JP2023084832A - スプレーガン - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル近傍にコーティング液等が付着しにくく、ミスト付着による異物混入や噴霧障害等の防止可能なスプレーガンを提供する。【解決手段】スプレーガン1は、スプレー液が吐出される液吐出口38を備えたノズル6と、ノズル6が配置されるノズル挿入孔53を備え前端面52に突起部のないエアキャップ3を有する。エアキャップ3には、スプレー液を微粒子化するアトマイズエアが噴出するアトマイズエア噴出口54と、スプレー液のミスト流に対しパターンエアを噴射するパターンエア噴射口57とを有する。パターンエア噴射口57は、アトマイズエア噴出口67の近傍にノズル挿入孔53を挟んで対向する位置に2個ずつ配置されている。アトマイズエア噴出口67とパターンエア噴射口57はエアキャップ3の前端面52に形成された平面部61の同一面上に設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、処理対象物に対し液体を霧化し吹き掛けるスプレーガンに関し、特に、錠剤や粉末などの粉粒体の造粒、コーティング等を行う粉粒体処理装置に好適なスプレーガンに関する。
従来より、粉粒体の造粒やコーティング、乾燥等の処理を行う造粒コーティング装置(粉粒体処理装置)においては、粉粒体のコーティング処理に際し、スプレーガンを用いた液体噴霧が広く行われている。粉粒体処理装置のスプレーガンは、通常、粉粒体を収容する処理容器内に配置され、流動あるいは転動状態となった粉粒体に対し、圧縮空気を用いて、バインダー液やコーティング液(以下、コーティング液等と略記する)を噴霧する。コーティング液等が噴霧された粉粒体には、適宜、熱風や冷風が供給・排気され、コーティング層の形成や乾燥等の処理が行われる。
図11は、従来のスプレーガンの構成を示す説明図である。図11に示すように、スプレーガン101は、スプレーガン先端に取り付けられたエアキャップ102の中央に、コーティング液等が吐出されるノズル103が設けられている。ノズル103の周囲には、コーティング液等を霧化するための霧化気体(アトマイズエア)が噴出するアトマイズエア噴出口104が設けられている。アトマイズエア噴出口104の外側には、一対のパターンエア噴出部105が前方(コーティング液等の噴霧方向、以下、前後の方向はこれに従う)に向かって突設されており、その各先端部には、パターンエアが噴出するパターンエア噴射口106が設けられている。
図11のスプレーガン101では、ノズル103から吐出されたコーティング液等は、アトマイズエア噴出口104から供給されるアトマイズエアによって霧化されてノズル前方に向けて噴射される。霧化されたコーティング液等のミスト流には、パターンエア噴出部105のパターンエア噴射口106から圧縮空気(パターンエア)が吹き付けられる。このパターンエアにより、ミスト流の断面形状が調整され、楕円形や長円形などのスプレーパターンを形成しつつ、コーティング液等が錠剤等の処理対象物に噴霧される。
特許第6392177号公報 米国特許7052954号公報 特開2011-530602公報
ところが、図11のような従来のスプレーガン101は、パターンエア噴射口106からミスト流の側方からパターンエアを当ててスプレーパターンを形成するため、ノズル103の前方で異なる方向の気流同士がぶつかる形となる。すなわち、スプレーガン101では、前方に向かって流れるミスト流に対し横方向からパターンエアが当たり、その結果、ノズル前方にて気流に乱れが生じる場合がある。このようにノズル近傍で乱流が発生すると、コーティング液等のミストが意図しない方向に飛び散ったり、空気の流れのないエアポケット的な部分が生じたりするおそれがあり、ノズル周りにミストが付着しエアキャップ102が汚れてしまう、という問題があった。
特に、従来のスプレーガン101は、パターンエア噴出部105がエアキャップ前方側に角のように突出しており、そこにミストが付着し易く、ミストのかすが鍾乳石のように堆積・成長してしまう場合がある、という問題があった。この場合、付着したミストが剥離して処理中の粉粒体内に落下すると、処理中の製品に異物が混入してしまうおそれがある。また、エアキャップ102が汚れ易いと、スプレーガン101の洗浄頻度も高くせざるを得ず、工数増大や生産性の低下を招く、といった問題もあった。さらに、ノズル103やアトマイズエア噴出口104の近くにミストが付着すると、コーティング液等が噴出しにくくなり、噴霧障害が発生してしまう場合があり、この現象は粘性液を連続吐出させる場合に特に生じ易く、その対策が求められていた。
本発明の目的は、ノズル近傍にコーティング液等が付着しにくく、ミスト付着による異物混入や噴霧障害等を防止可能なスプレーガンを提供することにある。
本発明のスプレーガンは、スプレー液が吐出される液吐出口を備えたノズルと、前記ノズルが配置されるノズル挿入孔を備え、前端面に突起部のないエアキャップと、を有するスプレーガンであって、前記エアキャップは、前記液吐出口から吐出されるスプレー液を微粒子化するアトマイズエアが噴出するアトマイズエア噴出口と、微粒子化された前記スプレー液のミスト流に対しパターンエアを噴射するパターンエア噴射口と、を有し、前記ノズル挿入孔は、前記エアキャップの中央に形成され、前記アトマイズエア噴出口は、前記ノズル挿入孔に収容された前記ノズルの先端部の周囲に形成され、前記パターンエア噴射口は複数個設けられ、前記アトマイズエア噴出口の近傍に、前記ノズル挿入孔を挟んで互いに対向する位置に配置されることを特徴とする。
本発明にあっては、複数個のパターンエア噴射口を、アトマイズエア噴出口の近傍にノズル挿入孔を挟んで互いに対向する位置に配置するようにしたので、従来のスプレーガンにあった角のように延びるパターンエア噴出部を無くすことができる。このため、突出部位へのスプレー液の付着がなく、前端面近傍にミスト流の吹き溜まりも生じにくくなり、ノズル前方に乱流も生じにくくなる。その結果、従来のスプレーガンに比して、液吐出口やアトマイズエア噴出口の近傍やエアキャップ前端面へのミストの付着が抑えられる。
前記スプレーガンにおいて、前記アトマイズエア噴出口と前記パターンエア噴射口を、前記エアキャップの前記前端面に形成された平面部の同一面上に設けても良い。また、前記エアキャップの前記前端面を球面状に形成し、前記アトマイズエア噴出口と前記パターンエア噴射口を、球面状の前記前端面の頂点近傍に設けても良い。
さらに、前記パターンエア噴射口を、前記ノズル挿入孔の中心を中心とする同一円周上の対向する位置に2個ずつ近接して配置しても良く、この場合、近接する前記パターンエア噴射口を、周方向に沿って10°~30°、好ましくは15°~25°の間隔をあけて配置しても良い。
また、前記エアキャップに、前記パターンエア噴射口に対し前記パターンエアを供給するパターンエア流路孔を設け、前記パターンエア流路孔を、前記ノズル挿入孔に対して放射状に配置すると共に、軸方向に対して30°~70°の角度で傾斜した状態で形成するようにしても良い。この場合、前記パターンエアを、複数の前記パターンエア噴射口から、該スプレーガンの中心方向に向かって噴射するようにしても良い。
本発明にあっては、液吐出口を備えたノズルと、ノズルが配置されるノズル挿入孔を備え前端面に突起部のないエアキャップと、を有するスプレーガンにて、エアキャップに、アトマイズエアが噴出するアトマイズエア噴出口と、パターンエアを噴射するパターンエア噴射口と、を設けると共に、複数個のパターンエア噴射口を、アトマイズエア噴出口の近傍にノズル挿入孔を挟んで互いに対向する位置に配置するようにしたので、従来のスプレーガンにあった角のように延びるパターンエア噴出部を無くすことができ、ノズル付近へのスプレー液の付着を抑制でき、スプレー液が噴出しにくくなるなどの噴霧障害を回避できる。
本発明の実施の形態1であるスプレーガンの構成を示す断面図である。 図1のスプレーガンに使用されているエアキャップの構成を示す斜視図である。 (a)は、図2のエアキャップの平面図、(b)は(a)のA-A線に沿った断面図である。 (a)はアトマイズエアを50L/minとしパターンエアを変化させた場合の液速とミスト径の関係を示すグラフ、(b)はパターンエアを120L/minとしアトマイズエアを変化させた場合の液速とミスト径の関係を示すグラフである。 スプレーガンによるスプレーパターンを示す説明図であり、(a)はパターンが割れない条件での噴霧、(b)はパターンが割れて二山できる条件での噴霧におけるスプレーパターンを示している。 本発明の実施の形態2であるスプレーガンの構成を示す断面図である。 図7のスプレーガンに使用されているエアキャップの構成を示す斜視図である。 (a)は、図7のエアキャップの平面図、(b)は(a)のB-B線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態3であるスプレーガンに使用されているエアキャップの構成を示す斜視図である。 (a)は、図9のエアキャップの平面図、(b)は(a)のC-C線に沿った断面図である。 従来のスプレーガンの構成を示す説明図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1であるスプレーガン1の構成を示す断面図である。図1のスプレーガン1は、例えば、医薬品や食品等の製造に使用されるパンコーティング装置に設置される。スプレーガン1は、パンコーティング装置の処理容器内に設置され、容器内の処理対象物(錠剤やガム、チョコレート等)に対し、コーティング液等のスプレー液を噴霧する。
図1に示すように、スプレーガン1は、ボディブロック2と、エアキャップ3、キャップナット4、及び、シリンダキャップ5とを備えており、全長約100mmに形成されている。ステンレス製のボディブロック2内には、ノズル6とニードル弁7、ピストン8が収容されている。ボディブロック2の前方側には、キャップナット4を介してエアキャップ3が、また、後方側には、シリンダキャップ5がそれぞれ取り付けられている。スプレーガン1は、ボディブロック2に設けられた図示しない取付部(雌ねじ孔等)にて、コーティング装置内に設けられたスプレーガン用支持ホルダに取り付けられる。
スプレーガン1では、エアキャップ3の中央からノズル6によってコーティング液等のスプレー液が噴射される。エアキャップ3の中央からは、アトマイズエアAがスプレー液と共に噴射される。スプレー液は、アトマイズエアAによって微粒子化(霧化)される。微粒子化されたスプレー液の噴射流(スプレーミスト流M)に対しては、パターンエアPが噴射される。パターンエアPは、エアキャップ3の前端面からスプレーミスト流Mに向かって噴射される。スプレーミスト流Mは、パターンエアPによって所望のスプレーパターンを形成しつつ、錠剤等の処理対象物に噴霧される。
ボディブロック2には、スプレー液が供給される液供給口11と、アトマイズエアAが供給されるアトマイズエア供給口12、ニードル弁7を駆動するためのニードルエアが供給されるニードルエア供給口13が設けられている。また、キャップナット4には、パターンエアPが供給されるパターンエア供給口14が設けられている。各供給口11~14にはそれぞれ、ジョイント15a,16a,17a,18aを介して、液チューブ15b、アトマイズエアチューブ16b、パターンエアチューブ17b、ニードルエアチューブ18bが接続される。
ボディブロック2の中央には、図1において左右方向に沿ってニードル孔21が貫通形成されている。ニードル孔21には、ニードル弁7が、左右方向に移動可能な状態で挿入されている。ニードル孔21の左方側は拡径され、ノズル装着部22となっている。ノズル装着部22には、ノズル6が取り付けられる。ノズル6の中央部には、液流路23が軸方向に沿って貫通形成されている。液流路23内には、ニードル弁7が挿入配置される。
ボディブロック2の左端側には、キャップナット4が取り付けられている。ボディブロック2の左端外周部には、雄ねじ形状のキャップナット取付部24が形成されており、キャップナット4は、キャップナット取付部24に螺合固定される。キャップナット4の前方側(図中左側)には、エアキャップ3が取り付けられている。エアキャップ3の右端部には係合部25が形成されており、係合部25は、キャップナット4の左端部に形成された内鍔部26と係合する。キャップナット4は、エアキャップ3を収容し、係合部25と内鍔部26を係合させた状態でキャップナット取付部24に取り付けられる。
ノズル6は、キャップナット4により、ボディブロック2の左端部とエアキャップ3の右端部との間に挟持される。スプレーガン1では、ノズル6とエアキャップ3をボディブロック2の左端面27に載置し、そこにキャップナット4を被せるように取り付ける。そして、キャップナット4をキャップナット取付部24にねじ込み固定する。これにより、キャップナット4の左端部にエアキャップ3が固定されると共に、ボディブロック2とエアキャップ3との間にノズル6が挟持固定される。
ニードル弁7の図中右端には、ピストン8が固定されている。ピストン8は円筒形状のボディ部31を備えており、その外周にはOリング32が装着されている。一方、ボディブロック2の右端にはシリンダキャップ取付部33が設けられており、そこには、シリンダキャップ5が螺合固定されている。シリンダキャップ5の内側には、円筒状のシリンダ部34が形成されており、シリンダ部34内には、ピストン8のボディ部31が左右方向に摺動自在に収容されている。
ピストン8の右端側には、ピストンばね35が取り付けられている。ピストンばね35の左端側はボディ部31に、右端側はシリンダ部34の右端壁36に当接している。シリンダキャップ5は、ピストンばね35を押し縮めつつ、シリンダキャップ取付部33にねじ込み固定される。これにより、ピストン8は、ピストンばね35によって左方に付勢された状態でシリンダキャップ5内に収容される。
ニードル孔21内には、ニードル弁7が収容されている。ニードル弁7とピストン8は一体となっており、ニードル弁7はピストン8の動作に伴って左右に移動する。ニードル弁7の左側はノズル6内に挿入されており、その左端は、テーパ状の針状弁部37となっている。針状弁部37は先細形状となっており、ノズル6の先端部6a(以下、ノズル先端部6aと称する)に形成された液吐出口38内に挿入・嵌合可能となっている。ピストン8が左右に移動すると、それに伴い、ニードル弁7の針状弁部37が液吐出口38内にて左右に移動する。この針状弁部37の移動により、ノズル6から出るスプレー液の供給を遮断したり、液吐出口38の開口量を変化させてスプレー液の供給流量を適宜調整したりすることができる。
スプレーガン1内には、スプレー液や圧縮空気が供給される流路として、スプレー液流路41、アトマイズエア流路42、パターンエア流路43、ニードルエア流路44が設けられている。スプレー液流路41は、液供給口11から図中上方に向かい、ボディブロック2内を斜め上方に延びる連通路45を介してニードル孔21に至る。そして、ノズル6内に形成された液流路23を通り、液吐出口38へとつながっている。液チューブ15bからジョイント15aを介して液供給口11に供給されたスプレー液は、スプレー液流路41を通り液吐出口38から吐出される。この際、液吐出口38からのスプレー液の吐出量は、前述のニードル弁7の作動位置に応じて適宜制御される。
アトマイズエア流路42は、アトマイズエア供給口12から図中下方に向かい、ボディブロック2内を斜め下方に延びる連通路46を介してノズル外周のアトマイズエア流路孔47を通り、ボディブロック2の左端面27に至る。ノズル6の大径部48には、アトマイズエア流路孔47に臨んで連通孔49が軸方向に貫通形成されており、アトマイズエア流路42は、この連通孔49を通り、エアキャップ3内に形成されたアトマイズエアチャンバ51に至る。エアキャップ3の前端面52には、アトマイズエアチャンバ51と連通したノズル挿入孔53が開口形成されており、アトマイズエア流路42は、エアキャップ中央部のノズル挿入孔53へとつながっている。アトマイズエアチューブ16bからジョイント16aを介してアトマイズエア供給口12に供給された圧縮空気は、アトマイズエア流路42を通り、アトマイズエアAとしてノズル挿入孔53から噴出する。
この場合、アトマイズエアチャンバ51内にはノズル6の先端側部位(図中左端側)が収容されており、アトマイズエアAは、ノズル挿入孔53内に配されたノズル先端部6aの周囲から噴出する。すなわち、スプレーガン1では、ノズル挿入孔53のノズル先端部6a周囲がアトマイズエア噴出口54となっている。ノズル6の液吐出口38から吐出されるスプレー液は、アトマイズエア噴出口54から噴出するアトマイズエアAによって霧化され、スプレーミスト流Mとなってスプレーガン1の前方に噴射される。
パターンエア流路43は、パターンエア供給口14から、キャップナット4内に形成されたパターンエアチャンバ55を介して、エアキャップ3内に形成されたパターンエア流路孔56に至る。エアキャップ3の前端面52には、パターンエア流路孔56と連通してパターンエア噴射口57が開口形成されており、パターンエア流路43は、パターンエア流路孔56からパターンエア噴射口57へとつながっている。パターンエアチューブ17bからジョイント17aを介してパターンエア供給口14に供給された圧縮空気は、パターンエア流路43を通り、パターンエアPとしてパターンエア噴射口57から噴射される。
ニードルエア流路44は、ニードルエア供給口13から、ボディブロック2内に形成されたニードルエア流路孔58を通り、シリンダ部34内に開口している。ニードルエアチューブ18bからジョイント18aを介してニードルエア供給口13に供給されたニードルエアは、ニードルエア流路44を通りシリンダ部34内に供給される。ニードルエア流路44を介してシリンダ部34内にニードルエアが供給されると、その押圧力により、ピストンばね35を押し縮め、ピストン8が図中右方に移動する。ピストン8が右方に移動すると、これと共にニードル弁7も右方に移動する。これにより、ニードル弁7の針状弁部37が右方に移動し、ノズル6の液吐出口38が開口する。
このようなスプレーガン1では、パターンエアPは、エアキャップ前端面52に設けられたパターンエア噴射口57から噴出する。図2は、スプレーガン1に使用されているエアキャップ3の構成を示す斜視図、図3(a)は、エアキャップ3の平面図、同(b)は(a)のA-A線に沿った断面図である。図2,3に示すように、エアキャップ3には、その中央部にノズル挿入孔53が設けられており、その中にノズル先端部6aが配される。前述のように、ノズル挿入孔53におけるノズル先端部6aの外側はアトマイズエア噴出口54となっている。
図2,3に示すように、エアキャップ3の前端面52には、中心側に凹凸のない平面部61が、外周側にテーパ状の斜面部62が形成されている。エアキャップ3では、前端面52の平面部61の同一面上に、アトマイズエア噴出口54(ノズル挿入孔53)とパターンエア噴射口57が設けられている。図2に示すように、スプレーガン1では、ノズル挿入孔53の径方向外側に複数個のパターンエア噴射口57が形成されている。
パターンエア噴射口57は、平面部61と斜面部62との境界内側に、平面部61の外周と接する形で配されており、ノズル挿入孔53を挟んで2個ずつ対向して設けられている。近接配置されている2個1組のパターンエア噴射口57は、ノズル挿入孔53の中心軸Oを中心とする同一円周上に、周方向に沿ってθ1=10°~30°、好ましくは15°~25°(ここでは、20°)の間隔をあけて配されている。この場合、パターンエア噴射口57は、対向して1個ずつ設けても良いが、2個ずつ対向して設けた方が、スプレーパターンの広がりが良い。
また、パターンエア噴射口57に開口するパターンエア流路孔56は、図3に示すように、軸方向(中心軸Oに沿った方向)に対して角度θ2=30°~70°、好ましくは45°程度(ここでは、43°)傾斜した状態で形成されている。パターンエア流路孔56は、エアキャップ3の中心に対して放射状に2個ずつ対向形成されており、パターンエアPは、パターンエア噴射口57からスプレーガン1の中心軸O方向、つまり、スプレーミスト流Mの中心に向かって噴射される(例えば、1つのターゲット点Tに向かって集中するよう噴射)。これにより、パターンエアPはスプレーミスト流Mに効率的に噴射され、ミスト流の断面形状を所望の形状に整え易くなる。
したがって、ノズル6から噴射されるスプレーミスト流Mには、下方向斜め43°からミスト流の中心に向かってパターンエアPが当てられる。この場合、パターンエアPは、ノズル6にできるだけ近いところでスプレーミスト流Mに当てることが好ましいが、当てる角度が大きくなると乱流が生じ易くなる。このため、パターンエア流路孔56の傾斜角度は、上記の範囲が好適である。スプレーミスト流Mは、このパターンエアPによってその断面形状が変形され、噴出当初の略円形状態から楕円状や長円形状に調整され、処理対象物に噴霧される。
このように、スプレーガン1では、図11のスプレーガン101のような角状のパターンエア噴出部105は設けられておらず、それに代えて、ミスト流の噴出口と同一平面上に配されたパターンエア噴射口57からパターンエアPが噴射される。このため、突出部位へのスプレー液の付着は当然になく、エアキャップ前端面52に凹凸がないことから、前端面近傍にミスト流の吹き溜まりも生じにくい。また、パターンエアPが横方向からではなく、下方から流れに沿う形でスプレーミスト流Mに当たるため、乱流が生じにくい。その結果、スプレーガン1では、従来のスプレーガンに比して、液吐出口やアトマイズエア噴出口の近傍やエアキャップ前端面へのミストの付着を抑えられる。
スプレーガン1を用いた発明者らの実験によれば、モデルコーティング液TC-5R(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)8%水溶液を、液速14mL/min、アトマイズエア50L/min、パターンエア120L/minの条件で9時間連続噴霧したが、ノズル近傍へのスプレー液の付着は認められず、噴霧障害も皆無であった。
また、常水を用いてスプレーミスト径の測定も行ったが、ミスト径も実用範囲である10~30μmに収まり、ミスト径が荒れて大きなミストが生じてしまうことはなかった。図4(a)はアトマイズエアを50L/minとしパターンエアを変化させた場合の液速とミスト径の関係を示すグラフ、同(b)はパターンエアを120L/minとしアトマイズエアを変化させた場合の液速とミスト径の関係を示すグラフである。
これらのグラフから分かるように、スプレーガン1のミスト径は10~30μmに収まった。この場合、図4(b)に示すように、噴霧液速に対してアトマイズエア量が少ない場合、液速の増大と共にミスト径が大きくなることが確認されたが、十分なエア量を与えることで微細なミストを形成できることが分かった。また、噴霧液速を増大してもミスト径は8~10μm付近で収束した。
図5は本発明によるスプレーガン1によるスプレーパターンを示す説明図である。図5(a)はパターンが割れない条件での噴霧、同(b)はパターンが割れて二山できる条件での噴霧におけるスプレーパターンを示している。図5(a)に示すように、発明者らの実験では、液速150mL/min、アトマイズエア100L/min、パターンエア120L/minでは、割れることなく断面長円形のスプレーパターンが形成され、図11のような従来のスプレーガンと同様のパターンが得られた。
一方、アトマイズエア量に対して相対的にパターンエア量が多くなるとスプレーパターンが割れ二山のミスト分布になることが確認された。すなわち、図5(b)に示すように、液速50mL/min、アトマイズエア50L/min、パターンエア120L/minでは、二山のスプレーパターンとなったが、広角にて噴霧可能なことが分かった。
このように、本発明によるスプレーガン1では、従来のスプレーガンと同等のスプレー性能を維持しつつ、ノズル付近へのスプレー液の付着を抑制でき、スプレー液が噴出しにくくなるなどの噴霧障害を回避することが可能となる。また、ノズル周りにミストが付着しにくいため、エアキャップの汚れが少なく、付着ミストによる異物混入や、高頻度の洗浄に伴う工数増大や生産性の低下も抑えられる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2であるスプレーガンについて説明する。図6は、本発明の実施の形態2であるスプレーガン71の構成を示す断面図、図7は、スプレーガン71に使用されているエアキャップ72の構成を示す斜視図、図8(a)は、エアキャップ72の平面図、同(b)は(a)のB-B線に沿った断面図である。なお、以下の実施の形態では、実施の形態1のスプレーガン1と同様の部分、部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
スプレーガン71では、エアキャップ72の前端部周縁が、先のエアキャップ3とは異なり、球面状になっている。但し、エアキャップ72の前端面73は平面部74となっており、エアキャップ3と同様に、平面部74の中央にはアトマイズエア噴出口54(ノズル挿入孔53)が設けられている。一方、平面部74の径方向外側は球面部75となっており、平面部74と球面部75の境界の球面部75側にパターンエア噴射口57が設けられている。なお、実施の形態1のエアキャップ3と同様に、パターンエア噴射口57を平面部74に設け、アトマイズエア噴出口54と同一平面上に配しても良い。
この場合も、パターンエア噴射口57は、ノズル挿入孔53を挟んで2個ずつ対向して設けられている。近接配置されている2個1組のノズル挿入孔53は、実施の形態1のエアキャップ3と同様の角度間隔で配されている。また、パターンエア流路孔56も、図8(b)に示すように、エアキャップ3と同様の角度で傾斜した状態となっている。
このようなスプレーガン71においても、ノズル6から噴射されるスプレーミスト流Mに対し、下方向斜め43°からパターンエアPが当てられ、スプレーミスト流Mの断面形状が、円形から楕円状や長円形状に変形され、処理対象物に噴霧される。そして、実施の形態1のスプレーガン1と同様、スプレーガン71もまた、突出部位へのスプレー液の付着は当然になく、パターンエアPが横方向からではなく、下方から流れに沿う形でスプレーミスト流Mに当たるため、乱流が生じにくく、液吐出口38やアトマイズエア噴出口54近傍やエアキャップ前端面52へのミストの付着も抑えられる。したがって、ノズル付近へのスプレー液の付着が抑制され噴霧障害を回避することが可能となり、エアキャップの汚れも少ないため、付着ミストによる異物混入や、高頻度の洗浄に伴う工数増大や生産性の低下も抑えられる。
(実施の形態3)
さらに、本発明の実施の形態3であるスプレーガンについて説明する。図9は、本発明の実施の形態3であるスプレーガン81に使用されているエアキャップ82の構成を示す斜視図、図10(a)は、エアキャップ82の平面図、同(b)は(a)のC-C線に沿った断面図である。なお、スプレーガン81のエアキャップ82以外の部分は、実施の形態2のスプレーガン71と同様の構成となっている。
エアキャップ82は前端部全体が球面状になっており(球面部83)、ここでは、前端面先端に平面部が設けられていない。そして、球面部83の頂点84にアトマイズエア噴出口54(ノズル挿入孔53)が、また、その近傍にパターンエア噴射口57が設けられている。エアキャップ82も、パターンエア噴射口57は、ノズル挿入孔53を挟んで2個ずつ対向して設けられており、近接配置されている2個1組のノズル挿入孔53は、実施の形態1のエアキャップ3と同様の角度間隔で配されている。また、パターンエア流路孔56も、図9(b)に示すように、エアキャップ3と同様の角度で傾斜した状態となっている。そして、前述同様、エアキャップ82を用いることにより、ノズル付近へのスプレー液の付着が抑制される。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施の形態は、パンコーティング装置に本発明のスプレーガンを適用した例を示したが、当該スプレーガンは、流動層装置等の他の粉粒体処理装置にも適用可能である。また、前述の実施の形態にて示した各種数値は一例であり、本発明は前記数値には限定されない。
さらに、図1のスプレーガン1では、平面部61の同一面上にアトマイズエア噴出口54(ノズル挿入孔53)とパターンエア噴射口57を設けた構成を示したが、パターンエア噴射口57をアトマイズエア噴出口54よりも若干低い位置(例えば、斜面部62側)に配しても前述の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。加えて、エアキャップ3では、前端面52の外周部分を斜面形状(斜面部62)としたが、当該部分を斜面とせず、前端面52の全面を平面部61とし、エアキャップ3を円筒形状に形成しても良い。
本発明は、粉粒体処理装置以外にも適用可能であり、例えば、自動車や家具等に塗装を行うラインなどにも使用可能である。
1 スプレーガン
2 ボディブロック
3 エアキャップ
4 キャップナット
5 シリンダキャップ
6 ノズル
6a 先端部
7 ニードル弁
8 ピストン
11 液供給口
12 アトマイズエア供給口
13 ニードルエア供給口
14 パターンエア供給口
15a ジョイント
15b 液チューブ
16a ジョイント
16b アトマイズエアチューブ
17a ジョイント
17b パターンエアチューブ
18a ジョイント
18b ニードルエアチューブ
21 ニードル孔
22 ノズル装着部
23 液流路
24 キャップナット取付部
25 係合部
26 内鍔部
27 左端面
31 ボディ部
32 Oリング
33 シリンダキャップ取付部
34 シリンダ部
35 ピストンばね
36 右端壁
37 針状弁部
38 液吐出口
41 スプレー液流路
42 アトマイズエア流路
43 パターンエア流路
44 ニードルエア流路
45 連通路
46 連通路
47 アトマイズエア流路孔
48 大径部
49 連通孔
51 アトマイズエアチャンバ
52 エアキャップ前端面
53 ノズル挿入孔
54 アトマイズエア噴出口
55 パターンエアチャンバ
56 パターンエア流路孔
57 パターンエア噴射口
58 ニードルエア流路孔
61 平面部
62 斜面部
71 スプレーガン
72 エアキャップ
73 エアキャップ前端面
74 平面部
75 球面部
81 スプレーガン
82 エアキャップ
83 球面部
84 頂点
101 スプレーガン
102 エアキャップ
103 ノズル
104 アトマイズエア噴出口
105 パターンエア噴出部
106 パターンエア噴射口
A アトマイズエア
M スプレーミスト流
P パターンエア
O 中心軸
T パターンエア噴射ターゲット点
θ1 パターンエア噴射口離間角度
θ2 パターンエア流路孔傾斜角度

Claims (7)

  1. スプレー液が吐出される液吐出口を備えたノズルと、
    前記ノズルが配置されるノズル挿入孔を備え、前端面に突起部のないエアキャップと、を有するスプレーガンであって、
    前記エアキャップは、前記液吐出口から吐出されるスプレー液を微粒子化するアトマイズエアが噴出するアトマイズエア噴出口と、微粒子化された前記スプレー液のミスト流に対しパターンエアを噴射するパターンエア噴射口と、を有し、
    前記ノズル挿入孔は、前記エアキャップの中央に形成され、
    前記アトマイズエア噴出口は、前記ノズル挿入孔に収容された前記ノズルの先端部の周囲に形成され、
    前記パターンエア噴射口は複数個設けられ、前記アトマイズエア噴出口の近傍に、前記ノズル挿入孔を挟んで互いに対向する位置に配置されることを特徴とするスプレーガン。
  2. 請求項1記載のスプレーガンにおいて、
    前記アトマイズエア噴出口と前記パターンエア噴射口は、前記エアキャップの前記前端面に形成された平面部の同一面上に設けられてなることを特徴とするスプレーガン。
  3. 請求項1記載のスプレーガンにおいて、
    前記エアキャップの前記前端面は球面状に形成され、前記アトマイズエア噴出口と前記パターンエア噴射口は、球面状の前記前端面の頂点近傍に設けられてなることを特徴とするスプレーガン。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のスプレーガンにおいて、
    前記パターンエア噴射口は、前記ノズル挿入孔の中心を中心とする同一円周上の対向する位置に2個ずつ近接して配置されることを特徴とするスプレーガン。
  5. 請求項4記載のスプレーガンにおいて、
    近接する前記パターンエア噴射口は、周方向に沿って10°~30°の間隔をあけて配置されることを特徴とするスプレーガン。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載のスプレーガンにおいて、
    前記エアキャップは、前記パターンエア噴射口に対し前記パターンエアを供給するパターンエア流路孔を有し、
    前記パターンエア流路孔は、前記ノズル挿入孔に対して放射状に配置され、軸方向に対して30°~70°の角度で傾斜した状態で形成されてなることを特徴とするスプレーガン。
  7. 請求項6記載のスプレーガンにおいて、
    前記パターンエアは、複数の前記パターンエア噴射口から、該スプレーガンの中心方向に向かって噴射されることを特徴とするスプレーガン。
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