JP2023082612A - 光ファイバ固定部材、及びそれを用いた光コネクタ - Google Patents

光ファイバ固定部材、及びそれを用いた光コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】光コネクタが高温になった場合でも、光ファイバに発生する負荷が抑制される光ファイバコネクタを提供することにある。【解決手段】光ファイバが挿通されるとともに、光ファイバの外周面を覆う包囲部と、光ファイバの外周面の半周以上を覆わないよう光ファイバが積載される積載部を有する光ファイバ固定部材を使用して、光コネクタを構成する。光ファイバの固定は積載部上で固定剤を使用して行い、包囲部には固定剤が存在しないようにする。【選択図】 図4

Description

本発明は、レーザ光に代表される高エネルギーの光を伝送する光ファイバに設けられる光コネクタに関するもので、特に光コネクタを構成する部材に関するものである。
高エネルギーの光を伝送する光ファイバケーブルは、レーザ切削、レーザ溶接など、レーザを用いた加工分野において、レーザ光源から出力されたレーザ光を目的の場所まで伝送するために使用される。
このような分野で使用される光ファイバケーブルに設けられる光コネクタは、光ファイバから漏れたレーザ光による焼損が発生しないことが求められ、一例として特許文献1に記載の光コネクタが挙げられる。
特許文献1の光コネクタでは、光ファイバの屈折率より低い屈折率を有する低屈折率接着剤によって光ファイバをフェルールに対して接着することで光ファイバの外周面からのレーザ光の出射を防止し、光ファイバコネクタを構成する部材の焼損、破損を防いでいる。
しかしながら、高エネルギーのレーザ光を伝送するため、光ファイバ及び光コネクタが高温となり、光ファイバ、光コネクタの構成部材、及び接着剤の熱膨張が発生する。この時、光ファイバの接着固定部分において熱膨張に伴う光ファイバへの負荷が発生し、光ファイバの歪みの増大に伴う光ファイバ自身の破損や、レーザ光の漏れ量の増大による焼損の恐れがある。
光ファイバ及び光コネクタの温度上昇を抑制した先行技術としては、特許文献2のようにクーラントによる冷却を行うものなどが存在するが、光コネクタの大型化、構造の複雑化といった課題が存在する。
特開平9-61669号公報 特表2000-514930公報
本発明の課題は、光コネクタの構造を複雑化することなく、高温になった場合でも光ファイバに発生する負荷が抑制される光コネクタを提供することにある。
本発明者らは、光コネクタの構造を鋭意検討した結果、光コネクタ内において光ファイバが直接接触し、光ファイバが固定される光ファイバ固定部材の構造を工夫することで、光ファイバに発生する負荷が抑制されるとともに、温度上昇の抑制にも寄与する光コネクタを得るに至った。
本発明の光ファイバ固定部材は、光ファイバが挿通されるとともに、光ファイバの外周面を覆う包囲部と、光ファイバの外周面の半周以上を覆わないよう光ファイバが積載される積載部を有することを特徴とする。
本発明の光ファイバ固定部品にあっては、高温となった際でも光ファイバに対して発生する応力が緩和され、光ファイバへの悪影響が抑制されるという優れた効果が期待できる。
本発明の基本的構造である。 固定剤の熱膨張の様子を示す模式図である。 本発明の好ましい態様である。 本発明の具体的構造の一例である。 本発明を使用した光コネクタの組立途中の図である。 本発明を使用した光コネクタである。 加熱試験の結果である。
以下、図1を参照しながら本発明について説明する。
本発明の光ファイバ固定部材1は図1に示すように、光ファイバ100が挿通されるとともに、光ファイバ100の外周面を覆う包囲部10と、光ファイバ100が積載される積載部20を有する。なお、図1(a)は図1(b)を左側から見た際の径方向断面図、図1(c)は図1(b)を右側から見た際の径方向断面図である。
包囲部10は、光ファイバ100を挿通するための貫通孔13が形成されていれば、その外形は特に限定されないが、通常は種々の光コネクタを構成する部品で採用されている円筒形に形成すれば良い。
通常、貫通孔13は包囲部10の径方向断面における中心部に形成される。
積載部20は、光ファイバ100の外周面の半周以上を覆わないように形成され、半円状の溝や後述する平面状に形成すれば良い。
包囲部10は光ファイバ100の外周面を覆うことで、光ファイバ固定部材1上における光ファイバ100の径方向への移動を規制し、光ファイバ固定部材1の中心軸近辺に光ファイバ100を留めることができる。
積載部20では、包囲部10と比較して光ファイバ100の外周面が光ファイバ固定部材1によって覆われる量が小さいため、光ファイバ固定部材1に覆われることによって光ファイバ100に対する好ましくない影響が発生する場合、その影響を抑制することができる。
光ファイバ固定部材1による光ファイバ100への影響を小さくする観点では、積載部20は平面状に形成するのが好ましい。平面状の積載部20に積載された光ファイバ100は、積載部20に対して線接触に近い状態で接触することになるため、光ファイバ固定部材1と光ファイバ100の接触面積が小さくなり、光ファイバ固定部材1による光ファイバ100への影響の抑制に寄与する。
光ファイバ固定部材1に光ファイバ100を固定する際は、接着剤等の固定剤30を使用することがあるが、固定剤30を使用して光ファイバ100を固定する時は、積載部20上で固定するのが好ましい。
固定剤30を使用して光ファイバ100を固定する時は、十分な固定強度が得られるよう、固定剤30で光ファイバ100の外周面が覆われた状態になるように固定することが多い。
光ファイバ100の外周面が固定剤30に覆われた部分では、高温時に固定剤30の熱膨張によって光ファイバ100に対する応力が発生し、光伝送への悪影響や光ファイバ100の破損が発生する恐れがある。
光ファイバ100の外周面の半周以上を覆わないように構成された積載部20で光ファイバ100を固定することで、図2に示すように固定剤30が光ファイバ100の径方向外側に向かって熱膨張できる余地が生まれるため、光ファイバ100に対する応力が緩和され、光ファイバ100に発生する悪影響を抑制することができる。
一方、包囲部10においては、固定剤30が存在しない状態とするのが好ましい。包囲部10は光ファイバ100の外周面を全周に渡って覆うため、固定剤30が存在する場合は光ファイバ100の径方向外側に向かって固定剤30が熱膨張できる余地が少なく、光ファイバ100に対する応力が高まる傾向にある。
包囲部10に固定剤30が存在しないことで、光ファイバ100の外周面と包囲部10の内周面との間に遊びが発生し、光ファイバ100及び包囲部10の熱膨張によって発生する光ファイバ100に対する応力が緩和される。
加えて、図3に示すように包囲部10と積載部20の境界付近には凹部21を形成するのが好ましい。
固定剤30を介して光ファイバ100を積載部20に固定する際、毛細管現象によって光ファイバ100と積載部20の間の僅かな隙間に固定剤30が浸透し、包囲部10に固定剤30が浸入する可能性が存在する。
包囲部10と積載部20の境界付近に凹部21を形成することで、固定剤30が包囲部10に到達する前に凹部21へと逃がすことができ、包囲部10へ固定剤30が意図せず浸入してしまうことを抑制できる。
図3は凹部21を包囲部10の手前に設けた場合を示しているが、凹部21を設ける場所はこの位置に限定されず、包囲部10への固定剤30の浸入を抑制できる位置に形成すれば良い。凹部21の具体的な形状としては、光ファイバ固定部材1の長さ方向に対して直交する矩形状の溝や、積載部20に設けた丸穴などが挙げられる。
本発明の光ファイバ固定部材1は、光コネクタの一部品として光コネクタ内部で光ファイバ100を保持することを意図した部材であり、光コネクタの一部品として使用されることを想定した態様にするのが好ましい。
光コネクタの一部品として使用されることを想定した態様として、図3に示した包囲部10の外周面に他の部材を係合固定できる係合手段40が形成された態様が挙げられる。
光ファイバ固定部材1に係合固定される他の部材としては、光コネクタの外郭となるハウジング部材や、光ファイバケーブルを構成する際に光ファイバ100の保護管を固定するスリーブ部材などが挙げられる。
係合手段40としては、光ファイバ固定部材1と他の部材との間に空隙が形成されるように両者を係合固定できるものが好ましい。
本発明はレーザ光伝送用途など、光ファイバ100が高温となる環境で使用されることを想定したものであるが、そのような環境では光ファイバ固定部材1に係合固定された他の部材も高温となり、その熱が光ファイバ固定部材1、光ファイバ100へと伝わることが想定される。
光ファイバ100でレーザ光を伝送している際は、光ファイバ100、光ファイバ固定部材1が既に高温になっているため、周辺の部材からの伝熱は極力抑制するのが好ましい。特に、後述する実施例で使用されるフェルール固定部材230やハウジング部材250など、光ファイバ固定部材1よりも光ファイバ100の先端側に位置する部品は、クラッド露出部から漏れたレーザ光や光ファイバ100に結合されなかったレーザ光を吸収することになるため、特に高温になりやすい。これらの部材からの伝熱を抑制することで、高温に起因する光ファイバ固定部材1への影響を効果的に抑制できる。
係合手段40として光ファイバ固定部材1と他の部材との間に空隙が形成されるものを採用することで、空隙が断熱層となり、光ファイバ固定部材1に対する他の部材、特に光ファイバ固定部材1と光ファイバ100の先端部との間に存在する部材からの伝熱を抑制することができる。
具体的な係合手段40としては、螺合手段が挙げられる。螺合手段を使用する際は包囲部10の外周面に雄ネジ、他の部材に雌ネジを形成すれば良く、簡便に形成できるともに、螺合部において微小な空隙が複数形成されるため断熱機能にも優れる。
螺合手段は、本発明の光ファイバ固定部材1を使用した光コネクタを組み立てる際に、螺合の調整によって光コネクタ内における光ファイバ100の位置合わせが可能かつ、位置合わせ後に不意に位置がずれることも抑制できる点でも好ましい係合手段40である。
図3では係合手段40(螺合手段)を包囲部10の周囲のみに設けた場合を示しているが、係合手段40は光ファイバ固定部材1の全長に渡って設けても良い。
また、本発明の光ファイバ固定部材1は図4に示したように、包囲部10として積載部20の一端側に形成された第1包囲部11と、積載部20の他端側に形成された第2包囲部12とを有した態様としても良い。第1包囲部11と第2包囲部12の2箇所で光ファイバ100の外周面を覆うことで、光ファイバ固定部材1の中心軸近辺に光ファイバ100をより安定して留めることができる。
第1包囲部11と第2包囲部12を形成する際は、両者の内径を異なったものにしても良い。例えば、第1包囲部11の内径は光ファイバ100のクラッドの外径に相当する寸法、第2包囲部12の内径は光ファイバ100の保護被覆層の外径に相当する寸法に設定し、第1包囲部11で光ファイバ100のクラッド露出部を、第2包囲部12で保護被覆層の外周を覆った態様とすることができる。また、第1包囲部11、第2包囲部12ともに光ファイバ100の保護被覆層の外周を覆う場合においても、光ファイバ100の先端側を覆う包囲部は保護被覆層の外径に相当する寸法、光ファイバ100が他端側へと向かう側を覆う包囲部は保護被覆層の外径に対して十分な間隙を形成できる寸法とすることで、先端側では光ファイバ固定部材1の中心軸近辺に光ファイバ100を留めつつ、他端側では光ファイバ100が曲がった際に発生する負荷を間隙によって緩和させることが期待できる。
第1包囲部11と第2包囲部12を形成する際においても、それぞれの包囲部には固定剤30が存在しない状態とするのが好ましい。それぞれの包囲部へ固定剤30が浸入するのを防ぐために、第1包囲部11に対応する第1凹部211、第2包囲部12に対する第2凹部212を設けるのが好ましい。係合手段40を設ける際は、必要に応じて第1包囲部11と第2包囲部12の両方に設けても良いし、一方のみに設けても良い。
上述した通り、本発明の光ファイバ固定部材1は、光ファイバ100にレーザ光が入力され、光ファイバ100やその周辺が高温となる場合に好ましく利用でき、レーザ光伝送用の光ファイバケーブルの端部に設けられる光コネクタを構成する部品の1つとして好適に利用できる。
以下、本発明の実施例として、本発明の光ファイバ固定部材1を使用した光コネクタ200を作成する。
[実施例1]
実施例1として、本発明の光ファイバ固定部材1にコア径が105μm、クラッド径が125μm、保護被覆層の外径250μmの光ファイバ100を固定したものを用いて光コネクタ200を構成する。
光ファイバ固定部材1として、図4に示したものを作成した。具体的には長さ25mm、外径4mmのステンレス製の円柱状部材から、長さ方向中心部を長さ15mm、深さ2.1mmに渡って半円状に除去して積載部20となる平面部を形成し、両端に残った円柱状部分の径方向断面における中心部に貫通孔13を設け、第1包囲部11、第2包囲部12とした。
貫通孔13の内径は、第1包囲部11においては0.5mm、第2包囲部12においては1mmに設定した。
積載部20の両端(第1包囲部11、第2包囲部12の手前)に、直径2mm、最大深さ1mmのドリル穴を設け、第1凹部211、第2凹部212を形成した。
光ファイバ100の先端45mmに渡って保護被覆層を除去してクラッドを露出させ、光ファイバ固定部材1の第2包囲部12側から光ファイバ100のクラッド露出部を挿入し、クラッド露出部を第1包囲部11から突出させた。
クラッド露出部の基端部に位置する保護被覆層の先端部が第1包囲部11から僅かに突出した状態で、積載部20上に配置された光ファイバ100の保護被覆層に固定剤30としてエポキシ系耐熱接着剤を塗布し、加熱硬化させて光ファイバ100を光ファイバ固定部材1の積載部20に固定した。
固定剤30は、凹部211、212の間に位置する光ファイバ100の長さ約10mmの範囲に渡って塗布した。その際、固定剤30の一部は凹部211、212に到達し、その中に溜まったが、第1包囲部11、第2包囲部12まで浸入することは無かった。
次いで、光コネクタ200を構成するために光ファイバ固定部材1、及び光ファイバ100の周辺に設ける部材を準備する。
フェルール固定部材230の先端にフェルール220を圧入し、フェルール固定部材230の外周に光コネクタ200を所定のレセプタクルに固定するための固定ナット240を被せた。
ハウジング部材250に光ファイバ固定部材1を通し、ハウジング部材250の先端から第1包囲部11が突出した状態となるよう、ハウジング部材250の後端内周面に対し第2包囲部12を仮固定した。
フェルール220に光ファイバ100のクラッド露出部を挿入しつつ、フェルール固定部材230の後端部とハウジング部材250の先端部とを嵌合固定させる。嵌合固定の完了後、ハウジング部材250の後端内周面に対する第2包囲部12の仮固定を解除し、フェルール220の先端部から光ファイバ100の先端部を所定量突出させた後、再度仮固定を行い、図5の状態とする。
光ファイバ100の先端部を所定量突出させたら研磨治具を装着し、光ファイバ100の先端に光学研磨を施す。
光学研磨を終えたら研磨治具を取り外し、ハウジング部材250の後端内周面に対する第2包囲部12の仮固定を解除する。ハウジング部材250の後端内周面に第1包囲部11が位置するよう、光ファイバ固定部材1を後端側に向かって移動させた後、フェルール220の先端部と光ファイバ100の先端部とが面一になるように位置合わせを行う。
位置合わせを終えたら、ハウジング部材250の後端内周面と第1包囲部11との本固定を行う。本固定には固定剤30として使用したエポキシ系耐熱接着材を使用した。
次いで、ハウジング部材250の後端外周、及びフェルール固定部材230の後端から突出した光ファイバ固定部材1を覆うようにスリーブ部材260を被せ、スリーブ部材260の先端部をハウジング部材250の後端に固定する。
スリーブ部材260の後端に光ファイバ保護管270を挿入、固定し、図6に示した実施例1の光コネクタ200が完成した。
[実施例2]
実施例2として、実施例1の光ファイバ固定部材1において、第1包囲部11、第2包囲部12の外周面に係合手段40(螺合手段)としてM4の雄ネジを形成したものを用い、実施例1と同様に光コネクタ200を構成する。
実施例2の光コネクタ200の構成、組み立て方は実施例1と同等のものであるが、光ファイバ固定部材1に螺合手段を設けたことに伴い、以下の変更がある。
ハウジング部材250は、後端内周面に第1包囲部11及び第2包囲部12と螺合できるM4の雌ネジが形成されたものを使用する。これにより、光ファイバ固定部材1とハウジング部材250とを螺合固定させることができる。
光ファイバ固定部材1とハウジング部材250との螺合固定によって、両者が自然に仮固定された状態となるとともに、そのまま螺合状態を調整することで光ファイバ100の先端部の位置調整ができる。このため、仮固定の実施、解除を都度行う必要が無くなり、光コネクタ200の組立作業の工数削減に寄与する。
加えて、螺合状態の調整は微調整が容易に行えるため、光ファイバ100の先端部の突出量の調整作業、及びフェルール220の先端部と光ファイバ100の先端部とを面一にする位置合わせ作業を精度よく行うことができ、光コネクタ200の組立作業が容易になる。
[比較例]
比較例として、光ファイバ固定部材1の代わりに、内径0.5mm、外径4mm、長さ15mmのステンレス製パイプを、実施例に使用したものと同じ固定剤30によって光ファイバ100の保護被覆層に固定したものを用いたほかは、実施例1と同様に光コネクタを組み立てたものを準備した。
以上のように作成した実施例、比較例の光コネクタに対し、以下に述べる試験を行って性能を評価した。
[レーザ耐久試験]
光ファイバ100にレーザ光を入力し、光コネクタに発生する影響を確認した。
光ファイバ100の全長は5mとし、光ファイバ100の他端側(光コネクタが設けられていない側)は光学研磨のみを施した。
光ファイバ100の他端側をレーザ光源に接続し、光ファイバ100に200Wのレーザ光を入力する。
比較例1では、ステンレス製パイプを固定した部分で光ファイバ100の焼損が発生した。光ファイバ100が全周に渡って固定剤30とステンレス製パイプに覆われているため、レーザ光の伝送に伴う発熱によって各部材が熱膨張し、その応力が光ファイバ100に作用して光ファイバ100の歪みが大きくなり、光ファイバ100からの漏れ光が増えた結果、焼損に至ったと考えられる。
一方、実施例1、2では光ファイバ固定部材1を固定した部分で、光ファイバ100の焼損など、目立った悪影響は確認されなかった。固定剤30が設けられた積載部20では光ファイバ100の全周が覆われていないとともに、第1包囲部11、第2包囲部12には固定剤30が存在しないため、熱膨張による影響が抑制され、200Wのレーザ光伝送に対する耐久性が得られたと考えられる。
[加熱試験]
200Wのレーザ光伝送が行えることが確認できた実施例1、2の光コネクタ200を加熱し、光ファイバ固定部材1の温度変化を確認した。
固定剤30に温度測定用の熱電対を接続し、補償導線は光ファイバ保護管270を通じて光コネクタ200から十分離れた場所へ逃がした。
光コネクタ200の側面に工業用ドライヤーを使用して200℃の熱風を当て、時間経過に伴う固定剤30の温度変化を確認した。結果を図7に示す。
実施例1の光コネクタ200では、実験開始から1分後に約85℃、2分後に約105℃に到達した。レーザ光伝送を意図した光ファイバ100に設ける光コネクタ200としては許容できる温度だが、急な温度上昇に伴う光ファイバ100への影響は発生すると考えられる。
一方、実施例2の光コネクタ200では、実験開始から1分後に約40℃、2分後に約55℃への到達に留まり、実施例1と比較して温度上昇速度は緩やかになった。このため温度上昇に伴う光ファイバ100への影響は緩和され、光コネクタ200が発熱するレーザ用途で特に好ましく利用できる態様と評価できる。
本発明の光ファイバ固定部材は、レーザ切削機やレーザ溶接機など、レーザ光を用いた加工機や装置におけるレーザ光伝送用途として好適に用いられるものであるが、用途はこれらに限定されるものでは無く、レーザ光以外の高エネルギーを伝送する光ファイバケーブルや、高温環境下で用いられる光ファイバケーブルにも好適に利用できる。
1 光ファイバ固定部材
10 包囲部
11 第1包囲部
12 第2包囲部
13 貫通孔
20 積載部
21 凹部
211 第1凹部
212 第2凹部
30 固定剤
40 係合手段
100 光ファイバ
200 光コネクタ
220 フェルール
230 フェルール固定部材
240 固定ナット
250 ハウジング部材
260 スリーブ部材
270 光ファイバ保護管

Claims (12)

  1. 光ファイバの固定に使用される光ファイバ固定部材であって、該光ファイバ固定部材は、該光ファイバが挿通されるとともに、該光ファイバの外周面を覆う包囲部と、該光ファイバの外周面の半周以上を覆わないよう該光ファイバが積載される積載部を有することを特徴とする、光ファイバ固定部材。
  2. 該積載部は平面状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ固定部材。
  3. 該光ファイバの固定は、該積載部上で固定剤を使用して行われていることを特徴とする、請求項1または2に記載の光ファイバ固定部材。
  4. 該包囲部には、該固定剤が存在しないことを特徴とする、請求項3に記載の光ファイバ固定部材。
  5. 該包囲部と該積載部の境界付近に凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材。
  6. 該包囲部の外周面に、該光ファイバ固定部材と他の部材とを係合固定できる係合手段が形成されていることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材。
  7. 該係合手段は、該光ファイバ固定部材と該他の部材との間に空隙が形成されるよう、該光ファイバ固定部材と該他の部材とを係合固定できることを特徴とする、請求項6の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材。
  8. 該係合手段は螺合手段であることを特徴とする、請求項6または7に記載の光ファイバ固定部材。
  9. 該包囲部として、該積載部の一端側に形成された第1包囲部と、該積載部の他端側に形成された第2包囲部を有することを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材。
  10. 該第1包囲部の内径と、該第2包囲部の内径が異なることを特徴とする、請求項9に記載の光ファイバ固定部材。
  11. 該光ファイバにはレーザ光が入力されることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材。
  12. 請求項1~11の何れか一項に記載の光ファイバ固定部材を使用して形成された光コネクタ。
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