JP2023088487A - 非水二次電池の製造方法、及び非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池の製造方法、及び非水二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層からの金属成分の溶出を抑制可能な非水二次電池の製造方法及び非水二次電池を提供する。【解決手段】正極基材上に正極合材層を形成する正極塗工工程と、負極基材25上に負極合材層26を形成する負極塗工工程と、負極合材層26の第1部分26Aを押圧する負極押圧工程と、第1部分26Aがセパレータを介して正極合材層と対向し、かつ、負極合材層26のうち負極押圧工程において押圧されない第2部分26Bがセパレータを介して正極合材層と対向しないように、正極基材、負極基材25、及びセパレータを積層する工程と、を含む。【選択図】図7

Description

本発明は、非水二次電池の製造方法及び非水二次電池に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車は、その電源として非水二次電池を備える。非水二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池は、正極板と負極板とがセパレータを介して積層された電極体を備える。正極板は、長尺な正極基材と、正極基材上に形成された正極合材層とを備える。負極板は、長尺な負極基材と、負極基材上に形成された負極合材層とを備える。電極体において、負極合材層は、セパレータを介して正極合材層と対向する対向部と、セパレータを介して正極合材層と対向しない非対向部とを備える(例えば、特許文献1)。対向部は、負極合材層における幅方向の中央に位置する。非対向部は、負極合材層における幅方向の両端に1つずつ位置する。
国際公開第2014/073113号
非水二次電池の充電時において、正極合材層は、電荷担体(リチウムイオン二次電池の場合は、リチウムイオン)を電解液中に放出する。負極合材層は、電解液中の電荷担体を吸蔵する。電荷担体は、負極活物質層のうち非対向部からよりも、正極合材層との距離が近い対向部から優先的に吸蔵されやすい。また、対向部から吸蔵された電荷担体は、非対向部にも拡散する。非水二次電池の放電時において、負極合材層は、電荷担体を電解液中に放出する。電荷担体は、負極合材層のうち正極合材層との距離が近い対向部から優先的に放出されやすく、非対向部では電荷担体が放出されにくい。
そのため、正極合材層の幅方向の端部における電荷担体の量は、非水二次電池の充放電が繰り返されると、電荷担体が負極合材層の非対向部に留まることで減少する。正極合材層の幅方向の端部における電位は、電荷担体の量の減少に伴い上昇する。正極合材層に含まれる金属成分は、電位の上昇に伴って正極合材層から溶出する場合がある。正極合材層から溶出した金属成分は、負極合材層上に析出して抵抗体となる。電荷担体は、負極合材層において、単体として析出するとともに、負極合材層上に析出した正極合材層由来の金属成分との反応によって合金として析出する。負極合材層に単体または合金として析出した電荷担体は、不活性であるため電池の充放電に寄与しない。したがって、非水二次電池の電池容量は、負極合材層に電荷担体が不活性な状態で析出することによって低下する。換言すると、負極合材層に電荷担体が不活性な状態で析出することによって非水二次電池の電池寿命の低下が促進される。
上記課題を解決するための非水二次電池の製造方法は、正極基材上に正極合材層を形成する正極塗工工程と、負極基材上に一様な厚さの負極合材層を形成する負極塗工工程と、前記負極合材層を押圧する負極押圧工程と、前記負極合材層のなかに、セパレータを介して前記正極合材層と対向する対向部と、前記セパレータを介して前記正極合材層と対向しない非対向部と、を形成するように、前記正極基材、前記負極基材、及び前記セパレータを積層する積層工程と、を含み、前記負極押圧工程では、前記負極合材層のうち前記積層工程において前記対向部とされる第1部分の押圧量が、前記負極合材層のうち前記積層工程において前記非対向部とされる第2部分の押圧量よりも大きくなるように、前記負極合材層を押圧する。
上記製造方法によれば、対向部となる第1部分の押圧量が非対向部となる第2部分の押圧量よりも大きいことで、非対向部の密度を対向部の密度よりも低くすることができる。これにより、非水二次電池の充電時に対向部から吸蔵された電荷担体を、非対向部に拡散しにくくできる。そのため、非水二次電池の充放電が繰り返されても、正極合材層の幅方向の端部における電荷担体の量を減少しにくくすることができる。したがって、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層からの金属成分の溶出を抑制できる。また、第1部分の押圧量が第2部分の押圧量よりも大きいため、非対向部の厚さが対向部の厚さよりも大きくなる。したがって、非対向部が正極合材層に近づく構成となる。これにより、非対向部における充放電の反応性を高めることができるため、非対向部に拡散した電荷担体を充放電反応に好適に寄与させることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記負極押圧工程において、前記第1部分を押圧し、前記第2部分を押圧しないことが好ましい。上記製造方法によれば、第2部分が押圧されない分、対向部から非対向部への電荷担体の拡散を抑制するために必要な第1部分の押圧量を低減できる。したがって、対向部となる第1部分の押圧量の過剰な増加を抑えつつ、非対向部の密度と対向部との密度の差を大きくすることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記負極押圧工程において、前記第1部分の密度が、前記第2部分の密度に対して、103%以上になるように前記第1部分を押圧することが好ましい。上記製造方法によれば、第1部分の密度と第2部分の密度との差を大きくすることができるため、対向部から吸蔵された電荷担体を、より非対向部に拡散しにくくできる。これにより、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇を好適に抑制できる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記正極塗工工程において、前記正極基材上に一様な厚さの前記正極合材層を形成し、前記積層工程の前に、前記正極合材層の全体を一様に押圧する正極押圧工程をさらに含むことが好ましい。上記製造方法によれば、例えば、幅方向において、正極合材層の端部における密度が、正極合材層の中央部における密度よりも低い場合では、正極合材層の端部における正極合材層と電解液との反応性が高まる。そのため、正極合材層の幅方向の端部から電荷担体が放出され易くなるため、正極合材層の幅方向の端部の電位が上昇し易い。この点、幅方向において、正極合材層の密度が一様であることで、正極合材層の幅方向の端部における密度が中央部における密度よりも低い場合よりも、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇を抑制できる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記負極押圧工程において、前記負極合材層における幅方向の両端部、及び前記幅方向の中央部のそれぞれに前記第2部分が位置するように前記第1部分を押圧し、前記負極押圧工程の後であって、前記積層工程の前に、前記負極基材及び前記負極合材層を、前記幅方向の中央で2分割する負極切断工程をさらに含むことが好ましい。上記製造方法によれば、一度に2つの負極板を製造する場合でも、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層からの金属成分の溶出を抑制可能な非水二次電池の製造方法を適用できる。
上記課題を解決するための非水二次電池は、正極基材と正極合材層とを備える正極板と、負極基材と負極合材層とを備える負極板と、前記正極板と前記負極板との間に位置するセパレータと、を備える非水二次電池であって、前記負極合材層は、前記セパレータを介して前記正極合材層と対向する対向部と、前記セパレータを介して前記正極合材層と対向しない非対向部と、を備え、前記非対向部の密度は、前記対向部の密度よりも低く、前記非対向部の厚さは、前記対向部の厚さよりも大きい。
上記構成によれば、負極合材層における非対向部の密度が対向部の密度よりも低いことで、非水二次電池の充電時に対向部から吸蔵された電荷担体を、非対向部に拡散しにくくできる。そのため、非水二次電池の充放電が繰り返されても、正極合材層の幅方向の端部における電荷担体の量を減少しにくくすることができる。したがって、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層からの金属成分の溶出を抑制できる。また、非対向部の厚さが対向部の厚さよりも大きいことで、負極合材層の製造工程として、負極合材層のうち対向部に相当する部分の押圧量を、非対向部に相当する部分の押圧量よりも大きくするような製造工程を適用できる。また、非対向部が正極合材層に近い構成であるから、非対向部における充放電の反応性を高めることができる。したがって、非対向部に拡散した電荷担体を充放電反応に好適に寄与させることができる。
上記非水二次電池において、前記対向部の密度は、前記非対向部の密度に対して、103%以上であることが好ましい。上記構成によれば、第1部分と第2部分との密度差に起因する容量差及び抵抗差によって、対向部から吸蔵された電荷担体を、より非対向部に拡散しにくくできる。これにより、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇を好適に抑制できる。
上記非水二次電池において、前記正極合材層は、前記正極板の幅方向において、一様な密度を有することが好ましい。上記構成によれば、例えば、幅方向において、正極合材層の端部における密度が、正極合材層の中央部における密度よりも低い場合では、正極合材層の端部における正極合材層と電解液との反応性が高まる。そのため、正極合材層の幅方向の端部から電荷担体が放出され易くなるため、正極合材層の幅方向の端部の電位が上昇し易い。この点、幅方向において、正極合材層の密度が一様であることで、正極合材層の幅方向の端部が中央部よりも密度が低い場合よりも、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇を抑制できる。
本発明によれば、正極合材層の幅方向の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層からの金属成分の溶出を抑制できる。
図1は、リチウムイオン二次電池のセル電池の斜視図である。 図2は、電極体の一部を展開した図である。 図3は、電極体を展開した状態の断面図である。 図4は、正極板の製造手順を示す工程図である。 図5は、負極板の製造手順を示す工程図である。 図6は、負極基材に負極合材層が形成された状態の断面図である。 図7は、負極基材に形成された負極合材層を押圧する状態の断面図である。 図8は、負極押圧工程後の負極合材層の状態を示す模式図である。 図9は、電極体の製造手順を示す工程図である。 図10は、実施例1、及び比較例1の正極合材層の各位置における電位を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図1~図9を参照して説明する。
[リチウムイオン二次電池]
図1に示すように、非水二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池10は、複数のリチウムイオン二次電池10と組み合わされた状態で、樹脂製または金属製のケースに封入されて電池パックを構成するセル電池である。電池パックは、ハイブリッド自動車や電気自動車に用いられる。
リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11と、蓋体12とを備える。電池ケース11は、上側に開口部を有した直方体形状を有する。蓋体12は、電池ケース11の開口部を封止する。電池ケース11及び蓋体12は、アルミニウム、もしくはアルミニウム合金等の金属で構成される。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11に蓋体12を取り付けることで密閉された電槽が構成される。
蓋体12には、2つの外部端子13A,13Bが設けられる。外部端子13A,13Bは、電力の充放電に用いられる。電池ケース11の内部には、電極体20が収容される。電極体20における正極側の端部である正極側集電部20Aは、正極側集電部材14Aを介して正極の外部端子13Aに電気的に接続される。電極体20における負極側の端部である負極側集電部20Bは、負極側集電部材14Bを介して負極の外部端子13Bに電気的に接続される。また、電池ケース11内には、図示しない注液孔から非水電解液が注入される。なお、外部端子13A,13Bの形状は、図1に示す形状に限定されず、任意の形状であってよい。
[電極体]
図2及び図3に示すように、電極体20は、長尺の正極板21と負極板24とがセパレータ27を介して積層した積層体を捲回した偏平な捲回体である。正極板21、負極板24、及びセパレータ27は、それぞれの長手となる方向が長手方向D1(図2参照)と一致するように積層される。捲回前の積層体は、正極板21、セパレータ27、負極板24、セパレータ27の順に、厚さ方向D3(図3参照)に積層される。
[正極板]
図3に示すように、正極板21は、正極基材22と、正極合材層23とを備える。正極基材22は、長尺状に形成された箔状の電極基材である。正極合材層23は、正極基材22の相対する2つの面の各々に設けられる。正極基材22は、幅方向D2の一端に、正極合材層23が形成されずに正極基材22が露出した正極側露出部22Aを備える。
正極基材22は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金から構成される金属箔が用いられる。正極基材22は、正極における集電体として機能する。正極基材22が備える正極側露出部22Aは、捲回体の状態において、向かい合う面が互いに圧接されて正極側集電部20Aを構成する。
正極合材層23は、液状体の正極合材ペーストの硬化体である。正極合材ペーストは、正極活物質、正極溶媒、正極導電材、及び正極結着材を含む。正極合材層23は、正極合材ペーストが乾燥されて正極溶媒が気化することで形成される。したがって、正極合材層23は、正極活物質、正極導電材、及び正極結着材を含む。
正極活物質は、リチウムイオン二次電池10における電荷担体であるリチウムイオンを吸蔵及び放出可能なリチウム含有複合金属酸化物が用いられる。リチウム含有複合酸化物は、リチウムと、リチウム以外の他の金属元素とを含む酸化物である。リチウム以外の他の金属元素は、例えば、ニッケル、コバルト、マンガン、バナジウム、マグネシウム、モリブデン、ニオブ、チタン、タングステン、アルミニウム、リチウム含有複合酸化物にリン酸鉄として含有される鉄からなる群から選択される少なくとも一種である。
例えば、リチウム含有複合酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)である。例えば、リチウム含有複合酸化物は、ニッケル、コバルト及びマンガンを含有する三元系リチウム含有複合酸化物であり、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiCoMnO)である。例えば、リチウム含有複合酸化物は、リン酸鉄リチウム(LiFePO)である。
正極溶媒は、有機溶媒の一例であるNMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶液が用いられる。正極導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバ等の炭素繊維、黒鉛が用いられる。正極結着材は、正極合材ペーストに含まれる樹脂成分の一例である。正極結着材は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等が用いられる。
なお、正極板21は、正極側露出部22Aと正極合材層23との境界に、絶縁層を備えてもよい。絶縁層は、絶縁性を有した無機成分と、結着材として機能する樹脂成分とを含む。無機成分は、粉末状のベーマイト、チタニア、及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1つである。樹脂成分は、PVDF、PVA、アクリルからなる群から選択される少なくとも1つである。
[負極板]
負極板24は、負極基材25と、負極合材層26とを備える。負極基材25は、長尺状に形成された箔状の電極基材である。負極合材層26は、負極基材25の相対する2つの面の各々に設けられる。負極基材25は、幅方向D2の一端であって、正極側露出部22Aと反対に位置する端部において、負極合材層26が形成されずに負極基材25が露出した負極側露出部25Aを備える。
負極基材25は、銅または銅を主成分とする合金から構成される金属箔が用いられる。負極基材25は、負極における集電体として機能する。負極側露出部25Aは、捲回体の状態において、向かい合う面が互いに圧接されて負極側集電部20Bを構成する。
負極合材層26は、液状体の負極合材ペーストの硬化体である。負極合材ペーストは、負極活物質、負極溶媒、負極分散材、及び負極結着材を含む。負極合材層26は、負極合材ペーストが乾燥されて負極溶媒が気化することで形成される。したがって、負極合材層26は、負極活物質、負極分散材、及び負極結着材を含む。なお、負極合材層26は、導電材のような添加剤をさらに含んでもよい。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な材料である。負極活物質は、例えば、黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、カーボンナノチューブ等の炭素材料等が用いられる。負極溶媒は、一例として、水である。負極分散材は、一例として、カルボキシメチルセルロース(CMC)を用いることができる。負極結着材は、正極結着材と同様のものを用いることができる。負極結着材は、一例としてSBRである。
負極合材層26は、第1部分26Aと、第2部分26Bとを備える。第1部分26Aは、幅方向D2において、負極合材層26の中央に位置する。第1部分26Aは、負極合材層26のうち、電極体20の状態でセパレータ27を介して正極合材層23と対向する対向部である。第1部分26Aの幅は、幅方向D2において、正極合材層23の幅とほぼ等しい。
第2部分26Bは、幅方向D2において、第1部分26Aの両端に1つずつ位置する。第2部分26Bは、負極合材層26のうち、電極体20の状態で正極合材層23よりも幅方向D2の外側に向けて延びる部分である。換言すると、第2部分26Bは、負極合材層26のうち、電極体20の状態でセパレータ27を介して正極合材層23と対向しない非対向部である。幅方向D2において、負極合材層26の幅は、第2部分26Bの分だけ正極合材層23の幅よりも大きい。
[セパレータ]
セパレータ27は、正極板21と負極板24との接触を防ぐとともに、正極板21及び負極板24の間で非水電解液を保持する。非水電解液に電極体20を浸漬させると、セパレータ27の端部から中央部に向けて非水電解液が浸透する。
セパレータ27は、ポリプロピレン製等の不織布である。セパレータ27としては、例えば、多孔性ポリエチレン膜、多孔性ポリオレフィン膜、多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、及びイオン導電性ポリマー電解質膜等を用いることができる。
[非水電解液]
非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等からなる群から選択された一種または二種以上の材料を用いることができる。また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
本実施形態では、非水溶媒としてエチレンカーボネートを採用している。非水電解液には、添加剤としてのリチウム塩としてのリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)が添加される。例えば、非水電解液におけるLiBOBの濃度が0.001以上0.1以下[mol/L]となるように、非水電解液にLiBOBを添加する。
[正極板の製造工程]
図4に示すように、正極板21の製造工程は、ステップS1-1~S1-3の工程を含む。ステップS1-1は、正極合材ペーストを正極基材22に対して塗工して乾燥させることで、正極基材22上に正極合材層23を形成する正極塗工工程である。正極合材層23は、正極基材22における幅方向D2の両端に正極側露出部22Aを1つずつ形成するように、正極基材22の相対する2つの面に1つずつ形成される。ステップS1-1において形成される正極合材層23は、幅方向D2において、一様な厚さを有する。
ステップS1-2は、正極基材22の両面に形成された正極合材層23を押圧することで、正極合材層23の厚さを調整する正極押圧工程である。正極押圧工程において、正極合材層23は、幅方向D2の全体が一様に押圧される。したがって、正極押圧工程を経た正極合材層23は、幅方向D2において、一様な厚さを有し、かつ一様な密度を有する。
例えば、幅方向D2において、正極合材層23の端部の密度が中央部の密度よりも低い場合では、正極合材層23の端部と電解液との反応性が高まる。したがって、幅方向D2における正極合材層23の端部からリチウムイオンが放出され易くなるため、リチウムイオン二次電池10の充放電反応が繰り返されると、正極合材層23の端部の電位が上昇し易い。この点、幅方向D2において、正極合材層23の密度が一様であることで、正極合材層23の幅方向D2の端部における密度が中央部における密度よりも低い場合よりも、正極合材層23の端部における電位の上昇を抑制できる。
ステップS1-3は、正極合材層23が塗工された正極基材22を、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割する正極切断工程である。以上のステップS1-1~S1-3の工程によって、一度に2つの正極板21が製造される。
[負極板の製造工程]
図5に示すように、負極板24の製造工程は、ステップS2-1~S2-3の工程を含む。ステップS2-1は、負極合材ペーストを負極基材25に対して塗工して乾燥させることで、負極基材25上に負極合材層26を形成する負極塗工工程である。
図6に示すように、ステップS2-1において、負極合材層26は、負極基材25における幅方向D2の両端に負極側露出部25Aを1つずつ形成するように、負極基材25の相対する2つの面に1つずつ形成される。ステップS2-1において形成される負極合材層26は、幅方向D2において、一様な厚さを有し、かつ一様な密度を有する。
ステップS2-1において、負極基材25は、図2に示す電極体20の状態を基準として、およそ2倍の幅を有したものが用いられる。また、ステップS2-1において、負極合材層26は、図2に示す電極体20の状態を基準として、およそ2倍の幅を有するように塗工される。したがって、ステップS2-1,S2-2において、図6中に一点鎖線で示す中心線CLを境に、2つの負極板24が形成される。
図7に示すように、ステップS2-2は、負極基材25の両面に形成された負極合材層26の一部である第1部分26Aを押圧することで、第1部分26Aの厚さを調整する負極押圧工程である。ステップS2-2において、負極基材25の両面に形成された負極合材層26は、4つの圧延ロール40によって、厚さ方向D3を押圧軸として挟み込まれるように押圧される。
電極体20の状態で対向部となる第1部分26Aは、ステップS2-2において圧延ロール40によって押圧される部分である。負極合材層26のうち電極体20の状態で非対向部となる第2部分26Bは、ステップS2-2において圧延ロール40によって押圧されない部分である。第1部分26Aは、1つの負極合材層26のなかで、図7中に一点鎖線で示す中心線CLを中心とした線対称となる位置に1つずつ設けられる。第2部分26Bは、1つの負極合材層26のなかで、2つの第1部分26Aを境界として、幅方向D2の両端部、及び中央部に1つずつ位置する。幅方向D2の中央部に位置する第2部分26Bは、2つの第1部分26Aの間において、中心線CLを跨ぐように位置する。
次に、図8を参照して、負極押圧工程を経た負極合材層26について詳述する。
図8に示すように、負極合材層26は、負極活物質31と、負極分散材32と、負極結着材33とを備える。なお、負極合材ペーストに含まれる負極溶媒は、ステップS2-1において、負極合材ペーストが乾燥された際に気化するため、負極合材層26には含まれない。
負極押圧工程において押圧されていない第2部分26Bは、負極溶媒が気化することで生じる空隙を含む。そのため、第2部分26Bに含まれる負極活物質31は、負極活物質31同士の接触面積が相対的に小さい状態である。これに対して、負極押圧工程を経た第1部分26Aは、負極溶媒が気化することで生じる空隙が、負極押圧工程によって埋められる。負極押圧工程を経た負極合材層26の第1部分26Aは、負極押圧工程において押圧されていない第2部分26Bよりも密度が高くなり、かつ、厚さが小さくなる。加えて、第1部分26Aに含まれる負極活物質31は、負極押圧工程によって負極結着材33を介して好適に結着した状態となる。そのため、第1部分26Aに含まれる負極活物質31は、負極活物質31同士の接触面積が相対的に大きい。したがって、第2部分26Bは、第1部分26Aと比較して、容量が相対的に低くなり、且つ抵抗が相対的に高くなる。
したがって、第1部分26Aから吸蔵されたリチウムイオンは、第1部分26Aと第2部分26Bとの密度差に起因する容量差及び抵抗差によって第1部分26Aから第2部分26Bに拡散しにくくなる。これにより、リチウムイオン二次電池10の充放電が繰り返されても、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位が上昇しにくくなる。結果として、正極合材層23に含まれる金属成分が溶出してリチウムとともに負極合材層26に析出することを抑制でき、ひいては、リチウムイオン二次電池10の電池寿命の低下を抑制できる。
負極押圧工程における第1部分26Aの押圧量は、第1部分26Aの密度が第2部分26Bの密度に対して103%以上になるように設定される。これにより、第1部分26Aの密度と第2部分26Bの密度との差を十分大きくできるため、第1部分26Aから吸蔵されたリチウムイオンを、より第2部分26Bに拡散しにくくできる。結果として、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇を好適に抑制できる。
負極押圧工程における第1部分26Aの押圧量は、第1部分26Aの密度が第2部分26Bの密度に対して106%以下になるように設定されることが好ましい。この場合、第1部分26Aが過剰に押圧されることによる電解液の浸透性の悪化、及びそれに伴う抵抗の上昇を抑制できる。
負極押圧工程を経る前の負極合材層26の密度は、一例として、1.05g/mmである。なお、第2部分26Bの密度は、負極押圧工程を経る前の負極合材層26の密度と等しい。負極押圧工程を経た状態での第1部分26Aの密度は、1.09g/mm以上1.12g/mm以下が好ましい。第1部分26Aの密度が1.09g/mm以上であることで、第1部分26Aと第2部分26Bとの密度の差を十分大きくすることができるため、第1部分26Aから第2部分26Bへのリチウムイオンの拡散を好適に抑制できる。第1部分26Aの密度が1.12g/mm以下であることで、第1部分26Aが過剰に押圧されることに伴う抵抗の上昇を抑制できる。
第2部分26Bの厚さが第1部分26Aの厚さよりも大きいことで、電極体20の状態で第2部分26Bが正極合材層23に向けて近づくように突き出る構成となる。これにより、第2部分26Bにおける充放電の反応性を高めることができるため、第2部分26Bに拡散したリチウムイオンを充放電反応に好適に寄与させることができる。
ステップS2-3は、負極合材層26が塗工された負極基材25を、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割する負極切断工程である。以上のステップS2-1~S2-3の工程によって、一度に2つの負極板24が製造される。
[電極体の製造工程]
図9に示すように、電極体20の製造工程は、ステップS3-1~S3-3の工程を含む。ステップS3-1は、正極板21と負極板24とを、セパレータ27を介して積層する積層工程である。積層工程において、負極板24が備える負極合材層26の第1部分26Aは、セパレータ27を介して正極板21が備える正極合材層23と対向するように配置される。セパレータ27を介して積層された正極板21と負極板24との積層体は、長手方向D1に沿って捲回される。
ステップS3-2は、正極板21、負極板24、及びセパレータ27が積層され、かつ捲回された捲回体を偏平に押圧する偏平押圧工程である。ステップS3-2の工程を経ることで、正極板21、負極板24、及びセパレータ27から構成される捲回体に電極体20としての外形形状が形成される。
ステップS3-3は、正極側露出部22Aが圧接されて正極側集電部20Aが形成されるとともに、負極側露出部25Aが圧接されて負極側集電部20Bが形成される端子圧接工程である。正極側集電部20Aは、正極側集電部材14Aを介して正極の外部端子13Aと電気的に接続される。負極側集電部20Bは、負極側集電部材14Bを介して負極の外部端子13Bと電気的に接続される。以上のステップS3-1~S3-3の工程によって、電極体20が製造される。
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)第2部分26Bの密度を第1部分26Aの密度よりも低くすることで、リチウムイオン二次電池10の充電時に第1部分26Aから吸蔵されたリチウムイオンを、第2部分26Bに拡散しにくくできる。そのため、リチウムイオン二次電池10の充放電が繰り返されても、正極合材層23の幅方向D2の端部におけるリチウムイオンの減少を抑制できる。したがって、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層23からの金属成分の溶出を抑制できる。
(2)第2部分26Bの厚さが第1部分26Aの厚さよりも大きいことで、第2部分26Bにおける充放電の反応性を高めることができる。これにより、第2部分26Bに拡散したリチウムイオンを充放電反応に好適に寄与させることができる。
(3)第1部分26Aの密度が第2部分26Bの密度に対して103%以上であることで、第1部分26Aから吸蔵されたリチウムイオンの第2部分26Bへの拡散を好適に抑制できる。結果として、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇を好適に抑制できる。
(4)幅方向D2において、正極合材層23の密度が一様であることで、正極合材層23の幅方向D2の端部における密度が中央部における密度よりも低い場合よりも、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇を抑制できる。
(5)負極押圧工程において、負極合材層26における幅方向D2の両端部、及び幅方向D2の中央部のそれぞれに第2部分26Bが位置するように第1部分26Aを押圧する。このような製造方法によれば、一度に2つの負極板24を製造する際にも、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇、及びそれに伴う正極合材層23からの金属成分の溶出を抑制可能な非水二次電池の製造方法を適用できる。
[実施例]
以下、電極体20の実施例1及び比較例1について説明する。なお、これらの実施例は上記の実施形態を限定するものではない。
[実施例1]
実施例1では、正極板21の製造工程として、ステップS1-1~S1-3の工程を適用して正極板21を作製した。すなわち、実施例1で用いた正極板21は、正極基材22と、幅方向D2に一様な厚さを有した正極合材層23とを備える。なお、正極合材層23は、正極基材22の両面に形成された。
実施例1では、負極板24の製造工程として、ステップS2-1~S2-3の工程を適用して負極板24を作製した。ステップS2-1において、負極基材25の両面に一様な厚さの負極合材層26を形成した。ステップS2-2において、負極合材層26のうち電極体20の状態で正極合材層23と対向することとなる第1部分26Aのみを押圧した。すなわち、ステップS2-2において、負極合材層26のうち電極体20の状態で正極合材層23と対向しない第2部分26Bは、押圧されなかった。第1部分26Aの密度は、第2部分26Bの密度に対して103%以上であった。ステップS2-3において、負極合材層26が塗工された負極基材25を、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割することで、負極板24を作製した。
実施例1では、電極体20の製造工程として、ステップS3-1~S3-3の工程を適用して電極体20を作製した。すなわち、負極合材層26の第1部分26Aがセパレータ27を介して正極板21が備える正極合材層23と対向するように、正極板21と負極板24とがセパレータ27を介して積層されて電極体20が作製された。
[比較例1]
比較例1では、負極押圧工程において、負極合材層26の全体を一様に押圧した点を除き、実施例1と同様に正極板21、負極板24を作製し、これらを用いて電極体20を作製した。したがって、比較例1の負極板24における負極合材層26は、第1部分26Aの密度と第2部分26Bの密度とが等しく、第1部分26Aの厚さと第2部分26Bの厚さとが等しい。
[評価]
実施例1、及び比較例1の電極体20について、正極合材層23の幅方向D2における各位置の電位を測定した。測定結果について、図10を参照して説明する。
図10に示すグラフ100は、縦軸が正極合材層23の電位Vを示し、横軸が正極合材層23の幅方向D2において、電位Vを測定した位置を示す。横軸の原点の位置E1は、幅方向D2における正極合材層23の一端である。横軸上の位置E2は、幅方向D2における正極合材層23の他端である。グラフ100に実線で示す曲線101は、実施例1における正極合材層23の幅方向D2における各位置の電位Vを表す。グラフ100に破線で示す曲線102は、比較例1における正極合材層23の幅方向D2における各位置の電位Vを示す。
図10に示すように、実施例1における正極合材層23では、幅方向D2の両端部が、幅方向D2の中央部と比較してわずかに電位Vが上昇していることが確認された。これに対して、比較例1における正極合材層23では、幅方向D2の両端部が、幅方向D2の中央部と比較して大幅に電位Vが上昇していることが確認された。また、実施例1と比較例1とを比較すると、幅方向D2の中央部では、電位Vに大きな差が確認されなかったのに対して、幅方向D2の両端部では、比較例1の方が実施例1よりも電位Vが大きくなっていることが確認された。したがって、第1部分26Aを押圧して第2部分26Bの密度を第1部分26Aの密度よりも低くすることで、正極合材層23の幅方向D2の端部における電位の上昇を抑制できることが確認された。
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・負極板24の製造工程として、一度に2つの負極板24を製造する場合を例示したが、これに限定されず、1つの負極板24を製造する工程であってもよい。この場合、負極基材25は、図2に示す電極体20の状態の幅を有したものが用いられる。また、ステップS2-1において、負極合材層26は、図2に示す電極体20の状態の幅を有するように塗工される。
・正極合材層23の幅方向D2の端部の電位が過剰に上昇しない構成であれば、幅方向D2において、正極合材層23の密度が部分的に異なっていてもよい。例えば、幅方向D2において、正極合材層23の端部の密度が正極合材層23の中央部の密度よりも高くなるように、正極合材層23の押圧量を変えてもよい。この場合であっても、上記(1)~(3),(5)に準じた効果を得ることができる。
・第1部分26Aから第2部分26Bへのリチウムイオンの拡散を抑制できるのであれば、第1部分26Aの密度が第2部分26Bの密度に対して103%未満であってもよい。この場合であっても、負極押圧工程において、第1部分26Aのみが押圧され、第2部分26Bは押圧されないことから、第1部分26Aの密度は、第2部分26Bの密度に対して、少なくとも100%超である。
・負極押圧工程において、第1部分26Aの密度が第2部分26Bの密度が高くなるのであれば、第1部分26Aだけでなく第2部分26Bを押圧してもよい。この場合でも、負極押圧工程において、第1部分26Aの押圧量が、少なくとも第2部分26Bの押圧量よりも大きくなるように、第1部分26A及び第2部分26Bのそれぞれを押圧すれば、上記(1)~(5)に準じた効果を得ることができる。なお、第2部分26Bを押圧しない場合であれば、第2部分26Bが押圧されない分、リチウムイオンの拡散を抑制するための第1部分26Aと第2部分26Bとの容量差及び抵抗差を得るために必要な第1部分26Aの押圧量を低減できる。したがって、第1部分26Aの押圧量の過剰な増加を抑えつつ、第1部分26Aの密度と第2部分26Bとの密度の差を大きくすることができる。
・電極体20は、セパレータ27を介して正極板21と負極板24とを積層した積層体を捲回した捲回体を例示したが、例えば、複数の正極板21及び複数の負極板24を、セパレータ27を介して交互に積層した積層体であってもよい。
・リチウムイオン二次電池10は、自動搬送機や荷役用の特殊自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車等の他、コンピュータ、その他の電子機器に搭載されるものであってもよく、これ以外のシステムを構成するものであってもよい。例えば、船舶、航空機等の移動体に設けられるものであってもよく、発電所から変電所等を介して二次電池が設置されたビルや家庭等に電力を供給する電力供給システムであってもよい。
D2…幅方向
10…リチウムイオン二次電池
20…電極体
21…正極板
22…正極基材
22A…正極側露出部
23…正極合材層
24…負極板
25…負極基材
26…負極合材層
26A…第1部分
26B…第2部分
27…セパレータ
31…負極活物質
32…負極分散材
33…負極結着材
40…圧延ロール

Claims (8)

  1. 正極基材上に正極合材層を形成する正極塗工工程と、
    負極基材上に一様な厚さの負極合材層を形成する負極塗工工程と、
    前記負極合材層を押圧する負極押圧工程と、
    前記負極合材層のなかに、セパレータを介して前記正極合材層と対向する対向部と、前記セパレータを介して前記正極合材層と対向しない非対向部と、を形成するように、前記正極基材、前記負極基材、及び前記セパレータを積層する積層工程と、を含み、
    前記負極押圧工程では、
    前記負極合材層のうち前記積層工程において前記対向部とされる第1部分の押圧量が、前記負極合材層のうち前記積層工程において前記非対向部とされる第2部分の押圧量よりも大きくなるように、前記負極合材層を押圧する
    ことを特徴とする非水二次電池の製造方法。
  2. 前記負極押圧工程において、前記第1部分を押圧し、前記第2部分を押圧しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
  3. 前記負極押圧工程において、前記第1部分の密度が、前記第2部分の密度に対して、103%以上になるように前記第1部分を押圧する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の非水二次電池の製造方法。
  4. 前記正極塗工工程において、前記正極基材上に一様な厚さの前記正極合材層を形成し、
    前記積層工程の前に、前記正極合材層の全体を一様に押圧する正極押圧工程をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか一項に記載の非水二次電池の製造方法。
  5. 前記負極押圧工程において、前記負極合材層における幅方向の両端部、及び前記幅方向の中央部のそれぞれに前記第2部分が位置するように前記第1部分を押圧し、
    前記負極押圧工程の後であって、前記積層工程の前に、前記負極基材及び前記負極合材層を、前記幅方向の中央で2分割する負極切断工程をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうち何れか一項に記載の非水二次電池の製造方法。
  6. 正極基材と正極合材層とを備える正極板と、
    負極基材と負極合材層とを備える負極板と、
    前記正極板と前記負極板との間に位置するセパレータと、を備える非水二次電池であって、
    前記負極合材層は、
    前記セパレータを介して前記正極合材層と対向する対向部と、
    前記セパレータを介して前記正極合材層と対向しない非対向部と、を備え、
    前記非対向部の密度は、前記対向部の密度よりも低く、
    前記非対向部の厚さは、前記対向部の厚さよりも大きい
    ことを特徴とする非水二次電池。
  7. 前記対向部の密度は、前記非対向部の密度に対して、103%以上である
    ことを特徴とする請求項6に記載の非水二次電池。
  8. 前記正極合材層は、前記正極板の幅方向において、一様な密度を有する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の非水二次電池。
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