JP2023098928A - 電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の反りが抑制され、所望する円筒の形状を安定して得られる電磁波シールドテープ、その製造方法及び電磁波シールドケーブルを提供する。【解決手段】金属層と樹脂層とを備え、トヨが0.06以下であり、カールが0.4以下であり、電線被覆用であり、金属層が、Cu層若しくはCu合金層と、Sn層若しくはSn合金層とを備える電磁波シールドテープであって、電磁波シールドケーブルは、電磁波シールドテープで被覆される。電磁波シールドテープの製造方法は、金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含み、積層させる工程において、張力比率(前記金属箔の張力/前記樹脂フィルムの張力)が、3.0以下であ。【選択図】図1
Description
本発明は電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブルに関する。具体的には、本発明は、特定の反りが抑制された電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブルに関する。
近年、地球環境問題に対する関心が全世界的に高まっており、電気自動車やハイブリッド自動車といった二次電池を搭載した環境配慮型自動車の普及が進展している。これらの自動車においては、搭載した二次電池から発生する直流電流をインバータを介して交流電流に変換した後、必要な電力を交流モータに供給し、駆動力を得る方式を採用するものが多い。インバータのスイッチング動作等に起因して電磁波が発生する。電磁波は車載の音響機器や無線機器等の受信障害となることから、インバータ或いはインバータと共にバッテリーやモータ等を金属製ケース内に収容して、電磁波シールドするという対策が行われてきた(特開2003-285002号公報)。
この電磁波シールドによる対策は、電線に対しても行われる。電磁波シールドケーブルの典型的な構造を、図1に示す。複数本のケーブルの周囲に電磁波シールドテープを巻きつける。より具体的には、ケーブルの長手方向と、電磁波シールドテープの長手方向が平行になるように配置する。そして、長手方向を軸として電磁波シールドテープが円筒を形成するように、該電磁波シールドテープを巻きつける。そして、電磁波シールドテープの両縁を接合させる。また、電磁波シールドテープは積層体であり、少なくとも金属の層と、樹脂層とを備える。通常は、樹脂層が外側になるよう(そして、金属層は内側になるよう)、電磁波シールドテープを巻きつける。
上記のような工程で、シールドケーブルが形成される際に、所望の形状が得られず、これにより、生産性または品質にかかわる不具合がしばしば生じる。そこで、本発明は、円筒の形状に加工する工程において、所望する円筒の形状を安定して得ることができるシールドテープを提供することを目的とする。
本発明者が鋭意研究したところ、所望の形状が得られない原因として、シールドテープの反りの状態に問題があることが分かった。より具体的には、シールドテープの反りが、巻きつける方向(図2では上方向)とは、逆の方向に沿っていた。このような状態で巻きつけると、テープの両縁の接合部分が接合せず、生産性または品質にかかわる不具合が生じることが分かった。そして、この反りの状態を調節することで、こうした不具合を低減できることが分かった。
以上の知見に基づき本発明は一側面において以下のように特定される。
(発明1)
金属層と樹脂層とを備え、トヨが0.06以下である電磁波シールドテープ。
(発明2)
カールが0.4以下である発明1の電磁波シールドテープ。
(発明3)
電線被覆用である発明1又は2の電磁波シールドテープ。
(発明4)
前記金属層が、
Cu層若しくはCu合金層を備える、又は、
Cu層若しくはCu合金層と、Sn層若しくはSn合金層とを備える、
発明1~3いずれか1つに記載の電磁波シールドテープ。
(発明5)
発明1~4いずれか1つに記載の電磁波シールドテープで被覆されたケーブル。
(発明6)
発明1~4いずれか1つに記載の電磁波シールドテープの製造方法であって、
金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含み、
前記積層させる工程において、張力比率(前記金属箔の張力/前記樹脂フィルムの張力)が、3.0以下である該方法。
(発明1)
金属層と樹脂層とを備え、トヨが0.06以下である電磁波シールドテープ。
(発明2)
カールが0.4以下である発明1の電磁波シールドテープ。
(発明3)
電線被覆用である発明1又は2の電磁波シールドテープ。
(発明4)
前記金属層が、
Cu層若しくはCu合金層を備える、又は、
Cu層若しくはCu合金層と、Sn層若しくはSn合金層とを備える、
発明1~3いずれか1つに記載の電磁波シールドテープ。
(発明5)
発明1~4いずれか1つに記載の電磁波シールドテープで被覆されたケーブル。
(発明6)
発明1~4いずれか1つに記載の電磁波シールドテープの製造方法であって、
金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含み、
前記積層させる工程において、張力比率(前記金属箔の張力/前記樹脂フィルムの張力)が、3.0以下である該方法。
本発明は、一側面において、トヨを0.06以下に抑制している。これにより、ケーブルに電磁波シールドテープを巻きつけた際に生じる不具合を抑制することができる。
また、更なる一側面において、本発明の電磁波シールドテープは、カールが0.4以下である。これにより、ケーブルに電磁波シールドテープを巻きつけることが容易となる。
以下、本発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、本発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
1.定義
「トヨ」とは、本明細書において、以下の手順で測定した値を指す。
水平定盤上にシールドテープを置く。シールドテープの長さが短いと、カールの影響で長手方向の両端末が条盤面から浮き上がる場合があるので、シールドテープの長手方向の長さは、浮き上がらない領域が存在する長さとする。シールドテープの幅方向に、シールドテープの輪郭曲線を測定し、輪郭曲線の最大値と最小値との差を測定する(図3の矢印を参照)。そして、当該差分と、テープ幅の比(差分(mm)/テープ幅(mm)の値)を、「トヨ」として定義する。輪郭曲線の測定は、市販されている非接触の三次元測定機による。
「トヨ」とは、本明細書において、以下の手順で測定した値を指す。
水平定盤上にシールドテープを置く。シールドテープの長さが短いと、カールの影響で長手方向の両端末が条盤面から浮き上がる場合があるので、シールドテープの長手方向の長さは、浮き上がらない領域が存在する長さとする。シールドテープの幅方向に、シールドテープの輪郭曲線を測定し、輪郭曲線の最大値と最小値との差を測定する(図3の矢印を参照)。そして、当該差分と、テープ幅の比(差分(mm)/テープ幅(mm)の値)を、「トヨ」として定義する。輪郭曲線の測定は、市販されている非接触の三次元測定機による。
金属層及び樹脂層を備えるシールドテープのトヨの値は、樹脂層側が凹(金属層側が凸、図3のA)の場合を正の値とし、金属層側が凹(樹脂層側が凸、図3のB)の場合を負の値とする。
トヨが負の値の場合は、トヨの輪郭を含む円の径を小さくする変形によりシールドテープがめっき面を内側とする円筒になるため、容易に加工をすることができる。本発明は、一実施形態において、トヨが負の値となる場合や、ゼロの値となる場合のシールドテープを包含する。
一方、トヨが正の値の場合は、トヨの輪郭を含む円の径を大きくする変形を含むため、加工は必ずしも容易ではない。本発明は、一実施形態において、円筒に加工することが難しい正のトヨを有するシールドテープであって、正のトヨを抑制したシールドテープである。
「カール」とは、本明細書において、以下の手順で測定した値を指す。
水平定盤上にシールドテープを置く。シールドテープの長手方向の長さは、50mmとする。シールドテープの長手方向に、シールドテープの輪郭曲線を測定し、曲線の最大値と最小値との差を測定する。そして、当該差分と、テープ長手方向の長さの比(差分(mm)/テープ長さ(mm))の値を、「カール」として定義する。輪郭曲線の測定は、市販されている非接触の三次元測定機による。カールの値がプラスとなるかマイナスとなるかの規定については、トヨと同様の規定となる。即ち、樹脂層側が凹(金属層側が凸、図3のA)の場合を正の値とし、金属層側が凹(樹脂層側が凸、図3のB)の場合を負の値とする。
水平定盤上にシールドテープを置く。シールドテープの長手方向の長さは、50mmとする。シールドテープの長手方向に、シールドテープの輪郭曲線を測定し、曲線の最大値と最小値との差を測定する。そして、当該差分と、テープ長手方向の長さの比(差分(mm)/テープ長さ(mm))の値を、「カール」として定義する。輪郭曲線の測定は、市販されている非接触の三次元測定機による。カールの値がプラスとなるかマイナスとなるかの規定については、トヨと同様の規定となる。即ち、樹脂層側が凹(金属層側が凸、図3のA)の場合を正の値とし、金属層側が凹(樹脂層側が凸、図3のB)の場合を負の値とする。
2.シールドテープの構成
一実施形態において、本発明は、シールドテープを包含する。前記シールドテープは、少なくとも、金属層と、樹脂層とを備える。
一実施形態において、本発明は、シールドテープを包含する。前記シールドテープは、少なくとも、金属層と、樹脂層とを備える。
2-1.金属層
金属層は、特に限定されないが、電磁波を遮断する金属であることが好ましい。例えば、純銅箔、銅合金箔、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等が挙げられる。銅合金としては、限定されるものではないが、タフピッチ銅、無酸素銅、Ag入り銅、Sn入り銅、P入り銅等が挙げられる。また、銅箔は、電解銅箔であってもよいし、圧延銅箔であってもよい。
金属層は、特に限定されないが、電磁波を遮断する金属であることが好ましい。例えば、純銅箔、銅合金箔、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等が挙げられる。銅合金としては、限定されるものではないが、タフピッチ銅、無酸素銅、Ag入り銅、Sn入り銅、P入り銅等が挙げられる。また、銅箔は、電解銅箔であってもよいし、圧延銅箔であってもよい。
当該金属層の厚みは、特に限定されないが、典型的には、5~35μmである。
2-2.樹脂層
樹脂層は、特に限定されないが、電線被覆部材との整合性、接着性が良好なものであることが好ましい。例えば、特に限定されないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)などが挙げられる。樹脂層の厚みは特に限定されないが、典型的には、10~30μmである。
樹脂層は、特に限定されないが、電線被覆部材との整合性、接着性が良好なものであることが好ましい。例えば、特に限定されないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)などが挙げられる。樹脂層の厚みは特に限定されないが、典型的には、10~30μmである。
2-3.接合層
前記樹脂層と金属層とを接合する際には、熱可塑性接着剤等を用いてもよい。また、樹脂と金属箔を積層した後、プレスを行い、必要により加熱を行うことで、接合層が形成される。また、適切な圧力と熱を付与することで、接着剤を用いなくても、樹脂と金属箔を積層させることができる。
前記樹脂層と金属層とを接合する際には、熱可塑性接着剤等を用いてもよい。また、樹脂と金属箔を積層した後、プレスを行い、必要により加熱を行うことで、接合層が形成される。また、適切な圧力と熱を付与することで、接着剤を用いなくても、樹脂と金属箔を積層させることができる。
2-4.めっき層
前記金属層には、樹脂層と接合している面とは反対側の面において、更にSn層又は各種の合金層(特にSn合金層、例えば、Ni-Sn合金、Ag-Sn合金などをはじめとする、Sn又はInからなるA元素と、Ag、Ni、Fe、及びCoの群から選ばれる1種以上のB元素群とからなる合金)を設けてもよい。Sn層又はSn合金層は、耐食性に優れていること、はんだ付け性が良好であること、そして、接触抵抗が低いことなどの利点がある。Sn層又は各種合金層の厚みは特に限定されないが、典型的には、0.1~2.0μmである。上記厚さのSn層又は各種合金層を設けるための手段は、特に限定されないが、典型的には、めっきを行うことができる。
前記金属層には、樹脂層と接合している面とは反対側の面において、更にSn層又は各種の合金層(特にSn合金層、例えば、Ni-Sn合金、Ag-Sn合金などをはじめとする、Sn又はInからなるA元素と、Ag、Ni、Fe、及びCoの群から選ばれる1種以上のB元素群とからなる合金)を設けてもよい。Sn層又はSn合金層は、耐食性に優れていること、はんだ付け性が良好であること、そして、接触抵抗が低いことなどの利点がある。Sn層又は各種合金層の厚みは特に限定されないが、典型的には、0.1~2.0μmである。上記厚さのSn層又は各種合金層を設けるための手段は、特に限定されないが、典型的には、めっきを行うことができる。
2-5.AC層
前記樹脂層には、金属層と接合している面とは反対側の面において、更にAC(アンカーコート)の層を設けてもよい。
前記樹脂層には、金属層と接合している面とは反対側の面において、更にAC(アンカーコート)の層を設けてもよい。
2-6.形状
一実施形態において、本発明の電磁波シールドテープは、コイル状に巻きつけられた最終製品の形で提供される。
一実施形態において、本発明の電磁波シールドテープは、コイル状に巻きつけられた最終製品の形で提供される。
幅サイズについては、特に限定されないが、例えばシールドケーブルの製造に用いられるものであれば、典型的には、5mm~15mm(例:11.5mm)であってもよい。また、厚みは、典型的には、20~50μmであってもよい。
また、一実施形態において、本発明の電磁波シールドテープは、トヨが0.06以下であり、好ましくは、0.03以下である。下限値について特に限定されないが典型的には0以上である。
また、一実施形態において、本発明の電磁波シールドテープは、カールが0.4以下であり、好ましくは、0.2以下である。下限値について特に限定されないが典型的には0以上である。
3.製造方法
一実施形態において、本発明は、電磁波シールドテープの製造方法を包含する。製造方法は、金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含む。以下、例示的な製造工程を説明する。
一実施形態において、本発明は、電磁波シールドテープの製造方法を包含する。製造方法は、金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含む。以下、例示的な製造工程を説明する。
(1)金属箔
まず、金属層を形成するための金属箔を準備することができる。例えば、Cu箔の場合には、圧延銅箔を提供してもよい。前記圧延銅箔は、必要により、脱脂及び/又は焼鈍を行ってもよい。
まず、金属層を形成するための金属箔を準備することができる。例えば、Cu箔の場合には、圧延銅箔を提供してもよい。前記圧延銅箔は、必要により、脱脂及び/又は焼鈍を行ってもよい。
(2)樹脂フィルム及びラミネート加工
次に、樹脂層を形成するための樹脂フィルムを準備することができる。典型的には、上述した例の樹脂材料(例えば、PET)から構成されるフィルムを用いてもよい。
次に、樹脂層を形成するための樹脂フィルムを準備することができる。典型的には、上述した例の樹脂材料(例えば、PET)から構成されるフィルムを用いてもよい。
そして、上述した金属箔と、樹脂フィルムとに対して、ラミネート加工を行ってもよい。上述したように、金属箔と、樹脂フィルムとの間には、接着剤を用いてもよい。金属箔と、樹脂フィルムに対して張力を付与しながら積層させることが好ましい。
金属箔に付与する張力の大きさは、特に限定されないが、金属箔に付与できる最大張力を100%とした場合に、40%~60%であることが好ましい。一方で、樹脂フィルムに付与する張力の大きさは、特に限定されないが、樹脂フィルムに付与できる最大張力を100%とした場合に、20%~80%であることが好ましい。ここで、最大張力とは、スリップキズ、シワ及び破断のいずれも生じない最大の張力をさす。
金属箔及び樹脂フィルムに張力を付与する際に、重要となるのが、両者に付与する張力の比率である。従来技術においては、ラミネート加工後極力平坦になるように調整されていた。これは、ラミネート加工の後に行われるメッキ工程で取り扱いやすいようするためである。しかしながら、メッキ工程後に行われるAC剤による処理(塗布、熱処理等)により、AC剤が液体から固体へと変化する。その変化の過程で体積が変化すること、及びラミネート加工時の張力が影響を及ぼすことにより、AC剤による処理後の積層体は平坦ではなくなってしまう。
そこで、本発明においては、あらかじめ、ラミネート加工時に、平坦ではない形になるよう、金属箔及び樹脂フィルムに付与する張力の比率を調節する。より具体的には、AC剤による処理により生じる変形とは、逆の変形となるように、張力の比率を調節する。これにより、AC剤による処理で生じる変形を相殺させることができる。結果として、AC剤による処理後、より平坦な状態に近づく、又は平坦な状態を実現できる。
より詳細な原理を説明すると、張力を、金属箔及び樹脂フィルムの長手方向に付与する。これにより、金属箔及び樹脂フィルムの幅方向のサイズが縮小し、逆に長手方向のサイズが伸長する。ラミネート後、張力から解放されると、金属箔及び樹脂フィルムが元の形に戻ろうとする。その結果、幅方向に伸びようとする。この幅方向に伸びようとする力について、金属箔と樹脂フィルムのそれぞれで調節することで、ラミネート後のトヨが調節される。
上記原理に基づいて、金属箔及び樹脂フィルムに付与する張力の比率は、以下のようになるよう調節することが好ましい。ここでの張力は、ユニット・テンション(kgf/mm2)を用いる。
張力比(金属箔張力/樹脂フィルム張力)≦3.0
3.0を超えると、シールドテープのトヨが大きくなってしまう。その結果、シールドをケーブルに巻きつける際に、不具合が発生する頻度が高くなる。
張力比(金属箔張力/樹脂フィルム張力)≦3.0
3.0を超えると、シールドテープのトヨが大きくなってしまう。その結果、シールドをケーブルに巻きつける際に、不具合が発生する頻度が高くなる。
より好ましくは、金属箔及び樹脂フィルムに付与する張力の比率は、以下のようになるよう調節することができる。
0.5≦張力比(金属箔張力/樹脂フィルム張力)≦1.5
0.5≦張力比(金属箔張力/樹脂フィルム張力)≦1.5
(3)Snめっき及び各種合金めっき
Sn層又は各種合金層を設けるため、電気めっきを行うことができる。めっき方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、陽極にSnを設け、陰極側に積層体を設置することができる。
Sn層又は各種合金層を設けるため、電気めっきを行うことができる。めっき方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、陽極にSnを設け、陰極側に積層体を設置することができる。
(4)AC塗工
AC剤を樹脂層側に塗り付け、熱処理及び/又は乾燥処理を行うことができる。これにより、液体状のAC剤が、固体状へと変化する。
AC剤を樹脂層側に塗り付け、熱処理及び/又は乾燥処理を行うことができる。これにより、液体状のAC剤が、固体状へと変化する。
(5)マイクロスリット加工
上記工程で得られた積層体を、更に所望の幅に加工するためにマイクロスリット加工を行うことができる。例えば、上述した積層体の幅が約600mmの場合に、マイクロスリット加工を行い、幅が5mm~15mm(例:11.5mm)となるように加工を行うことができる。
上記工程で得られた積層体を、更に所望の幅に加工するためにマイクロスリット加工を行うことができる。例えば、上述した積層体の幅が約600mmの場合に、マイクロスリット加工を行い、幅が5mm~15mm(例:11.5mm)となるように加工を行うことができる。
(6)矯正ロール
上述した製造工程の任意の工程において、冷間圧延された金属帯の形状矯正に一般に用いられるローラレベラの原理に基づき、シールドテープに曲げ応力を付与する1個又は複数個の形状矯正ロールを設けてもよい。例えば、AC塗工の際に、加工物を、形状矯正ロールに巻きつけてもよい。形状矯正ロールの直径、シールドテープに作用する張力、又はこれらの両方を調整することでカールの発生を抑制することができる。より具体的には、たとえばある一定の張力のもとでは、ロール径が小さいときには、きつい曲げである(曲げ応力が大きい)ためシールドテープには大きなカールが発現する。逆に、ロール径が大きいときには、ゆるい曲げである(曲げ応力が小さい)ため小さなカールが発現する。そして、あるロール径以上ではカールが全く発現しなくなる。カールが発現する最大のロール径を100%としたとき、ロール径は80%以下であることが好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。80%超だと、曲げがゆるい(曲げ応力が小さい)ためカールの制御が行いにくい。下限値については、特に限定されないが典型的には40%以上である。40~80%の範囲でロール径を調整することにより、シールドテープのカールの大小を制御することができる。
上述した製造工程の任意の工程において、冷間圧延された金属帯の形状矯正に一般に用いられるローラレベラの原理に基づき、シールドテープに曲げ応力を付与する1個又は複数個の形状矯正ロールを設けてもよい。例えば、AC塗工の際に、加工物を、形状矯正ロールに巻きつけてもよい。形状矯正ロールの直径、シールドテープに作用する張力、又はこれらの両方を調整することでカールの発生を抑制することができる。より具体的には、たとえばある一定の張力のもとでは、ロール径が小さいときには、きつい曲げである(曲げ応力が大きい)ためシールドテープには大きなカールが発現する。逆に、ロール径が大きいときには、ゆるい曲げである(曲げ応力が小さい)ため小さなカールが発現する。そして、あるロール径以上ではカールが全く発現しなくなる。カールが発現する最大のロール径を100%としたとき、ロール径は80%以下であることが好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。80%超だと、曲げがゆるい(曲げ応力が小さい)ためカールの制御が行いにくい。下限値については、特に限定されないが典型的には40%以上である。40~80%の範囲でロール径を調整することにより、シールドテープのカールの大小を制御することができる。
4.電磁波シールドテープの利用
上記方法で得られた電磁波シールドテープは、例えば、電磁波シールドケーブルを製造するために使用することができる。例えば、ケーブルの長手方向と、電磁波シールドテープの長手方向が平行になるように配置することができる。そして、長手方向を軸として電磁波シールドテープが円柱を形成するように、該テープ状の電磁波シールド材を巻きつけることができる。更には、電磁波シールドテープの両縁を接合させることができる。
上記方法で得られた電磁波シールドテープは、例えば、電磁波シールドケーブルを製造するために使用することができる。例えば、ケーブルの長手方向と、電磁波シールドテープの長手方向が平行になるように配置することができる。そして、長手方向を軸として電磁波シールドテープが円柱を形成するように、該テープ状の電磁波シールド材を巻きつけることができる。更には、電磁波シールドテープの両縁を接合させることができる。
まず、純Cu圧延銅箔とPETフィルムを準備した。銅箔とPETフィルムを、ラミネート加工機を用いて積層させた。その際に、銅箔とPETフィルムに付与する張力を、表1の条件となるように調整した。
その後、加工物を陰極に接続し、電気めっきを施した。より具体的には、表1に記載されたSnめっき、又はSn合金めっきを施した。
めっき後は、AC剤をPETフィルム側に塗布し、次いで乾燥熱処理を行った。その後、表1に記載した形状矯正ロールで巻き取りを行った。
その後、11.5mm幅になるようマイクロスリット加工を行った。加工後、シールドテープを50mmの長さに切断した。そして、トヨ及びカールの測定を行った。
最後に、得られたシールドテープを用い、シールドケーブルを製造した。シールドケーブルの製造において、シールドテープが所定の円筒形状にならないことに起因する品質不良またはライン停止の発生頻度を調べた。10000m当たりの加工に換算し、不具合が1.0回以上であったものを生産性が不良、不具合が0.5回以上1.0回未満であったものを生産性が良好、不具合が0.0回以上0.5回未満であった場合を生産性が最も良好と判定した。
結果を表1に示す。比較例1~3は、いずれも銅箔とPETフィルムの張力の比率が不適切であったため、トヨが大きくなってしまった。また、実施例14とそれ以外の実施例を比較すると、実施例14では、形状矯正ロールの径が大きいため、カールが大きくなり、シールドケーブルの生産性が、他の実施例よりも劣る結果となった。
本明細書において、「又は」や「若しくは」という記載は、選択肢のいずれか1つのみを満たす場合や、全ての選択肢を満たす場合を含む。例えば、「A又はB」「A若しくはB」という記載の場合、Aを満たしBを満たさない場合と、Bを満たしAを満たさない場合と、Aを満たし且つBを満たす場合のいずれも包含することを意図する。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明してきた。上記実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述の実施形態の1つに開示された技術的特徴は、他の実施形態に提供することができる。また、特定の方法については、一部の工程を他の工程の順序と入れ替えることも可能であり、特定の2つの工程の間に更なる工程を追加してもよい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
10 電線
20 シールド材
20 シールド材
Claims (6)
- 金属層と樹脂層とを備え、トヨが0.06以下である電磁波シールドテープ。
- カールが0.4以下である請求項1の電磁波シールドテープ。
- 電線被覆用である請求項1又は2の電磁波シールドテープ。
- 前記金属層が、
Cu層若しくはCu合金層と、Sn層若しくはSn合金層とを備える、
請求項1~3いずれか1項に記載の電磁波シールドテープ。 - 請求項1~4いずれか1項に記載の電磁波シールドテープで被覆されたケーブル。
- 請求項1~4いずれか1項に記載の電磁波シールドテープの製造方法であって、
金属箔と樹脂フィルムとを積層させる工程を含み、
前記積層させる工程において、張力比率(前記金属箔の張力/前記樹脂フィルムの張力)が、3.0以下である該方法。
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Applications Claiming Priority (3)
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JP2018063012A JP7104537B2 (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | 電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブル |
JP2021102772A JP2021153201A (ja) | 2018-03-28 | 2021-06-21 | 電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブル |
JP2023060975A JP2023098928A (ja) | 2018-03-28 | 2023-04-04 | 電磁波シールドテープ、その製造方法、及び電磁波シールドケーブル |
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Publications (1)
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