JP2023085731A - 治具付き鋼管および鋼管の芯合わせ方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、一方の鋼管に半円形バンドを当接して締め付け、他方の鋼管に対して半円形バンドに付属する押さえボルト付きの鋼管抑え具を締め込むことにより、両鋼管の位置合わせを行う治具が開示されている。
また、屋根トラス等の鋼構造建築においては、エレクションピースを用いた簡易的な接合によって鋼管同士を仮止めすることがある。特許文献1に記載の治具は鋼管の接続部にエレクションピースが取り付けられた場合が想定されておらず、使用すると治具とエレクションピースとが干渉するため、使用することができない。
本発明に係る治具は、建方治具を有する一対の鋼管の芯合わせに用いる治具であって、前記鋼管を外周面から軸中心に向かう方向に締め付ける締付部材と、前記締付部材を固定する鋼管外周装着部材と、複数の前記鋼管外周装着部材を接続する接続部材と、前記接続部材を締め付ける締結部材と、を有することを特徴とする。
図1に示すように、治具100は、建方治具210を有する一対の鋼管200の芯合わせに用いる。本実施形態に係る鋼管200は、例えば、屋根トラス等の軽量な建築鋼構造に用いられる。鋼管200は、円筒状でもよいし、角筒状でもよい。本実施形態においては、鋼管200は円筒状であるとして説明する。また、治具100は、鋼管200が円筒状である場合においては、外径200mm程度の物に対して特に好適に用いられる。あるいはこれに限らず、治具100は、いずれの外径を備える鋼管200に対して用いてもよい。
なお、以下において、方向を示す時に、鋼管200の円筒状を基準として軸方向、径方向、周方向と呼称することがある。
鋼管200の備える建方治具210は、一対の鋼管200を突き合わせて溶接によって固定する際、溶接を行うまでの間に鋼管200同士を固定する仮止めの役割を有する。このため、建方治具210は、鋼管200の溶接が完了した後は切除される。建方治具210は、周方向において1箇所のみ設けられてもよいし、2箇所以上設けられてもよい。図1に示すように、本実施形態において、建方治具210は2箇所設けられている。建方治具210は、エレクションピース211と、スプライスプレート212と、を有する。
また、エレクションピース211は、第1ボルト孔H1と、第2ボルト孔H2と、を有する。第1ボルト孔H1は、根元部211aに設けられ、後述する治具100の締結部材40が配置される孔である。第2ボルト孔H2は、枝部211bにスプライスプレート212を取り付けるための締結部材が配置される孔である。締結部材とは、例えばボルトである。本実施形態において、第2ボルト孔H2は2箇所設けられている。これに限らず、第2ボルト孔H2は3箇所以上設けられてもよい。なお、ボルトによる固定力を均等にするために、互いに突き合わされた一対の枝部211bの有する第2ボルト孔H2の個数は等しいことが好ましい。
図4に示すように、エレクションピース211の位置を合わせてスプライスプレート212を取り付けると、根元部211aと鋼管200との間に凹みのような形状が生じる。本実施形態において、この凹みを凹部Dと呼称する。
本実施形態に係る治具100は、上述のように建方治具210を備えた鋼管200の芯合わせに用いられる。芯合わせとは、一対の鋼管200の中心軸を一致させることをいう。
本実施形態に係る治具100は、一対である。治具100は、締付部材10と、鋼管外周装着部材20と、接続部材30と、締結部材40と、を有する。
締結部材40は、図1に示すように、少なくとも接続部材30の両端に設けられている。このため、少なくとも接続部材30の両端には第1ボルト孔H1が設けられる。あるいは、ボルトの軸力を十分に確保するため、接続部材30に第1ボルト孔H1を複数設けることで接続部材30の中間部に設けてもよい。
次に、治具100を用いた鋼管200の芯合わせについて説明する。具体的には、締結部材40を締め込むことのみで芯合わせを行う。つまり、治具100による鋼管200の固定と、鋼管200の芯合わせとを、締結部材40を締め込むことのみで同時に行う。
例えば、締付部材10の鋼管200の外周面に接する端部は、鋼管外周装着部材20の円弧状の内周面と面一であってもよい。
あるいは、締付部材10を有さず、鋼管外周装着部材20と、接続部材30と、締結部材40と、のみを備えてもよい。この場合は、鋼管外周装着部材20の内周側が直接鋼管200の外周面に接することで鋼管200を締め付けるようにしてもよい。
また、鋼管外周装着部材20は、円弧状でなく、例えば矩形であってもよい。
20 鋼管外周装着部材
30 接続部材
40 締結部材
100 治具
200 鋼管
210 建方治具
D 凹部
Claims (11)
- 建方治具を有する一対の鋼管の芯合わせに用いる治具であって、
前記鋼管を外周面から軸中心に向かう方向に締め付ける締付部材と、
前記締付部材を固定する鋼管外周装着部材と、
複数の前記鋼管外周装着部材を接続する接続部材と、
前記接続部材を締め付ける締結部材と、
を有することを特徴とする、
治具。 - 建方治具を有する一対の鋼管の芯合わせに用いる治具であって、
前記鋼管の外周に沿う鋼管外周装着部材と、
複数の前記鋼管外周装着部材を接続する接続部材と、
前記一対の接続部材を締め付ける締結部材と、
を有することを特徴とする、
治具。 - 前記建方治具に設けられた凹部に前記接続部材がはめ込まれることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の治具。 - 前記建方治具の締結部材と前記締結部材が同一部材であることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の治具。 - 前記締結部材は前記接続部材の両端に設けられていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の治具。 - 前記締結部材の総数が偶数であることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の治具。 - 前記締結部材の取付け位置は線対称であることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載の治具。 - 前記鋼管の軸方向において、前記接続部材の中心と前記建方治具の中心とが一致していることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか1項に記載の治具。 - 前記鋼管の軸方向において、前記鋼管のつなぎ目と、前記接続部材の中心と、前記建方治具の中心と、が一致していることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか1項に記載の治具。 - 前記鋼管の芯合わせにおいて、前記締結部材を締めこむことのみで芯合わせを行うことを特徴とする、
請求項1から9のいずれか1項に記載の治具。 - 前記鋼管は円筒状であり、
前記鋼管外周装着部材は、前記鋼管の外側の同心円を沿うことを特徴とする、
請求項1から10のいずれか1項に記載の治具。
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