JP2023098105A - 飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法 - Google Patents

飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法 Download PDF

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Hiroki Nagayasu
斉 高橋
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Abstract

【課題】刺激的な酸味が低減された飲料、飲料の製造方法、及び、刺激的な酸味を低減する飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る飲料は、グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上であり、甘味料を含有する。本発明に係る飲料の製造方法は、グルコモリンギンの含有量を0.001w/v%以上とし、酸度を0.01w/v%以上とし、甘味料を含有させる工程を含む。本発明に係る飲料の香味向上方法は、グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上である飲料の刺激的な酸味を低減させる香味向上方法であって、前記飲料に甘味料を含有させる工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法に関する。
近年、消費者の健康志向の高まりに伴い、消費者の健康を考えた飲料やその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、野菜汁含有容器詰アルコール飲料であって、飲料全量に対して、増粘多糖類を0.001~1w/v%含有する、前記野菜汁含有容器詰アルコール飲料が開示されている。
特開2021-185755号公報
特許文献1に係る発明は、栄養価に富む野菜汁に着目した発明であり、野菜汁を含有するアルコール飲料の不快な後味を改善することを目的とした発明である。
一方、本発明者は、疲労軽減や腰痛緩和などの機能が報告されているモリンガエキスに着目し、このモリンガエキスが飲料の香味に与える影響について詳細な検討を行った。
その検討の過程において、酸味を呈する飲料(所定の酸度以上の飲料)にグルコモリンギンを添加すると、グルコモリンギン(詳細には、モリンガエキスに含まれるグルコモリンギン)が酸味を焦げたような香りによって舌がしびれるような収斂感のある酸味に改質してしまう結果、非常に刺激的な酸味となってしまい、飲料として飲み難くなってしまうことを本発明者は確認した。
そこで、本発明は、刺激的な酸味が低減された飲料、飲料の製造方法、及び、刺激的な酸味を低減する飲料の香味向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上であり、甘味料を含有する飲料。
(2)前記甘味料のショ糖換算の含有量が1.0~15.0w/v%である前記1に記載の飲料。
(3)前記酸度が0.05~0.50w/v%である前記1又は前記2に記載の飲料。
(4)前記甘味料は、果糖、ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、ラクトースから成る群の少なくとも1つを含む前記1から前記3のいずれか1つに記載の飲料。
(5)アルコール度数が1v/v%未満である前記1から前記4のいずれか1つに記載の飲料。
(6)グルコモリンギンの含有量を0.001w/v%以上とし、酸度を0.01w/v%以上とし、甘味料を含有させる工程を含む飲料の製造方法。
(7)グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上である飲料の刺激的な酸味を低減させる香味向上方法であって、前記飲料に甘味料を含有させる工程を含む飲料の香味向上方法。
本発明に係る飲料は、刺激的な酸味が低減されている。
本発明に係る飲料の製造方法は、刺激的な酸味が低減された飲料を製造することができる。
本発明に係る飲料の香味向上方法は、飲料の刺激的な酸味を低減することができる。
以下、本発明に係る飲料、飲料の製造方法、及び、飲料の香味向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[飲料]
本実施形態に係る飲料は、グルコモリンギンを含有するとともに酸度が所定値以上である飲料であって、甘味料を含有する飲料である。
ここで、本実施形態に係る飲料とは、特に限定されないものの、アルコールを含有しないノンアルコール飲料の場合は、例えば、ノンアルコールチューハイテイスト飲料、炭酸飲料、果実飲料、スポーツ飲料、茶飲料などが挙げられ、アルコールを含有するアルコール飲料の場合は、例えば、チューハイテイスト飲料、ワインテイスト飲料、などが挙げられる。
ここで、ノンアルコールチューハイテイスト飲料、及び、アルコールを含有するチューハイテイスト飲料における「チューハイテイスト飲料」とは、チューハイのような味わいを呈する飲料、つまり、チューハイの香味が感じられるように香味設計された飲料である。なお、チューハイの香味には、サワーやカクテルといった香味も含まれる。
以下、本実施形態に係る飲料を構成する各要素について説明する。
(グルコモリンギン)
グルコモリンギン(Glucomoringin)とは、化学式C2131NO14で表される物質であり、例えば、モリンガの種子に含まれている。
そして、本発明者は、酸味を呈する飲料(酸度が所定値以上の飲料)にグルコモリンギンが添加されることによって、酸味が焦げたような香りによって舌がしびれるような収斂感のある酸味に改質され、刺激的な酸味となってしまうことを見出した。
また、本発明者は、グルコモリンギンが、飲料に芋っぽい香ばしい香りを付与し増強させ、さらには、ボディ感を増強させることも見出した。
グルコモリンギンの含有量は、0.001w/v%以上が好ましく、0.004w/v%以上、0.010w/v%以上、0.015w/v%以上、0.018w/v%以上、0.020w/v%以上がより好ましい。グルコモリンギンの含有量が所定値以上であることによって、本発明の課題(刺激的な酸味)が明確化するとともに、芋っぽい香ばしい香りとボディ感とを増強させることができる。
グルコモリンギンの含有量は、0.080w/v%以下が好ましく、0.070w/v%以下、0.050w/v%以下、0.030w/v%以下がより好ましい。グルコモリンギンの含有量が所定値以下であることによって、後記する甘味料に基づく効果(刺激的な酸味の低減)をしっかりと発揮させることができる。
グルコモリンギンの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー装置を用いて、HPLC分析によって測定することができる。
なお、グルコモリンギンの含有量は、混合工程においてグルコモリンギン(又は、グルコモリンギンを含むモリンガエキスなど)を添加することによって制御することができる。
(酸度)
本実施形態に係る飲料は、酸度(クエン酸換算の酸度)が所定値以上である。
そして、本発明者は、前記のとおり、酸度が所定値以上の飲料にグルコモリンギンを含有させることで本発明の課題(刺激的な酸味)が現れることを見出した。
酸度は、0.01w/v%以上が好ましく、0.02w/v%以上、0.03w/v%以上、0.04w/v%以上、0.05w/v%以上がより好ましい。酸度が所定値以上であることによって、本発明の課題(刺激的な酸味)が明確化するだけでなく、後記する甘味料に基づく刺激的な酸味の低減効果を強化することもできる。
酸度は、0.80w/v%以下が好ましく、0.70w/v%以下、0.60w/v%以下、0.50w/v%以下、0.40w/v%以下がより好ましい。酸度が所定値以下であることによって、飲料としてのバランスをより良くすることができる。
なお、本明細書における酸度(クエン酸換算の酸度:クエン酸相当量として換算した酸度の値)は、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法で求めることができる。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「重量(g)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すればよい。
また、酸度は、以下の酸味料や果汁などによって調整することができる。
(酸味料、果汁)
酸味料とは、酸味を付与するための物質である。そして、酸味料は、例えば、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、リン酸、酢酸などを用いることができる。
果汁とは、果実を搾った汁である。そして、果汁の由来となる果実は、柑橘類果実である、レモン、ライム、ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、シークワーサー等や、バラ科果実である、梅、リンゴ、イチゴ、桃等、これら以外にも、ぶどう、プラム、ざくろ、ブルーベリー、カシス、クランベリー、マキベリー、ピーチ、マンゴー、パイナップル、キウイ、梨等といった従来公知の果実も挙げることができる。
酸味料や果汁は、前記した酸度となるように飲料に含有させればよい。
(甘味料)
甘味料とは、甘味を付与するための物質である。
そして、本発明者は、グルコモリンギンを含有するとともに酸度が所定値以上である飲料に対して、甘味料を含有させることによって、刺激的な酸味(詳細には、焦げたような香りによって舌がしびれるような収斂感のある酸味)を低減できることを見出した。
甘味料は、例えば、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、高果糖液糖といった異性化液糖や、果糖(フルクトース)、ブドウ糖(グルコース)、ガラクトースといった単糖類、ショ糖(スクロース)、マルトース、ラクトースといった二糖類、アセスルファムカリウム、ネオテーム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームといった高甘味度甘味料、さらには、オリゴ糖、糖アルコールなどが含まれる。
本実施形態に係る飲料に含有させる甘味料としては、果糖、ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、ラクトースから成る群から少なくとも1つを含む甘味料が好ましく、異性化液糖がより好ましく、果糖ブドウ糖液糖が特に好ましい。なお、異性化糖については、「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の日本農林規格」に規定されているとおりであって、例えば、果糖ブドウ糖液糖とは、果糖含有率が50%以上90%未満のものである。
甘味料の含有量はショ糖換算で1.0w/v%以上が好ましく、2.0w/v%以上、3.0w/v%以上、4.0w/v%以上、5.0w/v%以上、5.8w/v%以上、6.0w/v%以上がより好ましい。甘味料の含有量がショ糖換算で所定値以上であることによって、刺激的な酸味を低減させることができるとともに、ボディ感を増強させることもできる。
甘味料の含有量はショ糖換算で15.0w/v%以下が好ましく、14.0w/v%以下、13.6w/v%以下、13.0w/v%以下、12.0w/v%以下、11.0w/v%以下、10.0w/v%以下、9.0w/v%以下、8.0w/v%以下がより好ましい。甘味料の含有量がショ糖換算で所定値以下であることによって、飲料としての味のバランスを良くすることができるとともに、優れたスッキリ感も確保することができる。
ショ糖換算の甘味料の含有量とは、飲料中の甘味料の含有量をショ糖の含有量に換算したものである。具体的には、ショ糖換算の甘味料の含有量は、「甘味料の含有量」に対して「甘味料の甘味度/ショ糖の甘味度(100)」を乗じることにより算出することができる。例えば、果糖ブドウ糖液糖を6.0w/v%含有する飲料の場合、果糖ブドウ糖液糖の濃度「6.0w/v%」に「100/100」(=果糖ブドウ糖液糖の甘味度/ショ糖の甘味度)を乗じた「6.0w/v%」がショ糖換算の甘味料の含有量となる。
なお、各甘味料の甘味度については、例えば、果糖ブドウ糖液糖:100、ブドウ糖果糖液糖:80、果糖:150、ブドウ糖:75、ガラクトース:32、ショ糖:100、マルトース:33、ラクトース:16、アセスルファムカリウム:20000、ネオテーム:1000000、スクラロース:60000、サッカリンナトリウム:50000、ステビア:25000、グリチルリチン:25000、ソーマチン:200000、アスパルテーム:16000、アリテーム:200000という値を用いればよい。また、オリゴ糖の甘味度については、フラクトオリゴ糖:45、ガラクトオリゴ糖:20、キシロオリゴ糖:45、乳果オリゴ糖:60、ラフィノース:20、イソマルトオリゴ糖:30、大豆オリゴ糖:70という値を用い、糖アルコールの甘味度については、ソルビトール:65、マンニトール:60、マルチトール:85、キシリトール:60、還元パラチノース:45、エリスリトール:75という値を用いればよい。
なお、飲料中の甘味料の含有量については、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定することができる。
(アルコール度数)
本実施形態に係る飲料がノンアルコール飲料である場合は、アルコール度数は、1v/v%未満であり、0.95v/v%以下、0.9v/v%以下、0.85v/v%以下、0.8v/v%以下、0.7v/v%以下、0.6v/v%以下、0.5v/v%以下、0.4v/v%以下、0.3v/v%以下、0.2v/v%以下、0.1v/v%以下、0.05v/v%以下、0.01v/v%以下、0.005v/v%以下、0.004v/v%以下、0.0000v/v%が好ましい。
また、本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合は、アルコール度数は、1v/v%以上、3v/v%以上、5v/v%以上が好ましく、また、15v/v%以下、10v/v%以下、8v/v%以下が好ましい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。そして、アルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係る飲料は、発泡性でなくてもよいが、発泡性であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係る飲料の20℃におけるガス圧は、特に限定されないものの、例えば、2.0kg/cm以上、2.2kg/cm以上、2.3kg/cm以上であり、5.0kg/cm以下、4.0kg/cm以下、3.0kg/cm以下である。そして、飲料のガス圧は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係る飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される酸化防止剤、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を含有してもよいし、当然、含有しなくてもよい。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、難消化性グルカン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
(容器詰め飲料)
本実施形態に係る飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料は、刺激的な酸味が低減されている。
また、本実施形態に係る飲料は、芋っぽい香ばしい香りとボディ感とが増強しているとともに、総合的なバランスも好ましい評価となっている。
[飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係る飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、グルコモリンギンの含有量を所定値以上とし酸度を所定値以上とする工程を含む。そして、詳細には、本実施形態に係る飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
(混合工程)
混合工程では、混合タンクに、水、グルコモリンギン、酸味料、甘味料、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、グルコモリンギンの含有量や酸度などが前記した所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
そして、後処理工程では、例えば、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにおいて充填するのが好ましい。そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程及び後処理工程において行われる各処理は、Ready to drink(RTD)飲料などを製造するために一般的に用いられている設備によって行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料の製造方法によると、刺激的な酸味が低減した飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係る飲料の製造方法によると、芋っぽい香ばしい香りとボディ感とが増強しているとともに、総合的なバランスも好ましい評価となる飲料を製造することができる。
[飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係る飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る飲料の香味向上方法は、グルコモリンギンの含有量が所定値以上であり酸度が所定値以上である飲料の刺激的な酸味を低減させる香味向上方法であって、甘味料を含有させる方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係る飲料の香味向上方法によると、刺激的な酸味を低減させることができる。
また、本実施形態に係る飲料の香味向上方法によると、芋っぽい香ばしい香りとボディ感とを増強させるとともに、総合的なバランスを好ましい評価とすることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備:表1~3]
表1~3の各サンプルは、表に示す量となるように、モリンガエキスS(太陽化学株式会社)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸(無水)、炭酸水、純水を適宜配合してサンプル(ノンアルコールチューハイテイスト飲料)を準備した。
なお、表1~3の各サンプルの20℃におけるガス圧(全圧)は2.3kg/cmであり、アルコール度数は0.00v/v%であった。
[サンプルの準備:表4]
表4の各サンプルは、表に示す量となるように、モリンガエキスS(太陽化学株式会社)、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸(無水)、スクラロース、アセスルファムカリウム、梅干フレーバー、ウォッカ、炭酸水、純水を適宜配合してサンプル(チューハイテイスト飲料)を準備した。
なお、表4の各サンプルの20℃におけるガス圧(全圧)は2.3kg/cmであった。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、選抜された識別能力のあるパネル4名が下記評価基準に則って「刺激的な酸味」、「ボディ感」、「スッキリ感」、「芋っぽい香ばしい香り」については、1~7点の7段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出し、「総合的なバランス」については、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、各評価は、各サンプルを飲んで実施した。
(刺激的な酸味:評価基準)
刺激的な酸味の評価については、サンプル1-0を1点とし、「刺激的な酸味が強い」場合を7点、「刺激的な酸味が弱い」場合を1点として7段階で評価した。そして、刺激的な酸味の評価については、点数が低いほど、低減されており好ましいと判断できる。
なお、「刺激的な酸味」とは、モリンガエキス(詳細には、グルコモリンギン)に基づく刺激的な酸味であって、具体的には、焦げたような香りによって舌がしびれるような収斂感のある酸味であって刺激的であると感じる酸味である。
(ボディ感:評価基準)
ボディ感の評価については、サンプル1-0を1点とし、「ボディ感が強い」場合を7点、「ボディ感が弱い」場合を1点として7段階で評価した。そして、ボディ感の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「ボディ感」とは、味の厚みであり、味が厚く感じるほど点数が高くなる。
(スッキリ感:評価基準)
スッキリ感の評価については、サンプル1-0を4点とし、「スッキリ感が強い」場合を7点、「スッキリ感が弱い」場合を1点として7段階で評価した。そして、スッキリ感の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「スッキリ感」とは、味全体がスッキリとまとまっている感覚であり、味がバラバラにならずにまとまっているほど点数が高くなる。
(芋っぽい香ばしい香り:評価基準)
芋っぽい香ばしい香り(表では「焼き芋、焼き栗様の香ばしい香り」と表記した)の評価については、サンプル1-0を1点とし、「芋っぽい香ばしい香りが強い」場合を7点、「芋っぽい香ばしい香りが弱い」場合を1点として7段階で評価した。そして、芋っぽい香ばしい香りの評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「芋っぽい香ばしい香り」とは、焼き芋や焼き栗のような香ばしい香りであって、立ち香(立ち昇る香り)だけでなく、サンプルを飲んでいる最中に感じる香りも含めて総合的に判断した。
(総合的なバランス:評価基準)
総合的なバランスの評価については、サンプル1-0を2点とし、「総合的なバランスが良い」場合を5点、「総合的なバランスが悪い」場合を1点として5段階で評価した。
なお、「総合的なバランス」とは、飲料の香味のバランスであり、例えば、特定成分に基づく香味が強く感じられることで香味のバランスが崩れている場合は、悪いとの評価となる。
表に、各サンプルの各評価結果を示す。そして、表における各成分の含有量は、最終製品における含有量を示している。
Figure 2023098105000001
Figure 2023098105000002
Figure 2023098105000003
Figure 2023098105000004
(結果の検討)
表1は、グルコモリンギンの含有量を変化させた場合の結果である。
表1の結果から、グルコモリンギンの含有量が上昇するにしたがって、「刺激的な酸味」の点数が上昇することから、グルコモリンギンによって低減すべき「刺激的な酸味」が発現してしまうことが確認できた。
また、表1の結果から、グルコモリンギンの含有量が上昇すると、「芋っぽい香ばしい香り」と「ボディ感」の点数が上昇する一方、「スッキリ感」と「総合的なバランス」の点数が低下してしまうことも確認できた。
表2は、甘味料のショ糖換算の含有量を変化させた場合の結果である。
表2の結果から、甘味料のショ糖換算の含有量が上昇するにしたがって、「刺激的な酸味」の点数が低下していることから、甘味料によってグルコモリンギンに基づく「刺激的な酸味」を低減できる(3点以下)ことが確認できた。
また、表2の結果から、甘味料の含有量が上昇すると、「ボディ感」の点数が上昇し(3点以上)、「芋っぽい香ばしい香り」の点数が若干低下するものの、一定のレベル(2点以上)は維持できることが確認できた。
そして、全ての評価を総合的に検討すると、表2のサンプルは全て好ましい結果であったが、サンプル2-2~2-3(特に、サンプル2-2)について、非常に好ましい結果が得られた。
表3は、酸度を変化させた場合の結果である。
表3の結果から、酸度が上昇するにしたがって、「刺激的な酸味」の点数が低下していることから、本発明の課題は、酸度が所定値以下の場合に特に明確になることが確認できた。言い換えると、酸度を上昇させることによって、甘味料による「刺激的な酸味の低減効果」を強化できるということも確認できた。
また、表3の結果から、酸度が上昇すると、「スッキリ感」の点数が上昇し(2点以上)、「芋っぽい香ばしい香り」の点数が若干低下するものの、一定のレベル(2点以上)は維持できることが確認できた。
そして、全ての評価を総合的に検討すると、表3のサンプルは全て好ましい結果であったが、サンプル3-1~3-2について、非常に好ましい結果が得られた。
表4は、甘味料の種類を変更させたり、アルコールを添加させたり、フレーバーを添加させたりした結果である。
表4のサンプル4-1~4-2について、「刺激的な酸味」の点数が低く(3点以下)、その他の評価も好ましい結果(芋っぽい香ばしい香り:2点以上、ボディ感:3点以上、スッキリ感:2点以上)となった。
よって、甘味料の種類、アルコールの有無に関係なく、本発明の各効果(刺激的な酸味の低減効果、芋っぽい香ばしい香りの増強効果、ボディ感の増強効果、スッキリ感の増強効果)は発揮されることが確認できた。
表4のサンプル4-3について、「刺激的な酸味」の点数が低く(3点以下)、「芋っぽい香ばしい香り」以外の他の評価も好ましい結果(ボディ感:3点以上、スッキリ感:2点以上)となった。
よって、フレーバーの有無に関係なく、本発明の所定の効果(刺激的な酸味の低減効果、ボディ感の増強効果、スッキリ感の増強効果)は発揮されることが確認できた。

Claims (7)

  1. グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上であり、甘味料を含有する飲料。
  2. 前記甘味料のショ糖換算の含有量が1.0~15.0w/v%である請求項1に記載の飲料。
  3. 前記酸度が0.05~0.50w/v%である請求項1又は請求項2に記載の飲料。
  4. 前記甘味料は、果糖、ブドウ糖、ガラクトース、ショ糖、マルトース、ラクトースから成る群の少なくとも1つを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. アルコール度数が1v/v%未満である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飲料。
  6. グルコモリンギンの含有量を0.001w/v%以上とし、酸度を0.01w/v%以上とし、甘味料を含有させる工程を含む飲料の製造方法。
  7. グルコモリンギンの含有量が0.001w/v%以上であり、酸度が0.01w/v%以上である飲料の刺激的な酸味を低減させる香味向上方法であって、
    前記飲料に甘味料を含有させる工程を含む飲料の香味向上方法。
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