JP2023094322A - アンモニア燃焼バーナ及びボイラ - Google Patents

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Sachihiro Tominaga
明正 ▲高▼山
Akimasa Takayama
直季 富澤
Naoki Tomizawa
聡彦 嶺
Satohiko Mine
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Yasuhiro Yamauchi
康裕 竹井
Yasuhiro Takei
猛 甘利
Takeshi Amari
康二 大浦
Koji Oura
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    • F23J7/00Arrangement of devices for supplying chemicals to fire

Abstract

【課題】アンモニア燃焼バーナ及びボイラにおいて、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図る。【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃焼バーナは、ボイラでアンモニア燃料を燃焼させるためのアンモニア燃焼バーナであって、アンモニア燃料を噴射するためのアンモニア噴射ノズルと、アンモニア噴射ノズルの外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズルと、燃焼用空気ノズルから噴出される燃焼用空気に流速分布を付与する流速分布付与部と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、アンモニア燃焼バーナ及びボイラに関する。
アンモニアが燃料として火炉内に供給されるボイラが公知である。例えば、特許文献1で開示されるボイラでは、アンモニアが石炭と共に火炉内で燃焼するアンモニア混焼が行われる。
特開2020-41748号公報
アンモニアをアンモニア専焼バーナで燃焼させる場合、着火位置やNOxの発生量は、燃焼用空気の流量や流速の影響を比較的受けやすい。そのため、着火位置の安定化やNOxの発生を抑制できるように燃焼用空気を供給することが求められている。
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、アンモニア燃焼バーナ及びボイラにおいて、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図ることを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃焼バーナは、
ボイラでアンモニア燃料を燃焼させるためのアンモニア燃焼バーナであって、
前記アンモニア燃料を噴射するためのアンモニア噴射ノズルと、
前記アンモニア噴射ノズルの外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズルと、
前記燃焼用空気ノズルから噴出される前記燃焼用空気に流速分布を付与する流速分布付与部と、
を備える。
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラは、
火炉壁を含む火炉と、
前記火炉壁に設けられた、上記(1)の構成のアンモニア燃焼バーナと、
を備える。
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラは、
火炉壁を含む火炉と、
前記火炉壁に設けられた、上記(1)の構成のアンモニア燃焼バーナと、
前記火炉壁の前記アンモニア燃焼バーナとは異なる位置に設けられ、アンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる他燃料バーナと、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、アンモニア燃焼バーナ及びボイラにおいて、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
本実施形態のアンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料を主燃料とするボイラを備えるボイラシステムを表す概略構成図である。 アンモニア専焼バーナにおける燃焼用空気の流速と着火位置やNOxの発生量との関係について説明するための模式的な図である。 第1アンモニアバーナについての模式図である。 図3に示す第1アンモニアバーナにおける流速分布付与部を駆動するための構造の一例を示す模式図である。 図3に示す第1アンモニアバーナにおける流速分布付与部の作用について説明するための模式図である。 図3に示す第1アンモニアバーナにおける流速分布付与部の作用について説明するための模式図である。 図3に示す第1アンモニアバーナにおける流速分布付与部の作用について説明するための模式図である。 第2アンモニアバーナについての模式図である。 第2アンモニアバーナについての模式図である。 第2アンモニアバーナについての模式図である。 第3アンモニアバーナについての模式図である。 第3アンモニアバーナについての模式図である。 第3アンモニアバーナについての模式図である。 第4アンモニアバーナについての模式図である。 第4アンモニアバーナについての模式図である。 第4アンモニアバーナについての模式図である。 第5アンモニアバーナについての模式図である。 第6アンモニアバーナについての模式図である。 第7アンモニアバーナについての模式図である。 第8アンモニアバーナについての模式図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
<1.ボイラシステム1の全体的な構成>
図1は、本実施形態のアンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料を主燃料とするボイラを備えるボイラシステム1を表す概略構成図である。
本実施形態のボイラシステム1が備えるボイラ10は、アンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料とをバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能なボイラである。他燃料として、例えばバイオマス燃料や石炭などの固体燃料が使用される。固体燃料は、例えば石炭を微粉砕した微粉炭燃料である。また、アンモニア燃料は、アンモニアを含む液体または気体である。
ボイラ10は、火炉11と燃焼装置20、50と燃焼ガス通路12を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11の内壁面を構成する火炉壁101は、複数の伝熱管と、伝熱管同士を接続するフィンとで構成され、燃料の燃焼により発生した熱を、伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して回収すると共に、火炉壁101の温度上昇を抑制している。
燃焼装置20、50は、火炉11の下部領域に設置されている。本実施形態では、燃焼装置20は、微粉炭燃料を火炉11の内部に噴射するように構成される。また、燃焼装置50は、アンモニア燃料を火炉11の内部に噴射するように構成される。
燃焼装置20は、火炉壁101に装着された複数のバーナ21を有し、燃焼装置50は、複数のアンモニアバーナ(アンモニア燃焼バーナ)51を有している。各々のバーナ21の先端部には、微粉炭燃料を火炉11内に噴射するように構成された噴射ノズル(図示外)が設けられる。また、各々のアンモニアバーナ51の先端部には、アンモニア噴射ノズル52(例えば図3参照)が設けられる。火炉11に液体のアンモニア燃料が噴射される液体アンモニア噴射方式が採用される場合、アンモニア噴射ノズルは、例えば蒸気などのアトマイズ流体により液体アンモニアを微粒化して噴射するように構成された2流体噴射ノズルであってもよいし、液体のアンモニア燃料のみを噴射するように構成された1流体噴射ノズルであってもよい。また、火炉11に気体のアンモニア燃料が噴射されるアンモニアガス噴射方式が採用される場合、アンモニア噴射ノズルはガス噴射ノズルであってもよい。
本開示の幾つかの実施形態では、アンモニアバーナ51は、アンモニア専焼バーナである。
これにより、後述するように、アンモニア専焼バーナにおいて、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図ることができる。
バーナ21とアンモニアバーナ51は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で配設されたもの(例えば、四角形の火炉11の各コーナ部に設置された4個)を1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。図1の例では、1セットのバーナ21が2段、1セットのアンモニアバーナ51が4段配置される。なお、図1では、図示の都合上、1セットのバーナのうちの2個のみを記載し、各セットに符合21、51を付している。火炉の形状やバーナの段数、一つの段におけるバーナの数、バーナの配置などは、この実施形態に限定されるものではない。
また、本実施形態の火炉11における燃焼方式は、各コーナ部にバーナが設置され、火炉11内でらせん状に旋回する火炎を形成する旋回燃焼方式であるが、他の燃焼方式であってもよい。採用される燃焼方式に応じて、火炉11の形状と、複数のバーナ21及び複数のアンモニアバーナ51の配置はいずれも適宜変更されてよい。他の燃焼方式としては、例えば、火炉11の対向する1対の炉壁の双方にバーナが設置される対向燃焼方式である。
燃焼装置20のバーナ21は、それぞれ、複数の微粉炭燃料供給管22A、22B(以下、一括して「微粉炭燃料供給管22」と記載する場合がある。)を介して、複数のミル(粉砕機)31A、31B(以下、一括して「ミル31」と記載する場合がある。)に連結されている。ミル31は、例えば、内部に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持されていて、粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている竪型ローラミルである。粉砕ローラと粉砕テーブルが協働して粉砕された固体燃料は、ミル31に供給される一次空気(搬送用ガス、酸化性ガス)により、ミル31が備える分級機(図示省略)に搬送される。分級機では、バーナ21での燃焼に適した粒径以下の微粉炭燃料と、該粒径より大きな粗粉炭燃料とに分級される。微粉炭燃料は、分級機を通過して、一次空気と共に微粉炭燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。分級機を通過しなかった粗粉炭燃料は、ミル31の内部で、自重により粉砕テーブル上に落下し、再粉砕される。
ミル31に供給される上述の一次空気(搬送用ガス、酸化性ガス)は、外気を取り込む1次空気通風機33(PAF:Primary Air Fan)から空気管30を介してミル31に送出される。空気管30は、1次空気通風機33から送出された空気のうち空気予熱器(エアヒータ)42で加熱された熱空気が流れる熱空気誘導管30Aと、1次空気通風機33から送出された空気のうち空気予熱器42を経由しない常温に近い冷空気が流れる冷空気誘導管30Bと、熱空気と冷空気が合流して流れるための搬送用ガス流路30Cとを備える。
燃焼装置50のアンモニアバーナ51は、アンモニア燃料供給ユニット90に連結されている。本実施形態のアンモニア燃料供給ユニット90は、アンモニアタンク91と、アンモニアタンク91に貯留されるアンモニア燃料(例えば液体アンモニア)をボイラ10の燃焼装置50に供給するためのアンモニア燃料供給管92とを備える。アンモニアガス噴射方式が採用される場合、液体アンモニアに気化処理を施すための気化器(図示外)がアンモニア燃料供給ユニット90に設けられてもよい。また、液体アンモニア噴射方式が採用される場合、アンモニア燃料供給ユニット90は、燃焼装置50に液体アンモニアを微粒化するためのアトマイズ流体を供給するアトマイズ流体供給管(図示外)をさらに備えてもよい。
バーナ21とアンモニアバーナ51の装着位置における火炉11の炉外側には、エアレジスタ(風箱)23が設けられており、このエアレジスタ23には風道(空気ダクト)24の一端部が連結されている。風道24の他端部には、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32が連結されている。押込通風機32から供給された空気は、風道24に設置された空気予熱器42で加熱され、エアレジスタ23を介してバーナ21に二次空気(燃焼用空気、酸化性ガス)として供給され、及びアンモニアバーナ51に燃焼用空気(酸化性ガス)として供給され、火炉11の内部に投入される。
燃焼ガス通路12は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。燃焼ガス通路12には、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器102A、102B、102C(以下、一括して「過熱器102」と記載する場合がある。)、再熱器103A、103B(以下、一括して「再熱器103」と記載する場合がある。)、節炭器104が設けられており、火炉11で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。なお、各熱交換器の配置や形状は、図1に記載した形態に限定されない。
燃焼ガス通路12の下流側には、熱交換器で熱回収された燃焼ガスが排出される煙道13が連結されている。煙道13には、風道24との間に空気予熱器(エアヒータ)42が設けられており、風道24を流れる空気と、煙道13を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、ミル31に供給する一次空気やバーナ21とアンモニアバーナ51に供給する燃焼用空気を加熱することで、水や蒸気との熱交換後の燃焼ガスから、さらに熱回収を行う。
また、煙道13には、空気予熱器42よりも上流側の位置に、脱硝装置43が設けられていてもよい。脱硝装置43は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を、煙道13内を流通する燃焼ガスに供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)と還元剤との反応を、脱硝装置43内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。
煙道13の空気予熱器42より下流側には、ガスダクト41が連結されている。ガスダクト41には、燃焼ガス中の灰などを除去する電気集じん機などの集じん装置44や硫黄酸化物を除去する脱硫装置46などの環境装置、また、それらの環境装置に排ガスを導くための誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)45が設けられている。ガスダクト41の下流端部は、煙突47に連結されており、環境装置で処理された燃焼ガスが、排ガスとして系外に排出される。
ボイラ10において、複数のミル31が駆動すると、粉砕、分級された微粉炭燃料が、一次空気と共に微粉炭燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。また、アンモニア燃料供給ユニット90からアンモニア燃料がアンモニアバーナ51に供給される。さらに、空気予熱器42で加熱された二次空気が、風道24からエアレジスタ23を介してバーナ21とアンモニアバーナ51とに供給される。
バーナ21は、微粉炭燃料と一次空気とが混合した微粉炭燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に、二次空気を火炉11に吹き込む。火炉11に吹き込まれた微粉炭燃料混合気が着火し、二次空気と反応することで火炎を形成する。アンモニアバーナ51は、アンモニア燃料と共に燃焼用空気を火炉11に吹き込む。火炉11に吹き込まれたアンモニア燃料は、燃焼用空気と反応して燃焼する。
微粉炭燃料とアンモニア燃料の燃焼により生じる高温の燃焼ガスは、火炉11内を上昇し、燃焼ガス通路12に流入する。
なお、アンモニア燃料が火炉11に吹き込まれるタイミングは、微粉炭燃料の燃焼によって火炉11内の温度が一定温度まで上昇した後であってもよい。例えば、ボイラ10の起動時に微粉炭燃料の専焼が行われたのち、アンモニア燃料が火炉11に吹き込まれ、アンモニア燃料と微粉炭燃料とのアンモニア混焼が行われてもよい。さらにその後、微粉炭燃料の吹き込みを停止し、アンモニア専焼が行われてもよい。
また、本実施形態では、酸化性ガス(一次空気、二次空気、燃焼用空気)として空気を用いるが、空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、供給される燃料量に対する酸素量の比率を適正な範囲に調整することで、火炉11において安定した燃焼が実現される。
燃焼ガス通路12に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス通路12の内部に配置された過熱器102、再熱器103、節炭器104で水や蒸気と熱交換した後、煙道13に排出され、脱硝装置43で窒素酸化物が除去され、空気予熱器42で一次空気、二次空気及び燃焼用空気と熱交換した後、さらにガスダクト41に排出され、集じん装置44で灰などが除去され、脱硫装置46で硫黄酸化物が除去された後、煙突47から系外に排出される。なお、燃焼ガス通路12における各熱交換器及び煙道13からガスダクト41における各装置の配置は、燃焼ガスの流れに対して、必ずしも上述の記載順に配置されなくともよい。
なお、本開示のボイラは上述した実施形態に限定されない。ボイラに使用される固体燃料としては、石炭である代わりにまたは石炭と共に、バイオマス燃料、石油コークス(PC:Petroleum Coke)燃料、石油残渣などが使用されてもよい。
また、アンモニア燃料と組み合わせるボイラの燃料としては、固体燃料に限らず、重油、軽油、重質油などの石油類や工場廃液などの液体燃料も使用することができる。また、天然ガスや各種石油ガス、製鉄プロセスなどで発生する副生ガスなどの気体燃料も使用することができる。
さらに、これらの各種燃料を組み合わせて使用する混焼ボイラにも適用することができる。以下の説明では、アンモニア燃料のことを単にアンモニアとも称する。
上述したように、本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10は、火炉壁101を含む火炉11と、火炉壁101に設けられた後で詳述するアンモニアバーナ51と、火炉壁101のアンモニアバーナ51とは異なる位置に設けられ、微粉炭を燃焼させる微粉炭バーナとしてのバーナ21とを備える。
これにより、本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10のアンモニアバーナ51において、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
バーナ21は、アンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる他燃料バーナであってもよい。なお、微粉炭バーナは、他燃料バーナに含まれる。
本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10は、アンモニアバーナ51と微粉炭バーナとしてのバーナ21とによって火炉11内で旋回燃焼が行われる旋回燃焼ボイラであってもよい。
これにより、旋回燃焼ボイラのアンモニアバーナ51において、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
なお、バーナ21は、アンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる他燃料バーナであってもよい。
また、本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10は、アンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる混焼ボイラであってもよく、アンモニア燃料だけを燃焼させるアンモニア専焼ボイラであってもよい。
(燃焼用空気の流速の影響について)
アンモニアをアンモニア専焼バーナで燃焼させる場合、着火位置やNOxの発生量は、燃焼用空気の流量や流速の影響を比較的受けやすい。
図2は、アンモニア専焼バーナにおける燃焼用空気の流速と着火位置やNOxの発生量との関係について説明するための模式的な図であり、燃焼用空気の流路が単一の流路であるアンモニアバーナ51Xを例に挙げている。図2に示すアンモニアバーナ51Xにおいて燃焼用空気の流れに沿ったアンモニアバーナ51Xの中心軸Axを境に、図示上側には燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速が比較的遅い場合を表し、図示下側には燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速が比較的速い場合を表している。
図2に示すアンモニアバーナ51Xは、拡散燃焼方式(拡散型)のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56とを備えている。図2に示すアンモニアバーナ51Xは、保炎器56は、例えば、中空円錐台形状のディフューザ型の保炎器56Aである。
なお、「アンモニア噴射ノズル52の外側」とは、アンモニア噴射ノズル52の中心軸Axを中心とした径方向でアンモニア噴射ノズル52よりも外側の領域を指すものとする。以下の説明においても同じである。
図2では、保炎領域(保炎器後流に形成される循環流発生域)81の範囲を破線で囲んで表している。図2では、アンモニア噴射ノズル52から噴射されるアンモニアの噴射範囲82を二点鎖線で模式的に表している。図2では、燃焼用空気ノズル54から噴射される燃焼用空気とアンモニア噴射ノズル52から噴射されるアンモニアとの混合位置83を実線で囲むとともにハッチングを付して表している。
燃焼用空気の流速が比較的遅い場合、保炎領域81は比較的小さくなり、着火性は比較的低下する傾向となる。燃焼用空気の流速が比較的遅い場合、燃焼用空気の慣性が比較的小さくなるので、燃焼用空気が着火部の近傍に集中する傾向となる。そのため、局所的に空気比が比較的高い領域(高酸素濃度領域)が形成されて、NOxの発生量が比較的多くなる傾向となる。
燃焼用空気の流速が比較的速い場合、保炎領域81は比較的大きくなり、着火性は比較的向上する傾向となる。燃焼用空気の流速が比較的速い場合、燃焼用空気の慣性が比較的大きくなるので、燃焼用空気ノズル54から噴射される燃焼用空気とアンモニア噴射ノズル52から噴射されるアンモニアとの混合位置83は下流側に分散する傾向となる。そのため、高空気比となる領域が局所的に形成されることが緩和されて、NOxの発生量が比較的少なくなる傾向となる。
図2に示すアンモニアバーナ51Xのように、燃焼用空気の流路が単一の流路である場合、燃焼用空気の流量と流速が同時に変化するため、アンモニアの着火位置が比較的調節し難い。
また、バーナの燃焼量を減少させるターンダウン時には、着火性確保のために燃焼用空気の流速を維持したいが、単一流路で流速を維持すると燃焼用空気の流量は一定になる。一方でターンダウン時には噴射される燃料量は減少する為、空気比は増加し、NOxは増加する傾向となる。特にアンモニアは他の燃料と比べてNOxの発生量が空気比によって影響を受け易いため、空気比のコントロールが重要となる。そのため、ターンダウン時も含めて、着火位置の安定化やNOxの発生を抑制できるように、燃焼用空気を供給することが必要となる。
そこで、本実施の形態に係るボイラ10では、アンモニアバーナ51を以下のように構成することで、定格運転時及びターンダウン時に燃焼用空気の流速を維持しつつ、NOxの発生を考慮した燃焼に好適な空気比を実現できるたようにしている。以下、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51について説明する。
(アンモニアバーナ51の各実施形態について)
図3は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内の一実施形態の第1アンモニアバーナ51Aについての構造を表す模式的な側面断面図と、この第1アンモニアバーナ51Aを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図4は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aにおける、後述する流速分布付与部60を駆動するための構造の一例を示す模式図である。
図5A、図5B、及び図5Cは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aにおける、流速分布付与部60の作用について説明するための模式図である。
なお、図3、図5A、図5B、及び図5Cでは、流速分布付与部60を駆動するための構造の記載を省略している。
図6A、図6B、及び図6Cは、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内の他の実施形態の第2アンモニアバーナ51Bについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式図である。
図7A、図7B、及び図7Cは、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第3アンモニアバーナ51Cについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式図である。
図8A、図8B、及び図8Cは、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第4アンモニアバーナ51Dについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式的な側面断面図と、この第4アンモニアバーナ51Dを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図9は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第5アンモニアバーナ51Eについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式的な側面断面図と、第5アンモニアバーナ51Eを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図10は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第6アンモニアバーナ51Fについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式的な側面断面図と、第6アンモニアバーナ51Fを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図11は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第7アンモニアバーナ51Gについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式的な側面断面図と、第7アンモニアバーナ51Gを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図12は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内のさらに他の実施形態の第8アンモニアバーナ51Hについての構造、及び流速分布付与部60の作用について説明するための模式的な側面断面図と、第8アンモニアバーナ51Hを中心軸Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
以下の説明では、各アンモニアバーナ51A、51B、51C、51D、51E、51F、51G、51Hについての総称を表す場合や各アンモニアバーナ51A、51B、51C、51D、51E、51F、51G、51Hを区別する必要がない場合には、符号のアルファベットを省略して、単にアンモニアバーナ51と表すこととする。また、以下の説明では、アンモニアバーナ51の中心軸Axの延在方向の内、燃焼用空気の流れ方向の下流側を単に下流側とも称し、燃焼用空気の流れ方向の上流側を単に上流側とも称する。
(第1アンモニアバーナ51Aについて)
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aは、拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、保炎器56は、例えば、中空円錐台形状のディフューザ型の保炎器56Aである。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。このように絞り部を形成することで、ダクト壁面による断面周辺部の流速低下が、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aにおける流速分布に影響することを抑制することができる。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、流速分布付与部60との干渉を避けるため、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図3における紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在しているとよい。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間の隙間から火炉11内に噴射される。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の内部に配置されていて、燃焼用空気ノズル54の内部を流れる燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部61である。図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、第1流速分布付与部61は、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときに燃焼用空気ノズル54の中央から外側に向かって延在するように形成された流路制限部材611を含んでいる。流路制限部材611は、燃焼用空気ノズル54の内周面54iとの間で燃焼用空気が流通可能な隙間を形成する。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、中心軸Axに沿った第1流速分布付与部61(流路制限部材611)の位置によって、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布が変化する。なお、図5A、図5B、及び図5Cでは、燃焼用空気ノズル54の出口よりも下流側に記載された矢印は、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気の流速分布の傾向、すなわち、中心軸Axからの距離と燃焼用空気の流速との関係を表している。
(流路制限部材611が開口部54aから比較的遠い位置に存在する場合)
図5Aは、流路制限部材611が開口部54aから比較的遠い位置に存在する場合、すなわち、流路制限部材611が比較的上流側に位置する場合を表している。燃焼用空気は、例えば図5Aの矢印aで示すように流路制限部材611によって中心軸Axから離れるように上記隙間に案内される。上記隙間に案内された燃焼用空気の一部は、流路制限部材611の下流側端部611dよりも下流側で、流体の慣性力によって図5Aの矢印bで示すように中心軸Axに近づくように流れる。そのため、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aに近づくにつれて、中心軸Axに直交する燃焼用空気ノズル54の断面内で流速は均一な状態に近づく。
図5Aに示すように流路制限部材611が比較的上流側に位置する場合、中心軸Axに直交する燃焼用空気ノズル54の断面内で流速は均一な状態に一層近づく。すなわち、流路制限部材611が比較的上流側に位置する場合、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布に対して流路制限部材611が与える影響がほとんどなくなる。
よって、図5Aに示すように流路制限部材611が比較的上流側に位置する場合、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axの位置によらず、比較的流速が等しくなるような流速分布となる。
(流路制限部材611が開口部54aに比較的近い位置に存在する場合)
図5Cは、流路制限部材611が開口部54aに比較的近い位置に存在する場合、すなわち、流路制限部材611が比較的下流側に位置する場合を表している。燃焼用空気は、例えば図5Cの矢印dで示すように流路制限部材611によって中心軸Axから離れるように上記隙間に案内される。図5Cに示すように流路制限部材611が比較的下流側に位置する場合、矢印dで示すような燃焼用空気の流れの影響により、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから遠い位置の方が中心軸Axから近い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
このような流速分布となる場合、着火部から比較的離れた位置に燃焼用空気が供給され易くなって、局所的に空気比が比較的高い領域が形成され難くなって、NOxの発生量を抑制することが期待できる。
(流路制限部材611が開口部54aにある程度近づいた場合)
図5Bは、流路制限部材611が開口部54aにある程度近づいた場合、例えば、図5Aに示す流路制限部材611の位置と、図5Cに示す流路制限部材611の位置との間の位置に流路制限部材611が存在する場合を示している。燃焼用空気は、例えば図5Bの矢印cで示すように、流路制限部材611によって中心軸Axから離れるように上記隙間に案内される。上記隙間に案内された燃焼用空気の一部は、流路制限部材611の下流側端部611dよりも下流側で、中心軸Axに近づくように流れる。しかし、図5Bに示す場合では、図5Aに示す場合よりも流路制限部材611の下流側端部611dと開口部54aとの距離が短いため、中心軸Axに比較的近い領域における流速が十分に回復しない。そのため、図5Bに示すように流路制限部材611が開口部54aにある程度近づいた場合、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから近い位置の方が中心軸Axから遠い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
このような流速分布となる場合、保炎器56の周囲の燃焼用空気の流速が上がることで、保炎領域(循環域)が十分に形成されて着火性が向上することが期待できる。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、ボイラ10の運転中であっても中心軸Axに沿った第1流速分布付与部61(流路制限部材611)の位置を変更できるように構成されているとよい。例えば、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、図4に示すように、流速分布付与部60は、中心軸Axに沿って流路制限部材611を移動するように構成された移動装置613を含んでいてもよい。
例えば、移動装置613は、中心軸Axに沿って流路制限部材611を移動するための駆動源615を含むとよい。駆動源615は、例えば、油圧シリンダや電動シリンダが用いられる。そして、駆動源615と流路制限部材611とを例えばロッド616で接続し、ロッド616を介して流路制限部材611を中心軸Axに沿って移動させるようにしてもよい。
また、図4に示すように、流路制限部材611は、例えば燃焼用空気ノズル54の内部に配置されたガイドレール617等によって中心軸Axに沿って案内されるように構成されていてもよい。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、燃焼用空気ノズル54の内部に配置された第1流速分布付与部61(流路制限部材611)によって燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、上記隙間に燃焼用空気を案内することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
図3に示す第1アンモニアバーナ51Aでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置の影響を受ける。したがって、中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置を移動装置613によって変更することで燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。これにより、例えばターンダウン時に燃焼用空気の流量が変化しても、中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置を変更することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
なお、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aにおいて、中心軸Axに沿った第1流速分布付与部61(流路制限部材611)の位置が予め設定された位置で固定されていて、ボイラ10の運転中にはその位置を変更できないように構成されていてもよい。
(第2アンモニアバーナ51Bについて)
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、保炎器56は、例えば、ディフューザ型の保炎器56Aである。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様の構造を有する。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図6A、図6B、及び図6Cにおける紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよいし、そのように構成されていなくてもよい。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間の隙間から火炉11内に噴射される。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の内部に配置されていて、燃焼用空気ノズル54の内部を流れる燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部61である。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、第1流速分布付与部61は、中心軸Axの延在方向に対して規定の傾斜角度θで傾斜した案内面612aを有するガイドベーン612を含んでいる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、ガイドベーン612は、例えば、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、1辺につき少なくとも1つずつ配置されているとよい。例えば、図6A、図6B、及び図6Cに示す例では、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺の内、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれにガイドベーン612が1つずつ配置され、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれにガイドベーン612が1つずつ配置されている。
なお、例えば後述する図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cのように、ガイドベーン612は、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、1辺につき中心軸Axと直交する方向に複数段配置されていてもよい。また、ガイドベーン612は、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、辺の延在方向に複数配置されていてもよい。ガイドベーン612は、中心軸Axの延在方向に複数配置されていてもよい。さらにガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれに配置され、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれには配置されていなくてもよい。また、ガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれには配置されず、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれに配置されていてもよい。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、案内面612aの傾斜角度θによって、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布が変化する。なお、図6A、図6B、及び図6Cでは、燃焼用空気ノズル54の出口よりも下流側に記載された矢印は、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気の流速分布の傾向、すなわち、中心軸Axからの距離と燃焼用空気の流速との関係を表している。
(傾斜角度θが0度となる場合)
図6Aは、ガイドベーン612の案内面612aの傾斜角度θが0度となる場合を表している。図6Aに示す場合には、ガイドベーン612の案内面612aは、燃焼用空気ノズル54を流れる燃焼用空気を中心軸Axに近づけるように案内することがなく、中心軸Axから遠ざけるように案内することもない。
よって、図6Aに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axの位置によらず、比較的流速が等しくなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づく場合)
図6Bは、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づくように斜角度θが設定される場合を表している。
図6Bに示す場合には、燃焼用空気は、案内面612aによって中心軸Axに近づくように案内される。
よって、図6Bに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから近い位置の方が中心軸Axから遠い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかる場合)
図6Cは、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかるように斜角度θが設定される場合を表している。
図6Cに示す場合には、燃焼用空気は、案内面612aによって中心軸Axから遠ざかるように案内される。
よって、図6Cに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから遠い位置の方が中心軸Axから近い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、ボイラ10の運転中であっても案内面612aの傾斜角度θを変更できるように構成されているとよい。例えば、図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、流速分布付与部60は、案内面612aの傾斜角度θを変更するように構成されたガイドベーン駆動装置614を含んでいてもよい。ガイドベーン駆動装置614は、案内面612aの傾斜角度θを変更するための不図示の駆動源、及び、該駆動源の駆動力を伝達して案内面612aの傾斜角度θを変更できるように構成された不図示の伝達装置を含んでいるとよい。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、燃焼用空気ノズル54の内部に配置された第1流速分布付与部61(ガイドベーン612)によって燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、ガイドベーン612で燃焼用空気を案内することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、上記傾斜角度θの影響を受ける。したがって、上記傾斜角度θをガイドベーン駆動装置614によって変更することで燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。これにより、例えばターンダウン時に燃焼用空気の流量が変化しても、上記傾斜角度θを変更することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bにおいて、上記傾斜角度θが予め設定された角度で案内面612aが固定されていて、ボイラ10の運転中には上記傾斜角度θを変更できないように構成されていてもよい。
(第3アンモニアバーナ51Cについて)
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、保炎器56は、例えば、ディフューザ型の保炎器56Aである。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様の構造を有する。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図7A、図7B、及び図7Cにおける紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよい。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間の隙間から火炉11内に噴射される。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の内部に配置されていて、燃焼用空気ノズル54の内部を流れる燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部61である。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、第1流速分布付与部61は、中心軸Axの延在方向に対して規定の傾斜角度θで傾斜した案内面612aを有するガイドベーン612を含んでいる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、第1流速分布付与部61は、燃焼用空気ノズル54の内部において、ガイドベーン612よりも内側の領域に配置されたダンパ618を含んでいる。ダンパ618は、該領域(すなわちダンパ618)を通過する燃焼用空気の流量を調節可能である。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ガイドベーン612は、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、1辺につき中心軸Axと直交する方向に複数段配置されていてもよい。図7A、図7B、及び図7Cに示す例では、ガイドベーン612は、1辺につき中心軸Axと直交する方向に2段配置されている。なお、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ガイドベーン612の上記配置段数は、図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bと同様に1段であってもよい。また、ガイドベーン612は、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、辺の延在方向に複数配置されていてもよい。ガイドベーン612は、中心軸Axの延在方向に複数配置されていてもよい。さらにガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれに配置され、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれには配置されていなくてもよい。また、ガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれには配置されず、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれに配置されていてもよい。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、案内面612aの傾斜角度θによって、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布が変化する。また、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ダンパ618によってダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞ることによって、ダンパ618の外周側を通過する燃焼用空気の流量を増加させることができる。したがって、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、案内面612aの傾斜角度θ、及びダンパ618の開度を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。
なお、図7A、図7B、及び図7Cでは、燃焼用空気ノズル54の出口よりも下流側に記載された矢印は、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気の流速分布の傾向、すなわち、中心軸Axからの距離と燃焼用空気の流速との関係を表している。
(傾斜角度θが0度であり、ダンパ618で絞らない場合)
図7Aは、各ガイドベーン612の案内面612aの傾斜角度θが0度となり、且つ、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞らない場合を表している。図7Aに示す場合には、ガイドベーン612の案内面612aは、燃焼用空気ノズル54を流れる燃焼用空気を中心軸Axに近づけるように案内することがなく、中心軸Axから遠ざけるように案内することもない。また、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞っていないので、ダンパ618の外周側を通過する燃焼用空気の流量は増加しない。
よって、図7Aに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axの位置によらず、比較的流速が等しくなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づく場合)
図7Bは、中心軸Axを中心とした外周側と内周側との2段に配置されているガイドベーン612のうち、外周側のガイドベーン612について、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づくように斜角度θが設定される場合を表している。なお、中心軸Axを中心とした外周側と内周側との2段に配置されているガイドベーン612のうち、内周側のガイドベーン612についても、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づくように斜角度θが設定されていてもよい。
図7Bに示す場合には、燃焼用空気は、外周側のガイドベーン612の案内面612aによって中心軸Axに近づくように案内される。
図7Bに示す場合には、外周側のガイドベーン612を傾けることで圧損が増加して、燃焼用空気ノズル54の外周側を流れる燃焼用空気の流量が減少しないように、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞ってもよい。なお、燃焼用空気ノズル54の外周側を流れる燃焼用空気の流量が減少しないのであれば、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞らなくてもよい。
よって、図7Bに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから近い位置の方が中心軸Axから遠い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかる場合)
図7Cは、中心軸Axを中心とした外周側と内周側との2段に配置されているガイドベーン612のうち、内周側のガイドベーン612について、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかるように斜角度θが設定される場合を表している。なお、中心軸Axを中心とした外周側と内周側との2段に配置されているガイドベーン612のうち、外周側のガイドベーン612についても、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかるように斜角度θが設定されていてもよい。
図7Cに示す場合には、燃焼用空気は、案内面612aによって中心軸Axから遠ざかるように案内される。
図7Cに示す場合には、内周側のガイドベーン612を傾けることで圧損が増加して、燃焼用空気ノズル54の外周側を流れる燃焼用空気の流量が減少しないように、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞ってもよい。なお、燃焼用空気ノズル54の外周側を流れる燃焼用空気の流量が減少しないのであれば、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を絞らなくてもよい。
よって、図7Cに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから遠い位置の方が中心軸Axから近い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ボイラ10の運転中であっても案内面612aの傾斜角度θを変更できるように構成されているとよい。例えば、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、図6A、図6B、及び図6Cに示す第2アンモニアバーナ51Bと同様に、流速分布付与部60は、案内面612aの傾斜角度θを変更するように構成されたガイドベーン駆動装置614を含んでいてもよい。ガイドベーン駆動装置614は、案内面612aの傾斜角度θを変更するための不図示の駆動源、及び、該駆動源の駆動力を伝達して案内面612aの傾斜角度θを変更できるように構成された不図示の伝達装置を含んでいるとよい。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ボイラ10の運転中であってもダンパ618の開度を変更できるように構成されているとよい。例えば、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、流速分布付与部60は、ダンパ618の開度を変更するように構成されたダンパ駆動装置619を含んでいてもよい。ダンパ駆動装置619は、ダンパ618の開度を変更するための不図示の駆動源、及び、該駆動源の駆動力を伝達してダンパ618の開度を変更できるように構成された不図示の伝達装置を含んでいるとよい。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、燃焼用空気ノズル54の内部に配置された第1流速分布付与部61(ガイドベーン612及びダンパ618)によって燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、ガイドベーン612で燃焼用空気を案内すること、及び、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を抑制することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、上記傾斜角度θ、及び、ダンパ618の開度の影響を受ける。したがって、上記傾斜角度θをガイドベーン駆動装置614によって変更し、ダンパ618の開度をダンパ駆動装置619によって変更することで燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。これにより、例えば燃焼用空気の流量が変化しても、上記傾斜角度θを変更することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cにおいて、上記傾斜角度θが予め設定された角度で案内面612aが固定されていて、ボイラ10の運転中には上記傾斜角度θを変更できないように構成されていてもよい。
図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cにおいて、ダンパ618の開度が予め設定された開度で固定されていて、ボイラ10の運転中にはダンパ618の開度を変更できないように構成されていてもよい。
(第4アンモニアバーナ51Dについて)
図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、保炎器56は、例えば、ディフューザ型の保炎器56Aである。
図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様の構造を有する。
図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図8A、図8B、及び図8Cにおける紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよいし、そのように構成されていなくてもよい。
図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間の隙間から火炉11内に噴射される。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の内部に配置されていて、燃焼用空気ノズル54の内部を流れる燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部61である。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、第1流速分布付与部61は、中心軸Axの延在方向に対して規定の傾斜角度θで傾斜した案内面612aを有するガイドベーン612を含んでいる。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612は、例えば、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aの近傍に配置されている。図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612は、例えば、燃焼用空気ノズル54の出口の近傍の領域であって、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなる領域の少なくとも一部と中心軸Axの延在方向で重複するように配置されている。なお、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612は、該領域よりも上流側の領域に配置されていてもよい。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612は、傾斜角度θを変更するための可動部を含んでおらず、予め設定された傾斜角度θで例えば燃焼用空気ノズル54に固定されている。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612は、例えば、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、1辺につき少なくとも1つずつ配置されているとよい。例えば、8B、及び図8Cに示す例では、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺の内、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれにガイドベーン612が1つずつ配置され、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれにガイドベーン612が1つずつ配置されている。
なお、図7A、図7B、及び図7Cに示す第3アンモニアバーナ51Cのように、ガイドベーン612は、矩形断面を有する燃焼用空気ノズル54の各辺に沿って、1辺につき中心軸Axと直交する方向に複数段配置されていてもよい。また、ガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれに配置され、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれには配置されていなくてもよい。また、ガイドベーン612は、図示上下方向に離間する2つ辺のそれぞれには配置されず、図示奥行き方向に離間する不図示の2つ辺のそれぞれに配置されていてもよい。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、案内面612aの傾斜角度θによって、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布が変化する。なお、図8A、図8B、及び図8Cでは、燃焼用空気ノズル54の出口よりも下流側に記載された矢印は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の傾向、すなわち、中心軸Axからの距離と燃焼用空気の流速との関係を表している。
(ガイドベーン612が配置されていない場合)
図8Aは、第4アンモニアバーナ51Dにおいて、ガイドベーン612が配置されていない場合を表している。図8Aに示す場合には、ガイドベーン612が存在しないので、ガイドベーン612によって燃焼用空気ノズル54を流れる燃焼用空気を中心軸Axに近づけるように案内することがなく、中心軸Axから遠ざけるように案内することもない。
よって、図8Aに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axの位置によらず、比較的流速が等しくなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づく場合)
図8Bは、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axに近づくように斜角度θが設定される場合を表している。
図8Bに示す場合には、燃焼用空気は、案内面612aによって中心軸Axに近づくように案内される。
よって、図8Bに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから近い位置の方が中心軸Axから遠い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
(下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかる場合)
図8Cは、下流側に向かうにつれて案内面612aが中心軸Axから遠ざかるように斜角度θが設定される場合を表している。
図8Cに示す場合には、燃焼用空気は、案内面612aによって中心軸Axから遠ざかるように案内される。
よって、図8Cに示す場合には、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから遠い位置の方が中心軸Axから近い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
図8A、図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、燃焼用空気ノズル54の内部に配置された第1流速分布付与部61(ガイドベーン612)によって燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、ガイドベーン612で燃焼用空気を案内することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
図8B、及び図8Cに示す第4アンモニアバーナ51Dでは、傾斜角度θを変更するための可動部を含んでおらず、構成が簡素である。
(第5アンモニアバーナ51Eについて)
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、保炎器56は、例えば、ディフューザ型の保炎器56Aである。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、中心軸Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図9における紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよいし、そのように構成されていなくてもよい。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、後述するように、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間から火炉11内に噴射される。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。具体的には、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、流速分布付与部60は、第2流速分布付与部62である。第2流速分布付与部62は、燃焼用空気ノズル54の内部を燃焼用空気が流通可能な第1流路541と、第1流路541の外側で燃焼用空気が流通可能な第2流路542とを仕切る仕切壁625を有する。すなわち、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第1流路541と、第1流路541の外側を取り囲むように形成された第2流路542との二重構造となっている。なお、第1流路541と第2流路542とは、図9ではアンモニア噴射ノズル52を径方向外側で周方向に囲むように形成されているが、図示上下方向に層状に形成されていてもよく、図示奥行き方向に層状に形成されていてもよい。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、第2流速分布付与部62は、第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置621を有する。第2流速分布付与部62は、第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置622を有する。
第1流量調節装置621は、例えば風道24と第1流路541との接続部に設けられた流量調節手段(例えばダンパ)である。なお、ボイラ10の運転中に第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を変更する必要がない場合には、第1流量調節装置621は、例えば風道24と第1流路541との接続部に設けられた流量制限手段(例えばオリフィス)であってもよい。
同様に、第2流量調節装置622は、例えば風道24と第2流路542との接続部に設けられた流量調節手段(例えばダンパ)である。なお、ボイラ10の運転中に第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を変更する必要がない場合には、第2流量調節装置622は、例えば風道24と第2流路542との接続部に設けられた流量制限手段(例えばオリフィス)であってもよい。
以下の説明では、第1流路541を流れる燃焼用空気の流量のことを第1流量Q1とも称し、第2流路542を流れる燃焼用空気の流量のことを第2流量Q2とも称する。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、第1流量調節装置621で第1流路541に供給する燃焼用空気の流量(第1流量Q1)を調節し、第2流量調節装置622で第2流路542に供給する燃焼用空気の流量(第2流量Q2)を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
すなわち、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、第1流量Q1、第2流量Q2、第1流量Q1と第2流量Q2との比率を適宜調節することで、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。
すなわち、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、燃焼用空気ノズル54における燃焼用空気の流路数を増やしたことで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更し易くなる。また、それぞれの流路(第1流路541及び第2流路542)を流れる燃焼用空気の流量を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の細やかな変更が可能である。これにより、着火位置やNOxの発生量のコントロールが容易となる。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、例えば、同量の燃焼用空気を、第1流路541及び第2流路542から火炉11内に均等に噴射する場合と、第1流路541又は第2流路542の何れか一方から火炉11内に噴射する場合とでは、後者の方が前者よりも火炉11内に噴射される燃料空気の流速が速くなる。そのため、後者の方が前者よりも燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第5アンモニアバーナ51Eから離れる。
また、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、例えば、同量の燃焼用空気を、第1流路541からのみ火炉11内に噴射する場合と、第2流路542からのみ火炉11内に噴射する場合とでは、後者の方が前者よりも保炎器56Aによる燃焼用空気の巻き込み(循環流の発生)が少ない。そのため、後者の方が前者よりも火炉11内に噴射される燃焼用空気の直進方向の速度成分が大きくなると考えられ、後者の方が前者よりも燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第5アンモニアバーナ51Eから離れる。
図9に示す第5アンモニアバーナ51Eでは、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。具体的には、例えば以下の通りである。燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布が中心軸Axの位置によらず、比較的流速が等しくなるような流速分布となる場合の第1流量Q1と第2流量Q2との比率をRa1とする。例えばこの比率Ra1よりも第1流量Q1の割合を増やせば、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから近い位置の方が中心軸Axから遠い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
このような流速分布となる場合、保炎器56の周囲の燃焼用空気の流速が上がることで、保炎領域(循環域)が十分に形成されて着火性が向上することが期待できる。
また、例えば上記比率Ra1よりも第2流量Q2の割合を増やせば、、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、中心軸Axから遠い位置の方が中心軸Axから近い位置よりも流速が速くなるような流速分布となる。
このような流速分布となる場合、着火部から比較的離れた位置に燃焼用空気が供給され易くなって、局所的に空気比が比較的高い領域が形成され難くなって、NOxの発生量を抑制することが期待できる。
(第6アンモニアバーナ51Fについて)
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fは、保炎器56の構造を除き、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eの構造と同様の構造を有する。
すなわち、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aとは異なり、保炎器56は、例えば、スワラ型の保炎器56Bである。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、中心軸Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図9における紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよいし、そのように構成されていなくてもよい。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとスワラ型の保炎器56Bの外周端との間、及びスワラ型の保炎器56Bから火炉11内に噴射される。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、流速分布付与部60は、第2流速分布付与部62である。第2流速分布付与部62は、燃焼用空気ノズル54の内部を燃焼用空気が流通可能な第1流路541と、第1流路541の外側で燃焼用空気が流通可能な第2流路542とを仕切る仕切壁625を有する。すなわち、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第1流路541と、第1流路541の外側を取り囲むように形成された第2流路542との二重構造となっている。なお、第1流路541と第2流路542とは、図10ではアンモニア噴射ノズル52を径方向外側で周方向に囲むように形成されているが、図示上下方向に層状に形成されていてもよく、図示奥行き方向に層状に形成されていてもよい。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、第2流速分布付与部62は、第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置621を有する。第2流速分布付与部62は、第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置622を有する。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622は、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eにおける第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622と同じである。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、第1流量調節装置621で第1流路541に供給する燃焼用空気の流量(第1流量Q1)を調節し、第2流量調節装置622で第2流路542に供給する燃焼用空気の流量(第2流量Q2)を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
すなわち、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、第1流量Q1、第2流量Q2、第1流量Q1と第2流量Q2との比率を適宜調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、燃焼用空気ノズル54における燃焼用空気の流路数を増やしたことで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更し易くなる。また、それぞれの流路(第1流路541及び第2流路542)を流れる燃焼用空気の流量を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の細やかな変更が可能である。さらに、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、それぞれの流路(第1流路541及び第2流路542)を流れる燃焼用空気の流量を調節することで、スワラ型の保炎器56Bによって生じる燃焼用空気の旋回力の細やかな調節が可能となる。
これにより、着火位置やNOxの発生量のコントロールが容易となる。
図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、例えば、同量の燃焼用空気を、第1流路541及び第2流路542から火炉11内に均等に噴射する場合と、第1流路541又は第2流路542の何れか一方から火炉11内に噴射する場合とでは、後者の方が前者よりも火炉11内に噴射される燃料空気の流速が速くなる。そのため、後者の方が前者よりも燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第6アンモニアバーナ51Fから離れる。
このように燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第6アンモニアバーナ51Fから離れることで、局所的に空気比が比較的高い領域が形成され難くなって、NOxの発生量を抑制することが期待できる。
また、図10に示す第6アンモニアバーナ51Fでは、例えば、同量の燃焼用空気を、第1流路541からのみ火炉11内に噴射する場合と、第2流路542からのみ火炉11内に噴射する場合とでは、後者の方が前者よりも保炎器56Bによる燃焼用空気の巻き込み(旋回流の発生)が少ない。そのため、後者の方が前者よりも火炉11内に噴射される燃焼用空気の直進方向の速度成分が大きくなり、後者の方が前者よりも燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第6アンモニアバーナ51Fから離れる。
このように燃焼用空気とアンモニアとの混合位置が第6アンモニアバーナ51Fから離れることで、局所的に空気比が比較的高い領域が形成され難くなって、NOxの発生量を抑制することが期待できる。
(第7アンモニアバーナ51Gについて)
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gは、図9に示す第5アンモニアバーナ51E及び図10に示す第6アンモニアバーナ51Fのような拡散型のバーナではなく、部分予混合型のスパッド(ヘラ状)型のバーナである。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gは、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、流速分布付与部60とを備えている。図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、アンモニア噴射ノズル52は、部分予混合型のスパッドノズル52Aである。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、中心軸Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、スパッドノズル52Aは、アンモニアを噴射するための噴射孔52hを複数有する。スパッドノズル52Aでは、複数の噴射孔52hは、例えば一方向に間隔を開けて配置されている。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、スパッドノズル52Aの下流側には、スパッドノズル52Aを外側から間隔を開けて取り囲むように配置された筒部58が配置されている。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、後述するように、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aから火炉11内に噴射される。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、アンモニアはスパッドノズル52Aの複数の噴射孔52hから筒部58の内部に噴射され、スパッドノズル52Aと筒部58との隙間から流入した燃焼用空気と予混合されながら火炉11内に噴射される。
なお、図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、スパッドノズル52Aと筒部58との隙間から筒部58の内部に流入する燃焼用空気は、後述する第1流路541を流れる燃焼用空気の一部である。すなわち、第7アンモニアバーナ51Gでは、部分予混合燃焼が行われる。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、流速分布付与部60は、第2流速分布付与部62である。第2流速分布付与部62は、燃焼用空気ノズル54の内部を燃焼用空気が流通可能な第1流路541と、第1流路541の外側で燃焼用空気が流通可能な第2流路542とを仕切る仕切壁625を有する。すなわち、図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第1流路541と、第1流路541の外側を取り囲むように形成された第2流路542との二重構造となっている。なお、第1流路541と第2流路542とは、図11ではアンモニア噴射ノズル52を径方向外側で周方向に囲むように形成されているが、図示上下方向に層状に形成されていてもよく、図示奥行き方向に層状に形成されていてもよい。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、第2流速分布付与部62は、第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置621を有する。第2流速分布付与部62は、第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置622を有する。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622は、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eにおける第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622と同じである。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、第1流量調節装置621で第1流路541に供給する燃焼用空気の流量(第1流量Q1)を調節し、第2流量調節装置622で第2流路542に供給する燃焼用空気の流量(第2流量Q2)を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
すなわち、図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、第1流量Q1、第2流量Q2、第1流量Q1と第2流量Q2との比率を適宜調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、燃焼用空気ノズル54における燃焼用空気の流路数を増やしたことで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更し易くなる。また、それぞれの流路(第1流路541及び第2流路542)を流れる燃焼用空気の流量を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の細やかな変更が可能である。
図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、第1流路541を流れる燃焼用空気の流量を調節可能であるので、筒部58の内部においてアンモニアと部分予混合される燃焼用空気の流量の調節にも役立つ。
(第8アンモニアバーナ51Hについて)
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hは、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eの燃焼用空気ノズル54における燃焼用空気の流路数をさらに増やした実施形態に相当する。
すなわち、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に拡散型のバーナであり、アンモニアを噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、保炎器56と、流速分布付与部60とを備えている。図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、保炎器56は、例えば、ディフューザ型の保炎器56Aである。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、燃焼用空気ノズル54は、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、中心軸Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、複数の噴射孔52hからアンモニアを火炉11内に噴射するように構成されている。なお、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、図3に示す第1アンモニアバーナ51Aと同様に、アンモニア噴射ノズル52は、その上流側のノズル管が図12における紙面奥行き方向や、紙面上下方向に延在していてもよいし、そのように構成されていなくてもよい。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、後述するように、燃焼用空気ノズル54に供給された燃焼用空気は、燃焼用空気ノズル54の出口の開口部54aとディフューザ型の保炎器56Aの外周端との間から火炉11内に噴射される。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与するように構成されている。より具体的には、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、流速分布付与部60は、第2流速分布付与部62である。第2流速分布付与部62は、燃焼用空気ノズル54の内部を燃焼用空気が流通可能な第1流路541と、第1流路541の外側で燃焼用空気が流通可能な第2流路542とを仕切る仕切壁625と、第2流路542の外側で燃焼用空気が流通可能な第3流路543とを仕切る仕切壁626とを有する。すなわち、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第1流路541と、第1流路541の外側を取り囲むように形成された第2流路542と、第2流路542の外側を取り囲むように形成された第3流路543との三重構造となっている。なお、第1流路541と第2流路542と第3流路543とは、図12ではアンモニア噴射ノズル52を径方向外側で周方向に囲むように形成されているが、図示上下方向に層状に形成されていてもよく、図示奥行き方向に層状に形成されていてもよい。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、第2流速分布付与部62は、第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置621を有する。第2流速分布付与部62は、第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置622を有する。第2流速分布付与部62は、第3流路543に供給する燃焼用空気の流量を調節する第3流量調節装置623を有する。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622は、図9に示す第5アンモニアバーナ51Eにおける第1流量調節装置621及び第2流量調節装置622と同じである。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、第3流量調節装置623は、例えば風道24と第3流路543との接続部に設けられた流量調節(例えばダンパ)である。なお、ボイラ10の運転中に第3流路543に供給する燃焼用空気の流量を変更する必要がない場合には、第3流量調節装置623は、例えば風道24と第3流路543との接続部に設けられた流量制限手段(例えばオリフィス)であってもよい。
以下の説明では、第3流路543を流れる燃焼用空気の流量のことを第3流量Q3とも称する。
図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、第1流量調節装置621で第1流量Q1を調節し、第2流量調節装置622で第2流量Q2を調節し、第3流量調節装置623で第3流量Q3を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
すなわち、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、第1流量Q1、第2流量Q2、第3流量Q3、第1流量Q1と第2流量Q2と第3流量Q3の比率を適宜調節することで、燃焼用空気ノズル54の下流端の開口部54aから噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。
すなわち、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、燃焼用空気ノズル54における燃焼用空気の流路数をさらに増やしたことで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更し易くなる。また、それぞれの流路(第1流路541、第2流路542、及び第3流路543)を流れる燃焼用空気の流量を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の細やかな変更が可能である。これにより、着火位置やNOxの発生量のコントロールが容易となる。
なお、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第3流路543の外側を取り囲むように形成された流路をさらに設けることで、四重以上の多重構造とされていて、各流路を流れる燃焼用空気の流量が調節可能に構成されていてもよい。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した第1アンモニアバーナ51A、第2アンモニアバーナ51B、第3アンモニアバーナ51C、第4アンモニアバーナ51D、第5アンモニアバーナ51E、及び第8アンモニアバーナ51Hは、ディフューザ型の保炎器56Aを備えた拡散型のバーナであるが、第6アンモニアバーナ51Fのようにスワラ型の保炎器56Bを備えた拡散型のバーナであってもよく、第7アンモニアバーナ51Gのように部分予混合型のスパッド型のバーナであってもよい。
すなわち、上述した幾つかの実施形態では、アンモニア燃焼バーナ51は、部分予混合型のスパッド型、拡散型で保炎器の構造が異なるスワラ型、またはディフューザ型のいずれかのバーナであってもよい。
これにより、上記それぞれのバーナ形式のアンモニア燃焼バーナ51において、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
例えば、図10に示す第6アンモニアバーナ51F、及び図11に示す第7アンモニアバーナ51Gでは、燃焼用空気ノズル54は、中心軸Axに沿って見たときに、第1流路541と、第1流路541の外側を取り囲むように形成された第2流路542との二重構造となっている。しかし、図10に示す第6アンモニアバーナ51F、及び図11に示す第7アンモニアバーナ51Gにおいて、燃焼用空気ノズル54は、図12に示す第8アンモニアバーナ51Hと同様に、三重以上の多重構造とされていて、各流路を流れる燃焼用空気の流量が調節可能に構成されていてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ51は、ボイラ10でアンモニア燃料を燃焼させるためのアンモニア燃焼バーナ51である。本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃焼バーナ51は、アンモニア燃料を噴射するためのアンモニア噴射ノズル52と、アンモニア噴射ノズル52の外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54と、燃焼用空気ノズルから噴出される燃焼用空気に流速分布を付与する流速分布付与部60と、を備える。
着火位置やNOxの発生は、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布の影響を受ける。したがって、上記(1)の構成によれば、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、流速分布付与部60は、燃焼用空気ノズル54の内部に配置されていて、燃焼用空気ノズル54の内部を流れる燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部61を含んでいてもよい。
上記(2)の構成によれば、燃焼用空気ノズル54の内部に配置された第1流速分布付与部61によって燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、第1流速分布付与部61は、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときに燃焼用空気ノズル54の中央から外側に向かって延在する流路制限部材611を含んでいてもよい。流路制限部材611は、燃焼用空気ノズル54の内周面54iとの間で燃焼用空気が流通可能な隙間を形成するとよい。
上記(3)の構成によれば、上記隙間に燃焼用空気を案内することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、流速分布付与部60は、上記中心軸Axに沿って流路制限部材611を移動するように構成された移動装置613を含んでいてもよい。
燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、上記中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置の影響を受ける。したがって、上記(4)の構成によれば、上記中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置を変更することで燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。これにより、例えば燃焼用空気の流量が変化しても、上記中心軸Axの延在方向における流路制限部材611の位置を変更することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、第1流速分布付与部61は、上記中心軸Axの延在方向に対して規定の傾斜角度θで傾斜した案内面612aを有するガイドベーン612を含んでいてもよい。
上記(5)の構成によれば、上記ガイドベーン612で燃焼用空気を案内することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、流速分布付与部60は、上記傾斜角度θを変更するように構成されたガイドベーン駆動装置614を含んでいてもよい。
燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布は、上記傾斜角度θの影響を受ける。したがって、上記(6)の構成によれば、上記傾斜角度θを変更することで燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気の流速分布を変更できる。これにより、例えば燃焼用空気の流量が変化しても、上記傾斜角度θを変更することで、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、第1流速分布付与部61は、燃焼用空気ノズル54の内部において、上記ガイドベーン612よりも内側の領域に配置され、該領域を通過する燃焼用空気の流量を調節するダンパ618を含んでいてもよい。
上記(7)の構成によれば、ガイドベーン612で燃焼用空気を案内すること、及び、ダンパ618を通過する燃焼用空気の流量を抑制することで、燃焼用空気ノズル54の中心軸Axに沿って見たときの燃焼用空気ノズル54の中央の領域と外側の領域とで燃焼用空気の流速を異ならせることができる。これにより、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を付与できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、流速分布付与部60は、第2流速分布付与部62を含んでいてもよい。第2流速分布付与部62は、燃焼用空気ノズル54の内部を燃焼用空気が流通可能な第1流路541と、第1流路541の外側で燃焼用空気が流通可能な第2流路542とを仕切る仕切壁625を有するとよい。第2流速分布付与部62は、第1流路541に供給する燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置621を有するとよい。第2流速分布付与部62は、第2流路542に供給する燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置622を有するとよい。
上記(8)の構成によれば、第1流量調節装置621で第1流路541に供給する燃焼用空気の流量(第1流量Q1)を調節し、第2流量調節装置622で第2流路542に供給する燃焼用空気の流量(第2流量Q2)を調節することで、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、アンモニア燃焼バーナ51は、スパッド型、スワラ型、またはディフューザ型のいずれかのバーナであってもよい。
上記(9)の構成によれば、上記それぞれのバーナ形式のアンモニア燃焼バーナ51において、燃焼用空気ノズル54から噴出される燃焼用空気に流速分布を比較的容易に付与できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、上記アンモニア燃焼バーナは、アンモニア専焼バーナであってもよい。
上記(10)の構成によれば、アンモニア専焼バーナにおいて、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(11)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10は、火炉壁101を含む火炉11と、火炉壁101に設けられた、上記(1)乃至(10)の何れかの構成のアンモニア燃焼バーナ51と、を備える。
上記(11)の構成によれば、上記ボイラ10のアンモニア燃焼バーナ51において、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(12)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ10は、火炉壁101を含む火炉11と、火炉壁101に設けられた、上記(1)乃至(10)の何れかの構成のアンモニア燃焼バーナ51と、火炉壁101のアンモニア燃焼バーナ51とは異なる位置に設けられ、アンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる他燃料バーナ(バーナ21)とを備える。
上記(12)の構成によれば、上記ボイラ10のアンモニア燃焼バーナ51において、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、ボイラ10は、アンモニア燃焼バーナ51と他燃料バーナ(バーナ21)とによって火炉11内で旋回燃焼が行われる旋回燃焼ボイラであってもよい。
上記(13)の構成によれば、旋回燃焼ボイラのアンモニア燃焼バーナ51において、着火位置の安定化やNOxの発生の抑制を図れる。
1 ボイラシステム
10 ボイラ
11 火炉
20、50 燃焼装置
21 バーナ
51 アンモニアバーナ(アンモニア燃焼バーナ)
51A 第1アンモニアバーナ
51B 第2アンモニアバーナ
51C 第3アンモニアバーナ
51D 第4アンモニアバーナ
51E 第5アンモニアバーナ
51F 第6アンモニアバーナ
51G 第7アンモニアバーナ
51H 第8アンモニアバーナ
52 アンモニア噴射ノズル
52A スパッドノズル
54 燃焼用空気ノズル
54i 内周面
56、56A、56B 保炎器
60 流速分布付与部
61 第1流速分布付与部
62 第2流速分布付与部
101 火炉壁
541 第1流路
542 第2流路
611 流路制限部材
612 ガイドベーン
612a 案内面
613 移動装置
614 ガイドベーン駆動装置
618 ダンパ
619 ダンパ駆動装置
621 第1流量調節装置
622 第2流量調節装置
625 仕切壁

Claims (13)

  1. ボイラでアンモニア燃料を燃焼させるためのアンモニア燃焼バーナであって、
    前記アンモニア燃料を噴射するためのアンモニア噴射ノズルと、
    前記アンモニア噴射ノズルの外側から燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズルと、
    前記燃焼用空気ノズルから噴出される前記燃焼用空気に流速分布を付与する流速分布付与部と、
    を備える
    アンモニア燃焼バーナ。
  2. 前記流速分布付与部は、前記燃焼用空気ノズルの内部に配置されていて、前記燃焼用空気ノズルの内部を流れる前記燃焼用空気に流速分布を付与する第1流速分布付与部、
    を含む
    請求項1に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  3. 前記第1流速分布付与部は、前記燃焼用空気ノズルの中心軸に沿って見たときに前記燃焼用空気ノズルの中央から外側に向かって延在する流路制限部材を含み、
    前記流路制限部材は、前記燃焼用空気ノズルの内周面との間で前記燃焼用空気が流通可能な隙間を形成する
    請求項2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  4. 前記流速分布付与部は、前記中心軸に沿って前記流路制限部材を移動するように構成された移動装置、
    を含む
    請求項3に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  5. 前記第1流速分布付与部は、前記燃焼用空気ノズルの中心軸の延在方向に対して規定の傾斜角度で傾斜した案内面を有するガイドベーン、
    を含む
    請求項2に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  6. 前記流速分布付与部は、前記傾斜角度を変更するように構成されたガイドベーン駆動装置、
    を含む
    請求項5に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  7. 前記第1流速分布付与部は、前記燃焼用空気ノズルの内部において、前記ガイドベーンよりも内側の領域に配置され、該領域を通過する前記燃焼用空気の流量を調節するダンパ、
    を含む
    請求項5又は6に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  8. 前記流速分布付与部は、
    前記燃焼用空気ノズルの内部を前記燃焼用空気が流通可能な第1流路と、前記第1流路の外側で前記燃焼用空気が流通可能な第2流路とを仕切る仕切壁と、
    前記第1流路に供給する前記燃焼用空気の流量を調節する第1流量調節装置と、
    前記第2流路に供給する前記燃焼用空気の流量を調節する第2流量調節装置と、
    を有する第2流速分布付与部、
    を含む、
    請求項1に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  9. 前記アンモニア燃焼バーナは、スパッド型、スワラ型、またはディフューザ型のいずれかのバーナである
    請求項8に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  10. 前記アンモニア燃焼バーナは、アンモニア専焼バーナである
    請求項1乃至9の何れか一項に記載のアンモニア燃焼バーナ。
  11. 火炉壁を含む火炉と、
    前記火炉壁に設けられた、請求項1乃至10の何れか一項に記載のアンモニア燃焼バーナと、
    を備える
    ボイラ。
  12. 火炉壁を含む火炉と、
    前記火炉壁に設けられた、請求項1乃至10の何れか一項に記載のアンモニア燃焼バーナと、
    前記火炉壁の前記アンモニア燃焼バーナとは異なる位置に設けられ、アンモニア燃料以外の他燃料を燃焼させる他燃料バーナと、
    を備える
    ボイラ。
  13. 前記ボイラは、前記アンモニア燃焼バーナと前記他燃料バーナとによって前記火炉内で旋回燃焼が行われる旋回燃焼ボイラである、
    請求項12に記載のボイラ。
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