JP2023088151A - 連続体ロボット制御システム、連続体ロボット制御方法及びプログラム - Google Patents

連続体ロボット制御システム、連続体ロボット制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】連続体ロボットが前進した後に後進する際に、連続体ロボットの破損を防止することが可能な仕組みを提供する。【解決手段】連続体ロボットを前進させて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)を管の内部に挿入した後に、連続体ロボットを後進させて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)を管から抜き出す際に、基台部の位置が位置c(第3の位置)と位置e(第1の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)が基準軸に対して湾曲角度b(第2の湾曲角度)と湾曲角度e(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した状態となる制御を行う。【選択図】図8

Description

本発明は、連続体ロボットの制御を行う連続体ロボット制御システム及び連続体ロボット制御方法、並びに、当該連続体ロボット制御システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムに関するものである。
連続体ロボットは、コンティニュウムロボットとも呼ばれ、柔軟性のある構造を持つ複数の湾曲部からなり、その湾曲部を変形させることによって形状が制御される。この連続体ロボットは、剛体リンクによって構成される剛体リンクロボットに対して、主に2つの優位性を持つ。1つ目の優位性としては、剛体リンクロボットがはまり込んでしまうような狭い空間や散乱物のある環境の中で、連続体ロボットは、曲線に沿って移動可能である。2つ目の優位性としては、連続体ロボットは、本質的な柔らかさを有するため、脆弱な対象物に損傷を与えることなく操作することができる。そこでは、剛体リンクロボットで必要とされる外力の検出などは必ずしも必要とされない。この特徴を生かして、連続体ロボットは、内視鏡のシースやカテーテルなどの医療の分野や、レスキューロボットなどの極限作業ロボットへの応用が期待されている。
特許文献1には、内視鏡として用いられる連続体ロボットを管腔に侵入するための制御手法が記載されている。具体的に、特許文献1では、隣接する湾曲部の全ての組において、内視鏡の基台部の前進に伴って前方の湾曲部の湾曲形状を後続の湾曲部の湾曲形状にするように制御することで、内視鏡の形状を連続的に伝播させている。
米国特許出願公開第2012/0271109号明細書
上述した特許文献1では、内視鏡として用いられる連続体ロボットの基台部が湾曲部の長さを前進するごとに、前方の湾曲部の湾曲形状を後続の湾曲部に伝播させる制御に係る技術を記載している。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、連続体ロボットが前進した後に後進する際には、その姿勢制御なしでは管腔の内壁に連続体ロボットが接触して、連続体ロボットが破損してしまうおそれがあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、連続体ロボットが前進した後に後進する際に、連続体ロボットの破損を防止することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
本発明の連続体ロボット制御システムは、基台部と、遠位用の線状部材が駆動されることによって湾曲する遠位湾曲部と、前記遠位用の線状部材を駆動する駆動部と、前記遠位湾曲部と前記基台部との間に設けられた連結部と、を有する連続体ロボットの制御を行う連続体ロボット制御システムであって、前記連続体ロボットを前進および後進させる移動手段と、前記連続体ロボットの前記基台部が第1の位置にあって前記遠位湾曲部が基準軸に対して第1の湾曲角度に湾曲した第1の状態、前記基台部が前記第1の位置よりも前記前進した第2の位置にあって前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第1の湾曲角度とは異なる第2の湾曲角度に湾曲した第2の状態、および、前記基台部が前記第2の位置よりも前記前進した第3の位置にある第3の状態の順に遷移することで、前記遠位湾曲部を管の内部に挿入した後に、前記連続体ロボットを前記後進させて前記遠位湾曲部を前記管から抜き出す際に、前記基台部の位置が前記第3の位置と前記第1の位置との間で、前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第2の湾曲角度と前記第1の湾曲角度との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態をとるように制御する制御手段と、を有する。
また、本発明は、上述した連続体ロボット制御システムによる連続体ロボット制御方法、及び、上述した連続体ロボット制御システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、連続体ロボットが前進した後に後進する際に、連続体ロボットの破損を防止することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成の一例を示す図である。 図1に示す連続体ロボットの概略構成のうち、1つの湾曲部に関する詳細な概略構成の一例を示す図である。 図2に示す3つのワイヤのxy平面における配置例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット制御システムの概略構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成の一例を示す図である。 図5に示す第nの湾曲部の部分を抽出した図である。 図4の制御装置によって行われる連続体ロボットの先頭追従制御及び後尾追従制御を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図4の制御装置に記憶される参照テーブルとして、連続体ロボットの先頭追従制御及び後尾追従制御の参照テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図4の制御装置に記憶される参照テーブルとして、連続体ロボットの後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図4の制御装置に記憶される参照テーブルとして、連続体ロボットの後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットにおいて、先頭追従制御の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットにおいて、図8(b)に示す後尾追従制御の補間法1の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットにおいて、図9(a)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットにおいて、図9(b)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットにおいて、図10(a)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、図4の制御装置に記憶される参照テーブルとして、連続体ロボットの後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、図4の制御装置に記憶される参照テーブルとして、連続体ロボットの後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る連続体ロボット制御システムの概略構成の一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成の一例を示す図である。図1には、連続体ロボット100の一構成として、基台部140及び複数の湾曲部(「湾曲区間」としてもよい)170が図示されている。具体的に、図1に示す例では、複数の湾曲部170として、基台部140の側から、湾曲部170-(n-2)、湾曲部170-(n-1)及び湾曲部170-nのn個の湾曲部が図示されている。また、図1では、基台部140の上面141の所定位置(例えば中心の位置)に原点Oをとり、連続体ロボット100の進行方向(例えば前進する方向)をz方向とし、このz方向と直交する方向であって相互に直交する方向をx方向及びy方向とした、xyz座標系を図示している。さらに、図1では、連続体ロボット100を前進させて挿入し且つ連続体ロボット100を後進させて抜き出すための経路に相当する管20を図示している。この管20は、連続体ロボット100を医療分野で用いる場合には、例えば消化管や気管などを適用することができ、また、連続体ロボット100を工業分野で用いる場合には、例えば配管などを適用することができるが、これらに限定されるものではない。
図1に示す複数の湾曲部170における各湾曲部は、当該各湾曲部ごとに備えられた線状部材であるワイヤが駆動されることによって湾曲する湾曲部である。図1に示す湾曲部170-nは、湾曲部170-(n-1)及び湾曲部170-(n-2)よりも基台部140から遠位にある遠位湾曲部(最遠位湾曲部)であり、また、連続体ロボット100が前進する方向(+z方向)において先頭湾曲部である。図1に示す湾曲部170-(n-1)は、連続体ロボット100が前進する方向(+z方向)において、先頭湾曲部である湾曲部170-nに後続する第1の後続湾曲部である。図1に示す湾曲部170-(n-2)は、連続体ロボット100が前進する方向(+z方向)において、湾曲部170-n及び湾曲部170-(n-1)に後続する第2の後続湾曲部である。また、図1において、湾曲部170-(n-1)及び湾曲部170-(n-2)は、遠位湾曲部(最遠位湾曲部)である湾曲部170-nと基台部140との間に設けられた連結部に相当する。
また、図1では、z方向と平行な基準軸101に対する湾曲部170-nの遠位端の湾曲角度(単に「湾曲部170-nの湾曲角度」とする)をθnで示している。また、図1では、z方向と平行な基準軸101に対する湾曲部170-(n-1)の遠位端の湾曲角度(単に「湾曲部170-(n-1)の湾曲角度」とする)をθn-1で示している。さらに、図1では、z方向と平行な基準軸101に対する湾曲部170-(n-2)の遠位端の湾曲角度(単に「湾曲部170-(n-2)の湾曲角度」とする)をθn-2で示している。
基台部140は、複数の湾曲部170を支える構成部であり、その内部には、湾曲部170-n~170-(n-2)のそれぞれのワイヤを駆動させるための駆動部であるアクチュエータ(図1では不図示)が設けられている。
連続体ロボット100は、上述した複数の湾曲部170による湾曲動作に加えて、z方向に前進(+z方向)及び後進(-z方向)の移動が可能となっている。この際、図1では、連続体ロボット100のz方向の移動量を示す指標として基台部140の変位zbを図示している。
図2は、図1に示す連続体ロボット100の概略構成のうち、1つの湾曲部170に関する詳細な概略構成の一例を示す図である。具体的に、図2は、図1に示す複数の湾曲部170のうち、基台部140から最も近い位置にある近位端の湾曲部170-(n-2)に関する詳細な概略構成を示している。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。なお、図2では、z方向と平行な基準軸101に対する湾曲部170の湾曲角度をθ1で示し、また、湾曲部170の旋回角度をζ1で示し、湾曲部170の曲率半径(図2では、原点Oと点w1とを結ぶ線分に相当する)をρ1で示している。
なお、図1においては、湾曲部170-nの旋回角度をζnで示し、湾曲部170-(n-1)の旋回角度をζn-1で示し、湾曲部170-(n-2)の旋回角度をζ1で示している。
図2に示すように、連続体ロボット100は、湾曲部170の遠位端160の接続部121~123に、それぞれ、線状部材であるワイヤ111~113が接続されている。このワイヤ111~113が基台部140の内部に設置されているそれぞれのアクチュエータ131~133で押し引きされることによって、姿勢(湾曲形状)が制御される。ここで、アクチュエータ131は、ワイヤ111を駆動させるための駆動部であり、また、アクチュエータ132は、ワイヤ112を駆動させるための駆動部であり、さらに、アクチュエータ133は、ワイヤ113を駆動させるための駆動部である。
また、図2に示すように、連続体ロボット100は、湾曲部170において、線状部材であるワイヤ111~113を案内するための部材であるワイヤガイド161~164を有する。ワイヤガイド161~164は、複数の部材を離散的に配置する方法の他に、蛇腹状やメッシュ状などの連続体部材を用いてもよい。ワイヤ111は、ワイヤガイド161~164に、それぞれ固定部150~153において固定される。また、図2において、原点Oを通る連続体ロボット100の中心軸を破線で示している。
また、本実施形態では、ワイヤ111~113を、xy平面内において反時計回りに、aワイヤ、bワイヤ及びcワイヤと呼ぶ。具体的に、図2に示す例では、ワイヤ111がaワイヤに相当し、湾曲部170のアクチュエータ131の押し引きによるワイヤ111の駆動変位をlp1aとして図示している。また、図2に示す例では、ワイヤ112がbワイヤに相当し、湾曲部170のアクチュエータ132の押し引きによるワイヤ112の駆動変位をlp1bとして図示している。さらに、図2に示す例では、ワイヤ113がcワイヤに相当し、湾曲部170のアクチュエータ133の押し引きによるワイヤ113の駆動変位をlp1cとして図示している。ここで、一般化して、第nの湾曲部(nは、正の整数)を駆動するワイヤの駆動変位をlpna,lpnb,lpncとする。
なお、図2に示す例では、図1に示す湾曲部170-(n-2)に相当する湾曲部170に関する詳細な概略構成のみを図示してその説明を行った。この点、図1に示す湾曲部170-(n-1)及び湾曲部170-nについても、図1に示す湾曲部170-(n-2)に相当する図2の湾曲部170に関する詳細な概略構成と同様の構成を備えている。即ち、湾曲部170-(n-1)及び170-nは、それぞれが、ワイヤ111~113に相当するワイヤや、アクチュエータ131~133に相当するアクチュエータ、遠位端160及びワイヤガイド161~164に相当する遠位端及びワイヤガイドを備える。例えば、図1の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)である湾曲部170-nは、図2のワイヤ111~113に相当する最遠位用の線状部材であるワイヤを備えており、当該ワイヤが駆動部であるアクチュエータによって駆動されることによって湾曲する。また、例えば、図1の第1の後続湾曲部である湾曲部170-(n-1)は、図2のワイヤ111~113に相当する第1の後続用の線状部材であるワイヤを備えており、当該ワイヤが駆動部であるアクチュエータによって駆動されることによって湾曲する。そして、図1の第2の後続湾曲部である湾曲部170-(n-2)は、第2の後続用の線状部材である図2のワイヤ111~113を備えており、ワイヤ111~113が駆動部であるアクチュエータ131~133によって駆動されることによって湾曲する。即ち、図1に示す連続体ロボット100は、最遠位用の線状部材であるワイヤと、第1の後続用の線状部材であるワイヤと、第2の後続用の線状部材であるワイヤとを、それぞれ、独立して駆動する駆動部であるアクチュエータを備えて構成されている。
図3は、図2に示す3つのワイヤ111~113(aワイヤ~cワイヤ)のxy平面における配置例を示す図である。図3に示すように、図2に示す3つのワイヤ111~113(aワイヤ~cワイヤ)は、一片の長さをrsとする正三角形の頂点に配置されており、また、図3に示す位相角ξnは、第nの湾曲部を駆動するワイヤの配置を決定する角度である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット制御システム10-1の概略構成の一例を示す図である。この連続体ロボット制御システム10-1は、図1及び図2に示す連続体ロボット100の制御を行うシステムである。この連続体ロボット制御システム10-1は、図4に示すように、連続体ロボット100、制御装置200、並びに、各種の入力装置310、330及び340を有して構成されている。
入力装置310は、図1に示す例では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)である湾曲部170-nの目標湾曲角度θLを制御装置200に入力する装置である。
入力装置330は、連続体ロボット100のz方向の移動量を示す基台部140の変位zbを制御装置200に入力するとともに、連続体ロボット100の基台部140を変位zbだけz方向に移動させるべく制御を行う装置である。ここで、連続体ロボット100の基台部140を変位zbだけz方向に移動させるべく制御を行う入力装置330は、連続体ロボット100を変位zbだけz方向に移動(+z方向への移動は前進、-z方向への移動は後進)させる「移動手段」を構成する。
入力装置340は、各種の情報を制御装置200に入力する装置である。具体的に、入力装置340は、例えば、図1に示す例の場合には複数の湾曲部170-n~170-(n-2)の長さlの情報や、使用する参照テーブル2111の指示情報等を、制御装置200に入力する。
制御装置200は、図4に示すように、角度算出部210、切替部220、及び、運動学演算部(Kinematics)230を有して構成されている。
角度算出部210には、入力装置310から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θL、入力装置330から基台部140の変位zb、入力装置340から複数の湾曲部170の長さlの情報が入力される。そして、角度算出部210は、入力された情報に基づいて、後続湾曲部(例えば、上述した第1の後続湾曲部)の目標湾曲角度θFの算出や、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θLの変更に伴う変更後の後続湾曲部の目標湾曲角度θF'を算出する。さらに、角度算出部210は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θLや後続湾曲部の目標湾曲角度θFを記憶し、連続体ロボット100の基台部140が後進するときの最遠位湾曲部の目標湾曲角度θL'を算出する。
角度算出部210は、図4に示すように、マルチプレクサ(MUX)、記憶部211、参照テーブル書換部212、及び、情報入力部213を有して構成されている。マルチプレクサ(MUX)は、外部の装置から複数の入力情報を受け、それらを選択したりまとめたりして1つの情報(信号)として出力する構成部である。記憶部211は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θL及び後続湾曲部の目標湾曲角度θFと基台部140の変位zbとの関係を示す異なる複数の参照テーブル2111や、角度算出部210において処理に必要な各種の情報を記憶している。情報入力部213は、入力装置340から入力された複数の湾曲部170の長さlの情報や使用する参照テーブル2111の指示情報等を、参照テーブル書換部212に対して入力する。参照テーブル書換部212は、情報入力部213から入力された情報に基づいて、記憶部211に記憶されている複数の参照テーブル2111の中から使用する1つの参照テーブル2111を選択する。そして、参照テーブル書換部212は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θL、後続湾曲部の目標湾曲角度θF及び基台部140の変位zbの変更に応じて、当該選択した参照テーブル2111を書き換える。
切替部220は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度として、入力装置310から入力された目標湾曲角度θLと、角度算出部210により算出された目標湾曲角度θL'とを、基台部140の変位zbの進行方向に応じて切り替える。具体的に、本実施形態では、切替部220は、基台部140の変位zbの進行方向が前進の方向である場合には、入力装置310から入力された目標湾曲角度θLを選択する切り替えを行う。また、切替部220は、基台部140の変位zbの進行方向が後進の方向である場合には、角度算出部210により算出された目標湾曲角度θL'を選択する切り替えを行う。
運動学演算部230には、切替部220から出力された最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度(θLまたはθL')と、角度算出部210で算出された後続湾曲部の目標湾曲角度θF'の情報が入力される。そして、運動学演算部230は、入力された情報に基づいて、駆動部である各アクチュエータで最遠位湾曲部(先頭湾曲部)及び後続湾曲部のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する。図4では、運動学演算部230の演算により得られた最遠位湾曲部(先頭湾曲部)のワイヤの駆動変位と後続湾曲部のワイヤの駆動変位をまとめて、ワイヤの駆動変位lpとして図示している。そして、本実施形態に係る連続体ロボット100は、それぞれのワイヤの駆動変位lpに応じて、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)及び後続湾曲部の湾曲制御が行われることになる。
本実施形態では、すべての位相角(図3)をξn=0とし、まず、xz平面における先頭追従制御について説明する。
1)モデリング
本章では、連続体ロボット100のxz平面における運動学を導出する。記号の定義を以下に示す。
n:第nの湾曲部の(アーム筐体の)長さ
n:第nの湾曲部のワイヤガイドを通るワイヤからワイヤガイドの中心までの距離
e:連続体ロボット100の湾曲部の数
θn:第nの湾曲部の(遠位端の)湾曲角度
ρn:第nの湾曲部の曲率半径
θrefn:第nの湾曲部の(遠位端の)目標湾曲角度
pn:第nの湾曲部のワイヤの駆動変位
tn,ztn:第nの湾曲部の遠位端の座標
b:基台部140の変位
図5は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成の一例を示す図である。この図5において、図1及び図2に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。そして、本実施形態では、以下のような仮定をし、図5に示す連続体ロボット100の湾曲部170の数をeとする連続体ロボット100の運動学を導出する。ここで、図5に示す連続体ロボット100では、第eの湾曲部170-eは、基台部140から最遠位にある最遠位湾曲部であり、また、連続体ロボット100が前進する方向(+z方向)において先頭湾曲部である。
1.ワイヤは、xz面内のみに変形する。
2.各湾曲部において、ワイヤは曲率一定に変形する。
3.ワイヤのねじり変形は考慮しない。
4.ワイヤは、長手方向に変形しない。
まず、図5に示す第1の湾曲部170-1のみを考える。
aワイヤを駆動し、bワイヤ及びcワイヤを固定するとき、ワイヤの駆動量lp1と第1の湾曲部170-1の湾曲角度θ1との関係は、以下の(1)式となる。
Figure 2023088151000002
次に、図5に示す第nの湾曲部170-nのワイヤの駆動変位lpnと、その遠位端の湾曲角度θnとの関係を導出する。ただし、ここでは、nは2以上の整数とする。第nの湾曲部170-nの相対湾曲角度θ~ nを以下の(2)式に示すように定義する。
θ~n=θn-θn-1 ・・・(2)
図6は、図5に示す第nの湾曲部170-nの部分を抽出した図である。この図6に示すように、第nの湾曲部170-nの原点Oを(xtn-1,ztn-1)とし、θn-1方向及び
その直交方向からなる相対座標系xn-znをとる。そうすると、相対座標系xn-zn
におけるワイヤの駆動変位l~pnと第nの湾曲部170-nの相対湾曲角度θ~nとの関係は、以下の(3)式となる。
Figure 2023088151000003
また、第nの湾曲部170-nのワイヤの駆動変位lpnは、第1の湾曲部170-1から第(n-1)の湾曲部170-(n-1)までの相対座標系における第nの湾曲部170-nを駆動するためのワイヤの変位の総和となり、以下の(4)式となる。
Figure 2023088151000004
これより、第nの湾曲部170-nの湾曲角度θnは、ワイヤの駆動変位lpnによってのみ決まり、途中の湾曲部170の湾曲角度には依存しないことがわかる。
次に、第nの湾曲部170-nの(遠位端の)湾曲角度θnとその遠位端の座標との関係について説明する。
まず、第1の湾曲部170-1の(遠位端の)湾曲角度θ1とその遠位端の座標(xt1,zt1)との関係は、以下の(5)式及び(6)式となる。
Figure 2023088151000005
続いて、第nの湾曲部170-nの(遠位端の)湾曲角度θnとその遠位端の座標との関係を導出する。ただし、nは、2以上とする。相対座標系xn-znにおける第nの湾曲部170-nの遠位端の座標(x~tn,z~tn)は、以下の(7)式及び(8)式となる。
Figure 2023088151000006
これにより、絶対座標系における第nの湾曲部170-nの遠位端の座標(xtn,ztn)は、回転変換行列を用いて、以下の(9)式となる。
Figure 2023088151000007
次に、制御装置200によって行われる連続体ロボット100の先頭追従制御及び後尾追従制御について説明する。図7は、図4の制御装置200によって行われる連続体ロボット100の先頭追従制御及び後尾追従制御を説明するための図である。具体的に、図7(a)は、先頭追従制御を説明するための図であり、図7(b)は、後尾追従制御を説明するための図である。また、図7(a)及び図7(b)の説明では、図5に示す連続体ロボット100を想定した説明を行う。即ち、図7(a)及び図7(b)の説明では、第eの湾曲部170-eが最遠位湾曲部(先頭湾曲部)であり、第(e-1)の湾曲部170-(e-1)が第eの湾曲部170-eに後続する後続湾曲部とした説明を行う。このため、図7(a)及び図7(b)において、図5に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
2)先頭追従制御
本章では、先頭追従制御系について説明する。
ここで、先頭追従制御とは、図7(a)に示すように、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)である第eの湾曲部170-eが通る点線で示す経路と同じ経路を後続湾曲部である第(e-1)の湾曲部170-(e-1)等が通るように制御する方法である。これにより、図7(a)の状態711~715に示すように連続体ロボット100を順次前進させる際に、連続体ロボット100は、管20の内部の空間をすり抜けるように前進することができる。この先頭追従制御は、予め経路を定められていることは必須ではなく、例えば、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)である第eの湾曲部170-eの湾曲角度θeを後続湾曲部に湾曲部の長さlをもって連続的に伝播させてもよい。この方法を用いると、操縦者は、入力装置310及び入力装置330を介して最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の湾曲角度と基台部140のz方向の移動量に対してのみ指令を与えることで、連続体ロボット100を実時間で先頭追従制御することができる。
図8は、本発明の第1の実施形態を示し、図4の制御装置200に記憶される参照テーブル2111として、連続体ロボット100の先頭追従制御及び後尾追従制御の参照テーブルの一例を示す図である。
具体的に、図8(a)には、連続体ロボット100の先頭追従制御の参照テーブル2111が示されている。具体的に、図8(a)に示す参照テーブル2111は、横軸に上述した基台部140の変位zbをとり、縦軸に最遠位湾曲部(先頭湾曲部)及び後続湾曲部の湾曲角度θをとったグラフとして示されている。また、図8(a)に示す参照テーブル2111において、横軸に示される基台部140の変位zbは、右の矢印に示す方向が、連続体ロボット100の基台部140が前進する方向になっている。また、図8(a)に示す原点Oの位置(原点位置)は、例えば、図5に示す原点Oの位置(原点位置)に対応している。さらに、図8(a)の縦軸の湾曲角度θは、図7(a)に示す最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が「Leader」として示され、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度が「Follower」として示されているものとする。そして、この場合、図8(a)の横軸に示される基台部140の変位zbにおいて、位置eと位置aとの距離は最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlに相当し、位置aと位置cとの距離は後続湾曲部170-(e-1)の長さlに相当している。
図8(a)では、破線で入力装置310から入力される最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示し、太破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度を示す。図8(a)では、基台部140の変位zbにおける位置aにおいて、入力装置310から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの目標湾曲角度θLとして湾曲角度a→bが入力された場合を示している。この場合、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度は、基台部140の変位zbにおける位置aから後続湾曲部170-(e-1)の長さlの距離にある位置cにおいて、湾曲角度c→dとなるように角度算出部210で自動生成されうる。そして、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度は、制御装置200の記憶部211に収納され、基台部140の変位zbに応じて読み出される。湾曲部170の数eが3以上の場合には、上述した後続湾曲部を最遠位湾曲部(先頭湾曲部)と置き換えて、この処理を連続的に行えば全ての湾曲部170の湾曲角度を求めることができる。
しかしながら、上述した図8(a)の説明では、基台部140の変位zbが位置aと位置cとの間にあるときには、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度が変化せず、位置cで湾曲角度c→dとに立ち上がる。このため、連続体ロボット100は、急峻な挙動を示すことになる。そこで、本実施形態では、基台部140の変位zbが位置aと位置cとの間にあるときには、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度について、湾曲角度aと湾曲角度dとを結ぶように補間する。具体的に、本実施形態では、制御装置200の角度算出部210は、まず、図8(a)において斜線で示す直角三角形として、後続湾曲部170-(e-1)の長さlを線分acに一致させた底辺とし、距離abを高さとする直角三角形を生成する。次いで、制御装置200の角度算出部210は、位置aから位置cまでの基台部140の変位zbの各位置において、基台部140の変位zbの座標軸と直交する直線と生成した直角三角形の斜辺との交点を求める。そして、制御装置200の角度算出部210は、求めた交点から生成した直角三角形の底辺までの長さを、太破線で示す後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度に加算して、補間後の後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度を生成する。ここで、補間後の後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度は、図8(a)において太実線で示されている。
3)後尾追従制御
3.1)補間法1
続いて、本章では、後尾追従制御について説明する。まず、第1節として、後尾追従制御の補間法1について説明する。
本実施形態では、図7(b)に示す後尾追従制御は、連続体ロボット100を点線で示す経路に近接させながら連続体ロボット100を後進させて基台部140を原点Oに復帰させる制御方法である。これにより、図7(b)の状態721~725に示すように連続体ロボット100を順次後進させる際に、連続体ロボット100は、管20の内部の空間をすり抜けるように後進することができる。この際、基台部140に近位の湾曲部170の目標湾曲角度は、図8(a)において太実線で示した補間後の後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度を、基台部140の変位zbに応じて記憶部211から読み出せばよい。
最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの目標湾曲角度は、まず、先頭追従制御において入力装置310から入力された最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を記憶部211に収納する。このとき、基台部140に近位の後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度と同様に、第2章で説明した手法を用いて補間して記憶部211に収納すればよい。また、本実施形態では、基台部140の変位zbにおいて、原点Oの位置から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlよりも遠位の位置aで、入力装置310から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度a→bの入力がなされるものとする。
図8(b)には、連続体ロボット100の後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブル2111が示されている。この図8(b)において、図8(a)に示す連続体ロボット100の先頭追従制御に係る要素と同様の要素については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図8(b)では、図7(a)及び図8(a)を用いて説明した連続体ロボット100の前進に係る先頭追従制御によって、基台部140は、少なくとも位置cまでは前進しているものとする。そして、図8(b)では、基台部140が少なくとも位置cまで前進している状態から、連続体ロボット100に対して後尾追従制御がなされるものとする。
図8(b)において、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の後尾追従制御がなされる場合、制御装置200の角度算出部210は、まず、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlを線分ecに一致させた底辺とし、距離abを高さとする直角三角形を生成する。次いで、制御装置200の角度算出部210は、位置cから位置eまでの基台部140の変位zbの各位置において、基台部140の変位zbの座標軸と直交する直線と生成した直角三角形の斜辺との交点を求める。そして、制御装置200の角度算出部210は、求めた交点から生成した直角三角形の底辺までの長さを、破線で示す最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度に加算して、補間後の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を生成する。ここで、補間後の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度は、図8(b)において実線で示されている。
具体的に、図8に示す連続体ロボット100の先頭追従制御及び後尾追従制御の補間法1では、制御装置200は、以下の制御を行うようにしている。
連続体ロボット100の前進に係る先頭追従制御では、制御装置200は、まず、基台部140が位置e(第1の位置)にあって最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度e(第1の湾曲角度)に湾曲した第1の状態となる制御を行う。続いて、制御装置200は、基台部が位置e(第1の位置)よりも前進した位置a(第2の位置)にあって最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度eとは異なる湾曲角度b(第2の湾曲角度)に湾曲した第2の状態となる制御を行う。続いて、制御装置200は、基台部140が位置a(第2の位置)よりも前進した位置c(第3の位置)にある第3の状態となる制御を行う。即ち、連続体ロボット100の前進に係る先頭追従制御では、制御装置200は、上述した第1の状態、第2の状態及び第3の状態の順に遷移することで、少なくとも最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eを管20の内部に挿入した状態とする。
その後、制御装置200は、連続体ロボット100を後進させて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eを管20から抜き出す際に、連続体ロボット100の後進に係る後尾追従制御を行う。この後尾追従制御では、制御装置200は、基台部140の位置が位置c(第3の位置)と位置e(第1の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度d(第2の湾曲角度)と湾曲角度e(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態となる制御を行う。より詳細に、図8(b)に示す例では、制御装置200は、基台部140の位置が位置a(第2の位置)と位置e(第1の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度b(第2の湾曲角度)と湾曲角度e(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態となる制御を行っている。
3.2)補間法2
先頭追従制御では、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度を実時間で生成する必要があるため、第2章で説明した直角三角形を用いる方法は有効であった。しかしながら、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eでは、少なくとも入力装置330から基台部140の後進に係る情報が入力される時点において目標湾曲角度を補間することも考えられる。そこで、第2節では、後尾追従制御の補間法2として複数の例を説明する。
図9及び図10は、本発明の第1の実施形態を示し、図4の制御装置200に記憶される参照テーブル2111として、連続体ロボット100の後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。具体的に、図9及び図10は、後尾追従制御の補間法2として複数の例を挙げたものであり、図8に示す要素と同様の要素については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
図9(a)は、基台部140が位置eから前進した位置aにおいて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが湾曲角度bとされた後、基台部140が位置aから後続湾曲部の長さlだけ前進した位置cにおいて、後尾追従制御の補間法2を行う例を示している。図9(a)では、破線で入力装置310から入力される最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示し、実線で補間後の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示している。この図9(a)に示す例では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が、基台部140が位置aにおいて、後続湾曲部170-(e-1)の長さlをもって復帰するように補間する。これは、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度dと湾曲角度aとを結ぶ線分の湾曲角度となり、これは、図8(a)及び図8(b)において太実線で示す補間後の後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度と一致する。また、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が復帰する基台部140の変位zbは、位置aに限定されるものではなく、位置cよりも原点Oの位置に近位の基台部140の変位zbであればよい。
具体的に、図9(a)に示す後尾追従制御の補間法2では、制御装置200は、基台部140の位置が位置c(第3の位置)と位置a(第2の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度d(第2の湾曲角度)と湾曲角度a(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態となる制御を行っている。
図9(b)は、基台部140が位置eから前進した位置aにおいて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが湾曲角度bとされた後、基台部140が位置aから後続湾曲部の長さlまで前進する途中の位置hにおいて、後尾追従制御の補間法2を行う例を示している。この図9(b)に示す例では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が、基台部140が位置aと位置eとの間の位置gにおいて、後続湾曲部170-(e-1)の長さlをもって復帰するように補間する。しかしながら、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が復帰する基台部140の変位zbは、位置gに限定されるものではなく、位置hよりも原点Oの位置に近位の基台部140の変位zbであればよい。
図10(a)は、図9(a)の変形例であり、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が、後続湾曲部170-(e-1)の長さlと最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlの和をもって直線状に復帰するように補間するものである。
図10(b)は、図10(a)の変形例であり、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を直線状ではなく曲線状に復帰するように補間するものである。この図10(b)に示す例では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を楕円弧状に補間する例を示しているが、本実施形態においてはこれに限定されるものではない。
図10(a)及び図10(b)に示す例では、制御装置200は、基台部140の位置が位置c(第3の位置)と位置e(第1の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度d(第2の湾曲角度)と湾曲角度e(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態となる制御を行っている。
なお、本節で説明した後尾追従制御の補間法2では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが復帰を開始する基台部140の変位zbを、位置cから原点Oの位置に近位側として示しているが、位置cから遠位側としてもかまわない。
4)シミュレーション
本章では、第3章で説明した後尾追従制御を用いたシミュレーションの結果を説明する。ここで説明するシミュレーションでは、連続体ロボット100の湾曲部170の数eを2とし、2つの湾曲部170は、図7(a)及び図7(b)に示す最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-e及び後続湾曲部170-(e-1)とする。さらに、ここで説明するシミュレーションでは、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さを0.02mとし、後続湾曲部170-(e-1)の長さを0.02mとする。
まず、先頭追従制御の応答について説明する。
先頭追従制御の応答に係るシミュレーションでは、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eは、動作開始後に直進状態で0.02m前進し、そこで基準軸101に対して50度湾曲し、さらに、0.02m前進する。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100において、先頭追従制御の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。具体的に、図11(a)~図11(k)では、実線で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲形状を示し、破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲形状を示している。
次に、後尾追従制御の応答について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100において、図8(b)に示す後尾追従制御の補間法1の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。具体的に、図12(a)~図12(k)では、実線で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲形状を示し、破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲形状を示している。図12では、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度が50度から0度に復帰した後に、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が50度から0度に復帰することがわかる。後進時の図12(g)~図12(k)において最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが占有する空間は、前進時の図11(a)~図11(e)において占有する空間に一致していない。しかしながら、後進時の図12(a)~図12(f)の占有空間は、前進時の図12(f)~図12(k)の占有空間と一致する。これにより、連続体ロボット100において遠位の障害物への接触を回避しながら後退する際に有効な方法であることがわかる。
図13は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100において、図9(a)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。具体的に、図13(a)~図13(k)では、実線で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲形状を示し、破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲形状を示している。図13では、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度が50度から0度に復帰すると同時に、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が50度から0度に復帰することがわかる。後進時の図13(a)~図13(f)において最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが占有する空間は、前進時の図11(f)~図11(k)において占有する空間に一致していない。しかしながら、後進時の図13(f)~図13(k)の占有空間は、前進時の図11(a)~図11(e)の占有空間と一致する。これにより、連続体ロボット100において近位の障害物への接触を回避しながら後退する際に有効な方法であることがわかる。
図14は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100において、図9(b)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。具体的に、図14(a)~図14(k)では、実線で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲形状を示し、破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲形状を示している。図14では、後続湾曲部170-(e-1)の湾曲角度が50度から0度に復帰を完了する前の図14(e)において、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が50度から復帰を開始し、図14(i)において0度に復帰が終了することがわかる。後進時の図14(e)~図14(j)において最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが占有する空間は、前進時の図11(c)~図11(g)において占有する空間に一致していない。しかしながら、後進時の図14(a)~図14(d)、図14(j)及び図14(k)の占有空間は、前進時の図11(a)、図11(b)及び図11(h)~図11(e)の占有空間と一致する。これにより、連続体ロボット100において最遠位及び最近位の障害物への接触を回避しながら後退する際に有効な方法であることがわかる。
図15は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100において、図10(a)に示す後尾追従制御の補間法2の応答に係るシミュレーションの結果を示す図である。具体的に、図15(a)~図15(k)では、実線で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲形状を示し、破線で後続湾曲部170-(e-1)の湾曲形状を示している。図15では、後進の開始、終了と同時に、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度の復帰が開始、終了される。後進時の全域にわたって、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが占有する空間は、前進時の占有する空間に一致しない。しかしながら、後進時と前進時の占有する空間の差異は、全域にわたって平均的となる。これにより、連続体ロボット100において障害物への接触を平均的に回避しながら後退する際に有効な方法であることがわかる。
以上説明した第1の実施形態では、制御装置200は、連続体ロボット100を前進させて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eを管20の内部に挿入した後に、連続体ロボット100を後進させて最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eを管20から抜き出す際に、基台部140の位置が位置c(第3の位置)と位置e(第1の位置)との間で、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eが基準軸101に対して湾曲角度d(第2の湾曲角度)と湾曲角度e(第1の湾曲角度)との間の第3の湾曲角度に湾曲した状態となる制御を行うようにしている。
かかる構成によれば、連続体ロボット100が前進した後に後進する際に、連続体ロボット100の姿勢が適切に制御され、連続体ロボット100の破損を防止することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第2の実施形態に係る連続体ロボット制御システムの概略構成は、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット制御システム10-1の概略構成と同様である。また、第2の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成は、図1、図2及び図5に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。
上述した第1の実施形態では、図8~図10に示すように、基台部140の変位zbにおいて位置a(第2の位置)は、基台部140における原点Oの位置(原点位置)との距離が、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlよりも大きい場合であった。これに対して、第2の実施形態は、基台部140の変位zbにおいて位置a(第2の位置)は、基台部140における原点Oの位置(原点位置)との距離が、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlよりも小さい場合を想定した形態である。
図16は、本発明の第2の実施形態を示し、図4の制御装置200に記憶される参照テーブル2111として、連続体ロボット100の後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。この図16において、図8~図10に示す要素と同様の要素については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
図16では、基台部140の変位zbにおいて、原点Oの位置(原点位置)と位置a(第2の位置)との距離が、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlに満たない場合を示している。図16では、基台部140の変位zbが位置aにおいて、入力装置310から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を変更する入力がされた後、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を補間する例を示している。図16では、破線で入力装置310から入力される最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示し、実線で補間後の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示している。
基台部140の変位zbにおいて、原点Oの位置と位置aとの距離が最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの長さlに満たないため、第1の実施形態で説明した後尾追従制御の補間法1を用いると、原点Oの位置で最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が零に収束しない。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態の補間法2を用いることが好適であるが、この際、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度が復帰する基台部140の変位zbは、原点Oの位置と位置aとの間の位置が好ましい。
具体的に、図16に示す例では、制御装置200は、連続体ロボット100の後尾追従制御を行う際に、基台部140が原点Oの位置(原点位置)において最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を零にする制御を行う。
第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、連続体ロボット100が前進した後に後進する際に、連続体ロボット100の姿勢が適切に制御され、連続体ロボット100の破損を防止することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第3の実施形態に係る連続体ロボット制御システムの概略構成は、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット制御システム10-1の概略構成と同様である。また、第3の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成は、図1、図2及び図5に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を、基台部140の変位zbに基づいて復帰させる形態であった。しかしながら、例えば、上述した第1の実施形態の図9(b)において、基台部140の変位zbにおける位置hと位置gとが近接しているときには、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度における復帰動作が急峻になる。これは、上述した第2の実施形態において、位置aが原点Oの位置(原点位置)に近接しているときにも生ずる。
そこで、第3の実施形態では、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を、基台部140の変位zbに基づかずに復帰させる制御方法を示す。
図17は、本発明の第3の実施形態を示し、図4の制御装置200に記憶される参照テーブル2111として、連続体ロボット100の後尾追従制御(先頭追従制御も含みうる)の参照テーブルの一例を示す図である。この図17において、図8~図10に示す要素と同様の要素については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
具体的に、図17に示す参照テーブル2111は、横軸に時間をとり、縦軸に最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の湾曲角度θをとったグラフとして示されている。図17では、破線で入力装置310から入力される最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示し、実線で補間後の最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を示している。
まず、図17では、時刻Aにおいて、入力装置310から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度を変更する入力がされ、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度がAからBとなる。その後、連続体ロボット100において基台部140の変位が微小の前進動作がなされた状態(第3の状態)又は当該前進動作がされなかった状態(第2の状態)で、短時間で連続体ロボット100の後進動作が指令されたときは、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度における変化率に速度制限を設けて、湾曲角度Cから湾曲角度Dのように復帰させる。即ち、本実施形態では、制御装置200は、第3の状態又は第2の状態から後進動作に係る第4の状態への遷移が所定時間よりも短時間に行われるように指令を受けた場合には、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの湾曲角度の時間における変化率を制限する。
第3の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、連続体ロボット100が前進した後に後進する際に、連続体ロボット100の姿勢が適切に制御され、連続体ロボット100の破損を防止することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第4の実施形態の説明では、上述した第1~第3の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第3の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第4の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成は、図1、図2及び図5に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る連続体ロボット制御システム10-4の概略構成の一例を示す図である。この図18において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。この図18に示す連続体ロボット制御システム10-4は、図1及び図2に示す連続体ロボット100の制御を行うシステムである。また、連続体ロボット制御システム10-4は、図18に示すように、連続体ロボット100、制御装置200、並びに、各種の入力装置320、330及び340を有して構成されている。
入力装置320は、図1に示す入力装置310が入力する最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θLに加えて、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標旋回角度ζLを制御装置200に入力する装置である。
制御装置200は、図18に示すように、角度算出部210、切替部220、及び、運動学演算部(Kinematics)230を有して構成されている。
角度算出部210には、入力装置320から最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θL及び目標旋回角度ζL、入力装置330から基台部140の変位zb、入力装置340から複数の湾曲部170の長さlの情報が入力される。そして、角度算出部210は、入力された情報に基づいて、後続湾曲部の目標湾曲角度θF及び目標旋回角度ζFの算出や、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θLの変更に伴う変更後の後続湾曲部の目標湾曲角度θF'及び目標旋回角度ζF'を算出する。さらに、角度算出部210は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度θL及び目標旋回角度ζLや後続湾曲部の目標湾曲角度θF及び目標旋回角度ζFを記憶し、連続体ロボット100の基台部140が後進するときの最遠位湾曲部の目標湾曲角度θL'及び目標旋回角度ζL'を算出する。
切替部220は、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度及び目標旋回角度として、入力装置320から入力された目標湾曲角度θL及び目標旋回角度ζLと、角度算出部210により算出された目標湾曲角度θL'及び目標旋回角度ζL'とを、基台部140の変位zbの進行方向に応じて切り替える。具体的に、本実施形態では、切替部220は、基台部140の変位zbの進行方向が前進の方向である場合には、入力装置320から入力された目標湾曲角度θL及び目標旋回角度ζLを選択する切り替えを行う。また、切替部220は、基台部140の変位zbの進行方向が後進の方向である場合には、角度算出部210により算出された目標湾曲角度θL'及び目標旋回角度ζL'を選択する切り替えを行う。
運動学演算部230には、切替部220から出力された最遠位湾曲部(先頭湾曲部)の目標湾曲角度(θLまたはθL')及び目標旋回角度(ζLまたはζL')と、角度算出部210で算出された後続湾曲部の目標湾曲角度θF'及び目標旋回角度ζF'の情報が入力される。そして、運動学演算部230は、入力された情報に基づいて、駆動部である各アクチュエータで最遠位湾曲部(先頭湾曲部)及び後続湾曲部のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する。図18では、運動学演算部230の演算により得られた最遠位湾曲部(先頭湾曲部)のワイヤの駆動変位と後続湾曲部のワイヤの駆動変位をまとめて、ワイヤの駆動変位lpとして図示している。そして、本実施形態に係る連続体ロボット100は、それぞれのワイヤの駆動変位lpに応じて、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)及び後続湾曲部の湾曲制御が行われることになる。
上述した第1~第3の実施形態では、xz平面内での連続体ロボット100の後尾追従制御の制御方法について主として説明した。本実施形態では、3次元空間での後尾追従制御を行う形態である。
連続体ロボット100の湾曲部170の湾曲角度及び旋回角度を制御するためのアクチュエータの駆動変位を求めるため、運動学の導出を行う。記号の定義を以下に示す。
d:湾曲部の中心軸の長さ
θn:第nの湾曲部の(遠位端の)湾曲角度
ζn:第nの湾曲部の(遠位端の)旋回角度
ρn:第nの湾曲部の曲率半径
ζrefn:第nの湾曲部の(遠位端の)目標旋回角度
そして、本実施形態では、以下のような仮定をし、連続体ロボット100の運動学を導出する。
1.各湾曲部において、ワイヤは曲率一定に変形する。
2.ワイヤのねじり変形は考慮しない。
3.ワイヤは長手方向に変形しない。
4.ワイヤガイドとワイヤ間の摩擦は考慮しない。
まず、第1の湾曲部170-1のaワイヤ、bワイヤ及びcワイヤの駆動変位lp1a、lp1b及びlp1cと、第1の湾曲部170-1の湾曲角度θ1及び旋回角度ζ1との関係は、以下の(10)式となる。
Figure 2023088151000008
次に、複数の湾曲部を有する連続体ロボット100において、第nの湾曲部170-nのaワイヤ、bワイヤ及びcワイヤの駆動変位lpna、lpnb及びlpncと、第nの湾曲部170-nの湾曲角度θn及び旋回角度ζnとの関係を求める。また、連続体ロボット100の湾曲部の数をeとし、第nの湾曲部を駆動するワイヤの位相角ξnを以下の(11)式とする。
Figure 2023088151000009
これにより、第nの湾曲部170-nのワイヤ駆動変位lpna、lpnb及びlpncは、以下の(12)式となる。
Figure 2023088151000010
入力装置320から、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eに対して目標湾曲角度θL及び目標旋回角度ζLが入力されたとき、制御装置200は、(12)式を用いてワイヤの駆動変位を求めることで、最遠位湾曲部(先頭湾曲部)170-eの角度を制御することができる。そして、本実施形態における後尾追従制御は、上述したxz平面における第1~第3の実施形態と同様に、目標湾曲角度を補間して記憶部211から読み出せばよく、また、上述した第1~第3の実施形態の湾曲角度を旋回角度と読み替えて同様のアルゴリズムによって目標旋回角度を算出すればよい。そして、本実施形態では、複数の湾曲部170の各々に対して、(12)式を用いてワイヤの駆動変位を求めることで、3次元空間内での連続体ロボット100の後尾追従制御を行うことができる。
第4の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、連続体ロボット100が前進した後に後進する際に、連続体ロボット100の姿勢が適切に制御され、連続体ロボット100の破損を防止することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10:連続体ロボット制御システム、20:管、100:連続体ロボット、140:基台部、170:湾曲部、200:制御装置、210:角度算出部、211:記憶部、2111:参照テーブル、212:参照テーブル書換部、213:情報入力部、220:切替部、230:運動学演算部(Kinematics)、310~340:入力装置

Claims (9)

  1. 基台部と、
    遠位用の線状部材が駆動されることによって湾曲する遠位湾曲部と、
    前記遠位用の線状部材を駆動する駆動部と、
    前記遠位湾曲部と前記基台部との間に設けられた連結部と、
    を有する連続体ロボットの制御を行う連続体ロボット制御システムであって、
    前記連続体ロボットを前進および後進させる移動手段と、
    前記連続体ロボットの前記基台部が第1の位置にあって前記遠位湾曲部が基準軸に対して第1の湾曲角度に湾曲した第1の状態、前記基台部が前記第1の位置よりも前記前進した第2の位置にあって前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第1の湾曲角度とは異なる第2の湾曲角度に湾曲した第2の状態、および、前記基台部が前記第2の位置よりも前記前進した第3の位置にある第3の状態の順に遷移することで、前記遠位湾曲部を管の内部に挿入した後に、前記連続体ロボットを前記後進させて前記遠位湾曲部を前記管から抜き出す際に、前記基台部の位置が前記第3の位置と前記第1の位置との間で、前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第2の湾曲角度と前記第1の湾曲角度との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態をとるように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする連続体ロボット制御システム。
  2. 前記制御手段は、前記基台部の位置が前記第2の位置と前記第1の位置との間で、前記第4の状態をとるように制御することを特徴とする請求項1に記載の連続体ロボット制御システム。
  3. 前記制御手段は、前記基台部の位置が前記第3の位置と前記第2の位置との間で、前記第4の状態をとるように制御することを特徴とする請求項1に記載の連続体ロボット制御システム。
  4. 前記制御手段は、前記基台部における原点位置と前記第2の位置との距離が、前記遠位湾曲部の長さに満たない場合には、前記第4の状態をとるように制御する際に前記原点位置において前記第3の湾曲角度を零にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の連続体ロボット制御システム。
  5. 前記制御手段は、前記第3の状態または前記第2の状態から前記第4の状態への遷移が所定時間よりも短時間に行われるように指令を受けた場合には、前記第3の湾曲角度の時間における変化率を制限することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の連続体ロボット制御システム。
  6. 前記制御手段は、前記遠位湾曲部の前記第1の湾曲角度、前記第2の湾曲角度および前記第3の湾曲角度における湾曲角度に加えて、前記遠位湾曲部の旋回角度の制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の連続体ロボット制御システム。
  7. 前記連結部は、前記遠位湾曲部に後続する湾曲部であって、後続用の線状部材が駆動されることによって湾曲する後続湾曲部を含み、
    前記駆動部は、前記遠位用の線状部材とは独立して前記後続用の線状部材を駆動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の連続体ロボット制御システム。
  8. 基台部と、
    遠位用の線状部材が駆動されることによって湾曲する遠位湾曲部と、
    前記遠位用の線状部材を駆動する駆動部と、
    前記遠位湾曲部と前記基台部との間に設けられた連結部と、
    を有する連続体ロボットの制御を行う連続体ロボット制御方法であって、
    前記連続体ロボットを前進および後進させる移動ステップと、
    前記連続体ロボットの前記基台部が第1の位置にあって前記遠位湾曲部が基準軸に対して第1の湾曲角度に湾曲した第1の状態、前記基台部が前記第1の位置よりも前記前進した第2の位置にあって前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第1の湾曲角度とは異なる第2の湾曲角度に湾曲した第2の状態、および、前記基台部が前記第2の位置よりも前記前進した第3の位置にある第3の状態の順に遷移することで、前記遠位湾曲部を管の内部に挿入した後に、前記連続体ロボットを前記後進させて前記遠位湾曲部を前記管から抜き出す際に、前記基台部の位置が前記第3の位置と前記第1の位置との間で、前記遠位湾曲部が前記基準軸に対して前記第2の湾曲角度と前記第1の湾曲角度との間の第3の湾曲角度に湾曲した第4の状態をとるように制御する制御ステップと、
    を有することを特徴とする連続体ロボット制御方法。
  9. コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続体ロボット制御システムの各手段として機能させるためのプログラム。
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