JP2023095475A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】コギングトルク性能を低下させることなく巻線の断線および異音の発生を抑制することができる回転電機を提供する。【解決手段】回転電機10は、ステータコア22と、ステータコア22のティース52に嵌められた筒状のボビン53と、ボビン53に巻かれた巻線23とを備える。ステータコア22は、環状のバックヨーク51、および、バックヨーク51から径方向内側に突き出す一定幅のティース52を有する。回転電機10は非磁性リング64をさらに備える。非磁性リング64は、バックヨーク51と同心に配置された環状部材であり、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように当該ボビン53の径方向内側の内端部63を支持する。【選択図】図5
Description
本発明は、回転電機に関する。
筒状のボビンに電線を巻いて巻線を形成し、そのボビンをステータコアのティースに挿入して作られたステータが知られている。特許文献1に開示されたステータは、ボビンが挿入された分割コアを周方向に並べ、それらの分割コアに外周リングおよび内周リングを圧入して作られる。内周リングは、磁性部と非磁性部とが周方向に交互に配置されるように一体成形されている。
ティースに挿入されたボビンが径方向に移動すると、巻線が断線したり異音が発生したりするおそれがある。特許文献1では、内周リングがボビンの径方向内側への移動を規制する。しかし、内周リングの磁性部はステータの磁極を構成するため、内周リングの部品精度および組付け精度が低いとコギングトルク性能が低下する。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コギングトルク性能を低下させることなく巻線の断線および異音の発生を抑制することができる回転電機を提供することである。
本発明の回転電機は、ステータコア(22)と、ステータコアのティース(52)に嵌められた筒状のボビン(53)と、ボビンに巻かれた巻線(23)とを備える。ステータコアは、環状のバックヨーク(51)、および、バックヨークから径方向内側に突き出す一定幅または先細りのティースを有する。回転電機は、非磁性リング(64)をさらに備える。非磁性リングは、バックヨークと同心に配置された環状部材であり、ボビンの径方向内側への移動を規制するように当該ボビンの径方向内側の内端部(63)を支持する。
非磁性リングによりボビンの径方向内側への移動が規制されるため、ボビンの移動に起因した巻線の断線および異音の発生を抑制することができる。また、ボビンを支持するリングが非磁性であるため、非磁性リングの部品精度や組付け精度が低くてもコギングトルク性能に影響しない。
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
図1および図2に示すように回転電機10は、モータ20と制御ユニット40とが一体に設けられた機電一体型である。制御ユニット40は、外部から入力される情報や制御ユニット40内部で検出したモータ電流等の情報に基づき、モータ20が所望のトルクを発生するように制御を行う。モータ20のトルクは、回転軸26の出力端から外部に出力される。
図1および図2に示すように回転電機10は、モータ20と制御ユニット40とが一体に設けられた機電一体型である。制御ユニット40は、外部から入力される情報や制御ユニット40内部で検出したモータ電流等の情報に基づき、モータ20が所望のトルクを発生するように制御を行う。モータ20のトルクは、回転軸26の出力端から外部に出力される。
以下、モータ20の回転軸心Oに平行な方向を軸方向と記載する。また、回転軸心Oに直交する方向のことを径方向と記載する。また、回転軸心Oまわりの方向を周方向と記載する。
制御ユニット40は、モータ20に対して軸方向の一方に配置されており、基板41、カバー42、およびコネクタ43等を備える。基板41には、モータ20の回転角を検出する回転角センサ44、スイッチング動作してモータ20の通電状態を切り替えるモータ駆動素子45、および、各種情報に基づき演算を行ってモータ駆動素子45等に制御信号を送る制御回路46等が実装されている。
カバー42は、基板41を覆うように設けられ、ハウジング31に例えば接着等により固定されている。コネクタ43は、制御ユニット40を外部につなぐためのものであり、カバー42の開口部47を通じて外部まで延び出している。
モータ20は、三相ブラシレスモータであって、ステータ21と、ロータ25と、それらを収容したハウジング31とを備える。ステータ21は、ハウジング31に固定されたステータコア22と、ステータコア22に組み付けられた巻線23とを有する。巻線23は、リード線24により制御ユニット40に接続されている。ロータ25は、リア軸受35およびフロント軸受36により支持されている回転軸26と、回転軸26に固定されたロータコア27とを有する。回転軸26の一端部には永久磁石28が設けられている。
ハウジング31は、筒状のモータケース32と、モータケース32の一端に設けられたリアフレームエンド33と、モータケース32の他端に設けられたフロントフレームエンド34とを有する。リアフレームエンド33とフロントフレームエンド34は、図示しないボルトにより互いに締結されている。
図1~図3に示すようにステータコア22は、環状のバックヨーク51と、バックヨーク51から径方向内側に突き出す複数のティース52とを有する。ティース52の周方向の幅は一定である。ステータコア22は、磁性材料の薄板が軸方向に積層されてなる積層体であり、周方向に非分割となっている一体コアである。ティース52には、筒状に形成されたインシュレータとしての樹脂製のボビン53が嵌められている。
ボビン53は、ティース52が挿入された筒部61と、ボビン53の径方向外側に形成されたフランジ状の外端部62と、ボビン53の径方向内側に形成されたフランジ状の内端部63とを有する。巻線23は、外端部62と内端部63との間で電線が筒部61に巻き付けられてから、ボビン53と共にティース52に組み付けられる。
回転電機10は、非磁性リング64をさらに備える。非磁性リング64は、バックヨーク51と同心、すなわち回転軸心O上に配置された環状部材である。非磁性リング64は、周方向に並ぶ複数の内端部63に対して径方向内側に隣接して設けられており、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように内端部63を支持する。
非磁性リング64は、例えばステンレス鋼などの非磁性金属からなり、径方向の厚みが薄肉となるように形成されている。非磁性リング64は、ボビン53の軸方向の両側に1つずつ配置されている。ボビン53および非磁性リング64は共にティース52の径方向内側の先端面65よりも径方向外側に配置されている。
内端部63は、軸方向のティース52側で径方向外側へ凹む凹部66と、軸方向においてティース52とは反対側に形成された爪部67とを有する。非磁性リング64は、爪部67の傾斜面68に案内されながら軸方向へ押圧されることで、径方向へ撓みながら爪部67を乗り越えて凹部66に嵌まり、ボビン53に組み付けられる。爪部67は、非磁性リング64の抜け止め部となる。凹部66の底面69は、非磁性リング64に沿った円弧状に形成されている。底面69は、非磁性リング64がボビン53を支えるときの支持面となっている。
(効果)
以上説明したように、第1実施形態では、回転電機10は非磁性リング64を備える。非磁性リング64は、バックヨーク51と同心に配置された環状部材であり、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように当該ボビン53の径方向内側の内端部63を支持する。非磁性リング64によりボビン53の径方向内側への移動が規制されるため、ボビン53の移動に起因した巻線23の断線および異音の発生を抑制することができる。また、ボビン53を支持するリングが非磁性であるため、非磁性リング64の部品精度や組付け精度が低くてもコギングトルク性能に影響しない。
以上説明したように、第1実施形態では、回転電機10は非磁性リング64を備える。非磁性リング64は、バックヨーク51と同心に配置された環状部材であり、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように当該ボビン53の径方向内側の内端部63を支持する。非磁性リング64によりボビン53の径方向内側への移動が規制されるため、ボビン53の移動に起因した巻線23の断線および異音の発生を抑制することができる。また、ボビン53を支持するリングが非磁性であるため、非磁性リング64の部品精度や組付け精度が低くてもコギングトルク性能に影響しない。
また第1実施形態では、非磁性リング64はボビン53の軸方向両側に配置されている。これによりボビン53を軸方向の偏りなくバランス良く支持することができる。
また第1実施形態では、ステータコア22は、バックヨーク51が周方向に非分割となっている一体コアである。これにより、バックヨーク51が周方向に分割された分割コアの場合の課題である、各分割コアを一体化するときの組付け精度の低さに伴うモータ性能低下を改善することができる。
また第1実施形態では、非磁性リング64は、ティース52の径方向内側の先端面65よりも径方向外側に配置されている。これによりステータ21の磁気回路の設計自由度が向上する。つまり、ステータ21とロータ25との間に非磁性リング64を配置してエアギャップが拡がることに伴う磁気特性の低下を回避することができる。
[第2実施形態]
図6および図7に示すように、第2実施形態では、内端部63は、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように、周方向で隣り合う他の内端部63に接触している。具体的には、内端部63の周方向両側に位置する周方向端面71は、径方向に沿う平面となっており、周方向で隣り合う他の内端部63の周方向端面71に面接触している。これによりボビン53が径方向内側へ移動しようとするときの荷重を他のボビン53が受け止め、非磁性リング64にかかる荷重が低減する。そのため、非磁性リング64の剛性を下げることができ、非磁性リング64の設計自由度が上がる。
図6および図7に示すように、第2実施形態では、内端部63は、ボビン53の径方向内側への移動を規制するように、周方向で隣り合う他の内端部63に接触している。具体的には、内端部63の周方向両側に位置する周方向端面71は、径方向に沿う平面となっており、周方向で隣り合う他の内端部63の周方向端面71に面接触している。これによりボビン53が径方向内側へ移動しようとするときの荷重を他のボビン53が受け止め、非磁性リング64にかかる荷重が低減する。そのため、非磁性リング64の剛性を下げることができ、非磁性リング64の設計自由度が上がる。
[他の実施形態]
他の実施形態では、非磁性リングは、例えばC字状のように周方向の一部が切欠かれた形状であってもよい。要するに非磁性リングは全てのボビンを支持できればよい。
他の実施形態では、非磁性リングは、例えばC字状のように周方向の一部が切欠かれた形状であってもよい。要するに非磁性リングは全てのボビンを支持できればよい。
他の実施形態では、非磁性リングは軸方向の片側だけに設けられてもよい。それでもボビンの径方向内側への移動を規制できればよい。
他の実施形態では、ステータコアが分割コアであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10 回転電機、22 ステータコア、23 巻線、51 バックヨーク、
52 ティース、53 ボビン、64 非磁性リング。
52 ティース、53 ボビン、64 非磁性リング。
Claims (5)
- 環状のバックヨーク(51)、および、前記バックヨークから径方向内側に突き出す一定幅または先細りのティース(52)、を有するステータコア(22)と、
前記ティースに嵌められた筒状のボビン(53)と、
前記ボビンに巻かれた巻線(23)と、
前記バックヨークと同心に配置された環状部材であり、前記ボビンの径方向内側への移動を規制するように当該ボビンの径方向内側の内端部(63)を支持する非磁性リング(64)と、
を備える回転電機。 - 前記非磁性リングは前記ボビンの軸方向両側に配置されている、請求項1に記載の回転電機。
- 前記ステータコアは、前記バックヨークが非分割となっている一体コアである、請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記非磁性リングは、前記ティースの径方向内側の先端面(65)よりも径方向外側に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記内端部は、前記ボビンの径方向内側への移動を規制するように、周方向で隣り合う他の前記内端部に接触している、請求項1~4のいずれか一項に記載の回転電機。
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- 2021-12-24 JP JP2021211395A patent/JP2023095475A/ja active Pending
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