JP2022008179A - 連続体ロボットの制御システム及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】連続体ロボットの操作を安全に行える仕組みを提供する。【解決手段】ブロックFTLは、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltと、基台部の変位とに基づいて、後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLを算出し、切替スイッチ部330は、ブロックFTLから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLと、後続操作手段に相当するブロックPlから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfとのうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行い、運動学演算部340は、切替スイッチ部330で選択された後続湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度に基づいて、連続体ロボットの駆動部で後続湾曲区間のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する。【選択図】図4

Description

本発明は、ワイヤが駆動することによって湾曲する湾曲区間が複数設けられた湾曲可能部を備える連続体ロボットの制御システム及びその制御方法、並びに、当該制御システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムに関するものである。
連続体ロボットは、コンティニュウムロボットとも呼ばれ、柔軟性のある構造を持つ複数の湾曲区間が設けられた湾曲可能部を備えて構成されており、その湾曲区間を変形させることによって形状が制御される。この連続体ロボットは、剛体リンクによって構成される剛体リンクロボットに対して、主に2つの優位性を持つ。1つ目は、剛体リンクロボットがはまり込んでしまうような狭い空間や散乱物のある環境の中で、連続体ロボットは、曲線に沿って移動可能である。2つ目は、連続体ロボットは、本質的な柔らかさを有するため、脆弱な対象物に損傷を与えることなく操作することができる。そこでは、剛体リンクロボットで必要とされる外力の検出などは必ずしも必要とされない。この特徴を生かし、連続体ロボットは、内視鏡のシースやカテーテルなどの医療の分野や、レスキューロボットなどの極限作業ロボットへの応用が期待されている。
特許文献1には、湾曲可能部の先端にカメラを備える連続体ロボットに対して、カメラの視線の方向を一定に保ったまま先端の位置を移動させる動作や、カメラの視線が常に遠方の1点を通るように先端の位置と角度を移動させるといった特徴的な動作(以下、「観察動作制御」と呼ぶ)を、操縦者が簡単な操作を行うだけで実現できる制御方法が記載されている。
国際公開第2017/003468号
具体的に、特許文献1では、湾曲可能部の初期の湾曲姿勢から観察動作制御に移行するため、湾曲可能部の全ての湾曲区間に対する追加の湾曲量を操縦者による操作部の操作量から代数的に求めている。そのため、特許文献1に記載の制御では、湾曲可能部の初期の湾曲姿勢によっては、操縦者による操作部の操作量が軽微であっても、各湾曲区間に対する追加の湾曲量が大きく制御されることがありうる。連続体ロボットは、一般的に、先頭の最遠位湾曲区間の湾曲姿勢を後続湾曲区間に湾曲区間の長さをもって連続的に伝播させる制御(以下、「先頭追従制御」と呼ぶ)を用いることによって、狭小な空間の対象物における狭い経路に沿って動作させることができる。そして、このような狭小な空間において、特許文献1に記載の制御が行われれば、意図せずに連続体ロボットが対象物と接触してしまい、その結果、対象物が傷ついたり連続体ロボット自体が破損したりして、連続体ロボットの操作を安全に行えない問題が生じうる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、連続体ロボットの操作を安全に行える仕組みを提供することを目的とする。
本発明の連続体ロボットの制御システムは、ワイヤが駆動することによって湾曲する湾曲区間が複数設けられた湾曲可能部と、前記湾曲可能部を支える基台部と、前記ワイヤを駆動する駆動部と、を備える連続体ロボットの制御システムであって、複数の前記湾曲区間のうち、前記基台部から最も遠い位置にある最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記連続体ロボットの進行方向における前記基台部の変位と、に基づいて、前記複数の湾曲区間のうち、前記最遠位湾曲区間と前記基台部との間に位置する後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を算出する後続算出手段と、操作されることによって前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する後続操作手段と、前記後続算出手段から得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記後続操作手段から得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う後続切替手段と、前記後続切替手段で選択された前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に基づいて、前記駆動部で前記後続湾曲区間の前記ワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する演算手段と、を有する。
また、本発明は、上述した連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法、及び、上述した連続体ロボットの制御システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、連続体ロボットの操作を安全に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成の一例を示す図である。 図1に示す連続体ロボットの概略構成のうち、1つの湾曲区間に関する詳細な概略構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す連続体ロボットの3つの湾曲区間を操作するための操作装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成の一例を示す図である。 図2に示す3つのワイヤに相当する第nの湾曲区間の3つのワイヤ(aワイヤ~cワイヤ)のxy平面における配置例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの先頭追従制御の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、図4のブロックFTLによる後続湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度の算出処理の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の第1例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の第2例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の第3例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の第1例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の第2例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムによる連続体ロボットの制御方法におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成の一例を示す図である。 本発明の第5の実施形態を示し、図1に示す連続体ロボットの3つの湾曲区間を操作するための操作装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成の一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成の一例を示す図である。図1には、連続体ロボット100の一構成として、基台部140及び湾曲可能部170が図示されている。
湾曲可能部170は、ワイヤが駆動することによって湾曲する複数の湾曲区間171~173が設けられた構成部(湾曲区間が複数設けられた構成部)である。具体的に、図1には、(n-2)に係る湾曲区間171、(n-1)に係る湾曲区間172、nに係る湾曲区間173のn個(3個)の湾曲区間が図示されている。また、図1では、湾曲区間173の湾曲角度θn及び旋回角度ζnを示すとともに、湾曲区間172の湾曲角度θn-1及び旋回角度ζn-1を示し、湾曲区間171の湾曲角度θn-2及び旋回角度ζn-2を示している。基台部140は、湾曲可能部170を支える構成部であり、その内部には、湾曲区間171~173のそれぞれのワイヤを駆動させるための駆動部であるアクチュエータ(図1では不図示)が設けられている。また、図1では、基台部140の上面141の所定位置(例えば中心の位置)に原点Oをとり、連続体ロボット100の進行方向(例えば前進する方向)をz方向とし、このz方向と直交する方向であって相互に直交する方向をx方向及びy方向とした、xyz座標系を図示している。このように、連続体ロボット100は、湾曲可能部170を構成する複数の湾曲区間171~173による湾曲動作に加えて、z方向に移動が可能となっている。この際、図1では、連続体ロボット100のz方向の移動量(前進量)を示す指標として基台部140の変位zbを図示している。
図1において、湾曲区間173は、湾曲可能部170を構成する複数の湾曲区間171~173のうち、基台部140から最も遠い位置にある最遠位湾曲区間である。湾曲区間172(湾曲区間171も同様)は、最遠位湾曲区間である湾曲区間173と基台部140との間に位置し、連続体ロボット100が前進する際に最遠位湾曲区間である湾曲区間173の後に続く後続湾曲区間である。なお、連続体ロボット100が前進する際に、最遠位湾曲区間である湾曲区間173は、先頭の湾曲区間となる。
図2は、図1に示す連続体ロボット100の概略構成のうち、1つの湾曲区間171に関する詳細な概略構成の一例を示す図である。即ち、図2は、基台部140から最も近い位置にある近位端の湾曲区間171に関する詳細な概略構成を示している。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。なお、図2では、湾曲区間171の湾曲角度をθ1で示すとともに湾曲区間171の旋回角度をζ1で示し、また、湾曲区間171の曲率半径(図2では、点Oと点w1とを結ぶ線分に相当する)をρ1で示している。
連続体ロボット100は、湾曲区間171の遠位端160の接続部121~123にワイヤ111~113が接続され、このワイヤ111~113が基台部140の内部に設置されているそれぞれのアクチュエータ131~133で押し引きされることによって、姿勢(湾曲形状)が制御される。ここで、アクチュエータ131は、ワイヤ111を駆動させるための駆動部であり、また、アクチュエータ132は、ワイヤ112を駆動させるための駆動部であり、さらに、アクチュエータ133は、ワイヤ113を駆動させるための駆動部である。
また、連続体ロボット100は、湾曲区間171において、ワイヤ111~113を案内するための部材であるワイヤガイド161~164を有する。ワイヤガイド161~164は、複数の部材を離散的に配置する方法の他に、蛇腹状やメッシュ状などの連続体部材を用いてもよい。ワイヤガイド161~164は、ワイヤ111に、固定部150~153において固定される。また、図2において、連続体ロボット100の中心軸を破線で示している。
また、本実施形態では、ワイヤ111~113を、xy平面内において反時計回りに、aワイヤ、bワイヤ及びcワイヤと呼ぶ。具体的に、図2に示す例では、ワイヤ111がaワイヤに相当し、湾曲区間171のアクチュエータ131の押し引きによるワイヤ111の駆動変位をlp1aとして図示している。また、図2に示す例では、ワイヤ112がbワイヤに相当し、湾曲区間171のアクチュエータ132の押し引きによるワイヤ112の駆動変位をlp1bとして図示している。さらに、図2に示す例では、ワイヤ113がcワイヤに相当し、湾曲区間171のアクチュエータ133の押し引きによるワイヤ113の駆動変位をlp1cとして図示している。
なお、図2に示す例では、湾曲区間171に関する詳細な概略構成のみを図示してその説明を行った。この点、図1に示す湾曲区間172及び湾曲区間173についても、図2に示す湾曲区間171に関する詳細な概略構成と同様に、それぞれが、ワイヤ111~113に相当するワイヤや、アクチュエータ131~133に相当するアクチュエータ、遠位端160に相当する遠位端、及び、ワイヤガイド161~164に相当するワイヤガイドを有して構成されている。ここで、一般化して、第nの湾曲区間を駆動するa~cワイヤの駆動変位をlpna,lpnb,lpncとする。
図3は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す連続体ロボット100の3つの湾曲区間171~173を操作するための操作装置200の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図3に示す第1の実施形態に係る操作装置200を「操作装置200-1」として説明を行う。
操作装置200-1は、図3に示すように、第1の湾曲区間171を操作するための第1の操作部210、第2の湾曲区間172を操作するための第2の操作部220、及び、第3の湾曲区間173を操作するための第3の操作部230を有して構成されている。
第3の操作部230において、構成部231~233は、最遠位湾曲区間である第3の湾曲区間173の湾曲角度θnに関する構成部である。具体的に、操作レバー231は、第3の湾曲区間173の湾曲角度θnに対する操作レバーであり、モータ232により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ233により検出される。この際、モータ232及び角度センサ233は、操作レバー231の筐体(不図示)に固定されている。また、第3の操作部230において、構成部234~236は、最遠位湾曲区間である第3の湾曲区間173の旋回角度ζnに関する構成部である。具体的に、操作レバー234は、第3の湾曲区間173の旋回角度ζnに対する操作レバーであり、モータ235により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ236により検出される。この際、モータ235及び角度センサ236は、操作レバー234の筐体(不図示)に固定されている。このように、第3の操作部230は、例えば操縦者に操作されることによって、最遠位湾曲区間である第3の湾曲区間173の目標湾曲角度θn及び目標旋回角度ζnを入力するための最遠位操作手段に相当する構成である。
第2の操作部220において、構成部221~223は、後続湾曲区間である第2の湾曲区間172の湾曲角度θn-1に関する構成部である。具体的に、操作レバー221は、第2の湾曲区間172の湾曲角度θn-1に対する操作レバーであり、モータ222により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ223により検出される。この際、モータ222及び角度センサ223は、操作レバー221の筐体(不図示)に固定されている。また、第2の操作部220において、構成部224~226は、後続湾曲区間である第2の湾曲区間172の旋回角度ζn-1に関する構成部である。具体的に、操作レバー224は、第2の湾曲区間172の旋回角度ζn-1に対する操作レバーであり、モータ225により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ226により検出される。この際、モータ225及び角度センサ226は、操作レバー224の筐体(不図示)に固定されている。このように、第2の操作部220は、例えば操縦者に操作されることによって、後続湾曲区間である第2の湾曲区間172(第2の後続湾曲区間)の目標湾曲角度θn-1及び目標旋回角度ζn-1を入力するための第2の後続操作手段に相当する構成である。
第1の操作部210において、構成部211~213は、後続湾曲区間である第1の湾曲区間171の湾曲角度θn-2に関する構成部である。具体的に、操作レバー211は、第1の湾曲区間171の湾曲角度θn-2に対する操作レバーであり、モータ212により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ213により検出される。この際、モータ212及び角度センサ213は、操作レバー211の筐体(不図示)に固定されている。また、第1の操作部210において、構成部214~216は、後続湾曲区間である第1の湾曲区間171の旋回角度ζn-2に関する構成部である。具体的に、操作レバー214は、第1の湾曲区間171の旋回角度ζn-2に対する操作レバーであり、モータ215により駆動される。また、その回転角度は、角度センサ216により検出される。この際、モータ215及び角度センサ216は、操作レバー214の筐体(不図示)に固定されている。このように、第1の操作部210は、例えば操縦者に操作されることによって、後続湾曲区間である第1の湾曲区間171(第1の後続湾曲区間)の目標湾曲角度θn-2及び目標旋回角度ζn-2を入力するための第1の後続操作手段に相当する構成である。
以上説明したように、操作装置200-1は、各湾曲区間171~173に対して、湾曲角度θ及び旋回角度ζのそれぞれについて操作レバー211~231及び214~234を備えている。また、本実施形態では、図4で後述する連続体ロボットの制御システム300が、連続体ロボット100の湾曲角度θもしくは旋回角度ζを任意の目標角度に制御しているとき、操作レバー211~231及び214~234をその角度と同様になるように制御する。
さらに、操作レバー211~231及び214~234には、操縦者の接触を検出するセンサ(不図示)が設けられている。この操作レバー211~231及び214~234に設けるセンサとしては、押しボタンスイッチが装備されていたり静電容量を検出するセンサが装備されていたりしてもよい。さらに、基台部140の変位zbを操作するための操作ボタン(不図示)を設けてもよく、また、動作モードを変更するためのスイッチ(不図示)を複数設けてもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300を「連続体ロボットの制御システム300-1」として説明を行う。具体的に、図4には、先頭追従制御と観察動作制御との切り替え制御系のブロック線図が示されている。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、ブロックPsは、制御対象である連続体ロボット100(より具体的には、図2に示す駆動部であるアクチュエータ131~133に相当するアクチュエータ)を示している。そして、図4において、ブロックPsからの出力であるlpは、ワイヤの駆動変位を示すベクトルである。また、図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、ブロックKsは、ワイヤの目標駆動変位lprefに整定させるための位置制御系である。
また、図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、ブロックPlは、モータを有する後続湾曲区間を操作するための操作系(後続操作手段)である。このブロックPlは、例えば、図3に示す例では、後続湾曲区間である第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171を操作するための第2の操作部220及び第1の操作部210に相当する操作系である。また、図4において、dθlf及びdζlfは、それぞれ、操縦者が後続湾曲区間の湾曲角度の操作レバー及び旋回角度の操作レバーに印加する操作トルクを表している。そして、図4において、ブロックPlの出力である後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfは、それぞれ、後続湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度を操作するための第2の操作部220及び第1の操作部210における操作レバーによる角度である。また、図4において、ブロックKlは、それを目標値に整定させるための位置制御系であり、また、このブロックKlの入力端及び出力端にそれぞれ接続されるブロックGin及びGoutは、0から1の値をとるゲインである。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、入力装置310は、最遠位湾曲区間(図1に示す例では、第3の湾曲区間173)の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltを、ブロックFTL及び運動学演算部340に入力する装置である。そして、入力装置310の出力である最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltは、それぞれ、最遠位湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度を操作するための第3の操作部230における操作レバー231及び234による角度である。なお、本実施形態では、最遠位湾曲区間である第3の湾曲区間173を操作するための図3に示す第3の操作部230に含まれる操作レバー231及び234は、モータ駆動されない。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、入力装置320は、連続体ロボット100の進行方向(例えば前進する方向)における基台部140の変位zbを、ブロックFTLに入力する装置である。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、ブロックFTLは、先頭追従制御アルゴリズムの構成例である。このブロックFTLは、入力装置310から入力された最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltと、入力装置320から入力された基台部140の変位zbと、に基づいて、後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLを算出する後続算出手段である。より具体的に、目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLは、後続湾曲区間に対する先頭追従制御系による目標値ベクトルを表している。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、切替スイッチ部330は、第1のスイッチ331及び第2のスイッチ332を備えて構成されている。第1のスイッチ331は、ブロックFTLから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLと、ブロックPlから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfと、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行うスイッチ(後続切替手段)である。第2のスイッチ332は、0または1の信号が入力されるスイッチであり、入力信号に応じて切替を行う。この切替スイッチ部330は、先頭追従制御が行われているときには(具体的には、第2のスイッチ332に1の信号が入力されているときには)、図4に示している2極双投形スイッチの状態となっている。即ち、ここで説明した先頭追従制御が行われているときには、第1のスイッチ331は、ブロックFTLから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLを選択するための切替処理を行う。そして、切替スイッチ部330は、後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると(具体的には、第2のスイッチ332に0の信号が入力されると)、本実施形態の制御系は、図4に示している2極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替える。即ち、ここで説明した後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると、第1のスイッチ331は、ブロックPlから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfを選択するための切替処理を行う。これにより、操縦者は、連続体ロボット100を先頭追従制御による姿勢(湾曲形状)から継ぎ目なく追加の操作を加えることが可能となる。
図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1において、運動学演算部(Kinematics)340は、第1のスイッチ331で選択された後続湾曲区間の目標湾曲角度θ及び目標旋回角度ζに基づいて、連続体ロボット100の駆動部で後続湾曲区間のワイヤを駆動させる際の目標駆動変位lprefを演算する演算手段である。さらに、本実施形態では、運動学演算部340は、入力装置310から入力された最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltに基づいて、連続体ロボット100の駆動部で最遠位湾曲区間のワイヤを駆動させる際の目標駆動変位lprefも演算する。
1)モデリング
本章では、連続体ロボット100の湾曲角度θ及び旋回角度ζを制御するためのアクチュエータによるワイヤの目標駆動変位を求めるため、運動学の導出を行う。
本章で用いる記号の定義を以下に示す。
d:湾曲区間の中心軸の長さ
θn:遠位端の湾曲角度
ζn:遠位端の旋回角度
ρn:湾曲区間の曲率半径
上述したように、本実施形態では、図2に示すワイヤ111~113に相当する各湾曲区間の3つのワイヤを、xy面内において反時計回りにaワイヤ、bワイヤ及びcワイヤと呼ぶ。また、第nの湾曲区間を駆動するa~cワイヤの駆動変位をlpna,lpnb,lpncとする。
図5は、図2に示す3つのワイヤ111~113に相当する第nの湾曲区間の3つのワイヤ(aワイヤ~cワイヤ)のxy平面における配置例を示す図である。図5に示すように、aワイヤ~cワイヤは、一片の長さをrsとする正三角形の頂点に配置されており、また、図5に示す位相角ξnは、第nの湾曲区間を駆動するワイヤの配置を決定する角度である。本実施形態では、位相角ξ1=0とする。
ここでは、以下の仮定をおき、連続体ロボット100の運動学を導出する。
1.各湾曲区間において、ワイヤは曲率一定に変形する。
2.ワイヤのねじり変形は考慮しない。
3.ワイヤは、長手方向に変形しない。
4.ワイヤガイドとワイヤ間の摩擦は考慮しない。
まず、第1の湾曲区間(図1及び図2の湾曲区間171に相当)におけるa~cワイヤの駆動変位lp1a,lp1b,lp1cと、第1の湾曲区間の遠位端の湾曲角度θ1及び旋回角度ζ1との関係は、以下の(1)式となる。
Figure 2022008179000002
次に、複数の湾曲区間を有する連続体ロボット100の第nの湾曲区間におけるa~cワイヤの駆動変位lpna,lpnb,lpncと、第nの湾曲区間の遠位端の湾曲角度θn及び旋回角度ζnとの関係を求める。ここで、湾曲区間数をeとし、第nの湾曲区間を駆動するワイヤの位相角ξnを以下の(2)式とする。
Figure 2022008179000003
これより、第nの湾曲区間におけるa~cワイヤの駆動変位lpna,lpnb,lpncは、以下の(3)式となる。
Figure 2022008179000004
次に、図3に示す操作装置200-1のモデリングを行う。
第nの湾曲区間の湾曲角度θnを指令する操作レバーのモータを含む全ての慣性モーメントをJθnとし、第nの湾曲区間の旋回角度ζnを指令する操作レバーのモータを含む全ての慣性モーメントをJζnとする。また、第nの湾曲区間の湾曲角度θnを指令する操作レバーに与える操縦者の操作トルクをdθnとし、第nの湾曲区間の旋回角度ζnを指令する操作レバーに与える操縦者の操作トルクをdζnとする。そして、第nの湾曲区間の湾曲角度θnを指令する操作レバーに与える制御トルクをuθnとし、第nの湾曲区間の旋回角度ζnを指令する操作レバーに与える制御トルクをuζnとすると、運動方程式は、以下の(4)式のようになる。
Figure 2022008179000005
Figure 2022008179000006
2)制御系設計
本章では、先頭追従制御系と、その途中で観察動作制御を行うための制御系の設計を行う。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボット100の先頭追従制御の一例を示す図である。この図6において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。また、図6では、図1に示すz方向を紙面下側から紙面上側に向かう方向にとっている。また、図6には、基台部140及び湾曲可能部170を含み構成された連続体ロボット100が進む目標経路610を点線で図示している。
ここで、先頭追従制御とは、図6に示すように、湾曲可能部170の最遠位湾曲区間が通る経路(目標経路610)と同じ経路を後続湾曲区間が通るように制御する方法である。ここで、以下の説明では、必要に応じて、連続体ロボット100の先頭である最遠位湾曲区間(図1に示す湾曲区間173)を「遠位湾曲区間」として説明し、上述した最遠位湾曲区間に連なる後続湾曲区間を「追従湾曲区間」として説明することがある。この際、先頭追従制御の一例としては、入力された遠位湾曲区間の第1の目標湾曲角度に応じて設定される、連続体ロボット100の前進移動に対応した追従湾曲区間の湾曲角度に関する第1の湾曲角度のプロファイルに従って、追従湾曲区間の湾曲角度が第1の目標湾曲角度に至るよう構成されている制御がある。
図6において、時点601は、基台部140の上面からz方向に延びる湾曲可能部170が湾曲していない初期状態を示している。その後、図6においては、時点602,時点603,時点604,時点605と時間が経過するのにしたがって、基台部140がz方向に移動して湾曲可能部170が湾曲する様子が示されている。
このような先頭追従制御により、連続体ロボット100は、空間をすり抜けるように進むことができる。なお、先頭追従制御は、予め目標経路610が定められていることは必須ではなく、例えば、最遠位湾曲区間の湾曲角度を、後続湾曲区間の湾曲角度に当該湾曲区間の長さをもって連続的に伝播させてもよい。この方法を用いると、例えば、操縦者は、ジョイスティックなどで最遠位湾曲区間の湾曲角度と基台部140の変位(移動量(前進量))に対して指令を与えることで、連続体ロボット100を実時間で先頭追従制御することができる。
2.1)先頭追従制御
図7は、本発明の第1の実施形態を示し、図4のブロックFTLによる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLの算出処理の一例を示す図である。なお、以下の図7の説明では、最遠位湾曲区間として図1の湾曲区間173を適用し、後続湾曲区間として図1の湾曲区間172を適用した場合を想定した例について説明する。図7において、グラフ上の座標は、基台部140の位置と湾曲区間(湾曲セクション)の湾曲角度との対を示している。説明のため、以下では、座標aに対応する湾曲角度のことを"角度a"、そして座標aに対応する基台部140の位置(変位)を位置a(変位a)と呼ぶことがある。
図7(a)において、横軸は、基台部140の変位zbを示し、また、縦軸は、最遠位湾曲区間及び後続湾曲区間の湾曲角度θを示している。図7(a)において、破線の「Leader」は、操縦者等により入力装置310を介して入力された最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θltに対応する、最遠位湾曲区間の湾曲角度のプロファイルを示している。また、図7(a)において、太破線の「Follower」は、例えば後続湾曲区間の目標湾曲角度θlfに対応する、追従湾曲区間の湾曲角度のプロファイルを示している。
図7(b)において、横軸は、基台部140の変位zbを示し、また、縦軸は、最遠位湾曲区間及び後続湾曲区間の目標旋回角度ζを示している。図7(b)において、破線の「Leader」は、操縦者等により入力装置310を介して入力された最遠位湾曲区間の目標旋回角度ζltに係る旋回角度のプロファイルを示している。また、図7(b)において、太破線の「Follower」は、例えば後続湾曲区間の目標旋回角度ζlfに係る旋回角度のプロファイルを示している。
図7(a)に関し、基台部140の変位zbが変位aにおいて、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θltが最遠位湾曲角度aから最遠位湾曲角度Bに変更されると、例えば、太破線の「Follower」で示す後続湾曲区間の目標湾曲角度θlfは、基台部140の変位zbが変位cにおいて、後続湾曲角度cから後続湾曲角度Dに変更されるように自動更新される。また、図7(b)に関し、基台部140の変位zbが変位aにおいて、最遠位湾曲区間の目標旋回角度ζltが最遠位旋回角度aから最遠位旋回角度bに変更されると、例えば、太破線の「Follower」で示す後続湾曲区間の目標旋回角度ζlfは、基台部140の変位zbが変位cにおいて、後続旋回角度cから後続旋回角度dに変更されるように自動更新される。ここで、変位cは、変位aと変位cの間の長さが後続湾曲区間の長さldとなるように決定される。
しかしながら、図7(a)及び図7(b)において、基台部140の変位zbが変位aと変位cとの間にあるときには、太破線の「Follower」で示す後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfは変化しない。そして、図7(a)において太破線の「Follower」で示す後続湾曲区間の目標湾曲角度θlfでは、変位cにおいて後続湾曲角度cから後続湾曲角度Dとなり、図7(b)において太破線の「Follower」で示す後続湾曲区間の目標旋回角度ζlfでは、変位cにおいて後続旋回角度cから後続旋回角度dとなるため、連続体ロボット100は急峻な挙動を示し、連続体ロボット100の操作性が損なわれる。
そこで、本実施形態では、図4のブロックFTLは、以下のようにして、後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLを算出する。
まず、図7(a)の目標湾曲角度θについては、図4のブロックFTLは、変位aと変位cとの間では変位aにおける目標湾曲角度aと変位cにおける目標湾曲角度Dとを結ぶ線で補間し、これを後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTLとして算出する。図7(a)では、この補間した部分を実線で示している。同様に、図7(b)の目標旋回角度ζについては、図4のブロックFTLは、変位aと変位cとの間では変位aにおける目標旋回角度aと変位cにおける目標旋回角度dとを結ぶ線で補間し、これを後続湾曲区間の目標旋回角度ζfFTLとして算出する。図7(b)では、この補間した部分を実線で示している。そして、図4のブロックFTLは、算出した後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTLに係る湾曲角度のプロファイル及び目標旋回角度ζfFTLに係る旋回角度のプロファイルを、例えば内部の記憶部に記憶する。
上述した図7の説明では、最遠位湾曲区間として図1の湾曲区間173を適用し、後続湾曲区間として図1の湾曲区間172を適用した場合を想定した例について説明した。そして、連続体ロボット100の湾曲可能部170の湾曲区間数が3つ以上、例えば、図1に示す湾曲可能部170の湾曲区間数が3つの場合において、上述した後続湾曲区間として図1の湾曲区間171を適用する場合には、例えば、上述した最遠位湾曲区間として1つ前の図1の湾曲区間172を適用することで実現可能である。
2.2)観察動作制御との切り替え制御
上記「2.1)先頭追従制御」の章で説明した先頭追従制御系を用いることで、操縦者が最遠位湾曲区間に角度指令を与えるのみで、後続の全ての湾曲区間の姿勢が制御される。しかしながら、目標経路610の状況により、操縦者が途中で観察動作制御を行うことが必要な場合が考えられる。これは、後続湾曲区間の姿勢に追加指令を加えることで可能となる。例えば、第2の湾曲区間172のアクチュエータのみを駆動すると、第3の湾曲区間173の姿勢は変化しない。この動作は、第3の湾曲区間173の先端の方向を一定に保ったまま湾曲可能部170の最遠位端の位置を変化させることができ、例えば胃壁や腸壁などの、連続体ロボット100の進行方向に対して斜めに走る壁面に沿って、観察する際に適している(以下、「斜視動作」と呼ぶ)。このとき、先端追従制御系による湾曲姿勢に対して操縦者の指令値が追加されるが、例えば、追加指令を与える操作系が中点復帰式のレバーであると、先頭追従制御による湾曲形状が把握しづらく、誤操作により連続体ロボット100自身やその周囲の対象物に損傷を及ぼす恐れがある。また、操作レバーを離すと、追加の操作量がリセットされてしまう。また、例えば、追加指令を与える操作系が湾曲角速度を与えるものであるとすると、追加の操作量はリセットされないが、結果として与えられる湾曲角度を把握することが直接的ではなく、難しい。これを解決するには、先頭追従制御中には、操作レバーの角度が湾曲角度や旋回角度と同期していることが望ましい。そこで、本実施形態では、操作装置200-1として、モータ及びエンコーダ等の角度センサを有している操作系を用いる。これにより、操縦者は、先頭追従制御による連続体ロボット100の姿勢を把握することができ、指令値を追加する場合には、そのまま操作レバーに操作トルクを与えればよい。
ここで再び、図4の説明を行う。
以下に、図4に示す連続体ロボットの制御システム300-1と、上記「1)モデリング」で示したモデル及び上記「2.1)先頭追従制御」の章で説明した先頭追従制御系との関係を説明する。
図4を用いて上述したように、ブロックPsは、制御対象である連続体ロボット100、ブロックPsからの出力であるlpは、ワイヤの駆動変位を示すベクトル、ブロックKsは、ワイヤの目標駆動変位lprefに整定させるための位置制御系である。また、ブロックPlは、(4)式に示したモータを含む操作系であり、ブロックKlは、それを目標値に整定させるための位置制御系であり、この位置制御系の入力端及び出力端に接続されるブロックGin及びGoutは、0から1の値をとるゲインである。なお、上述したように、本実施形態では、最遠位湾曲区間を操作するための操作部に含まれる操作レバーは、モータ駆動されない。
また、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltは、例えば、最遠位湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度の操作レバーの角度であり、(4)式におけるθln及びζlnと等しい。また、後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfは、例えば、後続湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度の操作レバーの角度であり、(4)式における[θl1,...,θln-1,ζl1,...,ζln-1]からなるベクトルである。また、上述したように、操作トルクdθlf及びdζlfは、操縦者が後続湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度の操作レバーに印加する操作トルクを表し、(4)式における[dθ1,...,dθn-1,dζ1,...,dζn-1]からなるベクトルである。
上述したように、先頭追従制御が行われているときには(具体的には、第2のスイッチ332に1の信号が入力されているときには)、切替スイッチ部330は、図4に示している2極双投形スイッチの状態となっている。そして、このときには、運動学演算部340には、FTLブロックから出力される先頭追従制御系のための後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLが入力される。同時に、先頭追従制御系のための後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLは、操作レバーの目標角度となり、また、ブロックGin及びブロックGoutの値には1が入力されるため、操作レバーの角度は、ブロックKlによってフィードバック制御されて後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLに追従する。このとき、操作レバーに印加される操作トルクdθlf及びdζlfは、外乱として抑圧されるため、操作レバーの角度θlf及びζlfには、ほとんど影響しない。
ここで、後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると(具体的には、第2のスイッチ332に0の信号が入力されると)、切替スイッチ部330は、図4に示している2極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替える。このとき、ブロックGin及びブロックGoutの値には0が入るため、操作レバーの制御系は遮断され、操作トルクdθlf及びdζlfにより操作レバーの角度θlf及びζlfを変動させることができる。そして、このときには、運動学演算部340には、操作レバーの角度θlf及びζlfが入力されるため、操縦者は、連続体ロボット100を先頭追従制御による姿勢から継ぎ目なく追加の操作を加えることが可能となる。その後、再び、後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が未検知となると(具体的には、第2のスイッチ332に1の信号が入力されると)、切替スイッチ部330は、図4に示している2極双投形スイッチの状態に切り替える。これにより、連続体ロボット100及び操作レバーの角度は、先頭追従制御による姿勢へと復帰する。なお、本実施形態では、連続体ロボット100の姿勢角度と操作レバーの角度とを一致させているが、この態様に限定されるものではなく、例えば倍率を与えてもよい。
3)シミュレーション
本章では、前章「2)制御系設計」で説明した先頭追従制御系を用いてシミュレーションを行う。シミュレーションでは、図1に示す連続体ロボット100の湾曲可能部170のように湾曲区間数が3であり、湾曲区間の長さを0.01mとした連続体ロボット100を対象とする。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の第1例を示す図である。具体的に、図8(a)~図8(f)は、横方向を図1のx方向とし、縦方向を図1のz方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図8(a)~図8(f)は、先頭追従制御と追加操作による制御を行い、基台部140が0.02mに進行するまでの湾曲可能部170の姿勢を段階的にスティック線図により示したものである。また、図8(a)~図8(f)では、実線で連続体ロボット100の湾曲可能部170の形状を示し、丸点で各湾曲区間の先端を示し、細線で各湾曲区間の先端の軌跡を示している。
まず、図8(a)では、操縦者の湾曲操作により、最遠位湾曲区間である第3の湾曲区間173が湾曲し、基台部140の進行を開始している姿勢を示している。続いて、図8(b)では、操縦者が基台部140をさらに進行させると、第2の湾曲区間172は、先頭追従制御系により、第3の湾曲区間173に追従していることがわかる。
続いて、図8(c)では、操縦者が第2の湾曲区間172の湾曲角度θにおける操作レバーの操作に基づく動作制御を示している。これにより、切替スイッチ部330が図4に示している2極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替わり、先頭追従制御の姿勢に対して追加の操作を行った姿勢を示している。さらに、図8(d)では、第2の湾曲区間172の湾曲角度θが浅くなる方向に追加操作が行われている姿勢を示している。これにより、第3の湾曲区間173の先端の方向を一定に保ったまま湾曲可能部170の最遠位端の位置を変化させる斜視動作ができることがわかる。
続いて、図8(e)では、操縦者による第2の湾曲区間172の湾曲角度θにおける操作レバーの操作が終了した状態を示し、追加操作の前の姿勢に復帰している。続いて、図8(f)では、さらに基台部140が進行し、第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171は、それぞれ、第3の湾曲区間173及び第2の湾曲区間172に追従し、先頭追従制御を継続することが可能であることがわかる。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の第2例を示す図である。具体的に、図9(a)~図9(f)は、横方向を図1のy方向とし、縦方向を図1のz方向とし、奥行き方向を図1のx方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図9(a)~図9(f)では、旋回角度ζに追加操作が加わるシミュレーション応答を示している。
まず、図9(a)及び図(b)では、上述した図8(a)及び図8(b)と同様に、先頭追従制御系が行われている。
続いて、図9(c)では、操縦者が第2の湾曲区間172の旋回角度ζが深くなる方向に操作レバーを操作した場合を示している。これにより、図9(c)では、切替スイッチ部330が図4に示している2極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替わり、先頭追従制御の姿勢に対して追加の操作が行われている姿勢を示している。さらに、図9(d)では、2の湾曲区間172の旋回角度ζが浅くなる方向に追加操作が行われている姿勢を示している。これにより、第3の湾曲区間173の先端の方向を一定に保ったまま湾曲可能部170の最遠位端の位置を湾曲形状の面外方向に変化させることができることがわかる。
図9(e)及び図9(f)では、さらに基台部140が進行し、第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171は、それぞれ、第3の湾曲区間173及び第2の湾曲区間172に追従し、先頭追従制御を継続することが可能であることがわかる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の第3例を示す図である。具体的に、図10(a)~図10(f)は、横方向を図1のy方向とし、縦方向を図1のz方向とし、奥行き方向を図1のx方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図10(a)~図10(f)では、図8の操作と図9の操作を組み合わせることで、3次元空間内で第3の湾曲区間173の先端の方向を一定に保ったまま湾曲可能部170の最遠位端の位置を操作している。
以上説明した第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1においては、ブロックFTLでは、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltと、基台部140の変位とに基づいて、後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLを算出するようにしている。そして、切替スイッチ部330では、ブロックFTLから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLと、後続操作手段に相当するブロックPlから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfとのうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行うようにしている。そして、運動学演算部340では、切替スイッチ部330で選択された後続湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度に基づいて、連続体ロボット100の駆動部で後続湾曲区間のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算するようにしている。
かかる構成によれば、先頭追従制御に基づく後続湾曲区間の動作制御と、後続操作手段からの操作に基づく後続湾曲区間の動作制御とを切り替えることができるため、意図せずに連続体ロボット100が対象物と接触してしまうことを回避することができる。これにより、対象物が傷ついたり連続体ロボット自体が破損したりすることを防止することができ、連続体ロボットの操作を安全に行うことができる。具体的に、本実施形態では、先頭追従制御系から継ぎ目なく観察動作制御に移行し、追加操作による斜視動作を行い、さらに、追加操作を終了すると再び先頭追従制御に復帰可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明においては、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第2の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。また、第2の実施形態に係る操作装置の概略構成は、図3に示す第1の実施形態に係る操作装置200-1の概略構成と同様である。
上述した第1の実施形態で説明した制御系は、最遠位湾曲区間については、操縦者の操作指令のみを与えていたが、第2の実施形態では、最遠位湾曲区間を後続湾曲区間の追加操作と連動させることにより、観察動作の種類を増やす形態を示す。例えば、図1に示す連続体ロボット100の湾曲可能部170のように湾曲区間数が3の場合では、第2の湾曲区間172と第3の湾曲区間173を同方向に駆動すると、連続体ロボット100の湾曲可能部170の先端位置を大きく変化させることができる。この動作は、例えば、体内を広範囲に渡って観察する際に、或いは臓器との接触を避けるために連続体ロボット100の最遠位端を大きく移動させる必要がある際に、適している(以下、「大湾曲動作」と呼ぶ)。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図11に示す第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300を「連続体ロボットの制御システム300-2」として説明を行う。また、この図11において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図11には、最遠位湾曲区間を後続湾曲区間の追加操作と連動させる制御系のブロック線図を示している。
図11に示す第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-2において、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1に対して、追加・変更された構成部は、以下のとおりである。
連続体ロボットの制御システム300-2では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、ブロックKlt、ブロックKltの入力端及び出力端にそれぞれ接続されるブロックGin及びGout、ブロックPlf、ブロックKrが追加されている。また、連続体ロボットの制御システム300-2では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、入力装置310が削除される変更がされ、ブロックFTLがブロックFTL+Memory(記憶部)に変更され、ブロックKlがブロックKlfに変更され、ブロックPlがブロックPlfに変更され、切替スイッチ部330に第3のスイッチ333が追加される変更がされている。さらに、連続体ロボットの制御システム300-2では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、第2のスイッチ332の後段にNOTゲートが追加されている。
図11において、ブロックPlt及びブロックPlfは、それぞれ、最遠位湾曲区間のモータを含む操作系(最遠位操作手段)及び後続湾曲区間のモータを含む操作系(後続操作手段)である。また、図11において、ブロックKlt及びKlfは、それぞれ、最遠位湾曲区間の操作系位置制御系及び後続湾曲区間の操作系位置制御系である。また、図11において、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltは、それぞれ、最遠位区間の湾曲角度の操作レバーによる角度及び最遠位区間の旋回角度の操作レバーによる角度であり、(4)式におけるθln及びζlnに相当する。操作トルクdθlt及びdζltは、操縦者が最遠位湾曲区間の湾曲角度及び旋回角度の操作レバーに印加する操作トルクを表し、(4)式におけるdθn及びdζnに相当する。また、ブロックFTL+Memory(記憶部)には、第1の実施形態における先頭追従制御に加えて、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltを記憶する記憶部が備えられている。
ブロックKrは、後続湾曲区間と最遠位湾曲区間の姿勢を連動するアルゴリズムであり、これを切り替えることにより動作の種類を変更することができる。具体的に、ブロックKrは、ブロックFTL+Memory(記憶部)に記憶されている最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltと、後続操作手段に相当するブロックPlfから入力された後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfとに基づいて、最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度を算出する最遠位算出手段である。
また、切替スイッチ部330の第3のスイッチ333は、ブロックKrから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度と、最遠位操作手段であるブロックPltから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltとのうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行うスイッチ(最遠位切替手段)である。
そして、本実施形態では、運動学演算部340は、第3のスイッチ333で選択された最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度に基づいて、連続体ロボット100の駆動部で最遠位湾曲区間のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する形態を採る。
本実施形態では、切替スイッチ部330は、先頭追従制御が行われているときには(具体的には、第2のスイッチ332に1の信号が入力されているときには)、図11に示している3極双投形スイッチの状態となっている。そして、この場合、第2のスイッチ332の後段に設けられているNOTゲートによって、図11の上方に記載されている最遠位湾曲区間の操作系のフィードバックループにおけるブロックGin及びGoutには0が入力される。これにより、最遠位湾曲区間の操作系は遮断され、操作トルクdθlt及びdζltによって操作レバーの角度θlt及びζltを変動させることができる。即ち、ここで説明した先頭追従制御が行われているときには、第3のスイッチ333は、ブロックPltから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltを選択するための切替処理を行う。そして、この場合、運動学演算部340には、ブロックPltから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltと、ブロックFTLから得られる後続湾曲区間の目標湾曲角度θfFTL及び目標旋回角度ζfFTLが入力される。
ここで、後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると(具体的には、第2のスイッチ332に0の信号が入力されると)、切替スイッチ部330は、図11に示している3極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替える。この場合、図11の下方に記載されている後続湾曲区間の操作系のフィードバックループにおけるブロックGin及びGoutには0が入力される。これにより、後続湾曲区間の操作系は遮断され、操作トルクdθlf及びdζlfによって操作レバーの角度θlf及びζlfを変動させることができる。同時に、運動学演算部340には、第1のスイッチ331を介して後続湾曲区間の目標湾曲角度θlf及び目標旋回角度ζlfが入力されるため、操縦者は、連続体ロボット100を先頭追従制御による姿勢から継ぎ目なく追加の操作を加えることが可能となる。一方、第2のスイッチ332の後段に設けられているNOTゲートによって、図11の上方に記載されている最遠位湾曲区間の操作系のフィードバックループにおけるブロックGin及びGoutには1が入力される。これにより、ブロックKltによる位置決め制御が有効となり、操縦者の操作トルクdθlt及びdζltは外乱として抑圧される。そして、この場合、第3のスイッチ333は、ブロックKrから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度を選択するための切替処理を行う。これにより、連続体ロボット100と操作レバーの双方ともに追加の操作量に連動し、最遠位湾曲区間に係る角度は、後続湾曲区間の追加操作量に連動することになる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-2による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の第1例を示す図である。具体的に、図12(a)~図12(f)は、横方向を図1のx方向とし、縦方向を図1のz方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図12(a)~図12(f)は、追加操作が加わるシミュレーション応答を示している。また、図12(a)~図12(f)では、実線で連続体ロボット100の湾曲可能部170の形状を示し、丸点で各湾曲区間の先端を示し、細線で各湾曲区間の先端の軌跡を示している。
図12(a)及び図12(b)では、上述した図9(a)及び図9(b)と同様の先頭追従制御系が行われている。
続いて、図12(c)では、操縦者が第2の湾曲区間172の湾曲角度θにおける操作レバーの操作に基づく動作制御を示している。これにより、切替スイッチ部330が図11に示している3極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替わり、先頭追従制御の姿勢に対して追加の操作を行った姿勢を示している。このシミュレーションでは、第2の湾曲区間172の先頭追従制御の指令角度と追加操作による角度との差分θl2-θ2FTLに対して、最遠位湾曲区間の湾曲角度θ3refが、以下の(8)式となるように連動させる。
Figure 2022008179000007
ここで、θ3Memは、ブロックFTL+Memory(記憶部)に記憶されている、切替スイッチ部330の3極双投形スイッチが切り替わる直前の最遠位湾曲区間の湾曲角度である。
さらに、図12(d)では、第2の湾曲区間172の湾曲角度θが浅くなる方向に追加操作が行われている姿勢を示している。これにより、第3の湾曲区間173は、常に前方の[x,y]=[0.015,0.4]付近の狭い領域を向きながら、観察方向が追加操作により変更されていることがわかる。
続いて、図12(e)及び図12(f)では、さらに基台部140が進行し、第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171は、それぞれ、第3の湾曲区間173及び第2の湾曲区間172に追従する先頭追従制御を継続することが可能であることがわかる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-2による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の第2例を示す図である。具体的に、図13(a)~図13(f)は、横方向を図1のx方向とし、縦方向を図1のz方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図13(a)~図13(f)は、追加操作による大湾曲動作を示している。
この図13に示すシミュレーションでは、第2の湾曲区間172の先頭追従制御の指令角度と追加操作による角度の差分に対して、最遠位端の湾曲角度θ3refが、以下の(9)式になるように連動させる。
Figure 2022008179000008
これにより、第2の湾曲区間172と第3の湾曲区間173が連動し、大きな湾曲動作を実現していることわかる。図13(e)及び図13(f)では、さらに基台部140が進行し、第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171は、それぞれ、第3の湾曲区間173及び第2の湾曲区間172に追従する先頭追従制御を継続することが可能であることがわかる。
なお、図12及び図13に示すシミュレーションでは、xz平面における湾曲可能部170の動作制御を想定したため、湾曲角度θを考慮した説明を行ったが、xyzの3次元空間の場合には、更に旋回角度ζも考慮した態様を採りうる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、意図せずに連続体ロボット100が対象物と接触してしまうことを回避することができる。これにより、対象物が傷ついたり連続体ロボット自体が破損したりすることを防止することができ、連続体ロボットの操作を安全に行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明においては、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第3の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。また、第3の実施形態に係る操作装置の概略構成は、図3に示す第1の実施形態に係る操作装置200-1の概略構成と同様である。
上述した第2の実施形態で説明した制御系は、最遠位湾曲区間を後続湾曲区間の追加操作と連動させた形態であったが、第3の実施形態では、後続湾曲区間同士を連動させることにより、観察動作の種類を増やす形態を示す。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図14に示す第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300を「連続体ロボットの制御システム300-3」として説明を行う。また、この図14において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。具体的に、図14には、後続湾曲区間同士を追加操作により連動させる制御系のブロック線図を示している。
図14に示す第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-3において、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1に対して、追加・変更された構成部は、以下のとおりである。
連続体ロボットの制御システム300-3では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、後続湾曲区間の制御系が2つの制御系に分割されて構成されたものである。具体的には、図4に示すブロックKl、ブロックKlの入力端及び出力端にそれぞれ接続されるブロックGin及びGout及びブロックPlを含む後続湾曲区間の制御系が、第2の湾曲区間172(第2の後続湾曲区間)の制御系として変更されている。より詳細に、第2の湾曲区間172の制御系は、図14に示すブロックKl2、ブロックKl2の入力端及び出力端にそれぞれ接続されるブロックGin及びGout及びブロックPl2を含む後続湾曲区間の制御系である。また、連続体ロボットの制御システム300-3では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、第1の湾曲区間171(第1の後続湾曲区間)の制御系が追加されている。より詳細に、第1の湾曲区間171の制御系は、図14に示すブロックKl1及びブロックPl1を含む後続湾曲区間の制御系である。さらに、連続体ロボットの制御システム300-3では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、制御ゲインブロックGwが追加されている。さらに、連続体ロボットの制御システム300-3では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、切替スイッチ部330において第1のスイッチ331に替えて第4のスイッチ334及び第5のスイッチ335が設けられている。
ブロックPl1は、第1の湾曲区間171(第1の後続湾曲区間)の目標湾曲角度θlf1及び目標旋回角度ζlf1を入力するモータを有する操作系(第1の後続操作手段)である。このブロックPl1は、例えば、図3に示す例では、後続湾曲区間である第1の湾曲区間171を操作するための第1の操作部210に相当する操作系である。具体的に、第1の湾曲区間171の目標湾曲角度θlf1及び目標旋回角度ζlf1は、第1の湾曲区間171の操作レバーによる角度である。また、操作トルクdθlf1及びdζlf1は、それぞれ、操縦者が、第1の湾曲区間171の湾曲角度における操作レバー及び第1の湾曲区間171の旋回角度における操作レバーに印加する操作トルクを表している。
ブロックPl2は、第2の湾曲区間172(第2の後続湾曲区間)の目標湾曲角度θlf2及び目標旋回角度ζlf2を入力するモータを有する操作系(第2の後続操作手段)である。このブロックPl2は、例えば、図3に示す例では、後続湾曲区間である第2の湾曲区間172を操作するための第2の操作部220に相当する操作系である。具体的に、第2の湾曲区間172の目標湾曲角度θlf2及び目標旋回角度ζlf2は、第2の湾曲区間172の操作レバーによる角度である。また、操作トルクdθlf2及びdζlf2は、それぞれ、操縦者が、第2の湾曲区間172の湾曲角度における操作レバー及び第2の湾曲区間172の旋回角度における操作レバーに印加する操作トルクを表している。
ブロックKl1は、第1の湾曲区間171(第1の後続湾曲区間)の操作系位置制御系であり、また、ブロックKl2は、第2の湾曲区間172(第2の後続湾曲区間)の操作系位置制御系である。
本実施形態においては、ブロックFTLは、第2の湾曲区間172の目標湾曲角度θf2FTL及び目標旋回角度ζf2FTLを算出するとともに、第1の湾曲区間171の目標湾曲角度θf1FTL及び目標旋回角度ζf1FTLを算出する。
図14に示す連続体ロボットの制御システム300-3において、制御ゲインブロックGwは、後続湾曲区間と最遠位湾曲区間の姿勢の比率を指定する行列であり、これを切り替えることにより動作の種類を変更できる。具体的に、図14に示す例では、制御ゲインブロックGwは、第2の後続操作手段であるブロックPl2から得られる第2の湾曲区間172の目標湾曲角度θlf2及び目標旋回角度ζlf2に対して制御ゲインを乗ずる制御ゲイン手段である。
本実施形態では、例えば第2の湾曲区間172の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると(具体的には、第2のスイッチ332に0の信号が入力されると)、切替スイッチ部330は、図14に示している3極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替える。これにより、切替スイッチ部330は、第4のスイッチ334において、第2の湾曲区間172の目標湾曲角度及び目標旋回角度として、第2の後続操作手段であるブロックPl2から得られる第2の湾曲区間172の目標湾曲角度θlf2及び目標旋回角度ζlf2を選択するための切替処理を行うとともに、第5のスイッチ335において、第1の湾曲区間171の目標湾曲角度及び目標旋回角度として制御ゲインブロックGwによって制御ゲインを乗じた第2の湾曲区間172の目標湾曲角度θlf2及び目標旋回角度ζlf2を選択するための切替処理を行う。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-3による連続体ロボット100の制御方法におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。具体的に、図15(a)~図15(f)は、横方向を図1のx方向とし、縦方向を図1のz方向としており、連続体ロボット100の湾曲可能部170における湾曲区間171~173の動作制御を時間経過の順に示している。より詳細に、図15(a)~図15(f)は、追加操作が加わるシミュレーション応答を示している。また、図15(a)~図15(f)では、実線で連続体ロボット100の湾曲可能部170の形状を示し、丸点で各湾曲区間の先端を示し、細線で各湾曲区間の先端の軌跡を示している。
まず、図15(a)及び図15(b)では、上述した図9(a)及び図9(b)と同様の先頭追従制御系が行われている。
続いて、図15(c)及び図15(d)では、操縦者が第2の湾曲区間172の湾曲角度の操作レバーを操作した場合を示している。これにより、図15(c)及び図15(d)では、切替スイッチ部330が図14に示している3極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替わり、先頭追従制御の姿勢に対して追加の操作が行われている姿勢を示している。このシミュレーションでは、第2の湾曲区間172の先頭追従制御の指令角度と追加操作による角度の差分θl2-θ2FTLに対して、第1の湾曲区間171の湾曲角度θ1refが以下の(10)式となるように連動させる。
Figure 2022008179000009
これにより、第3の湾曲区間173は、先端の方向は一定のままで、操縦者は、進行方向の前後方向に最遠位端の変位を変更できることがわかる。
続いて、図15(e)及び図15(f)では、さらに基台部140が進行し、第2の湾曲区間172及び第1の湾曲区間171は、それぞれ、第3の湾曲区間173及び第2の湾曲区間172に追従する先頭追従制御を継続することが可能であることがわかる。
なお、図15に示すシミュレーションでは、xz平面における湾曲可能部170の動作制御を想定したため、湾曲角度θを考慮した説明を行ったが、xyzの3次元空間の場合には、更に旋回角度ζも考慮した態様を採りうる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、意図せずに連続体ロボット100が対象物と接触してしまうことを回避することができる。これにより、対象物が傷ついたり連続体ロボット自体が破損したりすることを防止することができ、連続体ロボットの操作を安全に行うことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第4の実施形態の説明においては、上述した第1~第3の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第3の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第4の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。また、第4の実施形態に係る操作装置の概略構成は、図3に示す第1の実施形態に係る操作装置200-1の概略構成と同様である。
上述した第1~第3の実施形態は、先頭追従制御を伴う前進時における追加湾曲操作を想定した形態であった。第4の実施形態では、後退時の追加湾曲操作を想定した形態について説明する。ここで、後退時は、最遠位湾曲区間の湾曲角度θ及び旋回角度ζは、前進時と同様に操縦者が操作してもよいが、前進時の操作を記録しておき、それを基台部140の変位zbに応じて再現してもよい。
図16は、本発明の第4の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図16に示す第4の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300を「連続体ロボットの制御システム300-4」として説明を行う。また、この図16において、図11に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
図16に示す第4の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-4において、図11に示す第2の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-2に対して、追加・変更された構成部は、以下のとおりである。
連続体ロボットの制御システム300-4では、図11の連続体ロボットの制御システム300-2に対して、「Bk=1 Fw=0」ブロック350及び切替スイッチ部360が追加されている。また、連続体ロボットの制御システム300-4では、図11の連続体ロボットの制御システム300-2に対して、ブロックKrが削除される変更がされている。また、連続体ロボットの制御システム300-4では、図11の連続体ロボットの制御システム300-2に対して、切替スイッチ部330の第3のスイッチ333が第6のスイッチに変更され、さらに、第2のスイッチ332の後段のNOTゲートが乗算ブロック370に変更されている。
「Bk=1 Fw=0」ブロック350は、基台部140の変位zbに基づいて、基台部140が前進しているか後進しているかを判定する基台部判定手段であり、判定の結果、前進時は0の信号を出力し、後進時は1の信号を出力する。
切替スイッチ部360は、「Bk=1 Fw=0」ブロック350の判定結果に基づき、ブロックFTL+Memory(記憶部)に記憶されている最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度と、最遠位操作手段であるブロックPltから得られる最遠位湾曲区間の目標湾曲角度θlt及び目標旋回角度ζltとのうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う最遠位切替手段である。具体的に、切替スイッチ部360は、「Bk=1 Fw=0」ブロック350の出力信号と連動している。例えば、切替スイッチ部360は、「Bk=1 Fw=0」ブロック350によって基台部140が後進していると判定された場合(1の信号が出力された場合)、ブロックFTL+Memory(記憶部)に記憶されている最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度を選択するための切替処理を行う。そして、運動学演算部340は、この切替スイッチ部360で選択された最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度に基づいて、連続体ロボット100の駆動部で最遠位湾曲区間のワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する。
具体的に、図16に示している切替スイッチ部330の3極双投形スイッチの状態及び切替スイッチ部360の1極双投形スイッチの状態では、最遠位湾曲区間の操作レバーの位置決め制御は無効化される。そして、この場合、操縦者による操作レバーの操作角度が、切替スイッチ部360の1極双投形スイッチを介して運動学演算部340に入力されるため、先頭追従制御が行われる。ここで、基台部140が後進(後退)すると、切替スイッチ部360が図16に示している1極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替わる。この場合、最遠位湾曲区間の操作レバーの位置決め制御が有効化され、その目標値は、FTL+Memory(記憶部)から前進時に記録された基台部140の変位zbに応じた最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度が出力される。この最遠位湾曲区間の目標湾曲角度及び目標旋回角度は、同時に、運動学演算部340に入力されるため、連続体ロボット100は、前進時に記録された形状を後進(後退)しながら再現する。
後続湾曲区間の操作レバーへの操縦者の接触が検知されると、本実施形態の制御系は、切替スイッチ部330が図16に示している3極双投形スイッチの状態とは逆の方向に切り替える。この時の後続湾曲区間の動作は、上述した第1の実施形態と同様である。最遠位湾曲区間の制御については、基台部140の変位zbが前進時であっても後進時であっても、最遠位湾曲区間の操作レバーの位置決め制御は無効化され、操縦者による操作レバーの操作角度が、切替スイッチ部360を介さずに切替スイッチ部330を介して、運動学演算部340に入力される。
第4の実施形態によれば、後進時に最遠位湾曲区間に対して前進時の操作記録を再現するように制御しながら、第1の実施形態と同様に、操縦者の追加操作へと継ぎ目なく遷移が可能である。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第5の実施形態の説明においては、上述した第1~第4の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第4の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第5の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。また、本発明の第5の実施形態に係る連続体ロボットの制御システムの概略構成は、上述した第1~第4の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1~300-4の概略構成のいずれも適用可能である。
上述した第1~第4の実施形態では、図3に示す、各湾曲区間に対する湾曲角度及び旋回角度に1対1で対応する操作レバーを有する操作装置200-1を用いることを想定した形態であった。第5の実施形態では、操作装置200として2軸のモータ付きジョイスティックを用いる形態を示す。
図17は、本発明の第5の実施形態を示し、図1に示す連続体ロボット100の3つの湾曲区間171~173を操作するための操作装置200の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図17に示す第5の実施形態に係る操作装置200を「操作装置200-5」として説明を行う。
操作装置200-5は、図17に示すように、第1の湾曲区間171を操作するための第1の操作部240、第2の湾曲区間172を操作するための第2の操作部250、及び、第3の湾曲区間173を操作するための第3の操作部260を有して構成されている。
第1の操作部240は、操作レバー241、モータ242及び244、並びに、角度センサ243及び245を含み構成されている。操作レバー241は、第1の湾曲区間171の操作レバーである。角度センサ243及び245は、それぞれ、第1の湾曲区間171に対する操作角度φx1及びφy1を検出する。モータ242及び244は、それぞれ、操作角度φx1及びφy1に制御トルクを与えるためのモータである。
第2の操作部250は、操作レバー251、モータ252及び254、並びに、角度センサ253及び255を含み構成されている。操作レバー251は、第2の湾曲区間172の操作レバーである。角度センサ253及び255は、それぞれ、第2の湾曲区間172に対する操作角度φx2及びφy2を検出する。モータ252及び254は、それぞれ、操作角度φx2及びφy2に制御トルクを与えるためのモータである。
第3の操作部260は、操作レバー261、モータ262及び264、並びに、角度センサ263及び265を含み構成されている。操作レバー261は、第3の湾曲区間173の操作レバーである。角度センサ263及び265は、それぞれ、第3の湾曲区間173に対する操作角度φx3及びφy3を検出する。モータ262及び264は、それぞれ、操作角度φx3及びφy3に制御トルクを与えるためのモータである。
上述した第1~第4の実施形態で示した制御系で用いるためには、第nの湾曲区間に対する操作角度をφxn及びφynとすると、以下の(11)式に示すように座標変換すればよい。
Figure 2022008179000010
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第6の実施形態の説明においては、上述した第1~第5の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1~第5の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第6の実施形態に係る連続体ロボットの概略構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態に係る連続体ロボット100の概略構成と同様である。また、第6の実施形態に係る操作装置の概略構成は、図3に示す第1の実施形態に係る操作装置200-1の概略構成と同様である。
上述した第1~第5の実施形態で示した制御系は、先頭追従制御と追加操作の切り替えをするために、ブロックGin及びGoutに0の値または1の値を用いていた。しかしながら、このような2値による切り替えは、操作レバーの急峻な挙動を招くことが懸念されるため、以下の図18に示す制御系を適用することも可能である。
図18は、本発明の第6の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300の概略構成の一例を示す図である。以下の説明では、図18に示す第6の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300を「連続体ロボットの制御システム300-6」として説明を行う。また、この図18において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
図18に示す第6の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-6において、図4に示す第1の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-1に対して、追加・変更された構成部は、以下のとおりである。
連続体ロボットの制御システム300-6では、図4の連続体ロボットの制御システム300-1に対して、切替スイッチ部330の第2のスイッチ332における後段にローパスフィルタFlpfを追加している。この図18に示す第6の実施形態に係る連続体ロボットの制御システム300-6では、ローパスフィルタFlpfを介した信号がブロックGin及びGoutに入力されることになる。この際、ローパスフィルタFlpfの折点周波数は、1Hz程度とすればよい。図18では、第1の実施形態の制御系に対する変更点を説明したが、第2~第4の実施形態の制御系についても同様に変更してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:連続体ロボット、140:基台部、170:湾曲可能部、171~173:湾曲区間、300:連続体ロボットの制御システム、310:入力装置、320:入力装置、330:切替スイッチ部、340:運動学演算部

Claims (9)

  1. ワイヤが駆動することによって湾曲する湾曲区間が複数設けられた湾曲可能部と、前記湾曲可能部を支える基台部と、前記ワイヤを駆動する駆動部と、を備える連続体ロボットの制御システムであって、
    複数の前記湾曲区間のうち、前記基台部から最も遠い位置にある最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記連続体ロボットの進行方向における前記基台部の変位と、に基づいて、前記複数の湾曲区間のうち、前記最遠位湾曲区間と前記基台部との間に位置する後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を算出する後続算出手段と、
    操作されることによって前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する後続操作手段と、
    前記後続算出手段から得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記後続操作手段から得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う後続切替手段と、
    前記後続切替手段で選択された前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に基づいて、前記駆動部で前記後続湾曲区間の前記ワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する演算手段と、
    を有することを特徴とする連続体ロボットの制御システム。
  2. 前記後続切替手段は、前記後続操作手段への操縦者の接触が検知された場合、前記後続操作手段から得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を選択するための切替処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の連続体ロボットの制御システム。
  3. 前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記後続操作手段から入力された前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、に基づいて、前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を算出する最遠位算出手段と、
    操作されることによって前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する最遠位操作手段と、
    前記最遠位算出手段から得られる前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記最遠位操作手段から得られる前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う最遠位切替手段と、
    を更に有し、
    前記演算手段は、更に、前記最遠位切替手段で選択された前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に基づいて、前記駆動部で前記最遠位湾曲区間の前記ワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算し、
    前記最遠位切替手段は、前記後続操作手段への操縦者の接触が検知された場合、前記最遠位算出手段から得られる前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を選択するための切替処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の連続体ロボットの制御システム。
  4. 前記後続湾曲区間は、少なくとも2つの後続湾曲区間を備えており、
    前記後続操作手段は、前記2つの後続湾曲区間のうちの第1の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する第1の後続操作手段と、前記2つの後続湾曲区間のうちの前記第1の後続湾曲区間とは異なる第2の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する第2の後続操作手段と、を備えており、
    前記第2の後続操作手段から得られる前記第2の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に対して制御ゲインを乗ずる制御ゲイン手段を更に有し、
    前記後続切替手段は、前記第2の後続操作手段への操縦者の接触が検知された場合、前記第2の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度として前記後続操作手段から得られる前記第2の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を選択するための切替処理を行うとともに、前記第1の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度として前記制御ゲイン手段によって前記制御ゲインを乗じた前記第2の後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を選択するための切替処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の連続体ロボットの制御システム。
  5. 前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を記憶する記憶手段と、
    前記基台部の変位に基づいて、前記基台部が前進しているか後進しているかを判定する基台部判定手段と、
    操作されることによって前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する最遠位操作手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記最遠位操作手段から得られる前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う最遠位切替手段と、
    を更に有し、
    前記演算手段は、更に、前記最遠位切替手段で選択された前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に基づいて、前記駆動部で前記最遠位湾曲区間の前記ワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算し、
    前記最遠位切替手段は、前記基台部判定手段によって前記基台部が後進していると判定された場合、前記記憶手段に記憶されている前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を選択するための切替処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の連続体ロボットの制御システム。
  6. 操作されることによって前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する最遠位操作手段を更に有し、
    前記後続算出手段は、前記最遠位操作手段から得られる前記最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を用いて、前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を算出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の連続体ロボットの制御システム。
  7. 前記後続操作手段および前記最遠位操作手段は、モータと、前記モータにより駆動される操作レバーと、角度センサとを含み構成されていることを特徴とする請求項3、5、6のいずれか1項に記載の連続体ロボットの制御システム。
  8. ワイヤが駆動することによって湾曲する湾曲区間が複数設けられた湾曲可能部と、前記湾曲可能部を支える基台部と、前記ワイヤを駆動する駆動部と、を備える連続体ロボットの制御方法であって、
    複数の前記湾曲区間のうち、前記基台部から最も遠い位置にある最遠位湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記連続体ロボットの進行方向における前記基台部の変位と、に基づいて、前記複数の湾曲区間のうち、前記最遠位湾曲区間と前記基台部との間に位置する後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を算出する後続算出ステップと、
    操作されることによって前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度を入力する後続操作ステップと、
    前記後続算出ステップで得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、前記後続操作ステップで得られる前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度と、のうちのいずれか一方を選択するための切替処理を行う後続切替ステップと、
    前記後続切替ステップで選択された前記後続湾曲区間の目標湾曲角度および目標旋回角度に基づいて、前記駆動部で前記後続湾曲区間の前記ワイヤを駆動させる際の駆動変位を演算する演算ステップと、
    を有することを特徴とする連続体ロボットの制御方法。
  9. コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の連続体ロボットの制御システムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
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WO2023171232A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 キヤノン株式会社 連続体ロボット及びその制御方法、並びに、プログラム

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