えば100mL/minでアルゴンを供給しながら加熱してもよい。
出発原料A中の単体硫黄は、温度T1に到達するまでに溶融して液化し、液化した硫黄と他の原料との固液反応により、固体電解質部材が生成される。
出発原料A中の単体硫黄は、温度T1に到達するまでに溶融して液化し、液化した硫黄と他の原料との固液反応により、固体電解質部材が生成される。
このように、本製造方法では、出発原料Aを炉10内に収納したら、出発原料Aを炉10内から取り出すことなく、固体電解質部材を生成させる。言い換えれば、本製造方法では、出発原料Aから生成されたLi、P、及び元素Mの硫化物(中間生成物)を炉10内に保持したまま、すなわち炉10から外部に取り出さずに、固体電解質部材を生成する。すなわち、出発原料Aから生成されたLi、P、及び元素Mの硫化物(中間生成物)は、大気中に晒されずに、所定のガス雰囲気中の炉10内で密閉されたまま反応して、固体電解質部材となる。
なお、本実施形態では、生成ステップにおいて、温度T1での一段階の加熱しか行わなかったが、複数段階での加熱を行ってもよい。この場合例えば、温度T1で加熱する前に、温度T2で所定時間加熱して、単体硫黄を溶融させる工程を実行してもよい。温度T2で加熱する工程を設けることで、単体硫黄を確実に液化させた状態で、温度T1での焼成を行うことが可能となり、固体電解質部材を適切に生成できる。ここでの温度T2は、温度T1より低く、単体硫黄の融点より高い温度であり、例えば115℃以上150℃以下である。
(効果)
ここで、固体電解質部材は、Li、P、及びSなどの組成とは別に、Al、Zr、Ti、Si、及びWなどの不純物が含まれている場合、これらの不純物が反応することで、副生成物が生成される可能性がある。副生成物が形成されると、固体電解質部材の電池特性が劣化するおそれがある。なお、ここでの電池性能とは、上述のように、例えばサイクル寿命である。それに対し、本実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを含むものであって、ICP発光分光分析法により測定されるLiの含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下である。また、本実施形態に係る固体電解質部材は、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。また、本実施形態に係る固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。そのため、本実施形態に係る固体電解質部材は、全体及び粒子径サイズに関わらず、不純物の含有量を少なくして、電池性能の劣化を好適に抑制できる。さらに言えば、表面近傍に存在する不純物ほど、反応しやすいが、本実施形態に係る固体電解質部材は、表面近傍に存在する不純物の比率が高くなる傾向にある粒子径の小さい固体電解質部材に対しても、不純物量も少なくしているため、電池性能の劣化を好適に抑制できる。
ここで、固体電解質部材は、Li、P、及びSなどの組成とは別に、Al、Zr、Ti、Si、及びWなどの不純物が含まれている場合、これらの不純物が反応することで、副生成物が生成される可能性がある。副生成物が形成されると、固体電解質部材の電池特性が劣化するおそれがある。なお、ここでの電池性能とは、上述のように、例えばサイクル寿命である。それに対し、本実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを含むものであって、ICP発光分光分析法により測定されるLiの含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下である。また、本実施形態に係る固体電解質部材は、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。また、本実施形態に係る固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。そのため、本実施形態に係る固体電解質部材は、全体及び粒子径サイズに関わらず、不純物の含有量を少なくして、電池性能の劣化を好適に抑制できる。さらに言えば、表面近傍に存在する不純物ほど、反応しやすいが、本実施形態に係る固体電解質部材は、表面近傍に存在する不純物の比率が高くなる傾向にある粒子径の小さい固体電解質部材に対しても、不純物量も少なくしているため、電池性能の劣化を好適に抑制できる。
また、本実施形態に係る固体電解質部材は、平均結晶子径が、50nm以上であり、かつ、導電率が4mS/cm以上であることが好ましい。本実施形態に係る固体電解質部材は、平均結晶子径が50nm以上であることで、電池性能を適切に向上させることができる。さらにいえば、このように結晶成長が進んだ状態においては、不純物の反応により副生成物が生成されやすいが、本実施形態に係る固体電解質部材は、上記のように不純物の量が少ないため、電池性能を向上させつつ、電池性能の劣化を抑制できる。
また、本実施形態に係る固体電解質部材は、LGPS型の結晶構造を有することが好ましい。LGPS型であることで、リチウム電池などに好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る固体電解質部材は、空間群P42nmcの結晶構造を持ち、CuKα線を用いたX線回折法で測定した場合、以下の式(12)から式(16)のピークが検出されることが好ましい。また、本実施形態に係る固体電解質部材は、CuKα線を用いたX線回折法で測定した場合、式(15)のピークより高角側に、結晶ピークとして式(17)のピークが検出されないか、又は、式(16)のピークの回折強度をIAとし式(17)のピークの回折強度をIBとした場合に、IB/IAが0.50未満となるような、式(17)のピークが検出されることが好ましい。すなわち、本実施形態に係る固体電解質部材は、いわゆるLGPS型の、LiaMbPcSd(より好ましくはLi10GeP2S12)であることが好ましい。なお、回折強度とは、X線回折法で測定された波形のピーク高さを指す。
2θ=17.38°±0.50°・・・(12)
2θ=20.18°±0.50°・・・(13)
2θ=20.44°±0.50°・・・(14)
2θ=26.96°±0.50°・・・(15)
2θ=29.58°±0.50°・・・(16)
2θ=27.33°±0.50°・・・(17)
2θ=20.18°±0.50°・・・(13)
2θ=20.44°±0.50°・・・(14)
2θ=26.96°±0.50°・・・(15)
2θ=29.58°±0.50°・・・(16)
2θ=27.33°±0.50°・・・(17)
また、本実施形態に係る固体電解質部材の製造方法は、Li、P、及びSを含む出発原料の集合物を準備する準備ステップと、出発原料の集合物を加熱して固体電解質部材を生成する生成ステップとを含むことが好ましい。準備ステップにおいては、生成した出発原料の集合物をX線回折法で測定した場合に、結晶性物質の結晶ピークが検出できるように、出発原料を混合して出発原料の集合物を生成することが好ましい。本製造方法によると、固液反応で固体電解質部材を製造するため、結晶が残る程度の混合で適切に固体電解質部材を製造できる。そのため、本製造方法によると、混合工程を簡略化して、短時間で多くの固体電解質部材を製造することを可能としつつ、メカニカルミリングを不要として、製造工程時の不純物の混入を抑制して、電池性能の劣化を抑制できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを主成分とし、実質的にはSiを含まないものであるのに対し、第2実施形態に係る固体電解質部材は、Siも含む点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る固体電解質部材は、Li、P、及びSを主成分とし、実質的にはSiを含まないものであるのに対し、第2実施形態に係る固体電解質部材は、Siも含む点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
第2実施形態に係る固体電解質部材は、Li、Si、P、及びSを含むものであり、言い換えれば、元素Mとして、少なくともSiを含む。第2実施形態においては、元素Mとして、Siのみを含んでもよいし、Siに加えて、AlとSiを除いた13族、14族及び15族の少なくとも1種の元素を含んでもよい。さらに言えば、第2実施形態においては、元素Mとして、Siに加えて、Ge及びSnの少なくとも1種を含んでもよい。
第2実施形態に係る固体電解質部材は、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm以下であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。すなわち、固体電解質部材は、Al元素の含有量と、Zr元素の含有量と、Ti元素の含有量と、W元素の含有量との合計値が、固体電解質部材に含まれる全ての元素の含有量の合計値に対して、上記数値範囲となることが好ましい。固体電解質部材は、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量がこの範囲となることで、不純物が少なく高純度なものとなり、不純物が反応して生成される副生成物の量を抑制して、電池性能の劣化を適切に抑制できる。なお、Al、Zr、Ti、及びWの含有量は、蛍光X線分析法により測定できる。
また、第2実施形態に係る固体電解質部材は、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。すなわち、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が5μm未満となるものを第1固体電解質部材とすると、第1固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、第1固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。同様に、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が5μm以上100μm未満となるものを第2固体電解質部材とすると、第2固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、第2固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。また、本実施形態に係る固体電解質部材のうちで、粒子径が100μm以上となるものを第3固体電解質部材とすると、第3固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、第3固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、80ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。
以上説明したように、第2実施形態に係る固体電解質部材は、Li、Si、P、及びSを含むものであって、ICP発光分光分析法により測定されるLiの含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下である。また、第2実施形態に係る固体電解質部材は、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。また、第2実施形態に係る固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である。そのため、第2実施形態に係る固体電解質部材は、全体及び粒子径サイズに関わらず、不純物の含有量を少なくして、電池性能の劣化を好適に抑制できる。
なお、第2実施形態の固体電解質部材の製造方法は、M原料としてSiを含む原料を用いる点以外は、第1実施形態の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
(他の例)
以上の説明では、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdで表されるものであったが、組成はそれに限られない。以下、固体電解質部材の変形例を説明する。なお、以降で説明する変形例は、第1実施形態の固体電解質部材、及び第2実施形態の固体電解質部材の両方に適用可能である。
以上の説明では、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdで表されるものであったが、組成はそれに限られない。以下、固体電解質部材の変形例を説明する。なお、以降で説明する変形例は、第1実施形態の固体電解質部材、及び第2実施形態の固体電解質部材の両方に適用可能である。
(第1変形例)
第1変形例で説明するように、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdHaeで表されるものであってもよい。ここで、a、b、c、d、eは、0より大きい数字である。また、元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
第1変形例で説明するように、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcSdHaeで表されるものであってもよい。ここで、a、b、c、d、eは、0より大きい数字である。また、元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
第1変形例の固体電解質部材は、CuKα線を用いたX線回折法で測定した場合、以下の式(18)から式(19)の位置にピークが検出されることが好ましい。
2θ=26.96°±0.50°・・・(18)
2θ=29.58°±0.50°・・・(19)
2θ=29.58°±0.50°・・・(19)
また、第1変形例の固体電解質部材は、CuKα線を用いたX線回折法で測定した場合に、式(18)のピークより高角側に、以下の式(20)の位置にピークが検出されてもよいし、されなくてもよい。すなわち、第1変形例では、式(20)の位置にピークが検出される固体電解質部材を製造してもよいし、式(20)の位置にピークが検出されない固体電解質部材を製造してもよい。
2θ=27.33°±0.50°・・・(20)
ここで、第1変形例の固体電解質部材の、CuKα線を用いたX線回折測定における式(19)の位置のピークの回折強度をIAとし、CuKα線を用いたX線回折測定における式(20)の位置の開設強度をIBとした際に、IB/IAの値は、0.50未満であることが好ましい。
(第2変形例)
第2変形例で説明するように、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcXdSeHafで表されるものである。ここで、a、b、c、d、e、fは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
元素Xは、S以外の16族の元素であり、より好ましくは、O、Se、Teの少なくとも1種の元素である。
第2変形例で説明するように、固体電解質部材は、化学式がLiaMbPcXdSeHafで表されるものである。ここで、a、b、c、d、e、fは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
元素Xは、S以外の16族の元素であり、より好ましくは、O、Se、Teの少なくとも1種の元素である。
第2変形例の固体電解質部材は、第1変形例の固体電解質部材と同様に、式(14)の位置にピークが検出されることが好ましい。また、第2変形例で製造される固体電解質部材は、第1変形例の固体電解質部材と同様に、式(19)の位置にピークが検出されてもよいし、されなくてもよい第2変形例の固体電解質部材は、第2実施形態の固体電解質部材と同様に、IB/IAの値が、0.50未満であることが好ましい。
なお、第2変形例においては、本実施形態の固体電解質部材に対して、元素Haと元素Xが導入されたものであったが、元素Haが導入されずに元素Xが導入されるものであってもよい。すなわち、固体電解質部材は、LiaMbPcXdSeで表されるものであってもよい。この場合、a、b、c、d、eは、0より大きい数字である。
(第3変形例)
第3変形例の固体電解質部材は、Argyrodite型結晶構造の結晶相を有する。第3変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaPbScHadで表されるものである。ここで、a、b、c、dは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
第3変形例の固体電解質部材は、Argyrodite型結晶構造の結晶相を有する。第3変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaPbScHadで表されるものである。ここで、a、b、c、dは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
(第4変形例)
第4変形例の固体電解質部材は、Argyrodite型結晶構造の結晶相を有する。第4変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaPbXcSdHaeで表されるものである。ここで、a、b、c、d、eは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
元素Xは、S以外の16族の元素であり、より好ましくは、O、Se、Teの少なくとも1種の元素である。
第4変形例の固体電解質部材は、Argyrodite型結晶構造の結晶相を有する。第4変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaPbXcSdHaeで表されるものである。ここで、a、b、c、d、eは、0より大きい数字である。
元素Haは、ハロゲン元素であり、より好ましくは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも1種の元素である。
元素Xは、S以外の16族の元素であり、より好ましくは、O、Se、Teの少なくとも1種の元素である。
(第5変形例)
第5変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaMbScで表されるものである。ここで、a、b、cは、0より大きい数字である。
第5変形例の固体電解質部材は、化学式がLiaMbScで表されるものである。ここで、a、b、cは、0より大きい数字である。
第5変形例においては、本実施形態の固体電解質部材に対して、Pを除いたものであったが、それに対して元素Xが導入されるものであってもよい。すなわち、固体電解質部材は、LiaMbXcSdで表されるものであってもよい。この場合、a、b、c、dは、0より大きい数字であり、元素Xは、S以外の16族の元素であり、より好ましくは、O、Se、Teの少なくとも1種の元素である。
(実施例)
次に、実施例について説明する。表1は、各例の原料の配合量を示している。
次に、実施例について説明する。表1は、各例の原料の配合量を示している。
(実施例1)
実施例1においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムを用い、P原料として単体リン、M原料として金属スズを用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、単体リンと、金属スズと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.71g、硫化リチウムを0.72g、単体リンを0.20g、金属スズを0.37g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
実施例1においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムを用い、P原料として単体リン、M原料として金属スズを用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、単体リンと、金属スズと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.71g、硫化リチウムを0.72g、単体リンを0.20g、金属スズを0.37g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
(実施例2)
実施例2においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムを用い、P原料として単体リン、M原料として金属ケイ素を用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、単体リンと、金属スズと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.83g、硫化リチウムを0.84g、単体リンを0.23g、金属ケイ素を0.10g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
実施例2においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムを用い、P原料として単体リン、M原料として金属ケイ素を用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、単体リンと、金属スズと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.83g、硫化リチウムを0.84g、単体リンを0.23g、金属ケイ素を0.10g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
(実施例3)
実施例3においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムと塩化リチウムを用い、P原料として単体リン、を用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、塩化リチウムと、単体リンと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.60g、硫化リチウムを0.92g、塩化リチウムを0.28g、単体リンを0.23g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を500℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
実施例3においては、出発原料に単体硫黄、Li原料として硫化リチウムと塩化リチウムを用い、P原料として単体リン、を用いた。アルゴン雰囲気で露点が-70℃以下のグローブボックス内で、単体硫黄と硫化リチウムと、塩化リチウムと、単体リンと、を、所望の組成となるように秤量し、色が均一となる程度にSUS製乳鉢で5分混合してペレット状に成形した。ここでは、単体硫黄を0.60g、硫化リチウムを0.92g、塩化リチウムを0.28g、単体リンを0.23g、混合した。そして、カーボン製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を500℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
(比較例1)
比較例1においては、出発原料にLi原料として硫化リチウムを用い、P原料として硫化リンを用い、M原料として硫化スズを用いた。ここでは、硫化リチウムを0.72g、硫化リンを0.70g、硫化スズを0.58g、混合した。また、混合条件は、10mmφの炭化タングステン製メディアを使用したボールミルを使用し、360rpmの条件で24時間混合した後、ペレット状に成形した。そして、アルミナ製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
比較例1においては、出発原料にLi原料として硫化リチウムを用い、P原料として硫化リンを用い、M原料として硫化スズを用いた。ここでは、硫化リチウムを0.72g、硫化リンを0.70g、硫化スズを0.58g、混合した。また、混合条件は、10mmφの炭化タングステン製メディアを使用したボールミルを使用し、360rpmの条件で24時間混合した後、ペレット状に成形した。そして、アルミナ製焼成容器に入れたペレットを炉内に設置し、アルゴン雰囲気で炉内を560℃で加熱して保持した。ここでの保持時間は、6時間とした。その後、1℃/minで冷却して、固体電解質部材を得た。
(Liの含有量の測定)
各例について、ICP発光分光分析法を用いて、Liの含有量を測定した。前処理として、王水フッ酸を用いて密閉加圧分解した溶液に、硫酸を用いて白煙処理を施し、塩酸及び水を加えた溶液を測定液とした。装置は、SIIナノテクノロジー製誘導結合プラズマ発光分析装置SPS3100を用いた。
各例について、ICP発光分光分析法を用いて、Liの含有量を測定した。前処理として、王水フッ酸を用いて密閉加圧分解した溶液に、硫酸を用いて白煙処理を施し、塩酸及び水を加えた溶液を測定液とした。装置は、SIIナノテクノロジー製誘導結合プラズマ発光分析装置SPS3100を用いた。
(Li以外の元素の含有量の測定)
各例について、蛍光X線分析法を用いて、Li以外の元素の含有量を測定した。測定条件は以下とした。
・測定装置:M4 TORNADO (Bruker社製)
・励起X線:ポリキャピラリーX線光学系Rh管
・出力:50kV、200μA
・X線径:20μm
各例について、蛍光X線分析法を用いて、Li以外の元素の含有量を測定した。測定条件は以下とした。
・測定装置:M4 TORNADO (Bruker社製)
・励起X線:ポリキャピラリーX線光学系Rh管
・出力:50kV、200μA
・X線径:20μm
また、各例について、粒子径が5μm未満となる第1固体電解質部材と、粒子径が5μm以上100μm未満となる第2固体電解質部材と、粒子径が100μm以上となる第3固体電解質部材とに分級して、第1固体電解質部材、第2固体電解質部材、及び第3固体電解質部材のそれぞれについて、蛍光X線分析法を用いて、上記条件でLi以外の元素の含有量を測定した。
(各元素の含有量の測定結果)
表2に、各元素の含有量の測定結果を示す。
表2に、各元素の含有量の測定結果を示す。
表2において、ICP結果とは、ICP発光分光分析法を用いて測定された、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対する、Liの含有量(質量%)である。また、XRF結果とは、蛍光X線分析法を用いて測定された、固体電解質部材に含まれる全ての元素のうちでLiを除いた元素の合計含有量に対する、対象となる元素の含有量(質量%)である。また、質量比とは、Liについては、ICP発光分光分析法を用いて測定された、固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対する、Liの含有量(質量%)であり、Li以外の元素については、上述の実施形態の式(1)を用いて算出された値である。
表2に示すように、実施例1においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が40ppm、Siの含有量が19ppmであり、Zr、Ti、Wについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、Si及びWの合計含有量は、100ppm未満であった。
同様に、実施例2においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が44ppmであり、Zr、Ti、Wについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量は、100ppm未満であった。
同様に、実施例3においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が52ppm、Siの含有量が25ppmであり、Zr、Ti、Wについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、Si及びWの合計含有量は、100ppm未満であった。
一方、比較例1においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が978ppm、Siの含有量が459ppm、Wの含有量が214ppmであり、Zr、Tiについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、Si及びWの合計含有量は、100ppm未満の範囲外となった。
同様に、実施例2においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が44ppmであり、Zr、Ti、Wについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量は、100ppm未満であった。
同様に、実施例3においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が52ppm、Siの含有量が25ppmであり、Zr、Ti、Wについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、Si及びWの合計含有量は、100ppm未満であった。
一方、比較例1においては、分級しない固体電解質部材(固体電解質部材全体)において、Alの含有量が978ppm、Siの含有量が459ppm、Wの含有量が214ppmであり、Zr、Tiについては検出されなかったため、Al、Zr、Ti、Si及びWの合計含有量は、100ppm未満の範囲外となった。
また、表2に示すように、実施例1においては、分級した第1固体電解質部材、第2固体電解質部材、及び第3固体電解質部材のそれぞれについて、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、100ppm未満となり、比較例1では、分級した第1固体電解質部材、第2固体電解質部材、及び第3固体電解質部材のそれぞれについて、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、100ppm未満の範囲外となった。
(平均結晶子径)
また、各例の固体電解質部材について、本実施形態で説明した方法を用いて、平均結晶子径(nm)を測定した。測定結果は表2に示す。
また、各例の固体電解質部材について、本実施形態で説明した方法を用いて、平均結晶子径(nm)を測定した。測定結果は表2に示す。
(導電率)
また、各例の固体電解質部材について、アルゴン雰囲気中のグローブボックス内においてメノウ乳鉢で粉砕し、SUS製の導電率測定用セルを使用して、Biologic社製ポテンショ/ガルバノスタットSP-300で交流インピーダンス測定を実施して、導電率を測定した。測定条件は、25℃で、1Hz~1MHzの測定範囲とした。それぞれの導電率の測定結果を表2に示す。
また、各例の固体電解質部材について、アルゴン雰囲気中のグローブボックス内においてメノウ乳鉢で粉砕し、SUS製の導電率測定用セルを使用して、Biologic社製ポテンショ/ガルバノスタットSP-300で交流インピーダンス測定を実施して、導電率を測定した。測定条件は、25℃で、1Hz~1MHzの測定範囲とした。それぞれの導電率の測定結果を表2に示す。
(結晶構造)
また、各例の固体電解質部材について、CuKα線を用いてX線回折スペクトルを測定し、結晶構造を確認した。図3は、各例のXRDスペクトルを示すグラフである。表3は2θ=15°~55°で確認された結晶ピークの回折角と相対強度、及び推定される結晶構造の空間群である。結晶ピークは閾値以上の強度を持つピークとし、ここでの閾値は、例えば測定結果の最大ピーク強度を1とした場合の相対強度0.05である。
表3は、実施例1、実施例2がLGPS構造をとることを示す。なお、表3におけるLGPS構造とは、空間群P42nmcの結晶構造を持ち、CuKα線を用いたX線回折測定で測定すると、結晶ピークとして以下の式(A)から式(E)のピークが検出され、式(E)のピークの回折強度をIAとし式(F)のピークの回折強度をIBとした場合に、IB/IAが0.50未満となる構造を意味する。
2θ=17.38°±0.50°・・・(A)
2θ=20.18°±0.50°・・・(B)
2θ=20.44°±0.50°・・・(C)
2θ=26.96°±0.50°・・・(D)
2θ=29.58°±0.50°・・・(E)
2θ=27.33°±0.50°・・・(F)
また表3は、実施例3がArgyrodite型の結晶構造をとることを示す。
また、各例の固体電解質部材について、CuKα線を用いてX線回折スペクトルを測定し、結晶構造を確認した。図3は、各例のXRDスペクトルを示すグラフである。表3は2θ=15°~55°で確認された結晶ピークの回折角と相対強度、及び推定される結晶構造の空間群である。結晶ピークは閾値以上の強度を持つピークとし、ここでの閾値は、例えば測定結果の最大ピーク強度を1とした場合の相対強度0.05である。
表3は、実施例1、実施例2がLGPS構造をとることを示す。なお、表3におけるLGPS構造とは、空間群P42nmcの結晶構造を持ち、CuKα線を用いたX線回折測定で測定すると、結晶ピークとして以下の式(A)から式(E)のピークが検出され、式(E)のピークの回折強度をIAとし式(F)のピークの回折強度をIBとした場合に、IB/IAが0.50未満となる構造を意味する。
2θ=17.38°±0.50°・・・(A)
2θ=20.18°±0.50°・・・(B)
2θ=20.44°±0.50°・・・(C)
2θ=26.96°±0.50°・・・(D)
2θ=29.58°±0.50°・・・(E)
2θ=27.33°±0.50°・・・(F)
また表3は、実施例3がArgyrodite型の結晶構造をとることを示す。
(評価)
図4は、サイクル寿命の測定結果を示すグラフである。以上のようにして得られた固体電解質部材を、成形圧600MPaで直径10mmのペレットに成型した固体電解質部材をセパレータとし、カソードとしてニオブ酸リチウムコーティングしたコバルト酸リチウムを用い、アノードとしてリチウム-インジウム合金を用いて、挟み込んだ全固体リチウム電池を準備した。
また、準備した全固体リチウム電池に対して、1/10C(=15mA/g)の電流で定電流試験を行った。初回の放電電流容量を100%としたときの100サイクルまでの結果を、図4に示す。図4に示すように、実施例1、実施例2及び実施例3では、比較例1に比べて、充放電サイクルを経過したときの劣化を抑制でき、電池性能の劣化を好適に抑制できることが分かる。これはAl、Zr、Ti、Si及びWなどの不純物量が少ないため、不純物に由来する副生成物の生成量が抑制され、電池性能の劣化が抑制されたためと考えられる。実施例2ではSiが含まれるが、この場合のSiは固体電解質結晶を構成しているため副生物を生成せず電池性能を劣化には関与しなかったと考えられる。
図4は、サイクル寿命の測定結果を示すグラフである。以上のようにして得られた固体電解質部材を、成形圧600MPaで直径10mmのペレットに成型した固体電解質部材をセパレータとし、カソードとしてニオブ酸リチウムコーティングしたコバルト酸リチウムを用い、アノードとしてリチウム-インジウム合金を用いて、挟み込んだ全固体リチウム電池を準備した。
また、準備した全固体リチウム電池に対して、1/10C(=15mA/g)の電流で定電流試験を行った。初回の放電電流容量を100%としたときの100サイクルまでの結果を、図4に示す。図4に示すように、実施例1、実施例2及び実施例3では、比較例1に比べて、充放電サイクルを経過したときの劣化を抑制でき、電池性能の劣化を好適に抑制できることが分かる。これはAl、Zr、Ti、Si及びWなどの不純物量が少ないため、不純物に由来する副生成物の生成量が抑制され、電池性能の劣化が抑制されたためと考えられる。実施例2ではSiが含まれるが、この場合のSiは固体電解質結晶を構成しているため副生物を生成せず電池性能を劣化には関与しなかったと考えられる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
A 出発原料
Claims (6)
- Li、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により測定されるLiの含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、前記固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、Si、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である、
固体電解質部材。 - Li、Si、P、及びSを含む固体電解質部材であって、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)により測定されるLiの含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、8.1質量%以上17.9質量%以下であり、蛍光X線分析法(XRF:X-ray fluorescence spectroscopy)により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満であり、前記固体電解質部材を、粒子径が5μm未満、粒子径が5μm以上100μm未満、及び粒子径が100μm以上に分級した場合に、分級したそれぞれの固体電解質部材において、蛍光X線分析法により測定される、Al、Zr、Ti、及びWの合計含有量が、前記固体電解質部材に含まれる元素の合計含有量に対し、質量基準で、100ppm未満である、
固体電解質部材。 - 平均結晶子径が、50nm以上であり、かつ、導電率が4mS/cm以上である、請求項1又は請求項2に記載の固体電解質部材。
- 空間群P42nmcの結晶構造を持ち、CuKα線を用いたX線回折測定で測定すると、結晶ピークとして以下の式(A)から式(E)のピークが検出され、式(D)のピークより高角側に、結晶ピークとして式(F)のピークが検出されないか、又は、式(E)のピークの回折強度をIAとし式(F)のピークの回折強度をIBとした場合に、IB/IAが0.50未満となるような、式(F)のピークが検出される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体電解質部材。
2θ=17.38°±0.50°・・・(A)
2θ=20.18°±0.50°・・・(B)
2θ=20.44°±0.50°・・・(C)
2θ=26.96°±0.50°・・・(D)
2θ=29.58°±0.50°・・・(E)
2θ=27.33°±0.50°・・・(F) - Argyrodite型の結晶構造を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体電解質部材。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体電解質部材の製造方法であって、 Li、P、及び単体の硫黄を含む出発原料の集合物を準備する準備ステップと、前記出発原料の集合物を加熱して前記固体電解質部材を生成する生成ステップと、を含み、前記準備ステップにおいては、生成した前記出発原料の集合物をX線回折法で測定した場合に、結晶性物質の結晶ピークが検出できるように、前記出発原料を混合して前記出発原料の集合物を生成する、
固体電解質部材の製造方法。
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