JP2023096314A - 紋羽病の防除方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、時期を問わず使用することができ、高い防除効果を達成することができる紋羽病の防除方法を提供すること課題とする。【解決手段】ナノバブル水を果樹類が植えられた土壌に施用する工程を有し、上記ナノバブル水に含まれる気泡が、窒素を80~100体積%含有し、上記ナノバブル水の施用が、上記土壌の土中に直接灌注する方式によって行われる、紋羽病の防除方法。【選択図】なし

Description

本発明は、紋羽病の防除方法に関する。
リンゴ、ナシ、ブドウなどの果樹に見られる紋羽病は、紋羽病菌によって引き起こされる。
また、紋羽病菌は、糸状菌の一種で土壌伝染性があり、紋羽病菌が感染した果樹は、根が腐敗する特徴を示す。
さらに、紋羽病の罹病部の観察は容易でなく、地上部に症状が確認された時には、果樹そのものが枯死する場合が多い。
このような紋羽病の防除方法として、例えば、特許文献1には、「3-クロロ-N-(3-クロロ-5-トリフルオロメチル-2-ピリジル)-α,α,α-トリフルオロ-2,6-ジニトロ-p-トルイジン含有薬液を、灌注器を用いて落葉樹の生育期に施用して紋羽病を防除する紋羽病防除方法。」が開示されている。
特開2002-104907号公報
本発明者は、特許文献1などに記載された農薬等の化学物質を利用した土壌への灌注処理について検討したところ、果実の出荷時期との関係で紋羽病菌を防除するのに効率的な時期に農薬を投与できない場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、時期を問わず使用することができ、高い防除効果を達成することができる紋羽病の防除方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、窒素を所定量含有する気泡を有するナノバブル水を土壌の土中に直接灌注することにより、紋羽病に対する高い防除効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] ナノバブル水を果樹類が植えられた土壌に施用する工程を有し、
上記ナノバブル水に含まれる気泡が、窒素を80~100体積%含有し、
上記ナノバブル水の施用が、上記土壌の土中に直接灌注する方式によって行われる、紋羽病の防除方法。
[2] 上記ナノバブル水の溶存酸素濃度が0.5~3.0mg/Lである、[1]に記載の紋羽病の防除方法。
[3] 上記ナノバブル水の上記土壌への灌注が、上記果樹類1本に対して1回あたり上記ナノバブル水を50~200L供給する処理である、[1]または[2]に記載の紋羽病の防除方法。
[4] 上記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmである、[1]~[3]のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
[5] 上記ナノバブル水が、1×10~1×1010個/mLの気泡を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
[6] 上記果樹類が、リンゴ、ナシおよびブドウのいずれかである、[1]~[5]のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
本発明によれば、時期を問わず使用することができ、高い防除効果を達成することができる紋羽病の防除方法を提供することができる。
ナノバブル生成装置の一例を示す模式図である。 実施例2で用いた白紋羽病の影響を考慮して着果を見送ると判断されたナシの樹木の写真である。 図2に示した樹木の隣に存在する健体木の写真である。 実施例2で用いた樹木の収穫期の写真である。 図3に示した健体木の収穫期の写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の紋羽病の防除方法(以下、「本発明の防除方法」とも略す。)は、ナノバブル水を果樹類が植えられた土壌に施用する工程を有する防除方法である。
また、本発明の防除方法は、上記ナノバブル水に含まれる気泡が窒素を80~100体積%含有し、上記ナノバブル水の施用が上記土壌の土中に直接灌注する方式によって行われる。
ここで、紋羽病には、紫紋羽病(violet root rot)と白紋羽病(white root rot)が存在している。
また、「紫紋羽病」とは、糸状菌に属するヘリコバシディウム・モンパ(Helicobasidium monpa)によって引き起こされる植物病害の総称をいい、「白紋羽病」とは、子嚢菌類に属する白紋羽病菌(Rosellinia属に属する100種類以上の種のうち、Rosellinia necatrix、または、Rosellinia compacta)によって引き起こされる植物病害の総称をいう。
また、「灌注」とは、一般的に、薬剤を薄めた状態で土壌に注ぐ操作をいうが、本発明の防除方法においては、薬剤に代えて上記ナノバブル水を土壌に注ぐ操作をいう。
本発明においては、上述した通り、窒素を80~100体積%含有する気泡を有するナノバブル水を土壌の土中に直接灌注する方式で施用することにより、紋羽病に対する高い防除効果が得られる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
まず、紋羽病菌は、好気性細菌であることが知られており、土壌における地表から30cm程度までの領域に生息していることが知られている。
そのため、本発明においては、上記ナノバブル水を土壌の土中に直接灌注する方式で施用することにより、紋羽病菌の少なくとも一部が死滅または休止状態になったと推察される。
以下に、本発明の防除方法で用いる上記ナノバブル水および任意の成分について詳述する。
〔ナノバブル水〕
本発明の防除方法で用いるナノバブル水は、直径が1μm未満の気泡を含む水であって、上記気泡が窒素を80~100体積%含有する水(以下、「窒素NB水」とも略す。)である。
ここで、ナノバブル水に含まれる気泡の直径(粒子径)、ならびに、後述する気泡の最頻粒子径および気泡の個数は、水中の気泡のブラウン運動移動速度を、ナノ粒子トラッキング解析法を用いて測定した値であり、本明細書においては、ナノ粒子解析システム ナノサイトシリーズ(NanoSight社製)により測定した数値を採用する。
なお、ナノ粒子解析システム ナノサイトシリーズ(NanoSight社製)では、直径(粒子径)は、粒子のブラウン運動の速度を計測し、その速度から算出することができ、最頻粒子径は、存在するナノ粒子の粒子径分布から、モード径として確認することができる。
本発明においては、上記ナノバブル水の気泡に含まれる窒素の含有量は、紋羽病の防除効果がより向上する理由から、85~100体積%であることが好ましく、90~100質量%であることがより好ましく、95~100質量%であるこがさらに好ましい。
本発明においては、紋羽病の防除効果がより向上する理由から、上記ナノバブル水の溶存酸素濃度が0.5~3.0mg/Lであることが好ましく、1.0~2.5mg/Lであることが好ましく、1.5~2.0mg/Lであることがさらに好ましい。
ここで、溶存酸素濃度とは、大気圧下で上記ナノバブル水に溶解している酸素量のことをいい、市販の酸素濃度計で測定することができる。
本発明においては、紋羽病の防除効果がより向上する理由から、上記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmであることが好ましく、30~300nmであることがより好ましく、70~130nmであることが更に好ましい。
本発明においては、紋羽病の防除効果がより向上する理由から、上記ナノバブル水が、1×10~1×1010個/mLの気泡を有していることが好ましく、特に、気泡の生成時間と気泡の残存性のバランスが良好となる理由から、1×10個/mLより多く、1×1010個/mLより少ない気泡を有していることがより好ましく、5×10~5×10個/mLの気泡を有していることが更に好ましい。
上記ナノバブル水の生成方法としては、例えば、スタティックミキサー法、ベンチュリ法、キャビテーション法、蒸気凝集法、超音波法、旋回流法、加圧溶解法、および、微細孔法等が挙げられる。
ここで、本発明の防除方法は、上記ナノバブル水を施用する前に、上記ナノバブル水を生成させる生成工程を有していてもよい。すなわち、本発明の防除方法は、例えば、貯水タンク、井戸または農業用水などの水源から水をナノバブル生成装置に取り込み、ナノバブル水を生成させる生成工程と、生成したナノバブル水を施用する施用工程とを有する防除方法であってもよい。なお、水源からの水をナノバブル生成装置に取り込む手法としては、例えば、桶またはポンプ等を用いて水源から汲み上げた水をナノバブル生成装置に供給する手法、および、水源とナノバブル生成装置との間に敷設された流路をナノバブル生成装置に繋いで流路からナノバブル生成装置へ水を直接送り込む手法などが挙げられる。
また、上記ナノバブル水の生成方法としては、意図的にラジカルを発生させることがない装置を用いた生成方法が好ましく、具体的には、例えば、特開2018-15715号公報の[0080]~[0100]段落に記載されたナノバブル生成装置を用いて生成する方法が挙げられる。なお、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
意図的にラジカルを発生させることがない他のナノバブル生成装置としては、例えば、水を吐出する液体吐出機と、上記液体吐出機から吐出された水に、気体を加圧して混入させる気体混入機と、気体を混入させた水を内部に通すことにより、水中に微細気泡を生成する微細気泡生成器と、を有する微細気泡生成装置であって、上記気体混入機が、上記液体吐出機と上記微細気泡生成器の間において、加圧された状態で上記微細気泡生成器に向かって流れる液体に、気体を加圧して混入させることを特徴とする微細気泡生成装置が挙げられる。具体的には、図1に示すナノバブル生成装置を用いて生成する方法が挙げられる。
ここで、図1に示すナノバブル生成装置10は、その内部に液体吐出機30、気体混入機40、および、ナノバブル生成ノズル50を備える。
また、液体吐出機30は、ポンプによって構成され、ナノバブル水の原水(例えば、井戸水)を取り込んで吐出する。気体混入機40は、圧縮ガスが封入された容器41と、略筒状の気体混入機本体42とを有し、液体吐出機30から吐出された水を気体混入機本体42内に流しつつ、気体混入機本体42内に容器41内の圧縮ガスを導入する。これにより、気体混入機本体42内で気体混入水が生成されることになる。
また、ナノバブル生成ノズル50は、その内部に気体混入水が通過することにより、加圧溶解の原理に従って気体混入水中にナノバブルを発生させるものであり、その構造としては、特開2018-15715号公報に記載されたナノバブル生成ノズルと同じ構造が採用できる。ナノバブル生成ノズル50内に生成されたナノバブル水は、ナノバブル生成ノズル50の先端から噴出した後、ナノバブル生成装置10から流出し、不図示の流路内を通じて所定の利用先に向けて送水される。
以上のようにナノバブル生成装置10では、気体混入機40が、液体吐出機30とナノバブル生成ノズル50の間において、加圧された状態でナノバブル生成ノズル50に向かって流れる水(原水)に、圧縮ガスを混入させる。これにより、液体吐出機30の吸込み側(サクション側)で気体を水に混入させるときに生じるキャビテーション等の不具合を回避することができる。また、ガスが加圧(圧縮)された状態で水に混入されるので、ガス混入箇所での水の圧力に抗してガスを混入させることができる。このため、ガス混入箇所において特に負圧を発生させなくとも、ガスを適切に水に混入させることが可能となる。
さらに、液体吐出機30のサクション側に、井戸または水道等の水源から供給される水の流路が繋ぎ込まれており、その流路において液体吐出機30の上流側から液体吐出機30に流れ込む水の圧力(すなわち、サクション側の水圧)が正圧であるとよい。この場合には、上記の構成がより有意義なものとなる。すなわち、液体吐出機30の上流側の水圧(サクション圧)が正圧となる場合には、液体吐出機30の下流側でガスを水に混入させることになるため、液体吐出機30の下流側でもガスを適切に水に混入させることができるナノバブル生成装置10の構成がより際立つことになる。
また、上記ナノバブル水の生成に使用する水は特に限定されず、例えば、雨水、水道水、井水、農業用水、および、蒸留水等を使用することができる。
このような水は、ナノバブル水の発生に供される前に他の処理を施されたものであってもよい。他の処理としては、例えば、pH調整、沈殿、ろ過、および、滅菌(殺菌)等が挙げられる。具体的には、例えば、農業用水を使用する場合、典型的には、沈殿、および、ろ過のうちの少なくとも一方を施した後の農業用水を使用してもよい。
<任意の成分>
上記ナノバブル水は、他の成分を含んでいてもよい。
上記他の成分としては、例えば、肥料、界面活性剤、凍結防止剤、消泡剤、防腐剤、酸化防止剤、および、増粘剤等が挙げられる。他の成分の種類、および、含有量は特に限定されず、目的に応じて選択可能である。
ただし、本発明においては、上記他の成分として、上記ナノバブル水中においてラジカルを実質的に含まないことが好ましい。なお、「ラジカルを実質的に含まない」とは、上記ナノバブル水の生成に使用する水(例えば、不純物を含む井水)などに起因して不可避的にラジカルが含まれることを除外する意図ではなく、何らかの操作で生成させたラジカルを混入させることを除外する意図である。
〔施用(灌注)〕
本発明の防除方法においては、上記ナノバブル水の施用は、上記土壌の土中に直接灌注する方式によって行われる。
ここで、土中への直接灌注は、液肥注入機(例えば、株式会社永田製作所製のポアーノズル等)を土壌に挿入し、地表から10~30cm程度の位置で上記ナノバブル水を土中に噴霧する態様で行うことが好ましい。
上記ナノバブル水の土中への直接灌注は、紋羽病の防除効果がより向上する理由から、果樹類1本に対して1回あたり上記ナノバブル水を50~200L供給する処理であることが好ましく、果樹類1本に対して1回あたり上記ナノバブル水を75~150L供給する処理であることが好ましい。
また、上記ナノバブル水の土中への直接灌注の頻度は特に限定されないが、作業の効率の観点から、1月に1回程度であることが好ましい。
〔果樹類〕
本発明においては、上記ナノバブル水を施用する土壌に植えられる果樹類は、紋羽病が発症しうる果樹類であれば特に限定されない。
このような果樹類としては、具体的には、例えば、リンゴ、ナシ、ブドウ、ビワ、イチジク、キウイフルーツ、モモ、ウメ、オウトウ、アンズ、スモモ、カキ、カンキツ、クリ、クワ、チャ、サクラ、カシ、ナラ、ポプラ、カエデ、ツバキ、ツツジ、バラ、キク、オモト、シャクヤクなどが挙げられる。
これらのうち、本発明の効果が顕在化する理由から、リンゴ、ナシおよびブドウのいずれかであることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
実施例1では、2020年4月~2020年10月にかけて千葉県白井市で栽培したナシ(品種:幸水)を対象として行った。
具体的には、2020年4月時点で白紋羽病の影響を考慮して着果を見送ると判断されたナシの樹木(1本)が植えられた土壌に対して、後述する方法で生成した窒素NB水を以下の灌注条件で、土壌の土中(深さ30cm)に直接灌注する方式で施用した。
<灌注条件>
・水量:100L/回
・頻度:1回/月
・使用装置:液肥注入機(ポアーノズル、株式会社永田製作所製)
<窒素NB水の生成方法>
窒素NB水は、ナノバブル生成装置〔株式会社カクイチ製作所 アクアソリューション事業部(現:株式会社アクアソリューション)製、100V,10L/minタイプ〕を用いて加圧溶解方式にて水中に気泡(ナノバブル)を発生させることで生成した。
なお、ナノバブル水の生成用に使用した水には、井戸水(溶存酸素濃度:6.0mg/L)を用い、気泡を構成する気体には、窒素(工業用窒素、濃度:99.9体積%)を用いた。
また、上記のナノバブル生成装置を用いてナノバブルを発生させる条件は、ナノ粒子解析システム ナノサイトLM10(NanoSight社製)による解析結果が以下となる条件で行った。
・水1mL当たりの気泡の数:5×10個/mL
・気泡の最頻粒子径:100nm
・溶存酸素濃度:1.5~2.0mg/L
<白紋羽病の防除効果の評価>
ナシの果実を2020年8月に収穫した。なお、上述した灌注は、収穫後の2020年10月まで行った。
その結果、同時期に栽培された白紋羽病の影響を受けていない健体木と比較しても、同等以上に肥大した果実が得られ、新梢も伸びていることが確認できた。なお、灌注処理に農薬を使用していないため、得られた果実には、残留農薬は検出されなかった。
また、葉の色や、樹勢についても、健体木と同程度に回復していることが確認できた。
以上から、実施例1で用いた樹木の白紋羽病は防除されたと判断した。
[実施例2]
実施例2では、2020年10月~2021年10月にかけて千葉県白井市で栽培したナシ(品種:幸水)を対象として行った。
具体的には、2020年10月時点で白紋羽病の影響を考慮して着果を見送ると判断されたナシの樹木(図2)を利用し、また、窒素NB水として以下に記載する「BIB(BAG IN BOX)〔880Kテナー(MW-10NH-K00-A) IS 1907、大倉工業製〕」を用いた以外は、実施例1と同様の条件で灌注を行った。なお、図2に示す樹木の隣に存在する健体木(図3)と比較すると、図2に示す樹木は、白紋羽病の影響で、上に伸びる新梢が少ないことが分かる。
<BIB(BAG IN BOX)>
・水1mL当たりの気泡の数:5×10個/mL
・気泡の最頻粒子径:100nm
・溶存酸素濃度:1.5~2.0mg/L
<白紋羽病の防除効果の評価>
ナシの果実を2021年8月に収穫した。図4に、図2に示した樹木の収穫期の樹木を示す。なお、上述した灌注は、収穫後の2021年10月まで行った。
その結果、同時期に栽培された白紋羽病の影響を受けていない健体木(図5)と比較しても、同等以上に肥大した果実が得られ、新梢も伸びていることが確認できた。なお、灌注処理に農薬を使用していないため、得られた果実には、残留農薬は検出されなかった。
また、葉の色や、樹勢についても、健体木と同程度に回復していることが確認できた。
以上から、実施例2で用いた樹木の白紋羽病は防除されたと判断した。
[比較例1]
比較例1では、2020年10月以降、千葉県白井市で栽培したナシ(品種:幸水)を対象として行った。
具体的には、2020年10月時点で白紋羽病の影響を考慮して着果を見送ると判断されたナシの樹木(1本)を利用し、また、窒素NB水に代えて、井戸水(溶存酸素濃度:6.0mg/L)で希釈した農薬(フロンサイド)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で灌注を行った。
なお、比較例1においては、2021年3月まで灌注を行ったが、葉の色や樹勢に回復が見られなかったことから、花を取り去り、着果を見送った。
10 ナノバブル生成装置
30 液体吐出機
40 気体混入機
41 容器
42 気体混入機本体
50 ナノバブル生成ノズル

Claims (6)

  1. ナノバブル水を果樹類が植えられた土壌に施用する工程を有し、
    前記ナノバブル水に含まれる気泡が、窒素を80~100体積%含有し、
    前記ナノバブル水の施用が、前記土壌の土中に直接灌注する方式によって行われる、紋羽病の防除方法。
  2. 前記ナノバブル水の溶存酸素濃度が0.5~3.0mg/Lである、請求項1に記載の紋羽病の防除方法。
  3. 前記ナノバブル水の前記土壌への灌注が、前記果樹類1本に対して1回あたり前記ナノバブル水を50~200L供給する処理である、請求項1または2に記載の紋羽病の防除方法。
  4. 前記ナノバブル水に含まれる気泡の最頻粒子径が10~500nmである、請求項1~3のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
  5. 前記ナノバブル水が、1×10~1×1010個/mLの気泡を有する、請求項1~4のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
  6. 前記果樹類が、リンゴ、ナシおよびブドウのいずれかである、請求項1~5のいずれかに記載の紋羽病の防除方法。
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