JP2023083708A - 建築用断熱パネル、建築用断熱パネル用複合断熱材および建屋 - Google Patents

建築用断熱パネル、建築用断熱パネル用複合断熱材および建屋 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた断熱性能および耐曲げ性を有する建築用断熱パネルを提供する。【解決手段】真空断熱材と、上記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とが複合化された複合断熱材を有する建築用断熱パネルであり、上記真空断熱材の厚さと上記発泡断熱材の厚さの合計に対する上記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、上記真空断熱材と上記発泡断熱材とが界面で密着しており、上記建築用断熱パネルは、外力がかかる面側に、上記複合断熱材の上記発泡断熱材側が配置されるようにして用いられる、建築用断熱パネルを提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、建築用断熱パネル、建築用断熱パネル用複合断熱材および建屋に関する。
従来、建築物には、断熱性を高めるために発泡断熱材を含む断熱パネルが用いられている。しかしながら、従来の発泡断熱材を含む断熱パネルでは、近年の建築物に求められている断熱性能、省エネ性能を十分に満たすことができない。従って、高い断熱性能を有する建築用断熱パネルが求められている。
そこで、一般的な樹脂発泡体に比べて断熱性能に優れた真空断熱材を建築物の断熱に利用することが検討されている。例えば、特許文献1には、1又は複数の真空断熱材と、上記1又は複数の真空断熱材を単一板状に囲繞する硬質発泡体と、この硬質発泡体の少なくとも一方の表面に積層されるガスバリア層とを備える建築用複合断熱パネルが開示されている。また、特許文献2には、発泡体中に真空断熱材を収容させてなる真空断熱パネルであって、真空断熱材を収容させるための真空断熱材収容室が複数形成されている板状発泡体と上記真空断熱材収容室に収容させた複数の真空断熱材とを備え、上記板状発泡体が、特定の圧縮強度、曲げ強度、および密度の硬質樹脂発泡体で形成されている真空断熱パネルが開示されている。
特開2015-102176号公報 特開2013-204255号公報
上述のように、建築用断熱パネルには更なる高断熱性能が求められている。また、プレハブ式の倉庫、住宅等の建築用壁材やシャッター等の建築用扉材に用いられる断熱パネルには、断熱性のみではなく、建築物を構成するだけの強度が必要となる。さらに、強風等による応力が加わった際には、亀裂や破断が生じることなく、応力が解放された際に元の形状に戻ることができるといった耐曲げ性が求められる。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた断熱性能および耐曲げ性を有する建築用断熱パネルを提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、真空断熱材と、上記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とを有する建築用断熱パネルであり、上記真空断熱材の厚さと上記発泡断熱材の厚さの合計に対する上記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、上記真空断熱材と上記発泡断熱材とは界面で密着することにより複合断熱材を構成し、上記建築用断熱パネルは、外力がかかる面側に、上記複合断熱材の上記発泡断熱材側が配置されるようにして用いられる、建築用断熱パネルである。
本開示の一実施形態は、真空断熱材と、上記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とが複合化された、建築用断熱パネル用複合断熱材であり、上記真空断熱材の厚さと上記発泡断熱材の厚さの合計に対する上記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、上記真空断熱材と上記発泡断熱材とが界面で密着している、建築用断熱パネル用複合断熱材である。
本開示は、優れた断熱性能および耐曲げ性を有する建築用断熱パネルを提供することができるという効果を奏する。
本開示の建築用断熱パネルを例示する概略断面図である。 本開示における真空断熱材を例示する概略斜視図および概略断面図である。 複合断熱材の厚さを固定し、真空断熱材(VIP)の厚み割合を変化させた場合の熱抵抗値の上昇率(計算値)を示すグラフである。 本開示における建築用断熱パネルの耐曲げ性を説明するための概略断面図である。 本開示における複合断熱材を例示する概略断面図である。 真空断熱材と発泡断熱材との引張せん断強度の測定方法で使用する測定用サンプルの概略断面図および概略上面図である。 耐曲げ性試験方法を説明するための概略斜視図である。 実施例および比較例の耐曲げ性試験結果である。 実施例および比較例の耐曲げ性試験結果によって測定された最大点荷重の結果である。 実施例および比較例の耐曲げ性試験結果である。 一般的な弾性材料の応力-ひずみ曲線のグラフである。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
建築用断熱パネルの断熱性能の向上のためには、発泡断熱材より断熱性能に優れる真空断熱材の使用が好ましいが、真空断熱材の強度は発泡断熱材に劣るため、真空断熱材単体で建築用断熱パネルを構成することは困難である。
そこで、本発明の発明者は、建築用断熱パネルとして、発泡断熱材と真空断熱材との複合体の使用が望ましいと考えた。図3に、複合断熱材の厚さ(発泡断熱材の厚さと真空断熱材の総厚み)を固定し、真空断熱材(VIP)の厚み割合を変化させた際の、熱抵抗値(計算値)を示す。図3の縦軸は、真空断熱材の厚さ割合が0%のときの熱抵抗値を1とした場合の、熱抵抗値の上昇率(倍)である。複合断熱材の厚さに対する真空断熱材の厚さの割合が高いほど、熱抵抗値が上がり、断熱性能に優れることが判る。
一方で、本発明の発明者は、建築用断熱パネルが真空断熱材を含むことによって、耐曲げ性が悪化する場合があることを知見した。そして、発明者は更に検討を重ねたところ、真空断熱材の厚さと発泡断熱材の厚さの合計に対する真空断熱材の厚さの割合を所定の値以下とし、真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着している複合断熱材を、発泡断熱材側が外力が付与される面側となるように配置して用いることで、高い断熱性能を有しつつ、耐曲げ性の低下を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本開示における建築用断熱パネル、建築用断熱パネル用複合断熱材および建屋について詳細に説明する。
A.建築用断熱パネル
図1は、本開示の建築用断熱パネルの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示の建築用断熱パネル1は、真空断熱材2と、真空断熱材2の片面に配置された発泡断熱材3とを有する。本開示の建築用断熱パネル1は、真空断熱材2の厚さT2と発泡断熱材3の厚さT3の合計に対する真空断熱材2の厚さT2の割合が65%以下であり、真空断熱材2と発泡断熱材3とが界面で密着することにより複合断熱材10を構成しており、建築用断熱パネル1は、外力(図1中矢印)がかかる面側に、複合断熱材10の発泡断熱材3側が配置されるようにして用いられることを特徴とする。図1に示すように、建築用断熱パネル1は、通常、保護板4(4A,4B)を有している。
本開示の建築用断熱パネルは、発泡断熱材と真空断熱材とを有する複合断熱材を含むことで、同じ厚さを有する発泡断熱材単体を含む場合と比較し、優れた断熱性能を有するものとなる。
図4(A)は、本開示における建築用断熱パネルの耐曲げ性を説明するための概略断面図である。本開示の建築用断熱パネル1においては、発泡断熱材3と真空断熱材2とが界面で密着することで複合断熱材10を構成しており、建築用断熱パネル1の外力(図4中矢印で示す)がかかる面側に、複合断熱材10の発泡断熱材3側が配置されるようにして用いられることにより、耐曲げ性を向上させることができる。これは、真空断熱材2の引張強度が発泡断熱材3の引張強度よりも高いために、真空断熱材2が発泡断熱材3の変形に追従し、補強層として機能するためである。
一方、外力(図4中矢印で示す)がかかる面側に、複合断熱材10の真空断熱材2側が配置されるようにして用いられる場合には、発泡断熱材3が真空断熱材2に追従できずに、破断が生じる(図4(B))。
また、発泡断熱材3と真空断熱材2とが界面で密着していない場合、真空断熱材による補強効果を得ることができず、耐曲げ性の向上の効果を得ることができない。
さらに、本開示における建築用断熱パネルは、真空断熱材2の厚さT2と発泡断熱材3の厚さT3の合計に対する真空断熱材2の厚さT2の割合が65%以下であることにより、弾性変形しやすい発泡断熱材の厚さが十分なものとなるため、応力が解放された際に元の形状に戻ることができ、耐曲げ性を向上させることができる。
以上により、本開示の建築用断熱パネルは、断熱性能を向上しつつ、高い耐曲げ性を有する断熱パネルを提供することができるものとなる。
1.複合断熱材
本開示の建築用断熱パネルは、真空断熱材と、真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とを有し、真空断熱材と発泡断熱材とは、界面で密着することにより複合断熱材を構成している。図5は、本開示における複合断熱材を例示する概略断面図である。複合断熱材10は、発泡断熱材3が真空断熱材2の直上にのみ配置されていてもよいし(図5(A))、発泡断熱材3が1つの真空断熱材2を被覆するように配置されていてもよいし(図5(B))、発泡断熱材3が2以上の真空断熱材2を被覆するように配置されていてもよい(図5(C))。
(1)厚さ
本開示においては、真空断熱材の厚さ(図1及び図5中、T2)と発泡断熱材の厚さ(図1及び図5中、T3)の合計(T2+T3)に対する真空断熱材2の厚さの割合(T2/(T2+T3))が65%以下である。上記真空断熱材の厚さの割合は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下である。真空断熱材の厚さが上記値よりも大きいと、発泡断熱材側からの外力によって曲げられた後に戻らなくなり、耐曲げ性が低下する。これは、弾性変形しやすい発泡断熱材の割合が低下するためと推察される。一方、例えば5%以上であり、10%以上であってもよい。上記範囲内であれば、断熱性向上の効果を得ることができるからである。
(2)密着性
本開示においては、真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着することで、複合断熱材を構成している。本開示において、「真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着している」状態であるとは、建築用断熱パネルから複合断熱材を取り出し、発泡断熱材を支持した際に、外力が付与されない状態で真空断熱材が自重により落下(自然剥離)せずに、固定化された状態を維持することができることをいう。
例えば、発泡断熱材の自己接着性を利用した一体化発泡方法により真空断熱材と発泡断熱材とを固定化した複合断熱材は、「真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着している」状態となる。また、真空断熱材と発泡断熱材との間に接着剤等を配置することにより固定化した複合断熱材も、「真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着している」状態となる。接着剤は、界面全体に配置されていることが好ましいが、界面の一部に配置されていてもよい。一部に配置されている場合は、例えば、真空断熱材と発泡断熱材とが平面視上重なる領域が矩形である場合には、この領域の中心を通り、対向する2つの辺と平行な線に沿って設けられることが好ましく、より好ましくは、中心を通り、対向する2つの辺と平行な線および他の2つの辺と平行な線に沿って十字に設けられることが好ましい。
一方で、部材の状態の発泡断熱材と真空断熱材とを単に積層させたり、部材の状態の発泡断熱材と真空断熱材とを周囲を拘束することで固定化する場合は、建築用断熱パネルから複合断熱材を取り出した際に、真空断熱材と発泡断熱材とが自然に剥がれるため、本明細書における「真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着している」状態には含まれない。
具体的には、複合断熱材における真空断熱材と発泡断熱材との間の引張せん断強度が0.01MPa以上であることが好ましく、0.03MPa以上であることが特に好ましい。
(引張せん断強度)
真空断熱材と発泡断熱材との引張せん断強度は、JIS K 6850に記載の測定方法で測定した値である。建築用断熱パネルから、真空断熱材2と発泡断熱材3との接着部分が12.5mm×25mmとなるように試験サンプルを得る。図6は、真空断熱材2と発泡断熱材3との引張せん断強度を測定する際の測定用サンプルの概略断面図(A)および概略上面図(B)である。それぞれつかみ具で対称的に固定し、面方向に引っ張り、真空断熱材2の外包材と発泡断熱材3とが離れた時点の荷重を測定する。
測定は、例えば引張試験機(商品名:インストロン5565、インストロン・ジャパン社製)により測定することができる。ここで、テストスピードを300mm/分とする。
(3)配置
本開示の建築用断熱パネルは、外力がかかる面側に、複合断熱材の発泡断熱材側が配置されるようにして用いられる。外力とは、例えば、風圧が挙げられる。従って、本開示の建築用断熱パネルは、複合断熱材の発泡断熱材側を屋外側、複合断熱材の真空断熱材側が屋内側となるように配置することで、屋外からの風の圧力に耐えることができる、即ち、耐風性に優れるものとなる。
(4)構成
以下、本開示における複合断熱材の各構成について説明する。
(4-1)真空断熱材
本開示における真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する外包材とを有する。図2(a)は本開示における真空断熱材の一例を示す概略斜視図、図2(b)は図2(a)のX-X断面図である。図2に例示する真空断熱材2は、芯材20と、芯材20を封入する外包材21とを有する。真空断熱材2は、2枚の外包材21が、それぞれの熱溶着可能なフィルムが向き合うように対向し、端部22が熱溶着により接合された袋体となっており、袋体の中に芯材20が封入され、袋体内部が減圧されている。
真空断熱材の厚さは、真空断熱材の厚さと発泡断熱材の厚さの合計に対して上記所定の割合以下となる厚さであれば特に限定されないが、例えば、1mm以上であり、5mm以上であってもよい。一方、例えば50mm以下であり、30mm以下であってもよい。
真空断熱材は、発泡断熱材よりも断熱性が高い。例えば、真空断熱材と同一の熱抵抗値(m・K/W)を有するために、発泡断熱材は5倍以上の厚さを要し、上記値は10倍以上の厚さを要するものであってもよい。
(a)外包材
外包材は、芯材を封入する部材である。外包材は、例えば、芯材側から熱溶着層、ガスバリア層、保護層をこの順に有する可撓性シートが挙げられる。
熱溶着層としては、例えば、加熱により溶着可能なフィルムである。上記熱溶着可能なフィルムは、真空断熱材用外包材の厚み方向の一方の表面を担う部材であり、外包材を用いて真空断熱材を作製する際に芯材と接し、また、芯材を封止する際に、対向する真空断熱材用外包材同士の端部を接合する部材である。
上記熱溶着可能なフィルムとしては、加熱によって溶融し、融着することが可能な樹脂フィルムを用いることができ、例えば、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が挙げられる。また、EVOHもしくはPVAを熱溶着可能なフィルムとして用いることも可能である。この場合、熱溶着可能なフィルムが上記酸素バリア性樹脂層の機能を有するものとなる。
ガスバリア層としては、例えば、金属箔、樹脂シートの片面に蒸着層を有する蒸着シートが挙げられる。金属箔としては、例えばアルミニウムが挙げられる。蒸着層としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物が挙げられる。樹脂シートとして、公知の樹脂シートを用いることができる。
外包材の酸素透過度は、例えば0.5cc・m-2・day-1・atm-1以下であり、0.1cc・m-2・day-1・atm-1以下であってもよい。また、外包材の水蒸気透過度は、例えば0.2g・m-2・day-1以下であり、0.1g・m-2・day-1以下であってもよい。真空断熱材の内部真空度は、例えば5Pa以下である。真空断熱材の初期熱伝導率は、例えば25℃環境下で15mW・m-1・K-1以下であり、10mW・m-1・K-1以下であってもよく、5mW・m-1・K-1以下であってもよい。
保護層としては、外装材の熱溶着可能なフィルムとは反対側に配置され、外包材の外側を保護するための層である。保護層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂等が挙げられる。
(b)芯材
本開示における真空断熱材の芯材は、外包材により封入される部材である。なお、封入されるとは、外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。芯材は、熱伝導率が低いことが好ましい。また、芯材は、空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材とすることができる。
芯材を構成する材料としては、繊維体、粉体等を用いることができる。
上記繊維体は、無機繊維でもよく有機繊維でもよいが、断熱性能の観点から無機繊維を用いることが好ましい。このような無機繊維としては、グラスウールやグラスファイバー等のガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、ロックウール等を挙げることができる。これらの無機繊維は、熱伝導率が低く、粉体よりも取り扱いが容易である点で好ましい。
上記粉体は、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。なかでも乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の低下が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。さらに、上述の材料に酸化チタンや酸化アルミニウムやインジウムドープ酸化錫等の赤外線吸収率が小さい物質を輻射抑制材として添加すると、芯材の赤外線吸収率を小さくすることができる。
芯材は、上述した材料を単独で使用してもよく、2種以上の材料を混合した複合材であってもよい。
(c)その他
本開示の真空断熱材は、外包材の内部に芯材が封入され、上記内部が減圧されて真空状態となっている。真空断熱材内部の真空度は、例えば5Pa以下であることが好ましい。内部に残存する空気の対流による熱伝導を低くすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となるからである。
真空断熱材の熱伝導率は低い程好ましく、例えば熱伝導率が5mW/(mK)以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。中でも上記熱伝導率は、4mW/(mK)以下であることがより好ましい。熱伝導率は、JIS A1412-2:1999に準拠し、高温側30℃、低温側10℃、平均温度20℃の条件で測定した値とすることができる。
真空断熱材の製造方法としては、例えば、真空断熱材用外包材を2枚準備し、それぞれの熱溶着可能なフィルム同士を向き合わせて重ね、三辺の外縁を熱溶着し、一辺が開口する袋体を得る。この袋体に、開口から芯材を入れた後、上記開口から空気を吸引し、袋体の内部が減圧された状態で開口を封止することで、真空断熱材を得ることができる。
(4-2)発泡断熱材
本開示における発泡断熱材は、断熱性を有する剛性材料から構成されるものである。発泡断熱材としては、一般的に断熱パネルに用いられる発泡断熱材を使用することができ、例えば、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム等が挙げられる。内部気泡内に封入されている断熱ガスとしては、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等のフルオロカーボン系ガスが挙げられる。
硬質ウレタンフォームは、水酸基(OH基)とイソシアネート基との反応を主として形成され、一般的に硬質ウレタンフォームの定義に含められるイソシアヌレートフォームも含む。硬質ウレタンフォームは、例えば、水酸基(OH基)を有するポリオール化合物、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物、および発泡剤等を用いて形成することができる。ポリオール化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等を用いることができる。ポリオール化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。イソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基を2つ以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等を用いることができる。
フェノールフォームは、例えば、フェノール樹脂、発泡剤、および硬化剤等を用いて形成することができる。
発泡剤としては、例えばフッ素系発泡剤を使用することができる。具体的には、熱伝導率が低いフルオロカーボン材料、特にハイドロフルオロカーボン(HFC)類の材料を使用することができる。発泡断熱材の原料は、例えば、触媒、添加剤、難燃剤等を含有していてもよい。
発泡断熱材の厚さとしては、例えば、5mm以上200mm以下であり、10mm以上100mm以下であってもよい。
発泡断熱材の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、矩形状、多角形状、円形
状等、任意の形状が挙げられる。
本開示に用いられる発泡断熱材の物性としては、例えば熱伝導率が40mW/(mK)以下であり、30mW/(mK)以下であってもよい。なお、熱伝導率は、「(4)構成 (4-1)真空断熱材」に記載の方法で測定することができる。
また、本開示に用いられる発泡断熱材は、JIS K-7222に準拠した密度が、例えば15kg/m以上であり、20kg/m以上であってもよい。
また、本開示に用いられる発泡断熱材は、JIS K-7220に準拠した圧縮強さが、例えば5N/cm以上であり、10N/cm以上であってもよい。
(5)製造方法
本開示における複合断熱材の製造方法としては、1)発泡断熱体材料が有する自己接着性を利用した一体化発泡方法、2)発泡断熱材と真空断熱材とを別々に準備し、これらを接着剤等を介して密着させる方法、が挙げられる。
上記「1)一体化発泡方法」では、例えば、下型と上型からなり、目的の厚さの発泡断熱材のキャビティが形成されたモールド(発泡成形型)を用い、下型のキャビティの底面に真空断熱材を配置し、キャビティ内に発泡断熱材組成物を注入する。そして、モールドの上型を、モールドの下型に被せて閉型し、発泡断熱材組成物をキャビティ内で発泡させた後、成形品を脱型することで、複合断熱材を製造することができる。
発泡断熱体に使用される硬質ウレタンフォームには自己接着性があり、上記の一体化発泡方法によって真空断熱材と界面で密着する。
上記「2)発泡断熱材と真空断熱材とを別々に準備し、密着させる方法」において用いられる接着剤としては、従来公知のものを使用することができる。
2.その他部材
本開示の建築用断熱パネルは、上述した複合断熱材の少なくとも一方の表面を保護するための保護板を備えていても良い。保護板としては、木製板や、鉄板、鋼板等の金属板等が挙げられる。板材の厚みは、複合断熱材が容易に破損することを防止することが可能な厚さであればよく、0.1mm以上が好ましく、より好ましくは、0.3mm以上である。
3.用途
本開示における建築用断熱パネルは、建築物の壁材や扉材に使用されることが好ましい。壁材は、例えば、倉庫、住宅(例えば、個人住宅、集合住宅)、事務所、住宅ビル、駅舎等の壁材であることが好ましい。特には、プレハブ式の倉庫、住宅等の壁材として使用されることが好ましい。また、扉材は、例えば、シャッター等が挙げられる。本開示の建築用断熱パネルは、発泡断熱材側が屋外側、真空断熱材側が屋内側に位置するように配置して用いられる。
B.建築用断熱パネル用複合断熱材
本開示の建築用断熱パネル用複合断熱材は、真空断熱材と、上記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とが複合化された、建築用断熱パネル用複合断熱材であり、上記真空断熱材の厚さと上記発泡断熱材の厚さの合計に対する上記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、上記真空断熱材と上記発泡断熱材とが界面で密着していることを特徴とする。
本開示の建築用断熱パネル用複合断熱材は、上述した建築用断熱パネル用の断熱材として、好適に用いられる。
図5は本開示の建築用断熱パネル用複合断熱材の一例を示す概略断面図である。なお、図5については、上記「A.建築用断熱パネル」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本開示における建築用断熱パネル用複合断熱材は、高い断熱性能および高い耐曲げ性を有する。
例えば、本開示における建築用断熱パネル用複合断熱材は、上記発泡断熱材側から外力を加えることによる耐曲げ性試験をおこなった際に測定される最大点荷重が、上記複合断熱材の厚さと同じ厚さを有する基準発泡断熱材単体に同条件で耐曲げ性試験をおこなった際に測定される最大点荷重よりも大きいものとすることができる。最大点荷重とは、耐曲げ性試験において試験片が耐える最大曲げ応力であり、応力-ひずみ曲線において降伏点を有する場合に、その降伏点における応力となる。図11に、一般的な弾性材料の応力-ひずみ曲線の例示を示す。降伏点とは、応力が増えずにひずみが増える最初の部分(曲線の凸部分)である。また、降伏点における応力は、一般的に、弾性変形領域における応力が最大の点であり、弾性変形から塑性変形に推移をする境界を概略的に示す地点と捉えられている。
耐曲げ試験としては、実施例に記載の方法を採用することができる。また、上記基準発泡断熱材は、本開示における複合断熱材中の発泡断熱材と厚さが同じであり、材料および発泡率も略同一であることが好ましい。
例えば、本開示における複合断熱材の厚さが20mmである場合、最大点荷重は、例えば90N以上であり、95N以上であってもよい。最大点荷重が大きい場合、曲げ強度が高く、応力が高くなっても弾性変形しやすい(塑性変形しにくい)ことを意味する。なお、本明細書において、応力-ひずみ曲線から降伏点が明確に読み取れない場合には、次のように降伏点を定める。(1)応力-ひずみ曲線において、曲線の凸部分を境に傾きが緩やかになった点に対し、凸部分よりひずみが小さい領域で凸部分に最も近く、応力-ひずみ曲線が略直線状に推移している領域の中央の点、凸部分よりひずみ量が大きい領域で凸部分に最も近く、応力-ひずみ曲線が略直線状に推移している領域の中央の点をそれぞれ求める。(2)これら2点における接線の交点を降伏点とする。
また、本開示における建築用断熱パネル用複合断熱材の熱抵抗値は、上記複合断熱材の厚さと同じ厚さを有する基準発泡断熱材単体の熱抵抗値よりも大きいものとすることができる。なお、「熱抵抗値」とは、断熱材の熱の伝えにくさを表す値のことであり、熱抵抗値=断熱材の厚み/熱伝導率で求められる。なお、熱伝導率は、「A.建築用断熱パネル 1.複合断熱材 (4)構成 (4-1)真空断熱材」に記載の方法で測定することができる。
このような建築用断熱パネル用複合断熱材であれば、優れた断熱性能および耐曲げ性を有する複合断熱材となり、上述した建築用断熱パネルを製造する際の中間体として好適に使用することができる。
建築用断熱パネル用複合断熱材についてのその他の点については、上述した「A.建築用断熱パネル 1.複合断熱材」に記載のものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.建屋
本開示における建屋は、上述した建築用断熱パネルまたは上述した建築用断熱パネル用複合断熱材を有することを特徴とする。本開示によれば、上述した建築用断熱パネルまたは上述した建築用断熱パネル用複合断熱材を有することから、優れた断熱性能を有するものとなる。また、上述した建築用断熱パネルにおける複合断熱材の発泡断熱材側を屋外側、複合断熱材の真空断熱材側が屋内側となるように配置することで、耐曲げ性、特には耐風性に優れる建屋とすることができる。
上記建築用断熱パネルについては、上記「A.建築用断熱パネル」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。建築用断熱パネルは、例えば、上記建屋の壁材、および扉材等として用いられることが好ましい。また、上記建築用断熱パネル用複合断熱材については、上記「B.建築用断熱パネル用複合断熱材」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(真空断熱材の作製)
熱溶着可能なフィルム(ポリエチレン)、ガスバリア層(アルミ箔)、保護層(PET、ナイロン)をこの順に有する真空断熱材用外包材を2枚準備し、熱溶着可能なフィルム同士が向き合う様にして2枚重ねて、四辺形の三辺をヒートシールして一辺のみが開口した袋体を作製した。芯材としてグラスウールを用い、乾燥処理を行った後、袋体に、芯材および乾燥剤として酸化カルシウムを収納して、袋体内部を排気した。その後、袋体の開口部分をヒートシールにより密封し、横300mm×縦50mm×厚さ2.5mmの真空断熱材を得た。到達圧力は0.05Paとした。
(建築用断熱パネルの製造)
下型と上型からなり、目的の厚さの発泡断熱材のキャビティが形成されたモールド(
発泡成形型)を用い、下型のキャビティの底面に、真空断熱材を配置し、キャビティ内に、硬質ウレタン発泡体を形成するための発泡断熱材組成物(ポリオール化合物、イソシアネート化合物およびフッ素系発泡剤)を注入した。そして、モールドの上型を、モールドの下型に被せて閉型し、発泡断熱材組成物をキャビティで発泡させた後、成形品を脱型し、横300mm×縦50mm×厚さ20mmの建築壁材用パネルを得た。なお、真空断熱材の片面に形成された発泡断熱材の厚さは、17.5mmであった。
[耐曲げ性評価]
得られた建築用断熱パネルを試験片とし、三点曲げ試験を行った。試験片の発泡断熱材側が上側(外力が付与される側)となるようにし、図7に示すように、試験片(建築壁材用パネル1)の長手方向に250mm離れた2つの下側支点Pと、試験長手方向の中央に位置する上側支点Qとを配置して、上側支点Qに下方向の変位を与える三点曲げ試験を行った。上側支点の下降速度は20mm/分とし、移動量に応じた上側支点にかかる荷重を測定した。上記測定を5つのサンプル(n=5)で行い、最大点荷重の平均値を得た。結果を表1に示す。さらに、5つのサンプルの結果のうち、最大点荷重が中央値となったサンプルの耐曲げ性試験結果(応力-ひずみ曲線)を図8に示す。
[実施例2~5、比較例1、2]
表1に示す真空断熱材の厚さ、発泡断熱材の厚さとした以外は、実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ20mmの建築用断熱パネルを得た。得られた建築用断熱パネルを試験片として用い、実施例1と同様に耐曲げ性評価を行い、最大点荷重を測定した。結果を表1、図8に示す。
[比較例3]
実施例4で製造した建築用断熱パネルを、真空断熱材側を上側(外力が付与される側)として、図7のように支持体上に載置し、上側から押し込み治具を20mm/分で押し込み、上側支点の移動量に応じた荷重を測定した。上記測定を5つのサンプル(n=5)で行い、最大点荷重の平均値を得た。結果を表1に示す。さらに、5つのサンプルの結果のうち、最大点荷重が中央値となったサンプルの耐曲げ性試験結果(応力-ひずみ曲線)を図8に示す。
[比較例4]
厚さを20mmとした以外は実施例1と同様の方法で真空断熱材を作製し、真空断熱材単体の建築用断熱パネルを試験片として用い、実施例1と同様に耐曲げ性評価を行い、最大点荷重を測定した。結果を表1、図8に示す。
[比較例5]
真空断熱材を用いず、厚さを20mmとした以外は実施例1と同様の方法で発泡断熱材を作製し、発泡断熱材単体の建築用断熱パネルを試験片として用い、実施例1と同様に耐曲げ性評価を行い、最大点荷重を測定した。結果を表1、図8に示す。
[比較例6]
厚さを変更した以外は実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ10mmの真空断熱材を作製した。また、真空断熱材を用いず、厚さを変更した以外は実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ10mmの発泡断熱材を別途作製した。真空断熱材と発泡断熱材とを接着剤を介さずに直接積層させた建築用断熱パネルを試験片として用い、実施例1と同様に耐曲げ性評価を行い、最大点荷重を測定した。結果を表1、図8に示す。
[比較例7]
厚さを変更した以外は実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ10mmの発泡断熱材を作製した。また、真空断熱材を用いず、厚さを変更した以外は実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ10mmの真空断熱材を別途作製した。真空断熱材と発泡断熱材とを周囲をテープで固定することにより製造した建築壁材用パネルを試験片として用い、実施例1と同様に耐曲げ性評価を行い、最大点荷重を測定した。結果を表1、図8に示す。
Figure 2023083708000002
上記実施例1~5および比較例1~7の最大点荷重の測定結果と、真空断熱材の厚さ割合との関係を図9に示す。
表1、図8および図9の結果から、複合断熱材を使用した実施例4は、真空断熱材単体(比較例4)および発泡ウレタン単体(比較例5)を使用した断熱パネルに対して、最大点荷重が大きく、曲げ強度に優れることが確認された。また、真空断熱材の厚さの割合が65%より大きい比較例1および比較例2では、実施例1~5に対して最大点荷重が小さく、耐曲げ性に劣ることが確認された。また、同じ構成の断熱パネルを使用した場合であっても、外力がかかる面側を発泡断熱材とした断熱パネル(実施例4)は、外力がかかる面側を真空断熱材とした断熱パネル(比較例3)と比較し、耐曲げ性が向上することが確認された。比較例3では、破断が生じた。また、比較例6および比較例7の結果から、真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着していないと、耐曲げ性が低下することが確認された。
[実施例6、実施例7、比較例8]
真空断熱材の外包材の最表層(保護層)を表2に示す材料とし、厚さ10mmの真空断熱材を準備した。次いで、実施例1と同様の方法で、横300mm×縦50mm×厚さ20mmの建築壁材用パネルを得た。なお、発泡断熱材の厚さは、10mmであった。得られた建築壁材用パネルの真空断熱材と発泡断熱材とのせん断強度を、「A.建築用断熱パネル 1.複合断熱材 (2)密着性」に記載の方法で測定した。結果を表2に示す。また、実施例1と同様の方法で、耐曲げ性評価を行った。結果を図10に示す。また、真空断熱材と発泡断熱材との密着性を以下の評価基準により評価した。
[比較例9]
真空断熱材の外包材の最表層(保護層)を表2に示す材料とし、厚さ10mmの真空断熱材を準備した。真空断熱材と、別途作製した発泡断熱材とを直接積層させ、建築壁材用パネルを得た。なお、発泡断熱材の厚さは、10mmであった。得られた建築壁材用パネルの真空断熱材と発泡断熱材とのせん断強度を、「A.建築用断熱パネル 1.複合断熱材 (2)密着性」に記載の方法で測定した。結果を表2に示す。また、実施例1と同様の方法で、耐曲げ性評価を行った。結果を図10に示す。また、真空断熱材と発泡断熱材との密着性を以下の評価基準により評価した。
・密着性評価
〇:発泡断熱材を支持した際に、外力が付与されない状態で真空断熱材が自重により落下しない(固定化状態を維持)
×:発泡断熱材を支持した際に、外力が付与されない状態で真空断熱材が自重により落下する
Figure 2023083708000003
図10の結果から、真空断熱材と発泡断熱材とが界面で密着していない場合、耐曲げ性が低下することが確認された(比較例8および比較例9)。
1 … 建築用断熱パネル
2 … 真空断熱材
3 … 発泡断熱材
4 … 保護板
10 … 複合断熱材

Claims (10)

  1. 真空断熱材と、前記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とを有する建築用断熱パネルであり、
    前記真空断熱材の厚さと前記発泡断熱材の厚さの合計に対する前記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、
    前記真空断熱材と前記発泡断熱材とは界面で密着することにより複合断熱材を構成し、
    前記建築用断熱パネルは、外力がかかる面側に、前記複合断熱材の前記発泡断熱材側が配置されるようにして用いられる、建築用断熱パネル。
  2. 前記真空断熱材と前記発泡断熱材との間の引張せん断強度が0.01MPa以上である、請求項1に記載の建築用断熱パネル。
  3. 前記発泡断熱材が、硬質ウレタン発泡体を含む、請求項1または請求項2に記載の建築用断熱パネル。
  4. 前記複合断熱材の少なくとも一方の面を保護する保護板を備える、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の建築用断熱パネル。
  5. 前記建築用断熱パネルは、建築用壁材または建築用扉材に用いられる、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の建築用断熱パネル。
  6. 真空断熱材と、前記真空断熱材の片面に配置された発泡断熱材とが複合化された、建築用断熱パネル用複合断熱材であり、
    前記真空断熱材の厚さと前記発泡断熱材の厚さの合計に対する前記真空断熱材の厚さの割合が65%以下であり、
    前記真空断熱材と前記発泡断熱材とが界面で密着している、建築用断熱パネル用複合断熱材。
  7. 前記真空断熱材と前記発泡断熱材との間の引張せん断強度が0.01MPa以上である、請求項6に記載の建築用断熱パネル用複合断熱材。
  8. 前記発泡断熱材が、硬質ウレタン発泡体を含む、請求項6または請求項7に記載の建築用断熱パネル用複合断熱材。
  9. 前記建築用断熱パネル用複合断熱材は、前記発泡断熱材側から外力を加えることによる耐曲げ性試験をおこなった際に測定される最大点荷重が、前記建築用断熱パネル用複合断熱材の厚さと同じ厚さを有する基準発泡断熱材単体に同条件で耐曲げ性試験をおこなった際に測定される最大点荷重よりも大きい、請求項6から請求項8までのいずれかの請求項に記載の建築用断熱パネル用複合断熱材。
  10. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の建築用断熱パネル、または請求項6から請求項9までのいずれかの請求項に記載の建築用断熱パネル用複合断熱材を有する、建屋。
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