JP2024042834A - 燃焼装置及びボイラ - Google Patents

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明正 ▲高▼山
Akimasa Takayama
幸洋 冨永
Sachihiro Tominaga
直季 富澤
Naoki Tomizawa
聡彦 嶺
Satohiko Mine
康弘 山内
Yasuhiro Yamauchi
康裕 竹井
Yasuhiro Takei
猛 甘利
Takeshi Amari
輝幸 岡崎
Teruyuki Okazaki
悠一郎 浦方
Yuichiro Urakata
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Abstract

【課題】微粉炭専焼時のボイラへの入熱量を確保しつつ、アンモニアの混焼率を高める。【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼装置は、複数の燃料噴射孔を有するバーナチップと、バーナチップに燃料を供給するための燃料流路と、を備える。燃料流路は、バーナチップにアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能に構成されている。【選択図】図7

Description

本開示は、燃焼装置及びボイラに関する。
従来、固体燃料焚きのボイラには、たとえば固体燃料として微粉炭(石炭)を焚く微粉炭焚きボイラがある。このような微粉炭焚きボイラでは、微粉炭を焚くための微粉炭バーナだけでなく、火炉のウォーミングアップ運転を行うための油バーナが設置されている(例えば特許文献1参照)。
特開2010-91244号公報
地球環境への影響を考慮して、二酸化炭素排出量を削減するために、アンモニアを混焼することが行われるようになっている。アンモニアの混焼率を高めるためには、アンモニア用燃焼空気ノズル面積を比較的多く確保する必要がある。そのため、微粉炭バーナ、又は油バーナに代えて、アンモニアバーナを設置することとなる。
しかし、微粉炭バーナの一部をアンモニアバーナへと置き換えた場合、微粉炭専焼時のボイラへの入熱量が減少してしまう。一方、油バーナをアンモニアバーナへと換装する場合、火炉のウォーミングアップ運転できなくなり、ボイラ起動ができなくなる。
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、微粉炭専焼時のボイラへの入熱量を確保しつつ、アンモニアの混焼率を高めることを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼装置は、
複数の燃料噴射孔を有するバーナチップと、
前記バーナチップに燃料を供給するための燃料流路と、
を備え、
前記燃料流路は、前記バーナチップにアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能に構成されている。
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラは、
上記(1)の構成の燃焼装置と、
前記燃焼装置から前記燃料が噴射される火炉と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、微粉炭専焼時のボイラへの入熱量を確保しつつ、アンモニアの混焼率を高めることができる。
本実施形態のアンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料を主燃料とするボイラを備えるボイラシステムを表す概略構成図である。 幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナの内の一実施形態のアンモニアバーナについての構造を表す模式的な側面断面図である。 図2Aに示したアンモニアバーナを軸線(中心軸)に沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。 幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナの内の他の実施形態のアンモニアバーナについての構造を表す模式的な側面断面図である。 図3Aに示したアンモニアバーナを軸線(中心軸)に沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。 一実施の形態のバーナチップを軸線に沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。 他の実施の形態のバーナチップを軸線に沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。 さらに他の実施の形態のバーナチップを軸線に沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。 図4又は図5に示したバーナチップが取り付けられるアンモニア噴射ノズルの燃料流路の一例を模式的に示した図である。 図6に示したバーナチップが取り付けられるアンモニア噴射ノズルの燃料流路の一例を模式的に示した図である。 図6に示したバーナチップが取り付けられるアンモニア噴射ノズルの燃料流路の他の一例を模式的に示した図である。 第1噴射孔の噴射孔軸、及び、第2噴射孔の噴射孔軸の延在方向について説明するためのバーナチップの模式的な断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
<1.ボイラシステム1の全体的な構成>
図1は、本実施形態のアンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料を主燃料とするボイラを備えるボイラシステム1を表す概略構成図である。
本実施形態のボイラシステム1が備えるボイラ10は、アンモニア燃料とアンモニア燃料以外の他燃料とをバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能なボイラである。他燃料として、例えばバイオマス燃料や石炭などの固体燃料が使用される。固体燃料は、例えば石炭を微粉砕した微粉炭燃料である。また、アンモニア燃料は、アンモニアを含む液体または気体である。
ボイラ10は、火炉11と燃焼装置20、50と燃焼ガス通路12を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11の内壁面を構成する火炉壁101は、複数の伝熱管と、伝熱管同士を接続するフィンとで構成され、燃料の燃焼により発生した熱を、伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して回収すると共に、火炉壁101の温度上昇を抑制している。
燃焼装置20、50は、火炉11の下部領域に設置されている。本実施形態では、燃焼装置20は、微粉炭燃料を火炉11の内部に噴射するように構成される。また、燃焼装置50は、アンモニア燃料及び油燃料を火炉11の内部に噴射するように構成される。
燃焼装置20は、火炉壁101に装着された複数のバーナ21を有し、燃焼装置50は、複数のアンモニアバーナ(アンモニア-油燃焼バーナ)51を有している。各々のバーナ21の先端部には、微粉炭燃料を火炉11内に噴射するように構成された噴射ノズル(図示外)が設けられる。また、各々のアンモニアバーナ51には、後述するアンモニア噴射ノズル52が設けられる。火炉11に液体のアンモニア燃料が噴射される液体アンモニア噴射方式が採用される場合、アンモニア噴射ノズルは、例えば蒸気などのアトマイズ流体により液体アンモニアを微粒化して噴射するように構成された2流体噴射ノズルであってもよいし、液体のアンモニア燃料のみを噴射するように構成された1流体噴射ノズルであってもよい。また、火炉11に気体のアンモニア燃料が噴射されるアンモニアガス噴射方式が採用される場合、アンモニア噴射ノズルはガス噴射ノズルであってもよい。
バーナ21とアンモニアバーナ51は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で配設されたもの(例えば、四角形の火炉11の各コーナ部に設置された4個)を1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。図1の例では、1セットのバーナ21が2段、1セットのアンモニアバーナ51が4段配置される。なお、図1では、図示の都合上、1セットのバーナのうちの2個のみを記載し、各セットに符合21、51を付している。火炉の形状やバーナの段数、一つの段におけるバーナの数、バーナの配置などは、この実施形態に限定されるものではない。
また、本実施形態の火炉11における燃焼方式は、コーナ部にバーナが設置され、火炉11内部でらせん状に旋回する火炎を形成する旋回燃焼方式であるが、他の燃焼方式であってもよい。採用される燃焼方式に応じて、火炉11の形状と、複数のバーナ21及び複数のアンモニアバーナ51の配置はいずれも適宜変更されてよい。他の燃焼方式としては、例えば、火炉11の対向する1対の炉壁の双方にバーナが設置される対向燃焼方式である。
燃焼装置20のバーナ21は、それぞれ、複数の微粉炭燃料供給管22A、22B(以下、一括して「微粉炭燃料供給管22」と記載する場合がある。)を介して、複数のミル(粉砕機)31A、31B(以下、一括して「ミル31」と記載する場合がある。)に連結されている。ミル31は、例えば、内部に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持されていて、粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている竪型ローラミルである。粉砕ローラと粉砕テーブルが協働して粉砕された固体燃料は、ミル31に供給される一次空気(搬送用ガス、酸化性ガス)により、ミル31が備える分級機(図示省略)に搬送される。分級機では、バーナ21での燃焼に適した粒径以下の微粉炭燃料と、該粒径より大きな粗粉炭燃料とに分級される。微粉炭燃料は、分級機を通過して、一次空気と共に微粉炭燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。分級機を通過しなかった粗粉炭燃料は、ミル31の内部で、自重により粉砕テーブル上に落下し、再粉砕される。
ミル31に供給される上述の一次空気(搬送用ガス、酸化性ガス)は、外気を取り込む1次空気通風機33(PAF:Primary Air Fan)から空気管30を介してミル31に送出される。空気管30は、1次空気通風機33から送出された空気のうちエアヒータ42で加熱された熱空気が流れる熱空気誘導管30Aと、1次空気通風機33から送出された空気のうちエアヒータ42を経由しない常温に近い冷空気が流れる冷空気誘導管30Bと、熱空気と冷空気が合流して流れるための搬送用ガス流路30Cとを備える。
燃焼装置50のアンモニアバーナ51は、油燃料供給ユニット80と、アンモニア燃料供給ユニット90に連結されている。
本実施形態の油燃料供給ユニット80は、油タンク81、油タンク81に貯留される油燃料をボイラ10の燃焼装置50に供給するための油燃料供給管82及び不図示の油供給ポンプを備える。
本実施形態のアンモニア燃料供給ユニット90は、アンモニアタンク91と、アンモニアタンク91に貯留されるアンモニア燃料(例えば液体アンモニア)をボイラ10の燃焼装置50に供給するためのアンモニア燃料供給管92とを備える。アンモニアガス噴射方式が採用される場合、液体アンモニアに気化処理を施すための気化器(図示外)がアンモニア燃料供給ユニット90に設けられてもよい。また、液体アンモニア噴射方式が採用される場合、アンモニア燃料供給ユニット90は、燃焼装置50に液体アンモニアを微粒化するためのアトマイズ流体を供給するアトマイズ流体供給管(図示外)をさらに備えてもよい。
バーナ21とアンモニアバーナ51の装着位置における火炉11の炉外側には、エアレジスタ(風箱)23が設けられており、このエアレジスタ23には風道(空気ダクト)24の一端部が連結されている。風道24の他端部には、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32が連結されている。押込通風機32から供給された空気は、風道24に設置された空気予熱器42で加熱され、エアレジスタ23を介してバーナ21に二次空気(燃焼用空気、酸化性ガス)として供給され、及びアンモニアバーナ51に燃焼用空気(酸化性ガス)として供給され、火炉11の内部に投入される。
燃焼ガス通路12は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。燃焼ガス通路12には、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器102A、102B、102C(以下、一括して「過熱器102」と記載する場合がある。)、再熱器103A、103B(以下、一括して「再熱器103」と記載する場合がある。)、節炭器104が設けられており、火炉11で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。なお、各熱交換器の配置や形状は、図1に記載した形態に限定されない。
燃焼ガス通路12の下流側には、熱交換器で熱回収された燃焼ガスが排出される煙道13が連結されている。煙道13には、風道24との間に空気予熱器(エアヒータ)42が設けられており、風道24を流れる空気と、煙道13を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、ミル31に供給する一次空気やバーナ21とアンモニアバーナ51に供給する燃焼用空気を加熱することで、水や蒸気との熱交換後の燃焼ガスから、さらに熱回収を行う。
また、煙道13には、空気予熱器42よりも上流側の位置に、脱硝装置43が設けられていてもよい。脱硝装置43は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を、煙道13内を流通する燃焼ガスに供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)と還元剤との反応を、脱硝装置43内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。
煙道13の空気予熱器42より下流側には、ガスダクト41が連結されている。ガスダクト41には、燃焼ガス中の灰などを除去する電気集じん機などの集じん装置44や硫黄酸化物を除去する脱硫装置46などの環境装置、また、それらの環境装置に排ガスを導くための誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)45が設けられている。ガスダクト41の下流端部は、煙突47に連結されており、環境装置で処理された燃焼ガスが、排ガスとして系外に排出される。
ボイラ10において、複数のミル31が駆動すると、粉砕、分級された微粉炭燃料が、一次空気と共に微粉炭燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。また、アンモニア燃料供給ユニット90からアンモニア燃料がアンモニアバーナ51に供給される。さらに、空気予熱器42で加熱された二次空気が、風道24からエアレジスタ23を介してバーナ21とアンモニアバーナ51とに供給される。
バーナ21は、微粉炭燃料と一次空気とが混合した微粉炭燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に、二次空気を火炉11に吹き込む。火炉11に吹き込まれた微粉炭燃料混合気が着火し、二次空気と反応することで火炎を形成する。アンモニアバーナ51は、アンモニア燃料と共に燃焼用空気を火炉11に吹き込む。火炉11に吹き込まれたアンモニア燃料は、燃焼用空気と反応して燃焼する。
微粉炭燃料とアンモニア燃料の燃焼により生じる高温の燃焼ガスは、火炉11内を上昇し、燃焼ガス通路12に流入する。
なお、アンモニア燃料が火炉11に吹き込まれるタイミングは、微粉炭燃料の燃焼によって火炉11内の温度が一定温度まで上昇した後であってもよい。例えば、ボイラ10の起動時に微粉炭燃料の専焼が行われたのち、アンモニア燃料が火炉11に吹き込まれ、アンモニア燃料と微粉炭燃料とのアンモニア混焼が行われてもよい。さらにその後、微粉炭燃料の吹き込みを停止し、アンモニア専焼が行われてもよい。
また、本実施形態では、酸化性ガス(一次空気、二次空気、燃焼用空気)として空気を用いるが、空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、供給される燃料量に対する酸素量の比率を適正な範囲に調整することで、火炉11において安定した燃焼が実現される。
燃焼ガス通路12に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス通路12の内部に配置された過熱器102、再熱器103、節炭器104で水や蒸気と熱交換した後、煙道13に排出され、脱硝装置43で窒素酸化物が除去され、空気予熱器42で一次空気、二次空気及び燃焼用空気と熱交換した後、さらにガスダクト41に排出され、集じん装置44で灰などが除去され、脱硫装置46で硫黄酸化物が除去された後、煙突47から系外に排出される。なお、燃焼ガス通路12における各熱交換器及び煙道13からガスダクト41における各装置の配置は、燃焼ガスの流れに対して、必ずしも上述の記載順に配置されなくともよい。
なお、本開示のボイラは上述した実施形態に限定されない。ボイラに使用される固体燃料としては、石炭である代わりにまたは石炭と共に、バイオマス燃料、石油コークス(PC:Petroleum Coke)燃料、石油残渣などが使用されてもよい。
また、アンモニア燃料と組み合わせるボイラの燃料としては、固体燃料に限らず、重油、軽油、重質油などの石油類や工場廃液などの液体燃料も使用することができる。また、天然ガスや各種石油ガス、製鉄プロセスなどで発生する副生ガス、水素ガスなどの気体燃料も使用することができる。
さらに、これらの各種燃料を組み合わせて使用する混焼ボイラにも適用することができる。以下の説明では、アンモニア燃料のことを単にアンモニアとも称する。
(アンモニアバーナ51について)
図2Aは、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内の一実施形態のアンモニアバーナ51についての構造を表す模式的な側面断面図である。
図2Bは、図2Aに示したアンモニアバーナ51を軸線(中心軸)Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図3Aは、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の内の他の実施形態のアンモニアバーナ51についての構造を表す模式的な側面断面図である。
図3Bは、図3Aに示したアンモニアバーナ51を軸線(中心軸)Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51は、燃焼用空気を噴出するための燃焼用空気ノズル54を備える。幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51は、保炎器56と、保炎器56よりも下流側でアンモニア燃料及び油燃料を噴射するためのアンモニア噴射ノズル52を備えている。
図2A及び図2Bに示すアンモニアバーナ51では、保炎器56は、例えば、中空円錐台形状のディフューザ型の保炎器56Aである。
図3A及び図3Bに示すアンモニアバーナ51では、保炎器56は、例えば、スワラ型の保炎器56Bである。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、燃焼用空気ノズル54は、軸線Axに沿って見たときに矩形形状を呈する、矩形形状の断面を有するダクトであり、下流側の端部近傍において、矩形形状の断面形状を保持しつつ下流側に向かうにつれて流路断面積が小さくなるように形成されている。なお、燃焼用空気ノズル54の断面形状は、矩形形状に限定されない。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、燃焼用空気ノズル54は、燃焼用空気を噴出する開口部54aを有している。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、アンモニア噴射ノズル52は、燃焼用空気ノズル54と同軸に配置されていて、下流側の先端には、複数の燃料噴射孔55を有するバーナチップ53が取り付けられている。幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、複数の燃料噴射孔55からアンモニア燃料及び油燃料を火炉11内に噴射するように構成されている。アンモニア噴射ノズル52の構造については、後で説明する。
このように構成される、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、アンモニア噴射ノズル52に供給されたアンモニア燃料及び油燃料は、複数の燃料噴射孔55から火炉11内に噴射され、開口部54aから火炉11内に噴射された燃焼用空気とともに火炉11内で拡散燃焼する。
(アンモニア噴射ノズル52及びバーナチップ53の構造について)
図4は、一実施の形態のバーナチップ53を軸線Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図5は、他の実施の形態のバーナチップ53を軸線Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図6は、さらに他の実施の形態のバーナチップ53を軸線Axに沿って燃焼用空気の流れ方向の下流側から見た模式的な正面図である。
図7は、図4又は図5に示したバーナチップ53が取り付けられるアンモニア噴射ノズル52の燃料流路57の一例を模式的に示した図である。
図8は、図6に示したバーナチップ53が取り付けられるアンモニア噴射ノズル52の燃料流路57の一例を模式的に示した図である。
図9は、図6に示したバーナチップ53が取り付けられるアンモニア噴射ノズル52の燃料流路57の他の一例を模式的に示した図である。
図4から図6に示すように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、バーナチップ53は、複数の燃料噴射孔55を有する。複数の燃料噴射孔55は、少なくとも一つの第1噴射孔551と、第1噴射孔551とは異なる少なくとも一つの第2噴射孔552とを含む。
複数の燃料噴射孔55の配置については、後で説明する。
図7から図9に示すように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51は、バーナチップ53に燃料(アンモニア燃料及び油燃料)を供給するための燃料流路57を備える。後述するように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、燃料流路57は、バーナチップ53にアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能に構成されている。
図7から図9に示すように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、後述するように、燃料流路57は、少なくともアンモニア燃料を第1噴射孔551に供給するための第1流路571と、少なくとも油燃料を第2噴射孔552に供給するための第2流路572と、を含む。
図7から図9に示すように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、後述するように、燃料流路57は、少なくともアンモニア燃料を第1噴射孔551に供給可能であり、且つ、少なくとも油燃料を第2噴射孔552に供給可能であるように構成されている。
図7に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、アンモニア燃料供給管92に接続され、第2流路572は、油燃料供給管82に接続されている。
図7に示したアンモニア噴射ノズル52では、アンモニア燃料供給管92に設けられた第1開閉弁921の開閉によって、第1流路571へのアンモニア燃料の供給が許可又は禁止され、油燃料供給管82に設けられた第2開閉弁822の開閉によって、第2流路572への油燃料の供給が許可又は禁止される。
図8に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、アンモニア燃料供給管92に接続され、第2流路572は、アンモニア燃料供給管92と油燃料供給管82とに接続されている。
図8に示したアンモニア噴射ノズル52では、アンモニア燃料供給管92に設けられた第1開閉弁921の開閉によって、第1流路571へのアンモニア燃料の供給が許可又は禁止され、アンモニア燃料供給管92に設けられた第3開閉弁923の開閉によって、第2流路572へのアンモニア燃料の供給が許可又は禁止され、油燃料供給管82に設けられた第2開閉弁822の開閉によって、第2流路572への油燃料の供給が許可又は禁止される。
図9に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、アンモニア燃料供給管92と油燃料供給管82とに接続され、第2流路572は、アンモニア燃料供給管92と油燃料供給管82とに接続されている。
図9に示したアンモニア噴射ノズル52では、アンモニア燃料供給管92に設けられた第1開閉弁921の開閉によって、第1流路571及び第2流路572へのアンモニア燃料の供給が許可又は禁止され、油燃料供給管82に設けられた第2開閉弁822の開閉によって、第1流路571及び第2流路572への油燃料の供給が許可又は禁止される。
このように、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51では、各開閉弁821、922、923の開閉によって、燃料流路57は、バーナチップ53にアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能である。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51によれば、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できるので、油燃料の燃焼による火炉11のウォーミングアップ運転を行うことができ、ボイラ10を起動できる。すなわち、従来の油バーナで火炉11のウォーミングアップ運転を行い、その後、アンモニアの混焼を行うためにウォーミングアップ運転に用いた油バーナを外してアンモニアバーナに入れ替える作業が不要となる。
また、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51によれば、従来の油バーナに代えて幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51を用いることで、アンモニア用燃焼空気ノズル面積を比較的多く確保できるので、アンモニアの混焼率を比較的高くすることができる。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51によれば、バーナ21の一部をアンモニア燃焼用のバーナへと置き換える必要がないので、微粉炭専焼時のボイラ10への入熱量を確保できる。
幾つかの実施形態に係るボイラ10は、幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51を含む燃焼装置50と、燃焼装置50から燃料が噴射される火炉11と、を備える。したがって、幾つかの実施形態に係るボイラ10によれば、上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の燃料流路57では、少なくともアンモニア燃料は、第1流路571を介して第1噴射孔551に供給可能であり、且つ、少なくとも油燃料は、第2流路572を介して第2噴射孔552に供給可能であるように構成されている。
これにより、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できる。
幾つかの実施形態に係るアンモニアバーナ51の燃料流路57は、少なくともアンモニア燃料を第1噴射孔551に供給するための第1流路571と、少なくとも油燃料を第2噴射孔552に供給するための第2流路572と、を含む。
これにより、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できる。
図7に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、アンモニア燃料だけを第1噴射孔551に供給可能であり、第2流路572は、油燃料だけを第2噴射孔552に供給可能である。
これにより、アンモニア燃料及び油燃料のそれぞれの必要流量等に応じて第1流路571及び第2流路572を設定できる等、燃焼装置50の構造を適切化できる。よって、アンモニア燃料の流量を確保でき、比較的高いアンモニア混焼率を実現できる。
また、図7に示したアンモニア噴射ノズル52によれば、第1噴射孔551からはアンモニア燃料だけが噴射され、第2噴射孔552からは油燃料だけが噴射されることになる。したがって、アンモニア燃料及び油燃料のそれぞれの燃料の粘度等の物理的な性質に応じて第1噴射孔551及び第2噴射孔552の形状、配置位置等を設定できるので、それぞれの燃料の噴射状態を適切化できる。よって、アンモニア燃料の流量を確保でき、比較的高いアンモニア混焼率を実現できる。
図8に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、アンモニア燃料だけを第1噴射孔551に供給可能であり、第2流路572は、油燃料とアンモニア燃料とを第2噴射孔552に供給可能である。
これにより、第1噴射孔551と第2噴射孔552とからアンモニア燃料が噴射可能となるので、アンモニア燃料の噴射量を増やすことができ、アンモニアの混焼率を高めることができる。
図9に示したアンモニア噴射ノズル52では、第1流路571は、油燃料とアンモニア燃料とを第1噴射孔551に供給可能であり、第2流路572は、油燃料とアンモニア燃料とを第2噴射孔552に供給可能である。
これにより、第1噴射孔551及び第2噴射孔552の何れからも油燃料とアンモニア燃料とが噴射可能となるので、アンモニア燃料を噴射する燃料噴射孔55の数を増やすことができ、アンモニア燃料の流量を確保できる。これにより比較的高いアンモニア混焼率を実現できる。
(燃料噴射孔55の配置について)
図4から図6に示すように、幾つかの実施形態に係るアンモニア噴射ノズル52のバーナチップ53では、複数の燃料噴射孔55のそれぞれは、互いに周方向で隣り合う燃料噴射孔55とは適宜間隔を空けて配置されている。なお、図4から図6に示すバーナチップ53における複数の燃料噴射孔55は、単なる例示である。したがって、第1噴射孔551と第2噴射孔552との数の比の他、燃料噴射孔55の数等も図4から図6に示す例に限定されない。
幾つかの実施形態に係るバーナチップ53では、第1噴射孔551は、第2噴射孔552よりも軸線Axを中心とする径方向内側に配置されていてもよい。
すなわち、幾つかの実施形態に係るバーナチップ53では、少なくとも一つの第1噴射孔551は、軸線Ax方向から見たときに、少なくとも一つの第2噴射孔552よりも軸線Axを中心とする径方向内側に配置されているとよい。
アンモニアは空気過剰状態で燃焼させると大幅なNOの増加を招く。したがって、燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在している場合、バーナチップ53から噴射されたアンモニア燃料が他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在している方向へ拡散してしまうと、アンモニアが空気過剰状態で燃焼し、NO増加の要因となる。
幾つかの実施形態に係るバーナチップ53によれば、軸線Axを中心とする比較的径方向内側の領域に第1噴射孔551が配置されることになる。これにより、バーナチップ53から噴射されたアンモニア燃料が他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在している方向へ比較的拡散し難くすることができ、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
幾つかの実施形態に係るバーナチップ53では、図4から図6に示すように、少なくとも一つの第1噴射孔551は、軸線Ax方向から見たときに、軸線Axと直交する仮想直線Lvから既定の距離L以内の範囲内に第1噴射孔551の出口の中心位置551cが位置するように配置されるとよい。そして、幾つかの実施形態に係るバーナチップ53では、図4から図6に示すように、少なくとも一つの第2噴射孔552は、軸線Ax方向から見たときに、仮想直線Lvから既定の距離Lを超えた範囲内に第2噴射孔552の出口の中心位置552cが位置するように配置されるとよい。
これにより、軸線Ax方向から見たときに、比較的軸線Axに近い領域に第1噴射孔551が配置されることになる。これにより、仮想直線Lvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
例えば、上述したボイラ10では、燃焼装置50の比較的近い位置に配置される他の燃焼装置20、50は、燃焼装置50の鉛直方向の上側又は下側に位置することとなる。したがって、幾つかの実施形態に係るバーナチップ53において、上述した仮想直線Lvの延在方向が水平方向と一致するようにバーナチップ53の姿勢を設定すれば、仮想直線Lvから離れる方向である鉛直方向において、燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
例えば図4及び図6に示すバーナチップ53では、第2噴射孔552の軸線Axを中心とする周方向の位置は、何れの第1噴射孔551の周方向の位置とも異なっている。
例えば、図5に示すバーナチップ53のように、第2噴射孔552の周方向の位置は、一部の第1噴射孔551の周方向の位置と同じであってもよい。例えば、図5に示すバーナチップ53では、第2噴射孔552と同じ周方向位置にも第1噴射孔551を設けることで、第1噴射孔551の数を増やすことができ、アンモニア燃料の流量を確保できる。これにより比較的高いアンモニア混焼率を実現できる。
図10は、第1噴射孔551の噴射孔軸551ax、及び、第2噴射孔552の噴射孔軸552axの延在方向について説明するためのバーナチップ53の模式的な断面図である。
図4から図6に示す幾つかの実施形態に係るバーナチップ53では、少なくとも一つの第1噴射孔551の噴射孔軸551axは、バーナチップ53の軸線Ax、及び上記軸線Axと直交する仮想直線Lvを含む仮想平面Pv(図4から図6、図10参照)に対する傾斜角度θが45度以内となるように延在するとよい。
これにより、アンモニア燃料の噴射方向の中心が仮想平面Pvに対して傾斜する傾斜角度が45度以内となり、比較的小さくすることができる。これにより、仮想平面Pvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
上述したように、ボイラ10では、燃焼装置50の比較的近い位置に配置される他の燃焼装置20、50は、燃焼装置50の鉛直方向の上側又は下側に位置することとなる。したがって、幾つかの実施形態に係るバーナチップ53において、上述した仮想平面Pvの延在方向が水平方向と一致するようにバーナチップ53の姿勢を設定すれば、仮想平面Pvから離れる方向である鉛直方向において、燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
なお、図8及び図9に示すように、第1噴射孔551だけでなく第2噴射孔552からもアンモニア燃料が噴射されるように構成されている場合には、バーナチップ53において、少なくとも一つの第1噴射孔551の噴射孔軸551ax、及び、少なくとも一つの第2噴射孔552の噴射孔軸552axは、上記仮想平面Pvに対する傾斜角度θが45度以内となるように延在するとよい。
これにより、アンモニア燃料の噴射方向の中心が仮想平面Pvに対して傾斜する傾斜角度が45度以内となり、比較的小さくすることができる。これにより、仮想平面Pvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
図8及び図9に示すように、第1噴射孔551だけでなく第2噴射孔552からもアンモニア燃料が噴射されるように構成されている場合にも、上述したように仮想平面Pvの延在方向が水平方向と一致するようにバーナチップ53の姿勢を設定すれば、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る燃焼装置50は、複数の燃料噴射孔55を有するバーナチップ53と、バーナチップ53に燃料を供給するための燃料流路57と、を備える。燃料流路57は、バーナチップ53にアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能に構成されている。
上記(1)の構成によれば、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できるので、上記(1)の構成の燃焼装置50をボイラ10に用いることで、油燃料の燃焼による火炉11のウォーミングアップ運転を行うことができ、ボイラ10を起動できる。すなわち、従来の油バーナで火炉11のウォーミングアップ運転を行い、その後、アンモニアの混焼を行うためにウォーミングアップ運転に用いた油バーナを外してアンモニアバーナに入れ替える作業が不要となる。
また、上記(1)の構成の燃焼装置50を用いるボイラ10において、アンモニア用燃焼空気ノズル面積を比較的多く確保できるので、アンモニアの混焼率を比較的高くすることができる。
上記(1)の構成の燃焼装置50を用いるボイラ10において、微粉炭バーナ(バーナ21)の一部をアンモニア燃焼用のバーナへと置き換える必要がないので、微粉炭専焼時のボイラ10への入熱量を確保できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、複数の燃料噴射孔55は、少なくとも一つの第1噴射孔551と、第1噴射孔551とは異なる少なくとも一つの第2噴射孔552とを含むとよい。燃料流路57は、少なくともアンモニア燃料を第1噴射孔551に供給可能であり、且つ、少なくとも油燃料を第2噴射孔552に供給可能であるように構成されているとよい。
上記(2)の構成によれば、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、燃料流路57は、少なくともアンモニア燃料を第1噴射孔551に供給するための第1流路571と、少なくとも油燃料を第2噴射孔552に供給するための第2流路572と、を含むとよい。
上記(3)の構成によれば、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、第1流路571は、アンモニア燃料だけを第1噴射孔551に供給可能であってもよい。第2流路572は、油燃料だけを第2噴射孔552に供給可能であってもよい。
上記(4)の構成によれば、アンモニア燃料及び油燃料のそれぞれの必要流量等に応じて第1流路571及び第2流路572を設定できる等、燃焼装置50の構造を適切化できる。
また、上記(4)の構成によれば、第1噴射孔551からはアンモニア燃料だけが噴射され、第2噴射孔552からは油燃料だけが噴射されることになる。したがって、アンモニア燃料及び油燃料のそれぞれの燃料の粘度等の物理的な性質に応じて第1噴射孔551及び第2噴射孔552の形状等を設定できるので、それぞれの燃料の噴射状態を適切化できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、第1流路571は、アンモニア燃料だけを第1噴射孔551に供給可能であってもよい。第2流路572は、油燃料とアンモニア燃料とを第2噴射孔552に供給可能であってもよい。
上記(5)の構成によれば、第1噴射孔551と第2噴射孔552とからアンモニア燃料が噴射可能となるので、アンモニア燃料の噴射量を増やすことができ、アンモニアの混焼率を高めることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、第1流路571は、油燃料とアンモニア燃料とを第1噴射孔551に供給可能であってもよい。第2流路572は、油燃料とアンモニア燃料とを第2噴射孔552に供給可能であってもよい。
上記(6)の構成によれば、第1噴射孔551及び第2噴射孔552の何れからも油燃料とアンモニア燃料とが噴射可能となるので、アンモニア燃料を噴射する燃料噴射孔55の数を増やすことができ、アンモニアの混焼率を高めることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、少なくとも一つの第1噴射孔551は、バーナチップ53の軸線Ax方向から見たときに、少なくとも一つの第2噴射孔552よりも軸線Axを中心とする径方向内側に配置されているとよい。
上記(7)の構成によれば、燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、少なくとも一つの第1噴射孔551は、バーナチップ53の軸線Ax方向から見たときに、軸線Axと直交する仮想直線Lvから既定の距離L以内の範囲内に第1噴射孔551の出口の中心位置551cが位置するように配置されるとよい。少なくとも一つの第2噴射孔552は、バーナチップ53の軸線Ax方向から見たときに、仮想直線Lvから既定の距離Lを超えた範囲内に第2噴射孔552の出口の中心位置552cが位置するように配置されるとよい。
上記(8)の構成によれば、軸線Ax方向から見たときに、比較的軸線Axに近い領域に第1噴射孔551が配置されることになる。これにより、仮想直線Lvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)、(5)、(7)、又は(8)の何れかの構成において、少なくとも一つの第1噴射孔551の噴射孔軸551axは、バーナチップ53の軸線Ax、及び上記軸線Axと直交する仮想直線Lvを含む仮想平面Pvに対する傾斜角度θが45度以内となるように延在するとよい。
上記(9)の構成によれば、アンモニア燃料の噴射方向の中心が仮想平面Pvに対して傾斜する傾斜角度が45度以内となり、比較的小さくすることができる。これにより、仮想平面Pvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、少なくとも一つの第1噴射孔551の噴射孔軸551ax、及び、少なくとも一つの第2噴射孔552の噴射孔軸552axは、バーナチップ53の軸線Ax、及び上記軸線Axと直交する仮想直線Lvを含む仮想平面Pvに対する傾斜角度θが45度以内となるように延在するとよい。
上記(10)の構成によれば、アンモニア燃料の噴射方向の中心が仮想平面Pvに対して傾斜する傾斜角度が45度以内となり、比較的小さくすることができる。これにより、仮想平面Pvから離れる方向において燃焼装置50の比較的近い位置に他の燃焼装置20、50や燃焼用空気ノズルが存在していても、アンモニア混焼時のNO増加を抑制できる。
(11)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラは、上記(1)乃至(10)の何れかの構成の燃焼装置50と、燃焼装置50から燃料が噴射される火炉11と、を備える。
上記(11)の構成によれば、同一のバーナチップ53からアンモニア燃料と油燃料とを噴射できるので、油燃料の燃焼による火炉11のウォーミングアップ運転を行うことができ、ボイラ10を起動できる。すなわち、従来の油バーナで火炉11のウォーミングアップ運転を行い、その後、アンモニアの混焼を行うためにウォーミングアップ運転に用いた油バーナを外してアンモニアバーナに入れ替える作業が不要となる。
また、上記(11)の構成によれば、アンモニア用燃焼空気ノズル面積を比較的多く確保できるので、アンモニアの混焼率を比較的高くすることができる。
上記(11)の構成によれば、微粉炭バーナ(バーナ21)の一部をアンモニア燃焼用のバーナへと置き換える必要がないので、微粉炭専焼時のボイラ10への入熱量を確保できる。
1 ボイラシステム
10 ボイラ
11 火炉
20 燃焼装置
21 バーナ
50 燃焼装置
51 アンモニアバーナ(アンモニア-油燃焼バーナ)
52 アンモニア噴射ノズル
53 バーナチップ
55 燃料噴射孔
57 燃料流路
551 第1噴射孔
551ax 噴射孔軸
552 第2噴射孔
552ax 噴射孔軸
571 第1流路
572 第2流路

Claims (11)

  1. 複数の燃料噴射孔を有するバーナチップと、
    前記バーナチップに燃料を供給するための燃料流路と、
    を備え、
    前記燃料流路は、前記バーナチップにアンモニア燃料を供給している状態と油燃料を供給している状態とを含む複数の燃料供給状態の中から選択して運用可能に構成されている、
    燃焼装置。
  2. 前記複数の燃料噴射孔は、少なくとも一つの第1噴射孔と、前記第1噴射孔とは異なる少なくとも一つの第2噴射孔とを含み、
    前記燃料流路は、少なくとも前記アンモニア燃料を前記第1噴射孔に供給可能であり、且つ、少なくとも前記油燃料を前記第2噴射孔に供給可能であるように構成されている、
    請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記燃料流路は、少なくとも前記アンモニア燃料を前記第1噴射孔に供給するための第1流路と、少なくとも前記油燃料を前記第2噴射孔に供給するための第2流路と、を含む、
    請求項2に記載の燃焼装置。
  4. 前記第1流路は、前記アンモニア燃料だけを前記第1噴射孔に供給可能であり、
    前記第2流路は、前記油燃料だけを前記第2噴射孔に供給可能である、
    請求項3に記載の燃焼装置。
  5. 前記第1流路は、前記アンモニア燃料だけを前記第1噴射孔に供給可能であり、
    前記第2流路は、前記油燃料と前記アンモニア燃料とを前記第2噴射孔に供給可能である、
    請求項3に記載の燃焼装置。
  6. 前記第1流路は、前記油燃料と前記アンモニア燃料とを前記第1噴射孔に供給可能であり、
    前記第2流路は、前記油燃料と前記アンモニア燃料とを前記第2噴射孔に供給可能である、
    請求項3に記載の燃焼装置。
  7. 前記少なくとも一つの第1噴射孔は、前記バーナチップの軸線方向から見たときに、前記少なくとも一つの第2噴射孔よりも前記軸線を中心とする径方向内側に配置されている、
    請求項4に記載の燃焼装置。
  8. 前記少なくとも一つの第1噴射孔は、前記バーナチップの軸線方向から見たときに、前記軸線と直交する仮想直線から既定の距離以内の範囲内に前記第1噴射孔の出口の中心位置が位置するように配置され、
    前記少なくとも一つの第2噴射孔は、前記バーナチップの軸線方向から見たときに、前記仮想直線から前記既定の距離を超えた範囲内に前記第2噴射孔の出口の中心位置が位置するように配置される、
    請求項4又は5に記載の燃焼装置。
  9. 前記少なくとも一つの第1噴射孔の噴射孔軸は、前記バーナチップの軸線、及び前記軸線と直交する仮想直線を含む仮想平面に対する傾斜角度が45度以内となるように延在する、
    請求項4又は5に記載の燃焼装置。
  10. 前記少なくとも一つの第1噴射孔の噴射孔軸、及び、前記少なくとも一つの第2噴射孔の噴射孔軸は、前記バーナチップの軸線、及び前記軸線と直交する仮想直線を含む仮想平面に対する傾斜角度が45度以内となるように延在する、
    請求項6に記載の燃焼装置。
  11. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の燃焼装置と、
    前記燃焼装置から前記燃料が噴射される火炉と、
    を備える、
    ボイラ。
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