JP2023096553A - 調光積層体、および調光装置 - Google Patents

調光積層体、および調光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023096553A
JP2023096553A JP2021212390A JP2021212390A JP2023096553A JP 2023096553 A JP2023096553 A JP 2023096553A JP 2021212390 A JP2021212390 A JP 2021212390A JP 2021212390 A JP2021212390 A JP 2021212390A JP 2023096553 A JP2023096553 A JP 2023096553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light control
layer
control sheet
hard coat
transparent body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021212390A
Other languages
English (en)
Inventor
裕介 ▲高▼橋
Yusuke Takahashi
雄大 中島
Takehiro Nakajima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2021212390A priority Critical patent/JP2023096553A/ja
Priority to PCT/JP2022/048431 priority patent/WO2023127932A1/ja
Publication of JP2023096553A publication Critical patent/JP2023096553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • B32B7/023Optical properties
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1334Constructional arrangements; Manufacturing methods based on polymer dispersed liquid crystals, e.g. microencapsulated liquid crystals

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】調光シートの剥離と再度の接着とを容易にしながらも、透明体に対する調光シートの位置ずれを抑制可能にした調光積層体を提供する。【解決手段】調光シート21と、自己粘着によって調光シートの裏面を透明体41に接着する接着層31と、を備え、調光シート21の端面を透明体41に接着する封止部51を用い、調光シート21の端面21Eが封止部51に封止される調光積層体11であって、調光シート21は、調光シート21の表面21Fを構成する第1ハードコート層と、調光シートの裏面21Bを構成する第2ハードコート層と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、透明体に調光シートを接着する接着層を備えた調光積層体、および調光装置に関する。
調光シートは、液晶組成物を含有する調光層と、調光層を挟む可撓性を有した基材とを備える。可撓性を有した基材は、透明基材と、透明基材に支持された透明電極層とを備える。透明電極層間に印加される電圧は、液晶化合物の配向を変更し、これによって調光シートを通した物体の視認性を変更する。
調光シートは、接着層を介して透明体に接着される。透明体は、窓を構成するガラス板や、パーティションを構成する樹脂板である。接着層を構成する材料の第1例は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアクリレートのなかの硬化を要する樹脂接着剤である(例えば、特許文献1、2、3を参照)。接着層を構成する材料の第2例は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、塩素樹脂、シリコン樹脂のなかの自己粘着する樹脂接着剤である(例えば、特許文献4を参照)。自己粘着する接着層は、調光シートの位置決めにおいて、調光シートの剥離、および調光シートの再接着を可能にする。
特開平6-186540号公報 特許6405442号公報 特開2019-95697号公報 特開2015-71284号公報
上述したように、自己粘着する接着層は、調光シートの位置決めにおいて、調光シートの剥離、および調光シートの再接着を可能にする。一方、自己粘着する接着層は、位置決め後の調光シートにおいて、自ら剥がれる自己剥離を招きやすい。調光シートの剥離と再接着とを可能にしながらも、調光シートの自己剥離を抑える技術は、調光積層体の生産効率や保守性を高め、これによって調光装置に関わる産業を発展させ得る。
上記課題を解決するための調光積層体は、調光シートと、自己粘着によって前記調光シートの裏面を透明体に接着する接着層と、を備え、前記調光シートの端面を前記透明体に接着する封止部を用い、前記調光シートの前記端面が前記封止部に封止される調光積層体である。そして、前記調光シートは、前記調光シートの表面を構成する第1ハードコート層と、前記調光シートの裏面を構成する第2ハードコート層と、を備える。
上記課題を解決するための調光装置は、透明体と、前記透明体に接着された調光シートと、前記調光シートの端面を前記透明体に接着すると共に、前記調光シートの前記端面を封止する封止部と、を備える。前記透明体は、自己粘着によって前記調光シートの裏面を前記透明体に接着する接着層を備える。そして、前記調光シートは、前記調光シートの表面を構成する第1ハードコート層と、前記調光シートの前記裏面を構成する第2ハードコート層と、を備える。
上記構成における第1ハードコート層は、(i)調光シートにおける表面の機械的な耐久性を高める。また、自己粘着による調光シートの接着は、調光シートの位置決めにおいて、(ii)調光シートの剥離と、調光シートの再接着とを可能にする。一方、第1ハードコート層の内部応力は、位置決め後の調光シートに自己剥離を誘導するように、調光シートに作用してしまう。
この点、第2ハードコート層の内部応力は、第1ハードコート層の内部応力とは相反するように、調光シートに作用する。すなわち、第2ハードコート層の内部応力は、自己剥離の誘導を緩和するように、調光シートに作用する。結果として、2つのハードコート層を備える調光装置は、(i)機械的な耐久性の向上、および(ii)位置決めにおける剥離と再接着とを可能にしながらも、(iii)自己剥離の誘導因子となる内部応力を軽減する。
一方、位置決め後の調光シートにおける中央付近は、当該中央を囲う領域の全体で透明体と接着する。これに対し、位置決め後の調光シートにおける端部は、当該端部を囲う領域の一部のみで透明体と接着する。このため、接着層の自己粘着による接着は、調光シートの中央よりも、調光シートの端部において、少なからず弱まってしまう。
この点、調光装置が備える封止部は、調光シートの端面を封止すると共に、位置決めされた調光シートの端面を透明体に接着する。すなわち、調光装置が備える封止部は、調光シートの端面を封止する機能と、自己剥離の起点となる端部において、接着層による接着を補う機能と、を兼ね備える。結果として、上述した封止部を備える調光装置は、(i)機械的な耐久性の向上、および(ii)位置決めにおける剥離と再接着とを可能にしながらも、(iv)自己剥離の起点低減を可能にする。
上記調光積層体において、前記第1ハードコート層の厚さが、前記第2ハードコート層の厚さより薄くてもよい。
上記構成における第2ハードコート層の内部応力は、第1ハードコート層の内部応力に抗して、調光シートの端部を調光シートの中央よりも透明体に押し付けるように、調光シートに作用する。結果として、第2ハードコート層を備えた調光装置は、(iv)自己剥離の起点低減をさらに促すように、(v)自己剥離の抑制因子となる内部応力の増大を可能にする。
上記調光積層体において、前記接着層は、前記調光シートの前記裏面に塗工された自己粘着層と、前記調光積層体の裏面を構成し、前記自己粘着層を覆う離型層と、を備えてもよい。
上記構成における接着層は、第2ハードコート層に塗工された自己粘着層を備える。調光シートの裏面と自己粘着層とが一体である構成は、調光シートの裏面と自己粘着層との間に他の層を備える場合と比べて、調光積層体の層構造を簡素にする。そして、離型層が自己粘着層を保護するため、自己粘着層を備えた調光積層体の取り扱いが容易である。
上記調光積層体において、前記接着層は、前記調光積層体の裏面を構成する離型層と、前記調光シートの前記裏面に剥離不能に接合された基材層と、前記離型層と前記基材層との間に位置する自己粘着層と、を備えてもよい。
上記構成における接着層は、第2ハードコート層に接合された基材層と、基材層に支持される自己粘着層とを備える。すなわち、自己粘着層と基材層とを備えた粘着積層体が、調光シートとは別体であるから、調光シートの裏面に粘着積層体を接着する方法が、調光積層体の製造に採用可能になる。このように、粘着積層体と調光シートとを別々に製造する方法は、調光シートの製造方法に、自己粘着層から制約を受けない方法を採用可能にする。また、粘着積層体と調光シートとを別々に製造する方法は、自己粘着層の製造方法に、調光シートから制約を受けない方法を採用可能にする。
上記調光積層体において、前記調光シートは、可撓性を有する第1基材と、可撓性を有する第2基材と、前記第1基材と前記第2基材とに挟まれる調光層であって、複数の空隙を区画する有機高分子層と、前記空隙を埋める液晶組成物と、を備える前記調光層と、を備えてもよい。
第1基材と第2基材との間に液晶組成物を含有する調光シートは、調光シートと接着層との界面剥離の他に、調光層の内部剥離を生じ得る。この点、自己粘着によって透明体に調光シートを接着する接着層は、透明体に調光シートを位置決めするときに、調光シートを剥離するための外部応力を軽減する。結果として、調光層の内部剥離を生じ得る調光シートにおいて、(ii)剥離と再度の接着との実現は、より有益な効果となる。
上記課題を解決するための調光装置は、透明体と、上述した調光積層体と、を備える。
上記調光装置において、前記封止部は、前記調光シートの前記表面における縁と前記透明体とを接着してもよい。調光シートの表面における縁と透明体とを接着する封止部は、(iv)自己剥離の起点低減について実効性を高める。
上記調光装置において、前記封止部は、紫外線硬化性樹脂の硬化体であってもよい。紫外線硬化性樹脂の硬化体である封止部は、調光シートの施工方法として、位置決め後の調光シートと透明体とを接着することを採用可能にする。
上記調光装置において、前記透明体は、平板状を有してもよい。透明体が平板状である場合、(iii)自己剥離の誘導因子となる内部応力を軽減するように、2つのハードコート層の厚さを設定することが容易ともなる。
本開示の調光積層体、および調光装置は、(i)機械的な耐久性の向上、および(ii)剥離と再度の接着との実現を可能にしながらも、調光シートの自己剥離を抑制する。
図1は、調光装置の層構成を示す断面図である。 図2は、調光積層体の層構成を示す断面図である。 図3は、調光積層体の製造過程を示す工程図である。 図4は、調光積層体の製造過程を示す工程図である。 図5は、各試験例における調光装置の評価結果を示す表である。
以下、図面を参照して調光積層体、および調光装置を説明する。まず、調光装置の概略構成を説明し、次に、調光積層体の構成を説明する。
[調光積層体]
図1が示すように、調光装置は、調光積層体11、透明体41、および封止部51を備える。調光装置は、調光シート21を駆動させる駆動部61(図2を参照)を備えてもよい。
調光積層体11は、透明体41に調光シート21を接着する接着層31、および調光シート21を備える。封止部51は、調光シート21の端面21Eを封止する。接着層31は、自己粘着する。自己粘着は、接着に硬化を要しない、かつ接着層31そのものの粘着性によって調光シート21を透明体41に接着する。なお、調光装置は、調光積層体11から接着層31を割愛し、かつ透明体41に接着層31を備える構成でもよい。
調光装置は、下記(a)~(c)の構成を備える。
(a)調光シート21の表面21Fと裏面21Bとは、各別にハードコート層から構成される。
(b)接着層31は、自己粘着によって調光シート21の裏面21Bを透明体41に接着する。
(c)封止部51は、調光シート21の端面21Eを透明体41に接着する。
調光積層体11は、車両や航空機などの移動体が備える窓でもよいし、住宅や駅などの建物が備える窓でもよい。調光積層体11は、オフィスのなかで空間を区切るパーティションでもよいし、店舗のショーウインドウでもよい。調光積層体11は、映像を投影するスクリーンでもよい。
透明体41は、ガラス体でもよいし、樹脂体でもよい。透明体41の形状は、平面状でもよいし、滑らかな凸曲面状でもよいし、滑らかな凹曲面状でもよい。透明体41のなかで調光シート21を支持する面は、平面状でもよいし、滑らかな凸曲面状でもよいし、滑らかな凹曲面状でもよい。透明体41の1つの面は、1つの調光シート21を支持してもよいし、2つ以上の調光シート21を支持してもよい。1つの調光シート21は、1つの透明体41に支持されてもよいし、2つの透明体41に挟まれてもよい。透明体41は、窓用のガラス板でもよいし、パーテーション用のガラス板でもよい。透明体41は、車両灯用の樹脂ケースでもよいし、スクリーン用の樹脂シートでもよい。
調光シート21の型式は、ノーマル型でもよいし、リバース型でもよい。ノーマル型の調光シート21は、駆動電圧の印加によって、不透明状態から透明状態に変わる。ノーマル型の調光シート21は、電圧印加の解除によって、透明状態から不透明状態に戻る。リバース型の調光シート21は、駆動電圧の印加によって、透明状態から不透明状態に変わる。リバース型の調光シート21は、電圧印加の解除によって不透明状態から透明状態に戻る。透明状態は、不透明状態よりも高い平行線透過率を有する。透明状態は、不透明状態よりも低いヘイズを有する。
ノーマル型の調光シート21と、リバース型の調光シート21とは、透明電極層と調光層22とを備える。以下では、上記構成(a)、および(b)を備えたリバース型の調光シート21を主に説明する。なお、ノーマル型の調光シート21なかでリバース型の調光シート21とは相違する構成を付記し、かつノーマル型の調光なかでリバース型の調光シート21と重複する構成の説明を割愛する。
[調光シート21]
図2が示すように、調光シート21は、調光層22、第1配向層23F、第2配向層23B、第1電極層24F、第2電極層24B、第1基材25F、第2基材25B、第1ハードコート層29F、および第2ハードコート層29Bを備える。
調光層22は、第1配向層23Fと第2配向層23Bとの間に位置する。調光層22の第1面22SFは、第1配向層23Fに接し、かつ調光層22の第2面22SBは、第2配向層23Bに接する。第1配向層23Fは、調光層22と第1電極層24Fとの間に位置し、かつ調光層22と第1電極層24Fとに接する。第2配向層23Bは、調光層22と第2電極層24Bとの間に位置し、かつ調光層22と第2電極層24Bとに接する。
第1電極層24Fは、第1接続端子P1と第1配線L1とを通じて、駆動部61に接続される。第1電極層24Fは、第1配向層23Fと第1基材25Fとの間に位置し、かつ第1配向層23Fと第1基材25Fとに接する。第2電極層24Bは、第2接続端子P2と第2配線L2とを通じて、駆動部61に接続される。第2電極層24Bは、第2配向層23Bと第2基材25Bとの間に位置し、かつ第2配向層23Bと第2基材25Bとに接する。
調光層22は、有機高分子層と液晶組成物とを備える。有機高分子層は、有機高分子層の内部に、液晶組成物に埋められた空隙を区画する。有機高分子層による液晶組成物の保持型式は、高分子分散型、ポリマーネットワーク型、カプセル型から構成される群から選択されるいずれか一種である。調光層22の厚さに均一性の向上を要求される場合、調光層22の厚さは、5μm以上であることが好ましい。調光層22に透明性の向上を要求される場合、調光層22の厚さは、50μm以下であることが好ましい。
高分子分散型の調光層22は、有機高分子層の内部に多数の空隙を区画する有機高分子層を備え、かつ有機高分子層の内部に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。ポリマーネットワーク型の調光層22は、3次元の網目状を有した有機高分子層を備え、かつ相互に連通した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型の調光層22は、有機高分子層の内部に分散したカプセル状の空隙を区画する有機高分子層を備え、かつカプセル状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。有機高分子層が区画する空隙の大きさは、有機高分子層の内部で区々である。有機高分子層が区画する空隙の大きさは、調光層22に可視光線を散乱させる大きさであり、例えば、0.38μm以上20μm以下である。
液晶組成物が含有する液晶化合物の一例は、負の誘電異方性を有したネガ型の液晶である。液晶化合物の一例は、シッフ塩基系化合物、アゾ系化合物、アゾキシ系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、安息香酸エステル系化合物、トラン系化合物、ピリミジン系化合物、シクロヘキサンカルボン酸エステル系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物、および、ジオキサン系化合物から構成される群から選択される少なくとも一種である。液晶組成物は、液晶化合物の他に、有機高分子層を形成するための重合性組成物を含有してもよい。液晶組成物は、調光層22を着色するための二色性色素を含有してもよいし、液晶化合物の応答性を高めるための可塑剤を含有してもよい。重合性組成物は、紫外線の照射によって重合が可能なモノマーでもよいし、オリゴマーでもよい。二色性色素の一例は、アゾ二色性色素、アントラキノン二色性色素、ジオキサン二色性色素から構成される群から選択される少なくとも一種である。可塑剤の一例は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル化合物から構成される群から選択される少なくとも一種である。
第1配向層23Fと第2配向層23Bとは、それぞれ液晶化合物の配向を規制する。第1配向層23Fと第2配向層23Bとは、調光層22に可視光線を透過させる方向に、液晶化合物を配向させる。配向の規制力に抗した電圧が液晶組成物に印加されるとき、調光層22に可視光線を散乱させるように、第1配向層23Fと第2配向層23Bとは、液晶化合物の配向に変更を許容する。
第1配向層23Fと第2配向層23Bとは、それぞれ無色透明を呈してもよいし、有色透明を呈してもよい。第1配向層23Fの厚さは、第2配向層23Bの厚さと等しくてもよいし、第2配向層23Bの厚さと異なってもよい。配向層に規制力の均一化を要求される場合、第1配向層23Fの厚さと、第2配向層23Bの厚さとは、それぞれ10nm以上であることが好ましい。配向層に透明性の向上を要求される場合、第1配向層23Fの厚さと、第2配向層23Bの厚さとは、それぞれ500nm以下であることが好ましい。
第1配向層23Fと第2配向層23Bとを構成する材料は、有機高分子化合物、あるいは無機酸化物である。有機高分子化合物の一例は、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。無機酸化物は、シリコン酸化物、酸化ジルコニウム、シリコーンから構成される群から選択される少なくとも一種である。
第1電極層24Fと第2電極層24Bとは、第1電極層24Fと第2電極層24Bとの間に電圧を印加する。第1電極層24Fと第2電極層24Bとは、それぞれ単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。第1電極層24Fと第2電極層24Bとは、それぞれ無色透明を呈してもよいし、有色透明を呈してもよい。第1電極層24Fの厚さは、第2電極層24Bの厚さと等しくてもよいし、第2電極層24Bの厚さと異なってもよい。電極層に抵抗値の低下を要求される場合、第1電極層24Fの厚さと、第2電極層24Bの厚さとは、それぞれ5nm以上であることが好ましい。電極層に透明性の向上を要求される場合、第1電極層24Fの厚さと、第2電極層24Bの厚さとは、それぞれ100nm以下であることが好ましい。
第1電極層24Fと第2電極層24Bとを構成する材料は、それぞれ導電性無機酸化物、金属、あるいは導電性有機高分子化合物である。導電性無機酸化物の一例は、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛から構成される群から選択される少なくとも一種である。金属は、厚さが数ナノメートルから数十ナノメートルである金や銀の薄膜、あるいは金や銀のナノワイヤーである。導電性有機高分子化合物の一例は、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)から構成される群から選択される少なくとも一種である。
第1基材25Fの第1内表面251Fは、第1電極層24Fと第1配向層23Fとを支持する。第1基材25Fの第1外表面25SFは、第1ハードコート層29Fを支持する。第2基材25Bの第2内表面251Bは、第2電極層24Bと第2配向層23Bとを支持する。第2基材25Bの第2外表面25SBは、第2ハードコート層29Bを支持する。第1基材25Fと第2基材25Bとは、第1電極層24F、第1配向層23F、第2電極層24B、および第2配向層23Bを介して、調光層22を挟持する。
第1基材25Fと第2基材25Bとは、それぞれ単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。第1基材25Fが多層構造体である場合、第1基材25Fは、第1支持基材25F1(図3を参照)と、第1内表面251Fを構成する第1下地層25F2(図3を参照)とを備えてもよい。第2基材25Bが多層構造体である場合、第2基材25Bは、第2支持基材25B1(図3を参照)と、第2内表面251Bを構成する第2下地層25B2(図3を参照)とを備えてもよい。
第1基材25Fと第2基材25Bとは、それぞれ無色透明を呈してもよいし、有色透明を呈してもよい。可撓性基材に剛性の向上を要求される場合、第1基材25Fの厚さ、および第2基材25Bの厚さは、それぞれ20μm以上であることが好ましい。可撓性基材に透明性の向上を要求される場合、第1基材25Fの厚さ、および第2基材25Bの厚さは、それぞれ500μm以下であることが好ましい。
第1基材25Fと第2基材25Bとを構成する材料は、それぞれ有機高分子化合物、あるいは無機高分子化合物である。有機高分子化合物の一例は、ポリエステル系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリエステル系樹脂の一例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリアクリレート系樹脂の一例は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリオレフィン系樹脂の一例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリビニル系樹脂の一例は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリアミド系樹脂の一例は、ナイロン6、ナイロン66から構成される群から選択される少なくとも一種である。無機高分子化合物の一例は、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素から構成される群から選択される少なくとも一種である。
[ハードコート層]
第1ハードコート層29Fは、第1基材25Fに対して第1電極層24Fとは反対側に位置する。第1ハードコート層29Fは、調光シート21の表面21Fを構成する。第2ハードコート層29Bは、第2基材25Bに対して第2電極層24Bとは反対側に位置する。第2ハードコート層29Bは、調光シート21の裏面21Bを構成する。第1基材25Fと第2基材25Bとは、調光積層体11のなかで、第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとに挟まれている。
第1ハードコート層29Fは、(i)調光シート21の表面21Fにおける機械的な耐久性を向上する。第1ハードコート層29Fの内部応力は、調光シート21の端面21Eを透明体41から引き上げるように、すなわち調光シート21に自己剥離を誘導するように、調光シート21を反らせる力として作用する。第2ハードコート層29Bの内部応力は、調光シート21の端面21Eを透明体41に押し付けるように、すなわち第1ハードコート層29Fとは相反するように、調光シート21を反らせる力として作用する。このように、第2ハードコート層29Bは、(iii)調光シート21における自己剥離の誘導因子となる内部応力を軽減する。
第1ハードコート層29Fの鉛筆硬度と、第2ハードコート層29Bの鉛筆硬度とは、それぞれB以上7H以下である。第1ハードコート層29Fの鉛筆硬度は、第2ハードコート層29Bの鉛筆硬度よりも低くてもよいし、第2ハードコート層29Bの鉛筆硬度と等しくてもよいし、第2ハードコート層29Bの鉛筆硬度よりも高くてもよい。鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4:1999に準拠して測定される。
調光シート21の表面21Fにおける機械的な耐久性の向上が要求される場合、第1ハードコート層29Fの表面硬度は、H以上であることが好ましい。調光シート21がロール体として製造される際の調光シート21の巻癖を抑えることが要求される場合、第1ハードコート層29Fの表面硬度、および第2ハードコート層29Bの表面硬度は、それぞれH以上であることが好ましい。調光シート21における透明性の向上が要求される場合、第1ハードコート層29Fの表面硬度と、第2ハードコート層29Bの表面硬度とは、鉛筆硬度として2H以下であることが好ましい。調光シート21の自己剥離の抑制を高めることが要求される場合、第1ハードコート層29Fの表面硬度と第2ハードコート層29Bの表面硬度との差は、2段階以下であることが好ましい。
第1ハードコート層29Fの厚さと、第2ハードコート層29Bの厚さとは、それぞれ0.1μm以上10μm以下である。第1ハードコート層29Fの厚さは、第2ハードコート層29Bの厚さよりも薄くてもよいし、第2ハードコート層29Bの厚さと等しくてもよいし、第2ハードコート層29Bの厚さよりも厚くてもよい。
調光シート21の表面21Fにおける機械的な耐久性の向上が要求される場合、第1ハードコート層29Fの厚さは、0.5μm以上であることが好ましい。調光シート21がロール体として製造される際の調光シート21の巻癖を抑えることが要求される場合、第1ハードコート層29Fの厚さ、および第2ハードコート層29Bの厚さは、それぞれ0.5μm以上であることが好ましい。
なお、調光シート21が製造される過程では、第1ハードコート層29Fが積層された後に、第2ハードコート層29Bが積層される。あるいは、第2ハードコート層29Bが積層された後に、第1ハードコート層29Fが積層される。すなわち、調光シート21が製造される過程において、第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとは、1つずつ積層される。この際、第1ハードコート層29Fの厚みが厚いほど、また第2ハードコート層29Bの厚みが厚いほど、内部応力の偏在が製造の過程で顕在化する。こうした観点から、調光シート21のハンドリングを容易にすることを要求される場合、第1ハードコート層29Fの厚さと、第2ハードコート層29Bの厚さとは、20μm以下であることが好ましいく、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。なお、第1ハードコート層29Fの厚さと、第2ハードコート層29Bの厚さとに関わる制約は、第1ハードコート層29Fを構成する材料と、第2ハードコート層29Bを構成する材料とによって緩和可能である。
調光シート21における透明性の向上が要求される場合、第1ハードコート層29Fの厚さと、第2ハードコート層29Bの厚さとは、5μm以下であることが好ましい。調光シート21の自己剥離の抑制を高めることが要求される場合、第1ハードコート層29Fの厚さと第2ハードコート層29Bの厚さとの差は、1μm以下であることが好ましい。
第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとは、それぞれ単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとが多層構造体である場合、第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとは、それぞれ機械的な耐久性を高める機能を担う層と、ガスバリア機能、ブロッキング抑制機能、防眩機能、赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、および色補正機能の少なくとも1つを担う他の層と、を備えてもよい。
第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとは、それぞれ無色透明を呈してもよいし、有色透明を呈してもよい。
第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとを構成する材料は、有機化合物でもよいし、無機化合物でもよいし、有機無機複合材料でもよい。第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとは、それぞれ多層構造体である場合、有機化合物から構成される層と、無機化合物から構成される層とを備えてもよい。
有機化合物の一例は、紫外線硬化性樹脂の硬化体、あるいは熱硬化性樹脂の硬化体である。表面硬度の向上が要求される場合、第1ハードコート層29Fと第2ハードコート層29Bとを構成する有機化合物は、多官能の硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性樹脂の一例は、アクリル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリカーボネート(メタ)アクリレート系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート系樹脂、ポリオール(メタ)アクリレート系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートとを含む。無機化合物の一例は、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化チタン、窒化チタン、酸窒化チタン、酸化硼素、酸化アルミニウムから構成される群から選択される少なくとも一種である。有機無機複合材料の一例は、シロキサン化合物、有機珪素化合物から構成される群から選択される少なくとも一種である。
駆動部61は、第1電極層24Fと第2電極層24Bとに別々に接続される。駆動部61は、第1電極層24Fと第2電極層24Bとの間に、駆動電圧を印加する。駆動電圧は、液晶化合物の配向状態を変えるための電圧である。駆動部61は、駆動電圧の印加によって、調光シート21を透明状態から不透明状態に変更する。
駆動電圧の印加が解除されているとき、液晶化合物は、第1配向層23Fと第2配向層23Bとから配向規制力を受ける。調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を抑える透明状態になる。駆動電圧が印加されはじめると、液晶化合物は、配向規制力に抗した電界による規制力を受ける。調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を生じる不透明状態となる。駆動電圧の印加が再び解除されると、液晶化合物は、第1配向層23Fと第2配向層23Bとによる配向規制力に再び従う。調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を抑え、再び透明状態となる。
なお、駆動電圧の印加による液晶化合物の配向変更に基づいて、透明状態と不透明状態とが切り替わる構成であれば、調光シート21は、第1配向層23Fと第2配向層23Bとを割愛してもよい。この際、調光層22は、調光層22の第1面22SFは、第1電極層24Fに接し、かつ調光層22の第2面22SBは、第2電極層24Bに接する。第1配向層23Fと第2配向層23Bとが割愛された場合、駆動電圧の印加が解除されているとき、液晶化合物は、配向規制力を受けない。これによって、調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を生じる不透明状態となる。駆動電圧が印加されると、液晶化合物は、電界による配向規制力を受ける。これによって、調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を抑える透明状態となる。駆動電圧の印加が再び解除されると、液晶化合物は、電界による配向規制力を解除される。これによって、調光シート21は、可視光全域にわたり調光層22で散乱を生じる不透明状態に戻る。すなわち、調光シート21の駆動型式は、リバース型からノーマル型に変更してもよい。
[接着層31]
接着層31は、調光シート21と透明体41との間に位置する。接着層31は、自己粘着によって調光シート21の裏面21Bを透明体41に接着する。接着層31が有する自己粘着性は、接着層31の自ら有する粘着性によって、(ii)調光シート21の透明体41に対する外部応力による剥離と、調光シート21と透明体41との再接着とを可能にする。
接着層31の自己粘着による接着は、接着層31が調光シート21と透明体41とに接した状態において加熱や乾燥による加工を要せず、透明体41に調光シート21を押圧することなく、調光シート21の自重によって調光シート21と透明体41とを接着する。接着層31の自己粘着による接着力は、1N/25mm以下である。調光シート21の外部応力による剥離性の向上が要求される場合、接着層31が有する粘着力は、例えば0.5N/25mm以下であることが好ましく、0.1N/25mm以下であることがより好ましい。調光シート21の外部応力による剥離性の向上がさらに要求される場合、接着層31は、ゲルポリマーシートであり、接着層31が有する粘着力は、0.04N/25mm以下であることがさらに好ましい。粘着力は、JIS Z 0237に準拠した180°接着力である。
接着層31は、単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。
接着層31が単層構造体である場合、接着層31は、調光シート21の裏面21Bに塗工された自己粘着剤から構成される自己粘着層31Aでもよいし、透明体41の表面に塗工された自己粘着剤から構成される自己粘着層31Aでもよい。
接着層31が多層構造体である場合、接着層31は、接着用基材層31Bと、接着用基材層31Bに塗工された自己粘着剤から構成される自己粘着層31Aとから構成されてもよい。この際、接着用基材層31Bは、調光シート21の裏面21Bに剥離不能に接着されてもよいし、透明体41の表面に剥離不能に接着されてもよい。接着用基材層31Bが調光シート21の裏面21Bに接着される場合、調光積層体11は、自己粘着層31Aを保護する離型層32(図4を参照)を備え、調光積層体11の裏面は、離型層32から構成されてもよい。また、接着層31は、2つの離型層によって予め挟持され、かつ2つの離型層のうちの一方を離型された接着層31を調光シート21の裏面21Bに貼り合わせされた2層構造を備えてもよい。
調光装置の透明性を高めることが要求される場合、自己粘着層31Aの厚さは、例えば50μm以下であることが好ましい。調光シート21の自己剥離の抑制を高めることが要求される場合、自己粘着層31Aの厚さは、例えば10μm以上であることが好ましい。
自己粘着層31Aを構成する材料の一例は、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。自己粘着層31Aを構成する材料は、これらの組み合わせであり、かつエラストマーであることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の一例は、ポリエチレン、ポリプロピレンから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリスチレン系樹脂の一例は、ポリスチレン、アクリルブタジエンスチレン共重合体から構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリアミド系樹脂の一例は、ナイロン6、ナイロン66から構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリエステル系樹脂の一例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリビニル系樹脂の一例は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリカーボネート系樹脂の一例は、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリアクリレート系樹脂の一例は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリアクリレート系樹脂の一例は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートから構成される群から選択される少なくとも一種である。ポリウレタン系樹脂の一例は、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリエーテルポリオールとポリウレタンポリオールとの共重合体、から構成される群から選択される少なくとも一種である。シリコーン系樹脂の一例は、アルケニル基含有アルキルシロキサン、ヒドロシリル基含有シロキサンから構成される群から選択される少なくとも一種である。
[封止部51]
封止部51は、調光シート21の周方向の全体にわたり、調光シート21の端面21Eに接し、かつ調光シート21の端面21Eを覆うことによって、調光シート21の端面21Eを封止する。封止部51は、調光シート21の端面21Eを透明体41に接着する。調光シート21の自己剥離が、調光シート21の端面21Eから生じやすいため、透明体41に調光シート21の端面21Eを接着する封止部51は、(iv)調光シート21における自己剥離の起点を低減する。
封止部51は、透明体41に直接接してもよいし、接着層31を介して透明体41に接着してもよい。封止部51が透明体41に直接接する場合、封止部51は、調光シート21の端面21Eと共に、接着層31の端面に接してもよい。封止部51が接着層31を介して透明体41に接着する場合、接着層31は、調光シート21の端部よりも外側にはみ出し、かつ第2ハードコート層29Bと接着層31との間の粘着力よりも高い粘着力を、封止部51と接着層31とは有する。
調光シート21に対する剥離と再接着とを円滑にすることが要求される場合、封止部51は、調光シート21と接着層31とを封止するように、調光シート21の端面21Eと共に、接着層31の端面に接することが好ましい。これにより、接着層31の端面における耐久性が向上し、結果として調光シート21に対する剥離と再接着とが円滑になる。
封止部51は、透明体41に調光シート21が位置決めされた後に、調光シート21、および透明体41に対して形成され、かつ封止部51の形成と共に、透明体41に接着されてもよい。封止部51は、透明体41に位置決めされる前の調光積層体11、あるいは接着層31を割愛された調光シート21に対して形成され、かつ調光シート21の位置決めと共に、透明体41に接着されてもよい。
封止部51は、単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。
封止部51による封止性の向上が要求される場合、あるいは封止部51による自己剥離の抑制を高めることが要求される場合、封止部51は、封止部と、接合層とを備える多層構造体であってもよい。封止部51を構成する封止部は、封止に特化した材料から構成され、かつ調光シート21の端面21Eに接すると共に、端面21Eの全体を覆う。封止部51を構成する接合層は、透明体41に封止部を接合することに特化した材料から構成され、かつ封止部に接すると共に、封止部を透明体41に接合する。この際、封止部51から封止部が割愛され、かつ調光積層体11が封止部を備えてもよい。
封止部51による自己剥離の抑制を高めることが要求される場合、封止部51は、調光シート21の表面21Fにおける端部に接することが好ましく、封止部51の厚さは、調光シート21の厚さよりも厚いことが好ましい。こうした封止部51は、調光シート21の端面21Eを透明体41に向けて引き付け、かつ調光シート21の表面21Fにおける端部を透明体41に押し付ける。調光装置の透明性を高めることが要求される場合、調光シート21の表面における端部と接する封止部51の幅は、例えば5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。
封止部51は、自己粘着層31Aよりも高い自己粘着性を有してもよいし、自己粘着性を有さず、かつ光硬化性、あるいは熱硬化性を有してもよい。封止部51を構成する材料の一例は、ポリアクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、アリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。調光シート21の曲げに対する封止性を高めることが要求される場合、封止部51を構成する材料は、高い曲げ強さと高い引っ張り強さとが得られるポリアクリレート系樹脂であることが好ましい。ポリアクリレート系樹脂の一例は、アクリル(メタ)アクリレート系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン(メタ)アクリレート系樹脂、ポリオール(メタ)アクリレート系樹脂から構成される群から選択される少なくとも一種である。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートとを含む。
[実施例]
[実施例1]
実施例1の調光シート21として、以下に示す構成のノーマル型の調光シート21を得た。
・第1基材25F :PETフィルム(厚さ:125μm)
・第2基材25B :PETフィルム(厚さ:125μm)
・第1ハードコート層29F :アクリル樹脂層(厚さ:2μm)
・第2ハードコート層29B :アクリル樹脂層(厚さ:2μm)
・第1電極層24F :酸化インジウム錫層(25nm)
・第2電極層24B :酸化インジウム錫層(25nm)
第1基材25Fとして、厚さが125μmのPETフィルム(A4300:東洋紡社製)を用いた。第2基材25Bとして、厚さが125μmのPETフィルム(A4300:東洋紡社製)を用いた。
下地層用塗料として、UV硬化型ハードコート剤(Lioduras(登録商標)LCH6701:東洋インキ社製)とメチルエチルケトンとを用い、固形分が50%になるように、下地用塗料を調整した。
ハードコート用塗料として、アクリル系UV硬化型ハードコート剤(ルシフラール(登録商標)NAB-016(日本ペイント社製))とメチルエチルケトンとを用い、固形分が40%になるように、ハードコート用塗料を調整した。
調光層22を形成する液晶塗料として、液晶化合物と紫外線硬化性モノマーとを含有するポリマーネットワーク型液晶塗料(KN-F-001-01(九州ナノテック光学社製))を準備した。
接着層31として、PETフィルムである接着用基材層と、接着基材層の1つの側面に積層された自己粘着性を有する自己粘着層と、自己粘着層を保護するための離型層との積層体であるゲルポリ(登録商標)(GPH125B23J12(パナック社製))を用いた。なお、ゲルポリのガラス接着力は、0.01N/25mm以上0.50N/25mm以下であった。接着層31におけるガラス接着力の測定は、JIS Z-0237:2009に準拠した方法によって得られ、この際、ガラスとの接着から30分を経過したときの接着力を得た。接着力の測定値に範囲が存することは、粘着層の接着力が低いことに起因している。
封止部51を形成する材料として、封止剤(フォトレックA116(積水化学社製))の100重量部に対して1重量部の重合開始剤を添加した、封止塗料を用いた。
まず、図3が示すように、乾燥後の下地層25F2の厚さが1μmになるように、第1基材25Fとなる基材25F1の一側面に下地層用塗料を塗工し、加熱乾燥、および紫外線露光を経て、下地層25F2付きの基材25F1である、第1基材25Fを得た。次に、乾燥後の第1ハードコート層29Fの厚さが2μmになるように、第1基材25Fの第1外表面25SFにハードコート用塗料を塗工し、加熱乾燥、および紫外線露光を経て、第1ハードコート層29F付きの第1基材25Fを得た。なお、JIS K 560-5-4:1999に準拠した測定によって、実施例1の第1ハードコート層29Fが鉛筆硬度Hを有することが認められた。
次に、第1電極層24Fの厚さが25nmになるように、第1ハードコート層29F付きの第1基材25Fにおける下地層25F2に、第1電極層24Fとして酸化インジウム錫層を形成した。この際、酸化インジウム錫層は、酸化インジム錫ターゲットを用いた反応性スパッタリング法によって成膜し、かつ加熱処理を経て形成した。
次に、乾燥後の下地層25B2の厚さが1μmになるように、第2基材25Bとなる基材25B1の一側面に下地層用塗料を塗工し、加熱乾燥、および紫外線露光を経て、下地層付きの第2基材25Bを得た。次に、乾燥後のハードコート層29Bの厚さが2μmになるように、第2基材25Bの第2外表面25SBにハードコート用塗料を塗工し、加熱乾燥、および紫外線露光を経て、第2ハードコート層29B付きの第2基材25Bを得た。なお、JIS K 560-5-4:1999に準拠した測定によって、実施例1の第2ハードコート層29Bが鉛筆硬度Hを有することが認められた。
次に、第2電極層24Bの厚さが25nmになるように、第2ハードコート層29B付きの第2基材25Bにおける第2下地層25B2に、第2電極層24Bとして酸化インジウム錫層を形成した。この際、酸化インジウム錫層は、酸化インジム錫ターゲットを用いた反応性スパッタリング法によって成膜し、かつ加熱処理を経て形成した。
次に、第1ハードコート層29F付きの第1基材25Fにおける第1電極層24Fに、ビーズスペーサーを散布した。この際、平均粒径が25μmのピーズスペーサーをアルコール溶媒に分散させた分散液を第1電極層24Fに散布した後、散布された分散液を乾燥することによってビーズスペーサーを散布した。
続いて、ビーズスペーサーの散布された第1電極層24Fに液晶塗料を塗工し、紫外線露光を経て、調光層22付きの第1基材25Fを得た。そして、調光層22付きの第1基材25Fにおける調光層22に第2電極層24Bが接するように、調光層22付きの第1基材25Fに第2基材25Bを積層した後、積層体に圧力を加えながら、調光層22付きの第1基材25Fに第2基材25Bを貼り合わせることによって、実施例1の調光シート21を得た。
次いで、図4が示すように、実施例1の調光シート21における第2ハードコート層29Bにおける裏面21Bに、接合層(TD06(巴川製紙所社製))を介して、接着層31の接着用基材層31Bを接合した。これによって、実施例1の調光積層体11を得た。そして、調光積層体11の接着層31における自己粘着層31Aから離型層32を剥がし、平板状を有するA3サイズの青板ガラスに、自己粘着層31Aを接着した。
この際、第2ハードコート層29Bは、第1ハードコート層29Fの内部応力と相反する内部応力を調光シート21に作用させる。そして、自己粘着層31Aは、(ii)調光シート21の位置決めにおいて、外部応力による調光シート21の剥離と再接着とを可能にする。さらに、透明体41の端が調光シート21の端に接着されると、自己粘着層31Aの高い凝集力は、自己粘着層31Aと透明体41との間に気泡を巻き込まないように、調光シート21における1つの端から他の端に向けて接着を促す。結果として、調光シート21の接着を進めることに際し、透明体41に調光シート21の全体を接着するための強圧や施工水を用いることなく、透明体41に調光シート21の全体を接着することができる。また、第2ハードコート層29Bの内部応力は、(iii)調光シート21における自己剥離の誘導因子となる内部応力を軽減する。
そして、透明体41に位置決めされた調光シート21の表面21F、調光シート21の端面21E、および接着層31の端面に接するように、透明体41の縁に封止塗料を塗工した。この際、表面21Fに重なる封止塗料の幅が1mmとなるように、調光シート21の表面21Fに、封止塗料を塗工した。なお、表面21Fに重なる封止塗料の幅は、調光シート21の端辺が延びる方向と直交する方向において、表面21Fに重なる封止部51の幅に相当する。次いで、ブラックライト、および三波長蛍光灯の光を封止塗料に露光し、これによって封止部51を形成した。これにより、封止部51は、調光シート21の自己剥離が生じやすい調光シート21の端面21Eにおいて、透明体41に調光シート21を接着し、(iv)調光シート21における自己剥離の起点を低減する。
[実施例2]
実施例1の調光装置における第1ハードコート層29Fの厚さを1μmに変更し、かつ実施例1の第1ハードコート層29Fにおける表面硬度を鉛筆硬度HBに変更し、これら以外を実施例1と同じくすることによって、実施例2の調光装置を得た。
[実施例3]
実施例1の調光装置における第1ハードコート層29Fの厚さを5μmに変更し、かつ実施例1の第1ハードコート層29Fにおける表面硬度を鉛筆硬度2Hに変更し、これら以外を実施例1と同じくすることによって、実施例3の調光装置を得た。
[実施例4]
実施例1の調光装置における第2ハードコート層29Bの厚さを1μmに変更し、かつ実施例1の第2ハードコート層29Bにおける表面硬度を鉛筆硬度HBに変更し、これら以外を実施例1と同じくすることによって、実施例4の調光装置を得た。
[実施例5]
実施例1の調光装置における第2ハードコート層29Bの厚さを5μmに変更し、かつ実施例1の第2ハードコート層29Bにおける表面硬度を鉛筆硬度2Hに変更し、これら以外を実施例1と同じくすることによって、実施例5の調光装置を得た。
[実施例6]
調光シート21の表面21Fに重なる封止塗料の幅を、実施例1の1mmから0.5mmに変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、実施例6の調光装置を得た。
[実施例7]
調光シート21の表面21Fに重なる封止塗料の幅を、実施例1の1mmから2mmに変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、実施例7の調光装置を得た。
[実施例8]
第1ハードコート層29Fの形成を、ハードコート用塗料の塗工から、ウインドウフィルム(nano80S(3M社製))の貼り付けに変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、実施例8の調光装置を得た。
[比較例1]
実施例1の接着層31を、28N/25mmの接着力を有するノンキャリアタイプのアクリル系接着層(TD06(巴川製紙所社製))に変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例1の調光装置を得た。この際、接着層31の接着力が高いため、透明体41に調光シート21を細かく位置決めすることが困難であり、また接着層31と透明体41との間に巻き込まれた気泡を、表面21Fから強く押圧することによって排気した。
[比較例2]
実施例1の製造方法から、下地層25F2、第1ハードコート層29F、および第2ハードコート層29Bの形成を省略し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例2の調光装置を得た。すなわち、実施例1の調光装置から、下地層25F2、第1ハードコート層29F、および第2ハードコート層29Bを省略した、比較例2の調光装置を得た。
[比較例3]
実施例1の製造方法から、第2ハードコート層29Bの形成を省略し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例3の調光装置を得た。すなわち、実施例1の調光装置から、第2ハードコート層29Bを省略した、比較例3の調光装置を得た。
[比較例4]
実施例1の製造方法から、封止部51の形成を省略し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例4の調光装置を得た。すなわち、実施例1の調光装置から封止部51を省略した、比較例4の調光装置を得た。
[比較例5]
接着層31を形成するための比較例5の粘着塗料として、アクリル系樹脂を用いた。比較例5のアクリル系樹脂は、100重量部のアクリル系粘着塗料(0C3949(サイデン化学社製))に、0.5重量部の硬化剤(K130(サイデン化学社製))、0.5重量部のシランカップリング剤(S-1(サイデン化学社製))、および100重量部の紫外線吸収剤(TINUVIN109(BASFジャパン社製))を添加し、固形分が30%になるように、酢酸エチルによって調整した。
次に、厚さが38μmの軽剥離型フィルム(コスモピール(登録商標)E7002(東洋紡社製))に、比較例5の粘着塗料を塗工した後、100℃の雰囲気下で2分間にわたり塗膜を乾燥させた。そして、乾燥後の塗膜に重剥離型フィルム(コスモピール(登録商標)E7001(東洋紡社製))を貼り合わせた後、40℃の雰囲気下で48時間にわたり養生することによって、2つの離型フィルムに挟まれた、比較例5の接着層31を得た。
実施例1の接着層31を、1.1N/25N以上1.25N/25mmの接着力を有するノンキャリアタイプのアクリル系接着層である、比較例5の接着層31に変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例5の調光装置を得た。この際、接着層31の接着力が高いため、透明体41に調光シート21を細かく位置決めすることが困難であり、また接着層31と透明体41との間に巻き込まれた気泡を、表面21Fから強く押圧することによって排気した。
[比較例6]
接着層31を形成するための比較例6の粘着塗料として、アクリル系樹脂を用いた。比較例6のアクリル系樹脂は、100重量部のアクリル系粘着塗料(0C3949(サイデン化学社製))に、0.5重量部の硬化剤(K130(サイデン化学社製))、および0.5重量部のシランカップリング剤(S-1(サイデン化学社製))を添加し、固形分が30%になるように、酢酸エチルによって調整した。すなわち、比較例5のアクリル系樹脂から紫外線吸収剤が省略された粘着塗料を、比較例6の粘着塗料として用いた。
次に、厚さが38μmの軽剥離型フィルム(コスモピール(登録商標)E7002(東洋紡社製))に粘着塗料を塗工した後、100℃の雰囲気下で2分間にわたり塗膜を乾燥させた。そして、乾燥後の塗膜に重剥離型フィルム(コスモピール(登録商標)E7001(東洋紡社製))を貼り合わせた後、40℃の雰囲気下で48時間にわたり養生することによって、2つの離型フィルムに挟まれた、比較例5の接着層31を得た。
実施例1の接着層31を、3.0N/25N以上4.5N/25mmの接着力を有するノンキャリアタイプのアクリル系接着層である、比較例6の接着層31に変更し、これ以外を実施例1と同じくすることによって、比較例6の調光装置を得た。この際、接着層31の接着力が高いため、透明体41に調光シート21を細かく位置決めすることが困難であり、また接着層31と透明体41との間に巻き込まれた気泡を、表面21Fから強く押圧することによって排気した。
(A)機械的耐性評価
調光装置における調光シート21の表面21Fについて機械的な耐性の評価を行った。機械的な耐性の評価は、#0000のスチールウールに100gの加重を加えながら、表面21Fにスチールウールを50回にわたり往復させた後、表面21Fにおける傷を目視によって観察した。図5は、表面21Fにおける傷が10本以下である水準に「○」印を示し、表面21Fにおける傷が10本を遙かに超える水準に「×」印を示す。
(B)自己剥離評価
80℃の環境のなかに調光装置を120時間だけ静置した後、調光シート21が透明体41から剥がれているか否か、すなわち調光シート21の自己剥離が生じているか否かを目視によって観察した。図5は、自己剥離の認められなかった水準に「○」印を示し、自己剥離の認められた水準に「×」印を示す。
(C)再接着評価
自己剥離評価後の調光装置において、封止部51と透明体41との境界に刃物を差し込みながら、透明体41から調光積層体11を剥がせるか否かを確認した。次いで、透明体41から剥がされた調光積層体11を透明体41に再度接着できるか否かを確認した。図5は、調光積層体11の剥離と再接着とが可能であった水準に「○」印を示し、調光積層体11の剥離、あるいは再接着が不能であった水準に「×」印を示す。なお、封止部51のみが刃物によって破損し、かつ封止部51のみの再形成によって調光積層体11を透明体41に再度接着できた水準には、「○」印を示す。
図5が示すように、実施例1から実施例8の調光装置は、(A)機械的耐性評価、(B)自己剥離評価、(C)再接着評価において、いずれの評価結果も良好であることが認められた。
これらに対し、接着力が28N/25mmにまで高められた接着層31を備える比較例1の調光装置は、(A)機械的耐性評価と(B)自己剥離評価とに良好な結果を示す一方、外部応力による調光シート21の剥離、および再接着が困難であることが認められた。また、比較例1の調光装置は、上述したように、透明体41に調光積層体11を接着することに際し、位置決め精度が低く、また気泡の巻き込みを招いてしまい、施工性が良好でないことが認められた。
また、2つのハードコート層29F,29Bを省略された比較例2の調光装置は、(B)自己剥離評価と(C)再接着評価とに良好な結果を示す一方、調光シート21の表面21Fに多くの傷を残すことが認められた。また、第2ハードコート層29Bを省略された比較例3の調光装置は、(A)機械的耐性評価に良好な結果を示す一方、調光シート21が自己剥離を生じてしまい、また再接着後においても自己剥離を生じてしまうことが認められた。また、封止部51を省略された比較例4の調光装置は、(A)機械的耐性評価に良好な結果を示す一方、これもまた、調光シート21が自己剥離を生じてしまい、また再接着後においても自己剥離を生じてしまうことが認められた。
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)調光積層体11が第1ハードコート層29Fを備えるため、(i)調光シート21における表面21Fの機械的な耐久性が高まる。
(2)接着層31が自己粘着によって透明体41に調光シート21を接着するため、調光シート21の位置決めにおいて、(ii)調光シート21の剥離と、調光シート21の再接着とが可能になる。
(3)調光積層体11が2つのハードコート層29F,29Bを備えるため、調光積層体11は、(iii)自己剥離の誘導因子となる内部応力を軽減できる。
(4)封止部51が透明体41に調光シート21の端面21Eを接着するため、調光装置は、(iv)調光シート21において自己剥離の起点を低減できる。
(5)自己粘着層31Aが調光シート21の裏面21Bに形成される場合、接着用基材層31Bが割愛される分だけ、調光積層体11の構成を簡素にできる。そして、調光積層体11において、自己粘着層31Aが離型層に覆われる場合、調光積層体11の貼り付けに要する部材は、透明体41と調光積層体11との2つの部材を限られる。結果として、調光シート21の貼り付けに要する施工効率が高まる。
(6)自己粘着層31Aが接着用基材層31Bに積層されている場合、自己粘着層31Aと接着用基材層31Bとを備えた粘着積層体を、調光シート21とは別体として取り扱うことができる。これによって、調光シート21の裏面21Bに粘着積層体を接着する方法が、調光積層体11の製造に採用可能になる。このように、粘着積層体と調光シート21とを別々に製造する方法は、調光シート21の製造方法に、自己粘着層31Aから制約を受けない方法を採用可能にする。また、粘着積層体と調光シート21とを別々に製造する方法は、自己粘着層31Aの製造方法に、調光シート21から制約を受けない方法を採用可能にする。
(7)液晶組成物を含有する調光シート21は、調光シート21と接着層31との界面剥離の他、外部応力による調光シート21の剥離に際し、調光層22の内部剥離を生じ得る。調光層22が有機高分子層を備える構成であっても、多くの空隙を備えた有機高分子層は、調光層22の内部剥離を少なからず生じ得る。この点、1N/25mm以下のような、低い粘着力を有した接着層31は、透明体41に調光シート21を位置決めするときに、調光シート21の剥離に要する外部応力を軽減する。結果として、調光層22の内部剥離を生じ得る調光シート21において、上記(2)に準じた(ii)剥離と再度の接着との実現は、より有益な効果となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[接着層31]
・接着層31における端面の全体は、調光シート21の表面21Fと対向する視点から見て、調光シート21の端面21Eと一致してもよいし、端面21Eの内側に位置してもよいし、端面21Eの外側に位置してもよい。接着層31の端面は、調光シート21の表面21Fと対向する視点から見て、調光シート21の端面21Eよりも調光シート21の外側に位置する部分を有してもよいし、調光シート21の端面21Eよりも調光シート21の内側に位置する部分を有してもよい。
[封止部51]
・接着層31は、透明体41に複数の調光積層体11を接着してもよい。この際、相互に隣り合う調光シート21の間に位置する封止部51は、接着層31を介して、透明体41に調光シート21の端面を接着する。一方、複数の調光積層体11から構成される一群のなかの端に位置する封止部51は、調光シート21の端面31Eと共に、接着層31の端面を透明体41に接着してもよいし、接着層31を介して、調光シート21の端面21Eを透明体41に接着してもよい。
11…調光積層体
21…調光シート
21E,31E…端面
21F…表面
21B…裏面
22…調光層
24F…第1電極層
24B…第2電極層
29F…第1ハードコート層
29B…第2ハードコート層
31…接着層
31A…自己粘着層
32…離型層
41…透明体
51…封止部

Claims (10)

  1. 調光シートと、
    自己粘着によって前記調光シートの裏面を透明体に接着する接着層と、を備え、
    前記調光シートの端面を前記透明体に接着する封止部を用い、前記調光シートの前記端面が前記封止部に封止される調光積層体であって、
    前記調光シートは、
    前記調光シートの表面を構成する第1ハードコート層と、
    前記調光シートの前記裏面を構成する第2ハードコート層と、を備える
    調光積層体。
  2. 前記第1ハードコート層の厚さが、前記第2ハードコート層の厚さよりも薄い
    請求項1に記載の調光積層体。
  3. 前記接着層は、
    前記調光シートの前記裏面に塗工された自己粘着層と、
    前記調光積層体の裏面を構成し、前記自己粘着層を覆う離型層と、を備える
    請求項1または2に記載の調光積層体。
  4. 前記接着層は、
    前記調光積層体の前記裏面を構成する離型層と、
    前記調光シートの前記裏面に剥離不能に接合された基材層と、
    前記離型層と前記基材層との間に位置する自己粘着層と、を備える
    請求項1または2に記載の調光積層体。
  5. 前記調光シートは、
    可撓性を有する第1基材と、
    可撓性を有する第2基材と、
    前記第1基材と前記第2基材とに挟まれる調光層であって、複数の空隙を区画する有機高分子層と、前記空隙を埋める液晶組成物と、を備える前記調光層と、を備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の調光積層体。
  6. 透明体と、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の調光積層体と、を備える
    調光装置。
  7. 透明体と、
    前記透明体に接着された調光シートと、
    前記調光シートの端面を前記透明体に接着すると共に、前記調光シートの前記端面を封止する封止部と、を備える調光装置であって、
    前記透明体は、
    自己粘着によって前記調光シートの裏面を前記透明体に接着する接着層を備え、
    前記調光シートは、
    前記調光シートの表面を構成する第1ハードコート層と、
    前記調光シートの前記裏面を構成する第2ハードコート層と、を備える
    調光装置。
  8. 前記封止部は、
    前記調光シートの前記表面における縁と前記透明体とを接着する
    請求項6または7に記載の調光装置。
  9. 前記封止部は、紫外線硬化性樹脂の硬化体である
    請求項6から8のいずれか一項に記載の調光装置。
  10. 前記透明体は、平板状を有する
    請求項6から9のいずれか一項に記載の調光装置。
JP2021212390A 2021-12-27 2021-12-27 調光積層体、および調光装置 Pending JP2023096553A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021212390A JP2023096553A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 調光積層体、および調光装置
PCT/JP2022/048431 WO2023127932A1 (ja) 2021-12-27 2022-12-27 調光積層体、および調光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021212390A JP2023096553A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 調光積層体、および調光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023096553A true JP2023096553A (ja) 2023-07-07

Family

ID=86999139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021212390A Pending JP2023096553A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 調光積層体、および調光装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023096553A (ja)
WO (1) WO2023127932A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015071284A (ja) * 2013-09-09 2015-04-16 アキレス株式会社 調光自己粘着積層体
CN111527444B (zh) * 2017-12-28 2023-09-26 凸版印刷株式会社 调光片材及调光窗
JP2019191481A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 凸版印刷株式会社 調光体
JP7279608B2 (ja) * 2019-10-08 2023-05-23 大日本印刷株式会社 調光フィルム及び調光装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023127932A1 (ja) 2023-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5900719B1 (ja) 波長変換シート用保護フィルム、波長変換シート及びバックライトユニット
JP4982976B2 (ja) フレキシブル基板の製造方法及びディスプレイ素子
CA2563303A1 (en) Methods for laminating films for spd light valves and spd light valves incorporating such laminated films
US11448924B2 (en) Light control device comprising a transparent adhesive layer covering a sheet edge face of a light control sheet and method for producing the same
JP6018397B2 (ja) 情報表示面用の両面粘着シート,情報表示面の保護シート,及び前記両面粘着シート及び保護シートの製造方法
WO2014054592A1 (ja) 粘着層付き透明面材、その製造方法および表示装置
WO2014061478A1 (ja) 粘着層付き透明面材および表示装置
WO2022039089A1 (ja) 合わせガラスおよび合わせガラスの製造方法
JP2007094191A (ja) フラットディスプレイ用耐衝撃吸収材、プラズマディスプレイ用光学フィルタ、プラズマディスプレイパネル、及びフラットディスプレイ用耐衝撃吸収材の製造方法
WO2004111152A1 (ja) 透明ゲル粘着剤、透明ゲル粘着シート、及びディスプレイ用光学フィルタ
JP6950429B2 (ja) 蛍光体保護フィルム、波長変換シート及び発光ユニット
JP6927225B2 (ja) 蛍光体保護フィルム、波長変換シート及び発光ユニット
JP2018013724A (ja) 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム
US20100037564A1 (en) Flat panel display package method
JP5085865B2 (ja) 粘着シート
WO2023127932A1 (ja) 調光積層体、および調光装置
JP2018091967A (ja) 波長変換シート及びそれに用いられるバリアフィルム
JP7383231B2 (ja) 剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム
JP2019032414A (ja) 機能性フィルム、透明スクリーンおよびその製造方法
WO2020138235A1 (ja) 機能性フィルム及び機能性合わせガラス
WO2020085466A1 (ja) 波長変換シートの製造方法、蛍光体保護フィルム、剥離フィルム付き波長変換シート及び波長変換シート
JP6752611B2 (ja) 電気光学パネルおよびその製造方法
JP2021081493A (ja) 剥離フィルム付き蛍光体保護フィルム、およびそれを使用した波長変換シートとその製造方法
KR20230140499A (ko) 표시체 및 광반도체 소자 밀봉용 시트
JP2024024227A (ja) 調光体