JP2023098137A - 高特性エピタキシャル成長用基板とその製造方法 - Google Patents

高特性エピタキシャル成長用基板とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】III族窒化物の単結晶を高特性で安価に作製可能なIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板とその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板は、窒化物セラミックスからなるコアが厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層で包み込まれた構造を有する支持基板と、支持基板の上面に設けられ、0.5μm以上3.0μm以下の厚みを有する平坦化層と、平坦化層の上面に設けられ、0.04μm以上、0.10μm未満の厚みを有する単結晶の種結晶層と、必要に応じ、支持基板の下面に応力調整層を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGa1-xN(ただし、0<x<1)、窒化ガリウム(GaN)等の少欠陥で高特性なIII族窒化物のエピおよび無垢のエピタキシャル成長用種基板とその製造方法に関する。さらに言えば、結晶欠陥や反り、ボイドが極めて少なく、高品質で安価なAlN、AlGa1-xN(0<X<1)、GaN系等のIII族窒化物のエピおよび無垢のエピタキシャル成長用種基板とその製造方法に関する。
AlN系、GaN系等のIII族窒化物の結晶基板は広いバンドギャップを有し、短波長の発光性や高耐圧で優れた高周波特性を持つ。このため、III族窒化物の基板は、発光ダイオード(LED)、レーザ、ショットキーダイオード、パワーデバイス、高周波デバイス等のデバイスへの応用に期待されている。例えば、AlN系結晶基板は、最近のコロナウイルス等の流行に端を発して、細菌やウイルス除去の目的で、特に深紫外線領域(UVC;200~280nm)の発光ダイオード用のAlNおよび/またはAlGa1-xN(0.5<X<1)の単結晶基板の需要が高まっている。しかしながら、現状はこれらのAlNおよび/またはAlGa1-xN(0.5<X<1)の単結晶基板は欠陥が多く、低品質、高価格で、各種のデバイスを作成しても期待する特性が得られず、これら基板の広い普及や用途の拡大が制限されている。一方、GaN系結晶基板は5G通信の開始や車のEV化の進展と共に、より高い高周波特性や、より大きい耐圧性能が要求されている。その結果、GaN系結晶基板も結晶欠陥の極めて少なく、かつ、低価格なエピおよび無垢基板が渇望されている。しかし、現状、AlN系と同様にGaN系結晶基板もまた、結晶欠陥等が多く低品質にもかかわらず価格は高く、前記デバイス等への広い普及を阻んでおり、更なる改良が望まれている。
例えば、AlN単結晶基板については、非特許文献1、非特許文献2に記載されているように、AlNは融点を持たないことから、シリコン(Si)単結晶等で一般的な融液法での製造は難しく、通常、炭化珪素(SiC)やAlNを種結晶として1700~2250℃、N雰囲気下で昇華法(改良レリー法)で製造するか、あるいは特許文献1、非特許文献3に開示されているように、サファイア基板または昇華法で得られたAlN基板上にハイドライド気相成長(HVPE)法で作られる。昇華法のAlN単結晶は結晶成長に高温を要するため、装置の制約から現状は高々φ2~φ4インチ径の小口径基板であり、極めて高価である。昇華法で得られるAlN単結晶の転位密度は<10cm-2と比較的少ないが、その反面、坩堝や断熱材等の炭素材等に由来する炭素や金属不純物の汚染により結晶が着色し、抵抗率は低く、紫外線透過率も低いと言う欠点を持っている。一方、サファイア基板上にハイドライド気相成長(HVPE)法で作られたAlN単結晶は比較的安価で、着色が少ないが、AlNとサファイア間での格子定数の違いにより、AlN結晶の転位密度が高く、かつ低抵抗率のものとなる。また、昇華法のAlN基板上でHVPE成膜して得られたAlN結晶は転位密度が相対的に少ないが、下地基板のAlNからの着色物汚染により、深紫外発光に対し不透明であり、低抵抗率である。その上、高価な昇華法AlN結晶をそのまま、種結晶を兼ねた下地基板として使うため、極めてコスト高となる欠点がある。
GaN基板については、液体アンモニア若しくはNaフラックス等の液中でGaN結晶を成長させたバルクGaN基板は比較的欠陥が少なく高品質であるが、高温高圧装置が必要なため、極めて高価となる。また、液中でGaN結晶成長では、上記の昇華法のAlN基板と同様に、バルクGaN基板をそのまま、種結晶を兼ねた下地基板として使うため、極めてコスト高となる。一方、気相で結晶成長するMOCVD法やハイドライド気相成長法(HVPE法)を用いてサファイア基板等にGaN結晶をヘテロエピタキシャル成長させれば、結晶の高品質化や大型化は原理的に可能であるが、実際には生成するGaN結晶と下地基板のサファイア間の格子定数および熱膨張係数が大きく異なるため、製造中に結晶欠陥やクラッックが多数発生し、高品質の結晶が得られない。なお、HVPE法に関して、本明細書では、GaClを前駆体として使用するトリハライド気相成長法(THVPE法)も含め、HVPE法と総称する。
これらの課題に対する打開策の一つとして、特許文献2では、AlNセラミックス・コアと前記AlNセラミックス・コアをSiO/P-Si/SiO/Siの多層膜で封止する封止層とを持つ支持基板と、前記支持基板の上面にSiO等の平坦化層を備え、更に、前記平坦化層の上面に種結晶としてSi<111>を薄膜転写した種結晶層を持つ、所謂QST(商品名)基板が開示されている。
しかしながら、この方法はAlNセラミックス・コアと、これを封止する全多層膜間、あるいは封止層、平坦化層、種結晶層など、夫々の各多層膜間同士で、材質違いによる熱膨張率差が生じるため、層間の熱膨張率差に基づく熱応力が発生し易い。中でも平坦化層と種結晶層間の熱応力は、エピ成膜時に種結晶を歪ませ、その結果、エピ膜の結晶欠陥を多数、誘発することが分かった。また、AlNセラミックス・コアと封止層、平坦化層、あるいは種結晶層間などとの熱応力は、セラミックス・コアと各層間にクラック等を発生させ、セラミックス・コア中の不純物の汚れを種結晶にも拡散し、エピ結晶の成長に悪影響を与えることを掴んだ。更に加えて、平坦層上に種結晶層としてSi<111>基板を用いる場合、特許文献3に記載の酸化誘起積層欠陥(Oxidation induced Stacking Fault:OSF)が大きな影響を持ち、10個/cm以下がエピ成膜中の欠陥が少なくすることを把握し、発明者等は別途、特許出願を行った(特願2021―038731(出願日:2021年3月10日)及び特願2021-098993(出願日:2021年6月14日))。このように種結晶層に許容されるOSFの密度に制約があると、Si<111>の種結晶を選ぶ際の選択肢を狭め、コストアップ要因ともなっていた。その上、種結晶層作成の薄膜転写では、イオン・インプラ後、薄膜転写した際には、イオン・インプラによるダメージ部分を種結晶層から完全に除去しないと、エピ結晶中に多くのボイドや欠陥を生じる原因となること、封止層中の静電チャック用ポリSiの存在はエピ基板やそれを用いたデバイスの耐圧低下や高周波ロスを生じさせること、などの欠点を持つことも分かった。
上記のことから、特に結晶欠陥の少なく、高特性を必要とする例えば、極超短波の深紫外線領域(UVC;200~280nm)に使用する発光ダイオード用基板のAlNおよび/またはAlGa1-xN(0<X<1)、あるいは、5G通信や車のEV化に伴う高周波化、高耐圧化に適したGaN結晶基板などを、結晶欠陥が少なく、高特性で、かつ低価格で得ることは困難であり、更に新たな解決策が望まれていた。
特許第6042545号 特許第6626607号 特許第2936916号
Japanese Journal of Applied Physics; Vol.46,No.17,2007,pp.L389-L391 SEIテクニカルレビュー;No.177号、p88~p91 フジクラ技報;No.119号、2010年Vol.2、p33~p38 LEDs Magazine Japan;2016年12月、p30~p31
そこで本発明者等は上記の問題解決を図るべく種々、検討した結果、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の主要構成要素は大きくは略3つであり、その第1は、上記のコアを封止する各多層膜間、あるいは封止層、平坦化層、種結晶層間の熱膨張率差を極力、小さくし、封止層、平坦化層、種結晶層間の組成と膜厚をバランスよく最適化することである。第2は、必要に応じ、別途、更に応力調整と静電チャック用を兼ねた応力調整層を前記支持基板の下面に付加して、静電チャックと熱応力の均衡化、最小化を図る構成にすることである。第3は、インプラ剥離・薄膜転写された種結晶層のダメージ部分の完全除去の目的と相俟って種結晶層/平坦化層間の低応力化も図るべく、種結晶層の膜厚を極薄膜し、0.04μm以上、0.10μm未満の範囲にすることである。
以下により詳しく述べると、即ち、本発明に係るIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板は、窒化物セラミックスからなるコアが厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層で包み込まれた構造を有する支持基板と、支持基板の上面に設けられ、0.5μm以上3.0μm以下の厚みを有する平坦化層と、平坦化層の上面に設けられ、0.04μm以上0.1μm未満の厚みを有する単結晶の種結晶層とを備える。
本発明では、支持基板の下面に応力調整層を更に備えるとよい。
本発明では、コアが、窒化アルミニウムセラミックスであるとよい。
本発明では、封止層が、少なくとも窒化ケイ素を含むとよい。
本発明では、平坦化層が、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びヒ化アルミニウムのいずれかを含むとよい。
本発明では、種結晶層が、Si<111>、SiC、サファイア、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、または窒化ガリウムであるとよい。
本発明では、応力調整層が、少なくとも、シリコンを含むとよい。
また、本発明に係るIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法は、窒化物セラミックスからなるコアを用意するステップと、コアを包み込むように厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層を成膜して支持基板とするステップと、支持基板の上面に厚み0.5μm以上3.0μm以下の平坦化層を成膜するステップと、平坦化層の上面に0.04μm以上、0.10μm未満の厚みの単結晶の種結晶層とを設けるステップとを備える。
本発明では、支持基板の下面に応力調整層を成膜するステップを更に備えるとよい。
本発明では、封止層をLPCVD法で成膜するとよい。
本発明では、平坦化層をプラズマCVD法、LPCVD法、および低圧MOCVD法のいずれかで成膜するとよい。
本発明では、種結晶層を設けるステップは、1面をイオン注入面とするIII族窒化物の単結晶基板を用意するステップと、イオン注入面からイオン注入して単結晶基板に剥離位置を形成するステップと、イオン注入面と平坦化層とを接合して接合基板とするステップと、接合基板を剥離位置で種結晶層と単結晶基板残部とに分離するステップとを備えるとよい。
本発明では、単結晶基板を用意するステップにおいて、サファイア基板上にMOCVDまたはHVPE法により窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、および窒化ガリウムのいずれかをエピタキシャル成長したものを前記単結晶基板として作製するとよい。
本発明では、単結晶基板を用意するステップにおいて、昇華法で作製した小口径の窒化アルミニウム単結晶若しくは昇華法で作製した窒化アルミニウム基板を下地としてMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて単結晶基板を得るとよい。
本発明では、単結晶基板を用意するステップにおいて、液体アンモニア若しくはNaフラックス等の液中で窒化ガリウム結晶を成長して得られた小口径の窒化ガリウム単結晶を下地としてMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて単結晶基板を得るとよい。
本発明では、剥離位置を形成するステップにおいて、剥離位置をエピタキシャル成長により成長させたエピタキシャル層内に形成するとよい。
本発明では、単結晶基板残部を、エピタキシャル成長の下地基板として再利用するとよい。
本発明では、単結晶基板残部を、更に別のIII族窒化物系複合基板の製造における単結晶基板として再利用するとよい。
本発明では、コアが窒化アルミニウムセラミックスであるとよい。
本発明では、封止層が窒化ケイ素を含むとよい。
本発明では、平坦化層が酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびヒ化アルミニウムのいずれかを含むとよい。
本発明では、種結晶層が、Si<111>、SiC、サファイア、窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムであるとよい。
本発明では、応力調整層が少なくとも、シリコンを含むとよい。
本発明により深紫外線領域(UVC;200~280nm)に使用する発光ダイオード用基板などのAlNおよび/またはAlGa1-xN(0<X<1)、あるいは、5G通信や車のEV化に伴う高周波化、高耐圧化などに適したGaN結晶基板などのIII族窒化物のエピおよび無垢のエピタキシャル成長用種基板を、少欠陥で高品質、且つ低価格で提供することができる。加えて、先に記した先願の出願特許(特願2021-098993)では、種結晶がSi<111>結晶の場合は、良エピを得るには酸化誘起積層欠陥(OSF)が10個以下との制約を受けたが、本特許においては、たとえ数十個でも、先願と同様の結果を齎すことが分かり、種結晶の選択肢が大きく広がり、コスト低減に寄与するものである。
種基板1の断面構造を示す図である。 種基板1を製造する手順を示す図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
本実施形態に係るIII族窒化物のエピタキシャル成長用種基板(以下、単に「種基板」という場合がある)1の断面構造を図1に示す。図1に示した種基板1は、支持基板3上に平坦化層4およびSi<111>等の種結晶層2が積層された構造を有する。また、必要に応じて、支持基板3の平坦化層4が積層された面とは反対の面(下面)には、応力調整層5が設けられる。
支持基板3は、当該支持基板3の芯材となるコア31と、コア31を覆う封止層32とを備える。
コア31は、III族窒化物の多結晶セラミックスにより形成される。具体的には、AlN、Si、GaNあるいはこれらの混合体などを用いることができるが、目的のIII族窒化物結晶の格子定数、熱膨張係数に近く、高熱伝導性で、安価なことから多結晶AlNのセラミックスが好適である。デバイス加工の面から半導体の製造ラインで扱うことのできる、厚み200~1000μmの鏡面仕上げのウエハを選ぶとよい。AlNセラミックスの製法は種々あるが、その生産性から、いわゆるシート成型/常圧焼結法が一般的である。シート成型/常圧焼結法では、AlN粉と焼結助剤、有機バインダー、溶剤などを混合して、ウエハ状のグリーンシートを作成した後、脱脂し、N雰囲気下で焼結後、研磨してAlNセラミックスのウェハを得る。焼結助剤はY、Al、CaO等から選ばれるが、通常、焼結後の基板で最も高熱伝導性が発現するYが好適である。
封止層32は、少なくとも窒化ケイ素を含むとよい。封止層32では各層厚みが厚過ぎると熱膨張率差による各層間の応力が大きくなり、各層間で剥離が生じてしまう。したがって種々の組成の膜を選び、組み合わせたとしても封止層32の厚みが1.5μm以上となることは好ましくない。一方、不純物を封止する機能の観点では、厚みが0.05μm以下では不純物の拡散防止には不十分である。以上のことから、封止層32の厚みは0.05~1.5μmの範囲とすることが好ましい。なお、封止層の成膜方法は、通常のMOCVD、常圧CVD、LPCVD、スパッタ法、などの成膜法から選ぶことができるが、膜質、膜のカバレッジ性、不純物の拡散防止能からLPCVD法が好ましい。
支持基板3の少なくとも上面の封止層32上に0.5~3μmの平坦化層4が積層される。この平坦化層4はSiO、Al、Si、SiCあるいは酸窒化珪素(Si)等の通常のセラミックスの膜材や、エッチング等にしばしば犠牲層として多用されるSi、GaAs、AlAs等から選ばれるが、平坦化時の研削や研磨が容易であり、かつ、無垢基板などを得る際の分離が容易なSiOおよび/または酸窒化珪素(Si)あるいはAlAsから選ぶことが好ましい。
なお、平坦化層4は、コスト面から通常は封止層32上に片側のみ積層するが、反りが大きい場合は封止層32の全体を覆うように成膜することもできる。平坦化層4の厚みはコア31、封止層32などのボイドや凹凸を埋めることができ、しかも種結晶が転写できるに十分な平滑性が得られる厚みが必要である。しかし、厚過ぎる平坦化層4は種基板1の反りやクラック等の原因になり、好ましくない。そのため、少なくとも上面に0.5~3μm厚で設けるのが好適である。これは厚さが0.5μm未満だとAlNセラミックスのコア31や封止層32のボイドや凹凸を殆ど埋めることができず、3μm以上だと平坦化層4による反りが発生し易いためである。
平坦化層4の成膜方法は、その必要膜質と成膜効率の観点から、プラズマCVD法またはLPCVD法、あるいは低圧MOCVD法などが、好適である。積層された平坦化層4は膜の状況により、焼き締めを目的とした熱処理や、平滑化を目的としたCMP研磨が施され、後述の種結晶層2の薄膜転写に備える。
種結晶層2は、平坦化層4の表面に種結晶を薄膜転写することにより設けられる。薄膜転写に用いる種結晶は本発明が対象とするAlN、AlGa1-xN(0<X<1)、GaN等のIII族窒化物と類似の結晶構造の基板が選ばれる。したがってSi<111>、SiC、SCAM、AlN、AlGaN、サファイア、GaN等が好適である。これらの中でも大口径化の容易さ、市販品があり、コストが安い等の点からSi<111>が最適である。
本発明者等は先に従来技術の改良として、Si<111>結晶の中でも酸化誘起積層欠陥(OSF)が10個/cm以下のSi<111>結晶の表層、0.1~1.5μmをエピ膜の種結晶とすれば、その種結晶上に成膜したエピ膜は極めて優れた特性を持つことを明らかにし、先般、特許出願したことは既に記した。然しながら、この改良では種結晶のSi<111>基板の素性(特にOSFの密度)の重要性を指摘したが、その反面、種結晶を選ぶ際の選択肢を狭め、コストアップ要因ともなっていた。そこで更なる改良を目指し、鋭意検討した結果、種結晶層作成の薄膜転写では、イオン・インプラ後、薄膜転写した際に、イオン・インプラによるダメージ部分(結晶がイオンの注入で一部損傷し、アモルファス相や多結晶相、或いは結晶の乱れが発生した部分)がかなり残存し、簡単な研磨やエッチングでは落とし切れず、種結晶層としては不完全で、エピ結晶中に多くのボイドや欠陥を生じる原因となっていることが判明した。
加えて、先に記した如く、AlNセラミックス・コア、封止層、平坦化層、種結晶層など、夫々の各多層膜間で、材質の違いによる熱膨張率差が熱応力を発生し、中でも平坦化層と種結晶層間の熱応力は、エピ成膜時に種結晶を歪ませたり、反らせたりし、その結果、エピ膜の結晶欠陥を多数、誘発していることも分かった。又、AlNセラミックス・コアと封止層、平坦化層、あるいは種結晶層間などとの熱応力は、セラミックス・コアと各層の間にクラックや剥離等を発生し、セラミックス・コア中の不純物で種結晶を汚し、エピ結晶の成長に悪影響を与えることも分かった。
これらの新たなる知見を基に、インプラ剥離・薄膜転写された種結晶層2のダメージ部分の完全除去と相俟って種結晶層/平坦化層間の低応力化も図るべく、種々、検討した結果、種結晶層2のイオン・インプラのダメージ部分を研磨、エッチング、Plasma Assisted Chemical Etching(PACE)、犠牲酸化、或いはこれらの組合せ、等で完全に取り除くと共に、種結晶層2の膜厚を極薄化し、熱応力の極小化を図ったところ、極めて良好なエピ膜特性が得られた。
即ち、本発明では種結晶で従来好ましいとされる薄膜・転写時の種結晶の膜厚、0.1~1.5μmをそのまま、或いは不完全なダメージ除去の状態で種とすることなく、種結晶のダメージ部分を一括、完全除去すると共に平坦化層4上の種結晶層2の膜厚を平坦化層4の熱応力に追随する極薄膜とすればよいことを見出した。また、その膜厚は0.04μm以上、0.10μm未満の範囲が好適であることを見出した。上記方法でこの膜厚まで極薄化することにより、イオン・インプラのダメージ部分は完全に除去されると共に種結晶層2は平坦化層4の熱応力に追随可能と成り、種結晶層2には歪は生じず、その結果、エピ膜特性は良好となる。加えて、Si<111>を種結晶とした場合、先の様にOSFが10個/cm以下でなくとも良好なエピ膜が可能であり、Si種結晶の選択肢が広がり、低コスト化に寄与することができる。
しかし、0.04μm未満の膜厚は余りにも極薄であるため、上記の研磨、エッチング、PACE、犠牲酸化、或いはこれらの組合せ、等の方法においてさえも、種結晶層2が損傷を受けたり、面内分布によっては、種結晶層2が無くなる部分が生じるなどして、最早、種として機能しない所が発生することがある。また、膜厚が0.10μm以上だと、イオン・インプラのダメージ部分が残存したり、平坦化層4の熱応力に種結晶層2が追随できず、クラックや歪を生じることがあり好ましくない。
以上のことから、本発明においては種結晶層2の転写厚み(転写直後の、ダメージ部分が除去される前の厚み)は0.20~0.50μmとすることが好ましい。さらに好ましくは0.20~0.30μmとするとよい。これは先に記した様に(1)本発明の好適な最終種結晶層の膜厚は、0.04以上、0.10μm未満であること、(2)イオン注入でのダメージ層が略0.1μm近くであること、(3)イオン注入や研磨、エッチング、PACE、或いは犠牲酸化、などのダメージ除去法でのバラツキも考慮すべきこと、などから、転写厚みは0.20~0.50μmとするとよく、0.20~0.30μmとするとより好ましい。
また、種基板1にエピ成膜して得られるエピおよび無垢基板を高周波、特には5G以降の高周波用デバイスに用いる場合、Si<111>種結晶として電気抵抗率(室温)が1kΩ・cm以上の物を選ぶことが好ましい。これはSi<111>種結晶の電気抵抗率(室温)が1kΩ・cm未満であった場合はその抵抗により高周波ロスが発生し、消費電力が増えたり、発熱してデバイスの特性が劣化したりするからである。
Si<111>種結晶は、単結晶基板の電気抵抗に影響が小さい水素および/またはヘリウム(He)のイオン種に限定し目的に応じた膜厚に成る様にイオン注入を実施後、Si<111>種結晶のイオン注入面を平坦化層4の上面に接合され、450℃以下で爪などの物理的手段を用いて薄膜が平坦化層4に剥離転写される。その後、種結晶層2のイオン・インプラのダメージ部分を研磨、エッチング、Plasma Assisted Chemical Etching(PACE)、犠牲酸化、或いはこれらの組合せ、等で完全に取り除くと共に、種結晶層2の膜厚を0.04μm以上、0.10μm未満の範囲に極薄化し、熱応力の極小化を図って種結晶層2とする。水素やHeなどの軽元素はホウ素(B)などの重元素と異なりイオン注入による、種結晶のダメージが小さく、電気抵抗も低下させない点で種結晶へのイオン注入に好適である。また、450℃以下の低温下での剥離・転写をすることで、通常のスマートカット法の700℃以上の高温での熱剥離・転写では避け得ない、Si<111>種結晶の熱ダメージを防ぐことができる。
より具体的に実施方法を述べると、種結晶の基板に0.20~0.5μm、より好ましくは0.20~0.3μmの深さに水素および/またはHeをイオン注入した後、前記の平坦化層4の上面と、種結晶のイオン注入面とを接合する。その後、450℃以下の温度でガス圧や爪等の物理的方法で種結晶を剥離するとよい。処理温度を450℃以下とすることにより、450℃を超えた高温での処理によって転写された薄膜の種結晶に発生し易い、不純物拡散や熱応力による熱ダメージを抑制することができる。
その後、この種結晶薄膜の表層のイオン・インプラのダメージ部分をCMP研磨、エッチング、Plasma Assisted Chemical Etching(PACE)、犠牲酸化、或いはこれらの組合せの手段により完全に取り除くと共に、種結晶層の膜厚を0.04μm以上、0.10μm未満の範囲に極薄化し、併せて熱応力の極小化を図り種結晶層2を得るとよい。なお、イオン注入に際し、より高い均一性を出すべく、種結晶層2のイオン注入面にSiO等を成膜してから、イオン注入をするとよい。
本発明では更に必要に応じて前記支持基板3の最下面に、応力調整層5を付加してもよい。この応力調整層5は、主として平坦化層4を形成することにより生じる種基板1の反りを矯正する。応力調整層5には、種基板1の反りを矯正可能とする熱膨張率を持つ膜材と厚みが選ばれ、特定の膜材に限定されるものではないが、通常は、半導体工業で広く普及し、容易で且つ安価に成膜が可能なものが選ばれる。例えば、少なくともシリコンを含む、シリコンやシリコン化合物などがあげられ、静電チャックへの対応も兼ねることができる、アモルファスSiや多結晶Si(p-Si)を応力調整層5として成膜することが好適である。化学的安定性の点から多結晶Siが特に好ましい。なお、反りの矯正および封止層32との親和性の両面から、応力調整層5を成す多結晶Siと封止層32との間に、SiOおよび/または酸窒化珪素(Si)等を介在させてもよい。また、長期保存性を考える必要性がある場合は、多結晶SiにSiのコーテングを施してもよく、或いは多結晶Siの表層を一部Si化してもよい。
続いて、図2を参照して、本実施形態に係るIII族窒化物系エピタキシャル成長用種基板1の製造方法の手順を説明する。なお、各層の形成に好適な手法について、既に説明されている場合には、ここでの重複した説明は省略される。
はじめに、窒化物セラミックスからなるコア31を準備する(図2のS01)。続いて、コア31を包み込むように厚み0.05μm~1.5μmの厚みで封止層32を成膜して支持基板3とする(図2のS02)。このとき、封止層32は、LPCVD法で成膜するとよい。続いて、支持基板3の上面に厚み0.5μm以上3.0μm以下の平坦化層4を積層する(図2のS03)。また、必要に応じて、支持基板3の下面に応力調整層5を成膜する(図2のS04)。なお、平坦化層4と応力調整層5は同時に製膜してもよい。
また、S01~S04とは別に、種結晶層2を剥離転写するための種結晶、例えば、Si<111>単結晶基板20を用意する(図2のS11)。続いて、単結晶基板20の1面(イオン注入面)からイオン注入を行い、単結晶基板20内に剥離位置(脆化層)21を形成する(図2のS12)。
次に、単結晶基板20のイオン注入面を、支持基板3上に形成した平坦化層4と接合して接合基板とする(図2のS21)。そして、接合基板における単結晶基板20の剥離位置21で、単結晶基板20を分離する(図2のS22)。このようにすることによって、支持基板3の上の平坦化層4の上にSi<111>の単結晶膜が種結晶層2として薄膜転写される。一方、分離されたSi<111>単結晶基板20の残部は、再びこの表面を研磨してイオン注入し再利用される。
なお、ステップS22において種結晶としてSi<111>単結晶基板以外の単結晶基板を用意してもよい。この場合、例えば、サファイア基板上にMOCVDまたはHVPE法により窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウム或いは窒化ガリウムをエピタキシャル成長したものを単結晶基板として作製してもよい。あるいは、昇華法で作製した窒化アルミニウムの小口径の単結晶若しくは昇華法で作製した窒化アルミニウム基板を下地としてMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて単結晶基板を得てもよい。あるいは、液体アンモニア若しくはNaフラックス等の液中で窒化ガリウム結晶を成長して得られた小口径の窒化ガリウム単結晶を下地としてMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて単結晶基板を得てもよい。
以上、エピタキシャル成長用種基板1の構造及び製造方法の手順について説明した。前述の如く、本発明の主要構成要素は略3つであり、その第1は、上記のコアを封止する各多層膜間、あるいは封止層、平坦化層、種結晶層間の熱膨張率差をその組成、膜厚のバランスを考慮しつつ、特に平坦化層と種結晶層間の最適化を図り、熱応力の極小化を実現することである。第2は必要に応じ、更に応力調整層(静電チャック用を兼ねた応力調整層も含む)を前記支持基板の下面に付加し、熱応力の均衡化、最小化を図る構成にすることである。第3は種結晶ダメージ部分の完全除去と種結晶層/平坦化層間の追随性向上および低応力化を実現すべく、種結晶膜厚を0.04μm以上、0.10μm未満の極薄膜とすることである。本発明により、反り、ボイド、結晶欠陥などが極めて少なく、高耐圧でデバイスの高周波ロスが極めて少ないエピ基板や無垢基板を経済的に得ることできる。
本発明の基板はデバイス、例えば深紫外線領域(UVC;200~280nm)に用いる発光ダイオードや5G通信やEV車用の高周波デバイスあるいは高耐圧デバイス等の特性を大幅に向上させ、且、デバイスの製造歩留まりをも著しく改善するものである。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(支持基板の準備)
多結晶セラミックスのコア31は、市販品のAlNセラミックス基板を用いた。このAlNセラミックス基板は、AlN粉、10重量部と、焼結助剤としてY、5重量部とを、有機バインダー、溶剤などと混合して、グリーンシートを作成した後、脱脂し、N雰囲気下、1900℃で焼結したものであり、両面研磨のφ8インチ×t725μmものを用いた。封止層32は、AlNセラミックス・コア31全体をLPCVD法による0.1μm厚の酸窒化珪素層で包み込むように覆い、その上に更に別のLPCVD装置を使い、0.4μm厚のSi層で全体を封止することにより形成した。封止層32の総厚みは0.5μmとした。このSi層上に更に平坦化の目的で平坦化層4として、プラズマCVD法(ICP-CVD装置)で6μm厚のSiOを上層片側のみに積層した。その後、1000℃で焼き締めた後、CMP研磨により、SiOを2μm厚み(Ra=0.2nm)まで平坦後、暫く室温放置したところ、基板がWARPで112μmと反ってしまった。このままではSi<111>単結晶基板の薄膜転写が難しいため、この支持基板3の下層に応力調整層5として約1μmのSiOを上記のプラズマCVD装置で成膜し、更に同じ装置で静電チャック用にp-Siを0.3μm積層した。その後、1000℃の焼き締めを施し、WARPを測った結果、5μmと十分小さな値と成ったので、Si種結晶の薄膜転写に用いた。
(種結晶の準備)
市販のOSFが35個/cm、電気抵抗率(室温)が1.5kΩ・cmである、φ8インチ、厚み725μmのSi<111>単結晶基板を種結晶基板として用意した。このSi<111>基板に水素を95keVで深さ0.3μm、ドーズ量、6×1017cm-2の条件でイオン注入した。
(薄膜転写)
このSi<111>基板のイオン注入面と、先に準備しておいた支持基板3上の平坦化層4とを接合した。その後、剥離位置(イオンが注入された深さ0.3μm部分)で剥離・分離することによってSi<111>の種結晶層2を支持基板3に薄膜転写した。この転写されたSiの種結晶層2のイオンダメージ部分を完全に除去すると共に、平坦化層4を成すSiO膜の熱応力に追従可能な様にSiの種結晶層2の厚みを0.085μmまで、CMP研磨とフッ酸エッチングで薄膜化した。
なお、薄膜転写後の残部のSi<111>単結晶基板は、イオン注入を何度も繰り返し実施することにより、種結晶層2を薄膜転写するための種結晶として繰り返し利用でき、極めて経済的であった。
本実施例1によりAlNセラミックのコア31と封止層32との構造を有する支持基板3に、2μm厚の平坦化層4および、0.085μm厚のSi<111>単結晶の種結晶層2を備えた種基板1が得られた。この種基板1のGaNのエピタキシャル成長用種基板としての特性を調べるべく、以下の簡便な評価を行った。
上記種基板1をMOCVD装置のリアクター内に載置し、エピタキシャル成長を行った。この際、エピタキシャル層は種基板1側から成長方向に向かって順にAlN、AlGaNを成膜し、その後GaNをエピタキシャル成長させた。エピタキシャル層の構造はこれに限らず、例えば、AlGaNを成膜しなくてもよいし、あるいは、AlGaN成膜後さらにAlNを成膜してもよい。今回の評価においては、AlN層を100nm、AlGaN層を150nm製膜した。また、エピタキシャル層の合計の総膜厚は8μmとした。エピタキシャル成長の際、Al源としてTMAl(トリメチルアルミニウム)、Ga源としてTMGa(トリメチルガリウム)、N源としてNHを用いることができるが、これらに限定されない。また、キャリアガスはNおよびH、ないしはそのいずれかとすることができ、プロセス温度は900~1200℃程度とすることが好ましい。
その後、転位密度を評価するために溶融アルカリ(KOH)エッチング法によりエッチピットを発生させエッチピット密度;Etch Pit Density,以下EPD)の測定を行った。また、結晶性の評価としてX線ロッキングカーブ(XRC)測定を行った。
その結果、EPDは0.1×10cm-2と極めて低い転位密度を示した。また、基板の(0002)面のXRC測定での半値幅FWHM(以下では、単に、「0002XRCのFWHM」という)は108arcsecであり、高品質のGaN単結晶が得られた。これらの結果から、本実施例による種基板1のエピタキシャル成長用種基板としての性質が優れていることが分かる。この種基板1上にエピタキシャル層が設けられたエピ基板を30GHz/20Gbpsの高周波デバイス用に使用したところ、デバイスの表面温度は39℃であり、特に問題となる程の高周波ロスによる温度上昇は見られなかった。
[実施例2]
薄膜転写の種結晶となるSi単結晶基板としてOSFが5個/cm、電気抵抗率(室温)が1.45kΩ・cmである、φ8インチ、厚み725μmのものを使った他は実施例1と同一の条件で実験、評価したところ、EPDは0.1×10cm-2、半値幅FWHMは110arcsecとなり、高品質のGaN単結晶が得られた。実施例1と実施例2の評価結果から、Si単結晶基板のOFSが10以下でない場合(実施例1)でも、10以下の場合(実施例2)と同等のものが得られた。この結果により、Si単結晶基板の選択肢がより広くなり、より安価なSi基板が利用できることが分かる。
[比較例1]
実施例1で最終のSi種結晶層の厚みを0.15μmにした以外は同一にして実験を行った。その結果、EPDは9.8×10cm-2と極めて高い転位密度を示した。また、基板の(0002)面のXRC測定での半値幅FWHMは1204arcsecとなり、転位密度、半値幅ともに実施例1より劣る結晶であった。
以上で説明した通り、本発明によれば、結晶欠陥や反り、ボイドが極めて少ない高品質で安価なIII族窒化物のエピタキシャル成長用種基板及びエピ基板を提供することができる。
1 エピタキシャル成長用種基板
2 種結晶層
3 支持基板
4 平坦化層
5 応力調整層
20 単結晶基板
21 剥離位置

Claims (23)

  1. 窒化物セラミックスからなるコアが厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層で包み込まれた構造を有する支持基板と、
    前記支持基板の上面に設けられ、0.5μm以上3.0μm以下の厚みを有する平坦化層と、
    前記平坦化層の上面に設けられ、0.04μm以上0.1μm未満の厚みを有する単結晶の種結晶層と
    を備えるIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  2. 前記支持基板の下面に応力調整層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  3. 前記コアが、窒化アルミニウムセラミックスであることを特徴とする請求項1または2に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  4. 前記封止層が、少なくとも窒化ケイ素を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  5. 前記平坦化層が、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びヒ化アルミニウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  6. 前記種結晶層が、Si<111>、SiC、サファイア、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、または窒化ガリウムであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  7. 前記応力調整層が、少なくとも、シリコンを含むことを特徴とする請求項2に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板。
  8. 窒化物セラミックスからなるコアを用意するステップと、
    前記コアを包み込むように厚み0.05μm以上1.5μm以下の封止層を成膜して支持基板とするステップと、
    前記支持基板の上面に厚み0.5μm以上3.0μm以下の平坦化層を成膜するステップと、
    前記平坦化層の上面に0.04μm以上、0.10μm未満の厚みの単結晶の種結晶層
    を設けるステップと
    を備えるIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  9. 前記支持基板の下面に応力調整層を成膜するステップを更に備えることを特徴とする請求項8に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  10. 前記封止層をLPCVD法で成膜することを特徴とする請求項8または9に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  11. 前記平坦化層をプラズマCVD法、LPCVD法、および低圧MOCVD法のいずれかで成膜することを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  12. 前記種結晶層を設けるステップは、
    1面をイオン注入面とするIII族窒化物の単結晶基板を用意するステップと、
    前記イオン注入面からイオン注入して前記単結晶基板に剥離位置を形成するステップと、
    前記イオン注入面と前記平坦化層とを接合して接合基板とするステップと、
    前記接合基板を前記剥離位置で種結晶層と単結晶基板残部とに分離するステップと
    を備えることを特徴とする請求項8~11のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  13. 前記単結晶基板を用意するステップにおいて、サファイア基板上にMOCVDまたはHVPE法により窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、および窒化ガリウムのいずれかをエピタキシャル成長したものを前記単結晶基板として作製することを特徴とする請求項12に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  14. 前記単結晶基板を用意するステップにおいて、昇華法で作製した小口径の窒化アルミニウム単結晶若しくは昇華法で作製した窒化アルミニウム基板を下地として、当該下地の上にMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて前記単結晶基板を得ることを特徴とする請求項13に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  15. 前記単結晶基板を用意するステップにおいて、液体アンモニア若しくはNaフラックス等の液中で窒化ガリウム結晶を成長して得られた小口径の窒化ガリウム単結晶を下地として、当該下地の上にMOCVD法またはHVPE法で窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムをエピタキシャル成長して得られる小口径の単結晶を貼り合わせて前記単結晶基板を得ることを特徴とする請求項12に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  16. 前記剥離位置を形成するステップにおいて、前記剥離位置をエピタキシャル成長により成長させたエピタキシャル層内に形成することを特徴とする請求項13~15のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  17. 前記単結晶基板残部を、エピタキシャル成長の下地基板として再利用することを特徴とする請求項13~16のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  18. 前記単結晶基板残部を、更に別のIII族窒化物系複合基板の製造における単結晶基板として再利用することを特徴とする請求項12~17のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  19. 前記コアが窒化アルミニウムセラミックスであることを特徴とする請求項8~18のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  20. 前記封止層が窒化ケイ素を含むことを特徴とする請求項8~19のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  21. 前記平坦化層が酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびヒ化アルミニウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項8~20のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  22. 前記種結晶層が、Si<111>、SiC、サファイア、窒化アルミニウムまたは窒化アルミニウムガリウムであることを特徴とする請求項8~21のいずれか1項に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。
  23. 前記応力調整層が少なくとも、シリコンを含むことを特徴とする請求項9に記載のIII族窒化物系エピタキシャル成長用基板の製造方法。



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