JP2023089454A - 防音構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮音性の向上および薄型化が図れる防音構造体を提供すること。【解決手段】弾性を有するシート11と、シート11を支持するとともにシート11を区画部に区画する支持部12と、を有する防音材10と、防音材10を挟持する挟持部材20と、を備え、支持部12のシート11との接触面の十点平均粗さ(RzJIS)が20μm以上200μm以下の範囲であり、防音材10は、挟持部材20に挟持されて大気圧より大きい圧力で加圧されている。【選択図】図1

Description

本発明は、防音構造体に関する。
自動車内には多くの音源がある。車内および車外における騒音からの静粛性が要求されることから、自動車には様々な防音対策が施されている。特に、エンジンやトランスミッション、駆動系のような大きな音を発生する部分(固有音源)については、発生源に近い位置で防音対策が必要である。このため、これらの音源に対しては吸遮音性能に優れる専用の防音カバーが使用されている。
ここで、相次ぐ法改正による車外騒音レベル規制の強化や、車内騒音の静粛化が車の価値(高級感)に直結する点も相俟って、自動車における低騒音化部品の要求は非常に高い。特に、2013年度に欧州連合(EU)において導入された車外騒音規制は、最終的に従来規制値に対して-3dB(音圧エネルギーとして1/2に低減が必要)と厳しいものとなっている。これにはエンジンルーム内の主騒音発生源としてのエンジン本体およびトランスミッションなど固有音源への騒音低減対策が不可欠である。
これまでも、エンジン上面側のエンジントップカバーなどの様々な防音部品が使用されているが、さらなる性能の向上が求められている。また、低燃費化の観点から、防音対策は軽量化の要請にも応えられるものであることが好ましい。
下記特許文献1には、遮音性の向上および軽量化を図ることを目的とする防音材について開示されている。この防音材は、中間部吸音層の両面にそれぞれ熱可塑性樹脂フィルムを介在させて室内側吸音層と室外側吸音層を設けた積層構造を有している。
特開2010-36675号公報
しかし、特許文献1は、室内側吸音層と室外側吸音層との間に、中間部吸音層および中間部吸音層の両面に配置した熱可塑性樹脂フィルムからなる層(中間層)を介在させた構造となるため、防音材自体が厚くなるという課題がある。このように、防音材は、厚くなるに連れて遮音性能は高まるが、その反面、厚さの増加により設置スペースに制約が生じるため、遮音性能の向上を図りつつ、可能な限り薄くすることが必要となる。
本発明の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には、遮音性の向上および薄型化が図れる防音構造体を提供することにある。
本実施形態に係る防音構造体は、弾性を有するシートと、前記シートを支持するとともに前記シートを区画部に区画する支持部と、を有する防音材と、前記防音材を挟持する挟持部材と、を備え、前記支持部の前記シートとの接触面の十点平均粗さ(RzJIS)が20μm以上200μm以下の範囲であり、前記防音材は、前記挟持部材に挟持されて大気圧より大きい圧力で加圧されている。
本実施形態に係る防音構造体の概略分解斜視図である。 本実施形態に係る防音構造体の防音材を加圧する前の状態を示す概略断面図である。 本実施形態に係る防音構造体の防音材を加圧した状態を示す概略断面図である。 本実施形態に係る防音構造体を車体のフロアマットに充填した際の概念図である。 実施例の欄において防音性能を評価するのに用いた測定系(遮音ボックスおよびマイク)の配置を説明するための概念図である。 実施例1-1~1-3および比較例1-1~1-3の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。 実施例2-1、実施例2-2および比較例2の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。 実施例3-1、実施例3-2および比較例3の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。 実施例4-1、実施例4-2および比較例4の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。 実施例5-1、実施例5-2および比較例5の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。 実施例6-1、実施例6-2、比較例6-1および比較例6-2の防音材について挿入損失を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。なお、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で行う。
図1~図3に示すように、本実施形態に係る防音構造体1は、防音材10と、防音材10を挟持した状態で防音材10に対して所定の圧力を付与する挟持部材20と、を備える。防音構造体1は、防音材10が所定の圧力(大気圧より大きい圧力)で加圧された状態が維持されるように、挟持部材20で防音材10を厚さ方向から挟持した積層構造を有する。
<防音材>
防音材10は、弾性を有するシート11と、シート11を支持するとともにシート11を区画部に区画する支持部12と、を有する。防音材10は、音響メタマテリアルで構成することができる。「音響メタマテリアル」とは、自然界に存在する物質が通常示さないような音響的性質を示すように設計された人工媒質であり、音が伝搬する際の空気振動をシート11で制御して音の透過を抑制することができる。音響メタマテリアルは、防音材10の薄型化、延いては防音構造体1の薄型化を図ることができるため、有用である。音響メタマテリアルとしては、国際公開公報第2019/022245(日産自動車株式会社)に開示されるものを適用することができる。
シート11は、弾性を有し、支持部12に重ねた状態で配置される。シート11は、支持部12により区画部が形成されるため、区画部で囲われた部分が振動して遮音効果を高めることができる。シート11の膜厚は、防音材の防音効果の観点から、好ましくは10~1000μmであり、より好ましくは100~500μmである。
シート11の構成材料について特に制限はなく、弾性を有する材料であれば種々の材料が用いられ得る。本明細書において、シート11が「弾性を有する」とは、ヤング率の値が0.001~70[GPa]の範囲内の値である材料から構成されていることを意味する。なお、ヤング率の値は、樹脂についてはJISK7161-1(2014年)により測定され得る。また、金属のヤング率についてはJISZ2241(2011年)により測定され得る。そして、ゴムのヤング率についてはJISZ6251(2010年)により測定され得る。
シート11の構成材料としては、ラテックスゴム、クロロプレンゴム(CR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などのゴム材料が同様に用いられ得る。また、シート11は、樹脂材料や金属材料、紙材料などが用いられてもよい。さらに、シート11は、エアークッションなどの緩衝機能を有する材料もまた、用いられ得る。これらの材料は何れも、ゴム材料も含め、本実施形態に係る防音材10の効果を発現できる程度に高い弾性を有するものである。樹脂材料としては、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが例示される。また、熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素16樹脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾルシン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステルなどが用いられ得る。なお、これらの樹脂を生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマーなどのプレポリマー、オリゴマー、モノマーなどの樹脂前駆体が用いられてもよい。金属材料としては、銅、アルミニウムなどが挙げられる。シート11の構成材料は上記のものに限定されず、その他の材料が用いられてももちろんよい。なお、シート11の構成材料としてはゴム材料が好ましく、なかでもラテックスゴムまたはEPDMゴムがより好ましい。シート11の構成材料として、これらのゴム材料を用いることで、本実施形態に係る防音材10による防音効果が好適に発現し得る。また、これらのゴム材料は軽量であるという点で、特に車両用途への適用を考慮すると、低燃費化への寄与も大きいため、特に好ましい材料であると言える。さらに、低コスト化の観点からは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂もまた、シート11の構成材料として好ましいものである。
支持部12は、上述した弾性を有するシート11を支持するとともに当該シート11を(気密的に区画された)区画部に区画するものである。支持部12は、このような機能を発現可能な構成を有するものであれば、その具体的な構成について特に制限はない。図1には、多数の区画部が存在するように記載されているが、区画部は1つのみであっても本発明の範囲内のものである。
支持部12の構成材料について特に制限はなく、従来公知の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられ得る。また、支持部12は、ステンレスメッシュやステンレス金網のような金属材料やその他の材料が支持部12の構成材料として用いられてもよい。これらの材料は何れも、シート11を保持してこれを区画部に区画するのに適した物性を有している。
熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが例示される。また、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾルシン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステルなどが用いられ得る。なお、これらの樹脂を生成するウレタン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)、ジアリルフタレートプレポリマー、アクリルオリゴマー、多価イソシアナート、メタクリルエステルモノマー、ジアリルフタレートモノマーなどのプレポリマー、オリゴマー、モノマーなどの樹脂前駆体が用いられてもよい。なかでも、成形が容易であるという観点からは、熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、特に塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂は軽量であって、かつ耐久性に優れ、安価であるという利点から、好ましい。
支持部12は、連続的に形成された多数のセルを有する格子状構造体であることが好ましい。この場合、支持部12は、弾性を有するシート11を複数の区画部に区画することとなる。そしてさらに、当該複数の区画部の少なくとも一部は、同一の外郭形状を有する複数の区画部が規則的に配列されてなる規則配列構造を構成するものであることがより好ましい。このような構成とすることにより、製造が容易で、かつ同一形状の多数の区画部の存在によって所望の周波数域の音波に対する防音性能を特異的に発現させることができる。この際、防音性能をより一層発揮させるという観点から、シート11の面積に占める上記規則配列構造の面積の割合は、好ましくは80~100%であり、より好ましくは90~100%であり、さらに好ましくは95~100%であり、一層好ましくは98~100%であり、特に好ましくは99~100%であり、最も好ましくは100%である。なお、1つの上記シート11に対して少なくとも1つの格子状構造体(支持部12)が、複数の部材に分割されていてもよい。このような構成とすることにより、本実施形態に係る防音材10は、全体として可撓性を有するものであることが好ましい。但し、支持部12が複数の部材に分割されていない形態であっても、防音材10が全体として可撓性を有することは好ましい実施形態である。このように防音材10が可撓性を有することで、種々の形状の音源に追従させた形で防音材10を配置することが可能となるため、好ましい。
上述した規則配列構造における区画部の外郭形状(格子状構造体の厚さ方向に垂直な断面におけるセルの断面形状)は、図1に示すような正四角形(正方形)に限定されず、その他の形状であってもよい。同一の断面形状を有する正多角形を連続的に形成することによって多数のセルを配置するのであれば、断面形状としては正四角形のほか、正三角形、正六角形が採用され得る。これらの形状を採用することで、製造が容易でかつ優れた強度を示す支持体が提供され得る。なお、格子状構造体の断面を複数の正多角形が規則的に配置されたパターンとするのであれば、例えば、アルキメデスの平面充填法により、(正三角形4個,正六角形1個)、(正三角形3個,正四角形(正方形)2個)×2通り、(正三角形1個,正四角形(正方形)2個,正六角形1個)、(正三角形2個,正六角形2個)、(正三角形1個,正十二角形2個)、(正四角形(正方形)1個,正六角形1個,正十二角形1個)、(正四角形(正方形)1個,正八角形2個)の何れかの組み合わせにより格子状構造体の断面が上記パターンを有するように構成することができる。
本実施形態に係る防音材10において、支持部12のシート11との接触面の表面粗さ(十点平均粗さ(RzJIS))は20μm以上200μm以下である。このような構成とすることで、防音構造体1は、シート11の一部が支持部12の表面粗さに起因する表面の凹凸形状(以下、凹凸部ともいう)に入り込み、シート11が振動可能に密着するため、遮音効果が向上するという効果が奏される。
これに対し、支持部12の十点平均粗さが20μm未満では、弾性を有するシート11の加圧される面積が広くなり、必要以上にシート11が加圧されてシート11の面振動が生じ難くなって遮音性能が低減する。また、支持部12の十点平均粗さが200μmを超えると、シート11と支持部12との接触部分が少ないため、挟持部材20により加圧したとしても、シート11が十分に支持部12の凹凸部に入り込めず接触面積が少なく、遮音性能が低減する。
本実施形態に係る防音材10は、挟持部材20により挟持されて大気圧より大きな圧力で加圧される。防音材10は、好ましくは大気圧に加えて5kPa以上10kPa以下の範囲で加圧される。このような構成とすることで、シート11は、支持部12に押し付けられた際、一部が支持部12の凹凸部に入り込み、振動可能な状態で密着する。そのため、防音構造体1は、シート11の振動が阻害されずにシート11と支持部12とが密着可能となり、遮音性能の向上が図れる。
防音材10が大気圧に加えて5kPa以上の圧力で加圧された場合、シート11と支持部12とを十分に密着させることができ、シート11と支持部12との接触面積を確保することができることから、遮音性能がより一層向上し得る。また、大気圧に加えて10kPa以下の圧力で加圧された場合、シート11に加わる圧力が大きくなり過ぎず、シート11の面振動を十分に生じさせることができることから、やはり遮音性能がより一層向上し得る。
本実施形態に係る防音材10は、挟持部材20により端部のみまたは全面が加圧される。防音材10は、挟持部材20により加圧される際、防音材10の端部のみが加圧される構成とすれば、防音材10の挟持する領域が端部のみとなるため、設置が容易となる。また、防音材10は、挟持部材20により加圧される際、防音材10の全面が加圧される構成とすれば、事前に加圧した状態で防音構造体1を製造することができるため、後述する加圧機構30などを用いずとも設置が可能となり、設置自由度が高まる。なお、防音材10の端部とは、防音材10を平面視したときの外周縁部および外周縁部から内方に一定の範囲(20mm)が含まれる。
本実施形態に係る防音材10は、板状である。板の面密度と遮音特性における物理法則では、面密度(重量)が大きいほど遮音性能は向上する。そのため、材料の密度が均一であれば、厚いほど遮音性能は良いが、その反面、厚さが増すほど設置領域を確保する必要があり、設置スペースに制約が生じ得る。特に、防音構造体1を車両に適用する場合には、限られたスペースに効率よく配置して遮音性能を向上させる必要がある。したがって、防音材10は、設置自由度の観点から、厚さが0.5mm以上6.0mm以下の範囲に設定するのが好ましい。
防音材10の厚さが0.5mm以上であれば、面剛性が低くなり過ぎず、遮音性能が十分に得られる。また、防音材10の厚さが6.0mm以下であれば、厚さが大きくなり過ぎず、防音構造体1の設置スペースに制約が生じることがなく、設置自由度が向上する。
本実施形態に係る防音材10は、上述したように、軽量であることが好ましい。この観点から、本実施形態に係る防音材10の全体としての面密度は、好ましくは3.24kg/m未満であり、より好ましくは2.0kg/m以下であり、さらに好ましくは1.5kg/m以下であり、特に好ましくは1.0kg/m以下である。
<挟持部材>
挟持部材20は、防音材10を挟持して大気圧より大きい圧力で防音材10を加圧する。挟持部材20は、防音材10のシート11と対向して配置される第1挟持部材21と、防音材10の支持部12と対向して配置される第2挟持部材22と、で構成される。
挟持部材20は、防音材10に対して大気圧より大きい圧力を付与した状態で挟持できればよく、その構造や構成材料は特に制限されない。しかしながら、防音構造体1は、効果的な遮音性を得る上で、挟持部材20により防音材10を挟持して加圧する際に、シート11を支持部12に押し付けて支持部12の凹凸部に入り込ませて密着させることが重要である。そのため、挟持部材20は、フェルト、グラスウールなどの繊維集合体またはウレタンフォームなどの多孔質合成樹脂のような、弾性を有し、かつ吸音効果の得られる材料で構成するのが好ましい。挟持部材20は、同一材料で構成されたものを対とする構成や、異なる材料で構成されるもの同士を対とする構成など、弾性および吸音性を有すればよい。
また、挟持部材20は、少なくとも第1挟持部材21を弾性部材で構成するのが好ましい。このような構成とすることで、防音材10は、シート11と対向して配置される第1挟持部材21により、シート11が支持部12に適切に押し付けられて支持部12の凹凸部にシート11を入り込ませて両者を密着させることができる。
なお、挟持部材20は、防音材10に対して所定の圧力(大気圧より大きな圧力、好ましくは大気圧に加えて5kPa以上10kPa以下の範囲)で加圧可能な構成を有していればよく、防音構造体1を設置するスペース容積に応じて厚さや寸法などを適宜調整することができる。
本実施形態に係る防音構造体1は、挟持部材20を防音材10側に押し付けてシート11と支持部12とが密着するように加圧した状態を維持する加圧機構30を備えた構成とすることができる。
<加圧機構>
加圧機構30は、防音構造体1の挟持部材20を加圧し、防音材10に大気圧より大きな圧力を加圧する。加圧機構30は、防音材10の表面(厚さ方向と交差する方向に広がる面)に第1挟持部材21および第2挟持部材22を押し付けて、防音材10に所定の圧力が付与された状態が維持可能な構成を有する。加圧機構30は、防音構造体1の一構成部品として設けた構成としてもよいし、防音構造体1の設置箇所で使用される機材などを利用してもよい。防音構造体1は、図4に示すように、例えば車両のフロアマットに適用する場合、車両のボディーフロアの鋼板101と、フロアカーペット103の下方に配置されるシート材102との間に介在させることができる。シート材102は、重量のあるゴム板で構成される。このように、防音構造体1は、ボディーフロアの鋼板101とシート材102を加圧機構30として利用し、防音構造体1の上面(第1挟持部材21側)にシート材102を載置して防音構造体1を挟持すれば、シート材102からの荷重により大気圧より大きい圧力で加圧されつつ、この加圧状態が維持される。また、防音構造体1は、設置箇所に挟持部材20を加圧するのに適した機材が無い場合は、挟持部材20で防音材10を挟持し、防音材10に大気圧以上の圧力を付与した状態が維持可能な挟持治具(図示せず)を具備することができる。
本実施形態に係る防音構造体1において、防音材10を構成するシート11と支持部12との間、或いは防音材10と挟持部材20との間は、接着剤で接着した構成としてもよいし、接着剤などで接着せずフリーな構成としてもよい。防音構造体1において、シート11と支持部12との間を接着させた場合、シート11と支持部12との密着性が高まり、支持部12により形成される区画部によりシート11が確実に分割されるため、遮音性能を安定させることができる。但し、シート11は、接着剤がシート11と支持部12との密着部位(シート11と支持部12との接触箇所)以外の面に広がると、シート11の面剛性が設計よりも高まって振動を阻害する虞がある。そのため、接着剤を使用する場合は、シート11と支持部12との接触部位のみに接着剤を作用させ、シート11の支持部12との非接触部位には接着剤が流れ込まないように塗布するのがよい。
本実施形態に係る防音構造体1は、種々の音源由来の騒音を遮蔽する用途に好適に用いられ得る。なかでも、本実施形態に係る防音構造体1は非常に軽量に構成することが可能である。本実施形態に係る防音構造体1は、このように軽量化が可能であることから、車両に搭載されて用いられることが好ましい。特に、エンジンやトランスミッション、駆動系のような大きな音を発生する部分(固有音源)から発生する騒音に対する防音用途に適用されることが最も好ましい。適用部位の一例として、エンジンコンパートメントにおいては、エンジンヘッドカバー、エンジンボディカバー、フードインシュレーター、ダッシュ前インシュレーター、エアボックスの隔壁、エアインテークのエアクリーナー、ダストサイドダクト、アンダーカバーなどに適用可能である。また、キャビンにおいては、ダッシュインシュレーター、ダッシュパネル、フロアのカーペット、スペーサー、ドアのドアトリム、ドアトリム内の防音材、コンパートメント内の防音材、インストパネル、インストセンターボックス、インストアッパーボックス、エアコンの筐体、ルーフのトリム、ルーフトリム内の防音材、サンバイザー、後席向けエアコンダクト、電池搭載車両における電池冷却システムの冷却ダクト、冷却ファン、センターコンソールのトリム、コンソール内の防音材、パーセルトリム、パーセルパネル、シートのヘッドレスト、フロントシートのシートバック、リアシートのシートバックなどに適用可能である。さらに、トランクにおいては、トランクフロアのトリム、トランクボード、トランクサイドのトリム、トリム内の防音材、ドラフターカバーなどに適用可能である。また、車両の骨格内やパネル間にも適用することができ、例えば、ピラーのトリム、フェンダーに適用可能である。さらには、車外の各部材、例えば、フロア下のアンダーカバー、フェンダープロテクター、バックドア、ホイールカバー、サスペンションの空力カバーなどにも適用可能である。
本実施形態に係る防音構造体1は、防音材10と挟持部材20という簡素で軽量な構成であるにも拘わらず、質量則を凌駕する遮音性能を発揮する構造体であり、特に車両に搭載する際に実際の取り付け構造を考慮した構造を有している。そのため、防音構造体1は、設置箇所の周囲の構造体や基材(例えば、車両のフロアマットに適用する場合では、車両のボディーフロアの鋼板とシート材)の間に介在させることで、防音材10が大気圧より大きな圧力で加圧された状態で配置可能であり、従来公知の防音材よりも高い遮音性能を発揮することができる。
なお、本実施形態に係る防音構造体1を音源に対して配置する際の配置形態について特に制限はない。本実施形態に係る防音構造体1を音源に対して配置する際には、格子状構造体(支持部12)を構成するセルの開口方向に音源が位置するように配置することが好ましい。また、このように配置する際には、シート11が音源側に位置するように配置してもよいし、セルの開口部が音源側に位置するように配置してもよいが、より防音性能に優れるという観点からは、前者の配置形態がより好ましい。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る防音構造体1は、弾性を有するシート11と、シート11を支持するとともにシート11を区画部に区画する支持部12と、を有する防音材10と、防音材10を挟持する挟持部材20と、を備え、支持部12のシート11との接触面の十点平均粗さ(RzJIS)が20μm以上200μm以下の範囲であり、防音材10は、挟持部材20に挟持されて大気圧より大きい圧力で加圧されている。
このような構成とすることで、防音材10は、挟持部材20に挟持された状態で大気圧より大きな圧力で加圧され、防音材10を構成するシート11が支持部12の表面粗さに起因する表面の凹凸形状(凹凸部)に入り込んだ状態でシート11が振動可能に密着する。したがって、防音構造体1は、防音材10を厚くせずとも、従来公知の防音材と比べて遮音効果を向上させることができる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、挟持部材20は、好適にはシート11と対向して配置される第1挟持部材21と、支持部12と対向して配置される第2挟持部材22と、で構成され、少なくとも第1挟持部材21は弾性部材で構成してもよい。
このような構成とすることで、防音材10は、シート11が支持部12に適切に押し付けられて支持部12の凹凸部にシート11を入り込ませて両者を密着させることができる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、好適には、挟持部材20を防音材10に押し付ける加圧機構30を備える構成としてもよい。
このような構成とすることで、防音材10は、加圧機構30により所定の圧力で加圧された挟持部材20で挟持されることになるため、遮音性能を安定化させることができる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、防音材10は、好適には大気圧に加えて5kPa以上10kPa以下の範囲で加圧される構成としてもよい。
このような構成とすることで、シート11は、支持部12に押し付けられた際、一部が支持部12の凹凸部に入り込み、振動可能な状態で密着する。そのため、防音構造体1は、シート11の振動が阻害されずにシート11と支持部12とが密着可能となり、遮音性能の向上が図れる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、防音材10は、好適には、挟持部材20により端部のみが加圧される構成としてもよい。
このような構成とすることで、防音材10は、挟持部材20により加圧される際、防音材10の挟持する領域が端部のみとなるため、設置が容易となる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、防音材10は、好適には、挟持部材20により全面が加圧される構成としてもよい。
このような構成により、防音材10は、挟持部材20により加圧される際、防音材10の全面が加圧されることにより、事前に加圧した状態で防音構造体1を製造することができる。そのため、防音構造体1は、加圧機構30などを用いずとも設置が可能となり、設置自由度が高まる。
また、本実施形態に係る防音構造体1において、防音材10は、好適には、0.5mm以上6.0mm以下の厚さを有する構成としてもよい。
このような構成とすることで、特に、防音構造体1を車両に適用する場合、限られた設置スペースに効率よく配置して遮音性能を向上させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る防音構造体の実施例および比較例について説明する。
[防音構造体の評価試験装置の概要および性能試験の評価]
実施例および比較例で作製した防音構造体について、各周波数の音波に対する防音性能を測定した。具体的には、図5に示すような上面が開口し周囲を吸音材で囲んだ鉄壺からなる遮音ボックス(評価試験装置)200の内部にスピーカー(音源)300を配置し、遮音ボックス200の開口部にサンプル(防音構造体)Sを配置し、開口する矩形枠状の蓋部材210と天板220とでサンプルSの端部を挟持して固定した。また、サンプルSは、必要に応じてサンプルSの下面に高さ調節用のゴム材230を配置するとともに、サンプルSの上面と蓋部材210との間に生じた隙間を埋めて外部からの音の進入を防ぐために粘土240を配置した。そして、遮音ボックス200の内部に設置したスピーカー(音源)300から音を発生させて、サンプルSを配置しない場合(コントロール)に対する挿入損失[単位:dB]を測定することにより、防音性能を評価した。ある周波数における挿入損失の値が大きいほど、当該周波数の音波に対する防音性能に優れることを意味する。なお、以下の実施例および比較例の欄において特記しない限り、シートが遮音ボックス200の上方に配置した集音部となるマイク400側に位置するように防音構造体を配置して評価を行った。
各実施例の音源の発生条件は、以下のとおりとした。
・スペクトルレベル:ホワイトノイズ(100~8192Hz)
・Fmax:8192Hz
・Δf(周波数分解能):1Hz
・平均値:300回の加算平均(1回の測定において時間を少しずつずらしながら300回の測定を行い、その加算平均を測定値とした)
・オーバーラップ:75%。
また、各実施例において、遮音ボックス200に取り付けたサンプルSは、防音材の上面側に配置される挟持部材(第1挟持部材)が遮音ボックス200から突出した部分(出代)を蓋部材で圧縮して押し込むことにより、防音材に所定の加圧力を付与した。この防音材に対する加圧力は、防音構造体の厚さに基づき挟持部材の出代や高さ調節用のゴム材230の厚さを調整することで規定することができる。
[サンプルの仕様]
実施例1~実施例4で使用した各サンプルの仕様は、以下の通りである。サンプルA~サンプルCは、1辺200mmの矩形板状に成形した。
〈サンプルA〉
・第1挟持部材:厚さ10mmのタカポール(日本特殊塗料株式会社製;フェルト+ゴムシート;ゴムシートがマイク側となるように配置した)
・第2挟持部材:厚さ10mmのフェルト
・支持部:十点平均粗さ(RzJIS)20μm、厚さ5.96mmのPVC(ポリ塩化ビニル)ハニカム格子(セルサイズ4mm)
・シート:厚さ0.04mm(40μm)のラテックスゴムシート。
〈サンプルB〉
・第1挟持部材:厚さ10mmのタカポール(日本特殊塗料株式会社製;フェルト+ゴムシート;ゴムシートがマイク側となるように配置した)
・第2挟持部材:厚さ10mmのフェルト
・支持部:十点平均粗さ(RzJIS)60μm、厚さ0.475mm(475μm)のステンレスメッシュ(20メッシュ)
・シート:厚さ0.025mm(25μm)のラテックスゴムシート
〈サンプルC〉
・第1挟持部材:厚さ10mmのタカポール(日本特殊塗料株式会社製;フェルト+ゴムシート;ゴムシートがマイク側となるように配置した)
・第2挟持部材:厚さ10mmのフェルト
・支持部:十点平均粗さ(RzJIS)200μm、厚さ0.975mm(975μm)のステンレス金網(開口サイズ1cm)
・シート:厚さ0.025mm(25μm)のラテックスゴムシート。
また、実施例1~実施例4で使用した各サンプルの仕様を下記表1にまとめた。
Figure 2023089454000002
[実施例1]
実施例1は、防音構造体の防音材に対する加圧の有無に応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例1-1と比較例1-1は、サンプルAを使用し、実施例1-2と比較例1-2は、サンプルBを使用し、実施例1-3と比較例1-3は、サンプルCを使用した。実施例1-1~実施例1-3は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて5kPaで加圧し、比較例1-1~比較例1-3は、加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図6に示す。
図6に示すように、実施例1-1~実施例1-3は、防音材のみの構成となる比較例1-1~比較例1-3と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材を挟持部材で挟持し、さらに防音材を大気圧より大きい圧力(大気圧+5kPa)で加圧することが、防音性能を向上させる重要な要素であることを示している。
[実施例2]
実施例2は、防音構造体の防音材に対する加圧力の違いに応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例2-1、実施例2-2、比較例2は、サンプルBを使用した。実施例2-1は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて5kPaで加圧し、実施例2-2は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて10kPaで加圧し、比較例2は、加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図7に示す。
図7に示すように、実施例2-1、実施例2-2は、加圧していない比較例2と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。また、実施例2-1と実施例2-2を比較すると、周波数1600Hz付近より高周波数帯域において一部に逆転現象が見受けられるものの、加圧力を高めることで防音性能がより向上することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材を挟持部材で挟持し、さらに防音材を大気圧より大きい圧力を大気圧より5kPa~10Kpaの範囲に設定して加圧することが、防音性能を向上させるのに有効であることを示している。
[実施例3]
実施例3は、防音構造体の防音材に対する加圧領域の違いに応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例3-1、実施例3-2、比較例3は、サンプルBを使用した。実施例3-1は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて5kPaで加圧し、実施例3-2は、格子状の部材を蓋部材に介在させて防音材の全面を大気圧に加えて5kPaで加圧し、比較例3は、加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例3-1、実施例3-2は、加圧していない比較例3と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材を挟持部材で挟持し、さらに防音材を大気圧より大きい圧力(大気圧より5kPa)で防音材の端部や全面を加圧することが、防音性能を向上させるのに有効であることを示している。
[実施例4]
実施例4は、防音構造体の防音材に対する加圧領域の違いに応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例4-1、実施例4-2、比較例4は、サンプルCを使用した。実施例4-1は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて5kPaで加圧し、実施例4-2は、格子状の部材を蓋部材に介在させて防音材の全面を大気圧に加えて5kPaで加圧し、比較例4は、加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図9に示す。
図9に示すように、実施例4-1、実施例4-2は、加圧していない比較例4と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材を挟持部材で挟持し、さらに防音材を大気圧より大きい圧力(大気圧より5kPa)で防音材の端部や全面を加圧することが、防音性能を向上させるのに有効であることを示している。
[実施例5]
実施例5は、防音構造体の防音材に対する加圧領域の違いに応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例5-1、実施例5-2、比較例5は、サンプルAを使用した。実施例5-1は、防音材の端部(境界部)を大気圧に加えて5kPaで加圧し、実施例5-2は、格子状の部材を蓋部材に介在させて防音材の全面を大気圧に加えて5kPaで加圧し、比較例5は、加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図10に示す。
図10に示すように、実施例5-1、実施例5-2は、加圧していない比較例5と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材を挟持部材で挟持し、さらに防音材を大気圧より大きい圧力(大気圧より5kPa)で防音材の端部や全面を加圧することが、防音性能を向上させるのに有効であることを示している。
[実施例6]
実施例6は、防音構造体の防音材の厚さの違いに応じた防音性能を評価する試験を実施した。実施例6-1と比較例6-1は、サンプルBを使用し、実施例6-2と比較例6-2は、サンプルAを使用した。実施例6-1は、サンプルBの防音材の厚さ0.5mmとし、実施例6-2は、サンプルAの防音材の厚さ6.0mmとした。また、比較例6-1は、実施例6-1を加圧せずに大気圧のままとし、比較例6-2は、実施例6-2を加圧せずに大気圧のままとした。防音性能を評価して得られた挿入損失の結果を図11に示す。
図11に示すように、実施例6-1は防音材の厚さが0.5mm、実施例6-2は防音材の厚さが6.0mm、すなわち防音材の厚さが0.5mm~6.0mmの範囲に設定されており、各実施例は、加圧していない比較例6-1、比較例6-2と比較して、何れも優れた防音性能を発揮することが確認された。この試験結果は、防音構造体において、防音材の厚さが0.5mm~6.0mmの範囲とし、挟持部材挟持して防音材を大気圧より大きい圧力(大気圧より5kPa)で加圧することが、防音性能を向上させるのに有効であることを示している。
1 防音構造体、
10 防音材、
11 シート、
12 支持部、
20 挟持部材、
21 第1挟持部材、
22 第2挟持部材、
30 加圧機構、
101 ボディーフロアの鋼板、
102 シート材、
103 フロアカーペット、
200 遮音ボックス、
210 蓋部材、
220 天板
230 ゴム板、
240 粘土、
300 スピーカー(音源)
400 マイク、
S サンプル。

Claims (7)

  1. 弾性を有するシートと、前記シートを支持するとともに前記シートを区画部に区画する支持部と、を有する防音材と、
    前記防音材を挟持する挟持部材と、を備え、
    前記支持部の前記シートとの接触面の十点平均粗さ(RzJIS)が20μm以上200μm以下の範囲であり、
    前記防音材は、前記挟持部材に挟持されて大気圧より大きい圧力で加圧されている、防音構造体。
  2. 前記挟持部材は、前記シートと対向して配置される第1挟持部材と、前記支持部と対向して配置される第2挟持部材と、で構成され、
    少なくとも前記第1挟持部材は弾性部材で構成される、請求項1に記載の防音構造体。
  3. 前記挟持部材を前記防音材に押し付ける加圧機構を備える、請求項1または2に記載の防音構造体。
  4. 前記防音材は、大気圧に加えて5kPa以上10kPa以下の範囲で加圧される、請求項1~3の何れか1項に記載の防音構造体。
  5. 前記防音材は、前記挟持部材により端部のみが加圧される、請求項1~4の何れか1項に記載の防音構造体。
  6. 前記防音材は、前記挟持部材により全面が加圧される、請求項1~5の何れか1項に記載の防音構造体。
  7. 前記防音材は、0.5mm以上6.0mm以下の厚さを有する、請求項1~6の何れか1項に記載の防音構造体。
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