JP2023083709A - 医療用長尺体、及びイントロデューサー - Google Patents

医療用長尺体、及びイントロデューサー Download PDF

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Koki Yamashita
真祐子 市川
Mayuko Ichikawa
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Abstract

【課題】簡単な操作でカテーテル本体が生体管腔から抜け出ることを防止できる医療用長尺体、及びイントロデューサーを提供する。【解決手段】カテーテル本体110は、カテーテル本体の外表面110aに固定された固定部130と、固定部の基端132から延在するとともに、少なくとも一部が軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部140と、を備える移動抑制部120を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、医療用長尺体、及びイントロデューサーに関する。
従来から、医療デバイス等を生体管腔に挿入するために使用される医療器具としてイントロデューサーが知られている。
イントロデューサーは、内腔が形成された中空管状のカテーテル本体(シースチューブ)と、カテーテル本体の基端部に配置されたハブ部を備える医療用長尺体(シースイントロデューサー)と、カテーテル本体に挿入可能なダイレーターチューブを備えるダイレーターと、を有する。
イントロデューサーを使用した手技では、術者等は、カテーテル本体にダイレーターチューブを挿入した状態で経皮的に血管(生体管腔)内へカテーテル本体を挿入する。術者等は、カテーテル本体の先端側を血管内に挿入した状態で、カテーテル本体からダイレーターチューブを抜去する。そして、術者等は、カテーテル本体の内腔を血管内と生体外部とを繋ぐアクセス経路として利用することで、バルーンカテーテル等の各種の医療デバイスを血管内に挿入することができる。
上記のようなイントロデューサーを使用した手技において、術者等は、カテーテル本体を所定の間、血管内に挿入した状態に維持する。例えば、カテーテル本体を血管内に挿入した状態でカテーテル本体が血管壁に対して摺動すると、カテーテル本体の外表面と血管壁との摩擦により、スパズム(血管攣縮)が発生することがある。スパズムの発生を防止する方法の一例として、カテーテル本体の外表面に親水性コート層等を設けることで、カテーテル本体の摺動抵抗を低下させる方法が考えられる。
しかしながら、カテーテル本体の外表面の摺動抵抗を低下させると、血管内でカテーテル本体が移動し易くなる。そのため、例えば、術者がカテーテル本体に挿入した医療デバイスを手元側(基端側)へ移動させる操作を行うと、カテーテル本体内の医療デバイスの移動に追従し、カテーテル本体が生体外部へ抜け出てしまう可能性がある。このような課題の対策として、カテーテル本体の抜けを防止するための何らかの構造をカテーテル本体に設置することが考えられる。
例えば、下記特許文献1には、腹腔鏡を生体内に導入するために使用されるトラカール外套管を生体に対して保持可能とするために、トロカール外套管にバルーンを取り付けた発明が提案されている。このトロカール外套管によれば、トロカール外套管の先端側の一部を生体内に導入した状態で、トロカール外套管の基端部付近に配置されたバルーンを拡張させることで、バルーンをストッパーとして利用することができる。それにより、特許文献1に記載された発明は、トロカール外套管が生体外部へ抜け出ることを防止できる。
特開平6-54798号
シースイントロデューサーのような医療用長尺体においても、上記特許文献1に記載されたバルーンのような構造を設置することにより、手技の最中にカテーテル本体が生体外部へ抜け出ることを防止することが可能になると考えられる。
しかしながら、バルーンのように流体を供給して拡張及び収縮を操作する機構を採用した場合、術者等は、カテーテル本体を血管内に挿入する作業とは別に、手技の状況に応じてバルーンを拡張させたり、バルーンを収縮させたりしなければならない。そのため、医療用長尺体を使用した手技が煩雑なものとなる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡単な操作によって生体管腔内に挿入したカテーテル本体が生体外部へ抜け出ることを防止できる医療用長尺体、及びイントロデューサーを提供することを目的とする。
本発明に係る医療用長尺体は、軸方向に延在する内腔が形成されたカテーテル本体と、前記カテーテル本体の基端部に配置されたハブ部と、を有し、前記カテーテル本体は、前記カテーテル本体の外表面に固定された固定部と、前記固定部の基端から延在するとともに、少なくとも一部が前記軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部と、を備える移動抑制部を有し、前記ストッパー部は、前記カテーテル本体の外表面に固定されておらず、かつ生体管腔内への前記カテーテル本体の挿入に伴って前記カテーテル本体の外表面に沿うように変形可能に構成されている。
本発明の医療用長尺体は、カテーテル本体に配置された移動抑制部を備える。移動抑制部は、カテーテル本体の外表面に固定された固定部と、カテーテル本体の軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部と、を備える。ストッパー部は、カテーテル本体の外表面に固定されておらず、かつ生体管腔内へのカテーテル本体の挿入に伴ってカテーテル本体の外表面に沿うように変形可能である。そのため、医療用長尺体は、カテーテル本体が生体管腔内に挿入される際、カテーテル本体の挿入がストッパー部によって妨げられることを防止できる。また、移動抑制部は、ストッパー部が生体管腔内に挿入されると、ストッパー部がカテーテル本体の軸方向と交差する方向に突出した形状に変形する。このように変形したストッパー部は、生体管腔内で生体管腔の内壁に対して当接し、カテーテル本体が軸方向の基端側へ移動することを抑制する。そのため、術者等は、カテーテル本体の内腔に挿入した医療デバイスを基端側へ移動させる等の操作を行った際に、医療デバイスの移動に伴ってカテーテル本体が生体外部へ抜け出ることを防止できる。上記の医療用長尺体は、生体管腔内にカテーテル本体を挿入する簡単な操作によってストッパー部を軸方向と交差する方向に突出させた形状に変形させることができ、かつストッパー部によりカテーテル本体が生体外部へ抜け出ることを防止できる。そのため、術者等は、カテーテル本体が生体外部へ抜け出ることを防止するために、カテーテル本体を生体管腔内に挿入した後にバルーンを拡張させる等の作業を別途行う必要がない。したがって、医療用長尺体を使用した手技が簡便なものとなる。
第1実施形態に係るイントロデューサーを示す図である。 第1実施形態に係る医療用長尺体の断面図である。 第1実施形態に係る移動抑制部を示す斜視図である。 図2に示す矢印4A-4A線に沿う断面図である。 移動抑制部の平面図及び側面図である。 第1実施形態に係るイントロデューサーを使用した手技を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係るイントロデューサーを使用した手技を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係るイントロデューサーを使用した手技を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係るイントロデューサーを使用した手技を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係るイントロデューサーを使用した手技を模式的に示す断面図である。 図6に示す破線部11Aを拡大して示す図である。 変形例1に係る医療用長尺体の一部を示す断面図である。 変形例2に係る医療用長尺体の一部を示す断面図である。 第2実施形態に係るカバー部材を示す斜視図である。 第2実施形態に係るカバー部材の斜視図である。 カバー部材を説明するための平面図である。 カバー部材を説明するための平面図である。 第2実施形態に係るカバー部材の使用例を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係るカバー部材の使用例を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係るカバー部材の使用例を模式的に示す断面図である。 カバー部材の変形例を示す斜視図である。
<第1実施形態>
図1~図11を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1~図5には、第1実施形態に係るイントロデューサー10の各部の構成を示している。図6~図11には、イントロデューサー10の使用例を模式的に示している。
図1に示すように、イントロデューサー10は、シースイントロデューサー100と、ダイレーター200と、を備える。
本実施形態では、本発明の医療用長尺体をイントロデューサー10のシースイントロデューサー100に適用した例を説明する。
(シースイントロデューサー)
シースイントロデューサー100は、図1、図2に示すように、軸方向に延在する内腔111が形成されたカテーテル本体110と、カテーテル本体110の基端部115に配置されたハブ部150と、を備える。
シースイントロデューサー100は、カテーテル本体110の内腔111を介して各種の医療デバイス(例えば、バルーンカテーテル等のカテーテルデバイス)を血管B内へ導入するために使用することができる。
本明細書の説明において、カテーテル本体110が延在する方向を「軸方向」と称する。軸方向と直交する断面を「軸直交断面」とする。図2は軸方向に沿うシースイントロデューサー100の部分断面図(縦断面図)を示しており、図4はカテーテル本体110の軸直交断面図(図2に示す矢印4A-4A線に沿う断面図)を示している。また、図5の上側に示す図は移動抑制部120の平面図であり、図5の下側に示す図は移動抑制部120の側面図である。
本明細書の説明において、軸方向の血管B内に挿入される側を「先端側」とし、先端の反対に位置する側を「基端側」とする。「先端」とは部材の最も先端の位置であり、「基端」とは部材の最も基端の位置を意味する。「先端部」及び「基端部」は、先端又は基端から軸方向の一定の範囲を含む領域を意味する。本明細書では、カテーテル本体110の先端及び基端の各々を単に「先端」及び「基端」とも記載する。
(カテーテル本体)
カテーテル本体110は、可撓性を備える中空の管状部材で構成されている。図2に示すように、カテーテル本体110の先端には、カテーテル本体110の内腔111に挿入されるダイレーターチューブ210の先端部や医療デバイスを突出させることを可能にする先端開口部113が設けられている。
カテーテル本体110の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら二種以上の混合物など)、ポリオレフィンエラストマー、ポリオレフィンの架橋体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体など)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子材料またはこれらの混合物等を用いることができる。
図2に示すように、カテーテル本体110の外表面110a(図3、図5を参照)には親水性コート層c1を設けることができる。なお、図2以外の図面では、親水性コート層c1の図示を省略している。
本実施形態では、カテーテル本体110においてストレインリリーフ部180よりも先端側の部分であって、かつ各移動抑制部120a、120b、120c、120dが配置されていない部分に親水性コート層c1を設けている。
親水性コート層c1を形成する材料としては、例えば、グリシジルメタクリレート-ジメチルアクリルアミド共重合体、セルロース系高分子物質、ヒアルロン酸、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質、アクリルアミド系高分子物質等を用いることができる。ただし、親水性コート層c1を形成する材料について特に制限はない。
カテーテル本体110は、図2、図3、図5に示すように、カテーテル本体110の外表面110aに固定された固定部130と、固定部130の基端132から延在するとともに、少なくとも一部が軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部140と、を備える移動抑制部120を有する。
本明細書では、上記の「軸方向と交差する方向に突出した形状」(図3、図5に示す状態の形状)を「第1形状」とも称する。
図3、図4に示すように、カテーテル本体110は、カテーテル本体110の周方向の異なる位置に配置された4つの移動抑制部120a、120b、120c、120dを有する。
図1、図2に示すように、各移動抑制部120a、120b、120c、120dは、カテーテル本体110の基端部115寄りの位置に配置することができる。ただし、カテーテル本体110の軸方向において各移動抑制部120a、120b、120c、120dを配置する具体的な位置は特に限定されない。
本明細書の説明では、4つの移動抑制部120の各々は、「第1移動抑制部120a」、「第2移動抑制部120b」、「第3移動抑制部120c」、「第4移動抑制部120d」と称する。また、4つの移動抑制部120a、120b、120c、120dを総称して「移動抑制部120」とする。
本実施形態では、4つの移動抑制部120a、120b、120c、120dは略同一の構成を有する。そのため、移動抑制部120の構造的な特徴については、第1移動抑制部120aを例に挙げて説明する。
各移動抑制部120a、120b、120c、120dの各々の間には、カテーテル本体110の周方向に90度の角度を設けて配置している。
カテーテル本体110に複数の移動抑制部120を設ける場合、後述する移動抑制部120のストッパーとしての機能を良好に発揮させる観点より、移動抑制部120は、カテーテル本体110の中心軸O1周りの周方向に均等な間隔を空けて配置することが好ましい。図4に示すように、カテーテル本体110では、各々の移動抑制部120a、120b、120c、120dの間に周方向に90°の角度を設けている。それにより、第1移動抑制部120aと第2移動抑制部120bが中心軸O1を間に挟んで対向しており、第3移動抑制部120cと第4移動抑制部120dが中心軸O1を間に挟んで対向している。
なお、後述する変形例で説明するように、カテーテル本体110に配置する移動抑制部120の個数や周方向の間隔(角度)等について特に制限はない(図12、図13を参照)。
図3、図5に示すように、ストッパー部140は、カテーテル本体110の外表面110aには固定されていない。また、図7に示すように、ストッパー部140は、血管B内へのカテーテル本体110の挿入に伴ってカテーテル本体110の外表面110aに沿うように変形可能に構成されている。
本明細書では、上記の「カテーテル本体110の外表面110aに沿うように変形した状態」での形状(図7に示す状態の形状)を「第2形状」とも称する。
図3、図5には、移動抑制部120に外力が付与されていない自然状態におけるストッパー部140を示している。
ストッパー部140は、カテーテル本体110の外表面110aに沿う方向の外力が付与されると、中心軸O1に接近するように変形する。また、ストッパー部140は、ストッパー部140に付与された上記の外力が解除されると、外力が付与される前の自然状態の形状(第1形状)に復元する。
図3、図5に示すように、ストッパー部140は、自然状態において、固定部130よりもカテーテル本体110の基端側へ延びる第1延在部141と、第1延在部141よりもカテーテル本体110の基端側の位置でカテーテル本体110の先端側へ向けて折り返えされた第1折り返し部146と、を有する。
また、ストッパー部140は、第1折り返し部146からカテーテル本体110の先端側へ延びる第2延在部142と、第2延在部142よりもカテーテル本体110の先端側の位置でカテーテル本体110の基端側へ向けて折り返えされた第2折り返し部147と、を有する。
また、ストッパー部140は、第2折り返し部147からカテーテル本体110の先端側へ延びる第3延在部143と、第3延在部143よりもカテーテル本体110の基端側に位置する端部148と、を有する。
ストッパー部140は、上記のように複数の延在部141、142と、各延在部141、142の間で軸方向の基端側又は先端側に向けて折り返えされた複数の折り返し部146、147を有することにより、図5に示す側面視において、左巻きに巻き回された渦巻き形状を形成している。上記の「渦巻き形状」は、換言すると、ストッパー部140が基端側及び先端側の各々の方向に少なくとも一回以上折り返された部分を有することで、ストッパー部140がカテーテル本体110の外部で巻き回された形状である。
ストッパー部140は、当該ストッパー部140の隣接する各部の間に設けられた所定の隙間gを有する。本実施形態では、隙間gは、第1延在部141と第3延在部143の間、第1折り返し部146と端部148との間、及び第2折り返し部147と端部148との間で連続的に連なるように形成されている。
ストッパー部140は、隙間gを有することにより、渦巻き形状に形成されたストッパー部140の剛性が高くなることを抑制できる。また、隙間gは、後述するように、ストッパー部140が血管B内に導入される際に、ストッパー部140が第1形状から第2形状へ変形するための起点となる。
図3、図5に示すように、ストッパー部140において折り返えされた部分は、円弧状に湾曲した形状を有している。
本実施形態では、図5に示すように、第1折り返し部146が基端側に向けて丸みを帯びた円弧形状に形成されており、第2折り返し部147が先端側に向けて丸みを帯びた円弧形状に形成されている。
なお、ストッパー部140の形状は、図示した形状のみに限定されることはない。例えば、ストッパー部140は、カテーテル本体110の外表面110aから中心軸O1に対して垂直に立ち上がった形状、固定部130の基端132からカテーテル本体110の軸方向に向けて斜めに延在する形状、折り返し部が円弧状に形成されておらず、鋭角や鈍角をなすように屈曲した渦巻き形状を有していてもよい。また、ストッパー部140が渦巻き形状に形成されている場合において、折り返し部及び延在部の個数等について特に制限はないし、隙間gが形成されていなくてもよい。
また、カテーテル本体110に複数の移動抑制部120a、120b、120c、120dが形成される場合、それぞれの移動抑制部120a、120b、120c、120dごとに異なる形状付けがなされていてもよいし、任意の個数の移動抑制部120に同一の形状付けがなされていてもよい。
図5に示すように、ストッパー部140は、固定部130の先端131よりもカテーテル本体110の基端側に位置するように配置することができる。本実施形態では、自然状態において、ストッパー部140の全範囲が固定部130の基端132よりも基端側に配置されるように構成している。
図5に示すように、固定部130の幅Wは、カテーテル本体110の先端側から基端側へ向けて漸減している。つまり、図5に示す平面視において、固定部130の幅(カテーテル本体110の外周に沿う寸法)は、カテーテル本体110の先端側から基端側に向けて徐々に小さくなっている。
移動抑制部120は、生分解性の材料で構成されている。また、移動抑制部120は、血管Bからのカテーテル本体110の抜去に伴ってカテーテル本体110から分離可能に構成されている(図9、図10を参照)。
移動抑制部120をカテーテル本体110の外表面110aに固定する固定力は、カテーテル本体110を血管B内に挿入する際及び挿入した状態(図6及び図8に示す状態)において、移動抑制部120が不用意にカテーテル本体110の外表面110aから分離しない程度の大きさに調整することができる。また、移動抑制部120をカテーテル本体110の外表面110aに固定する固定力は、図9に示すように、カテーテル本体110を血管Bから引き抜く際に、ストッパー部140が血管壁Bwの内面から受ける反力によって固定部130がカテーテル本体110の外表面110aから分離する程度の大きさに調整することができる。
カテーテル本体110の外表面110aに固定部130を固定する方法は、カテーテル本体110の材質と固定部130の材質に応じた任意の方法を採用することができる。例えば、固定方法には接着剤を使用した接着や溶着等の方法を採用することができる。
図2に示すように、固定部130及びストッパー部140の外表面には止血剤c2を塗布することができる。なお、図2以外の図面では、止血剤c2の図示を省略している。
本実施形態において、固定部130及びストッパー部140の外表面は、「外部に臨む面」である。本実施形態では、ストッパー部140において渦巻き形状に形成された内周側及び外周側の全範囲に止血剤c2を塗布している。
止血剤c2には公知の止血剤を使用することができる。止血剤c2の具体的な種類や材質は特に限定されないが、例えば、トロンボプラスチン、トロンビン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、アセトメナフトン、ε-アミノカプロン酸、トラネキサム酸、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、アドレノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩等を使用できる。
移動抑制部120(固定部130及びストッパー部140)を生分解性の材料で構成する場合、移動抑制部120の構成材料として、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体等の生分解性材料等を使用することができる。
なお、移動抑制部120は、カテーテル本体110を血管Bから抜去する際に、カテーテル本体110から分離しないように構成することもできる。そのように移動抑制部120を構成する場合、移動抑制部120は、生分解性の材料で構成されていなくてもよい。また、移動抑制部120をカテーテル本体110から分離しないように構成する場合、移動抑制部120は生体適合性を備える公知の材料で構成することができる。生体適合性を備える公知の材料としては、自然状態において第1形状を維持するように形状付けすることが可能な形状記憶合金や超弾性合金等を使用することができる。
図2に示すように、ハブ部150は、カテーテル本体110の内腔111と連通する内部空間151を有する。
ハブ部150の内部空間151には弁体160を配置している。弁体160は、カテーテル本体110の内腔111に流れ込んだ血液がハブ部150の基端側からハブ部150の外部へ漏洩することを防止する。
弁体160は、例えば、ダイレーターチューブ210を挿通可能にするスリット161が形成された弾性部材により構成することができる。弁体160は、例えば、略楕円形の円盤形状を有するように構成することができる。弁体160は、所定のキャップ部材170によりハブ部150に対して固定している。なお、弁体160の具体的な形状、材質、スリットの構造等について特に制限はない。
キャップ部材170は、ハブ部150の外周面の一部を囲むようにしてハブ部150の基端部に嵌合させることができる。
ハブ部150には、ハブ部150の内部空間151と連通するサイドポート153を設けることができる。サイドポート153には、チューブ195(図1を参照)の一端部を接続することができる。チューブ195の他端部には、例えば、三方活栓190を接続することができる。
ストレインリリーフ部180は、カテーテル本体110にキンクや折れ等が発生するのを抑制する。ストレインリリーフ部180は、図2に示すように、カテーテル本体110及びハブ部150に対して外嵌させることができる。ストレインリリーフ部180は、カテーテル本体110の基端側の一定の範囲とハブ部150の先端側の一定の範囲を囲むように配置することができる。
(ダイレーター)
ダイレーター200は、図1に示すように、カテーテル本体110の内腔111に挿入可能なダイレーターチューブ210と、ダイレーターチューブ210の基端部に固定されたダイレーターハブ220と、を有する。
ダイレーター200は、カテーテル本体110を血管B内に挿入するときに、カテーテル本体110の折れを防いだり、穿刺部位p1、p2(図6を参照)を拡径したりするために用いることができる。
(使用例)
次に、図6~図11を参照して、シースイントロデューサー100の使用例とともに作用効果を説明する。
図6には、患者の肢体(例えば、前腕部)の皮下組織tに形成した穿刺部位p1と、血管壁Bwに形成した穿刺部位p2を介してカテーテル本体110を血管B内に挿入する際の様子を示している。
術者は、カテーテル本体110を血管B内に挿入するに際し、カテーテル本体110の内腔111にダイレーターチューブ210を挿入し、シースイントロデューサー100にダイレーター200を組み付けた状態にする。
術者は、図6に示すように、カテーテル本体110の先端側からカテーテル本体110を穿刺部位p1、p2を介して血管B内に挿入する。移動抑制部120のストッパー部140は、カテーテル本体110を血管B内に挿入する前の段階では、第1形状(図3及び図5を参照)を形成する。
図6に示すように、術者がカテーテル本体110を血管Bに挿入する際、ストッパー部140の第2折り返し部147が患者の肢体の皮膚に接触する。図11には、ストッパー部140が患者の肢体の皮膚に接触した状態の拡大図を示している。ストッパー部140の第2折り返し部147は、円弧状に湾曲した形状に形成されている。そのため、カテーテル本体110は、ストッパー部140が患者の肢体の皮膚に接触した際に、ストッパー部140によって患者が痛み等を感じることを防止できる。
図6、図7に示すように、カテーテル本体110が血管B内に挿入するのに伴って移動抑制部120が血管B内に挿入されると、ストッパー部140が穿刺部位p1の周囲を囲む皮下組織tに押されて、カテーテル本体110の外表面110aに沿うように第2形状に変形する。
ストッパー部140は、固定部130の基端132(図5を参照)よりも軸方向の基端側に配置されている。そのため、移動抑制部120が血管B内に挿入される際、ストッパー部140よりも固定部130が先に血管B内に挿入される。それにより、シースイントロデューサー100は、移動抑制部120が血管B内に挿入される際に生じる挿入抵抗によって移動抑制部120がカテーテル本体110から分離することを効果的に防止することができる。
カテーテル本体110は、血管B内に固定部130が挿入されるのに引き続いてストッパー部140が血管B内に挿入される。ストッパー部140は、当該ストッパー部140が血管B内に挿入される際、穿刺部位p1の周囲を囲む皮下組織tと穿刺部位p2の周囲を囲む血管壁Bwに押されて、第2形状に変形する。ストッパー部140が第2形状に変形する際、第1延在部141と第3延在部143の間の隙間g内に穿刺部位p1の周囲を囲む皮下組織tが入り込みながら、ストッパー部140が皮下組織tによってカテーテル本体110の外表面110aに押さえ付けられる。それにより、ストッパー部140の渦巻き形状が徐々に略直線状に延ばされるされるように展開されて、ストッパー部140が第1形状から第2形状へ変形する。
ストッパー部140は、第1延在部141と、第1延在部141の基端側に延在する第1折り返し部146を有する。術者等が第1延在部141を血管B内に挿入する際、第1延在部141が皮下組織tや血管壁Bw等に引っ掛かることを防止しつつ、第1延在部141に続けて第1折り返し部146を血管B内に挿入させることができる。第1折り返し部146が血管B内に挿入される際、第1折り返し部146は穿刺部位p1の周囲を囲む皮下組織tと穿刺部位p2の周囲を囲む血管壁Bwに押されて、カテーテル本体110の外表面110aに沿うように円滑に変形する。そのため、術者等は、血管B内にカテーテル本体110を挿入する操作に伴って第1延在部141、第1延在部141の基端側に位置する第1折り返し部146を血管B内に円滑に挿入することができる。
図8に示すように、ストッパー部140は、ストッパー部140全体が血管B内に挿入されると、皮下組織t及び血管壁Bwによる押し付けが解除される。それにより、ストッパー部140は第1形状に復元する。ストッパー部140が第1形状に復元すると、ストッパー部140は血管B内で血管壁Bwの内面に当接する。ストッパー部140は、イントロデューサー10を使用した各種の手技を実施している間、血管壁Bwの内面に当接した状態を維持する。これにより、ストッパー部140は、カテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを防止するストッパーとして機能する。
ストッパー部140は、第1形状において、複数の延在部及び複数の折り返し部(第1延在部141、第1折り返し部146、第2延在部142、第2折り返し部147)を有する渦巻き形状を形成する。そのため、図8に示すように、ストッパー部140は、血管B内でストッパーとして機能している間、カテーテル本体110の軸方向と交差する方向に突出した立体形状を呈する。ストッパー部140は、血管壁Bwの内面に対して所定の接触面積で当接した状態を維持する。それにより、ストッパー部140は、カテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを効果的に防止することができる。
ストッパー部140は、カテーテル本体110が血管B内に留置された状態において、円弧状に湾曲した第1折り返し部146を血管壁Bwの内面に対して当接させるように配置される(図8を参照)。そのため、移動抑制部120は、ストッパー部140をストッパーとして機能させている間に、ストッパー部140から血管壁Bwに掛かる負荷を低減することができる。
術者等は、カテーテル本体110を血管B内に挿入した状態で医療デバイスを使用した各種の処置や治療を実施することができる。カテーテル本体110の外表面110aには親水性コート層c1が設けられている。そのため、シースイントロデューサー100は、カテーテル本体110の摺動抵抗を低減させることができる。それにより、シースイントロデューサー100は、カテーテル本体110を血管B内に挿入した状態において、患者にスパズムが発生することを効果的に抑制することができる。
本実施形態に係るシースイントロデューサー100のようにカテーテル本体110の外表面110aに親水性コート層c1が設けられていると、カテーテル本体110の内腔111に挿入した医療デバイスを基端側へ移動させる等の操作を行った際、カテーテル本体110内の医療デバイスの移動に追従し、カテーテル本体110が生体外部へ抜け出る方向へ移動し易くなる。ただし、シースイントロデューサー100は、カテーテル本体110に配置されたストッパー部140を有するため、上記のように医療デバイスを操作した際においても、カテーテル本体110が血管Bから抜け出る方向へ移動することを効果的に抑制することができる。
術者等は、医療デバイスを使用した各種の処置や治療を終えた後、医療デバイスをカテーテル本体110の内腔111から抜去する。術者等は、医療デバイスをカテーテル本体110の内腔111から抜去した後、図9に示すように、カテーテル本体110を血管Bから抜去する。
術者等は、図9に示すように、カテーテル本体110を血管Bから抜去する際、カテーテル本体110を基端側へ移動させて、血管Bからカテーテル本体110を引き抜く。術者等がカテーテル本体110を引き抜く操作を行うと、第1折り返し部146(図5を参照)の外側の部分(背部側の部分)が血管壁Bwの内面に当たりつつ、ストッパー部140とカテーテル本体110の外表面110aとの間の隙間が押し広げられてストッパー部140が変形する。術者等は、ストッパー部140が血管壁Bwの内面に引っ掛かった状態でさらにカテーテル本体110を生体外部に向けて移動させる。術者等がこのような操作を行うと、固定部130による固定を解除する力(固定部130を引き離す力)が移動抑制部120に対して作用する。
図10に示すように、術者等がカテーテル本体110を生体外部へ向けてさらに移動させると、固定部130による固定が解除されて、移動抑制部120がカテーテル本体110から分離する。カテーテル本体110から分離した移動抑制部120は、例えば、第1穿刺部位p1、第2穿刺部位p2、及び血管B内(又はこれらの部位の一部)に留置される。
固定部130の幅Wは、カテーテル本体110の先端側から基端側へ向けて漸減している(図5を参照)。そのため、固定部130の先端131側では、固定部130の基端132側よりもカテーテル本体110の外表面110aに対して移動抑制部120を固定する固定力が大きい。それにより、カテーテル本体110を血管B内に挿入する際には、固定力がより大きな先端131側で移動抑制部120がカテーテル本体110から分離することを防止できる。一方で、カテーテル本体110を生体外部へ引き抜く際には、固定力がより小さな固定部130の基端132側から固定部130による固定を徐々に解除していくことができる。そのため、術者等がカテーテル本体110を生体外部へ引き抜く操作に伴わせて、移動抑制部120をカテーテル本体110の外表面110aから円滑に分離させることが可能になる。
本実施形態では、移動抑制部120は、生分解性の材料で構成されている。そのため、カテーテル本体110から分離された移動抑制部120は、生体内に留置された後、所定の期間が経過すると、分解及び吸収される。また、移動抑制部120の外表面には止血剤c2が塗布されている(図2を参照)。そのため、移動抑制部120が第1穿刺部位p1や第2穿刺部位p2に留置されると、移動抑制部120が分解・吸収されるまでの間、移動抑制部120に塗布された止血剤c2により、各穿刺部位p1、p2の止血を効果的に促進することが可能になる。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るシースイントロデューサー100は、カテーテル本体110に配置された移動抑制部120を備える。移動抑制部120は、カテーテル本体110の外表面110aに固定された固定部130と、カテーテル本体110の軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部140と、を備える。ストッパー部140は、カテーテル本体110の外表面110aに固定されておらず、かつ血管B内へのカテーテル本体110の挿入に伴ってカテーテル本体110の外表面110aに沿うように変形可能である。そのため、シースイントロデューサー100は、カテーテル本体110が血管B内に挿入される際、カテーテル本体110の挿入がストッパー部140によって妨げられることを防止できる。また、移動抑制部120は、血管B内に挿入されると、ストッパー部140がカテーテル本体110の軸方向と交差する方向に突出した形状(第1形状)に変形する。このように変形したストッパー部140は、血管B内で血管壁Bwに対して当接し、カテーテル本体110が軸方向の基端側へ移動することを抑制する。そのため、術者等は、カテーテル本体110の内腔111に挿入した医療デバイスを基端側へ移動させる等の操作を行った際に、医療デバイスの移動に伴ってカテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを防止できる。このように、術者等は、血管B内にカテーテル本体110を挿入する簡単な操作によってストッパー部140を軸方向と交差する方向に突出させた形状に変形させることができ、かつストッパー部140によりカテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを防止できる。そのため、術者等は、カテーテル本体110を血管B内に挿入した後にバルーンを拡張させる等の作業を別途行う必要がない。したがって、シースイントロデューサー100を使用した手技が簡便なものとなる。
また、ストッパー部140は、固定部130よりもカテーテル本体110の基端側へ延びる第1延在部141と、第1延在部141よりもカテーテル本体110の基端側の位置でカテーテル本体110の先端側へ向けて折り返えされた第1折り返し部146と、を有する。このように構成されたシースイントロデューサー100によれば、術者等が第1延在部141を血管B内に挿入する際、第1延在部141が皮下組織tや血管壁Bw等に引っ掛かることを防止しつつ、第1延在部141に続けて第1折り返し部146を血管B内に挿入させることができる。第1折り返し部146が血管B内に挿入される際、第1折り返し部146は穿刺部位p1の周囲を囲む皮下組織tと穿刺部位p2の周囲を囲む血管壁Bwに押されて、カテーテル本体110の外表面110aに沿うように円滑に変形する。そのため、術者等は、血管B内にカテーテル本体110を挿入する操作に伴って第1延在部141、第1延在部141の基端側に位置する第1折り返し部146を血管B内に円滑に挿入することができる。
また、ストッパー部140は、第1折り返し部146からカテーテル本体110の先端側へ延びる第2延在部142と、第2延在部142よりもカテーテル本体110の先端側の位置でカテーテル本体110の基端側へ向けて折り返えされた第2折り返し部147と、を有する。このように構成されたシースイントロデューサー100によれば、ストッパー部140は、第1形状において、複数の延在部及び複数の折り返し部(第1延在部141、第1折り返し部146、第2延在部142、第2折り返し部147)を備える渦巻き形状を形成する。そのため、ストッパー部140は、血管B内でストッパーとして機能している間、カテーテル本体110の軸方向と交差する方向に突出した立体形状を呈する。ストッパー部140は、血管壁Bwの内面に対して所定の接触面積で当接した状態を維持する。それにより、ストッパー部140は、カテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを効果的に防止することができる。
また、ストッパー部140は、固定部130の先端131よりもカテーテル本体110の基端側に位置する。このように構成されたシースイントロデューサー100によれば、移動抑制部120が血管B内に挿入される際、ストッパー部140よりも固定部130が先に血管B内に挿入される。そのため、移動抑制部120が血管B内に挿入される際に生じる挿入抵抗によって移動抑制部120がカテーテル本体110から分離することを効果的に防止することができる。
また、固定部130の幅Wは、カテーテル本体110の先端側から基端側へ向けて漸減している。このように構成されたシースイントロデューサー100によれば、固定部130の先端131側では固定部130の基端132側よりもカテーテル本体110の外表面110aに対して移動抑制部120を固定する固定力が大きい。それにより、カテーテル本体110を血管B内に挿入するときには、固定力がより大きな先端131側で移動抑制部120がカテーテル本体110から分離することを防止できる。一方で、カテーテル本体110を生体外部へ引き抜く際には、固定力がより小さな基端132側から固定部130による固定を徐々に解除していくことができる。そのため、術者等がカテーテル本体110を生体外部へ引き抜く操作に伴わせて、移動抑制部120をカテーテル本体110の外表面110aから円滑に分離させることが可能になる。
また、移動抑制部120は、生分解性の材料で構成されており、かつ血管Bからのカテーテル本体110の抜去に伴ってカテーテル本体110から分離可能に構成されている。そして、固定部130及びストッパー部140の外表面には止血剤c2が塗布されている。このように構成されたシースイントロデューサー100によれば、カテーテル本体110を生体外部へ抜去する操作に伴わせて、移動抑制部120をカテーテル本体110から分離させることにより、生体内(例えば、穿刺部位p1及び穿刺部位p2)に移動抑制部120を留置させることができる。移動抑制部120が第1穿刺部位p1や第2穿刺部位p2に留置されると、移動抑制部120が分解・吸収されるまでの間、移動抑制部120に塗布された止血剤c2により各穿刺部位p1、p2における止血を効果的に促進することが可能になる。
また、カテーテル本体110の外表面110aには親水性コート層c1が設けられている。そのため、カテーテル本体110の操作時における摺動抵抗を低減することができる。それにより、シースイントロデューサー100を使用した手技において、シースイントロデューサー100の操作性を向上させつつ、カテーテル本体110の外表面110aと血管壁Bwとの摩擦により、患者の血管Bにスパズムが発生することを抑制できる。加えて、本実施形態では、カテーテル本体110を血管B内に挿入した状態においてストッパー部140によりカテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを防止できる。そのため、親水性コート層c1を備えるシースイントロデューサー10の操作性を更に向上できる。
本実施形態に係るイントロデューサー10は、シースイントロデューサー100と、カテーテル本体110に挿入可能なダイレーターチューブ210を備えるダイレーター200と、を有する。イントロデューサー10によれば、シースイントロデューサー100のカテーテル本体110の内腔111に挿入した医療デバイスを使用した各種の手技を実施している間、医療デバイスの操作に伴ってカテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを好適に防止することができる。そのため、術者等は、イントロデューサー10を使用した各種の手技を迅速かつ円滑に実施することが可能になる。
次に、上述した実施形態の変形例及び他の実施形態を説明する。以下の説明では、既に説明した内容についての重複した説明を省略する。また、以下の説明で特に言及しない内容については、上述した実施形態と同一のものとすることができる。
<変形例>
図12及び図13には、変形例に係るカテーテル本体110の部分断面図を示す。図12及び図13は前述した実施形態の図4に対応した断面図である。
カテーテル本体110に配置する移動抑制部120の個数は特に限定されない。例えば、図12に示すように、移動抑制部120はカテーテル本体110に2つ配置することができる。
図12に示す変形例1では、第1移動抑制部120aと第2移動抑制部120bがカテーテル本体110の中心軸O1を間に挟んで互いに対向するように配置している。第1移動抑制部120aと第2移動抑制部120bの間にはカテーテル本体110の周方向に略180°の角度を設けている。
図13に示す変形例2では、第1~第8移動抑制部120a、120b、120c、120d、120e、120f、120g、120hの8つの移動抑制部120を配置している。周方向において隣接する移動抑制部120の間には周方向に略45°の角度を設けている。このように各移動抑制部120a、120b、120c、120d、120e、120f、120g、120hを配置することにより、カテーテル本体110の中心軸O1を間に挟んで、第1移動抑制部120aと第2移動抑制部120bが対向し、第3移動抑制部120cと第4移動抑制部120dが対向し、第5移動抑制部120eと第6移動抑制部120fが対向し、第7移動抑制部120gと第8移動抑制部120hが対向するように配置することができる。
<第2実施形態>
次に、図14~図20を参照して、第2実施形態に係るシースイントロデューサーを説明する。図14~17は、第2実施形態に係るカバー部材300の構造の説明に供する図であり、図18~図20は、第2実施形態に係るカバー部材300の使用例を説明するための模式的な断面図である。
図14は、カテーテル本体110にカバー部材300を取り付けた際の様子を示す斜視図である。図14は、前述した第1実施形態で説明した図3に対応した図である。
(カバー部材)
カバー部材300は、カテーテル本体110の外表面110aに取り付け可能に構成されており、かつカテーテル本体110の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
カバー部材300は、図19、図20に示すように、カテーテル本体110の基端側(又は先端側)へ移動するのに伴ってストッパー部140をカテーテル本体110の外表面に沿うように変形させる。つまり、第2実施形態に係るイントロデューサーでは、カテーテル本体110に取り付けたカバー部材300を操作することにより、ストッパー部140を第1形状と第2形状に可逆的に変形させることができる。
図15に示すように、カバー部材300は、内部空間330を備える円筒形状の外形を有する。
カバー部材300は、第1カバー片310及び第2カバー片320を備える。図16及び図17に示すように、第1カバー片310と第2カバー片320は、第1カバー片310に設けられた接続溝309aと第2カバー片320に設けられた接続用突起309bを介して互いに接続可能に構成されている。なお、第1カバー片310及び第2カバー片320を接続するための具体的な構造について特に制限はない。
第1カバー片310と第2カバー片320は、接続溝309aと接続用突起309bを介して接続されることにより、図15及び図17に示すように、内部空間330を備える円筒形状のカバー部材300を構成する。
第1カバー片310と第2カバー片320は、接続溝309aと接続用突起309bによる接続が解除されると、図16に示すように半割れ状となる。カバー部材300をカテーテル本体110の外表面110aに取り付ける際には、図16に示す半割れ状の各カバー片310、320の内面側にカテーテル本体110を配置した状態で、各カバー片310、320を接続する。このような操作により、カテーテル本体110にカバー部材300を簡単に取り付けることができる。
図14及び図15に示すように、カバー部材300の外周側面には、複数の孔部305、306、307、308が形成されている。各孔部305、306、307、308は、カテーテル本体110の外表面110aに配置された各移動抑制部120a、120b、120c、120dの各ストッパー部140と対応する位置関係で配置されている。そのため、図14に示すように、カテーテル本体110の外表面110aにカバー部材300を取り付けた状態において、各移動抑制部120a、120b、120c、120dの各ストッパー部140を各孔部305、306、307、308から突出させることができる。
カバー部材300の先端部301は周方向に沿って連続的に延びるリング状に形成されている。先端部301の先端には内部空間330に連通する先端開口部302が形成されている。
カバー部材300の基端部303は周方向に沿って連続的に延びるリング状に形成されている。基端部303の基端には内部空間330に連通する基端開口部304が形成されている。
例えば、カバー部材300は、可撓性を備える樹脂材料や金属材料で構成することができる。ただし、カバー部材300を構成する材料の材質について特に制限はない。
次に、図18~図20を参照して、カバー部材300の使用例を説明する。
図18には、カテーテル本体110の内腔111に挿入した所定の医療デバイスを使用した手技を終えた後の状態を示している。つまり、術者等がカテーテル本体110を生体外部へ引き抜く操作を行う前の状態を示している。
術者等は、カテーテル本体110を血管B内に挿入するのに先立ち、カテーテル本体110の外表面110aにカバー部材300を取り付ける。
術者等は、図18に示すように、移動抑制部120を血管B内に挿入する際、カバー部材300の基端部303を生体外部に配置する。
術者等は、カテーテル本体110の外表面110aにカバー部材300を取り付けた状態において、カバー部材300の各孔部305、306、307、308からストッパー部140を突出させることができる(図14を参照)。術者等は、この状態でカテーテル本体110とともにカバー部材300を血管B内に挿入する。カバー部材300の各孔部305、306、307、308から突出したストッパー部140は、前述した実施形態と同様に、血管B内に挿入されると、血管壁Bwに当接する。この状態で、ストッパー部140は、カテーテル本体110が生体外部へ抜け出ることを防止するストッパーとして機能する(図8を参照)。
術者等は、図19に示すように、カテーテル本体110を生体外部へ取り出す際、生体外部でカバー部材300の基端部303を手指等で把持して基端側へ移動させる。術者等がカバー部材300の基端部303を基端側へ移動させると、カバー部材300全体が基端側へ移動する。カバー部材300が基端側へ移動すると、カバー部材300の先端部301の内側にストッパー部140が収容される。ストッパー部140は、カバー部材300の先端部301の内側に収容されると、カテーテル本体110の外表面に沿うように第2形状へ変形する。術者等は、図20に示すように、ストッパー部140を第2形状に変形させた状態で、カテーテル本体110及びカバー部材300を生体外部へ移動させる。
術者等は、カバー部材300を基端側へ移動させてストッパー部140を第2形状に変形させる際、ストッパー部140が血管壁Bwや皮下組織tと干渉することを防止するために、図18及び図19に示すように、移動抑制部120を血管壁Bwから離間させた位置に配置することができる。
なお、術者等は、カテーテル本体110を血管B内に挿入する際に、カバー部材300を操作してストッパー部140を第2形状に変形させてもよい。術者等は、カバー部材300を使用してストッパー部140を第2形状に変形させた状態でカテーテル本体110を血管B内に挿入することにより、ストッパー部140の挿入抵抗を小さくすることができる。
また、カバー部材300を使用してストッパー部140を第2形状に変形させる際、カテーテル本体110を先端側へ移動させてもよい。カバー部材300の位置を保持した状態でカテーテル本体110を先端側へ移動させることにより、カバー部材300を基端側へ移動させる操作を行う際と同様に、ストッパー部140を第2形状に円滑に変形させることができる。
以上のように本実施形態に係るイントロデューサーは、カテーテル本体110の外表面110aに取り付けられ、かつカテーテル本体110の軸方向に沿って移動可能に構成されたカバー部材300を有する。カバー部材300は、カテーテル本体110の基端側へ移動するのに伴ってストッパー部140をカテーテル本体110の外表面110aに沿うように変形させる。このように構成されたイントロデューサーによれば、術者等は、カバー部材300を基端側へ移動させる簡単な操作によってストッパー部140を第2形状に変形させることができる。また、術者等は、カバー部材300を使用することにより、移動抑制部120を生体内に留置させることなく、カテーテル本体110とともに生体外部へ取り出すことができる。したがって、移動抑制部120を生分解性以外の材料で構成することもできるため、構成材料の選択の余地が広がる。
<カバー部材の変形例>
図21には、変形例に係るカバー部材300Aを示す。
図21に示すカバー部材300Aでは、先端部301に所定のスリット340が形成されている。つまり、先端部301は、前述したカバー部材300のようなリング状に形成されていない。カバー部材300Aは、先端部301が図21に示すような形状に形成されている場合においても、前述したカバー部材300と同様に、カテーテル本体110に対する相対的な移動に伴ってストッパー部140を第1形状から第2形状へ変形させることが可能である。
以上、実施形態及び変形例を通じて本発明に係る医療用長尺体及びイントロデューサーを説明したが、本発明は説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、医療用長尺体の適用対象は、シースイントロデューサーのみに限定されず、移動抑制部が備えられる各種のカテーテル等に適用することが可能である。また、医療用長尺体を使用する具体的な手技の内容や処置手順等も明細書内で説明した内容に限定されることはない。
明細書内において説明した各部の構造や部材の配置等は適宜変更することができ、また図示により説明した付加的な部材の使用の省略や、その他の付加的な部材の使用等も適宜に行いうる。
10 イントロデューサー
100 シースイントロデューサー(医療用長尺体)
110 カテーテル本体
110a カテーテル本体の外表面
111 カテーテル本体の内腔
113 カテーテル本体の先端開口部
115 カテーテル本体の基端部
120 移動抑制部
120a 第1移動抑制部
120b 第2移動抑制部
120c 第3移動抑制部
120d 第4移動抑制部
120e 第5移動抑制部
120f 第6移動抑制部
120g 第7移動抑制部
120h 第8移動抑制部
130 固定部
131 固定部の先端
132 固定部の基端
140 ストッパー部
141 第1延在部
142 第2延在部
143 第3延在部
146 第1折り返し部
147 第2折り返し部
148 端部
150 ハブ部
200 ダイレーター
210 ダイレーターチューブ
220 ダイレーターハブ
300 カバー部材
300A カバー部材
310 第1カバー片
320 第2カバー片
g ストッパー部の隙間
c1 親水性コート層
c2 止血剤
O1 カテーテル本体の中心軸
p1 第1穿刺部位
p2 第2穿刺部位
B 血管(生体管腔)
Bw 血管壁
t 皮下組織

Claims (10)

  1. 軸方向に延在する内腔が形成されたカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の基端部に配置されたハブ部と、を有し、
    前記カテーテル本体は、前記カテーテル本体の外表面に固定された固定部と、前記固定部の基端から延在するとともに、少なくとも一部が前記軸方向と交差する方向に突出した形状付けがなされたストッパー部と、を備える移動抑制部を有し、
    前記ストッパー部は、前記カテーテル本体の外表面に固定されておらず、かつ生体管腔内への前記カテーテル本体の挿入に伴って前記カテーテル本体の外表面に沿うように変形可能に構成されている、医療用長尺体。
  2. 前記ストッパー部は、前記固定部よりも前記カテーテル本体の基端側へ延びる第1延在部と、前記第1延在部よりも前記カテーテル本体の基端側の位置で前記カテーテル本体の先端側へ向けて折り返えされた第1折り返し部と、を有する、請求項1に記載の医療用長尺体。
  3. 前記ストッパー部は、前記第1折り返し部から前記カテーテル本体の先端側へ延びる第2延在部と、前記第2延在部よりも前記カテーテル本体の先端側の位置で前記カテーテル本体の基端側へ向けて折り返えされた第2折り返し部と、を有する請求項2に記載の医療用長尺体。
  4. 前記ストッパー部において折り返えされた部分は、円弧状に湾曲した形状を有する、請求項2又は請求項3に記載の医療用長尺体。
  5. 前記ストッパー部は、前記固定部の先端よりも前記カテーテル本体の基端側に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  6. 前記固定部の幅は、前記カテーテル本体の先端側から基端側へ向けて漸減している、請求項1~5のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  7. 前記移動抑制部は、生分解性の材料で構成されており、かつ前記生体管腔からの前記カテーテル本体の抜去に伴って前記カテーテル本体から分離可能に構成されており、
    前記固定部及び前記ストッパー部の外表面には止血剤が塗布されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  8. 前記カテーテル本体の外表面に取り付けられ、かつ前記軸方向に沿って移動可能に構成されたカバー部材を有し、
    前記カバー部材は、前記カテーテル本体の基端側へ移動するのに伴って前記ストッパー部を前記カテーテル本体の外表面に沿うように変形させる、請求項1~7のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  9. 前記カテーテル本体の外表面には親水性コート層が設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の医療用長尺体と、
    前記カテーテル本体に挿入可能なダイレーターチューブを備えるダイレーターと、を有する、イントロデューサー。
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