JP2023096352A - 染毛用組成物及び染毛方法 - Google Patents

染毛用組成物及び染毛方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できる染毛用組成物の提供、並びに当該染毛用組成物を用いた染毛方法の提供。【解決手段】直接染料が配合された染毛用組成物であって、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である染毛用組成物、及び当該染毛用組成物を用いた染毛方法。【選択図】なし

Description

本発明は、染毛用組成物及び染毛方法に関するものである。
毛髪の染毛を行う目的で、種々の染毛用組成物が提供されている。染毛用組成物は、配合される染料によって、染毛料や酸化染毛剤などに分類されている。染毛料としては、半永久染毛料などの直接染料が配合された染毛用組成物がある。
上記の直接染料が配合された染毛用組成物の一例として、HC青2とカプリン酸グリセリルを含有する染毛料組成物により非イオン性青色染料の濃染効果に優れる技術が提案されている(特許文献1)。
国際公開第WO2018/180513号パンフレット
直接染料が配合された染毛用組成物は、毛髪を所望の色味に染毛するため、直接染料の種類や配合量が調整されている。直接染料の種類や配合量の調整により、直接染料が配合された染毛用組成物は、当該組成物自体が様々な色味となる。
しかしながら、直接染料が配合された染毛用組成物を用いた染毛では、染毛用組成物に配合される直接染料の種類や配合量によって、染毛用組成物自体の色味と、当該染毛組成物によって染毛された毛髪の色味とが、同様の色味にならないことがあり、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が低くなることがあった。この相関性が低くなることにより、直接染料が配合された染毛用組成物を用いた染毛では、染毛用組成物自体の色味から、当該染毛用組成物によりどのような色味に毛髪が染毛されるかを染毛前において視感的に予測することが難しい場合があった。
また、直接染料が配合された染毛用組成物は、配合される直接染料の種類や配合量によって、染毛された毛髪が彩度の低い色味となることがあり、所望する色味への染毛が実現できないことがあった。
上記の点から、直接染料が配合された染毛用組成物において、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛を実現する要望が存在する。
本発明の目的は、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できる染毛用組成物の提供、並びに当該染毛用組成物を用いた染毛方法の提供である。
本発明者が検討を行った結果、直接染料を配合した染毛用組成物において、直接染料として4級カチオン染料を用い、その配合割合を一定程度まで高めると、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できるとの知見を得た。
本発明者は、さらに詳細な検討をしたところ、直接染料が配合された染毛用組成物において、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上とした染毛用組成物、及び、当該染毛用組成物を用いた染毛方法によれば、本発明の目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る染毛用組成物は、直接染料が配合された染毛用組成物であって、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である。本発明に係る染毛用組成物によれば、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できる。
本発明に係る染毛用組成物は、より彩度の高い染毛を実現する観点から、前記4級カチオン染料として、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上が配合されたものであると好ましい。
本発明に係る染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、3級カチオン染料が配合されていないか、又は、全直接染料の配合量に占める3級カチオン染料の配合量の割合が10質量%以下であると好ましい。
本発明に係る染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、2級カチオン染料が配合されていないか、又は、全直接染料の配合量に占める2級カチオン染料の配合量の割合が10質量%以下であると好ましい。
本発明に係る染毛用組成物は、より彩度の高い染毛を実現する観点から、全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上の合計配合量の割合が90質量%以上であると好ましい。
本発明に係る染毛方法は、上記いずれかの本発明に係る染毛用組成物を用いた染毛方法である。本発明に係る染毛方法によれば、本発明に係る染毛用組成物を用いた染毛方法が提供できる。
本発明の染毛用組成物によれば、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛を実現した染毛用組成物が提供できる。
また、本発明の染毛方法によれば、本発明の染毛用組成物を用いた染毛方法が提供できる。
本発明の実施形態(以下、本実施形態という)に基づき、本発明を以下に説明する。
<染毛用組成物>
本実施形態の染毛用組成物は、直接染料が配合された染毛用組成物であって、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である。そのため、本実施形態の染毛用組成物は、直接染料として4級カチオン染料が必須に配合されたものである。
なお、本実施形態の染毛用組成物に配合される直接染料としては、必須で配合される4級カチオン染料と、任意に配合可能な4級カチオン染料以外の直接染料が挙げられる。
(4級カチオン染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の4級カチオン染料が配合されたものである。前記4級カチオン染料は、分子内に第4級アンモニウム構造(R)を有し、染毛用組成物中において陽イオンとして存在し、当該陽イオンの毛髪への吸着により染毛が実現される直接染料である。なお、R、R、R、Rは、水素原子以外の任意の官能基(例えば、1又は2以上の環状構造を有していても良く、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいても良いアルキル基、アルキレン基など)を示す。
前記4級カチオン染料としては、例えば、塩基性赤2、塩基性赤22、塩基性赤46、塩基性赤51、塩基性赤76、HC赤17、赤色213号、塩基性橙31、HC橙6、塩基性黄40、塩基性黄57、塩基性黄87、HC黄17、塩基性緑1、塩基性緑4、塩基性青7、塩基性青26、塩基性青99、HC青16、塩基性紫3、塩基性紫4、塩基性紫16などが挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物は、前記4級カチオン染料として、より彩度の高い染毛が実現できる観点から、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上が配合されると好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に配合される4級カチオン染料の配合量の下限値は、特に限定されないが、より彩度の高い染毛が実現できる観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。
また、本実施形態の染毛用組成物に配合される4級カチオン染料の配合量の上限値は、特に限定されないが、皮膚への染着が生じるおそれを低減する観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.4質量%以下が特に好ましい。
(全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合)
本実施形態の染毛用組成物は、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である。
本実施形態の染毛用組成物において、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合を80質量%以上とすることで、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できる。
なお、本実施形態の染毛用組成物において、「全直接染料の配合量」とは、本実施形態の染毛用組成物に配合された4級カチオン染料及び後述する4級カチオン染料以外の直接染料の合計配合量を意味する。ここで、本実施形態の染毛用組成物に、直接染料として4級カチオン染料のみが配合された場合は、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が100質量%となる。
本実施形態の染毛用組成物は、より彩度の高い染毛を実現する観点から、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
(全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量の割合)
本実施形態の染毛用組成物は、より彩度の高い染毛を実現する観点から、全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量の割合が、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。なお、「全4級カチオン染料の配合量」とは、本実施形態の染毛用組成物に配合された4級カチオン染料の合計配合量を意味し、「HC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量」とは、本実施形態の染毛用組成物に配合されたHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上の合計配合量を意味する。
本実施形態の染毛用組成物における全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量は、特に限定されないが、より彩度の高い染毛が実現できる観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。また、本実施形態の染毛用組成物における全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量は、皮膚への染着が生じるおそれを低減する観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.4質量%以下が特に好ましい。
本実施形態の染毛用組成物は、4級カチオン染料として、より彩度の高い染毛が実現できる観点から、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上が配合されており、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51以外の直接染料が配合されないか、又は、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51以外の直接染料の配合量が0.1質量%以下であると好ましい(より好ましくは0.01質量%以下)。
(任意成分)
本実施形態の染毛用組成物に配合される前記4級カチオン染料以外の任意成分は、染毛用組成物に配合される公知の成分の中から、適宜に選定される。
前記任意成分としては、4級カチオン染料以外の直接染料、水、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、多価アルコール、糖類、エステル、油脂、脂肪酸、ロウ、高級アルコール、低級アルコール、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、粉体、酸、アルカリ、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤などである。
(4級カチオン染料以外の直接染料)
本実施形態の染毛用組成物は、4級カチオン染料以外の直接染料が配合されたものであってもよい。4級カチオン染料以外の直接染料としては、例えば、3級カチオン染料、2級カチオン染料、ニトロ染料、酸性染料、分散染料、天然染料が挙げられる。本実施形態における4級カチオン染料以外の直接染料は、毛髪への吸着又は浸透により染毛が実現される染料である。
本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、4級カチオン染料以外の直接染料が配合されないか、又は、4級カチオン染料以外の直接染料の配合量が0.05質量%以下であると好ましい。
前記「ライトナー混合時の色調変化」とは、直接染料が配合された染毛用組成物とライトナーとを混合して染毛した際の毛髪が、ライトナーを混合せずに当該直接染料が配合された染毛用組成物を用いて染毛した場合の毛髪に比べて、色味が薄くなることや、色味が消失するなどの色調が変化することをいい、前記「ライトナー混合時の色調変化の抑制」とは、ライトナー混合時の色調変化を抑制することをいう。
なお、ライトナーとは、酸化染料が配合されておらず、アルカリ及び酸化剤が配合された剤であり、毛髪のメラニン色素や毛髪中の酸化染料を分解することにより、毛髪を脱色又は毛髪の明度を高めるものである。
本実施形態の染毛用組成物に4級カチオン染料以外の直接染料が配合される場合には、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、4級カチオン染料以外の直接染料の配合量の下限値は、0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下がさらに好ましい。また、本実施形態の染毛用組成物に4級カチオン染料以外の直接染料が配合される場合には、4級カチオン染料以外の直接染料の配合量の下限値は、例えば、0.0001質量%以上である。
なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、4級カチオン染料以外の直接染料が配合されないことが最も好ましい。
(3級カチオン染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の3級カチオン染料が配合されたものであってもよい。前記3級カチオン染料は、分子内に少なくとも1つ以上の第3級アミン構造(RN)を有し、第4級アンモニウム構造を有しない直接染料である。3級カチオン染料は、染毛用組成物中において陽イオンとして存在し、当該イオンの毛髪への吸着により染毛が実現される。なお、R、R、Rは、水素原子以外の任意の官能基(例えば、1又は2以上の環状構造を有していても良く、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいても良いアルキル基、アルキレン基など)を示す。
前記3級カチオン染料としては、例えば、塩基性青3、塩基性青9、塩基性青47、塩基性青75、塩基性青124などが挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物に3級カチオン染料を配合する場合、その配合量は特に限定されない。3級カチオン染料の配合量としては、例えば、下限値が0.001質量%以上であり、上限値が0.3質量%以下である。
本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、3級カチオン染料が配合されないか、又は、全直接染料の配合量に占める3級カチオン染料の配合量の割合が、10質量%以下が好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に3級カチオン染料が配合される場合、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、全直接染料の配合量に占める3級カチオン染料の配合量の割合が、5質量%以下であるとより好ましく、1質量%以下であるとさらに好ましく、0.1質量%以下であると特に好ましい。
なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、3級カチオン染料が配合されないことが最も好ましい。
(2級カチオン染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の2級カチオン染料が配合されたものであってもよい。前記2級カチオン染料は、分子内に少なくとも1つ以上の第2級アミン構造(RNH)を有し、第4級アンモニウム構造及び第3級アミン構造を有しない直接染料である。なお、R、Rは、水素原子以外の任意の官能基(例えば、1又は2以上の環状構造を有していても良く、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいても良いアルキル基、アルキレン基など)を示す。
前記2級カチオン染料としては、例えば、HC青8、HC青15、塩基性紫2、塩基性紫14などが挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物に2級カチオン染料を配合する場合、その配合量は特に限定されない。2級カチオン染料の配合量としては、例えば、下限値が0.001質量%以上であり、上限値が0.3質量%以下である。
本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、2級カチオン染料が配合されないか、又は、全直接染料の配合量に占める2級カチオン染料の配合量の割合が10質量%以下であると好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に2級カチオン染料が配合される場合、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、全直接染料の配合量に占める2級カチオン染料の配合量の割合が、5質量%以下であるとより好ましく、1質量%以下であるとさらに好ましく、0.1質量%以下であると特に好ましい。
なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、2級カチオン染料が配合されないことが最も好ましい。
(ニトロ染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上のニトロ染料が配合されたものであってもよい。前記ニトロ染料は、分子内にニトロ基を有し、染毛用組成物中においてノニオン性として存在する直接染料であり、毛髪に吸着又は浸透し、染毛が実現できる。
前記ニトロ染料としては、例えば、HC赤1、HC赤3、HC赤7、HC赤10、HC赤11、HC赤13、HC橙1、HC橙2、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC黄9、HC黄11、HC黄13、HC青2、HC青11、HC青12、HC紫1、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-3-ニトロフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、ニトログアヤコール、4-ニトログアヤコール、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノールなどが挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物に配合される前記ニトロ染料の配合量としては、特に限定されないが、例えば、下限値が0.01質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。
本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、ニトロ染料が配合されないか、又は、全直接染料の配合量に占めるニトロ染料の配合量の割合が、10質量%以下が好ましい。
本実施形態の染毛用組成物にニトロ染料が配合される場合、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、全直接染料の配合量に占めるニトロ染料の配合量の割合が、5質量%以下であるとより好ましく、1質量%以下であるとさらに好ましく、0.1質量%以下であると特に好ましい。
なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、ニトロ染料が配合されないことが最も好ましい。
(酸性染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の酸性染料が配合されたものであってもよい。前記酸性染料は、染毛用組成物中において陰イオンとして存在する直接染料であり、毛髪に吸着又は浸透し、染毛が実現できる。
前記酸性染料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、酸性橙3、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、酸性青3、紫色401号、褐色201号、黒色401号などが挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物は、4級カチオン染料と酸性染料の両者が染毛用組成物中でイオン結合することで、毛髪に対する4級カチオン染料の吸着の低下が生じるおそれを低減する観点から、酸性染料が配合されないものであるか、又は、酸性染料が配合される場合には、その配合量としては0.05質量%以下が好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に酸性染料が配合される場合には、4級カチオン染料と酸性染料の両者が染毛用組成物中でイオン結合することで、毛髪に対する4級カチオン染料の吸着の低下が生じるおそれを低減する観点から、酸性染料の配合量の上限値は、0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下がさらに好ましい。また、本実施形態の染毛用組成物に酸性染料が配合される場合には、酸性染料の配合量の下限値は、例えば、0.0001質量%以上である。
(分散染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の分散染料が配合されたものであってもよい。前記分散染料(4級カチオン染料、3級カチオン染料、2級カチオン染料、ニトロ染料、天然染料、酸性染料に該当するものを除く)としては、例えば、分散青1、分散紫1などが挙げられる。本実施形態の染毛用組成物に分散染料が配合される場合、分散染料の配合量は、特に限定されないが、例えば、下限値が0.01質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、分散染料が配合されないものであるか、又は、分散染料が配合される場合には、その配合量としては0.05質量%以下が好ましい。
(天然染料)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の天然染料が配合されたものであってもよい。前記天然染料としては、例えば、スオウ色素、アカミノキ色素、キハダ色素、クチナシ黄色素、ベニコウジ色素、コチニール色素、ウコン色素などが挙げられる。本実施形態の染毛用組成物に天然染料が配合される場合、天然染料の配合量は、特に限定されないが、例えば、下限値が0.01質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。なお、本実施形態の染毛用組成物は、ライトナー混合時の色調変化の抑制に優れる観点から、天然染料が配合されないものであるか、又は、天然染料が配合される場合には、その配合量としては0.05質量%以下が好ましい。
本実施形態の染毛用組成物は、全直接染料の配合量(4級カチオン染料及び4級カチオン染料以外の直接染料の合計配合量)が、例えば、下限値が0.001質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。
本実施形態の染毛用組成物は、例えば、酸化染料が配合されないものであるか、又は、酸化染料が配合される場合には、その配合量としては0.05質量%以下としてもよく、0.001質量%以下としてもよい。前記酸化染料としては、酸化染毛剤に用いられる公知の酸化染料(例えば、パラフェニレンジアミンなどの染料中間体、レゾルシンなどのカプラーなど)が挙げられる。
(酸)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種の酸が配合されたものであってもよい。
前記酸としては、無機酸(リン酸、硫酸、塩酸など)、有機酸(クエン酸、レブリン酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸など)が挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物における前記酸の配合量は、特に限定されないが、例えば、下限値が0.01質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。
(アルカリ)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種のアルカリが配合されたものであってもよい。
前記アルカリとしては、金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、金属リン酸塩(リン酸ナトリウムなど)、アンモニウム塩(炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールなど)が挙げられる。
本実施形態の染毛用組成物における前記アルカリの配合量は、特に限定されないが、例えば、下限値が0.01質量%以上であり、上限値が5質量%以下である。
(酸化防止剤)
本実施形態の染毛用組成物は、染毛用組成物中で4級カチオン染料が酸化防止剤により還元され、毛髪に対する4級カチオン染料の吸着の低下が生じるおそれを低減する観点から、酸化防止剤が配合されないものであるか、又は、酸化防止剤が配合される場合には、その配合量としては0.05質量%以下が好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に酸化防止剤が配合される場合には、染毛用組成物中で4級カチオン染料が酸化防止剤により還元され、毛髪に対する4級カチオン染料の吸着の低下が生じるおそれを低減する観点から、還元剤の配合量の上限値は、0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下がさらに好ましい。また、本実施形態の染毛用組成物に還元剤が配合される場合には、還元剤の配合量の下限値は、例えば、0.0001質量%以上である。
前記酸化防止剤としては、例えば、チオグリコール酸類、システイン類、アスコルビン酸又はその塩、エリソルビン酸又はその塩、亜硫酸類、チオ硫酸又はその塩などが挙げられる。アスコルビン酸、エリソルビン酸、チオ硫酸における「その塩」としては、例えば、塩酸塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ナトリウム塩などが挙げられる。
前記チオグリコール酸類としては、例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸の塩(チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミンなど)、チオグリコール酸とグリセリンとのエステル(チオグリコール酸グリセリルなど)が挙げられる。
前記システイン類としては、例えば、L-システイン、DL-システイン、システイン塩(塩酸L-システインなど)、アセチルシステイン(N-アセチル-L-システインなど)、システインアルキルエステル(L-システインメチルエステルなど)が挙げられる。
前記亜硫酸類としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸塩(亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウムなど)、亜硫酸水素塩(亜硫酸水素ナトリウムなど)などが挙げられる。
(水)
本実施形態の染毛用組成物は、4級カチオン染料の分散が容易となる観点から、水が配合されたものが好ましい。
本実施形態の染毛用組成物に配合される水の配合量は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、例えば、下限値が40質量%以上であり、上限値が95質量%以下である。
(カチオン界面活性剤)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上のカチオン界面活性剤が配合されたものであってもよい。カチオン界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩、トリ長鎖アルキルモノメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩などが挙げられる。本実施形態の染毛用組成物におけるカチオン界面活性剤の配合量は、適宜設定されるものであるが、例えば、下限値が0.1質量%以上であり、上限値が10質量%以下である。
(高級アルコール)
本実施形態の染毛用組成物は、1種又は2種以上の高級アルコールが配合されたものであってもよい。高級アルコールとしては、例えば、炭素数12~24の1価アルコールを用いることができる。高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの直鎖状の高級アルコール、イソセチルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールなどの分岐鎖状の高級アルコールが挙げられる。本実施形態の染毛用組成物における高級アルコールの配合量は、適宜設定されるものであるが、例えば、下限値が1質量%以上であり、上限値が15質量%以下である。
(染毛用組成物の形態)
本実施形態の染毛用組成物の形態は、特に制限はなく、液状、クリーム状、ゲル状、スプレー状、フォーム状などの各種の形態とすることができる。
本実施形態の染毛用組成物は、染毛後の毛髪が柔らかい手触りとなる観点から、カチオン界面活性剤、高級アルコール、水が配合されたクリーム状の形態が好ましい。
(染毛用組成物の粘度)
本実施形態の染毛用組成物の粘度は、組成物の形態に応じて適宜設定すればよい。染毛用組成物の粘度は、特に限定されないが、B型粘度計を使用して、適宜のローターを用いて25℃で計測した60秒後の粘度が、例えば、下限値が1mPa・s以上であり、上限値が50000mPa・s以下である。
なお、本実施形態の染毛用組成物をクリーム状又はゲル状の形態とした場合における染毛用組成物の粘度は、例えば、下限値が1000mPa・s以上であり、上限値が50000mPa・s以下である。また、本実施形態の染毛用組成物を液状の形態とした場合における染毛用組成物の粘度は、例えば、100mPa・s以下である。
(染毛用組成物のpH)
本実施形態の染毛用組成物の25℃におけるpHは、例えば、下限値が2以上であり、上限値が7以下である。前記25℃におけるpHは、25℃とした本実施形態の染毛用組成物を、公知のpHメーターで測定した値である。
本実施形態の染毛用組成物の25℃におけるpHの下限値は、皮膚刺激が生じるおそれを低減する観点から、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。
本実施形態の染毛用組成物の25℃におけるpHの上限値は、染毛用組成物に配合された直接染料の保存安定性を高める観点から、6.5以上が好ましく、6.0以上がより好ましい。
(染毛用組成物の用途)
本実施形態の染毛用組成物は、染毛に用いられるものである。本実施形態の染毛用組成物の用途としては、例えば、染毛(ヘアカラー)用途、染毛用を兼ねるヘアケア用途、染毛用を兼ねるスタイリング用途などが挙げられる。
(染毛用組成物の製品形態)
本実施形態の染毛用組成物の製品形態は、例えば、ヘアマニキュア、カラーリンス、カラートリートメント、カラーシャンプーなどである。
(染毛用組成物の製造方法)
本実施形態の染毛用組成物の製造方法は、特に限定されず、染毛用組成物の形態や配合成分に応じて、公知の染毛用組成物の製造方法を用いるとよい。
そのため、本実施形態の染毛用組成物の例としては、適宜の4級カチオン染料を用いて、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上となるように公知の製造方法により製造すればよい。
本実施形態の染毛用組成物は、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である単一の組成物を製造し、本実施形態の染毛用組成物としてもよい。また、4級カチオン染料が配合された組成物と当該組成物とは別の1又は2以上の組成物とを染毛前に混合して、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上とした本実施形態の染毛用組成物を製造してもよい。
本実施形態の染毛用組成物は、例えば、直接染料としてHC青16のみが配合された組成物Aと、直接染料として塩基性黄87のみが配合された組成物Bと、直接染料として塩基性赤51のみが配合された組成物Cと、直接染料としてHC青16及び塩基性黄87の2種のみが配合された組成物Dのいずれか1種の組成物を本実施形態の染毛用組成物としてもよく、前記組成物A、組成物B、組成物C、組成物Dから選ばれるいずれか2種以上の組成物を染毛前に混合して、本実施形態の染毛用組成物としてもよい。
(染毛用組成物の使用方法)
本実施形態の染毛用組成物の使用方法は、特に限定されず、公知の染毛用組成物の使用方法を用いることができる。
本実施形態の染毛用組成物の使用方法の例を以下[1]に示す。
[1]染毛する対象毛髪に、本実施形態の染毛用組成物を適量塗布し、適宜の時間(例えば15分以上40分以下)により毛髪を染毛した後、毛髪を水洗して、乾燥させる方法。
本実施形態の染毛用組成物の使用方法の別の例としては、以下[2]、[3]が挙げられる。
[2]染毛する対象毛髪に、酸化染毛剤又はライトナーを塗布し、さらに本実施形態の染毛用組成物を毛髪に適量塗布して、適宜の時間(例えば15分以上40分以下)により毛髪を染毛した後、毛髪を水洗して、乾燥させる方法。
[3]本実施形態の染毛用組成物と酸化染毛剤又はライトナーとをそれぞれ適宜の量で混合した混合物を調製し、染毛する対象毛髪に、当該混合物を適量塗布し、適宜の時間(例えば15分以上40分以下)により毛髪を染毛した後、毛髪を水洗して、乾燥させる方法。
なお、本実施形態の染毛用組成物は、上記の[2]又は[3]の使用方法で用いる場合、染毛中に酸化剤によって直接染料が分解されるおそれを低減する観点から、4級カチオン染料以外の直接染料を配合しないか、又は、その配合量をなるべく少ないもの(例えば、0.005質量%以下)とすることが好ましい。
前記酸化染毛剤とは、酸化染料(例えば、パラフェニレンジアミンなどの染料中間体、レゾルシンなどのカプラーなど)、アルカリ、酸化剤(例えば、過酸化水素など)が配合された剤であり、酸化染料の酸化重合により毛髪を染毛するものである。前記酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリが配合された第1剤と、酸化剤が配合された第2剤とを適宜の混合比で混合して、調製してもよい。
(染毛用組成物の対象毛髪)
本実施形態の染毛用組成物の使用対象となる毛髪は、特に限定されない。本実施形態の染毛用組成物は、明度の高い毛髪(例えば、ブリーチ毛など)に用いた場合、彩度の高い染毛により優れる。
<染毛方法>
本実施形態の染毛方法は、上述した本実施形態の染毛用組成物を用いた染毛方法である。
本実施形態の染毛方法は、上述した本実施形態の染毛用組成物を用いることで、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性が高く、彩度の高い染毛が実現できる染毛方法が提供できる。
本実施形態の染毛方法は、上述した本実施形態の染毛用組成物を用いる以外には、公知の染毛方法を採用することができる。本実施形態の染毛方法は、例えば、上述した本実施形態の染毛用組成物における使用方法を採用してもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
(評価1)
下記表1~3に、実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物を用いて、下記に示す染毛処理を行い、「染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性」と「染毛後の毛束の彩度」を評価した。
(実施例1~7)
実施例1~7の染毛用組成物は、公知の製造方法により、表1に示す組成の直接染料と、精製水と、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1質量%、ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.) 3質量%、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10E.O.) 1質量%、セトステアリルアルコール 7質量%、パラフィン 1質量%、流動パラフィン 4質量%、パルミチン酸セチル 2質量%、ベンジルアルコール 1質量%、エデト酸二ナトリウム 0.1質量%、香料 0.3質量%とを常法により混合して調製した。なお、実施例1~7は、クリーム状の形態であり、染毛用組成物の色味は以下の通りであった。
実施例1、実施例6、実施例7:青色
実施例2、実施例5:緑色
実施例3:赤色
実施例4:黄色
(比較例1~10)
比較例1~10の染毛用組成物は、表1~4に示す組成の直接染料が配合され、その他の染料は配合されていない市場で販売されている染毛料を用いた。なお、比較例1~10の染毛用組成物は、ジェル状又はクリーム状の形態であった。表1~4に示す比較例1~10の直接染料の配合量は、上記染毛料の容器又は包装資材の配合成分欄に記載された直接染料を基に、公知の分析方法により、各直接染料の標準品を用いてHPLCにより定量して得た。なお、比較例1~10の染毛用組成物の色味は以下の通りであった。
比較例1:紫色
比較例2、比較例8:赤色
比較例3、比較例5、比較例9:青色
比較例4:緑色
比較例7:黄色
比較例10:橙色
便宜のため、表1~4において、直接染料以外の配合成分は記載を省略している。また、表1~4の直接染料の組成欄の数値は質量%であり、「-」の表記は未配合である。
なお、表1~4において「全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合」、「全直接染料の配合量に占める3級カチオン染料の配合量の割合」、「全直接染料の配合量に占める2級カチオン染料の配合量の割合」、「全直接染料の配合量に占めるニトロ染料の配合量の割合」、「全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、塩基性赤51の合計配合量の割合」の欄の「%」は、質量%を意味する。
実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物を用いて、下記に示す染毛処理を行い、「染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性」と「染毛後の毛束の彩度」を評価した。
(染毛処理)
毛束(ビューラックス社製「BR-3-A」:約1g、約10cmの人毛ライトブラウン毛束)に、それぞれ実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物を2g塗布し、室温で20分間静置した。20分経過後、各毛束を水洗し、シャンプー(ミルボン社製ディーセス ノイ ドゥーエ ウィローリュクス シャンプー)を適量塗布して洗浄した後、水洗してドライヤーで乾燥させた。
(染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性の評価方法)
水平な台の上にビニールラップを敷き、実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物を、各染毛用組成物が視認できる程度に少量置いた。続いて、実施例1の染毛用組成物の色味と、実施例1の染毛用組成物で染毛した毛束の色味とをそれぞれ比較することにより、染毛用組成物の色味と、染毛後の毛束の色味との間に相関があるかどうかを、染毛用組成物の評価を日常的に行っている評価者4名の合議により、次に示す評価基準にて評価した。また、実施例2~7、比較例1~10の染毛用組成物においても、上記評価方法から、実施例1の染毛用組成物を実施例2~7、比較例1~10のいずれかの染毛用組成物に変更して同様に評価した。
(染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性の評価基準)
○:染毛に用いた染毛用組成物の色味と、毛束の染毛後の色味との相関が高い(染毛に用いた染毛用組成物の色味と、染毛後の毛束の色味とを比較すると、両者の色味が同じ又はほとんど異ならない)。
×:染毛に用いた染毛用組成物の色と、毛束の染毛後の色味との相関が低い(染毛に用いた染毛用組成物の色味と、染毛後の毛束の色味とを比較すると、両者の色味(色相及び彩度)が明らかに異なる)。
(染毛後の毛束の彩度の評価方法)
実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物で染毛した各毛束の染毛結果を、染毛用組成物の評価を日常的に行っている評価者4名の合議により、以下の評価基準により評価した。
(染毛後の毛束の彩度の評価基準)
3:染毛後の毛束の彩度が高い(染毛後の毛束の色味が、染毛目的となる染毛用組成物の色味に対して、補色となる色味が感じられず、彩度が高い)
2:染毛後の毛束の彩度がやや低い(染毛後の毛束の色味が、染毛目的となる染毛用組成物の色味に対して、補色となる色味がやや感じられ、彩度がやや低い)
1:染毛後の毛束の彩度がとても低い(染毛後の毛束の色味が、染毛目的となる染毛用組成物の色味に対して、補色となる色味がかなり感じられ、彩度がとても低い)
下記表1~表3に、実施例1~7、比較例1~10の染毛用組成物における「染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性」と「染毛後の毛束の彩度」の評価結果を示す。
Figure 2023096352000001
Figure 2023096352000002
Figure 2023096352000003
表1~表3に示す結果から、実施例1~7の染毛組成物は、比較例1~10の染毛組成物に比べて、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性と染毛後の毛束の彩度の両方の評価に優れることが分かる。そのため、実施例1~7及び比較例1~10の評価結果からは、全直接染料に占める4級カチオン染料の割合が高まると、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性と染毛後の毛束の彩度の両方の評価に優れる傾向にあることが分かる。また、全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上を満たす実施例1~7の染毛組成物は、比較例1~10の染毛組成物に比べて、染毛用組成物の色味と染毛後の毛髪の色味との相関性と染毛後の毛束の彩度の両方の評価に優れることが分かる。
上記評価とは別に、実施例1~3、比較例1~3の染毛用組成物を用いて、下記に示す染毛処理を行い、「ライトナー混合時の色調変化の抑制」を評価した。なお、実施例1~3、比較例1~3の染毛用組成物は、上記評価1と同じものを用いた。
(染毛処理)
毛束(ビューラックス社製「BR-3-A」:約1g、約10cmの人毛ライトブラウン毛束)に、実施例1~3、比較例1~3のいずれかを1gと、下記に示す第1剤を0.5gと、第2剤(ミルボン社製オルディーブ アディクシー オキシダン 6.0:過酸化水素を配合)を0.5gとを混合した混合物(各実施例又は比較例の染毛用組成物とライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物)を塗布し、室温で20分間静置した。また、別の毛束に、実施例1~3、比較例1~3のいずれかを2g塗布し、室温で20分間静置した。20分経過後、各実施例又は比較例の染毛用組成物とライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物を塗布した各毛束を水洗し、シャンプー(ミルボン社製ディーセス ノイ ドゥーエ ウィローリュクス シャンプー)を適量塗布して洗浄した後、水洗してドライヤーで乾燥させた。
上記の染毛処理に用いた第1剤は、精製水と、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1質量%、ポリオキシエチレンステアリルエーテル 3質量%、ポリオキシエチレンセチルエーテル 4質量%、セトステアリルアルコール 8質量%、パラフィン 2質量%、コメヌカ油 1質量%、アンモニア水 1.8質量%、ポリエチレングリコール300 1質量%、L-アスコルビン酸 0.2質量%、亜硫酸ナトリウム 0.2質量%、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩 0.2質量%、香料 0.1質量%が配合されたクリーム状の剤を用いた。
(ライトナー混合時の色調変化の抑制の評価方法)
実施例1の染毛用組成物とライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物で染毛した毛束の染毛結果と、ライトナーと混合せずに実施例1で染毛した毛束との染毛結果とを用いて、染毛用組成物の評価を日常的に行っている評価者4名の合議により、次に示す評価基準により評価した。また、実施例2、3、比較例1~3の染毛用組成物においても、上記評価方法から、実施例1の染毛用組成物を実施例2、3、比較例1~3のいずれかの染毛用組成物に変更して同様に評価した。
(ライトナー混合時の色調変化の抑制の評価基準)
3:評価に用いた染毛用組成物とライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物で染毛した毛束の色味が、ライトナーと混合せずに評価に用いた染毛用組成物の染毛用組成物で染毛した毛束の色味と比べて、色調に変化がない又は色調がやや薄い色味となっている。
2:評価に用いた染毛用組成物のいずれかとライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物で染毛した毛束の色味が、ライトナーと混合せずに評価に用いた染毛用組成物で染毛した毛束の色味と比べて、色調がかなり薄い色味となっている。
1:評価に用いた染毛用組成物とライトナー(第1剤及び第2剤)との混合物で染毛した毛束の色味が、ライトナーと混合せずに評価に用いた染毛用組成物で染毛した毛束の色味と比べて、明らかに色調が異なっている(色相が異なり変色しているか、又は、色味がほとんど確認できずライトブラウン毛束自体の色味である)。
(評価2)
下記表4に、実施例1~3、比較例1~3の染毛用組成物における「ライトナー混合時の色調変化の抑制」の評価結果を示す。
Figure 2023096352000004
表4に示す結果から、実施例1~3の染毛組成物は、比較例1~3の染毛組成物に比べて、ライトナー混合時の色調変化の抑制の評価に優れることが分かる。そのため、上記の評価結果からは、直接染料が配合された染毛用組成物において、全直接染料に占める3級カチオン染料の割合が59質量%よりも少ないか、全直接染料に占める2級カチオン染料の割合が18質量%よりも少ないか、全直接染料に占めるニトロ染料の割合が25質量%よりも少ないかのいずれかであると、ライトナー混合時の色調変化の抑制の評価に優れることが分かる。したがって、直接染料が配合された染毛用組成物において、全直接染料に占める3級カチオン染料の割合、全直接染料に占める2級カチオン染料の割合、全直接染料に占めるニトロ染料の割合がそれぞれ少ないとライトナー混合時の色調変化の評価が優れたものとなる傾向が分かる。
以下に本実施形態の染毛用組成物の処方例1~7を示す。なお、表5の成分欄の数値は質量%である。
(処方例1)
HC青16 0.05質量%
塩基性黄87 0.05質量%
塩基性赤51 0.05質量%
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1質量%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.) 3質量%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10E.O.) 1質量%
セトステアリルアルコール 7質量%
パラフィン 1質量%
流動パラフィン 4質量%
パルミチン酸セチル 2質量%
ベンジルアルコール 1質量%
エデト酸二ナトリウム 0.1質量%
香料 0.3質量%
精製水 79.45質量%
Figure 2023096352000005
上記処方例1~7の染毛用組成物(本実施形態の染毛用組成物)は、染毛に用いることができる。また、上記処方例1~7の染毛用組成物の1種又は2種以上を任意の混合比で混合した混合物(本実施形態の染毛用組成物)を染毛に用いることができる。

Claims (6)

  1. 直接染料が配合された染毛用組成物であって、
    全直接染料の配合量に占める4級カチオン染料の配合量の割合が80質量%以上である、
    染毛用組成物。
  2. 前記4級カチオン染料として、HC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上が配合された、請求項1に記載の染毛用組成物。
  3. 3級カチオン染料が配合されていないか、又は、全直接染料の配合量に占める3級カチオン染料の配合量の割合が10質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の染毛用組成物。
  4. 2級カチオン染料が配合されていないか、又は、全直接染料の配合量に占める2級カチオン染料の配合量の割合が10質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の染毛用組成物。
  5. 全4級カチオン染料の配合量に占めるHC青16、塩基性黄87、及び塩基性赤51の群から選ばれる1種又は2種以上の合計配合量の割合が90質量%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の染毛用組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の染毛用組成物を用いた染毛方法。
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