JP2023092825A - 圧縮ボンド磁石の製造装置およびその製造方法 - Google Patents

圧縮ボンド磁石の製造装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】予成形体を本成形して得られる圧縮ボンド磁石の生産性を高めることができる製造装置を提供する。【解決手段】本発明は、磁石粒子とバインダ樹脂の混合物または混練物からなる磁石原料(p)を加圧して第1成形体(F1)を得る第1成形機(1)と、第1成形体を加圧して第2成形体(F2)を得る第2成形機(2)と、第1成形体の形態に沿った収容空間(351)を有する搬送治具(35)を第1成形機側から第2成形機側へ移動させる搬送機3と、を備える圧縮ボンド磁石の製造装置(M)である。搬送治具の収容空間、第1キャビティおよび第2キャビティを構成する複数の空孔がそれぞれ略同じ位置に配置されていると、複数の圧縮ボンド磁石を一括して効率的に製造することができる。【選択図】図1A

Description

本発明は、圧縮ボンド磁石の製造装置等に関する。
電磁機器(電動機等)に用いられる永久磁石には、磁石粉末を焼結させた焼結磁石と、磁石粉末を樹脂で結合させたボンド磁石がある。ボンド磁石は形状自由度が大きく、焼結磁石よりも成形性に優れる。
ボンド磁石には、主に、磁石粉末と熱可塑性樹脂の溶融混合物をキャビティへ射出して成形して得られる射出ボンド磁石と、磁石粉末と熱硬化性樹脂の混合物または混練物を、キャビティ内で加熱圧縮成形して得られる圧縮ボンド磁石とがある。圧縮ボンド磁石は、通常、射出ボンド磁石よりも磁石粉末の割合が大きく、高磁気特性である。また熱硬化性樹脂をバインダ樹脂(結合材)とする圧縮ボンド磁石は耐熱性等にも優れる。
ところで、圧縮ボンド磁石の製造時、粉末状または顆粒状の磁石原料がそのまま高温のキャビティへ充填されると、キャビティ内で磁石原料の不均質化(磁石粒子と樹脂の分布バラツキ)等が生じ得る。そこで、磁石原料を低圧成形した予成形体をキャビティへ装填して加熱圧縮成形(本成形)する圧縮ボンド磁石の製造方法が提案されている。これに関連する記載が、例えば下記の特許文献にある。
特開2013-256684
特許文献1では、ボンド磁石用樹脂組成物を室温域(非加熱状態)で低圧成形(0.1~0.2t/cm/約10~20MPa)した仮圧縮成形体(予成形体)を、本成形型の高温キャビティ内で高圧成形して圧縮ボンド磁石(本成形体)を製造している。この際、崩壊し易くて搬送が難しい仮圧縮成形体は、予成形型の真下に配置された本成形型のキャビティへ、自然落下により投入されている。
特許文献1のような製造方法(装置)では、予成形と本成形を交互にしか行えず、予成形と本成形の切替(工程移行)に時間を要する。つまり、そのような方法(装置)では、圧縮ボンド磁石の生産性(量産性)を向上させ難い。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、圧縮ボンド磁石を効率的に製造できる新たな製造装置等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、予成形域と本成形域を離し、予成形体を搬送治具に収容して予成形域から本成形域へ搬送することを着想した。これを具現化し発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《圧縮ボンド磁石の製造装置》
(1)本発明は、磁石粒子とバインダ樹脂の混合物または混練物からなる磁石原料を第1キャビティ内で加圧して第1成形体を得る第1成形機と、該第1成形体を第2キャビティ内で加圧して第2成形体を得る第2成形機と、該第1成形体の形態に沿った収容空間を有する搬送治具を該第1成形機側から該第2成形機側へ移動させる搬送機と、を備える圧縮ボンド磁石の製造装置である。
(2)本発明によれば、低圧成形された第1成形体は、その形態に沿った収容空間を有する搬送治具に移されて、第1成形機側から第2成形機側へ搬送される。このため、低密度で崩壊し易い第1成形体でも、保形したまま第2成形機へ供給され得る。このように本発明によれば、個別に稼働できる第1成形機と第2成形機の間で、第1成形体を良好な状態で受渡しでき、圧縮ボンド磁石の生産性向上や品質安定化を図れる。
《圧縮ボンド磁石の製造方法》
本発明は圧縮ボンド磁石の製造方法としても把握される。例えば、本発明は、第1キャビティ内で磁石粒子とバインダ樹脂の混合物または混練物からなる磁石原料を第1圧力で加圧して第1成形体を得る第1成形工程と、該第1成形体を該第1キャビティから該第1成形体の形態に沿った収容空間を有する搬送治具へ移す移送工程と、該第1成形体を収容した該搬送治具を第2キャビティ側へ運ぶ搬送工程と、該搬送治具から該第2キャビティへ該第1成形体を移す装填工程と、該第2キャビティ内の該第1成形体を該第1圧力よりも大きい第2圧力で加圧して第2成形体を得る第2成形工程と、を備える圧縮ボンド磁石の製造方法でもよい。
《圧縮ボンド磁石/磁気部材》
本発明は、圧縮ボンド磁石、その圧縮ボンド磁石を備える磁気部材(電磁部材)、その磁気部材の製造方法等としても把握される。以下、本明細書では適宜、圧縮ボンド磁石を単に「ボンド磁石」ともいう。
《その他》
(1)本明細書でいう「第1」や「第2」は、説明のための便宜的な呼称である。本発明に係る成形は、二段階に限らず三段階以上されてもよい。二段階成形の場合、適宜、低圧成形(第1成形)を予成形、高圧成形(第2成形)を本成形という。
第1成形体(予成形体)の具体的な(相対)密度や崩壊性等は問わない。第1成形体は、十分にハンドリングできる密度や保形性を有してもよい。また、一度の成形で得られる成形体は、単数でも複数でもよい。つまり本明細書でいう第1成形体や第2成形体は、単体でも、複数体でも、一群でもよい。一群とは、複数の成形体同士が形態的または機能的に相関している場合である。
(2)搬送治具の収容空間は、第1成形体を収容してその姿勢や形状を保持できる形態であればよい。例えば、収容空間と第1キャビティは、形態(形状、配置、大きさ等)が略同じ空孔(空隙)からなるとよい。但し、第1成形体を崩壊等させずに収容空間に移送する場合、収容空間は第1キャビティよりも少し(一回り)大きくてもよい。例えば、収容空間は、第1キャビティに対して、加圧方向に対する空孔の横断面が多少拡張していてもよい。なお、収容空間と第1キャビティは、加圧方向(適宜「縦方向」ともいう。)の長さが同じでも異なっていてもよい。
第1キャビティと第2キャビティも同様に、形態が略同じ空孔からなるとよい。但し、第2キャビティは、第1成形体の装填性を確保するため、第1キャビティに対して少し(一回り)大きい(空孔の横断面が少し拡張している)とよい。なお、第2キャビティの長さ(縦方向)は、通常、第1キャビティよりも短くなる。
収容空間と第2キャビティも同様に、形態が略同じ空孔からなるとよい。それらの大きさや長さは、適宜調整されるとよい。上述した内容は、第1キャビティ、第2キャビティまたは収容空間が、複数または一群の空孔からなる場合にも該当する。
(3)特に断らない限り、本明細書でいう「x~y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a~b」のような範囲を新設し得る。
圧縮ボンド磁石の製造装置(一例)を示す模式図である。 その製造装置の一部を拡大した斜視図である。 予成形体の製造工程例を示す模式図である。 本成形体の製造工程例を示す模式図である。
本明細書中に記載した事項から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を上述した本発明の構成に付加し得る。方法に関する構成要素も物(装置、ボンド磁石、部材等)に関する構成要素ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《製造装置》
(1)第1成形機
第1成形機は、通常、磁石原料を第1成形体とする成形型を備える。成形型は、例えば、第1キャビティが形成されたダイスと、第1キャビティ内の磁石原料を加圧するパンチとを備える。パンチは、例えば、上パンチと下パンチからなり、油圧、電動等により駆動される。パンチの先端部は、第1キャビティに沿った形態(形状、配置、大きさ等)となっている。
第1成形機は、コンパウンド状または粉末状の磁石原料を、第1キャビティへ充填する供給装置(給粉装置、ホッパー等)を備えてもよい。また、磁石原料を温間成形する場合なら、第1キャビティ内の磁石原料を加熱するヒータがダイス等に設けられてもよい。
(2)第2成形機
第2成形機も、第1成形機と同様に成形型(例えばダイスとパンチ)を備えてもよい。部材に形成された空孔(スロット)を第2キャビティとする場合なら、第2成形機は、第2キャビティ内の第1成形体を加圧するパンチを備えれば足る。パンチは、上パンチと下パンチの一方でもよい。パンチは、油圧、電動等により駆動され、その先端部は第2キャビティに沿った形態とされる。
第2成形機は、第2キャビティ内を加熱するヒータ、第2キャビティ内へ配向磁場を印加する磁場源(永久磁石、電磁石等)を備えてもよい。
(3)搬送機
搬送機は、搬送治具を第1成形機と第2成形機の間で移動させる。第1成形体を収容した搬送治具の往路と、第1成形体を排出した搬送治具の復路は、同じでも異なっていてもよい。つまり搬送治具は、線状に往復しても、ループ状に循環してもよい。第1成形機と第2成形機の間で搬送治具が略水平に移動する場合、搬送機や製造装置の構成を簡素化できる。なお、(リニア)レール等に沿って搬送治具を滑らかに移動させると、崩壊や姿勢変動等を抑止しつつ、第1成形体の高速搬送も可能となる。
(4)装填機
搬送治具の収容空間から第2キャビティへ第1成形体を装填(落下、投下、移送等)する方策は種々考えられる。例えば、第1成形体が単体または単純形状なら、搬送治具を第2キャビティ上に移動(配置)させるだけで、第1成形体は自然落下により第2キャビティへ装填され得る。
一方、第1成形体が複数体等からなる場合、第1成形体の第2キャビティへの装填を制御する装填機(手段)を設けてもよい。これにより第1成形体全体を第2キャビティへ安定して装填可能となる。
装填機は、例えば、収容空間の下面側で開閉動するシャッターである。シャッターが閉じているとき、第1成形体は搬送治具から脱落しないように保持される。シャッターが開くと、第1成形体は搬送治具から降下(第2キャビティへの装填)が可能となる。なお、シャッターの開動作は、例えば、搬送治具が第2成形機(特に第2キャビティ上)にあるときに、所望のタイミングでなされるとよい。
シャッターは、その形態や駆動機構等を問わない。シャッターは、例えば、板状、渦巻状等であり、その形態に適した駆動機構が選択される。なお、シャッターは、搬送治具と共に移動してもよい。このようなシャッターは、搬送機の一部とも考えられる。
(5)ガイド
収容空間の出口(例えば下開口)と第2キャビティの入口(例えば上開口)との大きさが異なる場合や出入口間に段差ができる場合、搬送治具の収容空間から第2キャビティへ第1成形体を誘導するガイドを設けてもよい。これにより第1成形体の第2キャビティへの装填が容易となる。またガイドにより、低密度で体積の大きい第1成形体は、緻密で体積の小さい第2成形体へ加圧成形され易くなる。
ちなみに、第1成形機、第2成形機、搬送機、搬送治具等はそれぞれ、少なくとも一つ(台)あればよく、それらが同数ある必要はない。例えば、一つの第2成形機に対して、第1成形機や搬送治具が二つ以上あってもよい。
《製造方法》
(1)第1成形工程
磁石原料に印加する第1圧力は、第1キャビティから搬送治具への移送過程や第1キャビティ側から第2キャビティ側への搬送過程で、崩壊しない第1成形体が得られる程度であれば足る。
敢えていうと、第1圧力は、例えば、0.1~50MPa、0.5~25MPa、0.1~10MPaさらには3~8MPaである。第1圧力が過小では成形自体が困難である。第1圧力が過大では、磁石粒子の割れや第1成形体の密度増大を招く。
このような第1成形体は、例えば、真密度(ρ)に対する見掛密度(ρ)の割合である相対密度(ρ/ρ)が40~80%、50~70%さらには55~65%である。真密度は、磁石原料を構成する磁石粒子とバインダ樹脂の各密度と配合比から求まる。見掛密度は、第1成形体の質量をその見掛体積(例えば外形寸法から算出される容積)で除して求まる。
第1成形工程は、第1キャビティ内の磁石原料(ダイス)を加熱してなされてもよい。例えば、第1成形工程は、バインダ樹脂の軟化温度付近で磁石原料を加圧する温間成形工程でもよい。
(2)移送工程
第1キャビティから搬送治具の収容空間へ第1成形体を移す方法(手段)は種々考えられる。例えば、搬送治具を第1キャビティの上方に配置し、第1成形体を第1キャビティから揚げて、搬送治具の収容空間へ移してもよい。これにより、低密度な第1成形体でも、崩壊させずに移送し易くなる。第1成形体の上方への移送は、例えば、第1成形機に設けた下パンチを上方へ移動させるノックアウト等により行える。
第1成形工程で、分離した複数個の第1成形体を一括して成形する場合、移送工程もそれら複数個の第1成形体を一括して搬送治具の収容空間へ移すと効率的である。当然ながら、第1成形体の移送方向(例えば上下方向)に関して、第1キャビティと収容空間の間の各空孔位置は整合しているとよい。
(3)搬送工程
搬送工程により、第1成形体は搬送治具に収容された状態で第2キャビティ側へ移動する。搬送治具は、第1成形体の装填方向(例えば上下方向)に関して、第2キャビティと収容空間の間の各空孔位置が整合する位置で停止するとよい。
(4)装填工程
搬送治具の収容空間から第2キャビティへ第1成形体を移す方法(手段)も種々考えられる。例えば、第2キャビティの上方に配置した搬送治具から第2キャビティへ、第1成形体を降ろしてもよい。この際、第1成形体をその自重により自然落下させてもよいし、第2成形機に設けた下パンチを利用して上方から下方へ誘導してもよい。後者の場合、第1成形体は、崩壊せずに第2キャビティ内に装填され易くなる。なお、複数個の第1成形体が搬送治具に収容されているとき、それらを一括して搬送治具から第2キャビティへ移すと効率的である。
(5)第2成形工程
第1成形体に印加される第2圧力は、第1圧力よりも大きい範囲で適宜調整され得る。第2圧力は、例えば、5~500MPa、10~250MPa、20~100MPaさらには30~50MPaである。第2圧力が過大になると、磁石粒子(特に、磁石合金に水素処理(HDDR、d―HDDR)して得られた粒子)の割れ、ボンド磁石や部材の寸法精度の低下等が生じ得る。ちなみに、第2圧力をあまり大きくしなくても(例えば100MPa以下でも)、高磁気特性な第2成形体(ボンド磁石)を得ることができる。
第2成形工程は、バインダ樹脂が軟化または溶融する温度域でなされるとよい。これにより、磁石粒子の割れを抑制しつつ、ボンド磁石の緻密化、高配向化等が図られる。その成形温度は、バインダ樹脂の種類に依るが、例えば、120~200℃さらには130~170℃である。
磁石原料に異方性磁石粒子(特に希土類異方性磁石粒子)が含まれるとき、第2キャビティへ配向磁場を印加しつつ第2成形工程がなされてもよい。配向磁場は、例えば、第1成形体の圧縮方向に交差(さらには直交)する方向へ印可される。配向磁場の大きさは、例えば、0.5~3Tさらには1~2Tである。配向磁場は、第2キャビティの内周面における磁束密度である。配向磁場の起磁源は、電磁石でも、(希土類)永久磁石でもよい。なお、第2キャビティへ第1成形体を装填するとき、または第2キャビティから第2成形体を取り出すとき、その配向磁場は遮断または低減された状態であるとよい。
《磁石原料》
(1)磁石原料は、磁石粒子(粉末)とバインダ樹脂(粉末)の混合物または混練物からなり、粉末状または顆粒状である。混合物は、バインダ樹脂と磁石粒子を常温域で混合して得られる粉末状でもよいし、バインダ樹脂と磁石粒子を加熱しつつ混合して得られる顆粒状でもよい。混練物は、磁石粒子とバインダ樹脂を混練(特に加熱混練)して得られる顆粒状である。顆粒状の磁石原料は、磁石粒子の表面にバインダ樹脂が略均一的に付着した組成物粒子(単に「コンパウンド」という。)からなる。混練したコンパウンドは、通常、混合したコンパウンドよりも、磁石粒子の表面にバインダ樹脂が緻密に付着している。
バインダ樹脂を流動状態(軟化または溶融した状態)にして混合または混練することにより、磁石粒子の割れが抑制され得る。固形状(粒子状等)のバインダ樹脂は、例えば、温間状態(例えば40~120℃さらには80~100℃)で混合または混練されるとよい。
(2)磁石粒子は、単種でも、複数種でもよい。複数種の磁石粒子は、合金組成、粒径(粒度分布)、特性(異方性・等方性)等の少なくとも一つが異なる粉末を混合して得られる。
磁石粒子は、例えば、平均粒径の異なる粗粉末と微粉末の混合粉末でもよい。粗粉末の平均粒径は、例えば、40~200μmさらには80~160μmである。微粉末の平均粒径は、例えば、1~10μmさらには2~6μmである。平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製HELOS)で測定(フラウンホーファー法を用いた測定)して定まる。
粗粉末と微粉末の合計(または磁石粉末全体)に対する粗粉末の質量割合は、例えば、60~90質量%さらには65~80質量%である。換言すると、その合計に対する微粉末の質量割合は、例えば、10~40質量%さらには20~35質量%である。また、磁石原料(磁石粒子と樹脂(添加剤等を含む)の合計)に対する磁石粒子の割合は、例えば、80~98質量%さらには85~94質量%である。
磁石粒子として、例えば、希土類磁石粒子がある。希土類磁石粒子には、NdとFeとBを基成分とするNdFeB系、SmとFeとNを基成分とするSmFeN系、SmとCoを基成分とするSmCo系等がある。磁石粒子は、NdFeB系異方性磁石粒子からなる粗粒子と、SmFeN系異方性磁石粒子またはSmCo系異方性磁石粒子からなる微粒子との混合粒子でもよい。磁石粒子には、希土類等方性磁石粒子やフェライト粒子が含まれてもよい。
(3)バインダ樹脂は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。圧縮ボンド磁石には、通常、熱硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等である。なお、本明細書でいうバインダ樹脂には、主剤、硬化剤、各種添加剤(例えば界面活性剤、離型剤等)などが含まれる。
熱硬化性樹脂を用いた第2成形体は、適宜、キュア処理がなされる。その加熱温度は、例えば、130~250℃さらには150~230℃である。なお、キュア処理は、第2キャビティ内でなされてもよいし、第2キャビティから排出された後になされてもよい。
《ボンド磁石》
ボンド磁石は、第2成形体のままでも、第2成形体に熱処理(キュア処理)や着磁が施されたものでもよい。着磁は、例えば、2~6T程度の磁場を印加してなされる。
ボンド磁石は、第2成形工程後に第2キャビティから取出(排出)されたものでも、第2成形工程で第2キャビティ(磁石孔等)を有する筐体(コア等)と一体化されたものでもよい。ボンド磁石が筐体のキャビティに一体化した磁気部材として、例えば、電動機(車両駆動用モータ、エアコン、家電製品用モータ等)の界磁子(回転子、固定子)がある。なお、電動機は、直流電動機でも交流電動機でもよい。また電動機には、モータのみならずジェネレータも含まれる。
回転子は、例えば、内側に形成された磁石孔(スロット)にボンド磁石が一体化された内包磁石型モータ(IPM)用ロータでもよいし、ボンド磁石が外周面側に一体的に形成された表面磁石型モータ(SPM)用ロータでもよい。いずれのロータでも、磁極数は少なくとも2以上ある。
IPM用ロータの場合、磁極毎にボンド磁石が内包されている。各磁極の磁石孔(ボンド磁石)は、モータの高出力化や高効率化を図るため、多層化や複数化(分割化)されていてもよい。本発明によれば、ボンド磁石の配置が複雑なIPM用ロータでも、予成形および本成形を行いつつ効率的に製造され得る。
スロット(磁石孔)にボンド磁石を一体化させたIPM用ロータの製造装置および製造方法を例示しつつ、本発明を以下に詳しく説明する。
《製造装置》
IPM用ロータの製造装置M(単に「装置M」という。)の概要を図1Aに模式的に示した。その一部を拡大した斜視図を図1Bに示した。装置Mは、予成形機1(第1成形機)、本成形機2(第2成形機)、搬送機3、シャッター33(装填機)を備える。なお、説明の便宜上、図1Aに矢印で示す方法を上・下方向または左・右方向とする。
(1)予成形機1は、基台10から鉛直上方に延びる支柱19に沿って昇降する上プレス台11および下プレス台12と、それらにそれぞれ取り付けられた上パンチ141および下パンチ142と、上下中央付近にあり水平方向に延びるテーブル13と、テーブル13上を左右方向に摺動する粉箱16と、粉箱16へコンパウンドp(磁石原料)を供給するホッパー17と、上パンチ141と下パンチ142の間にありテーブル13に内蔵されたダイス15とを備える。
図1Bに示すように、ダイス15は円柱状であり、その外周側には略U字状のキャビティ151(第1キャビティ)が形成されている。キャビティ151は、ダイス15を上下方向に貫通する筒状の空孔であり、その形状および配置は、ロータコア25のスロット251(第2キャビティ)に対応している。すなわち、キャビティ151とスロット251の横断面(左右方向の断面)は略相似形であるが、キャビティ151はスロット251に対して横断面が一回り小さい。但し、キャビティ151はスロット251よりも、上下方向に長くなっている。
(2)本成形機2は、基台20から鉛直上方に延びる支柱29に沿って昇降する上プレス台21および下プレス台22と、それらにそれぞれ取り付けられた上パンチ241および下パンチ242と、ロータコア25を収容する配向金型27と、スロット251へ印加する配向磁場H(図1B参照)のON・OFFを切り替える磁場スイッチ271と、配向金型27および磁場スイッチ271を保持すると共に支柱29に沿って昇降するテーブル23とを備える。
ロータコア25は、8磁極IPM用であり、8つの略U字状のスロット251が外周側に形成されている。ロータコア25の上面側と下面側にはそれぞれ、本成形用治具である上ガイド261と下ガイド262が配設される。上ガイド261と下ガイド262も円柱状(その外径はロータコア25と略同じ)であり、それらの外周側にもスロット251に対応した略U字状のガイド孔2611、2621が8つずつ形成されている。
スロット251、ガイド孔2611、2621はいずれも上下方向に貫通した筒状の空孔である。上下方向に各空孔が重なるように(周方向のずれがないように)位置合せされた状態で、上ガイド261、ロータコア25および下ガイド262は、その順で配向金型27に収容される。
ガイド孔2611は、予成形体F1が搬送治具35の収容空間351からロータコア25のスロット251へ誘導されるように、上方(搬送治具35側)から下方(ロータコア25側)にかけて横断面が縮小する緩やかなテーパー状(ロート状)となっている。
(3)搬送機3は、テーブル13に沿ってその上方側で左右(水平)に延びるリニアレール31と、リニアレール31に沿って移動するスライダー32(図1B参照)に取り付けられた搬送治具35とを備える。
シャッター33は、本成形機2の上下略中央付近に配設され、左右に開閉動する。シャッター33が閉じられると、その上面とテーブル13の上面とは面一状態となる。スライダー32とシャッター33は、サーボモータ(図略)により駆動され、所定位置で停止する。
《製造方法》
装置Mを用いてIPM用ロータR(単に「ロータR」という。)を製造する工程例を、図2Aおよび図2Bに示した。具体的には次の通りである。
(1)予成形
予成形機1の下パンチ142をダイス15のキャビティ151へ嵌挿し、下パンチ142の上端面をテーブル13の上端面に一致させる(ステップS10)。この位置(「原点位置」という。)からコンパウンドpの充填量に応じた所定位置まで、下パンチ142の上端面を降下させる(ステップS11)。
ダイス15上に粉箱16を移動させて、キャビティ151へコンパウンドpを擦切りして給粉する(ステップS12/磁石原料の供給工程)。なお、コンパウンドpの給粉時、ダイス15を加熱して温間状態としてもよい。加熱温度は、例えば、コンパウンドpに含まれるバインダ樹脂がキャビティ151の内壁面で軟化する程度でよい。
上パンチ141および/または下パンチ142を駆動させて、キャビティ151内のコンパウンドpを所定の成形圧(第1圧力)で圧縮して予成形体F1を得る(ステップS13/第1成形工程)。その成形圧は、予成形体F1を保形できる程度(例えば0.1~0.5MPa)でよい。
(2)移送
上パンチ141を上方へ退避させ、リニアレール31に沿ってスライダー32を移動させて、搬送治具35をダイス15上に配置する(ステップS14)。このとき、収容空間351とキャビティ151の各空孔が上下方向に略一致する位置で、搬送治具35を停止させる。
下パンチ142を原点位置まで上昇させて、予成形体F1をキャビティ151からノックアウトし、予成形体F1を搬送治具35の収容空間351へ移す(ステップS15/移送工程)。
(3)搬送
シャッター33を開いた状態(左側へ移動させた状態)で、ロータコア25と上ガイド261・下ガイド262を配向金型27内にセットする(ステップS20)。このとき、磁場スイッチ271をOFFにして、ロータコア25(スロット251)に配向磁場Hを作用させない。
またロータコア25は、事前に予備加熱しても、配向金型27に内蔵したヒータで加熱してもよい。その加熱温度は、例えば、コンパウンドpに含まれるバインダ樹脂が溶融する程度でよい。
シャッター33を閉じた状態(右側へ移動させた状態)にする(ステップS21)。これによりテーブル13の上面とシャッター33の上面とを面一状に連ねる。
リニアレール31に沿ってスライダー32を左側へ移動させ、予成形体F1を収容している搬送治具35をシャッター33上に配置する(ステップS22/搬送工程)。このとき、収容空間351とスロット251(ガイド孔2611、2621)の各空孔が上下方向で略一致し得る位置で、搬送治具35を停止する。
(4)装填
下パンチ242を上昇させて、下パンチ242の上端面を下ガイド262の下端面付近に配置する。シャッター33を左側へ移動させて開く(ステップS23/装填工程)。これにより予成形体F1は、自重で収容空間351から、ガイド孔2611、スロット251およびガイド孔2621へ入る。
(5)本成形
リニアレール31に沿ってスライダー32を右側へ移動させ、搬送治具35を配向金型27上から退避させる。磁場スイッチ271をONにして、ロータコア25(スロット251)に配向磁場Hを印加する。
上パンチ241および/または下パンチ242を駆動させ、予成形体F1を所定の成形圧(第2圧力)で圧縮する(ステップS24/第2成形工程)。これによりスロット251(第2キャビティ)にボンド磁石F2(第2成形体/本成形体)が一体成形されたロータRが得られる。このときの成形圧は、例えば10~50MPaである。
磁場スイッチ271をOFFにし、上パンチ241を上方へ退避させると共に下パンチ242を上昇させる。これによりロータRが上ガイド261、下ガイド262と共に配向金型27から取り出される。
こうして得られたロータRには、さらに熱処理(例えばキュア処理)、着磁、防錆処理等が施されてもよい。
《磁石原料》
磁石原料は、例えば、粗粉末(NdFeB系異方性磁石粉末)と微粉末(SmFeN系異方性磁石粉末)を混合した磁石粉末に、バインダ樹脂を加えて溶融混合(混練)して得られた顆粒状のコンパウンドである。なお、粗粉末は、例えば、水素処理(d-HDDR)して製造される。バインダ樹脂は、例えば、常温域で粉末状のエポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)である。
一例として、磁石粉末全体に対する粗粉末の質量割合は60~80質量%(微粉末:20~40質量%)、磁石原料全体に対する熱硬化性樹脂の質量割合は20~40質量%(磁石粉末:60~80質量%)、予成形体の密度は2~4g/cm(相対密度:40~60%)、本成形体の密度は5~6g/cmである。
上述したように、本発明の製造装置や製造装置によれば、形態が複雑なボンド磁石でも効率的に生産され得る。
M 製造装置
1 予成形機
2 本成形機
3 搬送機
33 シャッター
35 搬送治具
151 キャビティ(第1キャビティ)
251 スロット (第2キャビティ)
351 収容空間

Claims (9)

  1. 磁石粒子とバインダ樹脂の混合物または混練物からなる磁石原料を第1キャビティ内で加圧して第1成形体を得る第1成形機と、
    該第1成形体を第2キャビティ内で加圧して第2成形体を得る第2成形機と、
    該第1成形体の形態に沿った収容空間を有する搬送治具を該第1成形機側から該第2成形機側へ移動させる搬送機と、
    を備える圧縮ボンド磁石の製造装置。
  2. さらに、前記第2成形機側に移動した前記搬送治具に収容されている前記第1成形体の保持と降下を切り替えるシャッターを備える請求項1に記載の圧縮ボンド磁石の製造装置。
  3. 前記搬送治具の収容空間、前記第1キャビティおよび前記第2キャビティはそれぞれ、略同じく配置された複数の空孔からなる請求項1または2に記載の圧縮ボンド磁石の製造装置。
  4. さらに、前記搬送治具の収容空間から前記第2キャビティへ前記第1成形体を誘導するガイドを備える請求項1~3のいずれかに記載の圧縮ボンド磁石の製造装置。
  5. 前記搬送機は、前記第1成形機と前記第2成形機の間で前記搬送治具を略水平に往復動させ得る請求項1~4のいずれかに記載の圧縮ボンド磁石の製造装置。
  6. 第1キャビティ内で磁石粒子とバインダ樹脂の混合物または混練物からなる磁石原料を第1圧力で加圧して第1成形体を得る第1成形工程と、
    該第1成形体を該第1キャビティから該第1成形体の形態に沿った収容空間を有する搬送治具へ移す移送工程と、
    該第1成形体を収容した該搬送治具を第2キャビティ側へ運ぶ搬送工程と、
    該搬送治具から該第2キャビティへ該第1成形体を移す装填工程と、
    該第2キャビティ内の該第1成形体を該第1圧力よりも大きい第2圧力で加圧して第2成形体を得る第2成形工程と、
    を備える圧縮ボンド磁石の製造方法。
  7. 前記移送工程は、前記第1キャビティの上方に配置した前記搬送治具へ前記第1成形体を揚げる請求項6に記載の圧縮ボンド磁石の製造方法。
  8. 前記装填工程は、前記第2キャビティの上方に配置した前記搬送治具から前記第1成形体を降ろす請求項6または7に記載の圧縮ボンド磁石の製造方法。
  9. 前記移送工程は、分離された複数個の前記第1成形体を一括して前記搬送治具の収容空間へ移し、
    前記装填工程は、該複数個の第1成形体を一括して前記第2キャビティへ移す請求項6~8のいずれかに記載の圧縮ボンド磁石の製造方法。
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