JP2023083863A - 電力変換器、電力システム及び電力変換器の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力ネットワークにおいて負荷の変動に対して直流のバスを安定させる。【解決手段】電力変換器11は、入力された電力を変換して出力する直流の電力変換部11aと、入力された、または出力する前記電力の電気特性値の測定値を取得する測定部であるセンサ11bと、入力値に応じて電気特性値の目標値が定義された垂下特性を有する参照関数に基づいて、前記垂下特性に対応した電圧制御又は電力制御若しくは電流制御で入力値に応じて前記電力変換部の電力変換特性を制御する制御部11cと、を備え、前記制御部11cは、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値と、前記電力変換部が接続される直流のバスに慣性力を生じさせる仮想的な電気素子の物理量に基づいて前記電力変換特性を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、電力変換器、電力システム及び電力変換器の制御方法。
直流(DC)電源ネットワークに接続される電力変換器の発明として、例えば特許文献1に開示されたマルチレベルコンバータがある。このマルチレベルコンバータは、交流(AC)電圧をDC電圧に変換し、DC電圧をAC電圧に変換するコンバータである。このマルチレベルコンバータは、DC電源ネットワークへの接続のためのDC部分と、AC電源ネットワークへの接続のためのAC部分とを備えており、DC部分では、DC電源ネットワークと並列に仮想キャパシタが関連づけられている。仮想キャパシタは、DC電源ネットワークの慣性を安定化するように作用し、DC電源ネットワークからマルチレベルコンバータに入る余剰の電力は、仮想キャパシタによって吸収される。仮想キャパシタの値を変更することにより、DC電源ネットワークの電圧と、DC電源ネットワークの慣性に影響を及ぼすことが可能であり、例えば、仮想キャパシタの値を増加することにより、コンバータの慣性が増加され、DC電源ネットワークの電圧が安定する。
電力を供給するネットワークにおいては、再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置である太陽光発電装置(PhotoVoltaic:PV)、定置型蓄電装置、電気自動車(Electric Vehicle:EV)等の多種多様な直流機器を、DC/DC変換器である電力変換器を介してDCバスに接続し、直流での電力ネットワーク(DCグリッド)を構築する検討が進められている。しかしながら、再生可能エネルギー導入の拡大により多くの蓄電装置やEVが導入されたDCグリッドでは、大きな負荷が発生するとネットワークの電圧が大きく変動し、定格電圧外で運転される虞がある。
特許文献1に開示されたコンバータは、AC電圧とDC電圧との変換を行うAC/DC変換器であるため、直流機器とDCバスとの間で電力の授受を行う電力変換器として使用することができない。また、DC/DC変換を行う既存の電力変換器では、DCグリッドにおける電圧変動に対応しておらず、DCバスの大きな電圧変動に対応することができていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電力ネットワークにおいて負荷の変動に対して直流のバスを安定させることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る電力変換器は、入力された電力を変換して出力する直流の電力変換部と、入力された、または出力する前記電力の電気特性値の測定値を取得する測定部と、入力値に応じて電気特性値の目標値が定義された垂下特性を有する参照関数に基づいて、前記垂下特性に対応した電圧制御又は電力制御若しくは電流制御で入力値に応じて前記電力変換部の電力変換特性を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換部の電力変換特性を制御し、前記電力変換部が接続される直流のバスに仮想慣性を付与する。
本発明の一態様に係る電力変換器においては、前記測定値に基づいて前記バスの状態を判定し、前記バスが過渡状態であると判定した場合には、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換部の電力変換特性を制御し、前記電力変換部が接続される直流のバスに仮想慣性を付与し、前記バスが定常状態であると判定した場合には、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換特性を制御する。
本発明の一態様に係る電力変換器においては、前記制御部は、前記測定値を予め定められた周期で取得し、最新の測定値が示す電圧と、最新の測定値より所定回数前に取得した測定値が示す電圧との差の絶対値が閾値以上である場合に過渡状態であると判定する。
本発明の一態様に係る電力システムは、前記電力変換器と、前記電力変換器に接続された直流のバスと、前記電力変換器に接続された、電力の供給、消費または充電が可能な電力要素と、を備える。
本発明の一態様に係る電力変換器の制御方法は、入力された電力を変換して出力する直流の電力変換器の制御方法であって、前記電力変換器に入力された、または前記電力変換器が出力する電力の電気特性値の測定値を取得する測定ステップと、入力値に応じて電気特性値の目標値が定義された垂下特性を有する参照関数に基づいて、前記垂下特性に対応した電圧制御又は電力制御若しくは電流制御で入力値に応じて前記電力変換器の電力変換特性を制御する制御ステップと、を備え、前記制御ステップでは、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換器の電力変換特性を制御し、前記電力変換器が接続される直流のバスに仮想慣性を付与する。
本発明によれば、電力ネットワークにおいて負荷の変動に対して直流のバスを安定させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には適宜同一の符号を付している。
[実施形態]
<電力システムの構成>
図1は、実施形態に係る電力システムの構成を示す図である。電力システム100は、複数の電力変換器11、12、13、14と、複数の電力要素21、22、23、24と、バス30とを備えている。さらに、電力システム100は、EMS(Energy Management System)40を備える。EMS40は中央制御装置の一例である。
<電力システムの構成>
図1は、実施形態に係る電力システムの構成を示す図である。電力システム100は、複数の電力変換器11、12、13、14と、複数の電力要素21、22、23、24と、バス30とを備えている。さらに、電力システム100は、EMS(Energy Management System)40を備える。EMS40は中央制御装置の一例である。
電力変換器11、12、13は、所謂DC/DC変換器であり、電力変換器14はAC/DC変換器である。電力変換器11、12、13、14は有線または無線により情報通信を行う機能を有する。電力変換器11、12、13、14の構成や機能については後に詳述する。
バス30は、電力システム100ではDCバスであり、電力変換器11、12、13、14に接続される。電力システム100では、DCグリッドを含む電力ネットワークが構成されている。
電力要素21は、一例として電力の供給、消費および充電が可能な定置型蓄電装置であり、電力変換器11に接続される。定置型蓄電装置は、常設される設備内蓄電装置の一例である。電力変換器11は、電力要素21が供給したDC電力の電圧を変換してバス30に出力し、かつバス30から供給されたDC電力の電圧を変換して電力要素21に出力し、充電させる機能を有する。
電力要素22は、一例として電力の発電および供給が可能な太陽光発電装置であり、電力変換器12に接続される。太陽光発電装置は、再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置の一例である。電力変換器12は、電力要素22が供給したDC電力の電圧を変換してバス30に出力する機能を有する。
電力要素23は、一例として電力の供給、消費および充電が可能な車載蓄電装置であり、電力変換器13に接続される。車載蓄電装置は電気自動車EVに搭載されており、移動する非定置型の蓄電装置の一例である。電力変換器13は、電力要素23が供給したDC電力の電圧を変換してバス30に出力し、かつバス30から供給されたDC電力の電圧を変換して電力要素23に出力し、充電させる機能を有する。電力変換器13はたとえば充電ステーションや住宅用充電設備に設けられるが、電気自動車EVに搭載されてもよい。
電力要素24は、一例として商用電力系統であり、電力変換器14に接続される。電力変換器14は、電力要素24が供給したAC電力をDC電力に変換してバス30に出力し、かつバス30から供給されたDC電力をAC電力に変換して電力要素24に出力する。バス30から電力要素24への電力の出力は逆潮流とも呼ばれる。
EMS40は、電力システム100の状態を統合的に管理する機能を有する。EMS40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを備えている。
制御部41は、EMS40の機能の実現のための各種演算処理を行うものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサを含んで構成される。制御部41の機能は、制御部41が記憶部42から各種プログラムを読み出して実行することで、機能部として実現される。
記憶部42は、制御部41が演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータなどが格納される、たとえばROM(Read Only Memory)を備えている。また、記憶部42は、制御部41が演算処理を行う際の作業スペースや制御部41の演算処理の結果などを記憶するなどのために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)を備えている。記憶部42は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を備えていてもよい。
通信部43は、有線または無線により情報通信を行う通信モジュールを含んで構成されている。通信部43は、インターネット回線網や携帯電話回線網などから構成されるネットワークNWを経由して、電力変換器11、12、13、14や外部サーバ200と情報通信を行う。
なお、外部サーバ200は、電力システム100の外部に設けられたサーバである。外部サーバ200は、たとえば、他の電力システムにおいてEMSとして機能するように構成された情報処理装置や、データベースを備え、EMS40に対してデータサーバとして機能する情報処理装置である。外部サーバ200は、電力システム100の運用に影響を及ぼす可能性のある各種情報を記憶している。
<電力変換器の構成>
つぎに、電力変換器11の具体的構成について説明する。図2は、電力変換器11の構成を示す図である。電力変換器11は、電力変換部11aと、センサ11bと、制御部11cと、通信部11dとを有する。
つぎに、電力変換器11の具体的構成について説明する。図2は、電力変換器11の構成を示す図である。電力変換器11は、電力変換部11aと、センサ11bと、制御部11cと、通信部11dとを有する。
電力変換部11aは、放電している電力要素21から入力されたDC電力の電圧を変換してバス30に出力するDC/DC変換を行う。電力変換部11aは、バス30から入力されたDC電力の電圧を変換して電力要素21に出力し、充電することもできる。電力変換部11aは、たとえばコイル、コンデンサ、ダイオード、スイッチング素子などを含む電気回路で構成されている。スイッチング素子はたとえば電界効果トランジスタや絶縁ゲート型バイポーラトランジスタである。電力変換部11aは、たとえばPWM(Pulse Width Modulation)制御によって電力変換特性を制御することができる。
センサ11bは、電力変換部11aのバス30側の電力の電気特性値を測定する。したがって、センサ11bは、バス30から電力変換器11に入力されるまたは電力変換器11からバス30へ出力する電力の電気特性値を測定する。センサ11bは、電流値、電圧値、電力値などを測定することができる。センサ11bは、測定値を取得する測定部の一例である。センサ11bは、電気特性値の測定値を制御部11cに出力する。
制御部11cは、電力変換器11の主に電力変換機能の実現のために、電力変換部11aの動作を制御するための各種演算処理を行うプロセッサと記憶部とを含んで構成される。プロセッサおよび記憶部は、それぞれ、制御部41、記憶部42の構成として例示したものを用いることができる。制御部11cの機能は、プロセッサが記憶部から各種プログラムを読み出して実行することで、機能部として実現される。例えば、制御部11cは、自端の電力(P)又は自端の電流(I)と自端の電圧(V)に基づいた参照関数が付与され、付与された参照関数に基づいて電力変換部11aの電力変換特性を制御する。具体的には、制御部11cは、PWM制御のための操作量(たとえば、デューティ比)の情報を含むPWM信号を電力変換部11aに出力し、電力変換部11aをPWM制御する。なお、制御部11cは、操作量を電力変換部11aに直接的に出力してもよいし、図示しない他の機能部(たとえばループ制御部)を介して電力変換部11aに出力してもよい。
DCバスに要求される電力量又は電流に応じて目標電圧値に垂下特性を持たせる、すなわちドループ特性を持たせた参照関数が用いられる場合、当該制御はドループ制御と呼ばれる場合がある。各電力変換器が自律分散的にドループ制御を行うことにより、DCバスに要求される電力量に応じて各機器の電力融通の負荷分担を実施しつつ、DCバスの電圧を安定化できる。
通信部11dは、有線または無線により情報通信を行う通信モジュールと、通信モジュールの動作を制御する通信制御部とを含んで構成されている。通信部11dは、ネットワークNWを経由して、EMS40と情報通信を行う。通信部11dは、たとえば、EMS40から情報や指令を受信し、制御部11cに出力する。また、通信部11dは、たとえば、制御部11cから入力された電力状況に関する情報をEMS40に送信する。なお、通信部11dは、電力状況に関する情報がセンサ11bの測定値である場合は、たとえば、センサ11bから入力された測定値をEMS40に送信してもよい。
図3は、制御部11cの主に電力変換機能に係る構成を示す図である。制御部11cは、プログラムの実行によってソフトウェア的に実現される機能部である操作量設定部11ca、判定部11cbおよび更新部11ccと、記憶部11cdとを備えている。
更新部11ccは、通信部11dから入力された更新指令に含まれている参照関数情報と制御方法情報を記憶部11cdに記憶させ、記憶部11cdに記憶されている参照関数情報と制御方法情報を更新する。ここで、参照関数情報とは、参照関数を構成するドループ関数を特定するための各種情報であるが、後に詳述する。
判定部11cbは、操作量設定部11caが行うフィードバック制御の方法を記憶部11cdに記憶されている制御方法情報に基づいて判定し、この判定結果を判定情報として出力する。なお、このフィードバック制御の方法としては、センサ11bによる電圧の測定値Voと、参照関数情報と、に基づいて目標電力Pref(目標値の一例)を決定し、Prefと、センサ11bによる電力の測定値Po(制御対象値の一例)との差分が許容範囲以下になるように操作量を設定するフィードバック制御(以下、droopP制御と称する)と、センサ11bによる電力の測定値Poと、参照関数情報と、に基づいて目標電圧Vref(目標値の一例)を決定し、Vrefと、センサ11bによる電圧の測定値Vo(制御対象値の一例)との差分が許容範囲以下になるように操作量を設定するフィードバック制御(以下、droopV制御と称する)と、センサ11bによる電圧の測定値Voと、参照関数情報と、に基づいて目標電流Iref(目標値の一例)を決定し、Irefと、センサ11bによる電流の測定値Io(制御対象値の一例)との差分が許容範囲以下になるように操作量を設定するフィードバック制御(以下、droopI制御と称する)と、がある。電力制御の一例であるdroopP制御と、電圧制御の一例であるdroopV制御と、電流制御の一例であるdroopI制御は、電力変換部11aの出力を制御する制御方法の一例である。前述の制御方法情報は、droopP制御、droopV又はdroopI制御を表す情報であり、判定部11cbは、フィードバック制御の方法を記憶部11cdに記憶されている制御方法情報に基づいて判定し、droopP制御を行うとの判定結果、droopV制御を行うとの判定結果、又はdroopI制御を行うとの判定結果を判定情報として出力する。
また、判定部11cbは、フィードバック制御の方法をdroopI制御と判定した場合、バス30が定常状態と過渡状態のいずれであるかをセンサ11bから出力される測定値に基づいて判定し、この判定結果を判定情報として出力する。具体的には、判定部11cbは、予め定められた周期でセンサ11bから測定値を取得する。判定部11cbは、この取得した測定値を記憶部11cdに記憶させる。判定部11cbは、記憶部11cdに記憶された測定値が含むバス30の電圧値に基づいて、バス30が定常状態であるか過渡状態であるか判定し、判定結果を判定情報として出力する。
測定値に含まれるバス30の電圧値の時間変化の一例を図4に示す。図4において縦軸は、バス30の電圧であり、横軸は、測定値の取得のステップ数である。判定部11cbは、例えば、取得した最新の測定値のステップ数をnとし、n回目のステップで取得した電圧値(Vobsv[n])と、n-k回目のステップで取得した電圧値(Vobsv[n-k])との差の絶対値を算出する。判定部11cbは、図4(a)に示すようにVobsv[n]とVobsv[n-k]との差の絶対値が小さく、|Vobsv[n]-Vobsv[n-k]|<閾値である場合には、定常状態であると判定する。また、判定部11cbは、図4(b)に示すようにVobsv[n]とVobsv[n-k]との差の絶対値が大きく、|Vobsv[n]-Vobsv[n-k]|≧閾値である場合には、過渡状態であると判定する。測定値を取得するサンプリング周波数は、例えば10kHzであり、kの値は200であるが、測定値の取得のサンプリング周波数とkの値は、これらの周波数と値に限定されるものではなく、他の周波数と値であってもよい。また、定常状態であるか過渡状態であるかを判定するための閾値は、バス30に接続される電力変換部や電力要素によって定められる。
操作量設定部11caは、フィードバック制御の方法を判定部11cbから入力された判定情報に従って設定し、センサ11bから入力された測定値と、記憶部11cdから取得した参照関数情報と、判定情報が示すバス30の状態に基づいて操作量を設定して電力変換部11aに出力する。例えば、操作量設定部11caは、フィードバック制御の方法をdroopI制御に設定した場合、判定情報が示すバス30の状態が定常状態であるときには定常制御を行い、判定情報が示すバス30の状態が過渡状態であるときには仮想慣性制御を行う。
図5は、仮想慣性制御を行うときの電力変換部11aの等価回路図である。仮想慣性制御とは、電力変換部11aで電流源IAに対して仮想的なキャパシタの動作を模擬し、バス30の電圧について実際のキャパシタによる慣性力と同様の慣性力、即ち仮想的な慣性力である仮想慣性力を生じさせることにより、バス30の急激な電圧変動を抑える制御である。ここで慣性力とは、電圧の変動に対して変動を抑えようとする力や電圧の瞬時の変化に耐える力である。具体的には、操作量設定部11caは、仮想慣性制御を行う場合、電力変換部11aからの電流の出力値Ioutを以下の式(1)に示す式で算出し、算出した出力値Ioutとなるように操作量を設定する。なお、式(1)においては、Ioは、droopI制御で目標とする電流の目標値、Vobsvは、バス30の電圧の測定値、Rは、バス30の仮想抵抗Rの抵抗値、Cは、バス30の仮想キャパシタCの静電容量、Tsは、制御周期、nは、制御のステップ数である。仮想抵抗Rの抵抗値と仮想キャパシタCの静電容量は、バス30に接続される電力変換部や電力要素によって定められる。なお、式(1)は一例であり、仮想慣性制御を行うためにIoutを設定する式は、式(1)に限定されるものではなく、仮想抵抗Rと仮想キャパシタCの動作を模擬できるものであれば他の式であってもよい。
また、操作量設定部11caは、定常制御を行う場合には、電力変換部11aからの電流の出力値Ioutを以下の式(2)で算出し、算出した出力値Ioutとなるように操作量を設定する。定常制御は、仮想慣性制御から仮想キャパシタCの成分を除いた制御である。
なお、操作量設定部11caが行うフィードバック制御は、たとえば記憶部11cdに記憶された比例ゲイン、積分時間、微分時間などのパラメータを読み出して実行されるPID制御等の、公知の手法を用いて実行できる。
記憶部11cdまたは操作量設定部11caは、電力状況に関する情報や参照関数情報、制御方法情報などの情報を通信部11dに出力する。
なお、他の電力変換器12、13、14は、電力変換器11と同様の構成を有していてもよい。ただし、電力変換器14の電力変換部11aは、電力要素24から入力されたAC電力をDC電力に変換してバス30に出力したり、バス30から入力されたDC電力をAC電力に変換して電力要素24に出力したりする、いわゆるインバータである。
<参照関数の特性>
つぎに、制御部11cが電力変換部11aの電力変換特性を制御する基となる参照関数について説明する。図6は、電力変換特性の一例を示す図である。
つぎに、制御部11cが電力変換部11aの電力変換特性を制御する基となる参照関数について説明する。図6は、電力変換特性の一例を示す図である。
図6(a)は、電力変換器11が有する電力変換部11aのバス30側の電流(I)と電圧(V)との関係であるV-I特性を示す図であり、電力変換器11が有する電力変換部11aの電力変換特性を示している。なお、Iは、電力変換部11aがバス30に電力を供給する状態、即ち電力要素21の放電状態の場合は正値であり、バス30から電力を供給される状態、即ち電力要素21の充電状態の場合は負値である。
図6(a)に示す線DL1は、途中で屈曲した直線状または曲線状の線である。この線DL1が表す参照関数は、入力値の区間に応じて定義された、互いに垂下特性が異なる5つの垂下特性のドループ関数で構成されている。具体的には、線DL1は、5つのドループ関数を表す線で構成されており、参照関数情報によって特定される。参照関数情報は、たとえば、横軸をI、縦軸をVとした座標におけるドループ関数の境界の座標情報、ドループ関数の切片情報、傾き(すなわち垂下係数)の情報、形状(直線、曲線など)の情報が含まれている。電力変換器11においては、制御部11cは、電力変換部11aの電力変換特性を、線DL1で示される参照関数の特性となるように制御する。すなわち、電力変換器11の制御部11cは、Vの値とIの値とで定義される動作点が線DL1上に位置するように電力変換部11aを制御する。
図6(b)は、電力変換器12が有する電力変換部11aのバス30側の電力(P)と電圧(V)との関係であるV-P特性を示す図であり、電力変換器12が有する電力変換部11aの電力変換特性を示している。なお、Pは、電力変換部11aがバス30に電力を供給する状態、即ち電力要素21の放電状態の場合は正値であり、バス30から電力を供給される状態、即ち電力要素21の充電状態の場合は負値である。
図6(b)に示す線DL2は、途中で屈曲した直線状または曲線状の線である。この線DL2が表す参照関数は、入力値の区間に応じて定義された、互いに垂下特性が異なる5つのドループ関数を表す線が接続して構成されており、線DL2は、線DL1と同様に参照関数情報によって特定される。この参照関数情報は、たとえば、横軸をP、縦軸をVとした座標におけるドループ関数の境界の座標情報、ドループ関数の切片情報、傾き(すなわち垂下係数)の情報、形状(直線、曲線など)の情報が含まれている。電力変換器12においては、制御部11cは、電力変換部11aの電力変換特性を、線DL2で示される参照関数の特性となるように制御する。すなわち、電力変換器12の制御部11cは、Vの値とPの値とで定義される動作点が線DL2上に位置するように電力変換部11aを制御する。
図6(c)は、電力変換器13が有する電力変換部11aのバス30側の電力(P)と電圧(V)との関係であるV-P特性を示す図であり、電力変換器13が有する電力変換部11aの電力変換特性を示している。
図6(c)に示す線DL3は、途中で屈曲した直線状または曲線状の線である。この線DL3が表す参照関数は、入力値の区間に応じて定義された、互いに垂下特性が異なる9つのドループ関数を表す線が接続して構成されており、線DL3も参照関数情報によって特定される。電力変換器13においては、制御部11cは、電力変換部11aの電力変換特性を、線DL3で示される参照関数の特性となるように制御する。すなわち、電力変換器13の制御部11cは、Vの値とPの値とで定義される動作点が線DL3上に位置するように電力変換部11aを制御する。
図6(d)は、電力変換器14が有する電力変換部11aのバス30側の電力(P)と電圧(V)との関係であるV-P特性を示す図であり、電力変換器14が有する電力変換部11aの電力変換特性を示している。
図6(d)に示す線DL4は、途中で屈曲した直線状または曲線状の線である。この線DL4が表す参照関数は、入力値の区間に応じて定義された、互いに垂下特性が異なる3つのドループ関数を表す線が接続して構成されており、線DL4は、線DL1と同様に参照関数情報によって特定される。電力変換器14においては、制御部11cは、電力変換部11aの電力変換特性を、線DL4で示される参照関数の特性となるように制御する。すなわち、電力変換器14の制御部11cは、Vの値とPの値とで定義される動作点が線DL4上に位置するように電力変換部11aを制御する。
<制御方法>
つぎに、電力変換器11、12、13、14の制御方法および電力システム100の制御方法について説明する。電力システム100では、電力変換器11、12、13、14が個別に自律分散的に制御を行う、いわゆる自端制御と、EMS40が、電力システム100の電力状況に応じて電力変換器11、12、13、14を協調制御する集中制御とが実行され得る。なお、たとえば、自端制御は比較的短い周期で繰り返し実行され、集中制御は自端制御の周期よりも長い間隔で実行される。自端制御は一次制御とも呼ばれ、集中制御は二次制御とも呼ばれる。これらの制御方法は、たとえば、各電力変換器またはEMS40において、プログラムがプロセッサに実行させる。
つぎに、電力変換器11、12、13、14の制御方法および電力システム100の制御方法について説明する。電力システム100では、電力変換器11、12、13、14が個別に自律分散的に制御を行う、いわゆる自端制御と、EMS40が、電力システム100の電力状況に応じて電力変換器11、12、13、14を協調制御する集中制御とが実行され得る。なお、たとえば、自端制御は比較的短い周期で繰り返し実行され、集中制御は自端制御の周期よりも長い間隔で実行される。自端制御は一次制御とも呼ばれ、集中制御は二次制御とも呼ばれる。これらの制御方法は、たとえば、各電力変換器またはEMS40において、プログラムがプロセッサに実行させる。
<自端制御>
はじめに、自端制御における電力変換器11、12、13、14の制御方法について、電力変換器11を例として説明する。他の電力変換器12、13、14においても、以下の説明と同様の制御方法が適宜実行されてもよい。なお、電力要素22が、太陽光発電装置のように、効率などの観点から発電量を制御しない要素である場合、電力変換器12は、電力要素22からその発電量に応じた電力が入力されると、その発電量にてバス30への出力電力が最大になるように動作させるMPPT(Maximum Power Point Tracking)方式の制御を実行してもよい。例えば、図4(b)は、MPPT方式の制御を実行する際の参照関数の一例である。
はじめに、自端制御における電力変換器11、12、13、14の制御方法について、電力変換器11を例として説明する。他の電力変換器12、13、14においても、以下の説明と同様の制御方法が適宜実行されてもよい。なお、電力要素22が、太陽光発電装置のように、効率などの観点から発電量を制御しない要素である場合、電力変換器12は、電力要素22からその発電量に応じた電力が入力されると、その発電量にてバス30への出力電力が最大になるように動作させるMPPT(Maximum Power Point Tracking)方式の制御を実行してもよい。例えば、図4(b)は、MPPT方式の制御を実行する際の参照関数の一例である。
電力変換器11の制御方法においては、制御部11cが、参照関数に基づいて、電力変換器11の電力変換特性、すなわち電力変換部11aの電力変換特性を制御する制御ステップを実行する。この制御ステップの内容の一例について、図7を参照してさらに具体的に説明する。図7は、制御部11cが行う処理の流れを示すフローチャートである。
はじめに、制御部11cにおいては、操作量設定部11caと判定部11cbがセンサ11bから最新の測定値を取得する(ステップS101)。次に制御部11cにおいては、判定部11cbがk回前に取得して記憶された測定値を記憶部11cdから取得する(ステップS102)。続いて制御部11cにおいては、判定部11cbがステップS101で取得した測定値が含むバス30の電圧値(Vobsv[n])と、ステップS102で取得した測定値が含むバス30の電圧値(Vobsv[n-k])との差(Vobsv[n]-Vobsv[n-k])であるΔVを算出する(ステップS103)。
次に制御部11cにおいては、ΔVの絶対値が予め定められた閾値以上であるかを判定部11cbが判断する(ステップS104)。判定部11cbは、ΔVの絶対値が予め定められた閾値以上である場合(ステップS104でYes)、過渡状態であるとの判定情報を操作量設定部11caへ出力し、操作量設定部11caが行う制御を仮想慣性制御に設定する(ステップS105)。判定部11cbは、ΔVの絶対値が予め定められた閾値未満である場合(ステップS104でNo)、定常状態であるとの判定情報を操作量設定部11caへ出力し、操作量設定部11caが行う制御を定常制御に設定する(ステップS106)。
つづいて、制御部11cにおいては、操作量設定部11caが記憶部11cdから参照関数情報を取得する(ステップS107)。次に制御部11cにおいては、記憶部11cdに記憶されている制御方法情報に基づいて判定部11cbがフィードバック制御の方法を判定する(ステップS108)。つづいて、制御部11cにおいては、操作量設定部11caが判定部11cbから出力される判定情報を取得し、取得した判定情報に基づく制御方法でのフィードバック制御を実行するための操作量を、測定値および参照関数情報に基づいて設定し、電力変換部11aに出力する(ステップS109)。これにより電力変換部11aの制御が実行される。
図8は、バス30が過渡状態であると判定部11cbが判定して操作量設定部11caがdroopI制御で仮想慣性制御を行ったときのバス30の電圧の変化を示すグラフである。図8においては、仮想慣性制御を行ったときのバス30の電圧の変化を実線で示し、比較のため仮想慣性制御を行わなかったときの電圧の変化を破線で示している。バス30の電圧が変化した場合、仮想慣性制御を行わないと、図8にて破線で示したようにバス30の電圧が大きく変動する。一方、バス30の電圧が変化した場合に仮想慣性制御を行うと、図8にて実線で示したようにバス30の電圧を抑えることができる。
図9は、バス30の電流値の変化を示すグラフである。具体的には、図9(a)は、droopI制御で仮想慣性制御を行わないときのバス30の電流値の変化を示しており、図9(b)は、droopI制御で仮想慣性制御を常時行ったときのバス30の電流値の変化を示している。また、図9(c)は、図7に示したフローチャートに従って、droopI制御でバス30が過渡状態であるときには仮想慣性制御を行い、droopI制御でバス30が定常状態であるときには定常制御を行ったときのバス30の電流値の変化を示している。
制御部11cがdroopI制御を行うときに仮想慣性制御を行わないと、バス30の電圧の変化に応じて図9(a)に示すように、バス30の電流値が大きく変化する。しかしながら、この場合、電流値が大きく変化しているときには、バス30の電圧は、図8にて破線で示したように電圧が大きく変動してしまう。
また、制御部11cがdroopI制御を行うときに仮想慣性制御を常時行うと、バス30でのノイズによる小さな電圧変化をセンサ11bが拾ってしまうため、電力変換部11aからの電流の出力値Ioutは、図9(b)に示すように振動してしまうこととなる。
一方、制御部11cが、図7に示したフローチャートに従って、droopI制御でバス30が過渡状態であるときには仮想慣性制御を行い、droopI制御でバス30が定常状態であるときには定常制御を行った場合、図9(c)に示すように定常状態では出力値Ioutが振動するのを抑え、過渡状態では出力値Ioutを収束させることができる。
<集中制御>
つぎに、集中制御について説明する。以下に示す例では、電力変換器11、12、13、14の外部に設けられたEMS40が、電力変換器11、12、13、14が制御に用いる参照関数やフィードバック制御方法を指令によって更新することによって、集中制御を実行する。参照関数やフィードバック制御方法を指令によって更新するとは、指令が参照関数に関する参照関数情報と、フィードバック制御方法に関する制御方法情報とを含んでおり、指令によって参照関数の一部または全体と、フィードバック制御方法を更新することを意味する。電力変換器11、12、13、14のそれぞれの記憶部11cdは、参照関数情報と制御方法情報を更新可能に記憶している。
つぎに、集中制御について説明する。以下に示す例では、電力変換器11、12、13、14の外部に設けられたEMS40が、電力変換器11、12、13、14が制御に用いる参照関数やフィードバック制御方法を指令によって更新することによって、集中制御を実行する。参照関数やフィードバック制御方法を指令によって更新するとは、指令が参照関数に関する参照関数情報と、フィードバック制御方法に関する制御方法情報とを含んでおり、指令によって参照関数の一部または全体と、フィードバック制御方法を更新することを意味する。電力変換器11、12、13、14のそれぞれの記憶部11cdは、参照関数情報と制御方法情報を更新可能に記憶している。
たとえば、EMS40と電力変換器11、12、13、14との情報通信においては、参照関数の更新を行う指令信号に、参照関数情報と、制御方法情報とが含まれる。参照関数情報は、上述したように、ドループ関数の境界の座標情報、ドループ関数の切片情報、傾き(すなわち垂下係数)の情報、形状(直線、曲線など)の情報である。制御方法情報は、droopP制御、droopV制御又はdroopI制御を表す情報である。更新に使用される参照関数情報はEMS40の記憶部42に記憶されており、制御部41が適宜読み出して用いる。
つぎに、集中制御として電力システム100の制御方法の一例について、図10のシーケンス図を参照して説明する。
はじめに、EMS40は、自装置のタイマーを発呼し、計時を開始する(ステップS201)。つづいて、EMS40は、電力変換器11、12、13、14のそれぞれに、自端計測情報を要求する(ステップS202)。自端計測情報とは、電力システム100の電力状況に関する情報の一例であって、電力変換器11、12、13、14のそれぞれのセンサ11bによって測定された測定値や、測定時刻を含む。
つづいて、電力変換器11、12、13、14は、それぞれ自端計測情報をEMS40に送信する(ステップS203)。EMS40はそれぞれの自端計測情報を記憶部42に記憶する。
つづいて、EMS40は、電力システム100の電力状況に関する情報の一例として、外部サーバ200に、電力システム100の運用に影響を及ぼす可能性のある各種情報を要求する(ステップS204)。本例では、EMS40は外部サーバ200に発電量・需要予測情報を要求する。発電量・需要予測情報は、電力システム100における発電量の予測情報や電力の需要予測情報を含み、たとえば電力システム100が設置されている地域の季節や現在の天気、今後の天気予報などの情報を含んでもよい。また、外部サーバ200が他の電力システムのEMSとして機能する場合、当該他の電力システムの運用状態が、電力システム100の運用に影響を及ぼす可能性がある場合は、発電量・需要予測情報は、当該他の電力システムにおける発電量の予測情報や電力の需要予測情報を含むものでもよい。
つづいて、外部サーバ200は、EMS40に、発電量・需要予測情報を送信する(ステップS205)。EMS40は発電量・需要予測情報を記憶部42に記憶する。
つづいて、EMS40の制御部41は、送信されてきた各情報、すなわち電力システム100の電力状況に関する情報等を記憶部42から読み出して、これに基づいて、電力システム100の運用最適化計算を実行する(ステップS206)。
運用最適化計算は、様々な条件に適用するよう実行される。たとえば、電力システム100が、バス30が所定の電圧の動作点となるように制御されているとする。この状態において、EMS40が、発電量・需要予測情報により、太陽光発電装置である電力要素22が設置された地域の今後の天気が晴天であって発電量が増加すると予想され、かつ電力要素22に接続された電力変換器12から取得した自端計測情報から、電力要素22に電力供給の点で余裕があると判定したとする。この場合、EMS40は、当該動作点にて定置型蓄電装置である電力要素21が充電されるように、電力要素21に接続された電力変換器11の参照関数を更新すると判定する。また、EMS40は、当該更新と同時に、商用電力系統である電力要素24から電力供給されないように、電力要素24に接続された電力変換器14の参照関数を更新すると判定する。
また、運用最適化計算は、ピークカットや夜間電力の活用等、商用電力系統である電力要素24の契約電力を超えないようにする観点や電気料金の適正化の観点からも条件設定され、実行することもできる。
また、EMS40の記憶部42は、学習済モデルを格納しており、EMS40は、学習済モデルを用いて運用最適化計算を実行してもよい。学習済モデルは、たとえば、電力システム100の電力状況に関する情報とそれに対応する電力変換器11、12、13、14に対する参照関数の切り替えや更新の結果とを教師データとして、ニューラルネットワークを用いた深層学習によって生成された学習済モデルを用いることができる。
つづいて、EMS40は、運用最適化計算の結果に基づいて、電力変換器11、12、13、14のうち更新対象の電力変換器に適した参照関数情報と制御方法情報を設定し、設定した参照関数情報および制御方法情報を含む参照関数(ドループ関数)及びフィードバック制御方法の更新指令を出力する(ステップS207)。つづいて、EMS40は、タイマーをリセットする(ステップS208)。
つづいて、電力変換器11、12、13、14のうち更新対象の電力変換器は、参照関数の更新とフィードバック制御方法の更新指令を取得し、参照関数およびフィードバック制御方法の更新を行う(ステップS209)。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上述した実施形態においては、制御部11cは、droopP制御を行うときにもバス30が過渡状態の場合には仮想慣性制御を行い、バス30が定常状態の場合には定常制御を行うようにしてもよい。電力変換器11がdroopP制御を行う場合、操作量設定部11caが参照する参照関数は、例えば、図6(a)に示す特性の横軸を電力(P)に替え、入力値の区間に応じて定義された垂下特性のドループ関数で構成される。
操作量設定部11caは、式(1)及び式(2)の式における仮想抵抗Rの抵抗値と仮想キャパシタCの静電容量を、EMS40からの指示に応じて変更してもよい。また、EMS40は、式(1)及び式(2)における仮想抵抗Rの抵抗値と仮想キャパシタCの静電容量を、電力変換器11、12、13、14から取得した情報に基づいて設定し、設定した抵抗値と静電容量にするように電力変換器11、12、13、14に指示してもよい。
本発明は、電力変換器、電力システム及び電力変換器の制御方法に利用することができる。
11、12、13、14 :電力変換器
11a :電力変換部
11b :センサ
11c、41 :制御部
11ca :操作量設定部
11cb :判定部
11cc :更新部
11cd、42 :記憶部
11d、43 :通信部
21、22、23、24 :電力要素
30 :バス
40 :EMS
100 :電力システム
200 :外部サーバ
DL1、DL2、DL3、DL4 :線
EV :電気自動車
NW :ネットワーク
11a :電力変換部
11b :センサ
11c、41 :制御部
11ca :操作量設定部
11cb :判定部
11cc :更新部
11cd、42 :記憶部
11d、43 :通信部
21、22、23、24 :電力要素
30 :バス
40 :EMS
100 :電力システム
200 :外部サーバ
DL1、DL2、DL3、DL4 :線
EV :電気自動車
NW :ネットワーク
Claims (5)
- 入力された電力を変換して出力する直流の電力変換部と、
入力された、または出力する前記電力の電気特性値の測定値を取得する測定部と、
入力値に応じて電気特性値の目標値が定義された垂下特性を有する参照関数に基づいて、前記垂下特性に対応した電圧制御又は電力制御若しくは電流制御で入力値に応じて前記電力変換部の電力変換特性を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換部の電力変換特性を制御し、前記電力変換部が接続される直流のバスに仮想慣性を付与する
電力変換器。 - 前記制御部は、前記測定値に基づいて前記バスの状態を判定し、前記バスが過渡状態であると判定した場合には、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換部の電力変換特性を制御し、前記電力変換部が接続される直流のバスに仮想慣性を付与し、前記バスが定常状態であると判定した場合には、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換特性を制御する
請求項1に記載の電力変換器。 - 前記制御部は、前記測定値を予め定められた周期で取得し、最新の測定値が示す電圧と、最新の測定値より所定回数前に取得した測定値が示す電圧との差の絶対値が閾値以上である場合に過渡状態であると判定する
請求項2に記載の電力変換器。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力変換器と、
前記電力変換器に接続された直流のバスと、
前記電力変換器に接続された、電力の供給、消費または充電が可能な電力要素と、
を備える電力システム。 - 入力された電力を変換して出力する直流の電力変換器の制御方法であって、
前記電力変換器に入力された、または前記電力変換器が出力する電力の電気特性値の測定値を取得する測定ステップと、
入力値に応じて電気特性値の目標値が定義された垂下特性を有する参照関数に基づいて、前記垂下特性に対応した電圧制御又は電力制御若しくは電流制御で入力値に応じて前記電力変換器の電力変換特性を制御する制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップでは、前記測定値を前記入力値とし、当該入力値から前記参照関数に基づいて定まる前記目標値に基づいて前記電力変換器の電力変換特性を制御し、前記電力変換器が接続される直流のバスに仮想慣性を付与する
電力変換器の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021197814A JP2023083863A (ja) | 2021-12-06 | 2021-12-06 | 電力変換器、電力システム及び電力変換器の制御方法 |
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JP2021197814A Pending JP2023083863A (ja) | 2021-12-06 | 2021-12-06 | 電力変換器、電力システム及び電力変換器の制御方法 |
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