JP2023082266A - 子守帯 - Google Patents
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Abstract
【課題】快適性に優れ、乳幼児の成長に応じて乳幼児の臀部の高さ位置を調節することができる子守帯を提供すること。【解決手段】子守帯(1)は、一対のループ状肩ベルト(2)と、親側装着部(4)と、乳幼児側保持部(5)と、親側装着部と乳幼児側保持部との間に掛け渡されて、臀部支持部(51)よりも高い位置で乳幼児の臀部を支える臀部高さ調節部材(7)とを備える。臀部高さ調節部材(7)の一端には、係合部(73)が設けられる。乳幼児側保持部には、縫着部(74)と、係合部(73)が着脱可能に連結する第1被係合部(53)とが設けられており、親側装着部(4)には、第2被係合部(43)と、第3被係合部(45)とが設けられている。臀部高さ調節部材(7)の係合部(73)は、第1被係合部(53)、第2被係合部(43)、および第3被係合部(45)のいずれか1つに選択的に着脱可能に連結する。【選択図】図6
Description
この発明は、子守帯に関し、特に縦抱きに使用可能な子守帯に関する。
従来から、乳幼児の身体を略垂直に立たせた縦抱き状態で使用可能な子守帯において、乳幼児の臀部の高さ位置を乳幼児の成長に合わせて調節することが知られている。
たとえば、特許第6491200号公報(特許文献1)および特許第6530576号公報(特許文献2)には、親と乳幼児の間に設けられるシートと、乳幼児の臀部を支持するシートにそれぞれ設けられたファスナにより臀部支持部が形成され、ファスナを連結すると臀部の高さ位置が高くなり、ファスナを分離すると臀部の高さ位置が低くなることが開示されている。
特許文献1,2に開示されている子守帯では、乳幼児の臀部がファスナの真上に当接するため、乳幼児が不快に感じるおそれがある。さらに、ファスナを連結した状態では、乳幼児の臀部が乗る部分のスペースを十分に確保できないため、乳幼児が窮屈に感じるおそれがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、快適性に優れ、乳幼児の成長に応じて乳幼児の臀部の高さ位置を調節することができる子守帯を提供することである。
この目的のため本発明の一態様に係る子守帯は、乳幼児を担ぐ者の肩に掛けられる一対のループ状肩ベルトと、一対のループ状肩ベルトのうち少なくとも一方の肩ベルトに連結され、乳幼児と乳幼児を担ぐ者との間に配置される親側装着部と、親側装着部と対向して設けられ、その一端が親側装着部に連結されて、乳幼児の臀部を臀部支持部によって下から持ち上げるように支持する乳幼児側保持部と、親側装着部と乳幼児側保持部との間に掛け渡されて、臀部支持部よりも高い位置で乳幼児の臀部を支える臀部高さ調節部材とを備え、臀部高さ調節部材の一端には、係合部が設けられ、親側装着部および乳幼児側保持部のいずれか一方には、臀部高さ調節部材の他端が縫い付けられる縫着部と、臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第1被係合部とが設けられており、親側装着部および乳幼児側保持部のいずれか他方には、臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第2被係合部と、第2被係合部よりも下方位置に設けられ、臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第3被係合部とが設けられており、臀部高さ調節部材の係合部は、第1被係合部、第2被係合部、および第3被係合部のいずれか1つに選択的に着脱可能に連結する。
好ましくは、臀部高さ調節部材の縫着部は、乳幼児側保持部に設けられ、第1被係合部は、乳幼児側保持部に設けられ、第2被係合部および第3被係合部は、親側装着部に設けられている。
好ましくは、乳幼児側保持部の臀部支持部の横幅寸法は、臀部高さ調節部材の横幅寸法よりも小さい。
好ましくは、第1被係合部は、縫着部よりも上方位置に設けられる。
好ましくは、係合部、第1被係合部、第2被係合部、および第3被係合部は、幅方向線状に延びている。
好ましくは、第1被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第1覆い部と、第2被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第2覆い部と、第3被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第3覆い部とをさらに備える。
好ましくは、親側装着部は、乳幼児を担ぐ者の腰に装着される腰ベルトを含み、腰ベルトは、乳幼児側保持部の一端に連結されている。
本発明によれば、快適性に優れ、乳幼児の成長に応じて乳幼児の臀部の高さ位置を調節することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(子守帯の概要について)
図1~図5を参照して、本発明の実施の形態に係る子守帯1について詳細に説明する。
図1~図5を参照して、本発明の実施の形態に係る子守帯1について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「縦抱き」とは、乳幼児の身体を略垂直に立たせた状態を意味し、乳幼児の頭を上にして乳幼児の足を下にして保持する状態である。縦抱きは、おんぶおよび抱っこのいずれであってもよい。また、「対面抱っこ」は、乳幼児を担ぐ者の顔と乳幼児の顔が対面する状態である。「前向き抱っこ」は、乳幼児の顔が前方を向いた状態であり、乳幼児を担ぐ者の顔と乳幼児の顔が同じ方向(前方)を向いた状態である。乳幼児を担ぐ者は、子守帯の着用者であり、たとえば親などである。以下の説明では、乳幼児を担ぐ者を単に親として説明する。また、左右方向および上下方向は、それぞれ、図1~図3の紙面上の左右方向および上下方向を基準とする。前面は、子守帯の装着時に外方に位置する面を意味し、後面は、子守帯の装着時に前面側とは反対側に位置する面であり、親側に位置する面を意味する。
子守帯1は、概略として、親の肩に掛けられる一対のループ状の右肩ベルト2および左肩ベルト3と、一対のループ状の右肩ベルト2および左肩ベルト3に連結され、乳幼児と親との間に配置される親側装着部4と、親側装着部4と対向して設けられ、その一端が親側装着部4に連結される乳幼児側保持部5とを備える。
まず、右肩ベルト2および左肩ベルト3について説明する。右肩ベルト2は、上方に位置し、親の肩に掛けられる第1ベルト21と、第1ベルト21の下端部に長さ調整可能に連結されている第2ベルト22とから構成されている。第1ベルト21の上端は、親側装着部4の右上端に縫い付けられている。第2ベルト22の下端は、親側装着部4の右側端に縫い付けられている。これにより、右肩ベルト2は、ループ状に設けられる。なお、第2ベルト22は、親側装着部4に縫い付けられずに腰ベルト6などの他の箇所に縫い付けられてループ状に設けられてもよい。
第1ベルト21は、親の左肩に掛け渡されるため適度な弾性を有する材料によって構成されている。また、第2ベルト22の長さを調整することによって、右肩ベルト2の長さを親の体型に適合させることができる。
図2に示すように、右肩ベルト2の上方部分には、第1オスバックル23が取り付けられている。第1オスバックル23は、乳幼児側保持部5の下方に取り付けられた第1メスバックル54と着脱可能に連結する。第1オスバックル23の表面には、前方に突出する突起が設けられ、第1オスバックル23の表面と第1メスバックル54の裏面とを重ね合わせることにより連結する。第1メスバックル54については、後述する。
右肩ベルト2と同様に、左肩ベルト3は、上方に位置し親の肩に掛けられる第1ベルト31と、第1ベルト31の下端部に長さ調整可能に連結されている第2ベルト32とから構成されている。左肩ベルト3の上端は、親側装着部4の左上端に縫い付けられている。第2ベルト32の下端は、親側装着部4の左側端に縫い付けられている。これにより、左肩ベルト3は、ループ状に設けられる。なお、第2ベルト32は、親側装着部4に縫い付けられずに腰ベルト6などの他の箇所に縫い付けられてループ状に設けられてもよい。
第1ベルト31は、親の左肩に掛け渡されるため適度な弾性を有する材料によって構成されている。また、第2ベルト32の長さを調整することによって、左肩ベルト3の長さを親の体型に適合させることができる。
図2に示すように、左肩ベルト3の上方部分には、第1オスバックル33が取り付けられている。第1オスバックル33は、乳幼児側保持部5の下方に取り付けられた第1メスバックル55と着脱可能に連結する。第1オスバックル33の表面には、前方に突出する突起が設けられ、第1オスバックル33の表面と第1メスバックル55の裏面とを重ね合わせることにより連結する。第1メスバックル55については、後述する。
一対の肩ベルト2,3の途中位置には、ブリッジベルト27が設けられる。ブリッジベルト27により、右肩ベルト2と左肩ベルト3との間の距離を適宜に保持することができ、親の肩から肩ベルト2,3が滑り落ちることを防止することができる。
次に、親側装着部4について説明する。親側装着部4は、装着時において、親と乳幼児との間に配置される部材である。親側装着部4は、本体部41と、本体部41に取り付けられる第2被係合部43と、第2被係合部43よりも下方位置に設けられる第3被係合部45とを含む。本体部41は、たとえば正面視略矩形形状であり、通気性を有する素材、たとえばメッシュ布地などで形成されている。第2被係合部43は、たとえば本体部41の上下方向中央よりも高い位置、好ましくは上下方向中央部に取り付けられることが好ましい。また、第3被係合部45は、本体部41の下端部、具体的には後述する腰ベルト6との境界近傍に設けられることが好ましい。
第2被係合部43および第3被係合部45は、幅方向線状に延びる部材であり、たとえばファスナであることが好ましい。第2被係合部43および第3被係合部45は、後述する臀部高さ調節部材7の係合部73と着脱自在に連結する。臀部高さ調節部材7については、後述する。
第2被係合部43上には、第2被係合部43全体が乳幼児側に露出しないように覆う第2覆い部42が設けられる。また、第3被係合部45上には、第3被係合部45全体が乳幼児側に露出しないように覆う第3覆い部44が設けられる。第2覆い部42および第3覆い部44は、幅方向線状に延びている。第2覆い部42および第3覆い部44は、本体部41が折り返されることにより形成されてもよいし、本体部41とは別の布地が縫い付けられてもよい。第2覆い部42により、第2被係合部43および第3被係合部45が乳幼児の体に直接当たることを防止することができる。なお、第2被係合部43および第3被係合部45は、本体部41ではなく、第2覆い部42および第3覆い部44の裏面に設けられていてもよい。
本体部41の右端には、第2帯体26が縫い付けられ、第2帯体26の先端部には第2メスバックル25が取り付けられている。第2メスバックル25は、乳幼児側保持部5に取り付けられた第2オスバックル56(図3)と着脱可能に連結する。第2メスバックル25の裏面には、凹部が設けられ、第2メスバックル25の裏面と第2オスバックル56の表面とを重ね合わせることにより連結する。第2オスバックル56については、後述する。第2帯体26が取り付けられる箇所は、右肩ベルト2の第2ベルト22の取付箇所とは異なっており、第2ベルト22の取付箇所よりも上方であることが好ましい。
第2メスバックル25および第2帯体26と同様に、親側装着部4の本体部41の左端には、第2帯体36が縫い付けられ、第2帯体36の先端部には第2メスバックル35が設けられる。第2メスバックル35は、乳幼児側保持部5の上方に取り付けられた第2オスバックル57(図3)に着脱可能に連結する。第2メスバックル35の裏面には、凹部が設けられ、第2メスバックル35の裏面と第2オスバックル57の表面と重ね合わせることにより連結する。第2オスバックル57については、後述する。第2帯体36が取り付けられる箇所は、第2帯体26の高さ位置と同じであり、右肩ベルト2の第2ベルト22の取付箇所とは異なっており、第2ベルト22の取付箇所よりも上方であることが好ましい。
親側装着部4は、その下端部に親の腰に装着される腰ベルト6を含む。腰ベルト6は、乳幼児側保持部5の本体部50の下端部に縫い付けられて連結されている。腰ベルト6は、左右方向に延在し、親の腰に巻かれる腰当て部61と、腰当て部61の両端にそれぞれ設けられた63第3メスバックル62および第3オスバックルとを有する。腰ベルト6を親の腰に巻き付けることで、乳幼児を安定して保持することができる。
次に、乳幼児側保持部5について説明する。乳幼児側保持部5の説明は、図2~図5の紙面上の上下方向を基準に説明する。乳幼児側保持部5は、装着時において、乳幼児を下から持ち上げるように覆う部材である。乳幼児側保持部5は、本体部50と、本体部50の下端に取り付けられる第1被係合部53とを含む。第1被係合部53は、後述するヘッドレスト50aの近傍に設けられることが好ましい。
本体部50の外形寸法は、親側装着部4の本体部41よりも大きいことが好ましい。本体部50は、たとえば正面視略矩形形状であり、通気性を有する素材、たとえばメッシュ布地などで形成される。本体部50の下方には、乳幼児の頭部を保護するヘッドレスト50aが設けられていてもよい。本体部50の上方は、親側装着部4の下端縁、すなわち腰ベルト6の上端縁に縫い付けられている。これにより、乳幼児側保持部5の本体部50と腰ベルト6が連結される箇所近傍には、乳幼児の臀部を下から持ち上げるように支持する臀部支持部51が形成される。
また、異なる使用例、たとえば前向き縦抱き状態では、臀部支持部51の両側端は、乳幼児の足が出る部分であり、臀部支持部51は股当て部としても機能する。そのため、股幅調節可能なように、臀部支持部51の両側端には、折り畳み可能な股当て部が設けられてもよい。臀部支持部51は、腰ベルト6と連結する部分に向かって細くなる先細りの形状であり、臀部支持部51の横幅寸法はL1である。臀部支持部51の下方位置(使用状態では上方位置)には、臀部高さ調節部材7の他端が縫い付けられる縫着部74が設けられる。臀部高さ調節部材7については、後述する。
第1被係合部53は、幅方向線状に延びる部材であり、たとえばファスナであることが好ましい。第1被係合部53は、後述する臀部高さ調節部材7の係合部73と着脱可能に連結する。第1被係合部53上には、第1被係合部53の全体が乳幼児側に露出しないように覆う第1覆い部52が設けられる。第1覆い部52は、本体部50が折り返されてもよいし、本体部50とは別の布地が縫い付けられてもよい。第1覆い部52により、第1被係合部53が乳幼児の体に直接当たることを防止することができる。なお、第1被係合部53は、本体部50ではなく、第1覆い部52の裏面に設けられていてもよい。これにより、メッシュで形成された本体部50の通気性を妨げないようにすることができる。
図2を特に参照して、本体部50の右下方には、第1メスバックル54が取り付けられている。第1メスバックル54は、右肩ベルト2の上方に取り付けられた第1オスバックル23と着脱可能に連結する。同様に、本体部50の左下方には、第1メスバックル55が取り付けられている。第1メスバックル55は、左肩ベルト3の上方に取り付けられた第1オスバックル33と着脱可能に連結する。
図3を特に参照して、本体部50の前面側の中央部には、第2オスバックル56,57が取り付けられている。第2オスバックル56は、親側装着部4の右側端に取り付けられた第2メスバックル25と着脱可能に連結し、第2オスバックル57は、親側装着部4の左側端に取り付けられた第2オスバックル57と着脱可能に連結する。これらのバックルを連結することで、乳幼児を収容する乳幼児収容部が形成される。
(臀部高さ調節部材について)
次に、図2,図4~図8を参照して、臀部高さ調節部材7について説明する。
次に、図2,図4~図8を参照して、臀部高さ調節部材7について説明する。
臀部高さ調節部材7は、親側装着部4と乳幼児側保持部5との間に掛け渡されて、臀部支持部51よりも高い位置で乳幼児の臀部を支える部材である。臀部高さ調節部材7の一端は、乳幼児側保持部5に縫い付けられ、他端は、親側装着部4および乳幼児側保持部5に対して着脱可能に設けられている。臀部高さ調節部材7は、図10に示す対面抱きをする際に使用される。
臀部高さ調節部材7は、たとえば平面視矩形形状であり、上下方向長さの略中央部においてくびれた形状である。臀部高さ調節部材7は、通気性のよいメッシュ生地で形成されることが好ましい。特に図2に示すように、臀部高さ調節部材7のくびれた部分の横幅寸法はL2であり、上述した乳幼児側保持部5の臀部支持部51の横幅寸法L1よりも大きい。臀部高さ調節部材7の一端には係合部73が設けられ、その他端には乳幼児側保持部5に縫い付けられる縫着部74が設けられる。図2,図4,図5において縫着部74を太線で示している。
係合部73は、幅方向線状に延びる部材であり、たとえばファスナであることが好ましい。係合部73は、上述した第1被係合部53、第2被係合部43、および第3被係合部45のいずれか1つに選択的に着脱可能に連結する。係合部73が第1被係合部53と係合した状態は、図2および図8に示されている。係合部73が第2被係合部43と係合した状態は、図4および図6に示されている。係合部73が第3被係合部45と係合した状態は、図5および図7に示されている。係合部73と第2被係合部43が係合した状態(図4,図6)が臀部の高さが最も高く、次に、係合部73と第3被係合部45が係合した状態(図5,図7)であり、係合部73と第1被係合部53が係合した状態(図2,図8)が臀部の高さが最も低い。
縫着部74は、臀部高さ調節部材7の他端に沿って幅方向線状に延びていてもよいし、部分的に縫い付けられていてもよい。縫着部74は、たとえば本体部50の上下方向中央よりも高い位置、好ましくは上下方向中央部(たとえば、乳幼児を載せた場合に乳幼児の背中に当たる部分)に設けられることが好ましい。
(月齢に応じた使用例について)
図9~図12を参照して、月齢に応じた使用例について説明する。
図9~図12を参照して、月齢に応じた使用例について説明する。
図9(A)には、首すわり頃までの使用例が示されている。首すわり頃までは、親側装着部4と乳幼児側保持部5との間に臀部高さ調節部材7を掛け渡す。なお、首すわりとは、首が安定した状態になり、自分の意志で頭を安定して動かせるようになることであり、個人差があるが、たとえば生後2ヶ月~4ヶ月頃をいう。
具体的には、首すわり頃までは、図6に示すように、臀部高さ調節部材7の係合部73と親側装着部4の第2被係合部43とを連結して、臀部高さ調節部材7を親側装着部4と乳幼児側保持部5との間に掛け渡す。これにより、乳幼児の臀部が臀部支持部51よりも上方に位置する臀部高さ調節部材7で保持されるため、乳幼児の臀部を高い位置で保持することができる。
図9(B)および図10には、首すわり頃から生後36ヶ月頃までの使用例が示されている。首すわり頃から生後36か月頃までは、図7に示すように、臀部高さ調節部材7の係合部73を、親側装着部4の第2被係合部43よりも下方位置に設けられる第3被係合部45に連結する。これにより、乳幼児の臀部の高さを図6に示した状態よりも低い位置で保持することができる。さらに、臀部高さ調節部材7の横幅寸法L2は、臀部支持部51の横幅寸法L1よりも大きく設定されているため(図2)、臀部高さ調節部材7で乳幼児の臀部を包み込んで保持することができる。
図9(C)および図11には、首すわり頃から生後24ヶ月頃までの使用例が示されている。首すわり頃以降では、上述した対面抱っこと併用して、前向き抱っこをすることができる。首すわり頃から生後36か月頃までは、臀部高さ調節部材7を使用せず、親側装着部4および乳幼児側保持部5の下端に形成される臀部支持部51で保持させる。
図8に示すように、乳幼児側保持部5の第1被係合部53と臀部高さ調節部材7の係合部73を連結して、臀部高さ調節部材7を乳幼児側保持部5側に沿うように位置させる。前向き抱っこでは、乳幼児の足が前方に向かって出てくるため、乳幼児の股部を狭くする必要がある。乳幼児側保持部5の臀部支持部51の横幅寸法L1は、臀部高さ調節部材7の横幅寸法L2よりも小さい(図2)。そのため、乳幼児の股部を乳幼児側保持部5で支持することで、股幅を狭くすることができる。
このように、前向き抱っこにおいても、臀部高さ調節部材7を用いる場合よりも、低い位置で乳幼児の臀部を保持することができる。さらに、前向き抱っこをすると、乳幼児の足が前方に向かって出てくるため、股幅を狭くする必要があるが、乳幼児の股関節の幅に合わせた形状にすることができる。
図12には、生後7か月頃から24ヶ月頃までの使用例が示されている。この期間においては、上述した対面抱っこおよび前向き抱っこと併用して、おんぶをすることができる。おんぶは、親の背面に乳幼児が位置するだけで、乳幼児の保持状態は、図9(B)に示す状態と同様である。
本実施の形態の子守帯1は、乳幼児側保持部5の他端が乳幼児側保持部5に縫い付けられ、その一端の係合部73が第1被係合部53、第2被係合部43、および第3被係合部45のいずれか1つに選択的に着脱可能に連結するため、乳幼児の成長に合わせて、乳幼児の頭を適正な位置で保持できる。さらに、臀部高さ調節部材7で乳幼児の臀部を保持するため、乳幼児の臀部に沿うように奥行きスペース(乳幼児の下腹部から臀部までの奥行き)を確保することができる。このように、臀部高さ調節部材7を用いることで、乳幼児の月齢が小さい場合であっても、乳幼児を安定して保持することができ、乳幼児にとっても快適である。
さらに、本実施の形態の子守帯1は、乳幼児側保持部5の臀部支持部51の横幅寸法L1が臀部支持部51の横幅寸法L2よりも大きく設定されているため、臀部高さ調節部材7を使用することで、乳幼児の臀部の高さを高くするとともに、股幅を広くすることができる。つまり、臀部高さ調節部材7の1つの部材で、臀部の高さと股幅の調節の2つの役割を果たすことができる。また、臀部高さ調節部材7を使用しないことで、乳幼児の臀部の高さを低くすることができるとともに、股幅を狭くすることができる。このように、本実施の形態の子守帯1は、臀部の高さと股幅の調節を一度に行うことができる。
(臀部高さ調節部材の変形例について)
上記実施の形態の臀部高さ調節部材7は、平面視略矩形形状であるとして説明したが、図13に示すような形状であってもよい。図13は、臀部高さ調節部材7Aの外観図である。図13を参照して、臀部高さ調節部材7について説明する。
上記実施の形態の臀部高さ調節部材7は、平面視略矩形形状であるとして説明したが、図13に示すような形状であってもよい。図13は、臀部高さ調節部材7Aの外観図である。図13を参照して、臀部高さ調節部材7について説明する。
臀部高さ調節部材7Aの本体部71Aは、乳幼児の下腹部を支持する前当て部75Aと、前当て部75Aから連なり、乳幼児の臀部を背後から支持する尻当て部76Aとを含む。
前当て部75Aは、上下方向長さの略中央部においてくびれた形状である。具体的には、尻当て部76A側に向かうにつれて横幅寸法L3が小さくなり、略中央部から尻当て部76Aにかけて横幅寸法が大きくなる形状である。前当て部75Aの両側端は、乳幼児の足が出る部分であり、股当て部としても機能する。そのため、前当て部75Aの横幅寸法L3は、前当て部75Aの両側端が股当て部として機能することを考慮して、臀部高さ調節部材7Aのうちで最も横幅寸法が小さくなるように設計されている。前当て部75Aの上端には、係合部73が設けられる。
尻当て部76Aは、乳幼児の臀部を支持することを考慮して、横幅寸法L4が最も大きくなるように設計されている。具体的には、尻当て部76Aは、第1領域77Aと、第1領域77Aから他端まで延びる第2領域78Aとを有する。装着時において、第1領域77Aには乳幼児の臀部が当接し、第2領域78Aには乳幼児の背中が当接する。
前当て部75Aおよび尻当て部76Aの第1領域77Aは、その内部を連続的に延びるパッドが設けられる。尻当て部76Aの第2領域78Aは、パッドを有さずに通気性を有する。具体的には、第2領域78Aは、たとえばメッシュ生地で構成される。このように、特に乳幼児に密着する部分(下腹部、股部、臀部)にクッション性を持たせ、乳幼児に密着せずに当接する部分(背中)に通気性を持たせることで、乳幼児が快適に着座することができる。尻当て部76Aの下端は、乳幼児側保持部5に縫い付けられる縫着部74が設けられる。
(変形例について)
なお、本実施の形態の臀部高さ調節部材7は、乳幼児側保持部5に縫い付けられ、親側装着部4に対して着脱可能に設けられたが、親側装着部4に縫い付けられ、乳幼児側保持部5に対して着脱可能に設けられてもよい。その場合、親側装着部4に第1被係合部53が設けられて、乳幼児側保持部5に第2被係合部43および第3被係合部45が設けられればよい。
なお、本実施の形態の臀部高さ調節部材7は、乳幼児側保持部5に縫い付けられ、親側装着部4に対して着脱可能に設けられたが、親側装着部4に縫い付けられ、乳幼児側保持部5に対して着脱可能に設けられてもよい。その場合、親側装着部4に第1被係合部53が設けられて、乳幼児側保持部5に第2被係合部43および第3被係合部45が設けられればよい。
また、本実施の形態では、係合部および被係合部はファスナであるとしたが、たとえば、ボタン、面ファスナ、ホックなどのように、着脱可能に臀部高さ調節部材7を親側装着部4または乳幼児側保持部5に取り付けるものであればよい。
本実施の形態では、一対の肩ベルト2,3は、親側装着部4に連結されていたが、一方の肩ベルトが親側装着部4に装着され、他方の肩ベルトが乳幼児側保持部5に連結されていてもよい。
また、本実施の形態では、腰ベルト6は、乳幼児側保持部5の本体部50の下端部に連結されていたが、腰ベルト6は設けられていなくてもよい。たとえば、ベストタイプの子守帯であり、親側装着部4と乳幼児側保持部5だけが設けられていてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 子守帯、2,3 ループ状肩ベルト、4 親側装着部、5 乳幼児側保持部、6 腰ベルト、7,7A 臀部高さ調節部材、42 第2覆い部、43 第2被係合部、44 第3覆い部、45 第3被係合部、52 第1覆い部、53 第1被係合部、73 係合部、74 縫着部。
Claims (7)
- 乳幼児を担ぐ者の肩に掛けられる一対のループ状肩ベルトと、
前記一対のループ状肩ベルトのうち少なくとも一方の肩ベルトに連結され、乳幼児と乳幼児を担ぐ者との間に配置される親側装着部と、
前記親側装着部と対向して設けられ、その一端が前記親側装着部に連結されて、乳幼児の臀部を臀部支持部によって下から持ち上げるように支持する乳幼児側保持部と、
前記親側装着部と前記乳幼児側保持部との間に掛け渡されて、前記臀部支持部よりも高い位置で乳幼児の臀部を支える臀部高さ調節部材とを備え、
前記臀部高さ調節部材の一端には、係合部が設けられ、
前記親側装着部および前記乳幼児側保持部のいずれか一方には、前記臀部高さ調節部材の他端が縫い付けられる縫着部と、前記臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第1被係合部とが設けられており、
前記親側装着部および前記乳幼児側保持部のいずれか他方には、前記臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第2被係合部と、前記第2被係合部よりも下方位置に設けられ、前記臀部高さ調節部材の係合部が着脱可能に連結する第3被係合部とが設けられており、
前記臀部高さ調節部材の係合部は、前記第1被係合部、前記第2被係合部、および前記第3被係合部のいずれか1つに選択的に着脱可能に連結する、子守帯。 - 前記臀部高さ調節部材の縫着部は、前記乳幼児側保持部に設けられ、前記第1被係合部は、前記乳幼児側保持部に設けられ、
前記第2被係合部および前記第3被係合部は、前記親側装着部に設けられている、請求項1に記載の子守帯。 - 前記乳幼児側保持部の臀部支持部の横幅寸法は、前記臀部高さ調節部材の横幅寸法よりも小さい、請求項2に記載の子守帯。
- 前記第1被係合部は、前記縫着部よりも上方位置に設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の子守帯。
- 前記係合部、前記第1被係合部、前記第2被係合部、および前記第3被係合部は、幅方向線状に延びている、請求項1~4のいずれかに記載の子守帯。
- 前記第1被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第1覆い部と、
前記第2被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第2覆い部と、
前記第3被係合部が乳幼児側に露出しないように覆う第3覆い部とをさらに備える、請求項5に記載の子守帯。 - 前記親側装着部は、乳幼児を担ぐ者の腰に装着される腰ベルトを含み、
前記腰ベルトは、前記乳幼児側保持部の一端に連結されている、請求項1~6のいずれかに記載の子守帯。
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- 2021-12-02 JP JP2021195908A patent/JP2023082266A/ja active Pending
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