JP2023090111A - 薄膜形成用原料、薄膜及び薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜形成用原料、薄膜及び薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気性が良好なナトリウム化合物を含有し、且つ高品質な薄膜を製造することができる薄膜形成用原料を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の少なくとも1種を含有する薄膜形成用原料、薄膜及び薄膜の製造方法である。【化1】JPEG2023090111000021.jpg840(式中、R1は、炭素原子数4~10の分岐鎖状アルキル基(但し、tert-ブチル基を除く)又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ナトリウム化合物を含有する薄膜形成用原料、該薄膜形成用原料を用いて得られる薄膜及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、高容量で、繰返し充放電が可能であることから、スマートフォン、携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ等の携帯電子機器、EV自動車、動力の一部に電力を利用したハイブリッド車、自然エネルギー普及の根幹技術として蓄電池への利用が進められ、その需要は拡大の一途をたどっている。
電池は、正極と負極と電解質との組み合わせで構成される。正極と負極で電池のエネルギーが決定され、電解質は金属イオンの伝導路として機能する。リチウムイオン二次電池は、電解質として有機溶媒を用いた電池であるが、電解質が可燃性の有機溶媒であるため、漏出や発火等の課題がある。電解質を固体化した全固体電池は、これらの課題を解決でき安全性が高まることが期待されている。さらに全固体電池は、リチウムイオン二次電池よりも高性能(大容量、高出力等)な電池が得られる可能性が指摘されており、EV自動車や、スマートグリッドの拡大につながる有力な二次電池デバイスとして期待されている。
全固体電池の電解質は、複雑な凸凹の電池基板、正極並びに負極等の電極を被覆できることが求められている。被覆する方法として、電池基板や電極上を、金属原子を含有する薄膜で被覆する方法が検討されている。
薄膜の製造方法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等の金属有機化合物分解(MOD:Metal Organic Decomposition)法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、CVD法の1種である原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等が挙げられる。これらの中でも、得られる薄膜の品質が良好なことからCVD法やALD法が主に用いられる。
CVD法やALD法は化学蒸着による薄膜形成技術である。特にALD法は、様々な組成の基体表面に対し、プリカーサによって供給される材料を成長させて薄膜表面の原子層を制御することができるため、微細形状の薄膜の形成が可能な薄膜形成技術として期待されている。
例えば、特許文献1には、有機リチウム化合物を原料に用いて固体電解質膜を形成する装置が開示されており、有機リチウム化合物として、ジピバロイルメタリチウム(CAS番号:22441-13-0)、リチウムtert-ブトキシド(CAS番号1907-33-1)、トリメチルシリルアミドリチウム(CAS番号:4039-32-1)が記載されている。また、特許文献2には、ALD法を用いて、リチウムtert-ブトキシド等のリチウム前駆体を用いてリチウム含有薄膜を形成することが開示されている。
特開2020-004592号公報 特表2011-508826号公報
しかしながら、リチウムは希少金属であり産出国が限られており、近年は、需給のひっ迫に伴う原材料価格の高騰が懸念されている。そこで、リチウムを代替えできる材料開発が求められており、リチウムと同じアルカリ金属で性質が似ており、且つ日本でも入手が容易で安価なナトリウムが注目されている。しかし、例えば、ナトリウムtert-ブトキシドは、低温で気化する材料ではあるが、薄膜形成用材料として用いた場合に、薄膜への残留不純物(残留炭素)が多く、ナトリウムtert-ブトキシドを用いて形成された薄膜の品質は満足できるものではなかった。
従って、本発明は、ナトリウム化合物を含有し、且つ高品質な薄膜を形成することができる薄膜形成用原料を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有するナトリウム化合物を含有する薄膜形成用原料が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記[1]~[10]で表される発明を提供するものである。
[1]下記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の少なくとも1種を含有する薄膜形成用原料。
Figure 2023090111000001
(式中、Rは、炭素原子数4~10の分岐鎖状アルキル基(但し、tert-ブチル基を除く)又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基を表す。)
[2]前記一般式(1)中のRが、炭素原子数4~10の2級アルキル基、炭素原子数5~10の3級アルキル基又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基である、[1]に記載の薄膜形成用原料。
[3]前記ナトリウム化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である[1]又は[2]に記載の薄膜形成用原料。
Figure 2023090111000002
(式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R、R及びRで表されるアルキル基の炭素原子数の合計が8以下である。)
[4][1]~[3]の何れか一項に記載の薄膜形成用原料を用いてなる薄膜。
[5][1]~[3]の何れか一項に記載の薄膜形成用原料を用いて、ナトリウム原子を含有する薄膜を形成することを含む、薄膜の製造方法。
[6]前記薄膜形成用原料を気化させて得られる原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する原料ガス導入工程と、前記原料ガスに含まれる一般式(1)で表されるナトリウム化合物を分解及び/又は化学反応させて前記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する薄膜形成工程と、を含む、[5]に記載の薄膜の製造方法。
[7]前記原料ガス導入工程及び前記薄膜形成工程の間に、前記原料ガスに含まれる一般式(1)で表される化合物を前記基体の表面に堆積させて前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜形成工程を含み、前記薄膜形成工程が、前記前駆体薄膜を反応性ガスと反応させて前記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する工程である、[6]に記載の薄膜の製造方法。
[8]前記反応性ガスが、酸化性ガスであり、且つ前記薄膜が、酸化ナトリウムである[7]に記載の薄膜の製造方法。
[9]前記酸化性ガスが、酸素、オゾン又は水蒸気を含有するガスである[8]に記載の薄膜の製造方法。
[10]前記薄膜形成工程が、100℃~400℃の範囲で前記前駆体薄膜を前記反応性ガスと反応させる[7]~[9]の何れか一項に記載の薄膜の製造方法。
本発明によれば、蒸気性が良好なナトリウム化合物を含有し、且つ平滑で、残留炭素の少ない高品質な薄膜を形成可能な薄膜形成用原料を提供することができる。また、本発明の薄膜形成用原料を用いることで、平滑で、残留炭素の少ない高品質な薄膜及び薄膜の製造方法を提供することができる。
本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるALD装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるALD装置の別の例を示す概略図である。 本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるALD装置のさらに別の例を示す概略図である。 本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるALD装置のさらに別の例を示す概略図である。
A.薄膜形成用原料
A1.一般式(1)で表されるナトリウム化合物
本発明の薄膜形成用原料は、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の少なくとも1種を含有するものである。
上記一般式(1)において、Rは、tert-ブチル基を除く、炭素原子数4~10の分岐鎖状アルキル基、又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基を表す。
本明細書において、基の炭素原子数は、基中の水素原子が置換基で置換されている場合、その置換後の基の炭素原子数を規定する。例えば、炭素原子数4~10のアルキル基の水素原子が置換されている場合、炭素原子数4~10とは、水素原子が置換された後の炭素原子数を指す。また、1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された分岐鎖状アルキル基の炭素原子数の規定は、炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換後の分岐鎖状アルキル基の炭素原子数を規定するものとする。
本発明においては、薄膜形成用原料として用いた場合に残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、Rが、炭素原子数4~10の2級アルキル基、炭素原子数5~10の3級アルキル基又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基であることが好ましく1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基であることがより好ましい。
上記Rが、炭素原子数4~10の2級アルキル基である場合、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、炭素原子数4~9の2級アルキル基であることが好ましく、炭素原子数5~8の2級アルキル基であることがより好ましく、炭素原子数6又は7の2級アルキル基であることがさらにより好ましく、2,4-ジメチル-3-ペンチル基であることが最も好ましい。
炭素原子数4~10の2級アルキル基の具体例としては、例えば、プロパン-2-イル基、ブタン-2-イル基、sec-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、2-メチル-3-ペンチル基、2,4-ジメチル-3-ペンチル基、2,2-ジメチル-3-ヘキシル基、2,2,4,4-テトラメチル-3-ペンチル基等が挙げられる。
上記Rが、炭素原子数5~10の3級アルキル基である場合、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、炭素原子数6~10の3級アルキル基であることが好ましく、炭素原子数7~9の3級アルキル基であることがより好ましく、2,4,4-トリメチル-2-ペンチル基であることが最も好ましい。
炭素原子数5~10の3級アルキル基の具体例としては、例えば、2-メチル-2-ブチル基、2-メチル-2-ペンチル基、2-エチル-2-ペンチル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、2-メチル-2-ヘキシル基、3-メチル-3-ヘキシル基、3-エチル-3-ヘキシル基、3-エチル-2-メチル-3-ヘキシル基、4-エチル-4-ヘプチル基、2,3,3-トリメチル-2-ブチル基、2,4,4-トリメチル-2-ペンチル基、2-メチル-2-オクチル基、2-エチル-2-オクチル基、3-メチル-3-オクチル基、3-エチル-3-オクチル基、4-メチル-4-オクチル基、4-エチル-オクチル基、2-メチル-2-ノニル基、3-メチル-3-ノニル基、4-メチル-4-ノニル基、5-メチル-5-ノニル基等が挙げられる。
上記Rが、1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基である場合、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、炭素原子数1~3のアルコキシ基で置換された炭素原子数5~9の分岐鎖状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~3のアルコキシ基で置換された炭素原子数6~8の分岐鎖状アルキル基であることがより好ましく、2-メチル-1-プロポキシ-2-プロピル基であることが最も好ましい。
1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基の具体例としては、例えば、1-メトキシ-2-メチル-2-プロピル基、1-エトキシ-2-メチル-2-プロピル基、2-メチル-1-プロポキシ-2-プロピル基、1-メトキシ-2-メチル-2-ブチル基、3-(メトキシメチル)-3-ペンチル基、3-メトキシ-2,3-ジメチル-2-ブチル基等が挙げられる。
が、1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数4~10の分岐鎖状アルキル基である場合、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、Rとしては、下記一般式(2’)で表される基であることが好ましい。すなわち、上記ナトリウム化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023090111000003
一般式(2’)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、*は、式(1)で表されるナトリウム化合物の酸素原子と結合する位置を表し、R、R及びRで表されるアルキル基の炭素原子数の合計が8以下である。
Figure 2023090111000004
一般式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R、R及びRで表されるアルキル基の炭素原子数の合計が8以下である。
、R及びRで表される炭素原子数1~5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
本発明の薄膜形成用原料においては、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることからR又はRが、炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
さらに、本発明の薄膜形成用原料においては、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、R及びRの両方が、炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
本発明の薄膜形成用原料においては、残留炭素の少ない薄膜を形成可能であることから、Rが、炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~3の直鎖状アルキル基であることがより好ましく、n-プロピル基であることが最も好ましい。
上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の好ましい具体例としては、下記No.1~No.65の化合物が挙げられるが、本発明はこれらの化合物によって限定されるものではない。なお、下記化合物No.1~No.65において「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表し、「nPr」はn-プロピル基を表し、「iPr」はイソプロピル基を表し、「tBu」はtert-ブチル基を表す。
Figure 2023090111000005
Figure 2023090111000006
Figure 2023090111000007
Figure 2023090111000008
Figure 2023090111000009
Figure 2023090111000010
Figure 2023090111000011
Figure 2023090111000012
Figure 2023090111000013
Figure 2023090111000014
Figure 2023090111000015
Figure 2023090111000016
Figure 2023090111000017
上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物は、周知の方法を利用して製造することができる。例えば、Rが、2,4-ジメチル-3-ペンチル基であるナトリウム化合物は、トルエン等の溶媒の存在下、ナトリウムアミドと、2,4-ジメチル-3-ペンタノールとを反応させて、溶媒を除去することで製造することができる。
本発明の薄膜形成用原料を用いて薄膜を製造する際に用いる成膜装置における配管内の輸送性を確保するために、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の融点は、150℃未満であることが好ましく、常温で液体であることがより好ましい。
A2.他のプリカーサ
本発明の薄膜形成用原料は、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物を含有するものであればよく、その組成は、目的とする薄膜の種類によって異なる。例えば、金属としてナトリウム原子のみを含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、ナトリウム原子以外の金属化合物及び半金属化合物を含有しない。
一方、ナトリウム原子と、ナトリウム原子以外の金属及び/又は半金属とを含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、一般式(1)で表されるナトリウム化合物に加えて、所望の金属を含む化合物及び/又は半金属を含む化合物(以下、「他のプリカーサ」と称する)を含有することができる。
上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物と共に用いられる他のプリカーサとしては、特に制限を受けず、薄膜形成用原料に用いられている周知一般のプリカーサを用いることができる。
上記他のプリカーサとしては、例えば、アルコール化合物、グリコール化合物、β-ジケトン化合物、シクロペンタジエン化合物、有機アミン化合物等の有機配位子として用いられる化合物からなる群から選択される一種類又は二種類以上と、珪素又は金属との化合物が挙げられる。また、プリカーサの金属種としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブテン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、錫、アンチモン、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、ビスマス、ラジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、又はルテチウム等が挙げられる。
上記他のプリカーサの有機配位子として用いられるアルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール等のアルキルアルコール類;2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-メトキシ-1-メチルエタノール、2-メトキシ-1,1-ジメチルエタノール、2-エトキシ-1,1-ジメチルエタノール、2-イソプロポキシ-1,1-ジメチルエタノール、2-ブトキシ-1,1-ジメチルエタノール、2-(2-メトキシエトキシ)-1,1-ジメチルエタノール、2-プロポキシ-1,1-ジエチルエタノール、2-sec-ブトキシ-1,1-ジエチルエタノール、3-メトキシ-1,1-ジメチルプロパノール等のエーテルアルコール類;ジメチルアミノエタノール、エチルメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノ-2-ペンタノール、エチルメチルアミノ-2-ペンタノール、ジメチルアミノ-2-メチル-2-ペンタノール、エチルメチルアミノ-2-メチル-2-ペンタノール、ジエチルアミノ-2-メチル-2-ペンタノール等のジアルキルアミノアルコール類等が挙げられる。
上記の他のプリカーサの有機配位子として用いられるグリコール化合物としては、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,4-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-ブタンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール等が挙げられる。
上記の他のプリカーサの有機配位子として用いられるβ-ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン-2,4-ジオン、5-メチルヘキサン-2,4-ジオン、ヘプタン-2,4-ジオン、2-メチルヘプタン-3,5-ジオン、5-メチルヘプタン-2,4-ジオン、6-メチルヘプタン-2,4-ジオン、2,2-ジメチルヘプタン-3,5-ジオン、2,6-ジメチルヘプタン-3,5-ジオン、2,2,6-トリメチルヘプタン-3,5-ジオン、2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオン、オクタン-2,4-ジオン、2,2,6-トリメチルオクタン-3,5-ジオン、2,6-ジメチルオクタン-3,5-ジオン、2,9-ジメチルノナン-4,6-ジオン、2-メチル-6-エチルデカン-3,5-ジオン、2,2-ジメチル-6-エチルデカン-3,5-ジオン等のアルキル置換β-ジケトン類;1,1,1-トリフルオロペンタン-2,4-ジオン、1,1,1-トリフルオロ-5,5-ジメチルヘキサン-2,4-ジオン、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロペンタン-2,4-ジオン、1,3-ジパーフルオロヘキシルプロパン-1,3-ジオン等のフッ素置換アルキルβ-ジケトン類;1,1,5,5-テトラメチル-1-メトキシヘキサン-2,4-ジオン、2,2,6,6-テトラメチル-1-メトキシヘプタン-3,5-ジオン、2,2,6,6-テトラメチル-1-(2-メトキシエトキシ)ヘプタン-3,5-ジオン等のエーテル置換β-ジケトン類等が挙げられる。
上記の他のプリカーサの有機配位子として用いられるシクロペンタジエン化合物としては、例えば、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、第2ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、tert-ブチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロペンタジエン等が挙げられ、上記の有機配位子として用いられる有機アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、イソブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、イソプロピルメチルアミン等が挙げられる。
上記の他のプリカーサは、当該技術分野において公知のものであり、その製造方法も公知である。例えば、有機配位子としてアルコール化合物を用いる場合には、先に述べた金属の無機塩又はその水和物と、該アルコール化合物のアルカリ金属アルコキシドとを反応させることによって、プリカーサを製造することができる。ここで、金属の無機塩又はその水和物としては、例えば、金属のハロゲン化物、硝酸塩等を挙げることができ、アルカリ金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等を挙げることができる。
本発明の薄膜形成用原料の輸送供給方法が、後述するシングルソース法である場合、上記の他のプリカーサとしては、熱及び/又は酸化分解の挙動が上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物と類似している化合物が好ましい。薄膜形成用原料の輸送供給方法が、後述するカクテルソース法である場合、上記の他のプリカーサとしては、熱及び/又は酸化分解の挙動が上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物と類似していることに加え、混合時に化学反応等による変質を起こさないものが好ましい。
A3.有機溶剤
本発明の薄膜形成用原料は、上記ナトリウム化合物を含むものであるが、必要に応じて、有機溶剤を含むことができる。上記の有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1-シアノプロパン、1-シアノブタン、1-シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3-ジシアノプロパン、1,4-ジシアノブタン、1,6-ジシアノヘキサン、1,4-ジシアノシクロヘキサン、1,4-ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等により、単独で用いてもよいし、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の薄膜の製造方法が、後述するカクテルソース法を用いる場合、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物と他のプリカーサの均一供給が容易になることから上記薄膜形成用原料は、有機溶剤を含むことが好ましい。
本発明の薄膜形成用原料が、上記の有機溶剤との混合溶液である場合、薄膜を生産性よく製造できるという観点から、薄膜形成用原料中におけるプリカーサ全体の量が0.01モル/リットル~2.0モル/リットルであることが好ましく、0.05モル/リットル~1.0モル/リットルであることがより好ましい。
ここで、プリカーサ全体の量とは、本発明の薄膜形成用原料が、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物以外の他のプリカーサを含まない場合は、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の量を意味し、本発明の薄膜形成用原料が、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物に加えて、他のプリカーサを含有する場合は、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物と他のプリカーサとの合計量を意味する。
A4.求核性試薬
また、本発明の薄膜形成用原料は、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物及び他のプリカーサの安定性を向上させるため、必要に応じて求核性試薬を含有してもよい。該求核性試薬としては、例えば、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18-クラウン-6、ジシクロヘキシル-18-クラウン-6、24-クラウン-8、ジシクロヘキシル-24-クラウン-8、ジベンゾ-24-クラウン-8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7-ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリエトキシトリエチレンアミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等の複素環化合物類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸-2-メトキシエチル等のβ-ケトエステル類又はアセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、2,4-ヘプタンジオン、3,5-ヘプタンジオン、ジピバロイルメタン等のβ-ジケトン類が挙げられる。これら求核性試薬の使用量は、プリカーサ全体の量1モルに対して0.1モル~10モルの範囲が好ましく、1モル~4モルの範囲がより好ましい。
A5.不純物
本発明の薄膜形成用原料には、上述の構成成分、すなわち、薄膜形成用原料を構成する、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物、上記他のプリカーサ、上記有機溶剤及び上記求核性試薬等を除き、不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン分、及び不純物有機分が極力含まないようにすることが望ましい。
不純物金属元素分は、元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、総量では、1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。特に、LSIのゲート絶縁膜、ゲート膜、バリア層として用いる場合は、得られる薄膜の電気的特性に影響のあるアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の含有量を少なくすることが必要である。
不純物ハロゲン分は、100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下がさらにより好ましい。不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらにより好ましい。
また、水分は、本発明の薄膜形成用原料中でのパーティクル発生や、薄膜形成中におけるパーティクル発生の原因となるので、一般式(1)で表されるナトリウム化合物、他のプリカーサ、有機溶剤及び求核性試薬については、それぞれの水分の低減のために、使用の際にあらかじめできる限り水分を取り除いた方がよい。一般式(1)で表されるナトリウム化合物、他のプリカーサ、有機溶剤及び求核性試薬それぞれの水分量は、10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。
また、本発明の薄膜形成用原料は、形成される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、パーティクルが極力含まれないようにするのが好ましい。具体的には、液相での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることがより好ましい。
A6.薄膜形成用原料の用途
上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の物性はCVD法に好適であるので、本発明の薄膜形成用原料は、化学気相成長用原料(以下、「CVD用原料」と記載することもある)として有用である。なかでも、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物は、広いALDウィンドウを有することから、本発明の薄膜形成用原料は、ALD法に特に好適である。従って、本発明の薄膜形成用原料は、ALD法用薄膜形成用原料として特に有用である。
B.薄膜の製造方法
次に、本発明の薄膜形成用原料を用いた薄膜の製造方法について説明する。
本発明の薄膜の製造方法は、上記薄膜形成用原料を用いて、ナトリウム原子を含有する薄膜を形成することを含むものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、上記薄膜形成用原料を気化させて得られる原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する原料ガス導入工程と、上記原料ガスに含まれる一般式(1)で表されるナトリウム化合物を分解及び/又は化学反応させて前記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する薄膜形成工程と、を含むものであることが好ましい。
なかでも、残留炭素の少ない高品質な薄膜が得られやすいから、原料ガス導入工程及び薄膜形成工程の間に、上記薄膜形成用原料を用いて基体の表面に前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜形成工程を含み、上記薄膜形成工程が、上記前駆体薄膜を反応性ガスと反応させて上記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する工程を含む、ALD法により薄膜を製造することがより好ましい。
原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件及び方法を用いることができる。
本発明の薄膜形成用原料を用いて薄膜を製造する装置は、周知のALD装置を用いることができる。具体的な装置の例としては、図1及び図3のようなプリカーサをバブリング供給することのできる装置や、図2及び図4のように気化室を有する装置が挙げられる。また、図3及び図4のように反応性ガスに対してプラズマ処理を行うことのできる装置が挙げられる。なお、図1~図4のような成膜チャンバー(堆積反応部)を備えた枚葉式装置に限らず、バッチ炉を用いた多数枚同時処理可能な装置を用いることもできる。なお、これらはCVD装置としても用いることができる。
以下、このような薄膜の製造方法における各工程について説明する。
B1.原料ガス導入工程
本発明における原料ガス導入工程は、薄膜形成用原料を気化させて得られる原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する工程である。
上記薄膜形成用原料を気化させて得られる原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する方法としては、気体輸送法、液体輸送法、シングルソース法、カクテルソース法等が挙げられる。
上記気体輸送法としては、例えば、図1及び図3に示すように、本発明の薄膜形成用原料が貯蔵される容器(以下、「原料容器」と記載することもある)中で、本発明の薄膜形成用原料を加熱及び/又は気化することで原料ガスとし、必要に応じてアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に、該原料ガスを基体が設置された成膜チャンバー内へと導入する方法が挙げられる。
上記液体輸送法としては、例えば、図2及び図4に示すように、薄膜形成用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は気化することにより気化させて原料ガスとし、該原料ガスを成膜チャンバー内へと導入する方法が挙げられる。
気体輸送法の場合、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物そのものを薄膜形成用原料とすることができる。液体輸送法の場合、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物そのもの又は該ナトリウム化合物を上記有機溶剤に溶かした溶液を、薄膜形成用原料とすることができる。上記気体輸送方法及び上記液体輸送方法では、薄膜形成用原料に上記他のプリカーサや上記求核性試薬等を含んでいてもよい。
上記シングルソース法としては、多成分のプリカーサを含む薄膜形成用原料の輸送供給方法であり、各プリカーサを独立して気化、供給する方法が挙げられる。
上記カクテルソース法としては、例えば、多成分のプリカーサを予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法が挙げられる。これら多成分のプリカーサを含む薄膜形成用原料は、上述の求核性試薬等を含んでいてもよい。
本発明の薄膜形成用原料を気化させて原料ガスとする工程は、上述の通り原料容器内で行ってもよく、気化室内で行ってもよい。いずれの場合においても、高品質な薄膜を形成しやすいことから、本発明の薄膜形成用原料は0℃~200℃で気化させることが好ましい。
また、原料容器内又は気化室内で薄膜形成用原料を気化させて原料ガスとする場合の原料容器内の圧力及び気化室内の圧力は、薄膜形成用原料が気化しやすいことから、1Pa~10,000Paの範囲内であることが好ましい。
成膜チャンバー内に設置される上記基体の材質としては、例えば、シリコン;二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ガラス;金属コバルト、金属ルテニウム等の金属が挙げられる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられる。基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。
B2.薄膜形成工程
薄膜形成工程は、上記原料ガスに含まれる一般式(1)で表されるナトリウム化合物を分解及び/又は化学反応させて上記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する工程である。
薄膜形成工程は、図1~図4に示すように、基体が設置された成膜チャンバー内で行われる工程であり、原料ガス及び反応性ガスを成膜チャンバー内に導入して、反応性ガスの作用又は反応性ガスの作用と熱の作用により、成膜チャンバー内の基体上でナトリウム原子を含有する薄膜が形成される。
本工程において、熱を用いて原料ガスと反応性ガスとを作用させる場合、基体又は/及び成膜チャンバーを加熱すればよい。加熱温度は、室温~500℃の範囲であればよく、100℃~400℃の範囲が、高品質な薄膜を形成しやすいので好ましい。
上記反応性ガスとしては、例えば、酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気、過酸化水素、ギ酸、酢酸、無水酢酸等の酸化性ガス、水素等の還元性ガス、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アルキレンジアミン等の有機アミン化合物、ヒドラジン、アンモニア等の窒化性ガス等が挙げられる。これらの反応性ガスは、単独で用いてもよいし、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
本工程においては、上記反応性ガスは、酸化性ガスが好ましく、なかでも、本発明の薄膜形成用原料と低い温度で良好に反応することから、酸素、オゾン又は水蒸気を含有するガスがより好ましい。なお、反応性ガスとして酸化性ガスを用いた場合には、酸化ナトリウム薄膜が形成される。また、1サイクル当たりに得られる膜厚が厚く、生産性よく薄膜を製造することができるという点で、反応性ガスは、オゾン又は水蒸気を含有するガスが好ましく、水蒸気を含有するガスがより好ましい。
B3.前駆体薄膜形成工程
本発明の薄膜の製造方法においては、残留炭素の少ない高品質な薄膜が得られやすいことから、上記原料ガス導入工程及び上記薄膜形成工程の間に、上記薄膜形成用原料を用いて上記基体の表面に前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜形成工程を含む、ALD法により薄膜を形成することが好ましい。
このような前駆体薄膜の形成方法としては、基体が設置された成膜チャンバー内に導入した原料ガス中の、上記一般式(1)で表されるナトリウム化合物を基体の表面に堆積(吸着)させることで、基体表面に前駆体薄膜が形成される。このとき、基体を加熱するか又は成膜チャンバー内を加熱して熱を加えてもよい。前駆体薄膜を形成する条件は、特に限定されず、例えば、反応温度(基体温度)、反応圧力、堆積速度等を薄膜形成用原料の種類に応じて適宜決めることができる。反応温度は、前駆体薄膜の膜厚を均一に形成しやすいことから、0℃~400℃の範囲であること好ましく、100℃~400℃の範囲がより好ましい。なお、薄膜形成用原料が、一般式(1)で表されるナトリウム化合物以外の他のプリカーサを含む場合は、ナトリウム化合物とともに他のプリカーサも基体の表面に堆積する。
原料ガスを導入して、原料ガス中の一般式(1)で表されるナトリウム化合物を含有する薄膜(前駆体薄膜)又は原料ガスを反応性ガスで反応させて得られる薄膜の上記堆積速度は、薄膜形成用原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力により制御することができる。堆積速度が大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、本工程における堆積速度は、0.005nm/分~100nm/分の範囲であることが好ましく、0.01nm/分~50nm/分の範囲であることがより好ましい。
B4.その他の工程
B4-1.排気工程
上記前駆体薄膜形成工程の前駆体薄膜形成後、又は薄膜形成工程のナトリウム原子を含有する薄膜の形成後、未反応の反応性ガス、原料ガス及び副生ガスを成膜チャンバー内から排気する工程を有することが好ましい。この際、反応性ガス及び副生ガスが成膜チャンバー内から完全に排気されるのが理想的であるが、必ずしも完全に排気する必要はない。排気方法及び減圧する場合の減圧度は、0.01Pa~300Paが好ましく、0.01Pa~100Paがより好ましい。
B4-2.エネルギー印加工程又は触媒使用工程
た、本発明の薄膜の製造方法においては、プラズマ、光、電圧等のエネルギーを印加する工程又は触媒を使用する工程を有していてもよい。該エネルギーを印加する時期及び触媒を使用する時期は、特には限定されず、例えば、原料ガス導入工程における原料ガスの導入時、前駆体薄膜形成工程又は薄膜形成工程における加熱時、排気工程における系内の排気時、薄膜形成工程における反応性ガスの導入時でもよく、上記の各工程の間でもよい。
本発明の薄膜の製造方法において、プラズマ処理を行う場合、出力が大きすぎると基体へのダメージが大きいため、10W~1,500Wが好ましく、50W~600Wがより好ましい。
B4-3.アニール工程
また、本発明の薄膜の製造方法においては、薄膜形成後に、より良好な電気特性を得るためにアニール工程を有していてもよい。アニール工程では、不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下でアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。本工程における温度は、均一な膜厚の薄膜を形成しやすいことから、200℃~1,000℃の範囲内であることが好ましく、250℃~500℃の範囲内であることがより好ましい。
B5.成膜サイクル
本発明における薄膜の製造方法は、原料ガス導入工程及び薄膜形成工程を1回のみ実施する方法であってもよく、原料ガス導入工程及び薄膜形成工程を2回以上実施する方法であってもよい。
本発明においては、上記薄膜の形成方法が、原料ガス導入工程及び薄膜形成工程を2回以上実施する方法であることが好ましく、原料ガス導入工程、前駆体薄膜形成工程、排気工程、薄膜形成工程及び排気工程を順に行い、一連の操作による薄膜の形成を1サイクルとし、このサイクルを必要な膜厚の薄膜が得られるまで複数回繰り返すことで、所望の膜厚を有するナトリウム原子を含有する薄膜を形成する方法(ALD法)であることがより好ましい。形成されるナトリウム原子を含有する薄膜の膜厚を、上記サイクルの回数で制御することができる。ALD法を用いた薄膜の製造方法の場合、均一な膜厚の薄膜が得られやすいことから、1サイクル当たりに得られる薄膜の堆積速度は、0.001nm/分~100nm/分の範囲であることが好ましく、0.005nm/分~50nm/分の範囲であることがより好ましい。
C.薄膜
本発明の薄膜形成用原料を用いて製造される薄膜は、他のプリカーサ、反応性ガス及び製造条件を適宜選択することにより、メタル、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、ガラス等の基体を被覆して所望の種類の薄膜とすることができる。本発明の薄膜は、ナトリウムに加えて他の金属を含有することができ、ナトリウム全固体電池の電解質膜、電極材料の他、電気-光変調器、電気検出器、光導波路、SAW基盤、圧電変換器等、多くの用途に用いることが可能である。本発明の薄膜は、用途に応じて薄膜の膜厚を変えてもよい。例えば、全固体電池の電解質膜において本発明の薄膜形成用原料を用いる場合、電解質膜として、1nm~100μm程度の膜厚を有していればよい。
以下、実施例等を用いて本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって制限を受けるものではない。
〔製造例1〕ナトリウム化合物No.9の製造
アルゴンガス雰囲気下で、200mLの3つ口反応フラスコにナトリウムアミド9.00g及びトルエン74.4gを加え、室温下で撹拌した。そこへ2,4-ジメチル-3-ペンタノール28.2gを滴下して反応させた。滴下終了後、引き続き室温下で約2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧下で留去し、白色の固体残渣を得た。その固体残渣を、90Paの減圧下、バス温度200℃で昇華し、白色固体の化合物を得た。収率は68%であった。元素分析及びH-NMR分析の結果、得られた化合物は、ナトリウム化合物No.9と同定された。これらの分析結果を以下に示す。
(1)元素分析(金属分析:ICP-AES、有機分析:CHN)
Na:16.0質量%(理論値:16.64質量%)、C:61.5質量%(理論値:60.84質量%)、H:10.2質量%(理論値:10.94質量%)、O:12.3質量%(理論値:11.58質量%)
(2)H-NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(0.93~0.95:d:12H)(1.56~1.64:m:2H)(3.1~3.3:m:1H)
〔製造例2〕ナトリウム化合物No.30の製造
アルゴンガス雰囲気下で、100mLの3つ口反応フラスコにナトリウムアミド0.3g及び脱水トルエン8.77gを加え、室温下で撹拌した。そこへ2,4,4-トリメチル-2-ペンタノール1.0gを滴下して反応させた。滴下終了後、引き続き室温下で約1時間撹拌した。その後、トルエンを減圧下で留去し、淡黄色固体を得た。収率は97%であった。元素分析及びH-NMR分析の結果、得られた化合物は、ナトリウム化合物No.30と同定された。これらの分析結果を以下に示す。
(1)元素分析(金属分析:ICP-AES、有機分析:CHN)
Na:15.5質量%(理論値:15.10質量%)、C:63.8質量%(理論値:63.13質量%)、H:11.2質量%(理論値:11.26質量%)、O:9.5重量%(理論値:11.58重量%)
(2)H-NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(1.67:s:2H)(1.49:s:6H)(1.15:s:9H)
〔製造例3〕ナトリウム化合物No.54の製造
アルゴンガス雰囲気下で、100mLの3つ口反応フラスコにナトリウムアミド2.0g及び脱水トルエン17.35gを加え、室温下で撹拌した。そこへ2-メチル-1-プロポキシプロパン-2-オール2.07gを滴下して反応させた。滴下終了後、引き続き室温下で約1時間撹拌した。その後、トルエンを減圧下で留去し、淡黄色固体を得た。収率は93%であった。元素分析及びH-NMR分析の結果、得られた化合物は、リチウム化合物No.54と同定された。これらの分析結果を以下に示す。
(1)元素分析(金属分析:ICP-AES、有機分析:CHN)
Na:15.0質量%(理論値:14.91質量%)、C:54.6質量%(理論値:54.53質量%)、H:9.9質量%(理論値:9.81質量%)、O:20.5重量%(理論値:20.75重量%)
(2)H-NMR(溶媒:重ベンゼン)(ケミカルシフト:多重度:H数)
(0.9:t:3H)(1.3:s:6H)(1.6~1.7:m:2H)(3.3:s:2H)(3.4:t:2H)
上記製造例で得られたナトリウム化合物及び比較化合物として、ナトリウムtert-ブトキシドを用いて、下記の評価を行った。
(1)残渣
TG-DTAを用いて、760Torr、アルゴン流量100mL/分、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定し、600℃に到達したときの質量を計測し、測定前の試料の質量に対する測定後の試料の質量の割合を残渣として算出した。残渣が少ないほど、蒸気性が良好であり、高品質な薄膜を製造することができる。
(2)減圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)
TG-DTAを用いて、10Torr、アルゴン流量50mL/分、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定し、試験化合物の重量が50質量%減少した時の温度(℃)を「減圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)」として評価した。減圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)が低いほど、低温で蒸気が得られることを示す。これらの結果を表1に示す。
(3)常圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)
TG-DTAを用いて、760Torr、アルゴン流量100mL/分、昇温速度10℃/分、走査温度範囲を30℃~600℃として測定し、試験化合物の重量が50質量%減少した時の温度(℃)を「常圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)」として評価した。常圧TG-DTA50質量%減少時の温度(℃)が低いほど、低温で蒸気が得られることを示す。これらの結果を表1に示す。
Figure 2023090111000018
上記表1より、比較化合物1のナトリウムtert-ブトキシドは、比較的低温で蒸気が得られるものの残渣が3.4wt%であった。これに対して、No.9、30、54のナトリウム化合物は、残渣が少なく、なかでも、No.54のナトリウム化合物は、残渣がほとんどないことが確認できた。これらの結果より、一般式(1)で表されるナトリウム化合物は、薄膜形成用原料として有用であることが確認できた。
〔実施例1〕
No.54のナトリウム化合物を薄膜形成用原料として用い、図1に示すALD装置を用い、下記の条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線光電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、ナトリウム原子を含有する薄膜であり、残留炭素量は、検出限界である0.1atom%よりも少ないことを確認した。また、X線反射率法を用いて薄膜の膜厚を測定したところ、基体上に形成された薄膜は、膜厚8nmの平滑な膜であり、1サイクル当たりに得られる膜厚は、約0.016nmであった。
(条件)
製造方法:ALD法
反応温度(基体温度):200℃
反応性ガス:水蒸気
(工程)
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、500サイクル繰り返した。
(1)原料容器温度60℃、原料容器内圧力100Paの条件で薄膜形成用原料を気化して得られる原料ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧100Paで10秒間、基体表面に原料ガス中のナトリウム化合物を堆積させて前駆体薄膜を形成する。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、堆積しなかったナトリウム化合物を含む原料ガスを系内から排気する。
(3)反応性ガスを成膜チャンバー内に導入し、系圧力100Paで0.2秒間、前駆体薄膜と反応性ガスとを反応させる。
(4)60秒間のアルゴンパージにより、未反応の反応性ガス及び副生ガスを系内から排気する。
〔実施例2〕
実施例1において、No.54のナトリウム化合物をNo.9のナトリウム化合物に変更した以外は、実施例1と同一条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線光電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、ナトリウム原子を含有する薄膜であり、残留炭素量は、0.1atom%であった。また、X線反射率法を用いて薄膜の膜厚を測定したところ、基体上に形成された薄膜は、膜厚7nmの平滑な膜であり、1サイクル当たりに得られる膜厚は、約0.014nmであった。
〔実施例3〕
実施例1において、No.54のナトリウム化合物をNo.30のナトリウム化合物に変更した以外は、実施例1と同一条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線光電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、ナトリウム原子を含有する薄膜であり、残留炭素量は、0.2atom%であった。また、X線反射率法を用いて薄膜の膜厚を測定したところ、基体上に形成された薄膜は、膜厚8nmの平滑な膜であり、1サイクル当たりに得られる膜厚は、約0.016nmであった。
〔比較例1〕
比較化合物1(ナトリウムtert-ブトキシド)を薄膜形成用原料として用いたこと以外は実施例1と同一条件で、基体である二酸化ケイ素上に薄膜を製造した。X線電子分光法を用いて薄膜の組成を分析したところ、薄膜は、ナトリウム原子を含有する薄膜であったが、2atom%以上の残留炭素が検出された。また、走査型電子顕微鏡法を用いて薄膜の状態を観察したところ、基体上に形成された薄膜は平滑ではなく、膜厚を計測できなかった。
以上より、良好な蒸気性を有するナトリウム化合物を含む薄膜形成用原料を用いて薄膜を製造した場合、平滑で、残留炭素の少ない高品質なナトリウム含有薄膜を製造できることが確認された。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるナトリウム化合物の少なくとも1種を含有する薄膜形成用原料。
    Figure 2023090111000019
    (式中、Rは、炭素原子数4~10の分岐鎖状アルキル基(但し、tert-ブチル基を除く)又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)中のRが、炭素原子数4~10の2級アルキル基、炭素原子数5~10の3級アルキル基又は1つ若しくは2つ以上の水素原子が炭素原子数1~5のアルコキシ基で置換された炭素原子数3~10の分岐鎖状アルキル基である、請求項1に記載の薄膜形成用原料。
  3. 前記ナトリウム化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1又は請求項2に記載の薄膜形成用原料。
    Figure 2023090111000020
    (式(2)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R、R及びRで表されるアルキル基の炭素原子数の合計が8以下である。)
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載の薄膜形成用原料を用いてなる薄膜。
  5. 請求項1~3の何れか一項に記載の薄膜形成用原料を用いて、ナトリウム原子を含有する薄膜を形成することを含む、薄膜の製造方法。
  6. 前記薄膜形成用原料を気化させて得られる原料ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内に導入する原料ガス導入工程と、
    前記原料ガスに含まれる一般式(1)で表されるナトリウム化合物を分解及び/又は化学反応させて前記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    を含む、請求項5に記載の薄膜の製造方法。
  7. 前記原料ガス導入工程及び薄膜形成工程の間に、前記原料ガスに含まれる一般式(1)で表される化合物を前記基体の表面に堆積させて前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜形成工程を含み、
    前記薄膜形成工程が、前記前駆体薄膜を反応性ガスと反応させて前記基体の表面にナトリウム原子を含有する薄膜を形成する工程である、請求項6に記載の薄膜の製造方法。
  8. 前記反応性ガスが、酸化性ガスであり、且つ前記薄膜が、酸化ナトリウムである請求項7に記載の薄膜の製造方法。
  9. 前記酸化性ガスが、酸素、オゾン又は水蒸気を含有するガスである請求項8に記載の薄膜の製造方法。
  10. 前記薄膜形成工程が、100℃~400℃の範囲で前記前駆体薄膜を前記反応性ガスと反応させる請求項7~9の何れか一項に記載の薄膜の製造方法。
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