JP2023095086A - デジタル資産の貸借システム - Google Patents

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Abstract

【課題】与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用可能な、デジタル資産の貸借システムの提供。【解決手段】デジタル資産貸借申込受付手段11、貸借管理用スマコン12を備える。スマコン12は、借入対象である第2のデジタル資産を貸し手の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である第1のデジタル資産を借り手の第1のアドレスから受け付け、第2のデジタル資産を第1のアドレスへ貸し出すとともに、第1のデジタル資産を当該スマコン内の所定アドレスで保管する機能と、第1及び第2のデジタル資産についてのアドレス、銘柄及び数量を記録する機能と、借り手からの第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、第1のデジタル資産を第1のアドレスへ戻すと同時に、第2のデジタル資産及び支払われた金利を第2のアドレスへ戻す機能を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、経済的な価値をデジタルで表現可能な、トークンやデジタル通貨等のデジタル資産の貸借システムに関する。
なお、本願明細書における「システム」とは、コンピュータや他の電子機器、ソフトウェア、通信ネットワーク、データなどの要素を組み合わせて構成された、ソフトウェアによる情報処理を、ハードウェア資源を用いて具体的に実現するコンピュータシステムを意味する。
世界の主要な商品取引所では、商品等の経済的価値を各国の発行する通貨で表示した取引が行われている。
近年、デジタル化技術により、資産の経済的価値をデジタルで表現した、トークン等のデジタル資産が取引され易くなっている。
特に定型化された経済的価値を有する資産、例えば、コモディティ(商品取引所で取引されている商品等)類は、デジタル資産として取引することのできる特性が強い。
しかし、従来の商品取引所には、トークン等のデジタル資産の取引注文を処理するシステムは構築されていない。
本件発明者は、デジタル資産を用いた取引注文を処理するシステムの構築のために、考察・検討を重ね、その過程において、デジタル資産を有効に活用するための方策を見出した。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、トークンなどのデジタル資産について、与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用することが可能な、デジタル資産の貸借システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明によるデジタル資産の貸借システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、FT(Fungible Token)と称される大量に発行されているメジャーなデジタル資産と、NFT(Non-Fungible Token)と称される少量発行で、内部に機能属性が設定されているデジタル資産とを貸借の対象として用いる、デジタル資産の貸借システムであって、画面上に、借り入れ・貸し出しの区別、借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、金利、貸借期間、担保の有・無、担保対象とする第1のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量を有して構成される貸借条件の入力指定項目を有し、デジタル資産貸借の申込を受け付けるデジタル資産貸借申込受付手段と、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた、借り手及び貸し手からの貸借の申込内容に基づき、デジタル資産の貸借及び管理を行う貸借管理用スマートコントラクトを少なくとも備え、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有することを特徴としている。
(1)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とをマッチングする貸借条件マッチング機能。
(2)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記借り手の借入対象である前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、前記第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
(3)前記借り手及び前記貸し手のブロックチェーン上における、前記第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(4)前記借り手からの前記第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、前記第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ戻す機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(5)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、対当しない部分について、前記貸し手を相手方とする第2の借り手として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、前記借り手を相手方とする第2の貸し手として当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記デジタル資産貸借申込受付手段は、借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により入力指定された貸借条件を提示するための、相手方貸借条件提示領域と、提示した1以上の相手方の貸借条件のうちから当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択する選択項目をさらに有し、前記相手方貸借条件提示領域に提示されている1以上の相手方の貸借条件のうちから、当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目に選択入力したときに、当該選択した相手方の貸借条件に基づいて当該借り手または貸し手によるデジタル資産貸借の申込を受け付け、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有することが好ましい。
(6)当該借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により既に入力指定されている貸借条件を、前記デジタル資産貸借申込受付手段の前記相手方貸借条件提示領域に提示する機能。
(7)当該借り手または貸し手の選択入力した貸借条件の相手方が、当該借り手または貸し手の貸借条件に合意した場合、その旨を前記デジタル資産貸借申込受付手段の所定領域に表示する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(8)金利が前記借り手より支払われたときに、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出す機能。
(9)前記第2のデジタル資産を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(10)前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた所定の貸借期間経過後、前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管している金利を当該貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ移動する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借期間が1日単位であり、貸借契約の解除を受け付ける入力項目を有するデジタル資産貸借契約解除申込受付手段をさらに有し、前記貸借管理用スマートコントラクトは、次の機能をさらに有することが好ましい。
(11)前記デジタル資産貸借契約解除申込受付手段が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(12)貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産とは別銘柄のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記デジタル資産貸借申込受付手段は、前記借り手が、前記貸し手から借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクトで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする前記第1のデジタル資産として、当該借り手からの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付けることが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトが当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで担保として保管する前記第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する機能を有する担保力算出用スマートコントラクトをさらに備え、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(13)前記担保力算出用スマートコントラクトが算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、デジタル資産の管理を行う資産管理用スマートコントラクトをさらに備え、前記資産管理用スマートコントラクトは、前記貸借管理用スマートコントラクトから当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクトに差し入れる機能を有することが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトから担保の追加要求があったときに、所定期間内に前記資産管理用スマートコントラクトから前記貸借管理用スマートコントラクトへの不足分の担保の差し入れがない場合、前記貸借管理用スマートコントラクトが担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する機能を有する担保強制売却用スマートコントラクトをさらに備えることが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(14)前記担保強制売却用スマートコントラクトによる担保の強制売却における貸し手の資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクトに当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手の金利の一部から支払う機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトが管理するデジタル資産の貸し手及び借り手のブロックチェーン上のアドレスは、当該デジタル資産の保有者を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、前記口座には、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産の情報が管理され、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報が口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるようにすることが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する機能を有する担保率管理用スマートコントラクトをさらに備え、前記担保力算出用スマートコントラクトは、前記担保率管理用スマートコントラクトによって前記所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、前記第1のデジタル資産の担保力を算出することが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有し、証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理する複数のサービス提供用スマートコントラクトをさらに有し、各々の前記サービス提供用スマートコントラクトには、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定され、各々の前記サービス提供用スマートコントラクトは、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する機能を備え、前記担保率管理用スマートコントラクトは、前記各々のサービス提供用スマートコントラクトを介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する機能を有することが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、トークンを自動的に生成するトークン生成用スマートコントラクトをさらに備え、前記トークン生成用スマートコントラクトは、前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能を有し、前記デジタル資産貸借申込受付手段がデジタル資産の貸借を受け付けたとき、自動的に一時的処理データからトークンを生成し、生成したトークンを前記貸借管理用スマートコントラクトに渡すことが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記一時的処理データ管理手段で管理するための一時的処理データにおける前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段で管理するための前記第2価値構成要素が設定されたデータにおける前記第2価値構成要素の設定・変更を受け付けるトークン構成要素設定・変更受付手段をさらに有することが好ましい。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(15)複数の借り手同士の貸借条件をマッチングする第2の貸借条件マッチング機能。
(16)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記第1の借り手の借入対象であり、かつ、前記第2の借り手の担保対象である前記第2のデジタル資産を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスから受け入れ、当該第2のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、前記第1の借り手の担保対象である前記第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、当該第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
(17)前記第1の借り手及び前記第2の借り手のブロックチェーン上における、当該第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第3のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(18)前記第1の借り手からの当該第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、当該第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、当該第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスへ戻す機能。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することが好ましい。
(19)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部、あるいは、第2の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第1の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致しない場合、対当しない部分について、前記第1の借り手を相手方とする第3の貸し手として前記第1の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付けるとともに、前記第2の借り手を相手方とする第4の貸し手として前記第2の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
本発明によれば、トークンなどのデジタル資産について、与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用することが可能な、デジタル資産の貸借システムが得られる。
本発明の第1実施形態に係るデジタル資産の貸借システムの全体構成を概略的に示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおけるデジタル資産貸借申込受付手段の構成を概略的に示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおけるデジタル資産貸借申込受付手段の画面構成を概念的に示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わる他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける貸借管理用スマートコントラクトに備わるさらに他の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける担保力算出用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける資産管理用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける担保強制売却用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける担保率管理用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける各々のサービス提供用スマートコントラクトに備わる共通の処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける一時的処理データ管理手段に備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおける第2価値構成要素設定データ管理手段に備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおけるトークン生成用スマートコントラクトに備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおけるトークン構成要素設定・変更受付手段に備わる処理機能を示す説明図である。 図1のデジタル資産の貸借システムにおけるデジタル資産貸借契約解除申込受付手段に備わる処理機能を示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯、及び本発明の作用効果について説明する。
上述のとおり、従来の商品取引所には、ブロックチェーンなどの分散技術で管理されるトークン等のデジタル資産の取引注文を処理するシステムは構築されていない。
本件発明者は、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えた、デジタル資産を用いた取引注文を処理するシステムの構築のために、考察・検討を重ねた。
その考察・検討の過程において、デジタル資産を有効に活用するための方策を次のようにして見出した。
一時的処理データ
トークン(以下、コイン属性を含む資産をデジタルで表現したもの)などは本来、デジタルデータの管理においてコピーできない技術で表現される価値である。
ただし、データ移動などの制御等において、秘密鍵での管理の問題から発生する、トークンの流出問題などを解決するため、本件発明者は、トークンの構成形態を無効・有効な形態に変えた一時的処理データを着想した。
一時的処理データは、トークンの保有者自らの意思により、トークンの無効化・有効化を定義できるように構成し、ブロックチェーンを介して管理されるようにする。トークンを無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者は一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークンにすることができず、トークンの保有者は、流出した一時的処理データを消却し、再度、トークンとは構成形態の異なる一時的処理データを定義することでトークンの流出事故を防ぐことができると考えられる。
トークンのレンディング(貸借)
本件発明者は、この一時的処理データの技術を応用したものとして、トークンのレンディング(貸借)について考察・検討した。
レンディングにおいては、与信を考慮する必要があるが、デジタル処理において、機械的に信用力を定義することは難しい。そこで、本件発明者は、まず、与信を考えずに、担保管理を確実に行うことで、トークンの貸借を実現するための方策について考察・検討した。
トークンのレンディングのタイプ
トークンのレンディングのタイプとしては、基本的には2つのタイプが存在すると考えられる。
(第1のタイプ)トークンがFT(Fungible Token)と称される、大量発行されているメジャーなデジタル資産である場合のレンディング
第1のタイプは、トークンが、例えば(基本的に発行量が可変である)デジタルコインのように、FT(Fungible Token)と称される、大量に発行されているメジャーなデジタル資産である場合のレンディングである。
第1のタイプのレンディングでは、貸し手が、メジャーなデジタル資産(例えばデジタルコイン)を貸し出すときに、借り手から何等かのトークン(担保になり得る所定銘柄と担保率がマスタ情報として別途データ管理上で記録・メンテナンスされているもの)を担保として受け取る。
本件発明者は、第1のタイプのレンディングでは、大量発行されているメジャーなデジタル資産(例えば、デジタルコイン)と担保になり得る何等かのトークンの管理を貸借管理スマートコントラクトで行い、貸借管理スマートコントラクトに対して、デジタルコインと担保になり得る所定銘柄のトークンの双方が預けられ、デジタルコインの貸し出しに対して、貸借管理スマートコントラクトが担保として預けられた所定銘柄のトークンを貸借管理スマートコントラクトの所定管理アドレスにて保管するようにすることを考えた。
そして、貸借管理スマートコントラクト自体が、貸借内容(ブロックチェーン上のどのアドレスから、どのような銘柄のトークンをどれだけの数量)を記録し、貸し出したデジタルコインが返済された(貸し出したデジタルコインと同質のデジタルデータが移動により貸借管理スマートコントラクトに戻された)ときに担保として貸借管理スマートコントラクトの所定管理アドレスにて保管する所定銘柄のトークンが借り手であるトークン所有者のブロックチェーン上のアドレスへ戻されると同時に、返済されたデジタルコインが貸し手であるデジタルコイン所有者のブロックチェーン上のアドレスへ、借り手から支払われた金利と共に戻されるようにすることを考えた。
なお、デジタルコインが担保になり、何等かのトークンが貸し出される逆のパターンもあり得るが、第1のタイプのレンディングは、あくまでメジャーなデジタルコインを主体としたものである。
(第2のタイプ)トークンがNFT(Non-Fungible Token)と称される、少量発行で、トークン内に機能属性が設定されているデジタル資産である場合のレンディング
第2のタイプは、トークンがNFT(Non-Fungible Token)と称される、少量発行(基本的に発行量が固定、発行個数が1など)の場合が多く、トークン内に機能属性(ゲームで使う場合は、アイテムやキャラクターなどの情報等)が設定されているデジタル資産である場合のレンディングである。
本件発明者は、第2のタイプのレンディングでは、第1のタイプのメジャーなデジタル資産のレンディングと同様の処理を行う場合であっても、貸し出すトークン自体に、強制的に貸し手であるトークン所有者のブロックチェーン上のアドレスへ指定期間経過後(例えば2日後など)に戻る設定がされるようにすることを考えた。
貸し出すトークンを貸し手に強制的に返却する設定(強制返却設定の要・否、返却期間)は、貸し手、借り手が確認でき、基本的にはトークンを貸し出すときに設定されるようにする。
第2のタイプのレンディングの場合、貸し出したデジタル資産がかならず一定期間経過後に戻ることから、担保は特には必要とせずに、担保の代わりに金利が貸借管理スマートコントラクト内で設定されるようにし、借り手から金利が事前に支払われることによってトークンの貸し出しが可能になり、トークンが貸し出されている間は、支払われた金利は貸借管理スマートコントラクトの所定管理アドレスで預かるようにすることを考えた。
なお、このトークンの貸し出しの制御は、トークン自体に特性として機能を有しても良いし、そのトークンを扱う貸借管理スマートコントラクトが、制御機能を有するようにしても良いと考えた。
レンディングの例
次に、本件発明者は、第1のタイプのレンディングの例として、トークン所有者A、貸金業者B、空売り所望者Cの3者が存在する場合について考えた。
A-1、B-1、C-1が夫々、トークン所有者A、貸金業者B、空売り所望者Cのアドレスであり、貸金業者BのアドレスB-1のデータがスマートコントラクトで処理される場合、B-1はスマートコントラクトの管理アドレスであるが、トークン所有者Aと空売り所望者Cのブロックチェーン上での同じアドレスB-1のデータの処理でもある。
また、スマートコントラクトで処理される貸金業者BのアドレスB-1のデータは、貸金業者Bのブロックチェーン上のアドレスでもある。
ここでは、トークン所有者Aは貸金業者Bから現金(銘柄Yのデジタル通貨)を借りることを所望し、空売り所望者Cは銘柄Xのトークンを借りて売ることを所望しているものとする。
その場合、トークン所有者Aは貸金業者Bに対し、トークン所有者AのアドレスA-1から貸金業者BのアドレスB-1に数量1、銘柄Xのトークンを担保として差し出し、数量1の銘柄Xのトークンの価値に相当する数量1、銘柄Yのデジタル通貨を、貸金業者BのアドレスB-1からトークン所有者AのアドレスA-1に移動させるようにする。
貸金業者Bは空売り所望者Cに対し、貸金業者BのアドレスB-1から空売り所望者CのアドレスC-1に数量1、銘柄Xのトークンを貸し出し、空売り所望者CのアドレスC-1から担保として数量1、銘柄Yのデジタル通貨を貸金業者BのアドレスB-1が受け取るようにする。
つまり、貸金業者BのアドレスB-1では差し引きゼロでリスクがない状態であり、これがスマートコントラクトのレンディング機能の一つであると考えた。上記の例の場合、貸金業者Bが、借り手Aと借り手Cの間に入ることで、流動性が調整されることになる。
スマートコントラクトによる貸借処理
そして、本件発明者は、貸借の対象となるトークンがFT(Fungible Token)と称される、大量に発行されているメジャーなデジタル資産である場合、スマートコントラクトが、借り手と貸し手の貸借条件をマッチングし、貸借条件が一致する部分について貸借処理を行うようにすることを考えた。
また、本件発明者は上記の場合において、借り手と貸し手の貸借条件が不一致となる部分については、スマートコントラクトが、貸し手を相手方とする第2の借り手、借り手を相手方とする第2の貸し手となって貸借処理を行うようにすることを考えた。
さらに、本件発明者は、貸借の対象となるトークンがNFT(Non-Fungible Token)と称される、少量発行で、トークン内に機能属性が設定されているデジタル資産である場合、借り手には貸し手の貸借条件、借り手には貸し手の貸借条件を夫々提示するとともに、借り手と貸し手とが合意可能な相手方の貸借条件を選択できるようにし、貸し手と借り手の双方で貸借条件について合意ができたものについて貸借処理を行うようにすることを考えた。
担保と売買の違い
なお、担保は売買ではない。このため、例えば、数量1、X銘柄のトークンの所有権はトークン所有者Aが、数量1、銘柄Yのデジタル通貨の所有権は空売り所望者Cが、夫々有している。そこで、本件発明者は、担保として差し出したデジタル資産の所有権を、トークン所有者A、空売り所望者Cが夫々有していることに伴う留意点について考察・検討した。
即ち、担保管理者は、担保として受けたものを自由に使用することができるが、レンディング(貸借)契約の解消時には担保として受けたものを所有者に返却する必要がある。
レンディング解除時の処理
また、本件発明者は、上記レンディングを貸借契約として捉え、貸借契約の解除時の処理について考察・検討した。
そして、本件発明者は、本件における貸借契約は基本的に1日単位(半日など違う設定も可能)で処理されるようにすることを考えた。
そして、貸借契約解除の意思表示をしても、日付が変わる時間までは、貸借契約解除の処理が実行されないようにすることを考えた。
一方、その日付が変わる時間までに、貸借契約解除の意思表示がされなければ貸借契約が継続されるようにすることを考えた。
金利の発生
また、本件発明者は、トークンの貸借調達はレンディング機能(スマートコントラクト)が行うが、1日単位のレポ金利の条件で貸借契約が締結されることから、貸借取引には当該金利のやりとりが発生することを考えた。
トークンの所有による権利の発生
また、本件発明者は、トークンについても、所定量の所有による権利が定期的に発生することを考えた。
例えば、銘柄Xのトークンを数量100所有していることを条件として、映画のチケット(デジタル版)を受け取ることができる権利などが発生し得る。
トークンの所有により発生した権利については、別銘柄のトークンで表現し、その権利の発生時に元の銘柄のトークンを所有しているトークン所有者のアドレスへ、元の銘柄のトークンの所有数量に応じて配分されるようにすることを考えた。
トークンには、このような定期的な所定量の所有による権利発生に伴うサービスがあるため、サービスの区切り単位は1日(トークン発行者が日本国内に在住の場合、日本の日付変更時間が基準)が基本となり、貸借も1日単位で処理されるようにすることを考えた。
なお、正しくは、トークンの所有による権利発生に伴う処理があるため、現実的には、日付変更時刻よりも10分程度前側に、貸借の処理終了時刻をずらすようにする。
トークン所有者Aが貸借契約の解消を所望する場合、貸金業者BのアドレスB-1に返済分の数量1、銘柄Yのデジタル通貨と金利相当を渡すことで、貸金業者BのアドレスB-1から日付が変更となる時点で数量1、銘柄Xのトークンがトークン所有者AのアドレスA-1に返却される。
トークン所有者AのアドレスA-1に返却されたその数量1、銘柄Xのトークンは再び貸し出しの対象になり得る。
スマートコントラクトによる貸借契約の管理処理
ここで、トークン所有者Aが貸金業者Bと貸借契約を締結していることを管理し、上記の処理を行うのが貸借管理スマートコントラクトである。
本件発明者は、貸借管理スマートコントラクトが、例えば、トークン所有者Aが数量1、銘柄Xのトークンの所有者であることを、ブロックチェーン上に記録(トークン所有者AのアドレスA-1、銘柄Xのトークンの数量1、手数料相当分の管理費等)するようにすることを考えた。
そのときに、貸借管理スマートコントラクトが、トークン所有者Aが数量1、銘柄Xのトークンを担保にしていることの証明データ(貸借トークン)をブロックチェーン上に記録するようにすることを考えた。
ブロックチェーン上の記録データには、例えば、トークン所有者Aは数量1、銘柄Xのトークンを、貸金業者Bに担保として渡し、その代替として数量1、銘柄Yのデジタル通貨の提供を受けている旨が記載されるようにする。
なお、トークン所有者Aが銘柄Xのトークンの貸し出しだけをしている場合は、金利分を全額受け取ることができることになる。
トークン所有者Aが数量1、銘柄Xのトークンを貸し出し、数量1、銘柄Yのデジタル通貨を借りている場合は、数量1、銘柄Xのトークンの金利から数量1、銘柄Yのデジタル通貨の貸借料を差し引いた金額が受け取り金額になる。また、この場合は、銘柄Xのトークンは担保扱いになる。
トークン類のレンディングにおいては、STOなど、デジタル証券としての特性を有するものは、STOの所有自体に金利(配当を含む)が発生する。
STOとしての特性を有さないトークンは、保有により、何等かのサービスを受けたり、システム的に使える機能を使用したり、所有量に応じて、サービスのルールの投票権になったり、チケットなどの購入優先権や割引などの優遇を受けたりと、主にサービスについての優位性があるが、STOとしての特性を有さないトークンの所有自体に金利などはつかない。
ただし、STOとしての特性を有さないトークンであっても、現物のレンタル的な活用で収益を産むことができることから、貸借により間接的に金利を得られるものとなる。
このように、トークン類は、特性により、貸借の管理方法は異なるが、上述のレンディングによりデジタル資産を有効活用することができると考えられる。
担保力の管理
また、レンディングに用いるトークン類は、複数のスマートコントラクト間で処理することが可能である。
このことから、借り手が、貸し手から借り入れたトークンを、取引を行う所定のスマートコントラクトで処理し、その約定により得たものを別のレンディングにおける担保にしたり、貸し手が、担保力を計算する別のスマートコントラクトの情報をベースに、借り手の差し出したトークンの担保力の管理を行い、トークンの担保力が不足する場合に、借り手であるトークン所有者に連絡し、担保の追加を要求したりすることができると考えられる。
本件発明者は、担保の追加要求を行う場合、例えば上記のトークン所有者Aに対して、トークンの担保力が不足しているとして、トークン所有者Aの(ブロックチェーン上の)アドレスA-1と同じアドレスを管理アドレスとして有している資産管理スマートコントラクトが担保力不足の情報を受け取り、自動的に不足している担保の差し入れを行うことができるようにすることを考えた。
担保の強制売却
また、本件発明者は、担保の差し入れなどの対応が一定期間に行われない場合は、担保の強制売却などをスマートコントラクトが行い、貸し手に損失を与えないようにすることが確実にできるようにすることを考えた。
また、担保の評価はリアルタイムで行うようにすることを考えた。
保険の設定
また、担保の強制売却においても、まれに資金回収が全額でない場合に、貸し手に損失を与える可能性がある。それを回避するために、本件発明者は、損害保険を担保管理スマートコントラクトが保険スマートコントラクトに対して自動設定し、保険料を金利の一部より支払うこともできるようにすることを考えた。
口座管理
次に、本件発明者は、トークン所有者A、貸金業者B、空売り所望者Cなどのブロックチェーン上のアドレスA-1、B-1、C-1について考察・検討し、本質的にはブロックチェーン上のアドレスは口座管理の概念を組み合わせることとした。
口座には、個人や会社など、トークンやデジタル通貨の保有者を特定する情報が、秘密的(非公開)に管理される。
当該情報は、第三者により情報の信憑性が保証される。当該情報の信憑性を保証するものとしては、例えば、マイナンバーなど、個人を特定する情報や、企業番号など、様々なものが挙げられる。
それらの情報は、当人以外の者からの開示要求に対して、当人の了解指示があれば、開示要求者のみに情報が開示される。
また、口座には、保有しているデジタル資産の情報が管理される。
保有しているデジタル資産に対し、何等かの権利が発生する場合、それらの情報を口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるようにすることを考えた。
例えば、STOを保有している場合において、STOが株属性を有するものである場合、決算期の処理(議決権)や会社の情報の受け取りなどが、当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで電子的に行えるようにする(通常の証券では、郵送が基本である)。
与信
上記のような考察・検討をした後に、本件発明者は、トークンのレンディング(貸借)における与信について考察・検討した。
口座におけるブロックチェーン上の当該アドレスには、個人の与信力が管理されるようにすることを考えた。
与信の高い者(企業等)のブロックチェーン上のアドレスでは、担保力ゼロ(無担保)が省略値として設定され得る。本件発明者は、その与信情報を、各種のサービスを提供するスマートコントラクト単位で設定されるようにすることを考えた。
各種のサービスを提供するスマートコントラクトは、証券や銀行、決済など様々な金融や非金融のサービス(例えば、取引や貸借)を自動的に処理するものであり、それらのスマートコントラクトがベースの与信情報に基づいて、適宜更新した与信情報をブロックチェーン上の各アドレスにリンクしている情報として記録できるようにすることを考えた。
結果的に、これらの与信情報の更新により、ブロックチェーン上のアドレスに対応する与信スコアが計算され、基本となる担保率が参考値として算出される。
この与信データが少ない状態では、担保率100%であり、上述したように与信を考えない処理となる。
このように、本件発明者は、トークンなどのデジタル資産について、与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用することについて考察・検討を重ねた末に本発明のデジタル資産の貸借システムを導出するに至った。
本発明のデジタル資産の貸借システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、FT(Fungible Token)と称される大量に発行されているメジャーなデジタル資産と、NFT(Non-Fungible Token)と称される少量発行で、内部に機能属性が設定されているデジタル資産とを貸借の対象として用いる、デジタル資産の貸借システムであって、画面上に、借り入れ・貸し出しの区別、借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、金利、貸借期間、担保の有・無、担保対象とする第1のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量を有して構成される貸借条件の入力指定項目を有し、デジタル資産貸借の申込を受け付けるデジタル資産貸借申込受付手段と、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた、借り手及び貸し手からの貸借の申込内容に基づき、デジタル資産の貸借及び管理を行う貸借管理用スマートコントラクトを少なくとも備え、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有する。
(1)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とをマッチングする貸借条件マッチング機能。
(2)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記借り手の借入対象である前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスに貸し出すとともに、前記第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
(3)前記借り手及び前記貸し手のブロックチェーン上における、前記第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(4)前記借り手からの前記第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、前記第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ戻す機能。
本発明のデジタル資産の貸借システムのように構成すれば、貸し手と借り手は夫々所望のデジタル資産を貸借することが可能となる。そして、大量に発行されているメジャーなデジタル資産は流通量が多いため、安定的な貸借を行うことが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(5)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、対当しない部分について、前記貸し手を相手方とする第2の借り手として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、前記借り手を相手方とする第2の貸し手として当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
このようにすれば、借り手と貸し手の貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記デジタル資産貸借申込受付手段は、借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により入力指定された貸借条件を提示するための、相手方貸借条件提示領域と、提示した1以上の相手方の貸借条件のうちから当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択する選択項目をさらに有し、前記相手方貸借条件提示領域に提示されている1以上の相手方の貸借条件のうちから、当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目に選択入力したときに、当該選択した相手方の貸借条件に基づいて当該借り手または貸し手によるデジタル資産貸借の申込を受け付け、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有する。
(6)当該借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により既に入力指定されている貸借条件を、前記デジタル資産貸借申込受付手段の前記相手方貸借条件提示領域に提示する機能。
(7)当該借り手または貸し手の選択入力した貸借条件の相手方が、当該借り手または貸し手の貸借条件に合意した場合、その旨をデジタル資産貸借申込受付手段の所定領域に表示する機能。
このようにすれば、少量発行のスマートコントラクトであっても、取引や貸借、決済など活用可能な範囲を広げることが可能になる。また、借り手と貸し手同士で貸借条件が一致するように調整することができる結果、借り手と貸し手の貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(8)金利が前記借り手より支払われたときに、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスに貸し出す機能。
(9)前記第2のデジタル資産を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
このようにすれば、貸し手は、デジタル資産の貸し出しによる金利を確保することが可能になるとともに、借り手は、金利の支払いによるデジタル資産の借り入れを確実なものにすることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(10)前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた所定の貸借期間経過後、前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管している金利を当該貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ移動する機能。
このようにすれば、貸し出すトークンが少量発行(基本的に発行量が固定、発行個数が1など)の場合が多く、トークン内に機能属性(ゲームで使う場合は、アイテムやキャラクターなどの情報等)が設定されているデジタル資産を貸し手に確実に返却することが可能になる。また、貸し手はNFTトークンが返却される前に、予約的に契約開始日を指定した貸し出しの貸借契約を行っておくことが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借期間が1日単位であり、貸借契約の解除を受け付ける入力項目を有するデジタル資産貸借契約解除申込受付手段をさらに有し、前記貸借管理用スマートコントラクトは、次の機能をさらに有する。
(11)前記デジタル資産貸借契約解除申込受付手段が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する機能。
このようにすれば、借り手及び貸し手が、必要に応じて貸借契約期間中のデジタル資産の契約を解除することが可能になる。
また、貸借期間を1日単位にすれば、当日に契約解除の申し込みがあっても日付が変更されるまでは、貸借解除の処理がされずに済み、貸借契約を安定した状態で解消することができる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(12)貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産とは別銘柄のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する機能。
このようにすれば、デジタル資産の所有者が、デジタル資産の所有により発生した権利を確実に受け取ることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記デジタル資産貸借申込受付手段は、前記借り手が、前記貸し手から借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクトで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする前記第1のデジタル資産として、当該借り手からの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付ける。
このようにすれば、借り手が、貸し手から借り入れた第2のデジタル資産の活用範囲が拡大する。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトが当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで担保として保管する前記第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する機能を有する担保力算出用スマートコントラクトをさらに備え、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(13)前記担保力算出用スマートコントラクトが算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する機能。
このようにすれば、借り手が担保として差し出した第1のデジタル資産の担保力が不足した場合に、貸し手が貸し出した第2のデジタル資産の価値に相応するデジタル資産を担保として確保することが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、デジタル資産の管理を行う資産管理用スマートコントラクトをさらに備え、前記資産管理用スマートコントラクトは、前記貸借管理用スマートコントラクトから当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクトに差し入れる機能を有する。
このようにすれば、借り手が担保として差し出した第1のデジタル資産の担保力が不足した場合であっても、直ちに契約解除にはならず、貸し手と借り手の貸借契約を継続することができ、また、貸し手は、貸し出した第2のデジタル資産の価値に相応するデジタル資産を担保として確保することができる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトから担保の追加要求があったときに、所定期間内に前記資産管理用スマートコントラクトから前記貸借管理用スマートコントラクトへの不足分の担保の差し入れがない場合、前記貸借管理用スマートコントラクトが担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する機能を有する担保強制売却用スマートコントラクトをさらに備える。
このようにすれば、借り手が不足分の担保を差し入れることができない場合に貸し手に損失を極力与えないようにすることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(14)前記担保強制売却用スマートコントラクトによる担保の強制売却における貸し手の資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクトに当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手の金利の一部から支払う機能。
このようにすれば、担保の強制売却によって貸し手の資金を全額回収できない場合であっても、貸し手に与える損失を回避することが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトが管理するデジタル資産の貸し手及び借り手のブロックチェーン上のアドレスは、当該デジタル資産の保有者を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、前記口座には、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産の情報が管理され、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報が口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるように構成する。
このようにすれば、口座を介してデジタル資産の保有者を特定することが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する機能を有する担保率管理用スマートコントラクトをさらに備え、前記担保力算出用スマートコントラクトは、前記担保率管理用スマートコントラクトによって前記所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、前記第1のデジタル資産の担保力を算出するように構成する。
このようにすれば、借り手が担保として差し出した第1のデジタル資産の担保率を得ることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有し、証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理する複数のサービス提供用スマートコントラクトをさらに有し、各々の前記サービス提供用スマートコントラクトには、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定され、各々の前記サービス提供用スマートコントラクトは、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する機能を備え、前記担保率管理用スマートコントラクトは、前記各々のサービス提供用スマートコントラクトを介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する機能を有する。
このようにすれば、証券や銀行、決済など金融や非金融における各々のサービスを介して得た個人の与信情報に基づくより適切な担保率を得ることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、トークンを自動的に生成するトークン生成用スマートコントラクトをさらに備え、前記トークン生成用スマートコントラクトは、前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能を有し、前記デジタル資産貸借申込受付手段がデジタル資産の貸借を受け付けたとき、自動的に一時的処理データからトークンを生成し、生成したトークンを前記貸借管理用スマートコントラクトに渡すように構成する。
このようにすれば、トークンを無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者は一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークンにすることができないため、トークンの流出事故を防ぐことが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記一時的処理データ管理手段で管理するための一時的処理データにおける前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段で管理するための前記第2価値構成要素が設定されたデータにおける前記第2価値構成要素の設定・変更を受け付けるトークン構成要素設定・変更受付手段をさらに有する。
このようにすれば、トークンの保有者自らが任意に、トークンの無効化・有効化を定義できるようになり、トークンを無効化した一時的処理データが外部に流出しても、トークンの保有者は、流出した一時的処理データを消却し、再度、トークンとは構成形態の異なる一時的処理データを定義することでトークンの流出事故を防ぐことが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(15)複数の借り手同士の貸借条件をマッチングする第2の貸借条件マッチング機能。
(16)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記第1の借り手の借入対象であり、かつ、前記第2の借り手の担保対象である前記第2のデジタル資産を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスから受け入れ、当該第2のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、前記第1の借り手の担保対象である前記第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、当該第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
(17)前記第1の借り手及び前記第2の借り手のブロックチェーン上における、当該第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第3のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(18)前記第1の借り手からの当該第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、当該第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、当該第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスへ戻す機能。
このようにすれば、複数の借り手同士の貸借条件による貸借を行うことが可能となり、貸借や担保の対象となるデジタル資産の活用範囲が広がり、借り手と貸し手の貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本発明のデジタル資産の貸借システムにおいては、好ましくは、前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有する。
(19)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部、あるいは、第2の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第1の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致しない場合、対当しない部分について、前記第1の借り手を相手方とする第3の貸し手として前記第1の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付けるとともに、前記第2の借り手を相手方とする第4の貸し手として前記第2の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
このようにすれば、借り手と貸し手の貸借がより一層促進され、貸借申込案件についての流動性をより一層向上させることが可能になる。
このため、本発明によれば、トークンなどのデジタル資産について、与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用することが可能な、デジタル資産の貸借システムが得られる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行うこととする。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るデジタル資産の貸借システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
第1実施形態のデジタル資産の貸借システムは、トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、FT(Fungible Token)と称される大量に発行されているメジャーなデジタル資産と、NFT(Non-Fungible Token)と称される少量発行で、内部に機能属性が設定されているデジタル資産とを貸借の対象として用いるシステムであって、図1に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11と、貸借管理用スマートコントラクト12と、担保力算出用スマートコントラクト13と、資産管理用スマートコントラクト14と、担保強制売却用スマートコントラクト15と、担保率管理用スマートコントラクト16と、サービス提供用スマートコントラクト17と、一時的処理データ管理手段18と、第2価値構成要素設定データ管理手段19と、トークン生成用スマートコントラクト20と、トークン構成要素設定・変更受付手段21と、デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22と、を備えている。
なお、本実施形態のデジタル資産の貸借システムは、例えば、図1に示すデジタル資産取引システム31を備えていることを前提とする。
デジタル資産取引システム31では、デジタル資産の注文を処理するデジタル資産取引用スマートコントラクト31aが銘柄ごとに作動し、各銘柄の注文について対当・約定処理を行う。
デジタル資産貸借申込受付手段11
デジタル資産貸借申込受付手段11は、図2、図3に示すように、画面上に、借り入れ・貸し出しの区別、借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、金利、貸借期間、担保の有・無、担保対象とする第1のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量を有して構成される貸借条件の入力指定項目11aを有し、デジタル資産貸借の申込を受け付けるように構成されている。
また、デジタル資産貸借申込受付手段11は、借り手40Aまたは貸し手40Bに対し、少なくとも1以上の相手方により入力指定された貸借条件を提示するための、相手方貸借条件提示領域11bと、提示した1以上の相手方の貸借条件のうちから当該借り手40Aまたは貸し手40Bが貸借を所望する相手方の貸借条件を選択する選択項目11cをさらに有している。そして、相手方貸借条件提示領域11bに提示されている1以上の相手方の貸借条件のうちから、当該借り手40Aまたは貸し手40Bが貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目11cに選択入力したときに、当該選択した相手方の貸借条件に基づいて当該借り手または貸し手によるデジタル資産貸借の申込を受け付けるように構成されている。
また、デジタル資産貸借申込受付手段11は、借り手40Aが、貸し手40Bから借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクト31aで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする第1のデジタル資産として、当該借り手40Aからの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付けるように構成されている。
貸借管理用スマートコントラクト12
貸借管理用スマートコントラクト12は、図4に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有して構成されている。
(1)借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とをマッチングする貸借条件マッチング機能。
(2)借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、借り手40Aの借入対象である第2のデジタル資産を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である第1のデジタル資産を借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、第2のデジタル資産を借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスに貸し出すとともに、第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能。
(3)借り手40A及び貸し手40Bのブロックチェーン上における、第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(4)借り手40Aからの第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、第1のデジタル資産を借り手40Aのブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、第2のデジタル資産及び支払われた金利を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ戻す機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図5に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(5)借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、対当しない部分について、貸し手40Bを相手方とする第2の借り手40A2として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、借り手40Aを相手方とする第2の貸し手40B2として当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図6に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目11aに入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(6)当該借り手40Aまたは貸し手40Bに対し、少なくとも1以上の相手方により既に入力指定されている貸借条件を、デジタル資産貸借申込受付手段11の相手方貸借条件提示領域11bに提示する機能。
(7)当該借り手40Aまたは貸し手40Bの選択入力した貸借条件の相手方が、当該借り手40Aまたは貸し手40Bの貸借条件に合意した場合、その旨をデジタル資産貸借申込受付手段11の所定領域に表示する機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図7に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目11aに入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(8)金利が前記借り手より支払われたときに、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスに貸し出す機能。
(9)前記第2のデジタル資産を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図8に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目11aに入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(10)デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けた所定の貸借期間経過後、第2のデジタル資産を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管している金利を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ移動する機能。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借処理システムでは、貸借期間が1日単位であり、貸借管理用スマートコントラクト12は、図9に示すように、次の機能をさらに有して構成されている。
(11)デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図10に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(12)貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産とは別銘柄のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図11に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(13)担保力算出用スマートコントラクト13が算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する機能。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、図12に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(14)担保強制売却用スマートコントラクト15による担保の強制売却における貸し手40Bの資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクト(不図示)に当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手40Bの金利の一部から支払う機能。
さらに、貸借管理用スマートコントラクト12は、図13に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(15)複数の借り手40A同士の貸借条件をマッチングする第2の貸借条件マッチング機能。
(16)第1の借り手40A1が借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手40A2が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、第1の借り手40A1の借入対象であり、かつ、第2の借り手40A2の担保対象である第2のデジタル資産を第2の借り手40A2のブロックチェーン上の第3のアドレスから受け入れ、当該第2のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、第1の借り手40A1の担保対象である第1のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、当該第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能。
(17)第1の借り手40A1及び第2の借り手40A2のブロックチェーン上における、当該第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第3のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
(18)第1の借り手40A1からの当該第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、当該第1のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、当該第2のデジタル資産及び支払われた金利を第2の借り手40A2のブロックチェーン上の第3のアドレスへ戻す機能。
さらに、貸借管理用スマートコントラクト12は、図14に示すように、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有して構成されている。
(19)第1の借り手40A1が借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手40A2が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部、あるいは、第2の借り手40A2が借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第1の借り手40A1が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致しない場合、対当しない部分について、第1の借り手40A1を相手方とする第3の貸し手40B3として第1の借り手40A1が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付けるとともに、第2の借り手40A2を相手方とする第4の貸し手40B4として第2の借り手40A2が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
口座との関係
なお、本実施形態のデジタル資産の貸借システムにおいては、貸借管理用スマートコントラクト12が管理するデジタル資産の貸し手40B及び借り手40Aのブロックチェーン上のアドレス40B-1、40A-1は、当該デジタル資産の保有者(貸し手40B及び借り手40A)を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、口座には、当該デジタル資産の保有者(貸し手40B及び借り手40A)が保有するデジタル資産の情報が管理されている。
そして、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報が口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるようになっている(不図示)。
担保力算出用スマートコントラクト13
担保力算出用スマートコントラクト13は、図15に示すように、貸借管理用スマートコントラクト12が当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで担保として保管する第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する機能を有して構成されている。
より詳しくは、担保力算出用スマートコントラクト13は、担保率管理用スマートコントラクト16によって所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、第1のデジタル資産の担保力を算出する。
資産管理用スマートコントラクト14
資産管理用スマートコントラクト14は、図16に示すように、貸借管理用スマートコントラクト12から当該第1のデジタル資産の所有者(借り手40A)に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12に差し入れる機能を有して構成されている。
担保強制売却用スマートコントラクト15
担保強制売却用スマートコントラクト15は、図17に示すように、貸借管理用スマートコントラクト12から担保の追加要求があったときに、所定期間内に資産管理用スマートコントラクト14から貸借管理用スマートコントラクト12への不足分の担保の差し入れがない場合、貸借管理用スマートコントラクト12が担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する機能を有して構成されている。
担保率管理用スマートコントラクト16
担保率管理用スマートコントラクト16は、図18に示すように、担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する機能を有して構成されている。
より詳しくは、担保率管理用スマートコントラクト16は、各々のサービス提供用スマートコントラクト17を介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する機能を有する。
サービス提供用スマートコントラクト17
本実施形態のデジタル資産の貸借システムでは、口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有している。
サービス提供用スマートコントラクト17は、図19に示すように、証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理するように構成されている。
各々のサービス提供用スマートコントラクト17には、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定されている。
そして、各々のサービス提供用スマートコントラクト17は、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する機能を備えて構成されている。
一時的処理データ管理手段18
一時的処理データ管理手段18は、図20に示すように、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理するように構成されている。
第2価値構成要素設定データ管理手段19
第2価値構成要素設定データ管理手段19は、図21に示すように、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理するように構成されている。
トークン生成用スマートコントラクト20
トークン生成用スマートコントラクト20は、図22に示すように、一時的処理データ管理手段18によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能を有して構成されている。
そして、トークン生成用スマートコントラクト20は、デジタル資産貸借申込受付手段11がデジタル資産の貸借を受け付けたとき、自動的に一時的処理データからトークンを生成し、生成したトークンを貸借管理用スマートコントラクト12に渡すように構成されている。
なお、トークン生成用スマートコントラクト20は、トークンを一時的処理データに戻す、トークン償却機能も有するように構成されている。
トークン構成要素設定・変更受付手段21
トークン構成要素設定・変更受付手段21は、図23に示すように、一時的処理データ管理手段18で管理するための一時的処理データにおける第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19で管理するための第2価値構成要素が設定されたデータにおける第2価値構成要素の設定・変更を受け付けるように構成されている。
デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22
デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22は、図24に示すように、貸借契約の解除を受け付ける入力項目を有して構成されている。
このように構成された本実施形態のデジタル資産の貸借システムにおける処理の流れを説明する。
まず、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによる基本的なデジタル資産貸借処理の流れを説明する。
(1)(第1のタイプ)FT(Fungible Token)と称される、大量発行されているメジャーなデジタル資産(例えば、デジタルコイン)のレンディング
ここでは、トークン所有者A、貸金業者B、空売り所望者Cの3者が存在する場合について説明することとする。
また、トークン所有者Aは数量1、銘柄Yのデジタル通貨の借り入れを所望する借り手40Aaであり、空売り所望者Cは数量1、銘柄Xのトークンの借り入れを所望する借り手40Acであるものとする。
さらに、ここでは、説明の便宜上、金利、貸出期間は借り手40Aa、40Ac、貸し手40Bともに同じであるものとする。
(1-1)デジタル資産貸借申込時の処理
(1-1-1)借り手40Aaによるデジタル通貨の借り入れの申し込み
借り手40Aaは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“借り入れ”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“Y(のデジタル通貨)”、数量“1”、金利“0.1ゴールドトークン/1日”、担保“有”、第1のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“X(のトークン)”、数量“1”、貸借期間“1日”を入力する。
借り手40Aaは、入力指定項目11aに入力指定した内容を確認し、これらの内容でデジタル通貨の借り入れの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
これにより、借り手40Aaによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介したデジタル通貨の借り入れの申込操作が完了する。
(1-1-2)貸し手40Bによるデジタル通貨の貸し出しの申し込み
貸し手40Bは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“貸し出し”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“Y(のデジタル通貨)”、数量“1”、金利“0.1ゴールドトークン/1日”、貸借期間“1日”を入力する。
貸し手40Bは、入力指定項目11aに入力指定した内容を確認し、これらの内容でデジタル通貨の貸し出しの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
これにより、貸し手40Bによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介したデジタル通貨の貸し出しの申込操作が完了する。
(1-1-3)借り手40Acによるトークンの借り入れの申し込み
借り手40Acは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“借り入れ”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“X(のトークン)”、数量“1”、金利“0.1ゴールドトークン/1日”、担保“有”、第1のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“Y(のデジタル通貨)”、数量“1”、貸借期間“1日”を入力する。
借り手40Acは、入力指定項目11aに入力指定した内容を確認し、これらの内容でトークンの借り入れの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
これにより、借り手40Acによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介したトークンの借り入れの申込操作が完了する。
(1-1-4)貸し手40Bによるトークンの貸し出しの申し込み
貸し手40Bは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“貸し出し”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“FT”、銘柄“X(のトークン)”、数量“1”、金利“0.1ゴールドトークン/1日”、貸借期間“1日”を入力する。
貸し手40Bは、入力指定項目11aに入力指定した内容を確認し、これらの内容でトークンの貸し出しの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
これにより、貸し手40Bによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介したトークンの貸し出しの申込操作が完了する。
(1-2)デジタル資産貸借申込受付後の貸付処理
(1-2-1)借り手40Aaによるデジタル通貨の借り入れの申し込み受付後の貸付処理
借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とをマッチングする。ここでは、借り手40Aaの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の全てが対当している。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Aaの借入対象である第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1から当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1に対応するアドレス)に受け入れる。同時に、貸借管理用スマートコントラクト12は、担保対象である第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)を借り手40Aaのブロックチェーン上の第1のアドレス40Aa-1から当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(借り手40Aaのブロックチェーン上の第1のアドレス40Aa-1に対応するアドレス)に受け付ける。
次に、貸借管理用スマートコントラクト12は、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)を借り手40Aaのブロックチェーン上の第1のアドレス40Aa-1に貸し出すとともに、第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(借り手40Aaのブロックチェーン上の第1のアドレス40Aa-1に対応するアドレス)で保管する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Aa及び貸し手40Bのブロックチェーン上における、第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス(40Aa-1、40B-1)、銘柄(銘柄X(のトークン)、銘柄Y(のデジタル通貨))及び数量(数量1、数量1)を記録する。
これにより、貸借管理用スマートコントラクト12を介した借り手40Aaに対するデジタル通貨の貸付処理は完了する。
(1-2-2)借り手40Acによるトークンの借り入れの申し込み受付後の貸付処理
借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とをマッチングする。ここでは、借り手40Acの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の全てが対当している。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Acの借入対象である第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1から当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1に対応するアドレス)に受け入れる。同時に、貸借管理用スマートコントラクト12は、担保対象である第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)を借り手40Acのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ac-1から当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(借り手40Acのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ac-1に対応するアドレス)に受け付ける。
次に、貸借管理用スマートコントラクト12は、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)を借り手40Acのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ac-1に貸し出すとともに、第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(借り手40Acのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ac-1に対応するアドレス)で保管する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Ac及び貸し手40Bのブロックチェーン上における、第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス(40Ac-1、40B-1)、銘柄(銘柄Y(のデジタル通貨)、銘柄X(のトークン))及び数量(数量1、数量1)を記録する。
これにより、貸借管理用スマートコントラクト12を介した借り手40Acに対するデジタル通貨の貸付処理は完了する。
(1-3)返済時の処理
(1-3-1)借り手40Aaによるデジタル通貨の返済時の処理
借り手40Aaは、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)と金利を返済する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Aaからの第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)の返済及び金利の支払いを受けたときに、第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)を借り手40Aaのブロックチェーン上の第1のアドレス40Aa-1に戻すと同時に、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)及び支払われた金利を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1に戻す。
これにより、借り手40Aaによる貸借管理用スマートコントラクト12を介したデジタル通貨の返済処理が完了する。
(1-3-2)借り手40Acによるトークンの返済時の処理
借り手40Acは、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)と金利を返済する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Acからの第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)の返済及び金利の支払いを受けたときに、第1のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Yのデジタル通貨)を借り手40Acのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ac-1に戻すと同時に、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Xのトークン)及び支払われた金利を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1に戻す。
これにより、借り手40Acによる貸借管理用スマートコントラクト12を介したトークンの返済処理が完了する。
上記の例では、貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレス40B-1では、リスクなしで金利を得た状態となる。
(1-4)その他の場合について
トークン所有者Aがデジタル資産貸借申込受付手段11を介して数量1、銘柄Xのトークンの貸し出しの申込のみを行い、貸借契約が成立した場合には、トークン所有者Aは貸し手40Baとして、数量1、銘柄Xのトークンについての金利を受け取ることができることになる。
また、トークン所有者Aがデジタル資産貸借申込受付手段11を介して数量1、銘柄Xのトークンの貸し出しとともに、数量1、銘柄Yのデジタル通貨の借り入れの申込を行い、貸借契約が成立した場合には、トークン所有者Aは貸し手40Baであるとともに借り手40Aaとなり、数量1、銘柄Xのトークンについての貸出金利から数量1、銘柄Yのデジタル通貨の借入金利を差し引いた金額を金利として受け取る(なお、貸出金利に比べて借入金利の方が大きい場合は差額分を支払う。)ことになる。
また、上述した例では、借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の全てが対当している場合を前提として説明したが、借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、貸借管理用スマートコントラクト12は、対当しない部分について、貸し手40Bを相手方とする第2の借り手として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、借り手40Aを相手方とする第2の貸し手40B2として当該第2のデジタル資産を貸し付ける。
例えば、借り手40Aaの貸借条件が、銘柄Yのデジタル資産、数量2、金利0.1ゴールドトークン/1日、貸借期間1日であり、貸し手40Bの貸借条件が、銘柄Yのデジタル資産、数量1、金利0.1ゴールドトークン/1日、貸借期間1日である場合、借り手40Aaの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで対当しない部分として、借り手40Aaの貸借条件が、銘柄Yのデジタル資産、数量1、金利0.1ゴールドトークン/1日、貸借期間1日が残る。この部分について、貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Aaを相手方とする第2の貸し手40B2として銘柄Yのデジタル資産を、数量1、金利0.1ゴールドトークン/1日、貸借期間1日で貸し付ける。
(2)(第2のタイプ)NFT(Non-Fungible Token)と称される、少量発行で、トークン内に機能属性が設定されているデジタル資産のレンディング
ここでは、トークン所有者D、トークン利用所望者E、Fの3者が存在する場合について説明することとする。
また、トークン所有者Dは数量1、銘柄Zの少量発行トークンの貸し出しを所望する貸し手40Bdであり、トークン利用所望者E、Fは数量1、銘柄Zの少量発行トークンの借り入れを所望する借り手40Ae、40Afであるものとする。
(2-1)デジタル資産貸借申込時の処理
(2-1-1)借り手40Aeによる少量発行トークンの借り入れの申し込み
借り手40Aeは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“借り入れ”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“NFT”、銘柄“Z(の少量発行トークン)”、数量“1”、金利“0.15ゴールドトークン/1日”、貸借期間“3日”を入力する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Aeに対し、少なくとも1以上の相手方(ここでは、貸し手40Bd)により既に入力指定されている貸借条件を、デジタル資産貸借申込受付手段11の相手方貸借条件提示領域11bに提示する。
借り手40Aeは、入力指定項目11aに入力指定した内容と、相手方貸借条件提示領域11bに提示された内容を確認し、これらの内容で少量発行トークンの借り入れの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、貸し手40Bdにより貸借条件の相手方として借り手40Aeが選択入力され、かつ、デジタル資産貸借申込受付手段11において貸し出しの申し込みの確認ボタンが押下されているときには、相手方(貸し手40Bd)が貸借条件に合意した旨を、借り手40Aeの操作するデジタル資産貸借申込受付手段11の所定領域に表示する。
なお、相手方が貸借条件に合意した旨が表示されない場合、借り手40Aeは、貸借を所望する入力指定項目11aに貸借条件を入力指定し直し、図示しない確認ボタンを押下する。
相手方が貸借条件に合意した旨が表示されたときに、相手方との貸借契約が成立し、借り手40Aeは、入力指定項目11aに入力指定した金利を支払う。
これにより、借り手40Aeによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介した少量発行トークンの借り入れの申込操作が完了する。
(2-1-2)借り手40Afによる少量発行トークンの借り入れの申し込み
借り手40Afは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“借り入れ”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“NFT”、銘柄“Z(の少量発行トークン)”、数量“1”、金利“0.13ゴールドトークン/1日”、貸借期間“4日”を入力する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Afに対し、少なくとも1以上の相手方(ここでは、貸し手40Bd)により既に入力指定されている貸借条件を、デジタル資産貸借申込受付手段11の相手方貸借条件提示領域11bに提示する。
借り手40Afは、入力指定項目11aに入力指定した内容と、相手方貸借条件提示領域11bに提示された内容を確認し、これらの内容で少量発行トークンの借り入れの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、貸し手40Bdにより貸借条件の相手方として借り手40Afが選択入力され、かつ、デジタル資産貸借申込受付手段11において貸し出しの申込の確認ボタンが押下されているときには、相手方(貸し手40Bd)が貸借条件に合意した旨を、借り手40Afの操作するデジタル資産貸借申込受付手段11の所定領域に表示する。
なお、相手方が貸借条件に合意した旨が表示されない場合、借り手40Afは、貸借を所望する入力指定項目11aに貸借条件を入力指定し直し、図示しない確認ボタンを押下する。
相手方が貸借条件に合意した旨が表示されたときに、相手方との貸借契約が成立し、借り手40Afは、入力指定項目11aに入力指定した金利を支払う。
これにより、借り手40Afによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介した少量発行トークンの借り入れの申込操作が完了する。
(2-1-3)貸し手40Bdによる少量発行トークンの貸し出しの申し込み
貸し手40Bdは、デジタル資産貸借申込受付手段11の入力指定項目11aに、区別“貸し出し”、第2のデジタル資産のFT・NFTの種別“NFT”、銘柄“Z(の少量発行トークン)”、数量“1”、金利“0.1ゴールドトークン/1日”、貸借期間“7日”を入力する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、貸し手40Bdに対し、少なくとも1以上の相手方(ここでは、借り手40Ae、40Af)により既に入力指定されている貸借条件を、デジタル資産貸借申込受付手段11の相手方貸借条件提示領域11bに提示する。
貸し手40Bdは、相手方貸借条件提示領域11bに提示されている相手方(ここでは、借り手40Ae、40Af)により既に入力指定されている貸借条件のうち、貸し手40Bdが貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目11cに選択入力する。
そして、貸し手40Bdは、入力指定項目11aに入力指定した内容と、相手方貸借条件提示領域11bに提示された内容と、選択項目11cに選択入力した内容を確認し、これらの内容で少量発行トークンの貸し出しの申込を行う場合は、図示しない確認ボタンを押下する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、貸し手40Bdの選択入力した貸借条件の相手方(ここでは、借り手40Ae、40Afのいずれか一方)によりデジタル資産貸借申込受付手段11において借り入れの申込の確認ボタンが押下されているときには、相手方が貸借条件に合意した旨を、デジタル資産貸借申込受付手段11の所定領域に表示する。
なお、相手方が貸借条件に合意した旨が表示されない場合、貸し手40Bdは、貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目11cに選択入力し直し、図示しない確認ボタンを押下する。
相手方が貸借条件に合意した旨が表示されたときに、相手方との貸借契約が成立し、貸し手40Bdによるデジタル資産貸借申込受付手段11を介した少量発行トークンの貸し出しの申込操作が完了する。
このように、NFT(Non-Fungible Token)と称される、少量発行トークンの貸借においては、貸し手40Bdと借り手40Ae、40Afとの間の貸借契約は、相手方貸借条件提示領域11bに提示されている相手方との貸借条件を確認しながら行われ、より早く双方の合意がとれた貸借条件で成立することになる。
(2-2)デジタル資産貸借申込受付後の貸付処理
(2-2-1)借り手40Aeによる少量発行トークンの借り入れの申し込み受付後の貸付処理
貸借管理用スマートコントラクト12は、金利が借り手より支払われたときに、借り手40Aeの借入対象である第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Zの少量発行トークン)を貸し手40Bdのブロックチェーン上の第2のアドレス40Bd-1から当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(貸し手40Bdのブロックチェーン上の第2のアドレス40Bd-1に対応するアドレス)に受け入れる。
次に、貸借管理用スマートコントラクト12は、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Zの少量発行トークン)を借り手40Aeのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ae-1に貸し出すとともに、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Zの少量発行トークン)を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレス(借り手40Aeのブロックチェーン上の第1のアドレス40Ae-1に対応するアドレス)で保管する。
このとき、貸借管理用スマートコントラクト12は、借り手40Ae及び貸し手40Bdのブロックチェーン上における、第2のデジタル資産(ここでは、少量発行トークン)についての第1及び第2のアドレス(40Ae-1、40Bd-1)、銘柄(銘柄Z)及び数量(数量1)を記録する。
これにより、貸借管理用スマートコントラクト12を介した借り手40Aeに対するデジタル通貨の貸付処理は完了する。
(2-3)返済時の処理
(2-3-1)借り手40Aeによる少量発行トークンの返済時の処理
貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11において、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Zの少量発行トークン)を貸し手40Bdに強制的に返却する設定(ここでは、強制返却“有”の入力)がされている場合、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けた所定の貸借期間経過後、第2のデジタル資産(ここでは、数量1、銘柄Zの少量発行トークン)を貸し手40Bdのブロックチェーン上の第2のアドレス40Bd-1に強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管している金利を貸し手40Bdのブロックチェーン上の第2のアドレス40Bd-1に移動する。
これにより、借り手40Aeによる貸借管理用スマートコントラクト12を介した少量発行トークンの返済処理が完了する。
次に、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによる基本的なデジタル資産貸借処理におけるその他の処理、口座、担保、与信等との関係について説明する。
貸借契約の解除
借り手40Aまたは貸し手40Bが、デジタル資産の貸借契約の解除を所望する場合、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借契約の解除を受け付ける入力項目11dにて契約解除を入力する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する。
トークンの所有により発生した権利についての処理
貸借管理用スマートコントラクト12は、貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産(例えば、銘柄Xのトークンを数量100所有することで映画のチケット(デジタル版)を受け取ることのできる権利が発生するなど。)である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産(例えば銘柄Xのトークン)とは別銘柄(例えば、銘柄X-1の映画のチケット(デジタル版))のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する。
借り入れたデジタル資産を用いた貸借の申し込み
デジタル資産貸借申込受付手段11は、借り手40Aが、貸し手40Bから借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクト31aで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする第1のデジタル資産として、当該借り手40Bからの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付ける。
担保力の算出及び担保が不足する場合の処理
デジタル資産貸借申込受付後の貸付処理完了からデジタル資産が返済されるまでの間、担保力算出用スマートコントラクト13は、当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで担保として保管する第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する。
貸借管理用スマートコントラクト12は、担保力算出用スマートコントラクト13が算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する。
資産管理用スマートコントラクト14は、貸借管理用スマートコントラクト12から当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12に差し入れる。
なお、上記処理の前提として、担保として貸借管理用スマートコントラクト12に差し入れる所定のデジタル資産は、予め当該第1のデジタル資産の所有者のブロックチェーン上の所定アドレスに格納され、資産管理用スマートコントラクト14にて管理されているものとする。
所定期間内に不足する担保の差し入れがない場合の処理
貸借管理用スマートコントラクト12から担保の追加要求があったときに、所定期間内に資産管理用スマートコントラクト14から貸借管理用スマートコントラクト12への不足分の担保の差し入れがない場合、担保強制売却用スマートコントラクト15は、貸借管理用スマートコントラクト12が担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する。
また、貸借管理用スマートコントラクト12は、担保強制売却用スマートコントラクト15による担保の強制売却における貸し手40Bの資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクト(不図示)に当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手40Bの金利の一部から支払う。
口座とブロックチェーン上のアドレスとの関係
上述したように、貸借管理用スマートコントラクト12が管理するデジタル資産の貸し手40B及び借り手40Aのブロックチェーン上のアドレス40B-1、40A-1は、当該デジタル資産の保有者(貸し手40B及び借り手40A)を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、口座には、当該デジタル資産の保有者(貸し手40B及び借り手40A)が保有するデジタル資産の情報が管理されている。
そして、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報は口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取る。
担保対象となるデジタル資産の担保力算出処理
担保率管理用スマートコントラクト16が、担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する。
そして、担保力算出用スマートコントラクト13は、担保率管理用スマートコントラクト16によって所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、第1のデジタル資産の担保力を算出する。
個人の与信力とデジタル資産の担保力算出との関係
上述したように、口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有している。
サービス提供用スマートコントラクト17は、証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理する。
各々のサービス提供用スマートコントラクト17には、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定されている。
そして、各々のサービス提供用スマートコントラクト17は、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する。
また、担保率管理用スマートコントラクト16は、各々のサービス提供用スマートコントラクト17を介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する。
与信情報が少ない場合、担保率管理用スマートコントラクト16が算出する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値は低くなり、担保率は100%に近づいた値となる。一方、与信情報が多い場合、担保率管理用スマートコントラクト16が算出する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値は高くなり、担保率は0%(無担保)に近づいた値となる。
第1価値構成要素と第2価値構成要素とを用いたデジタルデータの生成
本実施形態のデジタル資産の貸借システムでは、デジタル資産の貸借処理に伴うデジタルデータの移動制御等において、ブロックチェーン上で管理されているデジタルデータの外部への流出による被害を防止するため、ブロックチェーン上で管理されるべきデジタルデータを第1価値構成要素と、第2価値構成要素とに分けて管理し、データ移動の際に、第1価値構成要素と、第2価値構成要素とを組み合わせて価値の有するトークンを生成する。
詳しくは、デジタル資産の保有者は、トークン構成要素設定・変更受付手段21を介して、一時的処理データ管理手段18で管理するための一時的処理データにおける第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19で管理するための第2価値構成要素が設定されたデータにおける第2価値構成要素の設定・変更入力を行う。
一時的処理データ管理手段18は、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する。
第2価値構成要素設定データ管理手段19は、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する。
トークン生成用スマートコントラクト20は、一時的処理データ管理手段18によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する。
本実施形態のデジタル資産の貸借システムの効果
本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、画面上に、借り入れ・貸し出しの区別、借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、金利、貸借期間、担保の有・無、担保対象とする第1のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、貸借期間を有して構成される貸借条件の入力指定項目11aを有し、デジタル資産貸借の申込を受け付けるデジタル資産貸借申込受付手段11と、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けた、借り手40A及び貸し手40Bからの貸借の申込内容に基づき、デジタル資産の貸借及び管理を行う貸借管理用スマートコントラクト12を少なくとも備え、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とをマッチングする貸借条件マッチング機能と、借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、借り手40Aの借入対象である第2のデジタル資産を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である第1のデジタル資産を借り手40Aのブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、第2のデジタル資産を借り手40Aのブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能と、借り手40A及び貸し手40Bのブロックチェーン上における、第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能と、借り手40Aからの第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、第1のデジタル資産を借り手40Aのブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、第2のデジタル資産及び支払われた金利を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ戻す機能と、を少なくとも有して構成したので、貸し手40Bと借り手40Aは夫々所望のデジタル資産を貸借することができる。そして、大量に発行されているメジャーなデジタル資産は流通量が多いため、安定的な貸借を行うことができる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、借り手40Aの貸借条件と貸し手40Bの貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、対当しない部分について、貸し手40Bを相手方とする第2の借り手40A2として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、借り手40A2を相手方とする第2の貸し手40B2として当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能をさらに有して構成したので、借り手40Aと貸し手40Bの貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、デジタル資産貸借申込受付手段11は、借り手40Aまたは貸し手40Bに対し、少なくとも1以上の相手方により入力指定された貸借条件を提示するための、相手方貸借条件提示領域11bと、提示した1以上の相手方の貸借条件のうちから当該借り手40Aまたは貸し手40Bが貸借を所望する相手方の貸借条件を選択する選択項目11cをさらに有し、相手方貸借条件提示領域11bに提示されている1以上の相手方の貸借条件のうちから、当該借り手40Aまたは貸し手40Bが貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目11cに選択入力したときに、当該選択した相手方の貸借条件に基づいて当該借り手40Aまたは貸し手40Bによるデジタル資産貸借の申込を受け付け、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目11aに入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する機能として、当該借り手40Aまたは貸し手40Bに対し、少なくとも1以上の相手方により既に入力指定されている貸借条件を、デジタル資産貸借申込受付手段11の相手方貸借条件提示領域11bに提示する機能と、当該借り手40Aまたは貸し手40Bの選択入力した貸借条件の相手方が、当該借り手40Aまたは貸し手40Bの貸借条件に合意した場合、その旨をデジタル資産貸借申込受付手段11の所定領域に表示する機能と、を少なくとも有するように構成したので、少量発行のスマートコントラクトであっても、取引や貸借、決済など活用可能な範囲を広げることが可能になる。また、借り手40Aと貸し手40B同士で貸借条件が一致するように調整することができる結果、借り手40Aと貸し手40Bの貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する機能として、金利が借り手40Aより支払われたときに、第2のデジタル資産を借り手40Aのブロックチェーン上の第1のアドレス40A-1に貸し出す機能と、第2のデジタル資産を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能と、をさらに有するように構成したので、貸し手40Bは、デジタル資産の貸し出しよる利益を確保することが可能になるとともに、借り手40Aは、金利の支払いによるデジタル資産の借り入れを確実なものにすることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する機能として、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けた所定の貸借期間経過後、第2のデジタル資産を貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管している金利を当該貸し手40Bのブロックチェーン上の第2のアドレスへ移動する機能をさらに有するように構成したので、貸し出すトークンが少量発行(基本的に発行量が固定、発行個数が1など)の場合が多く、トークン内に機能属性(ゲームで使う場合は、アイテムやキャラクターなどの情報等)が設定されているデジタル資産を貸し手40Bに確実に返却することが可能になる。また、貸し手40BはNFTトークンが返却される前に、予約的に契約開始日を指定した貸し出しの貸借契約を行っておくことが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借期間が1日単位であり、貸借契約の解除を受け付ける入力項目を有するデジタル資産貸借契約解除申込受付手段22をさらに有し、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借契約解除申込受付手段22が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する機能をさらに有するように構成したので、借り手40A及び貸し手40Bが、必要に応じて貸借契約期間中のデジタル資産の契約を解除することが可能になる。
また、貸借期間を1日単位にしたので、当日に契約解除の申込があっても日付が変更されるまでは、貸借解除の処理がされずに済み、貸借契約を安定した状態で解消することができる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産とは別銘柄のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する機能をさらに有するように構成したので、デジタル資産の所有者が、デジタル資産の所有により発生した権利を確実に受け取ることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、デジタル資産貸借申込受付手段11は、借り手40Aが、貸し手40Bから借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクト31aで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする第1のデジタル資産として、当該借り手40Aからの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付けるように構成したので、借り手40Aが貸し手40Bから借り入れた第2のデジタル資産の活用範囲が拡大する。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12が当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで担保として保管する第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する機能を有する担保力算出用スマートコントラクト13をさらに備え、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、担保力算出用スマートコントラクト13が算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する機能をさらに有するように構成したので、借り手40Aが担保として差し出した第1のデジタル資産の担保力が不足した場合に、貸し手40Bが貸し出した第2のデジタル資産の価値に相応するデジタル資産を担保として確保することが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、デジタル資産の管理を行う資産管理用スマートコントラクト14をさらに備え、資産管理用スマートコントラクト14は、貸借管理用スマートコントラクト12から当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12に差し入れる機能を有するように構成したので、借り手40Aが担保として差し出した第1のデジタル資産の担保力が不足した場合であっても、直ちに契約解除にはならず、貸し手40Bと借り手40Aの貸借契約を継続することができ、また、貸し手40Bが貸し出した第2のデジタル資産の価値に相応するデジタル資産を担保として確保することができる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12から担保の追加要求があったときに、所定期間内に資産管理用スマートコントラクト14から貸借管理用スマートコントラクト12への不足分の担保の差し入れがない場合、貸借管理用スマートコントラクト12が担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する機能を有する担保強制売却用スマートコントラクト15をさらに備えるように構成したので、借り手40Aが不足分の担保を差し入れることができない場合に貸し手40Bに損失を極力与えないようにすることができる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、担保強制売却用スマートコントラクト15による担保の強制売却における貸し手40Bの資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクト(不図示)に当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手40Bの金利の一部から支払う機能をさらに有するように構成したので、担保の強制売却によって貸し手40Bの資金を全額回収できない場合であっても、貸し手40Bに与える損失を回避することが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12が管理するデジタル資産の貸し手40B及び借り手40Aのブロックチェーン上のアドレスは、当該デジタル資産の保有者を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、口座には、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産の情報が管理され、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報が口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるように構成したので、口座を介してデジタル資産の保有者を特定することが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する機能を有する担保率管理用スマートコントラクト16をさらに備え、担保力算出用スマートコントラクト13は、担保率管理用スマートコントラクト16によって所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、第1のデジタル資産の担保力を算出するように構成したので、借り手40Aが担保として差し出した第1のデジタル資産の担保率を得ることができる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有し、証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理する複数のサービス提供用スマートコントラクト17をさらに有し、各々のサービス提供用スマートコントラクト17には、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定され、各々のサービス提供用スマートコントラクト17は、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する機能を備え、担保率管理用スマートコントラクト16は、各々のサービス提供用スマートコントラクト17を介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する機能を有するように構成したので、証券や銀行、決済など金融や非金融における各々のサービスを介して得た個人の与信情報に基づいたより適切な担保率を得ることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段18と、トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段19と、トークンを自動的に生成するトークン生成用スマートコントラクト20をさらに備え、トークン生成用スマートコントラクト20は、一時的処理データ管理手段18によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能を有し、デジタル資産貸借申込受付手段11がデジタル資産の貸借を受け付けたとき、自動的に一時的処理データからトークンを生成し、生成したトークンを貸借管理用スマートコントラクト12に渡すように構成したので、トークンを無効化した一時的処理データが外部に流出しても、外部の者は一時的処理データを、価値を有する構成形態のトークンにすることができないため、トークンの流出事故を防ぐことが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、一時的処理データ管理手段18で管理するための一時的処理データにおける第1価値構成要素と、第2価値構成要素設定データ管理手段19で管理するための第2価値構成要素が設定されたデータにおける第2価値構成要素の設定・変更を受け付けるトークン構成要素設定・変更受付手段21をさらに有するように構成したので、トークンの保有者自らが任意に、トークンの無効化・有効化を定義できるようになり、トークンを無効化した一時的処理データが外部に流出しても、トークンの保有者は、流出した一時的処理データを消却し、再度、トークンとは構成形態の異なる一時的処理データを定義することでトークンの流出事故を防ぐことが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、複数の借り手同士の貸借条件をマッチングする第2の貸借条件マッチング機能と、第1の借り手40A1が借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手40A2が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、第1の借り手40A1の借入対象であり、かつ、第2の借り手40A2の担保対象である第2のデジタル資産を第2の借り手40A2のブロックチェーン上の第3のアドレスから受け入れ、当該第2のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、第1の借り手40A1の担保対象である第1のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、当該第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト12内の所定アドレスで保管する機能と、第1の借り手40A1及び第2の借り手40A2のブロックチェーン上における、当該第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第3のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能と、第1の借り手40Aからの当該第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、当該第1のデジタル資産を第1の借り手40A1のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、当該第2のデジタル資産及び支払われた金利を第2の借り手40A2のブロックチェーン上の第3のアドレスへ戻す機能と、をさらに有するように構成したので、複数の借り手40A1、40A2同士の貸借条件による貸借を行うことが可能となり、貸借や担保の対象となるデジタル資産の活用範囲が広がり、借り手40Aと貸し手40Bの貸借が促進され、貸借申込案件についての流動性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態のデジタル資産の貸借システムによれば、貸借管理用スマートコントラクト12は、デジタル資産貸借申込受付手段11が受け付けたデジタル資産貸借の申込における第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する機能として、第1の借り手40Aが借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手40A2が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部、あるいは、第2の借り手40A2が借り入れを所望する第2のデジタル資産の銘柄と第1の借り手40A1が担保対象とする第1のデジタル資産の銘柄とが一致しない場合、対当しない部分について、第1の借り手40A1を相手方とする第3の貸し手40B3として第1の借り手40A1が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付けるとともに、第2の借り手40A2を相手方とする第4の貸し手40B4として第2の借り手40A2が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能をさらに有するように構成したので、借り手40Aと貸し手40Bの貸借がより一層促進され、貸借申込案件についての流動性をより一層向上させることが可能になる。
このため、本実施形態によれば、トークンなどのデジタル資産について、与信と担保の処理を自動化し、取引や貸借、決済などに活用することが可能な、デジタル資産の貸借システムが得られる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明のデジタル資産の貸借システムは、貴金属、非鉄金属、石油・ガス・電力などのエネルギー類、コメ・砂糖などの保存可能な農作物、美術品、飲料水など、広範囲に販売されているものや、その他の経済的価値をデジタルで表現された、デジタル資産を用いて取引を扱う分野に有用である。
11 デジタル資産貸借申込受付手段
11a (貸借条件の)入力指定項目
11b 相手方貸借条件提示領域
11c 選択項目
12 貸借管理用スマートコントラクト
13 担保力算出用スマートコントラクト
14 資産管理用スマートコントラクト
15 担保強制売却用スマートコントラクト
16 担保率管理用スマートコントラクト
17 サービス提供用スマートコントラクト
18 一時的処理データ管理手段
19 第2価値構成要素設定データ管理手段
20 トークン生成用スマートコントラクト
21 トークン構成要素設定・変更受付手段
22 デジタル資産貸借契約解除申込受付手段
31 デジタル資産取引システム
31a デジタル資産取引用スマートコントラクト
40A 借り手
40B 貸し手

Claims (19)

  1. トークン(ブロックチェーン等の分散技術においてデジタルで定義される価値などの総称)、デジタル通貨、トークンとデジタル通貨、もしくはトークン同士、デジタル通貨同士など、あらゆる形態のデジタル資産間による取引を管理するための、少なくとも1種類のブロックチェーン等の分散技術における分散型台帳と、該分散型台帳に管理されるデジタル資産を用いた所定の処理を行うためのスマートコントラクトを備えて構築され、FT(Fungible Token)と称される大量に発行されているメジャーなデジタル資産と、NFT(Non-Fungible Token)と称される少量発行で、内部に機能属性が設定されているデジタル資産とを貸借の対象として用いる、デジタル資産の貸借システムであって、
    画面上に、借り入れ・貸し出しの区別、借り入れまたは貸し出しを所望する第2のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量、金利、貸借期間、担保の有・無、担保対象とする第1のデジタル資産のFT・NFTの種別、銘柄、数量を有して構成される貸借条件の入力指定項目を有し、デジタル資産貸借の申込を受け付けるデジタル資産貸借申込受付手段と、
    前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた、借り手及び貸し手からの貸借の申込内容に基づき、デジタル資産の貸借及び管理を行う貸借管理用スマートコントラクトを少なくとも備え、
    前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有することを特徴とするデジタル資産の貸借システム。
    (1)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とをマッチングする貸借条件マッチング機能。
    (2)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記借り手の借入対象である前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスから受け入れるとともに、担保対象である前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、前記第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
    (3)前記借り手及び前記貸し手のブロックチェーン上における、前記第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第2のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
    (4)前記借り手からの前記第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、前記第1のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、前記第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスに戻す機能。
  2. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (5)前記借り手の貸借条件と前記貸し手の貸借条件とで、銘柄が一致し、かつ、数量、期間及び金利の一部が対当しない場合、対当しない部分について、前記貸し手を相手方とする第2の借り手として当該第2のデジタル資産を借り入れるとともに、前記借り手を相手方とする第2の貸し手として当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
  3. 前記デジタル資産貸借申込受付手段は、
    借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により入力指定された貸借条件を提示するための、相手方貸借条件提示領域と、提示した1以上の相手方の貸借条件のうちから当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択する選択項目をさらに有し、
    前記相手方貸借条件提示領域に提示されている1以上の相手方の貸借条件のうちから、当該借り手または貸し手が貸借を所望する相手方の貸借条件を選択項目に選択入力したときに、当該選択した相手方の貸借条件に基づいて当該借り手または貸し手によるデジタル資産貸借の申込を受け付け、
    前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能を少なくとも有することを特徴とする請求項1または2に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (6)当該借り手または貸し手に対し、少なくとも1以上の相手方により既に入力指定されている貸借条件を、前記デジタル資産貸借申込受付手段の前記相手方貸借条件提示領域に提示する機能。
    (7)当該借り手または貸し手の選択入力した貸借条件の相手方が、当該借り手または貸し手の貸借条件に合意した場合、その旨を前記デジタル資産貸借申込受付手段の所定領域に表示する機能。
  4. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (8)金利が前記借り手より支払われたときに、前記第2のデジタル資産を前記借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出す機能。
    (9)前記第2のデジタル資産を貸し出している間は、支払われた金利を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
  5. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段の貸借条件の入力指定項目に入力された借り入れまたは貸し出しを所望する前記第2のデジタル資産の種別がNFT(Non-Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (10)前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けた所定の貸借期間経過後、前記第2のデジタル資産を前記貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスへ強制的に戻すとともに、当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管している金利を当該貸し手のブロックチェーン上の第2のアドレスに移動する機能。
  6. 前記貸借期間が1日単位であり、
    貸借契約の解除を受け付ける入力項目を有するデジタル資産貸借契約解除申込受付手段をさらに有し、
    前記貸借管理用スマートコントラクトは、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
    (11)前記デジタル資産貸借契約解除申込受付手段が貸借契約の解除を受け付けた場合には、日付が変わる時間の経過後に貸借契約の解除処理を行い、日付が変わる時間までに貸借契約の解除を受け付けなかった場合には、貸借契約を継続する機能。
  7. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (12)貸借対象のデジタル資産が定期的に所有量に対して所定の権利が発生するデジタル資産である場合、当該デジタル資産の所有により発生した権利について、当該デジタル資産とは別銘柄のデジタル資産として、当該デジタル資産の所有数量に応じた数量を当該デジタル資産の所有者のアドレスへ配分する機能。
  8. 前記デジタル資産貸借申込受付手段は、前記借り手が、前記貸し手から借り入れた第2のデジタル資産を、デジタル資産の取引を行う所定の取引用スマートコントラクトで処理し、その約定により得たデジタル資産を担保対象とする前記第1のデジタル資産として、当該借り手からの別のデジタル資産の貸借の申込を受け付けることを特徴とする請求項1、2、7のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
  9. 前記貸借管理用スマートコントラクトが当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで担保として保管する第1のデジタル資産の担保力をリアルタイムに算出する機能を有する担保力算出用スマートコントラクトをさらに備え、
    前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項1、2、7、8のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
    (13)前記担保力算出用スマートコントラクトが算出した当該第1のデジタル資産の担保力が不足する場合、当該第1のデジタル資産を担保とする当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加を要求する機能。
  10. デジタル資産の管理を行う資産管理用スマートコントラクトをさらに備え、
    前記資産管理用スマートコントラクトは、前記貸借管理用スマートコントラクトから当該第1のデジタル資産の所有者に対し、担保の追加要求があったときに、自動的に不足分の担保として所定のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクトに差し入れる機能を有することを特徴とする請求項9に記載のデジタル資産の貸借システム。
  11. 前記貸借管理用スマートコントラクトから担保の追加要求があったときに、所定期間内に前記資産管理用スマートコントラクトから前記貸借管理用スマートコントラクトへの不足分の担保の差し入れがない場合、前記貸借管理用スマートコントラクトが担保として保管しているデジタル資産を強制的に売却する機能を有する担保強制売却用スマートコントラクトをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のデジタル資産の貸借システム。
  12. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項11に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (14)前記担保強制売却用スマートコントラクトによる担保の強制売却における貸し手の資金回収の不足分を補う損害保険の機能を有する保険用スマートコントラクトに当該損害保険を自動設定し、当該損害保険の設定により生じる保険料を当該貸し手の金利の一部から支払う機能。
  13. 前記貸借管理用スマートコントラクトが管理するデジタル資産の貸し手及び借り手のブロックチェーン上のアドレスは、当該デジタル資産の保有者を特定する情報が管理された口座に対応付けられ、
    前記口座には、当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産の情報が管理され、
    当該デジタル資産の保有者が保有するデジタル資産に対し所定の権利が発生する場合、発生した権利についての情報が口座において当該保有者のブロックチェーン上のアドレスで受け取ることができるようにしたことを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
  14. 担保対象になり得る銘柄と担保率をマスタ情報として所定のデータ管理領域上で記録・更新する機能を有する担保率管理用スマートコントラクトをさらに備え、
    前記担保力算出用スマートコントラクトは、前記担保率管理用スマートコントラクトによって前記所定のデータ管理領域上に記録されている担保率を用いて、前記第1のデジタル資産の担保力を算出することを特徴とする請求項9~12のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
  15. 前記口座に対応付けられたブロックチェーン上の当該デジタル資産の保有者のアドレスには、当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を管理するための与信力評価値管理領域を有し、
    証券や銀行、決済など金融や非金融における所定のサービスを自動的に処理する複数のサービス提供用スマートコントラクトをさらに有し、
    各々の前記サービス提供用スマートコントラクトには、当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報が設定され、
    各々の前記サービス提供用スマートコントラクトは、当該デジタル資産の保有者個人に対する当該所定のサービスを処理した際に、設定されている当該デジタル資産の保有者個人についてのベースとなる与信情報を適宜更新し、適宜更新した最新の与信情報を当該デジタル資産の保有者のブロックチェーン上のアドレスの与信力評価値管理領域にリンクする与信情報として記録する機能を備え、
    前記担保率管理用スマートコントラクトは、前記各々のサービス提供用スマートコントラクトを介して更新された最新の与信情報を用いて、ブロックチェーン上のアドレスに対応する当該デジタル資産の保有者個人の与信力を示す評価値を計算し、算出した評価値に基づいて担保率を算出する機能を有することを特徴とする請求項14に記載のデジタル資産の貸借システム。
  16. トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの一方を含み他方を含まない第1価値構成要素が設定された一時的処理データを、ブロックチェーンを介して管理する一時的処理データ管理手段と、
    トークンの価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量のうち、少なくとも価格及び数量のうちの他方を含み一方を含まない第2価値構成要素が設定されたデータを管理する第2価値構成要素設定データ管理手段と、
    トークンを自動的に生成するトークン生成用スマートコントラクトをさらに備え、
    前記トークン生成用スマートコントラクトは、
    前記一時的処理データ管理手段によりブロックチェーンを介して管理されている第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段により管理されている第2価値構成要素と、を用いて、価値を構成する要素をなす銘柄、価格及び数量が揃ったトークンを所定数量分生成する、トークン生成機能を有し、
    前記デジタル資産貸借申込受付手段がデジタル資産の貸借を受け付けたとき、自動的に一時的処理データからトークンを生成し、生成したトークンを前記貸借管理用スマートコントラクトに渡すことを特徴とする請求項1、2、7~12、14、15のいずれかに記載のデジタル資産の貸借システム。
  17. 前記一時的処理データ管理手段で管理するための一時的処理データにおける前記第1価値構成要素と、前記第2価値構成要素設定データ管理手段で管理するための前記第2価値構成要素が設定されたデータにおける前記第2価値構成要素の設定・変更を受け付けるトークン構成要素設定・変更受付手段をさらに有することを特徴とする請求項16に記載のデジタル資産の貸借システム。
  18. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (15)複数の借り手同士の貸借条件をマッチングする第2の貸借条件マッチング機能。
    (16)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部が対当する場合、対当する部分について、前記第1の借り手の借入対象であり、かつ、前記第2の借り手の担保対象である前記第2のデジタル資産を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスから受け入れ、当該第2のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ貸し出すとともに、前記第1の借り手の担保対象である前記第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスから受け付け、当該第1のデジタル資産を当該貸借管理用スマートコントラクト内の所定アドレスで保管する機能。
    (17)前記第1の借り手及び前記第2の借り手のブロックチェーン上における、当該第1及び第2のデジタル資産についての第1及び第3のアドレス、銘柄及び数量を記録する機能。
    (18)前記第1の借り手からの当該第2のデジタル資産の返済及び金利の支払いを受けたときに、当該第1のデジタル資産を前記第1の借り手のブロックチェーン上の第1のアドレスへ戻すと同時に、当該第2のデジタル資産及び支払われた金利を前記第2の借り手のブロックチェーン上の第3のアドレスへ戻す機能。
  19. 前記貸借管理用スマートコントラクトは、前記デジタル資産貸借申込受付手段が受け付けたデジタル資産貸借の申込における前記第2のデジタル資産の種別がFT(Fungible Token)である場合に奏する、次の機能をさらに有することを特徴とする請求項18に記載のデジタル資産の貸借システム。
    (19)第1の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第2の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致し、かつ、数量、期間及び金利の少なくとも一部、あるいは、第2の借り手が借り入れを所望する前記第2のデジタル資産の銘柄と第1の借り手が担保対象とする前記第1のデジタル資産の銘柄とが一致しない場合、対当しない部分について、前記第1の借り手を相手方とする第3の貸し手として前記第1の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付けるとともに、前記第2の借り手を相手方とする第4の貸し手として前記第2の借り手が借り入れを所望する当該第2のデジタル資産を貸し付ける流動性調整機能。
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