JP2023085960A - エレベータ制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】自走ロボットが各フロア内への移動のためエレベータの籠に乗り込んで指定階まで昇降移動できるエレベータ制御システムを簡単、かつ、容易に提供する。【解決手段】多層階の建物内のフロアを走行可能なロボット10がエレベータの籠1100に乗り込み他の階のフロアに移動するためのエレベータ制御システム1であって、建物内に設けたロボットサーバー100と、エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことを、籠内に乗り込んだロボットが検知可能とするために各階に設置された情報供出手段500と、ロボットサーバー100から籠に対する行先階への移動についての指令(コマンド)を発出するために各階に設けたEVコントローラ200と、を備えるとともに、ロボットは、情報供出手段によって行先階のフロアに到着したことを確認すると籠から退出するような制御を行う制御部17を備えている。【選択図】図1(A)
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月4日~4月23日に、新型コロナの療養施設において、無人配送ロボットが食事を各室へ届ける配送作業などについて、この発明の特許を受ける権利を有しているFIG株式会社及びciRobotics株式会社は、報道陣(大分朝日放送、テレビ大分、大分合同新聞社、電波新聞社)へ公開した。 令和3年7月21日に、新型コロナの療養施設において無人配送ロボットが食事を各室へ届ける配送作業などについて、大分朝日放送が放映した。 令和3年7月21日に新型コロナの療養施設において無人配送ロボットが食事を各室へ届ける配送作業などについて、テレビ大分が放映した。 令和3年7月22日に、新型コロナの療養施設においてエレベータに乗り降りする無人配送ロボットが食事を各室へ届ける配送作業などについて、大分合同新聞が朝刊で報道した。 令和3年7月28日、新型コロナの療養施設においてエレベータに乗り降りする無人配送ロボットが食事を各室へ届ける配送作業などについて、電波新聞社が新聞紙上において報道した。 令和3年9月6日に、自律AIサービスロボットの縦移動(エレベータ乗降)を実現させるEVアダプターを使ったエレベータとロボットの連携システムについて、大分県が、webサイトにて公開を行った。
本発明は、例えば、ホテル、病院、介護施設、物流倉庫、レストランなどのような各種分野での多層階の建物内において、各フロア内の指定場所へ、例えば弁当などの品物を届けたり、各フロア内の指定場所からごみなどの指定物の収拾などを行うことができる自走式のロボット(以下、これを「自走ロボット」とよぶことがある。)に対して、他の階への移動を行うことができるエレベータ制御システムに関する。
従来、例えばお客様からの要望に応じてホテル内の各階の客室内のお客様などへ食べ物や飲み物などをお届けするルームサービスが広く行われている。
通常、この場合に食べ物や飲み物などを運ぶのは、ホテル内のスタッフなどが注文の飲み物や食べ物を持ち、或いは多くの飲み物や食べ物などの場合にはワゴンに載せて、エレベータなどを使い、指定階の客室までお届けしている。
また、例えば病院内の各病室の病人などの中には歩行がままならず、食堂などまで移動できない者などに対しては、給食用の食べ物などを収めたワゴンなどを用いて、エレベータで各階の病室などを回って弁当などを給仕することが多い。
しかしながら、何らかの理由でホテル内の各階の客室や病院内の病室まで立ち回ることが難しい状況もある。例えば、感染症対策のために隔離されている病院内の病室や隔離用のホテル内での客室への弁当などの配送を行うような場合には、十分な防護対策を施した衣服を身に着けて出向くことが必要である。その場合には、その着衣作業及び使用後の着衣の洗浄・消毒などの処理作業なども必要となっており、その作業が面倒であるのと同時に感染などの危険性を伴う虞もある。こういった事情から、多層階を有する建物内での安全な各種サービスを、人手を使って行うことが難しく、問題となっている。
そこで、人の替りに自走ロボットなどにこのようなサービスを行わせようとする試みもなされており、例えば特許文献1~3に記載のものなどが提案されている。
特許文献1には、複数台のロボットに対してエレベータを利用して移動先の指示・管理を行わせるために、エレベータ管理装置は、エレベータの運転状況に基づいて、ロボットの各々が 所望の移動先に到着するまでの時間を算出し、算出した 時間に基づいて少なくとも1つのロボットを特定する。そして、エレベータ管理装置は、特定した ロボットが所望の移動先まで移動するために利用可能なエレベータに関する情報を含む移動先情報を出力する構成のものが記載されている。
また、特許文献2には、地図情報に基づく走行経路を走行するロボットと、ロボットを搬送するエレベータと、地図情報を蓄積するサーバーとを備え、サーバーは、エレベータがロボットを搬送する際に、ロボットに対し、エレベータによって搬送された先のエリアの地図情報を送信する地図送信部を有するものが記載されている。
さらに、特許文献3には、遠隔制御や建物オーナーの依頼により設定状態の変更を行う監視センターと、建物内を移動するロボットで構成し、ロボットが建物の無線設備を利用し、監視センターに設けられる監視センターサーバー経由でエレベータへ、ロボットが現在居る階と、目的階と、移動 予定時刻を送信し、受信したエレベータはその時刻に、ロボットが現在居る階へかごを移動させ、続いて目的階への移動といった一連の制御を行う構成のものが記載されている。
特許文献1に記載のものにあっては、稼働中の複数台のロボットに対して、その中の特定のロボットへの移動制御及び管理を行うため移動先情報をそのロボットにあたえて、そのロボットが所望の移動先まで移動可能とする構成のものである。しかしながら、この特許文献1のものでは、エレベータの籠へロボットが出入りして異なるフロアへの移動を自由に行うための具体的な技術やシステムが得られないものであった。
また、特許文献2に記載のものは、エレベータでロボットを搬送する際の移動先のフロアのエリアに関する地図情報を送信して提供するものであり、自己位置推定や経路追従が円滑に行えるようにするためのものである。従って、この特許文献2でも、エレベータの籠へロボットが出入りして異なるフロアへの移動を自由に行うための具体的な技術やシステムを得ることができなかった。
さらに、特許文献3では、既存機器のみでロボットとエレベータとの連携可能とする制御方法を提供する構成となっているが、ロボット自身が移動依頼情報を作成、この移動依頼情報に基づき、監視センターサーバーがエレベータの制御・管理を行うように構成されている。別言すれば、監視センターサーバーを介在したエレベータの遠隔制御であるので、システムを構築するうえで大幅なシステム変更が必要となり、その分コストも増大するとともに、通常のエレベータシステムでは簡単かつ短時間での改修をできない虞が高い。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、自走ロボットが複数階の建物内の各フロア内への移動のためエレベータの籠に乗り込んで指定階まで昇降移動する際のエレベータ制御を行うことができる、別言すれば、自走ロボットがエレベータへの乗り降り可能となる、エレベータ制御システムを、通常のエレベータに対して大規模なシステムの修正を必要とせず、簡単、かつ、容易に提供することを目的とする。
請求項1の発明は、多層階の建物内のフロアを走行可能なロボットがエレベータの籠に乗り込み他の階のフロアに移動するためのエレベータ制御システムであって、前記ロボットの制御を行うために前記建物内に設けたロボットサーバーと、前記エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことを前記籠内に乗り込んだ前記ロボットが検知可能とするために、各階に設置された情報供出手段と、前記ロボットサーバーから前記籠に対する前記行先階への移動について発出される指令を受け取るために各階に設けたEVコントローラと、を備えるとともに、前記ロボットは、前記情報供出手段からの情報を受信することで前記行先階のフロアに到着したことを確認すると前記籠から退出するような制御を行う制御部を備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、前記ロボットサーバーからの指令を受けた前記EVコントローラからの制御によって作動し、前記籠の呼出しのための呼出ボタンを操作するEVボタン操作器具を備え、
前記EVボタン操作器具は、前記呼出ボタンの押動動作を機械的に行うための(電動)機構を有していることを特徴とする。
前記EVボタン操作器具は、前記呼出ボタンの押動動作を機械的に行うための(電動)機構を有していることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記ロボットサーバーは、前記ロボットの前記籠への乗込み動作完了の確認及び前記ロボットの前記籠からの退出動作の確認が行われたタイミングで、前記EVボタン操作具による前記EVボタンの押動動作を終了させるコマンドを前記EVコントローラへ発出するように構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、前記エレベータは、指定フロアにのみ停止して前記籠ドア及びエレベータドアが自動的に開閉する構成であって、前記ロボットには、前記建物側の前記エレベータドア及び前記エレベータの籠に設けた籠ドアの双方のドアが開いたタイミングで、前記情報供出手段からブロードキャスティングされているフロアIDに関する情報を前記ロボットが乗込んだ前記籠内で受信することで、前記籠の移動してきた階の階数を確認する階数確認手段を備えるとともに、前記ロボットの前記制御部は、前記検知した籠の現在の階の階数が、指定階である前記行先階に一致していることを確認してから前記ロボットに備えた走行移動機構を制御して前記籠から退出させるように構成されている、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、前記EVコントローラは、前記ロボットサーバーからの指令を受け、前記籠の行先階での停止動作及び前記エレベータドア及び籠ドアの開閉動作の各制御を行うためのコマンドを一括して発出するとともに、必要に応じて、前記籠に設けた籠ドア及び前記エレベータドアに対する開放時間の調整・制御を行うコマンドを発出するように構成されたことを特徴とする。
請求項6の発明は、前記EVコントローラからの前記コマンドに基づき、前記行先階での前記籠の停止動作と前記エレベータドア及び前記籠ドアの開閉動作とを制御するための制御信号を生成し、前記多層階の建物のEV塔内の制御器へ出力する制御手段、を設けた操作パネルが、前記各階のエレベータドアの近傍の、前記呼出ボタンパネル内に取付られていることを特徴とする。
請求項7の発明は、前記ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、前記ロボットが籠を待っていることを、ロボットサーバーに連絡するための連絡信号(待ち信号)を、前記ロボットから前記ロボットサーバーに送信するように構成されているとともに、前記ロボットサーバーは、前記ロボットからの前記連絡信号を受信すると、前記ロボットサーバーから前記EVコントローラへ籠呼出及び行先階での前記籠停止についての指令信号を出力するように構成され、かつ、前記EVコントローラは、前記EVボタン操作器具の作動を開始させるための制御信号を前記EVボタン操作器具の受信部へ送出するとともに、前記操作パネルの制御手段へ送出するように構成されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、前記ロボットのロボットサーバーは、前記ロボットが各フロアにおけるEVドアまで移動する際に自律走行を行うための走行コマンド群を、前記ロボットに対して時系列で送信するように構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明は、多層階の建物内のフロアを走行可能なロボットがエレベータの籠に乗り込み他の階のフロアに移動するためのエレベータ制御システムであって、前記ロボットの制御を行うために前記建物内に設けたロボットサーバーと、前記エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことを前記籠内に乗り込んだ前記ロボットが検知可能とするために、各階に設置された情報供出手段と、前記ロボットサーバーから前記籠に対する前記行先階への移動について発出される指令を受け取るために各階に設けたEVコントローラと、を備えるとともに、前記ロボットは、前記情報供出手段からの情報を受信することで前記行先階のフロアに到着したことを確認すると前記籠から退出するような制御を行う制御部を備えているものである。
従って、請求項1の発明によれば、多層階(複数階)からなる建物のフロア内への移動のためにロボットがエレベータの籠に乗り込んで指定階まで昇降移動する際のエレベータの籠及びエレベータのドアの制御を行うことができる。例えば多層階のホテルなどにおいて、各フロア内の指定場所へ品物を届ける無人配送ロボットが、自分自身だけで指定されている階のフロアへ自由に移動して、そのフロア内の各部屋に対応した場所へ、例えば弁当などの品物を配送することができるようになる。
また、このため、例えばホテル内の宿泊客などが利用する一般客用のエレベータなどであっても、制御システムに最小限必要な分だけ手を加えるとともに最小限必要な機器などを設置するだけで、一般客の利用と同様の運用システムを用いて、エレベータに乗り込んで各階のフロアへの移動を自由に行えるようになる。
換言すれば、態々、ロボット専用のエレベータ設備を新たに設置しなくても済むので、ロボットを利用して、例えばホテル、病院、介護施設、物流倉庫、工場、会社、その他の多層階からなる建物内において、各フロアの指定場所への弁当をはじめとする各種の宅配サービス、ごみ収集などのためのごみ箱の回収及び空となったゴミ箱を元の場所へ再載置などのゴミ処理サービス、宿泊客、病人、訪問客などの指定場所までの移動案内サービス、多層ビル内での各フロアの指定部署までの書類の集配及び引き取りなどの集配サービス、各フロアにおける清掃などを行うクリーンサービス、深夜などにおける各フロアでの見回り警備などを行う巡回警備サービス等の汎用性の高い多用途への応用・サービスが、現行の建物内に必要な機器やシステムを導入・設置することで実現可能となる効果がある。
請求項2の発明は、前記ロボットサーバーからの指令を受けた前記EVコントローラからの制御によって作動し、前記籠の呼出しのための呼出ボタンを操作するEVボタン操作器具を備え、前記EVボタン操作器具は、前記呼出ボタンの押動動作を機械的に行うための(電動)機構を有しているものである。
従って、このような構成のエレベータ制御システムによれば、ロボットサーバーからの指令を受けたEVコントローラからは所要の信号を送ることによって、EV操作器具を操作し、ロボット自身がいる階までエレベータを自由に呼び出すことができる。
このため、例えばホテル内の宿泊客などが利用する一般客用のエレベータなどであっても、制御システムに最小限必要な分だけ手を加えるとともに最小限必要な機器などを付加するだけで、一般客の利用と同様の運用システムをロボットに対しても使用可能になる。換言すれば、ロボット自身だけで、自由にエレベータに乗り込んで各階のフロアへの移動を自由に行えるようになる。
請求項3の発明は、前記ロボットサーバーは、前記ロボットの前記籠への乗込み動作完了の確認及び前記ロボットの前記籠からの退出動作の確認が行われたタイミングで、前記EVボタン操作具による前記呼出ボタンの押動動作を終了させるコマンドを前記EVコントローラへ発出可能に構成したものである。
従って、請求項3の発明によれば、ロボット自身のタイミングに合わせて、ロボットサーバーからコマンドを発出することでEV操作具を制御し、呼出ボタンの押圧動作を操作して自由にエレベータを呼び出すことができる。また、たとえ、他のフロアで人為的にEVボタンが押された場合でも、ロボットサーバー側のリトライ処理(ロボットが指定時間経過後も目的階のEVドア前に到着しない場合、あらためて目的階の呼出ボタンをサーバトリガーにより押下させる)ことにより、移動時間は余分に掛かるが、確実に目的階へとロボットは移動することができるようになる。これにより、エレベータを利用して別の階へ移動する場合に、物理的には呼出ボタンを単純に押下するだけですみ、それ以外は、ロボットサーバーからのコマンドに基づく電気的な処理で済むので、ロボットによる別の階への移動が容易に実現可能となる。
なお、この電気的な制御については、エレベータ塔の制御室などに設置されている制御器(例えば中央制御盤)などに直接アクセスして各階の呼出ボタンのON/OFF動作と同じ作用を発生させる所要の信号を入力することでもよい。
なお、この電気的な制御については、エレベータ塔の制御室などに設置されている制御器(例えば中央制御盤)などに直接アクセスして各階の呼出ボタンのON/OFF動作と同じ作用を発生させる所要の信号を入力することでもよい。
また、請求項4の発明は、前記エレベータは、指定フロアにのみ停止して前記籠ドア及びエレベータドアが自動的に開閉する構成であって、前記ロボットには、前記建物側の前記エレベータドア及び前記エレベータの籠に設けた籠ドアの双方のドアが開いたタイミングで、前記情報供出手段からブロードキャスティングされているフロアIDに関する情報を前記ロボットが乗込んだ前記籠内で受信することで、前記籠の移動してきた階の階数を確認する階数確認手段を備えるとともに、前記ロボットの前記制御部は、前記検知した籠の現在の階の階数が、指定階である前記行先階に一致していることを確認してから前記ロボットに備えた走行移動機構を制御して前記籠から退出させるように構成されているものである。
従って、籠内のロボットは、エレベータドアが開くタイミングで、そのフロアのエレベータドアの付近に設置されている情報供出手段からのブロードキャスティング電波を受信することで、現在停止した籠の到着フロアを確認することができる。そして、通常のエレベータであっても、情報供出手段を各フロアに配置するだけで、籠内に乗り込んだロボットが、その籠内に乗り込んだままの状態で籠が停止しているフロアの階数を確認することができるようになる。
請求項5の発明は、前記EVコントローラは、前記ロボットサーバーからの指令を受け、前記籠の行先階での停止動作及び前記エレベータドア及び籠ドアの開閉動作の各制御を行うためのコマンドを一括して発出するとともに、必要に応じて、前記籠に設けた籠ドア及び前記エレベータドアに対する開放時間の調整・制御を行うコマンドを発出するように構成されたものである。
従って、請求項5の発明によれば、ロボットサーバーとEVコントローラを備えることで、物理的な変更・修正などを行うことなく、電気的な制御を行うだけで、人が乗るエレベータをそのまま使用することが可能になるので、設備の追加が少なくて済み、その分コストの削減が図れるので、汎用性も高まる。
請求項6の発明は、前記EVコントローラからの前記コマンドに基づき、前記行先階での前記籠の停止動作と前記エレベータドア及び前記籠ドアの開閉動作とを制御するための制御信号を生成し、前記多層階の建物のEV塔内の制御器へ出力する制御手段、を設けた操作パネルが、前記各階のエレベータドアの近傍の、前記呼出ボタンパネル内に取付られているものである。
従って、請求項6の無人配送ロボット用エレベータ制御システムによれば、呼出ボタンパネルと一体で操作パネルを設置すれば、特に建物内部の一部に態々穴をあけるなどの大きな改修工事を行う必要なく、エレベータドア及び籠ドアの開閉動作とを制御するための制御手段を設けた操作パネルを付設することができる。
請求項7の発明は、前記ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、前記ロボットが籠を待っていることを、ロボットサーバーに連絡するための連絡信号(待ち信号)を、前記ロボットから前記ロボットサーバーに送信するように構成されているとともに、前記ロボットサーバーは、前記ロボットからの前記連絡信号を受信すると、前記ロボットサーバーから前記EVコントローラへ籠呼出及び行先階での前記籠停止についての指令信号を出力するように構成され、かつ、前記EVコントローラは、前記EVボタン操作器具の作動を開始させるための制御信号を前記EVボタン操作器具の受信部へ送出するとともに、前記操作パネルの制御手段へ送出するように構成されているものである。
請求項8の発明は、前記ロボットのロボットサーバーは、前記ロボットが各フロアにおけるEVドアまで移動する際に自律走行を行うための走行コマンド群を、前記ロボットに対して時系列で送信するように構成されているものである。
本発明は、多層階の建物内のフロアを走行可能なロボットがエレベータの籠に乗り込み他の階のフロアに移動するためのエレベータ制御システムであって、前記ロボットの制御を行うために前記建物内に設けたロボットサーバーと、前記エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことを前記籠内に乗り込んだ前記ロボットが検知可能とするために、各階に設置された情報供出手段と、前記ロボットサーバーから前記籠に対する前記行先階への移動について発出される指令を受け取るために各階に設けたEVコントローラと、を備えるとともに、前記ロボットは、前記情報供出手段からの情報を受信することで前記行先階のフロアに到着したことを確認すると前記籠から退出するような制御を行う制御部を備えているエレベータ制御システムを提供するものである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
<今回の修正の方針について>
☆指定階のみ停止の運用システムに変更とするので、今回新たに必要となる移動先階の指定についてはEVコントローラ200での無線(又は有線)による制御にすること(宮崎様からのご要望)。
<実施形態>
図1(A)及び(B)は、本発明の好適な実施形態に係るエレベータ制御システムを示す基本的な概略構成図であり、無人配送ロボット自身が単独でエレベータへの乗り込みを行い、別の階への移動を行うことができるようになっている。
<今回の修正の方針について>
☆指定階のみ停止の運用システムに変更とするので、今回新たに必要となる移動先階の指定についてはEVコントローラ200での無線(又は有線)による制御にすること(宮崎様からのご要望)。
<実施形態>
図1(A)及び(B)は、本発明の好適な実施形態に係るエレベータ制御システムを示す基本的な概略構成図であり、無人配送ロボット自身が単独でエレベータへの乗り込みを行い、別の階への移動を行うことができるようになっている。
本実施形態では、各種疾病感染対策のための隔離施設である感染者隔離用ホテルでの適用となっている。即ち、本実施形態では、感染者の宿泊施設として利用する多層階からなる建物であるホテルにおいて、宿泊者への弁当などを支給する無人配送ロボット(以下、「ロボット」と略す)自身が乗降りを行うエレベータ(以下、「EV」と略す)設備でのエレベータ制御システムについて説明する。
また、ここでの説明では、通常人が使用する昇降用の移動体(以下、これを「籠」とよぶ)を備えた一般のエレベータをそのまま本発明のEVとして使用しているが、本実施形態の場合、籠の呼出し及び移動先の階の選択・指定のための制御や指令系統については、その構成が若干であるが変更されている。
[EVシステムの構成]
本実施形態のEVは、原則としてロボットのみが利用するものとし、宿泊利用者(ここでは、ウイルスなどに感染され隔離されている宿泊者など)は使用しないものとするが、宿泊客が使用することも可能なシステム構成ではある。また、詳細は後述するが、このEVは通常のEVと同様、指定階のみ籠が停止するような運用システムとなっている。
本実施形態のEVは、原則としてロボットのみが利用するものとし、宿泊利用者(ここでは、ウイルスなどに感染され隔離されている宿泊者など)は使用しないものとするが、宿泊客が使用することも可能なシステム構成ではある。また、詳細は後述するが、このEVは通常のEVと同様、指定階のみ籠が停止するような運用システムとなっている。
なお、このEV制御システムを使用するロボットには、この無人配送ロボット以外に、例えばホテル内の使用済みリネン類などの回収、或いは、消毒済みの清浄なリネン類などの各客室への配達などの作業を行うための自走ロボットなどへの適用も勿論可能である。
本実施形態のエレベータ制御システム1(以下、「EVシステム1」とよぶ)は、後述するロボット10が、多層階のホテル内の各フロアへ自由に移動することを可能するためのエレベータ(以下、「EV1000」と略す)の制御システムである。
本実施形態のEVシステム1には、図1(A)に示すように、ロボットコントロールサーバー100(以下、「ロボットサーバー100」と略す)と、エレベータコントローラ200(以下、「EVコントローラ200」と略す)と、EV監視カメラ300(以下、「EVカメラ300」と略す)と、EVボタン操作器具400(以下、「EVPod400」とよぶ)と、情報供出手段500と、操作パネル600と、を備えている。
なお、本実施形態のEV1000は、従来のエレベータと略同様の構成であって、詳細は後述するが、呼出ボタンパネル1010に設けた呼出ボタンをEVPod400によって押圧させてエレベータ塔内を昇降するエレベータ籠1100(以下「籠1100」と略す)をロボット10のいるフロアの階へ呼び出すようになっている。
この呼出ボタンパネル1010は、詳細は後述するが、EVコントローラ200からの近距離無線通信(Bluetooth)によって籠1100の呼出指令を行うほか、この呼出ボタンパネルの裏面側である、本ホテルの建物内部に埋設した、後述する操作パネル600側との近距離無線通信も同時に行うことを可能とするため、近距離無線通信用の電波が届きやすいようにするため、呼出ボタンパネル1010の筐体部分には金属材料を避けた材質で形成されている。なお、操作パネル600についても、特に、呼出ボタンパネル1010に接する前面側の筐体部分に関しても、同様に、近距離無線通信用の電波が届きやすい材質のもので形成されている。
なお、EV1000は、詳細は後述するが、通常のEVと同様のシステム及び運用構成のものを使用するようになっている。本実施形態では、図6、図8~図10などに示すように、以下のような動作制御や指令(コマンド)を行うことで、籠1100への乗降りによって別の階のフロアへ移動可能となっている。
[ロボット、EVドア、籠の各動作の指令(コマンド)などについて]
[ロボット、EVドア、籠の各動作の指令(コマンド)などについて]
1)ロボット10がそのフロアにある後述のEVコントローラ200を介して呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンである、下行呼出ボタンDB又は上行呼出ボタンUBをEVPod400で遠隔操作して押圧することでこの階へ籠1100を呼び出す。すると、籠1100がそのフロアのエレベータドア1200(以下、「EVドア1200」と略す)に移動してくる。
2)そこで、ロボット10は、ロボット自身に内蔵する後述の障害物検知センサ13により、EVドア1200が開放したことを確認すると、籠1100に向けて移動して乗り込む。なお、この際、ロボット10が乗込み移動中にEVドア1200が閉まらないように、操作パネル600に設けた制御手段630は、タイマ620を制御することによって、一定時間、呼出ボタンのON状態を保持する。但し、このタイマ時間は、あらかじめ現場でのロボット10での走行テスト行うEVドア1200前からEV内の籠1100への乗込移動完了及び後述する籠1100からのロボット10の退出移動完了までの時間を考慮して設定してある。
なお、このロボット10が備える障害物検知センサ13は、この建物内のEVが複数台あるような場合であっても、待機するエレベーターホールなどにおいて、どのEVが移動してきてEVドアが開いたかの確認を行うことも可能になっている。
3)そして、このEVドア1200が開放されたことを検知したロボット10は、ロボットサーバー100に対してWiFiによる無線通信によって籠1100がこの階に到着したことを情報(以下、これを「乗込情報」とよぶことがある。)として送信・通知する。
4)この乗込情報を受信したロボットサーバー100は、必要な場合には、EVコントローラ200に向けて、EVドア1200及び籠1100に設けたドア(以下、これを「籠ドア1100A」とよぶ。)に対して、一定時間開閉動作時間を延ばすための閉鎖時間延長制御信号(以下、これを「延長閉信号」とよぶことがある。)を出力する。この延長閉信号を入力したEVコントローラ200は、一定時間開閉動作時間を延ばすための制御信号(以下、これを「時間制御信号」とよぶことがある。)を後述する操作パネル600へ送信する。
5)一方、操作パネル600では、ロボットサーバー100を介してEVコントローラ200からの行先階停止信号を受信した受信手段610は、タイマ620へ制御信号を出力する。この制御信号を入力したタイマ620は、タイマ信号を制御手段630へ出力するとともに、この制御手段630からは制御信号が制御器2000へ出力される。
その結果、制御器2000では、EVドア1200及び籠ドア1100Aの閉鎖動作を作動制御する。これにより、一定時間が経過すると、そのフロアに設けたEVドア1200が閉じる。
なお、このドア閉鎖時間の制御に関しては、ロボット10の籠1100への乗込みに要する時間t1が、EVドア1200の閉鎖までの時間Teや籠ドア1100Aの閉鎖までの時間Tkに比べて十分に短いか否かを予め模擬実験などで確認しておき、時間的な余裕が十分ある場合にはここでの時間延長制御は必要がないので省略することができる。
6)また、これと同時に、ロボットサーバー100は、EVコントローラ200に対して、移動して降りる階(以下、これを「行先階」とよぶことがある。)を選択・指定する行先階についての情報(以下、これを「行先階情報」とよぶことがある。)を出力する。
7)この行先階情報を入力したEVコントローラ200は、操作パネル600に対して、籠1100が所定の行先階で停止するための制御信号(以下、これを「行先階停止信号」とよぶ)を無線通信で送信する。
8)一方、操作パネル600では、ロボットサーバー100を介してEVコントローラ200からの行先階停止信号を受信した受信手段610が、制御手段630へ制御信号を出力する。この制御信号を入力した制御手段630では、制御信号が制御器2000へ出力される。これによってEV塔内の制御器2000では、指定階での籠停止制御のための信号を巻上モータ3000へ出力することで、この巻上モータ3000の動作制御を行う。
9)従って、選択・指定された籠1100は、行先階のフロアに設けたEVドア1200の正面まで、ロボット10を乗せたまま上昇又は降下する。
10)指定されたフロアに籠1100が到着すると、開放した籠ドア1100A及びEVドア1200を介してビーコン(Bluetoothでの近距離無線通信)で構成される情報供出手段500との無線通信で指定フロアであることを籠1100内のロボット10が確認する。
11)そして、籠1100内から開放してある籠ドア1100A及びEVドア1200を通過して籠1100から降り、指定フロアに移動してくる。なお、この際、EVの籠1100が目的階のフロア上のEVドア1200前に到着した際、目的階での呼出ボタンのOFF要求信号がロボット10からロボットサーバー100に送信される。但し、ロボット10が目的階のフロアへ退出した際に、万一、まだロボット10がロボットサーバー100と通信できない状態の場合、前述したタイマの動作によって、ロボットサーバー100が目的階の呼出ボタンOFF信号を、操作パネル600の受信手段610へ向けて送信する。
2)そこで、ロボット10は、ロボット自身に内蔵する後述の障害物検知センサ13により、EVドア1200が開放したことを確認すると、籠1100に向けて移動して乗り込む。なお、この際、ロボット10が乗込み移動中にEVドア1200が閉まらないように、操作パネル600に設けた制御手段630は、タイマ620を制御することによって、一定時間、呼出ボタンのON状態を保持する。但し、このタイマ時間は、あらかじめ現場でのロボット10での走行テスト行うEVドア1200前からEV内の籠1100への乗込移動完了及び後述する籠1100からのロボット10の退出移動完了までの時間を考慮して設定してある。
なお、このロボット10が備える障害物検知センサ13は、この建物内のEVが複数台あるような場合であっても、待機するエレベーターホールなどにおいて、どのEVが移動してきてEVドアが開いたかの確認を行うことも可能になっている。
3)そして、このEVドア1200が開放されたことを検知したロボット10は、ロボットサーバー100に対してWiFiによる無線通信によって籠1100がこの階に到着したことを情報(以下、これを「乗込情報」とよぶことがある。)として送信・通知する。
4)この乗込情報を受信したロボットサーバー100は、必要な場合には、EVコントローラ200に向けて、EVドア1200及び籠1100に設けたドア(以下、これを「籠ドア1100A」とよぶ。)に対して、一定時間開閉動作時間を延ばすための閉鎖時間延長制御信号(以下、これを「延長閉信号」とよぶことがある。)を出力する。この延長閉信号を入力したEVコントローラ200は、一定時間開閉動作時間を延ばすための制御信号(以下、これを「時間制御信号」とよぶことがある。)を後述する操作パネル600へ送信する。
5)一方、操作パネル600では、ロボットサーバー100を介してEVコントローラ200からの行先階停止信号を受信した受信手段610は、タイマ620へ制御信号を出力する。この制御信号を入力したタイマ620は、タイマ信号を制御手段630へ出力するとともに、この制御手段630からは制御信号が制御器2000へ出力される。
その結果、制御器2000では、EVドア1200及び籠ドア1100Aの閉鎖動作を作動制御する。これにより、一定時間が経過すると、そのフロアに設けたEVドア1200が閉じる。
なお、このドア閉鎖時間の制御に関しては、ロボット10の籠1100への乗込みに要する時間t1が、EVドア1200の閉鎖までの時間Teや籠ドア1100Aの閉鎖までの時間Tkに比べて十分に短いか否かを予め模擬実験などで確認しておき、時間的な余裕が十分ある場合にはここでの時間延長制御は必要がないので省略することができる。
6)また、これと同時に、ロボットサーバー100は、EVコントローラ200に対して、移動して降りる階(以下、これを「行先階」とよぶことがある。)を選択・指定する行先階についての情報(以下、これを「行先階情報」とよぶことがある。)を出力する。
7)この行先階情報を入力したEVコントローラ200は、操作パネル600に対して、籠1100が所定の行先階で停止するための制御信号(以下、これを「行先階停止信号」とよぶ)を無線通信で送信する。
8)一方、操作パネル600では、ロボットサーバー100を介してEVコントローラ200からの行先階停止信号を受信した受信手段610が、制御手段630へ制御信号を出力する。この制御信号を入力した制御手段630では、制御信号が制御器2000へ出力される。これによってEV塔内の制御器2000では、指定階での籠停止制御のための信号を巻上モータ3000へ出力することで、この巻上モータ3000の動作制御を行う。
9)従って、選択・指定された籠1100は、行先階のフロアに設けたEVドア1200の正面まで、ロボット10を乗せたまま上昇又は降下する。
10)指定されたフロアに籠1100が到着すると、開放した籠ドア1100A及びEVドア1200を介してビーコン(Bluetoothでの近距離無線通信)で構成される情報供出手段500との無線通信で指定フロアであることを籠1100内のロボット10が確認する。
11)そして、籠1100内から開放してある籠ドア1100A及びEVドア1200を通過して籠1100から降り、指定フロアに移動してくる。なお、この際、EVの籠1100が目的階のフロア上のEVドア1200前に到着した際、目的階での呼出ボタンのOFF要求信号がロボット10からロボットサーバー100に送信される。但し、ロボット10が目的階のフロアへ退出した際に、万一、まだロボット10がロボットサーバー100と通信できない状態の場合、前述したタイマの動作によって、ロボットサーバー100が目的階の呼出ボタンOFF信号を、操作パネル600の受信手段610へ向けて送信する。
[ロボットの構成]
初めに、このEVシステム1を使用する対象であるロボット10、即ち、無人配送ロボットについて、図3を参照しながら詳細に説明する。
このロボット10は、同図に示すように、走行移動機構として設けたモータ11と、前カメラ12A及び後カメラ12Bからなるカメラ12(以下、これを「ロボットカメラ12」と呼ぶことがある。)と、障害物検知センサ13と、階数確認手段14と、WiFi通信機15と、コントローラCTRの操作で、ロボット10を遠隔操作するためのコントローラ受信機16と、自律走行制御部17(以下、「制御部17」とよぶ)と、を備えている。なお、ロボット10には、ロボットサーバー100との通信のために固有のIPアドレスなどが割り当てられており、このIPアドレスの設定などについては、ロボット10本体に対して初期設定作業を行うことが必要となっている。
初めに、このEVシステム1を使用する対象であるロボット10、即ち、無人配送ロボットについて、図3を参照しながら詳細に説明する。
このロボット10は、同図に示すように、走行移動機構として設けたモータ11と、前カメラ12A及び後カメラ12Bからなるカメラ12(以下、これを「ロボットカメラ12」と呼ぶことがある。)と、障害物検知センサ13と、階数確認手段14と、WiFi通信機15と、コントローラCTRの操作で、ロボット10を遠隔操作するためのコントローラ受信機16と、自律走行制御部17(以下、「制御部17」とよぶ)と、を備えている。なお、ロボット10には、ロボットサーバー100との通信のために固有のIPアドレスなどが割り当てられており、このIPアドレスの設定などについては、ロボット10本体に対して初期設定作業を行うことが必要となっている。
モータ11は、ロボット本体を前後左右で支持する図示外の車輪の回転動作を行うものであり、制御部17の出力に接続されており、制御部17からの制御信号によって作動する。
ロボットカメラ12は、前述したように、ロボット本体の前後に設けた前カメラ12A及び後カメラ12Bからなる。前方カメラ12A及び後方カメラ12Bは、制御部17の入力に接続されている。制御部17では、取り込んだこのロボットカメラ12からの撮影情報を、ロボット10の移動走行の際の車輪駆動用のモータ11の駆動などの際の制御に利用することができる。また、これと同時に、詳細は後述するが、このロボットカメラ12、障害物検知センサ13、及び後述するEVカメラ300などとの協働作用により、ロボット10がEV1000に乗降する際のロボット10の現在位置付近のフロアの状況、例えば進行する方向でのフロアの障害物の有無、さらにはEVドア1200の開閉状態の確認などの検知などに利用することもできるようになっている。なお、本発明では、3D―LiDARを搭載し、3次元での障害物位置の検知を行うような構成としてもよい。
なお、本実施形態では1台のロボットでの運用であるが、例えば複数台のロボットを運用する際にも、このロボットカメラ12は便宜である。例えば各ロボットに画像処理手段などを備えてあれば、このロボットカメラ12からの画像情報を、このロボットとは一定距離内で移動走行を行っている別のロボットが受信してその画像情報を確認することで、1台のロボットがエレベータの籠から降りる際に、エレベータドアの近傍を移動する他のロボットとの側面衝突や、廊下などでのコーナーを通過する際に、コーナーに隠れて見えないコーナー先から移動してくるロボットとの出会いがしらの衝突事故などを事前に回避することも可能となるものである。
障害物検知センサ13は、ロボット10が各階のフロアやEV1000の籠1100への退出の際の走行先の進路などでの障害物の有無を確認するためだけではなく、EVドア1200の開状態検知及び移動してきた籠ドア1100Aの開状態検知などを行うものである。
このため、例えば本実施形態の障害物検知センサ13には、レーザーを用いた非接触式測距センサ、即ち2D-LiDAR(Radio Detection and Ranging)などを使用しているが、赤外線センサや超音波センサなどの使用でも可能である。さらに、本実施形態の障害物検知センサ13は、ここで得られた検知情報をロボット10の籠1100への出入動作やロボット10の走行移動の際のモータ11の駆動動作などに用いるだけではなく、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping:自己位置推定と環境地図作成の同時実行)、自律走行などのためにも用いることができるようになっており、出力が制御部17の入力に接続されている。
階数確認手段14は、ロボット10の現在いるフロアの階を確認するためのものであり、本実施形態ではBLEビーコン受信機(以下、これを「ビーコン受信機14」とよぶ)で構成されており、ロボット10内の、例えば情報供出手段500からの電波を受けやすい部位に設置されている。これにより、現在のロボット10のいるフロアの確認やEVの籠1100に乗り込んだロボット10が籠1100から降り出すのに先立ち、籠ドア1100A及びEVドア1030の開いたタイミングで、ロボット10がフロアの階数の確認などを行えるようになっている。
なお、詳細は後述するが、情報供出手段500は、例えば各フロアのEVドア1200(図4参照)の出口に臨む部分などに配設されている。本実施形態の情報供出手段500では、例えば波長λ12.5cm、周波数2.4GHzの電波を利用してビーコン受信機14を装備したロボット10までの距離を測定することができるようになっている。
WiFi(Wireless Fidelity)通信機15は、ロボットサーバー100との送受信、EVカメラ300からの撮影情報などの受信、EVPod400への送信を行うためのものである。このWiF通信機15は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:電気・情報工学分野の学術研究団体)802.11規格に準拠した相互接続が可能な、無線LANの規格であり、LAN(Local Area Network)などを介してロボットサーバー100との無線通信接続を行っている。
コントローラ受信機16は、本実施形態では、例えば必要時や緊急時などの際に、ロボット10を自律走行させるのではなく、操作者によるコントローラCTRの操作によって遠隔操作するためのものである。本実施形態のコントローラ受信機16は、コントローラCTRから発振される固有の所定周波数の電波を受信することによって通信制御される。
制御部17は、移動用のモータ11と、ロボットカメラ12と、障害物検知センサ13と、階数確認手段14と、WiFi通信機15と、コントローラ受信機16との間の制御を行うものであり、これらの機器との間が電気的に接続されている。
さらに、本発明では、ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、ロボットが籠を待っていることをロボットサーバーに連絡して知らせるための連絡信号(待ち信号)を、ロボットからロボットサーバーに直接送信するようにしてもよい。このようにすれば、ロボットサーバーが早めに知ることができる。即ち、ロボットサーバーは、ロボットがEVドア近くまで来たことを、EVカメラ300などで捉えた撮影情報などから検知するのに比べ、より早く知ることができるので、籠の到着待ち時間を削減させることが可能となる。
[EVシステムでの具体的かつより詳細な構成]
次に、図1、図2などを参照しながらEVシステム1について詳細に説明する。
ロボットサーバー100は、多層階からなる建物である本ホテルに1台だけ用意されており、例えば、ロボット10の配送サービスのために各フロアでの移動走行路(各フロアごとに記憶する通路などでの走行)、各フロア内の室番号(必要な場合に使用する室内呼出電話などに紐づいたルームナンバーなど)、その他の必要情報、即ち、各フロアのマップデータ(2次元的、又は3次元的な地図情報)、各室情報(そのフロア内にある各室に関する各種の情報、例えば各室の指定期日での宿泊者の有無、宿泊者がありの場合の宿泊者数及び滞在日程(スケジュール)、退出予定者の退出予定時間、宿泊予定者の入室予定時間等、フロア情報などを記憶している。
次に、図1、図2などを参照しながらEVシステム1について詳細に説明する。
ロボットサーバー100は、多層階からなる建物である本ホテルに1台だけ用意されており、例えば、ロボット10の配送サービスのために各フロアでの移動走行路(各フロアごとに記憶する通路などでの走行)、各フロア内の室番号(必要な場合に使用する室内呼出電話などに紐づいたルームナンバーなど)、その他の必要情報、即ち、各フロアのマップデータ(2次元的、又は3次元的な地図情報)、各室情報(そのフロア内にある各室に関する各種の情報、例えば各室の指定期日での宿泊者の有無、宿泊者がありの場合の宿泊者数及び滞在日程(スケジュール)、退出予定者の退出予定時間、宿泊予定者の入室予定時間等、フロア情報などを記憶している。
また、特に、このロボットサーバー100は、無線LANまたはWiFi或いは有線によってロボット10及びEVコントローラ200へ必要なデータ、例えばロボット10がこのフロアから次にどの階数のフロアへ移動予定であるかなど、といった階数移動情報や、このためにEV1000を使用する際の使用予定時刻などの各種の必要情報を送信するとともに、ロボット10の自律移動の際の必要となる移動動作などに関係する各種の必要な制御なども行う。
[ロボットから制御器までの信号の流れ]
特に本実施形態のロボットサーバー100では、例えば図6に示すように、次の移動先である指定階、即ち行先階で籠1100の昇降動作を停止させるための第1信号α(籠停止階指示信号)を生成してEVコントローラ200に出力するようになっている。なお、この第1信号αを入力したEVコントローラ200では、後述する操作パネル600の制御手段630へ第2信号β(次段での籠停止階指示信号)を生成して送信するようになっている。さらに、この第2信号βを受信した制御手段630からは、第3信号γ(第3段目の籠停止階指示信号)を生成してエレベータ設備としてエレベータ塔内に設けてある制御器2000(図4参照)へ出力するようになっている。
特に本実施形態のロボットサーバー100では、例えば図6に示すように、次の移動先である指定階、即ち行先階で籠1100の昇降動作を停止させるための第1信号α(籠停止階指示信号)を生成してEVコントローラ200に出力するようになっている。なお、この第1信号αを入力したEVコントローラ200では、後述する操作パネル600の制御手段630へ第2信号β(次段での籠停止階指示信号)を生成して送信するようになっている。さらに、この第2信号βを受信した制御手段630からは、第3信号γ(第3段目の籠停止階指示信号)を生成してエレベータ設備としてエレベータ塔内に設けてある制御器2000(図4参照)へ出力するようになっている。
同様に、ロボットサーバー100では、同様の経路で制御手段630に対して、EVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉動作及び開放時間を制御するための信号も出力することができるように構成されている。
さらに、このロボットサーバー100では、ロボット10の自律走行を行うために走行コマンド群を送信するようになっている。これには、例えば各フロアにおけるEV1000までの移動時、どのようなコマンドを時系列で実行するかなどが含まれてある。走行環境によってそれらコマンド種類やコマンドパラメータを調整する必要がある。なお、各種自律走行用パラメータについては、ロボット管理アプリ上から即時に変更することができる。一方、ロボット10には、前述したように、IPアドレスなどが割り当てられているが、この設定については、ロボット10本体に対する設定作業が必要である。
EVコントローラ200は、ロボット10のエレベータ1000への乗降りに関する必要な制御を行うためのものであり、これには、
(I)EVPod400に関する操作(籠1100の呼び出し操作):
(II)ロボット10が乗り込んだ後の籠1100に対して、行先階までの昇降動作に必要となる制御指令(行先制御指令):
(III)必要な場合には、籠1100へのロボット10の乗込み動作及び籠1100からのロボット10の退出動作を実行するだけの十分なドア開閉時間、即ち、EVドア1200及び籠ドア1100Aのドア開閉時間調整制御指令(ドア開閉時間制御指令):
等を行うように構成されている。なお、このEVコントローラ200は、各階に設置されている。
(I)EVPod400に関する操作(籠1100の呼び出し操作):
(II)ロボット10が乗り込んだ後の籠1100に対して、行先階までの昇降動作に必要となる制御指令(行先制御指令):
(III)必要な場合には、籠1100へのロボット10の乗込み動作及び籠1100からのロボット10の退出動作を実行するだけの十分なドア開閉時間、即ち、EVドア1200及び籠ドア1100Aのドア開閉時間調整制御指令(ドア開閉時間制御指令):
等を行うように構成されている。なお、このEVコントローラ200は、各階に設置されている。
本実施形態のEVコントローラ200は、例えば図4に示すような各フロアの壁などの近く(ロボット10の移動走行の邪魔にならない場所など)に設置されており、使用に先立ち初期設定作業を事前に行うことが必要である。
本実施形態のEVコントローラ200は、フロアごとに異なる固有の周波数チャンネルに設定されているBluetooth(2.4GHz帯での近距離無線通信)によってEVPod400への送信を行うように構成されている。これにより、異なる階への籠1100の呼出しなどの誤動作が発生するのを回避できるようになっている。
本実施形態のEVPod400の具体的な構成については、詳細は後述するが、図2(B)に示すように、この内部に受信部410を設けている。このEVPod400は、フロアのEVドア1200の近傍の壁などに設置してある呼出ボタンパネル1010に対して、適宜の貼り付け手段などで重ね合わせるような状態で設置されている。このおり、その受信部410によって、EVPod400を駆動させ、呼出ボタンパネル1010の上行呼出ボタン(▲)UB又は下行呼出ボタン (▼)DBのいずれかを選択的に押圧動作させるための制御を遠隔で行わせることができる。
EVカメラ300は、ロボット10に内蔵する前カメラ12A及び後カメラ12Bからなるロボットカメラ12とは別に備えているカメラであって、各フロアの任意の場所に設置されている単一又は複数の定点カメラで構成されている。
本実施形態では、このカメラ300で撮影された映像情報についても、ネットワーク700及びロボットサーバー100を介して、或いはダイレクトにWiFiなどでの無線通信により、各機器へリアルタイムに配信できるようになっている。従って、例えばロボット10がEVドア1200まで移動して戻ってきた際には、この状況を撮影してロボットサーバー100へ送信することで、この撮影画像を受信したロボットサーバー100ではロボット10がEVドア1200まで戻ってきて、次の指定階への移動のために、籠1100の到着待ち状態であることを知ることができる。
なお、本実施形態では、各フロアにおいて1台のロボット10を使用しての運用であるので、本実施形態のようなEVシステム1においてはあまり機能を有効活用させる場面はない。しかしながら、複数台のロボットを使用して運用するシステムの場合には、後に説明するように有効性が大いに発揮できる。
本実施形態のEVカメラ300では、例えばロボット10がEVドア1200の近くに不在であって障害物検知センサ13(或いはロボットカメラ12での撮影画像など)でのEVドア1200の開閉情報が得られなくても、このEVカメラ300での撮影情報などにより開閉状態が確認できる。即ち、EVドア1200に臨む場所に設置した定点カメラによる撮影情報を入力したEVコントローラ200では、これらの撮影情報から、その時刻でのEVドア1200の開閉状態を常時確認できるようになっている。
また、前述したように、複数台のエレベータを備えたEVシステムの場合には、例えばエレベーターホールでロボット10が籠1100の到着を待っているような場合において、どのEVドア1200から乗り込むべきかを判断するような状況が発生することが想定される。この場合には、ロボット10の障害物検知センサ13で各EVドアの開放状態を検知することでも可能であるが、EVドアが3か所以上に設けられているような場合には、EVカメラ300で全EVドアの開閉状態を検知することで、開いているEVドアがどれかなのかを速やかに検出し、開いているEVドアから籠内への乗込み動作を効率的に行うことができる。
EVPod400は、図3乃至図5に示すように、EV1000の籠1100を所望のフロア、つまり、現在のロボット10が活動している階のフロアにあるEVドア1200の前まで呼び出すため、そのEVドア1200の近くに設けた呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンを押圧操作させるものである。本実施形態では、EVコントローラ200からのBluetoothによる近距離無線通信によって動作するようになっている。なお、本実施形態のEVPodでは、EVコントローラからの近距離無線通信によってこの作動動作が制御されているが、有線で接続するような構成であってもよい。また、本実施形態のEVPod400では、図示外のバッテリパックからの電力供給によって作動するように構成されているが、このように有線でEVコントローラと接続するような構成であれば、EVコントローラからの給電も可能であり、或いはEVコントローラ側を介在として商用電源からの電力供給とするような構成とすることも可能である。
[EVPodの具体的構成]
本実施形態のEVPod400は、図2(B)に示すように、EVコントローラ200からの近距離無線通信による無線電波(例えば、所定チャンネルのBluethtooth無線信号)を受信する受信部410と、この無線電波を受信した受信部410から出力される検知信号を入力する制御部480と、この制御部480から出力される制御信号(パルス信号)を受信すると所定の向き(例えば時計回り又は反時計回り)に一定パルスだけ回転動作するパルスモータ420(以下、これを単に「モータ420」と略す)と、このモータ420の出力軸に固設され、後述のラック440と共にラック&ピニオン機構(R&P)を構成するピニオン430と、このピニオン430に噛合するラック440と、このラック440の一部に設けたテーパカム440Aがラック44の移動に応じてその位置を変移することで、呼出ボタンパネル1010の上行呼出ボタンUB又は下行呼出ボタンDBのいずれかを押圧動作させるためにそれぞれ用意されたプッシャ450と、上行呼出ボタンUB又は下行呼出ボタンDBのいずれか一方が押圧されるとそのボタン自身が点灯するので、この点灯状態を検出すると点灯検知信号を制御部480へ出力するボタン点灯検知センサ460と、これらの機器へ電源を供給するバッテリBTLと、を備えた構成となっている。
本実施形態のEVPod400は、図2(B)に示すように、EVコントローラ200からの近距離無線通信による無線電波(例えば、所定チャンネルのBluethtooth無線信号)を受信する受信部410と、この無線電波を受信した受信部410から出力される検知信号を入力する制御部480と、この制御部480から出力される制御信号(パルス信号)を受信すると所定の向き(例えば時計回り又は反時計回り)に一定パルスだけ回転動作するパルスモータ420(以下、これを単に「モータ420」と略す)と、このモータ420の出力軸に固設され、後述のラック440と共にラック&ピニオン機構(R&P)を構成するピニオン430と、このピニオン430に噛合するラック440と、このラック440の一部に設けたテーパカム440Aがラック44の移動に応じてその位置を変移することで、呼出ボタンパネル1010の上行呼出ボタンUB又は下行呼出ボタンDBのいずれかを押圧動作させるためにそれぞれ用意されたプッシャ450と、上行呼出ボタンUB又は下行呼出ボタンDBのいずれか一方が押圧されるとそのボタン自身が点灯するので、この点灯状態を検出すると点灯検知信号を制御部480へ出力するボタン点灯検知センサ460と、これらの機器へ電源を供給するバッテリBTLと、を備えた構成となっている。
なお、本実施形態のEVPodについては、ラック&ピニオン機構を用いた構成となっているが、特にこのタイプの電動機構に限定されるものではなく、呼出ボタンの押動動作を機械的に行うためのものであれば、各種の機構が適用可能である。また、本発明のEVPodについては、例えばEVコントローラと有線で接続させる構成としてもよい。このような構成とすれば、バッテリBTLからの給電方式ではなく、EVコントローラからの給電、或いはEVコントローラを介して商用電源での給電方式とすることも可能である。
本実施形態のEVpod400は、EVコントローラ200から移動先のフロアが上階か下階かによって分別され送信されるBluetooth信号に応じて、モータ420へ出力されるパルス信号に応じて、モータ420の回転方向が異なっており、これによって、2種類のプッシャ450のうちいずれか一方のプッシャ450が上行呼出ボタンUB又は下行呼出ボタンDBのいずれか一方を押圧することとなる。
なお、本実施形態では、次の行先階に対応し、現在ロボットが活動している階との階数の比較を行うことによって、呼びよせる籠の行先が上行か下行かの判断をロボットサーバー100又はEVコントローラ200で行い、それに応じた信号をEVPodに送信し、モータ420の回転方向まで制御するように構成している。しかしながら本発明では、特に行先階が上又は下であるかの判断は特に必要ではなく、籠1100をロボット10のいる階のフロアに呼出すだけの作業で十分である。従って、上行又は下行の呼出ボタンのいずれかを押圧させるだけで必要十分であることから、本実施形態のような構成に限定されることはなく、もっと簡易な構成で十分である。
なお、本実施形態では、上記した点灯検知信号を入力したEVコントローラ200では、この点灯検知信号を入力することにより、ロボットサーバー100に対して呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンが押圧されたことを知らせる報知信号を出力するようにしてもよい。このような構成にすれば、ロボットサーバー100は、WiFiでの無線通信によってこの呼出ボタンパネル1010に設けたボタンの点灯動作に関する情報をロボット10へ送信することができる。従って、ロボット10では、間もなくEV1000の籠1100がこの階のフロアに到着することを認識し、籠1100に乗り込む準備を早めに行うことができるようになる。
情報供出手段500は、ロボット10が現在どこの階のフロアに居るのかを確認させるためのものである。即ち、本実施形態での情報供出手段500の重要な目的は、EV1000の籠1100に乗り込んで移動してきた先の階に関して、特にこの移動してきた階の階数についての情報を、EVドア1200及び籠ドア1100Aがともに開放されたタイミングで、直ちに、ロボット10に知らせることである。これにより、現在移動してきた階の階数をロボット10自身が確認することで、エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことをロボット10自身が知り、EVドア1200及び籠ドア1100Aがともに開放されている状態で、直ちに、籠から降りて指定階のフロアへ始動することができる。
なお、この情報供出手段500には、フロア階の階数をロボット10へ知らせるために、各階ごとに異なるフロアIDが設定されており、ロボットは、この各階に設けた情報供出手段からブロードキャスティングされているフロアIDの情報に基づき、籠1100が停止中の現在の階の階数を検知することができる。このような構成にすることで、ロボット10自身が、籠1100から降りるべきタイミングを確実に察知できるようになっている。
なお、本実施形態の情報供出手段500は、エレベータ待ち廊下(EVホール)のEVドア1200の正面の近傍に設置されている。従って、エレベータ待ち廊下の情報供出手段500近傍までロボット10が移動してくると、この情報供出手段500からブロードキャスティングされるフロアID情報を受信したことで、ロボット10自身は直ちにEVドア1200近傍まで移動してきたことを、ロボットサーバー100及びEVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせることができる。このような情報をロボットサーバー100やEVコントローラ200へ遅滞なく通知することで、ロボットサーバー100やEVコントローラ200では、速やかに、籠1100の呼出し及び指定階での籠停止の情報を送信することができるので、ロボット10の次の階への移動時間を短縮させることができ、時間的な節約が可能となる。
なお、本実施形態の情報供出手段500には、バーチャルゴール(以下、「VG」とよぶ)設定機能を有しており、このVGがEVドア1200近く設定されているので、これによって情報供出手段500は、ロボット10がEVドア1200近くに来たことを検知することができる。これにおり、万一、ロボット10からロボットサーバー100及びEVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせることができなかった場合であっても、この情報供出手段500からも、ロボット10がEVドア1200の近傍まできていることを検知して直ちに、ロボットサーバー100及びEVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で情報提供することができる。
[操作パネルの構成]
操作パネル600は、内部に備えた受信手段610とEVコントローラ200との無線通信により情報及び指令(コマンド)の受け取りを行うものであり、呼出ボタンパネル1010と一体化されてEVドア1200近くの建物内部に設置されている。この操作パネル600は、EVコントローラ200からの電波の受信状態を確実に行うことができるようにするため、電磁シールディング作用が発生しないような材質のもので形成されている。この操作パネル600に用いる具体的な材質としては、非磁性体であって、しかも、ホテル内での使用を考慮して美観の良好なものが好ましく、例えばウオールナットなどの高級な木質系、見栄えが良く光沢のあるPMMAなどの樹脂系、シックな色調または鮮やかな色調の高級ガラスなどで形成してもよい。
操作パネル600は、内部に備えた受信手段610とEVコントローラ200との無線通信により情報及び指令(コマンド)の受け取りを行うものであり、呼出ボタンパネル1010と一体化されてEVドア1200近くの建物内部に設置されている。この操作パネル600は、EVコントローラ200からの電波の受信状態を確実に行うことができるようにするため、電磁シールディング作用が発生しないような材質のもので形成されている。この操作パネル600に用いる具体的な材質としては、非磁性体であって、しかも、ホテル内での使用を考慮して美観の良好なものが好ましく、例えばウオールナットなどの高級な木質系、見栄えが良く光沢のあるPMMAなどの樹脂系、シックな色調または鮮やかな色調の高級ガラスなどで形成してもよい。
即ち、本実施形態の操作パネル600は、本ホテルの建物内部の構造に立ち入って改造することを避けるため、前述したように、呼出ボタンパネル1010と一部が重層された構造のものが好ましい。別言すれば、本実施形態の操作パネル600には、図1(B)及び図2(A)に示すように、呼出ボタンパネル1010と一体になって呼出ボタンパネル1010の裏面側に配置されており、本ホテルの建物内部に埋設された状態となっているが、呼出ボタンパネル1010と同様に近距離無線通信であるBluetoothに使用する電磁波、例えば2.4GHzの周波数帯のものが有効に達することができるような適宜の材質のもので形成されている。
なお、建物に対して、多少の改造が許容されるようであれば、例えば呼出ボタンパネル1010と並設された構造のものとして、筐体の表面側が廊下側などの外部に露出するような構成としてもよい。即ち、操作パネルの筐体前面部分以外は本ホテルである建物内部に埋設されており、呼出ボタンパネルのみが建物の壁面から外部に露出するようにしてもよい。
[操作パネルでの詳細な構成]
本実施形態の操作パネル600は、図2(A)に示すように、EVコントローラ200の図示しない送信部からBluetoothで送出される近距離通信用の電波を受信する受信手段610と、タイマ620と、制御手段630とを備えている。
本実施形態の操作パネル600は、図2(A)に示すように、EVコントローラ200の図示しない送信部からBluetoothで送出される近距離通信用の電波を受信する受信手段610と、タイマ620と、制御手段630とを備えている。
受信手段610は、EVコントローラ200からの籠1100の移動先の階、つまり行先階での籠の停止情報(行先階停止指令情報)を受信するものであって、この行先階停止指令情報を受けとると、この指令情報をEV塔内の上部などに設けた制御器2000へ送出するようになっている。
また、この受信手段610では、EVドア1200及び籠ドア1100Aが開いたところから、ロボット10が籠1100に乗込むまでの時間(乗込設定時間Δt)及びEVドア1200及び籠ドア1100Aが開いたところから、籠1100内のロボット10が建物の廊下側に退出するまでの時間(退出設定時間Δt、但し、乗込設定時間と同じ。)が、ホテル内の宿泊客などが乗降りするために設定されている通常一般の時間に比してより多くの時間を必要とする場合には、このドア開放時間の延長作業に関する開時間調整指令情報もEVコントローラ200から授受する。本実施形態では、この乗込時間及び退出時間については、通常、ロボット10がEVドア1200前で待機する地点から籠1100内のほぼ中央の地点までの距離を移動するのに要する時間tとすると、その1.5倍から2.0倍とする。即ち、Δt=1.5t~2.0tで時間設定する。
なお、このようなフロア階の移動動作に伴うロボット10の移動動作に関する指令(コマンド)については、籠1100にロボット10が乗り込む前に、ロボットサーバー100が搭乗階と行先階での一連のロボット10の乗降動作に関するコマンド(乗降操作コマンド)を生成して一括してロボット10に出力する。このようなロボット10の乗降動作を含んだ籠ドア1100A等の動作については、図8に示すようなタイミングチャートで実行する。なお、EVドア1200の開閉動作についても、籠ドア1100Aの開閉動作と同様であるので、それについては説明を省略する。
[ロボットの乗降動作及び籠ドア]
次に、ロボットの乗降動作及び籠ドアのタイミング動作について、図8乃至図10などを参照しながら説明する。なお、ここでは、説明を分かり易くする都合上、本ホテルでは1台の籠のみが設置されているものとする。
初めに、ロボットサーバー100からロボット10へ、乗降操作コマンドが一括して送信される。この指令(コマンド)をロボット10が時刻t0に受信したのと同時に、ロボットサーバー100からEVコントローラ200へ別の一連のコマンド(図略)が出力される。そして、このコマンドに対応する制御信号がEVコントローラ200からEVPod400及び操作パネル600の制御手段630を介してEV1000の塔内の制御器2000へ送信される。
次に、ロボットの乗降動作及び籠ドアのタイミング動作について、図8乃至図10などを参照しながら説明する。なお、ここでは、説明を分かり易くする都合上、本ホテルでは1台の籠のみが設置されているものとする。
初めに、ロボットサーバー100からロボット10へ、乗降操作コマンドが一括して送信される。この指令(コマンド)をロボット10が時刻t0に受信したのと同時に、ロボットサーバー100からEVコントローラ200へ別の一連のコマンド(図略)が出力される。そして、このコマンドに対応する制御信号がEVコントローラ200からEVPod400及び操作パネル600の制御手段630を介してEV1000の塔内の制御器2000へ送信される。
この制御信号を受信したEVPod400では、直ちに後述する内部のR&P機構(図7参照)が動作し、呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンを押動する。これにより、他の階に停止中などで待機状態にあった籠1100は、直ちに呼出ボタンが押動された階へ向けて移動する。
これにより、ロボット10が待機する階へ到着した籠1100は、時刻t1に直ちに籠ドア1100Aが開放(EVドア1200もほぼ同時に開放)される(AC1)。その後、先に受信しているコマンドに従い、ロボット10は予め設定されている乗り込設定時間Δt以内で籠1100内へ乗り込む(AC2、3)。すると、EVコントローラ200から、操作パネル600を介して制御器2000に既に送り出されている開閉動作に関するコマンドに従い、時刻t2に籠ドア1100A及びEVドア1200が閉じる(AC4)とともに、籠1100が指定階である3階へ向けて移動する。
そして、その籠1100が指定階である5階に時刻t3に到着すると、直ちに籠ドア1100Aが開放する(AC5)。すると、直ちに、この開放した状態で情報供出手段500からブロードキャスティングされているビーコン信号を受信したロボット10は、ビーコン信号に重畳されているフロアIDの情報に基づき、籠1100が現在停止中の階の階数を検知する。
そして、籠110に搭乗中のロボット10がこの検知した階数が行先階の階数と一致したことを確認すると、直ちに籠1100内から退出し(AC6)、その指定階のフロアへ移動する(AC7)。なお、この間の退出動作時間は、予め設定されている退出設定時間Δt以内である。
以上の乗降動作を経て、ロボット10は、ロボットサーバー100からのコマンドだけを頼りに、このロボット10は、自身だけでの単独動作によって2階から3階へフロアの移動を実行することができる。
ここで、時刻t4における移動先階での籠1100の籠ドア1100Aの閉鎖動作については、次のようになる。
i)籠1100への乗込みの場合には、籠1100内にロボット10の乗り込みが完了したときに、ドアが開放しているタイミングで、先のフロア近くに設置したEVコントローラ200へロボット10から乗込み完了信号が送信されるので、ロボットサーバー100へその乗込み完了情報が送信され、これを受けたロボットサーバー100は、EVPod400に対して所定の制御信号を出力し、呼出ボタンの押圧動作の停止を指示する。
ii)また、指定先の階での籠からロボットの退出の場合には、予め予約したタイミングで、即ち、移動指定先の階のフロアに籠1100が到着して籠ドア1100Aが開放されたタイミングで、籠ドア1100A内のロボット10から籠ドア1100Aの閉鎖動作の要求信号がロボットサーバー100へ送信される。
このような籠1100、籠ドア1100A、及びロボット10の間の相互の動作に関しては、図6を参照しながら既に説明したので、ここでは省略する。
ここで、時刻t4における移動先階での籠1100の籠ドア1100Aの閉鎖動作については、次のようになる。
i)籠1100への乗込みの場合には、籠1100内にロボット10の乗り込みが完了したときに、ドアが開放しているタイミングで、先のフロア近くに設置したEVコントローラ200へロボット10から乗込み完了信号が送信されるので、ロボットサーバー100へその乗込み完了情報が送信され、これを受けたロボットサーバー100は、EVPod400に対して所定の制御信号を出力し、呼出ボタンの押圧動作の停止を指示する。
ii)また、指定先の階での籠からロボットの退出の場合には、予め予約したタイミングで、即ち、移動指定先の階のフロアに籠1100が到着して籠ドア1100Aが開放されたタイミングで、籠ドア1100A内のロボット10から籠ドア1100Aの閉鎖動作の要求信号がロボットサーバー100へ送信される。
このような籠1100、籠ドア1100A、及びロボット10の間の相互の動作に関しては、図6を参照しながら既に説明したので、ここでは省略する。
なお、乗込階でのフロアに待機しているロボット10が籠1100に乗り込む際の、この階のフロアに到着した籠1100の籠ドア1100A及びEVドア1200の開放動作時間については、通常のEVの運用の際と同じ時間であれば何ら開放時間の調整は必要ない。しかしながら、これらのドアの通常の開放時間内にうまく乗込み及び退出が行えないようなケースも時々考えられる。そこで、前述の2種のドアに対して籠の乗降りの際の開放時間を延長させるような調整が必要な場合、本実施形態では、ロボットサーバー100から一括して送信されるコマンドにより、その開放時間の調整を行うようになっている。しかしそれでもなお、つまり、このような開放時間の延長調整を行っている場合であっても、何らかのトラブルで、ロボット10が想定される時間内に乗降りすることができず、また、時間延長されている場合であっても、乗り降りができないトラブルの発生も考えられる。
そこで、本実施形態では、さらに、EVカメラ300からロボットサーバー100に送信されてくる撮影データから、ロボットサーバー100が、乗込み完了を確認するための撮影映像及び退出完了を確認するための撮影映像が得られないと判断した場合には、EVPod400に対して、ドア開放時間の延長を行わせるための制御信号を、EVコントローラ200を介して送り出す。これにより、EVPod400では、その制御信号が出力している限り、別言すれば、ロボット10が籠1100への乗込み及び退出が完了するまでの間、EVPod400内の制御部480では、モータ420の回転動作を行うための信号を出力し続ける。
なお、本実施形態では、ホテル客室内に対するサービスとして、VODシステム(商品名:SiTV)が採用されており、図示外の各室内のTVと接続された各SiTV室内端末に対して、ロボット10の接近、到着などの情報もTV画面に逐次表示させることができるようになっている。
[EVシステムを用いたEVとロボットとの相関的な動作]
次に、本実施形態に係るEVシステム1と関係したEV1000のシステムについて、ロボット10の動作及び制御と関連させて詳細に説明する。
次に、本実施形態に係るEVシステム1と関係したEV1000のシステムについて、ロボット10の動作及び制御と関連させて詳細に説明する。
なお、ここでは、EV1000の籠1100がロボット10のいる階数のフロアに到着して、その籠1100にロボット10が乗り込むまでの制御(以下、これを「乗り込み制御」とよぶことがある)及び籠1100に乗り込んだ後にその籠1100が指定階数のフロアに到着して籠1100からロボット10が退出するまでの制御(以下、これを「退出制御」とよぶことがある)の2つに分けて説明する。
但し、ここでの説明では、例えば3階での配送サービスを行っていたロボットが、その配送サービスを終えて、次に指示される階数のフロアへ移動する場合について、EV1000での動きについて、ロボットの動きとあわせて説明する。
但し、ここでの説明では、例えば3階での配送サービスを行っていたロボットが、その配送サービスを終えて、次に指示される階数のフロアへ移動する場合について、EV1000での動きについて、ロボットの動きとあわせて説明する。
なお、このEV1000は、通常は、ホテル内の宿泊客が自由に利用可能とするような運用となっている。一方、本実施形態では、例えば感染症患者がホテルの各室に自主隔離されている期間中での期限限定などでの運用制御であり、そのエレベータ自体の動きに関しては、通常の宿泊客が使用する際の運用又は使用、即ち、指定階でのみ停止するという運用条件とは相違がないものとする。
従って、このEV1000に関しては、ロボット専用使用とする運用のための又は使用のための、大規模なシステムの変更などを特別に行っているものでない。換言すれば、EV1000の専用の制御器2000(図2(A)参照)などに対して、EV1000のサービスオペレータなどが操作または改修してシステムを大規模に変更させるといったことは行っていない。即ち、このEV1000では、籠1100が指定階のフロアに到着するときにのみ、そのフロアで図4に示す籠ドア1100A及びEVドア1200が、ロボット10が乗り降りするのに十分な動作時間を確保した所定の時間設定で開放状態を維持するようになっているものとする。
なお、本実施形態では、各階の上下呼出ボタンを押し続けることで、籠ドア1100A及びEVドア1200が開いた状態を維持可能となっている。しかしながら、数分ほどで強制的に籠ドア1100A及びEVドア1200が一旦閉まる運用構成の場合には、その時間を事前把握してロボットサーバー100に設定することで、上下呼出ボタンにつぃて、一旦OFF動作を解除(呼出ボタンの押動動作を解除)にし、その後、再度ON動作をするといった間欠制御をEVPod400がロボットサーバー100からの指示に基づき行ようにしてもよい。
初めに、EV1000の籠1100がロボット10のいるフロアに到着して、その籠1100にロボット10が乗り込むまでの乗込制御について、図9などを参照しながら説明する。
なお、ここでは、説明を分かり易くするため、現在のロボット10が2階各室にいる自主隔離者に対して、弁当の配送を行っている場合について説明する。また、この2階での弁当などの配送サービスが終了したら、次に、ロボットサーバー100からの無線通信によって、次に移動するフロアが何階であるかの指示を受け、その指定階のフロアへ移動するものとする。
なお、ここでは、説明を分かり易くするため、現在のロボット10が2階各室にいる自主隔離者に対して、弁当の配送を行っている場合について説明する。また、この2階での弁当などの配送サービスが終了したら、次に、ロボットサーバー100からの無線通信によって、次に移動するフロアが何階であるかの指示を受け、その指定階のフロアへ移動するものとする。
(I)乗り込み制御:
1)第1ステップ(SA1)
所要の作業、例えば2階の各室への弁当などの品物を届け終わったロボット10が、現在活動していたフロア、例えば2階フロアから次に指定されているフロアへ移動して所定の作業を行うために、ロボット10がEV1000のEVドア1200のあるエレベータ待合所(EVホール)まで移動してくる。
2)第2ステップ(SA2)
このEV1000のEVドア1200正面まで移動してきたロボット10は、EVドア1200の前で停止する。すると、このロボット10は、この近くのEVドア1200の正面と対面する位置に設置している情報供出手段500からブロードキャスティングされているビーコン(Bluetoothによる近距離無線通信)でのフロアID、つまりこのフロアの階数に対応する各フロア固有の階数情報が受信可能になる。なお、この階でのフロアID情報は、この1つ前の階からこの階へ移動する際にロボット10が受信して既にここでの階数を確認したので、この階に対応するフロアID情報については特に実益はない。だが、このフロアID情報をロボット10が受信可能となるエリアに入り込むことで、EVドア1200に到着する前の場所であっても、EVドア1200の近くまで移動してきたことを、ロボット10は自らが確認できる。また、ロボット10が籠1100に乗り込む際には、情報供出手段500によるフロアIDによりフロア判定を行なっていないが、このフロア判定を行なってもよい。即ち、ロボット10内部で保持するフロア情報と、情報供出手段500からのビーコンで検知したフロア情報(フロアID)との間でミスマッチが起きた際、エラーとしてロボットサーバー100や情報供出手段500などへ報知することで、フロア情報の修正を行うこともできる。
3)第3ステップ(SA3)
このため、ロボット10自身は、直ちにEVドア1200近傍まで移動してきたことを察知すると、EVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせる。なお、ロボットと情報供出手段500との通信については、Bluetoothによる近距離無線通信ではなく、より電波の受信状態が安定しているRFID(Radio Frequency Identification)での通信方式で代替させてもよい。
4)第4ステップ(SA4)
また、情報供出手段500には、バーチャルゴール(以下、「VG」とよぶ)設定機能を有しており、このVGがEVドア1200近く設定されているので、これによって情報供出手段500は、ロボット10がEVドア1200近くに来たことを検知することもできる。従って、この情報供出手段500は、ロボット10がEVドア1200近くに来たことを検知すると、この情報供出手段500からも、EVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせる。
さらに、本発明では、ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、ロボットが籠を待っていることをロボットサーバーに連絡して知らせるための連絡信号(待ち信号)を、ロボットからロボットサーバーに送信するようにしてもよい。
5)第5ステップ(SA5)
この検知信号を入力したEVコントローラ200は、ロボットサーバー100に対して、到着確認したことを到着確認情報として無近距離無線通信により送信する。
6)第6ステップ(SA6)
これにより、ロボットサーバー100では、ロボット10が、これから次のフロアでの作業のために、次の指定されたフロアに関する情報をロボット10へ送信する。ここでは、次に、5階のフロアにおいて、各室に宿泊中の自主感染者へ2階での作業と同様、弁当を届けるような作業指令を受けているものとする。なお、ロボットサーバー100からは、必ずしも、2階での弁当配送作業と同じ作業を指示する必要はなく、このロボット10に対して、例えば各宿泊者から発生したごみの収集などにあたるような指示を与えてもよい。
7)第7ステップ(SA7)
このフロア情報を受け取ったロボット10は、その指定フロア階数についての情報を受信する。
8)第8ステップ(SA8)
ロボットサーバー100からは、EVコントローラ200に対して、EVPod400への動作のためにコマンドを送信するのと同時に、操作パネル600の受信手段610に対してロボット10の移動先の階数で籠1100が停止するためのコマンドを一括して送信する。なお、操作パネル600の受信手段610へのコマンドは、ロボットサーバー100からダイレクトにではなく、EVコントローラ200を介して送りだしてもよい。また、必要な場合には、籠ドア1100A及びEVドア1200の開放時間の調整(延長)のためのコマンドも同時に、操作パネル600の受信手段610に向けて送信する。
9)第9ステップ(SA9)
一方、ロボットサーバー100からのコマンドを受け取ったEVコントローラ200では、EVpad400に対して制御信号を近距離無線通信(Bluetooth)で送信する。また、これと同時に、このコマンドを受け取った操作パネル600の受信手段610では、直ちに、EV塔の管制室内にある制御器2000に向けて籠1100の停止階で停止してEVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉動作を行うための制御信号を出力する。
10)第10ステップ(SA10)
この制御信号を受信したEVPod400では、内蔵するモータ420を所定パルス出力し、正逆いずれか指定方向に所定パルス数(回転数)だけモータ420を駆動する。これによって、モータ420に取付けたピニオン430も同方向に回動し、これに噛合するラック440が指定方向に移動するので、このラック440の移動に伴うプッシャ450への当接動作により、一方のプッシャ450が押し出され、これに正対する呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンのうち指定方向のボタン(ここでは、上行呼出ボタンUB)を押圧する。なお、本実施形態では、特にこの呼出ボタンについては、上行及び下行のいずれの呼出ボタンを押動させてもよく、要は、籠1100が、ロボット10が待機しているフロアの階まで移動してくればよい。
11)第11ステップ(SA11)
これにより、エレベータ1000内の籠1100がこの指定フロアまで移動して来る。
12)第12ステップ10(SA12)
そして、籠1100がこのフロアに到着すると、籠1100が停止する。
13)第13ステップ(SA13)
エレベータ本体に設けたエレベータ制御器からの制御によってその籠1100自体に設けた図4に示す籠ドア1100A及びこの籠ドア1100Aに対面する建物側のそのフロアのEVドア1200も開放される。
14)第14ステップ(SA14)
このフロアのEVドア1200前で待機するロボット10は、EVドア1200が開放中であり、その奥に籠1100が来て籠ドアも開放されていることを、ロボット10に備える障害物検知センサ13で確認する。
15)第15ステップ(SA15)
一方、EVドアカメラ300でも、EVドア1200の開放状態であることを撮影し、EVコントローラ200へ出力する。
16)第16ステップ(SA16)
これにより、ロボット19は、開放されたEVドア12及び籠ドアを通過して籠1100内に乗り込む。
17)第17ステップ(SA17)
このロボット10の籠1100へ乗り込み完了状態をEVカメラ300(又は情報供出手段500)が検知すると、ロボットサーバー100へこの情報を送信する。
18)第18ステップ(SA18)
この情報を受け取ったロボットサーバー100では、ロボット10の籠1100への乗込み動作完了の確認が行われたタイミングで、EVボタン操作具(EVPod)400による呼出ボタンの押動動作を終了させるコマンドをEVコントローラ200へ発出する。
19)第19ステップ(SA19)
EVコントローラ200からの信号を受信したEVPPod400は、呼出ボタンの押動動作を終了する。
20)第20ステップ(SA20)
その後、EVドア及び籠ドアが閉鎖するとともに、上階へ向け籠1100が上昇移動する。
1)第1ステップ(SA1)
所要の作業、例えば2階の各室への弁当などの品物を届け終わったロボット10が、現在活動していたフロア、例えば2階フロアから次に指定されているフロアへ移動して所定の作業を行うために、ロボット10がEV1000のEVドア1200のあるエレベータ待合所(EVホール)まで移動してくる。
2)第2ステップ(SA2)
このEV1000のEVドア1200正面まで移動してきたロボット10は、EVドア1200の前で停止する。すると、このロボット10は、この近くのEVドア1200の正面と対面する位置に設置している情報供出手段500からブロードキャスティングされているビーコン(Bluetoothによる近距離無線通信)でのフロアID、つまりこのフロアの階数に対応する各フロア固有の階数情報が受信可能になる。なお、この階でのフロアID情報は、この1つ前の階からこの階へ移動する際にロボット10が受信して既にここでの階数を確認したので、この階に対応するフロアID情報については特に実益はない。だが、このフロアID情報をロボット10が受信可能となるエリアに入り込むことで、EVドア1200に到着する前の場所であっても、EVドア1200の近くまで移動してきたことを、ロボット10は自らが確認できる。また、ロボット10が籠1100に乗り込む際には、情報供出手段500によるフロアIDによりフロア判定を行なっていないが、このフロア判定を行なってもよい。即ち、ロボット10内部で保持するフロア情報と、情報供出手段500からのビーコンで検知したフロア情報(フロアID)との間でミスマッチが起きた際、エラーとしてロボットサーバー100や情報供出手段500などへ報知することで、フロア情報の修正を行うこともできる。
3)第3ステップ(SA3)
このため、ロボット10自身は、直ちにEVドア1200近傍まで移動してきたことを察知すると、EVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせる。なお、ロボットと情報供出手段500との通信については、Bluetoothによる近距離無線通信ではなく、より電波の受信状態が安定しているRFID(Radio Frequency Identification)での通信方式で代替させてもよい。
4)第4ステップ(SA4)
また、情報供出手段500には、バーチャルゴール(以下、「VG」とよぶ)設定機能を有しており、このVGがEVドア1200近く設定されているので、これによって情報供出手段500は、ロボット10がEVドア1200近くに来たことを検知することもできる。従って、この情報供出手段500は、ロボット10がEVドア1200近くに来たことを検知すると、この情報供出手段500からも、EVコントローラ200へWiFiなどの無線通信で知らせる。
さらに、本発明では、ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、ロボットが籠を待っていることをロボットサーバーに連絡して知らせるための連絡信号(待ち信号)を、ロボットからロボットサーバーに送信するようにしてもよい。
5)第5ステップ(SA5)
この検知信号を入力したEVコントローラ200は、ロボットサーバー100に対して、到着確認したことを到着確認情報として無近距離無線通信により送信する。
6)第6ステップ(SA6)
これにより、ロボットサーバー100では、ロボット10が、これから次のフロアでの作業のために、次の指定されたフロアに関する情報をロボット10へ送信する。ここでは、次に、5階のフロアにおいて、各室に宿泊中の自主感染者へ2階での作業と同様、弁当を届けるような作業指令を受けているものとする。なお、ロボットサーバー100からは、必ずしも、2階での弁当配送作業と同じ作業を指示する必要はなく、このロボット10に対して、例えば各宿泊者から発生したごみの収集などにあたるような指示を与えてもよい。
7)第7ステップ(SA7)
このフロア情報を受け取ったロボット10は、その指定フロア階数についての情報を受信する。
8)第8ステップ(SA8)
ロボットサーバー100からは、EVコントローラ200に対して、EVPod400への動作のためにコマンドを送信するのと同時に、操作パネル600の受信手段610に対してロボット10の移動先の階数で籠1100が停止するためのコマンドを一括して送信する。なお、操作パネル600の受信手段610へのコマンドは、ロボットサーバー100からダイレクトにではなく、EVコントローラ200を介して送りだしてもよい。また、必要な場合には、籠ドア1100A及びEVドア1200の開放時間の調整(延長)のためのコマンドも同時に、操作パネル600の受信手段610に向けて送信する。
9)第9ステップ(SA9)
一方、ロボットサーバー100からのコマンドを受け取ったEVコントローラ200では、EVpad400に対して制御信号を近距離無線通信(Bluetooth)で送信する。また、これと同時に、このコマンドを受け取った操作パネル600の受信手段610では、直ちに、EV塔の管制室内にある制御器2000に向けて籠1100の停止階で停止してEVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉動作を行うための制御信号を出力する。
10)第10ステップ(SA10)
この制御信号を受信したEVPod400では、内蔵するモータ420を所定パルス出力し、正逆いずれか指定方向に所定パルス数(回転数)だけモータ420を駆動する。これによって、モータ420に取付けたピニオン430も同方向に回動し、これに噛合するラック440が指定方向に移動するので、このラック440の移動に伴うプッシャ450への当接動作により、一方のプッシャ450が押し出され、これに正対する呼出ボタンパネル1010の呼出ボタンのうち指定方向のボタン(ここでは、上行呼出ボタンUB)を押圧する。なお、本実施形態では、特にこの呼出ボタンについては、上行及び下行のいずれの呼出ボタンを押動させてもよく、要は、籠1100が、ロボット10が待機しているフロアの階まで移動してくればよい。
11)第11ステップ(SA11)
これにより、エレベータ1000内の籠1100がこの指定フロアまで移動して来る。
12)第12ステップ10(SA12)
そして、籠1100がこのフロアに到着すると、籠1100が停止する。
13)第13ステップ(SA13)
エレベータ本体に設けたエレベータ制御器からの制御によってその籠1100自体に設けた図4に示す籠ドア1100A及びこの籠ドア1100Aに対面する建物側のそのフロアのEVドア1200も開放される。
14)第14ステップ(SA14)
このフロアのEVドア1200前で待機するロボット10は、EVドア1200が開放中であり、その奥に籠1100が来て籠ドアも開放されていることを、ロボット10に備える障害物検知センサ13で確認する。
15)第15ステップ(SA15)
一方、EVドアカメラ300でも、EVドア1200の開放状態であることを撮影し、EVコントローラ200へ出力する。
16)第16ステップ(SA16)
これにより、ロボット19は、開放されたEVドア12及び籠ドアを通過して籠1100内に乗り込む。
17)第17ステップ(SA17)
このロボット10の籠1100へ乗り込み完了状態をEVカメラ300(又は情報供出手段500)が検知すると、ロボットサーバー100へこの情報を送信する。
18)第18ステップ(SA18)
この情報を受け取ったロボットサーバー100では、ロボット10の籠1100への乗込み動作完了の確認が行われたタイミングで、EVボタン操作具(EVPod)400による呼出ボタンの押動動作を終了させるコマンドをEVコントローラ200へ発出する。
19)第19ステップ(SA19)
EVコントローラ200からの信号を受信したEVPPod400は、呼出ボタンの押動動作を終了する。
20)第20ステップ(SA20)
その後、EVドア及び籠ドアが閉鎖するとともに、上階へ向け籠1100が上昇移動する。
(II)乗り込み後の籠から退出までの制御:
次に、ロボット10が籠1100に乗り込んだ後、その籠1100が指定階数のフロアに到着して籠1100からロボット10が退出するまでの退出制御について、図10を参照しながら説明する。
なお、ここで、ロボット10が乗り込んでいる籠1100は、通常のEVと同様に、指定された階のフロアでのみ停止するようなシステムとなっており、そのフロアで籠ドア1100A及びEVドア1200が、ロボット10が通り抜けるだけの十分な時間開放するように設定されている。即ち、ロボットサーバー100から一括して送り込まれるコマンドにより、3階のEVドア1200から籠1100に乗り込んだロボット10は籠1100とともに上階へ移動して、開放された籠ドア1100A及びEVドア1200を通り、その指定階のフロアに移動していくことができるようになっている。
次に、ロボット10が籠1100に乗り込んだ後、その籠1100が指定階数のフロアに到着して籠1100からロボット10が退出するまでの退出制御について、図10を参照しながら説明する。
なお、ここで、ロボット10が乗り込んでいる籠1100は、通常のEVと同様に、指定された階のフロアでのみ停止するようなシステムとなっており、そのフロアで籠ドア1100A及びEVドア1200が、ロボット10が通り抜けるだけの十分な時間開放するように設定されている。即ち、ロボットサーバー100から一括して送り込まれるコマンドにより、3階のEVドア1200から籠1100に乗り込んだロボット10は籠1100とともに上階へ移動して、開放された籠ドア1100A及びEVドア1200を通り、その指定階のフロアに移動していくことができるようになっている。
1)第1ステップ(SB1)
乗り込み動作の際に、操作パネル600の制御手段630からEV塔内の管制室内にある制御器2000に出力された制御信号に基づき、この制御信号を入力した制御器2000では、巻上モータ3000及びEVドアと籠ドアの開閉装置4000へ図10に示すタイミングで一連の動作を行なわせる。即ち、指定された停止階で籠1100が停止すると、直ちにEVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉動作を行う。また、必要な場合、これと同時に、ロボットサーバー100から直接(又は、EVコントローラ200を介して)EVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉時間の調整信号も制御器2000に出力する。これにより、制御器2000では、EVドアと籠ドアの開閉装置4000の開放時間調整のための制御も行う。
2)第2ステップ(SB2)
従って、籠1100に乗り込んだロボット10は、籠1100の上昇移動とともに上階へ向かって移動し、指定された移動先のフロアである5階フロアまで籠1100が上昇し、この5階フロア位置まで籠1100が移動したところで、籠1100の上昇動作が停止する。
3)第3ステップ(SB3)
その後、籠ドア1100Aが開放されるとともに、この籠ドア1100Aに正対・対面するEVドア1200も開放される。
4)第4ステップ(SB4)
このため、籠1100に乗り込んでいるロボット10は、5階のEVドア1200の正面のフロアに設置してあるビーコンを構成する情報供出手段500からの無線電波を受信することにより、フロアIDに関する情報を受信することができる。これにより、ロボット10は、籠1100が停止しているフロアが5階であることをロボット10自身が確認するとともに、退出するフロアであると判断する。
5)第5ステップ(SB5)
ここで、5階にあるEVカメラ300がEVドア1200周辺のEV待合場所(EVホール)であるフロアを撮影するとともに、ダブルセーフのために、このEVカメラ300が籠ドア1100A及びEVドア1200が開放中であることを捉えるためにこれら籠ドア1100A及びEVドア1200の開放状態も撮影し、これらのデータをWiFi通信(またはLAN)にて、直接ロボットサーバー100へデータを送信する。
6)第6ステップ(SB6)
ロボットサーバー100では、EVカメラ300から受信したフロアの撮影情報をロボット10へ送信する。これにより、ロボット10では、自律走行制御部17において、EVドア1200及び籠ドア1100Aが開放されていることを、ロボット10自身の障害物センサ13だけではなく、EVカメラ300からの撮影情報でも確認することができる。その結果、ただちに、ロボット10は、移動用モータ11を駆動して、籠1100内から籠ドア1100A及びEVドア1200を通過してEV1000を退出し、指定フロアの5階に進入・移動してフロアへの移動動作を完了する。
なお、ここでの動作について、詳細に説明する。
i)ロボット10は、EV1000内の籠1100内(所定位置)にいる間、ロボット10に内蔵の障害物センサ(2D-LiDAR)によって、EVドア1200の中央部までの距離を測定し続ける。そして、この距離が一定のしきい値を超えた場合、かつ、目的階フロアのBluetooth(ビーコン)電波を最も強く受信した場合、「目的階のEVドア開」と判断し、ロボットは前方に移動を開始する。
なお、この間も、EVPod400により、目的階の呼出ドアボタンはONされた状態が維持されているが、ロボットサーバー100からのコマンドでEV塔内の制御器2000を制御するように構成してもよい。また、ロボット10は、EV内に滞在している間、外部機器との通信が取りにくいか一切連絡ができないので、EV籠1100に入り込んだロボット10は、外部機器との通信が不要となっている。このため、ロボット10は、障害物センサ13とBluetoothによる電波のみで、目的階へ移動してきたことをロボット自身が判断して目的階へと移動する。
ii)ロボット10は、EV籠1100から退出し、目的階フロアのEVドア1200前に到着すると、ロボットサーバー100に対して、目的階のEVドア1200前の廊下(EVホール)に到着した旨を通知します。
iii)すると、ロボットサーバー100は、EVコントローラ200に対して、目的階のEVPod400の呼出ボタンの押下動作を停止するように指示します。その際、もしロボット10が未だWiFi通信できない場合であっても、タイマ動作によって、一定時間経過後、目的階EVドアボタンがOFFとなります。
7)第7ステップ(SB7)
このようにして、籠1100内のロボット10が籠1100内から開放中の籠ドア1100A及びEVドア1200を通って退出したあと、EVドア1200及び籠ドア1100Aが閉じる。そして、次の指令に基づき、さらに上昇動作または下降動作を行う。
乗り込み動作の際に、操作パネル600の制御手段630からEV塔内の管制室内にある制御器2000に出力された制御信号に基づき、この制御信号を入力した制御器2000では、巻上モータ3000及びEVドアと籠ドアの開閉装置4000へ図10に示すタイミングで一連の動作を行なわせる。即ち、指定された停止階で籠1100が停止すると、直ちにEVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉動作を行う。また、必要な場合、これと同時に、ロボットサーバー100から直接(又は、EVコントローラ200を介して)EVドア1200及び籠ドア1100Aの開閉時間の調整信号も制御器2000に出力する。これにより、制御器2000では、EVドアと籠ドアの開閉装置4000の開放時間調整のための制御も行う。
2)第2ステップ(SB2)
従って、籠1100に乗り込んだロボット10は、籠1100の上昇移動とともに上階へ向かって移動し、指定された移動先のフロアである5階フロアまで籠1100が上昇し、この5階フロア位置まで籠1100が移動したところで、籠1100の上昇動作が停止する。
3)第3ステップ(SB3)
その後、籠ドア1100Aが開放されるとともに、この籠ドア1100Aに正対・対面するEVドア1200も開放される。
4)第4ステップ(SB4)
このため、籠1100に乗り込んでいるロボット10は、5階のEVドア1200の正面のフロアに設置してあるビーコンを構成する情報供出手段500からの無線電波を受信することにより、フロアIDに関する情報を受信することができる。これにより、ロボット10は、籠1100が停止しているフロアが5階であることをロボット10自身が確認するとともに、退出するフロアであると判断する。
5)第5ステップ(SB5)
ここで、5階にあるEVカメラ300がEVドア1200周辺のEV待合場所(EVホール)であるフロアを撮影するとともに、ダブルセーフのために、このEVカメラ300が籠ドア1100A及びEVドア1200が開放中であることを捉えるためにこれら籠ドア1100A及びEVドア1200の開放状態も撮影し、これらのデータをWiFi通信(またはLAN)にて、直接ロボットサーバー100へデータを送信する。
6)第6ステップ(SB6)
ロボットサーバー100では、EVカメラ300から受信したフロアの撮影情報をロボット10へ送信する。これにより、ロボット10では、自律走行制御部17において、EVドア1200及び籠ドア1100Aが開放されていることを、ロボット10自身の障害物センサ13だけではなく、EVカメラ300からの撮影情報でも確認することができる。その結果、ただちに、ロボット10は、移動用モータ11を駆動して、籠1100内から籠ドア1100A及びEVドア1200を通過してEV1000を退出し、指定フロアの5階に進入・移動してフロアへの移動動作を完了する。
なお、ここでの動作について、詳細に説明する。
i)ロボット10は、EV1000内の籠1100内(所定位置)にいる間、ロボット10に内蔵の障害物センサ(2D-LiDAR)によって、EVドア1200の中央部までの距離を測定し続ける。そして、この距離が一定のしきい値を超えた場合、かつ、目的階フロアのBluetooth(ビーコン)電波を最も強く受信した場合、「目的階のEVドア開」と判断し、ロボットは前方に移動を開始する。
なお、この間も、EVPod400により、目的階の呼出ドアボタンはONされた状態が維持されているが、ロボットサーバー100からのコマンドでEV塔内の制御器2000を制御するように構成してもよい。また、ロボット10は、EV内に滞在している間、外部機器との通信が取りにくいか一切連絡ができないので、EV籠1100に入り込んだロボット10は、外部機器との通信が不要となっている。このため、ロボット10は、障害物センサ13とBluetoothによる電波のみで、目的階へ移動してきたことをロボット自身が判断して目的階へと移動する。
ii)ロボット10は、EV籠1100から退出し、目的階フロアのEVドア1200前に到着すると、ロボットサーバー100に対して、目的階のEVドア1200前の廊下(EVホール)に到着した旨を通知します。
iii)すると、ロボットサーバー100は、EVコントローラ200に対して、目的階のEVPod400の呼出ボタンの押下動作を停止するように指示します。その際、もしロボット10が未だWiFi通信できない場合であっても、タイマ動作によって、一定時間経過後、目的階EVドアボタンがOFFとなります。
7)第7ステップ(SB7)
このようにして、籠1100内のロボット10が籠1100内から開放中の籠ドア1100A及びEVドア1200を通って退出したあと、EVドア1200及び籠ドア1100Aが閉じる。そして、次の指令に基づき、さらに上昇動作または下降動作を行う。
なお、ここまでの説明では、EV1000の籠1100を利用して2階から次に所要の作業を行う5階のフロアへの移動であったが、勿論、ロボット10による籠1100を利用した各階への移動は自由に行うことができ、階下への移動も自由に行うことができる。
[EVシステムの効果]
従って、本実施形態によれば、図4に示すように、EV1000は、通常はホテルの利用客は使用する一般のエレベータであるが、このEV1000に対して、特にエレベータシステムとしての設備として備えている制御器2000に対して、各階への停止動作を行うような運用以外の大規模なシステム変更は何らも加えていない。
従って、本実施形態によれば、図4に示すように、EV1000は、通常はホテルの利用客は使用する一般のエレベータであるが、このEV1000に対して、特にエレベータシステムとしての設備として備えている制御器2000に対して、各階への停止動作を行うような運用以外の大規模なシステム変更は何らも加えていない。
そして、本実施形態のEVシステム1を構成する、ロボットサーバー100、EVコントローラ200、EVカメラ300などをフロアなど(EVドアに対面する壁などにニッチなどの窪み等が設けてあれば、そこに設置してもよい。)に載置するとともに、EVPod400を呼出ボタンパネル1010に、例えば強力な粘着力を有する特殊な両面テープなどの適宜手段で取り付けるだけの簡易な準備を行うだけで、フロアを移動可能とするロボット10により、各フロアへの自由な移動が可能となる。なお、このEVPod400の呼出ボタンパネル1010への取付方法は、特に、本実施形態のような手段に限定されるものではなく、呼出ボタンの押圧動作を確実、かつ、安定して実行できるものであればよい。
また、本実施形態では、ロボットとして、手や腕などを持った人型ロボットや二足歩行ロボットなどである必要はなく、単純に床面を移動可能、或いは、自走可能で作業対象物を搭載可能な単純な構造のもので対応可能である。従って、このための本実施形態のエレベータ制御システムの運用に当たって、コストの削減が図れるばかりか、導入の際の障害も殆どないので汎用性の高いエレベータ制御システムを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、簡易な構成のEVシステムを用いるだけで、通常のエレベータ設備に対して大規模なシステム変更を加える必要がなく、多層階の建物内でのロボットのフロア移動を可能とするので、ロボット専用のエレベータなどの設備が不要である。従って、多額の設備投資や長期間の設備設置工事等が不要である。
しかも、その用途は、例えば本実施形態のような多層階ホテルに限らない。例えば、病院、介護施設、物流倉庫、工場、会社、その他の多層階からなる建物内において、各フロアの指定場所への弁当をはじめとする各種の宅配サービス、ごみ収集などのためのごみ箱の回収及び空となったゴミ箱を元の場所へ再載置などのゴミ処理サービス、宿泊客、病人、訪問客などの指定場所までの移動案内サービス、多層ビル内での各フロアの指定部署までの書類の集配及び引き取りなどの集配サービス、各フロアにおける清掃などを行うクリーンサービス、深夜などにおける各フロアでの見回り警備などを行う巡回警備サービス等の汎用性の高い多用途への応用・サービスが、現行の建物内に必要な機器やシステムを導入することで実現可能となる効果がある。
さらに、本実施形態のEVシステム1を用いれば、本実施形態のような自走ロボット10が1台ではなく、2台以上での利用であっても可能であり、その点でも汎用性が高い。
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。即ち、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
1 エレベータ制御システム(EVシステム)
10 無人配送ロボット(ロボット)
11 走行移動機構(モータ)
12 カメラ(ロボットカメラ)
12A 前カメラ
12B 後カメラ
13 障害物検知センサ
14 階数確認手段(ビーコン発振機)
15 WiFi通信機
17 (自律走行)制御部
100 ロボットコントロールサーバー(ロボットサーバー)
200 エレベータコントローラ(EVコントローラ)
300 EV監視カメラ(EVカメラ)
400 EVボタン操作器具(EVPod)
410 受信部
420 (パルス)モータ
430 ピニオン
440 ラック
440A テーパカム
450 プッシャ
460 ボタン点灯検知センサ
480 制御部
500 情報供出手段
600 操作パネル
610 制御手段
700 ネットワーク
1000 エレベータ(EV)
1010 呼出ボタンパネル
1100 籠
1200 EVドア
2000 制御器
4000 (EVドアと籠ドアの)開閉装置
BTL バッテリ
CTR コントローラ
DB 下行呼出ボタン(呼出ボタン)
R&P ラック&ピニオン機構
UB 上行呼出ボタン(呼出ボタン)
10 無人配送ロボット(ロボット)
11 走行移動機構(モータ)
12 カメラ(ロボットカメラ)
12A 前カメラ
12B 後カメラ
13 障害物検知センサ
14 階数確認手段(ビーコン発振機)
15 WiFi通信機
17 (自律走行)制御部
100 ロボットコントロールサーバー(ロボットサーバー)
200 エレベータコントローラ(EVコントローラ)
300 EV監視カメラ(EVカメラ)
400 EVボタン操作器具(EVPod)
410 受信部
420 (パルス)モータ
430 ピニオン
440 ラック
440A テーパカム
450 プッシャ
460 ボタン点灯検知センサ
480 制御部
500 情報供出手段
600 操作パネル
610 制御手段
700 ネットワーク
1000 エレベータ(EV)
1010 呼出ボタンパネル
1100 籠
1200 EVドア
2000 制御器
4000 (EVドアと籠ドアの)開閉装置
BTL バッテリ
CTR コントローラ
DB 下行呼出ボタン(呼出ボタン)
R&P ラック&ピニオン機構
UB 上行呼出ボタン(呼出ボタン)
Claims (8)
- 多層階の建物内のフロアを走行可能なロボットがエレベータの籠に乗り込み他の階のフロアに移動するためのエレベータ制御システムであって、
前記ロボットの制御を行うために前記建物内に設けたロボットサーバーと、
前記エレベータの籠が指定階である行先階のフロアに到着したことを前記籠内に乗り込んだ前記ロボットが検知可能とするために、各階に設置された情報供出手段と、
前記ロボットサーバーから前記籠に対する前記行先階への移動について発出される指令を受け取るために各階に設けたEVコントローラと、
を備えるとともに、
前記ロボットは、前記情報供出手段からの情報を受信することで前記行先階のフロアに到着したことを確認すると前記籠から退出するような制御を行う制御部を備えている、
ことを特徴とするエレベータ制御システム。 - 前記ロボットサーバーからの指令を受けた前記EVコントローラからの制御によって作動し、前記籠の呼出しのための呼出ボタンを操作するEVボタン操作器具を備え、
前記EVボタン操作器具は、前記呼出ボタンの押動動作を機械的に行うための機構を有している、
こと特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御システム。 - ロボットの前記籠からの退出動作の確認が行われたタイミングで、前記EVボタン操作具による前記呼出ボタンの押動動作を終了させるコマンドを前記EVコントローラへ発出可能に構成した、
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御システム。 - 前記エレベータは、指定フロアにのみ停止して前記籠ドア及びエレベータドアが自動的に開閉する構成であって、
前記ロボットには、前記建物側の前記エレベータドア及び前記エレベータの籠に設けた籠ドアの双方のドアが開いたタイミングで、前記情報供出手段からブロードキャスティングされているフロアIDに関する情報を前記ロボットが乗込んだ前記籠内で受信することで、前記籠の移動してきた階の階数を確認する階数確認手段を備えるとともに、
前記ロボットの前記制御部は、前記検知した籠の現在の階の階数が、指定階である前記行先階に一致していることを確認してから前記ロボットに備えた走行移動機構を制御して前記籠から退出させるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載のエレベータ制御システム。 - 前記EVコントローラは、前記ロボットサーバーからの指令を受け、前記籠の行先階での停止動作及び前記エレベータドア及び籠ドアの開閉動作の各制御を行うためのコマンドを一括して発出するとともに、必要に応じて、前記籠に設けた籠ドア及び前記エレベータ
ドアに対する開放時間の調整・制御を行うコマンドを発出するように構成された、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。 - 前記EVコントローラからの前記コマンドに基づき、前記行先階での前記籠の停止動作と前記エレベータドア及び前記籠ドアの開閉動作とを制御するための制御信号を生成し、前記多層階の建物のEV塔内の制御器へ出力する制御手段、を設けた操作パネルが、前記各階のエレベータドアの近傍の、前記呼出ボタンパネル内に取付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。 - 前記ロボットがEVドアまで移動して来たところで若しくはその直前で、前記ロボットが籠を待っていることを、ロボットサーバーに連絡するための連絡信号(待ち信号)を、前記ロボットから前記ロボットサーバーに送信するように構成されているとともに、
前記ロボットサーバーは、前記ロボットからの前記連絡信号を受信すると、前記ロボットサーバーから前記EVコントローラへ籠呼出及び行先階での前記籠停止についての指令信号を出力するように構成され、
前記EVコントローラは、前記EVボタン操作器具の作動を開始させるための制御信号を前記EVボタン操作器具の受信部へ送出するとともに、前記操作パネルの制御手段へ送出するように構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のエレベータ制御システム。 - 前記ロボットのロボットサーバーは、前記ロボットが各フロアにおけるEVドアまで移動する際に自律走行を行うための走行コマンド群を、前記ロボットに対して時系列で送信するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエレベータ制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021200295A JP2023085960A (ja) | 2021-12-09 | 2021-12-09 | エレベータ制御システム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2023085960A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7416318B1 (ja) | 2023-06-28 | 2024-01-17 | 三菱電機ビルソリューションズ株式会社 | エレベーターシステム、制御装置、中継装置、制御装置の制御方法、中継装置の制御方法、及びプログラム |
-
2021
- 2021-12-09 JP JP2021200295A patent/JP2023085960A/ja active Pending
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JP7416318B1 (ja) | 2023-06-28 | 2024-01-17 | 三菱電機ビルソリューションズ株式会社 | エレベーターシステム、制御装置、中継装置、制御装置の制御方法、中継装置の制御方法、及びプログラム |
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