JP2023098436A - 新規Kinneretia属微生物、該微生物を含む組成物および該微生物を利用した装置 - Google Patents

新規Kinneretia属微生物、該微生物を含む組成物および該微生物を利用した装置 Download PDF

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Hisashi Kimoto
正典 藤井
Masanori Fujii
直之 西
Naoyuki Nishi
祥平 大野
Shohei Ono
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Abstract

【課題】廃水の浄化能力を高機能化された微生物を探索し、既存の設備はそのままで該微生物を利用することにより浄化設備の高機能化技術を提供する。【解決手段】以下の(1)または(2)の特徴を有する、単離された微生物:(1)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列を含む、(2)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ該微生物がKinneretia属に属し、有機物低減活性および微生物凝集活性を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、高い有機物低減活性と高い微生物凝集活性を持つKinneretia属の新規微生物(受託番号NITE P-03538)、該微生物を含む組成物および該微生物を利用した装置に関する。
現在、食品工場や下水処理施設などから排出される有機性廃水は、そのほとんどが微生物により処理されている。特に多くの食品工場では、調理を1箇所で集中的に行うことにより生産効率を高めており、製造設備の大規模化および24時間稼働の傾向が強くなっている。これに伴い、廃水処理設備への負荷が飛躍的に高まっており、さらに法令・条例により放流規制値はより厳しい値へと改定される傾向にあることからも、廃水処理設備の大型化や高機能化が必要とされている。しかしながら、廃水処理施設の拡張や増設には大きなコストがかかるため、別の手段が希求されていた。その代替手段の1つが、廃水処理能力が高機能化された細菌を利用することである。
これまでにも微生物による有機物の処理を効率的に実施するための有益な微生物の探索が試みられており、例えば、特許文献1には、油脂、鉱物油等の油分を含有する廃水等の油分含有物質を分解するためのCandida属に属する微生物が開示されている。しかし、多くの場合、微生物による分解の前に廃水に含まれる浮遊物を凝集剤で凝集し、汚泥として別途処理する必要があり、コストの面での課題が残されたままであった。現在に至るまで、有機物を含む廃水を処理できる実用的な微生物とそれを利用する処理方法は未だに満足な水準に至っていない。
特開2020-191802号公報
本発明の目的は、上記状況を鑑み、処理能力が高機能化された微生物を探索し、既存の設備はそのままで該微生物を利用することにより処理設備の高機能化を実現する微生物廃水処理技術を開発することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行い、日本の河川から微生物を単離し、食肉加工廃水において既存の廃水処理資材と同等の高い処理能力を有する新規微生物の分離に成功した。さらに当該微生物は、既存の廃水処理資材に含まれる微生物にはない凝集性を有していた。また、当該微生物の16S rDNAの塩基配列を解析した結果、当該微生物はKinneretia属の新規微生物であることが判明した。さらに、当該微生物を用いて、既存の施設で食肉加工廃水を用いて廃水処理試験を試みたところ、放流基準値を満たしながら、従来よりも多くの廃水を処理することができた。結果的に、当該微生物による驚異的な高効率化により、廃水処理設備のランニングコストは従来の約1/4にまで低減できた。
以上の知見に基づき、本発明が完成された。
即ち、本発明は下記のとおりである:
[1]以下の(1)または(2)の特徴を有する、単離された微生物:
(1)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列を含む、
(2)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ該微生物がKinneretia属に属し、有機物低減活性および微生物凝集活性を有する。
[2]下記の菌学的性質を示す、[1]に記載の微生物。
(1)コロニー形態
直径:1mm未満
色調:クリーム色
形:円形
隆起状態:中央陥没状
周縁:全縁
表面の形状:平滑
透明度:不透明
粘稠度:バター様
(2)生育温度:20~45℃
(3)細胞形態:桿菌
(4)グラム染色性:-
(5)芽胞形成の有無:-
(6)運動性:+
(7)カタラーゼ反応:+
(8)オキシダーゼ反応:+
(9)グルコースからの酸/ガス産生:-/-
(10)グルコースの酸化/発酵テスト:-/-
(上記において、「+」は陽性、「-」は陰性をそれぞれ示す)
[3]単離された受託番号NITE P-03538のKinneretia属微生物。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を含む、有機物低減剤。
[5][1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を含む、微生物凝集剤。
[6][1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を、有機物を含む試料と接触させることを含む、有機物の低減方法。
[7][1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を、微生物を含む試料と接触させることを含む、微生物の凝集方法。
[8]以下を含む、廃水浄化装置:
(1)[1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物、および
(2)(1)の微生物により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、微生物処理槽。
[9]以下から選択される少なくとも1つをさらに含む、[8]に記載の装置:
(A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽、
(B)[1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を予め増殖させる、培養槽、
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽、
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽、
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽、
(F)凝集剤により廃水を処理することによって廃水中の浮遊物質およびn-Hexを凝集する、反応槽、および
(G)凝集浮遊物質および凝集n-Hexを凝集剤処理された廃水から分離する、加圧浮上装置。
[10]以下をさらに含む、[8]に記載の装置:
(A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽、
(B)[1]~[3]のいずれか1つに記載の微生物を予め増殖させる、培養槽、
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽、
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽、および
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽。
単離された受託番号NITE P-03538のKinneretia属微生物は、既存の廃水処理資材と同等の廃水処理能力を有する。また、驚くべきことに他種の微生物や固形成分をまとめて凝集させることができるため、微生物による処理を行う前に予め凝集剤によって廃水を処理する必要がない。結果として、当該微生物を使用することによって前処理を省略しながらも既存の排水設備を改修することなく、廃水処理にかかる費用を大幅に低減することができる。当該微生物は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)に資するものであり、特に、SDGグローバル指標として掲げられる6番目の指標「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」および12番目の指標「持続可能な生産消費形態を確保する」に貢献することができる。
図1は、本発明の廃水浄化装置の実施態様の一例を示す。 図2は、本発明の廃水浄化装置の実施態様の一例を示す。 図3は、本発明の廃水浄化装置の実施態様の一例を示す。 図4は、市販の各廃水処理資材で処理された食肉加工廃水の相対的TOC値を示す。コントロール:未処理群。QqBiO、えひめAI、オイルB:市販の各廃水処理資材。 図5は、廃水処理資材QqBiOまたは微生物E2株で処理された食肉加工廃水の相対的TOC値を示す。コントロール:未処理群。QqBiO:市販の廃水処理資材。E2:本発明の微生物。 図6は、E2の微生物凝集性を示す。 図7は、凝集したE2の電子顕微鏡像を示す。 図8は、E2の16S rDNA 塩基配列に基づく分子系統樹を示す。 図9は、現場試験を行った食肉加工廃水の処理設備の構造図を示す。 図10は、E2による生物化学的酸素要求量(BOD)の変化を示す。BODの変化は、流出BOD/流入BODで定義される。「加圧浮上使用」では、微生物を全く投入せずに、凝集剤によって生じたフロックを加圧浮上装置で除去した。 図11は、E2によるn-ヘキサン(n-Hex)の変化を示す。n-Hexの変化は、流出n-Hex/流入n-Hexで定義される。「加圧浮上使用」では、微生物を全く投入せずに、凝集剤によって生じたフロックを加圧浮上装置で除去した。 図12は、食肉加工廃水に対するE2の微生物凝集性を示す。 図13は、食肉加工廃水の処理試験における担体流動槽内のE2の細胞数を示す。
以下の(1)または(2)の特徴を有する、単離された微生物(本発明の微生物)を提供する。
(1)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列を含む。
(2)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ該微生物がKinneretia属に属し、有機物低減活性および微生物凝集活性を有する。
本発明の微生物は、16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列を含む微生物(本発明の微生物I)である。
16S rDNA画分の調製は、エタノール沈殿法など公知の手法を用いて行うことができるが、市販のDNA抽出用キット(例:アクロモペプチダーゼ; FUJIFILM Wako Pure Chemical製等)を用いて、微量試料から迅速且つ簡便に高純度の全DNAを調製することができる。得られたDNAは公知の手段でその塩基配列を決定することができる。
以上の通りにして本発明の微生物Iの16S rDNAから得られた配列番号1で示される塩基配列をクエリー配列として、および国際塩基配列データベース(DDBJ/ENA(EMBL)/GenBank)に対するBLAST相同性検索を行った結果、本発明の微生物Iの16S rDNAの塩基配列はKinneretia asaccharophilaの基準株KIN192T (アクセッション番号 AY136099)の16S rDNAの塩基配列に対し相同率99.6%の相同性を示すことが分かった。さらに、微生物同定システム(解析ソフトウェア: ENKI)を用いたDB-BA 15.0 (TechnoSuruga Laboratory)に対する相同性検索で得られた塩基配列を基に解析した分子系統樹において、本発明の微生物IはComamonadaceae科が構成するクラスター内に含まれることが分かった。Comamonadaceae科に含まれる微生物としてはKinneretia属(1属1種)、Mitsuaria属、Pelomonas属、Roseteles属などに属する微生物が挙げられる。以上の結果から、本発明の微生物IはK. asaccharophila に近縁なKinneretia属に属する新規微生物である。
本発明者らは、本発明の微生物Iを令和3年9月24日に、受託番号NITE P-03538として独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託した。
本発明の微生物はまた、16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ該微生物がKinneretia属に属し、有機物低減活性および微生物凝集活性を有する微生物(本発明の微生物II)であってもよい。
本発明の微生物IIは、その16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と、通常、約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有し、Kinneretia属に属する微生物である。
本明細書における塩基配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=-3)にて計算することができる。
塩基配列の相同性を決定するための他のアルゴリズムとしては、例えば、Karlinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 5873-5877 (1993)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはNBLASTおよびXBLASTプログラム(version 2.0)に組み込まれている(Altschulら, Nucleic Acids Res., 25: 3389-3402 (1997))]、Needlemanら, J. Mol. Biol., 48: 444-453 (1970)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはGCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれている]、MyersおよびMiller, CABIOS, 4: 11-17 (1988)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはCGC配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(version 2.0)に組み込まれている]、Pearsonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444-2448 (1988)に記載のアルゴリズム[該アルゴリズムはGCGソフトウェアパッケージ中のFASTAプログラムに組み込まれている]等が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の微生物は、有機物低減活性を有する。本発明の微生物によって低減される有機物としては、脂質、タンパク質、有機酸、炭水化物、糖アルコールなどが挙げられる。炭水化物として、例えば、D-グルコースなどが挙げられる。有機酸として、例えば、グルコン酸カリウムなどが挙げられる。
本発明の微生物はまた、微生物凝集活性を有する。本発明の微生物は、増殖環境において微生物外にバイオポリマーを分泌し、該バイオポリマーを介して互いに吸着し、凝集体を形成し、周囲の他の微生物や固形物を吸着させて沈殿することができる。他の微生物としては、特に制限されるものではないが、衛生上除去することが望ましい微生物が挙げられる。そのような微生物としては、例えば、
Bacillus属の微生物(例えば、セレウス菌など)、Candida属の微生物(例えば、カンジダ菌など)、Campylobacter属の微生物(例えば、カンピロバクター ジェジュニ菌など)、Clostridioides属の微生物(例えば、ディフィシル菌など)、Clostridium属の微生物(例えば、ウェルシュ菌など)、Cutibacterium属の微生物(例えば、アクネ菌など)、Enterococcus属の微生物(例えば、腸球菌など)、Escherichia属の微生物(例えば、大腸菌など)、Helicobacter属の微生物(例えば、ピロリ菌など)、Pseudomonas属の微生物(例えば、緑膿菌など)、Salmonella属の微生物(例えば、腸炎菌など)、Staphylococcus属の微生物(例えば、ブドウ球菌など)、Streptococcus属の微生物(例えば、連鎖球菌など)、Trichophyton属の微生物(例えば、白癬菌など)、Vibrio属の微生物(例えば、腸炎ビブリオ菌など)などが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の微生物はまた、下記の菌学的性質を示す。
(1)コロニー形態
本発明の微生物は、ニュートリエント寒天培地上で30℃、48時間培養された場合、形成されるコロニーは実体顕微鏡による観察の下、下記の特徴を示す。
直径:1mm未満
色調:クリーム色
形:円形
隆起状態:中央陥没状
周縁:全縁
表面の形状:平滑
透明度:不透明
粘稠度:バター様
(2)生育温度
本発明の微生物は、15~50℃で生育することができる。
(3)細胞形態
本発明の微生物は、光学顕微鏡による形態観察の下、その細胞形態は桿菌である。
(4)グラム染色性
本発明の微生物は、グラム陰性微生物である。
(5)芽胞形成
本発明の微生物は、芽胞を形成しない。
(6)運動性
本発明の微生物は、運動性を有する。
(7)カタラーゼ反応
本発明の微生物は、カタラーゼ反応を示す。
(8)オキシダーゼ反応
本発明の微生物は、オキシダーゼ反応を示す。
(9)グルコースからの酸/ガス産生
本発明の微生物は、グルコースから酸もガスも産生しない。
(10)グルコースの酸化/発酵テスト
本発明の微生物は、グルコースを酸化も発酵もしない。
本発明の微生物はさらに、下記の生化学的性質を示す。
(1)硝酸塩還元反応
本発明の微生物は、硝酸塩還元反応を示す。
(2)インドール産生反応
本発明の微生物は、インドール産生反応を示さない。
(3)D-グルコース酸性化反応
本発明の微生物は、D-グルコース酸性化反応を示さない。
(4)アルギニンジヒドロラーゼ
本発明の微生物は、アルギニンジヒドロラーゼ活性を示さない。
(5)ウレアーゼ
本発明の微生物は、ウレアーゼ活性を示さない。
(6)エスクリン加水分解反応
本発明の微生物は、エスクリン加水分解反応を示さない。
(7)ゼラチン加水分解反応
本発明の微生物は、ゼラチン加水分解反応を示さない。
(8)チトクロームオキシダーゼ
本発明の微生物は、チトクロームオキシダーゼ活性を示す。
(9)アルカリフォスファターゼ
本発明の微生物は、アルカリフォスファターゼ活性を示す。
(10)エステラーゼ(C4)
本発明の微生物は、エステラーゼ(C4)活性を示す。
(11)エステラーゼ(C8)
本発明の微生物は、エステラーゼ(C8)活性を示さない。
(12)リパーゼ(C14)
本発明の微生物は、リパーゼ(C14)活性を示さない。
(13)ロイシンアリルアミダーゼ
本発明の微生物は、ロイシンアリルアミダーゼ活性を示す。
(14)バリンアリルアミダーゼ
本発明の微生物は、バリンアリルアミダーゼ活性を示す。
(15)シスチンアリルアミダーゼ
本発明の微生物は、シスチンアリルアミダーゼ活性を示さない。
(16)トリプシン
本発明の微生物は、トリプシン活性を示す。
(17)α-キモトリプシン
本発明の微生物は、α-キモトリプシン活性を示さない。
(18)酸性フォスファターゼ
本発明の微生物は、酸性フォスファターゼ活性を示す。
(19)ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼ
本発明の微生物は、ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼ活性を示す。
(20)α-ガラクトシダーゼ
本発明の微生物は、α-ガラクトシダーゼ活性を示さない。
(21)β-ガラクトシダーゼ
本発明の微生物は、β-ガラクトシダーゼ活性を示さない。
(22)β-グルクロニダーゼ
本発明の微生物は、β-グルクロニダーゼ活性を示さない。
(23)α-グルコシダーゼ
本発明の微生物は、α-グルコシダーゼ活性を示さない。
(24)β-グルコシダーゼ
本発明の微生物は、β-グルコシダーゼ活性を示さない。
(25)N-アセチル-β-グルコサミニダーゼ
本発明の微生物は、N-アセチル-β-グルコサミニダーゼ活性を示さない。
(26)α-マンノシダーゼ
本発明の微生物は、α-マンノシダーゼ活性を示さない。
(27)α-フコシダーゼ
本発明の微生物は、α-フコシダーゼ活性を示さない。
本発明の微生物はさらに、下記の資化性を示す。
(1)D-グルコース
本発明の微生物は、D-グルコース資化性を示す。
(2)L-アラビノース
本発明の微生物は、L-アラビノース資化性を示さない。
(3)D-マンノース
本発明の微生物は、D-マンノース資化性を示さない。
(4)D-マンニトール
本発明の微生物は、D-マンニトール資化性を示さない。
(5)N-アセチル-D-グルコサミン
本発明の微生物は、N-アセチル-D-グルコサミン資化性を示さない。
(6)マルトース
本発明の微生物は、マルトース資化性を示さない。
(7)グルコン酸カリウム
本発明の微生物は、グルコン酸カリウム資化性を示す。
(8)n-カプリン酸
本発明の微生物は、n-カプリン酸資化性を示さない。
(9)アジピン酸
本発明の微生物は、アジピン酸資化性を示さない。
(10)dl-リンゴ酸
本発明の微生物は、dl-リンゴ酸資化性を示さない。
(11)クエン酸ナトリウム
本発明の微生物は、クエン酸ナトリウム資化性を示さない。
(12)酢酸フェニル
本発明の微生物は、酢酸フェニル資化性を示さない。
本発明の微生物は、本発明の微生物の変異体(本発明の変異体)であり得る。該変異体は、本発明の微生物に由来する菌株である限り特に限定されないが、例えば、形態学的特徴、染色性、増殖性、栄養要求性、遺伝学的特徴、生理学的特徴、および生化学的特徴等において、本発明の微生物と1以上の同様の性質を示し、かつ本発明の微生物の所望の性質を保持している菌株であり得る。該所望の性質としては、有機物低減活性、微生物凝集活性、カタラーゼ反応性、オキシダーゼ反応性、硝酸塩還元反応性、チトクロームオキシダーゼ活性、アルカリフォスファターゼ活性、エステラーゼ(C4)活性、ロイシンアリルアミダーゼ活性、バリンアリルアミダーゼ活性、タンパク質分解活性、酸性フォスファターゼ活性、ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼ活性、糖質資化性、有機酸資化性、脂質資化性などが挙げられる。
本発明の変異体は、本発明の微生物に自体公知の変異原処理を行い、親株と同等もしくはそれ以上の所望の効果を有する菌株を選抜することにより得ることができる。有機物低減活性は、例えば全有機体炭素、生物化学的酸素要求量または化学的酸素要求量を指標に用いて試験することができるが、それらに限定されず、自体公知のいかなる方法を用いてもよい。
本発明の変異体は、例えば、本発明の微生物を改変処理することにより作製できる。このような改変処理としては、例えば、変異原性物質等の存在下での培養、および本発明の微生物が保有する遺伝子の破壊、ならびにこれらの操作の組合せなどが挙げられる。
ここで変異原としては、例えば、アルキル化剤(N-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(NTG)、エチルメタンスルホン酸(EMS)等)、ヌクレオチド塩基類似体(ブロモウラシル等)、ニトロソ化合物、DNAインターカレーター、DNA架橋剤、放射線、紫外線等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、当該変異体は、所望の効果が親株と比較して増大しているか、あるいはそれらの効果については同等であるが、例えば広いpHレンジで増殖可能、増殖速度が早い、低温下でも増殖可能などの他の有利な効果を奏する菌株などである。
本発明の微生物またはその変異体は、Kinneretia属に属する微生物全般の培養に用いられる自体公知の方法により培養することができる。当業者であれば培養に使用する培地を適宜選択可能であるが、培地の例としては、M9培地(最少培地)、KL培地、BHI培地、2YT培地、YPD培地、AM3培地、LB培地等が挙げられる。培養時間や培養スケールなどは、当該培養物の用途等に応じて適宜設定することができる。培養温度は、通常約15~約50℃、好ましくは約20~約45℃であり、より好ましくは約25~約40℃であり、さらに好ましくは約25~約35℃である。また、培地は、通常、pH3~10に調節される。
本発明の微生物またはその変異体の培養は、例えば、試験管、培養フラスコ等の培養器に一定量の培地を入れ、本発明の微生物またはその変異体を接種し、試験管振とう機、シンプロカルシェーカー、ロータリーシェーカー等を用い、好気条件下で約15~約50℃にて振とう培養により行うことができる。より大規模な培養は、数L規模のジャーファーメンターや数100L~数100t規模の工業的タンク等の大規模培養槽を用いての通気攪拌培養にて行うことができる。培養時間は特に制限はない。
上記の通り、本発明の微生物は、有機物低減活性および微生物凝集活性を有するため、有機物および/または微生物を含む試料から有機物を低減および/または微生物を凝集させる目的で使用することができる。従って、本発明はまた、本発明の微生物を含む、有機物低減剤(本発明の有機物低減剤)または微生物凝集剤(本発明の微生物凝集剤)を提供する。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤は、上記のようにして得られる培養液を、そのままで、あるいは適当に処理した後、本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤として任意の適切な剤形に調製することによって得ることができる。培養液の処理方法としては、例えば、当該培養液を水もしくは適当な希釈液(例えば、等張緩衝液や培地等)で適切な微生物濃度となるまで希釈することができる。あるいは、培養液をろ過もしくは遠心分離して微生物を回収し、適当な分散媒(例えば、等張緩衝液や新鮮培地等)に再懸濁することもできる。さらに、回収した微生物を常法により凍結乾燥することもできる。あるいはまた、培養液に10~20%のグリセロールを添加して-80℃で凍結保存し、用時融解して培地等に再懸濁して用いることもできる。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤の剤形としては、所望の効果を損なわないものであれば、液剤、粉剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤(ドライフロアブル)、フロアブル剤(懸濁剤)、乳剤、エマルション、マイクロカプセル剤などの様々な剤形であってよい。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤は、所望の効果を損なわないものであれば、本発明の微生物またはその変異株に加え、担体を含んでも良い。使用できる担体としては、有機物や微生物を含む試料を処理する際に常用されるものであれば、固体または液体のいずれでも使用でき特定のものに限定されるものではない。
固体担体としては、鉱物系担体(クレー、タルク、炭酸カルシウム、けいそう土、ゼオライト、ベントナイト、酸性白土、活性白土、アタパルガスクレー、バーミキュライト、パーライト、軽石、珪砂、シリカ、ホワイトカーボン、二酸化チタンなど)、植物系担体(木質粉、トウモロコシ茎(穂軸)、クルミ殻(堅果外皮)、果実核、モミガラ、オガクズ、ふすま、大豆粉、粉末セルロース、デンプン、デキストリン、糖類(グルコース、マルトース、ラクトース、シュークロースなど)などの不活性な粉体または粒状物、寒天などの水溶性高分子ゲルなどや塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、尿素-アルデビド樹脂などの種々のポリマー粉末)などが挙げられる。
また、液体担体としては、水、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコール誘導体類、ケトン類、エステル類、含窒素担体類、油脂類などが挙げられ、具体的には、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレン系グリコールエーテル、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン、脂肪酸メチルエステル(ヤシ油脂肪酸メチルエステル)、二塩基酸メチルエステル(コハク酸ジメチルエステル,グルタミン酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステル)、N―アルキルピロリドン、ヤシ油、大豆油、菜種油などが挙げられる。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤には、本発明の微生物またはその変異株に加え、他の有機物低減剤または微生物凝集剤が含まれていてもよい。
有機物および/または微生物を含む試料は、固形試料であってもよいし、液体試料であってもよい。有機物および/または微生物を含む固形試料としては、例えば、生ごみ、堆肥、糞などが挙げられる。任有機物および/または微生物を含む液体試料としては、例えば、工業廃水、農業廃水、生活廃水、海洋、河川、湖沼等の水などが挙げられる。
以上の通りにして得られる本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤は、有機物および/または微生物を含む試料と接触させることによって、試料中の有機物を低減させ、微生物を凝集させることができる。従って、本発明はまた、本発明の微生物を、有機物を含む試料と接触させることを含む、有機物の低減方法(本発明の有機物低減方法)を提供する。さらに本発明は、本発明の微生物を、微生物を含む試料と接触させることを含む、微生物の凝集方法(本発明の微生物凝集方法)を提供する。
所望の効果を有する限り、本発明の微生物を有機物および/または微生物を含む試料に接触させる方法は、特に制限されない。例えば、対象とする試料が有機物および/または微生物を含む固形試料である場合、固形試料に本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤をスプレーヤーなどにより直接散布してもよいし、固形試料を水等に懸濁し、発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤と混和してもよい。対象とする試料が有機物および/または微生物を含む液体試料である場合、液体試料に本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤を直接投入し、混和してもよい。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤により、例えば、液体試料を処理する場合、本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤の量に含まれる微生物濃度は、通常、1.0 x 106 cells/mL~1.0 x 108 cells/mLである。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤により試料を処理するタイミングは、所望の効果を有する限り特に制限されず、任意のタイミングで使用することができる。
本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤の使用頻度に対しては特に制限はない。
本発明はまた、本発明の微生物を利用した、廃水浄化装置(本発明の廃水浄化装置)を提供する。本発明の廃水浄化装置で処理される有機物および/または微生物を含む廃水としては、例えば、工業廃水、農業廃水、生活廃水、海洋、河川、湖沼等の水などが挙げられる。浄化とは、廃水に含まれる有機物および/または微生物の量が完全または部分的に分解または除去されることをいう。
本発明の廃水浄化装置は、以下を含む。
(1)本発明の微生物。
(2)本発明の微生物により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、微生物処理槽。
本発明の廃水浄化装置は、本発明の微生物により廃水を処理(微生物処理)することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、微生物処理槽(本発明の微生物処理槽)を含む。本発明の微生物は、廃水中に含まれる有機物を資化することによって低減し、本発明の微生物自身の凝集によって廃水中に含まれるその他の微生物をも併せて凝集微生物として纏めることができるため、本発明の微生物は、廃水を浄化することができる。本発明の微生物処理槽によって浄化された廃水は、後述する固液分離槽に送水されるか、環境基準を満たす限り、下水に放流することができる。環境基準としては、生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質量(SS)、ノルマルヘキサン抽出物質含有量(n-Hex)、大腸菌群数などが挙げられる。
C発明の微生物処理槽は、空気攪拌用送風機に連結された散気装置を含んでもよい。空気攪拌用送風機から送風された空気が散気装置から噴きだすことによって、本発明の微生物と廃水が攪拌され、本発明の微生物による廃水の処理効率が上昇する。
本発明の微生物処理槽は、その形態によって担体流動槽、曝気槽および接触酸化槽に分類される。本発明の微生物処理槽が担体流動槽である場合、浮遊可能な固体担体を含んでも良い。使用できる固体担体としては、本発明の微生物を担持可能な浮遊可能な固体担体であれば特に制限されないが、鉱物系担体(クレー、タルク、炭酸カルシウム、けいそう土、ゼオライト、ベントナイト、酸性白土、活性白土、アタパルガスクレー、バーミキュライト、パーライト、軽石、珪砂、シリカ、ホワイトカーボン、二酸化チタンなど)、植物系担体(木質粉、トウモロコシ茎(穂軸)、クルミ殻(堅果外皮)、果実核、モミガラ、オガクズ、ふすま、大豆粉、粉末セルロース、デンプン、デキストリン、糖類(グルコース、マルトース、ラクトース、シュークロースなど)などの不活性な粉体または粒状物、寒天などの水溶性高分子ゲルなどや塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、尿素-アルデビド樹脂などの種々のポリマー粉末)などが挙げられる。本発明の微生物処理槽が曝気槽である場合、上記担体に代わり、後述の固液分離槽において沈殿または補足された凝集微生物の一部を本発明の微生物が担持された担体として使用することができる。本発明の微生物処理槽が接触酸化槽である場合、固定床を含んでも良い。使用できる固定床としては、本発明の微生物を担持可能な固定された担体であれば特に制限されないが、浮遊担体と同一ものが挙げられる。
本発明の廃水浄化装置は、以下から選択される少なくとも1つをさらに含む。
(A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽。
(B)本発明の微生物を予め増殖させる、培養槽。
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽。
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽。
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽。
(F)凝集剤により廃水を処理することによって廃水中の浮遊物質およびn-Hexを凝集する、反応槽。
(G)凝集浮遊物質および凝集n-Hexを凝集剤処理された廃水から分離する、加圧浮上装置。
また、本発明の廃水浄化装置は、好ましくは、上記のうち以下を含む:
(A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽。
(B)本発明の微生物を予め増殖させる、培養槽。
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽。
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽。
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽。
本発明の廃水浄化装置は、廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽(本発明のポンプ槽)を含んでよい。本発明のポンプ槽は、本発明の微生物によって処理される廃水を一定量貯留し、均一化させたうえで、他槽に送水することができる。本発明のポンプ槽は、廃水を均一にするために撹拌機を含んでよい。また、均一化された廃水を送水するためのポンプを含んでよい。ポンプは送水先の他槽の数だけ含んでよい。本発明のポンプ槽から送水される他槽としては、例えば、上記の(A)から(G)の槽または装置が挙げられるが、その中でも、培養槽、微生物処理槽、反応槽などが好ましく挙げられる。さらに本発明のポンプ槽は、廃水計量機能を備えていてもよい(本発明の流量調整槽)。
本発明の廃水浄化装置は、本発明の微生物を予め増殖させる、培養槽(本発明の培養槽)を含んでよい。本発明の培養槽は、本発明の微生物は、廃水中に含まれる有機物を資化することができるため、廃水中の有機物を分解しながら、対数増殖期になるまで増殖することができる。このため、本発明の培養槽は、他槽から送水された廃水を培養液として、その中で本発明の微生物を増殖させることができる。また、本発明の微生物処理槽と同様に、本発明の培養槽は、空気攪拌用送風機に連結された散気装置を含んでもよい。空気攪拌用送風機から送風された空気が散気装置から噴きだすことによって、本発明の微生物と廃水が攪拌され、本発明の微生物を効率よく増殖させることができる。さらに、本発明の微生物と廃水の接触効率を上げることを目的として、本発明の培養槽は、本発明の微生物を担持可能な浮遊可能な固体担体を含んでもよい。固体担体としては、本発明の微生物処理槽において使用可能なものと同一のものであってよい。あるいは、本発明の培養槽において培養される本発明の微生物は、予め固体担体を含んだ本発明の有機物低減剤または本発明の微生物凝集剤であってもよい。本発明の培養槽で培養される本発明の微生物の初期濃度は、通常、1.0x 106 cells/mL~1.0 x 108cells/mLである。本発明の微生物を本発明の培養槽に投与するタイミングは、所望の効果を有する限り特に制限されず、任意のタイミングで投与することができる。本発明の微生物の投与頻度に対しては特に制限はないが、本発明の微生物は有機物を含有する廃水が供給され続ける限り、安定に細胞数が維持されるため、複数回の投入を行う必要がない。以上の通りにして本発明の培養槽で増殖された本発明の微生物は、他槽に送水される。従って、本発明の培養槽は、培養された本発明の微生物を送水するためのポンプを含んでよい。本発明の培養槽から送水される他槽としては本発明の微生物処理槽が挙げられる。
本発明の廃水浄化装置は、凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽(本発明の固液分離槽)を含んでよい。本発明の固液分離槽は、本発明の微生物処理槽において本発明の微生物により処理された廃水から凝集した本発明の微生物およびその他の微生物を分離することができる。
本発明の固液分離槽は、その形態によって沈殿槽および膜分離槽に分類される。本発明の固液分離槽が沈殿槽(本発明の沈殿槽)である場合、本発明の微生物により処理された廃水は、本発明の沈殿槽中で一定時間静置されることによって、廃水中に浮遊する凝集微生物が本発明の沈殿槽の底に沈殿する。そのような機能を発揮するため、例えば、本発明の沈殿槽は、60度以上の角度を有するホッパーであって、その水面積負荷が8m/m・日以下であることを満たす構造を有する。廃水が静置される時間としては、凝集微生物が沈殿できる時間であれば特に制限されないが、例えば、約1.5時間~約4時間が挙げられる。本発明の固液分離槽が膜分離槽(本発明の膜分離槽)である場合、本発明の微生物により処理された廃水を膜分離槽中に備えられた多孔を有する分離膜に透過させることによって、分離膜に凝集微生物だけを補足することができる。使用できる分離膜の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)などが挙げられるが、それらに限定されない。分離膜の孔径としては、凝集微生物が透過できない程度の孔径であれば制限されないが、例えば、約0.01μm~約2μmが挙げられる。
本発明の固液分離槽において凝集微生物が分離された廃水は放流槽において一時的に貯留され、その後放流される。従って、本発明の廃水浄化装置が本発明の固液分離槽を含む場合、本発明の廃水浄化装置は、凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を保持し、放流する、放流槽(本発明の放流槽)をさらに含んでよい。本発明の放流槽に貯留された凝集微生物が分離された廃水は、環境基準を満たす限り、下水に放流することができる。環境基準としては、生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質量(SS)、ノルマルヘキサン抽出物質含有量(n-Hex)、大腸菌群数などが挙げられる。本発明の放流槽は、本発明の放流槽内に一時的に貯留された廃水を下水に放流するためのポンプを含んでよい(本発明の放流ポンプ槽)。
本発明の固液分離槽において沈殿または補足された凝集微生物は、汚泥貯留槽に一時的に貯留され、その後、廃棄処理される。従って、本発明の廃水浄化装置が本発明の固液分離槽を含む場合、本発明の廃水浄化装置は、微生物処理された廃水から分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽(本発明の汚泥貯留槽)をさらに含んでよい。
本発明の廃水浄化装置は、凝集剤により廃水を処理(凝集剤処理)することによって廃水中の浮遊物質およびn-Hexを凝集する、反応槽(本発明の反応槽)を含んでよい。微生物処理前の廃水は、有機物、微生物の他に、浮遊物質、n-Hexを含んでおり、微生物処理前に予め、浮遊物質およびn-Hexを凝集することによって廃水から除去することができる。本発明の反応槽において使用される凝集剤としては、浮遊物質およびn-Hexを凝集することができる限り特に制限されないが、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ポリシリカ鉄などが挙げられる。本発明の反応槽は、撹拌機を含んでもよい。撹拌機によって凝集剤と廃水が攪拌され、浮遊物質およびn-Hexの凝集化が進む。
本発明の廃水浄化装置が本発明の反応槽を含む場合、本発明の廃水浄化装置は、凝集浮遊物質および凝集n-Hexを凝集剤処理された廃水から分離する、加圧浮上装置(本発明の加圧浮上装置)をさらに含んでよい。本発明の加圧浮上装置において、廃水中に含まれる凝集浮遊物質および凝集n-Hexは、加圧空気によって生じる微細気泡が付着し、浮上させることによって、除去される。
本発明の廃水浄化装置の実施態様の一例を図1に示す。本発明の廃水浄化装置の一例は、以下を備える。
(1)本発明の微生物1、
(2)本発明の微生物1により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、担体流動槽2。
担体流動槽2には、有機物および/または微生物を含む廃水3が送水され、本発明の微生物1が投入される。担体流動槽2においては、空気攪拌用送風機2aから送風された空気が散気装置2bから噴きだすことによって、固体担体2cに付着した本発明の微生物1が増殖し、有機物が分解され、全ての微生物が凝集され、廃水3が処理される。微生物処理された廃水4は、下水に放流される。
また、本発明の廃水浄化装置の実施態様の別の一例を図2に示す。本発明の廃水浄化装置の一例は、以下を備える。
(1)本発明の微生物5、
(2)本発明の微生物5により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、担体流動槽6、
(A)廃水を貯留し、反応槽8に送水する、ポンプ槽7、
(B)本発明の微生物5を予め増殖させる、培養槽11、
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、沈殿槽12、
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流ポンプ槽13、
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽14、
(F)凝集剤9により廃水を処理することによって廃水中の浮遊物質およびn-Hexを凝集する、反応槽8、および
(G)凝集浮遊物質および凝集n-Hexを凝集剤処理された廃水から分離する、加圧浮上装置10。
ポンプ槽7は、有機物、微生物、浮遊物質およびn-Hexを含む廃水15を一定量貯留し、撹拌機7aによって均一化させたうえで、ポンプ7bによって反応槽8に送水する。
反応槽8は、ポンプ槽7から送水されてきた廃水に凝集剤9を投入し、撹拌機8aによって凝集剤9と廃水を攪拌することによって、浮遊物質およびn-Hexを凝集化させる。その後、反応槽8は、凝集剤処理された廃水を加圧浮上装置10に送水する。
加圧浮上装置10は、凝集剤処理された廃水中に含まれる凝集浮遊物質および凝集n-Hexに微細気泡を付着させることによってそれらを浮上させ、余剰汚泥16として除去する。その後、加圧浮上装置10は、浮遊物質およびn-Hexが除去された、有機物および微生物を含む廃水を培養槽11に送水する。
培養槽11は、加圧浮上装置10から送水された廃水中で、空気攪拌用送風機11aから送風された空気が散気装置11bから噴きだすことによって、投入された本発明の微生物5と廃水が攪拌され、固体担体11cに付着した本発明の微生物5を効率よく増殖させる。その後、培養槽11は、廃水と共に本発明の微生物5を担体流動槽6に送水する。
担体流動槽6には、本発明の微生物5と共に有機物および微生物を含む廃水が送水され、空気攪拌用送風機11aから送風された空気が散気装置6aから噴きだすことによって、固体担体6bに付着した本発明の微生物5が増殖し、有機物が分解され、本発明の微生物5を含む全ての微生物が凝集される。その後、担体流動槽6は、微生物処理された廃水を沈殿槽12に送水する。
微生物処理された廃水は、沈殿槽12中で静置されることによって、廃水中に浮遊する凝集微生物が沈殿槽12の底に沈殿する。その後、沈殿槽12は、凝集微生物が分離された廃水を放流ポンプ槽13に送水し、沈殿した凝集微生物を汚泥貯留槽14に貯留する。
放流ポンプ槽13は、凝集微生物が分離された廃水を一時的に貯留し、その後、ポンプ13aで廃水17を放流する。
汚泥貯留槽14は、凝集微生物を一時的に貯留する。
また、本発明の廃水浄化装置の実施態様のさらに別の一例を図3に示す。本発明の廃水浄化装置の一例は、以下を備える。
(1)本発明の微生物18、
(2)本発明の微生物18により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、担体流動槽19、
(A)廃水を貯留し、担体流動槽19および培養槽21に送水する、ポンプ槽20、
(B)本発明の微生物18を予め増殖させる、培養槽21、
(C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、沈殿槽22、
(D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流ポンプ槽23、
(E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽24、
ポンプ槽20は、有機物および微生物を含む廃水25を一定量貯留し、撹拌機20aによって均一化させたうえで、ポンプ20bによって担体流動槽19およびポンプ20cによって培養槽21に送水する。
培養槽21は、ポンプ槽20から送水された廃水中で、空気攪拌用送風機19aから送風された空気が散気装置21aから噴きだすことによって、投入された本発明の微生物18と廃水が攪拌され、固体担体21bに付着した本発明の微生物18を効率よく増殖させる。その後、培養槽21は、廃水と共に微生物18を担体流動槽19にポンプ21cで送水する。
担体流動槽19では、本発明の微生物18と共に有機物および微生物を含む廃水が送水され、空気攪拌用送風機19aから送風された空気が散気装置19bから噴きだすことによって、固体担体19cに付着した本発明の微生物18が増殖し、有機物が分解され、本発明の微生物18を含む全ての微生物が凝集される。その後、担体流動槽19は、微生物処理された廃水を沈殿槽22に送水する。
微生物処理された廃水は、沈殿槽22中で静置されることによって、廃水中に浮遊する凝集微生物が沈殿槽22の底に沈殿する。その後、沈殿槽22は、凝集微生物が分離された廃水を放流ポンプ槽23に送水し、沈殿した凝集微生物を汚泥貯留槽24に貯留する。
放流ポンプ槽23は、凝集微生物が分離された廃水を一時的に貯留され、その後、ポンプ23aで廃水26を放流する。
汚泥貯留槽24は、凝集微生物を一時的に貯留する。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示にすぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1 廃水処理性能の比較
廃水処理を目的として新たに単離した微生物の客観的な性能評価を行うために、発明者らは、市販されている廃水処理用の微生物または酵素を主成分とする廃水処理資材の性能比較を行った。廃水処理能力の比較試験では、福井県内にある食肉加工工場からの廃水を用いた。この食肉加工廃水100mLに対して2 mLの各種廃水処理資材を添加し(植菌量2%)、バッフル付き三角フラスコを用いて28℃で24時間、120回転/分の条件で廃水処理を行った。微生物の廃水処理能力は、処理後の廃水中の全有機体炭素(TOC: Total Organic Carbon)を指標に評価した(全有機炭素計SHIMADZU TOC-Lを使用)。TOCとは、水中に存在する有機物の総量を有機物中に含まれる炭素量として示したものであり、「水の汚れ」を示す指標の一つとして用いられている。従来から用いられてきたBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)と比較して、TOC値の測定は試料中の共存物質からの干渉に強く、リアルタイムで有機物量を正確に測定できるという利点がある。比較試験の結果、食肉加工の廃水においては「QqBiO」(株式会社クォードコーポレーション)の処理能力が最も高かった(図4)。これは、QqBiOが異なる多種の微生物(約200種類)から構成されている混合微生物処理資材であるからだと考えられた。
実施例2 廃水処理微生物の探索
実施例1で示された通り、QqBiOは多種類の微生物を含んでいる混合資材であることから廃水処理能力は高いが、その製造過程において異なる微生物を均等に配合することが困難であるため、製品の品質が安定しないという問題があった。そこで、発明者らは、単一でも優れた廃水処理能力を有する微生物を単離することを試みた。高い廃水処理能力を有する微生物は、日本国内における水系を中心に探索した。鋭意探索を行った結果、食肉加工廃水においてQqBiOと同等の高い処理能力を有するE2株の分離に成功した(図5)。さらにE2株は、QqBiOにはない高い凝集性を有していた。これは廃水処理において極めて重要な特性であり、汚泥の廃棄が容易で、凝集剤による処理工程も省略できる(図6)。凝集沈殿したE2株を電子顕微鏡により観察したところ、大量のバイオポリマーを菌体外に分泌しており、これらが互いに吸着し合うことにより凝集体を形成することがわかった(図7)。この凝集性は、E2株同士だけでなく、廃水中に存在する他種の微生物や固形分も一緒に沈殿させることから、廃水処理微生物として極めて優れた特性である。
実施例3 微生物の同定試験
E2株は食肉加工廃水において極めて優れた処理能力を示したため、16S rDNA(16S rRNA 遺伝子、約1,500 bp)の塩基配列解析および形態観察、生理・生化学性状試験を行い、その帰属分類群を推定した。
(16S rDNA 部分塩基配列解析)
・ DNA 抽出:アクロモペプチダーゼ (FUJIFILM Wako Pure Chemical, Japan)
・ PCR 増幅:Tks Gflex DNA Polymerase (Takara Bio, Japan)
・ サイクルシークエンス:BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit (Applied Biosystems, USA)
・ 使用プライマー:PCR 増幅: 9F, 1510R
シークエンス: 9F, 515F, 1099F, 536R, 926R, 1242R 1510R
・ シークエンス:ABI PRISM 3130 xl Genetic Analyzer System (Applied Biosystems)
・ 塩基配列決定:ChromasPro 2.1 (Technelysium, AUS)
・ BLAST 相同性検索:解析ソフトウェアとして ENKI (TechnoSuruga Laboratory, Japan) を用い、データベースは国際塩基配列データベース(DDBJ/ENA(EMBL)/GenBank) およびDB-BA15.0 (TechnoSuruga Laboratory) を利用した。
・分子系統解析:系統樹の推定に近隣結合法、塩基置換モデルは Kimura-2-parameter、樹形の信頼性評価にはブートストラップ法(1,000 反復) を用いて解析した。
(E2株の16S rDNAの塩基配列)ATTGAACGCTGGCGGCATGCCTTACACATGCAAGTCGAACGGTAACGCGGGGCAACCTGGCGACGAGTGGCGAACGGGTGAGTAATGTATCGGAACGTGCCCAGTTGTGGGGGATAACTGCTCGAAAGAGCAGCTAATACCGCATACGACCTGAGGGTGAAAGCGGGGGATCGCAAGACCTCGCGCAATTGGAGCGGCCGATATCAGATTAGGTAGTTGGTGGGGTAAAGGCTCACCAAGCCGACGATCTGTAGCTGGTCTGAGAGGACGACCAGCCACACTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATTTTGGACAATGGACGCAAGTCTGATCCAGCCATGCCGCGTGCGGGAAGAAGGCCTTCGGGTTGTAAACCGCTTTTGTCAGGGAAGAAACGCTCTGGGTTAATACCTCGGGGTAATGACGGTACCTGAAGAATAAGCACCGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGGTGCAAGCGTTAATCGGAATTACTGGGCGTAAAGCGTGCGCAGGCGGTTATGCAAGACAGAGGTGAAATCCCCGGGCTCAACCTGGGAACTGCCTTTGTGACTGCATGGCTAGAGTACGGTAGAGGGGGATGGAATTCCGCGTGTAGCAGTGAAATGCGTAGATATGCGGAGGAACACCGATGGCGAAGGCAATCCCCTGGACCTGTACTGACGCTCATGCACGAAAGCGTGGGGAGCAAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCACGCCCTAAACGATGTCAACTGGTTGTTGGGAGGGTTTCTTCTCAGTAACGTAGCTAACGCGTGAAGTTGACCGCCTGGGGAGTACGGCCGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGACCCGCACAAGCGGTGGATGATGTGGTTTAATTCGATGCAACGCGAAAAACCTTACCTACCCTTGACATGCCAGGAATCCTGCAGAGATGTGGGAGTGCTCGAAAGAGAACCTGGACACAGGTGCTGCATGGCCGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTGTCATTAGTTGCTACGAAAGGGCACTCTAATGAGACTGCCGGTGACAAACCGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAGGTCATCATGGCCCTTATGGGTAGGGCTACACACGTCATACAATGGCCGGGACAGAGGGCTGCCAACCCGCGAGGGGGAGCTAATCCCAGAAACCCGGTCGTAGTCCGGATCGCAGTCTGCAACTCGACTGCGTGAAGTCGGAATCGCTAGTAATCGCGGATCAGCTTGCCGCGGTGAATACGTTCCCGGGTCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGGGAGCGGGTTCTGCCAGAAGTAGTTAGCCTAACCGCAAGGAGGGCGATTACCACGGCAGGGTTCGTGACTGGGGTGAAG(配列番号1)
微生物同定システム(解析ソフトウェア: ENKI)を用いたDB-BA 15.0 (TechnoSuruga Laboratory)および国際塩基配列データベース(DDBJ/ENA(EMBL)/GenBank)に対するBLAST相同性検索の結果、E2株の16S rDNA の塩基配列はKinneretia asaccharophilaの基準株KIN192T (アクセッション番号 AY136099) に対し相同率99.6%の相同性を示した(表1、2)。また、DB-BA 15.0に対するBLAST相同性検索で得られた塩基配列を基に解析した分子系統樹 (図8) において、E2株はKinneretia属 (1属1種)、Mitsuaria属、Pelomonas属、Roseteles属などが含まれるComamonadaceae科が構成するクラスター内に含まれ、K. asaccharophila KIN192T (AY136099) とクラスターを形成し、近縁であることが示された。このように16S rDNA 塩基配列解析の結果から、E2株はK. asaccharophila に近縁な新種細菌Kinneretia sp.であると推定された。
Figure 2023098436000001
Figure 2023098436000002
実施例4 生理・生化学性状試験
実体顕微鏡によるコロニー観察、光学顕微鏡による形態観察およびBarrow & Feltham(Cowan and Steel’s Manual for the Identification of Medical Bacteria, 3rd ed. Cambridge: Cambridge University Press; 1993.)の方法に基づき、カタラーゼ反応、オキシダーゼ反応、ブドウ糖からの酸/ガス産生、ブドウ糖の酸化/発酵(O/F)について試験を行った。
・ グラム染色:フェイバーG「ニッスイ」(Nissui Pharmaceutical, Japan)
・ 顕微鏡:光学顕微鏡 BX50F4 (Olympus, Japan)
・ 実体顕微鏡:SMZ800N (Nikon, Japan)
・生理・生化学性状試験には下記のキットを使用した。
API 20 NE (bioMerieux, FRA) [SIID30828-01]
API ZYM (bioMerieux, FRA) [SIID30828-01]
API 20 E (bioMerieux, FRA) [SIID30828-02, 03]
E2株の生理・生化学性状試験の結果は、運動性を有するグラム陰性の桿菌で、芽胞を形成せず、カタラーゼ反応及びオキシダーゼ反応は陽性を示した(表3)。これらの性状は、16S rDNA 塩基配列解析の結果から帰属の可能性が示された Kinneretia属の性状と、カタラーゼ反応を除き一致した。また、E2株は硝酸塩を還元し、インドールを産生せず、グルコースを発酵せず、ウレアーゼ活性およびβ-ガラクトシダーゼ活性は陰性を示し、エスクリンおよびゼラチンを加水分解せず、グルコースおよびグルコン酸 カリウムを資化し、L-アラビノース、マルトースおよびDL-リンゴ酸などを資化しなかった(表4)。さらに、E2株はアルカリフォスファターゼやトリプシン、酸性フォスファターゼなどの活性を示し、エステラーゼ(C8)などの活性を示さず、10℃では生育が見られなかった(表3および表5)。これらの性状は、16S rDNA塩基配列解析の結果近縁と示された、K. asaccharophilaと一致する点があるものの、相違点も多くみられた。
Figure 2023098436000003
Figure 2023098436000004
Figure 2023098436000005
このようにE2株はKinneretia属に含まれ、既知種ではK. asaccharophilaに最も近縁であったが、16S rDNA 塩基配列解析および生理・生化学性状試験の結果からK. asaccharophilaとは異なることから、種レベルでの帰属分類群の推定はできなかった。よって、以上の同定試験の結果から、E2株は新種細菌Kinneretia sp.と同定した。これまでにKinneretia属の細菌は、イスラエルのKinneret湖で発見されたK. asaccharophilaの1属1種しか見つかっておらず、日本国内で発見されたE2株は2種目のKinneretia属細菌である。
実施例5 廃水処理性能試験
廃水処理設備の微生物叢は多種多様な微生物から構成されているが、そこへ単一微生物を投入することで、実際にどれくらいの廃水処理効果を発揮するかを調べた。現場試験は、福井県内にある食肉加工工場に併設されている廃水処理設備を利用して実施した。本施設で処理される平均廃水量は約120 m3/日である。食肉加工工場から廃水処理設備に流入した廃水(原水)は、原水槽で一時的に貯留後、原水ポンプにより「流量調整槽」へ圧送され、ここで廃水性状を平準化した後、ポンプおよび計量装置を用いて一定水量を反応槽へ移送する(図9)。反応槽内に凝集剤を投入して廃水中の浮遊物質(SS)及びn-Hexを凝集化させ、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)によりpHを調整し凝集反応を促進させる。続いて、加圧浮上処理水の一部を加圧空気で処理して得られる微細気泡水と反応槽から圧送される廃水を混合し、加圧浮上装置において廃水中に微細気泡を発生させ、凝集剤により形成した有機物の塊(フロック)に気泡を付着させることによってフロックを浮上させて油脂固形分等の分離・除去を行う。加圧浮上装置を経由した加圧浮上処理水は、このようにして生物化学的酸素要求量(BOD)やノルマルヘキサン抽出物(n-Hex)、浮遊物質(SS)がある程度低減される。さらに加圧浮上処理水は「廃水処理槽の第一室(担体流動層)」へ移送され、複数の廃水処理槽を経由する間に微生物によりBODやn-Hexが放流基準値以下まで処理される。一方、加圧浮上装置により汚泥(水中に一様に広がって濃度として測定できる状態)として分離・除去されたフロックは、汚泥貯留槽で一時的に貯溜されてから汚泥移送ポンプにより脱水機へ移送される。脱水機では、カチオン系およびアニオン系の高分子凝集剤を使用して脱水を行い、脱水された汚泥は産業廃棄物として場外処分される。このように廃水処理施設では、加圧浮上装置における「大量の薬品使用」や「発生する汚泥の産業廃棄」、「施設外へ拡散する悪臭」等が問題となっていた。さらに、「汚泥の脱水」や「大量の水を加圧」するためには多量のエネルギーを必要とした。
これらの問題を一挙に解決するために、現場試験では加圧浮上装置を使用せず、E2株の培養液を廃水処理槽の第一室に100 L/m3の割合で直接投入した。その結果、加圧浮上装置を使用することなく、さらに通常運転時よりも約1.6倍高い廃水処理負荷をかけても、生物化学的酸素要求量(BOD)およびn-ヘキサン抽出物(n-Hex)の放流基準値をクリアすることが可能であった(図10および図11)。また、凝集性も維持されていた(図12)。これらのE2株による効果は、1回の投入で約1ヶ月間持続した。このE2株による驚異的な高効率化により、廃水処理設備のランニングコストは従来の約1/4にまで低減できた。
実施例6 廃水中における微生物叢(群集)の解析
前述したように、食肉加工工場から廃水処理設備に流入した廃水(原水)は原水槽で一時的に貯留後、原水ポンプにより「流量調整槽」へ圧送されるが、すでにこの段階で多種・多数の微生物が繁殖していると考えられる。そこで、このような複雑な微生物環境下でE2株がどのように機能を発揮しているかを理解することを目的として、廃水中の「微生物叢(群集構造)」および「E2株の経時的な動態解析」を行った。廃水(原水)中の群集構造はアンプリコンシーケンスで、廃水処理槽へ投入したE2株の動態はリアルタイムPCRで解析を行った。
(1)アンプリコンシーケンス解析
1. DNA 抽出
・ 抽出方法:MORA-EXTRACT kit (Kyokuto Pharmaceutical, Japan)、細胞破砕装置: FastPrep-24 5G (MP-Biomedicals, USA)
・ 吸光度測定補足:NanoDrop ND8000 (Thermo Fisher Scientific, USA)、DNA 濃度 (ng/μl)、DNA 純度(A260/A280)
2. PCR
・ 使用プライマー:Pro341F - Pro805R (細菌・アーキア 16SrDNA のプライマー配列を除く約430 bp)
・ PCR 条件:Takahashi S, Tomita J, Nishioka K, Hisada T, Nishijima M. Development of a prokaryotic universal primer for simultaneous analysis of Bacteria and Archaea using next-generation sequencing. PLoS One 2014; 9: e105592.
3. アンプリコンシーケンス解析
・ シーケンサー:MiSeq (Illumina, USA)、プライマー配列を除く配列を決定(約 380~430 bp)
・ シーケンシング Kit:MiSeq Reagent Kit v3 (600 サイクル) (Illumina)
4. fastq ペアエンドの連結
・ ソフトウェア:fastq-join
5. 配列の前処理 (クオリティーフィルタリング)
・ ソフトウェア:FASTX-Toolkit
6. キメラチェック
・ ソフトウェア:QIIME1.8.0およびusearch6.1.544_i86により検出されたキメラ配列を除去
7. 相同性検索
1) Ribosomal Database Project (RDP) による検索
・ ソフトウェア Metagenome@KIN (World Fusion, Japan)
・ データベース RDP MultiClassifier ver.2.11 (16S rDNA)
Cut Off: Phylum: 0.8(Confidence 0.8 以上の帰属分類群を抽出)
帰属分類群 : 界~属
2) 微生物同定データベースによる検索
・ ソフトウェア:Metagenome@KIN (World Fusion)
・ データベース:微生物同定データベースDB-BA13.0 (TechnoSuruga Laboratory, Japan)
相同率 97%以上かつ最上位の帰属分類群を近縁種として抽出
帰属分類群 : 界~種
8. 検体間の比較解析
・ ソフトウェア:Metagenome@KIN (World Fusion)
・ 解析手法:主成分分析およびクラスター解析(クラスタリング手法: 群平均法, 距離関数: ピアソンの相関係数)
(2)リアルタイムPCR解析
1. DNA 抽出
・ 抽出方法:MORA-EXTRACT kit (Kyokuto Pharmaceutical, Japan)、細胞破砕装置: FastPrep-24 5G (MP-Biomedicals, USA)
・ 吸光度測定:NanoDrop ND8000 (Thermo Fisher Scientific, USA)、DNA 濃度 (ng/μL)、DNA 純度 (A260/A280)
2. PCR 条件
・ プライマー
341f - 534r の組み合わせで全真正細菌の16S rDNAを網羅的に増幅(Muyzer G, de Waal EC, Uitterlinden AG. Profiling of complex microbial populations by denaturing gradient gel electrophoresis analysis of polymerase chain reaction-amplified genes coding for 16S rRNA. Appl Environ Microbiol 1993;59:695-700.)
E2株の16S rDNAだけを特異的に増幅するためにKasaccharo_F (GTGGGGGATAACTGCTCGAAAGAGCAG(配列番号2))- Kasaccharo_R (TACCCCGAGGTATTAACCCAGAGCG(配列番号3)) 設計して増幅
・ スタンダード:Escherichia coli JCM 1649T(全真正細菌 16S rDNA コピー数測定用)
E2株由来プラスミド DNA (K. asaccharophila 16S rDNA コピー数測定用)
3. リアルタイム PCR
・ 試薬:TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)(Takara Bio, Japan)
・ 装置:Rotor-Gene Q (QIAGEN, DEU)
廃水(原水)の微生物叢を次世代シーケンサーにより解析した結果、「流量調整槽」の段階で常時300~400種類(属レベル)以上の細菌・古細菌が存在しており、生物学的に極めて多様性が高い環境であることを確認した。さらに、リアルタイムPCR解析により、処理中の廃水に存在する微生物の数を計数したところ、投入時、7.08 x 108/mLであり、その後も常時108/mLオーダーの細菌が検出された(図13)。また、廃水処理槽へ培養液の状態で投入されたE2株の菌体濃度は、100 L/m3の割合で投入した直後には2.12 x 107/mLであり、全菌数のおよそ3%であったが、24時間後には105/mLオーダー、48時間後には104/mLオーダーにまで減少し、その後1ヶ月間は104/mLオーダーで安定に維持され、高い廃水処理効果が持続した(図13)。このように、属レベルで300種以上、108/mLオーダーの細菌が常時存在する廃水中において、E2株は104/mLオーダーの細胞濃度で安定に廃水処理微生物として機能していることを確認した。
本発明の微生物は、既存の廃水処理資材と同等の廃水浄化能力を有する。また、驚くべきことに他種の微生物や固形成分をまとめて凝集させることができるため、本発明の微生物による処理を行う前に予め凝集剤によって廃水を処理する必要がない。結果として、当該微生物を使用することによって前処理を省略しながらも既存の排水設備を改修することなく、廃水処理にかかる費用を大幅に低減することができる。
1:本発明の微生物
2:担体流動槽
2a:空気攪拌用送風機
2b:散気装置
2c:固体担体
3:有機物および/または微生物を含む廃水
4:微生物処理された廃水
5:本発明の微生物
6:担体流動槽
6a:散気装置
6b:固体担体
7:ポンプ槽
7a:撹拌機
7b:ポンプ
8:反応槽
8a:撹拌機
9:凝集剤
10:加圧浮上装置
11:培養槽
11a:空気攪拌用送風機
11b:散気装置
11c:固体担体
11d:ポンプ
12:沈殿槽
13:放流ポンプ槽
13a:ポンプ
14:汚泥貯留槽
15:有機物、微生物、浮遊物質およびn-Hexを含む廃水
16:余剰汚泥
17:廃水
18:本発明の微生物
19:担体流動槽
19a:空気攪拌用送風機
19b:散気装置
19c:固体担体
20:ポンプ槽
20a:撹拌機
20b:ポンプ
20c:ポンプ
21:培養槽
21a:散気装置
21b:固体担体
21c:ポンプ
22:沈殿槽
23:放流ポンプ槽
23a:ポンプ
24:汚泥貯留槽
25:有機物および微生物を含む廃水
26:廃水

Claims (10)

  1. 以下の(1)または(2)の特徴を有する、単離された微生物:
    (1)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列を含む、
    (2)16S rDNAの塩基配列が、配列番号1で示される塩基配列と90%以上の相同性を有し、かつ該微生物がKinneretia属に属し、有機物低減活性および微生物凝集活性を有する。
  2. 下記の菌学的性質を示す、請求項1に記載の微生物。
    (1)コロニー形態
    直径:1mm未満
    色調:クリーム色
    形:円形
    隆起状態:中央陥没状
    周縁:全縁
    表面の形状:平滑
    透明度:不透明
    粘稠度:バター様
    (2)生育温度:20~45℃
    (3)細胞形態:桿菌
    (4)グラム染色性:-
    (5)芽胞形成の有無:-
    (6)運動性:+
    (7)カタラーゼ反応:+
    (8)オキシダーゼ反応:+
    (9)グルコースからの酸/ガス産生:-/-
    (10)グルコースの酸化/発酵テスト:-/-
    (上記において、「+」は陽性、「-」は陰性をそれぞれ示す)
  3. 単離された受託番号NITE P-03538のKinneretia属微生物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を含む、有機物低減剤。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を含む、微生物凝集剤。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を、有機物を含む試料と接触させることを含む、有機物の低減方法。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を、微生物を含む試料と接触させることを含む、微生物の凝集方法。
  8. 以下を含む、廃水浄化装置:
    (1)請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物、および
    (2)(1)の微生物により廃水を処理することによって廃水中の有機物を低減および/または微生物を凝集する、微生物処理槽。
  9. 以下から選択される少なくとも1つをさらに含む、請求項8に記載の装置:
    (A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽、
    (B)請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を予め増殖させる、培養槽、
    (C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽、
    (D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽、
    (E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽、
    (F)凝集剤により廃水を処理することによって廃水中の浮遊物質およびn-Hexを凝集する、反応槽、および
    (G)凝集浮遊物質および凝集n-Hexを凝集剤処理された廃水から分離する、加圧浮上装置。
  10. 以下をさらに含む、請求項8に記載の装置:
    (A)廃水を貯留し、他槽に送水する、ポンプ槽、
    (B)請求項1~3のいずれか1項に記載の微生物を予め増殖させる、培養槽、
    (C)凝集微生物を微生物処理された廃水から分離する、固液分離槽、
    (D)凝集微生物が分離された微生物処理された廃水を貯留し、放流する、放流槽、および
    (E)分離された凝集微生物を貯留する、汚泥貯留槽。
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