JP2023094912A - 計量治具及び計量治具を有する包装体 - Google Patents

計量治具及び計量治具を有する包装体 Download PDF

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Koji Kishida
崇義 鶴田
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Abstract

【課題】環境負荷を抑制しつつ使用者の手間を省くことができる計量治具及び包装体を提供する。【解決手段】紙容器100の傾斜屋根部23に着脱可能に配置された計量治具200である。計量治具200は、突出部41と、本体部42と、突出部41の先端に着脱可能に取り付けられるキャップ部44と、紙容器100を保持する保持部43と、を有する。保持部43は、本体部42の左右両端のそれぞれと接続する一対の側方支持部431、432と、一対の側方支持部431、432を連結する連結部435と、を有する。一対の側方支持部431、432は紙容器100の筒状部の左右方向の側面部と接触して配置されるとともに、筒状部の後面部11に到達し、連結部435の少なくとも一部は、後面部11よりも後方に配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、紙容器に着脱可能に取り付けられる計量治具及び計量治具を有する包装体に関する。
液体洗剤、柔軟剤などの液体の収容物は、専用注出容器、例えば、プラスチックボトルが使用されている。これらの注出容器の多くは、収容物が無くなった段階で、繰り返し使用することができるようになっている。つまり、収容物が充填された詰め替え用パウチが別途流通しており、詰め替え用パウチを開封して、詰め替え用パウチに収容されている収容物を専用抽出容器に詰め替える。これにより、専用抽出容器を使いまわすことが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-33067号公報
上述の構成では、収容物を注出する注出口から収容物を注入する構成である。詰め替え時に収容物が漏れやすく、使用者の身体や衣服を汚してしまう虞がある。そのため、特許文献1では、専用抽出容器の注出口の雄ねじと螺合できる雌ねじを形成し、雌ねじを雄ねじに螺合し、詰め替えを行うことで、漏れを抑制している。
しかしながら、詰め替え用パウチを上下反転させてねじを取り付ける構成であるため、操作が難しい。また、詰め替え用パウチに雌ねじを構成する必要があり、製造に手間と時間がかかる。また、詰め替え用パウチは樹脂で形成されているため、詰め替え後の詰め替え用パウチを廃棄すると、環境負荷が大きくなる。
本発明は、環境負荷を抑制しつつ使用者の手間を省くことができる計量治具及び包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にかかる計量治具は、紙容器の筒状部の上部の前後に配された一対の傾斜屋根部の一方に着脱可能に配置され、前記紙容器に収容された収容物を計量可能である。計量治具は、底部に貫通孔を有する有底円筒状の突出部と、前記突出部の外面から外側に拡がるとともに前記傾斜屋根部を覆うように配置される本体部と、前記突出部の先端に着脱可能に取り付けられ、前記収容物を計量できるキャップ部と、前記本体部と連結されるとともに、前記紙容器を保持する保持部と、を有する。前記突出部は、前記貫通孔を囲む筒状であり前記紙容器の内部と連通する流入部と、前記流入部と連通して前記収容物を吐出するとともに、前記突出部に取り付けられた前記キャップ部に覆われる吐出部と、を有する。前記保持部は、前記本体部の左右両端のそれぞれと接続する一対の側方支持部と、一対の前記側方支持部を連結する連結部と、を有する。一対の前記側方支持部は前記紙容器の前記筒状部の左右方向の側面部と接触して配置されるとともに、前記筒状部の後面部に到達する。前記連結部の少なくとも一部は、前記後面部よりも後方に配置される。
また本発明は上記構成の計量治具は、前記流入部は、前記紙容器は、前記傾斜屋根部に設けられて前記収容物を注出するための注ぎ口の内面と接触して前記注ぎ口に係合する。
また本発明は上記構成の計量治具は、前記流入部に取り付けられるパッキンを有し、前記パッキンは、前記流入部が延びる方向に延びる筒状部と、前記筒状部の一方の開口部から径方向外側に向かって拡がるフランジ部と、を有する。前記筒状部は、前記注ぎ口の内面と接触し、前記フランジ部は、前記注ぎ口の突出方向の先端及び前記流入部の前記注ぎ口の先端と突出方向に対向する面と接触する。
また本発明は上記構成の計量治具において、前記吐出部は、前記突出部の前底部より突出方向に延びるノズルを有する。前記突出部の内周面は、前記貫通孔に向かって傾斜するテーパ状である。
また本発明は上記構成の計量治具において、一対の前記側方支持部は、それぞれ、厚み方向に突出する係合凸部を有する。前記係合凸部は、一方の前記傾斜屋根部と他方の前記傾斜屋根部の間の空間に挿入されて、一対の前記傾斜屋根部と係合する。
また本発明は上記構成の計量治具において、前記連結部は、弾性変形可能なループ状である。前記連結部は、一対の前記側方支持部に設けられた保持凸部の両方に同時に係合される。
また本発明は上記構成の計量治具において、前記連結部の先端と一対の前記側方支持部の他方の先端とが係合可能である。
本発明にかかる包装体は、上述の計量治具と、前記計量治具が着脱可能な前記傾斜屋根部を有する前記紙容器と、を有する。
本発明によると、環境負荷を抑制しつつ使用者の手間を省くことができる計量治具及び包装体を提供することができる。
本発明にかかる包装体の一例の前側上方から見た斜視図である。 包装体の後側上方から見た斜視図である。 キャップ部を取り外した状態の包装体の斜視図である。 紙容器の前側上方から見た斜視図である。 キャップ部を取り外した状態の計量治具200の正面図である。 計量治具の背面図である。 キャップ部を取り外した状態の計量治具の側断面図である。 キャップ部の斜視図である。 包装体の分解斜視図である。 変形例の包装体を後側上方から見た斜視図である。
本発明の一実施形態の包装体Aについて図面を参照して説明する。図1は、本発明にかかる包装体Aの一例の前側上方から見た斜視図である。図2は、包装体Aの後側上方から見た斜視図である。図3は、キャップ部44を取り外した状態の包装体Aの斜視図である。なお、本実施形態において、包装体Aの方向を示す「前」、「後」、「上」、「下」、「右」、「左」は、図1に示す包装体Aを基準とする。
<包装体A>
図1に示すように、本発明にかかる包装体Aは、紙容器100と、紙容器100に取り付けられる計量治具200とを有する。紙容器100に収容される収容物は、例えば、洗濯用液体洗剤、柔軟剤、漂白剤等、計量して使用する液体を挙げることができる。また、これら以外にも、収容物として、酒類(日本酒、ワイン、焼酎等)、飲料類(コーヒー、乳飲料、ジュース、お茶等)、調味料(醤油、ドレッシング等)および衛生用品(シャンプー、ボディーソープ等)等も紙容器100にて提供できる液体を広く採用できる。
<紙容器100>
図4は、紙容器100の前側上方から見た斜視図である。図4に示すように、紙容器100は、ゲーベルトップ型の容器である。紙容器100は、防水処理された1枚の紙(ブランク板)を折り曲げるとともに、接着することで形成される。紙容器100は、筒状部10と、切妻型屋根部20と、底部30と、を有する。紙容器100において、筒状部10の上端は、切妻型屋根部20によって塞がれる。また、筒状部10の下端は、底部30によって塞がれる。
<筒状部10>
筒状部10は、水平断面が矩形(ここでは、正方形)の筒状である。筒状部10は、後面板11と、右側面板12と、前面板13と、左側面板14と、を有する。前面板13及び後面板11は、前後に対向して配置される。右側面板12は、後面板11及び前面板13の右端部を連結する。左側面板14は、後面板11及び前面板13の左端部を連結する。筒状部10の上端部は、切妻型屋根部20によって塞がれる。また、筒状部10の下端部は、底部30によって塞がれる。
<切妻型屋根部20>
図4に示すように、切妻型屋根部20は、後傾斜屋根部21と、右側面天板部22と、前傾斜屋根部23と、左側面天板部24と、頂部25と、を有する。後傾斜屋根部21は、後面板11の上端と連結され、上方が前方に傾斜する。前傾斜屋根部23は、前面板13の上端と連結され、上方が後方に傾斜する。後傾斜屋根部21及び前傾斜屋根部23の上端を貼り合わせ、頂部25が形成される。頂部25は、左右及び上下に延びる平板状である。
右側面天板部22は、右側面板12の上端に連結されている。右側面天板部22は、二等辺三角形状であり、上方が左右方向の内側に傾斜する。右側面天板部22は、後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23との間に配置される。
左側面天板部24は、左側面板14の上端に連結されている。左側面天板部24は、二等辺三角形状であり、上方が左右方向の内側に傾斜する。左側面天板部24は、後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23との間に配置される。右側面天板部22及び左側面天板部24は、左右方向に対向して配置される。
前傾斜屋根部23は、貫通孔231を有する。また、前傾斜屋根部23は注ぎ口26を有する。注ぎ口26は、円筒状であり(図4参照)、貫通孔231を貫通し、前傾斜屋根部23に固定されている。つまり、注ぎ口26は、紙容器100の内部と外部とを連通する。紙容器100は、注ぎ口26を介して収容物を外部に注出することができる。注ぎ口26は、収容物の漏れを抑制できる程度に貫通孔231と密着している。さらに、注ぎ口26は、不図示のフランジ部を有しており、フランジ部を前傾斜屋根部23の内面に接着することで固定される。これにより、注ぎ口26の外面と貫通孔231の内面との隙間からの収容物の漏れが抑制される。なお、注ぎ口26は、樹脂で形成されるがこれに限定されない。
<底部30>
一般的に、底部30は、筒状の筒状部10の下端部を折り曲げる。そして、充填機にて、紙容器内面を加熱し、内面フィルム溶融接着することで底部30を形成する。これにより、収容物の外部への漏れが防止される。なお、接着には、接着剤を用いた接着であってもよいし、ホットメルトを用いた接着であってもよい。例えば、紙容器100に液体を充填する場合、底部30から液体が漏れない程度に密に形成できる接着方法を広く採用することができる。
<計量治具200>
計量治具200の詳細について図面を参照して説明する。図5は、キャップ部44を取り外した状態の計量治具200の正面図である。図6は、計量治具200の背面図である。図7は、キャップ部44を取り外した状態の計量治具200の側断面図である。図8は、キャップ部44の斜視図である。
計量治具200は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂等の樹脂で形成される。なお、計量治具200は、樹脂に限定されず、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料で形成されてもよい。また、紙容器100に取り付けても脱落しない剛性を有し、収容物が付着しても変形及び破損しない構成であれば紙製であってもよい。
計量治具200は、突出部41と、本体部42と、保持部43と、キャップ部44と、上フック部451と、下フック部452と、を有する。突出部41は、底部411と、筒部412と、を有する。底部411は、軸方向から見て円形状である。筒部412は、底部411の外縁部より軸方向に延びる円筒状である。底部411には、貫通孔413が設けられる(図7等参照)。
筒部412の内周面410は、テーパ状である。さらに説明すると、包装体Aを床等の水平な面に配置したとき、内周面410は、貫通孔413に向かって液体が流れる勾配が形成されるように形成される。このように構成することで、包装体Aを水平面に配置したときに、筒部412の内部の収容物が、貫通孔413に向かって流れ、紙容器100の内部に流入する。また、キャップ部44を突出部41に取り付けたとき、キャップ部44に溜まった収容物が突出部41の内に流れ、貫通孔413を介して紙容器100の内部に流入する。
これにより、包装体Aの使用時において、突出部41に収容物が溜まることを抑制し、収容物が外部に垂れることを抑制できる。また、キャップ部44に溜まった収容物を再利用することができ、収容物の無駄をなくすことができる。
突出部41は、流入部414と、吐出部415とを有する。流入部414は、底部411の筒部412と反対側に配置される。流入部414は、底部411の貫通孔413を囲む筒状である。流入部414は、紙容器100の前傾斜屋根部23に配置される注ぎ口26に係合する。さらに詳しく説明すると、流入部414は、後述するパッキン5を介して注ぎ口26の内部に配置される。これにより、流入部414は、注ぎ口26から離れないように取り付けられる。流入部414と注ぎ口26との間にパッキン5が介在することで、注ぎ口26から流入部414に収容物が流れるときの漏れが抑制される。
図7及び後述の図9に示すように、パッキン5は、筒部51と、フランジ部52とを有する。筒部51は、円筒状である。フランジ部52は、筒部51の軸方向の端部の外面より外側に拡がる円環状である。底部411の背面側には、複数個(例えば、4個)のリブ416を有する。
パッキン5の筒部51の内周面が流入部414に接触して配置される。また、フランジ部52が底部411のリブ416と接触して配置される。その結果、パッキン5は、リブ416によって固定される。例えば、リブ416に凹みを設けその凹みにパッキン52のフランジ部52が嵌合する形態にすることで、より強固に固定される。これにより、計量治具200の着脱時に、パッキン5の流入部414からの抜けが抑制される。また、流入部414を注ぎ口26に挿入したとき、筒部51の外面が注ぎ口26の内面と接触する。また、注ぎ口26の先端は、フランジ部52と接触する。そのため、収容物の外部への漏れを抑制する効果を高めることができる。
吐出部415は、底部411の貫通孔413の近傍から突出するノズルを有する。吐出部415は、上部が開口している。吐出部415は、流入部414と連通している。これにより、収容物は流入部414から貫通孔413を介して吐出部415に流入する。そして、吐出部415の先端は、軸方向において筒部412の軸方向先端よりも外側に配置される。
吐出部415は筒部412よりも小さい断面を有しており、収容物をキャップ部44に注ぐときに、収容物がこぼれにくい。また、収容物を注いだ後、吐出部415の外面を流れる場合がある。吐出部415は、突出部41の底部411及び筒部412の内部に配置されている。そのため、吐出部415の外面を流れた収容物がテーパ状の内周面410を伝って、下方に流れ、貫通孔413を通って、紙容器100の内部に戻る。これにより、計量治具200の外面が汚れにくく、使用者の手が汚れにくい。また、収容物の無駄を抑制することができる。
図5、図6に示すように、上フック部451は、計量治具200の上部に配置される。さらに詳しく説明すると、上フック部451は、突出部41の外面に配置される。上フック部451は、計量治具200を前傾斜屋根部23に取り付けたとき、頂部25に係合される。また、下フック部452は、計量治具200の下部に配置される。さらに詳しく説明すると、下フック部452は、本体部42の下部に配置される。下フック部452は、計量治具200を前傾斜屋根部23に取り付けたとき、前面板13と接触する。上フック部451が頂部25に係合し、下フック部452が前面板13に接触することで、計量治具200が、前傾斜屋根部23に安定して配置される。このとき、流入部414は、パッキン5を介して注ぎ口26の内部に係合する。
保持部43は、計量治具200を紙容器100に取り付けたときに、計量治具200が紙容器100から脱落しないように保持する。保持部43は、右側方支持部431と、左側方支持部432と、右フック部433と、左フック部434と、連結部435と、を有する。右側方支持部431と、左側方支持部432とは、中心線を中心とする線対称体である。そのため、保持部43は、一対の側方支持部を有する構成であるとすることもできる。
図5、図6に示すように、右側方支持部431は、本体部42の右端と一体的に連結される。なお、右側方支持部431と本体部42との連結部分は、折り曲げが容易になるように、少なくとも一部を他の部分に比べて薄く形成したヒンジ部であってもよいし、軸を用いたヒンジ形状であってもよい。
図5、図6に示すように、右側方支持部431は、本体部42の右端より右方向に延びる。そして、本体部42から一定長さの位置で上方に折れ曲がっている。なお、折れ曲がり部分の内角は紙容器100の後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23とがなす角度(ここでは、120°)と同じである。そして、右側方支持部431の先端には、背面側に延びる右フック部433が設けられる。右フック部433は、右側方支持部431に対して所定の角度(ここでは、略90°)をなす。右フック部433には、連結部435を構成する支柱部436が設けられる(図5、図6等参照)。
左側方支持部432は、本体部42の左端と一体的に連結される。なお、左側方支持部432と本体部42との連結部分は、折り曲げが容易になるように、少なくとも一部を他の部分に比べて薄く形成したヒンジ部であってもよいし、シャフトを用いたヒンジ形状であってもよい。
左側方支持部432は、本体部42の左端より左方向に延びる。そして、本体部42から一定長さの位置で上方に折れ曲がっている。なお、折れ曲がり部分の内角は紙容器100の後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23とがなす角度(ここでは、120°)と同じである。左側方支持部432の先端には、背面側に延びる左フック部434が設けられる。左フック部434は、左側方支持部432に対して所定の角度(ここでは、略90°)をなす。左フック部434には、連結部435を構成する支柱部436が設けられる(図2、図5、図6等参照)。
計測治具200を紙容器100の前傾斜屋根部23に配置したとき、右側方支持部431と本体部42との連結部分は、前傾斜屋根部23の右辺に沿って配置される。そのため、右側方支持部431を連結部分に沿って本体部42に対して折り曲げることで、右側方支持部431は、紙容器100の右側に沿って配置される。同様に、左側方支持部432と本体部42との連結部分は、前傾斜屋根部23の右辺に沿って配置される。そのため、左側方支持部432を連結部分に沿って本体部42に対して折り曲げることで、左側方支持部431は、紙容器100の左側に沿って配置される。
右側方支持部431及び左側方支持部432には、背面側に突出する係合凸部430を有する。係合凸部430は、正面視略三角形状である。係合凸部430は、右側方支持部431及び左側方支持部432を折り曲げたときに、切妻型屋根部20の後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23との間に係合する。これにより、右側方支持部431及び左側方支持部432が安定して、紙容器100に取り付けられる。なお、右側方支持部431及び左側方支持部432を安定して紙容器100に取り付け可能な構成の場合、係合凸部430は省略してもよい。
図8は、キャップ部44の開口441側から見た斜視図である。図8に示すように、キャップ部44は軸方向の一端に開口441を有する有底筒状である。キャップ部44は、内面に不図示の雌ねじが設けられている。そして、キャップ部44は、雌ねじを突出部41の筒部412の外周面に設けられた雄ねじ417(図5、図7等参照)に螺合することで、突出部41に固定する。これにより、キャップ部44は、突出部41及び吐出部415を覆う。これにより、計量治具200を介して、紙容器100に収容された収容物が外部に漏れることを抑制できる。
また、図8に示すように、キャップ部44の内周面には、目盛440が備えられている。吐出部415から収容物を吐出するとき、目盛440を目安にすることで、収容物の吐出量を計測することができる。これにより、必要十分な量の収容物を紙容器100から吐出することが可能である。その結果、収容物を過不足なく使用することが可能である。
図2、図5、図6等に示すように、連結部435は、支柱部436と、バンド437とを有する。支柱部436は、断面半円形の柱状である。バンド437は弾性変形可能なループ状である。バンド437としては、例えば、ループ状に形成されたゴムバンドを挙げることができるが、これに限定されない。
そして、支柱部436は、外周面の先端部から外側に拡がる押え部438を有する。支柱部436の軸方向から見て、押え部438は、支柱部436よりも大きい。バンド437は、支柱部436の円周部に接触して配置される。押え部438を有することで、バンド437の支柱部436からの抜けが抑制される。なお、連結部435の使用方法の詳細については、後述する。
<計量治具200の紙容器100への取り付け>
計量治具200を紙容器100に取り付ける手順について図面を参照して説明する。図9は、包装体Aの分解斜視図である。まず、流入部414が、注ぎ口26に挿入されるように、計量治具200を紙容器100の前傾斜屋根部23の上面に配置する。流入部414には、パッキン5が取り付けられており、流入部414の外周面と注ぎ口26の内周面との間に、パッキン5の筒部51が介在する。これにより、注ぎ口26と流入部414とは、収容物が漏れないように密に連通する。
計量治具200をさらに前傾斜屋根部23に押すことで、注ぎ口26の先端がパッキン5のフランジ部52と接触する。これにより、パッキン5のフランジ部52は、注ぎ口26によって底部411に押し当てる。これにより、注ぎ口26と底部411との間も密着するため、収容物の漏れを抑制する効果がさらに高くなる。
そして、注ぎ口26の先端とパッキン5のフランジ部52とが接触したのち、右側方支持部431を後方に折り曲げ、紙容器100の右側に配置する。このとき、右側方支持部431に形成された係合凸部430は、切妻型屋根部20の後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23との間の空間に係合される。そして、右側方支持部431の一部は、紙容器100の右側面板12と接触する。さらに、右側方支持部431の先端の右フック部433は、紙容器100の後側に回り込み、後面板11と接触する。
同様に、左側方支持部432が後方に折り曲げられ、紙容器100の左側に配置される。左側方支持部432に形成された係合凸部430は、切妻型屋根部20の後傾斜屋根部21と前傾斜屋根部23との間の空間に係合される。そして、左側方支持部432の一部は、紙容器100の左側面板14と接触する。さらに、左側方支持部432の先端の左フック部434は、紙容器100の後側に回り込み、後面板11と接触する(図2参照)。
右側方支持部431及び左側方支持部432を折り曲げて、紙容器100に接触させたとき、右フック部433及び左フック部434に設けられた支柱部436は、左右方向に並んで対をなす。さらに説明すると、後面側から見たとき、支柱部436は半円形であり、一対の支柱部436の弦をなす部分が、左右に対向して配置される。換言すると、各支柱部436の曲面部は、左右方向の外側になるように配置される。
この状態で、バンド437が一対の支柱部436の両方に引っ掛けられる。バンド437が弾性変形可能なループ状であることで、バンド437を弾性変形させて広げた後、一対の押え部438を超えて、支柱部436に取り付ける。バンド437は、支柱部436に取り付けたとき、弾性的な復元力によって支柱部436を締め付けることができ、バンド437は、押え部438を越えない(図2参照)。
一対の支柱部436及びバンド437を有する連結部435は、右側方支持部431及び左側方支持部432、すなわち、一対の側方支持部を連結する。これにより、計量治具200の紙容器100からの脱落が抑制される。
また、紙容器100に収容された収容物を使い切ると、使用者によってバンド437が外される。そして、使用者によって右側方支持部431及び左側方支持部432が、左右に起こされる(図9参照)。そして、注ぎ口26に挿入されている流入部414が外部に抜き出される。これにより、紙容器100と、計量治具200とが分離される。そして、収容物を使い切った紙容器100を、収容物が収容されている紙容器100に入れ替えて、上述と同様の手順で計量治具200を紙容器100に取り付けることができる。
本発明にかかる包装体Aでは、収容物を提供する紙容器100を容器として使用するため、合成樹脂の使用量及び廃棄量をさらに減らすことが可能であり、環境負荷を低減できる。
また、本発明にかかる包装体Aでは、収容物を使い切った後に、紙容器100を取り替えることで、収容物を補充する。すなわち、収容物の補充時に、廃棄される紙容器100は紙製である。一方で、従来の樹脂で形成された容器に樹脂フィルムで形成された収容袋から収容物を移し替える場合、樹脂フィルムで形成された収容袋を廃棄する。したがって、本発明にかかる包装体Aを用いることで、樹脂の廃棄量を減らすことができ、さらに環境負荷を抑制することができる。
また、収容物が収容されている紙容器100をそのまま、包装体Aの容器として用いるため、収容物と容器の外面の印刷により表示される収容物の内容とを常に同じとすることができる。これにより、使用者の誤使用を抑制することが可能である。
また、紙容器100によって、注ぎ口26の内径が異なる場合がある。異なる内径のパッキン5を取り替えることで、異なる内径の注ぎ口26に対応可能な計量治具200が提供できる。複数のパッキン5は、それ自体で、流通してもよいし、包装体Aと一緒に流通してもよいし、計量治具200一緒に流通してもよい。
<変形例>
図10は、変形例の包装体Bを後側上方から見た斜視図である。図10に示す包装体Bの計量治具200bの連結部46が、計量治具200の連結部435と異なる。これ以外の点について、包装体Bは、包装体Aと同じ構成を有する。そのため、包装体Bの包装体Aと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
図10に示すように、連結部46は、連結バー461及び係合部462を有する。連結バー461は、長尺状の板材であり、左側方支持部432の先端の左フック部434に一体的に連結される。連結部46は、後方に折り曲げられた右側方支持部431及び左側方支持部432を連結する。
図10に示すように、係合部462は、連結バー461の先端に形成される。係合部462は、連結バー461の厚み方向にずれたクランク形状である。そして、右フック部433及び左フック部434が後面板11の背面に配置されている状態で、連結バー461の係合部462が、右フック部433の後面に接触する。右フック部433の後面には、後方に突出する不図示の係合凸部が形成されており、係合部462には、不図示の係合凹部が形成されている。係合部462を右フック部433の後面に接触させるとき、係合凸部を係合凹部に係合させることで、係合部462を右フック部433に係合する。
このように、連結部46として、連結バー461及び係合部462を有する構成とすることで、計量治具100bを紙容器100に強固に固定することが可能である。また、連結バー461が、左フック部434と一体的に連結されることで、計量治具100bの構成数を減らすことができる。
なお、本発明は上述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる構成にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の包装体は、例えば、液体洗剤、柔軟剤等、使用時に計量が必要な液体の収容物を提供する容器として利用することができる。
A、B 包装体
100 紙容器
10 筒状部
11 後面板
12 右側面板
13 前面板
14 左側面板
20 切妻型屋根部
21 後傾斜屋根部
22 右側面天板部
23 前傾斜屋根部
231 貫通孔
24 左側面天板部
25 頂部
26 注ぎ口
30 底部
200、200b 計量治具
41 突出部
410 内周面
411 底部
412 筒部
413 貫通孔
414 流入部
415 吐出部
416 リブ
42 本体部
43 保持部
430 係合凸部
431 右側方支持部
432 左側方支持部
433 右フック部
434 左フック部
435 連結部
436 支柱部
437 バンド
438 押え部
44 キャップ部
440 目盛
441 開口
451 上フック部
452 下フック部
46 連結部
461 連結バー
462 係合部
5 パッキン
51 筒部
52 フランジ部

Claims (8)

  1. 紙容器の筒状部の上部の前後に配された一対の傾斜屋根部の一方に着脱可能に配置され、前記紙容器に収容された収容物を計量可能な計量治具であって、
    底部に貫通孔を有する有底円筒状の突出部と、
    前記突出部の外面から外側に拡がるとともに前記傾斜屋根部を覆うように配置される本体部と、
    前記突出部の先端に着脱可能に取り付けられ、前記収容物を計量できるキャップ部と、
    前記本体部と連結されるとともに、前記紙容器を保持する保持部と、を有し、
    前記保持部は、
    前記本体部の左右両端のそれぞれと接続する一対の側方支持部と、
    一対の前記側方支持部を連結する連結部と、を有し、
    一対の前記側方支持部は前記紙容器の前記筒状部の左右方向の側面部と接触して配置されるとともに、前記筒状部の後面部に到達し、
    前記連結部の少なくとも一部は、前記後面部よりも後方に配置される計量治具。
  2. 前記突出部は、
    前記貫通孔を囲む筒状であり前記紙容器の内部と連通する流入部と、
    前記流入部と連通して前記収容物を吐出するとともに、前記突出部に取り付けられた前記キャップ部に覆われる吐出部と、を有し、
    前記流入部は、前記紙容器の前記傾斜屋根部に設けられて前記収容物を注出するための注ぎ口の内面と接触して前記注ぎ口に係合する請求項1に記載の計量治具。
  3. 前記流入部は、パッキンを有し、
    前記パッキンは、前記流入部が延びる方向に延びる筒状部と、
    前記筒状部の一方の開口部から径方向外側に向かって拡がるフランジ部と、を有し、
    前記筒状部は、前記注ぎ口の内面と接触し、前記フランジ部は、前記注ぎ口の突出方向の先端及び前記流入部の前記注ぎ口の先端と突出方向に対向する面と接触する請求項2に記載の計量治具。
  4. 前記吐出部は、前記突出部の前記底部より延びるノズルを有し、
    前記突出部の内周面は、前記貫通孔に向かって傾斜するテーパ状である請求項2又は請求項3に記載の計量治具。
  5. 一対の前記側方支持部は、それぞれ、厚み方向に突出する係合凸部を有し、
    前記係合凸部は、一対の前記傾斜屋根部の間の空間に挿入されて、一対の前記傾斜屋根部と係合する請求項1から請求項4のいずれかに記載の計量治具。
  6. 前記連結部は、弾性変形可能なループ状であり、
    前記連結部は、一対の前記側方支持部にそれぞれ設けられた柱部に同時に係合される請求項1から請求項5のいずれかに記載の計量治具。
  7. 前記連結部の先端と一対の前記側方支持部の他方の先端とが係合可能である請求項1から請求項5のいずれかに記載の計量治具。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の計量治具と、
    前記計量治具が着脱可能な前記傾斜屋根部を有する前記紙容器と、を有する包装体。
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