JP2023093810A - 溶銑予備処理容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器内のワーク耐火物の耐用性を向上させ、溶銑予備処理容器の使用回数を大幅に増大させることができる溶銑予備処理容器を提供する。【解決手段】溶銑を保持または/および精錬するための溶銑予備処理容器であって、溶銑予備処理容器内における銑浴部よりも上側の領域の少なくとも一部のワーク耐火物を、化学成分中のAl2O3量が1質量%以上44質量%以下、MgO量が55質量%以上98質量%以下、Al2O3とMgOの合計量が80質量%以上99質量%以下であるマグネシア・スピネル質れんがで構成する。この溶銑予備処理容器の耐火物ライニング構造は、溶銑予備処理の苛酷な使用条件に耐え得る優れた耐溶損性と耐割れ性を有し、従来の耐火物ライニング構造と比較して耐用性が顕著に向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、容器内側の耐火物ライニング構造に特徴を有する溶銑予備処理容器(例えば、溶銑鍋など)に関するものである。
鉄鋼製造プロセスにおいて、溶鉄(溶銑、溶鋼)の搬送や精錬に使用される設備の内張りには、長期間、高温下でも耐えられるように多種多様な耐火物が使われている。例えば、溶銑の搬送および溶銑予備処理に使用される溶銑予備処理容器の場合、長期間にわたって加熱と冷却が繰り返し作用しても脆化が少ない等の理由から、従来、容器内側のワーク耐火物として、主にアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがが使用されてきた。
しかし、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがは、化学成分中のAl量が多いほど耐スラグ侵食性に優れるが、溶銑予備処理容器の使用回数増加に伴いスラグ浸潤量が大きくなると、スポーリングを起こし易くなる。また、熱膨張挙動が大きく、この膨張による残存膨張収縮率でプラス(膨張)が大き過ぎると迫割れなどが起り易く、残存膨張収縮率でマイナス(収縮)が大きくなると収縮亀裂が大きくなり、れんが脱落などのトラブルが発生する。
昨今の溶銑予備処理の実操業においては、産業廃棄物(屑)として処理される使用済れんが量を抑制するといった環境上の理由からも、溶銑予備処理容器の1炉代あたりの使用回数が従来よりも増加する傾向にあるが、使用回数を増加させた場合、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがの熱膨張特性を制御することは難しく、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがでは1炉代を維持することが難しい。このため、安定した操業を行うためにも、苛酷な条件に耐えられるより耐用性の高い内張用耐火物が求められている。
耐火物の耐用性を高めることを目的とした従来技術として、例えば、特許文献1には、溶銑鍋用れんがについて、耐火物原料に粒度1mm以上5mm未満の珪石を5質量%以上20質量%以下配合することで、耐食性および残存膨張性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、溶鋼処理用の取鍋について、メタルライン部のワーク耐火物にマグネシア・スピネル質れんがを適用する技術が開示されている。
特開2021-4160号公報 特開2007-125605号公報
しかし、特許文献1に示される溶銑鍋用れんがは、従来から使用されているアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがであるため、珪石を配合したとしても耐用性を高めるのに限界がある。
また、溶銑予備処理容器は、保持する溶鉄(溶銑)の温度やスラグ組成が溶鋼保持用の取鍋のそれとは全く異なり、取鍋に比べて非常に苛酷な条件下で使用される。すなわち、溶銑予備処理容器の場合、受銑と溶銑払い出しが繰り返されるため、特許文献2に示される取鍋に比べて操業中の温度変化が大きく、また、保持する溶鉄(溶銑)の温度が高く、スラグ組成も取鍋とは異なる。このため、特許文献2の技術を溶銑予備処理容器のワーク耐火物に適用しても十分な耐用性は得られない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、容器内のワーク耐火物の耐用性を向上させ、溶銑予備処理容器の使用回数を大幅に増大させることができる溶銑予備処理容器を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]溶銑を保持または/および精錬するための溶銑予備処理容器であって、
溶銑予備処理容器内における銑浴部よりも上側の領域の少なくとも一部のワーク耐火物が、化学成分中のAl量が1質量%以上44質量%以下、MgO量が55質量%以上98質量%以下、AlとMgOの合計量が80質量%以上99質量%以下であるマグネシア・スピネル質れんがにより構成されることを特徴とする溶銑予備処理容器。
[2]上記[1]の溶銑予備処理容器において、前記マグネシア・スピネル質れんがの化学成分中のSiO量が5質量%未満であることを特徴とする溶銑予備処理容器。
[3]上記[1]または[2]の溶銑予備処理容器において、前記マグネシア・スピネル質れんがの化学成分中のC量が5質量%未満であることを特徴とする溶銑予備処理容器。
[4]上記[1]~[3]のいずれかの溶銑予備処理容器において、溶銑予備処理容器内におけるスラグライン部よりも下側の領域の少なくとも一部のワーク耐火物が、化学成分中のAl量が50質量%以上85質量%以下、SiO量が1質量%以上40質量%以下、SiC量が4質量%以上15質量%以下、C量が5質量%以上20質量%以下であるアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがにより構成されることを特徴とする溶銑予備処理容器。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの溶銑予備処理容器において、溶銑予備処理容器内の少なくともフリーボード部の一部または全部のワーク耐火物が、前記マグネシア・スピネル質れんがにより構成されることを特徴とする溶銑予備処理容器。
本発明の溶銑予備処理容器の耐火物ライニング構造は、溶銑予備処理の苛酷な使用条件に耐え得る優れた耐溶損性および耐割れ性を有するため、従来の耐火物ライニング構造と較べて高い耐用性が得られ、溶銑予備処理容器の使用回数を大幅に増大させることができる。また、使用するマグネシア・スピネル質れんがは、クロムフリーであるため、環境にも配慮した技術であると言える。
本発明が適用される溶銑予備処理容器(溶銑鍋)の一例を示す縦断面図 本発明で使用するワーク耐火物の製造工程を示すフロー図
本発明が適用される溶銑予備処理容器とは、鉄鋼製造プロセスの溶銑予備処理工程において溶銑を保持または/および精錬するための容器であり、代表例としては溶銑鍋が挙げられるが、これに限定されない。本発明は、この溶銑予備処理容器におけるワーク耐火物による内張り構造(耐火物ライニング構造)に特徴がある。
図1は、本発明が適用される溶銑予備処理容器(溶銑鍋)の一例を示す縦断面図であり、容器は、鉄皮の内側に永久耐火物がライニング(施工)され、その上にワーク耐火物がライニング(施工)された構造を有している。図1に示すように、溶銑予備処理容器内の高さ方向の領域(容器側壁の内側の領域)は、上から順に、フリーボード部(容器使用時において、主として溶融スラグ・溶銑に接しないが、受銑時や溶銑払い出し時に溶融スラグ・溶銑に接する領域)、スラグライン部(容器使用時において、主として溶融スラグに接する領域)、銑浴部(メタルライン部。容器使用時において、主として溶銑(メタル)に接する領域)に分かれている。また、容器の内底部は敷部と呼ばれる。
本発明の溶銑予備処理容器の耐火物ライニング構造では、銑浴部よりも上側の領域、すなわちフリーボード部とスラグライン部の少なくとも一部のワーク耐火物を、化学成分中のAl量が1質量%以上44質量%以下、MgO量が55質量%以上98質量%以下、AlとMgOの合計量が80質量%以上99質量%以下であるマグネシア・スピネル質れんがで構成する。
銑浴部よりも上側の領域であるフリーボード部とスラグライン部は、ワーク耐火物の耐用性が特に問題となる領域であり、このため本発明の溶銑予備処理容器の耐火物ライニング構造では、当該領域の少なくとも一部のワーク耐火物(好ましくは全部のワーク耐火物)を、上記特定の化学成分のマグネシア・スピネル質れんがで構成する。また、銑浴部よりも上側の領域のなかでも、フリーボード部のワーク耐火物の耐用性が特に問題となりやすいため、少なくともフリーボード部の一部または全部のワーク耐火物を、上記特定の化学成分のマグネシア・スピネル質れんがで構成することが好ましい。
ここで、マグネシア・スピネル質れんがとは、マグネシア原料とスピネル原料を主成分とするれんがのことである。このマグネシア・スピネル質れんがの化学成分としてのMgOには、マグネシア原料だけでなくスピネル原料中のMgO分が含まれる。また、それ以外にマグネシアを含有する原料が配合される場合には、同原料中のMgO分が含まれる。また、マグネシア・スピネル質れんがの化学成分としてのAlは、主にスピネル原料中のAl分であるが、それ以外にアルミナ原料などのアルミナを含有する原料が配合される場合には、同原料中のAl分が含まれる。
上記マグネシア・スピネル質れんがのAl量が1質量%未満、MgO量が55質量%未満、AlとMgOの合計量が80質量%未満の場合(これらのうち、少なくともいずれか1つに該当する場合)には、スラグによる侵食を抑制できず、耐溶損性が低下する。これは、Al、MgOは2000℃以上の高融点物質であるため比較的広い組成範囲のスラグに対して優れた耐溶損効果をもたらすことから、化学成分中のAl量が1質量%未満、MgO量が55質量%未満、AlとMgOの合計量が80質量%未満の場合(これらのうち、少なくともいずれか1つに該当する場合)には、スラグに対する耐溶損効果が大きく低下するからである。一方、Al量が44質量%超、MgO量が98質量%超、AlとMgOの合計量が99質量%超の場合(これらのうち、少なくともいずれか1つに該当する場合)には、ダイレクトボンド(直接結合)と呼ばれる結合組織が得られ難く、組織が脆化し易くなるため、熱間強度が低下し、その結果、耐溶損性も低下する。
また、上述した観点から上記マグネシア・スピネル質れんがの特に好ましい化学成分は、Al量:6~9質量%、MgO量:84~91質量%、AlとMgOの合計量:90~99質量%である。
上記化学成分のマグネシア・スピネル質れんがは、熱間において機械的応力に対して変形し易く応力を緩和できる性質に優れ、且つ高温に対する耐熱性に優れるため、このマグネシア・スピネル質れんがを銑浴部よりも上側の領域(フリーボード部とスラグライン部)のワーク耐火物に使用することで、スラグによる侵食を効果的に抑制でき、ワーク耐火物の耐溶損性(耐スラグ浸食性)が高められる。このため、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがを使用していた従来技術に較べてワーク耐火物の耐用性を顕著に向上させることができ、溶銑予備処理容器の使用回数を大幅に増大させることができる。
上記マグネシア・スピネル質れんがは、さらに適量のSiOを含有することができ、これにより高耐溶損性を維持しつつ高い耐割れ性が得られる。ただし、化学成分中のSiO量が5質量%以上になると、耐溶損性が低下する。これは、SiOは、AlやMgOと比較して融点が低く軟化し易いため、SiO量が5質量%以上となると、耐割れ性の増大よりも耐溶損性劣化の影響が大きくなるためである。このため化学成分中のSiO量は5質量%未満が好ましい。また、SiOの含有により耐割れ性を向上させるには、化学成分中のSiO量は0.5質量%以上とすることが好ましい。
上記マグネシア・スピネル質れんがは、さらに適量のCを含有することができ、これにより耐割れ性を向上させつつ低熱伝導率にできるため、溶銑予備処理容器からの熱ロスを低減できる。化学成分中のC量が5質量%未満の場合には、熱伝導率が殆ど一定であることから、高耐割れ性と低熱伝導率を両立させることができるが、C量が5質量%以上になると、耐割れ性は増大するが同時に熱伝導率が上昇するため、溶銑予備処理容器からの熱ロスも増える。このため化学成分中のC量は5質量%未満が好ましい。また、Cの含有により高耐割れ性と低熱伝導率を両立させるには、化学成分中のC量は0.5質量%以上とすることが好ましい。
上記マグネシア・スピネル質れんがは、さらに、その他の添加成分(SiO、C以外の成分)として、Fe、ZrO、TiOなどの1種以上を適量含有してもよい。その場合、FeやZrOの含有量はそれぞれ0.1~0.5質量%程度、TiOの含有量は最大で7~8質量%程度が適当である。
本発明の溶銑予備処理容器の耐火物ライニング構造では、溶銑予備処理容器内におけるスラグライン部よりも下側の領域、すなわち銑浴部や敷部については、従来と同様に、少なくとも一部のワーク耐火物を、化学成分中のAl量が50質量%以上85質量%以下、SiO量が1質量%以上40質量%以下、SiC量が4質量%以上15質量%以下、C量が5質量%以上20質量%以下であるアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがにより構成することができる。これは、基本的に銑浴部や敷部はスラグと接する機会がないため、フリーボード部やスラグライン部のような苛酷な使用環境にはならないからである。
本発明で使用するマグネシア・スピネル質れんがのマグネシア原料としては、例えば、市販の天然マグネシア、焼結マグネシア、電融マグネシアなどを用いることができ、スピネル原料としては、例えば、焼結スピネル、電融スピネルなどを用いることができる。
また、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがのアルミナ原料としては、例えば、焼結アルミナ、電融アルミナ、仮焼アルミナなどを用いることができ、シリカ原料としては、例えば、ろう石、ムライトなどを用いることができ、カーボン原料としては、例えば、鱗状黒鉛、膨張黒鉛、粉末ピッチ、カーボンブラックなどを用いることができる。また、SiC(炭化ケイ素)としては、炭素原料とケイ素原料を混合した粉末状のSiCパウダーなどを用いることができる。
本発明で使用するワーク耐火物(マグネシア・スピネル質れんが、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんが)は、例えば、図2に示すような製造工程で製造される。すなわち、耐火物原料を配合し、これを混錬・成形し、その成形物を乾燥させて所望の大きさ・形状のれんがを得る。なお、場合によっては、乾燥後の成形物を焼成してもよい。耐火物原料には、有機系または無機系のバインダーを添加することができる。
表1~表3に示す化学成分となるように耐火物原料を配合し、ワーク耐火物として使用するマグネシア・スピネル質れんが(発明例、比較例)およびアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんが(比較例)を図2に示す製造プロセスで製造した。マグネシア・スピネル質れんがのマグネシア原料には電融マグネシア、スピネル原料には電融スピネルをそれぞれ用いた。また、アルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがのアルミナ原料には焼結アルミナまたは電融アルミナのいずれか、シリカ原料にはろう石およびムライト、カーボン原料には鱗状黒鉛をそれぞれ用いた。
得られた発明例および比較例の耐火物(れんが)について、耐溶損性と耐割れ性を以下の方法で評価した。
耐溶損性については、高周波誘導炉を用いた内張り張り分け法で評価した。試験温度を1650℃とし、表4に示す合成スラグを1時間毎に4回投入した。試験後に溶損量を測定し、表1中の発明例1-2の溶損量を100とした溶損指数で評価した。なお、溶損指数の数値が小さい方が耐溶損性に優れる。
耐割れ性については、サイズ30×30×100mmの試料の長手方向の動弾性率EをJIS R1605に示された超音波パルス法に準拠して測定した後、1500℃で10分間の加熱、5分間の水冷、10分間の大気冷却を1サイクルとしたスポーリングを3サイクル繰り返し、スポーリング終了後に再度、動弾性率Eを測定し、試験前後での動弾性率の変化率E/Eを指標として評価した。なお、変化率E/Eの数値が大きい方が耐割れ性に優れる。
さらに、表1の実施例については熱間強度(曲げ強度)を、表3の実施例については熱伝導率を、それぞれ以下の方法で測定した。
熱間強度(曲げ強度)は、サイズ40×40×100mmの試料の熱間強度をJIS R2213に準拠して測定した。試験温度は1400℃、試験雰囲気は還元雰囲気とした。
熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により測定した。すなわち、レーザーフラッシュにて試験片を瞬間的に加熱し、試験片の温度上昇から熱伝導率を求めた。
表1の実施例は、マグネシア・スピネル質れんがについて、Al量およびMgO量を検討したものである。
発明例1-1~発明例1-6に示す通り、Al量が1質量%以上44質量以下、MgO量が55質量%以上98質量%以下、AlとMgOの合計量が80質量%以上99質量%以下の場合、優れた耐溶損性が得られており、また、熱間強度(曲げ強度)についても、比較例に較べて高い値が得られている。また、特に発明例1-3~発明例1-5は、従来のアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがと比較して、耐割れ性も耐溶損性も優れている。
一方、比較例1-1~比較例1-3に示す通り、Alが1質量%未満、MgOが55質量%未満の場合、AlとMgOの合計が80質量%未満の場合、耐溶損性は大幅に低下している。また、比較例1-4に示す通り、AlとMgOの合計が99質量%超の場合も、耐溶損性は大幅に低下している。
これらの結果から、優れた耐溶損性および耐割れ性のマグネシア・スピネル質れんがとするには、化学成分中のAl量を1質量%以上44質量以下、MgO量を55質量%以上98質量%以下、AlとMgOの合計量を80質量%以上99質量%以下とすればよいことが分かる。
表2の実施例は、マグネシア・スピネル質れんがについて、SiOの含有およびその含有量(高耐溶損性と高耐割れ性が得られるSiO量)を検討したものである。SiO原料には、ろう石およびムライトを用いた。
発明例2-1~発明例2-7に示す通り、SiOを含有する本発明例のマグネシア・スピネル質れんがは、従来のアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがと比較して、耐割れ性も耐溶損性も優れている。これらのなかで、発明例2-1~発明例2-4に示す通り、SiO量が5質量%未満の場合、特に優れた耐溶損性、耐割れ性が得られている。一方、発明例2-5~発明例2-7に示す通り、SiO量が5質量%以上の場合には、耐割れ性は向上するが同時に耐溶損性が低下している。
これらの結果から、SiOの添加により優れた耐溶損性と耐割れ性のマグネシア・スピネル質れんがとするには、化学成分中のSiO量を0.5質量%以上5質量%未満とすればよいことが分かる。
表3の実施例は、マグネシア・スピネル質れんがについて、Cの含有およびその含有量(高耐割れ性と低熱伝導率が得られるC量)を検討したものである。カーボン原料には、鱗状黒鉛を用いた。
発明例3-1~発明例3-7に示す通り、Cを含有する本発明例のマグネシア・スピネル質れんがは、従来のアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがと比較して、耐割れ性も耐溶損性も優れている。これらのなかで、発明例3-1~発明例3-4に示す通り、C量が5質量%未満の場合、高耐割れ性でありながら熱伝導率は殆ど一定である。一方、発明例3-5~発明例3-7に示す通り、Cが5質量%以上の場合には、耐割れ性は向上するが同時に熱伝導率も上昇するため、溶銑予備処理容器に適用した場合、鉄皮からの熱ロス増大が懸念される。
これらの結果から、Cの添加により優れた耐溶損性と低熱伝導率のマグネシア・スピネル質れんがとするには、化学成分中のC量を0.5質量%以上5質量%未満とすればよいことが分かる。
Figure 2023093810000002
Figure 2023093810000003
Figure 2023093810000004
Figure 2023093810000005
表5の実施例は、発明例3-4(表3)のマグネシア・スピネル質れんがと従来品であるハイアルミナ質れんがを、それぞれ溶銑鍋(溶銑予備処理容器)のフリーボード部のワーク耐火物として施工し、その耐火物ライニングの耐用性(溶銑鍋の使用回数)を調べたものである。
表5に示す通り、本発明条件でマグネシア・スピネル質れんがを施工した場合、従来品であるハイアルミナ質れんがを施工した場合に比べて、溶銑鍋の使用回数が約1.4倍になった。
Figure 2023093810000006

Claims (5)

  1. 溶銑を保持または/および精錬するための溶銑予備処理容器であって、
    溶銑予備処理容器内における銑浴部よりも上側の領域の少なくとも一部のワーク耐火物が、化学成分中のAl量が1質量%以上44質量%以下、MgO量が55質量%以上98質量%以下、AlとMgOの合計量が80質量%以上99質量%以下であるマグネシア・スピネル質れんがにより構成されることを特徴とする溶銑予備処理容器。
  2. 前記マグネシア・スピネル質れんがの化学成分中のSiO量が5質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の溶銑予備処理容器。
  3. 前記マグネシア・スピネル質れんがの化学成分中のC量が5質量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑予備処理容器。
  4. 溶銑予備処理容器内におけるスラグライン部よりも下側の領域の少なくとも一部のワーク耐火物が、化学成分中のAl量が50質量%以上85質量%以下、SiO量が1質量%以上40質量%以下、SiC量が4質量%以上15質量%以下、C量が5質量%以上20質量%以下であるアルミナ・シリカ・SiC・カーボン質れんがにより構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の溶銑予備処理容器。
  5. 溶銑予備処理容器内の少なくともフリーボード部の一部または全部のワーク耐火物が、前記マグネシア・スピネル質れんがにより構成されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の溶銑予備処理容器。
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