JP2023096320A - 固体電解質シート及びその製造方法 - Google Patents

固体電解質シート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023096320A
JP2023096320A JP2021211976A JP2021211976A JP2023096320A JP 2023096320 A JP2023096320 A JP 2023096320A JP 2021211976 A JP2021211976 A JP 2021211976A JP 2021211976 A JP2021211976 A JP 2021211976A JP 2023096320 A JP2023096320 A JP 2023096320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
alumina
sheet
electrolyte sheet
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021211976A
Other languages
English (en)
Inventor
純一 池尻
Junichi IKEJIRI
英郎 山内
Hideo Yamauchi
良憲 山▲崎▼
Yoshinori Yamazaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2021211976A priority Critical patent/JP2023096320A/ja
Priority to PCT/JP2022/046396 priority patent/WO2023127546A1/ja
Priority to CN202280086393.5A priority patent/CN118451516A/zh
Publication of JP2023096320A publication Critical patent/JP2023096320A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/06Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/06Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
    • H01B1/08Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances oxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/054Accumulators with insertion or intercalation of metals other than lithium, e.g. with magnesium or aluminium
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0561Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of inorganic materials only
    • H01M10/0562Solid materials
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

【課題】全固体ナトリウム二次電池の初回充放電容量や急速充放電特性を向上させることが可能なベータアルミナ系固体電解質シートを提供する。【解決手段】β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを含有する固体電解質シートであって、前記固体電解質シートの表面におけるNa2O濃度をC1、前記固体電解質シートの厚み方向の中心におけるNa2O濃度をC2とした場合、C1>C2であることを特徴とする固体電解質シート。【選択図】図1

Description

本発明は、ナトリウムイオン二次電池等の蓄電デバイスに用いられるベータアルミナ系の固体電解質シート及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、モバイル機器や電気自動車等に不可欠な、高容量で軽量な電源としての地位を確立している。しかし、現行のリチウムイオン二次電池には、電解質として可燃性の有機系電解液が主に用いられているため、発火等の危険性が懸念されている。この問題を解決する方法として、有機系電解液に代えて固体電解質を使用したリチウムイオン全固体電池の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、リチウムは世界的な原材料の高騰の懸念がある。そこで、リチウムに代わる材料としてナトリウムが注目されており、固体電解質としてβ-アルミナやβ’’-アルミナといったベータアルミナ系固体電解質が使用されている。
全固体ナトリウムイオン二次電池において、固体電解質は薄肉化(シート化)することにより単位体積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。また、そのようにすれば電池内のナトリウムイオン移動抵抗が低減することでレート特性の向上が期待される。
特開平5-205741号公報 特開2010-15782号公報
従来のベータアルミナ系固体電解質シートを全固体ナトリウム二次電池に使用した場合、不可逆容量が高く、初回充放電容量に劣る傾向がある。また、急速充放電特性にも劣る傾向がある。
以上に鑑み、本発明は、全固体ナトリウム二次電池の初回充放電容量や急速充放電特性を向上させることが可能なベータアルミナ系固体電解質シートを提供することを目的とする。
本発明の固体電解質シートは、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを含有する固体電解質シートであって、固体電解質シートの表面におけるNaO濃度をC、固体電解質シートの厚み方向の中心におけるNaO濃度をCとした場合、C>Cであることを特徴とする。
このようにすれば、全固体ナトリウム二次電池において、初回の充放電反応に伴って発生する、負極での不可逆容量をキャンセルすることができ、初回充放電効率を向上させることができる。具体的には、初回の充放電反応で正極から負極に伝導したナトリウムイオンが負極に取り込まれて放出されなくなった場合(不可逆容量の発生)であっても、当該ナトリウムイオンの代わりに、固体電解質シートの表面に含まれるNaOからナトリウムイオンが放出されるため、不可逆容量をキャンセルすることができる。また、固体電解質シートの表面にNaOリッチ相が存在することで、電極層と固体電解質シートの界面におけるナトリウムイオン伝導パスが形成されやすくなるため、レート特性が改善し、急速充放電特性を向上させることが可能となる。
本発明の固体電解質シートは、C-C≧0.1モル%であることが好ましい。
本発明の固体電解質シートは、厚みが500μm以下であることが好ましい。
本発明の固体電解質シートは、モル%で、Al 65~98%、NaO 2~20%、MgO+LiO 0.3~15%、ZrO 0~20%、及び、Y 0~5%を含有することが好ましい。
本発明の固体電解質シートは、全固体ナトリウムイオン二次電池用であることが好ましい。
本発明の全固体ナトリウム二次電池は、上記の固体電解質シートを備えてなることを特徴とする。
本発明の固体電解質シートの製造方法は、上記いずれかの固体電解質シートを製造するための方法であって、α-アルミナを含有する前駆体シートを準備する工程、及び、前駆体シートの表面をNa含有材料で被覆した後、焼成する工程、を備えることを特徴とする。このようにすれば、シート表面におけるNaO濃度が、シートの厚み方向の中心におけるNaO濃度より高い固体電解質シートを得ることが可能となる。
なお一般に、薄型のベータアルミナ系固体電解質シートを作製するのは困難である。例えば、ベータアルミナの原料粉末を用いてグリーンシート法で作製する場合、焼成時の収縮により固体電解質シートの平面度が悪化し、全固体電池作製時にクラックが発生しやすいという問題がある。また、薄肉化の手段として研磨も考えられるが、ベータアルミナ系固体電解質は吸湿によりイオン伝導度が低下するため、乾式研磨を行う必要がある。しかしながら、乾式研磨では固体電解質シートにかかる応力が大きくなりやすく、薄型化するほどクラックが発生しやすくなる。さらに、グリーンシート焼成時にNa成分が蒸発し、MgAlなどのNaを含まない異種結晶が析出する傾向がある。そのため、イオン伝導度の低下やNa欠乏に伴うレート特性の低下が生じる傾向がある。
一方、本発明の製造方法では、まずα-アルミナを含有する前駆体シートを準備し、それとNa含有材料とを反応させ、α-アルミナをベータ化させることによりベータアルミナ系固体電解質シートを作製する。α-アルミナ含有シートであれば吸湿による特性劣化の問題がなく、湿式研磨が可能であるため薄型化が容易である。よって、α-アルミナ含有シートを所望の厚みになるまで研磨加工した後、ベータ化することで、薄型のベータアルミナ系固体電解質シートを容易に作製することができる。
本発明の固体電解質シートの製造方法は、Na含有材料が、NaCOを含むことが好ましい。
本発明によれば、全固体ナトリウム二次電池の初回充放電容量や急速充放電特性を向上させることが可能なベータアルミナ系固体電解質シートを提供することができる。
本発明の固体電解質シートの製造方法の一実施形態を示す模式的断面図である。
本発明の固体電解質シートは、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを含有する固体電解質シートであって、固体電解質シートの表面におけるNaO濃度をC、前記固体電解質シートの厚み方向の中心におけるNaO濃度をCとした場合、C>Cであることを特徴とする。このようにすれば、上述の通り、当該固体電解質シートを用いた全固体ナトリウム二次電池の初回充放電効率と急速充放電特性の各特性を向上させることができる。なお、C-Cは0.1モル%以上、0.2モル%以上、0.3モル%以上、特に0.4モル%以上であることが好ましい。C-Cの上限は特に限定されないが、現実的には3モル%以下、2モル%以下、特に1モル%以下である。
本発明の固体電解質シートは、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを含有するものであり、具体的な組成としては、モル%で、Al 65~98%、NaO 2~20%、MgO+LiO 0.3~15%、ZrO 0~20%、及び、Y 0~5%を含有するものが挙げられる。組成を上記のように限定した理由を以下に説明する。
Alは、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを構成する主成分である。Alの含有量は65~98%、特に70~95%であることが特に好ましい。Alが少なすぎると、固体電解質シートのイオン伝導性が低下しやすくなる。一方、Alが多すぎると、ナトリウムイオン伝導性を有さないα-アルミナが残存し、固体電解質シートのイオン伝導性が低下しやすくなる。
NaOは固体電解質シートにナトリウムイオン伝導性を付与する成分である。NaOの含有量は2~20%、3~18%、特に4~16%であることが好ましい。NaOが少なすぎると、上記効果を得にくくなる。一方、NaOが多すぎると、余剰のナトリウムがNaAlO等のイオン伝導性に寄与しない化合物を形成するため、固体電解質シートのイオン伝導性が低下しやすくなる。
MgO及びLiOは、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナの構造を安定化させる成分(安定化剤)である。MgO+LiOの含有量(MgOとLiOの合量)は、0.3~15%、0.5~10%、特に0.8~8%であることが好ましい。MgO+LiOが少なすぎると、固体電解質シート中にα-アルミナが残存してイオン伝導性が低下しやすくなる。一方、MgO+LiOが多すぎると、安定化剤として機能しなかったMgOまたはLiOが固体電解質シート中に残存して、イオン伝導性が低下しやすくなる。なお、MgO及びLiOの各成分の含有量は、0~15%、0.3~15%、0.5~10%、特に0.8~8%であることが好ましい。
ZrO及びYは、後述する製造方法の焼成時におけるβ-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナの異常粒成長を抑制し、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナの各粒子の密着性を向上させる効果がある。その結果、固体電解質シートのイオン伝導度が向上しやすくなる。ZrOの含有量は0~15%、1~13%、特に2~10%であることが好ましい。また、Yの含有量は0~5%、0.01~4%、特に0.02~3%であることが好ましい。ZrOまたはYが多すぎると、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナの生成量が低下して、固体電解質のイオン伝導性が低下しやすくなる。
なお、β-アルミナの具体例としては、六方晶の(Al10.35Mg0.6516)(Na1.65O)、(Al10.37Mg0.6316)(Na1.63O)、NaAl1117、(Al10.32Mg0.6816)(Na1.68O)が挙げられる。β’’-アルミナの具体例としては、三方晶の(Al10.35Mg0.6516)(Na1.65O)、(Al8.87Mg2.1316)(Na3.13O)、Na1.67Mg0.67Al10.3317、Na1.49Li0.25Al10.7517、Na1.72Li0.3Al10.6617、Na1.6Li0.34Al10.6617が挙げられる。
固体電解質シートの厚みが小さいほど固体電解質中のイオン伝導に要する距離が短くなり、イオン伝導性が向上するため好ましい。また、全固体電池の単位体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。具体的には、本発明の固体電解質シートの厚みは500μm以下、300μm以下、100μm以下、50μm以下、20μm以下、15μm以下、7μm以下、5μm以下であることが好ましい。ただし、固体電解質シートの厚みが小さすぎると、機械的強度が低下したり、正極と負極が短絡するおそれがあるため、0.5μm以上、1μm以上、3μm以上であることが好ましい。
さらに、固体電解質シートの表面は3次元的に連通した空隙を有する多孔質固体電解質層で構成されていることが好ましい。このようにすれば、多孔質固体電解質層の上に電極層を形成した際に、電極層を構成する材料が多孔質固体電解質層における空隙に入り込みやすくなり、電極層と固体電解質シートが強固に密着しやすくなる。そのため、電極層と固体電解質シートの接触面積が増え、電極層と固体電解質層の界面抵抗が低減できる。また、全固体電池製造時の焼成工程においても、アンカー効果により電極層が固体電解質層から剥離しにくくなる。結果として、放電容量に優れた全固体電池を得ることが可能となる。なお、固体電解質シートの一方の表面のみが多孔質固体電解質層で構成されていてもよいが、固体電解質シートの両方の表面が多孔質固体電解質層で構成されていることが好ましい。
多孔質固体電解質層の厚みは499.5μm以下、499μm以下、497μm以下、490μm以下、450μm以下、400μm以下、300μm以下、特に150μm以下であることが好ましい。多孔質固体電解質層の厚みが大きすぎると、電極層材料を多孔質固体電解質層の空隙全体に充填することが困難となり、単位体積当たりのエネルギー密度が低くなる傾向がある。また、多孔質固体電解質層を形成する際の収縮量が大きくなり、多孔質固体電解質層部分が剥離しやすくなる。ただし、多孔質固体電解質層の厚みが小さすぎると、電極層を構成する材料が多孔質固体電解質層の空隙に入り込む量が少なくため、電極層と固体電解質シートの接触面積が小さくなり密着性が低下しやすくなる。この場合、電極層と固体電解質シートの界面におけるイオン伝導パスが少なくなるため、電池の内部抵抗が高くなる傾向にある。結果として、急速充放電特性が低下しやすくなる。そのため、多孔質固体電解質層の厚みは10μm以上、30μ以上、特に50μm以上であることが好ましい。
次に、本発明の固体電解質シートの製造方法について説明する。図1は本発明の固体電解質シートの製造方法の一実施形態を示す模式的断面図である。まず、α-アルミナを含有する前駆体シート1を準備する(図1(a))。次に、前駆体シート1の表面をNa含有材料2で被覆する(図1(b))。さらに、Na含有材料2で被覆した前駆体シート1を焼成することにより、ベータアルミナ系固体電解質シート3を得ることができる(図1(c))。
α-アルミナを含有する前駆体シートは例えばグリーンシート法により作製することができる。具体的な方法は以下の通りである。
まずα-アルミナを含有する原料粉末に、バインダー、可塑剤、溶媒等を添加して混錬することによりスラリー化する。原料粉末にはα-アルミナ以外にNa、Mg、Li等のベータアルミナの構成成分を含んでいても良い。
溶剤は水あるいはエタノールやアセトン等の有機溶媒のいずれでも構わない。ただし、溶剤として水を用いた場合、ナトリウム成分が原料粉末から溶出してスラリーのpHが上昇し、原料粉末が凝集するおそれがある。そのため、有機溶媒を用いることが好ましい。
次に、得られたスラリーをPET(ポリエチレンテレフタレート)等の基材上に塗布、乾燥することによりグリーンシートを得る。スラリーの塗布はドクターブレードやダイコータ等により行うことができる。グリーンシートの厚みは0.01~1mm、特に0.02~0.9mmであることが好ましい。グリーンシートの厚みが小さすぎると、固体電解質シートの機械的強度が低下したり、正極と負極が短絡するおそれがある。一方、グリーンシートの厚みが大きすぎると、固体電解質シートの厚みが大きくなって、固体電解質シート中のイオン伝導に要する距離が長くなり、単位セル当たりのエネルギー密度が低下しやすくなる。
さらに、グリーンシートを焼成することによりα-アルミナを含有する前駆体シートが得られる。焼成温度は緻密な焼結体が得られる温度であれば特に限定されず、例えば1400~1800℃、特に1600~1750℃であることがより好ましい。焼成時間は、α-アルミナが十分焼結されるよう適宜調整される。具体的には、10~120分間、特に20~80分間であることが好ましい。
なお、グリーンシートを焼成する前に等方圧プレス等のプレス処理を行うことにより、焼成後のα-アルミナ含有前駆体シートの緻密性を向上でき、結果として、後に最終生成物であるベータアルミナ系固体電解質シートの緻密性を向上させることができる。
得られた前駆体シートに対し、必要に応じて研磨加工を施すことにより薄型化してもよい。α-アルミナを含有する前駆体シートは、ベータアルミナからなるシートと異なり、吸湿による特性劣化の問題がなく、湿式研磨が可能であるため薄型化が容易である。従って、α-アルミナを含有する前駆体シートを湿式研磨により薄型化しておけば、最終生成物であるベータアルミナ系固体電解質シートも薄型化することが可能となる。
また、上記グリーンシートに加えて、α-アルミナを含有する原料粉末と、高分子粉末とを含む混合粉末に対して、バインダーを含む有機ビークルを添加してスラリーを作製し、当該スラリーを基材上に塗布、乾燥することにより多孔質層用グリーンシートを得てもよい。多孔質層用グリーンシートの製造工程は、上記α―アルミナ前駆体用グリーンシートの製造工程と比較して、固形分として高分子粉末を添加する点だけが異なっており、それ以外は同様の材料及び方法を採用することができる。
高分子粉末は、後の焼成工程で燃焼除去されることにより、多孔質層内に空隙を形成するための材料である。高分子粉末としては、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスチレン等が挙げられる。
高分子粉末の平均粒子径(D50)は0.1~100μm、1~80μm、5~70μm、特に10~50μmであることが好ましい。高分子粉末の平均粒子径が小さすぎると、多孔質層において、3次元的に連通した空隙が形成されにくくなる。一方、高分子粉末の平均粒子径が大きすぎると、多孔質層の焼結が不十分になってイオン伝導度が低下し、結果としてレート特性が低下する傾向がある。
αアルミナ含有原料粉末と高分子粉末の含有量割合は、体積比で、75:25~3:97であることが好ましく、60:40~6:94であることがより好ましく、40:60~9:91であることがさらに好ましい。高分子粉末の含有量が少なすぎると、多孔質層において、3次元的に連通した空隙が形成されにくくなる。一方、高分子粉末の含有量が多すぎると、多孔質層の焼結が不十分になってイオン伝導度が低下し、結果としてレート特性が低下する傾向がある。
なお、αアルミナ含有原料粉末と、高分子粉末との含有量割合は、質量比では、95:5~20:80であることが好ましく、90:10~30:70であることがより好ましく、80:20~40:60であることがさらに好ましい。限定理由については、上述の通りである。
上記で得られたαアルミナ含有原料粉末のグリーンシートの一方の面または両面に前記多孔質層用グリーンシートを積層し、積層体を得てもよい。ここで、グリーンシートを積層した後、プレス(好ましくは加熱プレス)することが好ましい。このようにすれば、各グリーンシートの密着性が向上する。
上記積層体を焼成することにより、表面が3次元的に連通した空隙を有する多孔質固体電解質層で構成されたα-アルミナ含有前駆体シートを作製できる。焼成温度は特に限定されず、例えば1400~1800℃、特に1600~1750℃であることがより好ましい。焼成時間は、α-アルミナが十分焼結されるよう適宜調整される。具体的には、10~120分間、特に20~80分間であることが好ましい。
α-アルミナ含有前駆体シートの厚みが大きすぎると、後の工程でNa含有材料と反応させた際に、α-アルミナのベータ化が厚み方向に十分に進行せず、所望のベータアルミナ系固体電解質シートを得にくくなる。また、最終生成物であるベータアルミナ系固体電解質シートの厚みが大きくなりすぎる傾向がある。従って、α-アルミナ含有前駆体シートの厚みは、500μm以下、300μm以下、100μm以下、特に50μm以下、20μm以下、15μm以下、7μm以下、5μm以下であることが好ましい。ただし、α-アルミナ含有前駆体シートの厚みが小さすぎると、機械的強度が低下したり、得られる固体電解質シートの厚みも小さくなって正極層と負極層が短絡するおそれがあるため、0.5μm以上、特に1μm以上、3μm以上であることが好ましい。
α-アルミナ含有前駆体シートの表面が多孔質層で構成されている場合、多孔質層の厚みは5μm以上、10μm以上、特に30μm以上であることが好ましく、499.5μm以下、499μm以下、497μm以下、490μm以下、450μm以下、400μm以下、300μm以下、150μm以下であることが好ましい。このようにすれば、得られる固体電解質シートにおいて、所望の厚みの多孔質固体電解質層を形成することができる
Na含有材料は、例えばNaCOを含む。その他にベータアルミナの安定化剤として機能するMg成分(例えばMgO)やLi成分(例えばLiO)を含有していてもよい。具体的には、Na含有材料の組成としては、酸化物換算のモル%で、NaO 35~100%(好ましくは40~95%、より好ましくは50~90%)、MgO+LiO 0~65%(好ましくは5~60%、より好ましくは10~50%)であることが好ましい。NaOの含有量が少なすぎると、α-アルミナが十分にベータ化しにくくなり、所望のベータアルミナ系固体電解質シートを得にくくなる。なお、MgO及びLiOの各成分の含有量は、それぞれ0~65%であることが好ましく、5~60%、特に10~50%であることが好ましい。なおNa含有材料は、上記成分に加えて、β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナの異常粒成長を抑制するZrOやYを含有していてもよい。
Na含有材料の形態は特に限定されず、ペースト状や粉末状が挙げられるが、ペースト状であれば、α-アルミナ含有前駆体シートの表面を均一に被覆できるため好ましい。α-アルミナ含有前駆体シートの両主面の全体をNa含有材料で被覆することが好ましい。このようにすれば、α-アルミナ含有前駆体シート全体がベータ化しやすく、所望のベータアルミナ系固体電解質シートを得やすくなる。もっとも、α-アルミナ含有前駆体シート表面の一部のみ(例えば、一方の主面のみ、あるいは主面の一部のみ)をNa含有材料で被覆しても構わない。被覆層の厚みは所望のベータアルミナ系固体電解質シートが得られるように適宜選択すればよく、例えば5~200μm、10~100μm、特に15~50μmであることが好ましい。
また、Na含有材料に高分子粉末を添加してもよい。このようにすれば、α-アルミナ含有前駆体シートの表面に多孔質層を形成することができる。
Na含有材料粉末と高分子粉末の含有量割合は、体積比で、75:25~3:97であることが好ましく、60:40~6:94であることがより好ましく、40:60~9:91であることがさらに好ましい。
焼成温度は1400℃以上、1450℃以上、特に1500℃以上であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると、α-アルミナ含有前駆体シートが十分にベータ化しにくくなる。一方、焼成温度の上限は、1750℃以下、特に1700℃以下であることが好ましい。焼成温度が高すぎると、Na含有材料からナトリウム成分等の蒸発量が多くなり、異種結晶が析出したり、シートの緻密性が低下する傾向がある。その結果、得られる固体電解質シートのイオン伝導性が低下しやすくなる。なお、焼成時間は、α-アルミナ含有前駆体シートが十分にベータ化するよう適宜調整される。具体的には、10~120分間、特に20~80分間であることが好ましい。
なお、上記製造方法では、予め焼成して得られたα-アルミナ含有前駆体シートを使用しているため、Na含有材料で被覆した後の焼成においては、α-アルミナ含有前駆体シートは収縮が生じにくい。そのため、平面度の優れたベータアルミナ系固体電解質を容易に得ることができる。
本発明の固体電解質シートはナトリウムイオン全固体二次電池用として好適である。ナトリウムイオン全固体二次電池は、本発明の固体電解質シートの一方の面に正極層、他方の面に負極層が形成されてなる。正極層及び負極層には活物質が含まれる。活物質は、正極活物質または負極活物質として作用するものであり、充放電の際には、ナトリウムイオンの吸蔵・放出を行うことができる。
正極活物質としては、空間群P1またはP-1に属する三斜晶系結晶、特に一般式Na(1.2≦x≦2.8、0.95≦y≦1.6)で表される結晶が、高容量で化学的安定性に優れ、かつ、サイクル特性にも優れるため好ましい。当該一般式で表される結晶の具体例としては、NaFePが挙げられる。これ以外にも、NaCrO、Na0.7MnO、NaFe0.2Mn0.4Ni0.4等の層状ナトリウム遷移金属酸化物結晶やNa(PO等が挙げられる。
負極活物質としては、特に限定されず、Nb及びTiから選ばれる少なくとも1種及びOを含む結晶、Sn、Bi及びSbから選ばれる少なくとも1種の金属結晶等の活物質結晶を挙げることができる。また、負極活物質には、黒鉛又はハードカーボンを用いてもよい。あるいは、金属ナトリウムを用いてもよい。
正極層及び負極層は、活物質と固体電解質とのコンポジットからなる電極合材層としてもよい。固体電解質は電極合材中のナトリウムイオン伝導パスとして作用し、電池の放電容量や電圧を向上させることができる。
正極層及び負極層はさらに導電助剤を含有することが好ましい。導電助剤は、電極の高容量化やハイレート化を達成するために添加される成分である。導電助剤の具体例としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の高導電性カーボンブラック、黒鉛、コークス等や、Ni粉末、Cu粉末、Ag粉末等の金属粉末等が挙げられる。なかでも、極少量の添加で優れた導電性を発揮する高導電性カーボンブラック、Ni粉末、Cu粉末のいずれかを用いることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
表1及び2は、本発明の実施例1~4及び比較例1、2を示す。
Figure 2023096320000002
Figure 2023096320000003
(1)α-アルミナ含有前駆体シートの作製
α-アルミナ粉末(平均粒子径D50=2μm)に対し、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂を用い、α-アルミナ粉末:バインダー=100:3(質量比)となるように秤量し、N-メチルピロリドンに分散させた後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。得られたスラリーを、ドクターブレードを用いてPETフィルム上に塗布し、70℃で乾燥することによりグリーンシートを得た。
得られたグリーンシートを1650℃で30分間焼成した後、両面を湿式研磨することにより厚み53μmのα-アルミナ含有前駆体シートを得た。
(2)固体電解質シートの作製
酸化物換算のモル%で、NaO 77.5%、MgO 22.5%の組成となるように、NaCO粉末及びMgO粉末を混合し、Na含有材料を得た。得られたNa含有材料にポリビニルブチラール樹脂を20質量部加え、混合粉末の濃度が50質量%となるように、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを加えた。これを自公転ミキサーで混合することで、Na含有材料ペーストを作製した。
得られたNa含有材料ペーストを、上記で得られたα-アルミナ含有前駆体シートの両面に塗布し、乾燥することにより、各表面に厚み21μmのNa含有材料層を形成した。表面にNa含有材料層を形成したα-アルミナ含有前駆体シートをマグネシアセッター上に載置し、1550℃で30分間焼成することにより、α-アルミナ含有前駆体シートをNa含有材料と反応させた。これにより、厚み89μmの固体電解質シートを得た。得られた固体電解質シートについてXRD(粉末X線回折装置)により分析を行った結果、β’’-アルミナに由来する回折線が確認できた。
得られた固体電解質シートの表面及び厚み方向の中心のおけるNaO濃度と、イオン伝導度を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
固体電解質シートの表面及び厚み方向の中心のおけるNaO濃度は、EDX(エネルギー分散型X線分析装置)により測定した。
固体電解質シートのイオン伝導度は以下のようにして測定した。固体電解質シートの表面にイオンブロッキング電極として金電極を形成した後、交流インピーダンス法により1~10Hzの周波数範囲で測定を行い、コールコールプロットから抵抗値を求めた。得られた抵抗値からイオン伝導度を算出した。なお、測定は25℃で行った。
(3)全固体ナトリウムイオン二次電池の作製
(a)固体電解質粉末の作製
β’’-アルミナ(Ionotec社製)をボールミル及び遊星ボールミルで粉砕することにより、平均粒子径が0.3μmである固体電解質粉末を得た。
(b)正極活物質前駆体粉末の作製
メタリン酸ソーダ(NaPO)、酸化第二鉄(Fe)及びオルソリン酸(HPO)を原料とし、モル%で、NaO 40%、Fe 20%、及びP 40%の組成となるように原料粉末を調合し、1250℃にて45分間、大気雰囲気中にて溶融を行った。その後、溶融物を一対の回転ローラー間に流し出し、急冷しながら成形し、フィルム状のガラスを得た。得られたフィルム状ガラスに対し、ボールミル及び遊星ボールミルでの粉砕を行うことにより、平均粒子径が0.2μmであるガラス粉末(正極活物質前駆体粉末)を得た。
(c)試験電池の作製
上記で得られた正極活物質前駆体粉末83質量%、固体電解質粉末13質量%、さらに導電助剤としてのアセチレンブラック(TIMCAL社製、SUPER C65)4質量%となるようにそれぞれ秤量し、メノウ製の乳鉢及び乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末100質量部に、20質量部のポリプロピレンカーボネートを添加し、さらにN-メチルピロリドンを110質量部添加して、自転・公転ミキサーを用いて十分に撹拌し、電極ペーストを得た。
得られた電極ペーストを、上記で得られた固体電解質シートの一方の表面に、面積1cm、厚さ300μmで塗布し、70℃で4時間乾燥させ、正極材料層を形成した。この状態で、H 4体積%及びN 96体積%の混合ガス中において、500℃で30分間焼成することにより、固体電解質層の一方の表面に厚み150μmの正極層を形成した。なお、上記の操作はすべて露点-40℃以下の環境で行った。
得られた正極層について粉末X線回折パターンを確認したところ、全てNaFeP結晶が確認された。なお、得られた正極層においては、使用した固体電解質粉末に由来する結晶性回折線が確認された。
次に、得られた正極層の表面にスパッタ装置(サンユー電子社製、品番「SC-701AT」)を用いて厚さ300nmの金電極からなる集電体を形成した。その後、露点-60℃以下のアルゴン雰囲気中にて、対極となる金属ナトリウムを固体電解質層の他方の表面に圧着し、コインセルの下蓋の上に載置した後、上蓋を被せてCR2032型試験電池を作製した。
(d)電池特性の評価
作製した試験電池について60℃で充放電試験を行い、初回充放電効率と急速充放電特性について評価した。初回充放電効率は、0.05CのCレートで充放電を行った際の、初回充電容量に対する初回放電容量の割合で評価した。急速充放電特性は、0.05CのCレートで充放電を行った際の初回放電容量に対する、0.1CのCレートで充放電を行った際の初回放電容量の割合で評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
Na含有材料の組成を、酸化物換算のモル%で、NaO 55.5%、MgO 44.5%の組成となるように、NaCO粉末及びMgO粉末を混合したこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質シートを作製し、各特性の評価を行った。さらに、作製した固体電解質シートを用いて実施例1と同様にして試験電池の作製を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
Na含有材料の組成を、酸化物換算のモル%で、NaO 85%、LiO 15%の組成となるように、NaCO粉末及びLiO粉末を混合したこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質シートを作製し、各特性の評価を行った。さらに、作製した固体電解質シートを用いて実施例1と同様にして試験電池の作製を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
グリーンシートを焼成した後、両面を湿式研磨することにより厚み21μmのα-アルミナ含有前駆体シートを得たこと以外は、実施例1と同様にして固体電解質シートを作製し、各特性の評価を行った。さらに、作製した固体電解質シートを用いて実施例1と同様にして試験電池の作製を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(a)スラリーの作製
炭酸ナトリウム(NaCO)、酸化アルミニウム(Al)及び酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)を原料とし、モル%で、NaO 14.2%、Al 75.4%、MgO 5.4%、ZrO 4.9%、Y 0.1%となるように原料粉末を調製した。次に、エタノールを媒体として、原料粉末を4時間湿式混合した。エタノールを蒸発させた後、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂を用い、α-アルミナ粉末:バインダー=100:3(質量比)となるように秤量し、N-メチルピロリドンに分散させた後、自転・公転ミキサーで十分に撹拌してスラリー化した。PETフィルム上に、ドクターブレードを用いて上記で得られたスラリーを塗布し、70℃で乾燥することにより厚み113μmのグリーンシートを得た。
得られたグリーンシートをマグネシアセッター上に載置し、1550℃で30分間焼成することにより、厚み92μmの固体電解質シートを得た。得られた固体電解質シートについてXRD(粉末X線回折装置)により分析を行った結果、β’’-アルミナに由来する回折線が確認できた。
得られた固体電解質シートについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。さらに、作製した固体電解質シートを用いて実施例1と同様にして試験電池の作製を作製し、電池特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1で得られた固体電解質シートを、40μmの厚みになるまで乾式研磨したところ、クラックが発生した。そのため、研磨後の固体電解質シートを用いて電池特性を評価することができなかった。
本発明の固体電解質シートは、携帯型電子機器、電気自動車、電気工具、バックアップ用非常電源等に使用されるナトリウムイオン二次電池用として好適である。

Claims (8)

  1. β-アルミナ及び/またはβ’’-アルミナを含有する固体電解質シートであって、
    前記固体電解質シートの表面におけるNaO濃度をC、前記固体電解質シートの厚み方向の中心におけるNaO濃度をCとした場合、C>Cであることを特徴とする固体電解質シート。
  2. -C≧0.1モル%であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質シート。
  3. 厚みが500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解質シート。
  4. モル%で、Al 65~98%、NaO 2~20%、MgO+LiO 0.3~15%、ZrO 0~20%、及び、Y 0~5%を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の固体電解質シート。
  5. 全固体ナトリウムイオン二次電池用であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の固体電解質シート。
  6. 請求項5に記載の固体電解質シートを備えてなることを特徴とする全固体ナトリウム二次電池。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の固体電解質シートを製造するための方法であって、
    α-アルミナを含有する前駆体シートを準備する工程、及び、
    前記前駆体シートの表面をNa含有材料で被覆した後、焼成する工程、
    を備えることを特徴とする固体電解質シートの製造方法。
  8. 前記Na含有材料が、NaCOを含むことを特徴とする請求項7に記載の固体電解質シートの製造方法。
JP2021211976A 2021-12-27 2021-12-27 固体電解質シート及びその製造方法 Pending JP2023096320A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021211976A JP2023096320A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 固体電解質シート及びその製造方法
PCT/JP2022/046396 WO2023127546A1 (ja) 2021-12-27 2022-12-16 固体電解質シート及びその製造方法
CN202280086393.5A CN118451516A (zh) 2021-12-27 2022-12-16 固态电解质片材及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021211976A JP2023096320A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 固体電解質シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023096320A true JP2023096320A (ja) 2023-07-07

Family

ID=86998793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021211976A Pending JP2023096320A (ja) 2021-12-27 2021-12-27 固体電解質シート及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023096320A (ja)
CN (1) CN118451516A (ja)
WO (1) WO2023127546A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50436B1 (ja) * 1970-04-10 1975-01-09
JP7172245B2 (ja) * 2017-09-20 2022-11-16 日本電気硝子株式会社 固体電解質シート及びその製造方法、並びに全固体二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
CN118451516A (zh) 2024-08-06
WO2023127546A1 (ja) 2023-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200194831A1 (en) Solid electrolyte sheet, method for manufacturing same, and sodium ion all-solid-state secondary cell
TWI527289B (zh) Lithium ion secondary battery and manufacturing method thereof
KR102410194B1 (ko) 나트륨 이온 전지용 전극합재, 그 제조 방법 및 나트륨 전고체 전지
US9266780B2 (en) All solid state battery with densification additive
WO2018123479A1 (ja) リチウムイオン電池及びその製造方法
JP5299860B2 (ja) 全固体電池
JP5304168B2 (ja) 全固体電池
JP7218725B2 (ja) バイポーラ型全固体ナトリウムイオン二次電池
WO2021045039A1 (ja) 固体電解質シート及びその製造方法
US11552329B2 (en) Solid electrolyte sheet, method for producing same and all-solid-state secondary battery
WO2013100002A1 (ja) 全固体電池およびその製造方法
JPWO2018131627A1 (ja) ナトリウムイオン二次電池用電極合材及びその製造方法
JP7172245B2 (ja) 固体電解質シート及びその製造方法、並びに全固体二次電池
JP7205809B2 (ja) 電極付き固体電解質シート
WO2023127546A1 (ja) 固体電解質シート及びその製造方法
JP7070833B2 (ja) 固体電解質シート及びその製造方法、並びに全固体二次電池
JP7510118B2 (ja) 固体電解質シート及びその製造方法、並びに全固体二次電池
US11721836B2 (en) Solid electrolyte sheet, method for producing same and all-solid-state secondary battery
WO2024135358A1 (ja) 蓄電素子及び全固体二次電池
WO2024190592A1 (ja) 二次電池用電極及びその製造方法、並びに全固体二次電池
WO2024135357A1 (ja) 蓄電素子及び全固体二次電池
WO2024135616A1 (ja) 固体電解質シート及び全固体二次電池
US20230299285A1 (en) Positive electrode active material and lithium-ion secondary battery
WO2024135655A1 (ja) 全固体ナトリウムイオン二次電池
KR20240153428A (ko) 전고체 전지 및 그 제조 방법