JP2023096948A - 化粧料組成物及び化粧料 - Google Patents

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Yoshiyuki Kawamata
梨江 菱谷
Rie Hishitani
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Abstract

【課題】皮脂吸着と皮脂中の遊離脂肪酸吸着が高く、化粧崩れを防ぎ、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れる化粧料組成物及び当該化粧料組成物を含む化粧料を提供する。【解決手段】本発明の化粧料組成物は、シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を含有し、下記式(1)R=Sw/Mw (1)(ただし、式(1)において、Swはシリカ成分のSiO2換算した含有量(質量部)を示し、Mwはマグネシア成分のMgO換算した含有量(質量部)を示す)で表される前記シリカ成分の含有量と、前記マグネシア成分との含有量との比Rの値が0.1以上、5以下である。本発明の化粧料組成物によれば、皮脂吸着が高く、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れる。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料組成物及び化粧料に関する。
従来、化粧崩れが起こりにくく、かつ、人の肌に優しい化粧料が求められており、この観点から、化粧品に添加する成分が種々検討されている。化粧崩れは、過剰な皮脂と特に皮脂中の遊離脂肪酸が主要因とされている。
例えば、特許文献1には、特定の粒子サイズを有する板状の集積型球状酸化亜鉛を皮脂吸着剤として使用する技術が提案されている。斯かる皮脂吸着剤によれば、高い紫外線遮蔽能を有しながらも、人の肌への感触が良好で、かつ、皮脂吸着効果を高めることができることから、化粧崩れしにくい化粧料の原料として好適であるとされている。
国際公開第2016/190399号
一方で、近年では化粧崩れが起こりにくいことに加えて、シワ及び毛穴隠し効果といったように更なる機能性を付与することができる化粧料組成物が求められているところ、特許文献1等に開示されるような従来の化粧料組成物では、それらの機能性付与には改善の余地が残されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、皮脂吸着及び皮脂中の遊離脂肪酸の吸着が高く、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れる化粧料組成物及び当該化粧料組成物を含む化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、シリカ成分及びマグネシア成分を特定量割合で含有する不定形粒子(以下、この粒子を単に「不定形粒子」と称することもある。)を有効成分とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を含有し、
下記式(1)
R=Sw/Mw (1)
(ただし、式(1)において、Swはシリカ成分のSiO換算した含有量(質量部)を示し、Mwはマグネシア成分のMgO換算した含有量(質量部)を示す)
で表される前記シリカ成分の含有量と、前記マグネシア成分との含有量との比Rの値が0.1以上、5以下である、化粧料組成物。
項2
前記式(1)で表されRの値が3以下である、項1に記載の化粧料組成物。
項3
前記式(1)で表されRの値が1.9以下である、項1に記載の化粧料組成物。
項4
前記不定形粒子は、酸価1における脱酸率が40以上である、項1~3のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
項5
前記不定形粒子は、酸価1における脱酸率が50以上である、項4に記載の化粧料組成物。
項6
前記不定形粒子は、JIS 5101-13-2に準拠して測定される吸油量が80~250ml/100gである、項1~5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
項7
前記不定形粒子は、BJH法によって測定される細孔容積が0.5~2.0cm/gである、項1~6のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
項8
前記不定形粒子は、JIS K 6220-1に準拠して測定される見掛け比重が0.4g/cm以下である、項1~7のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
項9
項1~8のいずれか1項に記載の化粧料組成物を含む、化粧料。
本発明の化粧料組成物は、皮脂吸着及び皮脂中の遊離脂肪酸の吸着が高く、化粧崩れを防止でき、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本発明の化粧料組成物は、シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を含有し、下記式(1)
R=Sw/Mw (1)
で表される前記シリカ成分の含有量と、前記マグネシア成分との含有量との比Rの値が0.1以上、5以下である。ここで、前記式(1)において、Swはシリカ成分のSiO換算した含有量(質量部)を示し、Mwはマグネシア成分のMgO換算した含有量(質量部)を示す。
本発明の化粧料組成物は、例えば、化粧料用の成分として使用することで、皮脂吸着及び皮脂中の遊離脂肪酸の吸着が高く、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れるという性能を化粧料に付与することができる。
本発明の化粧料組成物は、シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を必須の構成成分として含有する。すなわち、不定形粒子は、少なくともシリカ成分とマグネシア成分とで形成され、いわば、シリカ成分とマグネシア成分との複合体と称することができる。シリカ成分とマグネシア成分とは、互いに化学結合により結合することなく、例えば、物理的な相互作用などによって複合化されていてもよい。
シリカ成分とは、酸化ケイ素を主成分として構成される成分である。酸化ケイ素は、例えば、SiOである。また、マグネシア成分とは、酸化マグネシウムを主成分として構成される成分である。酸化マグネシウムは、例えば、MgOである。
シリカ成分は、例えば、シリカ成分の全量に対して酸化ケイ素を50質量%以上含むことができ、70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことが特に好ましい。シリカ成分は、酸化ケイ素のみであってもよく、例えば、SiOのみであってもよい。
マグネシア成分は、例えば、マグネシア成分の全量に対して酸化マグネシウムを50質量%以上含むことができ、70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことがさらに好ましく、95質量%以上含むことが特に好ましい。マグネシア成分は、酸化マグネシウムのみであってもよく、例えば、MgOのみであってもよい。
不定形粒子において、シリカ成分及びマグネシア成分の存在形態は特に限定されない。例えば、不定形粒子は、シリカ成分層がマグネシア成分層をサンドイッチした三層構造(構造aという)、マグネシア成分層片面だけにシリカ成分の粒子が配向吸着又は接合した構造(構造bという)、マグネシア成分層の両面ともシリカ成分が僅か吸着された構造(構造cという)、マグネシア成分層が部分的に複数層に積層した構造(構造dという)、前記三層構造に加えてシリカ成分の微粒子が非晶質なマトリックス相を形成すると共にその中に部分的に細分化された極微小の三層構造が非晶質なマトリックス相全体に吸収された構造(構造eという)等を形成することができる。不定形粒子は、これらの構造(構造a~e)の少なくとも1種を有することができる。不定形粒子が取り得る上記各構造は、例えば、後記するRの値によって変化し得る。
不定形粒子の構造については、例えば、不定形粒子を含む粉末(例えば、本発明の化粧料組成物の粉末)のX線回折像から判定することができる。この判定については、例えば、特開2005-8675号公報に記載の方法を参照することができる。
不定形粒子において、シリカ成分の含有量と、マグネシア成分との含有量との比R(当該Rは前記式(1)で表される)は、0.1以上、5以下である。Rが0.1未満となると、マグネシア成分が過剰となり、皮脂吸着が低下し、また、肌への感触も悪化しやすく、その上、所望のシワ及び毛穴隠し効果も得ることができない。また、Rが5を超えると、シリカ成分が過剰になり、皮脂吸着が低下し、また、肌への感触も悪化しやすく、その上、所望のシワ及び毛穴隠し効果も得ることができない。
Rの値は、シワ及び毛穴隠し効果および化粧崩れ防止効果が特に優れるという点で、3.0以下であることが好ましく、2.2以下であることがより好ましく、1.9以下であることがさらに好ましい。
Rの値は、シワ及び毛穴隠し効果および化粧崩れ防止効果が特に優れるという点で、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましく、1.0以上であることがとりわけ好ましく、1.5以上であることが格別好ましい。
不定形粒子は、前述の比Rでシリカ成分及びマグネシア成分を含む限り、その形状、大きさ等は特に制限されない。ここでいう不定形粒子とは、形状が必ずしも球状ではなく、球状以外の形状に形成されていることを意味する。また、不定形粒子は、各粒子間の形状が一定ではなく、つまり、複数の形状の粒子で構成される。異なる形状の粒子は互いに分離して(分散して)存在することができ、あるいは複数の粒子の少なくとも一部に凝集等が起こって集合体を形成していてもよい。不定形粒子は、例えば、球状以外の形状を有することができるが、真球状、楕円形状等の粒子が含まれていてもよい。
不定形粒子の平均粒子径は特に限定されない。例えば、皮脂吸着が高く、肌への感触も良好であり、所望のシワ及び毛穴隠し効果が得られやすいという観点から、不定形粒子の平均粒子径は、例えば、0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。不定形粒子の平均粒子径はレーザー回折散乱法で測定された値であって、体積平均粒子径を示す。
不定形粒子の比表面積は特に限定されない。例えば、皮脂吸着が高く、肌への感触も良好であり、所望のシワ及び毛穴隠し効果が得られやすいという観点から、不定形粒子のBET法に基づく比表面積が、例えば、5m/g以上、好ましくは50m/g以上、より好ましくは200m/g以上、さらに好ましくは500m/g以上であり、また、例えば、5000m/g以下であり、好ましくは1000m/g以下、より好ましくは850m/g以下、さらに好ましくは750m/g以下である。不定形粒子の比表面積は窒素吸着によるBET法で測定された値を示す。
不定形粒子は、皮脂中の遊離脂肪酸による化粧崩れを防ぎやすいという点で、酸価1における脱酸率が40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。不定形粒子の酸価1における脱酸率の上限は、例えば、90である。
不定形粒子は、皮脂による化粧崩れを防ぎやすいという点で、JIS 5101-13-2に準拠して測定される吸油量が80~250ml/100gであることが好ましい。不定形粒子の吸油量は120ml/100g以上であることがより好ましく、また、220ml/100g以下であることがより好ましい。
不定形粒子は、塗布時の感触が良好になりやすく、皮脂による化粧崩れを防ぎやすく、また、シワ及び毛穴隠し効果が高まりやすいという点で、BJH法によって測定される細孔容積が0.5~2.0cm/gであることが好ましい。BJH法によって測定される細孔容積は0.7cm/g以上であることがより好ましく、また、1.5cm/g以下であることがより好ましい。BJH法では、窒素吸着の測定にmicromeritics社製のTristarを用い、窒素分圧PN2(P/P0)が0.005~0.95の範囲における吸脱着等温線を求める。この測定でのサンプルの前処理は、真空条件下で150℃、2時間の条件で行う。求めた吸脱着等温線から、BJH法による脱着側の細孔容積を算出することができる。
不定形粒子は、塗布時の感触が良好になりやすく、シワ及び毛穴隠し効果が高まりやすいという点で、JIS K 6220-1に準拠して測定される見掛け比重が0.4g/cm以下であることが好ましい。不定形粒子の見掛け比重は0.3g/cm以下であることがより好ましい。不定形粒子の見掛け比重の上限は、例えば、0.5g/cmである。
不定形粒子の製造方法は特に限定されない。例えば、シリカ原料とマグネシア原料とを使用する方法により、前述のシリカ成分及びマグネシア成分を含む不定形粒子を得ることができる。以下、斯かる方法で不定形粒子を製造する方法を「製造方法A」と表記する。
製造方法Aで使用するシリカ原料はシリカを形成することができる限り特に制限は無く、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)を挙げることができる。二酸化ケイ素は水和物であってもよい。斯かる、二酸化ケイ素は、公知の方法で製造して入手することができ、あるいは、市販品等から入手することもできる。
二酸化ケイ素は、非晶質であって含水タイプであることが好適であり、ゲル法又は沈降法等で製造されたものであることが好ましい。二酸化ケイ素は、一次粒子の小さいことが好適であり、比表面積でいうと150m/g以上、特に300m/g以上であることが好ましい。
製造方法Aで使用するマグネシア原料はマグネシアを形成することができる限り特に制限は無く、例えば、酸化マグネシウム(例えば、MgO)を挙げることができる。酸化マグネシウムは水和物であってもよい。斯かる、酸化マグネシウムは、公知の方法で製造して入手することができ、あるいは、市販品等から入手することもできる。
酸化マグネシウムは、結晶子が小さいことが好ましく、かつ、経時による炭酸化が進んでいないこと好ましい。酸化マグネシウムの比表面積(BET法)でいうと5m/g以上、特に100m/g以上であることが好ましい。
製造方法Aにおいて、シリカ原料及びマグネシア原料の使用割合は、得られる不定形粒子が前述のRの値を満たすように調整することができる。従って、シリカ原料のSiO換算した質量と、マグネシア原料のMgO換算した質量との比(SiO/MgO)が0.1以上、5以下となるように、シリカ原料及びマグネシア原料の使用割合を調節することができる。シリカ原料のSiO換算した質量と、マグネシア原料のMgO換算した質量との比(SiO/MgO)の好ましい値も前記Rと同様である。
なお、本発明では、製造時に使用するシリカ原料のSiO換算した質量と、マグネシア原料のMgO換算した質量との比(SiO/MgO)が前記Rに一致するものと考えることができる。
製造方法Aでは、不定形粒子を製造しやすいという観点から、シリカ原料とマグネシア原料とを、例えば、水の存在下で混合して水性スラリーを調製することが好ましい。この場合、水性スラリーの固形分濃度は特に制限されず、凝集又はゲル化現象(増粘現象)を抑制しやすいという点並びに生産性が低下しにくいという点で、水性スラリーの固形分濃度は、好ましくは3~15質量%、より好ましくは8~13質量%である。水は、蒸留水、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水、純水、電解水などの各種の水を用いることができる。
前記水性スラリーを熟成し、次いで、水性スラリー中の水を除去することで、目的とするシリカ成分及びマグネシア成分を所定の割合で含有する前記不定形粒子を得ることができる
前記水性スラリーの熟成の条件は特に限定されず、例えば、所定の温度で水性スラリーを処理することで行うことができる。当該温度は、例えば、100℃以下とすることができ、好ましくは50~97℃である。当該温度において水性スラリーを処理するにあたり、スラリーは、例えば、公知の攪拌手段により攪拌等をすることもできる。攪拌手段としては、例えば、攪拌翼を備えた攪拌槽中で水性スラリーを攪拌する方法を挙げることができ、その他、湿式ボールミルやコロイドミルによる粉砕もしくは分散下で水性スラリーの攪拌を行うこともできる。
水性スラリーの熟成時間は、処理する温度、スラリー量、及び、固形分濃度等に応じて適宜設定することができ、例えば、少なくとも0.5時間以上とすることができ、好ましくは1~24時間、より好ましくは3~10時間である。
熟成後の水を除去する方法は特に限定されず、例えば、スプレー乾燥機、スラリー乾燥機等を用いた公知の乾燥方法を広く採用することができる。また、ろ過又は遠心分離等の手段によりある程度の脱水を行った後に、箱形乾燥機、バンド乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥する方法により、熟成後の水を除去することもできる。
熟成後の水の除去により固形分が得られる。当該固形分は、例えば、乾燥状態又はウェット状態である。固形分の水分含有率は、例えば、固形分の全質量に対して10質量%以下である。固形分は、例えば、粉末状、顆粒状、ケーキ状、塊状である。
得られた固形分は、粉砕することができ、これにより不定形粒子が粉末状で得られる。
粉砕はジェットミルで行うことが好ましい。この場合、粗粒の発生を抑制でき、塗布時の感触が良好になりやすい。
以上の製造方法Aによって、不定形粒子を得ることができる。
本発明の化粧料組成物は、不定形粒子以外に他の成分を含むことができる。他の成分としては特に限定されず、例えば、公知の化粧料組成物に含まれる成分を広く挙げることができる。斯かる成分としては、例えば、pH調整剤、酸化防止剤、光安定剤、分散安定剤、滑剤、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、その他の粉体、薬効成分、紫外線吸収剤、香料等が例示される。化粧料組成物に含まれる不定形粒子以外の前記成分は特に限定されず、例えば、公知の化粧料組成物と同様とすることができる。本発明の化粧料組成物は、不定形粒子のみであってもよい。
本発明の化粧料組成物を調製する方法は特に限定されず、例えば、前述の製造方法Aで得られた不定形粒子と、その他必要に応じて含まれ得る各種成分とを所定の割合で配合することで化粧料組成物を調製することができる。
本発明の化粧料組成物は、シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を必須の構成成分として含有することで、化粧料に高い皮脂吸着及び皮脂中の遊離脂肪酸吸着による化粧崩れ防止効果、良好な肌への感触、並びに優れたシワ及び毛穴隠し効果を付与することができる。従って、本発明の化粧料組成物は、化粧料への使用に特に好適である。
化粧料は、本発明の化粧料組成物を含む限り、その他は成分の種類は特に限定されず、例えば、公知の化粧料に添加される各種添加剤を広く挙げることができる。
本発明の化粧料組成物において、不定形粒子の含有割合は、例えば、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが特に好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
シリカ原料として、市販の二酸化ケイ素(水澤化学工業社製「ミズカソーブC-1」)を、マグネシア原料として、市販の酸化マグネシウム(神島化学工業社製「スターマグU」)を準備した。シリカ原料のSiO換算した質量と、マグネシア原料のMgO換算した質量との比(SiO/MgO)が1.72となるように両者を混合し、総量が150gであるシリカ原料及びマグネシア原料の混合物を調製した。この150gの混合物を容量2Lのステンレススチール製タンクに収容された水道水の中へ、水道水を撹拌しつつ加え、攪拌することで水性スラリーを得た。当該水性スラリーは、固形分濃度が13質量%となるように水道水の量を調整した。水性スラリーを攪拌しながら、約15分かけて95℃まで昇温し、その後、10時間攪拌を続けることで、水性スラリーの熟成を行った。熟成後、水性スラリーを減圧ろ過により脱水し、得られたケーキを電気乾燥器によって110℃で乾燥した後、当該ケーキをサンプルミル(ジェットミル型粉砕機)で粉砕することで、白色微粉末を得た。
(実施例2)
SiO/MgOの比を2.0としたこと以外は実施例1と同様の方法で白色微粉末を得た。
(実施例3)
SiO/MgOの比を5.0としたこと以外は実施例1と同様の方法で白色微粉末を得た。
(比較例1)
市販のスターマグU(神島化学工業社製酸化マグネシウム)を準備し、比較例1の評価に供した。
(比較例2)
市販のOVEIL GR1(水澤化学工業社製、合成シリカ)を準備し、比較例2の評価に供した。
(比較例3)
市販のサンスフェアH-31(AGCエスアイテック社製、合成シリカ)を準備し、比較例3の評価に供した。
(比較例4)
市販のT-HT E-304(テイカ社製、MAGNESIUM/ALUMINUM/ZINC/HYDROXIDE/CARBONATE+P-アニス酸)を準備し、比較例4の評価に供した。
(比較例5)
市販のCandy Zinc 1000(堺化学社製、板状集積型球状酸化亜鉛)を準備し、比較例5の評価に供した。
(性能評価)
各実施例及び比較例で準備した粉末をサンプルとして、化粧料組成物としての評価を以下の方法で実施した。
[皮脂中の遊離脂肪酸吸着性能(脱酸率)]
皮脂中の遊離脂肪酸吸着性能は、脱酸率から判定した。日清キャノーラ油とオレイン酸とを混合して、酸価が1.0、2.0又は3.0となるように、かつ、総量が250gとなるように混合液を調製し、薬さじでかき混ぜ、このうち、50gをカップに秤り取ってスターラーにて300rpmで攪拌した。この攪拌をしながら、各実施例又は比較例で準備した粉末(以下、「試料」という)を加えて、試料が全部混合液で濡れてから、さらに20分間攪拌することで脱酸した後、Advantec No.2の濾紙で一晩濾過して混合液から試料を除去した。試料を除去した混合液を所定量(酸価3の場合には3.5g、酸価2の場合には5.0g、酸価1の場合には10g)分取した。別途、シクロヘキサン:エタノール=1:1溶液を600mL調整しフェノールフタレイン溶液を2滴加え、0.1mol/L水酸化カリウム-エタノール標準液で中和した溶媒を調製し、この溶媒を、前述の試料を除去した混合液に所定量(酸価3及び2の場合は50mL、酸価1の場合には100mL)加えると共にフェノールフタレイン溶液7滴を加え、0.1mol/Lの水酸化カリウム-エタノール溶液で滴定を行い、脱酸後の酸価を求めた。脱酸率は、(1-(脱酸後の酸価÷元の酸価))×100によって算出した
(評価用ファンデーションの作製;調製例1~8)
実施例1~3及び比較例1~5で準備した粉末を用いて、下記のようにファンデーションを作製(それぞれ調製例1~8)して、その塗布性の評価を実施した。まず、後掲の表1に示す配合条件に従って、A成分およびB成分(表1中、それぞれ「A」及び「B」と表記)を、LAB.MIXER(HANIL ELECTRIC製)にて1分間の混合処理を計2回実施し、次いで、C成分を添加し、1分間の混合処理を計3回実施して混合物を得た。この混合物を60メッシュの篩に通し、通過した混合物をプレス機(南陽製「ラボ用プレス試験機」)にてプレスして、評価用ファンデーションを作製した。なお、表1の空欄は、その原料を使用していないことを意味する。
Figure 2023096948000001
[ファンデーション塗布時の感触]
評価用ファンデーションを下記評価基準に基づいて判定し、ファンデーション塗布時の感触の評価を実施した(評価は1~5の間で0.5刻みにて点数を付けた)。なお、表1に示す評価基準品Aを評価の基準とした。
<判定基準>
指に取ったときのなめらかさ(固形のファンデーション表面を指で撫でた時の感触を評価)
5:評価基準品Aよりも著しくなめらかであった
4:評価基準品Aよりもなめらかであった
3:評価基準品Aと同等であった。
2:評価基準品Aよりもざらつきを感じた
1:評価基準品Aよりも著しくざらつきを感じた
指で触ったときの硬さ(固形のファンデーション表面を指で撫でた時の感触を評価)
5:評価基準品Aよりも著しく柔らかかった
4:評価基準品Aよりも柔らかかった
3:評価基準品Aと同等であった。
2:評価基準品Aよりも硬かった
1:評価基準品Aよりも著しく硬かった
塗布時の粉の滑り性(ファンデーションを指に取り、手の甲に塗布した際の感触を評価)
5:評価基準品Aよりも著しく良く滑った
4:評価基準品Aよりも良く滑った
3:評価基準品Aと同等であった。
2:評価基準品Aよりも滑らなかった
1:評価基準品Aよりも著しく滑らなかった
[ファンデーションの落下強度(落下試験)]
評価用ファンデーションを30cmの高さからエポキシ樹脂基板(レプシン)へ落下させ、この落下を10回繰り返した後でもファンデーションが割れなかった場合を「〇」、8回又は9回繰り返した後にファンデーションが割れた場合を「△」、これら以外の場合を「×」として判定した。
[ファンデーションのパフへの取れ性]
評価用ファンデーションを肌に塗布した後、スポンジパフで1回拭き取り、拭き取り前後の質量変化を計測した。この操作を計10回実施し、質量変化の値の最大値と最小値を除いた8回分の質量変化の平均値を算出し、この平均値をパフへの取れ性の指標とした。
[ファンデーションのシワ及び毛穴隠し効果]
シワモデル(ビューラックス社製、No.4)に塗布性の評価で作製したファンデーション約10mgを、スポンジパフを用いて塗布した。塗布した部分をマイクロスコープ(実体顕微鏡:HIROX KH-8700、倍率:20倍)で撮影し、中心部1cm四方の画像解析を実施した。得られた画像解析から、全体における影の面積の割合を算出し、この値をシワ及び毛穴隠し効果の指標とした。なお、画像解析は、解析ソフトGIMPを用い、グレースケール処理及び二値化処理(閾値:135)をした後、背景を透明化させることで行い、また、黒色部分をシワ及び毛穴として面積割合を計測した。
(評価用フェイスパウダーの作製;調製例9~16)
実施例1~3及び比較例1~5で準備した粉末を用いて、フェイスパウダーを作製(それぞれ調製例9~16)して、その化粧崩れ防止効果の評価を実施した。具体的に、後掲の表2に示す配合条件に従って、D成分(表2中、「D」と表記)を、LAB.MIXER(HANIL ELECTRIC製)にて1分間の混合処理を計2回実施し、次いで、E成分(表2中、「E」と表記)を添加し、1分間の混合処理を計3回実施して、評価用フェイスパウダーを作製した。なお、表2の空欄は、その原料を使用していないことを意味する。
Figure 2023096948000002
[フェイスパウダー塗布時の感触]
評価用フェイスパウダーを下記評価基準に基づいて判定し、フェイスパウダー塗布時の感触の評価とした(評価は1~5の間で0.5刻みにて点数を付けた)。なお、表2に示す評価基準品Bを評価の基準とした。
<判定基準>
塗布時のなめらかさ(フェイスパウダーを手の甲に塗布した際の感触を評価)
5:評価基準品Bよりも著しくなめらかであった
4:評価基準品Bよりもなめらかであった
3:評価基準品Bと同等であった。
2:評価基準品Bよりもざらつきを感じた
1:評価基準品Bよりも著しくざらつきを感じた
塗布後の肌感(フェイスパウダーを手の甲に塗布した後の感触を評価)
5:評価基準品Bよりも著しくしっとりした
4:評価基準品Bよりもしっとりした
3:評価基準品Bと同等であった。
2:評価基準品Bよりもさらさらした
1:評価基準品Bよりも著しくさらさらした
[フェイスパウダーシワ及び毛穴隠し効果]
シワモデル(ビューラックス社製、No.4)に塗布性の評価で作製したフェイスパウダー約10mgを、スポンジパフを用いて塗布した。塗布した部分をマイクロスコープ(実体顕微鏡:HIROX KH-8700、倍率:20倍)で撮影し、中心部1cm四方の画像解析を実施した。得られた画像解析から、全体における影の面積の割合を算出し、この値をシワ及び毛穴隠し効果の指標とした。なお、画像解析は、解析ソフトGIMPを用い、グレースケール処理及び二値化処理(閾値:135)をした後、背景を透明化させることで行い、また、黒色部分をシワ及び毛穴として面積割合を計測した。
[フェイスパウダーの化粧崩れ防止効果]
合成皮革(ポリ塩化ビニル製)を縦10.5cm、横10cmにカットし、中央部分からやや下側の位置に市販のリキッドファンデーション(ネイチャーズウェイ製、ナチュラグラッセ スキントリートメントファンデーション PB2)約0.08gを直径5.5cmの円状に塗布し、これを室温で2時間乾燥したものに評価用フェイスパウダー約0.01gを、パウダーパフを用いて塗布し、これを試験検体とした(これを処理前とした)。試験検体の写真を撮影した後、試験検体にスクワラン約0.15gをスプレーし、フェイススチーマー(ヒロコーポレーション製、MH-345)を用いてスチームを1分間当て、室温にて一晩乾燥させた後(これを処理後とした)、写真を撮影した。処理前及び処理後の写真を元に目視にて塗膜の崩れ具合を下記の様に判定した。
◎:塗膜が崩れなかった
〇:塗膜がわずかに崩れた
◎~○:上記◎と○の中間程度に崩れた
△:塗膜がやや崩れた
×:塗膜が著しく崩れた
Figure 2023096948000003
表3には、実施例1~3及び比較例1~5で得られた不定形粒子(白色微粉末)の特性、及び、その不定形粒子を用いた化粧料の評価結果を示す。表3中、ファンデーション評価は調製例1~8、フェイスパウダー評価は調製例9~16である。
表3から、実施例で得られた不定形粒子(白色微粉末)を用いた化粧料は、皮脂吸着が高く、肌への感触も良好であり、しかも、シワ及び毛穴隠し効果にも優れることがわかった。特筆すべき点の一つに実施例1の脱酸率の高さが挙げられる。限定的な解釈を望むものではないが、マグネシウム量が特定量になるとシリカ表面に付く割合が増えるので、効率的に遊離脂肪酸を吸着できるようになると考えられる。化粧崩れは、皮脂成分の一部(遊離脂肪酸で脱酸率に相関)と皮脂(吸油量に相関)による化粧層の脆弱化が一因である点に照らせば、実施例1の化粧崩れ防止の顕著な効果は、その高い脱酸率と吸油量の両者が寄与していると考えられる。なお、化粧品で問題視されるテカリは遊離脂肪酸が原因とされている。脱酸率の高い本発明の化粧料組成物(特に実施例1)は、テカリに対しても効果的であると考えらえる。

Claims (9)

  1. シリカ成分と、マグネシア成分とを含む不定形粒子を含有し、
    下記式(1)
    R=Sw/Mw (1)
    (ただし、式(1)において、Swはシリカ成分のSiO換算した含有量(質量部)を示し、Mwはマグネシア成分のMgO換算した含有量(質量部)を示す)
    で表される前記シリカ成分の含有量と、前記マグネシア成分との含有量との比Rの値が0.1以上、5以下である、化粧料組成物。
  2. 前記式(1)で表されRの値が3以下である、請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 前記式(1)で表されRの値が1.9以下である、請求項1に記載の化粧料組成物。
  4. 前記不定形粒子は、酸価1における脱酸率が40以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
  5. 前記不定形粒子は、酸価1における脱酸率が50以上である、請求項4に記載の化粧料組成物。
  6. 前記不定形粒子は、JIS 5101-13-2に準拠して測定される吸油量が80~250ml/100gである、請求項1~5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
  7. 前記不定形粒子は、BJH法によって測定される細孔容積が0.5~2.0cm/gである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
  8. 前記不定形粒子は、JIS K 6220-1に準拠して測定される見掛け比重が0.4g/cm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の化粧料組成物を含む、化粧料。
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