JP2023088455A - 非水二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極シートにおいて、抵抗ムラを抑える。【解決手段】正極シート、負極シート、及び、リチウム塩を含む被膜形成材を含有する非水電解液を有する非水二次電池の製造方法であって、負極シート24は、負極集電体25と、負極合材層26と、負極シートの端部において負極集電体が露出した未塗工部25Aと、を備え、負極合材層26は、負極活物質と、SBRと、CMCとを含み、非水電解液は、LiBOBを含み、負極集電体25に塗布された負極合材ペースト26Xの塗布領域は、第1領域41,42と、第2領域43と、に定義され、負極合材ペースト26Xを乾燥させる乾燥工程では、負極合材ペースト26Xを、第1領域41,42の方が第2領域43よりもSBRのマイグレーション指数が大きくなるように乾燥させる。【選択図】図10

Description

本発明は、非水二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水二次電池は、いわゆるSEI膜(Solid ElectrolyteInterface)を負極合材の表面に備えている。SEI被膜は、負極合材と非水電解液との間に存在し、リチウムイオンの負極への吸蔵及び放出を円滑にするとともに、非水電解液のさらなる分解を抑制する機能を有し、電池特性を良好に維持するために必要不可欠なものである。SEI被膜は、非水電解液や添加物の分解物によって形成されるが、その生成過程で分解物がリチウムイオンを取り込む。このため、電池に充放電を繰り返し行ったり、電池を長期保存することで、SEI被膜が厚くなると、電池容量の低下を招くことがある。
この問題に対しては、非水電解液にリチウムを含む被膜形成材を予め添加することが既に提案されている。被膜形成材は、リチウム塩を有する化合物であり、例えばリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB、LiB(C)である。この方法によれば、初充電時にビスオキサレートボラートイオン(BOB,BOBイオン,B(C )を分解し重合させて、BOBイオン由来の安定的な被膜を負極活物質粒子の粒子表面に形成することができる。これにより、SEI被膜の成長を抑制できる(特許文献1参照)。
特開2013-225440号公報
ところで、リチウムイオン二次電池に用いる電極体を構成する部材が、ナトリウム塩を含んでいる場合がある。例えば、負極の材料は、負極合材、結着材、増粘材などで構成されているところ、結着材にSBR(スチレンブタジエン共重合体)、増粘材にCMC(カルボキシメチルセルロース)が用いられているものがある。SBRやCMCは、ナトリウム塩を含んでいる。このため、LiBOBから電離したBOBイオンは、ナトリウム塩から電離したナトリウムイオンとも反応してNaBOB被膜を形成する。そして、NaBOB被膜は、負極シート上で被膜の一部となる。
ところで、負極形成工程は、負極合材ペーストを負極集電体に対して塗工して乾燥させることで、負極集電体上に負極合材層を形成する。負極集電体上で負極合材ペーストを乾燥させる乾燥工程では、負極集電体の幅方向に均一に乾燥風を吹き付ける。このため、溶媒の揮発に伴い、結着材などが負極合材ペーストの内側から表層へ浮き上がってくる現象であるマイグレーションも均一になる。
非水電解液を電池ケースに注入すると、負極シートの端部から浸透していく。非水電解液に溶解したナトリウムイオンは、イオン拡散速度がBOBイオンよりも速い。このため、NaBOB被膜は、負極シートの中央部により多く形成され易い。被膜量が過度に大きくなった負極シートの中央部は、周囲に比べて抵抗が高くなり、負極シートに抵抗ムラが形成されてしまう。このような負極シートは、充放電を繰り返し行ううちに、抵抗の高い部分に、金属リチウムが析出されてしまい、電池性能が悪化してしまう。
上記課題を解決するための非水二次電池の製造方法は、正極シート、負極シート、及び、リチウム塩を含む被膜形成材を含有する非水電解液を有する非水二次電池の製造方法であって、前記負極シートは、負極集電体と、負極合材層と、前記負極シートの端部において前記負極集電体が露出した未塗工部と、を備え、前記負極合材層は、少なくとも、負極活物質と、ナトリウム塩を含む添加材と、を含み、前記非水電解液は、前記被膜形成材としてリチウム塩を含み、前記負極集電体に塗布された負極合材ペーストの塗布領域は、前記未塗工部に隣接した第1領域と、前記第1領域の中央側に隣接した第2領域と、に定義され、前記負極合材ペーストを乾燥させる乾燥工程では、前記負極合材ペーストを、前記第1領域の方が前記第2領域よりも前記添加材のマイグレーション指数が大きくなるように乾燥させる。
上記構成によれば、未塗工部に隣接した第1領域の方が第2領域よりも結着材のマイグレーション指数が大きくなり、第1領域は、結着材が第2領域よりも表層部に多く分布することになる。その結果、第1領域は、第2領域よりも電解液の浸透性が低くなる。したがって、非水電解液が負極シートに浸透する際、第2領域に対して第1領域の方が非水電解液が浸透しにくくなる。
リチウム塩から電離した陰イオンは、負極合材層に含まれるナトリウム塩から電離したナトリウムイオン(Na)とも反応する。これにより、負極シートでは、陰イオンとナトリウムイオンとが反応したナトリウム塩含有被膜が形成される。このとき、ナトリウムイオンは、イオン拡散速度が陰イオンよりも速いため、負極シートの中央部に集まり易く、その中央部において、ナトリウムイオンと陰イオンとが活発に反応し、ナトリウム塩含有被膜が集中的に形成される。そうすると、負極シートにおいて、被膜ムラが生じることで、抵抗ムラが発生してしまう。
この点、本発明は、第2領域に対して第1領域の方が非水電解液が浸透しにくく、その結果、ナトリウムイオンは、負極シートの幅方向に拡散することで、中央部において集中的にナトリウム塩含有被膜が形成されることを抑えることができる。これにより、負極シートにおいて、被膜ムラが抑えられることで、抵抗ムラを抑えることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記負極シートは、相対する両端部に前記未塗工部を備え、前記未塗工部の間に前記負極合材層を備え、前記第1領域は、前記両端部の前記未塗工部に隣接するように定義され、前記第1領域の間に前記第2領域が定義されるように構成してもよい。
上記構成によれば、第2領域が位置する幅方向中央において切断することで、一度に2つの負極シートを製造することができる。この場合、各負極シートにおいて、二分割された第2領域に対して第1領域の方が非水電解液が浸透しにくくなる。その結果、ナトリウムイオンは、各負極シートの幅方向に拡散することで、中央部において集中的にナトリウム塩含有被膜が形成されることを抑えることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記負極シートは、相対する両端部に未塗工部を備え、前記未塗工部の間に前記負極合材層を備え、前記第1領域は、前記両端部の前記未塗工部に隣接するように定義され、さらに、前記両端部の前記未塗工部の間の幅方向中央に、前記負極合材層を区画する第3領域が定義され、前記第1領域と前記第3領域との間に前記第2領域が定義され、前記乾燥工程では、前記負極合材ペーストを、前記第1領域及び前記第3領域の方が前記第2領域よりも前記添加材のマイグレーション指数が大きくなるように乾燥させるように構成してもよい。
上記構成によれば、負極シートが第3領域が定義されている幅方向中央において切断することで、一度に2つの負極シートを製造することができる。この場合、各負極シートの2つの端部は、第1領域と二分割された第3領域との間に第2領域が位置する。そして、各負極シートにおいて、第2領域に対して第1領域及び第3領域の方が非水電解液が浸透しにくくなる。その結果、ナトリウムイオンは、各負極シートの幅方向に拡散することで、中央部において集中的にナトリウム塩含有被膜が形成されることを抑えることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記被膜形成材は、LiBOB(リチウムビスオキサレートボレート)としてもよい。上記構成によれば、LiBOBが、電池寿命を延ばすことができる比較的安定性が高い被膜を負極シートに形成することができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記添加材は、SBR(スチレンブタジエン共重合体)としてもよい。上記構成によれば、SBRを結着材として使用することができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記添加材は、CMC(カルボキシメチルセルロース)としてもよい。上記構成によれば、CMCを増粘材として使用することができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記乾燥工程では、乾燥風量を、前記第1領域の方が前記第2領域よりも多くするようにしてもよい。上記構成によれば、第1領域の乾燥風量を、第2領域の乾燥風量よりも多くする。これにより、第1領域における添加材のマイグレーション指数を第2領域のマイグレーション指数より大きくすることができる。
上記非水二次電池の製造方法において、前記乾燥工程では、乾燥風量を、前記第1領域及び前記第3領域の方が前記第2領域よりも多くするようにしてもよい。上記構成によれば、第1領域及び第3領域の乾燥風量を、第2領域の乾燥風量よりも多くする。これにより、第1領域及び第3領域のマイグレーション指数を第2領域のマイグレーション指数よりも大きくすることができる。
本発明によれば、負極シートにおいて、抵抗ムラを抑えることができる。
図1は、リチウムイオン二次電池のセル電池の斜視図である。 図2は、電極体の一部を展開した図である。 図3は、電極体を展開した状態の断面図である。 図4は、負極板の製造手順を示す工程図である。 図5は、負極基材に負極合材層が形成された状態の断面図である。 (a)は、本実施形態の前提となる負極シートの負極合材ペーストを乾燥させる乾燥装置の吹出口を示す図であり、(b)は、負極シートを示す図であり、(c)は、二分割された負極シートを示す図であり、(d)は、幅方向におけるBOBイオン量とナトリウムイオン量との関係を示す図である。 図7は、マイグレーション指数を説明する図であり、負極集電体上に塗工された負極合材層の側面図である。 (a)は、浸透性の低い状態を示し、(b)は、浸透性の高い状態を示す図である。 図9は、負極シートにおけるBOBイオンとナトリウムイオンの測定領域を示す図である。 (a)は、本実施形態の負極シートの負極合材ペーストを乾燥させる乾燥装置の吹出口を示す図であり、(b)は、負極シートを示す図であり、(c)は、二分割された負極シートを示す図であり、(d)は、幅方向におけるBOBイオン量とナトリウムイオン量との関係を示す図である。 (a)は、本実施形態の他の例となる負極シートの負極合材ペーストを乾燥させる乾燥装置の吹出口を示す図であり、(b)は、負極シートを示す図であり、(c)は、二分割された負極シートを示す図であり、(d)は、幅方向におけるBOBイオン量とナトリウムイオン量との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図1~図11を参照して説明する。
[リチウムイオン二次電池]
図1に示すように、非水二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池10は、複数のリチウムイオン二次電池10と組み合わされた状態で、樹脂製又は金属製のケースに封入されて電池パックを構成するセル電池である。電池パックは、ハイブリッド自動車や電気自動車に用いられる。
リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11と、蓋体12と、を備える。電池ケース11は、上側に開口部を有した直方体形状を有する。蓋体12は、電池ケース11の開口部を封止する。電池ケース11及び蓋体12は、アルミニウム、若しくはアルミニウム合金等の金属で構成される。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11に蓋体12を取り付けることで密閉された電槽が構成される。
蓋体12には、2つの外部端子13A,13Bが設けられる。外部端子13A,13Bは、電力の充放電に用いられる。電池ケース11の内部には、電極体20が収容される。電極体20における正極側の端部である正極側集電部20Aは、正極側集電部材14Aを介して正極の外部端子13Aに電気的に接続される。電極体20における負極側の端部である負極側集電部20Bは、負極側集電部材14Bを介して負極の外部端子13Bに電気的に接続される。また、電池ケース11内には、図示しない注液孔から非水電解液が注入される。なお、外部端子13A,13Bの形状は、図1に示す形状に限定されず、任意の形状であってよい。
[電極体]
図2及び図3に示すように、電極体20は、長尺の正極シート21と負極シート24とがセパレータ27を介して積層した積層体を捲回した偏平な捲回体である。正極シート21、負極シート24、及びセパレータ27は、それぞれの長手となる方向が長手方向D1(図2参照)と一致するように積層される。捲回前の積層体は、正極シート21、セパレータ27、負極シート24、セパレータ27の順に、厚さ方向D3(図3参照)に積層される。
[正極シート]
図3に示すように、正極シート21は、正極集電体22と、正極合材層23と、を備える。正極集電体22は、長尺状に形成された箔状の電極基材である。正極合材層23は、正極集電体22の相対する2つの面の各々に設けられる。正極集電体22は、幅方向D2の一端に、正極合材層23が形成されずに正極集電体22が露出した正極側未塗工部22Aを備える。
正極集電体22は、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金から構成される金属箔が用いられる。正極集電体22は、正極における集電体として機能する。正極集電体22が備える正極側未塗工部22Aは、捲回体の状態において、向かい合う面が互いに圧接されて正極側集電部20Aを構成する。
正極合材層23は、液状体の正極合材ペーストの硬化体である。正極合材ペーストは、正極活物質、正極溶媒、正極導電材、及び、正極結着材を含む。正極合材層23は、正極合材ペーストが乾燥されて正極溶媒が気化することで形成される。したがって、正極合材層23は、正極活物質、正極導電材、及び、正極結着材を含む。
正極活物質は、リチウムイオン二次電池10における電荷担体であるリチウムイオンを吸蔵及び放出可能なリチウム含有複合金属酸化物が用いられる。リチウム含有複合酸化物は、リチウムと、リチウム以外の他の金属元素とを含む酸化物である。リチウム以外の他の金属元素は、例えば、ニッケル、コバルト、マンガン、バナジウム、マグネシウム、モリブデン、ニオブ、チタン、タングステン、アルミニウム、リチウム含有複合酸化物にリン酸鉄として含有される鉄からなる群から選択される少なくとも一種である。
例えば、リチウム含有複合酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)である。例えば、リチウム含有複合酸化物は、ニッケル、コバルト及びマンガンを含有する三元系リチウム含有複合酸化物であり、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiCoMnO)である。例えば、リチウム含有複合酸化物は、リン酸鉄リチウム(LiFePO)である。
正極溶媒は、有機溶媒の一例であるNMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶液が用いられる。正極導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバ等の炭素繊維、黒鉛が用いられる。正極結着材は、正極合材ペーストに含まれる樹脂成分の一例である。正極結着材は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等が用いられる。
なお、正極シート21は、正極側未塗工部22Aと正極合材層23との境界に、絶縁層を備えてもよい。絶縁層は、絶縁性を有した無機成分と、結着材として機能する樹脂成分とを含む。無機成分は、粉末状のベーマイト、チタニア、及びアルミナからなる群から選択される少なくとも1つである。樹脂成分は、PVDF、PVA、アクリルからなる群から選択される少なくとも1つである。
[負極シート]
負極シート24は、負極集電体25と、負極合材層26と、を備える。負極集電体25は、長尺状に形成された箔状の電極基材である。負極合材層26は、負極集電体25の相対する2つの面の各々に設けられる。負極集電体25は、幅方向D2の一端であって、正極側未塗工部22Aと反対に位置する端部において、負極合材層26が形成されずに負極集電体25が露出した負極側未塗工部25Aを備える。
負極集電体25は、銅又は銅を主成分とする合金から構成される金属箔が用いられる。負極集電体25は、負極における集電体として機能する。負極側未塗工部25Aは、捲回体の状態において、向かい合う面が互いに圧接されて負極側集電部20Bを構成する。
負極合材層26は、液状体の負極合材ペーストの硬化体である。負極合材ペーストは、負極活物質、負極溶媒、負極増粘材、及び、負極結着材を含む。負極合材層26は、負極合材ペーストが乾燥されて負極溶媒が気化することで形成される。したがって、負極合材層26は、負極活物質、さらに、添加材として、負極増粘材及び負極結着材を含む。なお、負極合材層26は、導電材のような添加材をさらに含んでもよい。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な材料である。負極活物質は、例えば、黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、カーボンナノチューブ等の炭素材料等が用いられる。負極溶媒は、一例として、水である。負極増粘材は、一例として、ナトリウム塩を含む増粘材として、CMC(カルボキシメチルセルロース)を用いることができる。負極結着材は、正極結着材と同様のものを用いることができる。負極結着材は、一例としてナトリウム塩を含む結着材として、SBR(スチレンブタジエン共重合体)を用いることができる。
負極合材層26は、対向部26Aと、非対向部26Bと、を備える。対向部26Aは、幅方向D2において、負極合材層26の中央に位置する。対向部26Aは、負極合材層26のうち、電極体20の状態でセパレータ27を介して正極合材層23と対向する部分である。対向部26Aの幅は、幅方向D2において、正極合材層23の幅とほぼ等しい。
非対向部26Bは、幅方向D2において、対向部26Aの両端に1つずつ位置する。非対向部26Bは、負極合材層26のうち、電極体20の状態で正極合材層23よりも幅方向D2の外側に向けて延びる部分である。換言すると、非対向部26Bは、負極合材層26のうち、電極体20の状態でセパレータ27を介して正極合材層23と対向しない部分である。幅方向D2において、負極合材層26の幅は、非対向部26Bの分だけ正極合材層23の幅よりも大きい。
[セパレータ]
セパレータ27は、正極シート21と負極シート24との接触を防ぐとともに、正極シート21及び負極シート24の間で非水電解液を保持する。非水電解液に電極体20を浸漬させると、セパレータ27の端部から中央部に向けて非水電解液が浸透する。
セパレータ27は、ポリプロピレン製等の不織布である。セパレータ27としては、例えば、多孔性ポリエチレン膜、多孔性ポリオレフィン膜、多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、及び、イオン導電性ポリマー電解質膜等を用いることができる。
[非水電解液]
非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等からなる群から選択された一種又は二種以上の材料を用いることができる。また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種又は二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
本実施形態では、非水溶媒としてエチレンカーボネートを採用している。非水電解液には、添加材としてのリチウム塩としてのLiBOB(リチウムビスオキサレートボレート)が添加される。例えば、非水電解液におけるLiBOBの濃度が0.001以上0.1以下[mol/L]となるように、非水電解液にLiBOBを添加する。
[正極シートの製造工程]
正極シート21の製造工程において、先ず、正極合材ペーストが正極集電体22に対して塗工され、次いで、乾燥される。次いで、正極合材層23は、正極集電体22における幅方向D2の両端に正極側未塗工部22Aを1つずつ形成するように、正極集電体22の相対する2つの面に1つずつ形成される。次いで、正極集電体22の両面に形成された正極合材層23が押圧されることで、正極合材層23の厚さが調整される。次いで、正極合材層23が塗工された正極集電体22は、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割する。これにより、一度に2つの正極シート21が製造される。
[負極シートの製造工程]
図4に示すように、負極シート24の製造工程は、ステップS1~S4の工程を含む。ステップS1は、負極合材ペースト26Xを負極集電体25に対して塗工する(図5参照)。ステップS2において、乾燥装置で負極合材ペースト26Xを乾燥させることで、負極集電体25上に負極合材層26を形成する。
ステップS3において、負極合材層26は、負極集電体25における幅方向D2の両端に負極側未塗工部25Aを1つずつ形成するように、負極集電体25の相対する2つの面に1つずつ形成される。ステップS1において、負極集電体25は、図2に示す電極体20の状態を基準として、およそ2倍の幅を有したものが用いられる。また、ステップS1において、負極合材層26は、図2に示す電極体20の状態を基準として、およそ2倍の幅を有するように塗工される。したがって、ステップS1において、図5中に一点鎖線で示す中心線CLを境に、二分割され、2つの負極シート24Xが形成される。
ステップS3は、負極集電体25の両面に形成された負極合材層26を押圧することで、負極合材層26の厚さを調整する。ステップS4は、負極合材層26が塗工された負極シート24を、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割する。以上のステップS1~S4の工程によって、一度に2つの負極シート24Xが製造される。
[電極体の製造工程]
電極体20の製造工程は、先ず、正極シート21と負極シート24とを、セパレータ27を介して積層する。積層工程において、負極シート24が備える負極合材層26の対向部26Aは、セパレータ27を介して正極シート21が備える正極合材層23と対向するように配置される。セパレータ27を介して積層された正極シート21と負極シート24との積層体は、長手方向D1に沿って捲回される。
次いで、正極シート21、負極シート24、及びセパレータ27が積層され、かつ捲回された捲回体を偏平に押圧する。この工程を経ることで、正極シート21、負極シート24、及びセパレータ27から構成される捲回体に電極体20としての外形形状が形成される。
そして、正極側未塗工部22Aが圧接されて正極側集電部20Aが形成されるとともに、負極側未塗工部25Aが圧接されて負極側集電部20Bが形成される。正極側集電部20Aは、正極側集電部材14Aを介して正極の外部端子13Aと電気的に接続される。負極側集電部20Bは、負極側集電部材14Bを介して負極の外部端子13Bと電気的に接続される。以上のような工程によって、電極体20が製造される。
[負極シートの表層部]
図6~図11を参照して、負極シート24の表層部の状態について説明する。
図6(a)及び(b)は、従来の乾燥装置30において、負極合材層26を加熱して乾燥する際の乾燥風の吹出口31と負極シート24との関係を示す。図6(c)は、二分割された負極シート24Xを示し、図6(d)は、ステップS4で二分割された負極シート24Xの幅方向D2におけるBOBイオン量とナトリウムイオン量を示す。
図6(a)に示すように、これまでの乾燥装置30における乾燥風の吹出口31は、矩形形状を有しており、長辺方向の寸法L1は、負極合材層26の幅方向D2とほぼ同じである。また、短辺方向の幅W1は、長辺方向の端から端まで一定寸法である。すなわち、吹出口31は、負極合材ペースト26Xの幅方向D2に対して一様に乾燥風を吹き付ける。したがって、負極合材ペースト26Xは、幅方向D2において、一様に乾燥する。したがって、負極合材層26は、溶媒の揮発に伴い、負極結着材などのマイグレーション指数も均一となる。
ここで、マイグレーションは、負極合材層26の厚さ方向D3において、SBRといった負極結着材が負極合材ペースト26Xの内側から表層部へと浮き上がってくる現象である。そして、負極合材層26の厚さ方向D3における負極結着材の厚さ方向D3の偏りは、マイグレーション指数によって表すことができる。
図7に示すように、マイグレーション指数は、負極合材層26を厚さ方向D3に2分割したときに、(上部26Uの結着材の量)/(下部26Dの結着材の量)で表される。したがって、マイグレーション指数は、大きいほど、負極結着材が負極合材層26の表層に分布することになる。
負極結着材は、電解液の浸透性が低いことから、マイグレーション指数が大きいほど表層部における浸透性が低くなる。図8(a)に示すように、浸透性が低いほど接触角は大きくなり、非水電解液は、負極合材層26に対して浸透しにくくなる。また、図8(b)に示すように、浸透性が高いほど接触角は小さくなり、非水電解液は、負極合材層26に対して浸透し易くなる。
図6(b)に示すように、負極シート24は、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割され負極シート24Xとなる。図6(c)に示す二分割された負極シート24Xも、負極側未塗工部25A側の端E1から反対側の切断端E2(中心線CLの位置)まで、マイグレーション指数がほぼ均一となる。
非水電解液を電池ケース11に注入すると、非水電解液は、負極合材層26の負極側未塗工部25A側の端E1及び切断端E2から中央部に向って浸透していく。図6(c)中、矢印は、非水電解液の浸透方向を示す。
ここで、図9に示すように、負極合材層26において、第1測定領域36、第2測定領域37、及び、第3測定領域38がナトリウムイオン量及びBOBイオン量の測定領域である。第1測定領域36は、負極側未塗工部25A側の端E1に隣接する領域である。第2測定領域37は、切断端E2に隣接する領域である。第3測定領域38は、第1測定領域36と第2測定領域37との間の領域である。そして、図6(d)は、第1測定領域36、第2測定領域37、及び、第3測定領域38の各々における、ナトリウムイオン量及びBOBイオン量の計測結果を模式的に示した図である。なお、第1測定領域36及び第2測定領域37は、後述の第1領域41,42に対応する領域であり、第3測定領域38は、第2領域43に対応する領域である。
図6(d)に示すように、非水電解液に溶解したナトリウムイオン(Na)は、イオン拡散速度が陰イオンであるBOBイオン(BOB)よりも速い。このため、ナトリウムイオン由来のナトリウム塩含有被膜であるNaBOB被膜は、負極合材層26の幅方向D2における中央部に多く形成され易い。NaBOB被膜量が過度に大きくなった負極シート24Xの幅方向D2の中央部は、周囲に比べて抵抗が高くなり、負極シート24Xに抵抗ムラが形成されてしまう。このような負極シート24Xは、充放電を繰り返し行ううちに、抵抗の高い部分に、金属リチウムが析出されてしまい、電池性能が悪化してしまう。
これに対して、図10(a)及び(b)は、本実施形態における負極シート24に使用する乾燥装置32であって、負極合材層26を乾燥する際の乾燥風の吹出口33と負極シート24との関係を示す。図10(c)は、二分割された負極シート24Xを示し、図10(d)は、ステップS4で二分割された幅方向D2における負極シート24XのBOBイオン量とナトリウムイオン量を示す。
図10(a)に示すように、本実施形態における負極シート24に使用する乾燥装置32における乾燥風の吹出口33は、長辺方向の寸法L1が負極合材層26の幅方向D2とほぼ同じである。吹出口33は、矩形形状を基本形状とした狭幅部33Aと、狭幅部33Aの両側の拡幅部33Bと、を備えている。狭幅部33Aは、一定の幅W2であり、拡幅部33Bは、最も幅広の部分が幅W2より大きい幅W3である。そして、拡幅部33Bは、中央に向って幅W2となるまで漸次幅が狭くなる。
このような吹出口33は、乾燥風量が狭幅部33Aよりも拡幅部33Bの方が多くなる。その結果、負極合材ペースト26Xの乾燥も、幅方向D2における両端E1,E2の第1領域41,42の方が第2領域43よりも早く進む。これにより、図10(b)に示すように、負極合材層26のマイグレーション指数も、幅方向D2における負極合材層26の両端の周辺部である第1領域41,42の方が中央部である第2領域43よりも高くなり、浸透性も低くなる。すなわち、負極合材層26に対する非水電解液の接触角は、第1領域41,42の方が第2領域43よりも大きくなる。
なお、乾燥風が当たる第1領域41,42の幅は、例えば幅方向D2における負極合材層26の両端から中心線CLに向って20mm程度の対向部26Aよりも広範であることが好ましく、より好ましくは30mm以上、より好ましくは30mm以上45mm以下が好ましい。
図10(c)に示すように、負極シート24は、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割され負極シート24Xとなる。二分割の負極シート24Xも、幅方向D2における両端E1側の第1領域41,42の方が切断端E2側の第2領域43Aよりもマイグレーション指数が高く、その結果、第1領域41,42の方が切断端E2側の第2領域43Aよりも浸透性が低くなる。なお、第1領域41,42は、非対向部26B(図3参照)よりも広い範囲である。
非水電解液を電池ケース11に注入すると、非水電解液は、負極シート24Xにおける負極合材層26の各端E1,E2から浸透していく。すなわち、非水電解液は負極合材層26の負極側未塗工部25A側の端E1及び切断端E2から中央部に向って浸透していく。図10(c)中、矢印は、非水電解液の浸透方向を示す。この際、第1領域41,42の方が二分割された第2領域43Aよりも非水電解液が浸透しにくくなる。その結果、図10(d)に示すように、ナトリウムイオンは、負極シート24のD1方向に拡散することで、NaBOB被膜が第1領域41,42から第2領域43Aにかけて広い範囲に形成される。これにより、負極合材層26の幅方向D2における中央部において集中的に、NaBOB被膜が形成されることを抑えることができる。その結果、負極シート24において、被膜ムラが抑えられることで、抵抗ムラを抑えることができる。
また、図11(a)及び(b)は、本実施形態における負極シート24に使用する乾燥装置34の他の例において、負極合材層26を乾燥する際の乾燥風の吹出口35と負極シート24との関係を示す。図11(c)は、二分割された負極シート24Xを示し、図11(d)は、ステップS4で二分割された幅方向D2における負極シート24XのBOBイオン量とナトリウムイオン量を示す。
図11(a)に示すように、本実施形態における負極シート24に使用する乾燥装置34における乾燥風の吹出口35は、長辺方向の寸法L1が負極合材層26の幅方向D2とほぼ同じである。吹出口35は、矩形形状を基本形状とした一定幅の狭幅部35A,35Bと、狭幅部35A,35Bの両側の拡幅部35C,35D,35Eと、を備えている。狭幅部35Aは、その両側に拡幅部35C,35Dが位置し、狭幅部35Bは、その両側に拡幅部35D,35Eが位置する。狭幅部35A,35Bは、幅W2であり、拡幅部35C,35D,35Eの幅は、最も幅広の部分が幅W2より大きい幅W3である。そして、拡幅部35C,35Eは、中央に向って幅W2となるまで漸次幅が狭くなる。拡幅部35Dは、中央から両端に向って幅W2となるまで漸次幅が狭くなる。
このような吹出口35は、乾燥風の風量が狭幅部35A,35Bよりも拡幅部35C,35D,35Eの方が多くなる。その結果、負極合材層26の乾燥も、幅方向D2における負極合材層26の両端の周辺部である第1領域45,46及び中心線CLの周辺部である第3領域47の方が第2領域48,49よりも早く進む。第2領域48,49は、第1領域45,46と第3領域47との間の領域である。これにより、図11(b)に示すように、負極合材層26のマイグレーション指数も、第1領域45,46及び第3領域47の方が第2領域48,49よりも高くなり、浸透性が低くなる。すなわち、負極合材層26に対する非水電解液の接触角は、幅方向D2における第1領域45,46及び第3領域47の方が第2領域48,49よりも大きくなる。
図11(c)に示すように、負極シート24は、幅方向D2の中央で切断して長手方向D1に沿って2分割され負極シート24Xとなる。この際、中心線CLの周辺部である第3領域47は、二分割される。二分割された負極シート24Xも、第1領域45,46及び第3領域47Aの方が第2領域48,49よりもマイグレーションが高くなり、その結果、第1領域45,46及び第3領域47Aの方が第2領域48,49よりも浸透性が低くなる。なお、第1領域45,46及び第3領域47Aは、非対向部26B(図3参照)よりも広い範囲である。
非水電解液を電池ケース11に注入すると、非水電解液は、負極合材層26の各端E1,E2から浸透していく。すなわち、非水電解液は負極合材層26の負極側未塗工部25A側の端E1及び切断端E2から中央部に向って浸透していく。図11(c)中、矢印は、非水電解液の浸透方向を示す。この際、第1領域45,46及び第3領域47Aの方が第2領域48,49よりも非水電解液が浸透しにくくなる。その結果、図11(d)に示すように、ナトリウムイオンは、負極シート24のD1方向に拡散することで、NaBOB被膜が負極合材層26に全体的に形成される。これにより、負極合材層26の幅方向D2における中央部において集中的に、NaBOB被膜が形成されることを抑えることができる。その結果、負極シート24において、被膜ムラが抑えられることで、抵抗ムラを抑えることができる。
[実施形態の効果]
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)負極側未塗工部25Aに隣接した第1領域41,42の方が第2領域43Aよりも負極結着材のマイグレーション指数が大きくなる(図10(c)参照)。第1領域41,42は、負極結着材が第2領域43Aよりも表層部に多く分布することになる。その結果、第1領域41,42は、第2領域43Aよりも浸透性が低くなる。したがって、非水電解液が負極シート24に浸透する際、第2領域43Aに対して第1領域41,42の方が非水電解液が浸透しにくくなる。
また、負極側未塗工部25Aに隣接した第1領域45,46及び第3領域47Aの方が第2領域48,49よりも負極結着材のマイグレーション指数が大きくなる(図11(c)参照)。第1領域45,46及び第3領域47Aは、負極結着材が第2領域48,49よりも表層部に多く分布することになる。その結果、第1領域45,46及び第3領域47Aは、第2領域48,49よりも浸透性が低くなる。したがって、非水電解液が負極シート24に浸透する際、第2領域48,49に対して第1領域45,46及び第3領域47Aの方が非水電解液が浸透しにくくなる。
図10及び図11の何れの場合であっても、ナトリウムイオンは、負極シート24Xの幅方向D2に拡散することで、中央部において集中的にNaBOB被膜が形成されることを抑えることができる。これにより、負極シート24Xにおいて、被膜ムラが抑えられることで、抵抗ムラを抑えることができる。
(2)図10(a)~(d)及び図11(a)~(d)において、第2領域43に位置する幅方向中央において切断することで、一度に2つの負極シート24Xを製造することができる。
(3)LiBOBが、電池寿命を延ばすことができる比較的安定性が高い被膜を負極シート24に形成することができる。
(4)負極合材層26にSBRを負極結着材として使用することができる。
(5)負極合材層26にCMCを負極増粘材として使用することができる。
(6)図10(a)~(d)において、第1領域41,42の乾燥風量を、第2領域43の乾燥風量よりも多くする。これにより、第1領域41,42の方が第2領域43よりも結着材のマイグレーション指数を大きくすることができる。
(7)第1領域41,42は、非対向部26Bよりも広い領域である。したがって、吹出口33,35と負極合材ペースト26Xとの距離、風向、風量、温度等の乾燥風の制御も、非対向部26Bだけといったように乾燥風を局所的に負極合材層26に当てる場合よりも容易である。
(9)図11(a)~(d)において、第1領域45,46及び第3領域47の乾燥風量を、第2領域48,49の乾燥風量よりも多くする。これにより、第1領域45,46及び第3領域47の方が第2領域48,49よりも結着材のマイグレーション指数を大きくすることができる。
(10)第1領域45,46及び第3領域47は、非対向部26Bよりも広い領域である。したがって、乾燥風の制御も、非対向部26Bだけといったように乾燥風を局所的に負極合材層26に当てる場合よりも容易である。
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
・乾燥風の吹出口33,35の形状は、図10(a)及び図11(a)の形状に限定されるものではない。例えば、拡幅部33B,35C,35D,35Eは、狭幅部33A,35A,35Bより幅広の矩形形状であってもよい。また、拡幅部33B,35C,35D,35Eは、狭幅部33A,35A,35Bに向って曲線的に狭まる形状であってもよい。
・第1領域45,46及び第3領域47の方が第2領域48,49よりも結着材のマイグレーション指数を大きくする方法としては、乾燥風の温度を同じにして風量を変えてもよいし、風量を同じで温度を変えるようにしても良いし、温度と風量を複合的に調整して行うようにしてもよい。
・負極合材に添加される負極増粘材としては、ナトリウム塩を含むものであればCMCに限定されるものではない。
・非水電解液に添加される被膜形成材としてのLiBOBは、リチウム塩を含むものであれば特に限定されるものではない。
・負極合材に添加される負極結着材としては、電解液の浸透性が低く、かつ、ナトリウム塩を含むものであればSBRに限定されるものではない。
・正極シート21や負極シート24の製造工程において、中心線CLで二分割する工程を省略してもよい。
・電極体20は、セパレータ27を介して正極シート21と負極シート24とを積層した積層体を捲回した捲回体を例示したが、例えば、複数の正極シート21及び複数の負極シート24を、セパレータ27を介して交互に積層した積層体であってもよい。
・リチウムイオン二次電池10は、自動搬送機や荷役用の特殊自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車等の他、コンピュータ、その他の電子機器に搭載されるものであってもよく、これ以外のシステムを構成するものであってもよい。例えば、船舶、航空機等の移動体に設けられるものであってもよく、発電所から変電所等を介して二次電池が設置されたビルや家庭等に電力を供給する電力供給システムであってもよい。
D2…幅方向
D3…厚さ方向
E1…端
E2…切断端
10…リチウムイオン二次電池
20…電極体
20B…負極側集電部
24…負極シート
24X…負極シート
25…負極集電体
25A…負極側未塗工部
26…負極合材層
26X…負極合材ペースト
27…セパレータ
32…乾燥装置
33…吹出口
33A…狭幅部
33B…拡幅部
41…第1領域
42…第1領域
43…第2領域
43A…第2領域

Claims (8)

  1. 正極シート、負極シート、及び、リチウム塩を含む被膜形成材を含有する非水電解液を有する非水二次電池の製造方法であって、
    前記負極シートは、負極集電体と、負極合材層と、前記負極シートの端部において前記負極集電体が露出した未塗工部と、を備え、
    前記負極合材層は、少なくとも、負極活物質と、ナトリウム塩を含む添加材と、を含み、
    前記非水電解液は、前記被膜形成材としてリチウム塩を含み、
    前記負極集電体に塗布された負極合材ペーストの塗布領域は、前記未塗工部に隣接した第1領域と、前記第1領域の中央側に隣接した第2領域と、に定義され、
    前記負極合材ペーストを乾燥させる乾燥工程では、前記負極合材ペーストを、前記第1領域の方が前記第2領域よりも前記添加材のマイグレーション指数が大きくなるように乾燥させる
    非水二次電池の製造方法。
  2. 前記負極シートは、相対する両端部に前記未塗工部を備え、前記未塗工部の間に前記負極合材層を備え、
    前記第1領域は、前記両端部の前記未塗工部に隣接するように定義され、前記第1領域の間に前記第2領域が定義される
    請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
  3. 前記負極シートは、相対する両端部に前記未塗工部を備え、前記未塗工部の間に前記負極合材層を備え、
    前記第1領域は、前記両端部の前記未塗工部に隣接するように定義され、
    さらに、前記両端部の前記未塗工部の間の幅方向中央に、前記負極合材層を区画する第3領域が定義され、前記第1領域と前記第3領域との間に前記第2領域が定義され、
    前記乾燥工程では、前記負極合材ペーストを、前記第1領域及び前記第3領域の方が前記第2領域よりも前記添加材のマイグレーション指数が大きくなるように乾燥させる
    請求項1に記載の非水二次電池の製造方法。
  4. 前記被膜形成材は、LiBOB(リチウムビスオキサレートボレート)である
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
  5. 前記添加材は、SBR(スチレンブタジエン共重合体)である
    請求項1ないし3のうち何れか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
  6. 前記添加材は、CMC(カルボキシメチルセルロース)である
    請求項5に記載の非水二次電池の製造方法。
  7. 前記乾燥工程では、乾燥風量を、前記第1領域の方が前記第2領域よりも多くする
    請求項1ないし6のうち何れか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
  8. 前記乾燥工程では、乾燥風量を、前記第1領域及び前記第3領域の方が前記第2領域よりも多くする
    請求項3に記載の非水二次電池の製造方法。
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