JP2023098147A - コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Tomoya Obuchi
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Abstract

【課題】導線のダメージを抑えつつ、コイル部品を小型化すること。【解決手段】コイル部品100の製造方法は、基体10を準備する工程と、基体10の一部に導線40が巻き付けられるコイル部42を形成する工程と、コイル部42から導線40を引き出して、基体10の外面20上に導線40の端部41aを設ける工程と、加工治具50により導線40の端部41aから外面20に向かって所定の荷重を掛けて導線40の端部41aを加工する工程と、を備え、所定の荷重は、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ加工治具50および基体10が弾性変形に収まる最大荷重より小さく、所定の荷重の荷重時において、加工治具50の変位量は基体10の変位量より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、コイル部品の製造方法に関する。
電子機器の高機能化等に伴い、電子機器に使用されるコイル部品の数が増大している。このため、コイル部品の更なる小型化が求められている。コイル部品としては、コイル部から引き出した導線に曲げ加工を施して、導線の端部を基体の底面上に引き出すコイル部品が知られている。導線を曲げ加工した場合、導線にスプリングバックが生じるため、スプリングバックを予め考慮して曲げ加工を施すことが知られている(例えば特許文献1)。また、曲げ加工性を向上させるために、基体の底面に引き出す導線の端部の厚みをコイル部における導線の厚みより薄くすることが知られている(例えば特許文献2)。
特開2018-103226号公報 特開2004-207355号公報
しかしながら、コイル部から導線を引き出して、導線の端部を基体の第1面上に設ける場合、特許文献1に記載のような、スプリングバックを予め考慮した曲げ加工を施すことは難しいため、コイル部品が大型化してしまう。また、特許文献2に記載のように、導線の一部の厚みを薄くする場合では、導線にダメージを与える恐れがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、導線のダメージを抑えつつ、コイル部品を小型化することを目的とする。
本発明は、基体を準備する工程と、前記基体の一部に導線が巻き付けられるコイル部を形成する工程と、前記コイル部から前記導線を引き出して、前記基体の第1面上に前記導線の端部を設ける工程と、加工治具により前記導線の端部から前記第1面に向かって所定の荷重を掛けて前記導線の端部を加工する工程と、を備え、前記所定の荷重は、前記導線の曲げ応力から求められる前記導線が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ前記加工治具が弾性変形に収まる最大荷重および前記基体が弾性変形に収まる最大荷重より小さく、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具の変位量は前記基体の変位量より大きい、コイル部品の製造方法である。
上記構成において、前記加工治具が前記導線の端部から離れた後における前記導線の端部と前記第1面との間の最大距離は、前記所定の荷重の荷重時における前記加工治具の変位量より小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部および前記第1面と接し、かつ、前記導線の端部および前記第1面と接していない前記加工治具の一部は前記第1面より前記基体側に位置している構成とすることができる。
上記構成において、前記第1面に溝が設けられ、前記溝の内部に前記導線の端部が配置され、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部と接し、かつ、前記導線の端部と接していない前記加工治具の一部は前記溝より前記基体側に位置している構成とすることができる。
上記構成において、前記第1面に窪みが設けられ、前記窪みを横切るように前記導線の端部が配置され、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部と接し、かつ、前記導線の端部と接していない前記加工治具の一部は前記窪みより前記基体側に位置している構成とすることができる。
上記構成において、前記導線の端部と前記コイル部とを繋ぐ前記導線からなる引出線が設けられ、前記引出線は、前記第1面と隣り合う第2面より外側に配置され、前記引出線の一部は、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具から離れた位置にあり、前記所定の荷重の荷重前に比べて前記第2面から離れる構成とすることができる。
上記構成において、前記加工治具における前記導線の端部および前記第1面に接する部分は、ウレタンゴムまたはシリコンゴムで形成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記導線の端部を加工した後、前記導線の端部にはんだ膜を接合させて、前記導線の端部と前記はんだ膜とを含む外部電極を形成する工程を備える構成とすることができる。
上記構成において、前記基体は、軸部と鍔部を有するドラムコアである構成とすることができる。
本発明によれば、導線のダメージを抑えつつ、コイル部品を小型化することができる。
図1(a)から図1(e)は、実施形態に係るコイル部品をX側から見たときの製造方法を示す側面図である。 図2(a)から図2(e)は、実施形態に係るコイル部品を-Y側から見たときの製造方法を示す側面図である。 図3(a)は、実施形態に係るコイル部品の製造の一工程を示す断面図、図3(b)は、第1の変形例に係るコイル部品の製造の一工程を示す断面図である。 図4(a)から図4(f)は、第2の変形例に掛かるコイル部品の製造方法を示す側面図である。 図5(a)から図5(f)は、第3の変形例に掛かるコイル部品の製造方法を示す側面図である。 図6(a)から図6(c)は、加工治具、導線、鍔部の応力ひずみ特性を評価した方法を示す図である。 図7は、鍔部、導線、加工治具における応力とひずみの関係を示す評価結果である。
以下、図面を適宜参照しながら、本願発明の実施形態について説明する。但し、本願発明は図示された態様に限定される訳ではない。また、複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
[実施形態]
図1(a)から図1(e)は、実施形態に係るコイル部品を+X側から見たときの製造方法を示す側面図である。図2(a)から図2(e)は、実施形態に係るコイル部品を-Y側から見たときの製造方法を示す側面図である。X軸、Y軸、Z軸は互いに直交している。実施形態では、基体10としてドラムコアの場合を一例として示すが、鍔部を一方にしか有さないTコアの場合等、その他の場合でもよい。図1(a)から図1(e)および図2(a)から図2(e)において、図の明瞭化のために、構成部材にハッチングを付している(以下の同様な図においても同じ)。また、図1(a)から図1(e)および図2(a)から図2(e)において、外装部70を透視してコイル部42を図示し、外装部70およびコイル部42を透視して軸部12を図示している。図1(c)および図2(c)において、加工治具50を透視して金属膜30a、30bおよび導線40の端部41a、41bを図示し、図1(e)および図2(e)において、外部電極60a、60bの一部に取り込まれている導線40の端部41a、41bを図示している。コイル部品は、電源ラインに組み込まれるパワーインダクタであってもよいし、信号ラインにおいて用いられるインダクタであってもよいし、その他であってもよい。
図1(a)および図2(a)に示すように、Z軸方向に伸びた軸部12と、軸部12の+Z側の端に設けられた一方の鍔部14と、軸部12の-Z側の端に設けられた他方の鍔部16と、を有するドラムコアである基体10を準備する。以降においては基板に実装される場合の基板に近い側の一方の鍔部14を中心に説明を行う。鍔部14の外形は、例えば他方の鍔部16の外形と略同じ大きさであるが、他方の鍔部16の外形より大きい場合でも、小さい場合でもよい。また、鍔部14の厚みは、他方の鍔部16の厚みと同じ厚みでもよいし、異なる厚みでもよい。鍔部14は、軸部12側の内面18と、軸部12と反対側の外面20と、を有する。
基体10は、例えば磁性粉末と樹脂を混合したペーストを金型のキャビティ内に充填してプレス成形することによって成形体を形成し、この成形体に対して例えば200℃の熱処理を行って樹脂を固めることで形成される。磁性粉末は、例えばフェライト磁性粉末または金属磁性粉末が用いられる。フェライト磁性粉末としては、例えばNi-Zn系またはMn-Zn系等のフェライト材料が挙げられる。金属磁性粉末としては、例えばFe-Si-Cr系、Fe-Si-Al系、またはFe-Si-Cr-Al系等の軟磁性合金材料、FeまたはNi等の磁性金属材料、アモルファス磁性金属材料、若しくはナノ結晶磁性金属材料等が挙げられる。樹脂は、例えばポリビニルブチラール(PVB)樹脂またはエポキシ樹脂等の絶縁性に優れた樹脂が用いられる。
なお、基体10は、大きな塊の成形体を加工することで軸部12と鍔部14、16とを有する成形体とし、この成形体に対して熱処理を行うことで形成してもよい。熱処理は、軸部12と鍔部14、16とを有する成形体に加工する前に行ってもよい。また、基体10は、磁性粉末を樹脂で固めることによって形成する場合に限られず、磁性粉末同士を無機物で結合させることで形成してもよい。この場合、磁性粉末をプレス成形した成形体に対して例えば600℃~1100℃の熱処理を行うことで、基体10を形成する。また、基体10は、磁性体である場合に限られず、酸化アルミニウム(アルミナ)または酸化シリコン(ガラス)等により形成された非磁性体である場合でもよい。
軸部12は、例えばXY平面に平行な断面形状が角部に丸みを帯びた略矩形となっている。鍔部14、16は、例えばXY平面に平行な断面形状が略矩形であり、例えばZ軸方向に厚みを有する板状である。なお、軸部12は、断面形状が円形、楕円形、略矩形、五角形以上の多角形又はこれらの組み合わせをしていてもよい。軸部12は、Z軸方向に見て、鍔部14、16の外形より小さく、また鍔部14、16の中央付近に設けられる。基体10のX軸方向の長さ寸法、Y軸方向の長さ寸法、およびZ軸方向の長さ寸法は適宜適切に設定される。
基体10を準備した後、鍔部14の外面20に金属膜30a、30bを形成する。金属膜30a、30bは、鍔部14の対向する外周面22、24との間で延在し、互いに略平行に設けられている。金属膜30a、30bは、例えばスパッタリング法または導電性ペーストの塗布によって銅(Cu)または銀(Ag)等の下地層を形成した後、めっき法を用いて下地層上にニッケル(Ni)層および錫(Sn)層等のめっき層を形成することにより形成する。なお、金属膜30a、30bは、下地層上にめっき層が形成された複数層の場合に限られず、下地層だけからなる単層の場合でもよい。また、金属膜30a、30bは、鍔部14との密着性のために、チタン(Ti)またはクロム(Cr)等の密着層を有していてもよい。金属膜30a、30bの厚さは、例えば1μm~50μm程度である。
金属膜30a、30bを形成した後、基体10の軸部12に導線40を巻回して導線40からなるコイル部42を形成する。コイル部42の一対の端部から導線40をそれぞれ鍔部14の外周面22より外側に引き出した後、導線40を折り曲げて、導線40の端部41a、41bを金属膜30a、30b上に位置するように鍔部14の外面20上に引き出す。ここで、導線40のうち端部41a、41bとコイル部42とを繋ぐ部分を引出線44とする。また、引出線44のうち、導線40の端部41a、41bを鍔部14の外面20上に引き出すために折り曲げた部分を折り曲げ部48とする。引出線44は導線40の端部41a、41bそれぞれに接続されていて、折り曲げ部48は鍔部14の外周面22上付近に位置する。導線40を折り曲げ部48で折り曲げて導線40の端部41a、41bを鍔部14の外面20に沿うように曲げ加工した場合でも、導線40の端部41a、41bはスプリングバックによって折り曲げ部48から先端43a、43bに向かうに従い鍔部14の外面20から離れるように形成される。
コイル部42は、導線40が軸部12の周りに1ターン以上巻回されていればよく、軸部12の周りに1層だけ巻回されている場合でもよいし、一部分または全ての部分が複数層に重ねられて巻回されている場合でもよい。なお、コイル部42は、導線40の中央部が初めに巻回され、次に導線40の両端に向かって巻回する、所謂α巻きによって形成されてもよい。
導線40は、例えば銅(Cu)または銀(Ag)からなる金属線の周面がウレタンからなる絶縁被膜で覆われている。なお、絶縁被膜は、ウレタン以外の絶縁材料で形成されてもよく、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、またはポリエステル等の樹脂材料で形成されてもよい。金属線の断面形状は、例えば円形であるが、矩形の場合でもよい。
コイル部42を形成した後、コイル部42を覆う外装部70を形成してもよい。外装部70は、例えば刷毛塗り、ローラー転写、またはディスペンス等により樹脂材料を塗布し、その後、樹脂材料を硬化させることで形成される。樹脂材料の樹脂成分は、絶縁性に優れた熱硬化性樹脂である場合が好ましく、例えばエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂が用いられる。なお、樹脂材料は、平均粒径が10μm以下の磁性粒子等の磁性材料のフィラーを含んでいてもよい。例えば、樹脂材料は、磁性材料と樹脂を混合して形成されてもよく、例えば磁性材料としてフェライトが用いられ、樹脂成分としてエポキシ樹脂が用いられてもよい。また、樹脂材料は、シリカ粒子等の非磁性材料のフィラーを含んでいる場合でもよいし、磁性材料と非磁性材料を組み合わせてもよいし、混合して含んでいる場合でもよい。
図1(b)および図2(b)に示すように、鍔部14の外面20の上方に加工治具50を配置する。加工治具50は、弾性体で形成されていて、基体10よりもヤング率が小さい材料で形成されている。例えば、加工治具50はウレタンゴムまたはシリコンゴムで形成されている。
図1(c)および図2(c)に示すように、加工治具50と鍔部14の外面20との間に導線40の端部41a、41bを挟むようにして、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける。加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで、加工治具50の厚さは元の厚さT1よりも薄い厚さT2となる。この厚さの差(T1-T2)が、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けたときに加工治具50に生じた変位量となる。加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで、導線40の端部41a、41bは鍔部14の外面20に平行となるように変形して金属膜30a、30bに押し付けられる。
ここで、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの荷重について説明する。図1(b)、図1(c)および図2(b)、図2(c)のように、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで、導線40の端部41a、41bは折り曲げ部48を支点にして曲がるように変形する。したがって、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで、導線40には曲げ応力が掛かることになる。曲げ応力は、曲げモーメントを断面係数で割ることで求まる。曲げモーメントは、曲げが生じる物体の長さと物体に加わった荷重とから求まる。断面係数は、決められた公式により求まり、例えば断面が円形である場合では、直径の2乗と円周率πを掛け合わせた値を32で割ることで求まる。本実施形態では、曲げモーメントは導線40の端部41a、41bの長さL(図1(b)参照)と導線40の端部41a、41bに加わる荷重とから求めることができる。断面係数は導線40の端部41a、41bの断面から公式を用いて求めることができる。
また、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けたとき、加工治具50と鍔部14にはそれぞれ圧縮応力が掛かることになる。加工治具50に掛かる圧縮応力は、加工治具50が鍔部14の外面20に押し付けられたときの荷重を加工治具50が鍔部14の外面20および導線40の端部41a、41bに接する面積で割ることで求まる。同様に、鍔部14に掛かる圧縮応力は、加工治具50が鍔部14の外面20に押し付けられたときに鍔部14の外面20に加わる荷重を鍔部14の外面20が加工治具50および導線40の端部41a、41bに接する面積で割ることで求まる。
加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの荷重は、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さい荷重とする。以下において、このような荷重を所定の荷重とする。導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きな荷重で加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで、図1(c)のように、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形する。また、加工治具50は基体10よりもヤング率が小さい材料で形成されていることから、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50の変位量は鍔部14の変位量よりも大きくなる。
図1(d)および図2(d)に示すように、加工治具50を鍔部14の外面20から離す。上述したように、加工治具50を鍔部14の外面20に所定の荷重で押し付けることで、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形している。この変形によって導線40の端部41a、41bの残留応力が小さくなり、導線40の端部41a、41bは、スプリングバック量が低減して、加工治具50が押し付けられる前に比べて鍔部14の外面20との間隔が小さくなる。加工治具50を押し付ける前における導線40の端部41a、41bと鍔部14の外面20との間の最大距離をH1(図1(a)参照)、押し付けた後の最大距離をH2(図1(d)参照)とすると、最大距離H2は最大距離H1よりも小さくなる。また、最大距離H2は、加工治具50を鍔部14の外面20に所定の荷重で押し付けたときの加工治具50の変位量(T1-T2)よりも小さくなる。
また、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの荷重を、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重よりも小さくすることで、加工治具50を鍔部14の外面20から離した後において、加工治具50および鍔部14は加工治具50を押し付ける前の状態に戻る。
図1(e)および図2(e)に示すように、金属膜30a、30bの表面に、例えばディスペンスまたは転写等によりはんだ膜62a、62bを塗布する。はんだ膜62a、62bは、例えば錫銀はんだまたは錫銀銅はんだであり、フラックス成分を含有する。その後、はんだ膜62a、62bを融点以上の温度、例えば、220℃以上で加熱して溶融させる。はんだ膜62a、62bに含まれるフラックス成分が導線40の端部41a、41bにおける絶縁被膜を剥離し、導線40の端部41a、41bにおいて金属線が露出する。これにより、導線40の端部41aと金属膜30aとはんだ膜62aとが接合して、コイル部42に電気的に接続された外部電極60aが形成される。同様に、導線40の端部41bと金属膜30bとはんだ膜62bとが接合して、コイル部42に電気的に接続された外部電極60bが形成される。以上により、実施形態に係るコイル部品100が形成される。
以上のように、本実施形態によれば、図1(a)および図2(a)のように、導線40は、コイル部42から引き出され、鍔部14の外面20上に導線40の端部41a、41bが設けられる。図1(c)および図2(c)のように、導線40の端部41a、41bは、加工治具50により鍔部14の外面20に向かって所定の荷重を掛けることで、加工治具50と鍔部14の外面20との間で加工される。このときに、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける所定の荷重は、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50が弾性変形に収まる最大荷重および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さい荷重とする。導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きな荷重を掛けることで、加工治具50が鍔部14の外面20から離れた後において、導線40の端部41a、41bに生じるスプリングバック量を低減でき、導線40の端部41a、41bを鍔部14の外面20に近づけることができる。よって、コイル部品100を小型化することができる。加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さな荷重を掛けることで、加工治具50および鍔部14の塑性変形が抑えられ、加工治具50は繰り返し使用することが可能となる。また、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50の変位量は鍔部14の変位量よりも大きい。このような柔らかい加工治具50を用いて導線40の端部41a、41bを加工することで、導線40の端部41a、41bにダメージを与えることを抑制できる。
なお、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける所定の荷重は、導線40のスプリングバックを抑制する点から、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重の2倍以上である場合でもよいし、3倍以上である場合でもよいし、4倍以上である場合でもよい。また、導線40へのダメージが抑制されるような柔らかい加工治具50を用いる点から、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50の変位量は鍔部14の変位量の2倍以上である場合が好ましく、3倍以上である場合がより好ましく、4倍以上である場合が更に好ましい。例えば、加工治具50のヤング率は、鍔部14のヤング率の1/10以下が好ましく、1/100以下がより好ましく、1/1000以下が更に好ましい。
また、本実施形態では、加工治具50が導線40の端部41a、41bから離れた後における導線40の端部41a、41bと鍔部14の外面20との間の最大距離H2は、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時における加工治具50の変位量(T1-T2)より小さい。これにより、導線40の端部41a、41bが鍔部14の外面20に近づき、コイル部品100を小型化することができる。
このように、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの所定の荷重は、加工治具50が鍔部14の外面20から離れた後において、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減できる荷重である。例えば、加工治具50が鍔部14の外面20から離れた後における導線40の端部41a、41bと鍔部14の外面20との間の最大距離H2が導線40の太さより小さくなるような荷重であり、導線40の太さの3/4以下になるような荷重である場合が好ましく、1/2以下になるような荷重である場合がより好ましい。
また、本実施形態では、図1(c)のように、導線40の端部41a、41bとコイル部42とを繋ぐ引出線44の一部、例えば、折り曲げ部48は、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50から離れた位置にあり、所定の荷重を掛ける前に比べて、鍔部14の外周面22から離れている。これにより、導線40の端部41a、41bの残留応力が小さくなり、加工治具50が鍔部14の外面20から離れた後において、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減することができる。
また、本実施形態では、加工治具50はウレタンゴムまたはシリコンゴムにより形成されている。これにより、導線40の端部41a、41bへのダメージを抑制しつつ、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減することができる。なお、加工治具50は、全体がウレタンゴムまたはシリコンゴムにより形成される場合に限られず、少なくとも導線40の端部41a、41bおよび鍔部14の外面20に接する部分がウレタンゴムまたはシリコンゴムで形成されている場合であればよい。
また、本実施形態では、図1(e)および図2(e)のように、加工治具50によって導線40の端部41a、41bを加工した後、導線40の端部41a、41bにはんだ膜62a、62bを接合させて外部電極60a、60bを形成する。これにより、鍔部14の外面20に近づいた導線40の端部41a、41bに対してはんだ膜62a、62が接合するため、コイル部品100を小型化することができる。
また、本実施形態では、基体10は、軸部12と鍔部14を有するドラムコアである。このような構造の場合、加工治具50を鍔部14の外面20に向けて大きな荷重で押し付けることが行い易くなるため、導線40の端部41a、41bの加工が行い易くなる。
また、本実施形態では、コイル部42を覆うように外装部70を形成している。これにより、導線40が外装部70により固定されるため、加工治具50により導線40の端部41a、41bを加工する場合に、加工治具50に加えた荷重が導線40の端部41a、41bに効率良く加わるようになる。
[第1の変形例]
図3(a)は、実施形態に係るコイル部品の製造の一工程を示す断面図、図3(b)は、第1の変形例に係るコイル部品の製造の一工程を示す断面図である。図3(a)に示すように、上記実施形態では、加工治具50の鍔部14側の面52が鍔部14の外面20に略一致する程度に、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける場合を例に示した。しかしながら、この場合に限られず、図3(b)に示すように、加工治具50の鍔部14側の面52のうち鍔部14の外面20より外側に位置する部分が鍔部14の外面20よりも軸部12側に押し込まれるように、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける場合でもよい。加工治具50の最も軸部12側の位置する部分と鍔部14の外面20との間隔を加工治具50の押し込み量Dとすると、第1の変形例では押し込み量Dは0より大きくなる。なお、上記実施形態では押し込み量Dはほぼ0である。また、第1の変形例のように押し込み量Dが0より大きい場合では、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けたときに生じる加工治具50の変位量は、加工治具50の元の厚さT1(図1(b)参照)から加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けたときの外面20上における加工治具50の厚さT2を引いた値(T1-T2)となる。
図3(b)のように、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50は導線40の端部41a、41bおよび鍔部14の外面20に接し、かつ、導線40の端部41a、41bおよび鍔部14の外面20に接していない加工治具50の一部は鍔部14の外面20より軸部12側に位置する場合でもよい。これにより、導線40の端部41a、41bの周りの空隙が少なくなり、導線40の端部41a、41bが加工治具50で十分に保持されて押されるようになるため、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減できる。よって、コイル部品100を小型化することができる。
[第2の変形例]
図4(a)から図4(f)は、第2の変形例に掛かるコイル部品の製造方法を示す側面図である。図4(a)から図4(c)は+X側から見た側面図であり、図4(d)から図4(f)は-Y側から見た側面図である。図4(a)および図4(d)に示すように、第2の変形例においては、鍔部14の外面20に2つの溝32a、32bが設けられている。溝32aと溝32bは、互いに略平行に延びて、鍔部14の対向する外周面22および外周面24に開口している。金属膜30a、30bは溝32a、32bの内面に形成される。導線40の端部41a、41bは、溝32a、32b内に引き出されて、金属膜30a、30b上に位置する。この場合でも、導線40の端部41a、41bにはスプリングバックが生じ、導線40の端部41a、41bは折り曲げ部48から先端43a、43bに向かうに従い溝32a、32bの底面から離れるように形成される。その他については、図1(a)および図2(a)と同じであるため説明を省略する。
図4(b)および図4(e)に示すように、加工治具50と溝32a、32bの底面との間に導線40の端部41a、41bを挟むようにして、加工治具50を鍔部14の外面20に所定の荷重で押し付ける。このとき、加工治具50の一部が溝32a、32b内に入り込むように加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けて、導線40の端部41a、41bが加工治具50により金属膜30a、30bに押し付けられるようにする。この場合、加工治具50の鍔部14の外面20より外側に位置する部分は溝32a、32bの底面よりも軸部12側に位置する。加工治具50に加える所定の荷重は、上記実施形態と同じく、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さい荷重とする。これにより、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形する。
図4(c)および図4(f)に示すように、加工治具50を鍔部14の外面20から離す。上記実施形態と同じように、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形しているため、導線40の端部41a、41bの残留応力が小さくなる。よって、導線40の端部41a、41bは、スプリングバック量が低減され、加工治具50が押し付けられる前に比べて溝32a、32bの底面との間隔が小さくなる。
その後、溝32a、32b内にはんだ膜62a、62bを塗布し溶融することで外部電極60a、60bを形成するが、この点は上記実施形態と同様であるため図示および説明を省略する。
第2の変形例では、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50は導線40の端部41a、41bと接し、かつ、導線40の端部41a、41bと接していない加工治具50の一部は溝32a、32bより軸部12側に位置する。これにより、導線40の端部41a、41bが溝32a、32bの内部に配置される場合に、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減でき、導線40の端部41a、41bを溝32a、32bの底面に近づけることができる。
[第3の変形例]
図5(a)から図5(f)は、第3の変形例に掛かるコイル部品の製造方法を示す側面図である。図5(a)から図5(c)は+X側から見た側面図であり、図5(d)から図5(f)は-Y側から見た側面図である。図5(a)および図5(d)に示すように、第3の変形例においては、鍔部14の外面20に窪み34が設けられている。窪み34は、鍔部14の外面20の内側に設けられていて、外周面には開口していない。金属膜30a、30bは、窪み34を横切るように鍔部14の外面20に形成される。すなわち、金属膜30a、30bは窪み34の内面の一部にも形成される。導線40の端部41a、41bは、窪み34を横切るように鍔部14の外面20上に引き出されて、金属膜30a、30b上に位置する。この場合でも、導線40の端部41a、41bにはスプリングバックが生じ、導線40の端部41a、41bは折り曲げ部48から先端43a、43bに向かうに従い鍔部14の外面20から離れるように形成される。その他については、図1(a)および図2(a)と同じであるため説明を省略する。
図5(b)および図5(e)に示すように、加工治具50と鍔部14の外面20との間に導線40の端部41a、41bを挟むようにして、加工治具50を鍔部14の外面20に所定の荷重で押し付ける。このとき、加工治具50の一部が窪み34内に入り込むように加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けて、導線40の端部41a、41bの一部が窪み34の内面に形成された金属膜30a、30bに押し付けられるようにする。この場合、加工治具50の鍔部14の外面20より外側に位置する部分は窪み34の底面よりも軸部12側に位置する。加工治具50に加える所定の荷重は、上記実施形態と同じく、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さい荷重とする。これにより、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形する。
図5(c)および図5(f)に示すように、加工治具50を鍔部14の外面20から離す。上記実施形態と同じように、折り曲げ部48が外側に膨らむように変形しているため、導線40の端部41a、41bの残留応力が小さくなる。よって、導線40の端部41a、41bは、スプリングバック量が低減され、窪み34に沿って折れ曲がるように加工され、加工治具50が押し付けられる前に比べて鍔部14の外面20との間隔が小さくなる。
その後、金属膜30a、30b上にはんだ膜62a、62bを塗布し溶融することで外部電極60a、60bを形成するが、これは上記実施形態と同様であるため図示および説明を省略する。
第3の変形例では、加工治具50に所定の荷重を掛けている荷重時において、加工治具50は導線40の端部41a、41bと接し、かつ、導線40の端部41a、41bと接していない加工治具50の一部は窪み34より軸部12側に位置する。これにより、導線40の端部41a、41bが窪み34を横切るように配置される場合に、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減でき、導線40の端部41a、41bを窪み34に沿って折れ曲がるように加工することができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において、複数のコイル部品を並べて配置し、1つの大きな加工治具50によって複数のコイル部品における導線40の端部41a、41bをまとめて加工してもよい。この場合、加工治具50が応力により変形したとしても。複数のコイル部品の鍔部14の外面20に加工治具50を安定して接触させることができる。また、上記実施形態およびその変形例において、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付ける行為を複数回繰り返し行って、導線40の端部41a、41bを加工してもよい。
なお、上記実施形態およびその変形例では、ドラムコアである基体10の表面に導線40が巻回されてコイル部42が形成されたコイル部品を例に示したが、基体10にコイル部42が内蔵されたコイル部品等、巻線、積層、薄膜等のいずれのコイル部品であってもよい。
以下、本願発明を実施例によって具体的に説明するが、本願発明はこれらの実施例に記載された態様に限られる訳ではない。
[実施例1]
実施例1では、図1(a)から図1(e)および図2(a)から図2(e)のように、鍔部14の外面20に溝および窪みが設けられていない基体10を用いた。基体10は、フェライト磁性粉末とエポキシ樹脂を混合したペーストを用いて形成した。導線40は、銅からなる金属線が絶縁被膜で覆われ、直径が0.18mmの導線を用いた。加工治具50は、シェアA50のウレタンゴムを用いた。導線40の端部41a、41bを鍔部14の外面20に引き出したときの端部41a、41bと鍔部14の外面20との間の最大距離H1(図1(a)参照)は、導線40の直径より大きかった。導線40の端部41a、41bを間に挟んで加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けることで導線40の端部41a、41bの加工を行った。この加工において、加工治具50の上方から加える荷重を20Nとし、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの押し込み量D(図5(b)参照)を1.5mmとした。この荷重は、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さいものである。
[実施例2]
実施例2では、図4(a)から図4(f)のように、鍔部14の外面20に溝32a、32bが設けられた基体10を用いた。溝32a、32bの深さは0.5mmであった。加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの押し込み量Dを1.8mmとした。その他の点については実施例1と同じである。
[実施例3]
実施例3では、図5(a)から図5(f)のように、鍔部14の外面20に窪み34が設けられた基体10を用いた。窪み34の深さは0.5mmであった。加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの押し込み量Dを2.1mmとした。その他の点については実施例1と同じである。
実施例1から実施例3において、加工治具50を用いて導線40の端部41a、41bを加工した後における導線40の端部41a、41bと鍔部14の外面20との間の最大距離H2(図1(d)参照)は、導線40の直径よりも小さい0.1mm以下であった。このように、加工治具50を用いて導線40の端部41a、41bを加工することで、導線40の端部41a、41bのスプリングバック量を低減でき、導線40の端部41a、41bを鍔部14の外面20に近づけることができた。
次に、鍔部14、導線40、および加工治具50に関して、応力とひずみの関係を示す応力ひずみ特性を評価した結果について説明する。図6(a)から図6(c)は、加工治具50、導線40、鍔部14の応力ひずみ特性を評価した方法を示す図である。図6(a)に示すように、加工治具50は、上方から荷重Aを掛け、荷重Aを増大させていったときの圧縮応力とひずみの関係を評価した。図6(b)に示すように、導線40は、先端43a付近に荷重Bを掛け、荷重Bを増大させていったときの曲げ応力とひずみの関係を評価した。図6(c)に示すように、鍔部14は、外面20に荷重Cを掛け、荷重Cを増大させていったときの圧縮応力とひずみの関係を評価した。評価は、鍔部14はフェライト磁性粉末とエポキシ樹脂を混合したペーストを用いて形成され、導線40は金属線が銅からなる導線であり、加工治具50はウレタンゴムにより形成されている場合について行った。
図7は、鍔部14、導線40、加工治具50における応力とひずみの関係を示す評価結果である。図7においては、導線40および加工治具50は、弾性変形で収まる降伏点までの応力ひずみ曲線を示しており、鍔部14は、加工に必要な応力の範囲で測定を行った応力ひずみ曲線を示している。図7に示すように、導線40が弾性変形で収まる曲げ応力は、鍔部14および加工治具50が弾性変形で収まる圧縮応力よりも十分小さい。すなわち、導線40に曲げ加工を施したときに導線40に生じる曲げ応力の降伏点である曲げ降伏応力は、鍔部14および加工治具50が押されることで生じる圧縮応力の降伏点である圧縮降伏応力よりも十分小さい。例えば、導線40の曲げ降伏応力は、鍔部14および加工治具50の圧縮降伏応力の1/5以下である。
このことから、加工治具50を鍔部14の外面20に押し付けるときの荷重を、導線40の曲げ応力から求められる導線40が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ、加工治具50および鍔部14が弾性変形に収まる最大荷重より小さい荷重とすることができることが確認できる。
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基体
12 軸部
14、16 鍔部
18 内面
20 外面
22、24 外周面
30a、30b 金属膜
32a、32b 溝
34 窪み
40 導線
41a、41b 端部
42 コイル部
43a、43b 先端
44 引出線
48 折り曲げ部
50 加工治具
52 面
60a 外部電極
62a はんだ膜
100 コイル部品

Claims (9)

  1. 基体を準備する工程と、
    前記基体の一部に導線が巻き付けられるコイル部を形成する工程と、
    前記コイル部から前記導線を引き出して、前記基体の第1面上に前記導線の端部を設ける工程と、
    加工治具により前記導線の端部から前記第1面に向かって所定の荷重を掛けて前記導線の端部を加工する工程と、を備え、
    前記所定の荷重は、前記導線の曲げ応力から求められる前記導線が弾性変形に収まる最大荷重より大きく、かつ前記加工治具が弾性変形に収まる最大荷重および前記基体が弾性変形に収まる最大荷重より小さく、
    前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具の変位量は前記基体の変位量より大きい、コイル部品の製造方法。
  2. 前記加工治具が前記導線の端部から離れた後における前記導線の端部と前記第1面との間の最大距離は、前記所定の荷重の荷重時における前記加工治具の変位量より小さい、請求項1に記載のコイル部品の製造方法。
  3. 前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部および前記第1面と接し、かつ、前記導線の端部および前記第1面と接していない前記加工治具の一部は前記第1面より前記基体側に位置している、請求項1または2に記載のコイル部品の製造方法。
  4. 前記第1面に溝が設けられ、前記溝の内部に前記導線の端部が配置され、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部と接し、かつ、前記導線の端部と接していない前記加工治具の一部は前記溝より前記基体側に位置している、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  5. 前記第1面に窪みが設けられ、前記窪みを横切るように前記導線の端部が配置され、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具は前記導線の端部と接し、かつ、前記導線の端部と接していない前記加工治具の一部は前記窪みより前記基体側に位置している、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  6. 前記導線の端部と前記コイル部とを繋ぐ前記導線からなる引出線が設けられ、前記引出線は、前記第1面と隣り合う第2面より外側に配置され、
    前記引出線の一部は、前記所定の荷重の荷重時において、前記加工治具から離れた位置にあり、前記所定の荷重の荷重前に比べて前記第2面から離れる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  7. 前記加工治具における前記導線の端部および前記第1面に接する部分は、ウレタンゴムまたはシリコンゴムで形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  8. 前記導線の端部を加工した後、前記導線の端部にはんだ膜を接合させて、前記導線の端部と前記はんだ膜とを含む外部電極を形成する工程を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
  9. 前記基体は、軸部と鍔部を有するドラムコアである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
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