JP2023091102A - リング部材 - Google Patents

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維斗 小丸
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龍之介 田中
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Abstract

【課題】ロックリングとの当接時に連結部材に作用するせん断力を軽減可能なリング部材を提供する。【解決手段】リング部材20は、挿し口12の外周12aに形成された挿し口突部が受口11の内部に配置されたロックリング13に当接されることによって離脱防止される管継手10に用いられる。リング部材20は、挿し口12の外周12aに形成される環状溝18に嵌め込まれることで、挿し口突部を形成する。リング部材20は、周方向一つ割りの本体21によって構成される。本体21の分割部22を構成する周方向の薄肉部23、24が、管継手10の径方向に重ねて配置されるとともに、タッピングねじ29によって連結される。内周側薄肉部23が環状溝18に嵌め込まれる。外周側薄肉部24は、本体21がロックリング13に当接する際に内周側薄肉部23と係合する係合部26を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、管の挿し口の外周に形成された挿し口突部が受口の内部に配置されたロックリングに当接されることによって離脱防止される管継手に用いられ、挿し口外周に形成される溝部に嵌め込まれることで、挿し口突部を形成するリング部材に関する。
従来、この種のリング部材としては、特許文献1に示すようなリング部材がある。特許文献1のリング部材は、管の挿し口の外周に形成される溝部に嵌め込まれることで、管の挿し口の外周に、管の離脱を防止するための挿し口突部を形成する。特許文献1のリング部材は、分割部を構成する周方向の一端部と他端部とが管の径方向に重ねて配置されるとともに、連結部材によって連結される。
特許文献1のリング部材は、地震等によって挿し口が受口から離脱しようとする際に、ロックリングと当接することで、ロックリングによる離脱防止力が作用し、挿し口が受口から離脱する方向(離脱方向)への挿し口の位置ずれを規制する。そのため、地震等によって挿し口が受口から離脱することを防止できる。
特開平9-196262号
しかしながら、特許文献1のリング部材は、ロックリングとの当接によってロックリングによる離脱防止力が作用することで、ロックリングと当接する一端部(又は他端部)が、溝部に嵌め込まれている他端部(又は一端部)に対して、挿し口の離脱方向と反対方向に位置ずれする。そのため、一端部と他端部とを連結する連結部材に、せん断力が作用する。それゆえに、特許文献1のリング部材では、当該せん断力の作用によって連結部材の破損或いは変形が生じ、リング部材の耐震性能が低下する虞があった。
本発明は、ロックリングとの当接時に連結部材に作用するせん断力を軽減可能なリング部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のリング部材は、管の挿し口の外周に形成された挿し口突部が受口の内部に配置されたロックリングに当接されることによって離脱防止される管継手に用いられ、前記挿し口外周に形成される溝部に嵌め込まれることで、前記挿し口突部を形成するリング部材であって、周方向一つ割りの本体によって構成され、前記本体の分割部を構成する周方向の一端部と他端部とが、前記管の径方向に重ねて配置されるとともに、連結部材によって連結され、前記一端部及び前記他端部のいずれかの前記管の径方向内側の部分が前記溝部に嵌め込まれ、前記一端部及び前記他端部のいずれか一方の端部は、前記本体がロックリングに当接する際に他方の端部と係合する係合部を有するものである。
これによると、ロックリングとの当接によってロックリングによる離脱防止力がリング部材(本体)に作用した際に、連結部材に作用するせん断力を軽減できる。
本発明のリング部材では、前記係合部は、前記一方の端部において前記ロックリングと当接する側に設けられるものである。
これによると、ロックリングと当接する部分と近い部分において本体の分割部を構成する一端部と他端部とを係合させることができる。
本発明のリング部材では、前記係合部は、前記ロックリングと当接する前記一方の端部における前記管の径方向内側の部分に設けられるものである。
これによると、ロックリングと当接する部分と近い部分、且つ挿し口の溝部において本体の分割部を構成する一端部と他端部とを係合させることができる。
本発明のリング部材によれば、リング部材を構成する本体の一端部及び他端部のいずれか一方の端部が、リング部材(本体)がロックリングに当接する際に他方の端部と係合する係合部を有することから、挿し口が受口に対して位置ずれすることによってリング部材(本体)とロックリングとが当接する際に、挿し口の離脱方向に対して反対の方向から連結部材に作用するせん断力を、係合部を介して受けることができる。そのため、ロックリングとの当接によって、ロックリングによる離脱防止力がリング部材(本体)に作用した際に、連結部材に作用するせん断力を軽減できる。それゆえに、連結部材への負荷が軽減され、リング部材の耐震性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るリング部材が取り付けられた挿し口を用いた離脱防止管継手の断面図である。 同リング部材が挿し口の環状溝に装着された状態を示す図である。 図2のA-A断面であって、内周側薄肉部と外周側薄肉部との連結前の状態を示す図である。 図2のA-A断面であって、挿し口が受口に対して位置ずれする場合を示す図である。 本発明の第1別実施例に係るリング部材において、挿し口が受口に対して位置ずれする場合を示す図である。 本発明の第2別実施例に係るリング部材において、挿し口が受口に対して位置ずれする場合を示す図である。 本発明の第3別実施例に係るリング部材において、挿し口が受口に対して位置ずれする場合を示す図である。 本発明の第4別実施例に係るリング部材において、挿し口が受口に対して位置ずれする場合を示す図である。
以下、本発明のリング部材20について説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るリング部材20は、管継手10(「管」の一例)に用いられるものである。
管継手10は、互いに接合される一方の管の端部に形成される受口11と、互いに接合される他方の管の端部に形成される挿し口12と、から構成される。管継手10では、挿し口12の外周12aに形成された挿し口突部が、受口11の内部に配置されたロックリング13に当接されることによって、受口11からの挿し口12の離脱が防止される。ここで、リング部材20は、管継手10における挿し口突部の機能を有する。
受口11は、その先端内周に形成されたシール材収容溝14にゴム製のシール材15が嵌め込まれている。受口11は、シール材収容溝14よりも奥側の内周に形成されたロックリング収容溝16にロックリング13が嵌め込まれている。ロックリング収容溝16の内周面とロックリング13の外周面との間には、ロックリング13の軸心を受口11の軸心に合わすための樹脂製の心出し用リング17が介装されている。
挿し口12は、受口11の内部に挿入される。挿し口12は、その先端部の外周12aに環状溝18(「溝部」の一例)が形成されている。環状溝18には、リング部材20が嵌め込まれる。
リング部材20は、環状溝18に嵌め込まれることで、挿し口12における挿し口突部を形成する。図2に示すように、リング部材20は、周方向一つ割りの本体21によって構成されている。リング部材20は、本体21の分割部22を構成する周方向の一端部及び他端部に、それぞれ薄肉部23、24が形成されている。
薄肉部23、24は、互いにリング部材20の径方向(管継手10の径方向)に重ねて配置される。本体21の分割部22は、内周側薄肉部23の肉厚(リング部材20の径方向の厚さ)と、外周側薄肉部24の肉厚(リング部材20の径方向の厚さ)との合計が、分割部22以外の本体21の肉厚(リング部材20の径方向の厚さ)に等しくなるように形成されている。薄肉部23、24は、周方向の一定長さにわたって重ねられるとともに、その重なり部よりも周方向に長く形成されている。このように薄肉部23、24を形成することで、リング部材20は、薄肉部23、24同士の重なりを維持した状態で、ある程度の範囲で拡径及び縮径が可能となる。
図2及び図3に示すように、内周側薄肉部23は、本体21の分割部22の一端部に形成される平板状の薄肉部分である。内周側薄肉部23は、外周側薄肉部24と重ねる際に、リング部材20の内周側に配置される。内周側薄肉部23は、リング部材20が挿し口12の外周12aに取り付けられる際に、挿し口12の環状溝18に嵌め込まれる。内周側薄肉部23は、その肉厚(リング部材20の径方向の厚さ)が、挿し口12の径方向における環状溝18の深さと同程度の厚さ、又は環状溝18の深さより若干小さい厚さで形成されている。すなわち、内周側薄肉部23は、その全体が環状溝18内に嵌め込まれるように構成されている。内周側薄肉部23は、その幅方向の厚さ(リング部材20の軸方向の厚さ)が、環状溝18の幅方向の長さ(管継手10の軸方向の長さ)より小さい厚さで形成されている。
外周側薄肉部24は、本体21の分割部22の他端部に形成される薄肉部分であり、幅方向(リング部材20の軸方向)側からの断面視が略L字状となるように形成される。外周側薄肉部24は、内周側薄肉部23と重ねる際に、リング部材20の外周側に配置される。外周側薄肉部24は、リング部材20が挿し口12の外周12aに取り付けられる際に、内周側薄肉部23が挿し口12の環状溝18に嵌め込まれることで、挿し口12の外周面から突出する。すなわち、外周側薄肉部24は、挿し口12における挿し口突部として機能し、挿し口12が受口11から離脱しようとする際に、ロックリング13と当接する。
図3及び図4に示すように、外周側薄肉部24は、薄肉部25と、係合部26と、から構成されている。薄肉部25は、内周側薄肉部23の上面に載置されるとともに、挿し口12における挿し口突部として機能してロックリング13と当接する部分である。薄肉部25は、その幅方向(リング部材20の軸方向)の一方側に傾斜面27が形成されている。ここで、幅方向の一方側とは、リング部材20(薄肉部25)の幅方向に対してロックリング13と当接する側に対して反対側(リング部材20を挿し口12に取り付けた際に挿し口12の先端側となる側)をいう。
係合部26は、薄肉部25がロックリング13と当接する際に、内周側薄肉部23と係合する部分である。係合部26は、外周側薄肉部24(薄肉部25)の幅方向(リング部材20の軸方向)の他方側に形成されている。ここで、幅方向の他方側とは、リング部材20(薄肉部25)の幅方向に対してロックリング13と当接する側(リング部材20を挿し口12に取り付けた際に挿し口12の基端側となる側)をいう。係合部26は、外周側薄肉部24(薄肉部25)の厚さ方向(リング部材20の径方向)における一方側から突出して形成される。ここで、厚さ方向の一方側とは、外周側薄肉部24(薄肉部25)におけるリング部材20の内周面側であり、リング部材20が挿し口12の外周12aに取り付けられる際に、挿し口12の径方向内側に向く側をいう。係合部26は、リング部材20が挿し口12の外周12aに取り付けられる際に、挿し口12の環状溝18に嵌め込まれる。係合部26は、その突出長さ(リング部材20の径方向の長さ)が、挿し口12の径方向における環状溝18の深さと同程度の長さ、又は環状溝18の深さより若干短い長さで形成されている。
外周側薄肉部24の一箇所には、リング部材20の径方向に貫通する連結用孔28が形成されている。連結用孔28には、外周側薄肉部24の外周面側において大径部28aが形成されている。外周側薄肉部24と内周側薄肉部23とは、連結用孔28に挿通されるタッピングねじ29(「連結部材」の一例)によって、互いに連結される。内周側薄肉部23は、外周側薄肉部24の薄肉部25の下面(リング部材20の径方向内側の第1水平面25a)と、係合部26の内面(リング部材20の軸方向の内側の第1垂直面26a)と、によって形成される部分に配置された状態で、外周側薄肉部24に連結される。すなわち、内周側薄肉部23は、外周側薄肉部24の薄肉部25及び係合部26に覆われた状態で、環状溝18内にて保持される。それゆえに、内周側薄肉部23と、外周側薄肉部24と、がリング部材20の軸方向(挿し口12の軸方向)に重なるように環状溝18内にて配置されることとなる。
次に、リング部材20の作用について説明する。図4に示すように、リング部材20が取り付けられた挿し口12が受口11から離脱しようとすると、リング部材20がロックリング13に当接する。この時、リング部材20の本体21の分割部22では、外周側薄肉部24がロックリング13に当接する。リング部材20がロックリング13に当接することで、挿し口12の離脱方向Rへの位置ずれがロックリング13によって制限される。
一方で、リング部材20は、ロックリング13に当接することで、挿し口12の離脱方向Rに対して反対の方向に、ロックリング13による離脱防止力を受ける。この時、リング部材20の本体21の分割部22では、外周側薄肉部24においてロックリング13による離脱防止力を受ける。より具体的には、外周側薄肉部24は、薄肉部25における挿し口12の離脱方向R側(挿し口12の基端側)の第2垂直面25bにおいてロックリング13による離脱防止力を受ける。
外周側薄肉部24は、ロックリング13による離脱防止力を受けることで、挿し口12の離脱方向Rに対して反対の方向に、内周側薄肉部23に対して位置ずれしようとする。この時、外周側薄肉部24の係合部26において、挿し口12の離脱方向Rに対して反対方向の側となる第1垂直面26aが、内周側薄肉部23における挿し口12の離脱方向R側(挿し口12の基端側)の第3垂直面23aと環状溝18内において接触(係合)する。これによって、ロックリング13による離脱防止力を、外周側薄肉部24の係合部26を介して、内周側薄肉部23の第3垂直面23aにおいて受けることで、挿し口12の離脱方向Rに対して反対の方向への内周側薄肉部23に対する外周側薄肉部24の位置ずれが規制される。このため、外周側薄肉部24がロックリング13による離脱防止力を受けた場合でも、内周側薄肉部23に対する外周側薄肉部24の位置ずれが起こり難くなり、外周側薄肉部24の位置ずれによってタッピングねじ29に作用するせん断力が軽減される。
以上のように、本実施の形態によると、リング部材20を構成する本体21の外周側薄肉部24が、リング部材20(本体21)がロックリング13に当接する際に内周側薄肉部23と係合する係合部26を有することから、挿し口12が受口11に対して位置ずれすることによってリング部材20(本体21)とロックリング13とが当接する際に、挿し口12の離脱方向Rに対して反対の方向からタッピングねじ29に作用するせん断力を、係合部26を介して受けることができる。そのため、ロックリング13との当接によって、ロックリング13による離脱防止力がリング部材20(本体21)に作用した際に、タッピングねじ29に作用するせん断力を軽減できる。それゆえに、タッピングねじ29への負荷が軽減され、リング部材20の耐震性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、係合部26を、外周側薄肉部24において、薄肉部25がロックリング13と当接する側(リング部材20を挿し口12に取り付けた際に挿し口12の基端側(挿し口12の離脱方向R側)となる側)に設けているが、これに限定されるものではなく、図5に示すリング部材20A(第1別実施例)のように、係合部26を、外周側薄肉部24の中央部付近に設けても構わない。この場合、内周側薄肉部23の中央部付近には、係合部26と係合可能な第1凹部23bが形成される。
また、本実施の形態では、係合部26を外周側薄肉部24に設けているが、これに限定されるものではなく、図6から図8に示すように、係合部26を内周側薄肉部23に設けても構わない。
係合部26を内周側薄肉部23に設ける場合、図6に示すリング部材20B(第2別実施例)のように、係合部26を、リング部材20がロックリング13と当接する側(リング部材20を挿し口12に取り付けた際に挿し口12の基端側(挿し口12の離脱方向R側)となる側)に形成する。この場合、係合部26は、外周側薄肉部24において、リング部材20がロックリング13と当接する側の第2垂直面25bに接触(係合)する。
また、係合部26を内周側薄肉部23に設ける場合、図7に示すリング部材20C(第3別実施例)のように、係合部26を、リング部材20がロックリング13と当接する側に対して反対側(リング部材20を挿し口12に取り付けた際に挿し口12の先端側(挿し口12の離脱方向R側に対して反対側)となる側)に形成する。この場合、係合部26は、外周側薄肉部24において、リング部材20がロックリング13と当接する側に対して反対側の第4垂直面25cに接触(係合)する。
さらに、係合部26を内周側薄肉部23に設ける場合、図8に示すリング部材20D(第4別実施例)のように、係合部26を内周側薄肉部23の中央部付近に形成する。この場合、外周側薄肉部24の中央部付近には、係合部26と係合可能な第2凹部25dが形成される。
さらにまた、本実施の形態では、内周側薄肉部23と外周側薄肉部24とをタッピングねじ29によって連結しているが、これに限定されるものではなく、リベット等の連結部材によって連結しても構わない。
10 管継手(管)
11 受口
12 挿し口
12a 挿し口の外周
13 ロックリング
18 環状溝(溝部)
20 リング部材
21 本体
22 分割部
23 内周側薄肉部(他端部)
24 外周側薄肉部(一端部)
26 係合部
29 タッピングねじ(連結部材)

Claims (3)

  1. 管の挿し口の外周に形成された挿し口突部が受口の内部に配置されたロックリングに当接されることによって離脱防止される管継手に用いられ、
    前記挿し口外周に形成される溝部に嵌め込まれることで、前記挿し口突部を形成するリング部材であって、
    周方向一つ割りの本体によって構成され、
    前記本体の分割部を構成する周方向の一端部と他端部とが、前記管の径方向に重ねて配置されるとともに、連結部材によって連結され、
    前記一端部及び前記他端部のいずれかの前記管の径方向内側の部分が前記溝部に嵌め込まれ、
    前記一端部及び前記他端部のいずれか一方の端部は、前記本体がロックリングに当接する際に他方の端部と係合する係合部を有すること
    を特徴とするリング部材。
  2. 前記係合部は、前記一方の端部において前記ロックリングと当接する側に設けられること
    を特徴とする請求項1に記載のリング部材。
  3. 前記係合部は、前記ロックリングと当接する前記一方の端部における前記管の径方向内側の部分に設けられること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリング部材。
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